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JP2012030734A - 車両用冷暖房装置 - Google Patents

車両用冷暖房装置 Download PDF

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JP2012030734A
JP2012030734A JP2010173337A JP2010173337A JP2012030734A JP 2012030734 A JP2012030734 A JP 2012030734A JP 2010173337 A JP2010173337 A JP 2010173337A JP 2010173337 A JP2010173337 A JP 2010173337A JP 2012030734 A JP2012030734 A JP 2012030734A
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久寿 広田
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Abstract

【課題】ヒートポンプ式の車両用冷暖房装置において、運転状態に応じて熱交換をより適正に行えるようにする。
【解決手段】車両用冷暖房装置1は、冷媒を圧縮して吐出する圧縮機2と、冷媒を放熱させる複数の凝縮器3,5と、凝縮器3,5から導出された冷媒を膨張させる膨張装置と、車室内に配置され、膨張装置にて膨張された冷媒を蒸発させる室内蒸発器7と、複数の凝縮器3,5の少なくともいずれかの上流側に設けられ、その前後差圧を供給電流値に応じた設定差圧に調整可能な差圧弁と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、車室内を除湿暖房可能なヒートポンプ式の車両用冷暖房装置に関する。
近年、内燃機関を搭載した車両においてはエンジンの燃焼効率が向上したこともあり、熱源として利用してきた冷却水が暖房に必要な温度にまで上昇し難くなっている。一方、内燃機関と電動機を併用したハイブリッド車両においては内燃機関の稼働率が低いため、そのような冷却水の利用がさらに難しい。電気自動車に至っては内燃機関による熱源そのものがない。このため、冷房のみならず暖房にも冷媒を用いたサイクル運転を行い、車室内を除湿暖房可能なヒートポンプ式の車両用冷暖房装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。
このような車両用冷暖房装置は、圧縮機、室外熱交換器、蒸発器、室内熱交換器等を含む冷凍サイクルを有し、暖房運転時と冷房運転時とで室外熱交換器の機能が切り替えられる。暖房運転時においては室外熱交換器が蒸発器として機能する。その際、冷凍サイクルを冷媒が循環する過程で室内熱交換器が放熱し、その熱により車室内の空気が加熱される。一方、冷房運転時においては室外熱交換器が凝縮器として機能する。その際、室外熱交換器にて凝縮された冷媒が蒸発器にて蒸発し、その蒸発潜熱により車室内の空気が冷却される。その際、除湿も行われる。
特開平9−240266号公報
ところで、このような車両用冷暖房装置において高い空調性能を維持するためには、車両がおかれる外部環境等に応じて凝縮器や蒸発器による熱交換が適切に行われることが必要となる。特に上述したヒートポンプ式の車両用冷暖房装置においては、室外熱交換器が運転状態に応じて室外凝縮器または室外蒸発器として機能し、また、内部熱交換器が室内凝縮器として機能するため、複数の凝縮器と複数の蒸発器が機能することになる。このため、各凝縮器の凝縮圧力や各蒸発器の蒸発圧力を適正に制御する必要がある。
本発明の目的の一つは、ヒートポンプ式の車両用冷暖房装置において、運転状態に応じて熱交換をより適正に行えるようにすることにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の車両用冷暖房装置は、冷媒を圧縮して吐出する圧縮機と、冷媒を放熱させる複数の凝縮器と、凝縮器から導出された冷媒を膨張させる膨張装置と、車室内に配置され、膨張装置にて膨張された冷媒を蒸発させる室内蒸発器と、複数の凝縮器の少なくともいずれかの上流側に設けられ、その前後差圧を電気的に設定される設定差圧に調整可能な差圧弁と、を備える。
この態様によると、凝縮器の上流側に設けられた差圧弁により、その凝縮器の凝縮圧力を適正に調整することができ、運転状態に応じて熱交換がより適正に行えるようになる。例えば、第1の凝縮器の下流側に第2の凝縮器が直列に設けられた構成において、第1の凝縮器と第2の凝縮器との間に差圧弁を設けることにより、第1の凝縮器の凝縮圧力を第2の凝縮器の凝縮圧力よりもその設定差圧分だけ高く維持しつつ、冷凍サイクル全体として必要な凝縮量を確保するといった制御も可能になる。また、第1の凝縮器と第2の凝縮器とが並列に設けられた構成において、第2の凝縮器の上流側に差圧弁を設けることにより、第2の凝縮圧力を相対的に低くしつつ、冷凍サイクル全体として必要な凝縮量を確保するといった制御も可能になる。
本発明によれば、ヒートポンプ式の車両用冷暖房装置において、運転状態に応じて熱交換をより適正に行ことができる。
第1実施形態に係る車両用冷暖房装置の概略構成を表すシステム構成図である。 車両用冷暖房装置の動作を表す説明図である。 第2実施形態に係る車両用冷暖房装置の概略構成を表すシステム構成図である。 車両用冷暖房装置の動作を表す説明図である。 車両用冷暖房装置の除霜運転の動作を表す説明図である。 第3実施形態に係る車両用冷暖房装置の概略構成を表すシステム構成図である。 車両用冷暖房装置の動作を表す説明図である。 変形例に係る車両用冷暖房装置の除霜運転の動作を表す説明図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
[第1実施形態]
まず、本発明の第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態に係る車両用冷暖房装置の概略構成を表すシステム構成図である。本実施形態は、本発明の車両用冷暖房装置を電気自動車の冷暖房装置として具体化したものである。
車両用冷暖房装置1は、圧縮機2、室内凝縮器3、室外熱交換器5、蒸発器7およびアキュムレータ8を配管にて接続した冷凍サイクル(冷媒循環回路)を備える。車両用冷暖房装置1は、冷媒としての代替フロン(HFC−134a)が冷凍サイクル内を状態変化しながら循環する過程で、その冷媒の熱を利用して車室内の空調を行うヒートポンプ式の冷暖房装置として構成されている。冷媒循環回路には、冷暖房を適切に制御するための各種制御弁が配設されている。
車両用冷暖房装置1は、冷房運転時と暖房運転時とで複数の冷媒循環通路を切り替えるように運転される。そして、この冷凍サイクルは、室内凝縮器3と室外熱交換器5とが凝縮器として直列に動作可能に構成され、また、蒸発器7と室外熱交換器5とが蒸発器として並列に動作可能に構成されている。すなわち、冷房運転時(除湿時)に冷媒が循環する第1冷媒循環通路、暖房運転時に冷媒が循環する第2冷媒循環通路、暖房運転中の除湿時に冷媒が循環する第3冷媒循環通路が形成される。
第1冷媒循環通路は、圧縮機2→室内凝縮器3→室外熱交換器5→蒸発器7→アキュムレータ8→圧縮機2のように冷媒が循環する通路である。第2冷媒循環通路は、圧縮機2→室内凝縮器3→室外熱交換器5→アキュムレータ8→圧縮機2のように冷媒が循環する通路である。第3冷媒循環通路は、圧縮機2→室内凝縮器3→蒸発器7→アキュムレータ8→圧縮機2のように冷媒が循環する通路である。室外熱交換器5を流れる冷媒の流れは、第1冷媒循環通路と第2冷媒循環通路とで同方向となっている。
具体的には、圧縮機2の吐出室は第1通路21を介して室内凝縮器3の入口に接続され、室内凝縮器3の出口は第2通路22を介して室外熱交換器5の入口に接続されている。室外熱交換器5の出口は第3通路23を介して蒸発器7の入口に接続され、蒸発器7の出口は第4通路24(戻り通路)を介してアキュムレータ8の入口に接続されている。第2通路22と第3通路23とはバイパス通路25により接続され、室内凝縮器3から導出された冷媒の少なくとも一部を室外熱交換器5を迂回させて蒸発器7へ供給可能となっている。さらに、第3通路23のバイパス通路25との合流点よりも上流側に分岐点が設けられ、アキュムレータ8の入口につながるバイパス通路26が設けられている。
