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JP2012081624A - 液体噴射装置、および、その制御方法 - Google Patents

液体噴射装置、および、その制御方法 Download PDF

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JP2012081624A JP2010228819A JP2010228819A JP2012081624A JP 2012081624 A JP2012081624 A JP 2012081624A JP 2010228819 A JP2010228819 A JP 2010228819A JP 2010228819 A JP2010228819 A JP 2010228819A JP 2012081624 A JP2012081624 A JP 2012081624A
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Abstract

【課題】液体噴射時のクロストークを防止して噴射特性を一定に揃えることが可能な液体噴射装置を提供する。
【解決手段】第1の駆動信号COM1は、ノズルからインクを噴射させる噴射駆動パルスP1〜P3を有し、第2の駆動信号COM2は、ノズルからインクを噴射させない程度に圧力室内のインクに圧力変動を生じさせる微振動駆動パルスP4(非噴射駆動パルス)を有し、微振動駆動パルスの最低電位VL2は、噴射駆動パルスの最低電位VL1以下であり、単位周期Tにおいてインクを噴射させる噴射ノズルに対応する圧電素子には噴射駆動パルスが供給される一方、少なくとも当該噴射ノズルの隣に位置する非噴射ノズルに対応する圧電素子には微振動駆動パルスが供給される。
【選択図】図5

Description

本発明は、インクジェット式記録装置などの液体噴射装置に関し、特に、ノズルに連通する圧力室の一部を構成する作動面を変形させることで当該圧力室内の液体に圧力変動を生じさせることによりノズルから液体を噴射させる液体噴射装置に関するものである。
液体噴射装置は、液体を液滴としてノズルから噴射可能な液体噴射ヘッドを備え、この液体噴射ヘッドから各種の液体を噴射する装置である。この液体噴射装置の代表的なものとして、例えば、インクジェット式記録ヘッド(以下、記録ヘッドという)を備え、この記録ヘッドのノズルから液体状のインクをインク滴として噴射させて記録を行うインクジェット式記録装置(プリンター)等の画像記録装置を挙げることができる。また、この他、液晶ディスプレイ等のカラーフィルタに用いられる色材、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイに用いられる有機材料、電極形成に用いられる電極材等、様々な種類の液体の噴射に液体噴射装置が用いられている。そして、画像記録装置用の記録ヘッドでは液状のインクを噴射し、ディスプレイ製造装置用の色材噴射ヘッドではR(Red)・G(Green)・B(Blue)の各色材の溶液を噴射する。また、電極形成装置用の電極材噴射ヘッドでは液状の電極材料を噴射し、チップ製造装置用の生体有機物噴射ヘッドでは生体有機物の溶液を噴射する。
上記のプリンターに搭載される記録ヘッドは、インクカートリッジ等のインク供給源からのインクを圧力室に導入し、圧力発生手段を作動させて圧力室内のインクに圧力変動を生じさせ、この圧力変動を利用して圧力室内のインクをノズルからインク滴として噴射するように構成されたものがある。このような記録ヘッドでは、記録画像の画質向上に対応するべく、複数のノズルを高密度に配設している。これにより、各ノズルに連通している圧力室も高い密度で形成されており、その結果、隣り合う圧力室同士を区画する隔壁は非常に薄くなっている。そのため、例えば、あるノズルからインクを噴射する際に、圧力発生手段の駆動による圧力室内のインクの圧力変動に伴って、隔壁が隣の圧力室側に撓む可能性がある。この点に関し、噴射ノズルの両隣に位置するノズルでもそれぞれ同じタイミングで噴射が行われれば両隣の圧力室の内圧も高まるので、隔壁の撓みは抑えることができる。しかし、両隣のノズルの何れか一方でも噴射が行われない場合では、この非噴射ノズルの圧力室側に隔壁が撓む虞がある。そして、インク滴の噴射時に隔壁が隣の圧力室側に撓んでしまうと、その分、圧力損失が発生し、インク滴の飛翔速度の低下やインク滴量の減少等、インク滴の噴射特性が変化する虞がある。
このように、噴射ノズルにおいて、この噴射ノズルの両隣のノズルが同時に駆動される場合と、同時に駆動されない場合とで、圧力室内に発生する圧力変動の状態が異なり、これにより噴射ノズルにおける噴射特性が変動する、所謂クロストークが発生する問題があった。このような問題に対し、所謂微振動駆動パルスのように、噴射駆動パルスよりも電圧の小さい、即ち圧力室内に生じる圧力変動が小さい駆動パルスを、非噴射ノズルの圧力発生手段に印加させることで、当該非噴射ノズルの圧力室内にインクが噴射されない程度の圧力変動を付与する構成も提案されている(例えば、特許文献1参照。)
特開2009−226587号公報
ところが、上記の微振動パルスでは、噴射ノズルにおける圧力変動に対して非噴射ノズルにおける圧力振動が小さいため、クロストークの抑制効果が十分に期待できない問題があった。
なお、このような問題は、インクを噴射する記録ヘッドを搭載したインクジェット式記録装置だけではなく、作動面を変形させることで圧力室内の液体に圧力変動を生じさせることによりノズルから液体を噴射させる他の液体噴射装置においても同様に存在する。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、液体噴射時のクロストークを防止して液体を同時に噴射するノズルの数に拘わらず噴射特性を一定に揃えることが可能な液体噴射装置を提供することにある。
本発明の液体噴射装置は、上記目的を達成するために提案されたものであり、液体を噴射するノズル、当該ノズルに連通する圧力室、及び、当該圧力室の開口面を封止する作動面を変形させることで当該圧力室内の液体に圧力変動を生じさせる圧力発生手段を有し、当該圧力発生手段の駆動によって前記ノズルから液体を噴射させる液体噴射ヘッドと、
前記圧力発生手段を駆動させる駆動信号を発生する駆動信号発生手段と、
駆動信号発生手段から発生する駆動信号に含まれる駆動パルスを選択して前記圧力発生手段に供給する選択供給手段と、を備え、
前記圧力発生手段は、前記作動面の中央部が前記圧力室の開口面よりも当該圧力室の内側に位置する基準状態に対応する基準電位よりも印加電位が高まるほど、当該作動面の中央部を基準状態から当該圧力室の内側に変位させる一方、印加電位が前記基準電位よりも低くなるほど前記作動面の中央部を基準状態から前記圧力室の外側に変位させるように構成され、
