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JP2012017254A - 光学ガラス - Google Patents

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JP2012017254A
JP2012017254A JP2011130225A JP2011130225A JP2012017254A JP 2012017254 A JP2012017254 A JP 2012017254A JP 2011130225 A JP2011130225 A JP 2011130225A JP 2011130225 A JP2011130225 A JP 2011130225A JP 2012017254 A JP2012017254 A JP 2012017254A
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Japan
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glass
optical
optical glass
modulus
young
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JP2011130225A
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Hirotada Wada
大正 和田
Shigeo Kikko
重雄 橘高
Junji Kurachi
淳史 倉知
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Abstract

【課題】一般の光学ガラスでは実現できなかった、高い硬度と高いヤング率とを有し、かつ高屈折率で低分散の光学ガラスを提供する。
【解決手段】本発明の光学ガラスは、mol%で示す組成が次の条件を満たす:40%≦Al23≦54%;20%≦La23+Y23≦30%;0%≦La23≦30%;0%≦Y23≦30%;16%≦ZrO2+Nb25+Ta25+MgO≦30%;0%≦ZrO2≦25%;0%≦Nb25≦10%;0%≦Ta25≦10%;0%≦MgO≦15%;0%≦Sc23≦10%;0%≦Yb23≦5%;0≦SiO2≦15%。
【選択図】なし

Description

本発明は、光学材料として好適に用いられる光学ガラス、特に高い強度を有する光学ガラスに関する。
カメラ、顕微鏡、望遠鏡、あるいは内視鏡といった光学機器に用いられる光学系は、光学特性(主に屈折率と、その波長分散を表わすアッベ数)の異なる材料で形成されたレンズを組み合わせて、収差を補正している。屈折率とアッベ数との組み合わせの幅が広いほど光学設計の自由度が増すので有利であり、特に高屈折率材料や低分散材料(アッベ数の大きい材料)は収差補正に有用である。
また、これらの光学機器において最も外側に位置するレンズ面は、常に外気にさらされていることから、ゴミや指紋の付着、あるいは結露による汚れがつきやすく、これらの汚れを拭き取る操作も頻繁に行なわれる。また、レンズ面が、誤って金属、ガラス、セラミックスといった硬い物体と衝突する可能性もある。従って、最も外側に位置するレンズの材料には、傷が付きにくいガラス材料を用いることが好ましい。ガラス材料の「傷つきにくさ」に関連する特性としては、「硬度」と「ヤング率」とがあり、これらの数値は高いほど好ましい。
このような理由により、高屈折率および低分散に加え、さらに高い硬度と高いヤング率とを有する光学ガラスは、レンズ材料として非常に有用である。現在市販されている光学ガラスの中で、硬度あるいはヤング率の特に大きいものを表1に示す。出典は、2010年4月における各社の公開カタログである。
Figure 2012017254
表1に記載の市販光学ガラスのうち、(株)オハラのL−BBH1はヤング率が飛びぬけて大きいものの、ヌープ硬度が非常に小さいので例外とすると、
硬度(ビッカース硬度あるいはヌープ硬度):7.0GPa以上
ヤング率:120GPa以上
であれば、現状の光学ガラスとしては最高クラスといえる。
光学ガラスの組成を改良して光学特性や物理的強度を向上させるにあたって、最も大きな障害となるのは、ガラスの結晶化である。光学ガラスは、ルツボで熔融した原料を冷却して固化させることによって作られるが、結晶化しやすい組成の場合は冷却中に結晶が析出するため、透明で均一なガラス塊とすることができない。このような現象は、「結晶化」あるいは「失透」と呼ばれる。結晶化は、ガラス中に生じた微小な結晶を起点として、これが成長することによって起こることもあるが、ガラスが固体(例えばルツボ材料としての粘土や白金)と接触していると、その界面を核生成点としての結晶化が非常に起こりやすいことが知られている。