第1冷媒循環通路は、第1通路21,第2通路22,第3通路23,第4通路24を接続して構成される。第2冷媒循環通路は、第1通路21,第2通路22,第3通路23,バイパス通路26を接続して構成される。第3冷媒循環通路は、第1通路21,第2通路22,バイパス通路25,第3通路23,第4通路24を接続して構成される。そして、このような冷媒循環通路の切り替えを実現するために、第2通路22には差圧弁32および比例弁34が設けられ、第3通路23には過冷却度制御弁42、差圧弁44および逆止弁46が設けられ、第4通路24には過熱度制御弁48が設けられている。また、バイパス通路25には開閉弁50が設けられ、バイパス通路26には開閉弁52および過熱度制御弁54が設けられている。
車両用冷暖房装置1は、空気の熱交換が行われるダクト10を有し、そのダクト10における空気の流れ方向上流側から室内送風機12、蒸発器7、室内凝縮器3が配設されている。室内凝縮器3の上流側には、エアミックスドア14が回動自在に設けられ、室内凝縮器3を通過する風量と室内凝縮器3を迂回する風量との比率が調節される。また、室外熱交換器5に対向するように室外送風機16が配置されている。
圧縮機2は、ハウジング内にモータと圧縮機構を収容する電動圧縮機として構成され、図示しないバッテリからの供給電流により駆動され、モータの回転数に応じて冷媒の吐出容量が変化する。この圧縮機2としては、レシプロ式、ロータリ式、スクロール式など、様々な形式の圧縮機を採用することができるが、電動圧縮機そのものは公知であるため、その説明については省略する。
室内凝縮器3は、車室内に設けられ、室外熱交換器5とは別に冷媒を放熱させる補助凝縮器として機能する。すなわち、圧縮機2から吐出された高温・高圧の冷媒が室内凝縮器3を通過する際に放熱する。エアミックスドア14の開度に応じて振り分けられた空気は、室内凝縮器3を通過する過程でその熱交換が行われる。
室外熱交換器5は、車室外に配置され、冷房運転時に内部を通過する冷媒を放熱させる室外凝縮器として機能する一方、暖房運転時には内部を通過する冷媒を蒸発させる室外蒸発器として機能する。室外送風機16は、吸い込み式の送風機であり、軸流ファンをモータにより回転駆動することにより外気を導入する。室外熱交換器5は、その外気と冷媒との間で熱交換をさせる。
蒸発器7は、車室内に配置され、内部を通過する冷媒を蒸発させる室内蒸発器として機能する。すなわち、膨張装置として機能する制御弁の通過により低温・低圧となった冷媒は、蒸発器7を通過する際に蒸発する。ダクト10の上流側から導入された空気は、その蒸発潜熱によって冷却される。このとき冷却・除湿された空気は、エアミックスドア14の開度に応じて室内凝縮器3を通過するものと、室内凝縮器3を迂回するものとに振り分けられる。室内凝縮器3を通過する空気は、その通過過程で加熱される。室内凝縮器3を通過した空気と迂回した空気とが室内凝縮器3の下流側にて混合されて目標の温度に調整され、図示しない吹出口から車内に供給される。例えば、ベント吹出口、フット吹出口、デフ吹出口等から車室内所定場所に向かって吹き出される。
アキュムレータ8は、蒸発器から送出された冷媒を気液分離して溜めておく装置であり、液相部と気相部とを有する。このため、仮に上流側から想定以上の液冷媒が導出されたとしても、その液冷媒を液相部に溜めおくことができ、気相部の冷媒を圧縮機2に導出することができる。その結果、圧縮機2の圧縮動作に支障をきたすこともない。一方、本実施形態では、その液相部の冷媒の一部を圧縮機2に供給できるようにされており、圧縮機2に必要量の潤滑オイルを戻すことができるようになっている。
差圧弁32および比例弁34は、第2通路22におけるバイパス通路25との分岐点よりも下流側に並列に設けられている。差圧弁32は、その前後差圧(室内凝縮器3の出口側圧力と室外熱交換器5の入口側圧力との差圧)が供給電流値に応じた設定差圧となるよう自律的に動作する定差圧弁(電磁弁)である。本実施形態では、差圧弁32の弁部を駆動するアクチュエータとしてソレノイドを用いるが、ステッピングモータ等の電動機を用いてもよい。差圧弁32は冷房運転時に駆動されて差圧制御を実行し、室内凝縮器3における凝縮圧力を室外熱交換器5における凝縮圧力よりも設定差圧分高く維持し、それにより室内凝縮器3における冷媒温度が過度に低下するのを防止する。具体的には、ドライバの足元を適度に暖められる程度の凝縮圧力(温度)が得られるようにするものである。
比例弁34は、差圧弁32の前後を迂回するバイパス通路に設けられている。比例弁34は、その開度が供給電流値に応じた設定開度に自律的に調整される電磁弁である。本実施形態では比例弁34の弁部を駆動するアクチュエータとしてソレノイドを用いるが、ステッピングモータ等の電動機を用いてもよい。比例弁34は、差圧弁32よりも小さな流路断面(弁孔)を有し、膨張装置としても機能する。比例弁34は暖房運転時に駆動されて開度制御を実行し、第2通路22の開度を調整する。このとき、後述のように開閉弁50が開弁状態とされてバイパス通路25が開放されるため、比例弁34の開度に応じて室外熱交換器5へ供給される冷媒の流量が調整される。すなわち、比例弁34は、室内凝縮器3から室外熱交換器5へ向かう冷媒流量と、室外熱交換器5を迂回して蒸発器7に供給される冷媒流量(バイパス通路25を流れる冷媒流量)との割合を調整するものである。
過冷却度制御弁42は、室外熱交換器5から導出された冷媒や、バイパス通路25を介して供給された冷媒を絞り膨張させて蒸発器7側に導出する「膨張装置」として機能する。過冷却度制御弁42は、冷房運転時において室外熱交換器5の出口側の過冷却度が予め設定された一定の過冷却度(設定値SC)に近づくよう冷媒の流れを制御する。また、暖房運転時において室内凝縮器3の出口側の過冷却度が予め設定された一定の過冷却度(設定値SC)に近づくよう冷媒の流れを制御する。本実施形態では、過冷却度制御弁42として、その上流側(冷房運転時においては室外熱交換器5の出口側であり、暖房運転時(除湿制御を行う特定暖房運転時)において室内凝縮器3の出口側)の冷媒の温度と圧力を感知して弁部を駆動する感温部を有する機械式の制御弁が用いられる。
過冷却度制御弁42は、冷房運転時において室外熱交換器5の出口側の過冷却度が設定値SCよりも大きくなると開弁方向に動作し、室外熱交換器5を流れる冷媒の流量を増加させる。このように冷媒の流量が増加すると、室外熱交換器5における冷媒の単位流量あたりの凝縮能力が小さくなるため、その過冷却度は小さくなる方向に変化する。逆に、室外熱交換器5の出口側の過冷却度が設定値SCよりも小さくなると、過冷却度制御弁42は閉弁方向に動作し、室外熱交換器5を流れる冷媒の流量を減少させる。このように冷媒の流量が減少すると、室外熱交換器5における冷媒の単位流量あたりの凝縮能力が大きくなるため、その過冷却度は大きくなる方向に変化する。過冷却度制御弁42は、その入口(室外熱交換器5の出口側)の過冷却度が設定値SCとなるよう自律的に動作する。
過冷却度制御弁42は、また、特定暖房運転時においてバイパス通路25が開放されると、室内凝縮器3の出口側の過冷却度が設定値SCよりも大きくなると開弁方向に動作し、室内凝縮器3を流れる冷媒の流量を増加させる。このように冷媒の流量が増加すると、室内凝縮器3における冷媒の単位流量あたりの凝縮能力が小さくなるため、その過冷却度は小さくなる方向に変化する。逆に、室内凝縮器3の出口側の過冷却度が設定値SCよりも小さくなると、過冷却度制御弁42は閉弁方向に動作し、室内凝縮器3を流れる冷媒の流量を減少させる。このように冷媒の流量が減少すると、室内凝縮器3における冷媒の単位流量あたりの凝縮能力が大きくなるため、その過冷却度は大きくなる方向に変化する。過冷却度制御弁42は、その入口(室内凝縮器3の出口側)の過冷却度が設定値SCとなるよう自律的に動作する。
なお、図示を省略するが、過冷却度制御弁42は、上流側から冷媒を導入する入口ポートと、下流側へ冷媒を導出する出口ポートと、その入口ポートと出口ポートとを連通する弁孔とが設けられたボディと、弁孔に接離して弁開度を調整する弁体と、入口ポートから導入された冷媒の温度と圧力を感知し、室外熱交換器5の出口側の過冷却度が設定値となるよう弁体を開閉駆動する感温部とを備えるものでもよい。
