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JP2011510671A - ヤロウイア株における特定遺伝子の多コピーの標的組み込み方法 - Google Patents

ヤロウイア株における特定遺伝子の多コピーの標的組み込み方法 Download PDF

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JP2011510671A JP2010545468A JP2010545468A JP2011510671A JP 2011510671 A JP2011510671 A JP 2011510671A JP 2010545468 A JP2010545468 A JP 2010545468A JP 2010545468 A JP2010545468 A JP 2010545468A JP 2011510671 A JP2011510671 A JP 2011510671A
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Abstract

本発明は、ヤロウイア株のゲノムにおいて特定遺伝子の少なくとも三つのコピーを標的組み込みする方法に関するものであり、該方法は、(a)少なくとも三つの遺伝子のうちの一つに欠失を含むヤロウイア株を培養する過程であり、これらの欠失のそれぞれに関連する表現型が前記株に対する栄養要求性または優性形質に対応する培養過程と、(b)前記ヤロウイア株が栄養要求性の補完、場合によっては、前記欠失のそれぞれから生じる優性形質の補完を可能にする選択マーカーを含む少なくとも三つの組み換えベクターによって得られた前記ヤロウイア株を形質転換する過程と、(c)前記少なくとも三つの組み換えベクターを組み込んだ酵母を最小培地で選択する過程を含んでいる。本発明はまた、特定ポリペプチドの産生方法も含んでおり、該方法は、上記のような標的組み込み方法、ならびに、表現型が前記株に対する栄養要求性または優性形質に対応するこれらの欠失のそれぞれに関連する、少なくとも三つの遺伝子のうちの一つに欠失を含む修飾されたヤロウイア株の取得方法を利用するものである。

Description

本発明は、ヤロウイア株のゲノムにおいて特定遺伝子の少なくとも三つのコピーの標的組み込み方法に関するものであり、該方法は、(a)少なくとも三つの遺伝子のうちの一つに欠失を含み、これらの欠失のそれぞれに関連する表現型が前記株に対する栄養要求性または優性形質に対応する、ヤロウイアの株を培養する過程と、(b)このようにして得られた前記ヤロウイア株を、前記ヤロウイア株が栄養要求性を補完することを可能にする、場合によっては、前記欠失のそれぞれから生じる優性形質を補完することを可能にする選択マーカーを含んだ少なくとも三つの組み換えベクターによって形質転換する過程と、(c)前記少なくとも三つの組み換えベクターを組み込んだ酵母を最小培地で選択する過程とを含んでいる。また、本発明は、このような方法を利用する特定ポリペプチドの産生方法、ならびに少なくとも三つの遺伝子のうち一つに欠失を含み、これらの欠失のそれぞれに関連する表現型が前記株に対する栄養要求性または優性形質に対応する、修飾されたヤロウイア株の取得方法にも関するものである。
今日では、アルカン資化酵母(Yarrowia lipolytica)は特定遺伝子の発現宿主として利用されるようになってきている。実際、この酵母は、培養培地において高い効率で、アルカリプロテアーゼ、酸性プロテアーゼ、またはRNアーゼのような高分子量のタンパク質を産生・分泌する特異性を有しており、前記タンパク質は培養培地から簡単に回収することができるものである。これらの特定遺伝子の発現を可能にするために、欧州特許第0138508号明細書または欧州特許第0220864号明細書に記載されているような、さまざまな技術が早期に開発されている。これらのさまざまな技術は、共通して「組み込み」と呼ばれるベクターを用いており、該ベクターによって、特定遺伝子を有するDNA断片を染色体DNAに挿入することが可能となり、該特定遺伝子がその後発現する。しかし、それでもこれらの技術はいずれも産業上の生産にかかる要請、すなわち収率と長期にわたる安定性という要請を完全に満足させるものではない。
これらの産業上の要請をより良く満足させるために、新しい技術が開発されている。
PCT出願である国際公開第00/012729号には、アルカン資化酵母のレトロトランスポゾンYlt1のLTRに対応するゼータ配列が隣接する特定配列を含む組み込みベクターを用いる技術が記載されている。これらの組み込みベクターは、ゼータ配列のないアルカン資化酵母の株で用いられたとき、前記株のゲノムにおける多コピーのランダムな組み込みを可能にするものである。とりわけ、この特徴的な技術は、抗酸性細胞外リパーゼLIP2(PCT出願である国際公開第01/83773号参照)を産生するために用いられた。
しかし、LIP2によって形質転換されたアルカン資化酵母の株の大部分が凡庸な遺伝的安定性、一般的には50%より低い安定性を有することが明らかになった。さらに、これらの形質転換された株はランダムな組み込み現象の後に得られるため、挿入部位の配列決定による株の遺伝的安定性の調査は非常に骨の折れるものである。
得られた株の安定性の問題および外来配列の詳細な組み込み部位を特定することの難しさというこれらの問題に、複数の選択マーカーが欠けたアルカン資化酵母の株が存在しないことに関連するさらなる問題が加わっており、この不存在は、これらの株が不安定性であることによる。
発現カセットの組み込み方法のうち、相同的な形質転換方法を利用する方法を挙げることができるが、これらの方法は、マーカー(LEU2、URA3、LYS5)と、複数標識され、変換率の大幅な減少を可能とする欠失を伴う株とをほとんど使用しない。株は、変異に対応するゲノムマーカーを含むことが多く、欠失に対応するマーカーはほとんどない。欠失を伴う既知のゲノムマーカーは、ura3−302(695bpの欠失)、ura3−41(41bpの欠失)、leu2−270(681bpのStuIの欠失)だけである。MADZAK et al.(J.of Biotech.,vol.109,p:63−81,2004)はura3−302とleu2−270を記載している。
ベクターのうち、標的組み込みを可能とするものを挙げることができるが、該ベクターは、プラスミド部分(例えばintegration des plasmides a une plateforme pBR322,Madzak et al,Fems yeast research,vol.5,p:635−646,2005)またはゼータ部分(Bordes et al.,J Microbiol Methods Vol.70,p.493−502,2007)を組み込むものである。組み込みおよび増幅を目的とした自己クローニング用のベクターがある。しかし、該ベクターは分散的であり、ランダムである。
治療用タンパク質を産生するためには、プラスミドDNAがあってはならず、インサートを同定し、その配列を検証するための標的組み込みをすることが必要である。また、発現を増やすためには遺伝子のコピーの数を増やすことができなければならない。
発明者らは、「組み込みベクター」によって標的組み込みを可能にする方法を考案し、該組み込みベクターは、組み込みカセットを遊離し(稀な部位1)、そしてベクター部分を除去するために構築されており、該ベクター部分は、選択マーカーを迅速に導入するための部位(稀な部位2)と発現カセットをクローニングするための部位(稀な部位3)を有している。組み込みベクターと遺伝子座/マーカーの様々な組み合わせとの組み合わせ。
また、発明者らは、
−形質転換率、とりわけADE2およびGUT2マーカーの形質転換率を高めるために形質転換条件を最適化し、
−組み込みカセットを所望の遺伝子座に組み込んだ、特定のクローンを迅速に同定するための、組み込みと表現型の関連付けを行った。
こうして、発明者らは、ここでは、新しい選択マーカー(たとえば新規のゲノムマーカー、新規の栄養要求性)を同時に導入することを可能にする遺伝子座に発現カセットを組み込む方法を実現することにより、対応する選択マーカーを有する新規の組み込みカセットを用いた新たな組み込みを可能にした。
良好な形質転換効率、低い変換率、インサートの同定(LIP2のリパーゼ、ADE2のマロン、URA3のSUC−)のスクリーニングが可能であることによって、共組み込み(二つの発現カセットを用いた形質転換)を行うことも可能である。このことによって、産生株を得るために必要な時間を削減することが可能となる。また、所定の部位への挿入によって、産生株を迅速に特徴付けることが可能となる。最終的な株が原栄養体である。
最終的な株は、主要な分泌タンパク質(AEPプロテアーゼ、リパーゼLip2p)を発現しなくなり、安定した欠失、弱い細胞溶解および清浄な上澄みを有する(分泌タンパク質がほとんどない)。
また、発明者らは、切り出し可能なこれらのマーカーによって、マーカーを再生成することおよび新しいコピーを再び組み込むことのできる、マーカーの全体的な切り出しが可能であることも明らかにした。
複数標識された株を得るために、さまざまな方法によってゲノムマーカーを導入することができる。
たとえば、leu2−270、ura3−302およびxpr2−322マーカーを構築するためにアルカン資化酵母で用いられているPOP IN/POP OUTと呼ばれる方法が、G.Barth et al.の雑誌論文、Yarrowia lipolytica.in:Nonconventional Yeasts in Biotechnology A Handbook(Wolf,K.,Ed),Vol.1,1996,pp.313−388,Springer−Verlagに記載されている。該方法は、遺伝子の欠失を有するベクターを遺伝子座に組み込み、次に、このベクターの切り出しを選択し、そして、組み換えによって野生型の遺伝子を除去し、変異遺伝子を保存しているクローンを同定することからなる。これは、時間がかかり、あまり効果的ではなく、対抗選択を可能とするマーカーの使用も必要とする方法である。たとえば、5FOAを用いたクローンUra+の対抗選択である。この対抗選択は二次的な変異を導入する恐れがある。
また、SEP法(Maftahi M.,Nicaud J−M.,Gaillardin C.,1996.Sticky−end polymerase chain reaction method for systematic gene disruption in Saccharomyces cerevisiae.Yeast,vol.12,p:859−868)も使うことができ、該方法は、アルカン資化酵母においてPOX遺伝子を連続的に破壊するために適合化されている(Wang H.J.,Le Dall M−T,Wache Y,Belin J−M,Gaillardin C,Nicaud J−M,1999.Evaluation of Acyl CoA oxidase(Aox)isozymes function in the n−alkanes−assimilating yeast Yarrowia lipolytica.J.Bacteriol.,vol.181,p.5140−5148)。この方法はより迅速であるが、対抗選択を可能にするマーカーの使用はやはり必要である。
また、Fickersと共同研究者によって開発された方法SEP/creを使うこともできる(Fickers P.,Le Dall M.T.,Gaillardin C.Thonart P.Nicaud J−M.,New disruption cassettes for rapid gene disruption and marker rescue in the yeast Yarrowia lipolytica.J.Microbiol.Methods vol.55,p:727−737,2003)。これは迅速な方法であり、対抗選択を可能にするマーカーの使用を必要としない方法である。この方法は、1)欠失させようとする特定遺伝子を選択することと、2)PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)またはクローニングによって破壊カセットを構築することと、3)マーカーを除去するために(有利にはリコンビナーゼcreの作用の下で組み換えを可能にするloxPタイプの配列)配列中での組み換えを可能とする組み換え配列(有利にはloxPまたはloxRまたはその派生配列)を両側に備えた選択マーカーを導入することと、4)特定遺伝子が欠失した株を選択し(形質転換、および形質転換体の選択)、破壊を検証することと、5)リコンビナーゼの発現を可能にするベクターによって形質転換することと(有利には、loxP/loxR配列の組み換えとマーカーの除去とを可能にするリコンビナーゼcre)、6)特定遺伝子が欠失し、リコンビナーゼの発現プラスミドが失われたクローンを単離することからなる。しかし、形質転換の間の遺伝子の変換を最小化するためには欠失とマーカーを最適化しなければならない。
上記より、アルカン資化酵母のゲノムにおいて、特定遺伝子の多量の発現を得るために該特定遺伝子の配列を特異的かつ安定的に組み込むことを可能にする形質転換技術は存在しないことになる。
現在、発明者らは、形質転換によって得られるヤロウイア株の安定性が組み込まれたコピーの数に強く依存することを明らかにしている。LIP2遺伝子の8つのコピーを組み込んだ株は70%の安定性を有し、該安定性は7つのコピーでは98%、6つのコピーでは100%に上昇する。
