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JP2012099328A - 有機elディスプレイの製造方法 - Google Patents

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JP2012099328A JP2010245790A JP2010245790A JP2012099328A JP 2012099328 A JP2012099328 A JP 2012099328A JP 2010245790 A JP2010245790 A JP 2010245790A JP 2010245790 A JP2010245790 A JP 2010245790A JP 2012099328 A JP2012099328 A JP 2012099328A
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Kazutoshi Miyazawa
和利 宮澤
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Abstract

【課題】有機ELディスプレイの製造において、有機層中に異物の混入による欠陥が生じた場合、欠陥部のみを局所的に修復し、周囲へのダメージがない有機ELディスプレイの製造方法を提供すること。
【解決手段】有機層に混入した異物に対して、先端が平面の微細な針で異物を有機層表面まで下方に押し込む。その後、インクジェット、ディスペンサまたは塗布針などによって、異物を押し込んだ部分のみに絶縁材料を塗布し、絶縁部を形成することで、異物による欠陥部のみを局所的に修復することができる。
【選択図】図6

Description

本発明は、有機ELディスプレイの製造方法に関するものである。とりわけ、有機ELディスプレイの製造工程において、製造工程中に有機層中に異物が混入したとき、有機層中に混入した異物により生じた有機層の欠陥を修復する有機ELディスプレイの製造方法である。
近年、有機EL素子を利用した自発光型の有機ELディスプレイが次世代のディスプレイとして期待されている。有機ELディスプレイは、明るく鮮明な画質であり、自発光方式であるため、視野角が広く高応答性など優れた特長を有する。有機ELディスプレイは、バックライトが不要なため薄膜化が簡易であるという利点を有するディスプレイであり、将来的に大画面ディスプレイ(テレビ)等への利用が有望視されている。
有機ELディスプレイは、複数の有機EL素子と有機ELを発光させるための回路基板から構成される。回路基板には各EL素子に流す電流を細かく制御するために、各有機EL素子に対してTFT(薄膜トランジスタ)が形成されている。また、各EL素子に流れる電流ばらつきを抑えるために補正回路が形成されている。
回路基板上には絶縁膜が形成され、絶縁膜上に有機EL素子を有する積層膜が形成されている。絶縁膜には、回路基板と各有機EL素子とを接続するための接続部が形成されている。
有機EL素子は、回路基板上に形成した絶縁膜上に形成されている。絶縁膜上においてマトリックス状に第1の電極と第2の電極を有しており、第1の電極および第2の電極との間には、複数の有機層が配置されている。有機層は、蛍光体分子を含む発光層と、該発光層を挟むホール伝導性の薄膜および電子伝導性の薄膜とから形成されている。有機EL素子の第1の電極を陽極とし第2の電極を陰極として、この電極間に電圧を印加すると、陽極からホール伝導性の薄膜にホールが注入され、陰極から電子伝導性の薄膜に電子が注入され、発光層内でホールと電子とが結合して発光層が発光する。有機EL素子は、封止層により外気に対して保護されている。
有機ELディスプレイの製造においては、有機層の積層膜の形成が重要である。この有機層の状態が、有機ELディスプレイの発光効率および消費電力に大きな影響を与えるためである。
