JP2012150914A - 高抵抗材複合酸化物超電導線材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の高抵抗材複合酸化物超電導線材は、テープ状の金属製の基材と、その上方に設けられた中間層および酸化物超電導層と、該酸化物超電導層上に設けられた厚さ10μm以下のAgの安定化層とを備えて酸化物超電導積層体が構成され、該酸化物超電導積層体の外方に前記安定化層を介し前記酸化物超電導層に導通する高抵抗材からなる高抵抗層が形成され、前記抵抗層の0℃における体積抵抗率が0.1μΩm以上、かつ、前記抵抗層の熱伝導率が20W/mK以上であり、前記酸化物超電導積層体の周囲が前記安定化層または高抵抗層あるいは他の層により囲まれてなることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
この種の酸化物超電導線材は、安定化のために酸化物超電導層上にAgのスパッタ層をコーティングしたり、更にCuの安定化層を接合して抵抗を下げたりすることが行われる。しかし、超電導線材を超電導限流器に使用する場合は常電導状態での電気抵抗を増加させる必要があり、前記AgやCuの安定化層は電気抵抗を減少させてしまう。そのため、AgやCuではなく、これらの金属材料よりも電気抵抗が高い物質を高抵抗層として酸化物超電導層上に形成する必要がある。
更に、酸化物超電導線材はテープ状の基材上に中間層を介し酸化物超電導層を積層し、その上に安定化層を積層した構造とされるが、その構造の問題点として、酸化物超電導層を一部でも露出したまま長時間放置すると、環境雰囲気からの水分の浸入により、経年的に超電導特性低下の要因となる。そのため、上述の2点をクリアできる構造であって、酸化物超電導層の表面あるいは側面を完全に保護することができる構造の提供は極めて重要な技術と考えられる。
上述の構造は、酸化物超電導層と安定化層を備え、0℃における体積抵抗率が0.1μΩm以上、かつ、前記高抵抗層の熱伝導率が20W/mK以上である高抵抗層を備え、酸化物超電導層が常電導状態となって高抵抗層に電流が流れた場合に安定化層のみの構造に比べて高い抵抗値を示すので、超電導限流器用として好適な抵抗特性を得ることができ、安定した限流動作が可能となる。また、熱伝導率が20W/mK以上であるので、積層構造の酸化物超電導線材であっても熱はけが良く、線材内部に熱を溜めることが少ない特徴を有する。
以上のことから、限流器用途に用いた場合、繰り返し限流動作を行っても、酸化物超電導層と高抵抗層及び周囲構造に熱を溜めるおそれが少なく、酸化物超電導層の焼損や損傷に至ることがない構造を提供できる。
また、酸化物超電導積層体の周囲を安定化層、高抵抗層あるいは他の層で囲んでいるので、使用環境雰囲気から酸化物超電導積層体側への水分の浸入を防止することができ、超電導特性の劣化を防止できる特徴がある。
この構造により、使用環境雰囲気から酸化物超電導積層体側への水分の浸入を防止することができ、超電導特性の劣化を防止できる特徴がある。
本発明において、前記酸化物超電導積層体の全周を前記安定化層で覆って被覆酸化物超電導積層体が形成され、該被覆酸化物超電導積層体の外方に高抵抗材からなるテープ導体が貼り合わされてなることが好ましい。
超電導線材において高抵抗層を設ける位置は、基材上に中間層と酸化物超電導層と安定化層を備える積層構造において、積層構造全体を取り囲むように設けることができ、その場合、高抵抗層で酸化物超電導層を含めた積層構造全体を取り囲むことができるので、酸化物超電導層に対し雰囲気中の水分の浸入を阻止することができ、酸化物超電導層の経時的な劣化を抑制できる。
超電導線材において高抵抗層を設ける構造として、基材上に中間層と酸化物超電導体と安定化層を備えた積層構造において、高抵抗材のテープ導体を貼り合わせることができ、成膜法やめっき法などに比べ簡便に必要な厚さと体積の高抵抗材を酸化物超電導層の近傍に安定化層を介して配置することができ、上述の限流器用途として好適な抵抗値と熱伝導性を兼ね備えた酸化物超電導線材を提供できる。