また、発明者らは、栄養要求性と、場合によっては、少なくとも三つの異なる選択マーカー、とりわけ、Ura3、Leu2、Gut2およびAde2という選択マーカーから選ばれる選択マーカーに関連する優性形質を有するアルカン資化酵母の、生存能力のある新しい株を開発することに成功した。さらに、開発された生存能力のある株は、とりわけ新規の欠失部分Gut−744およびAde2−844を含む多量の欠失部分(Ura3−302、Leu2−270、Gut2−744およびAde2−884)を有し、該欠失部分によって遺伝子の変換の頻度を大幅に制限することが可能となる(実施例参照)。
特に標的組み込み法でこのような株を使うことによって、特定遺伝子の複数が組み込まれた、形質転換された株を迅速かつ簡単に得ることが可能となる。
最後に、発明者らは、アルカン資化酵母の株の新規な形質転換方法を開発することに成功し、該方法によって、安定に形質転換された、特定ポリペプチドの優良な産生レベルを有する株を得ることが可能となっている。
本発明の目的は、先行技術の不都合を改善し、異種タンパク質の産生を目的とした一つまたは複数の特定遺伝子を過剰産生する株を迅速に取得し、発現カセットを迅速に検証し、産生株を特徴付けられるようにすることである。
弱い変換レベルと形質転換の高い効率を可能にする選択マーカーを有する株が微生物として用いられる。
発現カセットを含んだベクターの構築と組み込みカセットを含んだベクターの構築とを可能とするベクターのセットが用いられる。
また、所定の遺伝子座へ組み込みカセットを組み込むことを含んだ、形質転換体を同定するための迅速な方法も用いられる。
最後に、本発明による方法によって、異種タンパク質の産生が可能となる。
より詳細には、本発明は、異種タンパク質の産生を目的とした一つまたは複数の特定遺伝子を過剰産生する株を迅速に取得するための、株と、ベクターと、選択マーカーと、表現型のテストと、挿入カセットの挿入の特徴付けとのセットを提案し、発現カセットを迅速に検証し、産生株を特徴付けることを提案するものであり、該セットは、
(a)栄養要求性、すなわちある種の培地における増殖性の欠如を付与する遺伝子が欠失した受容株と、
(b)発現カセットを含む「発現ベクター」の構築を可能にするクローニングベクターのセットと、組み込みベクターの構築を可能にする「組み込みベクター」のセットと、
(c)所定の遺伝子座へ組み込みカセットを組み込むことを含む、形質転換体を得るための方法、および形質転換体の同定方法と、
(d)異種タンパク質の産生方法と、
を含んでいる。
したがって、本発明の第一の目的は、ヤロウイア株のゲノムにおいて、特定遺伝子の少なくとも三つのコピーを標的組み込みする方法に関するものであり、該方法は、
少なくとも三つの遺伝子における欠失過程であり、これら少なくとも三つの遺伝子が互いに独立して、これら欠失のそれぞれに関連する表現型が前記株の栄養要求性または優性形質に対応することを特徴とする欠失過程と、
b)栄養要求性および/または優性形質を有する前記ヤロウイア株を、選択マーカーを含んだ少なくとも三つの組み換えベクターによって形質転換する過程であり、該選択マーカーによって、前記ヤロウイア株に対して、前記欠失のそれぞれから生じる栄養要求性および/または優性の表現型を補完することが可能となり、該組み換えベクターがそれぞれ、
i)前記特定遺伝子の配列と、
ii)選択マーカーと、
iii)前記特定遺伝子の配列と前記選択マーカーを囲む二つのDNA配列であり、該二つのDNA配列が前記ヤロウイア株のゲノムにおける標的組み込みのための部位の端部に対応する配列に対して相同的であることによって、相同組み換えによって前記組み換えベクターの標的組み込みが可能となるようになっているDNA配列、
を含んでいる形質転換過程と、
c)最小培地において、前記少なくとも三つの組み換えベクターを組み込んだ酵母を選択する過程と、
を含んでいる。
好ましい実施態様では、本発明による標的組み込み法は、欠失を有し、栄養要求性の表現型または優性形質の表現型に関連する遺伝子が、
−栄養要求性のマーカーについては、遺伝子URA3、LEU2、GUT2、ADE2、HISおよびLYS5から選択され、
−優性形質については、ハイグロマイシン耐性遺伝子HYG4と、遺伝子MDR3、KanMX、HPHおよびTn5bleから選択される、
ことを特徴としている。
好ましくは、欠失を有する遺伝子は栄養要求性の表現型に関連し、遺伝子URA3、LEU2、GUT2およびADE2が最も好ましい遺伝子である。
有利には、URA3の欠失はUra3−302の欠失に対応するが、該欠失は当業者には既知のものであり、とりわけMADZAK et al.(2004)に記載されている。
有利には、LEU2の欠失はLeu2−270の欠失に対応するが、該欠失もまた、当業者には既知のものであり、とりわけMADZAK et al.(2004)に記載されている。
有利には、GUT2の欠失は実施例に記載されているGut2−744の欠失に対応する。Gut2−744は遺伝子GUT2(SEQ ID NO:4)のORFの全体の欠失に対応し、該欠失は変異株FF−Lug(CNCM−3911)およびFF−luga(CNCM−3913)にある。切り出し後、ヤロウイアのゲノム上で、GUT2のプロモーター配列と末端配列との間にSEQ ID NO:11の配列が残る。
有利には、ADE2の欠失は実施例に記載しているAde2−844の欠失に対応する。Ade2−844はADE2遺伝子(SEQ ID NO:3)のORFの完全な欠失に対応し、前記欠失は株FF−Lua(CNCM−3912)およびFF−luga(CNCM−3913)にある。切り出し後、ヤロウイアのゲノムの上で、ADE2のプロモーター配列と末端配列の間に、SEQ ID NO:12の配列が残る。
最小培地とは、ここではヤロウイア株が栄養要求性になる要素、あるいは場合によって株の選択を可能にする要素を含んでいない培地を意味する。
ヤロウイアの株は当業者にはよく知られているものである。このような株の好ましい例として、アルカン資化酵母の株を挙げることができる。
遺伝子の標的組み込みによる酵母の形質転換技術は、頻繁に用いられる分子生物学の技術である。この技術では、DNA断片はベクター中でクローニングされ、該ベクターが形質転換すべき細胞中に導入され、前記DNA断片が相同組み換えによって受容ゲノムの標的領域に組み込まれる(ORR−WEAVER et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,vol.78,p:6354−6358,1981)。このような形質転換方法は当業者にはよく知られており、とりわけ、ITO et al.(J.Bacteriol.,vol.153,p:163−168,1983)、KLEBE et al.(Gene,vol.25,p:333−341,1983)およびGYSLER et al.(Biotechn,Techn.,vol.4,p:285−290,1990)に記載されている。この組み換え現象がまれである限り、形質転換後に、対応するマーカーを明らかにすることによって、断片の組み込みが生じた細胞の単離を可能にすることを目的として組み換えを保証する配列の間に選択マーカーが挿入される。
栄養要求性の補完を可能にする選択マーカーは、一般に栄養要求性マーカーとも呼ばれるものだが、当業者にはよく知られたものである。
URA3選択マーカーは当業者によく知られている。より特定的には、オロチジン−5’−リン酸デカルボキシラーゼをコードしているURA3遺伝子(アルカン資化酵母についてはSEQ ID NO1であり、該配列はアドレス「http://cbi.labri.fr/Genolevures/index.php#」において付託番号Yali0E26719gでアクセスすることもできる)が不活性(たとえば欠失によって)であるヤロウイア株は、ウラシルを補給していない培地では成長することができない。そこで、このヤロウイア株にURA3選択マーカーを組み込むことによって、ウラシルのない培地においてこの株の増殖性を修復することが可能となる。
LEU2選択マーカーはとりわけ米国特許第4937189号明細書に記載されており、やはり当業者によく知られたものである。より特定的には、β−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼをコードしている遺伝子LEU2(Yali0E26719g;アルカン資化酵母についてはSEQ ID NO2)が不活性(たとえば欠失によって)であるヤロウイア株は、ロイシンを補給していない培地では成長することができない。そこで、先述のように、このヤロウイア株にLEU2選択マーカーを組み込むことによって、ロイシンを補給していない培地においてこの株の増殖性を修復することが可能となる。
ADE2選択マーカーも酵母の形質転換の分野では当業者にはよく知られている。ホスホリボシルアミノイミダゾールカルボキシラーゼをコードするADE2遺伝子(アルカン資化酵母についてはSEQ ID NO3、YALI0B23188g)が(たとえば欠失によって)不活性であるヤロウイア株は、アデニンを補給していない培地では成長することができない。ここでもまた、このヤロウイア株にADE2選択マーカーを組み込むことによって、アデニンを補給していない培地においてこの株の増殖性を修復することが可能となる。
GUT2遺伝子はグリセロール−3−ホスファート デヒドロゲナーゼ(アルカン資化酵母についてはSEQ ID NO4、YALI0B13970g)をコードし、(たとえば欠失による)その不活性化によって、生じる変異体は、炭素源がグリセロールに対応する非発酵性の培地では成長することができなくなる。
優性形質を有する表現型をヤロウイア株に与えるために選択マーカーとして使うことのできる耐性遺伝子の中では、
−P糖タンパク質をコードするマウス由来のMDR3遺伝子であり、該遺伝子がヤロウイア株で発現したとき、FK520(抗真菌薬かつ免疫抑制剤:RAYMOND et al.,Mol.Cell.Biol.,vol.14,p:277−286,1994)に対する耐性を付与する遺伝子、
−糸状子嚢菌であるAshbya gossypiiのTEF遺伝子の転写配列と融合した、あるいは、あらゆる機能的な転写プロモーターまたは転写ターミネーターと融合した大腸菌のTn903トランスポゾンに由来するkan配列を含み、ヤロウイア株にジェネティシンに対する耐性を付与するKanMXモジュール(G418;WACH et al.,Yeast,vol.10,p:1793−1808,1994)と、
−大腸菌のプラスミドに由来し、ハイグロマイシンBに対する耐性を可能にするHPH(HYG)遺伝子(GRITZ & DAVIES,Yeast,vol.8,p:667−668,1992;CORDERO OTERO & GAILLAIRDIN,Applied Microbiol and Biotechnologie,vol.46,p:143−148,2004)と、
−大腸菌に由来し、形質転換した酵母がフレオマイシンに対する耐性を得ることができるようにするTn5ble遺伝子(WENZEL et al.,Yeast,vol.8,p:667−668,1992)、
を挙げることができる。
本発明による方法で使うことのできるその他の選択マーカーもまた、BARTH & GAILLARDIN(The dimoorphic fungus Yarrowia lipolytica.In:Non conventional yeasts in biotechnology(Wolf K.Ed.).Springer−Verlag,Berlin,p:313−388,1996)に記載されている。
同様に好ましい実施態様では、本発明による標的組み込み法は、過程b)において、前記ヤロウイア株のゲノムにある標的組み込みの部位が、遺伝子URA3、LEU2、ADE2、LIP2、LIP7、LIP8、AXP、GUT2およびXPR2から選択されることを特徴としている。
好ましくは、標的組み込み法は、過程b)において、前記ヤロウイア株のゲノムにある組み込みの部位が、破壊によって容易に検出可能な表現型(視覚化可能、測定可能)が与えられる遺伝子、とりわけ遺伝子URA3、ADE2、LIP2、LIP8、AXPから選択されることを特徴としている。
遺伝子LIP2(アルカン資化酵母についてはSEQ ID NO5)は挿入遺伝子座として使うことができる。LIP2遺伝子は細胞外リパーゼ(PIGNEDE et al.,J.Bacteriol.,vol.182(10),p:2802−10,2000)をコードしており、該細胞外リパーゼはオレイン酸残基の長鎖トリグリセリドを好適に加水分解する。LIP2遺伝子が(たとえば欠失によって)不活性のヤロウイア株は、縮小したリパーゼ活性を有することになる(弱い細胞外リパーゼ活性、トリブチリン培地の加水分解の弱いハロー)。
遺伝子LIP8(アルカン資化酵母についてはSEQ ID NO6)は挿入遺伝子座として使うことができる。遺伝子LIP8はトリアシルグリセロール加水分解酵素をコードしている。遺伝子LIP8が不活性(LIP2を不活性化した後)であるヤロウイア株は、YNBT培地上でのトリブチリンの加水分解のハローを有することがなく、またリパーゼ活性もない(FICKERS et al.,Fungal Genetics and Biology,vol.42,p:264−274,2005)。
