JP2012039320A - 画像処理装置および画像処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】記録媒体上に複数色の顔料インクを重ねた画像形成装置によって形成された画像の鏡面光沢度を予測する画像処理装置および画像処理方法を提供する。
【解決手段】複数色の顔料インク量に対応するある注目色による形成画像についての分光鏡面反射率を、各顔料インクの屈折率と面積率を用いて算出する。該算出値に含まれる実測値からの変動分として、表面凹凸に起因する凹凸成分と、各顔料インクの薄膜干渉による正反射光の色付きに起因する薄膜干渉成分とをそれぞれ予測する。分光鏡面反射率の算出値から凹凸成分と薄膜干渉成分を減算することで、当該注目色による形成画像に対する分光鏡面反射率を高精度に予測し、鏡面光沢度を算出する。ブロンズのみを考慮して算出された鏡面光沢度特性301に対し、さらに凹凸成分の影響e1および薄膜干渉成分の影響e2を考慮することで、これを実測された鏡面光沢度特性501に近づけることができる。
【選択図】図16
【解決手段】複数色の顔料インク量に対応するある注目色による形成画像についての分光鏡面反射率を、各顔料インクの屈折率と面積率を用いて算出する。該算出値に含まれる実測値からの変動分として、表面凹凸に起因する凹凸成分と、各顔料インクの薄膜干渉による正反射光の色付きに起因する薄膜干渉成分とをそれぞれ予測する。分光鏡面反射率の算出値から凹凸成分と薄膜干渉成分を減算することで、当該注目色による形成画像に対する分光鏡面反射率を高精度に予測し、鏡面光沢度を算出する。ブロンズのみを考慮して算出された鏡面光沢度特性301に対し、さらに凹凸成分の影響e1および薄膜干渉成分の影響e2を考慮することで、これを実測された鏡面光沢度特性501に近づけることができる。
【選択図】図16
Description
本発明は、記録媒体上に複数色の顔料インクを重ねることによって画像を形成する画像形成装置によって形成された形成画像の鏡面光沢度を予測する画像処理装置および画像処理方法に関する。
インクジェットプリンタにおける画像の記録は、記録ヘッドからインクの小滴を記録媒体上に吐出することによって行われる。記録ヘッドからインクの小滴を吐出する方法としては、電圧の印加により機械的歪を発生する圧電素子(ピエゾ素子)を用いた方法と、インクを急速に加熱して気化させ、その時に発生する気泡の高圧を利用する方法が広く利用されている。
インクジェットプリンタにおいて用いられるインクにとしては、水に溶解しやすい染料を用いることが多かったが、近年では画像の耐候性や耐水性を向上させる目的で顔料が用いられることも多い。顔料インクは、色材が記録媒体の内部まで浸透しにくく、記録媒体上に重なることが知られており、したがって画像が記録された際に記録媒体の表面形状が複雑化し、表面の光沢性が記録媒体上に存在する色材量によって変化する。なお、ここで光沢性とは、鏡面光沢度のことを指す(例えば、非特許文献1参照)。
ここで図1に、記録媒体上に重なった顔料インクによって形成される画像表面の模式図を示す。図1(a)は、画像表面が記録媒体と高さd1の顔料インクの両方で形成されている状態を示し、図1(b)は、画像表面が高さd1の顔料インクで完全に覆われて形成された状態を示す。図1(c)は、図1(b)の状態に対してさらに顔料インクが吐出され、顔料インクがさらに高さd2で重畳して形成されている状態を示している。
また、顔料インクが記録媒体表面を覆う特性により、顔料粒子表面における光の選択的反射(波長依存性)に起因するブロンズや、顔料インクによって形成された薄膜構造に起因する薄膜干渉により正反射光に色が付く現象も、形成画像の光沢に影響する。特に薄膜干渉については、図1(a)〜(c)に示すように、顔料色材表面と記録媒体表面の間に高低差d1、又はd2が発生することによって起こる現象である。
ここで図2を用いて、薄膜干渉による反射光の色付きについて説明する。図2において、201は空気層、202は厚さdのインク層、203は記録媒体を示す。また、204は空気層201からインク層202に入射する光であり、205はインク層を通って記録媒体203に入射する光である。206はインク層202の表面で反射する光であり、207は記録媒体203の表面で反射した光がインク層202を通って空気層201に出てくる光である。同図に示すように、一般に空気層201とインク層202の屈折率の違いとインク層202の厚さdにより、光路差が発生する。該光路差により、インク層202の表面で反射する光206と、インク層202を通って空気層201に出てくる光207との間で分光反射率に位相の違いが発生し、互いの分光反射率の強め合い又は弱め合い(薄膜干渉)により、反射光に色が付いて見える。
以上のように、インクジェットプリンタにおいて顔料インクを用いた画像形成を行うと、薄膜干渉等の影響により形成画像において光沢不均一性が発生する。この光沢不均一性を解決するための方法として、プリンタに入力された画像データをプリンタで使用するインクの色に変換するプロファイルによって光沢を制御することが考えられる。ここで言う入力された画像データとは、例えばRGB等の画像データであり、またインクの色とは、C:シアン、M:マゼンタ、Y:イエロー、K:ブラック、Lc:ライトシアン、Lm:ライトマゼンタ等、プリンタに搭載されているインクの各色を示す。この様なプロファイルの作成においては、膨大なインクの組み合わせから、1つのRGB値に対するC、M、Y、K、Lc、Lmの量を一意に決める事が必要である。ここで、インクの組み合わせとしては、例えば1色あたりの表現可能な階調数を256階調(8ビット)とすると、256に対するインク数の累乗(256の6乗)通りの組み合わせがある。プロファイルを作成するために、この膨大な数のインクの組み合わせの全てに対応するパッチを記録媒体上に印刷し、測定することは現実的に不可能である。そのため、光沢制御用のプロファイルを作成するためには、できるだけ少ない数のパッチの印刷、測色によって形成画像における光沢を予測する技術が必須である。
以下、形成画像における光沢(鏡面光沢度)を予測する方法について、非特許文献1を用いて説明する。
まず非特許文献1によれば、規定された入射角θに対する鏡面光沢度Gs(θ)は以下の式(1)で算出される。
式(1)において、φsは入射角θに対する試料面からの反射光束、φosは該入射角θに対する標準面からの反射光束を示す。Gosは、使用した標準面の光沢度(%)を示し、以下の式(2)で算出される。
数(2)において、SD(λ)は標準の光D65の相対分光分布、V(λ)は規定された入射角θに対する標準面からの反射光束を示す。ρ0(θ)は屈折率が可視波長範囲全域にわたって一定値1.567であるガラス表面において規定された入射角θでの鏡面反射率を示す。ρ(θ,λ)は屈折率n(λ)を用い、以下に示すフレネルの式(3)によって求められた、規定された入射角θにおける一次標準面の分光鏡面反射率を示す。
なお、非特許文献1による鏡面光沢度の測定条件によれば、光源と受光器として非特許文献2が示す標準の光D65と非特許文献3が示す等色関数y~(λ)(y~はyの上にバー)と同一な分光視感効率の組み合わせと等価のものを用いると記載されている。
つまり、任意の鏡面光沢度測定サンプルへの入射角θに対する反射光の分光鏡面反射率(以下、α(θ,λ))が分かれば、式(1)における試料面からの反射光束φsは以下の式(4)でシミュレートすることができる。
つまり、任意の鏡面光沢度測定サンプルへの入射角θに対する反射光の分光鏡面反射率(以下、α(θ,λ))が分かれば、式(1)における試料面からの反射光束φsは以下の式(4)でシミュレートすることができる。
また、同様に標準面の反射光束φosについても、式(2)に示される標準面の分光鏡面反射率ρ(θ,λ)を用いて、以下の式(5)のようにシミュレートすることができる。
すなわち、式(1)を式(2)、(4)、(5)を用いて変形すれば、任意サンプルの角度θに対する分光鏡面反射率α(θ,λ)を用いて、以下に示す鏡面光沢度算出式(6)により鏡面光沢度をシミュレートすることが可能である。
なお、屈折率n(λ)が既知である試料面の入射角θに対する反射光の分光鏡面反射率を算出する方法としては、上述したフレネルの式(3)が適用可能である。つまり、インクジェットプリンタで使用する全ての顔料インクの屈折率n(λ)を取得することができれば、、フレネルの式(3)より鏡面反射率が得られるため、鏡面光沢度算出式(6)より各インクの鏡面光沢度が予測可能になる。
ここで図3(a)に、屈折率ni(λ)を呈する顔料インクを、屈折率np(λ)である記録媒体にグラデーションを描画した際の、鏡面光沢度の算出結果を示す。この演算はフレネルの式(3)および鏡面光沢度算出式(6)を用いて行われ、該算出結果がすなわち、図3(a)に示す鏡面光沢度特性301である。ここで描画されるグラデーションとは、紙白からインクの色(記録媒体における最大インク吸収量)までのグラデーションである。図3(a)において、縦軸上のPは記録媒体の屈折率np(λ)から算出される鏡面光沢度を示し、同じくIはインクの屈折率ni(λ)から算出される鏡面光沢度を示す。ここで、インクジェットプリンタは、図4に示す401→402→403→404→405のように、単位面積あたりのドット(図中、斜線を付した矩形として示す)の数量を変化させることで、階調表現(面積階調)を行っている。
