[go: up one dir, main page]

JP2012033434A - 組成物、その硬化物、および電子デバイス - Google Patents

組成物、その硬化物、および電子デバイス Download PDF

Info

Publication number
JP2012033434A
JP2012033434A JP2010173664A JP2010173664A JP2012033434A JP 2012033434 A JP2012033434 A JP 2012033434A JP 2010173664 A JP2010173664 A JP 2010173664A JP 2010173664 A JP2010173664 A JP 2010173664A JP 2012033434 A JP2012033434 A JP 2012033434A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
composition
film
component
moisture
cured product
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2010173664A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5565176B2 (ja
Inventor
Hiroaki Kuwata
博昭 桑田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSR Corp
Original Assignee
JSR Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JSR Corp filed Critical JSR Corp
Priority to JP2010173664A priority Critical patent/JP5565176B2/ja
Publication of JP2012033434A publication Critical patent/JP2012033434A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5565176B2 publication Critical patent/JP5565176B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Electroluminescent Light Sources (AREA)

Abstract

【課題】吸湿性を有し、容易に(80〜200℃)吸湿性を再生することができ、素子の他の部材(たとえば、パッシベーション膜や発光材料層など)を腐食せしない組成物、ならびに該組成物から得られる硬化物を提供すること。
【解決手段】(A)バインダー成分と、
(B)80℃以下で水分を吸収し再放出せず、100〜200℃の加熱により吸収した水分を放出する化合物を含有する成分と、
(C)熱伝導性フィラーを含有する成分と
を含む組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、組成物、その硬化物、および電子デバイスに関する。より詳しくは、本発明は、組成物、ならびに該組成物から得られる、吸湿性を有し、容易に吸湿性を再生することができ、素子の他の部材(たとえば、パッシベーション膜や発光材料層など)を腐食せず、熱伝導性に優れ、電気・電子部品などの発熱部材に対する放熱部材として使用可能な硬化物に関する。
水分に触れることによって障害を受ける電子デバイス、例えばキャパシタや有機EL素子(Electro Luminescence素子)等は、密閉して使用される必要がある。しかしながら、水分を十分に除去した状態で密封することは非常に困難である。また、使用している間にデバイス中に徐々に進入する水分を除去しなければ、電子デバイスの機能は徐々に低下してしまう。
例えば、代表的な密閉型電子デバイスである有機EL素子は、駆動期間の長期化に伴って、有機EL素子内に進入した水分によって電極が酸化され、さらには有機物が変性されて、輝度や発光効率等の発光特性が著しく低下するという問題があった。これに対し、有機EL素子を水分から保護する方法の一つとして、素子内に乾燥剤を配置し、素子内部を低湿度環境に保つ技術が検討されている。
しかしながら、素子の製造工程において水分量を管理しない場合には、製造工程中で乾燥剤がその飽和吸湿量と同程度に吸湿してしまうため、素子内に侵入する水分を吸収することができず、素子内に乾燥剤を配置する目的を達成することはできない。しかし、製造工程における水分量の管理は困難であり、低温で加熱するなどして容易に乾燥剤を再生し、それから素子の中に封止できる材料が要求されていた。
吸湿剤としてアルカリ土類金属酸化物を用いる場合(引用文献1〜3)、アルカリ土類金属酸化物は吸湿することで、強いアルカリ性を示すアルカリ土類金属水酸化物を生成する。また、吸湿剤として金属アルコキシドを用いる場合(引用文献4〜5)、吸湿により金属アルコキシドが分解されて比較的低分子量の成分(以下、「分解生成物」ともいう。)が生成する。このような吸湿により生成するアルカリ土類金属水酸化物や分解生成物は、他の部材(たとえば、パッシベーション膜や発光材料層など)を腐食し、電気特性を悪化させることがある。
また、有機EL素子を複数配置した有機EL照明装置などでは、有機EL素子に電流が流れることにより発光している。このような有機EL照明装置では、有機EL素子自身に電流が流れる際に発熱を生じ、素子近傍の温度が高くなることに起因して、輝度や発光効率等の発光特性に悪影響を与えるという不都合が生じることがある。このため、有機EL素子の発熱を効率良く放熱するための方法の一つとして、伝熱性に優れた材料(引用文献6〜7)が種々検討されているが、吸湿特性と放熱特性を同時に満足させる材料は未だ見出されていない。
特開平9−148066号公報、 特開2003−338366号公報、 特開2005−230818号公報、 特開2003−142256号公報、 特開2006−68729号公報、 特開2008−291220号公報、 特開2008−169265号公報
本発明は、上記の従来技術に存在する課題を解決しようとするものである。すなわち、本発明の課題は、吸湿性および放熱性を有し、容易に(80〜200℃)吸湿性を再生することができ、素子の他の部材(たとえば、パッシベーション膜や発光材料層など)を腐食せしない組成物、ならびに該組成物から得られる硬化物を提供することにある。
本発明は上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することができる。
[1] (A)バインダー成分と、
(B)80℃以下で水分を吸収し再放出せず、100〜200℃の加熱により吸収した水分を放出する化合物を含有する成分と、
(C)熱伝導性フィラーを含有する成分と
を含む組成物。
[2] 前記(B)成分が、無水ホウ酸および硫酸リチウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物である、[1]に記載の組成物。
[3] 前記(C)成分が、金属酸化物および金属窒化物からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物である、[1]または[2]に記載の組成物。
[4] [1]〜[3]のいずれかに記載の組成物から形成された、組成物層。
[5] [1]〜[3]のいずれかに記載の組成物から形成された、硬化物。
[6] [1]〜[3]のいずれかに記載の組成物から形成された硬化物層を有する、フィルム。
[7] [4]に記載の組成物層、[5]に記載の硬化物または[6]に記載のフィルムを含む、電子デバイス。
本発明の組成物によれば、吸湿性に優れ、容易に(80〜200℃)吸湿性を再生することができ、放熱性能に優れ、素子の他の部材(たとえば、パッシベーション膜や発光材料層など)を腐食しない硬化物(塗布膜やフィルム等)を形成することができる。
上記硬化物は、有機EL素子等の電子デバイスの封止材等の用途に好適であり、また透明性に優れる場合には、例えばトップエミッション型の有機EL素子に用いることができる。
本実施の形態にかかる有機EL素子の一例を模式的に示す断面図である。 本実施の形態にかかる有機EL素子の一例を模式的に示す断面図である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は下記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形例をも含む。
1.組成物
本発明にかかる組成物は、