遺伝子AXP(アルカン資化酵母についてはSEQ ID NO7)は挿入遺伝子座として使うことができる。AXP遺伝子は、普通は培地のpHが4より低いときに発現する細胞外酸性プロテアーゼをコードしている。AXP遺伝子が不活性(たとえば欠失によって)であるヤロウイア株は、酸性pHにあるYNBカゼイン培地で、カゼイン加水分解の縮小したハローと縮小したプロテアーゼ活性を有することになる(GLOVER et al.,Microbiology,vol.143,p.:3045−54,1997)。
XPR2遺伝子は、培地のpHが6より高いときに発現する細胞外アルカリプロテアーゼをコードしている。遺伝子XPR2(アルカン資化酵母についてはSEQ ID NO8)が不活性(たとえば欠失によって)であるヤロウイア株は、pH6にあるYNBカゼイン培地上でカゼイン加水分解の縮小したハローと縮小したプロテアーゼ活性を有することになる(DAVIDOW et al.,J.Bacteriol.,vol.169,p.4621−9、1987)。
好ましくは、栄養要求性の前記ヤロウイア株は、URA3、LEU2およびADE2またはURA3、LEU2およびGUT2の遺伝子のうち少なくとも一つに欠失を含むものである。
たとえば、ブダペスト条約にしたがって、Collection nationale de Culture de Microorganismes(CNCM),INSTITUT PASTEUR,25 rue du Docteur Roux,75724 PARIS CEDEX 15,FranceにCNCM−3912という番号で2008年2月4日に付託されたアルカン資化酵母の株を挙げることができる。
たとえば、ブダペスト条約にしたがって、Collection nationale de Culture de Microorganismes(CNCM),INSTITUT PASTEUR,25 rue du Docteur Roux,75724 PARIS CEDEX 15,FranceにCNCM−3911という番号で2008年2月4日に付託されたアルカン資化酵母の株を挙げることができる。
有利には、本発明による方法の過程a)で用いられる栄養要求性のヤロウイア株は、URA3、LEU2、ADE2およびGUT2を含む群の四つの遺伝子に対する栄養要求性の表現型をもたらす、四つの遺伝子のうちの一つの欠失を含んでいる。
ブダペスト条約にしたがって、Collection nationale de Culture de Microorganismes(CNCM),INSTITUT PASTEUR、25 rue du Docteur Roux,75724 PARIS CEDEX 15,FranceにCNCM−3913という番号で2008年2月4日に付託されたアルカン資化酵母の株を挙げることができる。
本発明による方法の好ましい実施態様によると、該方法によって、特定遺伝子の3個から10個のコピー、好ましくは4個から8個のコピー、より好ましくは前記特定遺伝子の5個から7個のコピーの標的組み込みが可能となる。
有利には、本発明による方法は栄養要求性の前記ヤロウイア株を、3個から10個の組み換えベクター、好ましくは4個から8個の組み換えベクター、より好ましくは5個から7個の組み換えベクターによって形質転換することを含んでいる。
過程b)で用いられる組み換えベクターはさらに、該組み換えベクターとは異なる一つまたは複数の選択マーカーを含むことができ、該選択マーカーによって、前記ヤロウイア株は、栄養要求性の補完と、場合によっては少なくとも三つの遺伝子の欠失から生じる優性形質の補完を行うことが可能となる。
選択マーカーをコードしている配列および特定遺伝子の配列はさらに、ヤロウイア株での発現に必要な要素を含んでいる。
このような要素はとりわけ、ヤロウイア株で活性のプロモーター配列および末端配列に対応する。好ましくは、用いられるプロモーター配列および末端配列は異なる遺伝子に帰属していることで、ヤロウイア株のゲノムにおいて望まれない組み換えの危険性を最小化するようになっている。
このようなプロモーター配列は当業者にはよく知られており、とりわけ誘導プロモーターまたは構成的プロモーターに対応してよい。本発明による方法で使うことのできるプロモーターの例として、とりわけ、アルカン資化酵母の遺伝子のプロモーターを挙げることができ、該プロモーターは、アルカン資化酵母のアシルCoAオキシダーゼ2の遺伝子のPOX2プロモーターおよびPCT出願である国際公開第01/83773号に記載されているLIP2遺伝子のプロモーターのように、グルコースによって強く抑制され、脂肪酸またはトリグリセリドによって誘導可能である。また、フルクトース−ビスリン酸アルドラーゼの遺伝子のFBA1遺伝子のプロモーター(米国特許出願公開第2005/0130280号明細書)、アンモニウムの輸送体遺伝子のYAT1遺伝子のプロモーター(米国特許出願公開第2006/0094102号明細書)、グリセロール−3−リン酸−O−アシルトランフェラーゼの遺伝子のGPAT遺伝子のプロモーター(米国特許出願公開第2006/0057690号明細書)、TEF遺伝子のプロモーター(米国特許出願公開第2001/6265185号明細書)およびhp4dのハイブリッドプロモーター(国際公開第96/41889号)を使うこともできる。
このような末端配列も当業者にはよく知られており、本発明による方法で使うことのできる末端配列の例として、PKG1遺伝子の末端配列と、PCT出願である国際公開第01/83773号に記載されているLIP2遺伝子の末端配列を挙げることができる。
特定遺伝子の産物を宿主細胞によって分泌させることを目的とするとき、前記挿入物はさらに、前記産物の分泌の制御シグナルを含む。この目的のために、PCT出願である国際公開第01/83773号に記載されている、例えばLIP2遺伝子のプレプロ配列の全部または一部のような、ヤロウイア株において機能するシグナル配列を使うことができる。
特定遺伝子は、形質転換したヤロウイア株で大量に産生させようとするポリペプチドをコードしている。前記ポリペプチドは、好ましくは、例えばErwinia chrysanthemiのL−アスパラギナーゼ(SEQ ID NO9)または大腸菌のL−アスパラギナーゼ(SEQ ID NO10)のような異種ポリペプチドに対応するが、同様に、前述したアルカン資化酵母のLIP2リパーゼのような自己ポリペプチドに対応してもよい。
本発明による方法の特徴的な実施態様によると、ヤロウイア株の形質転換過程b)と最小培地での選択過程c)は、前記少なくとも三つの組み換えベクターそれぞれについて別々に行われる。
より好ましい実施態様によると、本発明による標的組み込み法は、過程b)において、少なくとも三つの組み換えベクターを用いた形質転換が、組み換えベクターのそれぞれとは独立して、そして連続して行われ、あるいは、前記組み換えベクターの全体によって同時に行われ、また、これらの形質転換の全体の後に、最小培地における、前記組み換えベクターの全体を組み込んだ酵母の選択過程c)が続くことを特徴としている。
また、好ましい実施態様によると、本発明による方法は、選択マーカーが前記組み換えベクターの標的組み込みの後に自身の切り出しを可能にする配列によって囲まれていることを特徴としている。
本発明による方法の第四の好ましい実施態様によると、選択マーカーは前記組み換えベクターの標的組み込みの後に自身の切り出しを可能とする配列によって囲まれている。
本発明の方法によって、新たな形質転換過程の際に、他の標的組み込みのために、同一の選択マーカー、とりわけ栄養要求性マーカーを再利用することが可能となる。
ヤロウイア株において、囲まれた配列の切り出しと除去とを可能にするこのような配列は当業者によく知られたものである。
たとえば、欧州特許第0994192号明細書または欧州特許公開第0635574号明細書に記載されているような組み換え事象を得るために、直接反復配列(DRS)と呼ばれる二つの同一または類似した配列を使うことを挙げることができる。
たとえば、欧州特許第0220009号明細書に記載されているような「Cre−lox」システムも挙げることができ、該システムにおいて、直接反復配列と同等の配列は、この場合、「lox」と呼ばれる特異的配列であり、二つの「lox」配列の間に含まれるDNA配列の切り出しは、発現ベクターによって発現した「Cre」リコンビナーゼの存在下で行われる。その他の特異的なリコンビナーゼを用いる同等のその他のシステムも当業者に知られており、とりわけ方法は欧州特許第0814165号明細書に記載されている。
もう一つの側面として、本発明は特定遺伝子によってコードされたポリペプチドの産生方法も対象としており、該方法は、
A)本発明による標的組み込み法と、
B)形質転換された前記ヤロウイア株の増殖を可能にすることを目的とした、炭素、窒素および無機塩の同化源を含んだ液体培養培地におけるヤロウイア株の培養過程d)と、
C)ヤロウイア細胞または過程B)で得られた培養培地から発現した前記特定ポリペプチドの回収、
を含むことを特徴としている。
有利には、本発明による方法は過程C)の後に、特定遺伝子によってコードされている前記ポリペプチドの精製過程e)を含んでいる。
この精製過程e)は細胞溶解の後、あるいは、有利には、細胞から分泌される培養培地から、それ自体は知られている従来の技術、たとえば分別沈殿に続く一回または複数回のクロマトグラフィー過程によって行うことができる。
本発明にしたがった方法によって得ることのできる形質転換したヤロウイアの細胞もまた、本発明の一部を構成している。
もう一つの側面によると、本発明はヤロウイアの修飾された株を得る方法に関するものであり、該方法は、少なくとも三つの遺伝子において欠失を含みそしてこれら少なくとも三つの遺伝子のそれぞれが独立していることを特徴とするヤロウイアの株をもたらすことを可能にする、少なくとも三つのベクターによって、前記ヤロウイア株を形質転換する過程を含んでおり、これらの欠失のそれぞれに関連する表現型が前記株に対する栄養要求性または優性形質に対応することを特徴としている。
好ましくは、ここでは、栄養要求性または優性形質の表現型に関係する少なくとも三つの遺伝子の欠失は、
−栄養要求性のマーカーについては、遺伝子URA3、LEU2、GUT2、ADE2、HISおよびLYS5、好ましくは遺伝子URA3、LEU2、GUT2およびADE2から選択され、
−優性形質については、ハイグロマイシン抵抗遺伝子HPH(HYG)と、遺伝子MDR3、KanMXおよびTn5bleから選択され、HYG遺伝子が耐性遺伝子の中で最も好ましい遺伝子である。
好ましい実施態様では、本発明によるヤロウイアの修飾株を得る方法は、欠失を有する遺伝子が栄養要求性の表現型に関連し、好ましくは遺伝子URA3、LEU2、GUT2およびADE2から選択されることを特徴とする。
最後の側面として、本発明は、本発明によるヤロウイアの修飾株を得る方法によって得ることのできる、栄養要求性のヤロウイア株と、場合によっては、後天的な優性形質を有するヤロウイア株も対象としており、該株は、ゲノムの少なくとも三つの遺伝子において欠失を含み、そしてこれら少なくとも三つの遺伝子のそれぞれが独立して、これらの欠失のそれぞれに関連する表現型が前記株に対する栄養要求性または優性形質に対応することを特徴としている。欠失した遺伝子の数に対して決まっているそれぞれの選択は、遺伝子が本発明による組み込み方法の過程a)について定義されているように欠失について選ばれているため、この方法でも好まれる。
有利には、この方法で得られる前記ヤロウイア株はアルカン資化酵母の株である。
好ましくは、栄養要求性の前記ヤロウイア株は、遺伝子URA3、LEU2およびADE2、または、遺伝子URA3、LEU2およびGUT2のうち少なくとも一つの変異を含む。
たとえば、ブダペスト条約にしたがって、Collection nationale de Culture de Microorganismes(CNCM),INSTITUT PASTEUR,25 rue du Docteur Roux,75724 PARIS CEDEX 15,FranceにCNCM I−3911およびCNCM I−3912という番号で2008年2月4日に付託されたアルカン資化酵母の株を挙げることができる。
第二の好ましい実施態様によると、本発明による方法で使うことのできる栄養要求性のヤロウイア株は、前記株の増殖に必要な四つの遺伝子のうち一つの変異を含み、該三つの遺伝子はURA3、LEU2、ADE2、LIP2、LIP7、LIP8、AXP、GUT2およびXPR2を含む群から選択される。
好ましくは、前記栄養要求性のヤロウイア株は、遺伝子URA3、LEU2、ADE2およびGUT2のうち少なくとも一つの変異を含む。
たとえば、ブダペスト条約にしたがって、Collection nationale de Culture de Microorganismes(CNCM)、INSTITUT PASTEUR,25 rue du Docteur Roux,75724 PARIS CEDEX 15,FranceにCNCM I−3913という番号で2008年2月4日に付託されたアルカン資化酵母の株を挙げることができる。
本発明は、本発明にしたがったアルカン資化酵母の形質転換された株の取得に関する非限定的な実施例を示す、図面およびその解説と以下に続く説明による補足によってより良く理解されるものである。
