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JP2012178089A - 下部電極基板用樹脂板、下部電極板およびタッチパネル - Google Patents

下部電極基板用樹脂板、下部電極板およびタッチパネル Download PDF

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JP2012178089A
JP2012178089A JP2011041176A JP2011041176A JP2012178089A JP 2012178089 A JP2012178089 A JP 2012178089A JP 2011041176 A JP2011041176 A JP 2011041176A JP 2011041176 A JP2011041176 A JP 2011041176A JP 2012178089 A JP2012178089 A JP 2012178089A
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Tomohiro Maekawa
智博 前川
Satoshi Akaishi
聡 赤石
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

【課題】軽量で割れ難く、かつ紫外線照射しても黄色く変色し難い下部電極基板用樹脂板、下部電極板およびタッチパネルを提供することである。
【解決手段】タッチパネルの下部電極基板に使用される樹脂板であって、ポリカーボネート系樹脂と紫外線吸収剤とを含有するポリカーボネート樹脂組成物からなる層を備える下部電極基板用樹脂板である。層(A)と、この層(A)の両面に積層されている層(B)と、を備え、前記層(A)が、アクリル樹脂またはメタクリル酸メチル−スチレン共重合体樹脂からなり、前記層(B)が、前記ポリカーボネート樹脂組成物からなる層であるのが好ましい。また、この下部電極基板用樹脂板の一方の面に透明電極膜が形成されてなる下部電極板、およびこれを用いたタッチパネルを提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、タッチパネルの下部電極基板に使用される樹脂板、およびこれを用いて形成される下部電極板およびタッチパネルに関する。
従来から抵抗膜方式のタッチパネルが知られている。抵抗膜方式タッチパネルは、基板の一方の面に透明電極膜が形成されてなる下部電極板と上部電極板とが、互いの透明電極膜同士が向かい合うように、両電極板間にスペーサーを介在させて対向配置して構成されており、例えば液晶ディスプレイに設置され、液晶ディスプレイへの情報入力装置として使用されている。液晶ディスプレイにタッチパネルを設置する場合には、まず液晶パネル上にタッチパネルを載置し、このタッチパネル上にさらに1/4波長板、偏光板、およびディスプレイ保護板をこの順に載置するのが一般的である。
特許文献1には、抵抗膜方式タッチパネルを構成する2枚の電極板のうち、液晶パネルに接触する電極板である下部電極板の基板(すなわち、下部電極基板)をガラス板で構成し、1/4波長板に接触する他方の電極板である上部電極板の基板(すなわち、上部電極基板)をポリエチレンテレフタレート樹脂板で構成したタッチパネルが記載されている。
しかしながら、特許文献1に記載されているタッチパネルは、下部電極基板をガラス板で構成しているので、下部電極基板が重く、また割れ易いという問題がある。
特許文献2には、アクリル系樹脂板を下部電極基板とする下部電極板に、所定パターンで光硬化型アクリル系樹脂を塗布し、次いで紫外線照射して該樹脂を硬化させ、これによりスペーサーを所定の配列に形成し、さらに、該スペーサーを介して上部電極板を配置し、タッチパネルを構成することが記載されている。
しかしながら、特許文献2に記載されているように下部電極基板をアクリル系樹脂板で構成すると、スペーサーを形成する際の紫外線照射によって、下部電極基板が黄色く変色(以下、「黄変」と言うことがある。)するという問題がある。
特開2006−277769号公報 特開2006−306951号公報
本発明の課題は、軽量で割れ難く、かつ紫外線照射しても黄色く変色し難い下部電極基板用樹脂板、下部電極板およびタッチパネルを提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下の発明に係るものである。
(1)タッチパネルの下部電極基板に使用される樹脂板であって、ポリカーボネート系樹脂と紫外線吸収剤とを含有するポリカーボネート樹脂組成物からなる層を備えることを特徴とする下部電極基板用樹脂板。
(2)層(A)と、この層(A)の両面に積層されている層(B)と、を備え、前記層(A)が、アクリル樹脂またはメタクリル酸メチル−スチレン共重合体樹脂からなり、前記層(B)が、前記ポリカーボネート樹脂組成物からなる層である前記(1)に記載の下部電極基板用樹脂板。
(3)前記紫外線吸収剤の含有量が、ポリカーボネート系樹脂100重量部に対して0.1〜1.5重量部である前記(1)または(2)に記載の下部電極基板用樹脂板。
(4)前記メタクリル酸メチル−スチレン共重合体樹脂が、単量体単位としてメタクリル酸メチルを30〜90重量%およびスチレン系単量体を10〜70重量%の割合で含む前記(2)または(3)に記載の下部電極基板用樹脂板。
(5)前記層(B)の各々の厚さが、0.005〜0.1mmである前記(2)〜(4)のいずれかに記載の下部電極基板用樹脂板。