(A)バインダー成分(以下「(A)成分」ともいう。)と、(B)80℃以下で水分を吸収し再放出せず、100〜200℃の加熱により吸収した水分を放出する化合物を含有する成分(以下「(B)成分」ともいう。)と、(C)熱伝導性フィラーを含有する成分(以下「(C)成分」ともいう。)とを含有する。
以下、本発明にかかる組成物を構成する各成分について説明する。
1.1.(A)バインダー成分
本発明にかかる組成物は、(A)成分を含有する。
(A)成分の機能の一つとしては、バインダー(マトリックス)として機能し、本実施の形態にかかる組成物の塗布・成膜性を向上させることが挙げられる。後述する(B)成分および(C)成分は常温で固体の状態であるため、(B)成分および(C)成分のみでは塗布・成膜・充填することが困難である。そこで、(A)成分、(B)成分および(C)成分を混合することで、組成物の塗布・成膜・充填性を向上させることができるようになる。
また、(A)成分の他の機能としては、後述する(B)成分が吸湿して体積変化が発生した場合でも、それを緩和して素子構造を維持することが挙げられる。
本発明にかかる組成物中における(A)成分の含有量は、組成物の全質量100質量%に対し、好ましくは0.1〜70質量%、より好ましくは1〜50質量%である。(A)成分の含有量が前記範囲内であると、(B)成分の有する水分を捕捉する機能および(C)成分の有する熱伝導性を損なうことなく、バインダーとして十分に機能することができる。
(A)成分は、後述する(B)成分および(C)成分の特性を損なうことなく、(B)成分および(C)成分のバインダー(マトリックス)として機能する材料であれば特に限定されないが、熱可塑性樹脂の他、共役ジエン系共重合体、水添された共役ジエン系共重合体、環状エーテル構造を有する重合性化合物、ポリエーテル系重合体、Si−H結合を有する化合物等を例示することができる。
1.1.1.熱可塑性樹脂
(A)成分として使用することのできる熱可塑性樹脂としては、(メタ)アクリル系重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、これらの重合体にカルボキシル基やエポキシ基などの官能基を付与した重合体、シリコーンゴム、天然ゴムなどが挙げられる。これらの中では、得られる組成物の取り扱い性、塗工性および柔軟性の観点から、(メタ)アクリル系重合体を好ましく用いることができる。
前記(メタ)アクリル系重合体とは、(メタ)アクリル酸または(メタ)アクリル酸エステルの単独重合体および共重合体の総称であり、具体的には(メタ)アクリル酸または(メタ)アクリル酸エステル由来の構成単位を、その全構成単位中に50〜100重量%含有する重合体のことをいう。本発明において、「(メタ)アクリル」とは、アクリルまたはメタクリルのことをいう。
本発明の組成物を電子デバイスなどに適用する方法としては、例えば、以下に詳述するように、(I)該組成物をまずフィルムなどの硬化物にした後、電子デバイスに適用する方法(図1)、および(II)該組成物をそのまま、電子デバイスなどに充填(組成物層の形成)する方法(図2)が挙げられる。
上記(I)の方法を採用する場合には、(メタ)アクリル系重合体の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは10000〜400000、より好ましくは20000〜200000、特に好ましくは30000〜160000である。本発明において、「重量平均分子量(Mw)」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算値で表わす。
上記(I)の方法を採用する場合において、(メタ)アクリル系重合体のMwが前記範囲を下回ると得られるフィルムに適度な強度を付与することが困難となる傾向があり、Mwが前記範囲を上回ると組成物の取り扱い性が劣る傾向にある。
また、上記(II)の方法を採用する場合には、(メタ)アクリル系重合体の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは200〜10000、より好ましくは300〜5000である。上記(II)の方法を採用する場合において、(メタ)アクリル系重合体のMwが前記範囲を上回ると粘度が上昇し、組成物の取り扱い性が劣る傾向にある。
(メタ)アクリル系重合体のMwは、モノマーの共重合割合および重合温度などの条件を適宜選択することにより制御することができる。
(メタ)アクリル系重合体は、(メタ)アクリル酸、および/または(メタ)アクリル酸エステルと、必要に応じて他の単量体とを重合することにより製造することができる。なお、(メタ)アクリル系重合体を製造するに際して、重合開始剤を用いることが好ましく、具体的には、所定量のモノマー、重合開始剤、有機溶媒を仕込み、窒素雰囲気下、所定の温度で混合してラジカル重合反応させる方法が好ましい。
上記モノマーとしては、(メタ)アクリル酸、メタクリル酸メチル(MMA)、メタクリル酸エチル(EMA)、メタクリル酸プロピル(PMA)、メタクリル酸ブチル(BMA)、メタクリル酸エチルヘキシル(EHMA)、メタクリル酸グリシジル(GMA)、メタクリル酸ラウリル(LMA)、メタクリル酸トリメトキシシリルプロピル(TMSPMA)、メタクリル酸ターシャリーブチル(t−BMA)、メタクリル酸水添ポリブタジエン(例えば、クラレ社製、「L1253」)、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ベンジル等が挙げられる。これらの中でも、(メタ)アクリル酸、メタクリル酸メチル(MMA)、メタクリル酸ブチル(BMA)、メタクリル酸エチルヘキシル(EHMA)、メタクリル酸ラウリル(LMA)であることが好ましい。また、これらのモノマーは、1種単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
上記重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル等が挙げられる。
上記有機溶媒としては、トルエン、キシレン、シクロヘキサン等が挙げられる。
(A)成分として使用される熱可塑性樹脂としては、n−ブチルメタクリレート(nBMA)とラウリルメタクリレート(LMA)との共重合体であることが得られる硬化物(フィルム)の粘着性の点で好ましい。特に、得られる硬化物・フィルムを図1のように有機EL素子等の電子デバイスに使用する場合には、得られる硬化物・フィルムに粘着性があることが、電子デバイスの製造が容易となり、また、性能の良い電子デバイスを得ることができるため好ましい。
1.1.2.共役ジエン系共重合体
(A)成分として使用することのできる共役ジエン系共重合体は、芳香族ビニル化合物に由来する繰り返し単位を含むブロックと、共役ジエン化合物に由来する繰り返し単位を含むブロックと、を含むブロック共重合体であることが好ましい。
上記芳香族ビニル化合物としては、スチレン、t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、α−クロロスチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、ビニルピリジン、N,N−ジエチル−p−アミノスチレン等が挙げられる。これらのうち、スチレン、α−メチルスチレンが好ましく、スチレンがより好ましい。
上記共役ジエン化合物としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、クロロプレン等が挙げられる。これらのうち、1,3−ブタジエン、イソプレンおよび1,3−ペンタジエンが好ましく、1,3−ブタジエン、イソプレンがより好ましい。
すなわち、(A)成分としては、スチレン・ブタジエンブロック共重合体、スチレン・イソプレンブロック共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体、およびスチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体からなる群から選択される少なくとも1種のスチレン系エラストマーであることが好ましく、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体またはスチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体であることがより好ましい。
共役ジエン系共重合体の重量平均分子量は、5万〜60万であることが好ましく、5万〜30万であることがより好ましい。重量平均分子量が前記範囲内であると、組成物に後述するような適度な粘度を付与することができ、硬化物を形成する際の作業性(塗布性等)が良好となる。
上記共役ジエン系共重合体の製造方法としては、特に限定されないが、例えば有機アルカリ金属化合物を重合開始剤としてモノマー成分を有機溶媒中でリビングアニオン重合する方法が挙げられる。