「発現カセット」の標的「組み込みカセット」の構築を示す概略図である。 クローニングベクターの概略図である。 組み込みベクターおよび標的組み込みのカセットの取得の概略図を示す図である。 ランダムな組み込みのための組み込みベクターの概略図である。 さまざまな数の遺伝子のコピーを含んだ株におけるアスパラギナーゼの発現を示す図である。 遺伝子座URA3での挿入を検証するためのSuc+/Suc−表現型の分析を示す図である。 遺伝子座LIP2での挿入を検証するためのLip+/Lip−表現型の分析を示す図である。 形質転換体におけるRT−qPCRによるLIP2遺伝子およびAsp遺伝子のコピーの数の判定を示す図である。
図1は「発現カセット」の標的「組み込みカセット」の構築を示す概略図である。1)特定遺伝子は発現ベクター中でクローニングされ、2)発現カセットは、I−SceIの消化によって遊離し、3)次に、さまざまな組み込みベクターの中でクローニングされ、4)組み込みカセットはNotIの消化によって遊離し、精製され、組み込み株を形質転換するために利用される。
図2はクローニングベクターの概略図である。1)クローニングベクターは強いプロモーターを含み、該プロモーターの後ろには特定遺伝子をクローニングするための唯一の制限部位と転写ターミネーターが続き、両側には発現カセットの切り出しを可能にするための稀な部位を含んでいる。2)ベースベクターpVCは部位ClaI、BamHI、KpnIおよびAvrllから構成される複数の部位を含み、LIP2遺伝子の末端配列(LIP2term)は両側に稀な部位I−Ceulを伴い、3)発現ベクターは部位ClaIおよびBamHIでクローニングされるプロモーターpPOX2を含んでおり、4)発現カセットは、特定遺伝子の複数部位でのクローニングによって、たとえばBamHI−AvrIIで得られ、発現ベクターの消化はI−CeuIによって行われる。
図3は組み込みベクターおよび標的組み込みのカセットの取得の概略図を示す図である。1)組み込みベクターは、組み込みカセットの切り出しを目的として、両側に稀な部位1を伴う挿入遺伝子座の上流領域(プロモーターという意味で領域P)と挿入遺伝子座の下流領域(末端という意味で領域T)とを含んでいる。領域PとTの間に二つの稀な部位があり、稀な部位2は選択マーカーを挿入するためであり、稀な部位3は発現カセットを挿入するためである。
図4はランダムな組み込みのための組み込みベクターの概略図である。I)プラスミド部分から発現カセットを遊離させるために使用可能な稀な部位1と、アルカン資化酵母用の選択マーカーをクローニングするための稀な部位2とを含んだベクターの概略図である。該ベクターは、部位ClaIとBamHIの間にプロモーター(ここではpPOX2プロモーター)を含み、LIP2遺伝子のターミネーターおよびランダムな組み込みのためのゼータ領域を含んでいる(増幅に関する特許参照)。JMP61の種類はLip2リパーゼのアドレッシング配列を有している。II)稀な部位1としての部位NotIおよび、マーカーURA3、LEU2、Hyg、GUT2およびADE2を挿入するために用いられる稀な部位2としての部位I−SceIによって構築された、ランダムな組み込みのための組み込みベクターの概略図である。
図5はさまざまな数の遺伝子のコピーを含んだ株におけるアスパラギナーゼの発現を示す図である。A)電気泳動ゲル10%NuPAGEでの分析とコロイダルブルーによる染色(30μlの上澄みと同等)、B)電気泳動ゲル10%NuPAGEでの分析、ならびに抗アスパラギナーゼ抗体を用いたウェスタンブロット法による移動および検出(10μlの上澄みと同等)。バンドaはグリコシル化していないタンパク質に対応し、バンドbはモノグリコシル化したタンパク質に対応する。L1はFF−luga受容株、L2は5LAsp1株:ade2::GUT2−Asp、1コピー、L3は6LAsp1株:ade2::GUT2−Asp、1コピー、L4は15LAsp2株:ade2::GUT2−Asp lip2::URA3−Asp、2コピー、L5は21LAsp2株:ade2::GUT2−Asp lip2::URA3−Asp、:2コピー、L6は1LAsp3株:ade2::GUT2−Asp lip2::URA3−Asp leu2::ADE2−Asp:3コピー、L7は2LAsp4株:ade2::GUT2−Asp lip2::URA3−Asp leu2::ADE2−Asp ura3::LEU2−Asp:4コピーである。
図6:遺伝子座URA3での挿入を検証するためのSuc+/Suc−表現型分析。遺伝子座URA3での標的組み込みカセットで得られる形質転換体をグルコース(YPD)とショ糖(YPS)の豊富な培養皿上で画線ごとにテストした。受容株Suc+FF−lug、FF−luaおよびFF−lugaを対照として用いた。
図7:遺伝子座LIP2での挿入を検証するためのLip+/Lip−表現型分析。遺伝子座LIP2での標的組み込みカセットで得られた形質転換体をオレイン酸の豊富な培地(YPD2O2)で培養した。アスパラギナーゼのさまざまなコピーを含んだ株の上澄みにおけるリパーゼ活性。受容株Lip+FF−lugaを対照として用いた。遺伝子座ADE2に1つのコピーを伴う株(ade2::GUT2−Asp):5LAsp1および6LAsp1、遺伝子座ADE2に1つのコピーと遺伝子座LIP2に1のコピーを伴う株(ade2::GUT2−Asp,lip2::URA3−Asp):14LAsp2、15LAsp2、16LAsp2、17LAsp2および21LAsp2。
図8:形質転換体におけるRT−qPCRによるLIP2遺伝子およびAsp遺伝子のコピーの数の判定。
実施例1:実施例で用いられる株
本発明の方法で用いられる株はアルカン資化酵母の野生株、とりわけYarrowia lipolytica W29(ATCC 20460、CIRM(Centre International de Ressources Microbiennes))のコレクションにおいてCLIB89に分類されている)の野生株から派生したものである。
したがって、Po1d株[ロイシン(Leu−)およびウラシル(Ura−)に対して栄養要求性の株]を介してYarrowia lipolytica ATCC 20460から派生した新規の変異株を用いることができ、該Po1d株は、G.Barth et al.の雑誌論文:Yarrowia lipolytica.in:Nonconventional Yeats in Biotechnology A Handbook(Wolf,K.,Ed.)Vol.1,1999,pp.313−388.Springer−Verlagに記載されている。該株はCIRMではCLIB139に分類されている。
これらの新規の受容株(FF−lu、FF−lug(CNCM I−3911)、FF−lua(CNCM I−3912)、FF−luga(CNCM I−3913))の取得については後で説明することにする。
株の取得
本発明の方法で使用可能な受容変異株は、Yarrowia lipolytica W29の野生株から派生した株Po1dから得ることができる。Po1d株はロイシン(leu−)およびウラシル(ura−)に対して栄養要求性の株である。該株は、G.Barth et al.の雑誌論文:Yarrowia lipolytica.in:Nonconventional Yeats in Biotechnology A Handbook(Wolf,K.,Ed.),Vol.1,1996,pp.313−388.Springer−Verlag,Berlin,Heidelberg,New Yorkに記載されている。該株はCIRMのコレクションではCLIB139に分類されている。本発明の方法で使うことのできる変異株は、栄養要求性を与える、すなわち、ある特定の培地での増殖性を欠如させる遺伝子の欠失を挿入することで得ることができ、該培地の遺伝子は欠失、可能であれば、不可逆的であり、有利には遺伝子の完全な欠失に対応する欠失であり、該遺伝子に対応する遺伝子は組み込みカセットを組み込んだ形質転換体の選択を目的とし選択マーカーとして使うことができるものである。欠失は、転換率を減少させるために、選択マーカーの構築に使われる対応するカセットと比べて大きな欠失を有することになる。
1.GUT2遺伝子の欠失(Δgut2−744)、GUT2マーカーの構築および変異株FF−lug(CNCM I−3911)の取得。
1.1 GUT2遺伝子の欠失(Δgut2−744)。
この株を得るためには以下のように進めることができる。
1)欠失させようとする特定遺伝子を選択する。
2)クローニングまたはPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)によって遺伝子の上流領域(「プロモーター」領域、Pという記号で表す)および遺伝子の下流の領域(「末端」領域、Tという記号で表す)を増幅することで破壊カセットを構築する。
3)両側に組み換え配列を含んだ選択マーカー(有利にはloxPまたはloxR配列またはその派生配列)を導入し、該配列によってマーカーを除去するために該配列中での組み換えが可能となる(有利には、リコンビナーゼcreの作用下での組み換えを可能にするloxPタイプの配列)。
4)破壊カセットによって形質転換し、欠失した特定遺伝子によって株を選択し(形質転換と形質転換体の選択)、遺伝子の破壊を検証する。
5)リコンビナーゼ(有利には、配列loxP/loxRの組み換えおよびマーカーの除去を可能にするリコンビナーゼcre)の発現を可能にするベクターによって形質転換する。
6)特定遺伝子の欠失を有し、リコンビナーゼの発現プラスミドを失っているクローンを単離する。
栄養要求性(Leu−、Ura−)の変異体FF−luから、ロイシンおよびウラシルに対して栄養要求性であり(Leu−、Ura−)、炭素源としてグリセロールを使うことのできない(gly−)アルカン資化酵母の変異株FF−lugを構築した。第一の過程は、PCR断片GUT2−PUexT(JME744)を形質転換し、YNBcasa上でUra+を選択して、破壊カセットgut2::URA3exによる遺伝子GUT2の欠失によってウラシルに対して原栄養体の(Leu−、Ura+)FF−lug::URA3株を構築することである。リコンビナーゼCreおよびマーカーLEU2(Cre−LEU2)を含んだ複製ベクターpRRQ2によって形質転換し、ウラシルに対して栄養要求性Leu+である形質転換体を選択して、マーカーURA3exを切り出すことで、ウラシルに対する栄養要求性(Leu+、Ura−)を選択した。プラスミドpRRQ2は、YPDの豊富な培地での培養およびクローンの単離(Leu−、Ura−、Gly−)によって行なわれた。
これら変異体の構築の概略は以下の表1にまとめている。
Figure 2011510671
遺伝子GUT2のための破壊カセットは、上流領域(領域P、Yali0B:1873518..1872400補充、1119bp)と下流領域(領域T、Yali0B:1870468..1869652補充、817bp)の増幅によって構築され、これによって、遺伝子の変換を最小化するために、GUT2遺伝子のORF(YaliOB1870469..1872401)の欠失が可能となり、選択マーカーGUT2ex−0.5との相同性(領域Pとは485bp、領域Tでは56bp)が残される。選択マーカーexは表11に示している。
領域Pおよび領域Tは、プライマーG3PD−P1、G3PD−P2、G3PD−T1およびG3PD−T2(表9)によって増幅した。
プライマーG3PD−P2およびG3PD−T1は、切り出し可能な選択マーカーURA3exを挿入するための稀な部位I−SceIを含んでいる。プラスミドpGEM−GUT2−PT(JME743)を与えるために断片PTをpGEM−T(Invitrogen)においてクローニングした。プラスミドJME507に由来するI−SceI部位へマーカーURA3exを挿入することで、破壊プラスミドpGEM−GUT2−PUexT(JME744)を得た。
破壊カセット(3245bp)はプライマーG3PD−P1およびG3PD−T2を用いたPCRによって得た。PCR産物は抽出ゲルのキット(Qiagen)を用いて、アガロースゲル上で精製した。株は酢酸リチウム法によって形質転換した。形質転換体Ura+は培地YNBcasa上で選択した。
形質転換体Ura+は典型的な形質転換率で得られた(Fickers,2003)。遺伝子GUT2の破壊は、領域Pの5’にあるプライマー(G3PDver1)と領域Tの3’にあるプライマー(G3PDver2)を用いて、PCRによって検証した。次に、変異体JMY1202 gut2::URA3exを複製プラスミドpRRQ2(pKS Cre ARS68 LEU2;JME461)によって形質転換した。得られた形質転換体はマーカーURA3の切り出しのためにスクリーニングし、リコンビナーゼcreの複製発現プラスミドは、YPDの豊富な培地での培養とクローン(Leu−、Ura−、Gly−)の単離によって消失した。変異体JMY1346(FF−lug)を選択した。
変異体JMY1346の遺伝子座gut2−844での配列を、プライマーG3PDver1およびG3PDver2を用いて増幅した。サイズが2415bpのPCR産物を配列決定した。得られた配列は、マーカーUra3の配列を有さないことを示した。切り出し後、ゲノム上の遺伝子座GUT2のPとTの間には、以下の配列が残った:TGCAGCTTTCGAGAACCGACGCCTGGGACCTGTGTCTGTAGGGATAACAGGGTAATTCGCTTCGGATAACTCCTGCTATAACGAAGTTATGTAGGGATAACAGGGTAAT(SEQ ID NO:11、すなわちI−SceI部位−LoxR配列−I−SceI部位)。