(6)前記(1)〜(5)のいずれかに記載の下部電極基板用樹脂板の一方の面に、透明電極膜が形成されてなる下部電極板。
(7)下部電極基板の一方の面に透明電極膜が形成されてなる下部電極板と、上部電極基板の一方の面に透明電極膜が形成されてなる上部電極板とが、互いの透明電極膜同士が向かい合うように下部電極板と上部電極板との間にスペーサーを介在させて対向配置して構成されているタッチパネルであって、前記下部電極板が、前記(6)に記載の下部電極板からなるタッチパネル。
本発明の下部電極基板用樹脂板によれば、軽量で割れ難く、かつ紫外線照射しても黄色く変色し難いという効果がある。したがって、この樹脂板からなる下部電極基板の一方の面に透明電極膜を形成して下部電極板とし、これを用いてタッチパネルを構成すれば、多様な環境下でもタッチパネルの表面を効果的に保護することができる。
本発明の一実施形態にかかる下部電極基板用樹脂板の製造方法を示す概略説明図である。
本発明の下部電極基板用樹脂板(以下、「樹脂板」と言うことがある。)は、特定のポリカーボネート樹脂組成物からなる層を備えるものである。このポリカーボネート樹脂組成物は、ポリカーボネート系樹脂を含有する。ポリカーボネート系樹脂は、ガラスよりも軽量であり、かつ耐衝撃性に優れるので割れ難い。また、ポリカーボネート樹脂組成物は、このポリカーボネート系樹脂に加えて紫外線吸収剤をさらに含有する。これにより、このポリカーボネート樹脂組成物からなる層を備える樹脂板は、軽量で割れ難く、かつ紫外線照射しても黄色く変色し難いという効果を奏するようになり、それゆえスペーサーを形成する際やハードコート等の処理を施す際の硬化条件に制限がなく、任意の条件で紫外線照射による硬化を行うことができる。しかも、ポリカーボネート系樹脂は吸水率が小さいので、高湿度下において樹脂板に反りやうねりが発生するのを抑制することもできる。以下、本発明の樹脂板について、詳細に説明する。
ポリカーボネート樹脂組成物に含有されるポリカーボネート系樹脂としては、例えば二価フェノールとカルボニル化剤とを界面重縮合法や溶融エステル交換法等で反応させることにより得られるものの他、カーボネートプレポリマーを固相エステル交換法等で重合させることにより得られるもの、環状カーボネート化合物を開環重合法で重合させることにより得られるもの等が挙げられる。
前記二価フェノールとしては、例えばハイドロキノン、レゾルシノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル)フェニル}メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(3−イソプロピル−4−ヒドロキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−フェニル)フェニル}プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルブタン、2,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−イソプロピルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}フルオレン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−o−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−5,7−ジメチルアダマンタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエステル等が挙げられ、必要に応じてそれらの2種以上を用いることもできる。
中でも、ビスフェノールA、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンおよびα,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼンから選ばれる二価フェノールを単独で、または2種以上用いるのが好ましく、特に、ビスフェノールAの単独使用や、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンと、ビスフェノールA、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパンおよびα,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼンから選ばれる1種以上の二価フェノールとの併用が好ましい。
前記カルボニル化剤としては、例えばホスゲン等のカルボニルハライド、ジフェニルカーボネート等のカーボネートエステル、二価フェノールのジハロホルメート等のハロホルメート等が挙げられ、必要に応じてそれらの2種以上を用いることもできる。
