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JP2012068273A - 光拡散素子、光拡散素子付偏光板、およびこれらを用いた液晶表示装置、ならびに光拡散素子の製造方法 - Google Patents

光拡散素子、光拡散素子付偏光板、およびこれらを用いた液晶表示装置、ならびに光拡散素子の製造方法 Download PDF

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JP2012068273A
JP2012068273A JP2010210321A JP2010210321A JP2012068273A JP 2012068273 A JP2012068273 A JP 2012068273A JP 2010210321 A JP2010210321 A JP 2010210321A JP 2010210321 A JP2010210321 A JP 2010210321A JP 2012068273 A JP2012068273 A JP 2012068273A
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Hiroyuki Takemoto
博之 武本
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Nitto Denko Corp
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Nitto Denko Corp
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Abstract

【課題】色相の角度依存性が抑制された光拡散素子を提供する。
【解決手段】光拡散素子100は、樹脂成分11を含むマトリクス10と、マトリクス中に分散された光拡散性微粒子20とを有し、380nm〜780nmの可視光域における最大吸収波長が380nm〜520nmの範囲内であり、460nmにおける光透過率が50%〜80%である。光拡散半値角は、20°以上であり、マトリクスは超微粒子成分12を含み、樹脂成分、超微粒子成分および光拡散性微粒子は、下記式(1)を満たし、マトリクスと光拡散性微粒子との界面近傍に形成され、光拡散性微粒子から遠ざかるにつれて超微粒子成分の重量濃度が高くなる濃度変調領域31を有する:|n−n|<|n−n|・・・(1)式(1)中、nはマトリクスの樹脂成分の屈折率を表し、nはマトリクスの超微粒子成分の屈折率を表し、nは光拡散性微粒子の屈折率を表す。
【選択図】図1A

Description

本発明は、光拡散素子、光拡散素子付偏光板、およびこれらを用いた液晶表示装置に関する。
光拡散素子は、照明カバー、プロジェクションテレビのスクリーン、面発光装置(例えば、液晶表示装置)などに広く利用されている。近年では、光拡散素子は、液晶表示装置の表示品位の向上、視野角特性の改善等への利用が進んでいる。光拡散素子としては、微粒子を樹脂シートなどのマトリクス中に分散させたものなどが提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、光拡散素子による光の拡散強度が波長によって異なるため、色相の角度依存性が発生するという問題がある。
特許第3071538号
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、色相の角度依存性が抑制された光拡散素子を提供することにある。
本発明の光拡散素子は、樹脂成分を含むマトリクスと、該マトリクス中に分散された光拡散性微粒子とを有し、380nm〜780nmの可視光域における最大吸収波長が380nm〜520nmの範囲内であり、460nmにおける光透過率が50%〜80%である。
好ましい実施形態においては、光拡散半値角が20°以上である。
好ましい実施形態においては、ヘイズが90%〜99.9%である。
好ましい実施形態においては、上記マトリクスが、380nm〜780nmの可視光域において、380nm〜520nmの範囲内に最大吸収波長を有する色素成分を含む。
好ましい実施形態においては、上記光拡散性微粒子は、平均粒径が1μm〜5μmである。
好ましい実施形態においては、厚みが、上記光拡散性微粒子の平均粒径の2倍以上である。
好ましい実施形態においては、上記マトリクスが超微粒子成分を含み、上記樹脂成分、該超微粒子成分および上記光拡散性微粒子は、それらの屈折率が下記式(1)を満たし、上記光拡散性微粒子の表面近傍外部に形成され、上記光拡散性微粒子から遠ざかるにつれて該超微粒子成分の重量濃度が高くなる濃度変調領域を有する:
|n−n|<|n−n|・・・(1)
式(1)中、nはマトリクスの樹脂成分の屈折率を表し、nはマトリクスの超微粒子成分の屈折率を表し、nは光拡散性微粒子の屈折率を表す。
本発明の別の局面によれば、光拡散素子付偏光板が提供される。この光拡散素子付偏光板は、上記の光拡散素子と偏光子とを有する。
本発明のさらに別の局面によれば、液晶表示装置が提供される。この液晶表示装置は、液晶セルと;該液晶セルに向かってコリメート光を出射する平行光光源装置と;該液晶セルを通過したコリメート光を透過および拡散させる、上記の光拡散素子と、を備える。
好ましい実施形態においては、上記平行光光源装置の半値角が35°以下である。
本発明の光拡散素子によれば、特定の波長を吸収することにより、色相の角度依存性を効果的に抑制することができる。具体的には、光は長波長よりも短波長をより強く拡散する傾向にあり、拡散光は、拡散角度の大きいところでは青色よりの色相を示し、拡散角度の小さいところでは赤色よりの色相を示す傾向にある。そこで、380nm〜780nmの可視光域における最大吸収波長を380nm〜520nmの範囲内とすることで、光路長がより長くなり得る斜め出射光は、その短波長成分が吸収されて、正面出射光に近づく。また、多重拡散や広角への光拡散(強拡散)により、斜め出射光の光路長はさらに長くなり、短波長成分がより吸収され、色相変化をより低減することができる。その結果、出射光の色相の角度依存性を効果的に抑制することができる。
本発明の好ましい実施形態による光拡散素子におけるマトリクスの樹脂成分および超微粒子成分、ならびに光拡散性微粒子の分散状態を説明するための模式図である。 本発明の別の実施形態による光拡散素子におけるマトリクスの樹脂成分および超微粒子成分、ならびに光拡散性微粒子の分散状態を説明するための模式図である。 (a)は、図1Aの光拡散素子における光拡散性微粒子中心部からマトリクスまでの屈折率変化を説明するための概念図であり、(b)は、図1Bの光拡散素子における光拡散性微粒子中心部からマトリクスまでの屈折率変化を説明するための概念図であり、(c)は、従来の光拡散素子における微粒子中心部からマトリクスまでの屈折率変化を説明するための概念図である。 本発明に用いられる光拡散性微粒子におけるr1およびr2の関係を示す模式図である。 静置時間が異なる塗工液について、乾燥温度と得られる光拡散半値角との関係を示すグラフである。 本発明の好ましい実施形態による光拡散素子付偏光板の概略断面図である。 本発明の好ましい実施形態による液晶表示装置の概略断面図である。 光源装置の半値角を算出する方法を説明するための模式図である。 光拡散半値角を算出する方法を説明するための模式図である。 実施例1および比較例1の光拡散素子の透過スペクトル測定の結果である。
以下、本発明の好ましい実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
A.光拡散素子
本発明の光拡散素子は、樹脂成分を含むマトリクスと、マトリクス中に分散された光拡散性微粒子とを有し、380nm〜780nmの可視光域における最大吸収波長が、380nm〜520nmの範囲内である。
