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JP2012062564A - めっき材およびその製造方法 - Google Patents

めっき材およびその製造方法 Download PDF

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JP2012062564A
JP2012062564A JP2010210202A JP2010210202A JP2012062564A JP 2012062564 A JP2012062564 A JP 2012062564A JP 2010210202 A JP2010210202 A JP 2010210202A JP 2010210202 A JP2010210202 A JP 2010210202A JP 2012062564 A JP2012062564 A JP 2012062564A
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Shuichi Kitagawa
秀一 北河
Kazuo Yoshida
和生 吉田
Shigeto Fujii
恵人 藤井
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Furukawa Electric Co Ltd
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Furukawa Electric Co Ltd
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Abstract

【課題】摺動型や回転型の接点、スイッチなどの電気・電子部品として好適な導電性、耐磨耗性に優れ、しかも接触信頼性が良好であるめっき材を提供する。
【解決手段】導電性基材1の表面に、銅、ニッケル、コバルト、鉄、またはこれらの元素を含む合金からなる下地めっき層2が少なくとも1層形成され、その上に銀または銀合金からなるストライクめっき層3と表面めっき層4の複合めっき層6が形成され、当該表面めっき層4の表層または内部またはその両方に金属酸化物微粒子5を体積比で2.5%以上30%以下有するめっき材料を得る。また、このめっき材料を用いて、摺動型や回転型の接点、スイッチなどの電気・電子部品を得る。
【選択図】図1

Description

本発明はめっき材料とその製造方法、そのめっき材料を用いた電気・電子部品に関する。更に詳しくは、摺動性や耐摩耗性に優れ、例えば摺動型や回転型の接点・スイッチの材料として好適なめっき材料に関する。
銅(Cu)やCu合金、ステンレス(SUS)、鉄合金などからなる導電性基材の上に、銀(Ag)またはAg合金からなるめっき層を設けた材料は、基材の優れた導電性や強度と、AgまたはAg合金の良好な電気接触特性とを兼ね備えた高性能導体として知られており、各種の接点やスイッチなどに広く用いられている。
このような材料の例として、基材の上に直接、あるいはCuまたはニッケル(Ni)などの下地めっきを施した上に、AgまたはAg合金のめっきを表面めっき層として施して製造したものが用いられている。この下地層は、基材成分(Cuや亜鉛(Zn)などの合金成分)が表面のAgまたはAg合金へ拡散することを抑制するためや、基材の粗度の影響を減じ、めっき面を平滑にするために設けられるものである。下地層がNiまたはNi合金からなる場合には、基材上のめっき皮膜の硬度を増加させて摺動性を良好とする効果もあり、下地めっきとして好適である。
近年では、電気・電子部品の集積化と小型化が進行し、単位面積当たりへの通電量の増大や高負荷での使用が増加しており、それに伴い接点やスイッチにはこれまで以上の電気的な接触信頼性が要求されるようになっている。
しかしながら、Agめっき皮膜は硬度があまり高くないため、摺動や回転に伴う削れや磨耗によりAgめっき層の厚みは減少し、終には摩滅してしまう。このような問題は、Agめっき層の厚みを厚くして、めっき層消失までの時間を長くすることで解消できる。しかしながら、そのようなめっき材料では、生産性の低下やコストの上昇が避けられないという問題が生じる。
