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JP2012017829A - 伝動ベルト - Google Patents

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JP2012017829A
JP2012017829A JP2010156916A JP2010156916A JP2012017829A JP 2012017829 A JP2012017829 A JP 2012017829A JP 2010156916 A JP2010156916 A JP 2010156916A JP 2010156916 A JP2010156916 A JP 2010156916A JP 2012017829 A JP2012017829 A JP 2012017829A
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Takeshi Yamanaka
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Abstract

【課題】エレメントの板厚を単一化しながら、騒音を低減可能な無段変速機用の伝動ベルトを提供する。
【解決手段】無段変速機用の伝動ベルト10は、厚さ方向の一方の面にディンプル28が形成され、他方の面にホール29が形成されるとともに、互いに対向して環状に配列された多数の板状のエレメント20と、環状に配列された状態のエレメント20を結束する無端環状のリング30とを備えている。そして、各エレメント20のホール29には、隣接するエレメント20のディンプル28が挿入され、ホール29のベルト内外方向の幅W21とディンプル28のベルト内外方向の幅W11との差(W21−W11)が、ホール29のベルト幅方向の幅W22とディンプル28のベルト幅方向の幅W12との差(W22−W12)よりも大きくされている。
【選択図】図4

Description

本発明は、ベルト式無段変速機に用いられる伝動ベルトに関する。
一般に、エンジン等の駆動源からの駆動力を伝達する駆動力伝達系に備えられる変速機(例えば、自動車用の変速機)として、変速比を段階的に変化させることができる有段変速機と、変速比を連続的に、つまり、無段階に変化させることができる無段変速機とが知られている。そして、後者の無段変速機としては、ベルト式無段変速機や、トロイダル式無段変速機が知られている。そのうち、ベルト式無段変速機は、駆動側プーリおよび従動側プーリと、これらプーリに巻き掛けられる伝動ベルトとを備え、各プーリに対する伝動ベルトの巻き掛け半径を変更することによって変速比を無段階に変化させる構成となっている。
このようなベルト式無段変速機に用いられる伝動ベルトとして、厚さ方向の一方の面に凸部が形成され、他方の面に凹部が形成されるとともに、互いに対向して環状に配列された多数の板状のエレメント(ブロックとも呼ばれる)と、環状に配列された状態のエレメントを結束する無端環状のリング(フープ、バンド、キャリアとも呼ばれる)とを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
このような伝動ベルトが駆動側プーリおよび従動側プーリに巻き掛けられた状態で、駆動側プーリが回転駆動されると、エレメントには、このエレメントと駆動側プーリとの接触部分の摩擦力および駆動側プーリのトルクに応じて、駆動側プーリからエレメントに対して加えられるエレメントの積層方向、つまり、エレメントの厚さ方向に圧縮力が作用する。そして、駆動側プーリに接触しているエレメントに伝達された圧縮力は、プーリに接触していないエレメントを経由して、従動側プーリに接触しているエレメントに伝達される。この従動側プーリに接触しているエレメントに圧縮力が伝達されると、そのエレメントと従動側プーリとの接触部分の摩擦力および伝達された圧縮力に応じて従動側プーリを回転させるトルクが発生する。このようにして、駆動側プーリと従動側プーリとの間で、伝動ベルトを介した動力伝達が行われるようになっている。
また、エレメントが駆動側プーリおよび従動側プーリに巻き掛かることなしに直線状に配列されるベルト直線部において、エレメントの凹部に隣接するエレメントの凸部が挿入されることによって、隣接するエレメント同士の相対的な位置決めが行われている。これにより、伝動ベルトのベルト直線部でのがたつきを抑制でき、エレメントの安定した走行を実現できるようになっている。
特開平01−055447号公報