差圧弁44は、過冷却度制御弁42の下流側に設けられている。差圧弁44は、第3通路23において過冷却度制御弁42側への冷媒の逆流を防止する機械式の弁として構成され、その前後差圧が設定された開弁差圧以上となったときに開弁する。
逆止弁46は、第3通路23におけるバイパス通路26との分岐点とバイパス通路25との合流点との間に設けられている。逆止弁46は、バイパス通路25を通過した冷媒が室外熱交換器5側へ逆流することを防止する機械式の弁として構成されている。
過熱度制御弁48は、蒸発器7の蒸発圧力を調整する「蒸発圧力調整弁」として機能し、蒸発器7の出口側に過熱度(スーパーヒート)が発生している場合、その過熱度が予め設定された一定の過熱度(設定過熱度SH)に近づくよう冷媒の流れを制御する。本実施形態では、過熱度制御弁48として、蒸発器7の出口側の冷媒の温度と圧力を感知して弁部を駆動する感温部を有する機械式の制御弁が用いられる。過熱度制御弁48は、感知した過熱度が設定過熱度SHよりも大きければ弁開度を絞り、蒸発器7の蒸発圧力を上昇させることにより、蒸発器7を通過する冷媒と外部の空気との熱交換量を小さくし、それにより過熱度を小さくして設定過熱度SHに近づける。逆に、感知された過熱度が設定過熱度SHよりも小さければ、過熱度制御弁48は、弁開度を大きくし、蒸発器7の蒸発圧力を低下させることにより、蒸発器7を通過する冷媒と外部の空気との熱交換量を大きくし、それにより過熱度を大きくして設定過熱度SHに近づける。このように、過熱度制御弁48は、蒸発器7の出口側の過熱度が設定過熱度SHに近づくよう自律的に動作する。
なお、図示を省略するが、過熱度制御弁48は、例えば上流側から冷媒を導入する入口ポートと、下流側へ冷媒を導出する出口ポートと、その入口ポートと出口ポートとを連通する弁孔とが設けられたボディと、弁孔に接離して弁開度を調整する弁体を含む弁駆動体と、入口ポートと出口ポートとをつなぐ内部通路を流れる冷媒の温度と圧力を感知し、蒸発器7の出口側の冷媒の過熱度が設定過熱度となるよう弁体を開閉駆動する感温部とを備えるものでよい。
開閉弁50は、バイパス通路25を開閉する弁部と、その弁部を駆動するソレノイドとを備える二方向電磁弁からなる。開閉弁50の開弁によりバイパス通路25を介した蒸発器7への冷媒の流れが許容される。すなわち、開閉弁50が開弁されることにより、室内凝縮器3から導出された冷媒の少なくとも一部が室外熱交換器5を迂回するようにして蒸発器7へ供給されるようになる。室外熱交換器5を経由する冷媒流量と室外熱交換器5を迂回する冷媒流量との割合は比例弁34により制御される。本実施形態では、開閉弁50として、ソレノイドへの通電有無によって弁部を開閉させる開閉弁(オン/オフ弁)が用いられる。なお、開閉弁50の弁部を駆動するアクチュエータはソレノイドでなくてもよく、ステッピングモータ等の電動機であってもよい。
また、本実施形態では、開閉弁50をバイパス通路25の中間部に設けているが、例えば第2通路22におけるバイパス通路25への分岐点に三方向切替弁として配設してもよい。あるいは、その分岐点に比例弁34と開閉弁50の機能を併せ持つ三方向比例弁を設け、比例弁34および開閉弁50を省略してもよい。すなわち、分岐点の室外熱交換器5側の通路の開度を制御する第1比例弁と、分岐点のバイパス通路25側の通路の開度を制御する第2比例弁とを含み、アクチュエータの駆動量に応じて冷媒の流量を振り分ける振分弁として機能するものでよい。その場合、三方向比例弁は、弁部を駆動するアクチュエータとしてソレノイドを備えるものであってもよいし、ステッピングモータ等の電動機を備えるものでもよい。
開閉弁52は、バイパス通路26における過熱度制御弁54の上流側に設けられている。開閉弁52は、バイパス通路26を開閉する弁部と、その弁部を駆動するソレノイドとを備える二方向電磁弁からなる。開閉弁52の開弁によりバイパス通路26を介したアキュムレータ8への冷媒の流れが許容される。本実施形態では、開閉弁52として、ソレノイドへの通電有無によって弁部を開閉させる開閉弁(オン/オフ弁)が用いられる。なお、開閉弁52の弁部を駆動するアクチュエータはソレノイドでなくてもよく、ステッピングモータ等の電動機であってもよい。また、本実施形態では、開閉弁52をバイパス通路26の中間部に設けているが、例えば第3通路23におけるバイパス通路26への分岐点に三方向切替弁として配設してもよい。
過熱度制御弁54は、室外熱交換器5が室外蒸発器として機能するときにその蒸発圧力を調整する「蒸発圧力調整弁」として機能する。過熱度制御弁54は、室外熱交換器5の出口側の過熱度が発生している場合に、その過熱度が予め設定された一定の過熱度(設定過熱度SH)に近づくよう冷媒の流れを制御する。本実施形態では、過熱度制御弁54として、室外熱交換器5の出口側の冷媒の温度と圧力を感知して弁部を駆動する感温部を有する機械式の制御弁が用いられる。過熱度制御弁54は、感知した過熱度が設定過熱度SHよりも大きければ弁開度を絞り、室外熱交換器5の蒸発圧力を上昇させることにより、室外熱交換器5を通過する冷媒と外部の空気との熱交換量を小さくし、それにより過熱度を小さくして設定過熱度SHに近づける。逆に、感知された過熱度が設定過熱度SHよりも小さければ、過熱度制御弁54は、弁開度を大きくし、室外熱交換器5の蒸発圧力を低下させることにより、室外熱交換器5を通過する冷媒と外部の空気との熱交換量を大きくし、それにより過熱度を大きくして設定過熱度SHに近づける。このように、過熱度制御弁54は、室外熱交換器5の出口側の過熱度が設定過熱度SHに近づくよう自律的に動作する。なお、本実施形態では、過熱度制御弁54の設定過熱度と過熱度制御弁48の設定過熱度とを等しく設定しているが、両者を異なるように設定してもよい。
なお、図示を省略するが、過熱度制御弁54は、例えば上流側から冷媒を導入する入口ポートと、下流側へ冷媒を導出する出口ポートと、その入口ポートと出口ポートとを連通する弁孔とが設けられたボディと、弁孔に接離して弁開度を調整する弁体を含む弁駆動体と、入口ポートと出口ポートとをつなぐ内部通路を流れる冷媒の温度と圧力を感知し、室外熱交換器5の出口側の冷媒の過熱度が設定過熱度となるよう弁体を開閉駆動する感温部とを備えるものでよい。
以上のように構成された車両用冷暖房装置1は、制御部100により制御される。制御部100は、各種演算処理を実行するCPU、各種制御プログラムを格納するROM、データ格納やプログラム実行のためのワークエリアとして利用されるRAM、入出力インターフェース等を備える。制御部100には、車両用冷暖房装置1に設置された図示しない各種センサ・スイッチ類からの信号が入力される。制御部100は、車両の乗員によりセットされた室温を実現するために各アクチュエータの制御量を演算し、各アクチュエータの駆動回路に制御信号を出力する。制御部100は、差圧弁32,比例弁34,開閉弁50,開閉弁52などの開閉制御のほか、圧縮機2,室内送風機12,室外送風機16およびエアミックスドア14の駆動制御も実行する。
制御部100は、差圧弁32や比例弁34の駆動回路に設定したパルス信号を出力する駆動信号出力部を有する。具体的には、制御部100にて演算され、設定されたデューティ比のパルス信号を出力するPWM出力部が設けられるが、その構成自体には公知のものが採用されるため、詳細な説明を省略する。制御部100は、車室内外の温度、蒸発器7の吹き出し空気温度等、各種センサにて検出された所定の外部情報に基づいて差圧弁32の設定差圧を決定し、差圧弁32の前後差圧がその設定差圧となるよう各ソレノイドに電流を供給する。なお、変形例として差圧弁32のアクチュエータをステッピングモータにより構成する場合には、その差圧が設定差圧となるようステッピングモータに制御パルス信号を出力する。制御部100はまた、所定の外部情報に基づいて比例弁34の設定開度を決定し、その開度がその設定開度となるようソレノイドに電流を供給する。なお、変形例として比例弁34のアクチュエータをステッピングモータにより構成する場合には、その開度がその設定開度となるようステッピングモータに制御パルス信号を出力する。このような制御により、図示のように、圧縮機2は、その吸入室を介して吸入圧力Psの冷媒を導入し、これを圧縮して吐出圧力Pdの冷媒として吐出する。