前記駆動信号発生手段は、ノズルから液体を噴射させる噴射駆動パルスと、ノズルから液体を噴射させない程度に圧力室内の液体に圧力変動を生じさせる非噴射駆動パルスと、を前記駆動信号に含ませ、
前記非噴射駆動パルスの最低電位は、前記噴射駆動パルスの最低電位以下であり、
前記選択供給手段は、液体を噴射させる噴射ノズルに対応する圧力発生手段には噴射駆動パルスを供給する一方、少なくとも当該噴射ノズルの隣に位置する非噴射ノズルに対応する圧力発生手段には非噴射駆動パルスを供給することを特徴とする。
本発明によれば、非噴射駆動パルスの最低電位が噴射駆動パルスの最低電位以下の値に設定され、液体を噴射させる噴射ノズルに対応する圧力発生手段には噴射駆動パルスが供給される一方、少なくとも当該噴射ノズルの隣に位置する非噴射ノズルに対応する圧力発生手段には非噴射駆動パルスが供給されるので、非噴射ノズル側の圧力室では作動面が基準状態から変位し、この作動面が圧力室を区画する隔壁を隣の圧力室側に押圧する状態となり、噴射ノズルに対応する圧力室内の圧力が高まった際に隔壁が非噴射ノズル側に変形することが抑制される。これにより、噴射ノズル側の圧力室から非噴射ノズル側の圧力室側への圧力損失を低減させることができる。その結果、噴射ノズルに隣接するノズルで同時に噴射が行われる場合(噴射ノズルの隣に位置するノズルが噴射ノズルである場合)と、噴射ノズルに隣接するノズルで同時に噴射が行われない場合(噴射ノズルの隣のノズルが非噴射ノズルである場合)とで、液体の飛翔速度や液量等の噴射特性がばらつくことが抑制される。
上記構成において、前記噴射駆動パルスは、前記基準電位から前記最低電位まで降下して前記作動面を前記圧力室に対して基準状態よりも外側に変形させる第1の降下要素と、前記最低電位を一定時間維持する第1の維持要素と、前記最低電位から前記基準電位よりも高い最高電位まで上昇して前記作動面を前記圧力室に対して基準状態よりも内側に向けて変形させる第1の上昇要素と、を少なくとも含み、
前記非噴射駆動パルスは、前記基準電位から前記噴射駆動パルスの最低電位よりも低い最低電位まで下降する第2の降下要素と、当該最低電位を一定時間維持する第2の維持要素と、前記最低電位から前記基準電位まで上昇する第2の上昇要素と、を少なくとも含む構成を採用することが望ましい。
また、上記構成において、前記非噴射駆動パルスの第2の降下要素は、同一周期の前記噴射駆動パルスの第1の降下要素よりも先に発生し、前記非噴射駆動パルスの第2の上昇要素は、同一周期の前記噴射駆動パルスの第1の上昇要素よりも後に発生する構成を採用することが望ましい。
この構成によれば、非噴射駆動パルスの第2の降下要素が、同一単位周期の噴射駆動パルスの第1の降下要素よりも先に発生し、また、非噴射駆動パルスの第2の上昇要素は、同一周期の噴射駆動パルスの第1の上昇要素よりも後に発生するので、少なくとも噴射ノズルにおいて噴射駆動パルスにより噴射動作が開始する前に、非噴射ノズルにおいて噴射駆動パルスの第2の降下要素による作動面の基準状態から圧力室外側への変形が完了し、少なくとも噴射ノズルにおいて噴射駆動パルスによりインクが噴射された後に、非噴射ノズルにおいて非噴射駆動パルスの第2の上昇要素による作動面の基準状態への復帰が完了するので、噴射ノズル側の圧力室における圧力損失がより確実に防止される。
そして、本発明の液体噴射装置の制御方法は、液体を噴射するノズル、当該ノズルに連通する圧力室、及び、当該圧力室の開口面を封止する作動面を変形させることで当該圧力室内の液体に圧力変動を生じさせる圧力発生手段を有し、当該圧力発生手段の駆動によって前記ノズルから液体を噴射させる液体噴射ヘッドと、前記圧力発生手段を駆動させる駆動信号を発生する駆動信号発生手段と、前記駆動信号発生手段から発生する駆動信号に含まれる駆動パルスを選択して前記圧力発生手段に供給する選択供給手段と、を備え、前記圧力発生手段は、前記作動面の中央部が前記圧力室の開口面よりも当該圧力室の内側に位置する基準状態に対応する基準電位よりも印加電位が高まるほど、当該作動面の中央部を基準状態から当該圧力室の内側に変位させる一方、印加電位が前記基準電位よりも低くなるほど前記作動面の中央部を基準状態から前記圧力室の外側に変位させるように構成され、前記駆動信号発生手段は、ノズルから液体を噴射させる噴射駆動パルスと、ノズルから液体を噴射させない程度に圧力室内の液体に圧力変動を生じさせる非噴射駆動パルスと、を前記駆動信号に含ませた液体噴射装置の制御方法であって、
前記非噴射駆動パルスの最低電位を、前記噴射駆動パルスの最低電位以下に設定し、
液体を噴射させる噴射ノズルに対応する圧力発生手段には噴射駆動パルスを供給する一方、少なくとも当該噴射ノズルの隣に位置する非噴射ノズルに対応する圧力発生手段には非噴射駆動パルスを供給することを特徴とする。
プリンターの構成を説明する斜視図である。 記録ヘッドの構成を説明する斜視図である。 記録ヘッドの部分断面図である。 記録ヘッドの電気的構成を説明するブロック図である。 駆動信号の構成を説明する波形図である。 記録ヘッドのノズル列方向における要部断面図である 各種罫線を説明する模式図である。 斜め罫線の繋ぎ目を説明する拡大模式図である。 第2実施形態における駆動信号の構成を説明する波形図である。 第3実施形態における駆動信号の構成を説明する波形図である。
以下、本発明を実施するための形態を、添付図面を参照して説明する。なお、以下に述べる実施の形態では、本発明の好適な具体例として種々の限定がされているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、以下においては、本発明の液体噴射装置として、インクジェット式記録装置(以下、プリンター)を例に挙げて説明する。
図1はプリンター1の構成を示す斜視図である。このプリンター1は、液体噴射ヘッドの一種である記録ヘッド2が取り付けられると共に、液体供給源の一種であるインクカートリッジ3が着脱可能に取り付けられるキャリッジ4と、記録動作時の記録ヘッド2の下方に配設されたプラテン5と、キャリッジ4を記録紙6(記録媒体および着弾対象の一種)の紙幅方向、即ち、主走査方向に往復移動させるキャリッジ移動機構7と、主走査方向に直交する副走査方向に記録紙6を搬送する紙送り機構8と、を備えて概略構成されている。