樹脂成分は、任意の適切な材料で構成される。好ましくは有機化合物で構成され、より好ましくは電離線硬化型樹脂で構成される。電離線硬化型樹脂は、塗膜の硬度に優れ得るからである。具体的には、後述する超微粒子成分等の機械強度が低い成分を用いる場合であっても、その弱点を良好に補い得る。電離線としては、例えば、紫外線、可視光、赤外線、電子線が挙げられる。好ましくは紫外線である。したがって、樹脂成分は、特に好ましくは紫外線硬化型樹脂で構成される。紫外線硬化型樹脂としては、例えば、アクリレート樹脂(エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、アクリルアクリレート、エーテルアクリレート)などのラジカル重合型モノマーおよび/またはオリゴマーの重合体が挙げられる。アクリレート樹脂を構成するモノマー成分(前駆体)の分子量は、好ましくは200〜700である。アクリレート樹脂を構成するモノマー成分(前駆体)の具体例としては、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA:分子量298)、ネオペンチルグリコールジアクリレート(NPGDA:分子量212)、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA:分子量632)、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(DPPA:分子量578)、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA:分子量296)が挙げられる。1つの実施形態においては、このようなモノマー成分(前駆体)は、光拡散性微粒子の架橋構造(三次元網目構造)に浸透するに適切な分子量および立体構造を有するので好ましい。必要に応じて、開始剤を添加してもよい。開始剤としては、例えば、UVラジカル発生剤(チバ・スペシャリティ・ケミカル社製イルガキュア907、同127、同192など)、過酸化ベンゾイルが挙げられる。樹脂成分は、電離線硬化型樹脂以外に、別の樹脂成分を含んでいてもよい。別の樹脂成分は、電離線硬化型樹脂であってもよく、熱硬化性樹脂であってもよく、熱可塑性樹脂であってもよい。別の樹脂成分の代表例としては、脂肪族系(例えば、ポリオレフィン)樹脂、ウレタン系樹脂が挙げられる。
樹脂成分の屈折率は、好ましくは1.40〜1.60である。
樹脂成分の配合量は、マトリクス100重量部に対して、好ましくは20重量部以上、より好ましくは20重量部〜80重量部であり、さらに好ましくは45重量部〜65重量部である。
本発明の光拡散素子は、上述のとおり、380nm〜780nmの可視光域におけるその最大吸収波長が380nm〜520nmの範囲内にある限り、任意の適切な構成が採用される。好ましくは、マトリクスの380nm〜780nmの可視光域における最大吸収波長が380nm〜520nmの範囲内である。このような構成を採用することにより、光拡散素子を容易に製造することができる。好ましい実施形態においては、マトリクスは、380nm〜780nmの可視光域において、380nm〜520nmの範囲内に最大吸収波長を有する色素成分を含む。当該色素成分は、任意の適切な材料で構成され、有機系化合物であってもよく、無機系化合物であってもよく、これらの複合化合物であってもよい。有機系化合物としては、例えば、染料系色素、顔料系色素が挙げられる。無機化合物としては、例えば、酸化セリウム等が挙げられる。これらの中でも、有機系の染料系色素が好ましく用いられる。染料系色素は、非常に小さく(ナノ粒子)、高ヘイズを実現することができる。また、染料系色素を用いることにより、マトリクス中で後述の超微粒子成分と作用し合い、沈降、凝集等の不具合が発生することを抑制することができる。
マトリクスが色素成分を含む場合、色素成分の配合量は、マトリクス100重量部に対して、好ましくは0.05重量部〜0.30重量部である。例えばこのような配合量で色素成分を含有させることにより、後述の好適範囲の光透過率が良好に得られ、視認性に優れた光拡散素子が得られ得る。
上記光拡散性微粒子は、任意の適切な材料で構成される。1つの実施形態においては、光拡散性微粒子は、好ましくは、マトリクスの樹脂成分と同系の化合物で構成される。例えば、マトリクスの樹脂成分を構成する電離線硬化型樹脂がアクリレート系樹脂である場合には、光拡散性微粒子もまたアクリレート系樹脂で構成されることが好ましい。より具体的には、マトリクスの樹脂成分を構成するアクリレート系樹脂のモノマー成分が例えば上記のようなPETA、NPGDA、DPHA、DPPAおよび/またはTMPTAである場合には、光拡散性微粒子を構成するアクリレート系樹脂は、好ましくは、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリメチルアクリレート(PMA)、およびこれらの共重合体、ならびにそれらの架橋物である。PMMAおよびPMAとの共重合成分としては、ポリウレタン、ポリスチレン(PSt)、メラミン樹脂が挙げられる。特に好ましくは、光拡散性微粒子は、PMMAで構成される。マトリクスの樹脂成分および後述の超微粒子成分との屈折率や熱力学的特性の関係が適切であるからである。さらに、好ましくは、光拡散性微粒子は、架橋構造(三次元網目構造)を有する。架橋構造を有する光拡散性微粒子は膨潤可能である。したがって、このような光拡散性微粒子は、緻密または中実な無機粒子と異なり、適切な相溶性を有する樹脂成分の前駆体をその内部に良好に浸透させることができ、例えば、後述の第2の濃度変調領域を良好に形成することができる。光拡散性微粒子の架橋密度は、好ましくは、所望の浸透範囲(後述)が得られる程度に小さい(粗である)。例えば、後述の塗工液を塗布する際の光拡散性微粒子の樹脂成分前駆体(溶媒を含んでいてもよい)に対する膨潤度は、好ましくは110%〜200%である。ここで、「膨潤度」とは、膨潤前の粒子の平均粒径に対する膨潤状態の粒子の平均粒径の比率をいう。
光拡散性微粒子は、平均粒径が、好ましくは1.0μm〜5.0μmであり、より好ましくは1.0μm〜4.0μmであり、さらに好ましくは1.5μm〜3.0μmである。
光拡散性微粒子の重量平均粒径分布の標準偏差は、好ましくは1.0μm以下であり、より好ましくは0.5μm以下である。重量平均粒径に対して粒径の小さい光拡散性微粒子が多数混在していると、拡散性が増大しすぎて後方散乱を良好に抑制できない場合がある。重量平均粒径に対して粒径の大きい光拡散性微粒子が多数混在していると、光拡散素子の厚み方向に複数配列することができず、多重拡散が得られない場合があり、その結果、光拡散性が不十分となる場合がある。
光拡散性微粒子の形状としては、目的に応じて任意の適切な形状が採用され得る。具体例としては、真球状、燐片状、板状、楕円球状、不定形が挙げられる。多くの場合、上記光拡散性微粒子として真球状微粒子が用いられ得る。
光拡散性微粒子の屈折率は、好ましくは1.30〜1.70であり、さらに好ましくは1.40〜1.60である。
光拡散性微粒子の配合量は、マトリクス100重量部に対して、好ましくは10重量部〜100重量部であり、より好ましくは15重量部〜40重量部である。例えばこのような配合量で上記好適範囲の平均粒径を有する光拡散性微粒子を含有させることにより、非常に優れた光拡散性を有する光拡散素子が得られ得る。
光拡散素子の厚みは、目的や所望の拡散特性に応じて適切に設定され得る。好ましくは、上記光拡散性微粒子の平均粒径の2倍以上であり、より好ましくは2倍以上50倍以下である。厚みを2倍以上とすることにより、光拡散性微粒子を光拡散素子の厚み方向に複数配列することができるので、入射光が光拡散素子を通過する間に当該光を複数回(多重に)拡散させることができ、十分な光拡散性が得られ得る。また、斜め方向に出射する拡散光(斜め光拡散光)は、正面から出射する光(正面出射光)よりも光路長がより長くなり得る。その結果、斜め光拡散光は、短波長成分がより吸収され、色相変化をより低減することができる。具体的には、光拡散素子の厚みは、好ましくは4μm〜200μm、より好ましくは4μm〜100μmである。
光拡散素子の460nmにおける光透過率は、好ましくは50%以上、より好ましくは50%〜80%である。