次に、本実施形態の冷凍サイクルの動作について説明する。図2は、車両用冷暖房装置の動作を表す説明図である。(A)は冷房運転時の状態を示し、(B)は除湿運転時の状態を示し、(C)は特定暖房運転時の状態を示し、(D)は暖房運転時の状態を示している。ここでいう「除湿運転」は、車室内の除湿をメインとして運転状態であり、「特定暖房運転」は、暖房運転において特に除湿の機能を高めた運転状態である。
各図の上段には冷凍サイクルの動作を説明するモリエル線図が示されている。その横軸がエンタルピーを表し、縦軸が各種圧力を表している。各図の下段には、冷凍サイクルの動作状態が示されている。図中の太線および矢印が冷媒の流れを示し、符号a〜gはモリエル線図のそれと対応している。また、図中の「×」は冷媒の流れが遮断されていることを示している。なお、同図の下段は図1に対応するが、エアミックスドア14等の図示を省略するなど便宜上簡略表記されている。
図2(A)に示すように、冷房運転時においては、差圧弁32は差圧制御を行わず全開状態とされ、比例弁34も開弁状態とされる。なお、比例弁34は差圧弁32よりもその流路断面(弁孔)よりも相当小さいため、変形例においては、比例弁34については閉弁状態としてもよい。一方、開閉弁50,52はともに閉弁状態を保つ。このため、バイパス通路25,26が遮断され、圧縮機2から吐出冷媒は全て室外熱交換器5に導かれるようになる。このとき、室外熱交換器5は室外凝縮器として機能する。すなわち、圧縮機2から吐出された冷媒は、室内凝縮器3、差圧弁32、室外熱交換器5、過冷却度制御弁42、蒸発器7、過熱度制御弁48、アキュムレータ8を経由するように第1冷媒循環通路を循環して圧縮機2に戻る。
すなわち、圧縮機2から吐出された高温・高圧のガス冷媒は、室内凝縮器3および室外熱交換器5を経ることで凝縮される。そして、室外熱交換器5を経由した冷媒が過冷却度制御弁42にて断熱膨張され、冷温・低圧の気液二相冷媒となって蒸発器7に導入される。このとき、過冷却度制御弁42は、室外熱交換器5の出口側(e点)の過冷却度が設定値SCとなるように弁部の開度を自律的に調整する。蒸発器7の入口に導入された冷媒は、その蒸発器7を通過する過程で蒸発し、車室内の空気を冷却する。
図2(B)に示すように、除湿運転時においては、差圧弁32が差圧制御を実行する。このため、差圧弁32の前後差圧が設定差圧ΔPとなるように制御され。その結果、室内凝縮器3の凝縮圧力(凝縮温度)が、室外熱交換器5の凝縮圧力(凝縮温度)よりも高く維持され、車室内の温度が必要以上に低下することが抑制される。具体的には、ドライバの足元の温度をある程度高く維持することができる。また、この場合も、過冷却度制御弁42は、室外熱交換器5の出口側(e点)の過冷却度が設定値SCとなるように弁部の開度を自律的に調整する。
図2(C)に示すように、特定暖房運転時においては、差圧弁32が閉弁される一方、比例弁34、開閉弁50,52が開弁される。そして、比例弁34の開度が調整されることで、蒸発器7および室外熱交換器5に向かう冷媒の流量が振り分けられる。このとき、室外熱交換器5は室外蒸発器として機能する。すなわち、圧縮機2から吐出された冷媒は、一方で室内凝縮器3、比例弁34、室外熱交換器5、開閉弁52、過熱度制御弁54、アキュムレータ8を経由するように第2冷媒循環通路を循環して圧縮機2に戻り、他方で室内凝縮器3、開閉弁50、過冷却度制御弁42、蒸発器7、過熱度制御弁48、アキュムレータ8を経由するように第3冷媒循環通路を循環して圧縮機2に戻る。
すなわち、圧縮機2から吐出された高温・高圧のガス冷媒は、室内凝縮器3を経て凝縮される。そして、一方で比例弁34にて断熱膨張された冷温・低圧の気液二相冷媒が室外熱交換器5に供給されて蒸発し、他方で過冷却度制御弁42にて断熱膨張された冷温・低圧の気液二相冷媒が蒸発器7に供給されて蒸発する。このとき、開閉弁50は全開状態でる。室外熱交換器5および蒸発器7の両蒸発器にて蒸発される比率は、比例弁34の開度により制御される。すなわち、比例弁34の開度調整により室外熱交換器5へ供給される冷媒の流量が調整される。室内凝縮器3から導出された冷媒のうちバイパス通路25へ振り分けられる冷媒の流量は、比例弁34の開度に応じて変化する。一方、蒸発器7へ供給される冷媒流量は、過冷却度制御弁42により室内凝縮器3の出口側の過冷却度が設定値SCとなるように調整される。
この特定暖房運転においては除湿運転が良好に行われるが、その除湿制御の概要については以下のとおりである。すなわち、図2(C)に示すように、過冷却度制御弁42により室内凝縮器3の出口における所定の過冷却度SCが維持されることで(c点)、室内凝縮器3における凝縮能力が適正に維持され、室外熱交換器5(室外蒸発器)および蒸発器7(室内蒸発器)のそれぞれにおいて効率の良い熱交換が行われる。このとき、アキュムレータ8によって圧縮機2の入口の冷媒の状態が常に飽和蒸気圧曲線上に保持されるため(a点)、蒸発器7の出口の冷媒の状態(g点)は、室外熱交換器5の出口の冷媒の状態(e点)とバランスするように変化する。
すなわち、図示のように室外熱交換器5の出口側にて過熱度が発生している場合、蒸発器7の出口における冷媒の湿り度(g点)は、室外熱交換器5の出口における冷媒の過熱度(e点)とバランスする。このとき、室外熱交換器5における外部からの熱吸収量は、過熱度制御弁54の絞り量により調整される。すなわち、過熱度制御弁54は、室外熱交換器5の出口側の過熱度が設定過熱度SHよりも大きくなると、閉弁方向に動作して室外熱交換器5における蒸発圧力Poを上昇させる。その結果、室外熱交換器5の蒸発圧力Poと蒸発器7の蒸発圧力Peとの差圧Poeが発生する。それにより、室外熱交換器5を通過する冷媒の温度が高くなり外気との熱交換量が少なくなるため、過熱度は小さくなる方向に変化する。逆に、その過熱度が設定過熱度SHよりも小さくなると、開弁方向に動作して室外熱交換器5における蒸発圧力Poを低下させる。それにより、室外熱交換器5を通過する冷媒の温度が低くなり外気との熱交換量が多くなるため、過熱度は大きくなる方向に変化する。
このように、室外熱交換器5の出口側の過熱度が設定過熱度SHとなるよう過熱度制御弁54が自律的に動作するため、室外熱交換器5の出口側の過熱度が過大になるのが防止される。それにより、室外熱交換器5の温度ムラを抑制することができ、室外熱交換器5に潤滑オイルが滞留することを防止または抑制することができる。また、外気温によっては逆に、蒸発器7の出口側にて過熱度が発生する場合もある(図2(C)の括弧書き参照)。その場合には、室外熱交換器5の出口における湿り度((e)点)が、蒸発器7の出口のおける過熱度((g)点)とバランスするようになる。
制御部100は、室外熱交換器5に潤滑オイルを滞留するとして予め設定された条件が成立した場合、圧縮機2の回転数に応じて比例弁34の開度を大きくして室外熱交換器5の出口側まで湿り度を有する冷媒を流すようにして潤滑オイルの循環を確保する。その場合、過熱度制御弁54が開弁方向に動作して過熱度を戻そうとするが、その感温部が感知するまでのタイムラグがあるため、その湿り度のある冷媒とともに潤滑オイルを導出することが可能になる。同様に、制御部100は、蒸発器7に潤滑オイルを滞留するとして予め設定された条件が成立した場合、圧縮機2の回転数に応じて比例弁34の開度を小さくして蒸発器7の出口側まで湿り度を有する冷媒を流すようにして潤滑オイルの循環を確保する。
図2(D)に示すように、暖房運転時においては開閉弁50が閉弁される。このため、冷媒は蒸発器7を通過せず、蒸発器7は実質的に機能しなくなる。つまり、室外熱交換器5のみが蒸発器として機能する。すなわち、圧縮機2から吐出された冷媒は、室内凝縮器3、比例弁34、室外熱交換器5、開閉弁52、過熱度制御弁54、アキュムレータ8を経由するように第2冷媒循環通路を循環して圧縮機2に戻る。
