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JP2012084678A - バッファ層の製造方法およびその製造装置 - Google Patents

バッファ層の製造方法およびその製造装置 Download PDF

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JP2012084678A JP2010229251A JP2010229251A JP2012084678A JP 2012084678 A JP2012084678 A JP 2012084678A JP 2010229251 A JP2010229251 A JP 2010229251A JP 2010229251 A JP2010229251 A JP 2010229251A JP 2012084678 A JP2012084678 A JP 2012084678A
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哲夫 河野
Hiroshi Arai
洋 新井
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Abstract

【課題】CBD溶液に溶解してしまうような部分を含む基板であっても基板を溶解させることなく、光電変換半導体層上にバッファ層を形成する。
【解決手段】CBD用反応槽2の壁面に設けられた基板の大きさよりも小さい開口部3に、反応槽2の外側から、開口部3の全体を基板で覆うように基板を固定して、基板上に設けられた光電変換半導体層表面の開口部3に臨む領域にバッファ層の析出を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、光電変換素子をなすバッファ層の製造方法およびその製造装置に関するものである。
光電変換層とこれに導通する電極とを備えた光電変換素子が、太陽電池等の用途に使用されている。従来、太陽電池においては、バルクの単結晶Siまたは多結晶Si、あるいは薄膜のアモルファスSiを用いたSi系太陽電池が主流であったが、Siに依存しない化合物半導体系太陽電池の研究開発がなされている。化合物半導体系太陽電池としては、GaAs系等のバルク系と、Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とからなるCISあるいはCIGS系等の薄膜系とが知られている。CI(G)Sは、一般式Cu1-zIn1-xGaxSe2-yy(式中、0≦x≦1,0≦y≦2,0≦z≦1)で表される化合物半導体であり、x=0のときがCIS系、x>0のときがCIGS系である。以下、CISとCIGSとを合わせて「CI(G)S」と表記する。
CI(G)S系等の従来の薄膜系光電変換素子においては一般に、光電変換層とその上に形成される透光性導電層(透明電極)との間にCdSバッファ層や、環境負荷を考慮してCdを含まないZnSバッファ層が設けられている。バッファ層は、(1)光生成キャリアの再結合の防止、(2)バンド不連続の整合、(3)格子整合、および(4)光電変換層の表面凹凸のカバレッジ等の役割を担っており、CI(G)S系等では光電変換層の表面凹凸が比較的大きく、特に上記(4)の条件を良好に充たす必要性から、液相法であるCBD(Chemical Bath Deposition)法による成膜が好ましい。
CBD法ではバッファ層の原料化合物を含む反応液に基板を浸漬する、いわゆるバッチ式の成膜方法が知られている。例えば特許文献1には成膜の均一性を向上させ、反応槽の小型化等が可能なCBD成膜装置として、CBD成膜形成対象表面を反応槽に対し水平上向きに保持し、振動子を駆動させる装置が記載されている。また、特許文献2には反応槽の壁面に等間隔で配置された振動子を備え、反応槽に対しCBD成膜形成対象物を鉛直に保持する装置が記載されている。