キャリッジ4は、主走査方向に架設されたガイドロッド9に軸支された状態で取り付けられており、キャリッジ移動機構7の作動により、ガイドロッド9に沿って主走査方向に移動するように構成されている。キャリッジ4の主走査方向の位置は、リニアエンコーダー10によって検出され、その検出信号、即ち、エンコーダーパルス(位置情報の一種)がプリンターコントローラー31の制御部37(図4参照)に送信される。リニアエンコーダー10は位置情報出力手段の一種であり、記録ヘッド2の走査位置に応じたエンコーダーパルスを、主走査方向における位置情報として出力する。このため、制御部37は、受信したエンコーダーパルスに基づいてキャリッジ4に搭載された記録ヘッド2の走査位置を認識できる。即ち、例えば、受信したエンコーダーパルスをカウントすることで、キャリッジ4の位置を認識することができる。これにより、制御部37はこのリニアエンコーダー10からのエンコーダーパルスに基づいてキャリッジ4(記録ヘッド2)の走査位置を認識しながら、記録ヘッド2による記録動作を制御することができる。
キャリッジ4の移動範囲内における記録領域よりも外側の端部領域には、キャリッジの走査の基点となるホームポジションが設定されている。本実施形態におけるホームポジションには、記録ヘッド2のノズル形成面(ノズルプレート29:図3参照)を封止するキャッピング部材11と、ノズル形成面を払拭するためのワイパー部材12とが配置されている。そして、プリンター1は、このホームポジションから反対側の端部へ向けてキャリッジ4が移動する往動時と、反対側の端部からホームポジション側にキャリッジ4が戻る復動時との双方向で記録紙6上に文字や画像等を記録する所謂双方向記録が可能に構成されている。
図2及び図3に示すように、記録ヘッド2は、圧力発生ユニット15と流路ユニット16とから構成されており、これらを重ね合わせた状態で一体化してある。圧力発生ユニット15は、圧力室17を区画するための圧力室プレート18、供給側連通口22及び第1連通口24aを開設した連通口プレート19、及び、圧電素子20を実装した振動板21と、を積層し、焼成等により一体化することで構成されている。また、流路ユニット16は、供給口23や第2連通口24bを形成した供給口プレート25、リザーバー26や第3連通口24cを形成したリザーバープレート27、及び、ノズル28が形成されたノズルプレート29からなるプレート部材を積層状態で接着することで構成されている。ノズルプレート29は、複数(例えば、360個)のノズル28が列設されてノズル列が構成されている。このノズル列は、例えば、インクの色毎に設けられる。
圧力室17とは反対側となる振動板21の外側表面には、圧力室17毎に対応して圧電素子20が配設される。例示した圧電素子20は、所謂撓み振動モードの圧電素子であり、駆動電極20aと共通電極20bとによって圧電体20cを挟んで構成されている。そして、圧電素子20の駆動電極に駆動信号(駆動パルス)が印加されると、駆動電極20aと共通電極20bとの間には電位差に応じた電場が発生する。この電場は圧電体20cに付与され、圧電体20cが付与された電場の強さに応じて変形する。即ち、駆動電極20aの電位を高くする程、圧電体層20cの幅方向(ノズル列方向)の中央部が圧力室17の内側(ノズルプレート29に近づく側)に撓み、圧力室17の容積を減少させるように振動板21を変形させる。一方、駆動電極20aの電位を低くする程(0に近づける程)、圧電体層20cの短尺方向の中央部が圧力室17の外側(ノズルプレート29から離れる側)に撓み、圧力室17の容積を増加させるように振動板21を変形させる。ここで、振動板21において、圧力室17の開口部を封止している部分は、本発明における作動面として機能する。この作動面の面積は、当該作動面によって封止される圧力室17の開口面積よりも少し広くなっている。これにより、作動面が圧力室17の開口面よりも内側又は外側に容易に撓むことができるようになっている。なお、圧電素子20の変形による振動板21の作動面の動きの詳細については、図6の模式図を用いて後述する。
図4は、プリンター1の電気的な構成を示すブロック図である。本実施形態におけるプリンター1は、プリンターコントローラー31とプリントエンジン32とで概略構成されている。プリンターコントローラー31は、ホストコンピューター等の外部装置からの印刷データ等が入力される外部インタフェース(外部I/F)33と、各種データ等を記憶するRAM34と、各種制御のための制御プログラム等を記憶したROM35と、ROM35に記憶されている制御プログラムに従って各部の統括的な制御を行う制御部37と、クロック信号を発生する発振回路38と、記録ヘッド2へ供給する駆動信号を発生する駆動信号発生回路39(駆動信号発生手段の一種)と、印刷データをドット毎に展開することで得られたドットパターンデータや駆動信号等を記録ヘッド2に出力するための内部インタフェース(内部I/F)40と、を備えている。また、プリントエンジン32は、記録ヘッド2、キャリッジ移動機構7、紙送り機構8、及び、リニアエンコーダー10から構成されている。
制御部37は、リニアエンコーダー10から出力されるエンコーダーパルスからタイミングパルスPTS(図5参照)を生成するタイミングパルス生成手段として機能する。このタイミングパルスPTSは、駆動信号発生回路39が発生する駆動信号の発生開始タイミングを定める信号である。つまり、駆動信号発生回路39は、このタイミングパルスPTSを受信する毎に駆動信号を出力する。また、制御部37は、印刷データのラッチタイミングを規定するラッチ信号LAT、及び、駆動信号に含まれる各噴射駆動パルスの選択タイミングを規定するチェンジ(又はチャンネル)信号CHを出力する。
上記の駆動信号発生回路39は、タイミングパルスPTSの受信毎に複数の噴射駆動パルスを含む駆動信号COMを発生する。換言すると、駆動信号発生回路39は、上記のタイミングパルスPTSに基づく周期(以下、単位周期Tという。)で複数(本実施形態においては2つ)の駆動信号COMを繰り返し発生する。
図5は、本実施形態における駆動信号発生回路39が発生する第1の駆動信号COM1および第2の駆動信号COM2の構成の一例を説明する図である。なお、同図において横軸は時間を、縦軸は電位を、それぞれ示している。本実施形態における第1の駆動信号COM1は、3つの噴射駆動パルスP1〜P3を単位周期T内に有する一連の信号である。本実施形態において、第1の駆動信号COM1の単位周期Tは、3つの期間(パルス発生期間)t1〜t3に区分されている。そして、期間t1で第1噴射駆動パルスP1が発生し、期間t2で第2噴射駆動パルスP2が発生し、期間t3で第3噴射駆動パルスP3が発生する。一方、本実施形態における第2の駆動信号COM2は、1つの微振動駆動パルスP4(本発明における非噴射駆動パルスの一種)を単位周期T内に含む信号である。これらの各駆動パルスの詳細については後述する。