したがって、図3(a)におけるインク吐出量が0〜Hまでの領域T1においては、記録媒体の屈折率np(λ)とインクの屈折率ni(λ)の面積比によって鏡面光沢度が変化する。この場合の表面状態は、図1(a)の様に記録媒体の表面が記録媒体とインクの両方で形成されている階調から、図1(b)の様にインクで完全に覆われる階調まで変化する。図3(a)における横軸上のHは、図1(b)のように記録媒体の全面がインクで一様に覆われている場合の、インク吐出量を示している。また、その後の階調変化においては、インクが記録媒体上にさらに吐出され、その表面形状は図1(c)に示すように変化するものの、表面に重なっているインクの屈折率ni(λ)は一定である。したがって、図3(a)におけるインク吐出量がH以上である領域T2においては、鏡面光沢度に変化は無い。
鏡面光沢度測定方法(JIS Z 8741)
測色用の標準の光及び標準光源(JIS Z 8720)
色の表示方法−XYZ表色系及びX10Y10Z10表色系(JIS Z 8701)
しかしながら、図3(a)に示す鏡面光沢度特性301は、インクの屈折率に基づいて上記フレネルの式(3)および鏡面光沢度算出式(6)を用いて算出されたものであり、すなわち屈折率のみに起因する鏡面光沢度の変化を示している。したがって、図3(a)に示す鏡面光沢度特性301は、実際に同じインクで記録媒体にプリントし、非特許文献1に記載の測定条件に沿った測定器で実測した場合の鏡面光沢度特性とは異なってくる。ここで図3(b)に、上記屈折率のみに基づいて算出した鏡面光沢度特性301と、実際に測定した結果である鏡面光沢度特性501を示すが、これらの間には大きな差があることが分かる。これは、顔料インクを用いたプリントにおいては、記録面の凹凸形状による光の散乱現象の変化による正反射光量の増減や、顔料粒子の光の選択的反射(波長依存性)によるブロンズと薄膜干渉が複合的に発生することに起因する。すなわち、フレネルの式(3)で算出される正反射の分光反射率は、インクの顔料粒子の屈折率ni(λ)のみにより算出されるため、該式によって可能となるシミュレートとしてはブロンズによる影響のシミュレートに限定される。言い換えれば、フレネルの式(3)を用いても、記録面の凹凸及び薄膜干渉による鏡面光沢度への影響をシミュレートすることはできない。
本発明は上述した問題を解決するために、記録媒体上に顔料インクを重ねることによって画像を形成する画像形成装置において、以下の機能を実現することを目的とする。すなわち、形成画像における鏡面光沢度を、その表面の凹凸による影響と、薄膜干渉による正反射光の色付きを個別に考慮して、高精度に予測可能とする。さらには、鏡面光沢度を高精度に予測することで、形成画像における光沢を制御可能とするような画像形成装置の色分解プロファイルを生成する。
上記目的を達成するための一手段として、本発明の画像形成装置は以下の構成を備える。
すなわち、記録媒体上に複数色の顔料インクを重ねることによって画像を形成する画像形成装置によって形成された形成画像の鏡面光沢度を予測する画像処理装置であって、前記複数色の顔料インクにおける各インク量データの組み合わせの一つに対応する注目色による形成画像について、該注目色における各顔料インクの屈折率と、所定の領域内において各顔料インクのドットが表面を覆う面積率を用いて、該形成画像に対する分光鏡面反射率を算出する鏡面反射率算出手段と、前記注目色における各顔料インクが記録媒体上に重なることで形成される画像表面の凹凸に起因する、前記分光鏡面反射率の変動分を凹凸成分として予測する凹凸成分予測手段と、前記注目色における各顔料インクが記録媒体上に重なることで発生する薄膜干渉による正反射光の色付きに起因する、前記分光鏡面反射率の変動分を薄膜干渉成分として予測する薄膜干渉成分予測手段と、前記分光鏡面反射率から前記凹凸成分と前記薄膜干渉成分を除去することで、前記注目色による形成画像に対する分光鏡面反射率を予測し、該予測された分光鏡面反射率を用いて、前記注目色による形成画像における鏡面光沢度を算出する鏡面光沢度算出手段と、を有することを特徴とする。
さらに、以上のように鏡面光沢度を予測することで、画像形成装置の色変換プロファイルを生成する手段を有することを特徴とする。
本発明によれば、記録媒体上に顔料インクを重ねることによって画像を形成する画像形成装置において、形成画像における鏡面光沢度を、その表面の凹凸による影響と、薄膜干渉による正反射光の色付きを個別に考慮して、高精度に予測することが可能となる。さらには、鏡面光沢度を高精度に予測することで、形成画像における光沢を制御可能とするような画像形成装置の色分解プロファイルを生成することが可能となる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の実施の形態は特許請求の範囲に関る本発明を限定するものではなく、また、本実施の形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
<第1実施形態>
●装置構成
図5は、本実施形態における画像形成システムの概要構成を示す。同図において、601はインクジェットプリンタ(以下、単にプリンタと称する)、602はプリンタコントローラとクライアントコンピュータを兼ね備えたコンピュータ(PC)である。プリンタ601とPC602は、ネットワークケーブル・SCSIケーブル、USBケーブル等のコネクタケーブル603で接続されている。
●装置構成
図5は、本実施形態における画像形成システムの概要構成を示す。同図において、601はインクジェットプリンタ(以下、単にプリンタと称する)、602はプリンタコントローラとクライアントコンピュータを兼ね備えたコンピュータ(PC)である。プリンタ601とPC602は、ネットワークケーブル・SCSIケーブル、USBケーブル等のコネクタケーブル603で接続されている。
図6は、図5に示すPC602における主要構成を示すブロック図である。同図において、701は、ユーザが各種マニュアル指示等を入力するためのマウス及びキーボード711とPC602とをつなぐインタフェース(I/F)である。702は、PC602内部の各ブロックの動作を制御する、或いは内部に記憶されたプログラムを実行するCPUである。703は必要な画像処理プログラム等を予め記憶しておくROMであり、704はCPU702にて処理を行うために一時的にプログラムや処理対象の画像データを格納しておくRAMである。705は、処理対象の画像の表示やユーザへのメッセージ表示を行うディスプレイ712を制御するディスプレイ制御部である。706は、PC602とプリンタ601をつなぐインタフェース(I/F)である。707は、外部記憶媒体の一つであるCD(CD-R/CD-RW/DVD/DVD-R/DVD-RW)に記憶されたデータを読み込み、或いは書き出すことのできるCDドライブである。708は707と同様に、FDからの読み込み、FDへの書き出しができるFDドライブである。709は、RAM704等に転送されるプログラムや画像データを予め格納したり、処理後の画像データを保存することのできるハードディスク(HD)である。なお、CD,FD,DVD等に画像処理用のプログラム、或いはプリンタ情報等が記憶されている場合には、これらのプログラムをまずHD709上にインストールし、必要に応じてRAM704に転送されるように、CPU702によって制御される。710は、コンピュータシステムの各所に保持する様々なデータを外部機器へ伝送し、また、外部機器からの様々なデータを受信する、モデムやネットワークカード等の外部入力装置713とコンピュータシステムをつなぐインタフェース(I/F)である。
図7は、図5に示す画像形成システムにおける各機能構成を示すブロック図である。本実施形態におけるプリンタ601は、顔料インクによって印刷を行うものであり、そのためにインクを吐出する記録ヘッドが用いられる。
PC602のオペレーティングシステム(OS)で動作するプログラムとして、アプリケーションやプリンタドライバがある。アプリケーション801は、プリンタ601での印刷対象となる画像データを作成する。アプリケーション801への画像データの入力は、例えば種々の媒体を介してPC602に取り込むことによって行われる。例えば、デジタルカメラで撮像したJPEG形式等の画像データを、フラッシュメモリ等の外部入力装置713からI/F710を介して取り込むことができる。また、例えばHD709に格納されている画像データやCD-ROM707に格納される画像データを取り込むことも可能である。さらには、インターネットからNIC713を介してウェブ上の画像データを取り込むことも可能である。このようにPC602に取り込まれた画像データは、ディスプレイ712に表示されてアプリケーション801を介した編集、加工等が施された後、例えばsRGB規格の画像データR、G、Bが作成される。そして、ユーザからの印刷指示に応じて、この画像データR、G、Bがプリンタドライバに渡される。
本実施形態のプリンタドライバは、前段処理部802、後段処理部803、γ補正部804、ハーフトーニング部805、印刷データ作成部806、およびLUT821,822,823を有している。なお、LUT821,822,823については、例えばRAM704等の共通メモリに格納されていても良い。