有機層の形成については、幾つかの方法があるが、中でも低コストで大面積への形成に有利である、インクジェット法などの塗布(印刷)工法が注目されている。インクジェット法は、有機材料を溶媒で溶解した溶液を必要な箇所に塗布(印刷)し、乾燥させることで溶液中の溶媒を蒸発させ有機層を形成する方法である。このように、有機材料ごとに塗布および乾燥を繰り返すことで、有機層の積層膜を形成することができる。
上述の通り、インクジェット法は、塗布(印刷)によって一括して有機層を形成することが可能であるため、材料使用効率も良く、大型のディスプレイを比較的容易に形成することができ、低コストでの製造に向いているとも言える。
また、有機ELディスプレイの製造工程は、厚さ数nmの精度で有機層の厚みを制御しながら積層を行う必要があるため、有機層の形成工程は、クリーンルーム内で行われるのが一般的である。つまり、有機層中への異物が混入しないような環境で有機層形成を行う必要がある。しかしながら、有機材料を塗布するための装置内部や周辺環境から非常に細かいパーティクルなどの異物が有機層中に混入してしまい、そのため異物を有機層に完全に混入しないようにすることは困難な状態である。その結果、有機ELディスプレイを製造する過程で有機層に異物が混入してしまう問題が生じている。
有機層中に異物が混入した場合、第1の電極と第2の電極との間に電圧を印加すると、異物を通して電流が第1の電極と第2の電極との間をリークしてしまう。電流がリークすると有機ELディスプレイの発光効率が低下し、消費電力の上昇につながる。また、異物が存在する画素においては、異物による電流リークにより、その画素における有機層(発光層)に流れる電流量が減少する。そのため、その画素全体における発光層の輝度が低下する。更には、異物が存在する画素が存在すると、有機層に電流が流れなくなり、発光しなくなる場合がある。或いは、有機層を保護するために保護膜を形成しているが、有機層に異物があると、異物がある部分の封止層が不良となり、異物のある部分の膜厚が薄くなったり、膜に欠陥ができたりするため保護性能が低下する。封止層の性能が劣化すると有機層の劣化を招き、発光層の輝度低下を起こす。
これに対し、例えば特許文献1には、有機層形成後、有機層に異物が付着した部分において、絶縁膜を被膜することで異物によるリークの発生を低減させ、有機ELディスプレイの歩留まり改善を図ることが可能との開示がある。また、特許文献2には、有機層形成後、有機層中、或いは、有機層表面に混入した異物に対してレーザを照射して、有機層に混入した異物を除去する工程、その後、レーザで除去した部分に対して、インクジェット法や針塗付法などの塗布工法を用いて有機材料を塗布する工程、有機層に混入した部分に有機層を再形成する工程が開示される。このような構成により、有機層中の異物がレーザで完全に除去できるので、異物によるリークの発生や封止膜の不良形成の低減を図ることができるとされる。
特開平11−054286号公報 特開2004−119243号公報
しかしながら、特許文献1に示す有機ELディスプレイの製造方法おいては、有機層に混入した異物に対して絶縁部を形成して異物の部分を絶縁することで修復を行うことになる。具体的には、絶縁部の形成において、感光性絶縁樹脂を用い、光を照射することで感光性樹脂を露光し、異物の部分のみに絶縁樹脂を残す方法で異物の部分に絶縁部を形成する技術である。
図9に、有機層1に混入した異物2に対して絶縁部3を形成したときの断面図を示す。この製造方法において感光性樹脂を露光するとき、有機層1にも露光のための光が照射される。上記特許文献1では、この光によって有機層1の劣化が引き起こされ、発光寿命の低下を引き起こす課題が生じることになる。また、異物2をそのまま残すため、異物を絶縁材料で覆う領域(絶縁領域4)が広くなり、絶縁領域4の拡大を引き起こし修復による非発光領域が広くなり、異物2のある領域における輝度低下を招くことにも繋がる。
また、有機層1を保護するための封止膜を形成する場合、異物2上に絶縁部3を形成すると、その部分だけ絶縁部が形成されているため絶縁部の高さ5により局所的に凸形状になる。この部分に封止膜を形成すると、凸形状の影響で封止膜が薄くなる、あるいは封止膜に欠陥が発生できる。何れの場合においても、封止性の低下による有機層1の劣化を引き起こす問題を有することになる。