ガラスの結晶化が進行するのは、熔融状態と固体状態との中間の温度域である。熔融状態では原子がある程度自由に動けるので結晶は析出せず、また、固体状態では原子が動かないので結晶は成長しない。したがって、急冷により結晶化の起こる温度領域を短時間で通過してしまえば、結晶化を防ぐことができるといえる。急冷の具体的な方法としては、熔融状態の原料を、「金属ローラーの間に挟む」、「水中に投入する」、といった方法が用いられている。しかしながら、このような急冷法によって得られるガラスは、微細な粉状あるいはフレーク状といった形態となるので、例えばレンズのような光学素子として用いることが難しい、という問題点があった。レンズの材料とするためには、ある程度の大きさ(少なくとも最小径(最小部分の長さ)が0.5mm以上、好ましくは1mm以上の大きさ)を有する、均質なガラス体を用意する必要がある。
結晶化しやすい組成でありながら、ある程度の大きさのガラスを製造する方法として、原料を上向きのガスノズルにより空中に浮遊させ、その状態でレーザを照射してガラス化する、無容器凝固法によるガラス製造方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。この方法によれば、ガラスをルツボ等の容器と接触させないまま熔融および凝固させることができるため、界面を核生成点とする結晶化を防ぐことができる。その結果、非常に結晶化しやすい強誘電体であるチタン酸バリウムを組成とする重量20mgのガラス球が得られている。
また、特許文献2には、上記無容器凝固法により作製されたガラスの組成が多数列挙されている。例えば、無容器凝固法を用いて作製されたLa23−TiO2−ZrO2系組成を有するガラス(ZrO2を含まない場合もある)の例が、複数示されている。
特許文献3には、上記無容器凝固法と同様の方法により作製されたガラスとして、Al23−RE23系およびAl23−RE23−SiO2系のガラス組成(REは、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuから選ばれる1種以上の元素を意味する)を有する、単相のガラスが開示されている。
また、特許文献4には、高い硬度が要求される歯科用材料として、Al23を多く含む組成を有するガラスまたはガラス−セラミックが開示されている。また、光学的用途に適したガラスの例として、特許文献5には、Nb25、Ta25、ZrO2、Al23、REO(rare-earth oxide)などを含む組成を有するガラスが開示されている。
特開2006−248801号公報 国際公開第2008/032789号パンフレット 米国特許第6,482,758号公報 特表2007−504286号公報 特表2007−505815号公報
上記特許文献1および2に具体的な実施例として記載されているガラス組成は、すべて多量のTiO2を含んでおり、TiO2をガラス形成の基幹としている。TiO2は屈折率を非常に高くする成分であるが、その反面、波長による分散を大きくする働きも大きい。したがって、TiO2を多く含むガラスは、アッベ数が30未満の高分散材料となってしまい、光学系全体での色収差補正が難しくなる、という問題点がある。
特許文献3には、La23、Al23、およびY23を主成分とするガラスの組成が多数開示されている。しかし、特許文献3には、硬度、ヤング率、屈折率およびアッベ数といった特性は開示されておらず、高屈折率および低分散に加え、さらに高い硬度と高いヤング率とを実現できるガラス組成は認識されていない。
特許文献4には、歯科用材料に使用できるガラスの組成範囲が広く開示されている。しかし、特許文献4に開示されている、実際に得られたガラス(実施例のガラス)は、直径150μm以下のビーズ状の塊であり、光学部品の材料には適さない。また、特許文献4には、屈折率およびアッベ数といった特性は開示されていない。したがって、特許文献4においては、高屈折率および低分散に加え、さらに高い硬度と高いヤング率とを実現できるガラス組成は認識されていない。