まず前段処理部802においては、アプリケーションから入力された画像データR、G、Bに対し、色域(Gamut)のマッピングすなわちカラーマネージメントを行う。ここでは、sRGB規格の画像データR、G、Bによって再現される色域を、プリンタ601によって再現可能な色域内に写像するために、これらの色域の関係を保持する3次元のLUT821を参照する。該LUT処理に対してさらに補間演算を併用することで、8ビットの画像データR、G、Bをプリンタ色域内の画像データR、G、Bに変換する。次に後段処理部803においては、上記カラーマネージメントがなされた画像データR、G、Bに基づき、この画像データが表す色を再現するインクの組み合わせに対応した、例えばC、M、Y、K、Lc、Lm等の色分解データを求める。この色分解処理の際に、プリンタ601用の色分解プロファイルである3次元のLUT822を参照し、LUT822の格子点データに対してさらに補間演算を併用する。γ補正部804では、後段処理部803によって求められた色分解データの各色のデータごとに、その階調値変換を行う。具体的には、プリンタ601の各色インクの階調特性に応じた1次元のLUT823を用いることにより、上記色分解データをプリンタ601の階調特性に線形的に対応づけるように変換する。ハーフトーニング部805では、例えば8ビットの色分解データC、M、Y、K、Lc、Lmのそれぞれについて、例えば4ビットのデータに変換する量子化を行う。ここでは、誤差拡散法を用いて8ビットデータを4ビットデータに変換するとする。この4ビットデータは、プリンタ601におけるドット配置のパターン化処理における配置パターンを示すためのインデックス(階調情報)となる。そして最後に印刷データ作成部806において、上記4ビットのインデックスデータを内容とする印刷イメージデータに印刷制御情報を付加した印刷データを作成する。なお、上述したPC602における処理は、それらのプログラムに従ってCPU702により実行される。その際、プログラムはROM703もしくはHD709から読み出されて用いられ、また、その処理実行に際してRAM704がワークエリアとして用いられる。
以上のように作成された印刷データが入力されたプリンタ601においては、ドット配置パターン化処理部807およびマスクデータ変換処理部808において、該印刷データに対する処理を行う。すなわち、ドット配置パターン化処理部807では、実際の印刷画像に対応する画素ごとに、入力された4ビットのインデックスデータに対応したドット配置パターンに従ってドット配置を行う。このように、4ビットデータで表現される各画素に対し、該画素の階調値に対応したドット配置パターンを割当てることで、画素内の複数のエリア各々にドットのオン/オフが定義され、該エリアごとに「1」または「0」の吐出データが配置される。このようにして得られる1ビットの吐出データに対し、マスクデータ変換処理部808によってマスク処理が施される。すなわち、記録ヘッド810による所定幅の走査領域の記録を複数回の走査で完成するための各走査の吐出データを、それぞれの走査に対応したマスクを用いた処理によって生成する。走査ごとの吐出データC、M、Y、K、Lc、Lmは、適切なタイミングでヘッド駆動回路809に送られ、これにより記録ヘッド810が駆動され、吐出データに従ってそれぞれのインクが吐出される。
なお、プリンタ601における上述のドット配置パターン化処理やマスクデータ変換処理は、それぞれに専用のハードウェア回路を用いて、プリンタ601の制御部を構成するCPU702の制御の下に実行される。なお、上記処理がプログラムに従ってCPU702により行われても良く、またPC602における例えばプリンタドライバによって実行されても良い。本発明を適用する上でこれら処理の形態が問われないことは以下の説明からも明らかである。
以降、図7に示す各構成における処理について詳細に説明する。
●量子化処理
先ず、ハーフトーニング部805における量子化処理ついて説明する。以下の説明においては、複数ビットで表される多値データに対する画像処理の対象となる最小単位を画素と称し、当該画素に対応するデータを画素データと称する。なお、多値データに対する画像処理とは、例えば後段処理部803における、R、G、Bの各8ビットデータをプリンタ601で用いるインクの各色に対応したC、M、Y、K、Lc、Lmの各8ビットデータに変換する色分解処理を指す。また、ハーフトーニング部805においてC、M、Y、K、Lc、Lmの8ビットデータをC、M、Y、K、Lc、Lmの4ビットデータに量子化する処理も、多値データに対する画像処理に含まれる。また、別の見方をすれば、本実施形態における「画素」とは、階調表現可能な最小単位のことであり、複数ビットの階調値情報を有するものである。
先ず、ハーフトーニング部805における量子化処理ついて説明する。以下の説明においては、複数ビットで表される多値データに対する画像処理の対象となる最小単位を画素と称し、当該画素に対応するデータを画素データと称する。なお、多値データに対する画像処理とは、例えば後段処理部803における、R、G、Bの各8ビットデータをプリンタ601で用いるインクの各色に対応したC、M、Y、K、Lc、Lmの各8ビットデータに変換する色分解処理を指す。また、ハーフトーニング部805においてC、M、Y、K、Lc、Lmの8ビットデータをC、M、Y、K、Lc、Lmの4ビットデータに量子化する処理も、多値データに対する画像処理に含まれる。また、別の見方をすれば、本実施形態における「画素」とは、階調表現可能な最小単位のことであり、複数ビットの階調値情報を有するものである。
図8は、本実施形態におけるハーフトーニング部805の詳細構成を示すブロック図である。同図において、901は画素データの入力端子、902は累積誤差加算部、903は入力画素データを2つ以上の階調数に変換する際の量子化閾値を設定する閾値設定端子、904は量子化部、905は量子化誤差を演算する誤差演算部である。また、906は量子化誤差を拡散する誤差拡散部、907は累積誤差を格納する累積誤差メモリ、908は一連の処理後に形成された画素データの出力端子、である。
ハーフトーニング部805の入力端子901には、不図示の画像走査部が全画像より選択した画素の、画素データが順次入力される。ハーフトーニング部805では、入力されてきた個々の画素データに順次処理を施し、出力端子908より1画素分ずつ出力していく構成となっている。ここで図9(a)に、画像走査部における画像走査の様子を示す。画像走査部では、複数の画素が配列されることによって構成された画像データから、処理対象となる画素を1画素ずつ選択し、その画素データをハーフトーニング部805の入力端子901に入力する。図9(a)において各マス目は個々の画素を示し、1001は画像の左上端に位置する画素(開始画素)、1002は画像の右下端に位置する画素(最終画素)をそれぞれ示している。画像の走査は、まず画像領域の左上端の開始画素1001を選択中の画素(以下、注目画素と称する)とすることで開始され、続いて、図中矢印が示す右方向に1画素ずつ、注目画素を切り替えながら処理を進めていく。最上端列の右端まで処理が終了すると、次に1段下の画素列の左端画素に注目画素を移す。このような順番で、図中矢印に沿って処理走査を進めていき、右下端の最終画素1002まで処理が到達すると、本画像の処理走査は完了する。
図10は、ハーフトーニング部805における量子化処理を示すフローチャートである。量子化処理が開始されるとまずS1101において、上述したように画像走査部から入力端子901へ、処理対象の画像データが入力される。次にS1102では累積誤差加算部902において、入力された画素データに対し、累積誤差メモリ907に格納された、画素位置に対応する累積誤差値を加算する。ここで図9(b)を用いて、累積誤差メモリ907に格納されている誤差データおよびその格納形態を説明する。累積誤差メモリ907は1+W個の記憶領域を有しており、それぞれの領域には、注目画素に適用される量子化誤差E0およびE(x)(x=1〜Wの整数)が格納される。なお、Wは処理対象となっている画像データにおける横方向の画素数である。量子化誤差E(x)の値は、後述する方法によって得られるものであるが、処理開始当初には全ての領域が初期値0で初期化されるものとする。累積誤差加算部902においては、入力された画素データに対し、当該画素の横方向の位置x(0<x≦W)に対応した誤差メモリE(x)の値が加算される。すなわち、入力端子901に入力された画素データをI、S1102による累積誤差加算後の画素データをI'とすると、この加算処理は以下の式で表される。
I'=I+E(x)
次にS1103では量子化部904において、累積誤差加算後の画素データI'と閾値設定端子903により入力された閾値とを比較して量子化を行う。本実施形態では、累積誤差加算後の画素データI'を8つの閾値と比較することによって、量子化後の画像データを9段階に振り分け、出力端子908に送る出力画素データの値を決定する。すなわち、累積誤差加算部902から入力された画素データの値が0〜255の範囲の整数値であるとすると、出力階調値0はI'に応じて以下のように決定される。
次にS1103では量子化部904において、累積誤差加算後の画素データI'と閾値設定端子903により入力された閾値とを比較して量子化を行う。本実施形態では、累積誤差加算後の画素データI'を8つの閾値と比較することによって、量子化後の画像データを9段階に振り分け、出力端子908に送る出力画素データの値を決定する。すなわち、累積誤差加算部902から入力された画素データの値が0〜255の範囲の整数値であるとすると、出力階調値0はI'に応じて以下のように決定される。
(レベル0)O=0 (I'<16)
(レベル1)O=32 (16≦I'<48)
(レベル2)O=64 (48≦I'<80)
(レベル3)O=96 (80≦I'<112)
(レベル4)O=128 (112≦I'<144)
(レベル5)O=160 (144≦I'<176)
(レベル6)O=192 (176≦I'<208)
(レベル7)O=224 (208≦I'<240)
(レベル8)O=255 (240≦I')
以下では説明の都合上、各出力階調値Oのぞれぞれをレベル1〜8として称する。
(レベル1)O=32 (16≦I'<48)
(レベル2)O=64 (48≦I'<80)
(レベル3)O=96 (80≦I'<112)
(レベル4)O=128 (112≦I'<144)
(レベル5)O=160 (144≦I'<176)
(レベル6)O=192 (176≦I'<208)