また、特許文献2に示す従来の有機ELディスプレイの製造方法においては、レーザによって有機層中に混入した異物を完全に異物を除去し、除去した後に有機材料を再塗布することで異物による欠陥を修復することになる。
図10〜12は、特許文献2を説明する図である。図10に示すように、レーザ発振機6からレーザ7を照射し有機層1に混入した異物2を除去するとき、図11に示すように、レーザで除去された異物や有機層の加工片9がレーザ除去部8の周囲に飛散する。図12に示すように、レーザで異物2を除去したあと、有機材料10を塗布するが、レーザ除去部周囲に飛散したこれらの加工片9は広範囲に飛散するため、有機材料10によって完全に被膜することができない。
これらの加工片9が残ると、この加工片9が新たな異物となり、有機層1に電流を流したときリークの要因となる。また、有機層1を保護するための封止層を形成するとき、飛散した加工片9を封止層が完全に被膜できずに封止層の欠陥を引き起こし、有機層を劣化させてしまう課題が生じることになる。
本発明は、前記従来の課題を解決するものであり、有機層に混入した異物による欠陥に対して、有機層を保護するための封止層に影響を与えることなく、局所的に欠陥部を修復することが可能な有機ELディスプレイの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の有機ELディスプレイの製造方法は、基板と、前記基板上に配置された複数の有機EL素子とを有し、前記有機EL素子は、前記基板上に形成された第1電極、前記第1電極上に配置された有機層、前記有機層上に配置された第2電極を含む、有機ELディスプレイを製造する方法であって、少なくとも以下のステップを含む、(1)基板上に絶縁膜を形成するステップ、(2)絶縁膜上に有機層を規定するバンクを形成するステップ、(3)前記バンクにより規定された領域に有機層を塗布形成するステップ、(4)前記有機層に混入した異物を検出するステップ、(5)前記有機層に混入した異物を有機層の下部方向へ押し込むステップ、(6)前記異物に対して絶縁材料を塗布することで絶縁部を形成するステップ、を有する有機ELディスプレイの製造方法である。
このとき、異物に対して先端が平面の微細な針を有機層表面まで押し付けることで、異物を有機層下部方向へ押し込み、異物のサイズは、有機層表面から駆動回路を有する基板表面までの積層厚み以下であることが好ましい。
以上のように、本発明の有機ELディスプレイの製造方法によれば、有機層に異物が混入した場合、異物を有機層の下方へ押し込んだ後、絶縁材料を局所的に塗布形成するため、異物混入部に対して絶縁膜を塗布する際、塗布領域を最小限に抑えることができる。また、本発明の場合、異物が有機層表面から突出していないので、塗布高さを低くし、凸形状を抑えることも可能となる。
よって、異物のある部分のみを局所的に凸形状を抑えて絶縁することが可能であるため、異物が混入した場所において修復した形状を限定的に小さくでき、かつ、異物によるリークを修復する際、非発光領域を小さく限定できるので修復による輝度低下を抑えることができる。また、修復部の凸形状の高さを抑えることが可能であるため、修復部が封止膜へ影響を与えることが無く、封止性劣化を引き起こさない。そのため、発光寿命の低下を抑えることが可能となる。
以上のことより、本発明の有機ELディスプレイの製造方法は、有機ELディスプレイの製造において歩留まりを高めることができ、かつ、高品質な有機ELディスプレイの製造をも可能となる。