一方、連続的に成膜を行う方法も知られており、長尺な可撓性基板をロール状に巻回してなる供給ロールと、成膜済の基板をロール状に巻回する巻取りロールとを用いるいわゆるロール・トゥ・ロール(Roll to Roll)の成膜方法が知られている。この方法は、供給ロールからの基板の送り出しと、巻取りロールによる成膜済基板の巻取りとを同期して行いつつ、反応槽において、搬送される基板に対し連続的に、あるいはストップ・アンド・ゴー方式で成膜を行なうことが可能である。例えば、特許文献3には反応槽壁面等への膜析出により、バッファ層形成用材料(反応溶液)のロスを抑制するために、反応溶液を回収する態様が記載されており、また、特許文献4においても同様の態様が記載されている。
特許4443645号公報 特許4080061号公報 米国特許出願公開2009/0246908号明細書 米国特許出願公開2009/0255461号明細書
上記特許文献1や2に記載されているような基板をCBD溶液に浸漬させるようなバッチ式では、CBD溶液に溶解してしまうような部分を含む基板(例えば、基板の端面や裏面など溶解しうる成分が露出している場合を含む)の場合、公知のCBD法を採用できない。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、CBD溶液に溶解してしまうような部分を含む基板であっても基板を溶解させることなく、光電変換半導体層上にバッファ層を形成することが可能なバッファ層の製造方法および製造装置を提供することを目的とするものである。
本発明のバッファ層の製造方法は、基板上に下部電極と光吸収により電流を発生する光電変換半導体層とバッファ層と透光性導電層との積層構造を有する光電変換素子におけるCBD法による前記バッファ層の製造方法において、CBD用反応槽壁面に設けられた前記基板の大きさよりも小さい開口部に、前記反応槽の外側から、前記開口部の全体を前記基板で覆うように該基板を固定して、該基板上に設けられた前記光電変換半導体層表面の前記開口部に臨む領域に前記バッファ層の析出を行うことを特徴とするものである。
前記基板は該基板背面側から加熱することが好ましい。
前記反応液は撹拌してもよい。
前記反応液は例えば、CdまたはZnの金属源と硫黄源とを含むものである。
本発明のバッファ層製造装置は、基板上に形成された光電変換半導体層上にCBD法によりバッファ層を形成するバッファ層製造装置であって、前記バッファ層を形成するCBD用反応液を蓄えることが可能な反応槽と、該反応槽の壁面に形成された前記基板の大きさよりも小さい開口部と、該開口部に対応する位置であって前記反応槽の外側壁面に、前記開口部全体を前記基板で覆うように前記基板を保持することが可能な保持部とを有することを特徴とするものである。
前記基板を該基板背面から加熱することが可能な加熱手段がさらに設けられていることが好ましい。
前記反応槽は耐アルカリ性および耐酸性を併せ持った材質からなることが好ましい。
前記反応槽は前記反応液を撹拌する撹拌手段を有していてもよい。
前記基板は水酸化物イオンと錯イオンを形成しうる金属を含むものであってもよい。
前記基板は、Alを主成分とするAl基材の少なくとも一方の面側にAl23を主成分とする陽極酸化膜が形成された陽極酸化基板、Feを主成分とするFe材の少なくとも一方の面側にAlを主成分とするAl材が複合された複合基材の少なくとも一方の面側にAl23を主成分とする陽極酸化膜が形成された陽極酸化基板、およびFeを主成分とするFe材の少なくとも一方の面側にAlを主成分とするAl膜が成膜された基材の少なくとも一方の面側にAl23を主成分とする陽極酸化膜が形成された陽極酸化基板のうちいずれか1つの陽極酸化基板であってもよい。
本発明の光電変換素子の製造方法は、基板上に下部電極と光吸収により電流を発生する光電変換半導体層とバッファ層と透光性導電層との積層構造を有する光電変換素子の製造方法において、前記バッファ層がCBD法により製造されるものであって、CBD用反応槽壁面に設けられた前記基板の大きさよりも小さい開口部に、前記反応槽の外側から、前記開口部の全体を前記基板で覆うように該基板を固定して、該基板上に設けられた前記光電変換半導体層表面の前記開口部に臨む領域に前記バッファ層の析出を行うことにより製造されることを特徴とするものである。
