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JP2012003863A - リチウムデンドライトの析出検出方法及びリチウムデンドライトの析出検出装置 - Google Patents

リチウムデンドライトの析出検出方法及びリチウムデンドライトの析出検出装置 Download PDF

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JP2012003863A
JP2012003863A JP2010135327A JP2010135327A JP2012003863A JP 2012003863 A JP2012003863 A JP 2012003863A JP 2010135327 A JP2010135327 A JP 2010135327A JP 2010135327 A JP2010135327 A JP 2010135327A JP 2012003863 A JP2012003863 A JP 2012003863A
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charging
lithium dendrite
lithium
precipitation
charging current
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Application number
JP2010135327A
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English (en)
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Yoji Sakurai
庸司 櫻井
Mitsuaki Chisaka
光陽 千坂
Shinji Iwata
真治 岩田
Masahiko Miyata
雅彦 宮田
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Toyohashi University of Technology NUC
Tokai Rika Co Ltd
Original Assignee
Toyohashi University of Technology NUC
Tokai Rika Co Ltd
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Publication date
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Abstract

【課題】定電圧充電下におけるリチウムデンドライトの析出検出方法及びリチウムデンドライトの析出検出装置を提供する。
【解決手段】定電圧充電下におけるリチウムイオン電池の充電時において、リチウムデンドライトの析出の判断を、充電電流が下降から上昇に転じる極小点の有無を検出することにより行う、リチウムデンドライトの析出検出方法。
【選択図】図5

Description

本発明は、リチウムイオン電池におけるリチウムデンドライトの析出検出方法及びリチウムデンドライトの析出検出装置に関する。
近年、携帯電話及びノートパソコン、並びに電気自動車、及びハイブリッド自動車など、充電によって二次電池に電気を蓄えて、これを電源として利用したり、動力源として走行用のモータを駆動させたりする製品が増加している。その二次電池の中でも、リチウムイオン電池は、エネルギー密度が高い、高い電圧を得られる、メモリー効果が小さい等の利点が多いため様々な製品に利用されている。
しかし、リチウムイオン電池は、過充電時等において負極側にリチウムのデンドライト(樹枝状晶)が析出するおそれがある。デンドライトが析出すると、内部短絡の原因となるほか、熱安定性や充放電特性を低下させ、様々な自己発熱現象を次々に誘発する熱暴走を引き起こし、最悪の場合発火・破裂に至る。これは、リチウムイオン電池のエネルギー密度が高いという利点の裏返しでもある本質的な問題である。このため、リチウムイオン電池を使用する機器には、内部短絡が起こってもリチウムイオン電池の発火・破裂を防ぐために、様々な対策がなされている。
また、リチウムイオン電池に短絡自体を起こさせないための様々な方法が開示されている(例えば特許文献1など)。特許文献1には、充電電流、及び端子電圧の挙動を観察することにより、電池内に発生する微小短絡を検知する方法が開示されている。これは、充電中において、内部短絡が発生する前には、電池の内部に微小短絡が発生することに着目したものである。そして、この微小短絡の検出を通じて内部短絡が発生しやすい状況が検出されるとき、電池を交換等することにより、電池の内部短絡の発生が未然に防止される。