また、上記共役ジエン系共重合体を水添させた水添された共役ジエン系共重合体を用いることもできる。
1.1.3.環状エーテル構造を有する重合性化合物
(A)成分として使用することのできる環状エーテル構造を有する重合性化合物において、環状エーテル構造としては、エポキシ基、オキセタニル基であることが好ましく、エポキシ基であることがより好ましい。
環状エーテル構造を有する重合性化合物としては、例えば、ビスエポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ジエポキシリモネン、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン、1,6−ヘキサンジオールルジグリシジルエーテル、キシリレンビスオキセタン、3−エチル−3{[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル}オキセタン等が挙げられるが、これらに限定されない。これらの中でも、エポキシ基を有するビスエポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ジエポキシリモネンが好ましく、酸発生剤等の硬化剤が存在しない条件下においても、熱により硬化することができるためビスエポキシシクロヘキサンカルボキシレートがより好ましい。
本発明にかかる組成物を硬化させて得られる硬化物中において、環状エーテル構造を有する重合性化合物中の環状エーテル構造が反応することにより、環状エーテル構造を有する重合性化合物に由来する繰り返し単位を有する高分子化合物が形成される。かかる高分子化合物は、環状エーテル構造を有する重合性化合物に由来する繰り返し単位が互いに単独重合した構造であってもよいし、環状エーテル構造を有する重合性化合物と他の単量体または(共)重合体とが共重合した構造であってもよい。
環状エーテル構造を有する重合性化合物は、(B)成分を安定に分散させることができるため、(B)成分を分散させるための溶媒が不要となる。そのため(A)成分として環状エーテル構造を有する重合性化合物を使用することで組成物を無溶媒化することができる。これにより、硬化物中に溶媒が残留することによる弊害を防止することができる。また、環状エーテル構造を有する重合性化合物を添加することで組成物に適度な粘性を付与することができる。これにより、本実施の形態にかかる組成物の成膜性を向上させることができる。
1.1.4.ポリエーテル系重合体
(A)成分として使用することのできるポリエーテル系重合体としては、例えばポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等が挙げられる。これらのポリエーテル系重合体の数平均分子量は、通常200〜2,000であり、350〜1,500であることが好ましい。
1.1.5.Si−H結合を有する化合物
(A)成分として使用することのできるSi−H結合を有する化合物は、下記一般式(5)で示される構造を有する化合物であることが好ましく、ポリマーであってもよいし、モノマーであってもよい。
Figure 2012033434
(上記式(5)中、R2は、水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜30の有機基である。)
本発明の組成物が、Si−H結合を有する化合物と、2個以上の不飽和結合を有する化合物とを含有する場合、本発明にかかる組成物を硬化させて硬化物を形成する工程では、Si−H結合が開裂して不飽和結合に付加する反応(いわゆるヒドロシリル化反応)により、熱硬化させることができる。
Si−H結合を有する化合物は、上記一般式(5)で示される繰り返し単位を有するポリマーであることが好ましく、下記一般式(6)で示される繰り返し単位を有するポリシロキサンであることがより好ましい。
Figure 2012033434
(上記式(6)中、R2は、水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜30の有機基である。)
上記一般式(5)および上記一般式(6)中、R2は、水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜30の有機基である。炭素数1〜30の有機基としては、例えば、置換もしくは非置換の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、環式アルキル基およびアリール基が挙げられ、これらの基中にハロゲン原子および/またはエーテル基を含んでいてもよい。これらの有機基は、直鎖状でも環状でもよいし、分岐鎖を有してもよい。また、アルケニル基、アルキニル基において、それぞれ二重結合、三重結合の位置および数は特に限定されない。
上記アルキル基としては、例えば、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、テトラメチルヘキサデシル基、オクタデシル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等が挙げられる。
上記アルケニル基としては、ビニル基、オクテニル基、ドデセニル基、オクタデセニル基、アリル基等が挙げられる。
上記アルキニル基としては、エチニル基、プロピニル基、フェニルエチニル基等が挙げられる。
上記環式アルキル基としては、シクロヘキシル基等が挙げられる。
上記アリール基としては、フェニル基、ベンジル基等が挙げられる。
Si−H結合を有する化合物がポリマーである場合の具体例としては、例えば、ポリジハイドロジェンシロキサン、ポリ(メチルハイドロジェンシロキサン)、ポリ(エチルハイドロジェンシロキサン)、ポリ(フェニルハイドロジェンシロキサン)、ポリフェニル(ジメチルハイドロジェンシロキシ)シロキサン、ポリ[(メチルハイドロジェンシロキサン)(ジメチルシロキサン)]コポリマー、ポリ[(メチルハイドロジェンシロキサン)(エチルメチルシロキサン)]コポリマー、ポリ[(メチルハイドロジェンシロキサン)(ジエチルシロキサン)]コポリマー、ポリ[(メチルハイドロジェンシロキサン)(ヘキシルメチルシロキサン)]コポリマー、ポリ[(メチルハイドロジェンシロキサン)(オクチルメチルシロキサン)]コポリマー、ポリ[(メチルハイドロジェンシロキサン)(オクタデシルメチルシロキサン)]コポリマー、ポリ[(メチルハイドロジェンシロキサン)(フェニルメチルシロキサン)]コポリマー、ポリ[(メチルハイドロジェンシロキサン)(ジエトキシシロキサン)]コポリマー、ポリ[(メチルハイドロジェンシロキサン)(ジメトキシシロキサン)]コポリマー、ポリ[(メチルハイドロジェンシロキサン)(3,3,3−トリフルオロプロピルメチルシロキサン)]コポリマー、ポリ[(ジハイドロジェンシロキサン)(2−フルオロエトキシメチルシロキサン)]コポリマー、ポリ[(ジハイドロジェンシロキサン)((2−メトキシエトキシ)メチルシロキサン)]コポリマー、ポリ[(ジハイドロジェンシロキサン)(フェノキシメチルシロキサン)]コポリマー、ポリ[(ジハイドロジェンシロキサン)(ナフチルメチルシロキサン)]コポリマー、ポリ[(ジハイドロジェンシロキサン)(4−クロロフェニルメチルシロキサン)]コポリマー、ポリ[(ジハイドロジェンシロキサン)((4−メトキシフェニル)シメチルシロキサン)]コポリマー等が挙げられる。
Si−H結合を有する化合物がポリマーである場合の重量平均分子量は、好ましくは300〜100,000であり、より好ましくは1,000〜50,000である。Si−H結合を有するポリマーの重量平均分子量が前記範囲にあると、2個以上の不飽和結合を有する化合物と併用して熱硬化させた場合、硬化物の流動性を抑制することができる。
1.2.(B)成分
本発明にかかる組成物は、(B)80℃以下で水分を吸収し再放出せず、100〜200℃の加熱により吸収した水分を放出する化合物(以下「化合物(I)」ともいう。)を含有する。(B)成分は、1種類の化合物(I)からなってもよく、2種類以上の化合物(I)からなってもよい。
(B)成分は水分を補捉する作用がある。さらに、80℃以下で水分を吸収し再放出せず、100〜200℃の加熱により吸収した水分を放出することができるため、素子の製造工程において水分量を管理せず、(B)成分が水分を吸収した後も加熱により容易に吸収した水分を放出することができ、吸湿性を回復させた上で素子を封止することができる。
(B)成分は水分を結晶水として捕捉する化合物(i)および水分を捕捉して弱い酸性物質に変化する化合物(ii)からなる群より選ばれる1種以上の化合物を含むことが好ましい。このような化合物(i)および(ii)は、上記の吸湿・放湿特性に優れる他、本発明の組成物に配合される(C)成分の有する高い熱伝導性を損なうことが少ないため、好適に用いられる。