(レベル7)O=224 (208≦I'<240)
(レベル8)O=255 (240≦I')
以下では説明の都合上、各出力階調値Oのぞれぞれをレベル1〜8として称する。
次にS1104では誤差演算部905において、下式のように累積誤差加算後の画素データI'と出力画素値Oとの差分として、量子化誤差Eを算出する。
E=I'−O
更にS1105では誤差拡散部906において、注目画素の横方向位置xに応じて誤差の拡散処理を行う。すなわち、記憶領域E0およびE(x)に格納すべき量子化誤差を、下式に従って算出し、累積誤差メモリ907に格納する。
更にS1105では誤差拡散部906において、注目画素の横方向位置xに応じて誤差の拡散処理を行う。すなわち、記憶領域E0およびE(x)に格納すべき量子化誤差を、下式に従って算出し、累積誤差メモリ907に格納する。
E(x+1)←E(x+1)+E×7/16 (x<W)
E(x-1)←E(x-1)+E×3/16 (x>1)
E(x)←E0+E×5/16 (1<x<W)
E(x)←E0+E×8/16 (x=1)
E(x)←E0+E×13/16 (x=W)
E0←E×1/16 (x<W)
E0←0 (x=W)
以上で、入力端子901に入力された1画素分の誤差拡散処理が完了する。すると次にS1106において、S1101〜S1105の各処理が、画像の全画素に対して施されたか否かを判定する。すなわち、画像走査部が選択した画素が、図9(a)に示す最終画素1002まで達したか否かを判断し、最終画素1002まで達していない場合には、図9(a)に示す矢印方向に注目画素を1つ分進め、処理はS1101に戻る。一方、全画素に対して処理が施されたと判断された場合、量子化処理が完了となる。なお、本実施形態では、以上の量子化処理をインクの各色毎に行うものとする。
E(x-1)←E(x-1)+E×3/16 (x>1)
E(x)←E0+E×5/16 (1<x<W)
E(x)←E0+E×8/16 (x=1)
E(x)←E0+E×13/16 (x=W)
E0←E×1/16 (x<W)
E0←0 (x=W)
以上で、入力端子901に入力された1画素分の誤差拡散処理が完了する。すると次にS1106において、S1101〜S1105の各処理が、画像の全画素に対して施されたか否かを判定する。すなわち、画像走査部が選択した画素が、図9(a)に示す最終画素1002まで達したか否かを判断し、最終画素1002まで達していない場合には、図9(a)に示す矢印方向に注目画素を1つ分進め、処理はS1101に戻る。一方、全画素に対して処理が施されたと判断された場合、量子化処理が完了となる。なお、本実施形態では、以上の量子化処理をインクの各色毎に行うものとする。
ここで図11に、量子化前の所定の階調値を有する画像と、量子化後の画像の例を示す。同図において、1301、1302がそれぞれシアン(C)、マゼンタ(M)用に作成された量子化前の画像、1303、1304がそれぞれの量子化後の画像を示している。量子化前のC画像1301では、全ての画素値が一様に10となっており、これに対し量子化後のC画像1303では、出力階調値Oが0(レベル0)である画素1305と、32(レベル1)である画素1306とが均等に分散された状態となっている。同様に量子化前のM画像1302では、全画素の画素値が100であるのに対し、量子化後のM画像1304では、出力階調値が96(レベル3)である画素1307と、128(レベル4)である画素1308とが均等に分散された状態となっている。いずれも、量子化前の画像においては全画素で画素値が同一レベルであったものが、量子化後には複数のレベル(濃度)の画素が分散され、しかしながら画像全体としては入力時のデータ値が保存されている。
●印刷データ作成処理
以下、印刷データ作成部806における印刷データの作成処理ついて説明する。印刷データ作成部806においては、量子化後の画像データを所定の体裁に整えて、プリンタ601に入力するための印刷データを生成する。
以下、印刷データ作成部806における印刷データの作成処理ついて説明する。印刷データ作成部806においては、量子化後の画像データを所定の体裁に整えて、プリンタ601に入力するための印刷データを生成する。
図12に、本実施形態における印刷データの構成を示す。同図に示すように印刷データは、印刷の制御を司る印刷制御情報および印刷イメージ情報(印刷イメージデータともいう)から構成されている。さらに印刷制御情報は、その画像を記録する「メディア情報」、印刷の「品位情報」、および給紙方法等のような「その他制御情報」から構成されている。メディア情報には記録の対象となる用紙の種類が記述されており、普通紙、光沢紙、コート紙などのうち、いずれか1種類の用紙が規定されている。品位情報には印刷の品位が記述されており、高速印刷、高品位印刷のいずれかの品位が規定されている。なお、これらの印刷制御情報は、例えばPC602にてユーザが指定した内容に基づいて形成されるものである。さらに、印刷イメージ情報には、上述した量子化後の画像データが記述さているものとする。以上のように生成された印刷データは、プリンタ601本体に供給され、ドット配置パターン化処理が施される。
尚、以上の説明においては、量子化処理および印刷データ生成処理はプリンタ601本体ではなく、PC602にインストールされたプリンタドライバによって行われるとしたが、本発明はこの例に限定されない。例えば、量子化処理自体がプリンタ601内部で実行されるような構成であっても、本発明の効果は同等に得られる。
●ドット配置パターン化処理
以下、プリンタ601内のドット配置パターン化処理部807における処理について説明する。上述した量子化処理においては、256値の多値濃度情報(8ビットデータ)を、9値の階調値情報(4ビットデータ)までレベル数を下げている。しかし、実際に本実施形態のインクジェットプリンタ601での記録に必要とされる情報は、インクを記録するか否かを示す2値情報である。そこで本実施形態ではドット配置パターン化処理において、プリンタドライバから入力された0〜8(4ビット)の多値レベルの印刷データを、ドットの有無を決定する2値レベルまで低減する。具体的には、ドット配置パターン化処理部807において、ハーフトーニング部805で量子化されたレベル0〜8の4ビットデータで表現される画素ごとに、その階調値(レベル0〜8)に対応したドット配置パターンを割当てる。これにより1画素内の複数のエリア各々にドットのオン・オフを定義し、該エリアごとに、「1」または「0」の1ビットの吐出データを配置する。
以下、プリンタ601内のドット配置パターン化処理部807における処理について説明する。上述した量子化処理においては、256値の多値濃度情報(8ビットデータ)を、9値の階調値情報(4ビットデータ)までレベル数を下げている。しかし、実際に本実施形態のインクジェットプリンタ601での記録に必要とされる情報は、インクを記録するか否かを示す2値情報である。そこで本実施形態ではドット配置パターン化処理において、プリンタドライバから入力された0〜8(4ビット)の多値レベルの印刷データを、ドットの有無を決定する2値レベルまで低減する。具体的には、ドット配置パターン化処理部807において、ハーフトーニング部805で量子化されたレベル0〜8の4ビットデータで表現される画素ごとに、その階調値(レベル0〜8)に対応したドット配置パターンを割当てる。これにより1画素内の複数のエリア各々にドットのオン・オフを定義し、該エリアごとに、「1」または「0」の1ビットの吐出データを配置する。
ここで図13に、ドット配置パターン化処理によって生成される、入力レベルに対する出力パターンの例を示す。図中左側に示した各レベル値は、ハーフトーニング部805から出力される出力階調のレベル0〜8を示し、各レベルごとに、縦2×横4エリアで構成されるマトリクスが、量子化後の1画素に対応する領域を示す。すなわち、この1画素相当のマトリクス内の各エリアが、ドットのオン・オフが定義される最小単位に相当する。各マトリクスにおいて、丸印を付したエリアがドットを記録(オン)するエリアを示しており、レベル数が上がるに従って、記録するドット数も1つずつ増加している。本実施形態ではこのように量子化後の出力階調に応じたドット配置を行うことによって、オリジナル画像の濃度情報が保たれる。また、図中上側に示した(4n)〜(4n+3)は、nに1以上の整数を代入することによって、入力画像の横方向における左端からの画素位置を示している。該画素位置に応じて、上記マトリクスによるドットパターンが異なることから、同一の入力レベルであっても画素位置に応じて互いに異なる複数のパターンが用意されていることが分かる。すなわち、同一レベルの印刷データが入力された場合にも、記録媒体上では(4n)〜(4n+3)に示した4種類のドット配置パターンが巡回されて割当てられる。
図13にマトリクスとして示すドットパターンおいては、その縦方向が記録ヘッドの吐出口の配列方向に相当し、横方向が記録ヘッドの走査方向に相当する。よって、上述したように同一レベルの印刷データに対して複数のドット配列による記録を可能とすることにより、ドット配置パターンの上段に位置するノズルと下段に位置するノズルとで吐出回数を分散させるという効果が得られる。また、プリンタ601に特有の様々なノイズを分散させるという効果も得られる。
ドット配置パターン化処理部807における処理が終了した段階で、記録媒体に対するドットの配列パターンが全て決定される。
●プロファイル作成処理
以下、後段処理部803において色分解処理時に参照される色分解プロファイル(LUT822)の作成処理について、図14のフローチャートを用いて説明する。本実施形態においては、このLUT822を鏡面光沢度予測を適用して作成することを特徴とし、以下、LUT822を単にプロファイルと称する。なお、本実施形態におけるプロファイル作成処理は、PC602