1.2 マーカーGUT2exの構築
マーカーGUT2exを構築するために、遺伝子座GUT2のゲノム配列をプライマーG3PTSおよびG3PTR(表8)を用いて増幅し、EcoRI部位のベクターpKS−LPR(Fickers et al.,2003,Journal of Microbiological Methods,vol.55,p:727−737)でクローニングした。該マーカーは、492bpのプロモーターと、遺伝子GUT2のORF(ORF Yali0B:1870546..1872384)および末端を132bp含み、該末端は、配列Yali0B:1872876..1870417に対応する。このORFはBamHIという2つの部位とEcoRIという1つの部位を含み、該部位はサイレント変異を導入することで、定方向突然変異によって除去した。
以下のプライマーを用いた:第一のBamHI部位(ggAtccからggCtcc)についてはG3PB1SおよびG3PB1R、第二のBamHI部位(ggatcCからggatcT)についてはG3PB2SおよびG3PB2R、そしてEcoRI部位(gaAttcからgaGttc)についてはG3PE1SおよびG3PE1Rである(表9)。
マーカーは二つの方向に挿入することができる。このマーカーGUT2ex0.5に関しては、pKS−LPRにおいてはセンス1のみが得られた。配列決定による検証の後、修飾されたマーカーGUT2ex0.5を含むプラスミドはJME792である。
マーカーGUT2ex0.5(段落1.3)から形質転換体を得る困難性のため、それぞれ1kbと1.5kbのプロモーターを含むその他二つのマーカーGUT2ex1.0およびGUT2ex1.5を構築した。これらのプロモーターはそれぞれ、プライマーP1KBおよびPNHE1とP15KBおよびPNHE1を用いてgDNA(アルカン資化酵母の株E150)から増幅した。クローニングは、pKS−LPR(脱リン酸化したEcoRI)、PCR産物(EcoRIおよびNheI)ならびにJME792に由来する修飾されたマーカーGUT2exの残り(NheIおよびEcoRI)の間の3つの経路をライゲーションすることで行った。センス1におけるマーカーGUT2ex1.0はJME919に対応し、センス2ではJME920に対応している。センス1におけるマーカーGUT2ex1.5はJME921に対応し、センス2ではJME922に対応している。
1.3 マーカーGUT2ex0.5、GUT2ex1.0およびGUT2ex1.5による形質転換。
マーカーGUT2exの使用を有効にするために、マーカーGUT2ex0.5はI−SceIの消化によってプラスミドJME792(pKS−LPR−GUT2ex0.5)から単離し、プラスミドJMP62 I−SceI(JME801)のI−SceI部位に挿入することで、プラスミドJMP62Gut2−ex0.5(JME805)を得た。
プラスミドJME805はNotIによって消化され、酢酸リチウム法で株FF−lugを形質転換するために用いた。形質転換体は、ウラシル(100mg/L)を補給したグリセロール1%のYNBcasa培地で選択した。複数回の試行の後にも、このマーカーでは形質転換体が得られなかった。
まず、本発明者らはプロモーター部分(492bp)の欠失が強過ぎるという仮説を立てた。したがって、より長いプロモーター部分を含むその他の2つのマーカー(段落1、2参照)、すなわちマーカーGUT2ex1.0およびGUT2ex1.5を構築した。同一の結果が得られた。
酵母Saccharomyces cerevisiaeでは、Δgut2株に対するグリセロールの存在下でのグルコース使用の抑制が記載されている。実際、株FF−lugは前述した2つの炭素源の存在下では成長することができない。本発明者らの形質転換方法を修正し、形質転換体を得た。この新しい形質転換方法は酢酸リチウムおよびポリエチレングルコールを用いた方法と同一のままであり(Gaillardin et al.1985)、該方法に、選択培地で形質転換を展開する前の発現過程を加えている。この発現段階は、10分間にわたる42℃での熱衝撃の後、行った。3分間、2000rpmで形質転換体を遠心分離し、TE pH8の緩衝液を2mL用いて細胞を洗浄した。この洗浄は2回繰り返した。次に、細胞は、酵母抽出物1%、ペプトン1%およびD形グルコース0.2%の培養培地にとった。
攪拌せずに、28℃で16時間にわたってインキュベーションを行った。改めて、3分間、2000rpmで遠心分離を行い、TE pH8の緩衝液を2mL用いて細胞を洗浄した。この洗浄は2回繰り返した。次に、細胞を、2mLのTEにとり、単一の炭素源としてグリセロール1%を含有する選択培地に広げた。
株FF−lugにおけるマーカーGUT2ex1.0の形質転換の結果は、以下の表2に示している。
Figure 2011510671
2.遺伝子ADE2の欠失(Δade2−844)、マーカーADE2の構築および変異株FF−lua(CNCM I−3912)およびFF−luga(CNCM I−3913)の取得。
2.1 遺伝子ADE2の欠失(Δade2−844)
これらの株を得るためには以下のように進めることができる。変異体FF−luから、株FF−lua、Leu−、Ura−、Ade−を構築し、変異体FF−lugから、株FF−luga Leu−、Ura−、Ade−、Gly−を構築する。
2.1a 栄養要求性の変異体FF−lu(Leu−、Ura−)から、ロイシン、ウラシルおよびアデニンに対して栄養要求性の(Leu−、Ura−、Ade−)アルカン資化酵母の変異株FF−luaを構築した。第一の過程は、カセットNotI PTAde2−Ura3Ex(JME844)を形質転換し、アデニン(800mg/L)を補給したYNBcasa上でUra+を選択して、破壊カセットAde2::Ura3exによるADE2遺伝子の欠失によってウラシルに対して原栄養体(Leu−、Ura+、Ade−)の株FF−lua::URA3を構築することである。リコンビナーゼCreおよびマーカーLEU2(Cre−LEU2)を含有する複製ベクターpRRQ2によって形質転換し、ウラシルに対して栄養要求性Leu+の形質転換体を選択することで、マーカーURA3exの切り出しによってウラシルに対する栄養要求性(Leu+、Ura−、ade−)を選択した。リコンビナーゼcreの発現の複製プラスミドpRRQ2の消失は、YPDの豊富な培地およびクローンの単離(Leu−、Ura−、Ade−)によって行なわれた。変異体JMY1409(FF−lua)を選択した。
2.1.b.栄養要求性であり(Leu−、Ura−)、炭素源としてグリセロールを使うことができない(Gly−)変異体FF−lugから、ロイシン、ウラシルおよびアデニンに対して栄養要求性であり(Leu−、Ura−、Ade−)、炭素源としてグリセロールを使うことができない(Gly−)アルカン資化酵母の変異株FF−lugaを構築した。第一の過程は、カセットNotI PTAde2−PUra3ExT(JME844)を形質転換し、アデニン(800mg/L)を補給したYNBcasa上でUra+を選択し、破壊カセットade2::URA3exによる遺伝子ADE2の欠失によって、ロイシンおよびアデニンに対して栄養要求性(Leu−、Ade−、Ura+)の株FF−luga::URA3を構築することである。リコンビナーゼCreおよびマーカーLEU2(Cre−LEU2)を含有する複製ベクターpRRQ2によって形質転換し、ウラシルに対して栄養要求性の形質転換体Leu+を選択することで、マーカーURA3exの切り出しによって、ウラシルに対する栄養要求性(Leu+、Ura−)を選択した。プラスミド:pRRQ2の消失は、YPDの豊富な培地での培養とクローン(Leu−、Ura−、Ade−、Gly−)の単離によって行われた。変異体JMY1404(FF−luga)を選択した。
これらの変異体の構築の概略は以下の表3にまとめている。
Figure 2011510671
遺伝子ADE2用の破壊カセット(Yali0B23188g、tr|Q9P4V1 Candida boidiniiに極めて似ている)は、ホスホリボシル−5−アミノイミダゾールカルボキシラーゼをコードし、565aa(Yali0B:3030460..3032157、センス)から取られたタンパク質だが、該カセットは、上流領域(領域P;Yali0B:3029011..3029931、920bp)と下流領域(領域T;792bp、Yali0B:3031871..3032662)の増幅によって構築され、これによって、ADE2遺伝子のORF(Yali0B:3030460..3032157)の欠失が可能となる。除去された領域は1939bp(Yali0B:3029932..3031870)であり、該領域は、遺伝子の変換を最小化するために、選択マーカーADE2exとは非常に低い相同性(領域Pとは0bp、領域Tでは415bp)しか残さなかった。マーカーADE2exは2319bpのYali0B:3029961..3032280断片の領域に対応している。選択マーカーexは表11に示している。
領域PおよびTは、以下のプライマー、P1ADE2、P2ADE2、T1ADE2、T2ADE2(表9)によって増幅した。
プライマーP2およびT1は、切り出し可能な選択マーカーURA3exを挿入するための希少な部位I−SCeIを含んでいる。プライマーT1はまた、発現カセットを挿入するための希少な部位I−CeuIも含んでいる。プライマーP1およびT2は、pHSS6−NotI(JME800)でのクローニングを行うための希少な部位NotIを含んでいる。PT断片は、NotIで消化したJME800でクローニングし、脱リン酸化することで、向き1(センス1、JME813)または向き2(センス2、JME814)のプラスミドpADE2−PTを産生させた。方向は、部位I−SceIの方向にしたがって決定される。すなわち、センス方向のI−SceI部位に対するセンス1あるいは補完方向のI−SceI部位に対するセンス2である。破壊プラスミドpPTAde2−Ura3Ex(JME844)は、プラスミドJME813のI−SceI部位にマーカーURA3exを挿入することで得た。
NotIの消化と3089bpのバンドを精製することで破壊カセットを得た。株Po1dは酢酸リチウム法によって形質転換した。形質転換体Ura+は、アデニン(100mg/L)を補給したYNBcasa培地で選択した。栄養要求性の補完に必要な、用いられる典型的な濃度は、一般的に、100から200mg/Lの間に含まれる。
形質転換体Ura+は低い形質転換率、DNAのマイクログラムあたりおよそ50個の形質転換体という率で得られ、形質転換体の分析によって、該形質転換体がura3−302マーカーの変換を含み、遺伝子ADE2の欠失は含まないことが明らかになった。
アデニンの濃度を徐々に高めて複数回の破壊試験を行った。DNAのμgあたり103個の形質転換体より高い形質転換率を得るためには、培地中に400mg/Lより高いアデニンの濃度が必要である。補完のために用いた濃度は800mg/Lであった。
ADE2遺伝子の破壊を有する形質転換体が得られたのはこれらの条件によってのみであった。S.cerevisiaeとは逆に、Ade−株はバラ色ではなかった。逆に、アルカン資化酵母のAde−クローンは数日後にペトリ皿の上で栗色になっており、液体培地では上澄みは栗色であった。形質転換体または発現カセットの組み込みを同定するために利用可能な表現型は遺伝子座ADE2にうまく組み込まれた。
遺伝子座ade2−844の配列の検証。遺伝子座ade2−844の配列は、プライマーver1ade2およびver2ade2(表9)を用いて増幅した。サイズが2204bpのPCR産物を配列決定した。得られた配列は、マーカーURA3の配列がないことを示した。さらに、この検証によって、破壊カセットPUexTの5’と3’にあるNotI部位の組み込みがないことが示された。切り出し後、ゲノム上の遺伝子座ade2のPとTの間には、以下の配列が残った:TAGGGATAACAGGGTAATTATCGCTTCGGATAACTCCTGCTATACGAAGTTATGTAGGGATAACAGGGTAATTAACTATAACGGTCCTAAGGTAGCGA(SEQ ID NO:12)、すなわちI−SceI−LoxR−I−SceI−I−CeuIという部位である。
2.2 マーカーADE2exの構築
マーカーADE2exを構築するために、プライマーADE2SおよびADE2Rを用いて遺伝子座ADE2のゲノム配列を増幅し、EcoRI部位のベクターpKS−LPR(Fickers et al.,2003,Journal of Microbiological Methods,vol.55,p:727−737)でクローニングした。該マーカーは、500bpのプロモーターと、ADE2遺伝子のORF(Yali0B23188g)および125bpの末端を含み、該末端は、配列Yali0B:3029961..3032280、すなわち2319bpに対応する。ADE2遺伝子のORFにあるEcoRI部位は、プライマーADE2ESおよびADE2ER(表9)による定方向突然変異によってgaaTcをgaatCcに修飾することで除去した。この修飾された塩基がATTからATCへのサイレント変異を創出した。
マーカーは二つの方向に挿入することができる。センス1におけるマーカーADE2exはJME798に対応し、センス2ではJME799に対応する。
