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JP2012176460A - コンロッドの加工制御装置、コンロッドの加工方法およびコンロッドの加工を行うためのプログラム - Google Patents

コンロッドの加工制御装置、コンロッドの加工方法およびコンロッドの加工を行うためのプログラム Download PDF

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JP2012176460A
JP2012176460A JP2011040706A JP2011040706A JP2012176460A JP 2012176460 A JP2012176460 A JP 2012176460A JP 2011040706 A JP2011040706 A JP 2011040706A JP 2011040706 A JP2011040706 A JP 2011040706A JP 2012176460 A JP2012176460 A JP 2012176460A
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rod penetrating
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Hideki Oka
秀樹 岡
Yutaka Kunitake
豊 国武
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Honda Motor Co Ltd
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Abstract

【課題】コンロッド貫通部の真円度を確保しつつ、より効率の高い加工が行える技術を提供する。
【解決手段】コンロッド貫通部の特定部分の内径と当該貫通部の真円度を確保するのに適切な加工装置の制御パラメータとの関係を予め調べておき、そのデータテーブルをデータベース201に記憶しておく。コンロッドの加工時に測定した上記特定部分の内径の測定値を上記のデータベース201内のデータテーブルと照合し、上記制御パラメータを取得する。これにより、複数個所の内径を計測することなしに、真円度を確保したコンロッド貫通部の加工が可能となる。
【選択図】図2

Description

本発明は、エンジンのコンロッドの貫通孔の内周を加工する技術において、貫通穴の真円度を向上させる技術に関する。
エンジンのコンロッドの貫通孔の加工では、回転する切削刃(スローアウェイチップ)によって貫通孔の内周を切削することで、決められた内径の円形になるように加工が行われる。この際、切削刃が磨耗するために、加工後のコンロッドの内径部の一箇所(一断面部分)の内径寸法を計測し、それに基づき、加工量を調整する処理が行われている。
例えば、4個のコンロッドの加工を行う場合、最初のコンロッド(第1のコンロッド)内径の加工→第2のコンロッドの加工→第3のコンロッドの加工→第4のコンロッドの加工が順に行われる。この際、各コンロッドの加工が順次行われるのに従って、切削刃が徐々に磨耗してゆく。そのため、同じ条件で加工を行った場合、第1のコンロッドの内径より、第2のコンロッドの内径がやや小さく、第2のコンロッドの内径より第3のコンロッドの内径が小さく、第3のコンロッドの内径より第4のコンロッドの内径が小さくなる。
この内径が徐々に小さくなる問題への対策として、従来は、例えば第2のコンロッドの加工の場合、第2のコンロッドの加工を所定の条件で行った後、第2のコンロッドの特定個所における内径の測定→この測定値に基づく切削刃の移動量の補正値の算出→当該補正値に基づく追加の加工、を行う方法が採用されている。この処理を、第3のコンロッドの加工、第4のコンロッドの加工においても同様に行うことで、上述した切削刃の磨耗に起因する問題に対応していた。
ところで、コンロッドは、貫通孔にクランクシャフトが通るので、その内径の真円度が重要となる。この真円度を推定する技術として、例えば、特許文献1に記載された内容が公知である。
特開2009−166217号公報
ところで、コンロッドは軸対象な形状でないので、貫通孔の周辺の剛性は均一ではない。このため、剛性の低い部分は切削加工時に切削対象部分が逃げるように僅かに変形し、その部分の切削量が相対的に少なくなる。他方で、剛性の高い部分は逆の傾向が現れるので、切削量が相対的に多くなる。このため、真円に加工したつもりであっても、真円からの歪みが生じる。