光拡散素子の拡散特性は、光拡散半値角で示すならば、好ましくは20°(片側10°)以上であり、より好ましくは30°〜100°である。このような広角への光拡散性を有する光拡散素子においては、斜め光拡散光は複数回(多重に)拡散されて、光路長が非常に長くなり得る。その結果、極めて有効的に色相の視野角特性が改善される。
好ましくは、上記マトリクスは、さらに超微粒子成分を含む。超微粒子成分を含むことにより、上記広角への光拡散性を良好に達成し、かつ、後方散乱を抑制し得る。図1Aおよび図1Bは、それぞれ、好ましい実施形態による光拡散素子におけるマトリクスの樹脂成分および超微粒子成分、ならびに光拡散性微粒子の分散状態を説明するための模式図である(色素成分は図示せず)。光拡散素子100は、樹脂成分11および超微粒子成分12を含むマトリクス10と、マトリクス10中に分散された光拡散性微粒子20とを有する。好ましくは、マトリクスの樹脂成分および超微粒子成分、ならびに光拡散性微粒子は、それらの屈折率が下記式(1)を満たす。
|n−n|<|n−n|・・・(1)
式(1)中、nはマトリクスの樹脂成分の屈折率を表し、nはマトリクスの超微粒子成分の屈折率を表し、nは光拡散性微粒子の屈折率を表す。また、上記樹脂成分、上記超微粒子成分および上記光拡散性微粒子の屈折率は、下記式(2)も満足し得る。
|n−n|<|n−n|・・・(2)
1つの実施形態においては、図1Aに示すように、光拡散性微粒子20の表面近傍外部に濃度変調領域31が形成されている。別の実施形態においては、図1Bに示すように、光拡散性微粒子20の表面近傍内部に樹脂成分11が浸透して形成された第2の濃度変調領域32をさらに有する。本明細書においては、便宜上、光拡散性微粒子20の表面近傍外部の濃度変調領域31を第1の濃度変調領域と称する場合がある。
図1Aに示すように第1の濃度変調領域31のみが形成される場合、上記式(1)における|n−n|は、好ましくは0.0〜0.1であり、さらに好ましくは0.0〜0.06であり、特に好ましくは0を超えて0.06以下である。|n−n|が0.1を超えると、後方散乱が増大するおそれがある。図1Bに示すように第1の濃度変調領域31および第2の濃度変調領域32が形成される場合、上記式(1)における|n−n|は、好ましくは0.01〜0.10であり、さらに好ましくは0.01〜0.06であり、特に好ましくは0.02〜0.06である。|n−n|が0.01未満であると、第2の濃度変調領域が形成されない場合がある。|n−n|が0.10を超えると、後方散乱が増大するおそれがある。第2の濃度変調領域32が形成されるか否かにかかわらず、|n−n|は、好ましくは0.10〜1.50であり、さらに好ましくは0.20〜0.80である。|n−n|が0.10未満であると、ヘイズが90%以下となる場合が多く、その結果、液晶表示装置に組み込んだ場合に光源からの光を十分に拡散できず、視野角が狭くなるおそれがある。|n−n|が1.50を超えると、後方散乱が増大するおそれがある。さらに、第2の濃度変調領域32が形成されるか否かにかかわらず、|n−n|は、好ましくは0.10〜1.50であり、さらに好ましくは0.20〜0.80である。|n−n|が0.10未満であると、十分な光拡散性が得られないおそれがある。|n−n|が1.50を超えると、nおよびnの波長分散が大きくなり、散乱光の色調がニュートラルでなくなるおそれがある。以上のように、屈折率が近接したマトリクスの樹脂成分および光拡散性微粒子と、樹脂成分および光拡散性微粒子とは屈折率が大きく異なる超微粒子成分とを組み合わせて用いることにより、後述の第1の濃度変調領域および第2の濃度変調領域に起因する効果と相俟って、高いヘイズを維持しつつ、後方散乱を抑制することができる。
上記第1の濃度変調領域31においては、光拡散性微粒子20から遠ざかるにつれて、樹脂成分11の重量濃度が低くなり、超微粒子成分12の重量濃度が高くなる。言い換えれば、第1の濃度変調領域31における光拡散性微粒子20の最近接領域には、超微粒子成分12が相対的に低濃度で分散しており、光拡散性微粒子20から遠ざかるにつれて超微粒子成分12の濃度が増大する。例えば、第1の濃度変調領域31における光拡散性微粒子20の最近接領域では、樹脂成分の重量濃度は、マトリクス全体における樹脂成分の平均重量濃度よりも高く、超微粒子成分の重量濃度は、マトリクス全体における超微粒子成分の平均重量濃度よりも低い。一方、第1の濃度変調領域31における光拡散性微粒子20から最遠位領域では、樹脂成分の重量濃度は、マトリクス全体における樹脂成分の平均重量濃度と同等か場合によっては低くなっており、超微粒子成分の重量濃度は、マトリクス全体における超微粒子成分の平均重量濃度と同等か場合によっては高くなっている。このような第1の濃度変調領域が形成されることにより、マトリクス10と光拡散性微粒子20との界面近傍(光拡散性微粒子20の周辺部、すなわち表面近傍外部)において、屈折率を急峻かつ実質的に連続的に変化させることができる(図2(a)参照)。一方、従来の光拡散素子においては、このような第1の濃度変調領域は形成されず、微粒子とマトリクスとの界面が明確であるので、屈折率は微粒子の屈折率からマトリクスの屈折率へと不連続に変化する(図2(c)参照)。図2(a)に示すように、第1の濃度変調領域31を形成してマトリクス10と光拡散性微粒子20との界面近傍(光拡散性微粒子20の表面近傍外部)において屈折率を急峻かつ実質的に連続的に変化させることにより、マトリクス10と光拡散性微粒子20との屈折率差を大きくしても、マトリクス10と光拡散性微粒子20との界面の反射を抑えることができ、後方散乱を抑制することができる。さらに、第1の濃度変調領域31の外側では、光拡散性微粒子20とは屈折率が大きく異なる超微粒子成分12の重量濃度が相対的に高くなるので、マトリクス10と光拡散性微粒子20との屈折率差を大きくすることができる。その結果、薄膜であっても高いヘイズ(強い拡散性)を実現することができる。したがって、本発明の光拡散素子によれば、このような第1の濃度変調領域を形成することにより、屈折率差を大きくして高ヘイズを実現しつつ、後方散乱を顕著に抑制することができる。このような特徴は、コリメートバックライトフロント拡散システムに使用される光拡散素子のように強い拡散性(ヘイズが90%以上)が要求される用途において特に好適である。一方、図2(c)に示すように、従来の光拡散素子によれば、屈折率差を大きくすることにより強い拡散性(高ヘイズ値)を付与しようとすると、界面での屈折率のギャップを解消することができない。その結果、界面反射による後方散乱が大きくなってしまうので、黒表示が十分に黒くならない(いわゆる黒が浮いてしまう)場合がある。
本発明に用いられる色素は、上記第1の濃度変調領域の形成を阻害することなく、光拡散素子中に均一に分散することができ、高いヘイズと低い後方散乱とを達成し、かつ、出射光の色相の角度依存性を効果的に抑制する。
上記第1の濃度変調領域31の厚み(光拡散性微粒子表面から第1の濃度変調領域末端までの距離)は、一定であってもよく(すなわち、第1の濃度変調領域が光拡散性微粒子の周囲に同心球状に拡がってもよく)、光拡散性微粒子表面の位置によって厚みが異なっていてもよい(例えば、金平糖の外郭形状のようになっていてもよい)。好ましくは、第1の濃度変調領域31の厚みは、光拡散性微粒子表面の位置によって異なっている。このような構成であれば、マトリクス10と光拡散性微粒子20との界面近傍において、屈折率をより実質的に連続的に変化させることができる。第1の濃度変調領域31が十分な厚みで形成されていれば、光拡散性微粒子の周辺部で屈折率をよりスムーズに連続的に変化させることができ、後方散乱を非常に効果的に抑制することができる。一方、厚みが大きすぎると、本来光拡散性微粒子が存在すべき領域まで第1の濃度変調領域が占有することとなり、十分な光拡散性(例えば、ヘイズ値)が得られない場合がある。したがって、第1の濃度変調領域31の厚みは、好ましくは10nm〜500nm、より好ましくは20nm〜400nm、さらに好ましくは30nm〜300nmである。また、第1の濃度変調領域31の厚みは、光拡散性微粒子の平均粒径に対して、好ましくは10%〜50%、より好ましくは20%〜40%である。