2.3 マーカーADE2exによる形質転換
マーカーADE2exの使用を試験するために、I−SceIの消化によってマーカーADE2exをプラスミドJME798(pKS−LPR−ADE2)から単離し、プラスミドJMP62 I−SceI(JME793)のI−SceI部位に挿入することで、プラスミドJMP62ADE2ex(JME862)を得た。
プラスミドJME862はNotIによって消化され、酢酸リチウム法で株FF−luaを形質転換するために用いた。形質転換体は、ウラシル(100mg/L)およびアデニンを補給したYNBcasa培地で選択した。参考文献では、Ade−変異体におけるさまざまな種の酵母が一般に記載されており、選択培地は、100から200mg/Lの濃度のアデニンを補給されている。本発明の場合、先述したAde−変異体については、形質転換体の正しい増加のために必要な濃度は800mg/Lであった。これらの条件において、マーカーURA3で得られる形質転換率と似た形質転換率が得られた。
3.遺伝子LEU2の欠失(マーカーΔleu2−958)、変異株FF2−lu、FF−2lug、FF2−luaおよびFF2−luagの取得およびマーカーLEU2ΔBamHIの構築。
3.1 遺伝子LEU2の欠失(Δleu2−958)
これらの株を得るためには以下のように進めることができる。変異体FF−luから、株FF2−lu、Leu−、Ura−を構築する。同様に、欠失Δleu2−958を有するFF−lua、FF−lug、FF−luagの派生株も構築することができる。変異体FF−luaから、株FF2−lug、Leu−、Ura−、gly−を構築することができ、変態FF−luaから、株FF2−lua、Leu−、Ura−、ade−を構築することができ、そしてFF−luagから、株FF2−luag、Leu−、Ura−、ade−、gly−を構築することができる。
たとえば、変異体FF−luから、遺伝子マーカーleu2−270に対するよりも強い遺伝子LEU2の欠失を有する、対応するアルカン資化酵母の変異株を構築した。第一の過程は、このマーカーを含有するプラスミドpPTLeu2−Ura3Ex(JME958)に由来するNotIカセットを形質転換し、YNBcasa上でUra+を選択し、破壊カセットleu2::URA3exによる遺伝子leu2−270を欠失させることで、ウラシルに対して栄養要求性(Leu−、Ura+)の株FF2−lu::URA3を構築することである。リコンビナーゼCreおよびマーカーLEU2(Cre−LEU2)を含んだ複製ベクターpRRQ2によって形質転換し、ウラシルに対する栄養要求性形質転換体Leu+を選択し、マーカーURA3exの切り出しを行うことで、ウラシルに対する栄養要求性(Leu+、Ura−)を選択した。プラスミドpRRQ2の消失は、YPDの豊富な培地での培養とクローン(Leu−、Ura−)の単離によって行なわれた。変異体FF2−lua、FF2−lugおよびFF2−lugaを得るために同じ方法を使うことができる。
変異体FF2−luの構築の概略図は以下の表4にまとめている。
Figure 2011510671
遺伝子LEU2のための破壊カセットは、上流領域(領域P:Yali0C44989..Yali0C46081,1092bp)と下流領域(領域T;Yali0C47036..Yali0C47932,897bp)を増幅することで構築し、これによって、遺伝子LEU2のORF(Yali0C46082..Yali0C47035,954bp)を欠失させることが可能となり、遺伝子の変換を最小化するために、選択マーカーLEU2exとの非常に低い相同性(領域Pとは0bp、領域Tでは207bp)しか残さなくなった。選択マーカーLeu2Exは、遺伝子マーカーleu2−270とは強い相同性(領域Pとは401bp、領域Tでは710bp)を示したが、これは、該遺伝子マーカーが遺伝子LEU2の681bpのStuIの単純な欠失に対応するからである。選択マーカーexは表11に示している。
領域PおよびTは、プライマーP1Leu2、P2Leu2、T1Leu2およびT2Leu2(表9)によって増幅した。
切り出し可能な選択マーカーUra3exを挿入するために、プライマーP2およびT1は、稀な部位I−SceIを含んでいる。第一のプライマーT1は、発現カセットを挿入するための稀な部位I−CeuIも含んでいる。プライマーP1およびT2は、pHSS6−NotI(JME800)でのクローニングのために稀な部位NotIを含んでいる。PT断片は、NotIによって消化されたJME800においてクローニングし、向き1(センス1、JME811)または向き2(センス2、JME812)にあるプラスミドpLeu2−PTを得るために脱リン酸化した。方向は、I−SceI部位の方向にしたがって決定される。すなわち、センス方向にあるI−SceI部位に対するセンス1あるいは補完方向にあるI−SceI部位に対するセンス2である。破壊プラスミドpPTLeu2−Ura3Ex(JME958)は、プラスミドJME811のI−SceI部位へのマーカーUra3exの挿入によって得た。
破壊カセットはNotIの消化および3351bpのバンドの精製によって得られた。株は酢酸リチウム法によって形質転換した。形質転換体Ura+はYNBcasa培地で選択した。
3.2 マーカーLEU2n(LEU2exΔBamHI)の構築
発現カセットと組み込みカセットを構築するためには、選択マーカーは特定遺伝子をクローニングするために使われる単一の部位(BamHI、HindIII、KpnIおよびAvrII)を含んでいてはならない。マーカーLEU2n(LEU2exΔBamHI)を構築するために、ggaatTからggaatCへの修飾をもたらし、ApaI部位(表9)を有するリンカーを生成するためにプライマーLeu2−L1およびLeu2−L2を用いた。プラスミドpKS−LPR−Leu2(JME509)は、一方ではApaIとScaIによって消化され、他方ではBamHIおよびScaIによって消化された。1471bpのバンドApaI−Scalおよび3300bpのバンドBamHI−ScaIをアガロースゲル上で精製した。これら2つのバンドにリンカーLeu2L1/Leu2L2を加えて、3つの経路のライゲーションを行った。修飾されたLEU2nである、新しいマーカーLEU2exΔBamHI(JME790)を含んだプラスミドを得た。
4.切り出し可能なさまざまなマーカーを用いたランダムな単コピーの組み込みシステムの開発
切り出し可能なさまざまな既存のマーカーおよび本発明で得られるマーカー(表11)から構築を行った。
まず、本発明者らはI−SceIと名付けた2つのベースベクター、すなわちJMP61 I−SceIおよびJMP62 I−SceIを構築した。切り出し可能なマーカーLEU2を含有するベクターJMP61 leu2ExおよびJMP62 leu2Exから、プライマー対、62claSおよび62claR(表9)を用いてプラスミド全体のPCRを行った。
定方向突然変異を行うことを可能にするStratageneのキット「QuikChange(登録商標)Site−Directed Mutagenesis Kit」を用いた。原理は、PCRによる増幅に基づいており、PCR産物の変異を強制的に引き起こすために特異的に構築されたプライマーが用いられる。短い挿入/欠失または点突然変異のために慣習的に用いられているため、我々はI−SceI部位でプラスミドの再環化によってマーカーLeu2Exを除去するために、この原理を用いた。これら2つのプライマーを、I−SceI部位の上流にあるプラスミドJMP61 Leu2Exに含まれる部位BamHIおよびAvrIIを除去し、この唯一の部位によるプロモーターの交換を可能にするようにClaI部位を修復するためにもまた構築した。次に、得られたPCR産物は親菌糸の除去を可能にする制限酵素DpnIによって消化した。該親菌糸は大腸菌の株dam+に由来するもので、メチル化されており、新しく形成された菌糸とは異なり、酵素DpnIによって特異的に認識され、消化されるものである。形質転換およびスクリーニングの後、ベクターJMP61 I−SceIおよびJMP62 I−SceI(表12)を得た。
その他の構築(表12)もこれら2つのプラスミドから行った。ライゲーションは、I−SceIによって消化され、脱リン酸化されたプラスミドと、対応するプラスミドpKS−LPR(表11)から切り出し可能なさまざまなマーカーの精製されたバンドI−SceIを用いて行った。切り出し可能なマーカーLeu2については、マーカーLEU2n(Leu2ΔBamHI)を含んだプラスミドJME790を用いた。
Figure 2011510671
5.ベースベクター、クローニングベクターおよび発現ベクターの構築。
5.1 ベースベクターおよびクローニングベクター。
ベースクターの構築は、プラスミドpHSS6に由来する大腸菌の連絡部分を保存しながらベクターJMP62から行なわれた。ベクターJMP62をNotIによって消化した後、大腸菌の複製起点とカナマイシンに対する耐性を含んだ2210bpのバンドを単離し、精製し、そして、pHSS6−NotI(JME800)と名付けたベースベクターを形成するために再びライゲーションした。
ベースベクターから、2つのリンカーと、JMP62ベクターに含まれるアルカン資化酵母のLIP2リパーゼの末端配列を含んだPCR断片とをライゲーションすることでクローニングベクター(図2)を構築した。リンカーは5’にあるリン酸化プライマー対、すなわち、プライマーリンク1および11を伴うリンカー1と、プライマーリンク2および22を伴うリンカー2(表10)を合成することで構築した。これらのリンカーは、プロモーターの挿入のためにそれぞれClaIとBamHIという部位を含み、特定遺伝子を挿入するためにBamHI/HindIIIおよびSacII/KpnI/AvrIIという部位を含んだクローニングのための複数の部位を生成する。また、ATGの−4と−1に「コンセンサス」配列C−4 A C A−1を導入した。この配列は強く発現するタンパク質をコードするアルカン資化酵母の遺伝子のためにある。したがって、この配列を用いた発現のために、特定遺伝子のクローニングは、HindIIIによって、5’にあるBamHIによるこの配列なしで行った。LIP2の末端配列を含んだPCR断片(840bp)は、プライマーPOX2XhoおよびLip2Thcを用いて得られた。この断片は、LIP2の末端配列しか含まない179bpの断片を得るために、AvrIIおよびNotIによって消化した。AvrIIとHincIIによるこれら末端配列の交換が可能となるように特異的部位HincIIを付加した。複数の部位と末端配列の両側に制限酵素I−CeuIの2つの稀な部位を導入した。この二重の部位I−CeuIによって、組み込みベクターにおいてクローニングを行うために発現カセットを単離し、精製することが可能となる。
pVCと名付けたクローニングベクター(JME829)を得るために、2つのリンカー、179bpのバンドAvrII/NotI、そして脱リン酸化したベースベクターpHSS6 NotIによって3つの経路のライゲーションを行った。
5.2 発現ベクター。
発現ベクターは、ClaIおよびBamHIによって消化されたクローニングベクターpVCから構築した。縮小したプロモーターpPOX2(1017bp)を単離し、ベクターJMP62(表12)のClaIおよびBamHIによって消化した後、精製した。pVCとプロモーターpPOX2のライゲーションは、pVC−pPOX2(JME830)と名付けた発現ベクター(表6)を得るために行った。
Figure 2011510671
6.挿入遺伝子座の選択と組み込みベクターの構築の原理。
我々は以下のさまざまな遺伝子座を選択した。
6.1 遺伝子座Leu2−270
この遺伝子座は単純な「交差」による相同組み込みの標的として使われることが多いが(Bordes et al,2007)、このゲノムマーカーを用いると高い変換率(該変換は401bpの5’領域(Yali0C:46411..46537)と710bpの3’領域(Yali0C:46528..46948)を残す、681bpのStuIの小さな欠失に対応する)が得られ、該変換率によって、本発明者らのベクターで用いられる選択マーカーLEU2との二重の組み換えが可能となる。したがって、このマーカーを含んだ発現カセットの形質転換の際に、一般的に高い変換率が観察される。本発明者らは、変換率を最小化するために、5’と3’にあるこれらの相同領域を除去するように、最初の過程で発現カセットを遺伝子座leu2−270に挿入することにした。こうして、他方の遺伝子座にマーカーLEU2を含んだ新しい発現カセットを挿入した際、変換率は大きく減少した。そうでなければ、第3章で説明したように、マーカーleu2−958を用いて株を構築することもできる。
6.2 遺伝子座Ura3−320
二重交差によって行った欠失は、5’位に21bp(Yali0E:3171873..3171893)、3’位に108bp(Yali0E:3175134..3175241)しか残さない。欠失された断片(695bp)は以下の発現カセットによって置換した:遺伝子XPR2のプロモーターおよび逆方向のSaccharomyces cerevisiaeのインベルターゼをコードしているSUC2遺伝子(3240bp、Yali0E:3171894..3175133)である。この遺伝子座Ura3−320への組み込みによって、産生株においてS.cerevisiaeに由来するSUC2遺伝子を除去し、図6に記載したように、形質転換体Suc−(単一の炭素源としてショ糖しか含まない培地での増殖がない)の簡単かつ迅速なスクリーニングを行うことが可能となる。
