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JP2012020471A - 積層フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

積層フィルムおよびその製造方法 Download PDF

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JP2012020471A
JP2012020471A JP2010159748A JP2010159748A JP2012020471A JP 2012020471 A JP2012020471 A JP 2012020471A JP 2010159748 A JP2010159748 A JP 2010159748A JP 2010159748 A JP2010159748 A JP 2010159748A JP 2012020471 A JP2012020471 A JP 2012020471A
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olefin
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JP2010159748A
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Ryosuke Yugi
亮祐 油木
Akisuke Matsuda
明祐 松田
Naomi Urakawa
奈央美 浦川
Makoto Nakano
誠 中野
Yasuhiro Kitahara
泰広 北原
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Mitsui Chemicals Inc
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

【課題】諸物性が改善された積層フィルムおよび該フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】
特定のシンジオタクティックポリプロピレン重合体と、特定のプロピレン・α−オレフィン共重合体を含有するプロピレン系重合体組成物からなるポリプロピレン系樹脂フィルム(X)の少なくとも片面に、1層以上からなる金属/金属酸化薄膜層(Y)が積層されている積層フィルムであって、該積層フィルムが特定の要件を同時に満たす積層フィルム(Z)を採用することで、積層フィルム(Z)として、透明性だけでなく、耐熱性、耐摩耗性、紫外線透過性、耐湿熱性など他の諸物性が改善された積層フィルムおよびその製造方法を完成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、積層フィルムおよびその製造方法に関する。
透明性や耐熱性などさまざまな機能性を付与した積層フィルムをガラスや透明性プラスチックなどの従来製品と組み合わせて使用される機会が増えてきている。たとえば、熱線カット機能を高めた建築物や自動車の窓、あるいは表示装置等の分野においては、透明性を有するベースフィルムの少なくとも片面に、金属酸化物よりなる高屈折率薄膜と金属薄膜とを交互に積層した積層フィルムが用いられることがある。
積層フィルムにおけるベースフィルムには、高可視光透過性、低可視光反射性などの点からPETフィルムなどが用いられることが多いが(特許文献1〜2など)、PETは紫外領域に吸収波長を有するため、フィルムの色調がやや赤味を帯びる傾向があり、ベースフィルムの透明性を改善した金属蒸着性を持たせたポリプロピレン系フィルムなども提唱されている(特許文献3など)。
さらに近年では、高機能化の要求の強まりに伴い、積層フィルムの諸物性の向上、特にベースフィルムの片面が積層フィルムの表面となる積層フィルムにおいては、ベースフィルムの特性の向上が強く求められている。
特開2006−328353号公報 特開2009−241581号公報 特開2006−52315号公報
本発明は、上記課題、すなわち諸物性(透明性、紫外線透過性、耐湿熱性など)が改善された積層フィルムおよび該フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために、ベースフィルムの改善に着目し、本発明、より具体的には特定のプロピレン系重合体組成物からなるポリプロピレン系樹脂フィルム(X)を採用することで、積層フィルム(Z)として、透明性だけでなく、耐熱性、耐摩耗性、紫外線透過性、耐湿熱性など他の諸物性が改善された積層フィルムおよびその製造方法を完成した。
すなわち、本発明の概要は以下のとおりである。
〔1〕(A)下記要件(a)を充足するシンジオタクティックポリプロピレン重合体100重量部〜25重量部と、(B)下記要件(b)を充足するプロピレン・α−オレフィン共重合体0重量部〜75重量部(ただし、(A)と(B)の合計を100重量部とする。)を含有するプロピレン系重合体組成物からなるポリプロピレン系樹脂フィルム(X)の少なくとも片面に、1層以上からなる金属/金属酸化薄膜層(Y)が積層されている積層フィルムであって、該積層フィルムが下記要件(1)〜(4)を同時に満たす積層フィルム(Z)。
(a):13C-NMRにより測定されるシンジオタクティックペンタッド分率(rrrr分率)が85%以上であり、示差走査熱量計(DSC)より求められる融点(Tm)が145℃以上であり、プロピレン単位を90モル%(ただし、プロピレン由来の構成単位と任意に含んでいてもよい炭素数2〜20のα−オレフィン(プロピレンを除く)由来の構成単位との合計を100モル%とする。)を超える量で含有する、
(b):プロピレン単位を55〜90モル%(ただし、該共重合体(B)中の構成単位の全量を100モル%とする。)含有し、炭素原子数2〜20のα−オレフィン(プロピレンを除く)から選ばれる少なくとも1種のα−オレフィン単位を10〜45モル%(ただし、プロピレン単位と炭素数2〜20のα−オレフィン(ただしプロピレンを除く)単位との合計を100モル%とする。)含有し、JIS K−6721に準拠して230℃、2.16kg荷重にて測定したMFRが0.01〜100g/10分の範囲にあり、かつ下記要件(b−1)または(b−2)のいずれか1つ以上を満たす;
(b−1):13C-NMR法により測定したシンジオタクティックトライアッド分率(rr分率)が60%以上である、