次に、この記録ヘッド2の電気的構成について説明する。この記録ヘッド2は、図4に示すように、第1シフトレジスター41及び第2シフトレジスター42からなるシフトレジスター(SR)回路と、第1ラッチ回路43及び第2ラッチ回路44からなるラッチ回路と、デコーダー45と、制御ロジック46と、レベルシフター47と、スイッチ48と、圧電素子20とを備えている。そして、各シフトレジスター41,42、各ラッチ回路43,44、レベルシフター47、スイッチ48、及び、圧電素子20は、それぞれノズル28毎に対応した数だけ設けられる。なお、図4では、1ノズル分の構成のみが図示され、他のノズル分の構成については図示が省略されている。
この記録ヘッド2は、プリンターコントローラー31から送られてくる印刷データ(画素データ)SIに基づいてインク(液体の一種)の噴射制御を行う。本実施形態では、2ビットで構成された印刷データSIの上位ビット群、印刷データSIの下位ビット群の順に記録ヘッド2へクロック信号CLKに同期して送られてくるので、まず、印刷データSIの上位ビット群が第2シフトレジスター42にセットされる。全てのノズル28について印刷データSIの上位ビット群が第2シフトレジスター42にセットされると、次にこの上位ビット群が第1シフトレジスター41にシフトする。これと同時に、印刷データSIの下位ビット群が第2シフトレジスター42にセットされる。
第1シフトレジスター41の後段には、第1ラッチ回路43が電気的に接続され、第2シフトレジスター42の後段には、第2ラッチ回路44が電気的に接続されている。そして、プリンターコントローラー31側からのラッチパルスが各ラッチ回路43,44に入力されると、第1ラッチ回路43は記録データの上位ビット群をラッチし、第2ラッチ回路44は記録データの下位ビット群をラッチする。各ラッチ回路43,44でラッチされた記録データ(上位ビット群,下位ビット群)はそれぞれ、デコーダー45へ出力される。このデコーダー45は、記録データの上位ビット群及び下位ビット群に基づいて、駆動信号COM1,COM2に含まれる各駆動パルスを選択するためのパルス選択データを生成する。
スイッチ48の入力側には駆動信号発生回路39からの第1の駆動信号COM1および第2の駆動信号COM2が供給される。また、スイッチ48の出力側には、圧電素子20が接続されている。このスイッチ48は、上記のパルス選択データに基づき各駆動信号COM1,COM2に含まれる各駆動パルスを圧電素子20へ選択的に供給する。このような動作をするスイッチ48は、本発明における選択供給手段の一種として機能する。
第1の駆動信号COM1に含まれる各噴射駆動パルスP1〜P3は、膨張要素p1と、膨張ホールド要素p2と、収縮要素p3と、制振ホールド要素p4と、制振要素p5とからなる。膨張要素p1は、圧力室17の基準容積(膨張又は収縮の基準となる容積)に対応する中間電位VB(本発明における基準電位)から第1の膨張電位VL1(噴射駆動パルスP1〜P3の最低電位)まで一定勾配で電位を下降させる波形要素であり、本発明における第1の降下要素に相当する。膨張ホールド要素p2は、膨張要素p1の終端電位である第1の膨張電位VL1を維持する波形要素であり、本発明における第1の維持要素に相当する。収縮要素p3は、第1の膨張電位VL1から収縮電位VHまで急勾配で電位を上昇させる波形要素であり、本発明における第1の上昇要素に相当する。制振ホールド要素p4は、収縮電位VHを所定期間維持する波形要素である。また、制振要素p5は収縮電位VHから中間電位VBまでインクを噴射させない程度の一定勾配で電位を復帰させる波形要素である。
図6は、記録ヘッド2のノズル列方向における要部断面図である。なお、同図における中央のノズル28は、ある単位周期でインクを噴射する噴射ノズルであり、当該噴射ノズルの両側に位置するノズル28は同一の単位周期でインクを噴射しない非噴射ノズルである。また、同図において構成部材の一部を簡略化して示している。
上記の中間電位VBが圧電素子20に継続的に供給されている間、図6(a)に示すように、作動面における幅方向(ノズル列方向)の中央部は、圧力室17の開口面よりも当該圧力室17の内側(ノズルプレート29側)に位置する状態となる。即ち、中間電位VBが圧電素子20に供給されると、圧電素子20の幅方向の中央部が圧力室17の内側に少し撓んだ状態となる。この状態が基準状態である。第1の駆動信号COM1の各噴射駆動パルスP1〜P3と第2の駆動信号COM2の微振動駆動パルスP4の何れも圧電素子20に供給されない間は、上記の中間電位VBが圧電素子20に継続的に供給されるので、単位周期内でインクを噴射するノズル28(以下、適宜噴射ノズルという。)および同一の単位周期内でインクを噴射しないノズル28(以下、適宜非噴射ノズルという。)に拘わらず図6(a)に示す基準状態となる。以下、この基準状態における圧力室17の容積を基準容積と言う。図6を用いたインクの噴射制御については後述する。
上記の噴射駆動パルスが圧電素子20に供給されると、まず、膨張要素p1によって圧電素子20および振動板21の作動部の幅方向中央部が圧力室17の外側(ノズルプレート29から離隔する側)に向けて撓む。これにより圧力室17が中間電位VBに対応する基準容積から第1の膨張電位VL1に対応する第1の膨張容積まで膨張する。この膨張によりノズル28におけるメニスカスが圧力室17側に引き込まれると共に、圧力室17内にはリザーバー26側から供給口を通じてインクが供給される。そして、この圧力室17の膨張状態は、膨張ホールド要素p2の供給期間中に亘って維持される。その後、収縮要素p3が印加されることで圧電素子20および作動部の中央部が圧力室17の内側に撓む。これにより、圧力室17は第1の膨張容積から収縮電位VHに対応する収縮容積まで急激に収縮される。この圧力室17の急激な収縮により圧力室17内のインクが加圧され、ノズル28から規定量(例えば、数ng〜十数ng)のインクが噴射される。圧力室17の収縮状態は、制振ホールド要素p4の供給期間に亘って維持され、この間に、インクの噴射によって生じた圧力室17内のインクの圧力振動は周期的に増減を繰り返す。そして、圧力室17内のインク圧力が上昇するタイミングにあわせて制振要素p5が供給され、これに伴って圧電素子20および作動部の中央部が圧力室17の外側に向けて撓んで基準状態に復帰する。これにより、圧力室17が基準容積まで戻ると共に、圧力室17内のインクの圧力変動(残留振動)が低減される。
本実施形態における第2の駆動信号COM2は、非噴射駆動信号の一種として機能し、単位周期T内に微振動駆動パルスP4のみが発生される。この微振動駆動パルスP4は、微振動膨張要素p11と、微振動膨張ホールド要素p12と、微振動収縮要素p13とからなる。微振動膨張要素p11は、圧力室17の基準容積に対応する中間電位VBから第2の膨張電位VL2(微振動駆動パルスP4の最低電位)まで、上記膨張要素p1よりも十分に緩やかな勾配で電位を下降させる波形要素であり、本発明における第2の降下要素に相当する。この微振動膨張要素p11は、同一単位周期Tにおける第1噴射駆動パルスP1の膨張要素p1よりも先に発生される。そして、図5に示すように、微振動膨張要素p11の終端の時点tcは、第1噴射駆動パルスP1の膨張要素p1の始点taよりも先となる。また、第2の膨張電位VL2は、噴射駆動パルスP1〜P3の最低電位である第1の膨張電位VL1以下の値に設定されている。本実施形態における第2の膨張電位VL2は、0〜VL1の間の値となっている。