上記の切削刃の磨耗の影響を低減する技術において、特定の一箇所で内径を測定すると、上記の真円からの歪みの影響で加工精度が低下する。この加工精度の低下を抑える方法として、複数の個所(複数の方向)で内径を測定し、その平均値を用い方法が挙げられる。しかしながら、加工するコンロッド毎に測定を行う中で、さらに複数個所における内径の測定を行うのは、工数が増加するので作業効率の点で好ましくない。
このような背景において、本発明は、コンロッド貫通部の真円度を確保しつつ、より効率の高い加工が行える技術の提供を目的とする。
請求項1に記載の発明は、コンロッド貫通部の加工を行うための切削具の前記コンロッド貫通部の径方向の移動量と前記コンロッド貫通部の特定の一個所の内径の値との関係について、真円度を確保しつつ行われた前記コンロッド貫通部の加工に従う前記コンロッド貫通部の複数の箇所における内径の変化に基づいて取得した内容を記憶したデータベースと、加工の対象となるコンロッド貫通部の前記特定の一個所の内径の値を取得する内径取得部と、前記内径取得部が取得した前記特定の一個所の内径の値、および前記データベースに記憶された内容に基づき、前記切削具の前記コンロッド貫通部における径方向の前記移動量を演算する演算部とを備えことを特徴とするコンロッドの加工制御装置である。
請求項1に記載の発明によれば、コンロッド貫通部の内径を一箇所において測定し、その測定値を予め用意しておいたデータベースに照合させて、コンロッド貫通部における切削具の内径方向の移動量を算出する。データベースには、当該貫通部内径の真円度がより高い精度で得られる場合における特定部分の内径(コンロッド貫通部の内径)とコンロッド貫通部における切削具の内径方向の移動量との関係が予め記憶されている。したがって、測定する内径が一箇所であっても真円からのズレを抑えた切削具の内径方向における移動量を取得することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記データテーブルは、当該切削具による既に加工が終了したコンロッドの本数に応じて用意されていることを特徴とする。複数本のコンロッドを一つの切削具で切削する場合、1本目より2本目、2本目よりも3本目の方が切削の磨耗が進み、同じ条件下における切削効率は低下する。請求項2に記載の発明によれば、同一切削具による1本目のコンロッド用のデータテーブル、2本目のデータテーブル・・・・と、既に切削を行った本数に応じてデータテーブルを用意しておくので、上記切削刃の磨耗の影響を取り込んだ上での切削具の内径方向への移動量を設定できる。これにより、複数本の切削に伴う切削刃の磨耗の影響による加工精度の低下を抑えることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記データテーブルは、当該切削具の磨耗量に応じて複数が用意されていることを特徴とする。請求項3に記載の発明によれば、切削具の磨耗の状態に応じてデータテーブルを用意しておくので、上記切削具の磨耗の影響を取り込んだ上での切削具の内径方向への移動量を設定できる。これにより、切削刃の磨耗の影響による加工精度の低下を抑えることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明において、前記データベースにおいて、前記データテーブルがコンロッドの種類に応じて複数用意されていることを特徴とする。請求項4に記載の発明によれば、複数種類のコンロッドに対する貫通部の加工に対応することができる。
請求項5に記載の発明は、コンロッド貫通部の加工を行うための切削具の前記コンロッド貫通部の径方向の移動量と前記コンロッド貫通部の特定の一個所の内径の値との関係について、真円度を確保しつつ行われた前記コンロッド貫通部の加工に従う前記コンロッド貫通部の複数の箇所における内径の変化に基づいて取得した内容を記憶したデータベースを利用したコンロッドの加工方法であって、加工の対象となるコンロッド貫通部の前記特定の一個所の内径の値を取得する内径取得ステップと、前記内径取得ステップにおいて取得した前記特定の一個所の内径の値、および前記データベースに記憶された内容に基づき、前記切削具の前記コンロッド貫通部における径方向の前記移動量を演算する演算ステップとを有することを特徴とするコンロッドの加工方法である。
請求項6に記載の発明は、コンピュータに読み取らせて実行させるプログラムであって、コンピュータをコンロッド貫通部の加工を行うための切削具の前記コンロッド貫通部の径方向の移動量と前記コンロッド貫通部の特定の一個所の内径の値との関係について、真円度を確保しつつ行われた前記コンロッド貫通部の加工に従う前記コンロッド貫通部の複数の箇所における内径の変化に基づいて取得した内容を記憶したデータベースと、加工の対象となるコンロッド貫通部の前記特定の一個所の内径の値を取得する内径取得部と、前記内径取得部が取得した前記特定の一個所の内径の値、および前記データベースに記憶された内容に基づき、前記切削具の前記コンロッド貫通部における径方向の前記移動量を演算する演算部として機能させることを特徴とするコンロッドの加工を行うためのプログラムである。
