JP2012001662A - ZnOシンチレータ及びその製造方法、並びにZnOシンチレータを用いた放射線検出器、放射線検査装置又はα線カメラ - Google Patents
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Abstract
【課題】α線源弁別に有用な、発光量が多くエネルギー分解能が高いシンチレータが求められていた。
【解決手段】溶質であるZnOおよびCuO、または、CdOと溶媒との混合・溶融物に、基板を直接接触させることによりZnO単結晶を成長させる液相エピタキシャル成長法により、Cuドープ、または、Cdドープ単結晶を製造して、発光量が多く、エネルギー分解能が高い不純物ドープZnO単結晶シンチレータを得、これを具備した放射線検出器、放射能測定装置およびα線カメラを提供する。
【選択図】なし
【解決手段】溶質であるZnOおよびCuO、または、CdOと溶媒との混合・溶融物に、基板を直接接触させることによりZnO単結晶を成長させる液相エピタキシャル成長法により、Cuドープ、または、Cdドープ単結晶を製造して、発光量が多く、エネルギー分解能が高い不純物ドープZnO単結晶シンチレータを得、これを具備した放射線検出器、放射能測定装置およびα線カメラを提供する。
【選択図】なし
Description
本発明は、シンチレーション検出器におけるシンチレータとして用いるZnO単結晶に関する。
放射線を計測するためのデバイスとして、シンチレーション検出器がある。典型的なシンチレーション検出器の構成を図1に示す。図1において、放射線がシンチレーション検出器100に入射すると、入射した放射線に応じた蛍光がシンチレータ結晶110から生じ、この光を光電子倍増管や半導体検出器120で検出することで、放射線を検出することができる。
MOX燃料製造施設や再処理施設などプルトニウムを取扱う施設では、α線測定を主体とした汚染管理を行っている。α線測定では天然放射線核種であるラドン子孫核種による影響が無視できないため、必要に応じて表面障壁型半導体検出器による波高弁別でその影響を低減している。
半導体検出器は、本質的には電離箱と同様に動作する検出器で、ガス検出器の電子とイオンの代わりに、半導体の電子と正孔を用いている。他の荷電粒子検出器と比較して優れたエネルギー分解能有することから、天然放射核種と空気中のラドン子孫核種のエネルギー弁別に用いられている。しかしながら、ゲルマニウムやLiを拡散させたシリコン半導体検出器は、測定時に低温に保持する必要があり液体窒素などで連続して冷却しなければならない。純度の高いシリコン表面を酸化させ、その酸化膜の表面に薄い金を蒸着させた電極を取り付けた表面障壁型シリコン検出器は、室温で使用することができるが、放射線照射による性能劣化が著しいこと、ノイズに弱いこと、高価であることなどの欠点を有していた。
そこで、従来はα線測定にZnS(Ag)シンチレータを用いてきた。同シンチレータは、比較的安価であることからα線の放射線管理に最も幅広く利用されている。ZnS(Ag)シンチレータは、ZnSにAgをドープしたセラミックスで、α線を照射されることでシンチレーション光を発生する(非特許文献1;「新原子力ハンドブック」 3.4放射線の測定 73〜78ページ)。従来の検出器では、シンチレーション光を増幅して得られたパルス信号を計数することによって、測定対象中に含まれるα線検出核種の放射能を測定していた。
しかしながら、ZnS(Ag)シンチレーション検出器では、静電気の発生しやすい時期や換気の悪い場所では、天然の放射性元素(ラドン子孫核種)からのα線が計数に影響するという問題点がある。また、ZnS(Ag)シンチレータは、α線励起シンチレーション発光量が多いという利点がある一方で、エネルギー分解能が低いため、α線源が放射性元素由来のものか、空気中のラドン子孫核種によるものかを弁別できていなかった。
上記問題点を解決する手法として、厚みが分離対象となるα線放出核種の飛程以上であってα線のエネルギー吸収がシンチレータ層内で全て生じ、かつ、発生したシンチレーション光のシンチレータ自身による遮光が無視できる厚さにしたZnS(Ag)シンチレータが提案されている(特許文献1;特開2006−258755)。同発明を用いることで、放射性元素と空気中のラドン子孫核種の弁別性能が向上するが、両者の波高値スペクトルには重なりがあり、十分な弁別が困難となっていた。
「新原子力ハンドブック」 3.4放射線の測定 73〜78ページ
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A505 (2003) 111−117
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A505 (2003) 82−84
独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構 平成17年度研究成果報告書"実用型TOF検出器用超高速シンチレータ単結晶材料の開発"
高エネルギーニュース Vol.21 No.2 41−50 2002
Appl. Phys. Lett. 78 1237 (2001)
本発明が解決しようとする課題は、入射するα線により励起されてシンチレーション光を発するシンチレータであって、ZnS(Ag)を超えるα線源弁別性能を有するシンチレータ、そして、前記シンチレータを具備した放射線検出器、放射線検査装置およびα線カメラを提供することである。
ZnS(Ag)シンチレータに替わるα線源弁別性能が高いシンチレータを開発することができれば、放射線物質と空気中のラドン子孫核種の弁別が可能となり、放射性物質取扱い施設における放射性物質による汚染をより簡便に行うことができる。α線源弁別性能は、波高値スペクトル測定における放射性物質線源による波高スペクトルと空気中ラドン子孫核種線源による波高スペクトルの重なり具合で判断できる。両線源に基づく波高分布の重なりを小さくするためには、使用するシンチレータのエネルギー分解能を高める必要がある。エネルギー分解能は、波高分布測定におけるピークチャンネル数とその半値幅で定義できる。即ち、エネルギー分解能△E(%)=2.35×σ/Peak−Channel×100である。ここで、σ;波高値スペクトルのガウシアンフィッテング時の半値幅(Ch)であり、Peak−Channel;波高値スペクトルのピークチャンネル数(Ch)である。従って、エネルギー分解能を高めるためには、α線励起時の発光量増加と半値幅低減が必要となる。
ZnS(Ag)セラミックスシンチレータは、α線照射における発光量が極めて多く、発光量でZnS(Ag)を超えるα線用シンチレータを開発することは容易でない。そこで、本研究者らは鋭意検討の結果、波高値スペクトル測定における半値幅に着目した。ZnS(Ag)シンチレータ材料はセラミックスである。多結晶体の場合、微結晶の向きなどにより発光強度のムラが生ずることがあり、粒径により空間分解能が左右されるという欠点を有する。その結果、波光値スペクトル測定における半値幅が増大し、エネルギー分解能が低下していた。高空間分解能およびエネルギー分解能が高いシンチレータ発光のためにはシンチレータは単結晶である方が好ましい。
電離放射線照射で発光するシンチレータ材料として、ワイドバンドギャップ化合物半導体の励起子発光シンチレータがDerenzoらによって提案されている(非特許文献2;Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A505 (2003) 111−117、特許文献2;米国特許出願公開第2006/219928号明細書)。
ZnO、CdS等のワイドギャップ型化合物半導体をシンチレータとして用いれば、蛍光寿命が短く、発光波長も370〜380nmとなり、汎用的なPMTや半導体検出器が使用可能となる。同文献によれば、X線励起による蛍光寿命は0.11nsec〜0.82nsecと蛍光寿命が短い。しかしながら、これらの文献に記載されたシンチレータ材料は多結晶体である。多結晶体の場合、微結晶の向きなどにより発光強度のムラが生ずることがあり、粒径により空間分解能が左右されるという欠点を有する。高空間分解能およびエネルギー分解能が高いシンチレータ発光のためにはシンチレータは単結晶である方が好ましい。