一方、ポリカーボネート樹脂組成物に含有される紫外線吸収剤としては、例えばベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤等が挙げられ、これらはいずれも市販のものを用いることができる。ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1−ジメチルエチル)−6−(1−メチルプロピル)−フェノール(分子量323:チバ・スペシャリティー・ケミカルズ(株)製の「チヌビン350」)、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェノール(分子量323:チバ・スペシャリティー・ケミカルズ(株)製の「チヌビン329」)、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)−フェノール(分子量448:チバ・スペシャリティー・ケミカルズ(株)製の「チヌビン234」)、2−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(1,1−ジメチルエチル)−4−メチル−フェノール−2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−ベンゾトリアゾール(分子量316:チバ・スペシャリティー・ケミカルズ(株)製の「チヌビン326」)、2,2’−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)]−フェノール(分子量659:チバ・スペシャリティー・ケミカルズ(株)製の「チヌビン360」)、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−(ヘキシルオキシ)−フェノール(分子量426:チバ・スペシャリティー・ケミカルズ(株)製の「チヌビン1577」)、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール(分子量:225、チバ・スペシャリティー・ケミカルズ(株)製の「チヌビンP」)等が挙げられ、必要に応じてそれらの2種以上を用いることもできる。
トリアジン系紫外線吸収剤としては、例えば2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−(オクチルオキシ)−フェノール(分子量510:サンケミカル(株)製の「カヤソーブUV−1164」)等が挙げられる。
紫外線吸収剤の含有量としては、ポリカーボネート系樹脂100重量部に対して0.1〜1.5重量部であるのが好ましく、0.2〜1.3重量部であるのがより好ましく、0.3〜1.0重量部であるのがさらに好ましい。紫外線吸収剤の含有量があまり少ないと、黄変を抑制する効果が得られ難くなるので好ましくない。また、紫外線吸収剤の含有量があまり多いと、押出成形時に紫外線吸収剤が揮発して冷却ロールに付着するロール汚染が発生し、この付着した紫外線吸収剤が当該冷却ロールに巻き掛けられた溶融樹脂に付着し、これに起因して樹脂板の表面に凹凸状の欠陥が生じるおそれがある。紫外線吸収剤の含有量があまり多いと、樹脂組成物のガラス転移点(Tg)が低下し、溶融樹脂が冷却ロールから剥がれ難くなり、いわゆるタックマークと呼ばれる剥離模様が発生し、これに起因して樹脂板の表面に凹凸状の欠陥が生じるおそれもある。
紫外線吸収剤の分子量としては、300〜1000であるのが好ましい。分子量があまり小さいと、押出成形時の発煙やロール汚染が多くなるおそれがあり、黄変を抑制する効果も低い傾向にあるので好ましくない。また、分子量があまり大きいと、所定の紫外線吸収能力を得るためには多量の添加を必要とし、経済的に好ましくない。
ここで、本発明の樹脂板は、上述したポリカーボネート樹脂組成物からなる層で構成された単層構造であってもよいし、この層を複数積層するか、またはこの層と、この層以外の他の層とを積層した多層構造であってもよい。
多層構造の場合には、層(A)と、この層(A)の両面に積層されている層(B)と、を備え、層(A)がアクリル樹脂またはメタクリル酸メチル−スチレン共重合体樹脂からなり、層(B)が上述したポリカーボネート樹脂組成物からなる層である3層構造に樹脂板を構成するのが好ましい。層(A)を構成するアクリル樹脂およびメタクリル酸メチル−スチレン共重合体樹脂はいずれも、ポリカーボネート系樹脂と同様にガラスよりも軽量であり、かつ耐衝撃性に優れるので割れ難い。また、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体樹脂は、ポリカーボネート系樹脂と同様に吸水率が小さく、高湿度下での反りやうねりの発生を抑制することができる。
層(A)を構成するアクリル樹脂としては、透明性に優れ、剛性も高いメタクリル樹脂が好適である。該メタクリル樹脂は、メタクリル酸メチル単位を主成分とするもの、具体的にはメタクリル酸メチル単位を通常50重量%以上、好ましくは70重量%以上含むメタクリル酸メチル樹脂であるのが好ましく、メタクリル酸メチル単位100重量%のメタクリル酸メチル単独重合体であってもよいし、メタクリル酸メチルと、該メタクリル酸メチルと共重合し得る他の単量体との共重合体であってもよい。
メタクリル酸メチルと共重合し得る前記他の単量体としては、例えばメタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル等のメタクリル酸メチル以外のメタクリル酸エステル類や、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル等のアクリル酸エステル類等が挙げられる。また、スチレンや置換スチレン類として、例えばクロロスチレン、ブロモスチレン等のハロゲン化スチレン類や、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等のアルキルスチレン類等も挙げられる。さらに、メタクリル酸、アクリル酸等の不飽和酸類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、無水マレイン酸、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等も挙げられる。これらメタクリル酸メチルと共重合し得る他の単量体は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アクリル樹脂は、ゴム粒子を含有してもよい。これにより、樹脂板の耐衝撃性を向上させることができる。該ゴム粒子としては、例えばアクリル系多層構造重合体、5〜80重量部のゴム状重合体にアクリル系不飽和単量体等のエチレン性不飽和単量体20〜95重量部をグラフト重合させてなるグラフト共重合体等が挙げられる。
