JP2012171999A - 付加反応硬化型シリコーンゴム組成物及びその硬化物で封止された半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下記(A)〜(D)成分を含む付加反応硬化型シリコーンゴム組成物。
(A)一分子中に少なくとも2個のアルケニル基を含有するジオルガノポリシロキサン、
(B)ケイ素原子に結合する水素原子を一分子中に少なくとも2個含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(C)白金族金属系触媒、及び
(D)黒鉛化処理後に結晶構造に欠陥を生じさせた炭素繊維。
【選択図】なし
Description
すなわち、本発明の付加反応硬化型シリコーンゴム組成物は、 以下の(A)〜(D)成分、
(A)一分子中に少なくとも2個のアルケニル基を含有するジオルガノポリシロキサン、
(B)ケイ素原子に結合する水素原子を一分子中に少なくとも2個含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(C)白金族金属系触媒、及び
(D)黒鉛化処理後に結晶構造に欠陥を生じさせた炭素繊維、
を含む組成物である。
さらに、本発明は、前記付加反応硬化型シリコーンゴム組成物の硬化物で封止された半導体装置である。
(A)一分子中に少なくとも2個のアルケニル基を含有するジオルガノポリシロキサン
(A)成分のアルケニル基含有ジオルガノポリシロキサンは、一分子中に少なくとも2個の、ケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するもので、本発明の組成物のベースポリマーとして使用される。このアルケニル基含有ジオルガノポリシロキサンは、一般的には主鎖部分が基本的にジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖された直鎖状のものであるが、これは分子構造の一部に分岐状の構造を含んでいてもよく、また全体が環状体であってもよい。中でも、硬化物の機械的強度等の物性の点から直鎖状のジオルガノポリシロキサンが好ましい。該アルケニル基は、分子鎖の両末端にのみに存在していても、分子鎖の途中のみに存在していても、或いは分子鎖の両末端及び分子鎖の途中に存在していてもよい。
Yはアルケニル基又はR1であり、このアルケニル基としては前記したXで例示したものと同じものが挙げられ、またR1は前記と同じ意味を示すものであるが、分子鎖両末端のケイ素原子に結合する置換基としてのYは、いずれもアルケニル基であることが好ましい。
また、このアルケニル基含有ジオルガノポリシロキサンは、25℃における粘度が10〜1,000,000cP(センチポイズ)、特に100〜500,000cP程度のものが好ましい。
このアルケニル基含有ジオルガノポリシロキサンは、分子構造や重合度の異なる2種以上を併用してもよい。
(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、一分子中に少なくとも2個、好ましくは3個以上のケイ素原子に結合する水素原子(即ち、SiH基)を含有するもので、架橋剤として使用される。このオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、直鎖状、分岐状、環状、或いは三次元網状構造の樹脂状物のいずれでもよい。
(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンの代表例としては、例えば、下記平均組成式(2):
HaR2 bSiO(4−a−b)/2 (2)
(式中、R2は独立に脂肪族不飽和結合を含有しない非置換又は置換の1価炭化水素基であり、a及びbは、0<a<2、0.7≦b≦2 かつ 0.8≦a+b≦3、好ましくは0.001≦a≦1.2、0.8≦b≦2 かつ 1≦a+b≦2.7、より好ましくは0.01≦a≦1、1.5≦b≦2 かつ 1.8≦a+b≦2.4を満足する数である。)で表わされるオルガノハイドロジェンポリシロキサンが挙げられる。
(i、rは上記と同じ、sは0以上の整数)
(i、rは上記と同じ、qは2以上の整数)
(i、s、rは上記と同じ)
等で表されるものが挙げられる。この(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、通常、25℃における粘度が0.2〜1000cP、特に0.5〜500cP程度のものが、好適に使用される。
(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、分子構造や重合度の異なる2種以上を併用してもよい。