上記第2の濃度変調領域32は、樹脂成分11が光拡散性微粒子20内部に浸透することにより形成される。実質的には、樹脂成分11の前駆体(代表的にはモノマー)が光拡散性微粒子20内部に浸透した後重合することにより、第2の濃度変調領域32が形成される。1つの実施形態においては、第2の濃度変調領域32において、樹脂成分11の重量濃度は実質的に一定である。別の実施形態においては、第2の濃度変調領域32において、樹脂成分11の重量濃度は光拡散性微粒子20の表面から遠ざかるにつれて(すなわち、光拡散性微粒子20の中心に向かうにつれて)低くなる。第2の濃度変調領域32は、光拡散性微粒子20の内部に形成されていれば、その効果が発揮される。例えば、第2の濃度変調領域32は、光拡散性微粒子20の表面から当該光拡散性微粒子の平均粒径の好ましくは10%〜95%の範囲まで形成されている。第2の濃度変調領域32の厚み(光拡散性微粒子表面から第2の濃度変調領域最内部までの距離)は、一定であってもよく、光拡散性微粒子表面の位置によって異なっていてもよい。第2の濃度変調領域32の厚みは、好ましくは100nm〜4μm、より好ましくは100nm〜2μmである。樹脂成分11が浸透して第2の濃度変調領域32を形成することにより、以下の効果が得られ得る:(1)上記第1の濃度変調領域31の形成が促進され得る;(2)光拡散微粒子の内部にも濃度変調領域が形成されることにより、上記屈折率が段階的または実質的に連続的に変化する領域を大きくすることができる(すなわち、光拡散性微粒子内側の第2の濃度変調領域から光拡散性微粒子外側の第1の濃度変調領域まで屈折率を段階的または実質的に連続的に変化させることができる:図2(b)参照)。その結果、光拡散性微粒子外側に第1の濃度変調領域のみが形成される場合に比べて、後方散乱をさらに抑制することができる;(3)樹脂成分11が光拡散性微粒子20内部に浸透することにより、浸透しない場合に比べてマトリクス10における樹脂成分濃度が低くなる。その結果、マトリクス10全体の屈折率に対する超微粒子成分12の屈折率の寄与が大きくなるので、超微粒子成分の屈折率が大きい場合にはマトリクス全体の屈折率が大きくなり(逆に、超微粒子成分の屈折率が小さい場合にはマトリクス全体の屈折率が小さくなり)、マトリクスと光拡散性微粒子との屈折率差がさらに大きくなる。したがって、樹脂成分が浸透しない場合に比べて、さらに高い拡散性(ヘイズ値)を実現することができる。加えて、樹脂成分が浸透しない場合に比べて、より薄い厚みであっても十分な拡散性を実現することができる。
上記第1の濃度変調領域および第2の濃度変調領域は、それぞれ、マトリクスの樹脂成分および超微粒子成分ならびに光拡散性微粒子の構成材料、ならびに化学的および熱力学的特性を適切に選択することにより形成することができる。例えば、樹脂成分および光拡散性微粒子を同系の材料(例えば有機化合物同士)で構成し、超微粒子成分をマトリクスおよび光拡散性微粒子とは異なる系の材料(例えば無機化合物)で構成することにより、第1の濃度変調領域を良好に形成することができる。さらに、例えば、樹脂成分および光拡散性微粒子を同系材料の中でも相溶性の高い材料同士で構成することにより、第2の濃度変調領域を良好に形成することができる。第1の濃度変調領域および第2の濃度変調領域の厚みおよび濃度勾配は、マトリクスの樹脂成分および超微粒子成分ならびに光拡散性微粒子の化学的および熱力学的特性を調整することにより制御することができる。なお、本明細書において「同系」とは、化学構造や特性が同等または類似であることをいい、「異なる系」とは、同系以外のものをいう。同系か否かは、基準の選択の仕方によって異なり得る。例えば、有機か無機かを基準にした場合、有機化合物同士は同系の化合物であり、有機化合物と無機化合物とは異なる系の化合物である。ポリマーの繰り返し単位を基準にした場合、例えばアクリル系ポリマーとエポキシ系ポリマーとは有機化合物同士であるにもかかわらず異なる系の化合物であり、周期律表を基準にした場合、アルカリ金属と遷移金属とは無機元素同士であるにもかかわらず異なる系の元素である。
上記第1の濃度変調領域31および上記第2の濃度変調領域32は、上記光拡散性微粒子の半径をr1、当該光拡散性微粒子の最大断面(光拡散性微粒子の半径を含む平面)に平行な断面の半径をr2としたとき、r1に対するr2の比率が好ましくは20%〜80%、より好ましくは40%〜60%、さらに好ましくは約50%となるような位置において適切に形成されている。このような位置に第1の濃度変調領域31および必要に応じて第2の濃度変調領域32を適切に形成することにより、光拡散性微粒子の半径方向に対して入射角の大きい入射光(以下、側方入射光という)の界面反射を良好に抑制することができる。r1およびr2の関係を、模式的に図3に示す。より具体的には、マトリクスと光拡散性微粒子との界面反射による後方散乱は、図3に示すような3種類に大別される。すなわち、正面入射の界面反射光(図3の矢印A)、側方入射光の界面反射光で後方に散乱するもの(図3の矢印B)、および、側方入射光の界面反射光で前方に散乱するが全反射により光拡散素子から出られずに後方に散乱するもの(図3の矢印C)である。スネルの法則に基づき、側方入射光は正面入射光に比べて反射率が高いので、側方入射光の界面反射を抑制することにより、後方散乱をより効率的に低減することができる。したがって、側方入射光の後方散乱を効果的に低減できる位置に濃度変調領域が形成されていることが好ましい。なお、r2が小さすぎると、そのような位置で反射した光は臨界角に到達せず前方に透過するので、後方散乱の低減効果にはそれほど影響しない場合が多い。
樹脂成分11は、上記第1の濃度変調領域および必要に応じて第2の濃度変調領域が良好に形成され、かつ、屈折率が上記式(1)の関係を満足する限りにおいて、任意の適切な材料で構成される。好ましくは、上記のように、樹脂成分11は、光拡散性微粒子と同系の化合物であってかつ超微粒子成分とは異なる系の化合物で構成される。これにより、マトリクスと光拡散性微粒子との界面近傍(光拡散性微粒子の表面近傍外部)に第1の濃度変調領域を良好に形成することができる。さらに好ましくは、樹脂成分11は、光拡散性微粒子と同系の中でも相溶性の高い化合物で構成される。これにより、必要に応じて光拡散性微粒子20の表面近傍内部に第2の濃度変調領域32を良好に形成することができる。より詳細には、樹脂成分は、光拡散性微粒子と同系材料であることに起因して、その前駆体(代表的にはモノマー)が光拡散性微粒子内部に浸透し得る。当該前駆体が重合した結果、樹脂成分による第2の濃度変調領域が光拡散性微粒子内部に形成され得る。さらに、樹脂成分は、光拡散性微粒子の近傍においては、局所的には、超微粒子成分と均一溶解もしくは分散している状態よりも、むしろ、樹脂成分のみで光拡散性微粒子を取り囲む方が、系全体のエネルギーが安定する。その結果、樹脂成分の重量濃度は、光拡散性微粒子の最近接領域において、マトリクス全体における樹脂成分の平均重量濃度よりも高く、光拡散性微粒子から遠ざかるにつれて低くなる。したがって、光拡散性微粒子の表面近傍外部(周辺部)に第1の濃度変調領域31が形成され得る。
超微粒子成分12は、上記のように、好ましくは上記樹脂成分および後述の光拡散性微粒子とは異なる系の化合物で構成され、より好ましくは無機化合物で構成される。好ましい無機化合物としては、例えば、金属酸化物、金属フッ化物が挙げられる。金属酸化物の具体例としては、酸化ジルコニウム(ジルコニア)(屈折率:2.19)、酸化アルミニウム(屈折率:1.56〜2.62)、酸化チタン(屈折率:2.49〜2.74)、酸化ケイ素(屈折率:1.25〜1.46)が挙げられる。金属フッ化物の具体例としては、フッ化マグネシウム(屈折率:1.37)、フッ化カルシウム(屈折率:1.40〜1.43)が挙げられる。これらの金属酸化物および金属フッ化物は、光の吸収が少ない上に、電離線硬化型樹脂や熱可塑性樹脂などの有機化合物では発現が難しい屈折率を有しているので、光拡散性微粒子との界面から離れるにつれて超微粒子成分の重量濃度が相対的に高くなることにより、屈折率を大きく変調させることができる。光拡散性微粒子とマトリクスとの屈折率差を大きくすることにより、薄膜であっても高ヘイズを実現でき、かつ、第1の濃度変調領域が形成されるので後方散乱防止の効果も大きい。特に好ましい無機化合物は、酸化ジルコニウムである。光拡散性微粒子との屈折率差が大きく、かつ、樹脂成分との分散性が適切であるので、所望の第1の濃度変調領域31を形成することができるからである。