なお、本願発明において、「80℃以下で水分を吸収する」とは、80℃以下において水分を吸収して、1%以上の重量増加が認められることをいう。「80℃以下で水分を再放出しない」とは、熱重量分析装置を用いて(B)成分を80℃以下に加熱した場合の重量減少が1%未満であることをいう。また、「100〜200℃の加熱により吸収した水分を放出する」とは、熱重量分析装置を用いて(B)成分を100〜200℃で加熱した場合の重量減少が1%以上であり、かつ、100℃未満で、重量減少が1%以上とならないことをいう。
化合物(i)としては、たとえば無水硫酸塩であることが好ましい。具体的には、硫酸リチウム、硫酸カルシウムを好ましく使用することができる。これらの化合物は、結晶水として水分を捕捉することにより、80℃以下で水分を吸収し再放出せず、100〜200℃の加熱で容易に吸収した水分を放出させて吸湿性を再生することができる。また、化合物(i)は、水分の吸収による体積変化が小さいため、本発明の組成物層や硬化物を素子内に配置し、密閉した場合でもそれらの体積変化は小さく、体積膨張により密閉性が損なわれにくい。さらに、化合物(i)は、吸湿してもpHの変化が非常に小さいため、素子に使用される他の部材(たとえば、パッシベーション膜や発光材料層など)を腐食せず、素子の電気特性の劣化を抑制することができる。
化合物(ii)としては、たとえばホウ塩であることが好ましい。具体的には、無水ホウ酸、メタホウ酸を好ましく使用することができる。このような化合物(ii)は80℃以下で水分を吸収し再放出せず、100〜200℃の加熱で容易に吸収した水分を放出させて吸湿性を再生することができる。また、吸湿しても弱酸性であるため、素子に使用される他の部材(たとえば、パッシベーション膜や発光材料層など)を腐食せず、素子の電気特性の劣化を抑制することができる。
化合物(I)の形状としては、特に制限されないが、粒子状(粉末状)であることが好ましい。化合物(I)が粒子状である場合には、その50重量%平均粒子径(D50)は、好ましくは0.1〜10μm、更に好ましくは0.5〜5μmである。D50がこの範囲にあると、化合物(I)は、吸湿性および吸湿性の再生に優れ、また、(A)成分および(C)成分との混和性に優れる。なお、本発明において、D50は、レーザー回折散乱式粒度分布測定法によって測定される。ここでD50とは、粒度分布を有する粉末において、該粉末を粒子径の小さいものから累積して、累積量が全粉末量の50重量%になる粒子径をいう。
本発明にかかる組成物中における(B)成分の含有量は、組成物の全質量100質量%に対し、好ましくは1〜80質量%より好ましくは3〜60質量%である。(B)成分の含有量が前記範囲内であると、水分を捕捉する作用に優れる硬化物得ることができ、さらに、硬化物を形成する際の作業性(塗布性等)が良好となるため好ましい。
1.3.(C)熱伝導性フィラー
(C)成分としては、金属酸化物および金属窒化物からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物であることが好ましく、(C1)窒化ホウ素粉末および(C2)セラミックス粉末(但し、(C1)を除く)からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であることがより好ましい。但し、(C)成分は、(B)成分を除く。このような化合物は、熱伝導性に優れるのみならず、(B)成分の有する吸湿・放湿特性を損なうことが少なく、さらに、(B)成分が吸湿しても、素子に使用される他の部材(たとえば、パッシベーション膜や発光材料層など)を腐食しないため好適に用いられる。
金属酸化物としては、シリカ(シリカゲルを含む)、スメクタイト、ゼオライト、アルミナ、酸化チタン、ジルコニア、マグネシアおよび放熱材料用に使用される各種ガラス粉末等が挙げられる。
金属窒化物としては、窒化ホウ素、窒化アルミニウムおよび窒化ケイ素等が挙げられる。また、金属酸化物や金属窒化物ではないが、炭化ケイ素、炭化ホウ素、活性炭を(C)成分として使用することもできる。
これらの中でも、熱流動性を抑制する観点から、シリカ、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、マグネシア、炭化ケイ素、炭化ホウ素およびスメクタイトから選択される少なくとも1種の粒子であることが好ましく、熱伝導性に優れている観点から、アルミナおよび/または窒化ホウ素の粒子であることが特に好ましい。これらの無機粒子は、1種単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
(C)成分の形状については、特に限定されず、球状または楕円球状であってもよいし、多角体状であってもよい。また、(C)成分は、多孔質粒子であってもよいし、内部が空洞化したコア・シェル粒子であってもよい。
本発明にかかる組成物中における(C)成分の含有量は、組成物の全質量を100質量%に対し、好ましくは15〜90質量%、より好ましくは30〜85質量%、更に好ましくは35〜80質量%である。(C)成分の含有量が前記範囲内であると、吸湿性、電気絶縁性および熱伝導性等にバランスよく優れる硬化物得ることができ、さらに、硬化物を形成する際の作業性(塗布性等)が低下しないため好ましい。
1.3.1. 窒化ホウ素粉末
(C1)窒化ホウ素粉末(以下「(C1)成分」ともいう。)を用いることで、本発明の組成物層、硬化物およびフィルムに優れた電気絶縁性および熱伝導性を付与することができる。(C1)窒化ホウ素粉末としては、凝集粒状窒化ホウ素粉末、鱗片状(平板状)の窒化ホウ素粉末が挙げられるが、凝集粒状の窒化ホウ素粉末が好ましい。
窒化ホウ素粉末の形状は、通常は鱗片状であるため、その面方向の熱伝導率が厚み方向の熱伝導率に比べて約20倍優れているという異方性がある。従って、鱗片状の窒化ホウ素粉末を含有する組成物をフィルム状に成形した場合には、通常は窒化ホウ素の鱗片状結晶がフィルムの面方向に配向するので、フィルムの厚み方向の熱伝導率は面方向の熱伝導率に比べ低くなる。これに対して、凝集粒状の窒化ホウ素粉末を含有する組成物をフィルム状に成形した場合には、凝集粒状の窒化ホウ素は配向性がないので、フィルムの厚み方向にも面方向と同程度の熱伝導性を有するフィルムを得ることができる。
(C1)窒化ホウ素粉末の50重量%平均粒子径(D50)は、1.0〜50.0μmの範囲にあることが好ましく、3.0〜40.0μmの範囲にあることがより好ましく、3.0〜20.0μmの範囲にあることが特に好ましい。D50が前記範囲にあると、(C1)窒化ホウ素粉末などの固形分が高密度で充填された硬化物を得ることができる。
1.3.2. セラミックス粉末
(C2)セラミックス粉末(以下「(C2)成分」ともいう。)(但し、窒化ホウ素粉末を除く。)を用いることで、本発明の硬化物に優れた熱伝導性および強靭性を付与することができる。(C2)セラミックス粉末としては、窒化アルミニウム、窒化ケイ素などの金属窒化物;酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ケイ素、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化銅、亜酸化銅などの金属酸化物;炭化ケイ素、炭化ホウ素などの金属炭化物;ダイヤモンドなどの絶縁性炭素材料などからなる粉末が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中では、粒度分布の制御が容易で、熱伝導性に優れることから、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、炭化ケイ素および炭化ホウ素からなる群より選ばれる1種以上の無機化合物からなる粉末が好ましい。
(C2)セラミックス粉末の形状としては、粒子状、微粒子状、ナノ粒子状、凝集粒子状、チューブ状、ナノチューブ状、ワイヤ状、ロッド状、針状、板状、不定形状、ラグビーボール状、六面体状、大粒子と微小粒子とが複合化した複合粒子状などが挙げられる。
(C2)セラミックス粉末と(A)成分との密着性を高めたり、硬化物を形成する際の作業性を容易にするため、(C2)セラミックス粉末は表面処理剤で表面処理がなされたものであってもよい。表面処理剤としてば、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤などが挙げられる。表面処理方法としては、従来公知の処理方法を利用できる。
(C2)セラミックス粉末の50重量%平均粒子径(D50)は、1.0〜30.0μmの範囲にあることが好ましく、2.0〜10.0μmの範囲にあることがより好ましい。D50が前記範囲にあると、(C2)セラミックス粉末などの固形分が高密度で充填された硬化物を得ることができる。
1.4.添加剤