本発明の有機ELディスプレイの製造方法のフローチャートを示す図 有機ELディスプレイの製造工程中において有機層に異物が混入した状態を示した斜視図 有機ELディスプレイの製造工程中において有機層に異物が混入した状態を示した断面図 有機層中に異物が混入した有機ELディスプレイの断面図 (a)本発明の実施の形態において、有機層に混入した異物を微細な針で有機層下部に押し込む前の図、(b)本発明の実施の形態において、有機層に混入した異物を微細な針で有機層下部に押し込んだ状態の図 本発明の実施の形態において、有機層に異物を押し込んだあとに絶縁材料を塗布し、異物のある場所に絶縁部を形成した図 (a)有機層に混入した異物の外観図、(b)異物を微細な針で有機層中に押し込んだ外観図 (a)異物を有機層に押し込んだ後、有機材料を塗布した後の外観図、(b)有機材料を塗布した部分の絶縁部の断面形状のプロファイルを示す図 有機層に混入した異物を従来の方法により絶縁材料で被膜した断面図 従来例の有機層に混入した異物をレーザにより除去したときの断面図 従来例の有機層に混入した異物をレーザによって除去した後、レーザにより除去された細かい破片が飛散した状態を示した断面図 従来例のレーザにより除去された有機層に有機材料を再塗布した後の状態を示した断面図
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
本発明の製造方法により製造される有機ELディスプレイは、少なくともTFTを含んだ駆動回路を有する基板と、前記基板上に絶縁膜が形成され、絶縁膜上にマトリクス状に配置されるとともに駆動回路と接続された有機EL素子とを有する。
有機EL素子は、少なくとも絶縁膜上に配置された第1の電極と、該第1の電極上に配置された有機層と、該有機層上に配置された第2の電極を有する。有機層は少なくとも有機発光層を含むが、更に正孔注入層や正孔輸送層、電子輸送層などを含んでいても良い。また、有機EL素子はカラーフィルタや封止膜などの任意の構成部材を有していても良い。
本発明の有機ELディスプレイの製造方法は、図1のフローチャートに示すように、
(S1)TFTを含んだ駆動回路を有する基板上に絶縁膜を形成するステップと、
(S2)絶縁膜上に有機層を規定するバンクを形成するステップと、
(S3)上記(S2)で形成したバンクにより規定された領域に対し、各領域で必要とされる有機材料を塗布し、有機層を形成するステップと、
(S4)上記(S3)で形成した有機層において、有機層中に混入した異物や有機層表面に付着した異物を検出するステップと、
(S5)上記(S4)で検出された異物を、先端が平面の微細な針を用いて異物を有機層下部方向へ押し込み有機層表面より異物が突出しない状態にするステップと、
(S6)上記(S5)で異物を有機層下部に押し込んだ部分のみに局所的に絶縁材料を塗布し、絶縁部を形成するステップと、を有する。
以下、上述の各ステップにおける特長を説明する。
(1)第1のステップ(S1)では、有機EL素子に電流を流して発光状態を制御するための駆動回路を有する基板上に絶縁膜を形成する。駆動回路は、TFTやTFTの電流のばらつきを抑えるための補償回路を含む。回路が形成された基板の種類は、絶縁性を有し、かつ所望の機械的特性を有するものであれば特に限定されない。一般的には、ガラス板などが用いられることが多い。基板は、プラズマ処理やUV処理などの表面処理が施されていても良い。
絶縁膜の材料は、特に限定されないが、絶縁性、有機溶剤耐性、プロセス耐性(プラズマ処理、エッチング処理、ベーク処理に対する耐性)の点から、シリコン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ノボラック型フェノール樹脂などが好ましい。絶縁膜は平坦化膜であり、厚みは3〜10μm程度の厚みである。 絶縁膜には、駆動回路と絶縁膜上に形成される第1の電極とを接続するための接続部が形成される。
(2)第2のステップ(S2)では、駆動回路を含む基板上に形成した絶縁膜上に、有機層を規定するバンクを形成する。ここで「バンクを基板上に形成する」とは、基板上に直接バンクを形成するだけでなく、基板上に形成された別の部材(例えば、第1の電極など)の上にバンクを形成することも含む。バンクなどにより規定される有機EL素子のサイズおよび形状は、求める特性(例えば、ディスプレイの解像度など)に応じて自由に設定され得る。
バンクは、有機EL素子ごとに有機層を規定していても良いし、ライン状に配列された複数の有機EL素子を含む区域を規定してもよい。ライン状に配列された複数の有機EL素子は、同一色(赤、緑または青)の光を発する。