(b−2):135℃デカリン中で測定した極限粘度[η](dL/g)と前記MFR(g/10分、230℃、2.16kg荷重)とが下記の関係式を満たす。
1.50×MFR(-0.20)≦[η]≦2.65×MFR(-0.20)
(1):積層フィルム(Z)の膜厚が10〜500μm
(2):積層フィルム(Z)の光線透過率が70〜99%
(3):積層フィルム(Z)の350nmにおける光線透過率が70〜99%
(4):積層フィルム(Z)の120℃での30分間の熱水処理前後での光線透過率の減少率が0〜15%の範囲
〔2〕前記ポリプロピレン系樹脂フィルム(X)が、以下の要件(x1)を満たす〔1〕の積層フィルム(Z)。
(x1):示差走査熱量計(DSC)により測定した融点(Tm)が145℃以上である。
〔3〕前記プロピレン系重合体組成物が、さらに下記条件(c)を充足するエチレン・α―オレフィン共重合体(C)を、(A)および(B)の合計100重量部に対し、1〜100重量部含有する〔1〕〜〔2〕の積層フィルム(Z)。
(c):エチレン単位を50〜99モル%、炭素原子数3〜20のα−オレフィン単位を1〜50モル%(ただし、該共重合体(C)中の構成単位の全量を100モル%とする。)含有する。
〔4〕〔1〕〜〔3〕いずれか1項に記載の積層フィルム(Z)を製造する方法であって、前記ポリプロピレン系樹脂フィルム(X)の少なくとも一面に表面処理を行ったのちに1層以上からなる前記金属/金属酸化薄膜層(Y)を積層して積層フィルム(Z)を製造する方法。
〔5〕前記表面処理がコロナ処理である〔4〕の積層フィルム(Z)を製造する方法。
本発明の積層フィルム(Z)は、透明性、紫外線透過性、耐湿熱性などに優れている。さらに、ポリプロピレン系樹脂フィルム(X)が耐熱性、耐摩耗性、耐傷付き性、柔軟性などにも優れているので、本発明の積層フィルム(Z)は製造プロセスの観点からも優れている。また、ポリプロピレン系樹脂フィルム(X)の片面が積層フィルムの表面となる実施態様の積層フィルム(すなわちポリプロピレン系樹脂フィルム(X)の片面のみに、1層以上からなる金属/金属酸化薄膜層(Y)が積層されている積層フィルム)においては、積層フィルム(Z)の表面の耐摩耗性、耐傷付き性、耐候性なども優れるため、著しい効果を有する。
本発明の積層フィルム(Z)の実施態様の一例である。
10 ポリプロピレン系樹脂フィルム(X)
20 金属/金属酸化薄膜層(Y)
ポリプロピレン系樹脂フィルム(X)
本発明のポリプロピレン系樹脂フィルム(X)は、後に詳述する下記要件(a)を充足するシンジオタクティックポリプロピレン重合体(A)100重量部〜25重量部、成形性、耐熱性の観点から好ましくは100重量部〜35重量部と、後に詳述する下記要件(b)を充足する(B)プロピレン・α−オレフィン共重合体(B)を0重量部〜75重量部、好ましくは0重量部〜65重量部と(ただし、(A)と(B)の合計を100重量部とする。)含有し、さらに必要に応じて使用される後に詳述する(C)エチレン・α−オレフィンランダム共重合体を含有するプロピレン系重合体組成物からなるフィルムである。さらに、酸化防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、造核剤、滑剤、難燃剤、アンチブロッキング剤、着色剤、無機質および有機質の充填剤ならびに種々の合成樹脂などの各種添加剤も、本発明の効果を大きく損なわない範囲において配合していてもよい。また、耐熱性の点から、ポリプロピレン系樹脂フィルム(X)が下記の要件(x1)を満たしていることがより好ましい。
要件(x1)
示差走査熱量計(DSC)により測定した融点(Tm)が145℃以上(より好ましくは145℃〜170℃であり、さらに好ましくは150℃〜170℃、特に好ましくは154℃以上170℃以下)
要件(a)
13C-NMRにより測定されるシンジオタクティックペンタッド分率(rrrr分率)が85%以上、成形性、耐熱性、透明性の観点から好ましくは90%以上、より好ましくは93%以上であり、示差走査熱量計(DSC)より求められる融点(Tm)が145℃以上、(耐熱性の点からより好ましくは145℃〜170℃であり、さらに好ましくは150℃〜170℃、特に好ましくは154℃以上170℃以下)プロピレン単位を90モル%(ただし、プロピレン由来の構成単位と任意に含んでいてもよい炭素数2〜20のα−オレフィン(プロピレンを除く)由来の構成単位との合計を100モル%とする。)を超える量で含有する。
要件(b)
プロピレン単位を55〜90モル%(ただし、該共重合体(B)中の構成単位の全量を100モル%とする。)含有し、炭素原子数2〜20のα−オレフィン(プロピレンを除く)から選ばれる少なくとも1種のα−オレフィン単位を10〜45モル%、好ましくは15〜45モル%(ただし、プロピレン単位と炭素数2〜20のα−オレフィン(ただしプロピレンを除く)単位との合計を100モル%とする。)含有し、JIS K−6721に準拠して230℃、2.16kg荷重にて測定したMFRが0.01〜100g/10分の範囲にあり、より好ましくは0.02〜100g/10分の範囲にあり、かつ下記要件(b−1)または(b−2)のいずれか1つ以上を満たす;
(b−1):13C-NMR法により測定したシンジオタクティックトライアッド分率(rr分率)が60%以上である。
(b−2):135℃デカリン中で測定した極限粘度[η](dL/g)と前記MFR(g/10分、230℃、2.16kg荷重)とが下記の関係式を満たす。

1.50×MFR(-0.20)≦[η]≦2.65×MFR(-0.20)
ポリプロピレン系樹脂フィルム(X)の成形方法
成形方法としては、特に限定されないが、経済面を考慮すると、インフレーション法および(共)押出Tダイ法を用いることが好ましい。すなわち、前記ペレットを押出機および円形ダイスを用いて溶融押し出しし、スパイラルまたはスリットダイを介して押し出し、所定の空気流によって膨張させるインフレーション法によりフィルム作製が行なわれる。また冷却方法としては、水冷式または空冷式がある。
なお、水冷インフレーション成形法の条件は特に限定されないが、成形温度は190〜280℃、水冷温度は10〜60℃が好ましい。
また、前記ペレットを押出機および円形ダイスを用いて溶融押し出しし、コートハンガーダイスおよびT-ダイスを用いて押し出し、冷却して成形する押出成形によりフィルム作製が行われる。多層にする場合は、多層Tダイ法、ドライラミネーション法、押出ラミネーション法、カレンダー成形法などが用いられる。成形条件は特に限定されないが、成形温度は190〜280℃、チルロールの冷却温度は10〜80℃が好ましい。