本発明によれば、コンロッド貫通部の特定の一箇所の内径の値と、より真円の加工を行うことができるコンロッド貫通部の加工を行うための切削具のコンロッド貫通部の径方向における移動量との関係を予め求めておき、このデータに基づいて、測定したコンロッド貫通部の特定部分の内径の値から上記切削具の移動量を算出する。この場合、内径の測定が一箇所で良いので、コンロッド貫通部の真円度を確保しつつ、より効率の高い加工を行うことができる。
コンロッドを加工する加工装置の側面図(A)および(B)、正面図(C)および(D)である。 図1の加工装置の制御系の概要を示すブロック図である。 コンロッドの貫通部の一例を示す概略図である。 処理の手順の一例を示すフローチャートである。
(加工装置)
図1には、コンロッドの貫通部の内側(貫通孔の内周面)を切削加工する加工装置100が示されている。加工装置100は、図示しないモータにより回転する回転部101を備えている。回転部101には、加工径補正装置102が取り付けられている。加工径補正装置102は、図1(B)に示すように、径方向に移動することが可能な構造とされている。この移動は、図示しないモータやアクチュエータによって行われる。加工径補正装置102の中心には、ホルダ103を介して切削刃(スローアウェイチップ)105が取り付けられた切削具104が固定されている。
図1(A)には、加工径補正装置102の移動量が0(ΔL=0)であり、切削具104の中心と回転部101の回転軸とが一致している状態が示されている。この状態において、回転部101が回転すると、加工径1の内径を有する断面円形の開口を切削加工することができる。
図1(B)には、図1(A)に示す状態から、加工径補正装置102を移動量ΔLだけ回転軸の中心から離れる方向に移動させた場合の状態が示されている。この図1(B)の状態で回転部101が回転軸の回りを回転すると、ΔLの分だけ切削具104が偏心した状態で切削刃105が円周上を常に刃先を外側に向けた状態で移動する。
以下、図1(B)の場合を前提として、回転部101が回転する場合における切削刃105の動きについて説明する。図1(C)には、図1(B)の状態を軸方向から見た様子が示されている。図1(D)には、図1(C)の状態から回転部101が反時計回り方向に90°回転した状態が示されている。この場合、図1(A)の加工径1に比較して、より大きな寸法の加工径2の内径を有する断面円形の開口を切削加工することができる。
図1(B)〜(D)に示す原理から理解されるように、ΔLの値を調整することで、貫通した孔部の加工径を変更することができる。
(制御系)
次に、図1の加工装置100の動作を制御する制御系の構成について説明する。図2には、加工装置100の動作を制御する制御系の概要が示されている。図2に示す制御系は、制御部200を備えている。制御部200は、パーソナルコンピュータやワークステーション等の汎用コンピュータ、あるいはコンピュータとして動作する専用のハードウェアによって構成されている。制御部200は、データベース201、内径取得部202、演算・制御部203、回転制御部204、移動量制御部205を備えている。これらの機能部の一部または全部は、ソフトウェア的に構成されていてもよいし、ハードウェアによって構成されていてもよい。
データベース201には、測定されるコンロッド貫通部の内径と移動量ΔLとの関係を決めるデータテーブルが記憶されている。ここで、移動量ΔLは、図1によって定義されるパラメータである。このデータテーブルは、予め実験的に求めておいたデータに基づいて作成される。このデータテーブルの内容については後述する。
内径取得部202は、内径測定器206からの出力を受け、対象となるコンロッド貫通部の内径の測定値を取得する。内径測定部206は、測定値を電気信号で出力可能な内径測定用のダイヤルキャリパーゲージが採用される。演算・制御部203は、CPU、メモリ、インターフェース回路を備え、制御部200の動作に必要な演算を行う共に制御部200の動作を統括する。また演算・制御部203は、メモリ部を備え、このメモリ部には、後述する処理を実行するためのプログラムが記憶されている。回転制御部204は、回転部101を回転させるモータを制御するための制御信号を生成し、それを当該モータの駆動を行うモータ駆動回路207に出力する。
移動量制御部205は、図1の移動量ΔLで示される切削具104の移動量(偏心量)を設定する。すなわち、移動量制御部205は、ΔLで示される加工径補正装置100の移動を行うためのモータやアクチュエータを駆動する加工径補正装置駆動回路208に制御信号を送り、移動量ΔLを可変する制御を行う。
(データベースの内容)