6.3 遺伝子座Lip2
遺伝子LIP2はアルカン資化酵母のLip2pリパーゼをコードしている。その発現は脂肪酸およびトリグリセリドの存在下で誘発される(Pignede et al.,2000)。本発明では、特定のタンパク質の発現が、強力で誘発可能なプロモーターpPOX2の下に置かれる。このプロモーターもまた、オレイン酸のような脂肪酸によって誘導することができる。遺伝子座LIP2に組み込むことによって、LIP2遺伝子を無効化することができ、産生時に培養物の上澄みにおいてリパーゼLip2pの発現をなくすことができる。さらに、このことによって、形質転換体Lip2−の簡単で迅速なスクリーニングを行うことも可能となる(寒天培地上で見えるトリブチリンの乳化液の劣化がないこと、または、図7に記載したように、培養物の上澄みにおいてリパーゼの活性がないこと)。
6.4 遺伝子座Ade2
本発明では、新規の株Ade−ならびに選択マーカーAde2exを構築した。ADE2遺伝子を破壊するために配列PおよびTを増幅した。したがって、これら同一の配列を組み込みベクターで用いた。このように、この遺伝子座についてはいかなる補助的な構築も必要ではなかった。
用いられる受容株がFF−lugであれば、遺伝子座ADE2への挿入によって株はAde−となり、このことは、新しい栄養要求性を創出し、該栄養要求性は特定遺伝子の補助的なコピーを導入するために使うことができる。この破壊はまた、迅速に識別できる表現型に関連している(ペトリ皿の栄養豊富な培地上で破壊されたコロニー栗色への染色、培養培地栗色への染色)。
このリストまたはこれらの遺伝子座/マーカーの組み合わせは網羅的ではない。その他のあらゆる組み合わせが可能であり、好ましくは、遺伝子座の破壊によって迅速に視覚可能な表現型を創出する遺伝子座を用いた組み合わせであり、該表現型によって、遺伝子座に発現カセットを正しく組み込んだ形質転換体の迅速なスクリーニングが可能となる。その他の遺伝子座およびその他のマーカーを選ぶことができ、またその他の組み合わせを行うこともできる。
6.5 組み込みベクターの構築の原理
組み込みベクターの構築の原理は図3に記載している。所定の遺伝子座へ組み込むためのさまざまなカセットを同一の方法によって構築した。株E150のgDNAから、破壊すべき遺伝子のPと名付けたプロモーター部分とTと名付けた末端部分を増幅した。アルカン資化酵母において効果的な二重の相同組み換えを得るためには、断片PおよびTは、好ましくは800bpと1000bpの間に含まれるサイズを有していなければならない。用いるプライマーは、遺伝子座の名称にならって、断片PについてはP1/P2と名付け、断片TについてはT1/T2と名付けた(表9)。プライマーP1およびT2は、ベースベクターpHSS6−NotIにおけるクローニングを可能にし、また発現カセットの遊離を行うために、ここでは部位NotIである稀な部位1を含んでいる。プライマーP2およびT1は二つの異なる稀な部位、ここでは部位I−SceIとI−CeuIである稀な部位2および3をそれぞれ含んでおり、該部位によって、2つの断片のPCRによる融合と、ここではI−SceI部位である稀な部位2にある選択マーカーと、ここではI−CeuIである稀な部位3にある発現カセットの、後のクローニングが可能となる。PCRによる融合はしたがって、精製された2つの断片PおよびTと、プライマー対P1/T2の混合物から行われる。得られた断片PTはNotIによって消化され、次に、NotIによって消化されたベクターpHSS6におけるライゲーションによってクローニングされ、脱リン酸化される。組み込みベクターは遺伝子座の名前にならってpPTと名付けている(表7)。
さまざまな遺伝子座の断片PおよびTの説明。
遺伝子座Leu2−270:二重の相同組み換えのために増幅された領域は、領域Pについては1092bp(Yali0C:44989..46081)、領域Tについては897bp(Yali0C:47036..47932)である。除去されることになる領域は954bp(Yali0C:46082..47035)である。この領域は、マーカーLeu2の領域5’の全部(401bp)と領域3’の一部(503bp)を除去する。マーカーLeu2の領域3’の207bpの相同性が残る。
遺伝子座Ura3−302:二重の相同組み換えのために増幅された領域は、領域Pについては1197bp(Yali0E:3170698..3171894)、領域Tについては1013bp(Yali0E:3175412..3176424)である。除去されることになる領域は3516bp(Yali0E:3171895..3175411)である。この領域は、発現カセットpXPR2+SUC2の全部と、マーカーUra3の領域3’(280bp)を除去する。マーカーUra3の領域5’の200bpの相同性が残る。
遺伝子座Lip2:二重相同組み換えのために増幅された領域は、領域Pについては1123bp(Yali0A:2185897..2187019)であり、領域Tについては961bp(Yali0A:2187883..2188843)である。除去されることになる領域は863bp(Yali0C:2187020..2187882)である。この領域は、遺伝子LIP2の全体をほとんど除去する。LIP2遺伝子の148bpの領域3’の相同性が残る。
遺伝子座Ade2:二重の相同組み換えのために増幅された領域は、領域Pについては920bp(Yali0B:3029011..3029931)であり、領域Tについては792bp(Yali0B:3031871..3032662)である。除去されることになる領域は1939bp(Yali0B:3029932..3031870)であり、該領域は遺伝子の変換を最小化するために、選択マーカーADE2exとの非常に弱い相同性しか残さない(領域PとはObp、領域Tにおいては415bp)。
各遺伝子座について、領域PおよびTは、遺伝子座の名称にならってP1/P2およびT1/T2と名付けられたプライマー対を用いて増幅した(表9)。次に、PTの融合はP1/T2の対を用いて行った。
これらのベクターpPTから、さまざまな切り出し可能なマーカーをI−SceI部位でのクローニングによって導入した。この部位によってマーカーの方向付けられたクローニングが可能となる。我々は、発現カセットの逆方向にマーカーを方向付けることにした。得られた組み込みベクターは遺伝子座の名称と挿入された切り出し可能なマーカーの名称にならってpPTと名付けている(表7)。
遺伝子座/マーカーの組み合わせは例として示しているだけであり、さまざまな組み合わせが可能である。
Figure 2011510671
7.特定タンパク質の発現のための組み込みベクターの構築の原理。
特定遺伝子のクローニングは、クローニングの2つの過程だけで行う。第一の過程は、プロモーターPOX2の制御下でベクターpVC−特定遺伝子を得るための、発現ベクターpVCでのサブクローニングである(たとえばプロモーターhp4dまたは誘導プロモーターのような、その他の強いプロモーターも構成的に使うことができる)。このベクターpVC−特定遺伝子は、発現カセットを単離し、精製するためにI−CeuIによって消化される。第二の過程は、組み込みベクターにおけるこの発現カセットI−CeuIのクローニングである。組み込みカセット/発現カセットは、アルカン資化酵母における形質転換の前、NotIによる消化の後に単離し、精製する(図3)。
アルカン資化酵母から産生されない治療用特定タンパク質をコードする遺伝子を標的挿入するための、組み込み/発現カセットの構築と利用。
Erwinia chrysanthemiのL−アパラギナーゼタンパク質を例にとる。
このタンパク質をコードする遺伝子を、部位HindIII/AvrIIにあるベクターpVC−pPOX2に導入する。このため、LIP2プレプロ配列と、L−アスパラギナーゼタンパク質の成熟形態をコードする遺伝子配列の部分の間でPCRによる融合を行った。PCRは、LIP2のプレプロ配列を増幅するためにはLip2プレプロプライマーとLip2KRプライマーで行い、成熟タンパク質をコードする配列を増幅するためにはLaspsensプライマーおよびLasprevプライマーを用いて行った。次に、得られた2つのPCR産物を混合し、Lip2プレプロプライマーとLasprevプライマーの融合を行った。
pCV−pPOX2において融合産物のクローニングを行うために、Lip2プレプロプライマーはHindIII部位を含み、LasprevプライマーはAvrII部位を含んでいる。こうして、L−アスパラギナーゼタンパク質の発現カセットを含んだベクターpVC−pPOX2−プレプロLip2−LAsp(JME898)が得られる(表8)。
このベクターから、制限酵素I−Ceulによる消化によって発現カセットを抽出し、精製した。次にこのカセットをI−CeuI部位にあるさまざまな組み込みベクターでクローニングした。得られたさまざまな組み込みベクター/発現ベクターは表8に示している。
Figure 2011510671
組み込み/発現カセットは、さまざまな組み込み/発現ベクターの制限酵素NotIの消化によって得られた。次に、大腸菌の外来性DNAの配列を除去するために、これらのカセットを抽出し、精製した。
アルカン資化酵母におけるL−アスパラギナーゼタンパク質の組み込み/発現カセットの形質転換。
たとえば、L−アスパラギナーゼの発現カセットの4つのコピーを連続して株FF−lugaの前述した4つの遺伝子座に導入することができる。
1 第一のコピーの遺伝子座ADE2への挿入。
ベクターJME941に由来する組み込み/発現カセットPTAde2−Gut2−1.0Ex−LAspを用いて株FF−lugaを形質転換することで、第一の発現カセットを遺伝子座ADE2に導入した。形質転換体の選択は、ウラシルおよびアデニンを補給し、唯一の炭素源として1%のグリセロールを含有する選択培地YNBcasa上で行った。得られた形質転換体は同じ選択培地で単離し、遺伝子座への組み込みは、組み込み配列の上流および下流にあるプライマーVer1ade2およびVer2ade2を用いてPCRによって検証した。
得られた形質転換率は形質転換されたDNAのμgあたり8.2×10個の形質転換体であった。遺伝子座Ade2への組み込みのPCRによる検証によって、100%の形質転換体がこの遺伝子座にLAsp発現カセットを組み込んだことが示された。
5LAsp1および6LAsp1と名付けた2つの形質転換体を保存した(表5)。名称の最初にある数字は形質転換体の番号であり、名称の最後にある二番目の数字は発現カセットLAspのコピーの数を示している。
2 遺伝子座LIP2への第二のコピーの挿入。
第二の発現カセットは、ベクターJME927に由来する組み込み/発現カセットPTLip2−Ura3Ex−LAspを用いて形質転換体5LAsp1を形質転換することで遺伝子座LIP2に導入した。形質転換体の選択は、アデニンを補給し、唯一の炭素源として1%のグルコースを含有する選択培地YNBcasaにおいて行った。得られた形質転換体はこの同じ選択培地で単離し、遺伝子座への組み込みは、組み込み配列の上流および下流にあるプライマーVer1lip2およびVer2lip2を用いてPCRによって検証した。
得られた形質転換率は、形質転換したDNAのμgあたり、1.1×10個の形質転換体であった。PCRによる遺伝子座LIP2への組み込みの検証によって、75%の形質転換体がこの遺伝子座に発現カセットLAspを組み込んだことが示された。そうでなければ、遺伝子座LIP2への発現カセットの組み込みの検証は、図7に示したようなリパーゼ活性の測定によって行うことができる。
14LAsp2、15LAsp2、16LAsp2、17LAsp2および21LAsp2と名付けた5つの形質転換体を保存した(表5)。
3 遺伝子座LEU2への第三のコピーの挿入。
第三の発現カセットは、ベクターJME926に由来する組み込み/発現カセットPTLeu2−Ade2Ex−LAspを用いて形質転換体15LAsp2を形質転換することによって遺伝子座LEU2に導入した。形質転換体の選択は、唯一の炭素源として1%のグルコースを含有する選択培地YNBcasa上で行った。得られた形質転換体はこの選択培地で単離し、遺伝子座への組み込みは、組み込み配列の上流および下流にあるプライマーVer1leu2およびVer2leu2を用いてPCRによって検証した。
得られた形質転換率は、形質転換されたDNAのμgあたり1.6×10個の形質転換体であった。PCRによる遺伝子座LEU2への組み込みの検証によって、20%の形質転換体がこの遺伝子座に発現カセットLAspを組み込んだことが示された。
1LAsp3と名付けた1つの形質転換体を保存した(表5)。
4 遺伝子座URA3への第四のコピーの挿入。
第四の発現カセットは、ベクターJME923に由来する組み込み/発現カセットPTUra3−Leu2nEx−LAspを用いて形質転換体1LAsp3を形質転換することによって遺伝子座URA3に導入した。形質転換体の選択は、唯一の炭素源として1%のグルコースを含有する選択培地YNBにおいて行った。得られた形質転換体はこの同じ選択培地上で単離し、遺伝子座への組み込みは、組み込み配列の上流および下流にあるプライマーVer1Ura3およびVer2Ura3を用いてPCRによって検証した。