すなわち、圧縮機2から吐出された高温・高圧のガス冷媒は、室内凝縮器3を経て凝縮され、比例弁34にて断熱膨張されて冷温・低圧の気液二相冷媒となり、室外熱交換器5を通過して蒸発される。室外熱交換器5を通過した冷媒は、開閉弁52、過熱度制御弁54およびアキュムレータ8を経て圧縮機2に戻る。このとき、比例弁34が電子膨張弁として機能し、室内凝縮器3の出口の過冷却度を制御する。すなわち、制御部100は、室内凝縮器3の出口側の温度に基づいて比例弁34の開度を制御し、室内凝縮器3の出口側の過冷却度が設定値SCとなるよう制御する。
また、車両が極寒の環境下におかれた場合などには、室外熱交換器5が凍結して空調制御の制御性を低下させてしまうことも想定される。このため、制御部100は、外部情報に基づいて適宜除霜運転を実行する。この除霜運転において、制御部100は、まずエアミックスドア14(図1参照)を閉じて室内凝縮器3における熱交換を休止し、冷媒の温度低下を抑制する。このとき、蒸発器7にて熱交換が行われると車室内の温度が低下してしまうので、室内送風機12の駆動も停止させる。その状態で、図2(D)に示したように開閉弁50を閉じる一方で開閉弁52を開弁させ、図2(A)に示したように差圧弁32を開弁させる。
このとき、差圧弁32を介して高温のガス冷媒が室外熱交換器5に送られ、除霜を行うことができる。この場合も開閉弁52の下流側には過熱度制御弁54が設けられているため、アキュムレータ8に想定以上の過熱ガスが供給されることは防止される。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態に係る車両用冷暖房装置は、過熱度制御弁や過冷却度制御弁の配置構成が異なり、また除霜用の制御弁が設けられるなど冷媒循環通路の構成が第1実施形態と異なるが、各制御弁の構成など共通する部分も有する。このため、第1実施形態とほぼ同様の構成部分については同一の符号を付す等して適宜その説明を省略する。図3は、第2実施形態に係る車両用冷暖房装置の概略構成を表すシステム構成図である。
本実施形態の車両用冷暖房装置201は、圧縮機2、室内凝縮器3、第1制御弁ユニット4、室外熱交換器5、第2制御弁ユニット6、蒸発器7およびアキュムレータ8を配管にて接続した冷凍サイクル(冷媒循環回路)を備える。そして、室内凝縮器3と室外熱交換器5とが凝縮器として並列に動作可能に構成され、蒸発器7と室外熱交換器5とが蒸発器として並列に動作可能に構成されている。冷房運転時に冷媒が循環する第1冷媒循環通路、除湿運転時および特定暖房運転時(暖房運転中の除湿時)に冷媒が循環する第2冷媒循環通路(「第4冷媒循環通路」としても機能する)、暖房運転時に冷媒が循環する第3冷媒循環通路が形成される。
第1冷媒循環通路は、圧縮機2→第1制御弁ユニット4→室外熱交換器5→第2制御弁ユニット6→蒸発器7→アキュムレータ8→圧縮機2のように冷媒が循環する。第2冷媒循環通路は、圧縮機2→室内凝縮器3→第2制御弁ユニット6→蒸発器7→アキュムレータ8→圧縮機2のように冷媒が循環する通路である。第3冷媒循環通路は、圧縮機2→室内凝縮器3→第2制御弁ユニット6→室外熱交換器5→第1制御弁ユニット4→アキュムレータ8→圧縮機2のように冷媒が循環する通路である。室外熱交換器5を流れる冷媒の流れは、第1冷媒循環通路が開放された場合と第3冷媒循環通路が開放された場合とで逆転する。つまり、室外熱交換器5における冷媒の入口と出口は、第1冷媒循環通路が開放された場合と第3冷媒循環通路が開放された場合とで切り替わる。なお、本実施形態ではこのほか、除霜運転時において開放される冷媒循環通路も存在するが、その説明については後述する。
具体的には、室内凝縮器3の出口につながる第2通路22がその下流側で分岐し、その一方である第1分岐通路27が蒸発器7につながり、他方である第2分岐通路28が室外熱交換器5につながっている。第2分岐通路28は、一方で第3通路23につながり、他方でバイパス通路29を介して第4通路24に接続されている。本実施形態では図示のように、バイパス通路29が第4通路24における過熱度制御弁48の下流側に接続されている。バイパス通路29には差圧弁49が設けられている。また、第1分岐通路27と第2分岐通路28とをつなぐ接続通路には過冷却度制御弁42および差圧弁44が配設されている。
第1冷媒循環通路は、第1通路21,第3通路23,第4通路24を接続して構成される。第2冷媒循環通路は、第1通路21,第2通路22,第1分岐通路27,第4通路24を接続して構成される。第3冷媒循環通路は、第1通路21,第2通路22,第2分岐通路28,第3通路23,バイパス通路26を接続して構成される。そして、このような冷媒循環通路の切り替えを実現するために、室内凝縮器3と室外熱交換器5との接続部に第1制御弁ユニット4が設けられ、室内凝縮器3と室外熱交換器5と蒸発器7との接続部に第2制御弁ユニット6が設けられている。
第1制御弁ユニット4は、共用のボディに差圧弁32、開閉弁52および過熱度制御弁54を含むように構成される。一方、第2制御弁ユニット6は、共用のボディに過冷却度制御弁42(第1の過冷却度制御弁)、差圧弁44、過熱度制御弁48、比例弁234、過冷却度制御弁231(第2の過冷却度制御弁)および差圧弁49を含む。
過冷却度制御弁231は、室内凝縮器3から第2通路22を介して導入された冷媒を絞り膨張させて下流側に導出する「膨張装置」として機能するとともに、特定暖房運転時においては室内凝縮器3から蒸発器7および室外熱交換器5へ供給される冷媒の総流量を調整する「総流量弁」としても機能する。なお、図示を省略するが、過冷却度制御弁231は、上流側から冷媒を導入する入口ポートと、下流側へ冷媒を導出する出口ポートと、その入口ポートと出口ポートとを連通する弁孔とが設けられたボディと、弁孔に接離して弁開度を調整する弁体と、入口ポートから導入された冷媒の温度と圧力を感知し、室内凝縮器3の出口側の過冷却度が設定値となるよう弁体を開閉駆動する感温部とを備えるものでもよい。
過冷却度制御弁231は、室内凝縮器3の出口側の過冷却度が設定値SCよりも大きくなると開弁方向に動作し、室内凝縮器3を流れる冷媒の流量を増加させる。このように冷媒の流量が増加すると、室内凝縮器3における冷媒の単位流量あたりの凝縮能力が小さくなるため、その過冷却度は小さくなる方向に変化する。逆に、室内凝縮器3の出口側の過冷却度が設定値SCよりも小さくなると、過冷却度制御弁231は、閉弁方向に動作し、室内凝縮器3を流れる冷媒の流量を減少させる。このように冷媒の流量が減少すると、室内凝縮器3における冷媒の単位流量あたりの凝縮能力が大きくなるため、その過冷却度は大きくなる方向に変化する。このように、過冷却度制御弁231は、その入口(室内凝縮器3の出口側)の過冷却度が設定値SCとなるよう自律的に動作する。なお、本実施形態では過冷却度制御弁231と過冷却度制御弁42の過冷却度の設定値を等しくしたが、異なる設定値を設定してもよい。
比例弁234は、三方向比例弁として構成され、第2通路22から第1分岐通路27と第2分岐通路28とに分岐する分岐点に設けられている。すなわち、比例弁234は、第1分岐通路27の開度を制御する第1比例弁と、第2分岐通路28の開度を制御する第2比例弁とを含む「複合弁」として構成されている。第1比例弁および第2比例弁の各開度(両比例弁の開度比率)は、制御部100により制御される。
第1比例弁は、その弁部の開度が制御されることにより第2冷媒循環通路の開度を調整する。第2比例弁は、その弁部の開度が制御されることにより第3冷媒循環通路の開度を調整する。第1比例弁と第2比例弁は、各弁部を構成する弁体が一体に設けられ、一つのアクチュエータにて同時にリニア制御される。それにより、各弁部の開度の比率が制御される。すなわち、特定暖房運転時においては、過冷却度制御弁231により蒸発器7および室外熱交換器5へ供給される冷媒の総流量が調整され、その総流量が比例弁234によって設定された比率に振り分けられる。つまり、比例弁234は、アクチュエータの駆動量に応じて冷媒の流量を振り分ける「振分弁」として機能する。比例弁234のアクチュエータはソレノイドであってもよいし、ステッピングモータであってもよい。
差圧弁49は、後述する除霜運転時において開弁され、その前後差圧(室内凝縮器3の出口側圧力とアキュムレータ8の入口側圧力との差圧)が供給電流値に応じた設定差圧となるよう自律的に動作する定差圧弁である。本実施形態では、差圧弁49の弁部を駆動するアクチュエータとしてソレノイドを用いるが、ステッピングモータ等の電動機を用いてもよい。