本発明にかかる組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、上記(A)〜(C)成分の他、用途に応じて適時添加剤を加えることができる。添加剤としては、たとえば分散剤、溶剤、可塑剤、接着助剤、ハレーション防止剤、レベリング剤、保存安定剤、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの添加剤を含有してもよい。たとえば、光酸発生剤等を添加することにより感光性を付与すれば、微細なパターニングが可能となる。
1.4.1.分散剤
上記組成物は、さらに分散剤を含有してもよい。分散剤としては、シランカップリング剤などが挙げられる。シランカップリング剤としては、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリヘキシルシラン、およびn−デシルトリメトキシシランなどが挙げられる。
上記組成物において、上記分散剤を用いる場合、その含有量は、(A)成分、(B)成分および(C)成分の合計100重量部に対して、好ましくは0.1〜5.0重量部、より好ましくは0.5〜3.0重量部である。
1.4.2.溶剤
上記組成物は、その塗工性を向上させるために、さらに溶剤を含有してもよい。溶剤は、(A)成分の溶解性および(B)成分や(C)成分との親和性が良好であり、組成物に適度な粘性を付与することができ、乾燥処理により容易に蒸発除去できる溶剤であることが好ましい。
上記溶剤としては、標準沸点(1気圧における沸点)が60〜200℃の範囲にある、ケトン類、アルコール類およびエステル類(以下、これらを「特定溶剤」ともいう。)が好ましい。
上記特定溶剤としては、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルブチルケトン、ジプロピルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;
n−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、シクロヘキサノール、ジアセトンアルコールなどのアルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテル系アルコール類;
メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネートなどのエーテル系エステル類;
酢酸−n−ブチル、酢酸アミルなどの飽和脂肪族モノカルボン酸アルキルエステル類;
乳酸エチル、乳酸−n−ブチルなどの乳酸エステル類などが挙げられる。
これらの中では、メチルブチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネートおよび乳酸エチルが好ましい。また、上記特定溶剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
さらに、上記特定溶剤以外の溶剤を用いてもよく、例えば、トルエン、ヘキサン、テレビン油、テルピネオール、ブチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールおよびベンジルアルコールが挙げられる。
上記組成物において、上記溶剤を用いる場合、その含有量は、(A)成分、(B)成分および(C)成分の合計100重量部に対して、好ましくは0〜70重量部、より好ましくは0〜60重量部である。
1.5.組成物の製造方法
本発明にかかる組成物は、(A)成分、(B)成分、(C)成分、およびその他の添加剤を混合することにより製造することができる。
本発明の組成物を調製する方法としては、特に制限されないが、(A)成分単体または(A)成分を溶媒に溶解させた溶液を、(B)成分が分散した(C)成分の溶液に撹拌しながら添加し、均一にする方法が挙げられる。または、(B)成分および(C)成分を撹拌しながら練ることでそれらを均一にした後、そこに(A)成分単体または(A)成分を溶媒に溶解させた溶液を添加してもよい。また、(A)成分、(B)成分、(C)成分ならびに必要に応じて用いられる分散剤および溶剤などのその他の添加剤を、ロール混練機、ミキサー、ホモミキサー、ビーズミルまたはサンドミルなどの混練・分散機を用いて混練することにより調製することができる。
上記組成物は、ペースト状、固体状、液体状など何れの形状の組成物でも構わないが、成形性などの観点から、ペースト状組成物であることが好ましい。
1.6.組成物の物性および用途
本発明の組成物を電子デバイスなどに適用する方法としては、例えば、以下に詳述するように、(I)該組成物をまずフィルムなどの硬化物にした後、電子デバイスに適用する方法(図1)、および(II)該組成物をそのまま、電子デバイスなどに充填(組成物層の形成)する方法(図2)が挙げられる。
上記(I)の方法を採用する場合には、本発明にかかる組成物の粘度は、1〜20Pa・sであることが好ましく、3〜15Pa・sであることがより好ましい。上記(I)の方法を採用する場合における組成物の粘度が前記範囲にあることにより、フィルム状に成形することが容易となる。
また、上記(II)の方法を採用する場合には、本発明にかかる組成物の粘度は5〜200Pa・sであることが好ましく、20〜150Pa・sであることがより好ましい。上記(II)の方法を採用する場合における組成物の粘度が前記範囲にあることにより、組成物をODF(One Drop Filling)法により直接、素子基板へ塗布し、硬化させることができる。これにより、本発明にかかる組成物をフィルム状等の成形体としてあらかじめ作製しておき、それを素子へ組み込む工程を経る必要がなくなるので、工程を簡略化することができる。
なお、上記粘度は、フォーリング・ニードル法により測定される値を示す。さらに上記粘度は組成物を溶剤等で希釈して使用する場合は、塗布時の組成の状態での粘度を意味するものとする。
本発明にかかる組成物は、(B)成分を含有する硬化物を形成するため、水分を捕捉する用途に使用することができる。したがって、本実施の形態にかかる組成物は、有機EL素子、有機TFT、有機太陽電池、有機CMOSセンサー等の封止材に用いることができ、特に有機EL素子の封止材に好適に用いられる。
1.7.組成物層
本発明に係る組成物層は、上記組成物から形成される。具体的には、上記組成物を電子デバイスの所望部分にペーストおよび充填等することにより形成することができ、必要に応じて、乾燥または光照射等したものであってもよい。
組成物層の厚みは、通常は10〜300μm、好ましくは10〜100μm、より好ましくは20〜80μmである。厚みが前記範囲にあると、所期の電気絶縁性、吸湿性および熱伝導性を確保することができる。
2.硬化物
本発明において「硬化物」とは、上記組成物を使用に適する形状に成膜もしくは成形し、さらに乾燥または光照射等することにより、もとの組成物よりも粘度または硬度が上昇したものをいう。
本発明にかかる硬化物は、例えば上記組成物を基材上に塗布して、塗膜を形成した後、該塗膜を加熱することにより得られる。塗布方法としては、スピンコーター、ロールコーター、スプレーコーター、ディスペンサ、インクジェット装置を用いる方法等が挙げられる。加熱の際の温度は、特に限定されないが、例えば5℃〜150℃である。
得られた硬化物の形状は、特に限定されないが、例えばフィルム形状が挙げられる。硬化物の形状がフィルム状である場合には、前記本発明の硬化物は下記本発明のフィルムとなる。
本発明の硬化物および組成物層は、吸湿性能(吸湿量;厚み20μmの試験片を温度23℃・湿度65%の恒温恒湿層内に24時間保管後の重量増加量)が、好ましくは0.1mg/cm2以上であり、より好ましくは0.15mg/cm2以上である。吸湿量は高いほど好ましいため上限は特にないが、その上限は、通常は0.4mg/cm2程度である。
本発明の硬化物の吸湿量がこのような範囲にあることで、吸湿性に優れ、有機EL素子などの電子デバイスを水分から好適に保護することができる。
本発明の硬化物および組成物層は、水分再放出性(水分再放出温度;上記吸湿量を評価した後の試験片を、熱重量分析装置(TA instruments製「Hi−Res TGA2950」)を用い、昇温速度10℃/分、窒素流量60ml/分の条件で加熱し、重量減少が観察されなくなる温度)が、好ましくは80〜200℃であり、より好ましくは100〜200℃である。
本発明の硬化物および組成物層の水分再放出温度がこのような範囲にあることで、水分再放出性に優れ、乾燥剤としての再生性に優れる。そのため、有機EL素子などの電子デバイスの製造工程における水分量の厳格に管理しなくても電子デバイスを水分から好適に保護することができ、容易に電子デバイスを製造することができる。