(C)成分の白金族金属系触媒は、前記の(A)成分のアルケニル基と(B)成分のSiH基との付加反応(ヒドロシリル化反応)を促進するための触媒である。(C)成分の白金族金属系触媒としては、周知のヒドロシリル化反応用触媒が使用できる。その具体例としては、例えば、白金(白金黒を含む)、ロジウム、パラジウム等の白金族金属単体;H2PtCl4・nH2O、H2PtCl6・nH2O、NaHPtCl6・nH2O、KHPtCl6・nH2O、Na2PtCl6・nH2O、K2PtCl4・nH2O、PtCl4・nH2O、PtCl2、Na2HPtCl4・nH2O、(但し、式中、nは0〜6の整数であり、好ましくは0又は6である)等の塩化白金、塩化白金酸及び塩化白金酸塩;アルコール変性塩化白金酸(米国特許第3,220,972号明細書参照);塩化白金酸とオレフィンとのコンプレックス(米国特許第3,159,601号明細書、同第3,159,662号明細書、同第3,775,452号明細書参照);白金黒、パラジウム等の白金族金属をアルミナ、シリカ、カーボン等の担体に担持させたもの;ロジウム−オレフィンコンプレックス;クロロトリス(トリフェニルフォスフィン)ロジウム(ウィルキンソン触媒);塩化白金、塩化白金酸又は塩化白金酸塩とビニル基含有シロキサン、特にビニル基含有環状シロキサンとのコンプレックス等が挙げられる。
(C)成分の使用量は、所謂触媒量でよく、通常、(A)成分及び(B)成分の合計量に対し、白金族金属の重量換算で、0.1〜1000ppm、特に0.5〜500ppm程度である。
(D)成分の炭素繊維は、伝熱性を付与するために添加される。本発明に用いられる(D)成分の炭素繊維は、PAN系、ピッチ系のどちらでもよく、原料繊維を前処理又は不融化処理した後、焼成処理により炭化、黒鉛化された通常の炭素繊維を結晶構造に欠陥を生じさせたものである。結晶構造に欠陥を生じさせることにより、(A)成分、(B)成分のオルガノポリシロキサンとの濡れ性(親和性)が著しく向上し、熱伝導性や接着性が優れたものとなる。
この炭素繊維の繊維長さは、特に制限されないが5μm〜1000μmであることが好ましく、特に好ましくは10μm〜500μmである。
(D)成分の使用量は、通常、(A)成分100質量部に対して1〜500質量部、好ましくは、5〜100質量部である。
(E)高熱伝導性フィラー
(E)成分の高熱伝導性フィラーは、(A)〜(D)成分を含有する本発明の組成物に、必要に応じて配合される任意成分であり、より高熱伝導性を付与する成分である。(E)成分の高熱伝導性フィラーとしては、熱伝導率が0.4187W/(m・K)以上、特に4.187W/(m・K)以上のものが好ましく、例えば、アルミナ粉、窒化ホウ素粉、窒化アルミ粉、窒化ケイ素粉等のセラミックス系フィラー;アルミ粉、銀粉、銅粉、ニッケル粉等の金属粉等が挙げられる。(E)成分の使用量は、(A)成分のアルケニル基含有ジオルガノポリシロキサン100重量部に対して、10〜2000重量部が好ましく、特に好ましくは20〜1500重量部である。
(D)成分や(E)成分の分散性等をより向上させるため、(F)成分として、有機官能基を有する有機ケイ素化合物などの表面処理剤を添加することができる。
ここで、有機官能基を有する有機ケイ素化合物としては、具体的に、アルコキシ基を有するシランカップリング剤や加水分解性基を有するシラン類を挙げることができる。該シランカップリング剤としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、トリメトキシシリルプロピルナジック酸無水物を挙げることができる。
一方、加水分解性基を有するシラン類としては、エチルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン類を挙げることができる。
また、下記一般式(3):
(HO)3Si(OSiH(OR3))nSi(OR3)3 (3)
(式中、nは0≦n≦100の整数、R3は独立に非置換又は低級アルコキシ置換のアルキル基である。)で表される、トリアルコキシモノハイドロジェンシランも使用することができる。一般式(3)において、R3の非置換又は低級アルコキシ置換のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基等の、通常炭素数1〜12、好ましくは炭素数1〜6程度のもの等が挙げられる。
本発明の組成物には、前記(A)〜(F)成分以外に、必要に応じて、通常使用されている添加剤を添加することができる。該添加剤としては、例えば、ヒュームドシリカ、ヒュームド二酸化チタン等の補強性無機フィラー;けい酸カルシウム、二酸化チタン、酸化第二鉄、カーボンブラック等の非補強性無機フィラー等が挙げられる。これらの無機フィラーの添加量は、(A)〜(D)成分の合計量100重量部当たり、通常0〜200重量部である。また、後述するように、特に組成物を2液型で使用する場合は、アセチレンアルコール等の硬化抑制剤を添加することができる。更に、組成物の接着性を向上する目的で、前記成分以外にエポキシ基含有ポリシロキサン化合物やエステルシロキサン化合物を添加することができる。
(A)成分として
下記式:
次に、この混練物に、(D)成分として、24時間以内に400℃で8時間焼成した炭素繊維(ラヒーマ1−A(帝人社製))を20重量部、(E)成分としてアルミニウム粉末(AMX−0217 東洋アルミニウム社製)を575重量部、(F)成分として表面処理剤(KBM−3103 信越化学工業社製)を6.6重量部加え、プラネタリーミキサー内で70℃2時間混練りし、3本ロールで混練りした。