また、Agめっき層に導電性のグリースを塗布することも摺動・回転時の磨耗抑制には効果がある。しかしながら、静止状態においては接触抵抗が低く安定しているものの、摺動・回転時や高温環境下においてはグリースの劣化や固化により接触抵抗が上昇しやすく、接触信頼性に劣る問題がある。
この他に、上記の要望に応える別のめっき材料としては、Agに他の金属元素、例えばアンチモン(Sb)やセレン(Se)などを添加したAg合金めっき(硬質Agめっき)があげられる。このようなAg合金めっきでは、Agめっきと比べてめっき皮膜の硬度が増して耐磨耗性が向上するので、摺動用途において多く使用されている。
しかしながら、Ag以外の元素を含有する合金においては導電性が低下するため、通電量の増加に対しては接触信頼性の点で好ましくない。また、Ag合金めっきに用いるSbやSeなどの金属元素は人体に対する有毒性を有しており、製造時や廃棄後における環境負荷の面からは好ましくない。
また、AgまたはAg合金からなるめっき層の摺動性を高めるために、Agめっき層中にセラミックやフッ素樹脂などの硬質粒子を分散させる方法(特許文献1、2)やAgめっき層中にグラファイトを分散させる方法が開示されている(特許文献3、4、5)。
この方法で形成されたAgめっき層の場合、Agの磨耗に伴い硬質粒子やグラファイトが表層に露出した際に、硬質粒子の導電率が低いことや、グラファイト自体の導電性は金属並みであるものの、めっき層中におけるグラファイトの配向が不規則であるため、接点における接触面積が減少することにより、接触抵抗が上昇してしまうという問題が生じる。
このように、表面にAgまたはAg合金からなるめっき層を形成した従来のめっき材料の場合、その耐摩耗性と導電性との両立が困難であるという問題があった。
特開昭61−101919号公報 特表2000−508379号公報 特開平4−126314号公報 特開平9−326227号公報 特開平11−149840号公報
本発明は、導電性、強度、耐磨耗性に優れ、しかも接触抵抗が上昇しにくい、接触信頼性が良好なめっき材料の提供を目的とする。また、摺動性や耐磨耗性に優れ、接触信頼性の高い、接点やスイッチなどの材料として好適なめっき材料の提供を目的とする。
更に、本発明は、上記めっき材料の製造方法、およびそのめっき材料を用いた電気・電子部品、例えば摺動型や回転型の接点、スイッチの提供を目的とする。
上記課題は以下の発明により解決された。
(1)電気接点に用いる銀もしくは銀合金めっき材であって、導電性基材の表面に、銅、ニッケル、コバルト、鉄、または、これらの元素からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む合金からなる少なくとも1層の下地めっき層と、銀または銀合金をストライクめっきした層と、さらに銀または銀合金からなる表面めっき層からなる複合めっき層とを順に形成し、前記表面めっき層の表面もしくは内部またはその両方に金属酸化物微粒子を含み、前記金属酸化物微粒子は、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化錫、酸化亜鉛からなる群から選ばれる1種類以上を含む金属酸化物が主成分であり、気相中若しくは液相中で合成されたものであって、前記複合めっき層のめっき皮膜より硬度が高く、複合めっき層中に体積比で2.5%以上30%以下存在することを特徴とするめっき材。
(2)前記金属酸化物微粒子の粒径を動的光散乱法で測定した場合、平均粒子径に対して粒子径が50%から150%までの粒子数が前記表面めっき層中に含有されている粒子数の半分以上を占めることを特徴とする(1)に記載のめっき材。
(3)前記金属酸化物微粒子の存在濃度が、表面めっき層の導電性基材に平行な任意の面において1平方μmあたり面積比で30%以下であることを特徴とする(1)または(2)に記載のめっき材。