また、III族およびランタノイドを1ppm〜10mol%程度ドープしたZnO単結晶の励起子発光型シンチレータ応用が提案されている(特許文献3;国際公開第2007/094785号パンフレット、非特許文献3;Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A505 (2003) 82−84)。同文献によれば、InドープZnO単結晶において蛍光寿命が0.6nsecと記載されている。しかしながら、これらの文献に記載されたシンチレータ材料は“High pressure direct melting technique”法で作製されている。同法では、高圧かつ高温が必要で結晶成長コストが高い上、単結晶部分と多結晶部分の混在するため、前記多結晶体と同様の不具合が存在する。
上記多結晶体の問題点を解決する手法として、ワイドバンドギャップ型ZnO単結晶の励起子発光を利用したシンチレータが提案されている(特許文献4;国際公開第2005/114256号パンフレット、非特許文献4;独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構 平成17年度研究成果報告書“実用型TOF検出器用超高速シンチレータ単結晶材料の開発”)。
同報告では、ZnO単結晶成長法としてPt内式のオートクレーブを用いて水熱合成法を採用している。同成長法を用いると、高い結晶性を有する大型のIII族ドープZnO単結晶を成長することが可能となる。しかしながら、ZnO等を用いた励起子発光型シンチレータには、自己吸収が原因となって発光量が少ないという問題点があった。すなわち、励起子発光波長域では、結晶そのものが吸収体となるため、特に透過型シンチレータデバイスではシンチレータ発光量が少なくなっていた。したがって、ZnO系励起子発光型シンチレータのエネルギー分解能は高いものの、発光量は一般的なシンチレータであるBi4Ge3O12(BGO)の約10〜15%程度に留まっていた(非特許文献5;高エネルギーニュース Vol.21 No.2 41−50 2002)。
単結晶シンチレータの自己吸収に基づく低発光量を改善する方法として、本発明者らは、発明の名称を「積層型ZnO系単結晶シンチレータおよびその製造方法」とする特許出願をしている(特願2009−135438)。同出願の方法を用いれば、溶質であるZnOと溶媒であるPbOおよびBi2O3あるいはPbF2およびPbOとを混合して融解させた後、得られた融液に基板を直接接触させることにより、バンドギャップが異なるZnO系積層体単結晶を成長することができる。バンドギャップが異なるZnO系半導体の積層体を製造し、バンドギャップが小さい層をα線や電子線などの電離放射線が侵入できる厚みにすることで発光量を大幅に増加させることができる。しかしながら、同法を用いてもα線照射発光量は、BGO比135%程度に留まっていた。前述したように、α線源弁別用シンチレータには高いエネルギー分解能が必要であり更なる発光量増加が必要である。
また、本発明者らは、溶液成長法によるZnO単結晶の成長方法について特許出願をしている(特許文献5;国際公開2007/100146号パンフレット)。同出願の方法を用いれば、溶質であるZnOと溶媒であるPbOおよびBi2O3あるいはPbF2およびPbOとを混合して融解させた後、得られた融液に基板を直接接触させることにより、ノンドープZnO単結晶を基板上に成長させることができる。また、同出願の方法を用いると不純物を1mol%以下の量で含有させたZnO単結晶も製造することができる。α線源弁別用シンチレータは、高いエネルギー分解能は必要であるが、速い減衰時定数は必須でない。そこで、ZnO単結晶成長中にCuやCd等の遷移金属不純物をドープすることで可視域発光を増やし、その結果、波高分布測定におけるエネルギー分解能を高め、α線源弁別性能が高まることを見出し、本発明にいたった。
本発明の好ましい実施形態によれば、発光量が多く、エネルギー分解能が高い不純物ドープZnO単結晶の製造方法を提供することができ、同結晶を用いた放射線検出器、放射線検査装置およびα線カメラを提供することが可能となる。
以下、本発明について詳細に説明する。ZnO等の化合物半導体は、α線や電子線等の電離放射線を照射するとバンドギャップに応じた励起子発光を発生する。ZnO単体のバンドギャップは3.30eV程度である。励起子発光自体はZnO自身にほとんど吸収され、電離放射線を照射した面の反対側にはほとんど透過しない。したがって、シンチレータの発光量に寄与するのは、基本的に、励起子発光の長波長成分が照射面の反対側に透過したシンチレーション光だけであり、励起子発光型シンチレータの発光量は比較的少ないことになる。本発明者らは、発明の名称を「積層型ZnO系単結晶シンチレータおよびその製造方法」とする特許出願をしている(特願2009−135438)。同出願の方法を用いれば、溶質であるZnOと溶媒であるPbOおよびBi2O3あるいはPbF2およびPbOとを混合して融解させた後、得られた融液に基板を直接接触させることにより、バンドギャップが異なるZnO系積層体単結晶を成長することができる。バンドギャップが異なるZnO系半導体の積層体を製造し、バンドギャップが小さい層をα線や電子線などの電離放射線が侵入できる厚みにすることでシンチレーション光の自己吸収量を低減し発光量を増加させることができるが、発光量自体はBGO比135%程度に留まる。
一方、ZnOに不純物をドープすると、結晶欠陥に基づく発光が生じる。放射線照射で励起された電子は、欠陥準位にトラップされた後、再結合により発光する。欠陥由来の発光は、再結合のエネルギーが小さいので励起子発光より長波長発光となる。また、この欠陥由来の発光は発光強度が高いが、減衰時定数が長い特徴を有する。α線源弁別用シンチレータは、減衰が速い必要はなく、発光量、強いてはエネルギー分解能が高い単結晶が好適となる。
この原理に限定されるわけではないが、本発明では、ZnOに不純物をドープして欠陥由来の発光を増加させることでα線の弁別性能を高めることができたものと考えられる。
<第1の実施形態>
第1の実施形態は、溶質であるZnOおよびCuOと溶媒との混合・溶融物に、基板を直接接触させることによりZnO単結晶を液相エピタキシャル成長(LPE成長)させてZnOシンチレータを製造する方法において、ZnOに対し、CuOを0.01mol%〜1.0mol%混合することを特徴する、CuドープZnOシンチレータの製造方法に関する。
第1の実施形態は、溶質であるZnOおよびCuOと溶媒との混合・溶融物に、基板を直接接触させることによりZnO単結晶を液相エピタキシャル成長(LPE成長)させてZnOシンチレータを製造する方法において、ZnOに対し、CuOを0.01mol%〜1.0mol%混合することを特徴する、CuドープZnOシンチレータの製造方法に関する。
本発明者らが特許出願した技術によれば、液相エピタキシャル成長法を用いれば、不純物を1mol%以下の量で含有させたZnO単結晶を製造することができる。本発明者らが鋭意研究したところ、CuOをZnOに対し0.01mol%〜1.0mol%仕込み液相エピタキシャル成長法すると、α線照射時の発光量がBGOを凌駕することを見出した。
本実施形態に係る製造方法により得られたCuドープZnO単結晶シンチレータによれば、α線および電子線などの電離放射線による励起時に励起子発光だけでなく、可視域の発光を増加させることができることからシンチレーション光のエネルギー分解能を高めることが可能となる。また、この実施形態で得られたCuドープZnO単結晶シンチレータは、α線源弁別に有用である。なお、CuドープZnO単結晶シンチレータに照射される電離放射線としては、α線が好適となるが、γ線、電子線、X線、中性子線照射時の発光量増加にも有用である。
<第2の実施形態>