微振動膨張ホールド要素p12は、微振動膨張要素p11の終端電位である第2の膨張電位VL2を一定時間維持する波形要素であり、本発明における第2の維持要素に相当する。本実施形態における微振動膨張ホールド要素p12の発生時間Ty(始端tcから終端tdまでの時間)は、第1の駆動信号COM1における第1噴射駆動パルスP1の始端(膨張要素p1の始端)から第3噴射駆動パルスP3の終端(制振要素p5の終端)までの時間Txよりも長く設定されている。また、微振動収縮要素p13は、第2の膨張電位VL2から中間電位VBまで、ノズル28からインクが噴射されない態度に十分に緩やかな勾配で電位を上昇させる波形要素であり、本発明における第2の上昇要素に相当する。この微振動収縮要素p13は、同一単位周期Tにおける第3噴射駆動パルスP3の制振要素p5よりも後に発生される。即ち、図5に示すように、微振動収縮要素p13の始端tdは、第3噴射駆動パルスP3の制振要素p5の終端tbよりも後となる。
このように構成された微振動駆動パルスP4が圧電素子20に供給されると、まず、微振動膨張要素p11によって圧電素子20および振動板21の作動部の幅方向中央部が圧力室17の外側に撓む。これにより圧力室17が中間電位VBに対応する基準容積から第2の膨張電位VL2に対応する第2の膨張容積まで膨張する。本実施形態における第2の膨張容積は、上記の第1の膨張容積よりも大きい。この膨張によりノズル28におけるメニスカスが圧力室17側に引き込まれると共に、圧力室17内にはリザーバー26側から供給口を通じてインクが供給される。そして、この圧力室17の膨張状態は、微振動膨張ホールド要素p12の供給期間中に亘って維持される。上述したように、この微振動膨張ホールド要素p12の時間Tyが十分に長く採られているので、この間に微振動膨張要素p11による圧力室17の膨張に伴って生じたインクの振動はほぼ収束される。その後、微振動収縮要素p13が印加されることで圧電素子20および作動部の中央部が圧力室17の内側に撓んで基準状態に復帰する。これにより、圧力室17が基準容積まで戻ると共に、圧力室17内のインクの残留振動が低減される。この圧力室17の一連の容積変動に伴って圧力室17内には比較的緩やかな圧力振動が生じ、この圧力変動によってノズル28に露出したメニスカスが微振動する。このメニスカスの微振動によってノズル28付近の増粘インクが分散され、その結果、インクの増粘を防止することができる。
次に、上記の駆動信号COM1,COM2を用いた記録制御(噴射制御)について図6を参照しながら説明する。
本実施形態における記録制御では、ある単位周期Tにおいてインクの噴射を行うノズル28(噴射ノズル)に対応する圧電素子20に対して第1の駆動信号COM1の噴射駆動パルスP1〜P3の何れか1つ又は複数が供給される一方で、当該単位周期Tにおいてインクの噴射が行われないノズル28(非噴射ノズルという)に対応する圧電素子20に対して第2の駆動信号COM2の微振動駆動パルスP4が印加されるように構成されている。より具体的には、記録媒体の所定の位置に大ドットを形成する場合、単位周期T内の3つの噴射駆動パルスP1〜P3が噴射ノズルの圧電素子20に順次印加されることで当該ノズルから3回連続してインクが噴射される。また、中ドットを形成する場合、単位周期T内の2つの噴射駆動パルスP1,P3が噴射ノズルの圧電素子20に順次印加されることで当該ノズルから2回連続してインクが噴射される。さらに、小ドットを形成する場合、単位周期T内の1つの噴射駆動パルスP2が噴射ノズルの圧電素子20に印加されることで当該ノズルからインクが噴射される。そして、何れのドットも形成しない非記録の場合、第2の駆動信号COM2の微振動駆動パルスP4が非噴射ノズルの圧電素子20に印加されることで、インクが噴射されない程度に当該非噴射ノズルにおけるメニスカスが微振動する。これにより、本実施形態1のプリンターでは「大ドット」、「中ドット」、「小ドット」、「非記録」の4階調での記録が可能となっている。なお、以下では、単位周期T内おいて図6における中央のノズル28から小ドットに対応するインクを噴射させる一方、当該噴射ノズルの両隣のノズル28からはインクを噴射させない場合について例示する。つまり、以下の例では、中央のノズル28が噴射ノズルであり、当該噴射ノズルの両隣に位置するノズル28がそれぞれ非噴射ノズルである。
第1の駆動信号COM1の各噴射駆動パルスP1〜P3および第2の駆動信号COM2の微振動駆動パルスP4の何れも圧電素子20に印加されない間は、上記の中間電位VBが圧電素子20に継続的に供給されるので、噴射ノズルと非噴射ノズルとに拘わらず、図6(a)に示す基準状態となる。上述したように、この基準状態では、作動面における幅方向の中央部が、圧力室17の開口面よりも当該圧力室17の内側に位置する状態となっている。そして、この基準状態では、各ノズル28に対応する圧力室17内の圧力も同程度となっている。
次に、非噴射ノズルの圧電素子20に微振動駆動パルスP4の微振動膨張要素p11が供給される。これにより、図6(b)において白抜きの矢印で示すように、非噴射ノズルに対応する圧電素子20および振動板21の作動部の幅方向中央部が、圧力室17の開口面と同一面となる程度(或いは少し外側に位置する程度)まで撓む。このように作動面が圧力室17の開口面の近傍まで撓むことで、当該圧力室17を区画している両側の隔壁30に対して作動面がノズル列方向に突っ張る形となる。これにより、図6(b)において黒塗りの矢印で示すように、これらの隔壁30は、作動面によって隣の圧力室17側にそれぞれ押圧された状態となる。この押圧により、図6(b)においてハッチングの矢印で示すように、噴射ノズル側の作動面には下側(ノズル28側)の力が作用する。この押圧状態は、微振動駆動パルスP4の微振動膨張ホールド要素p12の供給期間Tyに亘って維持される。なお、微振動膨張要素p11の終端の時点では、噴射ノズルの圧電素子20および振動板21の作動部は、図6(a)に示す基準状態のままである。