(4)前記金属酸化物微粒子の粒径を動的光散乱法で測定した場合、平均粒子径に対して粒子径が50%から150%までの粒子数が前記表面めっき層中に含有されている粒子数の半分以上を占め、かつ前記金属酸化物微粒子を複数種類、混合物として含有し、その混合物の微粒子濃度を100%とするとき、前記複数種のうちの一種の金属酸化物微粒子が混合物に占める濃度の割合が25%ないし75%であることを特徴とする(1)または(3)に記載のめっき材。
(5)前記金属酸化物微粒子の粒径を動的光散乱法で測定した場合、平均粒子径に対して粒子径が50%から150%までの粒子数が前記表面めっき層中に含有されている粒子数の半分未満であり、当該粒子の存在濃度が表面めっき層の導電性基材に平行な任意の面において面積比で15%以下であることを特徴とする(1)または(3)に記載のめっき材。
(6)電気接点に用いる銀もしくは銀合金めっき材であって、導電性基材の表面に、銅、ニッケル、コバルト、鉄、または、これらの元素からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む合金からなる少なくとも1層の下地めっき層と、銀または銀合金をストライクめっきした層と、さらに銀または銀合金からなる表面めっき層からなる複合めっき層とを順に形成し、前記表面めっき層の表面もしくは内部またはその両方に金属酸化物微粒子を含み、前記金属酸化物微粒子は、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化錫、酸化亜鉛からなる群から選ばれる1種類以上を含む金属酸化物が主成分であり、気相中若しくは液相中で合成されたものであって、前記複合めっき層のめっき皮膜より硬度が高く、複合めっき層中に体積比で2.5%以上30%以下存在させることを特徴とするめっき材の製造方法。
(7)前記金属酸化物微粒子の粒径を動的光散乱法で測定した場合、平均粒子径に対して粒子径が50%から150%までの粒子数が前記表面めっき層中に含有されている粒子数の半分以上を占めるように、前記微粒子を表面めっき層中に存在させることを特徴とする(6)に記載のめっき材の製造方法。
(8)前記金属酸化物微粒子の存在濃度が、表面めっき層の導電性基材に平行な任意の面において1平方μmあたり面積比で30%以下となるように、前記金属酸化物微粒子を表面めっき層に存在させることを特徴とする(6)または(7)に記載のめっき材の製造方法。
(9)前記金属酸化物微粒子の粒径を動的光散乱法で測定した場合、平均粒子径に対して粒子径が50%から150%までの粒子数が前記表面めっき層中に含有されている粒子数の半分以上を占め、かつ金属酸化物微粒子を複数種類、混合物として使用し、その混合物の微粒子濃度を100%とするとき、前記複数種のうちの一種の金属酸化物微粒子が混合物に占める濃度の割合が25%ないし75%となるように、前記微粒子を前記表面めっき層中に存在させることを特徴とする、(6)または(8)に記載のめっき材の製造方法。
(10)前記金属酸化物微粒子の粒径を動的光散乱法で測定した場合、平均粒子径に対して粒子径が50%から150%までの粒子数が前記表面めっき層中に含有されている粒子数の半分未満であり、当該粒子の存在濃度が前記表面めっき層の導電性基材に平行な任意の面において面積比で15%以下となるように、前記金属酸化物微粒子を表面めっき層中に存在させることを特徴とする、(6)または(8)に記載のめっき材の製造方法。
本発明のめっき材はAgまたはAg合金からなる表面めっき層の表層部、内部もしくはその両方に金属酸化物の微粒子が存在するめっき材料である。めっき皮膜表層部、内部およびその両方にめっき皮膜よりも硬度の高い金属酸化物が存在することで、接点として使用したときに、接点同士の金属が起こしやすい凝着を低減し、かつ粒径の幅が狭いことや濃度が低いことから表面に露出したとしても接触抵抗が上昇することのないめっき材である。
本発明のめっき材はこのような特性を有しているため、例えば電気・電子部品の摺動型や回転型の接点・スイッチの材料として好適なめっき材料である。
本発明のめっき材の実施態様の一例を模式的に断面図で示す説明図である。 本発明の微粒子の体積基準分布を示す説明図である。 金属酸化微粒子の粒子径分布を累積分布で示す図である。