その後、プラネタリーミキサー内で、(C)成分として、塩化白金酸のオクチルアルコール変性溶液(白金金属としての含有量:2重量%)0.3重量部加え混練り後、更に硬化抑制剤(エチニル50)を0.3重量部加えて混練りを行った。更に、(B)成分としてメチルハイドロジェンポリシロキサン(SiH基の含有量:0.7モル/100g)を加え混練り後、接着助剤として式
実施例1において、焼成処理をした(D)成分の代わりに、焼成処理を行わない(D)成分を用いて同様の操作を行い、付加反応硬化型シリコーンゴム組成物を製造した。
実施例1において、(D)成分の炭素繊維を用いずに、アルミニウム粉末を600重量部として同様の操作を行い、付加反応硬化型シリコーンゴム組成物を製造した。なお、このときの組成物中に占める高熱伝導性フィラー(アルミニウム粉末)の充填量は、体積比で実施例1と同じである。
(粘度)
前記各付加反応硬化型シリコーンゴム組成物の粘度の測定を測定した。その測定には、東機産業社製のTVE−33H形粘度計を使用した。使用したコーンプレートは、3°(コーン角度)×R9.7(コーン半径)であり、回転速度は10rpmに設定した。また、測定温度は23℃とした。
前記各付加反応硬化型シリコーンゴム組成物を150℃で4時間加熱して硬化物を得た。この硬化物の硬化状態(発泡の有無、フィラーの分散状態等)を目視で調べた。
前記各付加反応硬化型シリコーンゴム組成物を150mm×100mm×2mmの金型に流し込み、これを真空脱泡した後、150℃で4時間、加熱してシート状の硬化物を得た。この硬化物について、JIS K 6301に準じてゴム物性(硬さ)を測定した。なお、硬さは、スプリング式硬さ試験機A型を使用して測定した。
前記各付加反応硬化型シリコーンゴム組成物の熱伝導率について、JIS R 1611に準拠した、レーザーフラッシュ法(LFA 447 Nanoflash ネッチゲレイデバウ社製)を用いて測定した。まず、直径1cm、厚さ1mmのアルミ板2枚の間に、異なる厚みとなるように上記付加反応硬化型シリコーンゴム組成物を挟み込んだ複数の試験片を準備し、150℃で4時間加熱して硬化した。次いで、上記試験片全体をカーボンブラックでコーティングし、それらを熱拡散係数測定用の試験片として、各硬化物の厚みでの熱拡散係数(mm2/s)を測定し、次式より各膜厚における熱伝導率(W/(m・K))を算出した。上記各熱伝導率をそれぞれ測定した硬化物の各厚みで割って得られた商を、各膜厚での熱抵抗値(mm2K/W)とした。上記各熱抵抗値を縦軸とし、各試験片の硬化物の厚みを横軸としてプロットした。そして、その傾きの逆数をその付加反応硬化型シリコーンゴム組成物の熱伝導率とした。
前記各付加反応硬化型シリコーンゴム組成物の接着力を評価した。まず、得られた上記組成物を電気・電子部品に用いられる、150mm×100mm×1mmのニッケルメッキ基板に塗布し、これに直径0.2mmとなるようにジルコニアボールを数個加え、その上から5mm×5mmのSiチップを載せ、軽く押した後、150℃で4時間加熱して、硬化物を得た。
次いで、得られた硬化物について、これを基板から剥ぎ取る際に、凝集破壊(Siチップと基板間の硬化物が断面で破壊したもの)の部分と界面剥離(硬化物と基板又はSiチップとの接着界面で破壊したもの)の部分との割合(面積比)を観察して、凝集破壊率を求め、接着力を評価した。なお、凝集破壊率は、破壊面全体の面積に対する凝集破壊の割合をいう。
接着性の評価基準:
○:非常に強固に接着(凝集破壊率が80%以上)
△:良好に接着(凝集破壊率が50〜80%未満)
×:容易に剥離(凝集破壊率が50%未満のもので、殆ど接着しない)
Claims (6)
- 以下の(A)〜(D)成分、
(A)一分子中に少なくとも2個のアルケニル基を含有するジオルガノポリシロキサン、
(B)ケイ素原子に結合する水素原子を一分子中に少なくとも2個含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(C)白金族金属系触媒、及び
(D)黒鉛化処理後に結晶構造に欠陥を生じさせた炭素繊維、
を含むことを特徴とする付加反応硬化型シリコーンゴム組成物。 - (D)成分が、黒鉛化処理後、400〜500℃で焼成することにより結晶構造に欠陥を生じさせたものである請求項1に記載の付加反応硬化型シリコーンゴム組成物。
- (D)成分の繊維長さが5〜1000μmである請求項1又は2に記載の付加反応硬化型シリコーンゴム組成物。
- 更に(E)成分として、高熱伝導フィラーを配合した請求項1〜3のいずれか1項に記載の付加反応硬化型シリコーンゴム組成物。
- 更に(F)成分として、表面処理剤を配合した請求項1〜4のいずれか1項に記載の付加反応硬化型シリコーンゴム組成物。
- 請求項1〜5いずれか1項に記載の付加硬化型シリコーンゴム組成物を硬化して得られる硬化物で封止された半導体装置。
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