データベース201に予め記憶しておく内容について説明する。まず、予め試作を行い、加工本数番号(使用している切削具における何本目の加工であるかに関する情報)、ある特定の方向における内径の測定値、およびより真円が得られる移動量ΔLとの関係を取得する。この際、コンロッド貫通部周辺の剛性の不均一性に起因する切削量の偏りがあるので、複数方向の内径を測定し、その測定値の偏差が極力小さくなる移動量ΔLを実験的に取得する。この作業は、パラメータを振って実験的に求めることで行われる。
当該切削具における加工本数番号、複数方向の内径のデータ群、このデータ群に対応する適切な移動量ΔLの組み合わせが得られたら、複数の内径値の中から一つを選び、対応する移動量ΔLとの関係を決めるデータテーブルを加工本数番号毎に作成する。表1には、1本目のコンロッドにおけるこのデータテーブルの一例が示されている。
Figure 2012176460
図1に示す切削具104の切削刃105は、徐々に磨耗してゆくので、上記の表1の関係は、1本目のコンロッドと2本目のコンロッドでは異なる。そこで、2本目、3本目・・・n本目のコンロッドの加工に際しての上記表1に対応する関係を求めておく。表2、表3に2本目、3本目のコンロッドの加工に際して利用するデータテーブルの一例を示す。
Figure 2012176460
Figure 2012176460
表1〜3には、順次行われる各コンロッドの加工において、測定された特定のある方向の内径の値R1、R2、・・・Rnと、この内径に対応する最も真円度を高くできる移動量ΔLの値との関係が示されている。また、表1〜3とは別に、表1〜3の内径測定値と同じ部分における測定値を用い、加工の終了を判定するための内径の測定値である「終了内径値」を予め求めておく。この「終了内径値」のデータもデータベース201に記憶される。なお、何本目まで同じ切削具を用いるかは、切削対象の材質や切削量によって異なるので、実験的に求めておき、その範囲内において、上記のデータが利用される。
以下、表1のデータテーブルを得る手順の一例を説明する。図3には、コンロッド301の貫通部302の付近が概念的に示されている。表1のデータテーブルは、貫通部302のある特定部分の内径(例えば、内径a)と、貫通部302の形状がより真円になるように加工できる加工径補正装置102の移動量(偏心量)ΔLとの関係を決める。この場合、ΔLの値とより真円度の高い加工が行われた場合のaの値との関係を実験的に求める。この際、真円度の程度の評価は、aとbの差を評価することで行われる。具体的には、aとbの差がより小さい程、真円度は大きくなるとした評価が行われる。この処理では、aとbの差に閾値を設け、aとbの差がこの設定した閾値以下である場合に、到達すべき真円度が確保できたと判定し、その際のaとΔLを取得する。そして加工が行われ、aとbの値が変化する過程において上記の処理を繰り返す。これにより、切削加工が進むにつれて生じるaとbの値の変化に基づく真円度の判定情報を取り込んだ形で、許容できる真円の程度が得られる場合におけるaの値とΔLの値との関係が得られる。そしてこの関係が得られたら、それを表1のデータとしてデータベース201に記憶する。なお、ここではaの値をパラメータとして利用する場合を説明したが、それは一例であり、bの値や他の内径部分の値を利用することもできる。また、更に異なる部分の内径を測定し、真円度の測定精度を更に高めてもよい。そして同様の手順により、2本目、3本目、・・・のコンロッドに関する同様のデータを取得し、上述した表1〜3を得る。なお、ここでは、表3までしか示されていないが、実際には、同一の切削刃による加工が行われるコンロッドの本数分のデータテーブルを取得する。
以下、参考のため、貫通部302の内側を切削加工した場合に真円とならず歪みが生じる原理を簡単に説明する。図3に示されるように、貫通部302周囲の肉厚は、均一ではない。特に符号303の部分は、他の部分に比較して相対的に肉厚が薄い。このため、貫通部302の内側を切削加工した際、符号303の部分の内周は、他の内周部分に比較して外側により逃げるように僅かではあるが変形する。この変形する分、削られる量が他の部分に比較して少なくなり、aとbの寸法に違いが生じる。これが、貫通部302の内周を加工した場合に、真円からの歪みが生じる理由である。
(処理の一例)
以下、図2に示す制御系において行われるコンロッド貫通部内側の加工処理の一例を説明する。図4には、図2に示す制御系で行われる処理の手順の一例を示すフローチャートが示されている。図4のフローチャートを実行するプログラムは、演算・制御部203内のメモリ部に記憶されている。このプログラムに従って、図4に示す処理が演算・制御部203によって実行される。なお、このプログラムを適当な記憶媒体に記憶させ、そこから提供される形態とすることも可能である。