本発明のめっき材の好ましい実施態様の一例を、図1を参照して説明する。導電性基材1の上に下地めっき層2が少なくとも1層と、微粒子を含まないストライク銀または銀合金めっき層(以下、ストライクめっき層という)3が順に形成され、さらにその上に表面めっき層4が形成されている。かつ、当該表面めっき層4の表層部、内部およびその両方には微粒子5が5体積%以上の割合で分散している構造を有するものである。
(導電性基材)
導電性基材1の材料は格別限定されるものではなく、例えば接続コネクタとしての用途を考慮し、要求される機械的強度、耐熱性、導電性に応じて、例えば、純銅;リン青銅、黄銅、洋白、ベリリウム銅、コルソン合金のような銅合金;純鉄;ステンレス鋼のような鉄合金;各種のニッケル合金;Cu被覆材料やNi被覆材料のような複合材料などから適宜に選定すればよい。
また、導電性基材の形状としては、条材や線材などのいずれの形状でもよい。
なお、これらの材料のうち、CuまたはCu合金が好ましい。なお、導電性基材1がCu系材料でない場合も、銅、ニッケル、コバルト、鉄などが含まれる下地めっきを施してから実使用に供することにより、めっき膜の密着性や耐食性の向上が期待できる。
(複合めっき層)
複合めっき層6(ストライクめっき層3と表面めっき層4)はAgまたはAg合金で形成され、めっき材料としての電気接触特性、耐食性、はんだ付け性を確保するために設けられる。Ag合金を使用する場合には、例えば、AgにPd、Cu、Snの少なくとも1種を含有しているものが好適である。これらのAg合金では、表面硬度を上昇させることにより耐摩耗性をさらに向上させることができる。
表面めっき層の厚さは0.5μm以上であることが好ましく、1〜5μmであることがさらに好ましい。またストライクめっき層の厚さは0.05〜1μmであることが好ましく、0.1〜0.5μmがさらに好ましい。
なお、表面めっき層4の表面に存在する微粒子5がプレス加工等の成型加工や部品加工時に除去、破壊されぬように保護するため、微粒子を分散した複合めっき層6(表面めっき層4とストライクめっき層3)を形成した後に、表面めっき層4の表層に薄い保護層を形成してもよい。保護層としてはAgまたはAg合金からなるものが好ましい。保護層の厚さは0.5〜2μmであることが好ましい。
(金属酸化物微粒子)
金属酸化物微粒子の材料としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化スズ及び酸化亜鉛からなる群から選ばれる少なくとも1種を用いる。これらを主成分として必要に応じ、ケイ素、アルミニウム、スズ、亜鉛の窒化物やホウ化物、そのほかの金属酸化物や窒化物、ホウ化物を含んでもよい。このとき主成分は80質量%以上であることが好ましい。金属酸化物微粒子はめっき層のAgまたはAg合金層よりも硬度が高いことが必要である。このような金属酸化物微粒子を含有させることで金属同士の凝着を阻害する働きがあるため、摺動抵抗を減少させることができる。硬度は200〜2000Hvであることが好ましい。
複合めっき層における含有割合(体積%)は2.5%以上30%以下であり、5.0〜15%が好ましい。このような割合とすることで接触抵抗を増加させることなく、摺動抵抗を減少することができる。
なお、このときの含有割合(体積%)は、めっき皮膜を収束イオンビーム加工装置(FIB)にて切り出し、走査型電子顕微鏡にて微粒子が十分判別できるサイズまで拡大を行って断面から観察を行い、一定面積内の存在数から算出した値か、めっき皮膜を王水に溶解させた後、得られた液を遠心分離に掛けて粒子と液を分離した後、粒子を電子天秤にて重量を計測して測定した値とする。
微粒子を製造する技術については、一般に知られている方法を用いることができ、火炎造粒法などの気相合成法やゾルゲル法などの液相合成法があげられる。一般的には、多量の微粒子を得る目的には気相合成法が、粒径分布の小さな微粒子を得る目的には液相合成法が適している。