上述したような伝動ベルトにおいては、ベルト直線部を進んできたエレメントが駆動側プーリに噛み込まれる際に騒音が発生する可能性がある。そして、エレメントが駆動側プーリに噛み込まれるタイミング(噛み込み周期)が一律に揃っているほど、その騒音が増大することが懸念される。上記特許文献1に記載された伝動ベルトによれば、板厚が異なる2種類以上のエレメントをランダムに配列することで、エレメントが駆動側プーリに噛み込まれるタイミングをずらし、上記騒音の低減を図っている。しかし、板厚が異なる2種類以上のエレメントを製造するには、板厚の異なる2種類以上の鋼板が必要になるため、コストがかかるという問題がある。
本発明は、そのような問題点に鑑みてなされたものであり、エレメントの板厚を単一化しながら騒音を低減可能な無段変速機用の伝動ベルトを提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題を解決するための手段を以下のように構成している。すなわち、本発明は、厚さ方向の一方の面に凸部が形成され、他方の面に凹部が形成されるとともに、互いに対向して環状に配列された多数の板状のエレメントと、環状に配列された状態のエレメントを結束する無端環状のリングとを備えた無段変速機用の伝動ベルトであって、上記各エレメントの凹部には、隣接するエレメントの凸部が挿入され、上記各エレメントの凹部のベルト内外方向の幅と凸部のベルト内外方向の幅との差が、上記凹部のベルト幅方向の幅と凸部のベルト幅方向の幅との差よりも大きくされていることを特徴としている。
上記構成によれば、伝動ベルトのベルト直線部において隣り合うエレメントのベルト幅方向の相対移動が規制される一方、隣り合うエレメントのベルト内外方向の相対移動が許容される。このため、伝動ベルトのベルト直線部において、隣り合うエレメントがベルト内外方向にずれた状態で進行することが可能になる。言い換えれば、ベルト直線部を進行するエレメントのベルト内外方向の位置をばらつかせることができる。そして、ベルト直線部を進んできたエレメントが無段変速機の駆動側プーリに噛み込まれるタイミング(噛み込み周期)をばらつかせることができる。これにより、エレメントが駆動側プーリに噛み込まれる際に発生する騒音(ベルトノイズ)を低減することができる。しかも、伝動ベルトに使用されるエレメントを全て同一の形状とすることができるので、エレメントの板厚を単一化することができ、伝動ベルトの製造コストの低減を図ることができる。
ここで、上記各エレメントの凸部および凹部の具体的な形状として、上記各エレメントの凸部の形状を、断面円形とし、上記各エレメントの凹部の形状を、断面長円形で、ベルト内外方向に沿って延びる形状とすることが可能である。
本発明によれば、ベルト直線部を進行するエレメントのベルト内外方向の位置をばらつかせることができ、ベルト直線部を進んできたエレメントが無段変速機の駆動側プーリに噛み込まれるタイミングをばらつかせることができる。これにより、エレメントが駆動側プーリに噛み込まれる際に発生する騒音を低減することができる。しかも、伝動ベルトに使用されるエレメントを全て同一の形状とすることができるので、エレメントの板厚を単一化することができ、伝動ベルトの製造コストの低減を図ることができる。
本発明を適用した伝動ベルトが用いられるベルト式無段変速機の概略構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る伝動ベルトの概略構成を示す図であって、リングに対して組み付けられたエレメントの正面図を示している。 図2のエレメントのX1−X1断面図である。 各エレメントのディンプルおよびホールの寸法関係を模式的に示す図である。 伝動ベルトのベルト直線部において隣り合うエレメントの位置関係の一例を模式的に示す側面図である。 本発明の他の実施形態に係る伝動ベルトの図2に対応する図である。 図6のエレメントのX2−X2断面図である。 本発明の他の実施形態に係る伝動ベルトの図5に対応する図である。
本発明を具体化した実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
まず、図1を参照して、本発明を適用した伝動ベルト10が用いられるベルト式無段変速機100について説明する。ベルト式無段変速機100において、伝動ベルト10は、駆動軸(入力軸)に取り付けられた駆動側プーリ101および従動軸(出力軸)に取り付けられた従動側プーリ102に巻き掛けられ、駆動側プーリ101の回転を従動側プーリ102に伝達するために駆動される。