制御部100による制御により、図示のように、過冷却度制御弁231の上流側は高圧の上流側圧力P1となり、比例弁234における第1比例弁の下流側は低圧の下流側圧力P3となる。また、比例弁234における第2比例弁の下流側で過冷却度制御弁42の上流側は中間圧力P2となる。
次に、本実施形態の冷凍サイクルの動作について説明する。図4は、車両用冷暖房装置の動作を表す説明図である。(A)は冷房運転時の状態を示し、(B)は除湿運転時の状態を示し、(C)は特定暖房運転時の状態を示し、(D)は暖房運転時の状態を示している。各図の上段には冷凍サイクルの動作を説明するモリエル線図が示されている。その横軸がエンタルピーを表し、縦軸が各種圧力を表している。
図4(A)に示すように、冷房運転時においては、第1制御弁ユニット4において差圧弁32が開弁され、開閉弁52が閉弁される。差圧弁32は差圧制御を行わず全開状態とされる。一方、第2制御弁ユニット6においては比例弁234の第1比例弁が全開状態とされ、第2比例弁が閉弁される。開閉弁52の閉弁によりバイパス通路26が遮断されているため、圧縮機2から吐出冷媒は室外熱交換器5に導かれるようになる。このとき、室外熱交換器5は室外凝縮器として機能する。すなわち、圧縮機2から吐出された冷媒は、一方で差圧弁32、室外熱交換器5、過冷却度制御弁42、蒸発器7、過熱度制御弁48、アキュムレータ8を経由するように第1冷媒循環通路を循環して圧縮機2に戻り、他方で室内凝縮器3、過冷却度制御弁231、比例弁234の第1比例弁、蒸発器7、過熱度制御弁48、アキュムレータ8を経由するように第2冷媒循環通路を循環して圧縮機2に戻る。
すなわち、圧縮機2から吐出された高温・高圧のガス冷媒は、一方で室内凝縮器3を、他方で室外熱交換器5を経ることで凝縮される。そして、室内凝縮器3を経由した冷媒が過冷却度制御弁231にて断熱膨張され、冷温・低圧の気液二相冷媒となって蒸発器7に導入される。このとき、過冷却度制御弁231は、室内凝縮器3の出口側(c点)の過冷却度が設定値SCとなるように弁部の開度を自律的に調整する。比例弁234の第2比例弁が閉じられているため、過冷却度制御弁231にて膨張された冷媒は、全て比例弁234の第1比例弁を通過して蒸発器7に供給される。
また、室外熱交換器5を経由した冷媒が過冷却度制御弁42にて断熱膨張され、冷温・低圧の気液二相冷媒となって蒸発器7に導入される。このとき、過冷却度制御弁42は、室外熱交換器5の出口側(e点)の過冷却度が設定値SCとなるように弁部の開度を自律的に調整する。蒸発器7の入口に導入された冷媒は、その蒸発器7を通過する過程で蒸発し、車室内の空気を冷却する。
図4(B)に示すように、除湿運転時においては、第1制御弁ユニット4において差圧弁32が差圧制御を実行する。このため、差圧弁32の前後差圧が設定差圧ΔPとなるように制御される。その結果、室内凝縮器3の凝縮圧力(凝縮温度)が、室外熱交換器5の凝縮圧力(凝縮温度)よりも高く維持され、車室内の温度が必要以上に低下することが抑制される。この場合も、過冷却度制御弁231は、室内凝縮器3の出口側(c点)の過冷却度が設定値SCとなるように弁部の開度を自律的に調整する。また、過冷却度制御弁42は、室外熱交換器5の出口側(e点)の過冷却度が設定値SCとなるように弁部の開度を自律的に調整する。なお、本実施形態では室内凝縮器3の出口側の過冷却度と室外熱交換器5の出口側の過冷却度とが同じ設定値となるようにしたが、変形例においてはこれらの設定値を互いに異ならせてもよい。
図4(C)に示すように、特定暖房運転時においては、第1制御弁ユニット4において差圧弁32が閉弁されて開閉弁52が開弁される一方、第2制御弁ユニット6において比例弁234の開度が制御される。すなわち、比例弁234の第1比例弁と第2比例弁の開度比率が調整されることで、蒸発器7および室外熱交換器5に向かう冷媒の流量が振り分けられる。このとき、室外熱交換器5は室外蒸発器として機能する。すなわち、圧縮機2から吐出された冷媒は、一方で室内凝縮器3、過冷却度制御弁231、比例弁234の第2比例弁、室外熱交換器5、開閉弁52、過熱度制御弁54、アキュムレータ8を経由するように第3冷媒循環通路を循環して圧縮機2に戻り、他方で室内凝縮器3、過冷却度制御弁231、比例弁234の第1比例弁、蒸発器7、過熱度制御弁48、アキュムレータ8を経由するように第2冷媒循環通路を循環して圧縮機2に戻る。
すなわち、圧縮機2から吐出された高温・高圧のガス冷媒は、室内凝縮器3を経て凝縮される。そして、過冷却度制御弁231にて断熱膨張された冷温・低圧の気液二相冷媒が比例弁234にて振り分けられる。振り分けられた冷媒の一方は、室外熱交換器5に供給されて蒸発し、他方は蒸発器7に供給されて蒸発する。このとき、室外熱交換器5および蒸発器7の両蒸発器にて蒸発される比率が、比例弁234の開度(つまり第1比例弁と第2比例弁の開度の比率)により制御される。それにより、蒸発器7での蒸発量を確保でき、除湿機能を確保することができる。すなわち、比例弁234の開度調整により蒸発器7へ供給される冷媒の流量が調整され、過冷却度制御弁231により室内凝縮器3の出口側の過冷却度が設定値SCとなるように調整される。
この特定暖房運転においては除湿運転が良好に行われるが、その除湿制御の概要については以下のとおりである。すなわち、図4(C)に示すように、過冷却度制御弁231により室内凝縮器3の出口における所定の過冷却度SCが維持されることで(c点)、室内凝縮器3における凝縮能力が適正に維持され、室外熱交換器5(室外蒸発器)および蒸発器7(室内蒸発器)のそれぞれにおいて効率の良い熱交換が行われる。このとき、アキュムレータ8によって圧縮機2の入口の冷媒の状態が常に飽和蒸気圧曲線上に保持されるため(a点)、蒸発器7の出口の冷媒の状態(g点)は、室外熱交換器5の出口の冷媒の状態(d点)とバランスするように変化する。すなわち、図示のように室外熱交換器5の出口側にて過熱度が発生している場合、蒸発器7の出口における冷媒の湿り度(g点)は、室外熱交換器5の出口における冷媒の過熱度(d点)とバランスする。また、逆に蒸発器7の出口側にて過熱度が発生している場合には、室外熱交換器5の出口における湿り度((d)点)が蒸発器7の出口のおける過熱度((g)点)とバランスするようになる。
図4(D)に示すように、暖房運転時においては比例弁234の第1比例弁が閉弁され、第2比例弁が全開状態とされる。このため、冷媒は蒸発器7を通過せず、蒸発器7は実質的に機能しなくなる。つまり、室外熱交換器5のみが蒸発器として機能する。すなわち、圧縮機2から吐出された冷媒は、室内凝縮器3、過冷却度制御弁231、比例弁234、室外熱交換器5、開閉弁52、過熱度制御弁54、アキュムレータ8を経由するように第3冷媒循環通路を循環して圧縮機2に戻る。
すなわち、圧縮機2から吐出された高温・高圧のガス冷媒は、室内凝縮器3を経て凝縮され、過冷却度制御弁231にて断熱膨張されて冷温・低圧の気液二相冷媒となり、比例弁234の第2比例弁を通過し、室外熱交換器5を通過して蒸発される。室外熱交換器5を通過した冷媒は、開閉弁52、過熱度制御弁54およびアキュムレータ8を経て圧縮機2に戻る。このとき、過冷却度制御弁231により室内凝縮器3の出口における所定の過冷却度SCが維持されることで(c点)、室内凝縮器3における凝縮能力が適正に維持される。
図5は、車両用冷暖房装置の除霜運転の動作を表す説明図である。(A)は、本実施形態の除霜運転時の状態を示す。(B)は変形例に係る除霜運転時の状態を示す。
除霜運転においては図5(A)に示すように、制御部100は、まずエアミックスドア14を閉じて室内凝縮器3における熱交換を休止し、冷媒の温度低下を抑制する。このとき、蒸発器7にて熱交換が行われると車室内の温度が低下してしまうので、室内送風機12(図3参照)の駆動も停止させる。制御部100は、また、開閉弁52の閉弁状態を維持しつつ差圧弁32を全開状態とする一方、差圧弁49を開弁させてその差圧制御を実行する。差圧弁49は、その前後差圧を設定差圧に近づけるよう動作する。