前記アクリル系多層構造重合体は、エラストマーの層を20〜60重量%程度内在するものであるのがよく、最外層として硬質層を有するものであるのがよく、さらに最内層として硬質層を有するものでもよい。
前記エラストマーの層は、Tgが25℃未満のアクリル系重合体の層であるのがよく、具体的には、低級アルキルアクリレート、低級アルキルメタクリレート、低級アルコキシアルキルアクリレート、シアノエチルアクリレート、アクリルアミド、ヒドロキシ低級アルキルアクリレート、ヒドロキシ低級アルキルメタクリレート、アクリル酸およびメタクリル酸からなる群より選ばれる1種以上の単官能単量体を、アリルメタクリレート等の多官能単量体で架橋させてなる重合体の層であるのがよい。
前記低級アルキルアクリレート等における低級アルキル基としては、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル基等の炭素数1〜6の直鎖または分岐したアルキル基が挙げられ、前記低級アルコキシアルキルアクリレートにおける低級アルコキシ基としては、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、t−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ基等の炭素数1〜6の直鎖または分岐したアルコキシ基が挙げられる。また、前記単官能単量体を主成分として共重合体とする場合には、共重合成分として、例えばスチレン、置換スチレン等の他の単官能単量体を共重合させてもよい。
前記硬質層は、Tgが25℃以上のアクリル系重合体の層であるのがよく、具体的には、炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキルメタクリレートを単独で、または主成分として重合させたものであるのがよい。前記炭素数1〜4のアルキル基としては、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル等の直鎖または分岐したアルキル基が挙げられる。
炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキルメタクリレートを主成分として共重合体とする場合には、共重合成分としては、他のアルキルメタクリレートやアルキルアクリレート、スチレン、置換スチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の単官能単量体を用いてもよいし、さらにアリルメタクリレート等の多官能単量体を加えて架橋重合体としてもよい。前記アルキルメタクリレート等におけるアルキル基としては、例えば前記した低級アルキル基で例示したのと同じ炭素数1〜6の直鎖または分岐したアルキル基等が挙げられる。
上述したアクリル系多層構造重合体は、例えば特公昭55−27576号公報、特開平6−80739号公報、特開昭49−23292号公報等に記載されている。
5〜80重量部のゴム状重合体にエチレン性不飽和単量体20〜95重量部をグラフト重合させてなる前記グラフト共重合体において、ゴム状重合体としては、例えばポリブタジエンゴム、アクリロニトリル/ブタジエン共重合体ゴム、スチレン/ブタジエン共重合体ゴム等のジエン系ゴム、ポリブチルアクリレート、ポリプロピルアクリレート、ポリ−2−エチルヘキシルアクリレート等のアクリル系ゴム、エチレン/プロピレン/非共役ジエン系ゴム等が挙げられる。また、このゴム状重合体にグラフト共重合させるのに用いられるエチレン性単量体としては、例えばスチレン、アクリロニトリル、アルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらのグラフト共重合体は、例えば特開昭55−147514号公報、特公昭47−9740号公報等に記載されている。
ゴム粒子の含有量としては、アクリル樹脂100重量部に対して、通常3〜150重量部、好ましくは4〜50重量部、より好ましくは5〜30重量部である。ゴム粒子の含有量が多い程、樹脂板の耐衝撃性が向上し、押圧されても割れ難くなる傾向にあるが、ゴム粒子の含有量があまり多いと、樹脂板の表面硬度が低下するので好ましくない。
層(A)を構成するメタクリル酸メチル−スチレン共重合体樹脂は、単量体単位としてメタクリル酸メチルを30〜90重量%およびスチレン系単量体を10〜70重量%の割合で含むのが好ましく、メタクリル酸メチルを40〜50重量%およびスチレン系単量体を50〜60重量%の割合で含むのがより好ましく、例示した数値範囲内でメタクリル酸メチルをスチレン系単量体よりも多く含むのが好ましい。これにより、層(A),(B)の密着性が向上し、層(A),(B)間における層剥離の発生を抑制することができる。