本発明のバッファ層の製造方法は、CBD用反応槽壁面に設けられた基板の大きさよりも小さい開口部に、反応槽の外側から、開口部の全体を基板で覆うように基板を固定して、基板上に設けられた光電変換半導体層表面の開口部に臨む領域にバッファ層を析出させるので、基板がCBD用反応液に溶解してしまう成分を含むものであっても、基板からこのような成分を溶出させることなくバッファ層を形成することが可能である。
また、本発明のバッファ層の製造方法は反応槽壁面に設けられた開口部に基板を固定してバッファ層を析出させるので、反応槽に林立させてバッファ層を析出させるような通常のバッチ式の態様に比べて、反応槽内の温度差による影響が少ないので、膜厚のバラツキが少ないバッファ層を形成することができる。
本発明のバッファ層製造装置の一実施の形態を示す概略模式図である。 図1のI−I線拡大断面図である。 製造装置に加熱手段を設けた形態を示す概略模式図である。 陽極酸化基板の構成を示す概略断面図である。 実施例で製造したバッファ層の膜厚分布を示すグラフである。
以下、図面を参照して本発明のバッファ層の製造方法を説明する。図1は本発明のバッファ層製造装置の一実施の形態を示す概略模式図であり、図2は図1のI−I線拡大断面図である。図1に示す製造装置1は、バッファ層を形成するCBD用反応液を内部に蓄えることが可能な反応槽2の4つの壁面に開口部3が設けられており、この開口部3に対応する位置であって反応槽2の外側壁面に、開口部3全体を基板9で覆うように基板9を保持することが可能な保持部4が設けられている。なお、図1では視認しやすくするため、反応槽2の手前の2つの壁面に保持部4を設けた態様を示している。
保持部4の内部は図2に示すように、基板ホルダー5と、基板9の背面全体を均一に押圧することが可能な背板6と、基板9と反応槽2の壁面との間に設けられたガスケット(パッキン)7と、基板ホルダー5を開口部3に向けて押圧することが可能なネジ部材8とからなる。基板ホルダー5は、基板ホルダー5に入れられた基板9が基板ホルダー5の下部に当接するように構成されている。また、開口部3は基板9の大きさよりも小さくなっている。
そして、基板9は基板ホルダー5に向けられたネジ部材8によって開口部3と対応する位置であって、開口部3の全体を基板9で覆うように固定される。このとき、基板9はガスケット7によって完全に反応槽2の開口部3をふさぐことになるので、反応槽2内に反応液が充填されても反応液が反応槽2の外に漏れることはない。また、基板9は背板6によってネジ部材8の部分的な押圧から保護されるので、変形することがない。なお、ここではガスケット7が反応槽2の外壁面に予め設けられている態様で説明しているが、ガスケット7は必ずしも反応槽2の外壁面に設けられている態様でなくても、基板9の外周部に合わせて基板9側に設けるようにしてもよい。ガスケット7の材質としてはテフロン(登録商標、以下、本明細書においてこの記載は省略する)、テフロンをシート状にしたもの(市販品として、例えば、商品名:ハイパーシート)、シリコンゴム、バイトンゴム等を好ましく挙げることができる。
このように本発明の製造装置においては、基板の裏面(背面)および基板の側面が反応液に接触することがないので、基板がCBD用反応液に溶解してしまう成分を含むものであっても、基板からこのような成分を溶出させることなくバッファ層の成膜を行うことが可能である。また、例えば、反応容器の中に基板を複数枚林立させて成膜を行うと、反応容器の壁面に近い部分と容器の中央部分とに反応液の温度差が生ずるために、反応容器の壁面に近い基板と中央部分の基板とでは形成される膜厚にばらつきが生じるという問題があるが、本発明の製造装置は壁面に基板を固定する態様であるため、膜厚の均一なバッファ層を製造することができる。