バンクの材料は、特に限定されないが、絶縁性、有機溶剤耐性、プロセス耐性(プラズマ処理、エッチング処理、ベーク処理に対する耐性)の点から、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ノボラック型フェノール樹脂などが好ましい。また、バンクの材料は、フッ素系樹脂(アクリル系フッ素樹脂やポリイミド系フッ素樹脂)であっても良い。バンクは、プラズマ処理やUV処理などの表面処理が施されていても良く、それにより、バンク表面の親液性や撥液性が調整され得る。
(3)第3のステップ(S3)では、第2のステップで形成したバンクにより規定された領域に有機材料を含む溶液を塗布して有機層を形成する。有機層を形成する方法は、塗布法であれば特に限定されない。塗布法の例には、有機材料を所定の位置に制御しながら塗布することができるインクジェット、ディスペンサ、塗布針などの方法が含まれる。
バンク内に塗布される有機材料および溶媒の種類は、有機層の種類や求める特性などに応じて自由に選択すれば良い。発光層を構成する有機材料の例には、ポリフルオレン系の高分子有機材料が含まれる。
有機EL素子は、電極および有機層の薄膜を積層することで形成される。それぞれの薄膜は、数10nmレベルで膜厚が制御されている。製造環境を厳密に管理し、かつ製造設備を十分にメンテナンスしていても製造している環境や設備内部から、有機材料を含む溶液を塗布した部分に、微小な異物が混入してしまうことがある。この微小異物の混入により、有機層に欠陥が生じてしまう。図2にバンク11間に有機層1を形成した後、有機層1に異物2が混入したときの斜視図を示し、図2におけるA−A断面を図3に示す。
また、図3のような状態(有機層1に異物2が混入した状態)において、有機EL素子を製造したとき断面を図4に示す。
図4に示されるように有機EL素子は、駆動回路を含む基板12、基板上に形成された絶縁膜13、絶縁膜上に配置された第1の電極14、第1電極上に配置された有機層1、有機層上に配置された第2の電極15、第2電極上に配置された封止膜16とを有する。有機層1には異物2が混入している。図4に示されるように、異物2は第1の電極14および第2の電極15と接触しているので、第1の電極14と第2の電極15との間に電圧を印加すると、異物2を通して、第1の電極14から第2の電極15に電流がリークし、消費電力の増大や、異物周囲での発光輝度低下による発光ムラや、発光自体がしなくなるという不良現象が発生する。
(4)第4のステップ(S4)では、第3のステップ(S3)で形成した有機層に、形成不良部が存在するか否かを検出する。有機層に混入した異物を検出する方法は、特に限定されないが、顕微鏡を用いた外観検査による方法や画像検査方法やパターン検査方法などがある。画像検査方法やパターン検査方法には、隣接する素子同士を比較することで異物を検出する「Die to Die検査方式」や素子と設計データとを比較することで異物を検出する「Die to Database検査方式」が含まれる。
有機層に検出された異物は、レーザ顕微鏡や白色干渉計測装置によって、異物のサイズを計測する。検出した異物のサイズが、駆動回路を含む基板の表面から有機層の最表面までの厚み以下であれば、第5ステップ(S5)に進み、異物を有機層下部に押し込み、有機層表面に異物が突出しない状態にする。
(5)第5のステップでは、第4のステップ(S4)で検出された有機層中に混入、或いは、有機層表面に付着した異物を有機層下部方向へ押し込ませ、有機層表面に異物が突出しないようにする。
図5に示すように、異物2を有機層1下部に押し込むためには、先端が平面形状をした微細な針17を用いて押し込めば良い。この針17は、微細な針の直径は、バンクの内法よりも小さく、異物2に対して充分大きな直径の針を用い、異物2が完全に押し込めるようにする。針の材質は、タングステンやステンレスなどの硬質の金属材料を用いるのが良い。
具体的には、図5(a)に示すように、微細な針17を有機層1が混入した場所まで移動させる。微細な針17は、所定の位置に移動できるような制御装置に接続し、有機層1に混入した異物2に対して、針17の先端部を異物2が混入した有機層1の表面まで移動させて止めるようにする。そして、図5(b)に示すように、針17の先端部が有機層1表面で停止させるため、有機層1と針17との位置関係を明確にしておき、針17の先端が有機層1表面で止まるように設定する。