前記スチレン系単量体としては、スチレンの他、置換スチレン類を用いることもでき、該置換スチレン類としては、例えばクロロスチレン、ブロモスチレンのようなハロゲン化スチレン類や、ビニルトルエン、α−メチルスチレンのようなアルキルスチレン類等が挙げられる。スチレン系単量体は、必要に応じてそれらの2種以上を用いることもできる。
また、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体樹脂は、単量体単位としてメタクリル酸メチルおよびスチレン系単量体以外の他の単量体を必要に応じて含んでいてもよい。他の単量体の含有量としては、通常10重量%以下程度である。
前記他の単量体としては、例えばメタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルのようなメタクリル酸メチル以外のメタクリル酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチルのようなアクリル酸エステル類;メタクリル酸、アクリル酸のような不飽和酸類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、無水マレイン酸、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等が挙げられ、必要に応じてそれらの2種以上を用いることもできる。また、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体樹脂は、無水グルタル酸単位やグルタルイミド単位等を含んでいてもよい。
層(B)を構成するポリカーボネート樹脂組成物には、層(B)と層(A)との密着性を向上させるために、アクリル樹脂を含有させてもよい。具体的には、ポリカーボネート樹脂組成物が、ポリカーボネート系樹脂100重量部に対し、アクリル樹脂を0.01〜1重量部の割合で含有するのが好ましい。
前記アクリル樹脂としては、層(A)に用いたものと同じアクリル樹脂を採用するのが好ましく、低い分子量のものがより好ましい。好ましい分子量の範囲としては1,000〜100,000である。この分子量が低すぎると押出成形の際にアクリル樹脂が揮発してしまい、高すぎるとアクリル樹脂がポリカーボネート系樹脂と相分離を起こし、光透過率を低下させるおそれがある。
なお、層(A)の両面に積層される層(B)の各々の組成は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。また、層(A),(B)には、それぞれ必要に応じて、例えば光安定剤、酸化防止剤、難燃剤、帯電防止剤等の添加剤を1種または2種以上添加してもよく、層(A)に紫外線吸収剤を添加してもよい。
樹脂板は、上述したポリカーボネート樹脂組成物を押出成形するか、層(A)と、その両面に積層される層(B)とを共押出成形で積層一体化することにより、好適に製造される。共押出成形をする場合には、2基または3基の一軸または二軸の押出機を用いて、層(A)の材料と、層(B)の材料とをそれぞれ溶融混練した後、フィードブロックダイやマルチマニホールドダイ等を介して積層することにより行うことができる。積層一体化された溶融樹脂は、例えばロールユニット等を用いて冷却固化すればよい。共押出成形により製造した樹脂板は、粘着剤や接着剤を用いた貼合により製造した樹脂板に比べて、二次成形し易い点で好ましい。
以下、本発明の樹脂板の製造方法にかかる一実施形態について、層(A)の両面に層(B)が積層されてなる3層構造の押出板を共押出成形で製造する場合を例に挙げ、図1を参照して詳細に説明する。同図に示すように、まず、層(A)の材料と層(B)の材料とを、それぞれ別個の押出機1,2で加熱して溶融混練し、それぞれフィードブロック3に供給して溶融積層一体化した後、ダイ4から押出す。
次いで、ダイ4から押出したシート状ないしフィルム状の溶融樹脂を、略水平方向に対向配置した第1冷却ロール5と第2冷却ロール6の間に挟み込む。第1,第2冷却ロール5,6は、少なくとも一方がモータ等の回転駆動手段に接続されており、両ロールが所定の周速度で回転するように構成されている。両ロールのうち、第2冷却ロール6は、両ロール間で挟持された後のシート状ないしフィルム状の樹脂板が巻き掛けられる、巻き掛けロールである。
第1,第2冷却ロール5,6としては、例えば剛性を有する金属ロール、弾性を有する金属弾性ロール等が挙げられる。前記金属ロールとしては、例えばドリルドロール、スパイラルロール等が挙げられる。前記金属弾性ロールとしては、例えば軸ロールと、この軸ロールの外周面を覆うように配置され溶融樹脂に接触する円筒形の金属製薄膜とを備え、これら軸ロールと金属製薄膜との間に水や油等の温度制御された流体が封入されたものや、ゴムロールの表面に金属ベルトを巻いたもの等が挙げられる。
第1,第2冷却ロール5,6は、金属ロールおよび金属弾性ロールから選ばれる1種で構成してもよいし、金属ロールと金属弾性ロールとを組み合わせて構成してもよい。
リタデーション値が低減された樹脂板を得る場合には、第1,第2冷却ロール5,6を金属ロールと金属弾性ロールとの組み合わせで構成するのが好ましい。すなわち、溶融樹脂を金属ロールと金属弾性ロールとの間に挟持すると、金属弾性ロールが溶融樹脂を介して金属ロールの外周面に沿って凹状に弾性変形し、金属弾性ロールと金属ロールとが溶融樹脂を介して所定の接触長さで接触する。これにより、金属ロールと金属弾性ロールとが、溶融樹脂に対して面接触で圧着するようになり、これらロール間に挟持される溶融樹脂は面状に均一加圧されながら製膜される。その結果、製膜時の歪みが低減され、リタデーション値の低減された樹脂板が得られる。