前記テープ導体を配置した構造において、酸化物超電導層に導通状態で設けられている安定化層にテープ導体を貼り合わせた上に、全周を導電性のコーティング層で覆うことで、酸化物超電導層の全体を確実に保護できるので、酸化物超電導層に対し雰囲気中の水分の浸入を阻止することができ、酸化物超電導層の経時的な劣化を抑制できる。
これらの材料からなるならば、体積抵抗率が0.1μΩm以上、かつ、前記高抵抗層の熱伝導率が20W/mK以上の高抵抗層を具体的に備えることになるので、安定した限流動作が可能で熱はけの良い高抵抗材複合酸化物超電導線材を提供できる。
本発明において、前記高抵抗層がめっきまたは溶射で形成されたことが好ましい。
めっきまたは溶射によれば、必要な厚さの高抵抗層を酸化物超電導積層体の外周に確実に形成でき、酸化物超電導積層体の周囲を囲むことも確実にできる。
本発明において、前記めっきまたは溶射で形成された高抵抗層の膜厚が30μm以下であることが好ましい。
高抵抗層の膜厚がこの範囲であるならば、めっきや溶射で形成した高抵抗層が必要以上に硬くなることがないので、超電導線材として必要な可撓性を損なうことが無く、超電導線材としての巻線加工などに支障を生じない。
図1は本発明に係る第1実施形態の高抵抗材複合酸化物超電導線材1を模式的に示す概略断面図であり、図2は該高抵抗材複合酸化物超電導線材1に組み込まれている酸化物超電導積層体2の積層構造の詳細を示す構成図である。
酸化物超電導積層体2は、テープ状の基材3の上に、中間層5と酸化物超電導層6とAgの安定化層8を積層してなり、その酸化物超電導積層体2を中心部に備え、その全周面を覆うように高抵抗材からなる高抵抗層9が形成されることにより高抵抗材複合酸化物超電導線材1が構成されている。なお、本実施形態においてAgの安定化層8は中間層5の側面、酸化物超電導層6の側面、基材3の側面を覆って基材3の裏面も覆うように形成されているが、安定化層8は少なくとも酸化物超電導層6の上に形成されていれば良い。
本実施形態に適用されている酸化物超電導積層体2は、より詳細には図2に示す如く、テープ状の基材3の上面に、拡散防止層11とベッド層12と配向層15とキャップ層16からなる中間層5が積層され、その上に酸化物超電導層6とAgの安定化層8を積層して構成されているが、図1では図示の簡略化のために中間層5を簡略化して描いている。なお、拡散防止層11とベッド層12は必須ではなく、場合によっては略しても良い。
この配向層15をIBAD(Ion-Beam-Assisted Deposition)法により良好な結晶配向性(例えば結晶配向度15゜以下)で成膜するならば、その上に形成するキャップ層16の結晶配向性を良好な値(例えば結晶配向度5゜前後)とすることができ、これによりキャップ層16の上に成膜する酸化物超電導層6の結晶配向性を良好なものとして優れた超電導特性を発揮できる酸化物超電導層6を得るようにすることができる。
例えば、Gd2Zr2O7、MgO又はZrO2−Y2O3(YSZ)からなる配向層15は、IBAD法における結晶配向度を表す指標であるΔφ(FWHM:半値全幅)の値を小さくできるため、特に好適である。
図3に示す装置は、拡散防止層11とベッド層12を備えたテープ状の基材3をその長手方向に走行するための走行系(図示略)と、その表面が基材3の表面に対して斜めに向いて対峙されたターゲット21と、ターゲット21にイオンを照射するスパッタビーム照射装置22と、基材3の表面に対して斜め方向からイオン(希ガスイオンと酸素イオンの混合イオン)を照射するイオン源23とを有しており、これらの各装置は真空容器(図示略)内に配置されている。