第2の実施形態は、溶質であるZnOおよびCuOと溶媒との混合・溶融物に、基板を直接接触させることによりCuドープZnO単結晶を液相エピタキシャル成長させてZnOシンチレータを製造する方法において、前記溶媒がPbF2およびPbOであり、溶質と溶媒との混合比がZnOのみに換算した溶質:溶媒=2〜20mol%:98〜80mol%であり、溶媒であるPbF2とPbOとの混合比がPbF2:PbO=20〜80mol%:80〜20mol%である、上述するCuドープZnO単結晶シンチレータの製造方法に関する。
第2の実施形態は、溶質であるZnOおよびCuOと溶媒との混合・溶融物に、基板を直接接触させることによりCuドープZnO単結晶を液相エピタキシャル成長させてZnOシンチレータを製造する方法において、前記溶媒がPbF2およびPbOであり、溶質と溶媒との混合比がZnOのみに換算した溶質:溶媒=2〜20mol%:98〜80mol%であり、溶媒であるPbF2とPbOとの混合比がPbF2:PbO=20〜80mol%:80〜20mol%である、上述するCuドープZnO単結晶シンチレータの製造方法に関する。
この実施形態によれば、PbOとPbF2とが共晶系を形成し、PbOまたはPbF2単独の融点よりも低い温度でのLPE成長が可能となるため、溶媒の蒸発が抑制できる。したがって、組成変動が少なく安定な結晶育成が行える上、炉材消耗が抑制でき、育成炉が密閉系でなくてもよくなるため、低コストでの製造が可能となる。
また、結晶成長法として熱平衡成長に近いLPE法を用いているため、高品質なZnO単結晶を製造することができる。この実施形態で得られたCuドープZnO単結晶シンチレータは、α線源弁別に有用である。
溶媒組成としては、好ましくはPbF2:PbO=20〜80mol%:80〜20mol%であり、より好ましくはPbF2:PbO=30〜70mol%:70〜30mol%であり、さらに好ましくはPbF2:PbO=40〜60mol%:60〜40mol%である。この範囲であれば、溶媒であるPbF2とPbOとの蒸発量を抑制でき、その結果、溶質濃度の変動が少なくなり、LPE法で不純物ドープノZnO単結晶を安定に成長させることができる。さらに、炉材消耗が抑制でき育成炉が密閉系でなくてもよくなることで、低コストでZnO単結晶を育成できる。
溶質であるZnOと溶媒であるPbF2とPbOとの混合比は、ZnOのみに換算した溶質:溶媒=2〜20mol%:98〜80mol%であることが好ましい。より好ましくは、ZnOのみに換算した溶質濃度が5mol%〜10mol%である。ZnOのみに換算した溶質濃度が5mol%未満では実効的成長速度が遅く、20mol%を超えると溶質成分を溶解させる温度が高くなり、溶媒蒸発量が多くなることがある。なお、「ZnOのみに換算した溶質」(mol%)とは、[ZnO(mol)]×100/([ZnO(mol)]+[PbO(mol)]+[PbF2(mol)])で表される。
<第3の実施形態>
第3の実施形態は、溶質であるZnOおよびCuOと溶媒との混合・溶融物に、基板を直接接触させることによりCuドープZnO単結晶を液相エピタキシャル成長させてZnOシンチレータを製造する方法において、前記溶媒がPbOおよびBi2O3であり、溶質と溶媒との混合比がZnOのみに換算した溶質:溶媒=5〜30mol%:95〜70mol%であり、溶媒であるPbOとBi2O3との混合比がPbO:Bi2O3=0.1〜95mol%:99.9〜5mol%である、上述するCuドープZnO単結晶シンチレータの製造方法に関する。
第3の実施形態は、溶質であるZnOおよびCuOと溶媒との混合・溶融物に、基板を直接接触させることによりCuドープZnO単結晶を液相エピタキシャル成長させてZnOシンチレータを製造する方法において、前記溶媒がPbOおよびBi2O3であり、溶質と溶媒との混合比がZnOのみに換算した溶質:溶媒=5〜30mol%:95〜70mol%であり、溶媒であるPbOとBi2O3との混合比がPbO:Bi2O3=0.1〜95mol%:99.9〜5mol%である、上述するCuドープZnO単結晶シンチレータの製造方法に関する。
この実施形態によれば、結晶成長法として熱平衡成長に近いLPE法を用い、さらにZnO結晶内へ取込まれづらいイオン半径の大きい元素で構成される融剤であるPbOおよびBi2O3を用いることにより、結晶内への不純物の混入が少ない高品質なZnO単結晶を製造することができる。特に、フッ素不純物の混入を低減した高品質なZnO単結晶を製造することができる。この実施形態で得られたZnO単結晶シンチレータは、α線や電子線などの検出器に応用が可能となる。
溶媒組成としては、PbO:Bi2O3=0.1〜95mol%:99.9〜5mol%が好ましい。より好ましくは、PbO:Bi2O3=30〜90mol%:70〜10mol%であり、特に好ましくは、PbO:Bi2O3=60〜80mol%:40〜20mol%である。PbOもしくはBi2O3単独溶媒では、液相成長温度が高くなるので、上記のような混合比を有するPbOとBi2O3との混合溶媒が好適である。
溶質であるZnOと溶媒であるPbOおよびBi2O3との混合比は、ZnOのみに換算した溶質:溶媒=5〜30mol%:95〜70mol%であることが好ましい。より好ましくは、ZnOのみに換算した溶質濃度が5mol%〜10mol%である。ZnOのみに換算した溶質濃度が、5mol%未満では成長速度が遅く、30mol%を超えると成長温度が高くなることがある。なお、「ZnOのみに換算した溶質」(mol%)とは、[ZnO(mol)]×100/([ZnO(mol)]+[PbO(mol)]+[Bi2O3(mol)])で表される。
<第4の実施形態>
第4の実施形態は、溶質であるZnOおよびCdOと溶媒との混合・溶融物に、基板を直接接触させることによりZnO単結晶を液相エピタキシャル成長させてZnOシンチレータを製造する方法において、ZnOに対し、CdOを7mol%〜50mol%混合することを特徴する、CdドープZnOシンチレータの製造方法に関する。
第4の実施形態は、溶質であるZnOおよびCdOと溶媒との混合・溶融物に、基板を直接接触させることによりZnO単結晶を液相エピタキシャル成長させてZnOシンチレータを製造する方法において、ZnOに対し、CdOを7mol%〜50mol%混合することを特徴する、CdドープZnOシンチレータの製造方法に関する。
ここで、ZnOに対してCdをドープすることの効果について説明する。本発明者らが特許出願した技術によれば、ZnとCdを混晶化することでバンドギャップを3.00〜3.30eVまで制御することができる(非特許文献6;Appl. Phys. Lett. 78 1237 (2001))。バンドギャップが異なる2層以上のZnO系混晶体(Zn1−xCdx)Oの積層体を形成し、バンドギャップがより小さい層の表面(照射面)から電離放射線を照射し、電離放射線を照射する(Zn1−xCdx)O層の厚みを電離放射線が侵入できる5μm〜50μmにすることにより、電離放射線をバンドギャップが小さい層で吸収してシンチレーション光に変換する。電離放射線が照射される層から数えて2層目以降は、シンチレーション光が発生する層(第1層)よりバンドギャップが大きいので、より多くのシンチレーション光を透過できることになる。このときの発光量は、BGO比で135%まで高めることが可能となる。非特許文献6に記載されるように、ZnOに対するCdOの平衡固溶量は、0≦y≦0.07となる。従って、ZnOに対しCdOを0以上7mol%まで仕込む効果は、自己吸収の低減となる。一方、7mol%を越えるCdOを仕込むと、もはや固溶体として(Zn1−xCdx)Oを形成することができず、格子間Cdとして取り込まれる。その結果、不純物量が増え、可視域発光が増大する。
本実施形態に係る製造方法により得られたCdドープZnO単結晶シンチレータによれば、α線および電子線などの電離放射線による励起時に励起子発光だけでなく、可視域の発光を増加させることができることからシンチレーション光のエネルギー分解能を高めることが可能となる。この実施形態で得られたCdドープZnO単結晶シンチレータは、α線源弁別に有用である。なお、CdドープZnO単結晶シンチレータに照射される電離放射線としては、α線が好適となるが、γ線、電子線、X線、中性子線照射時の発光量増加にも有用である。