金属ロールと金属弾性ロールとを組み合わせる場合には、金属弾性ロールを第1冷却ロール5、金属ロールを第2冷却ロール6とするのが好ましい。これにより、得られる樹脂板のリタデーション値をより低減することができる。
上述した第1冷却ロール5と第2冷却ロール6の間に挟み込んだ溶融樹脂を、第2冷却ロール6および第3冷却ロール7の順に巻き掛ける。具体的には、第2冷却ロール6に巻き掛けられた溶融樹脂を、第2冷却ロール6と第3冷却ロール7との間に通して第3冷却ロール7に巻き掛けるようにする。これにより、溶融樹脂が緩やかに冷却されるので、得られる樹脂板のリタデーション値を低減することができる。なお、第2冷却ロール6と第3冷却ロール7との間は、所定の間隙を設けて解放状態にしてもよいし、所定の間隙を設けずに溶融樹脂が両ロール間に挟み込まれるようにしてもよい。
第3冷却ロール7としては、特に限定されるものではなく、従来から押出成形で使用されている通常の金属ロールを採用することができる。具体例としては、ドリルドロールやスパイラルロール等が挙げられる。第3冷却ロール7の表面状態は、鏡面であるのが好ましい。なお、第3冷却ロール7以降に第4冷却ロール,第5冷却ロール,・・・と複数本の冷却ロールを設け、第3冷却ロール7に巻き掛けたシート状ないしフィルム状の樹脂板を順次、次の冷却ロールに巻き掛けるようにしてもよい。
第3冷却ロール7に巻き掛けて緩やかに冷却した樹脂板を、図示しない引取りロールによって引取り、これを巻き取ると、本発明の樹脂板が得られる。樹脂板は、層(A)の両面に層(B)が積層された積層構造を有しているので、割れ難く、かつその厚みを薄くすることができる。樹脂板は、通常、シート状ないしフィルム状であり、その厚みは、通常0.1〜3mm、好ましくは0.1〜2mm、より好ましくは0.1〜1.5mm、さらに好ましくは0.1〜1mmである。
この樹脂板において、層(A)の両面に積層される層(B)の各々の厚さは、0.005〜0.1mmであるのが好ましく、0.01〜0.1mmであるのがより好ましく、0.05〜0.1mmであるのがさらに好ましい。層(B)の厚さがあまり大きいと、該樹脂板を下部電極基板に使用してなるタッチパネルを設置した液晶ディスプレイを斜め方向から見たときに、液晶ディスプレイの表示画像が着色して見えるおそれがあり、厚みがあまり小さいと、樹脂板が割れ易くなるおそれがある。なお、両面の層(B)の各々の厚さは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
層(A)の厚さは、樹脂板全体の厚さの70〜99%であるのが好ましい。層(A),(B)の厚み、および樹脂板全体の厚みは、溶融樹脂の厚みや、第1,第2冷却ロール5,6の間隔、周速度等を調整することによって調整することができる。
なお、上述した一実施形態では、3層構造の樹脂板を例に挙げて説明したが、樹脂板を上述したポリカーボネート樹脂組成物からなる層で構成される単層構造にする場合、その厚みは、通常0.1〜3mm、好ましくは0.1〜2mm、より好ましくは0.1〜1.5mm、さらに好ましくは0.1〜1mmである。
また、樹脂板の少なくとも一方の面は、凹凸形状を有するマット面であってもよい。樹脂板の一方の面がマット面である場合、該マット面は、液晶パネル側の面であること、すなわち透明電極膜が形成されない面であることが好ましい。
かくして得られる本発明の樹脂板は、タッチパネルの下部電極基板として使用される。樹脂板を下部電極基板として使用する場合には、まず樹脂板を必要な大きさに切断し、次いで、該樹脂板の一方の面に透明電極膜を形成すればよい。
透明電極膜は、金属酸化物より構成される。金属酸化物としては、例えばATO(アンチモン・スズ酸化物)やITO(インジウム・スズ酸化物)等が挙げられ、特に、ITOが透明性に優れており好ましい。透明電極膜の厚さは、5〜50μmであるのが好ましい。透明電極膜を樹脂板の一方の面に形成する方法としては、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、イオン化蒸着法、CVD法等が挙げられる。
樹脂板と透明電極膜との密着性を向上させる観点から、樹脂板の透明電極膜が形成される一方の面には、樹脂層を設けてもよい。この樹脂層を構成する樹脂としては、透明性に優れるものが好ましい。樹脂層の厚さとしては、1nm〜5μmであるのが好ましい。樹脂層の厚さがあまり薄いと、十分な密着性向上効果を得られないおそれがある。また、樹脂層の厚さがあまり大きいと、樹脂板を下部電極基板に使用してなるタッチパネルを設置した液晶ディスプレイを斜め方向から見たときに、液晶ディスプレイの表示画像が着色して見えるおそれがある。
本発明の樹脂板を用いて形成される下部電極基板は、抵抗膜方式タッチパネルに好適に用いることができる。抵抗膜方式タッチパネルは、上部電極板と下部電極板が、スペーサーを介して、両電極板の透明電極膜同士が向かい合うように対向配置して構成される。このタッチパネルを液晶ディスプレイ上に設置する場合には、下部電極板を液晶パネルに接触させて設置する。
一方、抵抗膜方式タッチパネルにおける上部電極板は、上部電極基板の一方の面に透明電極膜を形成することで作製される。抵抗膜方式タッチパネルは、押圧された上部電極板が下部電極板と接触することで通電され、押圧された位置が検出されることから、上部電極基板は、可とう性を有することが好ましい。この可とう性の観点から、上部電極基板の厚さは、10〜400μmであることが好ましい。