上記超微粒子成分の屈折率は、好ましくは1.40以下または1.60以上であり、さらに好ましくは1.40以下または1.70〜2.80であり、特に好ましくは1.40以下または2.00〜2.80である。屈折率が1.40を超えまたは1.60未満であると、光拡散性微粒子とマトリクスとの屈折率差が不十分となり、光拡散素子がコリメートバックライトフロント拡散システムを採用する液晶表示装置に用いられた場合に、コリメートバックライトからの光を十分に拡散できず視野角が狭くなるおそれがある。
超微粒子成分は、多孔質化することにより、屈折率を下げてもよい。
超微粒子成分の平均粒径は、好ましくは1nm〜100nmであり、より好ましくは10nm〜80nmであり、さらに好ましくは20nm〜70nmである。このように、光の波長より小さい平均粒径の超微粒子成分を用いることにより、超微粒子成分と樹脂成分との間に幾何光学的な反射、屈折、散乱が生じず、光学的に均一なマトリクスを得ることができる。その結果、光学的に均一な光拡散素子を得ることができる。
超微粒子成分は、上記樹脂成分との分散性が良好であることが好ましい。本明細書において「分散性が良好」とは、上記樹脂成分と超微粒子成分と(必要に応じて少量のUV開始剤と)揮発溶剤とを混合して得られた塗工液を塗布し、溶剤を乾燥除去して得られた塗膜が透明であることをいう。
好ましくは、超微粒子成分は、表面改質がなされている。表面改質を行うことにより、超微粒子成分を樹脂成分中に良好に分散させることができ、かつ、上記第1の濃度変調領域を良好に形成することができる。表面改質手段としては、本発明の効果が得られる限りにおいて任意の適切な手段が採用され得る。代表的には、表面改質は、超微粒子成分の表面に表面改質剤を塗布して表面改質剤層を形成することにより行われる。好ましい表面改質剤の具体例としては、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤等のカップリング剤、脂肪酸系界面活性剤等の界面活性剤が挙げられる。このような表面改質剤を用いることにより、樹脂成分と超微粒子成分との濡れ性を向上させ、樹脂成分と超微粒子成分との界面を安定化させ、超微粒子成分を樹脂成分中に良好に分散させ、かつ、第1の濃度変調領域を良好に形成することができる。
超微粒子成分の配合量は、マトリクス100重量部に対して、好ましくは10重量部〜70重量部であり、より好ましくは35重量部〜55重量部である。
上記光拡散素子は、ヘイズが高ければ高いほど好ましく、具体的には、好ましくは90%〜99.9%であり、より好ましくは92%〜99%であり、さらに好ましくは95%〜99%であり、特に好ましくは97%〜99%である。ヘイズは、JIS 7136に準じて求められる。本実施形態によれば、上記好適範囲の薄い厚みであっても、このような非常に高いヘイズを有する光拡散素子が得られ得る。また、ヘイズが90%以上であることにより、コリメートバックライトフロント拡散システムにおけるフロント光拡散素子として好適に用いることができる。なお、コリメートバックライトフロント拡散システムとは、液晶表示装置において、コリメートバックライト光(一定方向に集光された、輝度半値幅の狭いバックライト光)を用い、上側偏光板の視認側にフロント光拡散素子を設けたシステムをいう。
上記光拡散素子は、液晶表示装置に好適に用いられ、コリメートバックライトフロント拡散システムに特に好適に用いられる。上記光拡散素子は、単独でフィルム状または板状部材として提供してもよく、任意の適切な基材や偏光板に貼り付けて複合部材として提供してもよい。また、光拡散素子の上に反射防止層が積層されてもよい。
[光拡散素子の製造方法]
本発明の光拡散素子の製造方法は、任意の適切な方法が採用され得る。以下、1つの実施形態について具体的に説明する。
1つの実施形態においては、マトリクスの樹脂成分またはその前駆体と色素成分と超微粒子成分、および、光拡散性微粒子を揮発性溶剤中に溶解または分散させた塗工液を基材に塗布する工程(工程Aとする)と、該基材に塗布された塗工液を乾燥させる工程(工程Bとする)と、を含む。
(工程A)
代表的には、塗工液は前駆体および揮発性溶剤中に超微粒子成分および光拡散性微粒子が分散した分散体である。また、色素成分は、その種類に応じて、前駆体および揮発性溶剤に溶解または分散されている。分散させる手段としては、任意の適切な手段(例えば、超音波処理)が採用され得る。
揮発性溶剤としては、上記各成分を溶解または均一に分散し得る限りにおいて、任意の適切な溶剤が採用され得る。揮発性溶剤の具体例としては、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、2‐ブタノン(メチルエチルケトン)、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、トルエン、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、シクロペンタン、水が挙げられる。
塗工液は、目的に応じて任意の適切な添加剤をさらに含有し得る。例えば、超微粒子成分を良好に分散させるために、分散剤が好適に用いられ得る。添加剤の他の具体例としては、老化防止剤、変性剤、界面活性剤、変色防止剤、紫外線吸収剤、レベリング剤、消泡剤が挙げられる。
塗工液における上記各成分の配合量は、上述したとおりである。塗工液の固形分濃度は、好ましくは10重量%〜70重量%程度となるように調整され得る。このような固形分濃度であれば、塗工容易な粘度を有する塗工液が得られ得る。
上記基材としては、本発明の効果が得られる限りにおいて任意の適切なフィルムが採用され得る。具体例としては、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリプロピレン(PP)フィルム、ナイロンフィルム、アクリルフィルム、ラクトン変性アクリルフィルムなどが挙げられる。上記基材は、必要に応じて、易接着処理などの表面改質がなされていてもよく、滑剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤などの添加剤が含まれていてもよい。当該基材は、後述の光拡散素子付偏光板において、保護層として機能し得る場合がある。
上記塗工液の基材への塗布方法としては、任意の適切なコーターを用いた方法が採用され得る。コーターの具体例としては、バーコーター、リバースコーター、キスコーター、グラビアコーター、ダイコーター、コンマコーターが挙げられる。
(工程B)
上記塗工液の乾燥方法としては、任意の適切な方法が採用され得る。具体例としては、自然乾燥、加熱乾燥、減圧乾燥が挙げられる。好ましくは、加熱乾燥である。加熱温度は、例えば60℃〜150℃であり、加熱時間は、例えば30秒〜5分である。
以上のようにして、基材上に、図1Aに示すような光拡散素子が形成される。
図1Bに示すように光拡散性微粒子内部に第2の濃度変調領域を形成する場合には、本発明の製造方法は、上記工程Aの塗工液において、上記樹脂成分の前駆体と上記光拡散性微粒子とを接触させる工程(工程A−1とする)と、該前駆体の少なくとも一部を該光拡散性微粒子の内部に浸透させる工程(工程A−2とする)と、をさらに含む。
(工程A−1)
上記塗工液に上記樹脂成分の前駆体を含有させれば、当該前駆体と上記光拡散性微粒子との接触は、格別な処理や操作を行うことなく実現される。
(工程A−2)