特開平9−17458号公報
特許文献1の方法では、微小ながらも短絡を起こしてからの検知となるため、微小短絡が発生するまで相当量のリチウムデンドライトが析出する必要がある。つまり、リチウムデンドライトが析出してからもしばらくの間充電が行われるため、リチウムイオン電池の劣化に繋がるおそれがある。また、図16のグラフに示すように、充放電を繰り返すうちに負極が劣化する等して、充電中に負極の電位が低下してしまうことがある。このような場合においては、電池の定格電圧の範囲内で定電流または定電圧充電を行っているときであってもリチウムデンドライトが析出するおそれがある。特許文献1の方法では、定電圧充電下における充電電流の乱れを検出した後の充電サイクルにおいては、充電電流に乱れが生じていないことが確認できる。しかも、実際に短絡が起きたサイクルでは、微小短絡により発生するはずの充電電流の乱れが生じていない。これは、充電電流の乱れを検出するには、リチウムデンドライトが負極から離脱する(外れる)必要があるためである。換言すれば、リチウムデンドライトが負極から離脱しなければ、微小短絡は検出できないため、リチウムデンドライトの検出は困難である。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、定電圧充電下におけるリチウムデンドライトの析出検出方法及びリチウムデンドライトの析出検出装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、定電圧充電下におけるリチウムイオン電池の充電時において、リチウムデンドライトの析出の判断を、充電電流が下降から上昇に転じる極小値を示す点である極小点の有無を検出することを要旨とする。
本発明は、定電圧充電下における充電電流の極小点付近でリチウムデンドライトの析出が開始されることに着目してなされたものである。同構成によれば、リチウムイオン電池の短絡に繋がるリチウムデンドライトの析出の検出を同電池において短絡が発生しない状態で検出することができる。また、リチウムイオン電池を解体することなく、リチウムデンドライトの析出を検出することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のリチウムデンドライトの析出の検出方法において、前記極小点の有無は、充電電流の変化量を用いた関数により判断することを要旨とする。
同構成によれば、極小点の有無は、充電電流の変化量を用いた関数により判断される。このため、極小点の有無は、充電電流の変化量を用いた様々な関数から判断されることになるので、リチウムデンドライトの析出の有無を正確に検出することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のリチウムデンドライトの析出の検出方法において、前記極小点の有無は、サンプリング時間を充電電流の変化量で除した値により判断することを要旨とする。
充電電流の変化は緩やかであるため、当該充電電流がどのタイミングで極小点に到達したかを判断するのは難しい。そこで、同構成によれば、サンプリング時間を充電電流の変化量で除した値を監視することにより、充電電流が極小点を迎えたか否かをより正確に検出することができる。極小点付近では、電流変化量が極めて小さくなるので、当該サンプリング時間を充電電流の変化量で除した値は著しく大きくなるからである。従って、リチウムデンドライトの析出が開始された時点をより正確に検出することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載のリチウムデンドライトの析出の検出方法において、前記極小点の有無は、充電電流の変化量をサンプリング時間で除した値により判断することを要旨とする。
同構成によれば、リチウムイオン電池にリチウムデンドライトが析出した場合には、充電電流の変化量の値を時間列に並べると、当該値は、負から正へ変化する極小点を有する。逆に言えば、充電電流の値を時間列に並べた曲線が極小点を示すと、リチウムデンドライトの析出が開始されているということである。よって、充電電流の変化量の値を時間列に並べた曲線が0に近づいた時点は、リチウムデンドライトの析出が開始した段階またはリチウムデンドライトの析出が開始する直前であると判断することができる。更に、本発明を請求項3に適用した場合には、リチウムデンドライトが析出する直前の時点と、リチウムデンドライトの析出が開始された直後との両方を検出することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1から4に記載のいずれか一項に記載のリチウムデンドライトの析出検出方法を用いることを要旨とする。