以下、各成分について詳細に説明する。
(A)シンジオタクティックポリプロピレン重合体
本発明で用いられるシンジオタクティックプロピレン重合体(A)は、下記の特性を有していれば、ホモポリプロピレンであっても、プロピレン・炭素原子数2〜20のα−オレフィン(プロピレンを除く)ランダム共重合体であっても、プロピレンブロック共重合体であってもよいが、好ましくはホモポリプロピレンあるいはプロピレン-炭素原子数2〜20のα−オレフィンランダム共重合体である。特に好ましいのは、プロピレンとエチレンまたは炭素原子数4〜10のα−オレフィンとの共重合体、プロピレンとエチレンと炭素原子数4〜10のα−オレフィンとの共重合体であり、ホモポリプロピレンが特に耐熱性、耐傷付き性などの点などから好ましい。
ここで、プロピレン以外の炭素原子数2〜20のα−オレフィンとしては、エチレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、3-メチル-1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセンなどが挙げられる。なお通常、プロピレン単位は、炭素原子数2〜20のα−オレフィン(プロピレンを含む)単位の合計100モル%に対して、90モル%を超える量、好ましくは91mol%以上含んでいる。言い換えると本発明のシンジオタクティックプロピレン重合体(A)は、通常、プロピレン単位を90モル%を超えて100モル%以下の量で、および炭素原子数2〜20のα−オレフィン(プロピレンを除く)単位を0モル%以上10モル%未満の量で含有する(ここでプロピレン単位と炭素数2〜20のα−オレフィン(プロピレンを除く)単位との合計を100モル%とする)が、特にプロピレン単位を91モル%以上、100モル%以下の量で、および炭素原子数2〜20のα−オレフィン(プロピレンを除く)単位を0モル%以上9モル%以下の量で含有することが好ましい。
シンジオタクティックプロピレン重合体(A)がプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体である場合には、炭素原子数2〜20のα−オレフィン(プロピレンを除く)単位を0.3〜7モル%の量で、好ましくは0.3〜6モル%、更に好ましくは0.3〜5モル%の量で含有していることが好ましい。
本発明で用いられるシンジオタクティックプロピレン重合体(A)は、NMR法により測定したシンジオタクティックペンタッド分率(rrrr分率、ペンタッドシンジオタクティシテー)が85%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは93%以上、さらに好ましくは94%以上であるものであり、rrrr分率がこの範囲のシンジオタクティックプロピレン重合体(A)は成形性、耐熱性と透明性に優れ、結晶性のポリプロピレンとしての特性が良好で好ましい。なおrrrr分率の上限は特にはないが100%以下であり通常は、例えば99%以下である。
このシンジオタクティックペンタッド分率(rrrr分率)は、以下のようにして測定される。
rrrr分率は、13C-NMRスペクトルにおけるPrrrr(プロピレン単位が5単位連続してシンジオタクティック結合した部位における第3単位目のメチル基に由来する吸収強度)およびPw (プロピレン単位の全メチル基に由来する吸収強度)の吸収強度から下記式(1)により求められる。
rrrr分率(%)=100×Prrrr/Pw …(1)
NMR測定は、たとえば次のようにして行われる。すなわち、試料0.35gをヘキサクロロブタジエン2.0mlに加熱溶解させる。この溶液をグラスフィルター(G2)で濾過した後、重水素化ベンゼン0.5mlを加え、内径10mmのNMRチューブに装入する。そして日本電子製GX-500型NMR測定装置を用い、120℃で13C-NMR測定を行う。積算回数は、10,000回以上とする。
(A)シンジオタクティックポリプロピレン重合体の製造方法
本発明に関わるプロピレン系重合体(A)は、メタロセン触媒の存在下で製造されることが好ましい。シンジオタクティックポリプロピレン重合体(A)の製造に使用するメタロセン触媒としては、メタロセン化合物、ならびに有機金属化合物、有機アルミニウムオキシ化合物およびメタロセン化合物と反応してイオン対を形成することのできる化合物から選ばれる少なくとも1種以上の化合物、さらに必要に応じて粒子状担体とからなるメタロセン触媒で、国際公開公報WO2006/123759号公報中に既に開示されている架橋性メタロセン化合物が好適に用いられる。この際、立体規則性、分子量ともに高いポリマーを得るためには重合温度を下げることが有効であり、耐熱性に優れたポリマーを得ることが出来る。
(B)プロピレン・α−オレフィン共重合体
プロピレン・α−オレフィン共重合体(B)はプロピレン単位を55〜90モル%の量で含有し、炭素原子数2〜20のα−オレフィン(プロピレンを除く)から選ばれる少なくとも1種のオレフィン単位を10〜45モル%の量で含有するプロピレン・α−オレフィン共重合体であって、JIS K−6721に準拠して230℃、2.16kg荷重にて測定したMFRが0.01〜100g/分の範囲にあり、かつ下記要件(b−1)および(b−2)のいずれか一つ以上を満たすことを特徴とする。
(b−1):13C-NMR法により測定したシンジオタクティックトライアッド分率(rr)が60%以上である。
(b−2):135℃デカリン中で測定した極限粘度[η](dL/g)とJIS K−6721に準拠して230℃、2.16kg荷重にて測定したMFR(g/10分)が下記の関係式を満たす。

1.50×MFR(-0.20)≦[η]≦2.65×MFR(-0.20)

プロピレン・α−オレフィン共重合体(B)は、プロピレン単位を55〜90モル%の量、炭素原子数2〜20のα−オレフィン(プロピレンを除く)単位を10〜45モル%の量を含有する。
ここでプロピレンから導かれる構成単位、炭素原子数2〜20のα−オレフィン(プロピレンを除く)単位の合計は100モル%である。 また、炭素原子数2〜20のα−オレフィン(プロピレンを除く)としては、エチレン、3-メチル-1-ブテン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセンなどが挙げられる。特にエチレン、1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテンが好ましい。