このように、ベッド層12の表面に、ターゲット21の構成粒子を堆積させつつ、所定の入射角度でイオン照射を行うことにより、形成されるスパッタ膜の特定の結晶軸がイオンの入射方向に固定され、結晶のc軸が金属基板の表面に対して垂直方向に配向するとともに、結晶のa軸及びb軸が面内において一定方向に配向する。このため、IBAD法によってベッド層12上に形成された配向層102は、高い面内配向度、例えばΔφ=12〜16゜程度を得ることができる。
例えばCeO2によって構成される。キャップ層16は、上述のように自己配向していることにより、配向層15よりも更に高い面内配向度、例えばΔφ=4〜6゜程度を得ることができる。
CeO2層の膜厚は、50nm以上であればよいが、十分な配向性を得るには100nm以上が好ましい。但し、厚すぎると結晶配向性が悪くなるので、50〜5000nmの範囲、より好ましくは100〜5000nmの範囲とすることができる。
酸化物超電導層6は、スパッタ法、真空蒸着法、レーザ蒸着法、電子ビーム蒸着法、化学気相成長法(CVD法)等の物理的蒸着法;熱塗布分解法(MOD法)等で積層することができ、なかでも生産性の観点から、PLD(パルスレーザー蒸着)法、TFA−MOD法(トリフルオロ酢酸塩を用いた有機金属堆積法、塗布熱分解法)又はCVD法を用いることができる。
なお、酸化物超電導層6の上に形成する安定化層をAgから構成する理由として、酸化物超電導層6に酸素をドープするアニール工程においてドープした酸素を酸化物超電導層6から逃避し難くする性質を有する点を挙げることができる。Agの安定化層8を成膜するには、スパッタ法などの成膜法を採用し、その厚さを10μm以下程度、例えば1〜10μmの厚さに形成できる。Agの安定化層8を酸化物超電導積層体2の全周面に形成するには、例えば、スパッタ法などの成膜法により安定化層8を形成する場合は、成膜装置のチャンバの内部で酸化物超電導積層体2を回転させながら成膜するか、酸化物超電導積層体2を成膜装置の内部で移動させながら成膜する場合に複数の方向からAgのスパッタ粒子が堆積するように成膜する。あるいは溶射法あるいはめっき法によりAgコーティングを行ってAgの安定化層8を酸化物超電導積層体2の全周に形成すればよい。
本実施形態においては、超電導線材に常電導時の高抵抗性を付与するために、Agの安定化層8の全周面を以下に説明する高抵抗層9で覆って構成する。高抵抗層9は良電導性の安定化層8を介し酸化物超電導層6に接しているので、本実施形態の高抵抗材複合酸化物超電導線材1を超電導限流器用として用い、超電導状態から常電導状態に転位した場合、酸化物超電導層6に通電していた電流分を高抵抗層9に流して高抵抗を得るための主体となる。
高抵抗材として用いる金属元素において、例示すると、Crは0℃における体積抵抗率0.13μΩm、熱伝導率130W/mKであり、Mnは0℃における体積抵抗率1.6μΩm、熱伝導率157W/mKであり、Siは0℃における体積抵抗率2.3×108μΩm、熱伝導率168W/mKである。また、Geは0℃における体積抵抗率8.9×104μΩm、熱伝導率67W/mKである。また、電気抵抗合金として知られるカーマロイ(ニッケル76質量%、Cr19質量%、その他5質量%)は0℃における体積抵抗率1.33μΩm、熱伝導率21W/mKである。その他、コンスタンタンなども適用できる。
高抵抗層9は10μm以上の厚さとすることが好ましい。また、高抵抗層9をめっきにより形成する場合のことを考慮すると、めっき装置の規模の増大に鑑み、高抵抗の状態を維持するために厚さ30μm以下とすることが好ましい。従って、高抵抗層9の厚さについて10μm以上30μm以下の膜厚とすることにより、超電導特性の経年劣化の生じない限流器用の酸化物超電導線材として有用な酸化物超電導線材1を提供できる。
高抵抗層9を形成する方法の具体例として、GeやCrを用いためっき法、Ge、Siを用いた溶射法などを例示できる。