<第5の実施形態>
第5の実施形態は、溶質であるZnOおよびCdOと溶媒との混合・溶融物に、基板を直接接触させることによりCdドープZnO単結晶を液相エピタキシャル成長させてZnOシンチレータを製造する方法において、前記溶媒がPbF2およびPbOであり、溶質と溶媒との混合比がZnOのみに換算した溶質:溶媒=2〜20mol%:98〜80mol%であり、溶媒であるPbF2とPbOとの混合比がPbF2:PbO=20〜80mol%:80〜20mol%である、上述するCdドープZnO単結晶シンチレータの製造方法に関する。
第5の実施形態は、溶質であるZnOおよびCdOと溶媒との混合・溶融物に、基板を直接接触させることによりCdドープZnO単結晶を液相エピタキシャル成長させてZnOシンチレータを製造する方法において、前記溶媒がPbF2およびPbOであり、溶質と溶媒との混合比がZnOのみに換算した溶質:溶媒=2〜20mol%:98〜80mol%であり、溶媒であるPbF2とPbOとの混合比がPbF2:PbO=20〜80mol%:80〜20mol%である、上述するCdドープZnO単結晶シンチレータの製造方法に関する。
この実施形態によれば、PbOとPbF2とが共晶系を形成し、PbOまたはPbF2単独の融点よりも低い温度でのLPE成長が可能となるため、溶媒の蒸発が抑制できる。したがって、組成変動が少なく安定な結晶育成が行える上、炉材消耗が抑制でき、育成炉が密閉系でなくてもよくなるため、低コストでの製造が可能となる。
また、結晶成長法として熱平衡成長に近いLPE法を用いているため、高品質なZnO単結晶を製造することができる。この実施形態で得られたCuドープZnO単結晶シンチレータは、α線源弁別に有用である。
溶媒組成としては、好ましくはPbF2:PbO=20〜80mol%:80〜20mol%であり、より好ましくはPbF2:PbO=30〜70mol%:70〜30mol%であり、さらに好ましくはPbF2:PbO=40〜60mol%:60〜40mol%である。この範囲であれば、溶媒であるPbF2とPbOとの蒸発量を抑制でき、その結果、溶質濃度の変動が少なくなり、LPE法で不純物ドープノZnO単結晶を安定に成長させることができる。さらに、炉材消耗が抑制でき育成炉が密閉系でなくてもよくなることで、低コストでZnO単結晶を育成できる。
溶質であるZnOと溶媒であるPbF2とPbOとの混合比は、ZnOのみに換算した溶質:溶媒=2〜20mol%:98〜80mol%であることが好ましい。より好ましくは、ZnOのみに換算した溶質濃度が5mol%〜10mol%である。ZnOのみに換算した溶質濃度が5mol%未満では実効的成長速度が遅く、20mol%を超えると溶質成分を溶解させる温度が高くなり、溶媒蒸発量が多くなることがある。なお、「ZnOのみに換算した溶質」(mol%)とは、[ZnO(mol)]×100/([ZnO(mol)]+[PbO(mol)]+[PbF2(mol)])で表される。
<第6の実施形態>
第6の実施形態は、溶質であるZnOおよびCuOと溶媒との混合・溶融物に、基板を直接接触させることによりCdドープZnO単結晶を液相エピタキシャル成長させてZnOシンチレータを製造する方法において、前記溶媒がPbOおよびBi2O3であり、溶質と溶媒との混合比がZnOのみに換算した溶質:溶媒=5〜30mol%:95〜70mol%であり、溶媒であるPbOとBi2O3との混合比がPbO:Bi2O3=0.1〜95mol%:99.9〜5mol%である、上述するCdドープZnO単結晶シンチレータの製造方法に関する。
第6の実施形態は、溶質であるZnOおよびCuOと溶媒との混合・溶融物に、基板を直接接触させることによりCdドープZnO単結晶を液相エピタキシャル成長させてZnOシンチレータを製造する方法において、前記溶媒がPbOおよびBi2O3であり、溶質と溶媒との混合比がZnOのみに換算した溶質:溶媒=5〜30mol%:95〜70mol%であり、溶媒であるPbOとBi2O3との混合比がPbO:Bi2O3=0.1〜95mol%:99.9〜5mol%である、上述するCdドープZnO単結晶シンチレータの製造方法に関する。
この実施形態によれば、結晶成長法として熱平衡成長に近いLPE法を用い、さらにZnO結晶内へ取込まれづらいイオン半径の大きい元素で構成される融剤であるPbOおよびBi2O3を用いることにより、結晶内への不純物の混入が少ない高品質なZnO単結晶を製造することができる。特に、フッ素不純物の混入を低減した高品質なZnO単結晶を製造することができる。この実施形態で得られたZnO単結晶シンチレータは、高速のα線や電子線などの検出器に応用が可能となる。
溶媒組成としては、PbO:Bi2O3=0.1〜95mol%:99.9〜5mol%が好ましい。より好ましくは、PbO:Bi2O3=30〜90mol%:70〜10mol%であり、特に好ましくは、PbO:Bi2O3=60〜80mol%:40〜20mol%である。PbOもしくはBi2O3単独溶媒では、液相成長温度が高くなるので、上記のような混合比を有するPbOとBi2O3との混合溶媒が好適である。
溶質であるZnOと溶媒であるPbOおよびBi2O3との混合比は、ZnOのみに換算した溶質:溶媒=5〜30mol%:95〜70mol%であることが好ましい。より好ましくは、ZnOのみに換算した溶質濃度が5mol%〜10mol%である。ZnOのみに換算した溶質濃度が、5mol%未満では成長速度が遅く、30mol%を超えると成長温度が高くなることがある。なお、「ZnOのみに換算した溶質」(mol%)とは、[ZnO(mol)]×100/([ZnO(mol)]+[PbO(mol)]+[Bi2O3(mol)])で表される。
<第7および第8の実施形態>
第7の実施形態は、上述したCu、または、CdをドープしたZnO単結晶シンチレータを具備する放射線検出器に関する。該放射線検出器の構成例としては、上述したCu、または、CdをドープしたZnO単結晶シンチレータを具備し、入射した放射線に応じて前記単結晶シンチレータを発光させる蛍光手段と、前記蛍光手段からの光を受けて、光出力を電気出力に変換する光電変換手段を具備する例が挙げられる。また、第8の実施形態は、当該放射線検出器を具備することを特徴とする放射線検査装置に関する。光電変換手段としては、例えば光電子倍増管やアバランシュフォトダイオードを用いる。
第7の実施形態は、上述したCu、または、CdをドープしたZnO単結晶シンチレータを具備する放射線検出器に関する。該放射線検出器の構成例としては、上述したCu、または、CdをドープしたZnO単結晶シンチレータを具備し、入射した放射線に応じて前記単結晶シンチレータを発光させる蛍光手段と、前記蛍光手段からの光を受けて、光出力を電気出力に変換する光電変換手段を具備する例が挙げられる。また、第8の実施形態は、当該放射線検出器を具備することを特徴とする放射線検査装置に関する。光電変換手段としては、例えば光電子倍増管やアバランシュフォトダイオードを用いる。
<第9の実施形態>
第9の実施形態は、上述したCu、または、CdをドープしたZnO単結晶シンチレータを具備するα線カメラに関する。該α線カメラの構成例としては、上述したCu、または、CdをドープしたZnO単結晶シンチレータを具備し、入射した放射線に応じて前記単結晶シンチレータを発光させる蛍光手段と、前記蛍光手段からの光を受けて、前記光出力を電気出力に変換する光電子変換手段として位置敏感型光電子倍増管、または、アバランシュフォトダイオードを用いる例が挙げられる。
第9の実施形態は、上述したCu、または、CdをドープしたZnO単結晶シンチレータを具備するα線カメラに関する。該α線カメラの構成例としては、上述したCu、または、CdをドープしたZnO単結晶シンチレータを具備し、入射した放射線に応じて前記単結晶シンチレータを発光させる蛍光手段と、前記蛍光手段からの光を受けて、前記光出力を電気出力に変換する光電子変換手段として位置敏感型光電子倍増管、または、アバランシュフォトダイオードを用いる例が挙げられる。
<結晶成長法>