また、上記のようなプロピレン・α−オレフィン共重合体(B)に用いられる炭素原子数2〜20のα−オレフィン(プロピレンを除く)としてはエチレンとブテンが好ましい。エチレン由来の構成単位は、好ましくは5〜35モル%、より好ましくは5〜25モル%であり、ブテン由来の構成単位は、好ましくは0〜45モル%、より好ましくは0〜40モル%である。ここでプロピレンから導かれる構成単位、炭素原子数2〜20のα−オレフィン(プロピレンを除く)単位の合計は100モル%である。
また、上記のようなプロピレン・α−オレフィン共重合体(B)のうちでも、プロピレン単位とエチレン単位と1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテンまたは1-オクテンのいずれか(HAOコモノマーということがある)の構成単位とからなり、HAOコモノマー単位の割合(モル%)がエチレン単位の割合(モル%)よりも多いプロピレン・エチレン・HAO共重合体が好ましい態様の1つである。
またこれら好ましい範囲のポリマーであるプロピレン・エチレン共重合体やプロピレン・エチレン・HAO共重合体においては前記(b−1)および(b−2)のいずれも満たすことが好ましい。
本発明で使用するプロピレン・α−オレフィン共重合体(B)は、JIS K−6721に準拠して230℃、2.16kg荷重にて測定したMFRが0.01〜100g/10分の範囲にあることが好ましく、0.02〜100g/10分の範囲にあることがより好ましい。
本発明で使用するプロピレン・α−オレフィン共重合体(B)は、以下の(b−1)および(b−2)のうち少なくとも1つを満たす。
(b−1)13C−NMR法により測定したシンジオタクティックトライアッド分率(rr分率、トライアッドシンジオタクティシティー)が60%以上である。
(b−2)135℃デカリン中で測定した極限粘度[η](dL/g)と、前記MFR(g/10分、230℃、2.16kg荷重)とが下記の関係式を満たす。
1.50×MFR(-0.20)≦[η]≦2.65×MFR(-0.20)
まず要件(b−1)について説明する。
(b−1):プロピレン・α−オレフィン共重合体(B)の13C−NMR法により測定したシンジオタクティックトライアッド分率(rr分率、トライアッドシンジオタクティシテー)が60%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは75%以上であり、rr分率がこの範囲にあるプロピレン・α−オレフィン共重合体(B)は、シンジオタクィックプロピレン重合体(A)と相容性が良好で好ましい。
rr分率は、13C-NMRスペクトルにおけるPrr(プロピレン単位が3単位連続してシンジオタクティック結合した部位における第2単位目のメチル基に由来する吸収強度)およびPw (プロピレン単位の全メチル基に由来する吸収強度)の吸収強度から下記式(2)により求められる。
rr分率(%)=100×Prr/Pw …(2)
ここで、mr由来の吸収(プロピレン単位が3単位の内、少なくともシンジオタクティック結合とアイソタクティック結合の両方から由来する吸収、Pmr(吸収強度)の決定に用いる)、rr由来の吸収(プロピレン単位が3単位連続してシンジオタクティック結合した部位における第2単位目のメチル基に由来する吸収、Prr(吸収強度)の決定に用いる)、またはmm由来の吸収(プロピレン単位が3単位連続してアイソタクティック結合した部位における第2単位目のメチル基に由来する吸収、Pmm(吸収強度)の決定に用いる)と、コモノマーに由来する吸収とが重なる場合には、コモノマー成分の寄与を差し引かずそのまま算出する。
具体的には、特開2002-097325号公報の[0018]〜[0031]までに記載された「シンジオタクティシティパラメータ(SP値)」の求め方の記載のうち、[0018]〜[0023]までを行い、第1領域、第2領域、第3領域のシグナルの積算強度から上記式(2)により計算することにより求める。
また本発明では、特にrr1値、具体的には特開2002-097325号公報の[0018]〜[0031]までに記載された「シンジオタクティシティパラメータ(SP値)」の求め方(当該引用箇所の記載も本明細書の内容に含まれる。)に従って求めた値が、60%以上、好ましくは65%以上、より好ましくは70%以上であるものであることがより好ましい。rr1値は、言い換えると前記rr値の計算において、mr由来の吸収(プロピレン単位が3単位の内、少なくともシンジオタクティック結合とアイソタクティック結合の両方から由来する吸収、Pmr(吸収強度)の決定に用いる)、rr由来の吸収(プロピレン単位が3単位連続してシンジオタクティック結合した部位における第2単位目のメチル基に由来する吸収、Prr(吸収強度)の決定に用いる)、またはmm由来の吸収(プロピレン単位が3単位連続してアイソタクティック結合した部位における第2単位目のメチル基に由来する吸収、Pmm(吸収強度)の決定に用いる強度)と、コモノマーに由来する吸収とが重なる場合には、コモノマー成分の寄与を差し引いたものである。
rr値およびrr1値の測定において、NMR測定は、たとえば次のようにして行われる。すなわち、試料0.35gをヘキサクロロブタジエン2.0mlに加熱溶解させる。この溶液をグラスフィルター(G2)で濾過した後、重水素化ベンゼン0.5mlを加え、内径10mmのNMRチューブに装入する。そして日本電子製GX-400型NMR測定装置を用い、120℃で13C-NMR測定を行う。積算回数は、8,000回以上とする。
次に要件(b−2)について説明する。
(b−2):本発明で使用するプロピレン・α−オレフィン共重合体(B)は、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η](dL/g)とJIS K−6721に準拠して230℃、2.16kg荷重にて測定したMFR(g/10分)が下記の関係式を満たす。

1.50×MFR(-0.20)≦[η]≦2.65×MFR(-0.20)

より好ましくは

1.80×MFR(-0.20)≦[η]≦2.50×MFR(-0.20)

この関係式を充足するプロピレン・α−オレフィン共重合体(B)はシンジオタクティックプロピレン重合体(A)と相容性が良好で好ましい。