本発明の製造装置は、基板を基板背面から加熱することが可能な加熱手段がさらに設けられていることが好ましい。通常、CBD用反応液は加温をして行うが、基板を背面から加熱することによって、より膜厚のばらつきがないバッファ層を成膜することができる。この際、基板の温度をCBD用反応液の液温と同じか、それ以上にしておくことが好ましい。基板の温度をCBD用反応液の液温以上にしておくことにより、基板上での析出を優先的に進行させることが可能になる。また、そのときに反応液の温度を低くしても基板上での析出が進行する場合には、反応液中でのコロイド状固形物の発生が抑えられる方向になるので、反応液を長時間使用し続けたりすることが可能となる。加熱手段としては、例えば図3に示すように反応槽2の周りに、加温液体11を貯留することが可能な加温液体用バス10を設ける態様を例示することができる。加温液体としては、加温水やオイルなどを挙げることができ、作業上の観点からすれば加温水が好ましい。この場合、背板6は熱伝導率の高い素材からなる板、具体的にはチタンやステンレスなどのような材質であることが好ましい。また、背板6が金属板、例えばチタンのような材質の場合には、背板6に電熱器(ヒーター)を巻きつけて加熱するような態様とすることもできる。
なお、基板背面と背板6とが直接接触することによって生じる傷防止等のために、シリコンゴムシートなどのような素材を挟んでもよい。
バッファ層に用いる基板は予めプレ加熱されているものを用いることが好ましい。プレ加熱としては基板を温風ドライエアーで温めたり、あるいはヒーターを用いて温める方法であってもよい。もちろん、バッファ層形成前には、通常表面に付着する付着物を洗浄して除去するが、この場合には先に洗浄工程を実施してから基板を温風ドライエアーで温めたり、あるいはヒーターを用いて温める方がよい。一方、この付着物を除去するための溶液(純水、アンモニア水、又は低級アミン溶液等)を加温して、付着物の除去工程と基板予備加熱工程を同時に実施するようにしてもよい。
反応槽2は耐アルカリ性および耐酸性を併せ持った材質からなることが好ましい。通常、反応槽は反応液に浸食されない材質(CBD法であれば耐アルカリ性の材質)であれば十分であるが、CBD法によるバッファ層の成膜時には反応槽の内壁等にコロイド状固形物が付着する場合がある。このコロイド状固形物をそのままにした状態でCBD工程を繰り返すと、内壁上に堆積した層が種晶層となって内壁上に薄膜が優先的に成長するようになり、結果として所望の基板上への薄膜形成が再現性よく実施できなくなってしまう。そこで、通常はある頻度で反応層の内部をこのコロイド状固形物を溶解させる酸性溶液により洗浄する必要がある。反応槽2を耐アルカリ性および耐酸性を併せ持った材質からなるものとすることによって、バッファ層の成膜を行った後、洗浄工程もこの製造装置で行うことが可能となる。耐アルカリ性および耐酸性を併せ持った材質としては、例えばテフロンを好ましく挙げることができる。また、母材そのものがステンレス等であっても、反応液が接触する部分をテフロンコートするといった態様としてもよい。
反応槽2には反応液を撹拌する撹拌手段を設けてもよい。反応液を撹拌する撹拌手段を設けることによって、反応槽2の壁面に固定された基板の光電変換半導体層表面に常に新鮮な反応液を接触させることが可能となるので成膜時間を短縮することが可能である。撹拌手段としては、磁力回転する磁気式撹拌子を用いる撹拌手段を好適に挙げることができる。
バッファ層の形成後、反応液を捨て、基板ホルダーから光電変換半導体層の上にバッファ層が形成された基板を取外す。バッファ層が後述するZnS、Zn(S,O)、Zn(S,O,OH)の場合には150℃〜230℃の温度、好ましくは170℃〜210℃の温度で、5分〜60分、後加熱を行う。加熱手段としては特に限定されないが、市販のオーブン、電気炉、真空オーブン等を利用した温風加熱が好ましい。このように加熱処理を行うことによって光電変換素子の変換効率等の特性を向上させることができる。