ノンドープZnO単結晶、あるいは、不純物をドープしたZnO単結晶を成長させる方法としては、大別して気相成長法と液相成長法が用いられてきた。気相成長法としては、化学気相輸送法(特開2004−131301号公報参照)、分子線エピタキシーや有機金属気相成長法(特開2004−84001号公報参照)、昇華法(特開平5−70286号公報参照)などが用いられてきたが、転移、欠陥などが多く、結晶品質が不十分であった。
ノンドープZnO単結晶、あるいは、不純物をドープしたZnO単結晶を成長させる方法としては、大別して気相成長法と液相成長法が用いられてきた。気相成長法としては、化学気相輸送法(特開2004−131301号公報参照)、分子線エピタキシーや有機金属気相成長法(特開2004−84001号公報参照)、昇華法(特開平5−70286号公報参照)などが用いられてきたが、転移、欠陥などが多く、結晶品質が不十分であった。
一方、液相成長法では、原理的に熱平衡で結晶育成が進行するため、気相成長法より高品質な結晶を製造しやすい利点を有する。しかしながら、ZnOは融点が1975℃程度と高温である上、蒸発しやすいことから、シリコン単結晶などで採用されているチョクラルスキー法を用いてZnO単結晶を成長させることは困難であった。そのため、ZnO単結晶を成長させる方法としては、目的物質を適当な溶媒に溶解し、その混合溶液を降温して飽和状態とし、目的物質を融液から成長させる静置徐冷法、水熱合成法、フラックス法、フローティングゾーン法、トップシードソリューショングロース(TSSG)法、溶液引上法および液相エピタキシャル成長法(LPE成長法)などが用いられてきた。
本発明におけるZnO単結晶成長法としては、液相エピタキシャル成長法、フラックス法、TSSG法および溶液引上法などを用いることができる。これらの様々な方法の中でも、ZnO系単結晶を成長させる方法としては、比較的低コストかつ大面積成長が可能であり、特にシンチレータなどへの応用を考慮すると、機能別の層構造を形成しやすいLPE成長法が好適である。特に、結晶性が高く大面積基板を容易に得ることができる水熱合成法で製造されたZnO単結晶を基板として、不純物をドープしたZnO単結晶をLPE法で成長させる方法(液相ホモエピタキシャル成長法)が好適である。
<LPE成長炉>
一般的なLPE成長炉を図2に示す。LPE成長炉内には、原料を溶融し融液として収容する白金るつぼ4が、ムライト製(アルミナ+シリカ)のるつぼ台9の上に載置されている。白金るつぼ4の外側にあって側方には、白金るつぼ4内の原料を加熱して溶融する3段の側部ヒーター(上段ヒーター1、中央部ヒーター2、下段ヒーター3)が設けられている。ヒーターは、それらの出力が独立に制御され、融液に対する加熱量が独立して調整される。ヒーターと製造炉の内壁との間にムライト製の炉心管11が、炉心管11上部にはムライト製の炉蓋12が設けられている。白金るつぼ4の上方には引上げ機構が設けられている。引上げ機構にアルミナ製の引上軸5が固定され、その先端には、基板ホルダー6とホルダーで固定された基板7が設けられている。引上軸5上部には、軸を回転させる機構が設けられている
一般的なLPE成長炉を図2に示す。LPE成長炉内には、原料を溶融し融液として収容する白金るつぼ4が、ムライト製(アルミナ+シリカ)のるつぼ台9の上に載置されている。白金るつぼ4の外側にあって側方には、白金るつぼ4内の原料を加熱して溶融する3段の側部ヒーター(上段ヒーター1、中央部ヒーター2、下段ヒーター3)が設けられている。ヒーターは、それらの出力が独立に制御され、融液に対する加熱量が独立して調整される。ヒーターと製造炉の内壁との間にムライト製の炉心管11が、炉心管11上部にはムライト製の炉蓋12が設けられている。白金るつぼ4の上方には引上げ機構が設けられている。引上げ機構にアルミナ製の引上軸5が固定され、その先端には、基板ホルダー6とホルダーで固定された基板7が設けられている。引上軸5上部には、軸を回転させる機構が設けられている
従来、LPE炉を構成する部材において、上記るつぼ台9、炉心管11、引上軸5および炉蓋12にはアルミナやムライトが専ら使用されてきた。したがって、LPE成長温度や原料溶解温度である700〜1100℃の温度域では、アルミナやムライト炉材からAl成分が揮発し、溶媒内に溶解して、これがZnO単結晶薄膜内に混入していると考えられる。
本発明では不純物のドープ量の制御が重要である。不純物のドープ量は仕込み組成で制御することが望ましい。したがって、LPE炉を構成する炉材を非Al系材料にすることで、LPE成長ZnO単結晶薄膜へのAl不純物混入を低減することができる。非Al系炉材としては、ZnO炉材が最適であるが、一般的には市販されていないことを考慮すると、ZnO薄膜に混入してもキャリヤとして働かない材料としてMgOが好適である。また、アルミナとシリカで構成されるムライト製炉材を使用してもLPE膜中のSi不純物濃度が増えないというSIMS分析結果を考慮すると、石英炉材も好適である。その他には、カルシヤ、シリカ、ZrO2およびジルコン(ZrO2+SiO2)、SiC、Si3N4なども利用可能である。
以上より、好ましい実施形態では、非Al系の炉材としてMgOおよび/または石英から構成されるLPE成長炉を用いて、ノンドープZnO単結晶、あるいは、III族およびランタノイドドープZnO単結晶を製造する。さらに、成長炉が、るつぼを載置するためのるつぼ台、該るつぼ台の外周を取り囲むように設けられた炉心管、該炉心管の上部に設けられ、炉内の開閉を行う炉蓋、および基板を上下させるための引上軸を備え、これらの部材が、それぞれ独立に、MgOまたは石英によって作製されている態様も好ましい。
<その他の要件>
実施形態において、ZnO溶解度やPbF2とPbOの蒸発量あるいはPbOとBi2O3の蒸発量が大きく変化しない範囲で、LPE成長温度の制御、溶媒粘性の調整を目的として、溶媒に第三成分を1種または2種以上添加することができる。例えば、第三成分としては、B2O3、P2O5、V2O5、MoO3、WO3、SiO2、MgO、BaOなどが挙げられる。
実施形態において、ZnO溶解度やPbF2とPbOの蒸発量あるいはPbOとBi2O3の蒸発量が大きく変化しない範囲で、LPE成長温度の制御、溶媒粘性の調整を目的として、溶媒に第三成分を1種または2種以上添加することができる。例えば、第三成分としては、B2O3、P2O5、V2O5、MoO3、WO3、SiO2、MgO、BaOなどが挙げられる。
使用できる基板としては、ZnOと同類の結晶構造を有し、成長薄膜と基板とが反応しないものであれば特に限定されず、格子定数が近いものが好適に用いられる。例えば、サファイヤ、LiGaO2、LiAlO2、LiNbO3、LiTaO3、ZnOなどが挙げられる。目的の単結晶がZnOであることを考慮すると、基板と成長結晶の格子整合度が高いZnOが最適である。
以下、本発明の一実施態様に係る不純物ドープZnO単結晶の育成法として、これらのZnO単結晶膜をZnO単結晶基板上にLPE法で製膜する方法について説明する。本発明は、以下の実施例に何ら限定されるものではない。
<LPE成長炉の運転条件の概要>
実施例で用いたLPE成長炉の構成図を図3に示す。単結晶製造炉内には原料を溶融し融液として収容する白金るつぼ4がMgO製のるつぼ台9’の上に設けられている。白金るつぼ4の外側にあって側方には、白金るつぼ4内の原料を加熱して溶融する3段の側部ヒーター(上段ヒーター1、中央部ヒーター2、下段ヒーター3)が設けられている。ヒーターは、それらの出力が独立に制御され、融液に対する加熱量が独立して調整される。ヒーターと製造炉の内壁との間には、石英製の炉心管11’が設けられ、炉心管11’の上部には炉内の開閉を行うMgO製の炉蓋12’が設けられている。白金るつぼ4の上方には引上げ機構が設けられている。引上げ機構には石英製の引上軸5’が固定され、その先端には、基板ホルダー6とホルダーで固定された基板7が設けられている。石英製の引上軸5’上部には、引上軸5’を回転させる機構が設けられている。白金るつぼ4の下方には、るつぼ内の原料を溶融するための熱電対10が設けられている。