次に、非噴射ノズルにおける作動面による隔壁30の押圧状態が維持されている状態(即ち、非噴射ノズルに対応する圧電素子20に対して微振動膨張ホールド要素p12が印加され続けている状態)で、期間t2において噴射ノズルに対応する圧電素子20に対して第2噴射駆動パルスP2の膨張要素p1が印加され、図6(b)において白抜きの矢印示すように、当該噴射ノズルに対応する圧電素子20および振動板21の作動部の幅方向中央部が、圧力室17の開口面の近傍(開口面よりもやや内側)まで撓む。これにより、圧力室17が中間電位VBに対応する基準容積から第1の膨張電位VL1に対応する第1の膨張容積まで膨張する。ここで、第1の膨張電位VL1と第2の膨張電位VL2とが同じ値である場合、作動部の撓み量(圧力室外側への変位量)も同程度になる。この場合、隔壁30がその両側の作動面から受ける押圧力は、ほぼ等しく釣り合った状態となる。これに対し、本実施形態においては、第2の膨張電位VL2が第1の膨張電位VL1よりも低い値に設定されているので、非噴射ノズルに対応する作動部の圧力室外側への撓み量が、噴射ノズルに対応する作動部の撓み量よりも大きくなる。このため、非噴射ノズルに対応する圧力室17と噴射ノズルに対応する圧力室17との間の隔壁30に対して、非噴射ノズル側の作動面から受ける押圧力の方が、噴射ノズル側の作動面から受ける押圧力よりも大きくなる。したがって、噴射ノズルに対応する作動面が圧力室17の外側に最大限に撓んだ状態においても、当該圧力室17を区画する隔壁30は、非噴射ノズル側の作動面によって内側に押圧された状態が維持される。したがって、噴射ノズル側の作動面には下側の力が継続して作用する。
噴射ノズルにおける圧力室17の膨張状態が、第2噴射駆動パルスP2の膨張ホールド要素p2の供給期間中に亘って維持された後、第2噴射駆動パルスP2の収縮要素p3が印加されることで、図6(c)において白抜きの矢印示すように、噴射ノズルにおける圧電素子20および作動部の中央部が圧力室17の内側(下側)に急激に撓む。これにより、圧力室17は第1の膨張容積から収縮電位VHに対応する収縮容積まで急激に収縮される。この圧力室17の急激な収縮により圧力室17内の圧力が急激に上昇し、これによりノズル28から規定量(例えば、数ng〜十数ng)のインクが噴射される。このとき、当該噴射ノズルに対応する圧力室17を区画する隔壁30は、非噴射ノズル側の作動面によって内側に押圧されているので、当該圧力室17の内圧が上昇しても当該隔壁30が非噴射ノズル側に変形する(撓む)ことが抑制される。これにより、噴射ノズルの圧力室17から非噴射ノズルの圧力室17側への圧力損失を低減させることができる。その結果、噴射ノズルに隣接するノズル28で同時に噴射が行われる場合(噴射ノズルの隣に位置するノズルが噴射ノズルである場合)と、噴射ノズルに隣接するノズル28で同時に噴射が行われない場合(噴射ノズルの隣のノズルが非噴射ノズルである場合)とで、インクの飛翔速度やインクの量等の噴射特性がばらつくことが抑制される。即ち、隣接するノズル間におけるクロストークが防止される。
また、単位周期Tにおける何れの期間でもインクの噴射・非噴射に拘らず、全てのノズル28に対応する圧電素子20が作動して圧力室17内に圧力変動が生じるので、リザーバー26を通じた非噴射ノズルの圧力室への圧力損失をも低減することが可能となり、この点でもクロストークの防止に寄与する。さらに、本実施形態においては、第2の膨張電位VL2が噴射駆動パルスの最低電位である第1の膨張電位VL1以下の値に設定されているので、噴射ノズルにおける圧力室17の内圧が上昇しても当該圧力室17を区画する隔壁30が非噴射ノズル側に変形することがより確実に抑制される。これにより、圧力損失をより効果的に抑制することができる。
噴射ノズルにおける圧力室17の収縮状態は、第2噴射駆動パルスP2の制振ホールド要素p4の供給期間に亘って維持された後、同じく第2噴射駆動パルスP2の制振要素p5の供給により、圧電素子20および作動部の中央部が基準状態まで戻る。これにより、圧力室17が基準容積まで復帰すると共に、圧力室17内のインクの圧力変動(残留振動)が低減される。一方、非噴射ノズル側では、微振動膨張ホールド要素p12の供給期間Tyの経過後、微振動駆動パルスP4の微振動収縮要素p13が圧電素子20に印加されることで、当該圧電素子20および作動部の中央部が圧力室17の内側に撓んで基準状態に復帰する。
本実施形態においては、微振動駆動パルスP4の微振動膨張要素p11が、同一単位周期Tの噴射駆動パルス(単位周期T内おいて先頭の第1噴射駆動パルスP1)の膨張要素p1よりも先に発生し、また、微振動駆動パルスP4の微振動収縮要素p13が、同一単位周期Tの噴射駆動パルス(単位周期T内おいて最後尾の第3噴射駆動パルスP3)の収縮要素p3よりも後に発生するので、少なくとも噴射ノズルにおいて噴射駆動パルスにより噴射動作が開始する前に、非噴射ノズルにおいて微振動駆動パルスP4の微振動膨張要素p11による作動面の基準状態から圧力室外側への変形が完了し、少なくとも噴射ノズルにおいて噴射駆動パルスによりインクが噴射された後に、非噴射ノズルにおいて微振動駆動パルスP4の微振動収縮要素p13による作動面の基準状態への復帰が完了するので、噴射ノズルの圧力室17における圧力損失がより確実に防止される。
ここで、上記プリンター1において、記録紙6等の記録媒体に対して罫線を記録する場合について説明する。
図7は記録媒体に形成された罫線の例を示す模式図であり、(a)は0°の縦罫線、(b)は6°の斜め罫線、(c)は45°の斜め罫線、(d)は90°の横罫線をそれぞれ示している。また、図8は、45°の斜め罫線の繋ぎ目の拡大模式図である。
所謂双方向記録が可能なプリンター1において、副走査方向に平行な縦罫線の角度を0°とし、主走査方向に平行な横罫線の角度を90°とすると、90°の横罫線については、記録密度に対応する間隔で同一のノズル28から連続してインクを噴射させて着弾ドットをヘッド走査方向に直線状に並べることで形成することができる。また、0°の縦罫線については、隣接する複数のノズル28から同時にインクを噴射して着弾ドットを副走査方向に直線状に並べることで形成することができる。さらに斜め罫線については、各ノズルの噴射タイミングを記録密度に対応する間隔で順次ずらしながらインクを噴射させることで形成することができる。
ところで、ノズル列の長さ以上の縦罫線を記録する場合、まず、一つ目のパス(往路の走査)において各ノズル28からインクを噴射させることで、記録媒体における所定の位置にドット群を形成して罫線の一部を記録し、ノズル列の長さ分だけ記録媒体を副走査方向に搬送した後、二つ目のパス(復路の走査)において各ノズル28からインクを噴射させて、先に形成されたドット群に連続するように次のドット群を形成する。このように複数のパスにより、所定の記録密度で直線状に着弾ドットを並べることで各種の罫線を形成することができる。