駆動側プーリ101および従動側プーリ102は、溝幅を無段階に変えられる1対のシーブ103,103(図2参照)をそれぞれ備えている。シーブ103,103は、シーブ面同士の間隔がプーリ径方向内側ほど狭く(プーリ径方向外側ほど広く)なるように、プーリ径方向に対し傾斜している。そして、車両の走行状態に応じて制御される油圧回路により溝幅、つまり、シーブ面同士の間隔を変えることで、駆動側プーリ101および従動側プーリ102に対する伝動ベルト10の巻き掛け半径が変化する。これにより、ベルト式無段変速機100において、駆動軸と従動軸との間の回転数比、つまり、変速比が連続的に変化する。
具体的に、駆動側プーリ101の溝幅を大きくして伝動ベルト10の巻き掛け半径を小さくするとともに、従動側プーリ102の溝幅を小さくして伝動ベルト10の巻き掛け半径を大きくした場合には、変速比が大きくなる。逆に、駆動側プーリ101の溝幅を小さくして伝動ベルト10の巻き掛け半径を大きくするとともに、従動側プーリ102の溝幅を大きくして伝動ベルト10の巻き掛け半径を小さくした場合には、変速比が小さくなる。
次に、図1〜図4を参照して、ベルト式無段変速機100に用いられる伝動ベルト10について説明する。なお、図2、図4において、図中の左右方向(ベルト幅方向)をx方向とする。図3において、図中の左右方向(ベルト進行方向)をy方向とする。また、図2〜図4において、上下方向(ベルト内外方向)のうち、上方向(ベルト外面側方向)をz1方向とし、下方向(ベルト内面側方向)をz2方向とする。
図1に示すように、伝動ベルト10は、姿勢を揃えて厚さ方向(図3のy方向)に配列された多数の板片状のエレメント20と、環状に配列された状態のエレメント20を結束する無端環状のリング30とを備えた構成になっている。エレメント20は、例えば、金属製の板片状の部材からなり、プレスによる打ち抜き加工によって製造される。この実施形態では、各エレメント20は、相互に同一の形状とされている。
図2、図3に示すように、エレメント20は、その幅方向(図2のx方向)における左右の側面21,21がテーパ状の傾斜面として形成された基体部(本体部)22を有している。基体部22の側面21は、シーブ103に接触する対シーブ摩擦面であって、シーブ103のシーブ面と一致するテーパ面とされている。
基体部22の幅方向(図2のx方向)における左右中央部には、エレメント20の上方向(図2、図3のz1方向)に向けて延びる首部23が形成されている。首部23の上端部には、基体部22の幅方向における左右両側に傘状に延びる頭部24が首部23と一体に形成されている。基体部22の上側のエッジ部分と、頭部24の下側のエッジ部分との間には、左右方向に開いたスリット部(溝部)25,25が形成されている。スリット部25,25は、首部23を挟んで幅方向の左右両側に配置されている。左右のスリット部25,25には、それぞれリング30,30が挿入されている。リング30は、例えば、金属製の環状の帯状体を複数枚積層させて形成した、いわゆる積層リングとされている。そして、基体部22の上側のエッジ部分が、リング30の内周面(最内層面)と接触するサドル面26となっている。なお、リング30の外周面(最外層面)と頭部24との間には、クリアランスC5が設けられている。
エレメント20は、環状に配列された状態でリング30,30によって結束され、その状態で駆動側プーリ101および従動側プーリ102に接触している。各プーリ101,102に接触した状態では、エレメント20は、各プーリ101,102の中心に対して扇状(放射状)に拡がり、かつ、互いに密着する必要があるため、各エレメント20の図2,図3での下側の部分(環状に配列した状態での中心側の部分)が薄肉に形成されている。
具体的には、基体部22の厚さ方向(図3のy方向)の一方の面(例えば、図3における左側の面)におけるサドル面26より所定寸法だけ下がった(オフセットされた)部分から下側の部分が削り落とされた形状で薄肉化されている。したがって、各エレメント20が扇状に拡がって接触する状態、言い換えると、各エレメント20が各プーリ101,102に巻き掛かって円弧状に配列される伝動ベルト10のベルト湾曲部11では、その板厚の変化する境界部分で接触する。この境界部分のエッジが、いわゆるロッキングエッジ27となっている。ロッキングエッジ27は、エレメント20の幅方向に沿って延びている。