特許文献5には、光学的用途に使用できるガラスの組成範囲が広く開示されている。しかし、特許文献5に開示されている、実際に得られたガラス(実施例のガラス)は、大きさ250μm以下の球形粒子であり、光学部品の材料には適さない。また、特許文献5には、硬度、ヤング率、屈折率およびアッベ数といった特性は開示されていない。したがって、特許文献5においては、高屈折率および低分散に加え、さらに高い硬度と高いヤング率とを実現できるガラス組成は認識されていない。
そこで、本発明は、高屈折率および低分散の光学的特性に加え、さらに高い硬度および高いヤング率をも備えた、高い強度を有する新規な光学ガラスを提供することを目的とする。
本発明は、mol%で示す組成が以下の条件を満たす、光学ガラスを提供する。
40%≦Al23≦54%
20%≦La23+Y23≦30%
0%≦La23≦30%
0%≦Y23≦30%
16%≦ZrO2+Nb25+Ta25+MgO≦30%
0%≦ZrO2≦25%
0%≦Nb25≦10%
0%≦Ta25≦10%
0%≦MgO≦15%
0%≦Sc23≦10%
0%≦Yb23≦5%
0≦SiO2≦15%
本発明の光学ガラスは、従来のガラス組成では実現することが困難であった、硬度およびヤング率が高く、かつ高屈折率および低分散である、という特性を実現することができる。したがって、本発明の光学ガラスを、例えば光学装置の外側のレンズの材料として用いた場合、レンズに傷が付きにくくなる。その結果、本発明の光学ガラスによれば、光学装置の耐久性を向上させることが可能となる。
本発明の実施例によって得られた光学ガラスおよび市販されている光学ガラスの光学特性と、本発明による好ましい光学特性の範囲とを示す図である。 実施例において、無容器凝固法によってガラス原料を熔融する際に用いた装置を示す模式図である。
本発明の光学ガラスは、一般の光学ガラスでは実現できなかった、高い硬度と高いヤング率とを有し、かつ高屈折率で低分散の光学ガラスを提供することを課題としてなされたものである。このような課題を受け、本発明者らは、酸化アルミニウム(アルミナ(Al23))を主要な成分とする組成を検討し、本発明の光学ガラスの組成に至った。以下、本発明の光学ガラスの実施の形態について説明する。
本実施の形態の光学ガラスは、mol%で示す組成が以下の条件を満たす。
40%≦Al23≦54%
20%≦La23+Y23≦30%
0%≦La23≦30%
0%≦Y23≦30%
16%≦ZrO2+Nb25+Ta25+MgO≦30%
0%≦ZrO2≦25%
0%≦Nb25≦10%
0%≦Ta25≦10%
0%≦MgO≦15%
0%≦Sc23≦10%
0%≦Yb23≦5%
0≦SiO2≦15%
この組成によれば、高い硬度と高いヤング率とを有し、かつ高屈折率で低分散のガラスを実現できる。したがって、光学特性の領域をより広げることが可能であって、かつ高い強度を備えた光学ガラスの提供が可能となる。
Al23は、その透明な結晶であるサファイアの特性(屈折率1.77、アッベ数72、ビッカース硬度22.5GPa、ヤング率470GPa)からわかるように、非常に低分散であり、かつビッカース硬度およびヤング率が非常に高く、ガラスの成分として用いる場合でもこれらの特性は残っている。そこで、本実施の形態の光学ガラスは、Al23の特性を生かすために、40%≦Al23≦54%を満たすようにAl23を含む(成分の単位は、以下すべてmol%である)。Al23量が40%未満であると、上記特性の作用が小さくなる。また、54%を超えると、結晶化が起こりやすくなり、透明なガラスを得ることが困難となるため、好ましくない。
Al23を多量に含む組成をガラス化しやすくするために、本実施の形態の光学ガラスは、La23およびY23から選ばれる少なくともいずれか1種を含む。La23およびY23の合計を、20%〜30%の範囲内とする。La23およびY23の合計が20%未満、もしくは30%を超えると、結晶化が起こりやすくなるので、不適当である。また、La23およびY23は、どちらもガラスの硬度やヤング率を高くする成分であるので、この点でも好ましい成分である。また、結晶化を起こさないために、La23およびY23の合計を、21%〜27%の範囲内とすることが好ましい。
ただし、La23およびY23の量は、それぞれ、
0%≦La23≦30%
0%≦Y23≦30%
の範囲内である。上記範囲を超えると、ガラスが結晶化しやすくなる。La23およびY23の量の好ましい範囲は、それぞれ、
11%≦La23≦30%
0%≦Y23≦17%
の範囲内である。
さらに、本実施の形態の光学ガラスは、ZrO2、Nb25、Ta25およびMgOから選ばれる少なくともいずれか1種を含む。ZrO2、Nb25およびTa25は、ガラスの硬度やヤング率を高くする効果がある成分である。また、MgOは、ガラスの融点を下げてガラス化しやすくする効果がある。さらに、Mgは、アルカリ土類金属の中ではイオン半径が小さいので、イオン密度が大きくなり、ガラスの構造を堅牢にする効果がある。