本発明におけるバッファ層はCBD法により形成されるものである。CBD法は、一般式 [M(L)i] m+ ⇔Mn++iL(式中、本発明においてMはCdまたはZnの金属元素、Lは配位子、m,n,i:正数を各々示す。)で表されるような平衡によって過飽和条件となる濃度とpHを有する金属イオン溶液を反応液として用い、金属イオンMの錯体を形成させることで、安定した環境で適当な速度で基板上に結晶を析出させる方法である。
本発明の製造方法に用いられる反応液はCdまたはZnの金属(M)源と硫黄源を含むものである。これによって、CdS、ZnS、Zn(S,O)、Zn(S,O,OH)のバッファ層を形成することができる。硫黄源としては硫黄を含有する化合物、例えばチオ尿素(CS(NH22、チオアセトアミド(C25NS)等を用いることができる。
CdSバッファ層の場合には、上記硫黄源と、Cd化合物(例えば硫酸カドミウム、酢酸カドミウム、硝酸カドミウム、クエン酸カドミウムおよびこれらの水和物等)と、アンモニア水あるいはアンモニウム塩(例えばCH3COONH4、NH4Cl、NH4Iおよび(NH42SO4等)との混合溶液を反応液として用いることができる。ZnS、Zn(S,O)、Zn(S,O,OH)などのZn化合物層からなるバッファ層の場合には、上記硫黄源と、Zn化合物(例えば硫酸亜鉛、酢酸亜鉛、硝酸亜鉛、クエン酸亜鉛およびこれらの水和物等)と、アンモニア水あるいはアンモニウム塩(上記と同様)との混合溶液を反応液として用いることができる。
なお、Zn化合物層からなるバッファ層を形成する場合には、反応液にはクエン酸化合物(クエン酸三ナトリウムおよび/またはその水和物)を含有させることが好ましい。クエン酸化合物を含有させることによって錯体が形成されやすく、CBD反応による結晶成長が良好に制御され、膜を安定的に成膜することができる。
本発明のバッファ層の製造方法は、どのような基板であっても適用することが可能であるが、基板がCBD用反応液に溶解してしまう成分を含むものであっても、基板からこのような成分を溶出させることがないという本発明の効果からすれば、基板が水酸化物イオンと錯イオンを形成しうる金属を含むものである場合にその効果を得ることができ、より詳細にはAlを含む基板に効果的に適用できる。
具体的には、基板は、Alを主成分とするAl基材の少なくとも一方の面側にAl23を主成分とする陽極酸化膜が形成された陽極酸化基板、Feを主成分とするFe材の少なくとも一方の面側にAlを主成分とするAl材が複合された複合基材の少なくとも一方の面側にAl23を主成分とする陽極酸化膜が形成された陽極酸化基板、および、Feを主成分とするFe材の少なくとも一方の面側にAlを主成分とするAl膜が成膜された基材の少なくとも一方の面側にAl23を主成分とする陽極酸化膜が形成された陽極酸化基板のうちいずれか1つの陽極酸化基板であることが好ましい。
図4は陽極酸化基板の構成を示す概略断面図である。図4の左図に示すように、基板40は、Al基材41の両面側に陽極酸化膜42が形成されたものでもよいし、図4の右図に示すように、Al基材41の片面側に陽極酸化膜42が形成されたものでもよい。陽極酸化膜42はAl23を主成分とする膜である。デバイスの製造過程において、AlとAl23との熱膨張係数差に起因した基板の反り、およびこれによる膜剥がれ等を抑制するには、図4の左図に示すようにAl基材41の両面側に陽極酸化膜42が形成されたものがより好ましい。
基板40上に形成される光電変換半導体層の主成分としては特に制限されず、高い変換効率が得られることから、少なくとも1種のカルコパイライト構造の化合物半導体であることが好ましく、Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とからなる少なくとも1種の化合物半導体であることがより好ましい。
光電変換半導体層の主成分としては、
CuおよびAgからなる群より選択された少なくとも1種のIb族元素と、
Al,GaおよびInからなる群より選択された少なくとも1種のIIIb族元素と、