上記式を満たすプロピレン・α−オレフィン共重合体(B)は、例えばシンジオタクティックプロピレンを製造可能な触媒でプロピレンとα−オレフィンとを共重合して得ることができ、また例えば後述するような触媒を用いて製造しても良い。このような材料はシンジオタクティックプロピレン重合体(A)と相容性が良好で好ましい。
(b−2)を満たすプロピレン・α−オレフィン共重合体は、従来のアイソタクティックプロピレン系共重合体に比べて同一[η]で大きなMFRを示す。
これは、例えば、Macromolecules 31、1335−134(1998)にも記載されているようにアイソタクティックポリプロピレンの絡み合い点間分子量(当該論文ではMe=6900(g/mol)と報告されている)と、シンジオタクティックポリプロピレンの絡み合い点間分子量(論文ではMe=2170(g/mol)と報告されている)との違いに起因すると考えられる。即ち、同一[η]ではシンジオ構造を持つことにより、アイソ構造を有する材料に対して絡み合い点が多くなり、MFRが大きくなると考えられ、かかる技術的推論に基づき、好ましい範囲を定量的にあらわしたものが上記の関係式である。
以上のように(b−1)および(b−2)の内いずれか1つ以上を満たす(B)プロピレン・α−オレフィン共重合体は、アイソタクティック構造を有するプロピレン・α−オレフィン共重合体とは異なった立体規則性を有したポリマーであり、シンジオタクティック構造を有するものと考えられる。このためにプロピレン・α−オレフィン共重合体(B)は(A)成分と相溶性が良いものと考えられる。
プロピレン・α−オレフィン共重合体(B)の135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]は、0.1〜10dL/g、好ましくは0.5〜8.0dL/g、より好ましくは1.0〜7.0dL/g、さらに好ましくは1.0〜5.0dL/gであることが望ましい。
このプロピレン・α−オレフィン共重合体(B)は、X線回折で測定した結晶化度が好ましくは20%以下、より好ましくは0〜15%である。
このプロピレン・α−オレフィン共重合体(B)は、単一のガラス転移温度を有し、示差走査熱量計(DSC)測定により得られるガラス転移温度(Tg)が、通常は0℃以下であること好ましい。プロピレン・α−オレフィン共重合体(B)のガラス転移温度(Tg)が前記範囲内にあると、耐寒性、低温特性に優れる。
示差走査熱量計は、たとえば次のようにして行われる。試料10.00mg程度を専用アルミパンに詰め、セイコーインスツルメント社製DSCRDC220を用い、30℃から200℃までを200℃/minで昇温し、200℃で5分間保持したのち、200℃から−100℃までを10℃/minで降温し、−100℃でさらに5分間保持したのち、次いで10℃/minで昇温する際の吸熱曲線より前記ガラス転移温度(Tg)を求める。
また、このプロピレン・α−オレフィン共重合体(B)のGPCにより測定した分子量分布(Mw/Mn、ポリスチレン換算、Mw:重量平均分子量、Mn:数平均分子量)は好ましくは3.5以下、より好ましくは3.0以下、さらに好ましくは2.5以下である。
(B)プロピレン・α−オレフィン共重合体の製造方法
本発明に関わるプロピレン系重合体(B)は、メタロセン触媒の存在下で製造されることが好ましい。プロピレン・α−オレフィン共重合体(B)の製造に使用するメタロセン触媒としては、メタロセン化合物、ならびに有機金属化合物、有機アルミニウムオキシ化合物およびメタロセン化合物と反応してイオン対を形成することのできる化合物から選ばれる少なくとも1種以上の化合物、さらに必要に応じて粒子状担体とからなるメタロセン触媒で、国際公開公報WO2006/123759号公報中に既に開示されている架橋性メタロセン化合物が好適に用いられる。この際、立体規則性、分子量ともに高いポリマーを得るためには重合温度を下げることが有効であり、耐熱性に優れたポリマーを得ることが出来る。
エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(C)
本発明で用いられるエチレン・α-オレフィンランダム共重合体(C)としては、下記の要件(c)を満たすエチレン・α−オレフィン共重合体が望ましい。
要件(c)
エチレン単位を50〜99mol%の量で含有し、エチレン以外の炭素原子数3〜20のα−オレフィン単位を1〜50mol%の量で含有する(エチレンとα−オレフィンの合計を100モル%とする)
好ましくはエチレン単位を60〜95mol%の量で含有し、エチレン以外の炭素原子数3〜20のα−オレフィン単位を5〜40モル%の量で含有する(エチレンとα−オレフィンの合計を100モル%とする)し、密度が910〜850kg/m3であり、JISK-6721に準拠して、190℃で2.16kgの荷重にて測定したMFRが0.01〜100g/10分の範囲にあることで特に耐衝撃性と透明性のバランスが向上する。
より好ましくはエチレン単位を80〜95mol%の量で含有し、エチレン以外の炭素原子数3〜20のα−オレフィン単位を5〜20モル%の量で含有する(エチレンとα−オレフィンの合計を100モル%とする)し、密度が900〜860kg/m3であり、JIS K-6721に準拠して、190℃で2.16kgの荷重にて測定したMFRが0.05〜10g/10分の範囲にあることで更に耐衝撃性と透明性のバランスが向上する。
エチレンと共重合させるα−オレフィンは、炭素原子数3〜20のα−オレフィンであり、具体的には、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセン、1-ヘキサドデセン、1-オクタデセン、1-ノナデセン、1-エイコセン、4-メチル-1- ペンテンなどが挙げられる。これらの内でも、炭素原子数3〜10のα−オレフィンが好ましい。特にプロピレン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテンが好ましい。これらのα−オレフィンは、単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いられる。