工程A−2において上記前駆体の少なくとも一部を該光拡散性微粒子の内部に浸透させる手段としては、代表的には、上記塗工液を静置することが挙げられる。樹脂成分と光拡散性微粒子とは、好ましくは同系の材料で構成され、さらに好ましくは相溶性の高い材料で構成されるので、塗工液を静置することにより、特別な処理や操作を行わなくても樹脂成分の前駆体(モノマー)が光拡散性微粒子の内部に浸透する。すなわち、樹脂成分の前駆体と光拡散性微粒子とを所定時間接触させることにより、樹脂成分の前駆体が光拡散性微粒子の内部に浸透する。静置時間は、好ましくは、光拡散性微粒子の粒径が実質的に最大になるまでの時間よりも長い時間である。ここで、「光拡散性微粒子の粒径が実質的に最大になるまでの時間」とは、光拡散性微粒子が最大限に膨潤し、それ以上膨潤しなくなる(すなわち、平衡状態になる)までの時間をいう(以下、最大膨潤時間とも称する)。最大膨潤時間より長い時間にわたって樹脂成分の前駆体と光拡散性微粒子とを接触させることにより、光拡散性微粒子に対する樹脂成分前駆体の浸透が飽和状態となり、それ以上、光拡散性微粒子内部の架橋構造にとりこまれなくなる。その結果、後述の重合工程により、第2の濃度変調領域が良好かつ安定的に形成され得る。最大膨潤時間は、樹脂成分と光拡散性微粒子との相溶性によって変化し得る。したがって、静置時間は、樹脂成分および光拡散性微粒子の構成材料によって変化し得る。例えば、静置時間は、好ましくは1時間〜48時間であり、より好ましくは2時間〜40時間であり、さらに好ましくは3時間〜35時間であり、特に好ましくは4時間〜30時間である。静置時間が1時間未満では、前駆体が光拡散性微粒子内部に十分に浸透しない場合があり、その結果、第2の濃度変調領域が良好に形成されない場合がある。静置時間が48時間を超えると、光拡散性微粒子間の物理的相互作用により、光拡散性微粒子が凝集してしまい、塗工液の粘度が高くなり、塗工性が不十分となるおそれがある。静置は、室温で行ってもよく、目的や使用材料に応じて設定された所定の温度条件下で行ってもよい。
工程A−2において、上記前駆体は、上記光拡散性微粒子の表面から該光拡散性微粒子の一部に浸透していればよく、例えば平均粒径の好ましくは10%〜95%の範囲まで浸透する。浸透範囲が10%未満である場合には、第2の濃度変調領域が良好に形成されず、後方散乱を十分に低減できない場合がある。浸透範囲が95%を超えても、浸透範囲が小さい場合と同様に、第2の濃度変調領域が良好に形成されず、後方散乱を十分に低減できない場合がある。浸透範囲は、樹脂成分および光拡散性微粒子の材料、光拡散性微粒子の架橋密度、静置時間、静置温度等を調整することにより制御することができる。
この実施形態においては、上記前駆体の光拡散性微粒子への浸透を制御することが重要である。例えば、図4に示すように、上記塗工液を調製した直後に基材に塗布して光拡散素子を形成する場合には、乾燥温度によって光拡散半値角が大きく変化する。一方、上記塗工液を例えば24時間静置した後で基材に塗布して光拡散素子を形成する場合には、光拡散半値角は乾燥温度にかかわらずほぼ一定である。これは、静置により前駆体が光拡散性微粒子へ飽和状態まで浸透するので、濃度変調領域の形成が乾燥温度の影響を受けないためであると考えられる。したがって、上記のように、静置時間は、最大膨潤時間よりも長い時間であることが好ましい。静置時間をこのように設定することにより、乾燥時間にかかわらずほぼ一定で良好な光拡散半値角を得ることができるので、拡散性が高い光拡散素子をばらつきなく安定して製造することができる。さらに、例えば60℃の低温乾燥で製造できるので、安全性やコストの面からも好ましい。一方、前駆体および光拡散性微粒子の種類に応じて浸透が飽和状態に達するまでの時間を決定することができるのであれば、乾燥温度を適切に選択することにより、静置時間を短くしても、拡散性が高い光拡散素子をばらつきなく安定して製造することができる。例えば、上記塗工液を調製した直後に基材に塗布して光拡散素子を形成する場合であっても、乾燥温度を100℃に設定することにより、拡散性が高い光拡散素子をばらつきなく安定して製造することができる。より具体的には、光拡散性微粒子、樹脂成分の前駆体、および乾燥条件を適切に選択すれば、上記静置時間をとらなくても、第2の濃度変調領域を形成することができる。
上記のように、工程A−1および工程A−2はいずれも、特別な処理や操作を必要としないので、塗工液を塗布するタイミングを厳密に設定する必要はない。
(工程C)
上記製造方法は、好ましくは、上記塗布工程の後に上記前駆体を重合させる工程(工程C)をさらに含む。重合方法は、樹脂成分(したがって、その前駆体)の種類に応じて任意の適切な方法が採用され得る。例えば、樹脂成分が電離線硬化型樹脂である場合には、電離線を照射することにより前駆体を重合する。電離線として紫外線を用いる場合には、その積算光量は、好ましくは50mJ/cm〜1000mJ/cmである。電離線の光拡散性微粒子に対する透過率は、好ましくは70%以上であり、より好ましくは80%以上である。また例えば、樹脂成分が熱硬化型樹脂である場合には、加熱することにより前駆体を重合する。加熱温度および加熱時間は、樹脂成分の種類に応じて適切に設定され得る。好ましくは、重合は電離線を照射することにより行われる。電離線照射であれば、屈折率分布構造(濃度変調領域)を良好に保持したまま塗膜を硬化させることができるので、良好な拡散特性の光拡散素子を作製することができる。前駆体を重合することにより、光拡散性微粒子20の表面近傍内部に第2の濃度変調領域32が形成され、ならびに、マトリクス10および第1の濃度変調領域31が形成される。より詳細には、第2の濃度変調領域32は、光拡散性微粒子20内部に浸透した前駆体が重合することにより形成され;マトリクス10は、光拡散性微粒子20に浸透しなかった前駆体が超微粒子成分を分散した状態で重合することにより形成され;第1の濃度変調領域31は、主に、樹脂成分、超微粒子成分および光拡散性微粒子の相溶性に起因して形成され得る。すなわち、本実施形態の製造方法によれば、光拡散性微粒子内部に浸透した前駆体と光拡散性微粒子に浸透しなかった前駆体とを同時に重合することにより、光拡散性微粒子20の表面近傍内部に第2の濃度変調領域32を形成すると同時に、マトリクス10および第1の濃度変調領域31を形成することができる。
上記重合工程(工程C)は、上記乾燥工程(工程B)の前に行ってもよく、工程Bの後で行ってもよい。
本発明の光拡散素子の製造方法が、上記工程A〜工程Cに加えて、任意の適切な時点で任意の適切な工程、処理および/または操作を含み得ることは言うまでもない。そのような工程等の種類およびそのような工程等が行われる時点は、目的に応じて適切に設定され得る。
以上のようにして、上記光拡散素子が基材上に形成される。得られた光拡散素子は、基材から剥離して単一部材として用いてもよく、基材付光拡散素子として用いてもよく、基材から偏光板等に転写して複合部材(例えば、光拡散素子付偏光板)として用いてもよく、基材ごと偏光板等に貼り付けて複合部材(例えば、光拡散素子付偏光板)として用いてもよい。基材ごと偏光板等に貼り付けて複合部材(例えば、光拡散素子付偏光板)として用いる場合には、当該基材は偏光板の保護層として機能し得る。本発明の光拡散素子は、上記で説明したコリメートバックライトフロント拡散システムを採用した液晶表示装置の視認側拡散素子以外に、例えば、液晶表示装置のバックライト用部材、照明器具(例えば、有機EL、LED)用拡散部材として用いられ得る。
B.光拡散素子付偏光板
B−1.光拡散素子付偏光板の全体構成
本発明の光拡散素子付偏光板は、上記光拡散素子と偏光子とを有する。本発明の光拡散素子付偏光板は、代表的には、液晶表示装置の視認側に配置される。図5は、本発明の好ましい実施形態による光拡散素子付偏光板の概略断面図である。この光拡散素子付偏光板200は、光拡散素子100と偏光子110とを有する。光拡散素子付偏光板が液晶表示装置の視認側に配置された場合、好ましくは、光拡散素子は、最も視認側となるように配置されている。1つの実施形態においては、光拡散素子100の視認側に低反射層または反射防止処理層(アンチリフレクション処理層)が配置されている(図示せず)。図示例においては、光拡散素子付偏光板200は、偏光子の両側に保護層120および130を有する。光拡散素子、偏光子および保護層は、任意の適切な接着剤層または粘着剤層を介して貼り付けられている。保護層120および130の少なくとも1つは、目的、偏光板の構成および液晶表示装置の構成に応じて省略されてもよい。例えば、光拡散素子を形成する際に用いられる基材が保護層として機能し得る場合には、保護層120が省略され得る。本発明の光拡散素子付偏光板は、コリメートバックライトフロント拡散システムを採用した液晶表示装置における視認側偏光板として特に好適に用いられ得る。