硬化物および組成物層の水分再放出温度が80℃未満であると、電子デバイスを使用する状態でも水分を放出することになるため、硬化物および組成物層から水分が放出され、結局電子デバイスを水分から保護できなくなってしまう恐れがある。そのため、水分再放出温度は、80〜200℃の範囲にあることが好ましい。
本発明の硬化物および組成物層は、熱伝導率(株式会社アイフェイズ製熱伝導率測定システム、ai−Phase Mobile 1u、温度波分析法により測定)が、好ましくは0.5W/m・K以上、より好ましくは0.8W/m・K以上、特に好ましくは1.0W/m・K以上である。なお、熱伝導率は高いほど好ましいため上限は特にないが、その上限は、通常は10.0W/m・K程度である。
本発明の硬化物の熱伝導率がこのような範囲にあることで、放熱性に優れ、有機EL素子などの電子デバイスを熱から好適に保護することができる。熱伝導率が0.5W/m・K未満であると、フィルムを放熱部材として用いた場合に、その熱伝導性が不充分となることがある。
本発明の硬化物および組成物層は、体積固有抵抗値(NPS社製「Resistivity Processor ModelΣ−5」)は、通常は1.0×109Ω・cm以上、好ましくは1.0×1010Ω・cm以上、より好ましくは1.0×1011Ω・cm以上である。体積固有抵抗値が1.0×109Ω・cm未満であると電気絶縁性が充分でない場合がある。なお、体積固有抵抗値は高いほど好ましいため上限は特にないが、その上限は、通常は1.0×1015Ω・cm程度である。
なお、本発明のフィルムおよび組成物層の体積固有抵抗値および熱伝導率は、後述する実施例に記載の方法で測定される値である。
2.1.フィルム
本発明のフィルムは、上記組成物から形成される硬化物層を少なくとも一層有する。例えば、本発明のフィルムは、硬化物層のみからなる単層フィルムであってもよく、硬化物層を二層以上有する多層フィルムであってもよく、硬化物層と他の樹脂組成物からなる層とを有する二層以上の多層フィルムであってもよい。
これらの中では、本発明のフィルムは、その製造を簡易かつ迅速にできることから、硬化物層のみからなる単層フィルムであることが好ましい。また、硬化物層は(A)成分、(B)成分および(C)成分等を含有するため、単層構造とした場合であっても、本発明のフィルムは、優れた吸湿・放湿特性、電気絶縁性、熱伝導性および強靭性と、熱源・発熱部材などの被接着物に対する優れた密着性とを兼ね備えたものとなる。
本発明のフィルムの吸湿性能、水分再放出性、熱伝導率および体積固有抵抗値の好ましい範囲は、上記本発明の硬化物および組成物層の吸湿性能、水分再放出性、熱伝導率および体積固有抵抗値の好ましい範囲と同程度である。
本発明のフィルムの膜厚は、通常は10〜300μm、好ましくは10〜100μm、より好ましくは20〜80μmである。また、フィルムが多層フィルムである場合には、フィルムの全膜厚に対する上記硬化物層の厚み(硬化物層が二層以上ある場合はその合計の厚み)の割合は、通常は20〜80%、好ましくは30〜70%の範囲にある。本発明のフィルムの膜厚または本発明のフィルム中における硬化物層の割合が前記範囲を下回ると、フィルムの電気絶縁性が低下することがあり、前記範囲を上回ると、硬化物層をキャスト塗工方式で生産する場合に、溶剤を充分に除去することが困難になってくるため、例えば、薄いフィルムを張り合わせて厚みを確保するなどの工程が必要になり、生産性が低下することがある。
2.1.1.硬化物層
前記硬化物層は、通常は上記組成物を支持フィルム上に塗布して塗膜を形成し、該塗膜を乾燥して溶剤の全部または一部を除去することにより形成される。
硬化物層を支持フィルム上に塗布する方法としては、膜厚の均一性が高く、かつ膜厚が厚い(例えば10μm以上の)塗膜を効率よく形成することができる方法であることが好ましく、具体的には、ロールコーターによる塗布方法、ブレードコーターによる塗布方法、カーテンコーターによる塗布方法およびワイヤーコーターによる塗布方法などが挙げられる。
塗膜の乾燥条件としては、例えば50〜150℃で0.5〜30分程度であり、乾燥後における溶剤の残存割合(硬化物層中の溶剤の含有量)は、通常は2重量%以内である。
上述のようにして形成される硬化物層の膜厚は、通常は10〜300μm、好ましくは10〜100μm、より好ましくは20〜80μmである。膜厚が前記範囲にあると、所期の電気絶縁性、吸湿性および熱伝導性を確保することができる。
2.2.フィルムの製造方法
本発明のフィルムは、上記組成物をそのままフィルム状に成形することで製造することができる。また、本発明のフィルムは、上記組成物を支持フィルム上に塗布して硬化物層を形成し、該樹脂層を支持フィルムから剥離することにより製造することもできる。また、上記組成物を支持フィルム上に塗布して硬化物層を形成し、その上に他の樹脂組成物を塗布することで二層以上の多層フィルムを製造することもできる。
また、支持フィルム上に上記硬化物層が形成されたフィルムは、転写フィルムとして用いることができる。すなわち、前記転写フィルムは、支持フィルム、および該支持フィルム上に形成された、上記組成物からなる硬化物層を有する。さらに前記転写フィルムは、硬化物層上に形成されたカバーフィルムを有していてもよい。以下、転写フィルムの各構成要素について具体的に説明する。
2.2.1.支持フィルム
支持フィルムは、耐熱性および耐溶剤性を有するとともに、可撓性を有する樹脂フィルムであることが好ましい。支持フィルムが可撓性を有することにより、ロールコーターまたはブレードコーターなどによって支持フィルム上に上記組成物を塗布することができる。また、転写フィルムをロール状に巻回した状態で保存および供給することができる。
支持フィルムを形成する樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリフロロエチレンなどの含フッ素樹脂、ナイロン、セルロースなどが挙げられる。
支持フィルムの膜厚は、通常は20〜100μmである。また、支持フィルム表面には離型処理が施されていることが好ましい。これにより、熱源・発熱部材などの被接着物への転写工程において、支持フィルムからの硬化物層の剥離操作を容易に行うことができる。
2.2.2.カバーフィルム
転写フィルムには、硬化物層表面を保護するために、該樹脂層上にカバーフィルムが設けられていてもよい。前記カバーフィルムは、可撓性を有する樹脂フィルムであることが好ましい。これにより、転写フィルムをロール状に巻回した状態で保存および供給することができる。
カバーフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルムおよびポリビニルアルコール系フィルムなどが挙げられる。
カバーフィルムの膜厚は、通常は20〜100μmである。また、カバーフィルム表面には離型処理が施されていてもよい。これによりカバーフィルムの剥離操作を容易に行うことができる。
また、カバーフィルムと硬化物層との密着力は、転写フィルムの性質上、硬化物層と支持フィルムとの密着力よりも小さいことが好ましい。
2.4.フィルムの用途
本発明のフィルムは吸湿・放湿性に優れるとともに、体積固有抵抗値および熱伝導率が通常は上述の範囲にあるため電気絶縁性および熱伝導性に優れる。このため、本発明のフィルムは、電気・電子部品などの発熱部材に対する放熱部材として好適に用いることができる。
具体的には、本発明の吸湿性に優れたフィルムは、家電製品、OA機器部品、AV機器部品などの水分により変質または腐食するおそれがある発熱部材に対する放熱部材として好適に用いることができる。特に、水分により変質または腐食しやすい有機EL発光素子近傍で発生する熱を逃がすための放熱部材として好適に用いることができる。
3.電子デバイス
本発明にかかる電子デバイスは、上記組成物層、上記硬化物および/または上記フィルムを電子デバイスの内部に備えている。いかなる電子デバイスにも上記硬化物を搭載することができるが、水分を嫌う電子デバイスに搭載されることが好ましい。以下、代表的な密閉型電子デバイスである有機EL素子の一例について図面を参照しながら説明する。
図1、2は、本実施の形態にかかる有機EL素子の一例を模式的に示す断面図である。
図1に示すように、有機EL素子100は、有機EL層10と、有機EL層10を収納して外気から遮断するための構造体20と、構造体20内に形成された組成物層あるいは組成物から形成された硬化物(硬化物層)あるいはフィルム30と、からなる。
有機EL層10は、有機材料からなる有機発光材料層が、互いに対向する一対の電極の間に挟持されてなる構造であればよく、例えば陽極/電荷(正孔)輸送剤/発光層/陰極等の公知の構造をとることができる。
組成物層30は、上記本発明の組成物から形成される。層30は、図1に示すように、有機EL層10と離間して形成させてもよいし、図2に示すように、有機EL層10を被覆するように形成させてもよい。