このとき、圧縮機2から吐出された高温・高圧のガス冷媒が、差圧弁32を通過して室外熱交換器5に供給され、その後、差圧弁49およびアキュムレータ8を経由して圧縮機2に戻る。このとき、室外熱交換器5の出口側の冷媒は過冷却しないため(e点)、過冷却度制御弁42は閉弁状態を維持する。また、室内凝縮器3の出口側の冷媒も過冷却しないため、過冷却度制御弁231も閉弁状態を維持する。このため、蒸発器7への冷媒の供給は遮断される。その結果、ホットガスが室外熱交換器5に供給され続ける状態となり、除霜を確実に実行することが可能となる。
なお、除霜運転のために、図5(B)に示す変形例を採用してもよい。本変形例では、上記差圧弁49に代えて開閉弁249(オン・オフ弁)が設けられる。そして、その開閉弁249が設けられるバイパス通路29が過熱度制御弁48の上流側に接続される。開閉弁249は、バイパス通路29を開閉する弁部と、その弁部を駆動するアクチュエータとを備える。なお、アクチュエータはソレノイドであってもよいし、ステッピングモータ等の電動機であってもよい。
このような構成により、開閉弁249を通過した冷媒は、過熱度制御弁48にて減圧膨張され、所定の過熱度SHに制御された状態でアキュムレータ8へ供給される。その際、過熱ガスがアキュムレータ8を介して圧縮機2に供給されることになり、ガス冷媒の循環効率が高められるようになる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。なお、第1実施形態とほぼ同様の構成部分については同一の符号を付す等して適宜その説明を省略する。図6は、第3実施形態に係る車両用冷暖房装置の概略構成を表すシステム構成図である。
本実施形態の車両用冷暖房装置301は、圧縮機2、室内凝縮器3、第1制御弁ユニット304、室外熱交換器5、第2制御弁ユニット306、蒸発器7およびアキュムレータ8を配管にて接続した冷凍サイクルを備える。そして、室内凝縮器3と室外熱交換器5とが凝縮器として直列に動作可能に構成され、蒸発器7と室外熱交換器5とが蒸発器として直列に動作可能に構成されている。冷房運転時、除湿運転時および特定暖房運転時(暖房運転中の除湿時)に冷媒が循環する第1冷媒循環通路、暖房運転時に冷媒が循環する第2冷媒循環通路が形成される。
第1冷媒循環通路は、圧縮機2→室内凝縮器3→第1制御弁ユニット304→室外熱交換器5→第2制御弁ユニット306→蒸発器7→アキュムレータ8→圧縮機2のように冷媒が循環する通路である。第2冷媒循環通路は、圧縮機2→室内凝縮器3→第1制御弁ユニット304→室外熱交換器5→第2制御弁ユニット306→アキュムレータ8→圧縮機2のように冷媒が循環する通路である。
具体的には、室外熱交換器5の出口につながる第3通路23がその途中で分岐してバイパス通路26となり、アキュムレータ8の入口側に接続されている。バイパス通路26には開閉弁52が設けられている。第1冷媒循環通路はバイパス通路26を経由せずに蒸発器7を経由する通路であり、第2冷媒循環通路はバイパス通路26を経由することにより蒸発器7を迂回する通路である。第1制御弁ユニット4は、共用のボディに差圧弁32および比例弁34を含む。一方、第2制御弁ユニット6は、共用のボディに差圧弁332、比例弁334および開閉弁52を含む。なお、本実施形態ではバイパス通路26に開閉弁52を設けたが、これに代えて差圧弁を設けてもよい。その場合、差圧弁は、その前後差圧(室外熱交換器5の出口側圧力とアキュムレータ8の入口側圧力との差圧)が供給電流値に応じた設定差圧となるよう自律的に動作する定差圧弁であってもよい。
差圧弁332は、差圧弁32と同様の構成を有し、その前後差圧(室外熱交換器5の出口側圧力と蒸発器7の入口側圧力との差圧)が供給電流値に応じた設定差圧となるよう自律的に動作する定差圧弁である。
比例弁334は、比例弁34と同様の構成を有し、差圧弁332の前後を迂回するバイパス通路に設けられている。比例弁334は、その開度が供給電流値に応じた設定開度に自律的に調整される制御弁である。比例弁334は、差圧弁332よりも小さな流路断面(弁孔)を有し、膨張装置としても機能する。
次に、本実施形態の冷凍サイクルの動作について説明する。図7は、車両用冷暖房装置の動作を表す説明図である。(A)は冷房運転時の状態を示し、(B)は除湿運転時の状態を示し、(C)は特定暖房運転時の状態を示し、(D)は暖房運転時の状態を示している。各図の上段には冷凍サイクルの動作を説明するモリエル線図が示されている。その横軸がエンタルピーを表し、縦軸が各種圧力を表している。
図7(A)に示すように、冷房運転時においては、差圧弁32は差圧制御を行わず全開状態とされ、比例弁34も全開状態とされる。一方、差圧弁332は閉弁状態とされ、比例弁334はその開度が比例制御される。開閉弁52は閉弁状態とされる。このため、バイパス通路26は遮断され、圧縮機2から吐出冷媒は第1冷媒循環通路を循環するようになる。このとき、室外熱交換器5は室外凝縮器として機能する。
すなわち、圧縮機2から吐出された高温・高圧のガス冷媒は、室内凝縮器3および室外熱交換器5を経ることで凝縮される。そして、室外熱交換器5を経由した冷媒が比例弁334にて断熱膨張され、冷温・低圧の気液二相冷媒となって蒸発器7に導入される。このとき、比例弁334が電子膨張弁として機能し、室外熱交換器5の出口の過冷却度を制御する。すなわち、制御部100は、室外熱交換器5の出口側の温度に基づいて比例弁334の開度を制御し、室外熱交換器5の出口側(e点)の過冷却度が設定値SCとなるよう制御する。
図7(B)に示すように、除湿運転時においては比例弁34が閉弁され、差圧弁32が差圧制御を実行する。一方、差圧弁332が閉弁され、比例弁334が比例制御を実行する。開閉弁52は閉弁状態とされる。このとき、差圧弁32によりその前後差圧が設定差圧ΔPとなるように制御されるため、室内凝縮器3の凝縮圧力(凝縮温度)が、室外熱交換器5の凝縮圧力(凝縮温度)よりも高く維持され、車室内の温度が必要以上に低下することが抑制される。このとき、比例弁334が電子膨張弁として機能し、室外熱交換器5の出口の過冷却度を制御する。すなわち、制御部100は、室外熱交換器5の出口側の温度に基づいて比例弁334の開度を制御し、室外熱交換器5の出口側(e点)の過冷却度が設定値SCとなるよう制御する。
図7(C)に示すように、特定暖房運転時においては、差圧弁32が閉弁される一方、比例弁34が開弁される。また、比例弁334が閉弁され、差圧弁332が差圧制御を実行する。開閉弁52は閉弁状態とされる。このとき、室外熱交換器5は室外蒸発器として機能する。このとき、比例弁34が電子膨張弁として機能し、室内凝縮器3の出口の過冷却度を制御する。すなわち、制御部100は、室内凝縮器3の出口側の温度に基づいて比例弁34の開度を制御し、室内凝縮器3の出口側(c点)の過冷却度が設定値SCとなるよう制御する。
一方、室外熱交換器5および蒸発器7の両蒸発器にて蒸発される比率が差圧弁332の前後差圧ΔPにより制御される。すなわち、前後差圧ΔPが比較的大きく設定されると、室外熱交換器5における蒸発量が相対的に小さくなる(蒸発器7における蒸発量が相対的に大きくなる)。逆に、前後差圧ΔPが比較的小さく設定されると、室外熱交換器5における蒸発量が相対的に大きくなる(蒸発器7における蒸発量が相対的に小さくなる)。制御部100は、前後差圧ΔPを適切に設定することで、循環する冷媒を室外熱交換器5と蒸発器7とで蒸発させる比率を調整する。それにより、蒸発器7での蒸発量を確保することができ、除湿機能を確保することができる。
図7(D)に示すように、暖房運転時においては差圧弁32が閉弁され、比例弁34が開弁される。一方、差圧弁332および比例弁334はともに閉弁され、開閉弁52が開弁される。このため、冷媒は蒸発器7を通過せず、蒸発器7は実質的に機能しなくなる。つまり、室外熱交換器5のみが蒸発器として機能する。すなわち、圧縮機2から吐出された冷媒は、室内凝縮器3、比例弁34、室外熱交換器5、開閉弁52、アキュムレータ8を経由するように第2冷媒循環通路を循環して圧縮機2に戻る。
すなわち、圧縮機2から吐出された高温・高圧のガス冷媒は、室内凝縮器3を経て凝縮され、比例弁34にて断熱膨張されて冷温・低圧の気液二相冷媒となり、室外熱交換器5を通過して蒸発される。室外熱交換器5を通過した冷媒は、開閉弁52およびアキュムレータ8を経て圧縮機2に戻る。このとき、比例弁34が電子膨張弁として機能し、室内凝縮器3の出口の過冷却度を制御する。すなわち、制御部100は、室内凝縮器3の出口側の温度に基づいて比例弁34の開度を制御し、室内凝縮器3の出口側の過冷却度が設定値SCとなるよう制御する。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はその特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内で種々の変形が可能であることはいうまでもない。