において、プロファイル作成用のプログラムに従ってCPU702により実行される。その際、プログラムはROM703もしくはHD709から読み出されて用いられ、また、その処理実行に際してRAM704がワークエリアとして用いられる。また、PC602における例えばプリンタドライバによって、該プログラムが実行されても良い。
以下、後段処理部803において色分解処理時に参照される色分解プロファイル(LUT822)の作成処理について、図14のフローチャートを用いて説明する。本実施形態においては、このLUT822を鏡面光沢度予測を適用して作成することを特徴とし、以下、LUT822を単にプロファイルと称する。なお、本実施形態におけるプロファイル作成処理は、PC602
において、プロファイル作成用のプログラムに従ってCPU702により実行される。その際、プログラムはROM703もしくはHD709から読み出されて用いられ、また、その処理実行に際してRAM704がワークエリアとして用いられる。また、PC602における例えばプリンタドライバによって、該プログラムが実行されても良い。
先ずS1601において、プリンタ601におけるインクの組み合わせと色彩との関連付け処理(色予測処理)を行う。すなわち、上述したようにプリンタ601で使用されるC、M、Y、K、Lc、Lmの6色のインクが画像形成時に取り得るインク量データの組み合わせ(以下、出力色と称する)について、実際に画像形成がなされた場合に再現される色彩値を予測する。ここで出力色(インク量データの組み合わせ)としては、例えば各色が8ビット表現で256階調信号を持つとすると、256の6乗通りの組み合わせがある。また、色彩の予測としては、ノイゲバウアモデルや、該ノイゲバウアモデルの拡張であるセル分割ユール・ニールセン分光ノイゲバウアモデルが用いられる。または、クベルカ−ムンク理論、あるいは離散的なパッチの測定値からの四面体補間や立方体補間等の補間技術等、周知の技術を適用することもできる。なお、以下ではプリンタ601が6色のインクを有するものとして説明を続けるが、本発明はこの例に限るものではない。すなわち、上述した色彩の予測は出力するパッチ数などにより色数が変化しても対応可能なモデルであるため、プリンタが備えるインクの色数が変化しても、本発明の範疇である。
次にS1602において、プリンタ601に入力され得る画像信号のうち、プロファイルを構成する格子点として抽出される画像信号(注目画像信号)が入力される。本実施形態では、プリンタ601に入力される画像信号をRGB信号として説明するが、これがCIE L*a*b*やXYZ、あるいはCMYK等の信号であっても良い。入力されたた画像信号はRAM704に記憶されるか、または容量が大きい場合にはHD709等に記憶される。
次にS1603では、S1601で予測された出力色と色彩との関係を用いて、S1602で入力された注目画像信号が呈する色彩に応じて、プリンタ601で再現すべき色彩を実現するためのインクの組み合わせを示す出力色を抽出する。ここで、注目画像信号の色彩に応じてプリンタ601で再現すべき色彩は、前段処理部802において行われる、色域の異なる例えばディスプレイ712とプリンタ601間でのカラーマネージメントが実行されることによって一意に決定される。カラーマネージメントとしては、知覚的色再現、鮮やかな色再現、相対的/絶対的カラリメトリック等の各種手法があり、前段処理部802で参照するLUT821を切り替えることで、適用すべきカラーマネージメントを切り替えることができる。しかしながら、一般的に色彩とはCIE L*a*b*やXYZなどの3次元で表現されることから、色彩は一意に決定しても、本実施形態のような6色のインクを使用する場合、該色彩を再現可能なインクの組み合わせ(出力色)が複数存在する。そこでS1603では、注目画像信号に対応する一つの色彩について、プリンタ601において該色彩を再現可能な複数の出力色を、256の6乗通りの組み合わせから抽出する。該抽出結果である複数の出力色は、RAM704やHD709等に記憶される。
続いてS1604において、プリント物の鏡面光沢度の目標値(以下、目標光沢度)を設定する。ここで、鏡面光沢度とは上述したように、非特許文献1に記載された方法にて算出される値である。一般に、一枚の画像内に鏡面光沢度の大きな変化があると色ムラが発生し、画質劣化に繋がるため、鏡面光沢度は一様であることが好ましい。そこで本実施形態においては、形成画像における鏡面光沢度が一様となるように、色分解プロファイルの作成時に目標光沢度を設定する。このように、目標光沢度を考慮してプロファイルを作成することによって、該プロファイルを用いた形成画像の鏡面光沢度を一様にするのはもちろんのこと、さらに画像の領域に応じて鏡面光沢度を設定することも可能となる。例えば、画像中において色彩が鮮やかな部分では鏡面光沢度を高く、暗い部分では鏡面光沢度を低くする、等の制御が可能である。
S1604における目標光沢度設定は、例えばディスプレイ712に図15に示すような表示を行い、ユーザがマウス及びキーボード711等を用いて入力することによって行う。図15の表示画面において、ユーザによって「光沢任意入力」が選択された場合には、プロファイル作成に供される入力画像信号ごとに目標光沢度を指定する必要があり、すなわち、入力画像信号ごとに任意の鏡面光沢度を設定することができる。一方、「光沢一定(目標値任意生成)」や「光沢一定(目標値自動生成)」、および「画像明度による光沢制御」が選択された場合には、目標光沢度として一度設定した値をRAM704等に記憶しておき、次回のループ時には表示されないようにして良い。特に「光沢一定(目標値自動生成)」が選択された場合には、次のステップ(S1605)における出力色毎の鏡面光沢度予測の終了を待ち、該予測結果を用いて目標光沢度を自動設定する。すなわちこの場合、全ての出力色のそれぞれが取り得る鏡面光沢度のうち、各出力色間で共通する値を自動で選択し、これが目標光沢度としてRAM704やHD709等に記憶される。
次にS1605においては、本実施形態の特徴である鏡面光沢度予測処理を行う。ここでの鏡面光沢度予測処理とは、複数の出力色と鏡面光沢度を関連付ける処理、すなわち、S1603の出力色抽出処理において抽出された複数の出力色のそれぞれに対する印字表面の鏡面光沢度を予測する処理である。本実施形態においては、インクの顔料粒子の選択的反射(ブロンズ)に加え、形成画像表面の凹凸による影響、及び顔料インクによって形成された薄膜構造に起因する薄膜干渉による正反射光の色付きを考慮して鏡面光沢度を高精度に予測することを特徴とする。本実施形態における鏡面光沢度予測処理の詳細については後述する。
次にS1606においては、S1605にて算出された各出力色に対応する鏡面光沢度の予測値に基づき、S1604で設定された目標光沢度を満たす出力色を決定し、該決定された出力色をRAM704やHD709等に記憶する。目標光沢度を満たす出力色としては例えば、単に予測値が目標光沢度に最も近くなるような出力色としても良いし、予測値が目標光沢度以下であるうちの最大のものを出力色としても良い。
そしてS1607において、画像信号を出力色に変換するために必要なプロファイルの全格子点に対し、S1601〜S1606の処理が行われたか否かを判定する。すなわち、全格子点についてS1606の出力色決定処理が行われていれば次のS1608へ進むが、未処理の格子点があればS1601へ戻って次の格子点の処理を開始する。本実施形態におけるプロファイルはICC、LUT、変換マトリクス等の一般的な形式で生成されるため、ここではすなわち、該プロファイルの格子点作成に十分な数の、画像信号と出力色の関連付けができていれば良い。
最後にS1608において、S1601〜S1606の一連の処理によって作成された、プロファイルを構成する全格子点について画像信号と出力色とを関連付ける、プロファイル生成処理を行う。すなわち、全格子点の画像信号のそれぞれに対して決定された出力色に応じて、ICC、LUT等の一般的な形式による色分解プロファイル(LUT822)を生成する。
以上のように本実施形態では、形成画像の鏡面光沢度を高精度に予測した上で、色分解用のLUT822を作成している。したがって、後段処理部803での色分解時にLUT822を参照することによって、形成画像における光沢均一性の向上等、光沢を制御することが可能となる。
●鏡面光沢度予測処理
以下、S1605における複数の出力色に対する印字表面の鏡面光沢度予測処理について、詳細に説明する。
以下、S1605における複数の出力色に対する印字表面の鏡面光沢度予測処理について、詳細に説明する。
本実施形態においては、図13に示すようなドット配置パターンを考慮することによって、プリント最上面に存在するインクとその面積率(所定の領域内において該インクのドットが表面(最上面)を覆う面積率)を算出することが可能である。したがって、表面に重なっているインクの屈折率n(λ)が既知であれば、例えば以下の式(7)〜(9)で示すシアンとマゼンタの混色時のように、フレネルの式(3)を用いてブロンズ成分を含む正反射の分光鏡面反射率予測を行うことが可能である。
ρc(θ,λ) :入射角θにおけるCインクの分光鏡面反射率
nc(λ) :Cインクの屈折率
ρm(θ,λ) :入射角θにおけるMインクの分光鏡面反射率
nm(λ) :Mインクの屈折率
ρcm(θ,λ) :入射角θにおけるC、M混色時の分光鏡面反射率
rc :画像表面におけるCインクの面積率
rm :画像表面におけるMインクの面積率
すなわち、式(7),(8)によれば、フレネルの式(3)に基づき、C,Mの各インクについて予め取得されている屈折率を用いてそれぞれの分光鏡面反射率を算出している。そして式(9)により、C,M各色の分光鏡面反射率を各インクの面積率に応じた割合で加算することによって、その混色時の形成画像に対する分光鏡面反射率が算出される。