例えば、異物2近傍の有機層1表面の位置をレーザ変位計を用いて検出し、針17の移動量を制御することで、針17が有機層1表面で止まるように制御する。或いは、針17に微小変位検出機を接続して、有機層1表面と接触したことを検知して、針17が有機層表面に接触したときに止めるようにする。
(6)第6のステップ(S6)では、第5のステップ(S5)で有機層中に混入した異物や有機層表面に付着した異物を有機層下部に押し込んだ部分に絶縁材料を塗布して、異物が押し込まれた部分に対して局所的に絶縁部を形成する。
異物2を有機層下部に押し込んだ部分に対し、局所的に絶縁材料を塗布する方法は、インクジェット法、ディスペンサ法、針塗布法などの塗布工法などがある。これらの塗布工法をいずれも適用することができるが、インクジェット法やディスペンサ法においては、溶液を吐出させて塗布する場合、塗布材料が広がって塗布され、微小量の塗布を行うのが困難なため、絶縁領域が広がってしまう可能性がある。
インクジェット法やディスペンサ法に比べ、微小量の溶液を塗布することのできる塗布工法として、針塗布を適用するのが望ましい。針塗布は、数10〜数100μmの極細の塗布針に液滴を付着させ、塗布針先端とワークとを接触させることで、針先端に付着した液滴のみを転写させて微小量のみを塗布することができる。但し、通常の針塗布法を用いた場合、塗布針を有機層表面に押し付けるので、針先端に付着した材料を異物が埋め込まれた部分に転写するとき、針接触部に付着した材料が外周へ押し出され、針先端の外周部に溶液が広がってしまう。
従って、針塗布で絶縁材料を異物が埋め込まれた部分に塗布するとき、非接触の針塗布法の方式により塗布材料を塗布するのが良い。絶縁材料を付着させた針先端を異物が埋め込まれた部分に接触させて塗布するのではなく、絶縁材料を付着させた針先端と異物が埋め込まれた部分とのギャップを近づけることにより非接触で絶縁材料を有機層表面に転写させる方法である。塗布針先端と異物が埋め込まれた表面とのギャップは、塗布針先端に付着した溶液の厚み以下の距離に設定する必要がある。
この非接触の針塗布を行うには、例えば、株式会社アプライド・マイクロシステムのニードル式ディスペンサなどを用いれば良い。この装置を使用すれば、塗布針の位置を任意に変えることができるため、非接触での針塗布が可能である。図6に示すように、非接触の針塗布で絶縁材料を塗布すれば、異物2に対する絶縁材料の絶縁領域4を小さくすることができ、かつ、異物が有機層に埋め込まれているので塗布高さ5を低くできるため、異物2が埋め込まれた部分のみに局所的に絶縁部3の形成が可能となる。
異物が埋め込まれた部分に塗布される溶液は、第1のステップで駆動回路を有する基板上に形成した絶縁材料と同じ材料であるシリコン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ノボラック型フェノール樹脂などの材料を用いれば良い。あるいは、第3のステップで塗布した溶液(有機材料および溶剤)を用いても良い。また、絶縁領域をできるだけ限定的にするため絶縁材料の塗布量を微量にするとともに、塗布後の濡れ広がりを少なくするために、絶縁材料の材料濃度を高くして塗布するのが好ましい。
絶縁材料塗布後、CO2レーザ、スポットランプや超小型の熱風ヒータなどで再塗布した部分のみを乾燥させる。或いは、加熱炉を用いて基板全体を加熱することで、塗布した絶縁材料を乾燥させる。
上述したように、有機ELディスプレイの製造工程において、有機層に異物が混入したり、有機層表面に異物が付着した場合に、異物によるショートを修復することができる。本発明によれば、リーク電流の低減による低消費電力化や輝度ムラが少ない有機ELディスプレイを高い歩留まりで製造することができる。
(実施例)
図7(a)は有機層中に混入した異物の外観写真を示す図である。