金属酸化物微粒子を金属めっき皮膜中に共析させるためには、カチオン系、アニオン系、ノニオン系などの界面活性剤が使用されるが、めっき液中に微小容器を分散して、めっき皮膜中に共析させ得るものであれば、いずれの界面活性剤を使用してもよい。
複合めっき層中における金属酸化物微粒子の共析量(含有量)は、体積比で2.5%以上30%未満であり、5%以上30%未満であることが好ましい。共析量が少なすぎると潤滑効果が十分に発揮されなくなり、また多すぎる場合には接点部における導電性を阻害するからである。潤滑性と導電性の観点からは、共析量が5〜15体積%であることが好ましい。
本発明においては、複合めっき層中に共析される微粒子の量は、めっき液中の微粒子濃度の他に、電流密度、撹拌速度、界面活性剤の濃度により調節することができる。また、パルス的に電流を流すパルス電解や電流の向きを周期的に逆転されるPR電解により、さらに共析量の調節が可能となる。このときパルスのオン−オフ時間の設定は任意でよいが、オン時間よりオフ時間が短い方が好ましい。また、PR電解時のオン、オフ、リバース時間の設定、オン電流値、リバース電流値の設定についても任意でよいが、オフ時間がオン、リバース時間より短時間であり、またオン時間よりリバース時間が短い方が好ましい。
金属酸化微粒子は粒子径分布が以下のようなものであることが好ましい。
ひとつとしては、図2に示すように平均粒子径をDとしたとき、50%D(平均の50%)から150%D(平均の150%)のみが粒子総数の50%以上を占めるようにする。累積分布で示すと図3のようになる。図3ではd50が平均であり、d25〜d75の割合を制御することとなる。
このときの粒子径Dは、めっき前であれば、動的光散乱法を用いた粒子径測定装置、例えば、(株)堀場製作所製 動的光散乱式粒径分布測定装置 LB−500を用いて測定できる。また、めっき後であれば、めっき皮膜を集束イオンビーム加工装置で断面出しを行い、表面を走査型電子顕微鏡で粒子が明確に見えるサイズに拡大観察し、得られた画像から粒子径、粒子数を計測して求める。
また、50%Dから150%Dの粒子の割合を上記のようにするためには、平均粒子径Dの微粒子を含む溶液を遠心分離機に掛け、例えば毎分6000回転の遠心分離を5分行った後に、上澄み液と沈殿部の最下層部分を取り除くことによって調製するか、平均粒子径が50%Dから150%Dの間に存在し、その平均粒子径をD´としたときに粒度分布が90%D´ないし110%D´であるような微粒子を2種類以上混和することで調製する。
このようにすることでめっき皮膜中の微粒子2.5%以上30%未満の全域に亘って、摺動抵抗を減少させる効果がある。このとき、金属酸化物の存在濃度は、表面めっき層を基材に平行な面でどの深さにおいても1平方μmに対し面積比で30%以下であることが好ましい。この面積比は、めっき皮膜を収束イオンビーム加工装置(FIB)にて切り出し、走査型電子顕微鏡にて微粒子が十分判別できるサイズまで拡大を行って断面から観察したのち、得られた拡大画像から、粒子数とめっき面積を算出して測定するものとする。
もうひとつの態様としては、50%Dから150%Dの粒子径のものが総数の50%未満とすることである。このとき、金属酸化物微粒子の存在濃度は、表面めっき層を基材に平行な面でどの深さにおいても1平方μmに対し面積比で15%以下であることが好ましい。このようにすることでめっき皮膜中の微粒子濃度が2.5%以上30%未満の全域に亘って、微粒子を含まないめっき皮膜の摺動抵抗と比較して3割減少させる効果がある。このような表面めっき層は、平均粒子径Dの微粒子を含む溶液を遠心分離機に掛け、例えば毎分6000回転の遠心分離を5分行った後に、上澄み液と沈殿部の最下層部分の粒子を選び取り、めっき液中に分散したのちめっきして形成できる。
金属酸化物微粒子は2種以上を混合して用いてもよい。2種を混合して用いる場合、そのうちの1種が25体積%以上75体積%以下とすることが好ましい。この場合、1種の微粒子の濃度が75%を上回らないことで、めっき皮膜中の微粒子濃度が2.5%以上30%未満の全域に亘って、微粒子を含まないめっき皮膜の摺動抵抗と比較して3割減少させる効果がある。
(下地めっき層)