例えば、酸化物超電導積層体2の製造工程についてこれまで説明してきたように、テープ状の長尺の基材3の上に、拡散防止層11、ベッド層12、配向層15、キャップ層16などの各層を成膜する過程においては、真空雰囲気において雰囲気を制御して行う成膜法を駆使し、テープ状の長尺の基材3を成膜装置の内部で移動させながら、必要に応じて数100℃の高温度に繰り返し加熱しながら各層を成膜するが、このため、基材3の側面側と裏面側は、繰り返し成膜雰囲気に曝されながら、成膜する層によっては数100℃の高温に加熱される。
このため、基材3の側面側と裏面側には、拡散防止層11、ベッド層12、配向層15、キャップ層16を成膜する工程を経る内に、不要な堆積物や高温生成物などが僅かに付着することが原因となるとともに、基材3を構成する材料がハステロイである場合、電解めっきの付きが特に悪い問題がある。
高抵抗層9は、これら安定化層8の剥離部分や損傷部分も含めて酸化物超電導積層体2の全周を完全に覆い、環境雰囲気中に存在する水分が酸化物超電導層6に到達しないように被覆する必要がある。このため、高抵抗層9は、上述の如く10μm以上の膜厚として酸化物超電導積層体2の全周(換言すると酸化物超電導層6の表面と側面)を完全に覆っていることが好ましい。
このような事情に鑑み、高抵抗層9を形成する場合、上述の如く体積抵抗率として0.1μΩm以上を確保し、熱伝導率が20W/mK以上を確保するという要求を満足する上に、高抵抗層9を形成する方法がめっき法や溶射法、塗布法に限らず、いずれの方法で高抵抗層9を形成するとしても、その膜厚を10μm以上確保することが好ましい。高抵抗層9を必要な膜厚形成することで、安定化層8の被覆に上述の如く多少の問題が生じていたとしても、酸化物超電導層6を完全に被覆できるので、高温多湿環境下で長期間使用しても、水分が超電導層側に浸入するおそれがなくなり、超電導特性の劣化は生じない。
Geめっきを行うには、一例として、図4に示す如くGe酸化物などのGe化合物を添加した電解液31を電解槽30に収容し、一方の電極として電極ローラ32を電解液31中に配置し、他方の電極として固定電極33を電解液31の内部に浸漬する形で設け、酸化物超電導積層体2を電解液31に浸漬し、電極ローラ32を介して低速で引き上げる間に電解処理を行えばよい。Geめっきを行う場合の具体例として、Ge酸化物をアルカリ塩に溶解後、この溶液に硫酸を加えてPH調整し、浴温度30〜50℃程度として電流密度0.1〜1.0Amp/dm2程度で電解することでGeめっきを施すことができる。
また、Geコーティング層を成膜法により形成する場合は、スパッタ法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などを用い、ターゲットとして4N程度のGeターゲットを用い真空チャンバーの内部においてて成膜時間10数秒〜数100秒程度で必要な膜厚のGeコーティング層を成膜できる。
以上のことから、限流器用途に用いた場合、繰り返し限流動作を行っても、酸化物超電導層6と高抵抗層9及び周囲構造に熱を溜めるおそれが少なく、限流動作を繰り返し行っても酸化物超電導層6の焼損や損傷に至ることがない構造を提供できる。
また、図1に示す構造の高抵抗材複合酸化物超電導線材1において高抵抗層9を設ける位置は、基材上に中間層5と酸化物超電導層6と安定化層8を備える酸化物超電導積層体2を備えた構造において、積層構造全体を取り囲むように設けることができ、その場合、安定化層8と高抵抗層9で酸化物超電導層6を含めた積層構造全体を取り囲むことができるので、酸化物超電導層6に対し雰囲気中の水分の浸入を阻止することができ、酸化物超電導層6の経時的な劣化を抑制できる。
本実施形態の高抵抗材複合酸化物超電導線材40において、テープ導体43はめっきにより形成された層ではなく、圧延や押出などの塑性加工によりテープ状に加工された高抵抗材からなる導体層であり、このテープ状の高抵抗材を半田層などの接着層を介し安定化層8の一面側に貼り付けることで高抵抗材からなるテープ導体43が安定化層8に一体化されている。このテープ導体43を構成する高抵抗材については、先の第1実施形態で用いた高抵抗材と同じもので良いが、加えて以下の材料から選択して使用しても良い。