また、頭部24の幅方向における左右中央部には、各エレメント20が各プーリ101,102に巻き掛かることなしに直線状に配列される伝動ベルト10のベルト直線部12でのエレメント20の相対的な位置を決めるための凸部(ディンプル)28および凹部(ホール)29が形成されている。具体的に、エレメント20の一方の面(図3では、ロッキングエッジ27のある面)には、凸となる円錐台形のディンプル28が形成されている。エレメント20の他方の面(図3では、ロッキングエッジ27のない面)には、隣接するエレメント20のディンプル28を緩く嵌合(遊嵌)させるホール29が形成されている。ディンプル28およびホール29は、各エレメント20に1つずつ設けられている。ディンプル28およびホール29は、例えばプレス加工により形成される。なお、伝動ベルト10のベルト直線部12としては、エレメント20が駆動側プーリ101に近づく側(図1では上側)のベルト直線部と、エレメント20が駆動側プーリ101から遠ざかる側(図1では下側)のベルト直線部とがある。このうち、駆動側プーリ101に近づく側のベルト直線部12では、各エレメント20は非圧縮状態にあり、駆動側プーリ101から遠ざかる側のベルト直線部12では、各エレメント20は圧縮状態にある。
この実施形態では、上記構成の伝動ベルト10において、各エレメント20のホール29のベルト内外方向の幅W21とディンプル28のベルト内外方向の幅W11との差が、ホール29のベルト幅方向の幅W22とディンプル28のベルト幅方向の幅W12との差よりも大きくされている。以下、この点について詳しく説明する。
各エレメント20のディンプル28は、図3に示すように、ベルト幅方向に直交する平面で切断したときの断面形状が台形とされ、図4に示すように、ベルト進行方向に直交する平面で切断したときの断面形状が円形とされている。また、各エレメント20のホール29は、図3に示すように、ベルト幅方向に直交する平面で切断したときの断面形状が台形とされ、ベルト進行方向に直交する平面で切断したときの断面形状が、図4に示すように、ベルト内外方向に沿って延びる長円形に形成されている。
そして、図4に示すように、各エレメント20のホール29のベルト内外方向の幅W21は、ディンプル28のベルト内外方向の幅W11よりも大きくされている(W21>W11)。また、各エレメント20のホール29のベルト幅方向の幅W22は、ディンプル28のベルト幅方向の幅W12よりも大きくされている(W22>W12)。そして、各エレメント20のホール29のベルト内外方向の幅W21とディンプル28のベルト内外方向の幅W11との差(W21−W11)が、ホール29のベルト幅方向の幅W22とディンプル28のベルト幅方向の幅W12との差(W22−W12)よりも大きくされている。
伝動ベルト10のベルト直線部12において、各エレメント20のホール29には、隣接するエレメント20のディンプル28が挿入される。各エレメント20のディンプル28およびホール29の寸法関係が上述のように設定されるので、隣り合うエレメント20,20のディンプル28とホール29との間には、クリアランスが生じている。ディンプル28とホール29とのクリアランスについて、便宜上、図4を参照して説明する。なお、図4では、ディンプル28とホール29とのクリアランスを誇張して示している。
図4の例では、ディンプル28のベルト内外方向の両側にクリアランスC1,C2が設けられている。また、ディンプル28のベルト幅方向の両側にクリアランスC3,C4が設けられている。そして、ベルト内外方向のクリアランスC1,C2の和(C1+C2)が、ベルト幅方向のクリアランスC3,C4の和(C3+C4)よりも大きくされている。なお、ベルト内外方向のクリアランスC1,C2の和(C1+C2)は、上述したリング30の外周面(最外層面)と頭部24との間に設けられるクリアランスC5よりも小さくされている。
ベルト幅方向のクリアランスC3,C4は、伝動ベルト10のベルト直線部12において隣り合うエレメント20,20のベルト幅方向の相対移動をできるだけ規制するため、可能な限り小さくされている。一方、ベルト内外方向のクリアランスC1,C2によって、ディンプル28がホール29内でベルト内外方向に移動可能となっている。このため、ベルト直線部12において隣り合うエレメント20,20のベルト内外方向の相対移動が許容されている。この場合、ベルト直線部12において隣り合うエレメント20,20のベルト内外方向の相対移動が、ベルト内外方向のクリアランスC1,C2の和(C1+C2)の範囲内で可能となっている。
このため、伝動ベルト10のベルト直線部12において、例えば、図5に示すように、隣り合うエレメント20,20がベルト内外方向にずれた状態で進行することが可能になる。言い換えれば、ベルト直線部12を進行するエレメント20のベルト内外方向の位置をばらつかせることができる。そして、ベルト直線部12を進んできたエレメント20が駆動側プーリ101に噛み込まれるタイミング(噛み込み周期)をばらつかせることが可能になる。詳しくは、隣り合うエレメント20,20がベルト内外方向にずれた状態で進行することによって、エレメント20が駆動側プーリ101に噛み込まれる際、駆動側プーリ101の中心からエレメント20のロッキングエッジ27までの距離を変化させることができ、エレメント20が駆動側プーリ101に噛み込まれるタイミングをばらつかせることができる。これにより、エレメント20が駆動側プーリ101に噛み込まれる際に発生する騒音(ベルトノイズ)を低減することができる。