同構成によれば、リチウムデンドライトの析出を検出することができるリチウムデンドライトの析出検出装置を提供することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のリチウムデンドライトの検出装置において、リチウムデンドライト析出を検知したとき、充電を停止するとともに電池交換が行われるまで充電が行われないようにロックする機能を持つことを要旨とする。
同構成によれば、リチウムデンドライトの析出が確認された時点で、電池への充電を停止するため、充電時におけるリチウムデンドライトの析出が原因となる電池の破裂、発火を抑制することができる。
本発明では、定電圧充電下におけるリチウムデンドライトの析出検出方法及びリチウムデンドライトの析出検出装置を提供することができる。
リチウムデンドライドの析出の有無を検出する実験装置と試験体11の模式図。 一般的なCC−CV充電態様を示すグラフ。 試験体11における電極1表面へのリチウムデンドライトの析出の有無を検出するためのフローチャート。 CV充電下における充電電圧値及び充電電流値の変化態様を示すグラフ。 充電電流値及びdt/dIの値の変化態様を示す図4の円A部分の拡大図。 充電電流値及びdI/dtの値の変化態様を示す図4の円A部分の拡大図。 リチウムデンドライドの析出の有無を検出する実験装置と試験体12の模式図。 試験体12の解体を行った時刻を示すグラフ。 図8に示す時刻t0における試験体12の電極1の拡大写真。 図9の一部を更に拡大した拡大写真。 図8に示す時刻t1における試験体12の電極1の拡大写真。 図12の一部を更に拡大した拡大写真。 図8に示す時刻t2における試験体12の電極1の拡大写真。 図13の一部を更に拡大した拡大写真。 本発明のリチウムデンドライトの析出検出方法を用いたリチウムイオン電池の充電装置を示す模式図。 定電流充電下において、負極におけるリチウムデンドライトの析出の理由を示すグラフ。
本発明に係るリチウムデンドライトの析出検出方法は、リチウムイオン電池の定電圧充電下において、リチウムデンドライトが析出する際の充電電流が示す挙動から、リチウムイオン電池を解体することなくリチウムデンドライトの析出を検出するものである。本願発明者らは、二種類の試験体を用いてリチウムイオン電池の負極として機能するグラファイトを活物質とする電極上に意図的にリチウムデンドライトを析出させる実験を行い、その析出の際の充電電流が示す挙動の観察を行った。その結果、リチウムデンドライトが析出したときの充電電流が示す挙動からリチウムデンドライトの析出の有無を検出可能であることが確認された。まず、実験装置について説明する。
図1に示すように、リチウムイオン電池の負極として機能するグラファイトを活物質とする電極1を使用した三電極セルである試験体11には、充放電装置21を介して制御用PC(パーソナルコンピュータ)22が接続されている。制御用PC22は、その記憶装置22aに格納される充放電プログラムに従って充放電装置21を制御する。試験体11は、充放電装置21によって、充電及び放電される。
図1に示すように、試験体11は、電解液4に満たされる電極1と電極2とを備えている。電極2はリチウム金属箔からなる。電極1は、ポリフッ化ビニリデン(PVdF、バインダ)とN−メチルピロリドン(NMP、溶媒)とを混合したものにグラファイト及びアセチレンブラックを混合し、これを銅箔に塗布した後、乾燥させてプレスすることにより形成される。電極1及び電極2は、充放電装置21に接続されている。充放電装置21は、電位検出機能及び電流検出機能を有する。制御用PC22は、充放電装置21を介して電極1と電極2間の電圧及びこれらの間に流れる電流値を計測する。電解液4は、有機電解液であるLiPF6−EC/DMCで構成されている。なお、本例の試験体11は、リチウム金属箔からなる参照極3を採用している。この参照極3は、電極1と電極2との間に設けられて充放電装置21に接続されている。これにより、制御用PC22は、電極1及び電極2の電位をより正確に計測することができる。なお、この参照極3は、試験体11の性能(電圧・電流など)に影響を及ぼすものではない。
次に、試験体11が充放電される際の電極1と電極2との間におけるリチウムイオンの授受について説明する。なお、図1に示すリチウムイオンの移動態様は、充電時におけるものである。放電時のリチウムイオンの移動態様は充電時と逆になるのみであるので、その図示を省略する。
試験体11における充電時には電極1にリチウムイオンが貯蔵され、放電時には電極1からリチウムイオンが放出される。なお、充電時において、電極1が貯蔵できるリチウムイオンの量が限界に到達する、すなわち、電極1がリチウムイオンを貯蔵できなくなると、電極1の表面にリチウムがデンドライト状に析出する。
次に、試験体11の電極1にリチウムデンドライトを析出させるための処理について説明する。
制御用PC22は、その記憶装置22aに記憶されている充放電プログラムPRに従い、充放電装置21を通じて3サイクル充放電を行うことにより電極を安定化させた後にリチウムデンドライトの析出の有無を確認するための定電流−定電圧(CC−CV)充電を繰り返し行う。図2に示すCC−CV充電方式は、リチウムイオン電池の一般的な充電方式である。この充電方式は、まず、一定の充電電流のもと、電池電圧、すなわち正極電位と負極電位との差を所定の電位差にした後、その電位差を保ちつつ(一定の充電電圧)、充電電流を徐々に小さくしながら電池に蓄えられる電力量を高めるものである。
次に、リチウムデンドライトを析出させるための処理手順を図3に示すフローチャートに従って詳細に説明する。このフローチャートは、充放電プログラムPRに従い実行される。また、当該処理は、実験者の制御用PC22の操作を通じて実行、開始される。
図3に示すように、充放電装置21は、このフローチャートがスタートすると、電極を安定化させるための3サイクル充放電を行う(ステップS1)。すなわち、充電と放電を3回繰り返す。これが終了した段階での試験体11の充電回数Tを0(零)とする。次に、制御用PC22は、CC−CV充電の充電回数Tをカウント(インクリメント)し(ステップS2)、充放電装置21を介して、試験体11にCC充電を行う(ステップS3)。このとき、試験体11に供給する充電電流Iを、所定電流I1とする。
次に、制御用PC22は、CC充電中に、電極1の電位Eが所定電位Etに達したか否かを判断する(ステップS4)。所定電位Etは、ステップS2における充電回数T毎にあらかじめ決定されている。そして、制御用PC22は、電位Eが所定電位Etに達していなければ(ステップS4でNO)、電位Eが所定電位Etに達するまで、CC充電を行う。電位Eが所定電位Etに達していれば(ステップS4でYES)、制御用PC22は、ステップS5にその処理を移行する。ステップS5では、充放電装置21は、定電圧充電(CV充電)を行う。このとき、電極1の電位Eは所定電位Etに維持される。従って、このCV充電中において、充電電流Iは徐々に減少する。そして、制御用PC22は充電電流Iが所定電流値I2に達したか否かを判断する(ステップS6)。制御用PC22は、充電電流Iが所定電流値I2に達していなければ(ステップS6でNO)、充電電流Iが所定電流値I2に達するまで、CV充電を維持する。充電電流Iが所定電流値I2に達していれば(ステップS6でYES)、制御用PC22は、ステップS2にその処理を移行する。そして、制御用PC22は、ステップS2のCC−CV充電の充電回数Tを1だけ増加させて、ステップS3〜ステップS6を再度実行する。こうして、制御用PC22は、電位E及び充電電流Iを計測し、これら計測データを記憶装置22aに記憶する。また、制御用PC22は、電位Eと充電電流I、及びこれらから算出できる時間軸を有する値をグラフにする等してディスプレイに表示させる。なお、制御用PC22は、実験者によって停止されるまでこのフローチャートを繰り返し実行する。
次に、制御用PC22による試験体11における電極1の電位E及び充電電流Iの計測結果を図4に示す。
本例では、図4のグラフに示すように、CC−CV充電の充電回数T=5のときのCV充電下において、それまで、所定電流値I2に向かって徐々に下降していた充電電流Iは、所定電流値I2に達することなく、時刻t1付近で上昇に転じている。これは、時刻t1付近において、電極1がリチウムイオンを貯蔵できなくなったと推測される。すなわち、リチウムイオン電池の負極として機能するグラファイトを活物質とする電極は、この時刻t1において、リチウムデンドライトが析出したものと推測される。
ここで、図4中に示す円Aの部分を拡大したものを図5及び図6のグラフに示す。また、図5には、式1の計算データ(dt/dI)を、図8には式2の計算データ(dI/dt)をあわせて示す。dtはある時刻tからそれよりも前の時刻tn−1を減じたサンプリング時間を示し、dIは時刻tに対応する充電電流値Iから時刻tn−1に対応する充電電流値In−1を減じた電流変化量を示す。すなわち、dI/dtは、充電電流Iの変化量をサンプリング時間で除した値を示し、dt/dIはその逆数である。
dt/dI=(t−tn−1)/(I−In−1)・・・(1)