記録ヘッド2を記録媒体に対して走査させながらインクを噴射する構成では、ノズル28から噴射されたインクは、記録媒体の記録面に対して斜め方向に飛翔する。したがって、この点を考慮して、往路と復路とでインクの着弾位置が揃うように噴射タイミングを調整する必要がある。例えば、図7(a)に示す縦罫線を形成する場合に、往復でのインクの着弾位置が一致するように噴射タイミングを調整することが考えられる。即ち、ノズル列を構成する全て(又は大多数)のノズルから同時にインクを噴射させたとき(所謂全ON時)に往復の着弾位置が合うように、往復の走査における噴射タイミングが調整される。これにより、複数のパスで縦罫線を記録する場合に、罫線を構成するドット群の繋ぎ目(所謂バンドの繋ぎ目)が副走査方向に直線的に並ぶため、がたつきの無い罫線を形成することが可能となる。
ところが、隣接ノズル間でのクロストークを考慮しないと、隣接する複数のノズル28からインクを同時に噴射させた場合(全ON時)と、ノズル28から単独でインクを噴射させた場合(1ON時)とで、インクの飛翔速度が変わる。このため、主走査方向におけるインクの着弾位置も異なってしまう。即ち、全ON時に着弾位置が揃うように往復の噴射タイミングを調整した場合、同時に噴射するノズル28の数が少なくなるほどインクの速度が低下するので、これにより着弾位置にずれが生じる。例えば、図7(c)に示す45°の斜め罫線を形成する際、それぞれのドットを形成するタイミングでは各ノズル28が1ONであるので、全ON時と比べてインクの飛翔速度が低下する。インクの飛翔速度が低下した場合、その分、記録媒体に着弾するまでの飛翔時間が長くなるので、インクの着弾位置がヘッド移動方向の先方側にずれる傾向となる。このため、図8において左から右への方向が往路の走査方向で、右から左への方向が復路の走査方向だとすると、一点鎖線で示す仮想的な45°の斜め罫線(理想的な着弾位置を示す仮想線)に対し、往路では矢印に示すように右側にずれて着弾し、復路では左側にずれて着弾する。このように、罫線の繋ぎ目においてドットの着弾位置ずれが生じ、視覚的にガタついて見えてしまうという問題がある。同様に、1ON時に往復の着弾位置が揃うようにタイミングを調整した場合において、45°の斜め罫線を形成する際には、往復の繋ぎ目においても45°の仮想罫線上に各インクが直線的に着弾する。しかし、この場合において、例えば0°の縦罫線を記録する際には、1ON時と比べてインクの飛翔速度が高まるので、インクの着弾位置がヘッド移動方向の後方側にずれる傾向となる。その結果、縦罫線の繋ぎ目で着弾位置ずれが生じてしまい、記録品質が低下する。この点に関し、本発明を適用した場合、同時に噴射するノズル28の数に拘わらず、インクの噴射特性が揃えられるため、罫線の繋ぎ目における着弾位置ずれが防止され、記録品質が向上する。
ところで、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて種々の変形が可能である。
例えば、上記第1実施形態では、第1の駆動信号COM1に第1噴射駆動パルスP1〜第3噴射駆動パルスP3の3つを含む構成を例示したが、これには限られず、少なくとも1つ以上の噴射駆動パルスが含まれる構成であれば良い。また、噴射駆動パルスP1〜P3の波形が何れも同じである構成を例示したが、種々の波形の噴射駆動パルスを採用することができる。この場合、微振動駆動パルスP4の第2の膨張電位VL2が、全ての噴射駆動パルスの最低電位以下であることが望ましい。
また、上記第1実施形態では、本発明における非噴射駆動パルスとして、微振動駆動パルスP4を例示したが、非噴射駆動パルスに微振動機能を必ずしも持たせなくても良い。
さらに、上記第1実施形態とでは、非噴射駆動パルスである微振動駆動パルスP4を、全ての非噴射ノズルに対応する圧電素子20に印加する構成を例示したが、これには限られず、少なくとも、噴射ノズルに隣接する非噴射ノズルに対応する圧電素子20に微振動駆動パルスP4が印加されれば、上記実施形態と同様の作用効果が期待できる。
図9は、本発明の第2実施形態における駆動信号の構成を説明する波形図である。
上記第1実施形態では、第1の駆動信号COM1に噴射駆動パルスを含ませ、第2の駆動信号COM2に微振動駆動パルスを含ませた構成を例示したが、これには限れられない。第2実施形態では、1つの駆動信号COM′に、噴射駆動パルスと微振動駆動パルスの両方が含まれている点が上記第1実施形態と異なっている。
本実施形態における駆動信号COM′は、単位周期Tが合計7つの期間t1〜t7に区分されている。そして、期間t1で微振動駆動パルスP4の前段部P4aが発生し、期間t2で前側接続要素p15aが発生し、期間t3で第1噴射駆動パルスP1が発生する。また、期間t4で第2噴射駆動パルスP2が発生し、期間t5で第3噴射駆動パルスP3が発生し、期間t6で後側接続要素p15bが発生する。そして、期間t7で微振動駆動パルスP4の後段部P4bが発生する。なお、前側接続要素p15aと後側接続要素p15bは、圧電素子20には印加されない波形要素である。前段部p4aは、基準電位VBから第2の膨張電位VL2まで降下する微振動膨張要素p11と、第2の膨張電位VL2を一定時間維持する前側膨張ホールド要素p12aとからなる。また、後段部p4bは、第2の膨張電位VL2を一定時間維持する後側膨張ホールド要素p12bと、第2の膨張電位VL2から基準電位VBまで上昇する微振動収縮要素p13とからなる。上記第1実施形態と同様に、第2の膨張電位VL2は、噴射駆動パルスP1〜P3の最低電位である第1の膨張電位VL1以下の値に設定されている。
本実施形態における記録制御では、噴射ノズルに対応する圧電素子20に対しては噴射駆動パルスP1〜P3の何れか1つ又は複数が供給される点に関しては、上記第1実施形態と同様であるため、その説明は省略する。これに対し、非噴射ノズルに対応する圧電素子20に対しては、期間t1の前段部P4aが選択されて印加された後、期間t7の後段部P4bが選択されて印加されるように構成されている。この前段部p4aと後段部p4bの組み合わせが、上記第1実施形態の微振動駆動パルスP4と同様の作用を奏する。したがって、第2実施形態の構成によっても、上記第1実施形態と同様の効果を奏する。即ち、噴射ノズルにおけるインク噴射時の圧力損失を低減してクロストークを防止することができる。
図10は、本発明の第3実施形態における駆動信号の構成を説明する波形図である。