図1中、構造体20は、基板22と、封止キャップ24と、接着剤26とからなる。基板22としてはガラス基板等、封止キャップ24としてはガラスからなる構造体等が挙げられる。なお、構造体20の構造は、有機EL層10を収納することができればよく、特に限定されない。
なお、図1では、有機EL層10と層30とを接触させずに分離させているが、有機EL層10の陰極、基板22および封止キャップ24と、層30とを密着させることで(図2)、有機EL層10から発生する熱の放熱効率をさらに高めることができる。これにより、印加電圧を高め、素子に供給する電流を均一にすることができるため、発光の輝度ムラを抑制すると共に、素子の長寿命化も可能となる。また層30を封止キャップ24に貼り付けるだけで、効率良く放熱することが可能となるため、簡便な方法で高品質の有機EL照明装置を提供することができる。
4.実施例
以下に本発明に関して実施例を挙げて説明するが、本発明はこれら実施例により何ら制限されるものではない。なお、組成物の調製は、露点−60℃以下、酸素1ppm以下のグローブボックス中で行った。また、実施例および比較例中の「部」は、特記しない限り、「重量部」を示す。
4.1.評価方法
4.1.1.重量平均分子量(Mw)の評価
バインダー成分(アクリル系重合体)の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC、東ソー(株)製、商品名:HLC−8220GPC)を用いて、ポリスチレン換算で測定した。
測定方法:ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法
標準物質:ポリスチレン
装置:東ソー(株)製、商品名:HLC−8220GPC
カラム:東ソー(株)製、商品名:Tskguardcolumn SuperHZM−M
溶媒:テトラヒドロフラン(THF)
測定温度:40℃
4.1.2.熱伝導率の評価
下記実施例または比較例で作製したフィルム(硬化物)あるいはペーストを用いて5cm×5cm×20μmの膜状の試験片を作製し、株式会社アイフェイズ製熱伝導率測定システム(ai−Phase Mobile 1u、温度波分析法により測定)を用いて、試験片の膜厚(厚み)方向の熱伝導率(W/m・K)を測定した。
4.1.3.吸湿量の評価
下記実施例または比較例で作製したフィルム(硬化物)あるいはペーストを用いて5cm×5cm×20μmの膜状の試験片を作製し、該試験片を温度23℃・湿度65%の恒温恒湿層内に保管し、24時間後の試験片の重量増加量を測定した。この重量増加量を吸湿量とした。
4.1.4.パッシベーション膜との反応性の評価
下記実施例または比較例で作製した組成物を基板上に形成されたパッシベーション膜(窒化ケイ素膜)上に塗布した。温度:23℃、湿度:45%下に24時間静置後、組成物を拭き取り、窒化ケイ素膜を顕微鏡観察し、窒化ケイ素膜の基板からの剥がれや、基板の露出が観察された場合には反応性ありと判断した。
4.1.5.吸収した水分の放出開始温度の評価
下記実施例または比較例で作製したフィルム、硬化物、あるいはペーストの水分再放出性の評価は、「4.1.3.吸湿量の評価」の項で吸湿量を評価した後の試験片を、熱重量分析装置(TA instruments製「Hi−Res TGA2950」)を用いて、昇温速度10℃/分、窒素流量60ml/分の条件で加熱を行い、試験片の重量変化(重量減少)が1%以上となる温度を、吸収した水分の放出開始温度として測定した。
4.1.6.(B)成分等の吸収した水分の放出開始温度および水分の放出完了温度評価
下記実施例で用いた(B)成分、または比較例で用いた乾燥剤の吸収した水分の放出開始温度および水分の放出完了温度は、次のように測定した。
下記実施例で用いた(B)成分、または比較例で用いた乾燥剤を温度23℃・湿度65%の恒温恒湿層内に24時間放置した。このようにして放置した(B)成分、または乾燥剤を、熱重量分析装置(TA instruments製「Hi−Res TGA2950」)を用いて、昇温速度10℃/分、窒素流量60ml/分の条件で300℃まで加熱を行い、重量減少が1%以上となる温度を、吸収した水分の放出開始温度として測定した。
その後、引き続き加熱を続け、重量変化が1%未満となる温度を水分の放出完了温度と判断した。
4.2.バインダー成分の合成
n−ブチルメタクリレート30部、n−ラウリルメタクリレート70部、およびN,N’−アゾビスイソブチロニトリル0.75部を、攪拌機付きオートクレーブに仕込み、窒素雰囲気下において室温で均一になるまで攪拌した。
攪拌後、80℃で3時間重合させ、さらにN,N’−アゾビスイソブチロニトリル0.25部を加えて1時間重合させ、100℃で1時間重合を継続させた後、室温まで冷却してポリマー溶液を得た。
得られたポリマー溶液は重合率が99%であり、このポリマー溶液から析出したアクリル系重合体(以下「バインダー成分(A1)」ともいう。)のMwは10万であり、300℃での熱重量減少率は5重量%であった。
4.3.実施例
[実施例1]
(A)バインダー成分として上記バインダー成分(A1)20部、(B)成分として無水ホウ酸(和光純薬工業株式会社製、D50=3.0μm)5部、(C)成分として酸化アルミニウム粉末(株式会社マイクロン製、D50=2.5μm)75部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート20部、およびn−デシルトリメトキシシラン1部をビーズミルで混練りした後、ステンレスメッシュ(400メッシュ、38μm径)でフィルタリングすることにより、組成物を調製した。
作製した組成物をPETフィルム上にブレードコーターを用いて塗布して塗膜を形成し、該塗膜を100℃で5分間加熱し、平均膜厚50μmの組成物の硬化物(フィルム)をPETフィルム上に形成した。次いで、PETフィルムから硬化物を剥離した。この硬化物を用いて、上記4.1.「評価方法」に従い、硬化物の熱伝導率および吸湿量、パッシベーション膜との反応性、水分再放出性を評価した。評価結果を表1に示す。
[実施例2〜3、5〜8、比較例1〜16]
表1〜3に記載の組成で組成物を調製したこと以外は実施例1と同様に行った(各成分の配合量も実施例1と同様とした)。
[実施例4]
実施例1において、(A)成分、(B)成分および(C)成分を表1記載の組成で用いたこと以外は実施例1と同様に組成物を調製した。
作製した組成物をPETフィルム上にブレードコーターを用いて塗布して塗膜を形成し、該塗膜に超高圧水銀灯を用いてi線(波長365nmの紫外線)を照射し、硬化物を得た。その際の露光量は、365nmのセンサーで測定した照度換算で200mJ/cm2とした。次いで、PETフィルムから硬化物を剥離した。この硬化物を用いて、上記4.1.「評価方法」に従い、硬化物の熱伝導率および吸湿量、パッシベーション膜との反応性、水分再放出性を評価した。評価結果を表1に示す。
なお、表1〜3における成分の略称は、それぞれ下記の成分を表す。
「nBMA/LMA」:nBMA(n−ブチルメタクリレート)、LMA(n−ラウリルメタクリレート)の共重合体、 Mw=10万(上記「4.2.バインダー成分の合成」で合成したもの)
「ARUFON」:無溶剤アクリルポリマー Mw=1600(商品名「UP−10−21」、東亞合成製)
「M−270」:ポリプロピレングリコールジアクリレート(商品名「アロニックスM270」、東亞合成製)
「PPG 1000」:ポリプロピレングリコール Mn=1000(商品名「サンニックスPP−1000」、三洋化成工業製)
「EPOLIGHT1600」:1,6−ヘキサンジオールルジグリシジルエーテル(エポキシ樹脂)(商品名「EPOLIGHT1600」、共栄社化学製)
Figure 2012033434
Figure 2012033434
Figure 2012033434
4.4.評価結果
表1の結果から、実施例1〜8の組成物から形成された硬化物はいずれの組成物も(B)成分を含有しているので80℃以下での水分再放出が無く、吸湿性および熱伝導性にバランスよく優れていることが分かった。
これに対して、比較例1〜2は吸湿剤として一般的に使用されている酸化カルシウム、酸化ストロンチウムを用いたものである。比較例1〜2の組成物から形成された充填剤は、良好な吸湿性を示したが、パッシベーション膜との反応が確認された。また、比較例3〜16は一般的に乾燥剤として用いられている化合物を用いた場合の評価結果である。比較例3〜13はいずれもパッシベーション膜との反応は無いことが分かったが、比較例4,5,7,8,10〜13は吸湿性能に劣ること、比較例3〜12は水分再放出温度が80℃以下となること、比較例14〜16は、乾燥剤の潮解性が認められた。
10…有機EL層、20…構造体、22…基板、24…封止キャップ、26…接着剤、30…組成物層/硬化物/フィルム、100…有機EL素子