テープ導体43を構成する材料として、コンスタンタン(0℃における体積抵抗率0.49μΩm、熱伝導率22W/mK)、カーマロイ(0℃における体積抵抗率1.3μΩm、熱伝導率21W/mK)などの中から選択して使用できる。
なお、図5に示す構造の高抵抗材複合酸化物超電導線材40において、先の高抵抗材複合酸化物超電導線材1と異なる点は、テープ状の高抵抗材からなるテープ導体43を備えているので、高抵抗層をめっきや蒸着などの成膜法で形成するよりも遙かに簡便に設けることができ、製造時間も成膜法を用いる方法よりも短縮できる。勿論、テープ導体43であれば、高抵抗層としての厚さを大きくする場合もめっきや蒸着などの成膜法で形成するよりも遙かに簡便に厚いものを適用できる。なお、テープ導体43の厚さの制限については先の実施形態の高抵抗層9の場合と同等であり、あまりに厚いと超電導線材自体の可撓性を阻害するので、その面においても上述の厚さ範囲を選択することが好ましい。超電導線材の可撓性が損なわれるとコイル巻き加工などにより超電導コイルを製造する場合に製造が困難となる。
なお、この導電性のコーティング層44は、テープ導体43が安定化層8に対し部分的に密着性不良箇所や導通不良箇所が生じたとしてもこれらをカバーしてテープ導体43と被覆酸化物超電導積層体42を一体化するために形成されている。
図6に示す構造の高抵抗材複合酸化物超電導線材45においても先に説明した第2実施形態の高抵抗材複合酸化物超電導線材40と同等の作用効果を得ることができる。
本実施形態の高抵抗材複合酸化物超電導線材50において、テープ導体43はめっきにより形成された層ではなく、圧延や押出などの塑性加工によりテープ状に加工された高抵抗材からなる導体層であり、このテープ状の高抵抗材をはんだなどの接着層を介し安定化層7の表面側に貼り付けることでテープ導体43が安定化層7に一体化されている。
前記テープ導体43は先の実施形態において適用されたものと同等であり、コーティング層44も先の実施形態において適用されたものと同等である。
図7に示す構造の高抵抗材複合酸化物超電導線材50においても先の第3実施形態の高抵抗材複合酸化物超電導線材45と同様な作用効果を得ることができる。
図8に示す構造の高抵抗材複合酸化物超電導線材60においても先の第3実施形態の高抵抗材複合酸化物超電導線材40と同等の作用効果を得ることができる。
図9に示す構造においても先の第3、第4実施形態の高抵抗材複合酸化物超電導線材と同等の作用効果を得ることができる。
ハステロイC276(米国ヘインズ社商品名)からなる幅10mm、厚さ0.1mm、長さ1000mmのテープ状の表面平滑な基材を用意し、表面を洗浄してから以下に説明するイオンビームアシストスパッタ法を用いてテープ基材の表面に厚さ1.0μmのGZO(Gd2Zr2O7)の配向層を形成した。
図3に示す構造のイオンビームアシストスパッタ装置を用いてIBAD法を実施し、アシストイオンビームの入射角度は、テープ状基材成膜面の法線に対し、55゜とした。IBAD法の実施にあたりテープ状の基材はスパッタ装置の内部においてリールに巻回しておき、一方のリールから他方のリールに繰り出す間に成膜できるようにしてテープ状基材の全長にわたり、GZOの配向層を形成した。
次に、スパッタ法により酸化物超電導積層体の全周面に厚さ8μmのAgの安定化層を形成した。このスパッタ法においてもテープ状の基材をリールからリールへ供給する間に成膜できるようにしている。次に、酸素アニールを500℃で行い、Agの安定化層を介し酸化物超電導層に酸素を供給する処理を施した後、スパッタ装置から取り出した。