これらの成分の合計は、16%≦ZrO2+Nb25+Ta25+MgO≦30%の範囲を満たす。これらの成分の合計が16%未満であると、硬度およびヤング率を高くするという効果が小さくなるので、不適当である。また、30%を超えると、ガラスの結晶化が起こりやすくなるので、不適当である。結晶化を起こさないための好ましい範囲は、21%≦ZrO2+Nb25+Ta25+MgO≦26%である。
また、特定成分を多くするとガラスの結晶化が起こるので、それぞれの量は、
0%≦ZrO2≦25%
0%≦Nb25≦10%
0%≦Ta25≦10%
0%≦MgO≦15%
の範囲内とする。また、結晶化を防ぐための好ましい範囲は、
15%≦ZrO2≦25%
0%≦Nb25≦5%
0%≦Ta25≦5%
0%≦MgO≦5%
である。
Sc23およびYb23も、ガラスの硬度およびヤング率を高くする、好ましい成分である。したがって、それぞれ、
0%≦Sc23≦10%
0%≦Yb23≦5%
の範囲で添加してもよい。ただし、添加量が上記の量を超えると結晶化が起こりやすくなるため、不適当である。また、結晶化を防ぐための好ましい範囲は、
0%≦Sc23≦5%
である。
SiO2は、ガラス化しやすくする効果が大きいので、15%以下の範囲で添加してもよい。SiO2は、ガラスの硬度およびヤング率を低下させる成分でもあるので、15%を超える量とするとことは好ましくない。高い硬度およびヤング率をより確実に実現するために、SiO2量を4%以下とすることが好ましい。
なお、本実施の形態の光学ガラスは、上記各成分のみから構成されることが望ましいが、光学特性、ガラス化しやすさ、化学的耐久性等を改良する目的、あるいは不純物として、上記成分以外の他の成分が少量(10mol%以下)含まれることも許容される。
たとえば融点を下げてガラス化しやすくするためには、他の成分として、Li2O、Na2O、K2O、Rb2OおよびCs2Oといったアルカリ金属酸化物、または、B23を添加すればよい。これらの成分には、屈折率を低くする作用もある。また、光学特性(屈折率や分散)の調整、化学的耐久性等の改良、あるいは失透を防止する目的で添加される成分としては、CaO、SrO、BaO、P25、ZnO、GeO2、MoO3、AgO、CdO、Sb23、WO3、Tl2O、PbOおよびBi23等の酸化物が挙げられる。さらに、希土類元素であるCe、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLu等の酸化物を添加すると、発光特性などを付与することもできる。
また、本実施の形態の光学ガラスは、実質的に上記成分のみからなるものであってもよい。ここでの、「実質的に上記成分のみからなる」とは、不純物として不可避に混入する成分を除き、上記成分以外の他の成分が含まれないということを意味する。なお、この場合に不純物として混入する成分の含有量は、例えば1mol%以下、好ましくは0.5mol%以下である。
本実施の形態の光学ガラスにおいて、好ましいビッカース硬度Hvおよびヤング率Eは、それぞれ
7.4GPa≦Hv
130GPa≦E
である。これらは、光学ガラスとしては非常に高い数値であり、物理的強度が極めて大きいことを示している。物理的強度の観点から、これらの数値は高いほど好ましいので、上限値の設定は不要である。ただし、後述の実施例の結果等から、本実施の形態の光学ガラスによって得られるビッカース硬度Hvおよびヤング率Eの上限値を、例えばHv≦10GPa、E≦200GPa程度としてもよい。
本実施の形態の光学ガラスは、好ましい光学特性として、屈折率ndが1.75≦nd≦1.95で、アッベ数νdが160−(200/3)nd≦νd≦170−(200/3)ndを満たすガラスとすることができる。図1は、本実施の形態の光学ガラスによって実現できる屈折率ndおよびアッベ数νdの領域(図中、「本発明の好ましい範囲」として示されている領域)と、具体的な実施例の数値とを、光学ガラスメーカー(株式会社住田光学ガラス)から市販されている約100種類の光学ガラスと共に示すものである。点がプロットされている領域が、現在、光学ガラスとして実現可能な範囲である。なお、この領域は、他の光学ガラスメーカーの製品の場合でもほとんど一致している。図1より、本実施の形態における光学ガラスは、一般の光学ガラスの領域の左半分(低分散側)と重なる低分散ガラスであることがわかる。したがって、本実施の形態の光学ガラスは、光学設計上の収差補正に有用である。