Claims (7)

  1. (A)バインダー成分と、
    (B)80℃以下で水分を吸収し再放出せず、100〜200℃の加熱により吸収した水分を放出する化合物を含有する成分と、
    (C)熱伝導性フィラーを含有する成分と
    を含む組成物。
  2. 前記(B)成分が、無水ホウ酸および硫酸リチウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物である、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記(C)成分が、金属酸化物および金属窒化物からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物である、請求項1または2に記載の組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物から形成された、組成物層。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物から形成された、硬化物。
  6. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物から形成された硬化物層を有する、フィルム。
  7. 請求項4に記載の組成物層、請求項5に記載の硬化物または請求項6に記載のフィルムを含む、電子デバイス。
JP2010173664A 2010-08-02 2010-08-02 組成物、その硬化物、および電子デバイス Expired - Fee Related JP5565176B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010173664A JP5565176B2 (ja) 2010-08-02 2010-08-02 組成物、その硬化物、および電子デバイス

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010173664A JP5565176B2 (ja) 2010-08-02 2010-08-02 組成物、その硬化物、および電子デバイス

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012033434A true JP2012033434A (ja) 2012-02-16
JP5565176B2 JP5565176B2 (ja) 2014-08-06

Family

ID=45846616

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010173664A Expired - Fee Related JP5565176B2 (ja) 2010-08-02 2010-08-02 組成物、その硬化物、および電子デバイス

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5565176B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013206630A (ja) * 2012-03-27 2013-10-07 Toppan Printing Co Ltd 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法
JP2013211241A (ja) * 2012-03-30 2013-10-10 Sumitomo Chemical Co Ltd 電子デバイス
JP2016051700A (ja) * 2014-08-29 2016-04-11 積水化学工業株式会社 硬化性組成物及び有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤
WO2016136715A1 (ja) * 2015-02-24 2016-09-01 積水化学工業株式会社 有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤
JP2016189355A (ja) * 2016-08-09 2016-11-04 住友化学株式会社 電子デバイスの製造方法
JPWO2021107001A1 (ja) * 2019-11-29 2021-06-03
JP2022062866A (ja) * 2020-10-09 2022-04-21 双葉電子工業株式会社 乾燥剤組成物、封止構造体、有機elデバイス、及び、有機elデバイスを製造する方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004006628A1 (ja) * 2002-07-08 2004-01-15 Dynic Corporation 吸湿性成形体
JP2004273348A (ja) * 2003-03-11 2004-09-30 Dynic Corp 有機el素子
JP2006188643A (ja) * 2004-06-30 2006-07-20 Kuraray Co Ltd 重合体含有組成物およびその製造方法
JP2008010211A (ja) * 2006-06-27 2008-01-17 Matsushita Electric Works Ltd 有機エレクトロルミネッセンス発光装置及び有機エレクトロルミネッセンス照明装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004006628A1 (ja) * 2002-07-08 2004-01-15 Dynic Corporation 吸湿性成形体
JP2004273348A (ja) * 2003-03-11 2004-09-30 Dynic Corp 有機el素子
JP2006188643A (ja) * 2004-06-30 2006-07-20 Kuraray Co Ltd 重合体含有組成物およびその製造方法
JP2008010211A (ja) * 2006-06-27 2008-01-17 Matsushita Electric Works Ltd 有機エレクトロルミネッセンス発光装置及び有機エレクトロルミネッセンス照明装置

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013206630A (ja) * 2012-03-27 2013-10-07 Toppan Printing Co Ltd 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法
JP2013211241A (ja) * 2012-03-30 2013-10-10 Sumitomo Chemical Co Ltd 電子デバイス
JP2016051700A (ja) * 2014-08-29 2016-04-11 積水化学工業株式会社 硬化性組成物及び有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤
WO2016136715A1 (ja) * 2015-02-24 2016-09-01 積水化学工業株式会社 有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤
JP6062107B1 (ja) * 2015-02-24 2017-01-18 積水化学工業株式会社 有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤
JP2016189355A (ja) * 2016-08-09 2016-11-04 住友化学株式会社 電子デバイスの製造方法
JPWO2021107001A1 (ja) * 2019-11-29 2021-06-03
WO2021107001A1 (ja) * 2019-11-29 2021-06-03 昭和電工マテリアルズ株式会社 硬化性組成物及び物品
CN114651021A (zh) * 2019-11-29 2022-06-21 昭和电工材料株式会社 固化性组合物及物品
CN114729091A (zh) * 2019-11-29 2022-07-08 昭和电工材料株式会社 固化性组合物套组及物品
JP7622644B2 (ja) 2019-11-29 2025-01-28 株式会社レゾナック 硬化性組成物及び物品
JP2022062866A (ja) * 2020-10-09 2022-04-21 双葉電子工業株式会社 乾燥剤組成物、封止構造体、有機elデバイス、及び、有機elデバイスを製造する方法
JP7391000B2 (ja) 2020-10-09 2023-12-04 双葉電子工業株式会社 乾燥剤組成物、封止構造体、有機elデバイス、及び、有機elデバイスを製造する方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5565176B2 (ja) 2014-08-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5565176B2 (ja) 組成物、その硬化物、および電子デバイス
CN103665882B (zh) 一种导热硅橡胶复合材料、导热硅胶片及其制备方法
JP7389014B2 (ja) 絶縁放熱シート
JP5152108B2 (ja) 熱伝導性樹脂組成物および熱伝導性フィルム
CN106030846A (zh) 封装膜及包括该封装膜的有机电子装置
TW201700279A (zh) 封裝膜
TW201533144A (zh) 密封用組成物
CN108778715A (zh) 封装膜
TWI540188B (zh) 噴墨記錄用導電性水性印墨及電氣電子零件的製造方法
JP6718280B2 (ja) 導電粒子、異方導電材料及び接続構造体
TW201402636A (zh) 硬化性樹脂組成物、樹脂組成物、使用此等而成之樹脂片、及此等之硬化物
JP2012136614A (ja) ガスバリア性光硬化型樹脂組成物
JP5906550B2 (ja) ハイバリア性を有する封止材
CN106543728A (zh) 一种石墨烯有机硅橡胶复合材料及其制备方法
JP6114557B2 (ja) 導電材料及び接続構造体の製造方法
JP2011132368A (ja) 樹脂組成物及び積層構造体
JP5773160B2 (ja) 水分または酸素捕捉用組成物、硬化体、および電子デバイス
JP5812275B2 (ja) 光電変換素子用封止剤組成物
CN112823188B (zh) 高耐电压散热绝缘性树脂组合物和使用其的电子部件
JP6951398B2 (ja) 基材粒子、導電性粒子、導電材料及び接続構造体
JP2015044987A (ja) 基材粒子、導電性粒子、導電材料及び接続構造体
JP2010195960A (ja) 熱伝導性フィルム
CN112105986B (zh) 基材粒子、导电性粒子、导电材料以及连接结构体
JP5716921B2 (ja) 組成物、硬化体および電子デバイス、ならびにトリ(2,2−ビス(アリロキシメチル)−1−ブトキシ)アルミニウムおよびその製造方法
KR102042241B1 (ko) 유기 발광 표시 장치 및 그 제조 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130206

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130717

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130813

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131011

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140121

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140310

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140520

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140602

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5565176

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees