JP2012003033A - 変調パターン生成方法及びホログラフィックステレオグラム作成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ホログラフィックステレオグラムに用いる多視点画像の再取得を省略したり、再生像を加工、修正する時に改めて変調パターンを生成し直すことを省略したりし得るホログラフィックステレオグラム作成装置を提供する。
【解決手段】変調パターン生成方法は、被写体とカメラの相対位置を変更しながら、複数の異なる視点位置から物体をそれぞれ単独で撮影することで物体毎の多視点画像データを複数取得するステップと、複数の物体の各々に対して、多視点画像データから、ホログラフィックステレオグラムに記録するための物体光を変調する変調パターン群を合成するステップと、要素ホログラム毎に複数の物体に対する複数の変調パターンから新たな変調パターンを再合成するステップと、を含む。ホログラフィックステレオグラム作成装置は、再合成変調パターン生成部と、物体光を変調する新たな変調パターンに基づき物体光を変調する空間光変調器を含む。
【選択図】図14
【解決手段】変調パターン生成方法は、被写体とカメラの相対位置を変更しながら、複数の異なる視点位置から物体をそれぞれ単独で撮影することで物体毎の多視点画像データを複数取得するステップと、複数の物体の各々に対して、多視点画像データから、ホログラフィックステレオグラムに記録するための物体光を変調する変調パターン群を合成するステップと、要素ホログラム毎に複数の物体に対する複数の変調パターンから新たな変調パターンを再合成するステップと、を含む。ホログラフィックステレオグラム作成装置は、再合成変調パターン生成部と、物体光を変調する新たな変調パターンに基づき物体光を変調する空間光変調器を含む。
【選択図】図14
Description
本発明はホログラフィックステレオグラム作成装置(以降、ホログラフィックプリンタともいう)に関し、特に、ホログラフィックステレオグラムに記録すべき物体光を変調するための変調パターンを生成する変調パターン生成方法及びホログラフィックステレオグラム装置に関する。
ホログラムは、一般的に、レーザ光(コヒーレント光)を2つに分け、一方を被写体に照射してその拡散反射光(物体光)をホログラム記録媒体を塗った感光シートに当てると同時に、他方の光を所定角度で参照光として感光シートに直接照射して、この2つの光の干渉による干渉縞を感光シートへ記録したものとして知られている。このホログラムに記録時と同じ角度で参照光を照明することで、記録時と同一の強度と方向の物体光が再生され、被写体の3次元像が得られる。
ステレオグラムは、人間の左右目の視点位置に対応して物体を撮影した1組の視差画像を目視して、立体視を可能とするものが知られている。一般に、立体視は、視覚により人間が立体物体を知覚することであり、人の5つの生理的要因、眼球水晶体の調節、両眼の幅較角、両眼視差、運動視差及び視野の拡大効果、による。その中で、ステレオグラムは立体視効果の高い両眼視差を利用したもので、2視点式ステレオグラムとして、レンチキュラなどを用いた裸眼式や、アナグリフなどメガネ式などがある。例えば、2視点式ステレオグラムは1組の視差画像の真正面しか立体視できず、両眼視差こそ再現できるものの輻輳や焦点調節といった立体認識に必要なその他の要因を無視しているため、自然な立体視には不十分といえる。
ホログラフィックステレオグラムは、ステレオグラムに用いる視差画像をホログラムによって記録/再生するものである。具体的には、被写体を異なる視点(観察位置)から撮影した複数の2次元画像をドット状(又は短冊状)の微小なホログラム(要素ホログラム)として敷き詰めるように感光シートへ記録したものである。このとき視点位置を例えば60視点にして要素ホログラムを60個敷き詰めれば60枚の視差画像が再生されるので、運動視差をも利用可能で、観察者の視点変化や多数の観察者に応じた3次元像が再現できる。
このように、ホログラフィックステレオグラムでは、その視差数(要素ホログラム数、画像数)を多くすることが可能であり、例えば、片眼瞳内に複数の画像が入るくらい要素ホログラムを増やせば輻輳や焦点調節なども機能させることができる。
ホログラフィックステレオグラム及びその装置は、更なる自然な立体視を目指して開発されている(例えば、特許文献1、非特許文献1〜4、参照)。ホログラフィックステレオグラムには、撮影において被写体に対して水平と同時に垂直にもカメラを動かして2次元的に画像を取得する場合もあるが、例えば、水平方向だけのホログラフィックステレオグラムをHPOホログラフィックステレオグラム(Horizontal Parallax Only)、2次元的なホログラフィックステレオグラムをフルパララックス・ホログラフィックステレオグラムと呼ばれているものがある。
『ホログラフィック・ステレオグラムによる像再生特性に関する考察』、山口雅浩ほか、「光学」第22号巻第11号(1993年11月)pp.714
『Holographicthree−dimensionalprinter:newmethod』,MasahiroYamaguchi,APPLIEDOPTICS,vol.31,No.2,(1992)
『即時ホログラフィック3Dプリント技術』,白倉明,映像情報メディア学会技術報告vol.22No.43,pp7−15,(1998)
『実写からの全方向視差ホログラフィックステレオグラム作成システム』,小嶋遼太他,映像情報メディア学会技術報告vol.31,No.40,pp9−12,(2007)
ホログラフィックステレオグラム、特に、フルパララックス・ホログラフィックステレオグラムは、再生される画像の画面サイズや解像度などにもよるが、多数の、例えば、数千、数万、数億枚の視差画像(以降、多視点画像ともいう)を取得する必要がある。
数億枚の視差画像を取得することは現実にはほぼ不可能であるため、近似を用いて視差画像の取得枚数を減らす工夫もなされているが、その場合でも比較的自然な立体像を再生するためには少なくとも数千枚程度の視差画像を取得する必要がある。視差画像の取得は被写体に対してカメラを少しずつ移動させながら撮影を繰り返すため、数千枚の視差画像を取得するためにはかなりの撮影時間が必要である。もちろん、その間、被写体は静止していなければならない。また、ホログラフィックステレオグラムを作成するためには、取得した複数の原画すなわち多視点画像を取得してデータ化した後、データ化された多視点画像データを元に画像処理技術によって、要素ホログラムを記録するための変調パターン群を生成する必要がある。
観光地などで有名な景色を背景にして人物のホログラフィックステレオグラムを作成すると立体的な記念写真を残すことができる。この場合、多視点画像の撮影中は被写体である人物は静止しているわけだが、背景として自動車や他の観光客などが動いてしまうと正しい多視点画像データが得られないため、幾度となく多視点画像データの取得をやり直し、それに応じて変調パターン群を生成しなければならないという問題があった。
また多視点画像データを取得する際に、例えば、カメラの設定で撮影した日付情報などが画面の隅に小さく表示されるようにしていた場合、ホログラフィックステレオグラムで再生される立体像にも日付情報が表示されるわけだが、後になって、この日付情報を削除もしくは日付を変更しようとした場合には、多視点画像から日付情報を削除もしくは日付を変更した後に、改めて変調パターン群を生成し直した上で要素ホログラムを印刷しなければならず、そのための処理時間と手間がかかるという問題があった。
そこで本発明は、一度取得した多視点画像データを再利用することで多視点画像の再取得を省略したり、再生像を加工、修正する時に改めて変調パターン群を生成し直すことを省略したりし得る変調パターン生成方法及びホログラフィックステレオグラム装置を提供することが一例として挙げられる。
請求項1記載の変調パターン生成方法は、複数の物体から成る被写体のホログラフィックステレオグラムを作成するための変調パターン生成方法であって、
前記被写体とカメラの相対位置を変更しながら、複数の異なる視点位置から前記物体をそれぞれ単独で撮影することで物体毎の多視点画像データを複数取得するステップと、
前記複数の物体の各々に対して、前記多視点画像データから、ホログラフィックステレオグラムに記録するための物体光を変調する変調パターン群を合成するステップと、
要素ホログラム毎に前記複数の物体に対する複数の変調パターンから新たな変調パターンを再合成するステップと、を含むことを特徴とする。
前記被写体とカメラの相対位置を変更しながら、複数の異なる視点位置から前記物体をそれぞれ単独で撮影することで物体毎の多視点画像データを複数取得するステップと、
前記複数の物体の各々に対して、前記多視点画像データから、ホログラフィックステレオグラムに記録するための物体光を変調する変調パターン群を合成するステップと、
要素ホログラム毎に前記複数の物体に対する複数の変調パターンから新たな変調パターンを再合成するステップと、を含むことを特徴とする。
請求項2記載の変調パターン生成方法は、前記複数の物体に対する複数の変調パターンから新たな変調パターンを再合成するステップは、前記変調パターンの画素毎に、前記複数の物体の前後関係を比較し、最も手前の物体に対する変調パターンの画素値を、前記新たな変調パターンの画素値とすることを特徴とする。
請求項3記載の変調パターン生成方法は、前記複数の物体に対して各々の多視点画像データを取得するステップは、前記多視点画像データの画素毎に、輝度値に加えて奥行き情報を記録するステップを含むことを特徴とする。
請求項4記載のホログラフィックステレオグラム作成装置は、複数の物体から成る被写体のホログラフィックステレオグラムを作成するホログラフィックステレオグラム作成装置であって、
請求項1乃至3に記載の変調パターン生成方法によって前記複数の物体に対する変調パターンから物体光を変調する新たな変調パターンを再合成する再合成変調パターン生成部と、
前記物体光を変調する新たな変調パターンに基づき物体光を変調する空間光変調器と、
参照光が照射されているホログラム記録媒体上に、物体光を集光して要素ホログラムを記録する対物レンズと、を含むことを特徴とする。
請求項1乃至3に記載の変調パターン生成方法によって前記複数の物体に対する変調パターンから物体光を変調する新たな変調パターンを再合成する再合成変調パターン生成部と、
前記物体光を変調する新たな変調パターンに基づき物体光を変調する空間光変調器と、
参照光が照射されているホログラム記録媒体上に、物体光を集光して要素ホログラムを記録する対物レンズと、を含むことを特徴とする。
以下に、ホログラフィックステレオグラム作成装置いわゆるホログラフィックプリンタによるホログラフィックステレオグラムの作成システムを、図面を参照しつつ説明する。
ホログラフィックステレオグラム作成システムは大きく次の3つ、記録すべき被写体の撮影などを行う画像取得部である撮影セクションと、ホログラフィックステレオグラムための物体光を変調する変調パターンを生成する変調パターン生成セクションと、ホログラフィックステレオグラムを作成する印刷セクションとに分けられる。
まず、撮影セクションにおいて、記録すべき被写体を多数の観察点から順次撮影することにより、複数の原画すなわち多視点画像を取得しデータ化して、多視点画像データを取得する。次に、変調パターン生成セクションにおいて、データ化されている多視点画像データからコンピュータで計算、合成し、具体的に記録すべき変調パターン(SLM画像と呼ぶ)に対応する変調データを生成する。そして、印刷セクションにおいて、かかる変調パターンを、例えば光透過液晶パネルに表示し、これをレーザ光で照明し、液晶パネルで変調された透過光を集光レンズで感光シート(ホログラム面)上に集光しつつ、参照光で照明し順次記録する。
ここで、変調パターンの合成は多視点画像の取得の手法に左右されるので、先に、印刷セクションを説明し、撮影セクション及び変調パターン生成セクションである多視点画像の取得と変調パターンの合成をまとめて後で詳細に説明する。
−<印刷セクション:要素ホログラムの記録>−
図1は実施形態に用い得るホログラフィックプリンタの構成の一例を模式的に示したものである。レーザ光源21の直後には制御部22で開閉制御が可能なシャッター23が置かれ、各要素ホログラムを露光(記録)する時だけレーザ光を後方の光学系24に導くようにされている。シャッター23を通過した光はコリメータレンズ241によって平行光に変換される。なお、光学系においてエクスパンダ(図示せず)を用いてレーザ光の断面積を拡大することもできる。光源21からの平行光はビームスプリッタ242によって光路を2つに分割され、一方の光は、鏡243を介して空間光変調器244(パネルにSLM画像が表示されている)を通過した後に物体光となり、鏡245を介して対物レンズ246によって感光シート31上にその球面波が集光され、要素ホログラムが記録される。もう一方の平行光は参照光として鏡247を介して感光シート31の裏側から斜めに照射される。この際、物体光と参照光の光路長はほぼ同じにしておくことが望ましい。
図1は実施形態に用い得るホログラフィックプリンタの構成の一例を模式的に示したものである。レーザ光源21の直後には制御部22で開閉制御が可能なシャッター23が置かれ、各要素ホログラムを露光(記録)する時だけレーザ光を後方の光学系24に導くようにされている。シャッター23を通過した光はコリメータレンズ241によって平行光に変換される。なお、光学系においてエクスパンダ(図示せず)を用いてレーザ光の断面積を拡大することもできる。光源21からの平行光はビームスプリッタ242によって光路を2つに分割され、一方の光は、鏡243を介して空間光変調器244(パネルにSLM画像が表示されている)を通過した後に物体光となり、鏡245を介して対物レンズ246によって感光シート31上にその球面波が集光され、要素ホログラムが記録される。もう一方の平行光は参照光として鏡247を介して感光シート31の裏側から斜めに照射される。この際、物体光と参照光の光路長はほぼ同じにしておくことが望ましい。
ホログラム記録媒体の感光シート31はステージ35上に固定され、感光シート31の主面が物体光の光軸に対して垂直になるように保持される。ステージ35は例えば、X軸用およびY軸用の2軸ステッピングモータ41によって、物体光の光軸と垂直な面内(XY平面)において自由にその位置を変えられるようになっている。空間光変調器244は、例えば、透過型液晶パネルと変調パターンのための変調データを保持するフレームメモリを備え、フレームメモリを介して変調パターンを液晶パネルに表示することで物体光の光軸と垂直な面内の光強度分布を自由に変調することができる。なお、フレームメモリ上の変調パターンの変調データは制御部22によって自由に書き換えることができる。
図2に示すフローチャートのような手順でホログラフィックステレオグラム作成を行う。一例として、水平方向の要素ホログラムを600個、垂直方向の要素ホログラム数を400個、要素ホログラム間隔△e=250μmとして感光シート31に露光する。この場合、最終的に印刷されるホログラフイックステレオグラムは15cm×10cmになる。水平方向がnx番目、垂直方向がny番目の要素ホログラムを記録する際に空間光変調器244のパネルに表示する変調パターン(SLM画像)をSLM(nx,ny)と記すことにする。すなわち、nxは水平方向の要素ホログラム番号(1〜nxmax)で、nyは垂直方向の要素ホログラム番号(1〜nymax)である。
はじめに、図2に示すように、印刷を開始すると、nx=1,ny=1に初期化され(ステップS1)、最終的に印刷されるホログラフイックステレオグラムのサイズを考慮した上で、ステッピングモータ41を回転させてステージ35を印刷開始位置まで移動する(ステップS2)。この時のステージ35の位置を原点、すなわち座標(0,0)とする。このときシャッター23は閉じておく。
次に、空間光変調器244のフレームメモリにSLM(1,1)を送る(ステップS3)。次にシャッター23を開き一定時間だけ感光シートを露光する(ステップS4)。一定時間が経過したらシャッター23を閉じて(ステップS5)、ステッピングモータ41を回転させてステージ位置を座標(0,250μm)にする(ステップS6)。ステッピングモータ41の回転が終わってもステージ35が振動している可能性があるので、その場合は一定時間待つ(ステップS7)。
次に、シャッター23を閉じてからステージ35を移動し、振動が治まるまでの間に、空間光変調器244のフレームメモリにSLM(1,2)を送っておく。振動が治まったらシャッター23を開いて露光を開始する。一定時間露光したらシャッター23を閉じてステージ35を座標(0,500μm)に移動する。以降、同様の処理を繰り返し、SLM(1,400)の露光まで行う。SLM(1,400)の露光が終了したら、今度はステージ35を水平方向に移動してステージ位置を座標(250μm,10000μm)にする。その間にSLMのフレームメモリにSLM(2,400)を送る。振動が治まったらシャッター23を開いて再び露光を開始する。露光が終了したら今度は垂直方向のステージ座標が減少するようにステッピングモータ41を回転させ、ステージ位置を座標(250μm,99750μm)にする。このように垂直方向に400個の要素ホログラムを露光したら水平方向に250μmだけ移動して次の400個の要素ホログラムを垂直方向に露光することを繰り返す。最終的にはステージ位置が座標(150000μm,0μm)でSLM(600,400)の露光が行われることになる。すなわち、図2に示すステップS3〜S14のループによって、水平及び垂直方向の要素ホログラム番号nx、nyの増分1ごとにラスタスキャンして要素ホログラムを記録する。
ステップS11においてnx=nxmaxとなり、すべての露光が終了したら、ステージ35から感光シートを取り出す(ステップS15)。感光シートの種類によってはその後、記録を定着させるための処理が必要になる場合がある(ステップS16)。例えば、感光シートにフォトポリマー材を用いた場合は、記録後に高温のオーブンに一定時間入れることで記録を定着させることができる。以上で、フルパララックス・ホログラフィックステレオグラムが作成できる。この場合、要素ホログラムを露光する回数は600×400=24万回、そのためのSLM画像が24万枚必要になる。
撮影セクション及び変調パターン生成セクションを説明する前に、初期のホログラフィックステレオグラムの記録原理と、それを元にしてホログラムプリンタ用に改良されたホログラフィックステレオグラムの記録原理を説明しておく。
−<初期のホログラフィックステレオグラムの記録原理>−
我々が物体(被写体)を観察することができるのは、その物体表面で散乱された光線が瞳に入り網膜を刺激するためであると解釈できる。ある被写体をカメラで撮影し、その画像を拡散スクリーンに投影することを考える(図3参照)。この場合、被写体を取り去っても、カメラ位置(観察点)にはスクリーンに投影/拡散された光線が入射するため、被写体が存在した時と同じ画像(光線群)を観察することができる。
我々が物体(被写体)を観察することができるのは、その物体表面で散乱された光線が瞳に入り網膜を刺激するためであると解釈できる。ある被写体をカメラで撮影し、その画像を拡散スクリーンに投影することを考える(図3参照)。この場合、被写体を取り去っても、カメラ位置(観察点)にはスクリーンに投影/拡散された光線が入射するため、被写体が存在した時と同じ画像(光線群)を観察することができる。
画像を取得した位置(カメラ位置)に感光シートをおき、その直前(スクリーン側)にスリットを設ける(図4参照)。フィルムをコヒーレント光で照明するのと同時に、同じ光を裏面から照射すると、感光シートにはスリットが開いた部分にだけ干渉縞が記録される。つまりスクリーンからの拡散光を物体光、裏面から照射した光を参照光として微小なホログラムが形成される。この微小ホログラムは要素ホログラムと呼ばれる。
以上の作業を、カメラ位置を水平方向に少しずつ移動させながら多数回行う。その際、スリットの開口位置は常にその時のカメラ位置、すなわち投影画像を取得した位置に合わせる。
ところで、一般にホログラムは、それを形成する際に照射した参照光と同じ光で照明すると物体光を発生する性質がある。厳密な言い方をするなら、参照光が干渉縞によって物体光として回折される。つまり、感光シート上に要素ホログラムを連続して形成することは、それぞれのカメラ位置(観察点)で観察される光線の向きと強度を記録/保存していると解釈できる。従って、この感光シートを参照光の照射側から眺めると、観察位置に依存して視差を伴った画像を観察することができる(図5参照)。しかしながら実際には、参照光で照明した際に各要素ホログラムから発生する物体光は要素ホログラムから遠ざかるほど、回折の影響でその向きが僅かに変化してしまう。従って、図5に示すように感光シート31に対して被写体(の再生像)が遠い位置にあると再生像はボケ易いことになる。
−<ホログラフィックプリンタ用に改良された記録原理>−
図6は、視差画像を取得する位置(カメラ)と要素ホログラムを記録する位置(感光シート31)を別々にすることで被写体と感光シートを近づけ、再生像がボケ難くなるように改良を施したホログラフィックステレオグラムの記録原理を示す模式図である。ホログラフィックプリンタではこちらの記録原理を用いてシステムを構築する。
図6は、視差画像を取得する位置(カメラ)と要素ホログラムを記録する位置(感光シート31)を別々にすることで被写体と感光シートを近づけ、再生像がボケ難くなるように改良を施したホログラフィックステレオグラムの記録原理を示す模式図である。ホログラフィックプリンタではこちらの記録原理を用いてシステムを構築する。
この場合、要素ホログラムを記録する際、空間光変調器244には撮影した視差画像を直接表示するのではなく、コンピュータを用いて複数の視差画像から必要な画素だけを取り出し、それらを繋ぎ合わせることで1つの視差画像を合成して空間光変調器244に表示する必要があるが、これに関しては後述する。
視差画像取得位置と要素ホログラム記録位置を分けたことで、取得する画像の枚数と記録する要素ホログラムの数を、ある程度独立に設定できる利点がある。上述のようにホログラフィックステレオグラムは再生時の視差数が多いほど自然な立体視が可能になる。ホログラフィックプリンタでは使用する空間光変調器244の画素数が充分であれば、視差画像取得枚数を増やすだけで再生時の視差数を増やすことができる。また、3DCG(3次元コンピュータグラフィックス)プログラムを搭載したコンピュータを用いて、仮想空間内に仮想3次元被写体を生成し、それに対して仮想カメラを少しずつ動かして仮想撮影した画像を非常に短時間で取得(生成)できる。このため、直接印刷時間の長さに影響する要素ホログラム数を増やすことなく、視差画像枚数を増やすだけで再生時の視差数を増やすことができる。このことから、ホログラフィックプリンタは、仮想的な被写体のホログラフィックステレオグラムを作成する手法としては特に適している。
また、ホログラフィックプリンタでは要素ホログラムを記録する際の物体光として対物レンズで集光した光を利用している。このため、感光シートとして銀塩フィルムよりもはるかに感度の低いフォトポリマー材を利用できるという利点がある。また拡散スクリーンや投影光学系も不要なので光学系を小型にすることも可能である。
−<撮影セクション及び変調パターン生成セクション:多視点画像の取得とSLM画像の合成>−
パララックス・ホログラフィックステレオグラムの場合、多視点画像は水平と垂直の2方向に対して視点(カメラ位置)を少しずつ変えたものが必要になる。
パララックス・ホログラフィックステレオグラムの場合、多視点画像は水平と垂直の2方向に対して視点(カメラ位置)を少しずつ変えたものが必要になる。
(撮影セクション)
画像取得の手法、すなわち多視点画像を取得する際の視点の動かす撮影手法についてはいくつかあるが、ここでは次の2つの多視点画像取得手法を説明する。本来であれば2次元的に視点位置を動かす場合の説明をすべきであるが、ここでは簡単にするためにHPOホログラフィックステレオグラムとして説明する。フルパララックス・ホログラフィックステレオグラムの場合も同様に考えられることは言うまでもない。
画像取得の手法、すなわち多視点画像を取得する際の視点の動かす撮影手法についてはいくつかあるが、ここでは次の2つの多視点画像取得手法を説明する。本来であれば2次元的に視点位置を動かす場合の説明をすべきであるが、ここでは簡単にするためにHPOホログラフィックステレオグラムとして説明する。フルパララックス・ホログラフィックステレオグラムの場合も同様に考えられることは言うまでもない。
第1の撮影手法はカメラの光軸方向は変えずにその方向を一定に保持し被写体に対してカメラを平行移動させながら撮影する手法(図7、参照)である。図7に示すように、異なる位置から間歇的に被写体を多数撮影することによって得られる。すなわち、被写体に向けたカメラ光軸を平行に、被写体がカメラ画角範囲に入る位置から、被写体がカメラ画角範囲から外れる位置に至るまでカメラを動かす。
第2の撮影手法はカメラと被写体の距離を一定に保ちつつ固定した被写体を囲むようにカメラを回転移動させながら撮影する手法(図8、参照)である。被写体を中心としてカメラを回動させる他に、被写体を回転台(図示せず)の回転中心に固定し、カメラを被写体に向くように固定したまま、被写体とカメラの距離を略一定に保持して、回転台を被写体とともに回動させても、同様な視点の異なる多数の視差画像を得ることができる。すなわち、固定した被写体に対してカメラが公転又は固定したカメラに対して被写体が自転するように相対的に運動させて、視点の異なる複数の被写体画像を間歇的に撮影ことができる。カメラ感光面はCCD、CMOSセンサなど光電変換器により構成され、受光した各結像画像を光電変換して複数の画像の多視点画像データを生成、出力する。
(変調パターン生成セクション)
図9は図7に示した撮影手法で多視点画像データを取得し、それらを元にSLM画像を合成する手順を説明するための模式図である。空間光変調器244の画素数をN、記録する要素ホログラムの数をK、対物レンズの画角(全角)をθo、多視点画像を取得するためのカメラの画角をθc、取得画像の画素数をLとする。つまり、空間光変調器244の1画素あたりの画角はθo/N、取得画像の1画素あたりの画角はθc/Lである。
図9は図7に示した撮影手法で多視点画像データを取得し、それらを元にSLM画像を合成する手順を説明するための模式図である。空間光変調器244の画素数をN、記録する要素ホログラムの数をK、対物レンズの画角(全角)をθo、多視点画像を取得するためのカメラの画角をθc、取得画像の画素数をLとする。つまり、空間光変調器244の1画素あたりの画角はθo/N、取得画像の1画素あたりの画角はθc/Lである。
図9に示すように、空間光変調器244には平行光が入射するので、空間光変調器244の表示面の座標と対物レンズ246の瞳面の座標は1対1に対応する。空間光変調器244の各画素に対応する対物レンズ246の瞳面上の点をSj(j=1,2,…,N)、要素ホログラムの座標をHi(i=1,2,…,K)、SjとHiを結んだ光線が多視点画像取得面と交わる点をCijとする。
ここで、一例としてi番目の要素ホログラムHi用のSLM画像の合成方法を説明する。
まず、S1とHiを結んだ光線(図9中のS1からの左側破線)が多視点画像取得面と交わる点Ci1にカメラを置いて被写体を撮影する。この時、S1とHiを結んだ光線はカメラの光軸に対して+θo/2だけ傾いているので、S1とHiを結んだ線上にある被写体(の輝度値)は取得画像上では中心画素から
まず、S1とHiを結んだ光線(図9中のS1からの左側破線)が多視点画像取得面と交わる点Ci1にカメラを置いて被写体を撮影する。この時、S1とHiを結んだ光線はカメラの光軸に対して+θo/2だけ傾いているので、S1とHiを結んだ線上にある被写体(の輝度値)は取得画像上では中心画素から
だけ離れた画素に記録される。この画素を取り出して(合成すべき)SLM画像の第1画素とする。
次に、Sj(ただしj=2)とHiを結んだ光線(図9中のSjからの中間破線線)が多視点画像取得面と交わる点Cijにカメラを移動させて被写体を撮影する。この時、SjとHiを結んだ光線はカメラの光軸に対して+θo/2−θo/Nだけ傾いているので、SjとHiを結んだ線上にある被写体(の輝度値)は取得画像上では中心画素から
だけ離れた画素に記録される。この画素を取り出して(合成すべき)SLM画像の第j(j=2)画素とする。
このようにカメラを順次(j=2,3,…N)移動させながら多視点画像を撮影していく。
そして最後に、SNとHiを結んだ光線(図9中のSNからの右側破線)が多視点画像取得面と交わる点CiNにカメラを移動させて被写体を撮影する。SNとHiを結んだ光線はカメラの光軸に対して−θo/2だけ傾いているので、SNとHiを結んだ線上にある被写体(の輝度値)は取得画像上では中心画素から
だけ離れた画素に記録される。この画素を取り出して(合成すべき)SLM画像の第N画素とする。
これで要素ホログラムHi用のSLM画像を合成することができる。
この一連の作業を全ての要素ホログラム(Hi〜HK)に対して行うことで、必要な全てのSLM画像を合成することができる。図10は、この図7、図9に示した撮影手法によるSLM画像合成方法のフローチャートを示す(HPOホログラフィックステレオグラムの場合)。すなわち、図10に示すフローチャートのような手順で多視点画像の取得を行うことができる。ここで、iは要素ホログラム番号(1〜K)とし、jはSLM画素番号(1〜N)とする。撮影が開始すると、j=1,i=1に初期化され(ステップSa1)、ステッピングモータなどで移送させてカメラを位置Cij(j=1,i=1)まで移動する(ステップSa2)。次に、カメラシャッタを切って透視投影画像を取得し(ステップSa3)、要素ホログラムの座標Hi用SLM画像のj番画素をセットする(ステップSa4)。次に、要素ホログラムの座標Hiの1個に対してSLM画素番号jを判別し(ステップSa5)、j=Nとなるまでj増分1をもって(ステップSa6)、ステップSa2へ戻るループを繰り返し、j=Nが満たされたときに、次の要素ホログラムの座標Hiの要素ホログラム番号iを判別し(ステップSa7)、i=Kとなるまでi増分1をもって(ステップSa8)、ステップSa2へ戻るループを繰り返し、j=N,i=Kが満たされたときにすべての多視点画像の取得を終了する。
図11は図8に示した第2の手法で多視点画像を取得し、それらを元にSLM画像を合成する手順を説明するための模式図である。空間光変調器244の画素数や対物レンズの画角などは図9の説明で用いたものと同じとするので、同一のものの説明は省略する。
図11の場合は、カメラの光軸は常に注目している要素ホログラムに向いているので、各視点位置で取得した2次元画像の中心近傍画素を取り出して、それらを空間光変調器244の各画素と同じ順番で整列させることでSLM画像を合成することができる。この第2の手法は、取得画像のうち常に光軸近傍の画素を利用するため画角の狭いカメラを利用できるなどのメリットがある。
以上のような手法でSLM画像を準備したら印刷、すなわちホログラフィックプリンタで要素ホログラムの記録を開始する。ところで、記録する要素ホログラム数をK=600×400、空間光変調器244の画素数(再生時の視点数になる)をN=64×64とすると、取得する2次元画像はK×N=600×400×64×64=9億8304万枚になる。この枚数を現実世界で取得することは不可能に近い。もちろん3DCG(3次元コンピュータグラフィックス)技術を利用して仮想空間で取得(描画)すれば現実世界よりも高速に処理できるが、それでも非実用的である。
そこで、近似を用いることで1枚の視差画像を複数の要素ホログラムに対する視差画像として多重利用する手法が考えられる。具体的な近似手法の一例としては上記の非特許文献4に述べられており、この文献では、要素ホログラム数が200×120=24000、視差数が100×7=700なので、本来であれば24000×700=1680万枚の多視点画像が必要になるはずであるが、それを500×7=3500枚にしている。
このような工夫を施すことで、取得する多視点画像を大幅に減らすことが可能であるが、その場合でも比較的自然な立体像を再生するためには少なくとも数千枚程度の視差画像を取得する必要がある。
−<実施形態1>−
上記したように、SLM画像を合成するための多視点画像は膨大な枚数を必要とするため実在する被写体のみならず、3DCG(3次元コンピュータグラフィックス)技術により仮想被写体のフルパララックス・ホログラフィックステレオグラムを作成するためにも膨大な時間を要する。そこで、上記した構成を基本として、発明者は、SLM画像の処理技術を鋭意研究した結果、再生像を加工、修正する際に、被写体を物体毎に分離して、それぞれの物体が単独で存在する場合の変調パターン群(以降、SLM画像群ともいう)を用意して、一度生成した物体毎の変調パターン群を繰り返し利用する実施形態1を案出した。
上記したように、SLM画像を合成するための多視点画像は膨大な枚数を必要とするため実在する被写体のみならず、3DCG(3次元コンピュータグラフィックス)技術により仮想被写体のフルパララックス・ホログラフィックステレオグラムを作成するためにも膨大な時間を要する。そこで、上記した構成を基本として、発明者は、SLM画像の処理技術を鋭意研究した結果、再生像を加工、修正する際に、被写体を物体毎に分離して、それぞれの物体が単独で存在する場合の変調パターン群(以降、SLM画像群ともいう)を用意して、一度生成した物体毎の変調パターン群を繰り返し利用する実施形態1を案出した。
これによって多視点画像を改めて取得してから再度SLM画像を生成し直す必要がなくなり、加工、修正したホログラフックステレオグラムの作成時間を短縮することができる。
実施形態1では、被写体を物体毎に分割して、それぞれのSLM画像群を独立に生成し、印刷セクションにおいて、要素ホログラム毎に、複数のSLM画像から新たなSLM画像を合成してそれを空間光変調器244に表示することにより、最終的に印刷されるホログラフィックステレオグラムでは全ての物体が混在した立体像を観察することが可能になる。以下は、説明を簡単にするためにHPOホログラフィックステレオグラムとするが、フルパララックス・ホログラフィックステレオグラムでも同様な手法で実現できることは言うまでもない。
図12に示す仮想的な3次元被写体、複数の物体のホログラフィックステレオグラムを作成する場合を考える。xyz座標空間に奥からz軸に沿って物体A、B、Cの被写体が順に配置されている。xy平面が要素ホログラム記録面に相当し、z軸のプラス側からマイナス側に向かって観察する場合を想定している。
一般には、物体A、B、Cをまとめて1つの被写体と認識し、この仮想被写体の多視点画像を取得し、それらを元にSLM画像を生成することができる。この場合、後日に加工、修正のために物体Bだけを消したホログラフィックステレオグラムを作成したくなった場合は、物体AとCだけから成る新たな仮想被写体に対して多視点画像を取得し直してSLM画像を生成する必要がある。3つの物体から成る被写体群の場合、その組み合わせとしては全部で7通り(被写体A、被写体B、被写体C、被写体群A&B、被写体群A&C、被写体群B&C、被写体群A&B&C)が考えられる。つまり、全ての組み合わせのホログラフィックステレオグラムを作成するためには、多視点画像を7回取得する必要がある。
本実施形態では、被写体A、B、Cをそれぞれ単独で描画した多視点画像を取得するだけで、つまり多視点画像(輝度値+z座標を含む)としては3組を取得して、3組のSLM画像データ群(輝度値+z座標を含む変調データ群)を生成し、保存するだけで、それらを再合成により組み合わせ7通り全てのホログラフィックステレオグラムを作成することができる。
そのために、上述したように単独物体の多視点画像を取得する際に輝度値だけではなくz座標(画素毎のカメラ感光面から被写体表面までの距離を変換して得られた要素ホログラム記録面からの距離)も取得してある。図13は、例として、被写体の物体Bが単独で存在する場合に図5の手法で多視点画像を取得し、それらを元にSLM画像データ群を生成する手法を説明するための模式図である。図7で説明した手法でも多視点画像の輝度値だけでなくカメラ感光面及び被写体表面間の距離を保持した多視点画像データを生成して、本実施形態で生成するSLM画像データ群は輝度値とz座標の組を画素毎に有している。実世界に存在する物体に対してz座標を取得するためにはステレオ法などでカメラから物体上の各点までの距離を測定した後に、仮想的に設定した要素ホログラム面までの距離を算出することになる。一方、CG空間に仮想物体を置いて多視点画像を取得する場合は、仮想空間のz座標をそのまま用いることができる。なお、多視点画像からSLM画像データ群を生成する際に抜き出す画素の位置などは図7で説明したものと同じである。また、図6の手法でカメラを移動させて多視点画像を取得する場合についても同様に考えられることは言うまでも無い。
本実施形態では3個の単独物体A、B、C毎に生成したSLM画像データ群(輝度値+z座標を含む変調データ群)を再合成前に用意しておく。図14は、用意した3組の単独物体のSLM画像データ群により新たなSLM画像群を再合成する方法のフローチャートを示す(HPOホログラフィックステレオグラムの場合)。ここで、objはどの物体のSLM画像データなのかを示す物体番号などの指標であり、obj_maxは表示したい物体の数であり、例えば、物体A、B、Cを表示したい場合は、物体A、B、Cの順番にobj=1、2、3と番号を振ったうえでobj_max=3とする。また、iは要素ホログラムの座標Hiの要素ホログラム番号(1〜K)とし、jはSLM画素番号(1〜NすなわちSLM画素数(視差数))とし、z0はz座標値とし、obj_Z(j)は物体番号objのSLM画像データのj番画素のz座標値とし、SLM(j)は空間光変調器に表示する画像のj番画素の輝度値とし、obi_I(j)は物体番号objのSLM画像データのj番画素の輝度とする。再合成を開始すると、obj=1、i=1、j=1に初期化され(ステップSb1)、z座標値z0は最も奥の値に初期化され(ステップSb2)。次に、物体番号objのSLM画像データのj番画素のz座標値が現在値のz座標値z0と比較され(ステップSb3)、現在値のz座標値z0を超えれば物体番号objのj番画素のz座標値を更新する(ステップSb4)。次に、物体番号objが最大であるか否かを判別し(ステップSb5)、物体番号objが最大、例えばobj=3となるまで増分1をもって(ステップSb6)、ステップSb3へ戻るループを繰り返し、すべての画像の物体の画素をスキャンして、例えばobj=3が満たされたときに、空間光変調器に表示するSLM画像のj番画素の輝度値を、最も高いz座標値である物体番号objのj番画素の輝度値を設定する(ステップSb7)。ステップSb3で前回z座標値を超えなければステップSb4をスキップしてステップSb5を実行する。次に、SLM画素番号jを判別し(ステップSb8)、j=Nとなるまでj増分1をもって(ステップSb9)、ステップSb2へ戻るループを繰り返し、j=Nが満たされたときに、要素ホログラムの座標Hiの要素ホログラム番号iを判別し(ステップSb10)、i=Kとなるまでi増分1をもって(ステップSb11)、ステップSa2へ戻るループを繰り返し、j=N、i=Kが満たされたときにすべてのSLM画像の合成を終了する。これにより、新たなSLM画像データ群が再合成される。
なお、図14に示したフローチャートでは全ての要素ホログラムに対する再合成を、変調パターン生成セクションの中で連続して処理してしまう場合を示したが、再合成処理は要素ホログラム毎に独立して行うことができるので、印刷セクションにおいて逐次行うこともできる。特に要素ホログラム数が非常に多い場合は、変調パターン生成セクションとして一括して行うと印刷を開始するまでにそれなりの時間を待たなければならないが、印刷セクションの中で逐次行う場合は、ステージ移動中に処理することが可能であるので直ぐに印刷を開始できるメリットがある。
なお、一度作成したホログラフィックステレオグラムの再生像を加工したり修正したりする場合を想定すると、再合成前の物体毎に生成したSLM画像データ群は再利用できるようにデータベース化しておくことが望ましい。そうすれば、撮影セクションで多視点画像を取得し直すことなく、新しい被写体のホログラフィックステレオグラムを作成することができる。
−<実施形態2>−
例えば、観光地などで記念として有名な景色を背景にして人物のホログラフィックステレオグラムを作成する場合を考える。この場合は物体Aを背景、物体Bを人物とすると、前後関係は背景Aが奥、人物Bが手前になることが一般的である。
例えば、観光地などで記念として有名な景色を背景にして人物のホログラフィックステレオグラムを作成する場合を考える。この場合は物体Aを背景、物体Bを人物とすると、前後関係は背景Aが奥、人物Bが手前になることが一般的である。
このように、あらかじめ被写体軍の物体間の前後関係(重複して見えている)が明らかな場合や、ホログラフィックステレオグラムの作成者が意図的に前後関係を決める場合は、多視点画像データやSLM画像データにz座標を付加することなく、SLM画像の合成を行うことができる。図15は、その場合の新たなSLM画像データ群の再合成のフローチャートを示す(HPOホログラフィックステレオグラムの場合)。ここで、iは要素ホログラムの座標Hiの要素ホログラム番号(1〜K)とし、jはSLM画素番号(SLM画素数(視差数)1〜N)とし、obi_A(j)は物体AのSLM画像のj番画素の輝度値とし、obi_B(j)は物体BのSLM画像のj番画素の輝度値とし、SLM(j)は空間光変調器に表示する画像のj番画素の輝度値とする。再合成を開始すると、i=1、j=1に初期化され(ステップSc1)、物体BのSLM画像のj番画素の輝度値が零か否か(重複して見えていない物体Bの部分は画素の輝度値は零である)判別され(ステップSc2)、零であれば、物体AのSLM画像のj番画素をセットし(ステップSc3)、空間光変調器に表示する物体AのSLM画像のj番画素の輝度値obi_A(j)とそのj番画素のz座標とを関連づける(ステップSc4)。ステップSc2で物体BのSLM画像のj番画素の輝度値が零でなければ、物体BのSLM画像のj番画素をセットし(ステップSc5)、空間光変調器に表示する物体BのSLM画像のj番画素の輝度値obi_B(j)とそのj番画素のz座標とを関連づける(ステップSc4)。次に、要素ホログラムの座標の1個に対してSLM画素番号jを判別し(ステップSc6)、j=Nとなるまでj増分1をもって(ステップSc7)、ステップSc2へ戻るループを繰り返し、j=Nが満たされたときに、次の要素ホログラムの座標Hiの要素ホログラム番号iを判別し(ステップSc8)、i=Kとなるまでi増分1をもって(ステップSc9)、ステップSa2へ戻るループを繰り返し、j=N、i=Kが満たされたときに新たなSLM画像群の合成を終了する。
この手順では物体Aと物体Bの2つだけとしたが、物体が3個以上の場合でも同様に考えることができる。つまり、手前に表示すべき物体から順番に輝度値を調べていき、ゼロではない値を有した物体の輝度値を空間光変調器に表示する画像の輝度値として利用すれば良い。
なお、図15に示したフローチャートも全ての要素ホログラムに対する再合成を、変調パターン生成セクションの中で連続して処理してしまうものであるが、図14の説明で述べたように、印刷セクションの中で逐次行えば直ぐに印刷を開始できるメリットがある。
このようにいずれの実施形態によっても、観光地などの立体的な記念写真、ホログラフィックステレオグラムを残す場合でも、第1被写体である人物と第2被写体である背景などを、多視点画像データとして別々に取得し、それらから変調パターン群を合成できるので、多視点画像の再取得を省略したり、再生像を加工、修正する時に改めて変調パターン群を生成し直すことが容易となる。また、撮影した日付情報なども、後になって変更しようとした場合でも、複数の変調パターン群から新たな変調パターン群を再合成できるので、改めて変調パターン群を生成し直す手間が削減され、処理時間が削減される効果がある。
なお、一見すると、上記手法は、コンピュータグラフィックス処理における隠面消去などの2次元画像合成と変わらないようであるが、SLM画像自体が多視点画像を基に画像処理によって生成したものであり、ホログラフィックプリンタにて使用される空間光変調器に表示する変調パターンであり人間が通常ディスプレイで観察する画像ではない。また、利用する前後関係がホログラフィックステレオグラムを観察する場合の前後関係であって、SLM画像の視点位置(要素ホログラム位置)からみた前後関係ではない。
21 レーザ光
22 制御部
23 シャッター
24 光学系
31 感光シート
35 ステージ
41 2軸ステッピングモータ
241 コリメータレンズ
242 ビームスプリッタ
243、245、247 鏡
244 空間光変調器
246 対物レンズ
22 制御部
23 シャッター
24 光学系
31 感光シート
35 ステージ
41 2軸ステッピングモータ
241 コリメータレンズ
242 ビームスプリッタ
243、245、247 鏡
244 空間光変調器
246 対物レンズ
Claims (4)
- 複数の物体から成る被写体のホログラフィックステレオグラムを作成するための変調パターン生成方法であって、
前記被写体とカメラの相対位置を変更しながら、複数の異なる視点位置から前記物体をそれぞれ単独で撮影することで物体毎の多視点画像データを複数取得するステップと、
前記複数の物体の各々に対して、前記多視点画像データから、ホログラフィックステレオグラムに記録するための物体光を変調する変調パターン群を合成するステップと、
要素ホログラム毎に前記複数の物体に対する複数の変調パターンから新たな変調パターンを再合成するステップと、を含むことを特徴とする変調パターン生成方法。 - 前記複数の物体に対する複数の変調パターンから新たな変調パターンを再合成するステップは、前記変調パターンの画素毎に、前記複数の物体の前後関係を比較し、最も手前の物体に対する変調パターンの画素値を、前記新たな変調パターンの画素値とすることを特徴とする請求項1に記載の変調パターン生成方法。
- 前記複数の物体に対して各々の多視点画像データを取得するステップは、前記多視点画像データの画素毎に、輝度値に加えて奥行き情報を記録するステップを含むことを特徴とする請求項1乃至2に記載の変調パターン生成方法。
- 複数の物体から成る被写体のホログラフィックステレオグラムを作成するホログラフィックステレオグラム作成装置であって、
請求項1乃至3に記載の変調パターン生成方法によって前記複数の物体に対する変調パターンから物体光を変調する新たな変調パターンを再合成する再合成変調パターン生成部と、
前記物体光を変調する新たな変調パターンに基づき物体光を変調する空間光変調器と、
参照光が照射されているホログラム記録媒体上に、物体光を集光して要素ホログラムを記録する対物レンズと、を含むことを特徴とするホログラフィックステレオグラム作成装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2010137864A JP2012003033A (ja) | 2010-06-17 | 2010-06-17 | 変調パターン生成方法及びホログラフィックステレオグラム作成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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| JP2010137864A JP2012003033A (ja) | 2010-06-17 | 2010-06-17 | 変調パターン生成方法及びホログラフィックステレオグラム作成装置 |
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| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2012003033A true JP2012003033A (ja) | 2012-01-05 |
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ID=45535081
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| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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| JP2010137864A Pending JP2012003033A (ja) | 2010-06-17 | 2010-06-17 | 変調パターン生成方法及びホログラフィックステレオグラム作成装置 |
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| Country | Link |
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Citations (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0588601A (ja) * | 1991-09-26 | 1993-04-09 | Toppan Printing Co Ltd | 1ステツプ平面型ホログラフイツク・ステレオグラムの作製方法 |
| JPH0667591A (ja) * | 1992-08-21 | 1994-03-11 | Fujitsu Ltd | ホログラムの作成および立体表示方法並びに立体表示装置 |
| JPH06102811A (ja) * | 1992-09-18 | 1994-04-15 | Fujitsu Ltd | ホログラムの作成および立体表示方法並びに立体表示装置 |
-
2010
- 2010-06-17 JP JP2010137864A patent/JP2012003033A/ja active Pending
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