この異物のサイズは、およそ10μm程度のサイズであった。この異物を先端が平面形状をした微細な針で有機層下部方向に押し込んだ後の外観写真を図7(b)に示す。
異物を押しこむための微細な針は、タングステンを直径50μmに加工した針を用いた。この微細な針を異物が埋め込まれた領域周囲の有機層表面の高さまで下降させて異物を押し込んだ。図7に示すように異物を有機層下部に押し込まれ、異物の形状が変化していることがわかる。このとき、実験より、異物を押し込むことで第1の電極が破壊されていないことは確認済みである。
微細な針で異物を有機層下部に埋め込んだ領域に対して、非接触の針塗布法にて塗布した後の外観図を図8(a)に示し、その断面プロファイルを図8(b)に示す。
図8(b)の図中、横の1目盛は5μmであり、縦の1目盛は100nmである。断面のプロファイルは、接触式段差計を用いて計測を行った。塗布装置としては、株式会社アプライド・マイクロシステムのニードル式ディスペンサを使用して塗布をおこなった。塗布材料は、ポリフルオレン系高分子有機材料とし、針径30μmの塗布針を用い、塗布針表面と異物を有機層下部に埋め込んだ領域表面とのギャップを2μm接近させて塗布を行った。この図より、異物が埋め込まれた場所に塗布ができていることが確認される。また、図12(b)より、塗布した領域のサイズは、塗布直径32μm、塗布高さ362nmであり、局所的に絶縁を行うことができることが分かる。
以上のように、有機ELディスプレイの製造工程において、有機層中に混入したり、有機層表面上に異物が付着した場合、異物を埋め込んで絶縁化することができたりするので、異物による欠陥の無い有機ELディスプレイを高歩留まりで製造することができる。
本発明の有機ELディスプレイの製造方法は、有機層中に異物などが混入して欠陥部が形成された場合、異物を微細な針で有機層下部に押し込み、その後、絶縁材料を局所的に塗布するので、異物による欠陥部のみを局所的に修復することが可能である。よって、本発明によれば有機ELディスプレイの製造において、リーク電流の低減による発光滅点化の低減や低消費電力化を図ることができ、有機ELディスプレイを高歩留まりで製造することが可能となる。
また、有機ELディスプレイの製造方法以外に、局所的に絶縁による修復が必要なデバイスの製造の用途などにも適用することが可能である。
1 有機層
2 異物
3 絶縁部
4 絶縁領域
5 絶縁部の高さ
11 バンク
12 基板
13 絶縁膜
14 第1の電極
15 第2の電極
16 封止膜
17 針

Claims (4)

  1. 基板と、前記基板上に配置された複数の有機EL素子とを有し、前記有機EL素子は、前記基板上に形成された第1電極、前記第1電極上に配置された有機層、前記有機層上に配置された第2電極を含む、有機ELディスプレイを製造する方法であって、少なくとも以下のステップを含む、
    (1)基板上に絶縁膜を形成するステップ、
    (2)絶縁膜上に有機層を規定するバンクを形成するステップ、
    (3)前記バンクにより規定された領域に有機層を塗布形成するステップ、
    (4)前記有機層に混入した異物を検出するステップ、
    (5)前記有機層に混入した異物を有機層の下部方向へ押し込むステップ、
    (6)前記異物に対して絶縁材料を塗布することで絶縁部を形成するステップ、
    を有する、有機ELディスプレイの製造方法。
  2. 前記第5ステップにおいて、先端が平面な針を異物に押し当て、前記異物を有機層の表面まで下方に押し下げることで、前記異物を前記有機層の下方に埋め込む、
    請求項1記載の有機ELディスプレイの製造方法。
  3. 前記異物のサイズは、有機層の表面から基板の表面までの厚み以下の大きさである、請求項1または2に記載の有機ELディスプレイの製造方法。
  4. 前記第6ステップにおいて、インクジェット、ディスペンサまたは塗布針を用いて、前記絶縁材料を異物が埋め込まれた領域に塗布する、
    請求項1〜3の何れか一項に記載の有機ELディスプレイの製造方法。
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