しかも、この実施形態では、各エレメント20のディンプル28を円形の突起とし、各エレメント20のホール29をベルト内外方向に延びる長穴とすることによって、伝動ベルト10に使用されるエレメント20を全て同一の形状とすることができる。これにより、エレメント20の板厚を単一化することができ、また、ディンプル28およびホール29を加工するプレスの型も単一化することができる。したがって、伝動ベルト10の製造コストの低減を図ることができる。
−他の実施形態−
本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲内および当該範囲と均等の範囲で包含されるすべての変形や応用が可能である。
上述したエレメント20の凸部(ディンプル)28の形状、凹部(ホール)29の形状は一例であって、さまざまに変更することが可能である。要するに、ディンプル28の形状、ホール29の形状は、ベルト直線部12において隣り合うエレメント20,20のベルト幅方向の相対移動を規制する一方、隣り合うエレメント20,20のベルト内外方向の相対移動を許容することが可能な形状であれば、さまざまに変更することが可能である。
以上では、正面視が、図2に示すような形状のエレメント20を有する伝動ベルトに本発明を適用した例を挙げたが、正面視が、図6に示すような形状のエレメント120を有する伝動ベルトにも本発明は適用可能である。図6に示すエレメント120は、ディンプルおよびホールとリングとのベルト内外方向における位置関係が、図2に示すエレメント20とは逆になっている。
本発明の他の実施形態に係る伝動ベルトについて、図1、図6〜図8を参照して簡潔に説明する。図6は、本発明の他の実施形態に係る伝動ベルト10の概略構成を示す図であって、リング130に対して組み付けられたエレメント120の正面図を示している。図7は、図6のエレメント120のX2−X2断面図である。図8は、伝動ベルト10のベルト直線部12において隣り合うエレメント120,120の位置関係の一例を模式的に示す側面図である。なお、図6において、図中の左右方向(ベルト幅方向)をx方向とする。図7において、図中の左右方向(ベルト進行方向)をy方向とする。また、図6、図7において、上下方向(ベルト内外方向)のうち、上方向(ベルト外面側方向)をz1方向とし、下方向(ベルト内面側方向)をz2方向とする。
伝動ベルト10は、姿勢を揃えて厚さ方向(図7のy方向)に配列された多数の板片状のエレメント120と、環状に配列された状態のエレメント120を結束する無端環状のリング130とを備えた構成になっている(図1参照)。
図6、図7に示すように、エレメント120は、その幅方向(図6のx方向)における左右の側面121,121がテーパ状の傾斜面として形成された基体部(本体部)122を有している。基体部122の側面121は、シーブ103に接触する対シーブ摩擦面であって、シーブ103のシーブ面と一致するテーパ面とされている。
基体部122の幅方向(図6のx方向)における左右の両端部分には、エレメント120の上方向(図6、図7のz1方向)に向けて延びた柱部123,123がそれぞれ形成されている。したがって、基体部122の図6、図7での上側のエッジ部分である上端面と、左右の柱部123,123の内側面123a,123aとによって、エレメント120の上側、つまり、伝動ベルト10の外面側(ベルト外面側)に開口した凹部(嵌合溝)125が形成されている。左右の柱部123,123の上端部分には、左右の先端面124a,124aがそれぞれ基体部122の幅方向における中央に向かって延びた突起部124,124が一体形成されている。
凹部125は、互いに略密着して環状に配列されたエレメント120,120,…同士を環状に結束するための無端環状のリング130,130を挿入して収容するための部分である。この凹部125の底面が、リング130,130の内周面が接触するサドル面126となっている。なお、リング130の外周面(最外層面)と突起部124との間には、クリアランスC6が設けられている。
エレメント120は、環状に配列された状態でリング130,130によって結束され、その状態で駆動側プーリ101および従動側プーリ102に接触している。各プーリ101,102に接触した状態では、エレメント120は、各プーリ101,102の中心に対して扇状(放射状)に拡がり、かつ、互いに密着する必要があるため、各エレメント120の図6,図7での下側の部分(環状に配列した状態での中心側の部分)が薄肉に形成されている。