dI/dt=(I−In−1)/(t−tn−1)・・・(2)
図5に示すように、充電電流Iの変化はゆるやかであるため、どの時刻において充電電流Iが下降から上昇に転じる極小値を示す点、すなわち極小点に到達したのか判断しにくい。そこで、式1によって算出されるdt/dIの値に着目すると、それまで、0付近の値をとっていたdt/dIの値は、時刻t1において無限大となるように急激に上昇する。これは、式1を確認すればわかるように、当該式1の分母は充電電流Iの変化量であるため、充電電流Iの変化量が小さくなれば、分母が0に近づくためである。よってこの時刻t1が充電電流Iの極小点であることがわかる。
また図6に示すように、dI/dtの値は、時刻t1に向かうに従って0に向かうことがわかる。これは、式2を確認すればわかるように、当該式2の分子は充電電流Iの変化量であるため、充電電流Iの変化量が小さくなれば、分子は0に近づく。従って、dI/dtの値は0に近づく。つまり、dI/dtの値が0に近づくような挙動を示すようになった場合には、充電電流Iが極小点に近づいていることがわかる。
ここで、定電圧充電下における充電電流Iが極小点に到達したときにリチウムデンドライトが析出するという推測が正しいか否かを確認する実験(以下、確認実験)を行った。
本確認実験では、図7に示すように、より実際のリチウムイオン電池に近い試験体12を用いて行った。試験体12は、基本的な構成は試験体11と同じであるため、同一の部材に関しては、同一の番号を付すことにし、その詳細な説明を省略する。
試験体12では、試験体11に設けられていた参照極3が省略された構成となっている。また、試験体12では、試験体11には設けられていなかった微孔性ポリプロピレン膜からなるセパレータ5が電極1,2間に設けられている。セパレータ5は、リチウムイオンの通過を許容するとともに、電極1,2の物理的な接触を抑制し短絡を防ぐために設けられるもので、実際に使用されるリチウムイオン電池には欠かせないものである。なお、試験体12を解体した後、電極1の状態を確認するために、本確認実験装置では、走査型電子顕微鏡23を用いる。この走査型電子顕微鏡23により、試験体12における電極1の走査型電子顕微鏡画像が撮影される。
試験体12の電極1にリチウムデンドライトを析出させる際には、電極を安定化させるための3サイクル充放電を行い、その後、電極1と電極2の電位差Vを所定の電圧VtとなるまでCC充電を行った後、電圧Vtで保持してCV充電を行った。
本確認実験では、上述した試験体12を3個用意し、当該3個の試験体12を図8に示すように、dI/dtの値が0に近づき始めた充電電流Iの極小点前である時刻t0と、dt/dIの値が極大値となる充電電流Iの極小点である時刻t1と、dt/dIの値が極大値を示した後の充電電流Iの極小点後である時刻t2とにおいて、それぞれ解体する。そして、走査型電子顕微鏡23によって、各時刻における電極1の拡大観察を行い、リチウムデンドライトの析出の有無を確認した。その画像を図9〜図14に示す。
図9及び図10に示すように、充電電流Iが極小点を迎える前の状況では、リチウムデンドライトの発生は認められない。一方、図11及び図12に示すように、充電電流Iが極小点を迎えた状況では、リチウムデンドライトが既に発生していることが認められる。しかし、リチウムデンドライトの発生量は少ない。よって、充電電流Iが極小点に至った時点では、リチウムデンドライトが発生した後の間もない状況であることがわかる。図13、図14に示すように充電電流Iが極小点を過ぎた状況では、リチウムデンドライトが成長している様子が認められる。
この確認実験の実験結果からもわかるように、上記推測実験で推測した充電電流Iの極小点がリチウムデンドライトの析出を判断する指標となることが確認された。すなわち、リチウムイオン電池は、解体しなくとも充電電流Iの変化量dIの値を利用することによって、リチウムデンドライト析出を検出することができる。例えばdt/dIの値を用いることによって、リチウムデンドライトの発生直後を検出することができる。また、dI/dtの値を用いることによって、リチウムデンドライトの析出が開始される前の時点で当該リチウムデンドライトの析出が近いことを検出することができる。例えば、リチウムイオン電池の充電時において、リチウムデンドライトが析出した直後に電池の使用を止めたければdt/dIの値を、それよりも早い段階、すなわちリチウムデンドライトの析出が開始する前の時点で電池の使用を止めたければdI/dtの値を、それぞれ適用することにより、それぞれのタイミングで電池の使用を停止させることで、電池を安全に使用することができる。具体的には、例えばdt/dIの値、dI/dtの値に対し、それぞれにしきい値を設定する。所定の制御周期で算出されるdt/dIの値、dI/dtの値としきい値との比較を通じて、リチウムデンドライトの析出の開始直後の状況であること、あるいはリチウムデンドライトが析出しそうな状況であることを検出する。