また、エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(C)は、これらの単位の他に、本発明の目的を損なわない範囲で、他の重合性モノマー単位を含有していてもよい。このような他の重合性モノマーとしては、たとえばスチレン、ビニルシクロペンテン、ビニルシクロヘキサン、ビニルノルボルナン等のビニル化合物類;酢酸ビニル等のビニルエステル類;無水マレイン酸等の不飽和有機酸またはその誘導体;ブタジエン、イソプレン、ペンタジエン、2,3-ジメチルブタジエン等の共役ジエン類;1,4-ヘキサジエン、1,6-オクタジエン、2-メチル-1,5-ヘキサジエン、6-メチル-1,5-ヘプタジエン、7-メチル-1,6-オクタジエン、ジシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、ジシクロオクタジエン、メチレンノルボルネン、5-ビニルノルボルネン、5-エチリデン-2-ノルボルネン、5-メチレン-2-ノルボルネン、5-イソプロピリデン-2-ノルボルネン、6-クロロメチル-5-イソプロペンル-2-ノルボルネン、2,3-ジイソプロピリデン-5-ノルボルネン、2-エチリデン-3-イソプロピリデン-5-ノルボルネン、2-プロペニル-2,2-ノルボルナジエン等の非共役ポリエン類などが挙げられる。なお非共役ジエン、非共役ポリエンを含まないことも好ましい態様の一つである。
エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(C)は、このような他の重合性モノマー単位を、50モル%以下の量で含有していてもよい。
エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(C)としては、具体的には、エチレン・プロピレンランダム共重合体、エチレン・1-ブテンランダム共重合体、エチレン・プロピレン・1-ブテンランダム共重合体、エチレン・プロピレン・エチリデンノルボルネンランダム共重合体、エチレン・1-ブテン・1-オクテンランダム共重合体、エチレン・4-メチル-1-ペンテンランダム共重合体、エチレン・1-ヘキセンランダム共重合体、エチレン・1-オクテンランダム共重合体などが挙げられる。これらのうちでも、エチレン・プロピレンランダム共重合体、エチレン・1-ブテンランダム共重合体、エチレン・1-ブテン・1-オクテンランダム共重合体、エチレン・1-ヘキセンランダム共重合体、エチレン
・1-オクテンランダム共重合体などが特に好ましく用いられる。これらの共重合体は、2種以上併用してもよい。
また、本発明で用いられるエチレン・α−オレフィンランダム共重合体(C)は、X線回折法により測定される結晶化度が通常40%以下、好ましくは0〜39%、さらに好ましくは0〜35%である。また本発明で用いられるエチレン・α−オレフィンランダム共重合体(C)は、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が通常0.1〜10dL/g、より好ましくは0.5〜5dL/gである。
本発明においては(C)成分を用いることで、特に耐衝撃性と透明性のバランスが向上する。上記のようなエチレン・α−オレフィンランダム共重合体は、バナジウム系触媒、チタン系触媒またはメタロセン系触媒などを用いる従来公知の方法により製造することができる。エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(C)として、たとえば市販品を用いてもよく、三井化学社製の商品名:「タフマーTM」などを用いてもよい。
必要に応じて(C)前記エチレン・α−オレフィン共重合体を前記(A)と(B)の合計100重量部に対し、(C)を1〜100重量部とを含んでなるものが好ましい。
各成分の含量がこの範囲にあると、特に耐熱性(フィルムのTm)に優れ、さらに透明性、柔軟性および低温耐衝撃性に優れたフィルムが得られるため好ましい。なお柔軟性が良好で低温耐衝撃性に優れたポリプロピレン系樹脂フィルムを必要とする場合、(A)前記シンジオタクティックプロピレン重合体 100〜25重量部と、(B)前記プロピレン・α−オレフィン共重合体 0〜75重量部(ただし、(A)と(B)の合計を100重量部とする)と、(A)と(B)の合計100重量部に対し、(C)前記エチレン・α−オレフィン共重合体1〜100重量部とを含んでなるポリプロピレン樹脂が好ましい。
より好ましくはシンジオタクティックプロピレン重合体(A)が100〜25重量部、さらに好ましくは100〜35重量部、プロピレン・α−オレフィン共重合体(B)が好ましくは0〜75重量部、より好ましくは0〜65重量部である。上記のようなポリプロピレン樹脂は、押出成形法、インフレーション成形法を採用することによって、本発明のポリプロピレン系樹脂フィルムに成形することができる。
積層フィルム(Z)
本発明の積層フィルム(Z)は上述のポリプロピレン系樹脂フィルム(X)および該フィルム(X)の片面または両面に1層以上からなる金属/金属酸化薄膜層(Y)させたフィルムである。当該フィルム(Z)は以下に詳述する要件(1)〜(3)を同時に満たす。フィルムである。
要件(1)
積層フィルム(Z)の膜厚が10〜500μm
フィルムの厚さは、取扱いのしやすさ、強度などの観点から、10μm以上が好ましく、また、透明性、柔軟性などの観点から500μm以下が好ましい。
要件(2)
積層フィルム(Z)の光線透過率が70〜99%(好ましくは75〜99%)
光線透過率が70%未満の場合、窓や、表示基材に用いた場合などに視認性が不十分となることがある。
要件(3)
積層フィルム(Z)の120℃での30分間の熱水処理前後での光線透過率の減少率が0〜15%(好ましくは10%以下)の範囲
水処理後の光線透過率の減少率が15%以上の場合は、121℃の高温滅菌処理による透明度の低下が著しい。なお「光線透過率」は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。また、「光線透過率の減少率」とは、以下の式から算出される値である。
Figure 2012020471
積層フィルム(Z)の製造方法
上記の金属蒸着用フィルム表面に蒸着される金属としては、具体的には、アルミニウム、銀、ケイ素、亜鉛、金、白金、銅、クロム、チタン、スズ、ニッケル、コバルト、ニオブ、タンタル、タングステン、ジルコニウム、鉛、パラジウム、インジウム、ビスマスなどの金属や、これら金属の合金などが挙げられる。