具体的には、基体部122の厚さ方向(図7のy方向)の一方の面(例えば、図6における左側の面)におけるサドル面126より所定寸法だけ下がった(オフセットされた)部分から下側の部分が削り落とされた形状で薄肉化されている。したがって、各エレメント120が扇状に拡がって接触する状態、言い換えると、各エレメント120が各プーリ101,102に巻き掛かって円弧状に配列される伝動ベルト10のベルト湾曲部11では、その板厚の変化する境界部分で接触する。この境界部分のエッジが、いわゆるロッキングエッジ127となっている。ロッキングエッジ127は、エレメント120の幅方向に沿って延びている。
また、基体部122の幅方向における左右中央部には、各エレメント120が各プーリ101,102に巻き掛かることなしに直線状に配列される伝動ベルト10のベルト直線部12でのエレメント120の相対的な位置を決めるための凸部(ディンプル)128および凹部(ホール)129が形成されている。具体的に、エレメント120の一方の面(図7では、ロッキングエッジ127のある面)には、凸となるディンプル128が形成されている。エレメント120の他方の面(図7では、ロッキングエッジ127のない面)には、隣接するエレメント120のディンプル128を緩く嵌合(遊嵌)させるホール129が形成されている。ディンプル128およびホール129は、各エレメント120に1つずつ設けられている。ディンプル128およびホール129は、例えばプレス加工により形成される。例えば、各エレメント120のディンプル128は、ベルト幅方向に直交する平面で切断したときの断面形状が台形とされ、ベルト進行方向に直交する平面で切断したときの断面形状が円形とされる。また、各エレメント120のホール129は、ベルト幅方向に直交する平面で切断したときの断面形状が台形とされ、ベルト進行方向に直交する平面で切断したときの断面形状が、ベルト内外方向に沿って延びる長円形に形成される。
そして、この実施形態においても、上記実施形態と同様に、各エレメント120のホール129のベルト内外方向の幅とディンプル128のベルト内外方向の幅との差が、ホール129のベルト幅方向の幅とディンプル128のベルト幅方向の幅との差よりも大きくされている(図4参照)。これにより、この実施形態においても、上記実施形態と同様の効果が得られる。すなわち、伝動ベルト10のベルト直線部12において、例えば、図8に示すように、隣り合うエレメント120,120がベルト内外方向にずれた状態で進行することが可能になる。言い換えれば、ベルト直線部12を進行するエレメント120のベルト内外方向の位置をばらつかせることができる。そして、ベルト直線部12を進んできたエレメント120が駆動側プーリ101に噛み込まれるタイミング(噛み込み周期)をばらつかせることが可能になる。これにより、エレメント120が駆動側プーリ101に噛み込まれる際に発生する騒音(ベルトノイズ)を低減することができる。また、伝動ベルト10に使用されるエレメント120を全て同一の形状とすることができる。これにより、エレメント120の板厚を単一化することができ、また、ディンプル128およびホール129を加工するプレスの型も単一化することができる。したがって、伝動ベルト10の製造コストの低減を図ることができる。
本発明は、無段変速機用の伝動ベルトであって、互いに対向して環状に配列される多数の板片状のエレメントが無端状のリングによって結束された伝動ベルトに利用することが可能である。
10 伝動ベルト
20 エレメント
28 ディンプル(凸部)
29 ホール(凹部)
30 リング
100 無段変速機

Claims (2)

  1. 厚さ方向の一方の面に凸部が形成され、他方の面に凹部が形成されるとともに、互いに対向して環状に配列された多数の板状のエレメントと、
    環状に配列された状態のエレメントを結束する無端環状のリングとを備えた無段変速機用の伝動ベルトであって、
    上記各エレメントの凹部には、隣接するエレメントの凸部が挿入可能とされ、
    上記各エレメントの凹部のベルト内外方向の幅と凸部のベルト内外方向の幅との差が、上記凹部のベルト幅方向の幅と凸部のベルト幅方向の幅との差よりも大きくされていることを特徴とする伝動ベルト。
  2. 請求項1に記載の伝動ベルトにおいて、
    上記各エレメントの凸部は、断面円形に形成され、
    上記各エレメントの凹部は、断面長円形に形成され、ベルト内外方向に沿って延びていることを特徴とする伝動ベルト。
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