上部電極基板としては、透明性に優れる樹脂フィルムが使用され、通常、ポリエチレンテレフタレートが使用される。なお、本発明の樹脂板は、上部電極基板に使用してもよく、上部電極基板と下部電極基板を、いずれも本発明の樹脂板で構成してもよい。この場合、両樹脂板の厚さは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
本発明の樹脂板は、抵抗膜方式タッチパネルの下部電極基板としての使用に制限されるものではなく、他の検出方式のタッチパネルの電極基板、例えば静電容量方式タッチパネルの電極基板としても使用することができる。静電容量方式タッチパネルは、電極基板の一方の面に透明電極膜が形成されてなる電極板の透明電極膜上に保護膜を形成して構成される。液晶ディスプレイに静電容量方式タッチパネルを設置する場合には、電極基板面を液晶パネルに接触させて設置する。
この電極基板としては、通常、ガラス板が使用されるが、ガラス板は重く、また割れ易いという問題がある。したがって、このガラス板に代えて本発明の樹脂板を使用することで、かかる問題を改善することができる。
タッチパネルの用途としては、例えば携帯型ゲーム機の表示窓、携帯型カーナビゲーションシステムや携帯型情報端末のディスプレイ、銀行のATMのディスプレイ、産業機械の操作パネル等が挙げられる。本発明の樹脂板を下部電極板として使用してなるタッチパネルは、下部電極基板が本発明の樹脂板であることから軽量であり、さらに、割れ難いことから、樹脂板の厚みを薄くすることによるタッチパネルの薄型化が可能であり、特に、携帯用途としての使用が好ましい。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
以下の実施例および比較例で使用した押出装置の構成は、次の通りである。
・押出機1:スクリュー径65mm、一軸、ベント付きの押出機(東芝機械(株)製)を用いた。
・押出機2:スクリュー径45mm、一軸、ベント付きの押出機(日立造船(株)製)を用いた。
・フィードブロック3:2種3層分配型のフィードブロック(日立造船(株)製)を用いた。
・ダイ4:リップ幅1400mm、リップ間隔1mmのTダイ(日立造船(株)製)を用いた。
・第1,第2,第3冷却ロール5,6,7:横型、面長1400mm、径300mmφの冷却ロールを用いた。
第1,第2,第3冷却ロール5,6,7について、より具体的に説明すると、第1冷却ロール5には金属弾性ロールを用いた。該金属弾性ロールには、軸ロールの外周面を覆うように金属製薄膜が配置され、軸ロールと金属製薄膜との間に流体が封入されているものを採用した。
軸ロール、金属製薄膜および流体は、次の通りである。
・軸ロール:ステンレス鋼製のものを用いた。
・金属製薄膜:厚さ2mmのステンレス鋼製の鏡面金属スリーブを用いた。
・流体:油であり、この油を温度制御することによって、金属弾性ロールを温度制御可能にした。より具体的には、温度調節機のON−OFF制御により前記油を加熱、冷却して温度制御可能にし、軸ロールと金属製薄膜との間に循環させた。
第2,第3冷却ロール6,7には、高剛性の金属ロールを用いた。該金属ロールは、表面状態が鏡面であるステンレス鋼製のスパイラルロールである。
実施例および比較例で使用した樹脂は、以下の3種類である。
・樹脂1:熱変形温度(Th)140℃の住友ダウ(株)製のポリカーボネート樹脂「カリバー301−10」を用いた。
・樹脂2:熱変形温度(Th)100℃の新日鉄化学(株)製のメタクリル酸メチル−スチレン共重合体樹脂「エスチレンMS600」を用いた。このメタクリル酸メチル−スチレン共重合体樹脂は、単量体単位としてメタクリル酸メチルを60重量%、およびスチレン系単量体を40重量%の割合で含む。
・樹脂3:熱変形温度(Th)100℃の住友化学(株)製のポリメタクリル酸メチル(PMMA)樹脂「スミペックスMHF」を用いた。
実施例および比較例で使用した紫外線吸収剤は、以下の3種類である。
・紫外線吸収剤1:2,2’−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)]−フェノール(分子量659:チバ・スペシャリティー・ケミカルズ(株)製の「チヌビン360」)を用いた。
・紫外線吸収剤2:2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−(オクチルオキシ)−フェノール(分子量510:サンケミカル(株)製の「カヤソーブUV−1164」)を用いた。
・紫外線吸収剤3:2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール(分子量:225、チバ・スペシャリティー・ケミカルズ(株)製の「チヌビンP」)を用いた。
[実施例1〜6および比較例1]
<樹脂板の作製>
まず、押出機1,2、フィードブロック3、ダイ4、第1,第2,第3冷却ロール5,6,7を図1に示すように配置した。次いで、層(A)として表1に示す種類の樹脂を押出機1にて溶融混練し、層(B)として表1に示す種類の樹脂および紫外線吸収剤を押出機2にて溶融混練した。なお、表1中の紫外線吸収剤の「含有量」は、層(B)を構成する樹脂100重量部に対する値を示している。
押出機1,2で溶融混練した各樹脂をそれぞれフィードブロック3に供給し、押出機1からフィードブロック3に供給される層(A)の両面に、押出機2からフィードブロック3に供給される層(B)が積層されたフィルム状の溶融樹脂をダイ4から押出した。