また、上記のポリプロピレンフィルム表面に蒸着される金属酸化物としては、具体的には、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化イリジウム、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化インジウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、酸化セリウムなどの金属酸化物や、ITO(インジウムとスズの酸化物)などのような2種類以上の金属を有する複酸化物などが挙げられる。
上記のフィルム表面に形成される金属または金属酸化物の薄膜の厚さは、通常5〜110nm、好ましくは20〜105nmである。
上述のポリプロピレン系樹脂フィルム(X)および該フィルム(X)表面に上記の金属または金属酸化物を蒸着して薄膜を形成する方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、MBE法、レーザーアブレーション、熱CVD法、プラズマCVD法、ゾル−ゲル法などが挙げられる。
本発明においては、メタロセン系オレフィン重合用触媒を用いて調製されたポリプロピレン系樹脂フィルム(X)および該フィルム(X)の片面または両面に、金属または金属酸化物の薄膜を形成する前に、フィルムの被蒸着面にコロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理、オゾン処理、UV処理、グロー放電処理、化学的処理等のうち一つ以上の処理を施してもよいし、あるいはフィルムの被蒸着面にプライマー層を形成してもよい。このプライマー層は、たとえばウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂等を、各種の塗布方法により0.01〜1g/m2、好ましくは0.05〜0.6g/m2の塗布量で塗布して形成される。
本発明の積層フィルムの用途は特に限定されないが、包装部材、自動車部材、建材、電子部材に好適であり、具体的には菓子、飲料、調味料等の食品、医薬品、産業資材、日用品、化学薬品などの包装材料、熱線カットフィルム、ディスプレイ用部材、タッチパネル部材、調光フィルム、電磁波シールドフィルム、ガスバリアフィルム、などが挙げられる。
〔実施例〕
以下実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例になんら限定されるものではない。
なお、実施例における各種物性は下記の方法で測定した。
[極限粘度[η]]
デカリン溶媒を用いて、135℃で測定した値である。すなわち重合パウダー、ペレットまたは樹脂塊約20mgをデカリン15mlに溶解し、135℃のオイルバス中で比粘度ηspを測定した。このデカリン溶液にデカリン溶媒を5ml追加して希釈後、同様にして比粘度ηspを測定した。この希釈操作をさらに2回繰り返し、濃度(C)を0に外挿した時のηsp/Cの値を極限粘度として求めた(下式参照)。
[η]=lim(ηsp/C) (C→0)
[融点(Tm)]
パーキンエルマー社製DSCPyris1またはDSC7を用い、窒素雰囲気下(20
ml/min)、約5mgの試料を200℃まで昇温・10分間保持した後、10℃/分で30℃まで冷却した。30℃で5分間保持した後、10℃/分で200℃まで昇温させた時の結晶溶融ピークのピーク頂点から融点を算出した。
[MFR]
シンジオタクティックプロピレン重合体(A)およびプロピレン・α-オレフィン共重
合体(B)のMFRは、JIS K-6721に準拠して、230℃で2.16kgの荷
重にて測定した。
<立体規則性rrrrおよびrr>
立体規則性(rrrrおよびrr)は13C−NMRスペクトル測定から計算した。
<表面張力>
コロナ処理を行った2軸延伸フィルムについて、JIS K 6768に準拠して、純
正化学(株)製ぬれ指数標準液を用いて、23℃、RH(相対湿度)50%の条件下で測定した
<フィルムの光線透過率>
JIS K7136に準拠して、溶媒をベンジルアルコールとして測定を行った。さらに該フィ
ルムは耐圧釜にて熱水にて120℃で30分間アニール処理後に、同様の測定を行い光線透過
率の減少率を求めた。
〔実施例1〕
シンジオタクティックポリプロピレン(A−1)の合成
充分に窒素置換した内容量3m3の反応槽にn-ヘプタン1000リットルを装入し、常温にてメチルアルミノキサンのトルエン溶液(Al=1.53mol/l)を610ml(0.93mol)を滴下した。一方、充分に窒素置換した内容量5リットルの枝付きフラスコにマグネットスターラーを入れ、これにメチルアルミノキサンのトルエン溶液(Al=1.53mol/l)を610ml(0.93mol)、次いでジベンジルメチレン(シクロペンタジエニル)(3,6-ジ-tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド1.30g(1.86mmol)のトルエン溶液を加え、20分間攪拌した。この溶液を反応槽に加え、その後水素3200NLを19Nm3/hで10分間かけて供給した。その後プロピレンを65kg/時、水素は反応槽内の気相濃度が53mol%になるように供給しながら重合を開始した。水素の反応槽内の気相濃度53mol%を保ちながら、プロピレンを65kg/時の量で連続的に供給し、25℃で4時間重合を行った後、少量のジエチレングリコールモノイソプロピルエーテルを添加し、重合を停止した。得られたポリマーをヘプタン1.8m3で洗浄し、80℃で15時間減圧乾燥を行った結果、シンジオタクティックポリプロピレン(A−1)のポリマー100kgが得られた。なお、シンジオタクティックポリプロピレン(A−1)は、1.50×MFR(-0.20)≦[η]≦2.65×MFR(-0.20)を充足している。
上記シンジオタクティックポリプロピレン(A−1)を単層キャスト成形機(東芝機械(株)製単層キャストフィルム成形機SE−65−30)にてフィルム成形すると同時に連続的にフィルム表面(片側)にコロナ放電処理を施し、膜厚100μmの表面処理単層フィルム成形体を得た。樹脂の溶融温度は230℃、冷却ロール温度は30℃、コロナ放電の処理強度は210W・分/mに設定した。ポリマー物性と評価結果を表1に示す。
続いて、コロナ処理済のシンジオタクチックポリプロピレンフィルム(A−1)を透明基体として、コロナ処理面に、酸化インジウム・酸化スズ焼結体を、スパッタリングガスにアルゴン・酸素混合ガスを用いて、厚さ100nmのITO膜をマグネトロンDCスパッタリング法により形成した。全光線透過率、350nmにおける光線透過率、熱水処理前後での光線透過率の減少率を表1に示す。
〔比較例1〕