導電性基材1の上部に形成される下地めっき層2は、導電性基材1とストライクめっき層3との密着性を向上させるとともに、基材成分が表層側に熱拡散することを防止するバリア層としても機能する。この下地めっき層2に融点が1000℃以上の高融点金属を用いた場合、一般に接点やスイッチが受ける200℃以下の熱履歴においては、下地めっき層2は熱拡散を起こしにくく、基材成分が表層側に熱拡散することを有効に防止する。
高融点金属のうち、価格の点やめっき処理が行いやすい点などから、Cu、Ni、コバルト(Co)、鉄(Fe)が好適である。また、これらの元素を含む合金めっき層やめっき後に熱処理して合金化した化合物層も同様に有効であり、例えば、Cu−Sn、Ni−Sn、Ni−P、Co−P、Ni−Co、Ni−Co−P、Ni−Cu、Ni−Feなどをあげることができる。
また、下地めっき層2は、必要に応じて成分や特性の異なる層を2層以上積層してもよい。例えば、基材1の上部に第一の下地層としてNi層を設け、その上部に第二の下地層としてCu層を設け、さらにその上部にストライクめっき層3および表面めっき層4を設けることができる。
このようなめっき材料によれば、下地層と表面めっき層を含む複合めっき層の密着性がさらに向上する。
基材成分の熱拡散を防止する目的において、下地めっき層2の厚みは0.1〜2μmの範囲内に設定されていることが好ましい。この下地めっき層の厚みが薄すぎると上記効果は十分に発揮されなくなり、また必要以上に厚くしても上記効果が飽和するからである。
上記の基材成分の表層側への拡散防止効果を十分に発揮させるためには、下地めっき層2の厚さは0.25μm以上が好ましい。しかし、厚い場合には成型加工時に加工割れを起こす場合もあるため、加工性を考慮して厚みを1μm以下とすることが好ましい。
(めっき材)
上記本発明のめっき材は、電気・電子部品に用いられている従来の金属材料に代えて用いることができる。特に、摺動性や耐磨耗性に優れ、接触信頼性の高いので、摺動型や回転型の接点またはスイッチの材料として好適に用いることができる。
以下、本発明について実施例に基づきさらに詳細に説明するが本発明はこれに限定されるものではない。
各実施例で作製した各めっき材について、摩擦係数、接触抵抗、密着性、耐久性、曲げ加工性の評価を実施した。評価方法は次の通りである。
摩擦係数:
バウデン型摩擦試験機を用いて、めっき材の表面を摺動させた際の往復100回摺動後の動摩擦係数を測定し、摺動初期の値を基準として、100回摺動後の値を百分率で表した。測定条件は、荷重0.98N(100gf)、摺動距離10mm、摺動速度100mm/分とした。相手材は3mmRの鋼球プローブまたは直径5mmのAgめっき張り出し加工材を用いた。
接触抵抗:
定電流通電時の電圧を測定することにより評価した。先端が5mmRのAgプローブを荷重0.49N(50gf)で接触させ、10mA通電時の電圧を測定し、n=10の平均値より接触抵抗を算出した。なお、測定は初期および150℃×1000時間加熱後に実施した。
密着性:
めっき表面からクロスカットを施し、テープピール試験により評価した。クロスカット後のめっき表面に、粘着テープ(寺岡製作所631S)を貼り付けて引き剥がした際に、めっき皮膜の剥離が見られないものを○、剥離が見られたものを×として評価した。
耐久性:
往復100回摺動後に、摺動部における基材または下地層の露出が見られるかを評価した。摺動部を450倍でマイクロスコープ観察し、基材や下地めっき層の露出が見られないものを○、露出が見られたものを×として評価した。
曲げ加工性:
導電性基材の圧延方向と直角に90°曲げ(0.2R)を施し、曲げ部におけるめっき皮膜の割れにより評価した。曲げ部について500倍でSEM観察し、めっき皮膜に割れが見られないものを○、割れが見られたものを×として評価した。
本発明例1〜98、比較例1〜5