B−2.偏光子
上記偏光子110としては、目的に応じて任意の適切な偏光子が採用され得る。例えば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着させて一軸延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等ポリエン系配向フィルム等が挙げられる。これらのなかでも、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素などの二色性物質を吸着させて一軸延伸した偏光子が、偏光二色比が高く特に好ましい。これら偏光子の厚さは特に制限されないが、一般的に、1〜80μm程度である。
ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素を吸着させて一軸延伸した偏光子は、例えば、ポリビニルアルコールをヨウ素の水溶液に浸漬することによって染色し、元長の3〜7倍に延伸することで作製することができる。必要に応じてホウ酸や硫酸亜鉛、塩化亜鉛等を含んでいてもよいし、ヨウ化カリウムなどの水溶液に浸漬することもできる。さらに必要に応じて染色の前にポリビニルアルコール系フィルムを水に浸漬して水洗してもよい。
ポリビニルアルコール系フィルムを水洗することでポリビニルアルコール系フィルム表面の汚れやブロッキング防止剤を洗浄することができるだけでなく、ポリビニルアルコール系フィルムを膨潤させることで染色のムラなどの不均一を防止する効果もある。延伸はヨウ素で染色した後に行ってもよいし、染色しながら延伸してもよいし、また延伸してからヨウ素で染色してもよい。ホウ酸やヨウ化カリウムなどの水溶液中や水浴中でも延伸することができる。
B−3.保護層
上記保護層120および130は、偏光板の保護層として使用できる任意の適切なフィルムで形成される。当該フィルムの主成分となる材料の具体例としては、トリアセチルセルロース(TAC)等のセルロース系樹脂や、ポリエステル系、ポリビニルアルコール系、ポリカーボネート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリエーテルスルホン系、ポリスルホン系、ポリスチレン系、ポリノルボルネン系、ポリオレフィン系、(メタ)アクリル系、アセテート系等の透明樹脂等が挙げられる。また、(メタ)アクリル系、ウレタン系、(メタ)アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化型樹脂または紫外線硬化型樹脂等も挙げられる。この他にも、例えば、シロキサン系ポリマー等のガラス質系ポリマーも挙げられる。また、特開2001−343529号公報(WO01/37007)に記載のポリマーフィルムも使用できる。このフィルムの材料としては、例えば、側鎖に置換または非置換のイミド基を有する熱可塑性樹脂と、側鎖に置換または非置換のフェニル基ならびにニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物が使用でき、例えば、イソブテンとN−メチルマレイミドからなる交互共重合体と、アクリロニトリル・スチレン共重合体とを有する樹脂組成物が挙げられる。当該ポリマーフィルムは、例えば、上記樹脂組成物の押出成形物であり得る。
上記保護層(内側保護層)130は、光学的に等方性を有することが好ましい。具体的には、内側保護層の厚み方向の位相差Rth(550)は、好ましくは−20nm〜+20nm、さらに好ましくは−10nm〜+10nm、特に好ましくは−6nm〜+6nm、最も好ましくは−3nm〜+3nmである。内側保護層の面内位相差Re(550)は、好ましくは0nm以上10nm以下、さらに好ましくは0nm以上6nm以下、特に好ましくは0nm以上3nm以下である。このような光学的に等方性を有する保護層を形成し得るフィルムの詳細は、特開2008−180961号公報に記載されており、その記載は本明細書に参考として援用される。
C.液晶表示装置
図6は、本発明の好ましい実施形態による液晶表示装置の概略断面図である。液晶表示装置500は、液晶セル510と、液晶セルの両側に配置された偏光板520および530と、偏光板530の外側に設けられたバックライトユニット540と、偏光板520の外側(視認側)に設けられた光拡散素子100とを備える。目的に応じて任意の適切な光学補償板(位相差板)が、液晶セル510と偏光板520および/または530との間に配置され得る。液晶セル510は、一対の基板(代表的には、ガラス基板)511および512と、基板511および512間に配された、表示媒体としての液晶を含む液晶層513とを有する。
光拡散素子100は、上記A項に記載した本発明の光拡散素子である。あるいは、光拡散素子100および視認側偏光板520の代わりに、上記B項に記載した本発明の光拡散素子付偏光板を配置してもよい。光拡散素子は、液晶セルを通過した光(代表的には、後述のようなコリメート光)を透過および拡散させる。
バックライトユニット540は、好ましくは、液晶セル510に向かってコリメート光を出射する平行光光源装置である。この場合、バックライトユニットは、コリメート光を出射し得る任意の適切な構成を有し得る。例えば、バックライトユニットは、光源と、光源から出射された光をコリメートする集光素子とを有する(いずれも図示せず)。この場合、集光素子としては、光源から出射された光をコリメートし得る任意の適切な集光素子が採用され得る。光源自体がコリメート光を出射し得る場合には、集光素子は省略され得る。バックライトユニット(平行光光源装置)の具体的構成としては、例えば、以下のようなものが挙げられる:(1)レンチキュラーレンズまたは砲弾型レンズの平坦面側のレンズの焦点以外の部分に遮光層または反射層を設けた集光素子を、光源(例えば、冷陰極蛍光ランプ)の液晶セル側に配置した構成(例えば、特開2008−262012号公報);(2)サイドライト型LED光源と、その導光板と、導光板側に凸面が形成され、該導光板の液晶セル側に配置された変角プリズムとを有する構成(本構成においては、必要に応じて異方性拡散素子がさらに用いられ得る;例えば、特許第3442247号);(3)光吸収性樹脂と透明性樹脂が交互にストライプ状に形成されたルーバー層をバックライトとバックライト側偏光板との間に配置した構成(例えば、特開2007−279424号公報);(4)光源として砲弾型LEDを用いた構成(例えば、特開平6−130255号公報);(5)フレネルレンズと必要に応じて拡散板とを用いた構成(例えば、特開平1−126627号公報)。これらの詳細な構成を記載した上記公報は、本明細書に参考として援用される。
バックライトユニット(平行光光源装置)から出射される光の半値角は、好ましくは35°以下、さらに好ましくは3°〜35°である。なお、光源装置の半値角は、図7に示すように、輝度が極大となる方向から角度を振ったときの輝度が1/2となる角度の半値全幅をいう。
本発明の光拡散素子を適用する液晶表示装置の液晶セルの駆動モードとしては、例えば、MVA(マルチドメイン垂直配向)モード、PVA(パターンVA)モード、TN(ツイスティッドネマティック)モード、ECB(電界制御複屈折)モード、OCB(ベンドネマティック)モード、IPS(横電界)モード、FFSモード、BP(ブルー相)モード、強誘導電性液晶(SmC)が挙げられる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。特に明記しない限り、実施例における「部」および「%」は重量基準である。
各特性の測定方法および評価方法は以下のとおりである。
(1)光拡散素子の厚み
マイクロゲージ式厚み計(ミツトヨ社製)にて基材と光拡散素子との合計厚みを測定し、当該合計厚みから基材の厚みを差し引き、光拡散素子の厚みを算出した。
(2)光拡散半値角