次いで、ダイ4から押出したフィルム状の溶融樹脂を、対向配置した第1冷却ロール5と第2冷却ロール6との間に挟み込み、第3冷却ロール7に巻き掛けて成形・冷却し、層(A)の両面に層(B)が積層された表1に示す厚さを有する3層構造の樹脂板を得た。得られた各樹脂板における両面の層(B)の組成および厚みは、互いに同一である。
なお、第1冷却ロール5の表面温度は120℃、第2冷却ロール6の表面温度は135℃、第3冷却ロール7の表面温度は145℃であった。これらの温度は、各冷却ロールの表面温度を実測した値である。また、表1中の押出機1,2における「厚み」は、層(A),(B)の各厚みを示しており、「総厚み」は、得られた樹脂板の総厚みを示している。
<評価>
得られた各樹脂板(実施例1〜6および比較例1)について、耐紫外線評価および高湿度下における反り評価を行った。各評価方法を以下に示すとともに、その結果を表1に併せて示す。
(耐紫外線評価方法)
東洋精機(株)製の「ATLAS−UVCON」を用いて、温度60℃で48時間連続して樹脂板に紫外線を照射した。そして、初期の黄色度(YI0)と48時間後の黄色度(YI48)とを、(株)日立製作所製の分光光度計「U4000型(積分球付き)」を用いて測定し、式:(YI48)−(YI0)に当てはめ、ΔYIを算出した。このΔYIの値が小さいほど、紫外線照射しても黄色く変色し難いことを示している。
(高湿度下における反り評価方法)
まず、樹脂板から試験片を切り出した。試験片の形状は、20cm□とした。この試験片を、凸反りとなっている面を下向きにして定盤の上に載置し、4隅の浮き上がり量を位置センサで測定し、その測定値の平均値を初期反り量とした。
次いで、試験片を、温度40℃および湿度95%に設定した恒温恒湿器内で24時間静置した。その後、試験片の4隅の浮き上がり量を前記初期反り量と同様にして測定し、高湿度反り量を求めた。そして、初期反り量と高湿度反り量とを式:高湿度反り量−初期反り量に当てはめ、反り変移量を算出した。
[実施例7および比較例2]
表1に示す種類の樹脂および紫外線吸収剤を押出機1にて溶融混練し、フィードブロック3およびダイ4の順に供給した。なお、表1中の紫外線吸収剤の「含有量」は、層(A)を構成する樹脂100重量部に対する値を示している。
次いで、ダイ4から押出した溶融樹脂を、対向配置した第1冷却ロール5と第2冷却ロール6との間に挟み込み、第3冷却ロール7に巻き掛けて成形・冷却し、表1に示す厚さを有する層(A)からなる単層構造の樹脂板を得た。得られた樹脂板について、実施例1〜6と同様にして、耐紫外線評価および高湿度下における反り評価を行った。その結果を表1に併せて示す。
Figure 2012178089
実施例1〜7は、特定の樹脂層で構成されているので、上述した理由より、従来のガラス板よりも軽量で割れ難いと言える。また、表1から明らかなように、実施例1〜7は、ポリカーボネート樹脂に紫外線吸収剤を含有していない比較例1,2よりもΔYIの値が著しく小さく、紫外線照射しても黄色く変色し難いのがわかる。
さらに、温度40℃および湿度95%に設定された恒温恒湿器内で24時間静置した後の試験片を目視観察した結果、実施例1〜7の各試験片に、うねりは発生していなかった。
一方、実施例4は、反り変位量が比較的大きな値を示したが、これは層(A)がPMMA樹脂からなることに起因するものと推察される。また、実施例5は、ΔYIが比較的大きな値を示したが、これは含有している紫外線吸収剤の分子量が小さいことに起因するものと推察される。また、実施例6にかかる樹脂板の表面には、凹凸状の欠陥が確認されたが、実使用上は問題にならないレベルであった。
1,2 押出機
3 フィードブロック
4 ダイ
5 第1冷却ロール
6 第2冷却ロール
7 第3冷却ロール

Claims (7)

  1. タッチパネルの下部電極基板に使用される樹脂板であって、ポリカーボネート系樹脂と紫外線吸収剤とを含有するポリカーボネート樹脂組成物からなる層を備えることを特徴とする下部電極基板用樹脂板。
  2. 層(A)と、この層(A)の両面に積層されている層(B)と、を備え、
    前記層(A)が、アクリル樹脂またはメタクリル酸メチル−スチレン共重合体樹脂からなり、
    前記層(B)が、前記ポリカーボネート樹脂組成物からなる層である請求項1に記載の下部電極基板用樹脂板。
  3. 前記紫外線吸収剤の含有量が、ポリカーボネート系樹脂100重量部に対して0.1〜1.5重量部である請求項1または2に記載の下部電極基板用樹脂板。
  4. 前記メタクリル酸メチル−スチレン共重合体樹脂が、単量体単位としてメタクリル酸メチルを30〜90重量%およびスチレン系単量体を10〜70重量%の割合で含む請求項2または3に記載の下部電極基板用樹脂板。
  5. 前記層(B)の各々の厚さが、0.005〜0.1mmである請求項2〜4のいずれかに記載の下部電極基板用樹脂板。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の下部電極基板用樹脂板の一方の面に、透明電極膜が形成されてなる下部電極板。
  7. 下部電極基板の一方の面に透明電極膜が形成されてなる下部電極板と、
    上部電極基板の一方の面に透明電極膜が形成されてなる上部電極板とが、
    互いの透明電極膜同士が向かい合うように下部電極板と上部電極板との間にスペーサーを介在させて対向配置して構成されているタッチパネルであって、
    前記下部電極板が、請求項6に記載の下部電極板からなるタッチパネル。
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