このように、今までは、電池を解体しない場合において、リチウムデンドライトの析出は推測でしか判断できなかったが、本例の試験結果から電池を解体せずともリチウムデンドライトの析出を検出することができる。これにより、リチウムイオン電池の安全に使用できる電圧値や電流値の範囲を正確に判断することができる。従って、リチウムイオン電池の利用可能電力容量を広げられることが期待できる。
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)充電電流Iが下降から上昇に転じる極小点を検出することによって、リチウムイオン電池の熱暴走・発火や短絡に繋がるリチウムデンドライトの析出の検出を同電池において短絡が発生しない状態で検出することができる。また、リチウムイオン電池を解体することなく、リチウムデンドライトの析出を検出することができる。
(2)dt/dIの値を利用することによって、充電電流Iが極小点に到達したか否かの判断を正確に行うことができる。従って、リチウムデンドライトが析出した直後の時刻をより正確に検出することができる。
(3)dI/dtの値を利用することによって、電池(負極)の状態がリチウムデンドライトの発生に近づいているか否かを判断することができる。従って、リチウムデンドライトの発生直後よりも早い段階で、リチウムイオン電池の充電を停止させることができる。
(4)電池を解体せずには推測でしか判断できなかったリチウムイオン電池の安全に使用できる電圧値や電流値の範囲を正確に判断することができるため、リチウムイオン電池の利用可能電力容量を広げられることが期待できる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態において、極小点の有無を判断する関数はdt/dI,dI/dtに限らず、充電電流Iの変化量であるdIを利用した関数であればよい。例えば、1/dIという関数であれば、dt/dIと同様の効果が得られる。
・上記実施形態において、極小点の有無を判断するときに用いるサンプリング時間dtは、任意に設定する単位時間であってもよい。この任意に設定する単位時間を採用する場合、充電電流Iの変化量dIも当該単位時間に対応する時刻における変化量を用いることとして、dt/dI,dI/dtを計算することにより、充電電流Iの極小点を判断することが可能となる。
・上記実施形態において、実験者は電極2にはリチウムを使用したが、コバルト酸リチウム等を使用したリチウム電池用正極であってもよい。すなわち、充電電流Iの極小点を利用したリチウムデンドライトの析出の有無の検出は、正極にコバルト酸リチウム等を使用した一般的なリチウムイオン電池に適用することができる。
・上記実施形態において、電極1は、ポリフッ化ビニリデン(PVdF、バインダ)とN−メチルピロリドン(NMP、溶媒)とを混合したものにグラファイト及びアセチレンブラックを混合し、これを銅箔に塗布した後、乾燥させてプレスすることにより形成されるものに限らず、一般的なリチウムイオン電池負極材料を用いた一般的な電極を使用することが可能である。
・上記実施形態において、セパレータ5は、ポリプロピレン製微孔性膜に限らない。
・上記実施形態において、電解液4は、LiPF6−EC/DMCに限らない。
・上記実施形態において、dIの値を利用した一つの信号を用いて、極小点の有無を判定してもよいし、dIの値を利用した複数の信号を用いて極小点の有無を判定してもよい。
・上記実施形態において、リチウムイオン電池のCC−CV充電下に限らず、CV充電のみの場合に適用してもよい。
・上記実施形態のリチウムデンドライトの析出検出方法を利用して、リチウムデンドライトの析出検出装置を構築することができる。
図15に示すように、この装置は、充電装置31を通じてリチウムイオン電池30に供給される充電電流Iを検出する電流センサ32と、同電流センサ32を通じて検出される充電電流Iに基づきその極小点を検出するための演算を行うマイクロコンピュータ33とを備える。マイクロコンピュータ33の記憶装置33aには、充電プログラムが格納される。