光拡散素子の正面からレーザー光を照射し、拡散した光の拡散角度に対する拡散輝度を、ゴニオフォトメーターで1°おきに測定し、図8に示すように、レーザーの直進透過光を除く光拡散輝度の最大値から半分の輝度となる拡散角度を、拡散の両側で測定し、当該両側の角度を足したもの(図8の角度A+角度A´)を光拡散半値角とした。
[実施例1]
超微粒子成分としてのジルコニアナノ粒子(平均粒径60nm、屈折率2.19)を62%含有するハードコート用樹脂(JSR社製、商品名「オプスターKZ6661」(MEK/MIBK含有))100部に、樹脂成分の前駆体としてのペンタエリスリトールトリアクリレート(大阪有機化学工業社製、商品名「ビスコート#300」、屈折率1.52)を11部、光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカル社製、商品名「イルガキュア907」)を0.5部、および、光拡散性微粒子としてのポリメタクリル酸メチル(PMMA)微粒子(積水化成品社製、商品名「XX131AA」、平均粒径2.5μm、屈折率1.495)を20部添加し、固形分が55%となるように希釈溶剤としてMIBKを加えた。この混合物を5分間超音波処理して、上記の各成分が均一に分散させた後、4時間放置した。その後、さらに染料系色素(アデカ社製、商品名「GPX−201」、最大吸収波長500nm)を0.13部添加して攪拌することにより塗工液を調製した。
当該塗工液を、バーコーターを用いてTACフィルム(コニカ・ミノルタ社製、商品名「KC4UY」、厚み40μm)上に塗布し、80℃にて1分間オーブンで乾燥後、高圧水銀灯で積算光量300mJ/cmの紫外線を照射し、TACフィルム上に厚み10μmの光拡散素子を形成した。
[比較例1]
染料系色素を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして塗工液を調製した。この塗工液を、バーコーターを用いてTACフィルム(コニカ・ミノルタ社製、商品名「KC4UY」、厚み40μm)上に塗布し、80℃にて1分間オーブンで乾燥後、高圧水銀灯で積算光量300mJ/cmの紫外線を照射し、TACフィルム上に厚み10μmの光拡散素子を形成した。
[比較例2]
(色素分散液の調製)
ペンタエリスリトールトリアクリレート(大阪有機化学工業社製、商品名「ビスコート#300」、屈折率1.52)100部に、有機系色素(アデカ社製、商品名「GPX−201」、最大吸収波長500nm)を0.15部添加した後に、MEKを50部、および、酢酸エチルを50部を添加して希釈し、色素分散液を調製した。
(色素分散層付光拡散素子の作製)
TACフィルム上に上記色素分散液を用いて色素分散層を形成した後、この色素分散層上に、比較例1と同様にして光拡散素子を形成した。色素分散層は、色素分散液を、バーコーターを用いてTACフィルム上に塗布し、80℃にて1分間オーブンで乾燥後、高圧水銀灯で積算光量300mJ/cmの紫外線を照射することにより形成した。得られた色素分散層の厚みは10μmであり、外観は黄色透明であった。
[比較例3]
比較例1と同様にしてTACフィルム上に光拡散素子を形成した後、この光拡散素子上に比較例2と同様にして色素分散層を形成し、色素分散層付光拡散素子を作製した。
<バックライトユニット>
市販のラップトップパソコン(東芝社製、商品名「ダイナブックRX−1」)のバックライトユニットから導光板を取り出した。この導光板の片側(平滑面側)に、厚み10mmで表面が平滑で矩形状の透明アクリル板を、アクリル系粘着剤を介して貼り付けた。このアクリル板の側面に沿って、砲弾型LED(日亜化学社製、商品名「NSPW500CS−b1」、φ5mm、半値角15°)を配列した。
一方、ラップトップパソコンのバックライトユニットから最上面の保護拡散シートを取り除き、下プリズムシートのみをLEDを配列した導光板の上側に配置し、集光バックライトユニットを作製した。
得られたバックライトユニットの半値角は20°であった。
<評価>
実施例1および比較例1〜3で得られた基材付光拡散素子の基材(TACフィルム)側から上記バックライトユニットで光を照射し、出射光(正面方向0°および斜め方向60°)の色度をコノスコープ(Autronic−Melchers製、Conoscope)にて測定した。また、この出射光の正面方向の透過スペクトルを分光光度計(日立計測製、U4100)にて測定した。測定結果を表1に示す。また、実施例1および比較例1の透過スペクトルを図9に示す。
Figure 2012068273
<評価>
表1から明らかなように、本発明の実施例1の光拡散素子によれば、正面方向(0°)と斜め方向(60°)との色度の差が極めて小さく、色相の角度依存性が良好に抑制されていた。一方、色素分散層を設けた比較例2および比較例3においては、色相の角度依存性が、効果的に抑制されなかった。
実施例1および比較例1で得られた光拡散素子と基材との積層体を液体窒素で冷却しながら、ミクロトームにて0.1μmの厚さにスライスし、測定試料とした。透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、当該測定試料の光拡散素子部分の微粒子の状態および当該微粒子とマトリクスとの界面の状態を観察した。その結果、微粒子とマトリクスとの界面が不明瞭であり、第1の濃度変調領域が確認された。
また、第1の濃度変調領域の平均厚みLを、TEM画像から画像解析ソフトを用いて算出した結果、60nmであった。
本発明の光拡散素子および光拡散素子付偏光板は、液晶表示装置の視認側部材、液晶表示装置のバックライト用部材、照明器具(例えば、有機EL、LED)用拡散部材に好適に用いられ得、コリメートバックライトフロント拡散システムの液晶表示装置のフロント拡散素子として特に好適に用いられ得る。
10 マトリクス
11 樹脂成分
12 超微粒子成分
20 光拡散性微粒子
31 濃度変調領域(第1の濃度変調領域)
32 第2の濃度変調領域
100 光拡散素子
110 偏光子
120 保護層
130 保護層
200 光拡散素子付偏光板
500 液晶表示装置

Claims (10)

  1. 樹脂成分を含むマトリクスと、該マトリクス中に分散された光拡散性微粒子とを有し、
    380nm〜780nmの可視光域における最大吸収波長が380nm〜520nmの範囲内であり、
    460nmにおける光透過率が50%〜80%である、光拡散素子。
  2. 光拡散半値角が20°以上である、請求項1に記載の光拡散素子。
  3. ヘイズが90%〜99.9%である、請求項1または2に記載の光拡散素子。
  4. 前記マトリクスが、380nm〜780nmの可視光域において、380nm〜520nmの範囲内に最大吸収波長を有する色素成分を含む、請求項1から3のいずれかに記載の光拡散素子。
  5. 前記光拡散性微粒子は、平均粒径が1μm〜5μmである、請求項1から4のいずれかに記載の光拡散素子。
  6. 厚みが、前記光拡散性微粒子の平均粒径の2倍以上である、請求項1から5のいずれかに記載の光拡散素子。
  7. 前記マトリクスが超微粒子成分を含み、
    前記樹脂成分、該超微粒子成分および前記光拡散性微粒子は、それらの屈折率が下記式(1)を満たし、
    前記光拡散性微粒子の表面近傍外部に形成され、前記光拡散性微粒子から遠ざかるにつれて該超微粒子成分の重量濃度が高くなる濃度変調領域を有する、請求項1から6のいずれかに記載の光拡散素子:
    |n−n|<|n−n|・・・(1)
    式(1)中、nはマトリクスの樹脂成分の屈折率を表し、nはマトリクスの超微粒子成分の屈折率を表し、nは光拡散性微粒子の屈折率を表す。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載の光拡散素子と偏光子とを有する、光拡散素子付偏光板。
  9. 液晶セルと、
    該液晶セルに向かってコリメート光を出射する平行光光源装置と、
    該液晶セルを通過したコリメート光を透過および拡散させる、請求項1から7のいずれかに記載の光拡散素子と、を備える
    液晶表示装置。
  10. 前記平行光光源装置の半値角が35°以下である、請求項9に記載の液晶表示装置。
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