本実施の形態の光学ガラスは、例えば最小部分の長さが0.5mm以上の比較的大きなサイズとすることも可能であるため、レンズ等の光学素子の材料として適用可能である。
次に、本発明の光学ガラスの製造方法について説明する。本発明の光学ガラスの組成は、一般の光学ガラスよりも結晶化しやすいので、通常のルツボによる熔融および冷却(凝固)ではガラス化が困難な場合がある。その場合でも、例えば、後述する実施例に示すように、無容器凝固法を利用することにより、ある程度の大きさを有する透明で均質なガラスを得ることができる。
以下、本発明について実施例を用いてさらに詳細に説明するが、本発明は、本発明の要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。また、以下の実施例において、各成分の含有量は全てmol%で示される。
実施例では、表2に示す組成1〜20について、無容器凝固法による熔融を行った。
まず、本実施例で用いた無容器凝固法について説明する。図2は、無容器凝固法によってガラス原料を熔融するために本実施例で用いた装置の全体を示す模式図である。この装置は、ガラス原料(熔融物)を浮遊させるために気体を流出させる噴出ノズル1を備えている。噴出ノズル1は支柱2に固定されており、気体を供給するためのチューブ3と接続されている。チューブ3は、流量を調整するためのレギュレータ4および流量計5を介して、高圧ガスボンベ(図示せず)に接続されている。この装置は、さらに、ガラス原料にレーザ光を照射するためのレーザ発振器6を備えている。レーザ発振器6は、噴出ノズル1が固定されている支柱2の横枝7に固定されている。レーザ発振器6から出射したレーザ光8は、横枝7に固定されたミラー9によって進行方向が変えられて、凸レンズ10によって浮遊体11(ガラス原料)に焦点を結ぶ。また、横枝7において、レーザ発振器6固定側と反対側には、浮遊体11の状態を観察するためのCCDカメラ12が設置されている。
以下、図2に示す装置による本実施例のガラス製造の手順を説明する。最初に、別途原料ペレットを作製した。原料ペレットは、ガラスの材料(金属酸化物等)の粉体(試薬特級品)を、得られるガラスの組成が表2に示す組成1〜20となるように、それぞれ所定のモル比率で調合してガラス原料としたものである。調合したガラス原料を乳鉢ですりつぶし、エタノールを加えて充分に混合してからセラミックス製ルツボに入れて、電気炉中で1000℃、12時間の焼成(第1回)を行なった。焼成後のガラス原料を再び乳鉢ですりつぶし、エタノールを加えて粘度を調整してから、プレス加工用ダイスを用いて、約1.6×107Paの圧力をかけて直径4mm、厚さ約3mmの円盤状に成型した。円盤状に成型したものを、電気炉中にて1100℃、12時間の焼成(第2回)を行ない、充分冷めたものを原料ペレットとした。
このように作製したペレットを、図2の噴出ノズル1に置き、レギュレータ4と流量計5とにより気体の流量を適量として浮遊させてから、レーザ発振器6を起動してペレットにレーザ光を照射して、ペレットを加熱した。ペレットは数秒で熔融し、自らの表面張力により球状となった状態でノズル1内に浮遊した。均一な熔融体となったところでレーザ光照射を止めると、熔融体は急冷されて球状ガラスとなった。球状ガラスの温度は数秒で室温まで低下したので、ピンセットで噴出ノズル1から取り出すことができた。
レーザ発振器6には、コヒレント・ジャパン社の炭酸ガスレーザー装置「E−400」型を用いた。発振波長は10.6μm、最大出力は公称400Wであった。
本実施例では、原料ペレットを図2の装置の噴出ノズル1内に置き、乾燥空気を約2リットル/分の流量で流して、原料ペレットを浮遊させた。この状態でレーザ光を照射して原料ペレットを熔融した後、レーザ光照射を止めることによって冷却した。その結果、直径2.8〜3.2mmの無色透明な球状ガラスが得られ、失透や脈理は認められなかった。
得られた球状ガラスについて、ビッカース硬度Hv、ヤング率E、屈折率nd、アッベ数νd、を、それぞれ以下の方法で測定した。その結果を、表2および図1に示す。
Figure 2012017254
表2に示された結果より、本発明の組成範囲に含まれる組成1〜20のガラスは、
ビッカース硬度Hv:7.5GPa≦Hv≦8.67GPa
ヤング率E:134GPa≦E≦160GPa
の範囲にあることがわかる。
また、屈折率ndおよびアッベ数νdについて、本発明の組成範囲に含まれる組成1〜20のガラスは、表2および図1に示された結果より、
屈折率nd:1.75≦nd≦1.95