処理が開始されると(S401)、まず同一切削具(同一切削刃)における何本目のコンロッドの加工であるかの情報が取得される(ステップS402)。次いで、ステップS402において取得された情報に基づき、対応するデータテーブルがデータベース201から読み出される(ステップS403)。例えば、1本目のコンロッドであれば表1のデータテーブルがデータベース201から読み出される。次いで、コンロッド貫通部における特定の個所における内径の測定が行われる(ステップS404)。この内径の測定は、内径測定用のダイヤルキャリパーゲージによって、対応するデータテーブルの内径値のデータが得られた部分(特定部分)において行われる。特定部分における内径の測定を行ったら、測定した内径の値が終了内径値以上であるか否か、が判定される(ステップS405)。測定した内径の値が終了内径値以上である場合、ステップS408に進み、処理を終了する。
ステップS404において測定した内径値が終了内径値以上でない場合、ステップS405からステップS406に進む。ステップS406では、ステップS403で読み出したデータテーブルに基づき、ステップS404において取得した測定内径値に対応した加工径補正装置102の移動量(偏心量)ΔLを算出し、この算出したΔLの移動量となるように加工径補正装置102の動きを設定とする(ステップS406)。次いで、回転部101を回転させ、ステップS406で設定された内容に従った規定の加工処理を行う(ステップS407)。規定の加工処理が終了したら、ステップS404以下の処理を繰り返す。
(優位性)
以上述べた実施形態によれば、まずコンロッド301の貫通部302の特定部分の内径と、当該貫通部302の真円度を確保するのに適切な加工装置の制御パラメータである加工径補正装置102の回転軸から離れる方向への移動量ΔLとの関係を、加工対象となるコンロッドの加工の順番に関連付けて予め調べておく。そして、例えば表1〜3に示すデータテーブルを得、それをデータベース201に予め記憶しておく。そして、コンロッド301の加工時において、貫通部302の特定部分の内径を測定し、その測定値を該当するデータテーブルに照合させ、移動量ΔLを算出する。
この手法では、加工用の工具が磨耗してくる中で、コンロッド貫通部内径の真円度の変化が予めデータとして取得され、更にそれと特定個所の内径との関係を決めるデータテーブルが取得されている。このため、この特定個所の内径を測定し、その測定値を先の予め取得しておいたデータテーブルに照合することで、測定された内径に応じたより真円度が確保できる移動量ΔLを得ることができる。
従来技術でも貫通部の内径を測定し、それに基づき移動量Lを得るが、内径の測定個所が一箇所である場合、この一箇所の内径の値と、貫通部の真円度との関係は内径測定時には、明確でないので、測定された内径の値が規定の内径の値になるように移動量ΔLを決めると、真円度が悪くなる。つまり、貫通部の断面形状が真円から歪んでいるので、一箇所の内径が規定の内径になるように移動量ΔLを設定すると、測定しなかった部分において、削り過ぎ、あるいは削り不足が発生し、真円からのずれが増大する。複数個所(複数方向)における内径を測定し、その平均値を用いることで、この問題は緩和されるが、そうすると、内径の測定回数が増えるので、作業時間および作業の手間が増大し、加工作業の効率が低下する。また、内径の値を適当なタイミングで測定し、それをフィードバックさせる方法は、その頻度を多くしないと誤差が生じやすい。特に磨耗が進行してゆく切削刃の状態を情報として取り込むには、頻繁に内径の測定を行わなくてはならず、作業の効率が悪い。
この従来技術に対して、上記の実施形態によれば、特定の一箇所の内径と、より真円度が得られる移動量ΔLとの関係が、複数の径方向における測定データに基づいて予め算出されている。この算出結果には、特定の一箇所の内径と対応付けられた移動量ΔLであっても、予め切削刃の磨耗の影響や方向による切削量の違いに係る影響を是正するための情報が含まれている。このため、加工時に測定するコンロッド貫通部の内径が一箇所であり、そのタイミングが限定されていても、加工した貫通孔の形状の真円からの歪みを抑えることができる。つまり、コンロッド貫通部の真円度を確保しつつ、より効率の高い加工を行うことができる。
(その他)
図2に示す制御系は、複数の品種のコンロッドの加工が可能な構成とすることもできる。この場合、例えば表1〜3に対応するデータテーブルをコンロッドの種類に応じて用意しておき、それをデータベース201に記憶しておく。そしてコンロッドの種類に応じて、対応するデータテーブルを読み出し、そのデータテーブルに基づいて、図4に示す処理を実行する。なお、実施形態では、同一切削具(切削刃)による1〜3本目までに対応する表1〜3が示されているが、例えば同一切削具で5本の加工を行うのであれば、例示したテーブルデータは、表1〜表5までの5組が用意される。