マイクロコンピュータ33は、dIの値を利用した信号として例えばdt/dIの値、dI/dtの値を演算し、これら算出される値に基づき充電電流Iの極小点を検出する。マイクロコンピュータ33は、極小点が検出されるとき、リチウムデンドライトの析出、あるいは、そのおそれがあるとして充電装置31の稼働を停止させる。これにより、リチウムデンドライトが原因となるリチウムイオン電池の内部短絡等の問題が未然に防止される。また、マイクロコンピュータ33は、充電装置31の稼働を停止させた旨を報知するようにしてもよいし、充電装置31の稼働を停止させなくとも、その旨を報知のみするようにしてもよい。この場合、報知手段としてブザーや表示装置を設ける。なお、このリチウムデンドライトの析出検出装置34は、リチウムイオン電池の充電装置に設けてもよいし、別個に設けてもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(イ)前記定電圧充電に先立ち定電流充電を行う請求項1〜4のいずれか一項に記載のリチウムデンドライトの析出検出方法。
同構成によれば、定電流充電を行った後に定電圧充電を行う一般的なリチウムイオン電池の充電方法に適用することができる。
(ロ)充電装置を通じてリチウムイオン電池に供給される充電電流を計測するセンサと、前記充電装置により、前記リチウムイオン電池の定電圧充電が行われている状況下において、サンプリング時間当たりの充電電流の変化量、及びサンプリング時間当たりの充電電流の変化量の逆数の少なくとも一方を演算する演算手段と、前記演算手段の演算結果に基づいて、充電電流が下降から上昇に転じる極小点の有無を検知する検知手段とを備え、前記検知手段は、前記極小点が検出されることをもってリチウムデンドライトの析出を検出するリチウムデンドライトの析出検出装置。
同構成によれば、充電電流の極小点の有無に基づきリチウムデンドライトの発生の有無を検出できる。
(ハ)前記(ロ)に記載のリチウムデンドライトの析出検出装置において、前記検知手段は、リチウムデンドライトの析出が検出されるとき、あるいはリチウムデンドライトの析出が近い旨が検出されるとき、その旨を報知、あるいは前記充電装置を停止させることを特徴とするリチウムデンドライトの析出検出装置。
同構成によれば、リチウムデンドライトの析出が発生した時点、あるいは、リチウムデンドライトの析出が近くなってきた時点において、充電装置を停止させる、あるいは、停止を促すことができる。
(ニ)前記(ロ)又は(ハ)に記載のリチウムデンドライトの析出検出装置を備えたリチウムイオン電池の充電装置。
同構成によれば、リチウムデンドライトの析出又はリチウムデンドライトの析出が近い時点で、リチウムイオン電池の充電装置の稼働を停止させることができる。これにより、リチウムデンドライトが原因となる発火・短絡の発生が抑制されたより安全なリチウムイオン電池の充電装置を提供することができる。
dt…サンプリング時間、dI…電流変化量、E…電位、I…充電電流、T…充電回数、Et…電位、V…充電電圧、Vt…電圧、I1,I2,In…電流値、PR…充放電プログラム、t1,t2,tn…時刻、1…電極、2…電極、3…参照極、4…電解液、5…セパレータ、11…試験体、12…試験体、21…充放電装置、22…制御用PC、22a…記憶装置、23…走査型電子顕微鏡、30…リチウムイオン電池、31…充電装置、32…電流センサ、33…マイクロコンピュータ、33a…記憶装置。

Claims (6)

  1. 定電圧充電下におけるリチウムイオン電池の充電時において、リチウムデンドライトの析出の判断を、充電電流が下降から上昇に転じる極小値を示す点である極小点の有無を検出することにより行う、リチウムデンドライトの析出検出方法。
  2. 請求項1に記載のリチウムデンドライトの析出の検出方法において、
    前記極小点の有無は、充電電流の変化量を用いた関数により判断することを特徴とするリチウムデンドライトの析出検出方法。
  3. 請求項2に記載のリチウムデンドライトの析出の検出方法において、
    前記極小点の有無は、サンプリング時間を充電電流の変化量で除した値により判断することを特徴とするリチウムデンドライトの析出検出方法。
  4. 請求項2又は3に記載のリチウムデンドライトの析出の検出方法において、
    前記極小点の有無は、充電電流の変化量をサンプリング時間で除した値により判断することを特徴とするリチウムデンドライトの析出検出方法。
  5. 請求項1から4に記載のいずれか一項に記載のリチウムデンドライトの析出検出方法を用いることを特徴とするリチウムデンドライトの析出検出装置。
  6. 請求項5に記載のリチウムデンドライトの検出装置において、
    リチウムデンドライト析出を検知したとき、充電を停止するとともに電池交換が行われるまで充電が行われないようにロックする機能を持つことを特徴とするリチウムデンドライトの析出検出装置。
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