nc(λ) :Cインクの屈折率
ρm(θ,λ) :入射角θにおけるMインクの分光鏡面反射率
nm(λ) :Mインクの屈折率
ρcm(θ,λ) :入射角θにおけるC、M混色時の分光鏡面反射率
rc :画像表面におけるCインクの面積率
rm :画像表面におけるMインクの面積率
すなわち、式(7),(8)によれば、フレネルの式(3)に基づき、C,Mの各インクについて予め取得されている屈折率を用いてそれぞれの分光鏡面反射率を算出している。そして式(9)により、C,M各色の分光鏡面反射率を各インクの面積率に応じた割合で加算することによって、その混色時の形成画像に対する分光鏡面反射率が算出される。
ここで、本実施形態における鏡面光沢度予測の概略を、図16に示すインク吐出量(階調)に対する鏡面光沢度の特性を用いて説明する。同図において、301は上述した図3(b)と同様であり、印字表面にある色材の屈折率を用いて、上記フレネルの式(3)に基づく式(7)〜(9)、および鏡面光沢度算出式(6)から算出される、ブロンズを加味した鏡面光沢度の特性を示す。また501も図3(b)と同様に、実際にインクを記録媒体にプリントし、非特許文献1に記載の測定条件に沿った測定器で測った場合の鏡面光沢度特性を示す。図16に示すように実測された鏡面光沢度特性501は、ブロンズのみを考慮して算出された鏡面光沢度特性301に対し、顔料が記録媒体上に重なることによる影響e1およびe2の分が低減している。e1は、顔料が記録媒体上に重なることによる表面凹凸の影響分であり、e2は薄膜干渉による正反射光の色付きの影響分である。なお、図16における1801は、ブロンズのみを考慮して算出された鏡面光沢度特性301に対して上記影響分e1が反映された場合に得られる特性を示す。すなわち、該特性1801に対してさらに上記影響分e2が反映されることによって、実測された鏡面光沢度特性501が得られる。
そこで本実施形態においては、所定の複数パッチの鏡面光沢度について、演算による算出値に対する実測値の低減分を、表面凹凸による影響分e1と、薄膜干渉による正反射光の色付きの影響分e2とに分離する。そして、影響分e1を発生させる成分についての補間演算と、影響分e2を発生させる成分についての補間演算を組み合わて実行することによって、鏡面光沢度の正確な予測を実現する。したがって本実施形態の光沢予測処理を行うにあたり、まず所定の複数パッチについて、それぞれの鏡面光沢度の実測値と算出値との差分を、上記影響分e1と影響分e2とに分離した光沢モデルを算出する光沢モデル算出処理を行う必要がある。その後、任意の画像信号値の鏡面光沢度を、上記光沢モデルを用いて補間により算出する光沢補間処理を行うことによって、光沢予測が行われる。これにより、インクの顔料粒子の表面の選択的反射(ブロンズ)に加え、画像表面の凹凸による影響、及び薄膜干渉による正反射光の色付きを考慮して、該画像表面の鏡面光沢度を高精度に予測することが可能となる。
図17に、S1605における複数の出力色についての鏡面光沢度予測処理の詳細を示す。上述したように、まずS2400において光沢モデル算出処理を行い、以降のS2401〜2407において、光沢補間処理を行う。なお、説明の便宜上、本実施形態では図17のS2400で光沢モデル算出処理を行うとして説明するが、本実施形態の光沢モデル算出処理における演算は、図14のS1603で選択された複数のインク値の組み合わせに依存しない処理である。したがって、光沢モデル算出処理はS2400に限らず、後述する光沢補間処理(S2401〜S2407)の開始前であれば、プロファイル作成の全工程中におけるどのタイミングであっても1度実行されれば良い。例えば、図14におけるS1602〜S1607のループ開始前に実行されることが望ましい。
以下、光沢モデル算出処理と光沢補間処理のそれぞれについて、詳細に説明する。なお、以下では説明のため、任意の画像信号値をC、M、Y、K、Lc、Lmの6色のインクとして説明を続ける。
●光沢モデル算出処理
以下、本実施形態の光沢モデル算出処理(S2400)について、図18のフローチャートを用いて説明する。
以下、本実施形態の光沢モデル算出処理(S2400)について、図18のフローチャートを用いて説明する。
先ずS1901において、光沢予測のために用いられる全てのパッチについて、その形成画像を測定した分光反射率(実測値)が入力される。なお、該分光反射率値(実測値)は予め取得されてHD709等に保持されていたものであっても良いし、リアルタイムに測定したものであっても良い。
ここで光沢予測用のパッチとは、例えば図19(a)に示すように、後段処理部803の出力値であるC、M、Y、K、Lc、Lmの各8ビット256階調信号のそれぞれを例えば5等分した6つの代表点の画像を、プリンタ601で実際に出力したものである。言い換えれば光沢予測用パッチとは、プリンタ601において再現可能な色空間内の複数の格子点に対応する画像信号に基づいて形成された画像を、実際に記録媒体上に形成したものである。その後、図20に示すように、光源からの入射角及び分光放射輝度計で反射光が測定される反射角を、予測したい光沢の角度θと同一にした測定装置を用いて、各パッチの分光反射率を測定する。ここで行なわれる分光反射率の計算は、非特許文献1に記載されているような黒色ガラス等を用いて行うことが可能である。
なお、図19(a)には説明のため、光沢予測用のパッチとしてC,M各8ビットの256階調信号をそれぞれ5等分した6つの代表点で構成される36の格子点を示している。しかしながら、実際にはC、M、Y、K、Lc、Lmからなる6次元の格子点が必要であるため、6の6乗個である46656の測定点(パッチ)が存在する。また、光沢予測用のパッチ(格子点)を後段処理部803の出力値であるC、M、Y、K、Lc、Lmの6次元からなるとして説明したが、本発明はこの例に限定されず、例えば、格子点が後段処理部803の入力値であるR、G、Bの3次元であっても良い。この場合、例えば図19(b)に示すように、R、G各8ビット256階調信号をそれぞれ5等分した全36の代表点を格子点としても良い。なお、この場合にも実際には3次元のデータであるから、6の3乗個である216通りのパッチが存在することになる。また、図19(a),(b)では256階調信号を5等分して格子点を設定した例を示しているが、各格子点の間隔は等分・不等分に関らず任意の間隔でよく、256階調未満の代表点で格子点(パッチ)が構成される場合は本発明の範疇である。本実施形態においては、S1901で測定値を入力するパッチは、図19(a)に示す例のようにC、M、Y、K、Lc、Lmの各8ビット256階調信号をそれぞれ5等分した格子点であるとして説明を続ける。
S1901で入力された全ての光沢予測用パッチの分光反射率(実測値)は、RAM704に記憶されるか、容量が大きい場合にはHD709なども利用される。
次にS1902において、S1901で入力された光沢予測用パッチの分光反射率(実測値)のうちの一つに対応する画像信号を、注目パッチ画像信号として読み込む。ここで言う画像信号とは、上述したようにC、M、Y、K、Lc、Lm各8ビットの256階調信号をそれぞれ5等分したデータのことを指す。以下、図19(a)に示す各格子点のうちの1つを注目パッチ画像信号として処理を進める。例えば、注目パッチ画像信号が図19(a)に示す点Qであるとすれば、ここでの画像信号値は(C,M,Y,K,Lc,Lm)=(204,51,0,0,0,0)となる。読み込まれた注目パッチ画像信号は後の処理のためRAM704に記憶される。
次にS1903においては、S1902で読み込まれた注目パッチ画像信号に対し、対応するインクの屈折率を用いて分光反射率を算出する。以下、屈折率を用いた分光反射率の演算を、注目パッチ画像信号(C,M,Y,K,Lc,Lm)=(204,51,0,0,0,0)に対して行うものとして説明する。なお、本実施形態において使用される複数色の顔料インクは、それぞれの屈折率が既知であるものとする。
まず図13に示すようなドット配置パターンを考慮することによって、注目パッチ画像信号について、プリンタ601のドット配置パターン化処理部807で処理される最上面のインクとその面積率が分かる。次に、予め取得されている該インクの屈折率に基づき、分光反射率を上記式(7)〜(9)のように算出すれば良い。ここで算出された分光反射率(算出値)は、例えば図21において2201のように示される。算出された最上面の分光反射率は、後の処理のためにRAM704に記憶される。
次にS1904では、S1902における注目パッチ画像信号(C,M,Y,K,Lc,Lm)=(204,51,0,0,0,0)に基づいてプリンタ601で形成されたパッチを、図20に示すような測定装置で実際に測定された分光反射率を読み込む。この処理はすなわち、S1901で入力された当該注目パッチ画像信号の分光反射率(実測値)を読み込む処理である。ここで読み込まれる分光反射率(実測値)は、例えば図21において2202のように示される。図21に示すように、ブロンズ成分だけを加味して屈折率から算出された分光反射率の算出値2201に対し、分光反射率の実測値2202の方が全体的に反射率が低い。つまり、分光反射率の算出値2201と実測値2202のそれぞれについて、鏡面光沢度をシミュレートする式(6)を用いて鏡面光沢度を算出すると、実測値2202の方が鏡面光沢度が低く算出される。これは図16で示したように、インクの屈折率を用いてブロンズ成分のみを考慮して算出した鏡面光沢度特性301に対し、実測された鏡面光沢度特性501には表面凹凸の影響e1や薄膜干渉による色付きの影響e2が含まれる、という現象に合致する。読み込まれた分光反射率の実測値は、後の処理のためRAM704に記憶される。