シンジオタクティクプロピレン重合体(B‐1)として、Total社製シンジオタクティックポリプロピレン(商品名:Finaplas1471、MFR=5.0g/10分)を用いた。
なお、シンジオタクティクプロピレン重合体(B‐1)は、1.50×MFR(-0.20)≦[η]≦2.65×MFR(-0.20)を充足している。
上記シンジオタクティックポリプロピレン(B−1)を単層キャスト成形機(東芝機械(株)製単層キャストフィルム成形機SE−65−30)にてフィルム成形すると同時に連続的にフィルム表面(片側)にコロナ放電処理を施し、膜厚100μmの表面処理単層フィルム成形体を得た。樹脂の溶融温度は230℃、冷却ロール温度は30℃、コロナ放電の処理強度は210W・分/mに設定した。コロナ処理後のフィルム表面には一部破れが確認され、金属蒸着が不可能であった。ポリマー物性と評価結果を表1に示す。
〔比較例2〕
アイソタクティクプロピレン重合体(B‐2)として、プライムポリマー社製ポリプロピレン(商品名:F113G、MFR=3.0g/10分)を用いた。
なお、シンジオタクティクプロピレン重合体(B‐2)は、1.50×MFR(-0.20)≦[η]≦2.65×MFR(-0.20)を充足していない。
上記アイソタクティックポリプロピレン(B−2)を単層キャスト成形機(東芝機械(株)製単層キャストフィルム成形機SE−65−30)にてフィルム成形すると同時に連続的にフィルム表面(片側)にコロナ放電処理を施し、膜厚100μmの表面処理単層フィルム成形体を得た。樹脂の溶融温度は230℃、冷却ロール温度は30℃、コロナ放電の処理強度は210W・分/mに設定した。ポリマー物性と評価結果を表1に示す。
続いて、コロナ処理済のアイソタクチックポリプロピレンフィルム(B−2)を透明基体として、コロナ処理面に、酸化インジウム・酸化スズ焼結体を、スパッタリングガスにアルゴン・酸素混合ガスを用いて、厚さ100nmのITO膜をマグネトロンDCスパッタリング法により形成した。全光線透過率、350nmにおける光線透過率、熱水処理前後での光線透過率の減少率を表1に示す。
〔比較例3〕
ポリエチレンテレフタレート(B−3)として、帝人株式会社製ポリエチレンテレフタレート(製品名:テトロンOX)を用いた。上記ポリエチレンテレフタレートフィルム(膜厚:100μm)を透明基体としてその一方の主面に、酸化インジウム・酸化スズ焼結体を、スパッタリングガスにアルゴン・酸素混合ガスを用いて、厚さ100nmのITO膜をマグネトロンDCスパッタリング法により形成した。全光線透過率、350nmにおける光線透過率、熱水処理前後での光線透過率の減少率を表1に示す。
Figure 2012020471
本発明の積層フィルムは、包装部材、自動車部材、建材、電子部材など、各種用途に利用することができる。

Claims (5)

  1. (A)下記要件(a)を充足するシンジオタクティックポリプロピレン重合体100重量部〜25重量部と、
    (B)下記要件(b)を充足するプロピレン・α−オレフィン共重合体0重量部〜75重量部(ただし、(A)と(B)の合計を100重量部とする。)を含有するプロピレン系重合体組成物からなるポリプロピレン系樹脂フィルム(X)の少なくとも片面に、1層以上からなる金属/金属酸化薄膜層(Y)が積層されている積層フィルムであって、該積層フィルムが下記要件(1)〜(4)を同時に満たす積層フィルム(Z)。
    (a):13C-NMRにより測定されるシンジオタクティックペンタッド分率(rrrr分率)が85%以上であり、示差走査熱量計(DSC)より求められる融点(Tm)が145℃以上であり、プロピレン単位を90モル%(ただし、プロピレン由来の構成単位と任意に含んでいてもよい炭素数2〜20のα−オレフィン(プロピレンを除く)由来の構成単位との合計を100モル%とする。)を超える量で含有する、
    (b):プロピレン単位を55〜90モル%(ただし、該共重合体(B)中の構成単位の全量を100モル%とする。)含有し、炭素原子数2〜20のα−オレフィン(プロピレンを除く)から選ばれる少なくとも1種のα−オレフィン単位を10〜45モル%(ただし、プロピレン単位と炭素数2〜20のα−オレフィン(ただしプロピレンを除く)単位との合計を100モル%とする。)含有し、JIS K−6721に準拠して230℃、2.16kg荷重にて測定したMFRが0.01〜100g/10分の範囲にあり、かつ下記要件(b−1)または(b−2)のいずれか1つ以上を満たす;
    (b−1):13C-NMR法により測定したシンジオタクティックトライアッド分率(rr分率)が60%以上である、
    (b−2):135℃デカリン中で測定した極限粘度[η](dL/g)と前記MFR(g/10分、230℃、2.16kg荷重)とが下記の関係式を満たす。

    1.50×MFR(-0.20)≦[η]≦2.65×MFR(-0.20)

    (1):積層フィルム(Z)の膜厚が10〜500μm
    (2):積層フィルム(Z)の光線透過率が70〜99%
    (3):積層フィルム(Z)の350nmにおける光線透過率が70〜99%
    (4):積層フィルム(Z)の120℃での30分間の熱水処理前後での光線透過率の減少率が0〜15%の範囲
  2. 前記ポリプロピレン系樹脂フィルム(X)が、以下の要件(x1)を満たす、請求項1に記載の積層フィルム(Z)。
    (x1):示差走査熱量計(DSC)により測定した融点(Tm)が145℃以上である。
  3. 前記プロピレン系重合体組成物が、さらに下記条件(c)を充足するエチレン・α―オレフィン共重合体(C)を、(A)および(B)の合計100重量部に対し、1〜100重量部含有する請求項1〜2いずれか1項に記載の積層フィルム(Z)。
    (c):エチレン単位を50〜99モル%、炭素原子数3〜20のα−オレフィン単位を1〜50モル%(ただし、該共重合体(C)中の構成単位の全量を100モル%とする。)含有する。
  4. 請求項1〜3いずれか1項に記載の積層フィルム(Z)を製造する方法であって、前記ポリプロピレン系樹脂フィルム(X)の少なくとも片面に表面処理を行ったのちに1層以上からなる前記金属/金属酸化薄膜層(Y)を積層して積層フィルム(Z)を製造する方法。
  5. 前記表面処理がコロナ処理である請求項4に記載の積層フィルム(Z)を製造する方法。
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