得られた形質転換率は形質転換されたDNAのμgあたり5.25×10個の形質転換体であった。遺伝子座URA3への組み込みのPCRによる検証によって、87%の形質転換体がこの遺伝子座にLAsp発現カセットを組み込んでおり、87%の形質転換体がUra−であることが示された(図6)。
2LAsp4と名付けた1つの形質転換体を保存した(表5)。
この最後の株は確かに少なくとも一つの追加のコピーを含んでいる(図5(電気泳動ゲル)および図8(RT−qPRCによる定量)参照)。
5 挿入手順の変形例。
本発明は以下の過程にしたがって実施することができる。第一に、(たとえば)4つの形質転換体を順に構築する。第二に、さまざまなマーカーを用いて挿入物のスクリーニングを行う。そこから、Cre−loxシステムを実施しなければ、組み込むべきコピーと同じだけの異なったスクリーニングシステムを保持する利点がある。
組み込まれたコピーの数にしたがったL−アスパラギナーゼの発現の分析。
1個から4個のコピーを含んだ、得られたさまざまな形質転換体による産生について、L−アスパラギナーゼの発現を分析した。産生は、酵母エキス1%、バクトトリプトン2%、グルコース1%、pH6.8、50mMのリン酸ナトリウム緩衝液およびオレイン酸乳化液2%で構成された栄養豊富な25mLの培地(Y1T2D1O2と名付けた)を含有する250mLの小瓶で行った。オレイン酸がプロモーターpPOX2の誘導剤の役割を果たした。発現は、培養の上澄みに基づき、変性条件および還元性条件の下で電気泳動ゲルによって分析した。電気泳動ゲルはコロイダルブルーによる染色と、L−アスパラギナーゼに対するウサギのポリクローナル抗体を用いたウェスタンブロット法によって標識した。この分析の結果は図5に示している。
遺伝子座URA3への組み込み/発現カセットの挿入によって得られた形質転換体のペトリ上でのスクリーニング。
前述のように、遺伝子座URA3への挿入によってS.cerevisiaeのインベルターゼをコードしている相同遺伝子SUC2を除去することが可能となる。発現カセットを組み込んだ形質転換体はこのときSuc2−となる。該形質転換体は、唯一の炭素源としてのショ糖上では発生できなくなる。形質転換体を、YPD(グルコース1%)とYPS(ショ糖1%)という2つの栄養豊富な培地に画線状に広げた。この分析の結果は図6に示している。このスクリーニングによって、プライマーVer1Ura3およびVer2Ura3を用いたPCRによる分析で得られた結果を確証することができた。
遺伝子座LIP2への組み込み/発現カセットの挿入によって得られた形質転換体のスクリーニング。
前述のように、遺伝子座LIP2への挿入によって、アルカン資化酵母の細胞外リパーゼlip2pをコードしている遺伝子LIP2を除去することが可能となる。発現カセットを組み込んだ形質転換体はこのときLip2−となっている。オレイン酸のような誘導剤を含んだ培地での産生の際、形質転換体は培養の上澄みでリパーゼを分泌しなくなっている。スクリーニングは28℃での48時間にわたるY1T2D1O2産生培地での培養と180rpmでの攪拌によって行った。上澄みの中のリパーゼの存在は、20μLの上澄みに基づくマイクロプレート上での酵素試験によって検出された。この分析結果は図7に示している。このスクリーニングによって、プライマーVer1Lip2およびVer2Lip2によるPCRによる分析で得られた結果を確証することができた。
RT−qPCRで得られた形質転換体の分析。
組み込まれたコピーの数は、L−アスパラギナーゼをコードしている遺伝子の単位複製配列(150bp)をリアルタイム定量PCRによって特異的に定量することによって分析することができる。得られた形質転換体のgDNAから、L−アスパラギナーゼをコードする遺伝子に特異的なプライマーLAsp1およびLAsp2と、アルカン資化酵母のアクチンをコードしている遺伝子に特異的なプライマーAct4およびAct5を用いてRT−qPCRを行った。このRT−qPCRはLightCycler Faststart DNA Master SyBR Green I(Roche)というキットを用いて行った。アクチンの単位複数配列は、ハウスキーピング遺伝子と呼ばれる遺伝子であってもよく、該遺伝子の発現は、試験した条件間で修飾されないことで知られており、本発明の場合、ゲノム中で唯一のコピーとして存在した遺伝子であった。このように、この単位複製配列によって結果を標準化した。また、遺伝子座LIP2に組み込まれた第二の発現カセットから遺伝子の不在を検証するために、アルカン資化酵母のリパーゼLip2pをコードしている遺伝子に特異的なプライマーLip2−1およびLip2−2を用いてRT−qPCRも行った。この分析の結果は図8に示している。
Figure 2011510671
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欧州特許第0138508号明細書 国際公開第00/012729号

Claims (20)

  1. ヤロウイア株のゲノムにおいて、特定遺伝子の少なくとも三つのコピーを標的組み込みするための方法であり、該方法は、
    a)少なくとも三つの遺伝子において欠失を含むヤロウイア株を培養する過程であり、これら少なくとも三つの遺伝子が互いに独立して、これらの欠失のそれぞれに関連する表現型が前記株に対する栄養要求性または優性形質に対応することを特徴とする過程と、
    b)栄養要求性および/または優性形質を有する前記ヤロウイア株を、選択マーカーを含んだ少なくとも三つの組み換えベクターによって形質転換する過程であり、該選択マーカーによって、前記ヤロウイア株に対して、前記欠失のそれぞれから生じる栄養要求性および/または優性の表現型を補完することが可能となり、該組み換えベクターがそれぞれ、
    i)前記特定遺伝子の配列と、
    ii)選択マーカーと、
    iii)前記特定遺伝子の配列と前記選択マーカーを囲む二つのDNA配列であり、該二つのDNA配列が、前記ヤロウイア株のゲノムにおける標的組み込みのための部位の端部に対応する配列に対して相同的であることによって、相同組み換えによって前記組み換えベクターの標的組み込みが可能となるようになっている二つのDNA配列、
    を含んでいる形質転換の過程と、
    c)最小培地において、前記少なくとも三つの組み換えベクターを組み込んだ酵母を選択する過程、
    を含んでいる方法。
  2. 欠失を有し、栄養要求性の表現型または優性形質の表現型に関連する欠失を有する遺伝子が、
    −栄養要求性のマーカーについては、遺伝子URA3、LEU2、GUT2、ADE2、HISおよびLYS5から選択され、
    −優性形質については、ハイグロマイシン耐性遺伝子HPH(HYG)と、遺伝子MDR3、KanMXおよびTn5bleから選択され、HYGが最も好ましい遺伝子である、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の標的組み込み方法。
  3. 欠失を有する遺伝子が栄養要求性の表現型に関連し、好ましくは遺伝子URA3、LEU2、GUT2およびADE2から選択されることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の標的組み込み方法。
  4. 過程b)において、前記ヤロウイア株のゲノムにある標的組み込み部位が、遺伝子URA3、LEU2、ADE2、LIP2、LIP7、LIP8、AXP、GUT2およびXPR2から選択されることを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の標的組み込み方法。
  5. 過程b)において、前記ヤロウイア株のゲノムにある標的組み込み部位が、遺伝子URA3、LEU2、ADE2、LIP2、LIP8およびAXPから選択されることを特徴とする、請求項4に記載の標的組み込み方法。
  6. ヤロウイア株の形質転換過程b)と最小培地での選択過程c)が、前記少なくとも三つの組み換えベクターのそれぞれについて別々に行われることを特徴とする、請求項1から請求項5のいずれか一つに記載の方法。
  7. 過程b)において、少なくとも三つの組み換えベクターを用いた形質転換が、組み換えベクターのそれぞれとは独立して、そして連続的に行われ、あるいは、前記組み換えベクターの全体を用いて同時に行われ、また、これらの形質転換の全体の後に、最小培地における、前記組み換えベクターの全体を組み込んだ酵母の選択過程c)が続くことを特徴とする、請求項1から請求項5のいずれか一つに記載の標的組み込み方法。
  8. 前記株がアルカン資化酵母の株であることを特徴とする、請求項1から請求項7のいずれか一つに記載の方法。
  9. 前記ヤロウイア株がそれぞれ独立して栄養要求性の表現型または優性形質の表現型に関連する欠失を有する三つの遺伝子を含み、好ましくは遺伝子URA3、LEU2、GUT2およびADE2から選択されることを特徴とする、請求項1から請求項8のいずれか一つに記載の方法。
  10. 前記ヤロウイア株がそれぞれ独立して栄養要求性の表現型または優性形質の表現型に関連する欠失を有する四つの遺伝子を含み、好ましくは遺伝子URA3、LEU2、GUT2およびADE2から選択されることを特徴とする、請求項1から請求項8のいずれか一つに記載の方法。
  11. 形質転換過程b)が三個から十個の組み換えベクターを用いて行われることを特徴とする、請求項1から請求項8のいずれか一つに記載の方法。
  12. 選択マーカーが、前記組み換えベクターの標的組み込みの後に、自身の切り出しを可能にする配列によって囲まれていることを特徴とする、請求項1から請求項11のいずれか一つに記載の方法。
  13. 特定遺伝子にコードされているポリペプチドの産生方法であり、
    A)請求項1から請求項12のいずれか一つに記載の方法と、
    B)形質転換された前記ヤロウイア株の増殖を可能にすることを目的とした、炭素、窒素および無機塩の同化源を含んだ液体培養培地におけるヤロウイア株を培養する過程d)と、
    C)ヤロウイア細胞または過程B)で得られた培養培地から発現した前記特定ポリペプチドの回収、
    を含むことを特徴とする方法。
  14. 少なくとも三つの遺伝子において欠失を含み、そしてこれら少なくとも三つの遺伝子のそれぞれが独立していることを特徴とする、ヤロウイア株をもたらすことを可能にする少なくとも三つのベクターによって、前記ヤロウイア株を形質転換する過程を含んでおり、これらの欠失のそれぞれに関連する表現型が前記株に対する栄養要求性または優性形質に対応することを特徴とする、修飾されたヤロウイア株の取得方法。
  15. 栄養要求性の表現型または優性形質の表現型に関連する少なくとも三つの遺伝子の欠失が、
    −栄養要求性については、遺伝子URA3、LEU2、GUT2、ADE2、HISおよびLYS5、好ましくは遺伝子URA3、LEU2、GUT2およびADE2から選択され、そして、
    −優性形質については、ハイグロマイシン抵抗遺伝子HPH(HYG)と、遺伝子MDR3、KanMX、Tn5bleから選択され、HYG遺伝子が最も好ましい遺伝子である、
    ことを特徴とする、請求項14に記載の方法。
  16. 欠失を有する遺伝子が栄養要求性の表現型に関連し、好ましくは遺伝子URA3、LEU2、GUT2およびADE2から選択されることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
  17. ゲノムの少なくとも三つの遺伝子において欠失を含み、そして、これら少なくとも三つの遺伝子がそれぞれ独立していることを特徴とする請求項14から請求項16のいずれか一つに記載の方法によって得ることのできる栄養要求性のヤロウイア株であり、これらの欠失のそれぞれに関連する表現型が前記株に対する栄養要求性または優性形質に対応する、栄養要求性のヤロウイア株。
  18. 遺伝子URA3、LEU2、GUT2、ADE2、HISおよびLYS5から選択され、好ましくは遺伝子URA3、LEU2、GUT2およびADE2から選択されるそのゲノムの少なくとも三つの遺伝子において欠失を含むことを特徴とする、請求項14から請求項16のいずれか一つに記載の方法で得ることのできる、栄養要求性のヤロウイア株。
  19. ブダペスト条約にしたがって、Collection nationale de Culture de Microorganismes(CNCM),INSTITUT PASTEUR,25 rue du Docteur Roux,75724 PARIS CEDEX 15,FranceにCNCM I−3911およびCNCM I−3912という番号で2008年2月4日に付託されたアルカン資化酵母の株で構成される群から選択されることを特徴とする、請求項17または請求項18に記載のヤロウイア株。
  20. ブダペスト条約にしたがって、Collection nationale de Culture de Microorganismes(CNCM),INSTITUT PASTEUR,25 rue du Docteur Roux,75724 PARIS CEDEX 15,FranceにCNCM I−3913という番号で2008年2月4日に付託されたアルカン資化酵母の株に対応することを特徴とする、請求項17または請求項18に記載のヤロウイア株。
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