S,Se,およびTeからなる群から選択された少なくとも1種のVIb族元素とからなる少なくとも1種の化合物半導体であることが好ましい。
上記化合物半導体としては、
CuAlS2,CuGaS2,CuInS2
CuAlSe2,CuGaSe2
AgAlS2,AgGaS2,AgInS2
AgAlSe2,AgGaSe2,AgInSe2
AgAlTe2,AgGaTe2,AgInTe2
Cu(In,Al)Se2,Cu(In,Ga)(S,Se)2
Cu1-zIn1-xGaxSe2-yy(式中、0≦x≦1,0≦y≦2,0≦z≦1)(CI(G)S),
Ag(In,Ga)Se2,およびAg(In,Ga)(S,Se)2等が挙げられる。
光電変換半導体層の膜厚は特に制限されず、1.0μm〜3.0μmが好ましく、1.5μm〜2.0μmが特に好ましい。
バッファ層上には、光を取り込むと共に、下部電極と対になって、光電変換半導体層で生成された電流が流れる電極として機能する層である透光性導電層(例えばZnO:Al等のn−ZnO等)、上部電極(Al等)を形成すれば光電変換素子が完成する。光電変換素子は、太陽電池等に好ましく使用することができ、光電変換素子に対して必要に応じて、カバーガラス、保護フィルム等を取り付けて、太陽電池とすることができる。
以下、本発明のバッファ層の製造方法を実施例によりさらに詳細に説明する。
(基板〜光電変換層の製造)
ステンレス鋼(SUS)と高純度Al(アルミ純度:4N)を冷間圧延法により加圧接合、減圧することにより、ステンレス鋼厚さ100μm、Al層厚さ30μmの2層クラッド材を作製して金属基板とした。この金属基板を切り出して、大きさ30cm×30cmのシートを得た。この金属基板上にアルミニウム陽極酸化膜(AAO)を10μm厚で形成し、さらにその上にスパッタ法によりソーダライムガラス(SLG)層を0.2μm厚で、Mo下部電極を0.8μm厚で成膜した。この基板上にCIGS層の成膜法の一つとして知られている3段階法を用いて膜厚1.8μmのCu(In0.7Ga0.3)Se2層を成膜した。
(反応液の調製)
水中にZnSO4が0.03M、チオ尿素が0.05M、クエン酸三ナトリウム濃度が0.03M、アンモニア濃度が0.15Mとなるように添加・混合して反応液を調製した。
(実施例1)
準備した基板を図1に示す反応槽に1枚だけセットし、残りの3つの壁面はダミーの基板を装着した。CBD反応液を90℃に加温して15分間バッファ層の析出を行った。得られたバッファ層の断面をSMI3200F(エスアイアイ・ナノテクノロジー製)を用いてFIB加工した後、S−5000(日立ハイテクノロジーズ製)を用いて加速電圧5kVにてSEM観察を行った。複数のSEM像からバッファ層の厚みを計測した(21箇所のデータを得た)。
(実施例2)
実施例1において、磁気式撹拌子によりCBD反応液の撹拌を行った以外は実施例1と同様にしてバッファ層の析出を行った。
(実施例3)
実施例1において、析出時間を30分間に変更した以外は実施例1と同様にしてバッファ層の析出を行った。
(実施例4)
実施例3において、磁気式撹拌子によりCBD反応液の撹拌を行った以外は実施例3と同様にしてバッファ層の析出を行った。
(比較例1)
PFA製の反応容器に準備したCBD反応液を入れ、準備した基板を反応容器の中央に立てて入れ、60分間バッファ層の析出を行った。
(評価)
上記実施例1〜3および比較例1のバッファ層析出後、CBD反応液2.5mLを25mLメスフラスコでメスアップ(10倍希釈)し、SPS3000 ICP発光分光分析装置を用いてAl濃度を測定した(定量下限値:Al(<1ppm))。なお、測定結果は各サンプルについて2回ずつ測定を行い、得られた値の平均値で算出した。
実施例1〜3および比較例1の反応条件等とともに評価結果を表1に、実施例1〜3および比較例1のバッファ層の膜厚分布を示すグラフを図5に示す。
Figure 2012084678