表1〜3には、1本目のコンロッドにおける内径測定値と最適な移動量ΔLとの関係、2本目のコンロッドにおける内径測定値と最適な移動量ΔLとの関係、3本目のコンロッドにおける内径測定値と最適な移動量ΔLとの関係、というように、加工本数毎における内径測定値と最適な移動量ΔLとの関係をデータとして保持する例が示されている。これとは別の形態として、切削具の磨耗量に対応させて内径測定値と最適な移動量ΔLとの関係をデータ化し、それを用いることもできる。
この場合、切削刃105の磨耗量を複数点(W1,W2・・・)において測定し、磨耗量W1における内径測定値Rと最適な移動量ΔLとの関係を調べたデータテーブル(すなわち、表1に対応するデータテーブル)、磨耗量W2における内径測定値Rと最適な移動量ΔLとの関係を調べたデータテーブル、・・・を各磨耗量に対応させて予め用意しておく。そして、作業に当たって、切削具105の磨耗量を測定ゲージによって定期的に測定し、その測定値に近い値に対応する上記データテーブルを読み出し、そのデータテーブルを利用して、図4のステップS403以下の処理を行う。なお、この場合も対応するデータテーブルをコンロッドの種類に応じて用意しておくことができる。
本発明は、コンロッド貫通部の加工に利用することができる。
100…加工装置、101…回転部、102…加工径補正装置、103…ホルダ、104…切削具、105…切削刃。

Claims (6)

  1. コンロッド貫通部の加工を行うための切削具の前記コンロッド貫通部の径方向の移動量と前記コンロッド貫通部の特定の一個所の内径の値との関係について、真円度を確保しつつ行われた前記コンロッド貫通部の加工に従う前記コンロッド貫通部の複数の箇所における内径の変化に基づいて取得した内容を記憶したデータベースと、
    加工の対象となるコンロッド貫通部の前記特定の一個所の内径の値を取得する内径取得部と、
    前記内径取得部が取得した前記特定の一個所の内径の値、および前記データベースに記憶された内容に基づき、前記切削具の前記コンロッド貫通部における径方向の前記移動量を演算する演算部と
    を備えことを特徴とするコンロッドの加工制御装置。
  2. 前記データテーブルは、当該切削具による既に加工が終了したコンロッドの本数に応じて用意されていることを特徴とする請求項1に記載のコンロッドの加工制御装置。
  3. 前記データテーブルは、当該切削具の磨耗量に応じて複数が用意されていることを特徴とする請求項1に記載のコンロッドの加工制御装置。
  4. 前記データベースにおいて、前記データテーブルがコンロッドの種類に応じて複数用意されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のコンロッドの加工制御装置。
  5. コンロッド貫通部の加工を行うための切削具の前記コンロッド貫通部の径方向の移動量と前記コンロッド貫通部の特定の一個所の内径の値との関係について、真円度を確保しつつ行われた前記コンロッド貫通部の加工に従う前記コンロッド貫通部の複数の箇所における内径の変化に基づいて取得した内容を記憶したデータベースを利用したコンロッドの加工方法であって、
    加工の対象となるコンロッド貫通部の前記特定の一個所の内径の値を取得する内径取得ステップと、
    前記内径取得ステップにおいて取得した前記特定の一個所の内径の値、および前記データベースに記憶された内容に基づき、前記切削具の前記コンロッド貫通部における径方向の前記移動量を演算する演算ステップと
    を有することを特徴とするコンロッドの加工方法。
  6. コンピュータに読み取らせて実行させるプログラムであって、
    コンピュータを
    コンロッド貫通部の加工を行うための切削具の前記コンロッド貫通部の径方向の移動量と前記コンロッド貫通部の特定の一個所の内径の値との関係について、真円度を確保しつつ行われた前記コンロッド貫通部の加工に従う前記コンロッド貫通部の複数の箇所における内径の変化に基づいて取得した内容を記憶したデータベースと、
    加工の対象となるコンロッド貫通部の前記特定の一個所の内径の値を取得する内径取得部と、
    前記内径取得部が取得した前記特定の一個所の内径の値、および前記データベースに記憶された内容に基づき、前記切削具の前記コンロッド貫通部における径方向の前記移動量を演算する演算部と
    して機能させることを特徴とするコンロッドの加工を行うためのプログラム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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