表1に示す化学成分組成の銅または銅合金を鋳造、圧延、焼鈍を行い厚さ0.2mmの純銅(C1020:基材A)、黄銅(C2600:基材B)、リン青銅(C5210:基材C)、コルソン系合金(Cu−Ni−Si:基材D)を作製した。CXXXXはJIS規格を表す。ステンレス(SUS304:基材E)については購入した。これらの基材にめっき前処理として脱脂処理および酸洗処理を順次施し、その後下地めっき層の形成を行い、ストライクめっき層、表面めっき層を順次施して、めっき材を作製した。各層を形成する際のめっき条件については表2に、作製しためっき材については表3−1〜表3−3に、めっき材の評価については表4−1〜表4−3に示した。
前記脱脂処理は、クリーナー160S(メルテックス社製)を60g/リットル含む脱脂液中において、液温60℃で電流密度2.5A/dmの条件で30秒間カソード電解して行った。また、前記酸洗処理は、硫酸を100g/リットル含む酸洗液中に室温で30秒間浸漬して行った。
各処理間には工業用水、水道水、イオン交換水等による水洗工程を設けた。
複合めっき層の形成においては、表2のAgめっき浴に金属酸化物微粒子を表3−1〜表3−3に示す共析量に対応させた量を添加しためっき液を用い、同様のめっき条件にてめっきを施した。なお、めっき液中において微粒子を安定して分散させるために、カチオン性の界面活性剤を適宜用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。
なお、粒子1、粒子2は以下のようにして作製した。
テトラエトキシランをエタノールやプロパノールなどのアルコールに溶解させ、その後倍量以上の水を加えて十分に混和し、テトラエトキシシランを5wt%含むアルコール溶液を得た。触媒を加えた後、加熱しながらゲル化し、得られたゲルを乾燥させることにより粒子を得た。
各粒子とも、AgまたはAg合金のめっき皮膜より硬度が高く、粒子1の硬度は800Hv、粒子2は900HVであった。
また、小径、大径は図2の50%D,150%Dを表し、径とその割合の測定は以下のようにして行った。
堀場製作所製動的光散乱式粒径分布測定装置 LB−500を用いて、調製した粒子を含む混合溶液を測定した。得られた測定結果のピーク位置から平均粒径を算出し、またピークの面積比から混合比を算出した。
Figure 2012062564
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なお、複合めっき層の表面から微小容器が露出した場合には、めっき層表面から微小容器頂点までの高さは、複合めっき層の厚さに含まれない。
表4−1、4−2に示したように、本発明例のめっき材料はいずれも摺動性および接触信頼性が良好であった。また、微粒子の粒径分布の規定を加えた本発明例のめっき材料はいずれも耐久性が良好であった。
これに対して、表4−3に示したように、表面めっき層に金属酸化物微粒子を有しない比較例1では、摺動後期における摩擦係数が高く、摺動性に劣るものであった。また、微粒子の共析量が多い比較例2、5と複数種類の微粒子が混合していて、一方の微粒子濃度が高すぎる比較例3、4では、摺動性および接触抵抗が大きく劣化するものとなった。
1 導電性基材
2 下地めっき層
3 ストライクめっき層
4 表面めっき層
5 金属酸化物微粒子
6 複合めっき層

Claims (10)

  1. 電気接点に用いる銀もしくは銀合金めっき材であって、導電性基材の表面に、銅、ニッケル、コバルト、鉄、または、これらの元素からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む合金からなる少なくとも1層の下地めっき層と、銀または銀合金をストライクめっきした層と、さらに銀または銀合金からなる表面めっき層からなる複合めっき層とを順に形成し、前記表面めっき層の表面もしくは内部またはその両方に金属酸化物微粒子を含み、前記金属酸化物微粒子は、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化錫、酸化亜鉛からなる群から選ばれる1種類以上を含む金属酸化物が主成分であり、気相中若しくは液相中で合成されたものであって、前記複合めっき層のめっき皮膜より硬度が高く、複合めっき層中に体積比で2.5%以上30%以下存在することを特徴とするめっき材。