表1から明らかなように、本発明の製造装置を用いた実施例は基板に含まれるAlを溶出させることなくバッファ層を形成することができた。一方で、基板の裏面や端面が反応液に接触する比較例1ではAlの溶出が確認された。また、表1の膜厚標準偏差、図5のグラフから明らかなように、反応槽内の温度差による影響が少ないので、膜厚のバラツキが格段に少ないバッファ層を形成することができた。また、撹拌することによって析出速度が速くなり、製造時間の短縮も図ることが可能である。
1 製造装置
2 反応槽
3 開口部
4 保持部
5 基板ホルダー
6 背板
7 ガスケット(パッキン)
8 ネジ部材
9 基板
10 加温液体用バス
40 基板

Claims (11)

  1. 基板上に下部電極と光吸収により電流を発生する光電変換半導体層とバッファ層と透光性導電層との積層構造を有する光電変換素子におけるCBD法による前記バッファ層の製造方法において、
    CBD用反応槽壁面に設けられた前記基板の大きさよりも小さい開口部に、前記反応槽の外側から、前記開口部の全体を前記基板で覆うように該基板を固定して、該基板上に設けられた前記光電変換半導体層表面の前記開口部に臨む領域に前記バッファ層の析出を行うことを特徴とするバッファ層の製造方法。
  2. 前記基板を、該基板背面側から加熱することを特徴とする請求項1記載のバッファ層の製造方法。
  3. 前記反応液を撹拌することを特徴とする請求項1または2記載のバッファ層の製造方法。
  4. 前記反応液が、CdまたはZnの金属源と硫黄源とを含むことを特徴とする請求項1、2または3記載のバッファ層の製造方法。
  5. 基板上に形成された光電変換半導体層上にCBD法によりバッファ層を形成するバッファ層製造装置であって、
    前記バッファ層を形成するCBD用反応液を蓄えることが可能な反応槽と、
    該反応槽の壁面に形成された前記基板の大きさよりも小さい開口部と、
    該開口部に対応する位置であって前記反応槽の外側壁面に、前記開口部全体を前記基板で覆うように前記基板を保持することが可能な保持部とを有することを特徴とするバッファ層製造装置。
  6. 前記基板を該基板背面から加熱することが可能な加熱手段がさらに設けられていることを特徴とする請求項5記載のバッファ層製造装置。
  7. 前記反応槽が、耐アルカリ性および耐酸性を併せ持った材質からなることを特徴とする請求項5または6記載のバッファ層製造装置。
  8. 前記反応槽が前記反応液を撹拌する撹拌手段を有することを特徴とする請求項5、6または7記載のバッファ層製造装置。
  9. 前記基板が水酸化物イオンと錯イオンを形成しうる金属を含むものであることを特徴とする請求項5〜8いずれか1項記載のバッファ層製造装置。
  10. 前記基板が、Alを主成分とするAl基材の少なくとも一方の面側にAl23を主成分とする陽極酸化膜が形成された陽極酸化基板、
    Feを主成分とするFe材の少なくとも一方の面側にAlを主成分とするAl材が複合された複合基材の少なくとも一方の面側にAl23を主成分とする陽極酸化膜が形成された陽極酸化基板、
    およびFeを主成分とするFe材の少なくとも一方の面側にAlを主成分とするAl膜が成膜された基材の少なくとも一方の面側にAl23を主成分とする陽極酸化膜が形成された陽極酸化基板のうちいずれか1つの陽極酸化基板であることを特徴とする請求項9記載のバッファ層製造装置。
  11. 基板上に下部電極と光吸収により電流を発生する光電変換半導体層とバッファ層と透光性導電層との積層構造を有する光電変換素子の製造方法において、前記バッファ層がCBD法により製造されるものであって、
    CBD用反応槽壁面に設けられた前記基板の大きさよりも小さい開口部に、前記反応槽の外側から、前記開口部の全体を前記基板で覆うように該基板を固定して、該基板上に設けられた前記光電変換半導体層表面の前記開口部に臨む領域に前記バッファ層の析出を行うことにより製造されることを特徴とする光電変換素子の製造方法。
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