実施例で用いたLPE成長炉の構成図を図3に示す。単結晶製造炉内には原料を溶融し融液として収容する白金るつぼ4がMgO製のるつぼ台9’の上に設けられている。白金るつぼ4の外側にあって側方には、白金るつぼ4内の原料を加熱して溶融する3段の側部ヒーター(上段ヒーター1、中央部ヒーター2、下段ヒーター3)が設けられている。ヒーターは、それらの出力が独立に制御され、融液に対する加熱量が独立して調整される。ヒーターと製造炉の内壁との間には、石英製の炉心管11’が設けられ、炉心管11’の上部には炉内の開閉を行うMgO製の炉蓋12’が設けられている。白金るつぼ4の上方には引上げ機構が設けられている。引上げ機構には石英製の引上軸5’が固定され、その先端には、基板ホルダー6とホルダーで固定された基板7が設けられている。石英製の引上軸5’上部には、引上軸5’を回転させる機構が設けられている。白金るつぼ4の下方には、るつぼ内の原料を溶融するための熱電対10が設けられている。
白金るつぼ内の原料を溶融するため、原料が溶融するまで製造炉を昇温する。好ましくは650〜1000℃まで、さらに好ましくは700〜900℃に昇温し、2〜3時間静置して原料融液を安定化させる。このとき、3段ヒーターにオフセットを掛け、融液表面よりるつぼ底が数℃高くなるよう調節する。好ましくは、−100℃≦H1オフセット≦0℃、0℃≦H3オフセット≦100℃、さらに好ましくは、−50℃≦H1オフセット≦0℃、0℃≦H3オフセット≦50℃である。
るつぼ底温度が700〜900℃の種付け温度になるよう調節し、融液の温度が安定化した後、基板を5〜120rpmで回転させながら、引上軸を下降させることで基板を融液表面に接液する。基板を融液になじませた後、温度一定または、0.025〜5.0℃/hrで温度降下を開始し、基板の面に目的とするノンドープまたはドープZnO単結晶を成長させる。成長時も基板は引上軸の回転によって5〜300rpmで回転しており、一定時間ごとに逆回転させる。
24〜36時間程度かけて結晶成長させた後、基板を融液から切り離し、引上軸を200〜300rpm程度の高速で回転させることで、融液成分を分離させる。その後、室温まで1〜24時間かけて冷却して目的のZnO単結晶薄膜を得る。また、成長膜厚によっては、経時的あるいは連続的に石英製の引上軸を引上げながら成長させることもできる。
<実施例1〜6、比較例1〜3>
本実施例及び比較例では、溶媒としてPbOおよびBi2O3を用いて、CuドープのZnO単結晶を液相エピタキシャル成長法で作製した。
本実施例及び比較例では、溶媒としてPbOおよびBi2O3を用いて、CuドープのZnO単結晶を液相エピタキシャル成長法で作製した。
内径75mmφ、高さ75mmh、厚さ1mmの白金るつぼに、以下に示す表1の配合で原料を仕込んだ。溶媒組成はPbO:Bi2O3=66.67mol%:33.33mol%、ZnOのみに換算した溶質濃度は約7.00mol%となる。CuO組成は、ZnOに対しノンドープ(比較例1)、あるいは0.01mol%〜1.1mol%(それぞれ実施例1〜6、比較例2)となる。また、合わせてBGO(Bi4Ge3O12)と比較している。
原料を仕込んだるつぼを図3に示す炉に設置し、るつぼ底温度約900℃で溶解させた。その後、同温度で3時間保持後、るつぼ底温度が約800℃になるまで降温してから、水熱合成法で育成した+C面方位でサイズが10mm×10mm×0.5mmtのZnO単結晶基板を接液し、石英製の引上軸を60rpmで回転させながら同温度で24時間成長させた。このとき、軸の回転方向は5分おきに反転させた。その後、石英製の引上軸を上昇させることで、融液から切り離し、200rpmで軸を回転させることで、融液成分を振り切り、無色透明のノンドープまたはCuドープのZnO単結晶薄膜を得た。
得られたノンドープまたはCuドープのZnO単結晶薄膜の成長時間、LPE膜厚、および成長速度の結果を表2に示す。得られたこれらのZnO膜の厚みは100〜142μmであった。また、LPE成長法は比較的成長速度が高く、成長速度は4.2〜5.9μm/hrであった。
また、表2には、得られたZnO膜を研磨した後の(002)面のロッキングカーブ半値幅(結晶性の評価)、BGOの発光量を100としときの比およびエネルギー分解能を示す。研磨は、得られたZnO膜にラップとポリッシュを施し、表面を平坦化した。
シンチレータ特性としては、波高値スペクトル測定を実施した。α線源として241Amを用いた。受光素子としてPMT(R7600:浜松ホトニクス製)を用い、研磨したLPE成長ZnO単結晶の5面をテフロン(登録商標)テープで覆い、シンチレーション光を1面のみから得られるようにした。その際、α線通過用に2mm角の窓を残した。シンチレーション光が出る面にPMTを設置し、PMTに高電圧をかけてシグナルを増幅して読み出しを行った。波高値はpre−ampで増幅し、Pulse shape ampで波形を整え、multi channel analyzerを経てコンピューターに信号として取得して波高スペクトルを取得した。同波高分布にガウスフィッテングを施し、ガウスカーブのピークチャンネル数から発光量を、ピークチャンネル数とガウスカーブの半値幅からエネルギー分解能を算出した。
実施例1〜6の結果から分かるように、熱平衡成長に近いLPE法を用いてCuドープのZnO膜を成長させると、(002)面ロッキングカーブ半値幅は19〜42arcsecであった。実施例1〜6に係るZnO膜のこの半値幅は、基板として用いた水熱合成基板の半値幅(20arcsec)と大差がないことから、実施例1〜6に係るZnO膜は高い結晶性を有することが明らかとなった。
また、CuO仕込み組成ごとのBGO比発光量とエネルギー分解能を、図4、5に示す。図からわかるようにCuO仕込み組成を0.01mol%から1.0mol%で成長したCuドープZnO単結晶はBGOを超える発光量を示し、BGOと同程度のエネルギー分解能を有することが明らかとなった。
実施例3で作製したCuドープZnO単結晶シンチレータを用い、α線源弁別性能をZnS(Ag)セラミックスシンチレータと比較した。なお、ラドン子孫核種線源はエアーサンプラーを用い、ろ紙上に捕集したものを用いた。図6にCuドープZnO単結晶の波高値スペクトル測定の結果を、図7にZnS(Ag)セラミックスの波高値スペクトル測定の結果を示す。
CuドープZnO単結晶を用いると、放射性化合物であるAm線源の波高値スペクトルと空気中のラドン子孫核種線源の波高値スペクトルは明瞭に分かれており、α線源の弁別性能が高いことが分かる。一方、ZnS(Ag)セラミックスシンチレータを用いると、Am線源の波高値スペクトルとラドン子孫核種線源の波高値スペクトルに重なりがあり、両線源の計数を明瞭に弁別できない。
また、図6における波高値スペクトルにガウスフィッテングを施し、同フィッテングから得られたピークチャンネル数と半値幅から求めたCuドープZnO単結晶の△Eは、Am線源で43%、ラドン子孫核種線源で39%であった。一方、図7における波高値スペクトルから同様に求めたZnS(Ag)セラミックスの△Eは、Am線源で114%、ラドン子孫核種線源で109%であった。この結果から、ZnO単結晶の方がZnS(Ag)セラミックスよりエネルギー分解能が高いことが明らかとなった。
実施例3および比較例1のα線照射発光スペクトルを図8に示す。ノンドープのZnO単結晶(比較例1)では、バンド端発光の長波長成分のみがα線照射面と反対側に透過するが、不純物としてCuをドープした実施例3では、バンド端発光の長波長成分は減少するが、520nmをピークとする可視域発光が発生する。この可視域発光がα線照射シンチレーション光の増加に寄与している。
<実施例7〜11、比較例4>
本実施例及び比較例では、溶媒としてPbOおよびBi2O3を用いて、CdドープのZnO単結晶を液相エピタキシャル成長法で作製した。
本実施例及び比較例では、溶媒としてPbOおよびBi2O3を用いて、CdドープのZnO単結晶を液相エピタキシャル成長法で作製した。