次にS1905において、S1903でインクの屈折率を用いて算出された分光反射率の算出値2201と、S1904で読み込まれた分光反射率の実測値2202との差分をとる。ここで行なわれる差分演算とは、分光反射率の各波長ごとに、算出値2201から実測値2202を減じることによって行われる。ここで図22に、該差分演算の結果を示す。同図において2301が分光反射率の算出値2201と実測値2202との差分であり、各波長において所定値以上の差分2301が発生していることが分かる。この差分2301は、後の処理のためRAM704に記憶される。
次にS1906において、S1905で算出された分光反射率の算出値2201と実測値2202との差分2301を、表面の凹凸に起因する成分(以下、凹凸成分)と、薄膜干渉による正反射光の色付きに起因する成分(以下、薄膜干渉成分)とに分離する。これは、分光反射率の算出値2201と実測値2202との差分、すなわち実測値2202における算出値2201からの変動分が、凹凸成分と薄膜干渉成分からなると考えられるためである。この分離方法としては、凹凸成分には波長依存性が無い事を利用する。つまり、表面の凹凸は各波長において一定の反射率分の影響を与えることから、図22に示すように、全波長域における差分2301の最小値を凹凸成分とする。そして、各波長における薄膜干渉成分を、該波長の差分2301から上記凹凸成分を除去した残部分とする。このように分割された凹凸成分と薄膜干渉成分は、S1902で読み込まれた注目パッチの画像信号と関連付けられ、それぞれがRAM704またはHD709に保存される。
そして最後にS1907において、S1901で入力された全てのパッチの測定値について、S1902〜S1906の動作が行われたか否かを判断する。全てのパッチの処理が終わっていない場合にはS1902に戻り、次の注目パッチ画像信号に対する処理を開始するが、全てのパッチについて一連の処理が終了していれば、光沢モデル算出処理を終了する。
●光沢補間処理
以下、本実施形態の光沢補間処理(S2401〜S2407)について説明する。上述したように本実施形態の光沢補間処理は、上述した光沢モデル作成処理(S2400)が終了していることを前提として実行される。
以下、本実施形態の光沢補間処理(S2401〜S2407)について説明する。上述したように本実施形態の光沢補間処理は、上述した光沢モデル作成処理(S2400)が終了していることを前提として実行される。
先ずS2401において、光沢を予測する複数の出力色が入力される。ここで言う出力色とは、図14のS1603で選択されたC、M、Y、K、Lc、Lm等の複数のインク値の組み合わせを指す。上述したように、X,Y,ZやL*a*b*等の3次元の値で表される色彩を呈する出力色は複数存在する。そのためS2401では、S1601で入力された注目画像信号が呈する色彩値と同一の色彩を呈するC、M、Y、K、Lc、Lmの組み合わせのインク量データが、出力色として複数入力される。入力された出力色は後の処理のためRAM704に記憶されるか、容量が大きい場合にはHD709なども利用される。
次にS2402において、S2401で入力された複数の出力色のうちの1つを、注目色(以下、注目出力色)として選択し、該選択された注目出力色は後の処理のためRAM704に記憶される。
次にS2403において、顔料インクの屈折率を用いた分光鏡面反射率算出を行う。まず、
S2402で選択された注目出力色を図7に示す後段処理部803の出力として、γ補正部804、ハーフトーニング部805、印刷データ作成部806における処理を施す。その後、ドット配置パターン化処理部807により決定されるドット配置データに基づき、最上面に吐出されるインク種とインク毎の面積比率を算出する。そしてさらに、各顔料インクの屈折率を参照することによって、注目出力色に対する正反射の分光鏡面反射率を上記式(7)〜(9)のように算出する。算出された分光鏡面反射率(算出値)は、後の処理のためRAM704に記憶される。
S2402で選択された注目出力色を図7に示す後段処理部803の出力として、γ補正部804、ハーフトーニング部805、印刷データ作成部806における処理を施す。その後、ドット配置パターン化処理部807により決定されるドット配置データに基づき、最上面に吐出されるインク種とインク毎の面積比率を算出する。そしてさらに、各顔料インクの屈折率を参照することによって、注目出力色に対する正反射の分光鏡面反射率を上記式(7)〜(9)のように算出する。算出された分光鏡面反射率(算出値)は、後の処理のためRAM704に記憶される。
次にS2404において、凹凸成分予測処理を行う。すなわち、S2400で作成された光沢モデルにおける光沢予測用のパッチのうち、S2402で選択された注目出力色の周辺に存在するパッチを参照して、分光鏡面反射率の実測値に含まれるであろう凹凸成分を補間演算により予測する。なお、各パッチに対する表面凹凸成分は、S2400の光沢モデル算出処理によって得られており、その補間演算とは、波長毎に四面体補間、立方体補間、多項式補間等の周知の技術を用いて実現される。ここで算出された分光鏡面反射率の凹凸成分は、後の処理のためRAM704に記憶される。
次にS2405において、薄膜干渉成分予測処理を行う。すなわち、上記S2404での補間演算と同様に、分光鏡面反射率の実測値に含まれるであろう薄膜干渉成分を補間演算により予測する。なお、各パッチに対する薄膜干渉成分も、上述した光沢モデル算出処理によって得られており、その補間演算も、波長毎に四面体補間、立方体補間、多項式補間等の周知の技術を用いて実現される。ただしS2405における補間処理としては、S2404と同様の補間方法を用いることが望ましい。ここで算出された分光鏡面反射率の薄膜干渉成分は、後の処理のためRAM704に記憶される。
次にS2406において、S2403で算出された分光鏡面反射率(算出値)と、S2404およびS2405で算出された分光鏡面反射率の凹凸成分および薄膜干渉成分を用いて、注目出力色についての光沢予測を行う。詳細には、まず、以下の式(10)に示すように上記3つの分光鏡面反射率の値から分光鏡面反射率の予測値ρestを算出する。式(10)によれば分光鏡面反射率の予測値は、分光鏡面反射率の算出値から、凹凸成分と薄膜干渉成分を除去することによって得られることが分かる。
ρest :S2406で算出される分光鏡面反射率の予測値
ρcalc :2403で算出される分光鏡面反射率(算出値)
ρ凹凸 :S2404で算出される分光鏡面反射率の表面凹凸成分
ρ干渉 :S2405で算出される分光鏡面反射率の薄膜干渉成分
そしてさらに式(11)に示すように、式(10)によって得られた分光鏡面反射率の予測値ρestを上記式(6)に適用して、鏡面光沢度の予測値Gest(θ)を算出する。
ρcalc :2403で算出される分光鏡面反射率(算出値)
ρ凹凸 :S2404で算出される分光鏡面反射率の表面凹凸成分
ρ干渉 :S2405で算出される分光鏡面反射率の薄膜干渉成分
そしてさらに式(11)に示すように、式(10)によって得られた分光鏡面反射率の予測値ρestを上記式(6)に適用して、鏡面光沢度の予測値Gest(θ)を算出する。
Gest :S2406において算出される鏡面光沢度の予測値
以上のようにS2406で算出された鏡面光沢度の予測値は、S2402で選択された注目出力色と関連付けられ、RAM704に記憶されるか、容量が大きい場合にはHD709なども利用される。
以上のようにS2406で算出された鏡面光沢度の予測値は、S2402で選択された注目出力色と関連付けられ、RAM704に記憶されるか、容量が大きい場合にはHD709なども利用される。
最後にS2407において、S2401で入力されたパッチの測定値の全てについて、S2402〜S2406の動作を行ったか否かを判断し、全ての出力色の処理が終わってない場合にはS2402に戻り、次の注目出力色に対する処理を開始する。一方、全ての出力色について一連の処理が終了していれば、光沢補間処理を終了する。なお、この光沢補間処理が終了することによって、S1605の鏡面光沢度予測処理が終了する。
本実施形態では以上のように、画像表面の鏡面光沢度を、顔料粒子の選択的反射(ブロンズ)に加え、画像表面の凹凸による影響e1、及び薄膜干渉による正反射光の色付きの影響e2を考慮することによって、高精度に予測することが可能となる。該予測により、例えば図16に示すブロンズ成分のみを考慮して算出された鏡面光沢度特性301に対し、さらに上記影響e1およびe2を考慮した鏡面光沢度予測を行うことによって、実測された鏡面光沢度特性501に近い特性を算出することができる。
以上説明したように本実施形態によれば、記録媒体上に顔料インクが重なることによって形成された画像について、該画像表面の鏡面光沢度を高精度に予測することが可能となる。この鏡面光沢度予測を、プリンタについてのプロファイル作成時に適用することによって、形成画像における光沢均一性の向上のみならず、光沢を用いた高付加価値印刷などに応用することも可能となる。
<その他の実施形態>
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
Claims (8)
- 記録媒体上に複数色の顔料インクを重ねることによって画像を形成する画像形成装置によって形成された形成画像の鏡面光沢度を予測する画像処理装置であって、
前記複数色の顔料インクにおける各インク量データの組み合わせの一つに対応する注目色による形成画像について、該注目色における各顔料インクの屈折率と、所定の領域内において各顔料インクのドットが表面を覆う面積率を用いて、該形成画像に対する分光鏡面反射率を算出する鏡面反射率算出手段と、