各高抵抗材複合酸化物超電導線材について、高温(120℃)、高湿(湿度100%)、高圧(2気圧)下の環境に20時間あるいは120時間放置した後、超電導特性の低下率を調べた。この試験はプレッシャークッカー試験に相当する。
その結果を以下の表1に示す。
ここで、Si層を高抵抗材として複合した酸化物超電導線材に対する比較例として、厚さ0.1mmの銅テープを貼った酸化物超電導線材を作成し、液体窒素中に浸漬し、電気抵抗を測定した結果を以下の表2に示す。表2においてI/Icは1以上のとき、過電流を流して電圧が発生した限流動作状態を示す。
上述の実施例において、酸化物超電導積層体にAgの安定化層を全周面に形成する方法までは同等として試料作成し、この後、安定化層の表面に厚さ30μmのコンスタンタン製のテープ導体を半田付けにより接合し、最後に、高抵抗材として厚さ10μmのクロムめっき層を形成した。
クロムのめっき浴は、CrO3:200〜250g/L、硫酸:2.0〜2.5g/L、三価クロム:3〜6g/Lの組成で知られるサージェント浴を用いて厚さ20μmのクロムめっき層を形成した。クロムめっき層の0℃における体積抵抗率は13μΩcm、熱伝導率は93.9W/mKである。
その限流試験の結果、Si溶射層に代えて同等厚のNiCr合金層を備えた試料については3回目の限流試験時に酸化物超電導層が焼損する結果となり、同等厚のBi層を備えた試料については4回目の限流試験時に焼損に至ったが、実施例1の構造あるいは実施例8の構造の高抵抗材複合酸化物超電導線材は10回の限流試験まで焼損することはなかった。これは、熱伝導率と電気抵抗が複合して限流試験に影響を与えるためであり、NiCr合金とBiは、高抵抗という意味では限流器用に良好な材料であるものの、熱伝導性の面では不足があるので繰り返し限流試験において少ない回数で焼損に至ると思われる。
Claims (7)
- テープ状の金属製の基材と、その上に設けられた中間層および酸化物超電導層と、該酸化物超電導層上に設けられた厚さ10μm以下のAgの安定化層とを備えて酸化物超電導積層体が構成され、該酸化物超電導積層体の外方に前記安定化層を介し前記酸化物超電導層に導通する高抵抗材からなる高抵抗層が形成され、前記高抵抗層の0℃における体積抵抗率が0.1μΩm以上、かつ、前記高抵抗層の熱伝導率が20W/mK以上であり、前記酸化物超電導積層体の周囲が前記安定化層または高抵抗層あるいはコーティング層により囲まれてなることを特徴とする高抵抗材複合酸化物超電導線材。
- 前記酸化物超電導積層体の全周が高抵抗層で囲まれてなることを特徴とする請求項1に記載の高抵抗材複合酸化物超電導線材。
- 前記酸化物超電導積層体の全周を前記安定化層で覆って被覆酸化物超電導積層体が形成され、該被覆酸化物超電導積層体の外方に高抵抗材からなるテープ導体が貼り合わされてなることを特徴とする請求項1に記載の高抵抗材複合酸化物超電導線材。
- 前記安定化層上に該安定化層よりも厚いテープ導体を積層して酸化物超電導複合積層体が形成され、該酸化物超電導複合積層体の全周が導電性のコーティング層により覆われてなることを特徴とする請求項1に記載の高抵抗材複合酸化物超電導線材。
- 前記高抵抗材が、Ge、Si、Ni、Cr、Mnまたはそれらの合金からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の高抵抗材複合酸化物超電導線材。
- 前記高抵抗層がめっきまたは溶射で形成されたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の高抵抗材複合酸化物超電導線材。
- 前記めっきまたは溶射で形成された高抵抗層の膜厚が30μm以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の高抵抗材複合酸化物超電導線材。
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