内径75mmφ、高さ75mmh、厚さ1mmの白金るつぼに、以下に示す表3の配合で原料を仕込んだ。溶媒組成はPbO:Bi2O3=66.67mol%:33.33mol%、ZnOのみに換算した溶質濃度は約7.00mol%となる。CdO組成は、ZnOに対しノンドープ(上述した比較例1)、あるいは7.3mol%〜52mol%(それぞれ実施例7〜11、比較例4)となる。
原料を仕込んだるつぼを図3に示す炉に設置し、るつぼ底温度約900℃で溶解させた。その後、同温度で3時間保持後、るつぼ底温度が約800℃になるまで降温してから、水熱合成法で育成した+C面方位でサイズが10mm×10mm×0.5mmtのZnO単結晶基板を接液し、石英製の引上軸を90rpmで回転させながら同温度で24時間成長させた。このとき、軸の回転方向は5分おきに反転させた。その後、石英製の引上軸を上昇させることで、融液から切り離し、200rpmで軸を回転させることで、融液成分を振り切り、無色透明のCdドープのZnO単結晶薄膜を得た。
得られたノンドープまたはCdドープのZnO単結晶薄膜の成長時間、LPE膜厚、および成長速度の結果を表4に示す。得られたこれらのZnO膜の厚みは131〜155μmであった。また、LPE成長法は比較的成長速度が高く、成長速度は5.5〜6.5μm/hrであった。なお、CdO仕込み組成が50mol%を超える比較例4では、CdOが溶解せずLPE成長することができなかった。
また、表4には、得られたZnO膜を研磨した後の(002)面のロッキングカーブ半値幅(結晶性の評価)、BGOの発光量を100としときの比およびエネルギー分解能を示す。研磨は、得られたZnO膜にラップとポリッシュを施し、表面を平坦化した。
シンチレータ特性としては、α線励起シンチレータ発光量測定を実施した。α線源として241Amを用いた。受光素子としてPMT(R7600:浜松ホトニクス製)を用い、研磨したLPE成長ZnO単結晶の5面をテフロン(登録商標)テープで覆い、シンチレーション光を1面のみから得られるようにした。その際、α線通過用に2mm角の窓を残した。シンチレーション光が出る面にPMTを設置し、PMTに高電圧をかけてシグナルを増幅して読み出しを行った。波高値はpre−ampで増幅し、Pulse shape ampで波形を整え、multi channel analyzerを経てコンピューターに信号として取得して波高分布を取得した。同波高分布にガウスフィッテングを施し、ガウスカーブのピークチャンネル数から発光量を、ピークチャンネル数とガウスカーブの半値幅からエネルギー分解能を算出した。
実施例7〜11の結果から分かるように、熱平衡成長に近いLPE法を用いてCdドープのZnO膜を成長させると、(002)面ロッキングカーブ半値幅は36〜63arcsecであった。実施例7〜11に係るZnO膜の半値幅は、基板として用いた水熱合成基板の半値幅(20arcsec)と大差がないことから、実施例7〜11に係るZnO膜は高い結晶性を有することが明らかとなった。
また、CdO仕込み組成ごとのBGO比発光量とエネルギー分解能を、図9、10に示す。図からわかるようにCdO仕込み組成を7.3mol%から50mol%で成長したCdドープZnO単結晶はBGOを超える発光量を示し、BGOと同程度のエネルギー分解能を有することが明らかとなった。なお、図9に示したCdO仕込み組成1,3,5,7「mol%の発光量は、発明の名称を「積層型ZnO系単結晶シンチレータおよびその製造方法」とする特許出願(特願2009−135438)で開示したデータである。
一例として、実施例9のα線照射発光スペクトルを図11に示す。不純物としてCdをドープした実施例9では、バンド端発光の長波長成分は減少するが、530nmをピークとする可視域発光が発生する。この可視域発光がα線照射シンチレーション光の増加に寄与している。
<実施例12〜17、比較例5,6>
本実施例および比較例では、溶媒としてPbOおよびPbF2を用いて、CuドープのZnO単結晶を液相エピタキシャル成長法で作製した。
本実施例および比較例では、溶媒としてPbOおよびPbF2を用いて、CuドープのZnO単結晶を液相エピタキシャル成長法で作製した。
内径75mmφ、高さ75mmh、厚さ1mmの白金るつぼに、以下に示す表5の配合で原料を仕込んだ。溶媒組成はPbO:PbF2=50.00mol%:50.00mol%、ZnOのみに換算した溶質濃度は約5.00mol%となる。CuO組成は、ZnOに対しノンドープ(比較例5)、あるいは0.01mol%〜1.1mol%(それぞれ実施例12〜17、比較例6)となる。
原料を仕込んだるつぼを図3に示す炉に設置し、実施例1と同様の方法でCuドープZnO単結晶を得た。
得られたノンドープまたはCuドープのZnO単結晶薄膜の成長時間、LPE膜厚、および成長速度の結果を表6に示す。得られたこれらのZnO膜の厚みは108〜148μmであった。また、LPE成長法は比較的成長速度が高く、成長速度は3.0〜4.1μm/hrであった。
また、表6には、得られたZnO膜を研磨した後の(002)面のロッキングカーブ半値幅(結晶性の評価)、BGOの発光量を100としときの比およびエネルギー分解能を示す。研磨は、得られたZnO膜にラップとポリッシュを施し、表面を平坦化した。
シンチレータ特性としては、波高値スペクトル測定を実施した。α線源として241Amを用いた。受光素子としてPMT(R7600:浜松ホトニクス製)を用い、研磨したLPE成長ZnO単結晶の5面をテフロン(登録商標)テープで覆い、シンチレーション光を1面のみから得られるようにした。その際、α線通過用に2mm角の窓を残した。シンチレーション光が出る面にPMTを設置し、PMTに高電圧をかけてシグナルを増幅して読み出しを行った。波高値はpre−ampで増幅し、Pulse shape ampで波形を整え、multi channel analyzerを経てコンピューターに信号として取得して波高スペクトルを取得した。同波高分布にガウスフィッテングを施し、ガウスカーブのピークチャンネル数から発光量を、ピークチャンネル数とガウスカーブの半値幅からエネルギー分解能を算出した。
実施例12〜17の結果から分かるように、熱平衡成長に近いLPE法を用いてCuドープのZnO膜を成長させると、(002)面ロッキングカーブ半値幅は35〜49arcsecであった。実施例12〜17に係るZnO膜のこの半値幅は、基板として用いた水熱合成基板の半値幅(20arcsec)と大差がないことから、実施例12〜17に係るZnO膜は高い結晶性を有することが明らかとなった。
また、CuO仕込み組成ごとのBGO比発光量とエネルギー分解能を、表6に示す。表からわかるようにCuO仕込み組成を0.01mol%から1.0mol%で成長したCuドープZnO単結晶はBGOを超える発光量を示し、BGOと同程度のエネルギー分解能を有することが明らかとなった。
<実施例18〜22、比較例7>
本実施例及び比較例では、溶媒としてPbOおよびPbF2を用いて、CdドープのZnO単結晶を液相エピタキシャル成長法で作製した。
本実施例及び比較例では、溶媒としてPbOおよびPbF2を用いて、CdドープのZnO単結晶を液相エピタキシャル成長法で作製した。
内径75mmφ、高さ75mmh、厚さ1mmの白金るつぼに、以下に示す表7の配合で原料を仕込んだ。溶媒組成はPbO:PbF2=50.00mol%:50.00mol%、ZnOのみに換算した溶質濃度は約5.00mol%となる。CdO組成は、ZnOに対し7.31mol%〜53mol%(それぞれ実施例18〜22、比較例7)となる。
原料を仕込んだるつぼを図3に示す炉に設置し、実施例7と同様の方法でCdドープZnO単結晶を得た。
得られたノンドープまたはCdドープのZnO単結晶薄膜の成長時間、LPE膜厚、および成長速度の結果を表8に示す。得られたこれらのZnO膜の厚みは112〜144μmであった。また、LPE成長法は比較的成長速度が高く、成長速度は3.1〜4.0μm/hrであった。なお、CdO仕込み組成が50mol%を超える比較例7では、CdOが溶解せずLPE成長することができなかった。
また、表8には、得られたZnO膜を研磨した後の(002)面のロッキングカーブ半値幅(結晶性の評価)、BGOの発光量を100としときの比およびエネルギー分解能を示す。研磨は、得られたZnO膜にラップとポリッシュを施し、表面を平坦化した。