上記第1実施形態では、複数の噴射駆動パルスに対して共通の微振動駆動パルスP4を設けた構成を例示したが、これには限られない。図8に例示した第3実施形態では、各噴射駆動パルスに対応させて微振動駆動パルスをそれぞれ個別に設けている点で上記第1の実施形態と異なっている。なお、第1の駆動信号COM1の構成は、第1実施形態と同様であるため、その説明は省略する。本実施形態における第2の駆動信号COM2′は、第1の駆動信号COM1と同様に、単位周期Tが合計3つの期間t1〜t3に区分されており、期間t1で第1の微振動駆動パルスP4aが発生し、期間t2で第2の微振動駆動パルスP4bが発生し、期間t3で第3の微振動駆動パルスP4cが発生する。各微振動駆動パルスP4a〜p4cは、何れも同一波形であり、基準電位VBから第2の膨張電位VL2まで降下する微振動膨張要素p11と、第2の膨張電位VL2を一定時間維持する微振動膨張ホールド要素p12と、第2の膨張電位VL2から基準電位VBまで上昇する微振動収縮要素p13とからなる。また、上記第1実施形態と同様に、第2の膨張電位VL2は、噴射駆動パルスP1〜P3の最低電位である第1の膨張電位VL1以下に設定されている。
本実施形態における記録制御では、噴射ノズルに対応する圧電素子20に対しては噴射駆動パルスP1〜P3の何れか1つ又は複数が供給される点では、上記第1実施形態と同様であるため、その説明は省略する。これに対し、非噴射ノズルに対応する圧電素子20に対しては、噴射ノズルに対応する圧電素子20に対して印加される噴射駆動パルスに対応する期間の微振動駆動パルスが選択されて印加されるように構成されている。この第3実施形態の構成によっても、上記第1実施形態と同様の効果を奏する。即ち、噴射ノズルにおけるインク噴射時の圧力損失を低減してクロストークを防止することができる。
なお、本発明は、所謂撓み振動型の圧電素子を用いて液体の噴射制御が可能な液体噴射装置であれば、プリンターに限らず、プロッター、ファクシミリ装置、コピー機等、各種のインクジェット式記録装置や、記録装置以外の液体噴射装置、例えば、ディスプレイ製造装置、電極製造装置、チップ製造装置等にも適用することができる。
1…プリンター,2…記録ヘッド,4…キャリッジ,7…キャリッジ移動機構,17…圧力室,20…圧電素子,21…振動板(作動面),28…ノズル,30…隔壁,37…制御部,39…駆動信号発生回路,48…スイッチ
本発明は、インクジェット式記録装置などの液体噴射装置、および、その制御方法に関し、特に、ノズルに連通する圧力室の一部を構成する作動面を変形させることで当該圧力室内の液体に圧力変動を生じさせることによりノズルから液体を噴射させる液体噴射装置、および、その制御方法に関するものである。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、液体噴射時のクロストークを防止して液体を同時に噴射するノズルの数に拘わらず噴射特性を一定に揃えることが可能な液体噴射装置、および、その制御方法を提供することにある。

Claims (4)

  1. 液体を噴射するノズル、当該ノズルに連通する圧力室、及び、当該圧力室の開口面を封止する作動面を変形させることで当該圧力室内の液体に圧力変動を生じさせる圧力発生手段を有し、当該圧力発生手段の駆動によって前記ノズルから液体を噴射させる液体噴射ヘッドと、
    前記圧力発生手段を駆動させる駆動信号を発生する駆動信号発生手段と、
    前記駆動信号発生手段から発生する駆動信号に含まれる駆動パルスを選択して前記圧力発生手段に供給する選択供給手段と、を備え、
    前記圧力発生手段は、前記作動面の中央部が前記圧力室の開口面よりも当該圧力室の内側に位置する基準状態に対応する基準電位よりも印加電位が高まるほど、当該作動面の中央部を基準状態から当該圧力室の内側に変位させる一方、印加電位が前記基準電位よりも低くなるほど前記作動面の中央部を基準状態から前記圧力室の外側に変位させるように構成され、
    前記駆動信号発生手段は、ノズルから液体を噴射させる噴射駆動パルスと、ノズルから液体を噴射させない程度に圧力室内の液体に圧力変動を生じさせる非噴射駆動パルスと、を前記駆動信号に含ませ、
    前記非噴射駆動パルスの最低電位は、前記噴射駆動パルスの最低電位以下であり、
    前記選択供給手段は、液体を噴射させる噴射ノズルに対応する圧力発生手段には噴射駆動パルスを供給する一方、少なくとも当該噴射ノズルの隣に位置する非噴射ノズルに対応する圧力発生手段には非噴射駆動パルスを供給することを特徴とする液体噴射装置。
  2. 前記噴射駆動パルスは、前記基準電位から前記最低電位まで降下して前記作動面を前記圧力室に対して基準状態よりも外側に変形させる第1の降下要素と、前記最低電位を一定時間維持する第1の維持要素と、前記最低電位から前記基準電位よりも高い最高電位まで上昇して前記作動面を前記圧力室に対して基準状態よりも内側に向けて変形させる第1の上昇要素と、を少なくとも含み、
    前記非噴射駆動パルスは、前記基準電位から前記噴射駆動パルスの最低電位よりも低い最低電位まで下降する第2の降下要素と、当該最低電位を一定時間維持する第2の維持要素と、前記最低電位から前記基準電位まで上昇する第2の上昇要素と、を少なくとも含むことを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
  3. 前記非噴射駆動パルスの第2の降下要素は、同一周期の前記噴射駆動パルスの第1の降下要素よりも先に発生し、前記非噴射駆動パルスの第2の上昇要素は、同一周期の前記噴射駆動パルスの第1の上昇要素よりも後に発生することを特徴とする請求項2に記載の液体噴射装置。
  4. 液体を噴射するノズル、当該ノズルに連通する圧力室、及び、当該圧力室の開口面を封止する作動面を変形させることで当該圧力室内の液体に圧力変動を生じさせる圧力発生手段を有し、当該圧力発生手段の駆動によって前記ノズルから液体を噴射させる液体噴射ヘッドと、前記圧力発生手段を駆動させる駆動信号を発生する駆動信号発生手段と、前記駆動信号発生手段から発生する駆動信号に含まれる駆動パルスを選択して前記圧力発生手段に供給する選択供給手段と、を備え、前記圧力発生手段は、前記作動面の中央部が前記圧力室の開口面よりも当該圧力室の内側に位置する基準状態に対応する基準電位よりも印加電位が高まるほど、当該作動面の中央部を基準状態から当該圧力室の内側に変位させる一方、印加電位が前記基準電位よりも低くなるほど前記作動面の中央部を基準状態から前記圧力室の外側に変位させるように構成され、前記駆動信号発生手段は、ノズルから液体を噴射させる噴射駆動パルスと、ノズルから液体を噴射させない程度に圧力室内の液体に圧力変動を生じさせる非噴射駆動パルスと、を前記駆動信号に含ませた液体噴射装置の制御方法であって、
    前記非噴射駆動パルスの最低電位を、前記噴射駆動パルスの最低電位以下に設定し、
    液体を噴射させる噴射ノズルに対応する圧力発生手段には噴射駆動パルスを供給する一方、少なくとも当該噴射ノズルの隣に位置する非噴射ノズルに対応する圧力発生手段には非噴射駆動パルスを供給することを特徴とする液体噴射装置の制御方法。
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