前記注目色における各顔料インクが記録媒体上に重なることで形成される画像表面の凹凸に起因する、前記分光鏡面反射率の変動分を凹凸成分として予測する凹凸成分予測手段と、
前記注目色における各顔料インクが記録媒体上に重なることで発生する薄膜干渉による正反射光の色付きに起因する、前記分光鏡面反射率の変動分を薄膜干渉成分として予測する薄膜干渉成分予測手段と、
前記分光鏡面反射率から前記凹凸成分と前記薄膜干渉成分を除去することで、前記注目色による形成画像に対する分光鏡面反射率を予測し、該予測された分光鏡面反射率を用いて、前記注目色による形成画像における鏡面光沢度を算出する鏡面光沢度算出手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。 - 前記鏡面反射率算出手段は、前記注目色における各顔料インクのそれぞれについて、予め取得されている屈折率を用いて分光鏡面反射率を算出し、該それぞれの分光鏡面反射率を、前記顔料インクのそれぞれの前記面積率に応じた割合で加算することによって、前記注目色による形成画像に対する分光鏡面反射率を算出することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
- さらに、前記画像形成装置において再現可能な色空間内を所定の間隔で分割して得られる複数の格子点に対応する画像信号に基づいて形成された光沢予測用パッチのそれぞれについて、前記凹凸成分および前記薄膜干渉成分との対応を示す光沢モデルを作成する光沢モデル作成手段を有し、
前記凹凸成分予測手段および前記薄膜干渉成分予測手段は、前記光沢モデルを用いた補間処理を行うことによって、前記注目色に対する前記凹凸成分および前記薄膜干渉成分を予測することを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。 - 前記光沢モデル作成手段は、
前記光沢予測用パッチが形成された複数の格子点に対応する画像信号の一つを注目パッチ画像信号として設定する設定手段と、
前記注目パッチ画像信号に対し、該注目パッチ画像信号に基づく画像形成時に使用される各顔料インクの屈折率を用いて分光鏡面反射率を算出した算出値を取得する算出値の取得手段と、
前記注目パッチ画像信号に対し、該注目パッチ画像信号に基づいて形成された画像における分光鏡面反射率の実測値を取得する実測値の取得手段と、
前記注目パッチ画像信号に対し、前記算出値と前記実測値との差分を取得する差分演算手段と、
前記差分における最小値を前記凹凸成分とし、該差分の波長ごとに前記凹凸成分を除去した残部分を前記薄膜干渉成分とする分割手段と、
を有することを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。 - 記録媒体上に複数色の顔料インクを重ねることによって画像を形成する画像形成装置に対し、入力される画像信号と、該画像信号に応じて出力される各顔料インクのインク量データの組み合わせの関係を示す色分解プロファイルする色分解プロファイルを作成する画像処理装置であって、
前記複数色の顔料インクが画像形成時に取り得る各インク量データの組み合わせに対応する出力色について、それぞれの画像形成時に再現される色を予測する色予測手段と、
前記色分解プロファイルを構成する格子点の一つに対応する画像信号を注目画像信号として入力する入力手段と、
前記出力色のうち、前記色予測手段により、前記注目画像信号が再現する色を再現するとして予測された複数の出力色を抽出する出力色抽出手段と、
前記色分解プロファイルを用いて形成された画像において再現する鏡面光沢度を目標光沢度として設定する目標光沢度設定手段と、
前記出力色抽出手段で抽出された複数の出力色のそれぞれによる形成画像の鏡面光沢度を予測する光沢度予測手段と、
前記光沢度予測手段で予測された複数の鏡面光沢度のうち、前記目標光沢度に対応する鏡面光沢度を示す出力色を、前記注目画像信号に対応する出力色として決定する出力色決定手段と、
前記色分解プロファイルを構成する格子点について、前記入力手段と前記出力色抽出手段、前記目標光沢度設定手段、前記光沢度予測手段、および前記出力色決定手段、による処理が実行された後に、該格子点のそれぞれについての画像信号と、該画像信号に対する前記出力色決定手段で決定された出力色の関係を示すように、前記色分解プロファイルを生成するプロファイル生成手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。 - 前記光沢度予測手段は、
前記複数色の顔料インクにおける各インク量データの組み合わせの一つに対応する注目色による形成画像について、該注目色における各顔料インクの屈折率と、所定の領域内において各顔料インクのドットが表面を覆う面積率を用いて、該形成画像に対する分光鏡面反射率を算出する鏡面反射率算出手段と、
前記注目色における各顔料インクが記録媒体上に重なることで形成される画像表面の凹凸に起因する、前記分光鏡面反射率の変動分を凹凸成分として予測する凹凸成分予測手段と、
前記注目色における各顔料インクが記録媒体上に重なることで発生する薄膜干渉による正反射光の色付きに起因する、前記分光鏡面反射率の変動分を薄膜干渉成分として予測する薄膜干渉成分予測手段と、
前記分光鏡面反射率から前記凹凸成分と前記薄膜干渉成分を除去することで、前記注目色による形成画像に対する分光鏡面反射率を予測し、該予測された分光鏡面反射率を用いて、前記注目色による形成画像における鏡面光沢度を算出する鏡面光沢度算出手段と、
を有することを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。 - 鏡面反射率算出手段、凹凸成分予測手段、薄膜干渉成分予測手段、および鏡面光沢度算出手段、を有し、記録媒体上に複数色の顔料インクを重ねることによって画像を形成する画像形成装置によって形成された形成画像の鏡面光沢度を予測する画像処理装置における画像処理方法であって、
前記鏡面反射率算出手段が、前記複数色の顔料インクにおける各インク量データの組み合わせの一つに対応する注目色による形成画像について、該注目色における各顔料インクの屈折率と、所定の領域内において各顔料インクのドットが表面を覆う面積率を用いて、該形成画像に対する分光鏡面反射率を算出する鏡面反射率算出ステップと、
前記凹凸成分予測手段が、前記注目色における各顔料インクが記録媒体上に重なることで形成される画像表面の凹凸に起因する、前記分光鏡面反射率の変動分を凹凸成分として予測する凹凸成分予測ステップと、
前記薄膜干渉成分予測手段が、前記注目色における各顔料インクが記録媒体上に重なることで発生する薄膜干渉による正反射光の色付きに起因する、前記分光鏡面反射率の変動分を薄膜干渉成分として予測する薄膜干渉成分予測ステップと、
前記鏡面光沢度算出手段が、前記分光鏡面反射率から前記凹凸成分と前記薄膜干渉成分を除去することで、前記注目色による形成画像に対する分光鏡面反射率を予測し、該予測された分光鏡面反射率を用いて、前記注目色による形成画像における鏡面光沢度を算出する鏡面光沢度算出ステップと、
を有することを特徴とする画像処理方法。 - コンピュータで実行されることにより、該コンピュータを請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像処理装置の各手段として機能させるためのプログラム。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2010176704A JP2012039320A (ja) | 2010-08-05 | 2010-08-05 | 画像処理装置および画像処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2010176704A JP2012039320A (ja) | 2010-08-05 | 2010-08-05 | 画像処理装置および画像処理方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2012039320A true JP2012039320A (ja) | 2012-02-23 |
Family
ID=45850832
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2010176704A Withdrawn JP2012039320A (ja) | 2010-08-05 | 2010-08-05 | 画像処理装置および画像処理方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2012039320A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2015142238A (ja) * | 2014-01-28 | 2015-08-03 | キヤノン株式会社 | 画像処理装置、画像処理方法およびプログラム |
| CN106256545A (zh) * | 2015-06-18 | 2016-12-28 | 佳能株式会社 | 图像处理装置以及图像处理方法 |
| JP2019522579A (ja) * | 2016-07-01 | 2019-08-15 | シグニファイ ホールディング ビー ヴィ | 3d印刷反射器及びその製造方法 |
-
2010
- 2010-08-05 JP JP2010176704A patent/JP2012039320A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
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