  2. 前記金属酸化物微粒子の粒径を動的光散乱法で測定した場合、平均粒子径に対して粒子径が50%から150%までの粒子数が前記表面めっき層中に含有されている粒子数の半分以上を占めることを特徴とする請求項1に記載のめっき材。
  3. 前記金属酸化物微粒子の存在濃度が、表面めっき層の導電性基材に平行な任意の面において1平方μmあたり面積比で30%以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のめっき材。
  4. 前記金属酸化物微粒子の粒径を動的光散乱法で測定した場合、平均粒子径に対して粒子径が50%から150%までの粒子数が前記表面めっき層中に含有されている粒子数の半分以上を占め、かつ前記金属酸化物微粒子を複数種類、混合物として含有し、その混合物の微粒子濃度を100%とするとき、前記複数種のうちの一種の金属酸化物微粒子が混合物に占める濃度の割合が25%ないし75%であることを特徴とする請求項1または請求項3に記載のめっき材。
  5. 前記金属酸化物微粒子の粒径を動的光散乱法で測定した場合、平均粒子径に対して粒子径が50%から150%までの粒子数が前記表面めっき層中に含有されている粒子数の半分未満であり、当該粒子の存在濃度が表面めっき層の導電性基材に平行な任意の面において面積比で15%以下であることを特徴とする請求項1または請求項3に記載のめっき材。
  6. 電気接点に用いる銀もしくは銀合金めっき材であって、導電性基材の表面に、銅、ニッケル、コバルト、鉄、または、これらの元素からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む合金からなる少なくとも1層の下地めっき層と、銀または銀合金をストライクめっきした層と、さらに銀または銀合金からなる表面めっき層からなる複合めっき層とを順に形成し、前記表面めっき層の表面もしくは内部またはその両方に金属酸化物微粒子を含み、前記金属酸化物微粒子は、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化錫、酸化亜鉛からなる群から選ばれる1種類以上を含む金属酸化物が主成分であり、気相中若しくは液相中で合成されたものであって、前記複合めっき層のめっき皮膜より硬度が高く、複合めっき層中に体積比で2.5%以上30%以下存在させることを特徴とするめっき材の製造方法。
  7. 前記金属酸化物微粒子の粒径を動的光散乱法で測定した場合、平均粒子径に対して粒子径が50%から150%までの粒子数が前記表面めっき層中に含有されている粒子数の半分以上を占めるように、前記微粒子を表面めっき層中に存在させることを特徴とする請求項6に記載のめっき材の製造方法。
  8. 前記金属酸化物微粒子の存在濃度が、表面めっき層の導電性基材に平行な任意の面において1平方μmあたり面積比で30%以下となるように、前記金属酸化物微粒子を表面めっき層に存在させることを特徴とする請求項6または請求項7に記載のめっき材の製造方法。
  9. 前記金属酸化物微粒子の粒径を動的光散乱法で測定した場合、平均粒子径に対して粒子径が50%から150%までの粒子数が前記表面めっき層中に含有されている粒子数の半分以上を占め、かつ金属酸化物微粒子を複数種類、混合物として使用し、その混合物の微粒子濃度を100%とするとき、前記複数種のうちの一種の金属酸化物微粒子が混合物に占める濃度の割合が25%ないし75%となるように、前記微粒子を前記表面めっき層中に存在させることを特徴とする、請求項6または請求項8に記載のめっき材の製造方法。
  10. 前記金属酸化物微粒子の粒径を動的光散乱法で測定した場合、平均粒子径に対して粒子径が50%から150%までの粒子数が前記表面めっき層中に含有されている粒子数の半分未満であり、当該粒子の存在濃度が前記表面めっき層の導電性基材に平行な任意の面において面積比で15%以下となるように、前記金属酸化物微粒子を表面めっき層中に存在させることを特徴とする、請求項6または請求項8に記載のめっき材の製造方法。
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