上記実施形態では、本発明の車両用冷暖房装置を電気自動車に適用した例を示したが、内燃機関を搭載した自動車や、内燃機関と電動機を同載したハイブリッド式の自動車に提供することが可能であることは言うまでもない。上記実施形態では、圧縮機2として電動圧縮機を採用した例を示したが、エンジンの回転を利用して容量可変を行う可変容量圧縮機を採用することもできる。
上記実施形態においては、補助凝縮器として室内凝縮器を設ける例を示した。変形例においては、補助凝縮器を室外熱交換器とは別に設けられる熱交換器として構成してもよい。その熱交換器は、例えば車室外に配置され、エンジンの冷却水を利用して熱交換を行うものでもよい。具体的には、図1における圧縮機2と第2制御弁ユニット6との間に熱交換器を設ける一方、ダクト10内に放熱器を配置し、これら熱交換器と放熱器とを冷却水の循環回路にて接続してもよい。その循環回路には冷却水を汲み上げるポンプを設けてもよい。このようにすれば、圧縮機2から第2制御弁ユニット6へ向かう高温の冷媒と、循環回路を循環する冷却水との間で熱交換を行うことができる。このような構成においても、圧縮機2から吐出された冷媒を熱交換器により凝縮させて第2制御弁ユニット6に供給することが可能となる。
上記第2実施形態においては、図5に基づいて除霜運転の一例を説明した。変形例においては、これと異なる除霜運転を採用してもよい。図8は、変形例に係る車両用冷暖房装置の除霜運転の動作を表す説明図である。図8(A)は、図5(A)に示した除霜運転の変形例を示す。その下段には冷媒循環状態が示され、上段には一つの除霜運転方法を示すモリエル線図が示され、中段には他の除霜運転方法を示すモリエル線図が示されている。一方、図8(B)は、図5(B)に示した除霜運転の変形例を示す。その下段には冷媒循環状態が示され、上段には一つの除霜運転方法を示すモリエル線図が示され、中段には他の除霜運転方法を示すモリエル線図が示されている。
すなわち、図8(A)の下段に示す冷媒循環状態において、上段に示すように除霜運転において差圧弁32による差圧制御を行い、室外熱交換器5の凝縮圧力を設定差圧分低くし(b点→d点)、さらに差圧弁49により減圧するようにしてもよい(e点→h点)。あるいは、図8(A)の中段に示すように、除霜運転において差圧弁32による差圧制御を行って室外熱交換器5の凝縮圧力を圧縮機2の吸入圧力と等しくなる程度に低くしてもよい(b点→d点)。このようにして室外熱交換器5の凝縮圧力を下げることで、室外熱交換器5の全体にわたって確実な除霜を実現することができる。すなわち、室外熱交換器5の凝縮圧力を高く設定した場合、外部状態によってはその室外熱交換器5の上流側の除霜がなされた状態で外部の空気との熱交換が進行し、それにより下流側の除霜ができなくなることが想定される。本変形例によれば、このような事態を防止して確実な除霜を実現することができる。
同様に、図8(B)の下段に示す冷媒循環状態において、上段に示すように除霜運転において差圧弁32による差圧制御を行い、室外熱交換器5の凝縮圧力を設定差圧分低くし(b点→d点)、さらに開閉弁249を開弁させて減圧するようにしてもよい(e点→h点)。あるいは、図8(B)の中段に示すように、除霜運転において差圧弁32による差圧制御を行って室外熱交換器5の凝縮圧力を圧縮機2の吸入圧力と等しくなる程度に低くしてもよい(b点→d点)。このようにして室外熱交換器5の凝縮圧力を下げることで、室外熱交換器5の全体にわたって確実な除霜を実現することができる。
なお、除霜運転時において室外熱交換器5と外部の空気との熱交換を抑制するために、室外熱交換器5に外気(風)が当たることを抑制するシャッタ等を設けてもよい。なお、図8に示した変形例の技術思想は、上記第2実施形態のみならず、第1実施形態や第3実施形態のような構成においても適用可能であることは言うまでもない。
1 車両用冷暖房装置、 2 圧縮機、 3 室内凝縮器、 4 第1制御弁ユニット、 5 室外熱交換器、 6 第2制御弁ユニット、 7 蒸発器、 8 アキュムレータ、 25,26,29 バイパス通路、 32 差圧弁、 34 比例弁、 42 過冷却度制御弁、 44 差圧弁、 46 逆止弁、 48 過熱度制御弁、 49 差圧弁、 50,52 開閉弁、 54 過熱度制御弁、 100 制御部、 201 車両用冷暖房装置、 231 過冷却度制御弁、 234 比例弁、 249 開閉弁、 301 車両用冷暖房装置、 304 第1制御弁ユニット、 306 第2制御弁ユニット、 332 差圧弁、 334 比例弁。

Claims (6)

  1. 冷媒を圧縮して吐出する圧縮機と、
    冷媒を放熱させる複数の凝縮器と、
    凝縮器から導出された冷媒を膨張させる膨張装置と、
    車室内に配置され、前記膨張装置にて膨張された冷媒を蒸発させる室内蒸発器と、
    前記複数の凝縮器の少なくともいずれかの上流側に設けられ、その前後差圧を電気的に設定される設定差圧に調整可能な差圧弁と、
    を備えることを特徴とする車両用冷暖房装置。
  2. 前記複数の凝縮器として、車室外に配置されて冷房運転時に冷媒を放熱させる室外凝縮器として機能する一方、暖房運転時には冷媒を蒸発させる室外蒸発器として機能する室外熱交換器と、前記室外熱交換器とは別に冷媒を放熱させる補助凝縮器と、を備え、
    前記圧縮機から吐出された冷媒を循環させる冷媒循環通路にそって前記補助凝縮器、前記室外熱交換器および前記室内蒸発器が直列に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の車両用冷暖房装置。
  3. 前記複数の凝縮器として、車室外に配置されて冷房運転時に冷媒を放熱させる室外凝縮器として機能する一方、暖房運転時には冷媒を蒸発させる室外蒸発器として機能する室外熱交換器と、前記室外熱交換器とは別に冷媒を放熱させる補助凝縮器と、を備え、
    前記圧縮機から吐出された冷媒を循環させる第1冷媒循環通路にそって前記補助凝縮器と前記室外熱交換器とが直列に設けられ、
    前記室外熱交換器が室外蒸発器として機能するときに前記圧縮機に対して並列となる第2冷媒循環通路と第3冷媒循環通路が形成され、前記第2冷媒循環通路に前記室外熱交換器が設けられ、前記第3冷媒循環通路に前記室内蒸発器が設けられることを特徴とする請求項1に記載の車両用冷暖房装置。
  4. 前記補助凝縮器が車室内を暖めるための熱交換器として設けられ、
    前記補助凝縮器の下流側に前記室外熱交換器が設けられ、
    前記補助凝縮器と前記室外熱交換器との間に前記差圧弁が設けられることを特徴とする請求項2または3に記載の車両用冷暖房装置。
  5. 前記複数の凝縮器として、車室外に配置されて冷房運転時に冷媒を放熱させる室外凝縮器として機能する一方、暖房運転時には冷媒を蒸発させる室外蒸発器として機能する室外熱交換器と、前記室外熱交換器とは別に冷媒を放熱させる補助凝縮器と、を備え、
    前記室外熱交換器が室外凝縮器として機能するときに前記圧縮機に対して並列となる第1冷媒循環通路と第2冷媒循環通路が形成され、前記第1冷媒循環通路に前記室外熱交換器が設けられ、前記第2冷媒循環通路に前記補助凝縮器が設けられ、
    前記室外熱交換器が室外蒸発器として機能するときに前記圧縮機に対して並列となる第3冷媒循環通路と第4冷媒循環通路が形成され、前記第3冷媒循環通路に前記室外熱交換器が設けられ、前記第4冷媒循環通路に前記室内蒸発器が設けられることを特徴とする請求項1に記載の車両用冷暖房装置。
  6. 前記補助凝縮器が車室内を暖めるための熱交換器として設けられ、
    前記室外熱交換器が室外凝縮器として機能するときに前記室外熱交換器の上流側となる位置に前記差圧弁が設けられることを特徴とする請求項5に記載の車両用冷暖房装置。
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