アッベ数νd:160−(200/3)nd≦νd≦170−(200/3)nd
の範囲にあることがわかる。
<屈折率の測定方法>
得られた球状ガラスを研磨して互いに直交する2面を作製し、測定サンプルとした。この測定サンプルについて、屈折計により屈折率を測定した。使用した屈折計は、島津デバイス製造(株)製のKPR−200型であった。
<アッベ数の測定方法>
アッベ数はd線、C線、F線の波長における屈折率(nd、nC、nF)から、以下の計算式を用いて求めた。
νd=(nd−1)/(nF−nC
<ビッカース硬度の測定方法>
ビッカース硬度Hvの荷重は、直径約3mmの球状ガラスを平行平面研磨して厚さ約1.2mmの円盤を測定サンプルとして作製し、マイクロビッカース硬度計(Akashi製、型番:MVK−G2)により測定した。
<ヤング率の測定方法>
ビッカース硬度の測定サンプルと同様に、厚さ約1.2mmの円盤を作製し、測定サンプルとした。超音波厚さ計(日本パナメトリクス株式会社製)を用いて、測定サンプル中の縦波と横波の反射速度を測定し、測定サンプルの厚みおよび密度と合わせて算出した。
(比較例1)
表3に示す、本発明の組成を満たさない比較組成1−1〜1−5について、実施例と同様の方法でガラス熔融を行った。また、実施例と同様の方法で、ビッカース硬度Hvとヤング率Eとを測定した。その結果を、表3に併せて示す。
Figure 2012017254
比較組成1−1〜1−3はガラス化したものの、ビッカース硬度Hvとヤング率Eの範囲は、表3に示すように、
ビッカース硬度Hv:6.49GPa≦Hv≦6.74GPa
ヤング率E:115GPa≦E≦117GPa
の範囲であり、実施例の組成1〜20のガラスと比較して物理的な耐久性が不十分であった。また、比較組成1−4および1−5は、ビッカース硬度Hvとヤング率Eの値が大きいものの、全体が分相により乳白色となり、光学用途のガラス材料としては不適当であった。なお、比較組成1−5は分相のためヤング率の測定ができなかった。
(比較例2)
表4に示す、本発明の組成を満たさない比較組成2−1〜2−23について、実施例と同様の方法でガラス熔融を行ったが、すべて結晶化して白色不透明の球体となり、ガラス化しなかった。
Figure 2012017254
本発明によって得られる光学ガラスは、光学特性および物理的強度に優れており、さらにある程度大きなサイズであっても実現可能である。したがって、レンズ等の光学素子等に好適に利用でき、光学機器の最外面に用いられるレンズなどの材料としても好適に利用できる。
1 噴出ノズル
2 支柱
3 チューブ
4 レギュレータ
5 流量計
6 レーザ発振器
7 横枝
8 レーザ光
9 ミラー
10 凸レンズ
11 浮遊体(ガラス原料)
12 CCDカメラ

Claims (5)

  1. mol%で示す組成が以下の条件を満たす、光学ガラス。
    40%≦Al23≦54%
    20%≦La23+Y23≦30%
    0%≦La23≦30%
    0%≦Y23≦30%
    16%≦ZrO2+Nb25+Ta25+MgO≦30%
    0%≦ZrO2≦25%
    0%≦Nb25≦10%
    0%≦Ta25≦10%
    0%≦MgO≦15%
    0%≦Sc23≦10%
    0%≦Yb23≦5%
    0≦SiO2≦15%
  2. mol%で示す組成が以下の条件を満たし、かつ、実質的に以下の成分のみからなる、請求項1に記載の光学ガラス。
    40%≦Al23≦54%
    20%≦La23+Y23≦30%
    0%≦La23≦30%
    0%≦Y23≦30%
    16%≦ZrO2+Nb25+Ta25+MgO≦30%
    0%≦ZrO2≦25%
    0%≦Nb25≦10%
    0%≦Ta25≦10%
    0%≦MgO≦15%
    0%≦Sc23≦10%
    0%≦Yb23≦5%
    0≦SiO2≦15%
  3. ビッカース硬度が7.4GPa以上であり、かつ、ヤング率が130GPa以上である、請求項1または2に記載の光学ガラス。
  4. 屈折率ndとアッベ数νdの値が、
    1.75≦nd≦1.95
    160−(200/3)nd≦νd≦170−(200/3)nd
    を満たす、請求項1〜3の何れか1項に記載の光学ガラス。
  5. 最小部分の長さが0.5mm以上である、請求項1〜4の何れか1項に記載の光学ガラス。
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