シンチレータ特性としては、α線励起シンチレータ発光量測定を実施した。α線源として241Amを用いた。受光素子としてPMT(R7600:浜松ホトニクス製)を用い、研磨したLPE成長ZnO単結晶の5面をテフロン(登録商標)テープで覆い、シンチレーション光を1面のみから得られるようにした。その際、α線通過用に2mm角の窓を残した。シンチレーション光が出る面にPMTを設置し、PMTに高電圧をかけてシグナルを増幅して読み出しを行った。波高値はpre−ampで増幅し、Pulse shape ampで波形を整え、multi channel analyzerを経てコンピューターに信号として取得して波高分布を取得した。同波高分布にガウスフィッテングを施し、ガウスカーブのピークチャンネル数から発光量を、ピークチャンネル数とガウスカーブの半値幅からエネルギー分解能を算出した。
実施例18〜22の結果から分かるように、熱平衡成長に近いLPE法を用いてCdドープのZnO膜を成長させると、(002)面ロッキングカーブ半値幅は42〜69arcsecであった。実施例18〜22に係るZnO膜のこの半値幅は、基板として用いた水熱合成基板の半値幅(20arcsec)と大差がないことから、実施例18〜22に係るZnO膜は高い結晶性を有することが明らかとなった。
また、CdO仕込み組成ごとのBGO比発光量とエネルギー分解能を、表8に示す。表からわかるようにCdO仕込み組成を7mol%から50mol%で成長したCdドープZnO単結晶はBGOを超える発光量を示し、BGOと同程度のエネルギー分解能を有することが明らかとなった。
1・・・上段ヒーター
2・・・中央部ヒーター
3・・・下段ヒーター
4・・・白金るつぼ
5・・・引上軸
6・・・基板ホルダー
7・・・基板
9・・・るつぼ台
11・・・炉心管
12・・・炉蓋
2・・・中央部ヒーター
3・・・下段ヒーター
4・・・白金るつぼ
5・・・引上軸
6・・・基板ホルダー
7・・・基板
9・・・るつぼ台
11・・・炉心管
12・・・炉蓋
Claims (9)
- 溶質であるZnOおよびCuOと溶媒との混合・溶融物に、基板を直接接触させることによりZnO単結晶を液相エピタキシャル成長させてZnOシンチレータを製造する方法において、ZnOに対し、CuOを0.01mol%〜1.0mol%混合することを特徴する、ZnOシンチレータの製造方法。
- 前記溶媒がPbF2およびPbOであり、前記溶質と溶媒との混合比がZnOのみに換算した溶質:溶媒=2〜20mol%:98〜80mol%であり、溶媒であるPbF2とPbOとの混合比がPbF2:PbO=20〜80mol%:80〜20mol%である、請求項1に記載するZnOシンチレータの製造方法。
- 前記溶媒がPbOおよびBi2O3であり、前記溶質と溶媒との混合比がZnOのみに換算した溶質:溶媒=5〜30mol%:95〜70mol%であり、溶媒であるPbOとBi2O3との混合比がPbO:Bi2O3=0.1〜95mol%:99.9〜5mol%である、請求項1に記載するZnOシンチレータの製造方法。
- 溶質であるZnOおよびCdOと溶媒との混合・溶融物に、基板を直接接触させることによりZnO単結晶を液相エピタキシャル成長させてZnOシンチレータを製造する方法において、ZnOに対し、CdOを7mol%〜50mol%混合することを特徴する、ZnOシンチレータの製造方法。
- 前記溶媒がPbF2およびPbOであり、前記溶質と溶媒との混合比がZnOのみに換算した溶質:溶媒=2〜20mol%:98〜80mol%であり、溶媒であるPbF2とPbOとの混合比がPbF2:PbO=20〜80mol%:80〜20mol%である、請求項4に記載するZnOシンチレータの製造方法。
- 前記溶媒がPbOおよびBi2O3であり、前記溶質と溶媒との混合比がZnOのみに換算した溶質:溶媒=5〜30mol%:95〜70mol%であり、溶媒であるPbOとBi2O3との混合比がPbO:Bi2O3=0.1〜95mol%:99.9〜5mol%である、請求項4に記載するZnOシンチレータの製造方法。
- 請求項1ないし6のいずれかに記載の製造方法で製造されたZnOシンチレータを具備することを特徴とする放射線検出器。
- 請求項7に記載の放射線検出器を備えることを特徴とする放射線検査装置。
- 請求項1ないし6のいずれかに記載の製造方法で製造されたZnOシンチレータを具備することを特徴とするα線カメラ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2010139269A JP2012001662A (ja) | 2010-06-18 | 2010-06-18 | ZnOシンチレータ及びその製造方法、並びにZnOシンチレータを用いた放射線検出器、放射線検査装置又はα線カメラ |
Applications Claiming Priority (1)
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| JP2010139269A JP2012001662A (ja) | 2010-06-18 | 2010-06-18 | ZnOシンチレータ及びその製造方法、並びにZnOシンチレータを用いた放射線検出器、放射線検査装置又はα線カメラ |
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Family
ID=45534009
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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| JP2010139269A Withdrawn JP2012001662A (ja) | 2010-06-18 | 2010-06-18 | ZnOシンチレータ及びその製造方法、並びにZnOシンチレータを用いた放射線検出器、放射線検査装置又はα線カメラ |
Country Status (1)
| Country | Link |
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| JP (1) | JP2012001662A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2014009992A (ja) * | 2012-06-28 | 2014-01-20 | Fujifilm Corp | 放射線画像検出装置 |
| CN105238393A (zh) * | 2015-09-21 | 2016-01-13 | 长安大学 | 一种强红光发射的ZnO材料的制备方法 |
| JP2016090388A (ja) * | 2014-11-05 | 2016-05-23 | コニカミノルタ株式会社 | シンチレータパネルおよび放射線検出器 |
| JP2017120192A (ja) * | 2015-12-28 | 2017-07-06 | 国立大学法人島根大学 | シンチレータ及び電子検出器 |
-
2010
- 2010-06-18 JP JP2010139269A patent/JP2012001662A/ja not_active Withdrawn
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| JP2017120192A (ja) * | 2015-12-28 | 2017-07-06 | 国立大学法人島根大学 | シンチレータ及び電子検出器 |
| US10301542B2 (en) | 2015-12-28 | 2019-05-28 | National University Corporation Shimane University | Scintillator and electron detector |
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