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JP2011501760A - 呼吸器疾患の処置のためのtrkb抗体の使用 - Google Patents

呼吸器疾患の処置のためのtrkb抗体の使用 Download PDF

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JP2011501760A JP2010530464A JP2010530464A JP2011501760A JP 2011501760 A JP2011501760 A JP 2011501760A JP 2010530464 A JP2010530464 A JP 2010530464A JP 2010530464 A JP2010530464 A JP 2010530464A JP 2011501760 A JP2011501760 A JP 2011501760A
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Abstract

本発明は呼吸器疾患を処置、予防または改善するための新規治療剤の開発のためのTrkB抗体を記載している。本発明は、また、該状態を処置、予防または改善する方法およびそのための医薬組成物、ならびに呼吸器疾患と関連する状態を処置するための治療的有用性を有する化合物を同定する方法に関する。

Description

発明の背景
チロシンキナーゼ受容体B(TrkB)はTrkAおよびTrkCを含む1回膜貫通受容体チロシンキナーゼのファミリーに属する。これらのチロシンキナーゼ受容体(trk)はニューロトロフィンの活性を介在する。ニューロトロフィンはニューロンの生存および発達のために必要であり、ニューロン構造およびシナプス可塑性の調節を介してシナプス伝達を調節する。ニューロトロフィンは、神経成長因子(NGF)、脳由来神経栄養因子(BDNF)、ニューロトロフィン−3(NT−3)およびニューロトロフィン−4/5(NT−4/5)を含むが、これらに限定されない(Lo, KY et al., (2005) J. Biol. Chem., 280:41744-52)。
TrkBはBDNFの高親和性受容体であり(Minichiello, et al., Neuron 21:335-45 (1998))、脳、特に新皮質、海馬、線条体および脳幹において高度に発現され;アイソタイプは、また、骨格筋において見出すことができる。trkへのニューロトロフィン結合は受容体を活性化し、二量体化し、受容体の細胞内ドメインの特定のチロシン残基を自己リン酸化する(Jing, et al., (1992) Neuron 9:1067-1079; Barbacid, (1994) J. Neurobiol. 25:1386-1403; Bothwell, (1995) Ann. Rev. Neurosci. 18:223-253; Segal and Greenberg, (1996) Ann. Rev. Neurosci. 19:463-489; Kaplan and Miller, (2000) Curr. Opinion Neurobiol. 10:381-391)。これらのホスホチロシン残基は神経細胞死の抑制、神経突起伸長の促進およびニューロトロフィンの他の効果を引き起こす細胞シグナル伝達カスケードの成分に対するドッキング部位として働く。例えば、Shc、FRS−2、SH2B、rAPSおよびPLCγはリン酸化チロシン残基を介してTrkBと相互作用する。これらのアダプター分子と活性化TrkBの結合によって、マイトージェン活性タンパク質キナーゼ、ホスファチジルイノシトール3−キナーゼおよびPLCγ経路を含むシグナル伝達経路が開始され、それによりニューロトロフィンの作用を介在する(Lo, KY et al., (2005) J. Biol. Chem., 280:41744-52)。
1966年にDr.Andreas Rettにより最初に確認されたレット症候群(RTT)は、遅発神経発達障害から生じる深刻なCNS障害である。それは、もっぱら、1/10,000−15,000の生児出生の割合ですべての民族の女児を冒す。RTTを有するいくつかの個体は若年で死亡する;しかしながら、多数は成人になることができ、深刻な障害を受ける。患者の25%までが心/呼吸不全で死亡する。今までのところ該疾患に対する有効な処置はない。
明白な正常発達期間後、罹患している女児は6−18月齢にてRTT症状を発症し、今後数年にわたって進行的に悪化する。症状は、出生時は正常の頭囲、次に頭部成長の減速;後天的言語障害、コミュニケーション機能障害、認識機能障害;意図的な手の動きから型通りの手の動き(曲がりくねった手のもみ合わせ、手を洗う、拍手、軽くたたくなど)への変化;運動障害または悪化(歩行失調、硬直など);起きている間の呼吸困難;早期乳児期からの睡眠パターン障害;筋肉疲労および筋失調症を伴う異常筋緊張;末梢血管運動神経障害;進行性側弯症または後弯症;および成長遅延を含む。
該障害は、また、中枢自律神経機能障害により特徴付けられ、Rett患者は以下の症状のいくつか、またはすべてを示す:呼吸停止、浅呼吸、過呼吸、遷延性無呼吸期間からなる多発性呼吸律動不整;ベースラインの心臓の迷走神経緊張の減少による心不整脈;および圧反射心臓感受性。これらの症状は致命的であり、Rett患者に突然死の危険性を与える。それらの患者は、脳幹未成熟ならびに心肺ネットワーク内の、および起きている間の視床下部または辺縁皮質からの統合的阻害の欠如を示す。さらに、脳幹ニューロトロフィンシグナル伝達(NGFおよびBDNF)の変化がRett患者において報告され、モノアミン(セロトニン、ノルエピネフリン)および神経ペプチド(サブスタンスP)レベルが減少する。
RTTは大半の場合に転写リプレッサーMeCP2(メチル−CpGシトシン結合タンパク質2)をコードするX染色体関連遺伝子mecp2における変異により引き起こされる単一遺伝子疾患である。MeCP2は優先的にメチル化DNAに結合する。
ニューロトロフィン因子BDNFはMeCP2の既知の直接標的であり、そしてノルエピネフリンおよびセロトニン神経に対する重要な栄養因子である。驚くべきことに、Mecp2−KOマウスは脳BDNFが不足しており、脳BDNFの遺伝子過剰発現が寿命を延長させ、いくつかの運動障害から救うことができる。現在、レット症候群および他の呼吸器疾患のような状態のためのBDNF治療戦略を探し出す必要性が存在する;このような戦略ではチロシンキナーゼ受容体TrkBのようなこのようなBDNFの結合パートナーを標的としている。
発明の概要
本発明は呼吸器疾患(例えば、レット症候群(RTT))を処置、診断、予防および/または改善する方法であって、チロシンキナーゼ受容体B(TrkB)の単離された抗体アゴニスト(本明細書において“TrkB作動性(agonizing)抗体”、“TrkB結合分子”などとも称する)を投与することを含む方法を提供する。いくつかの態様において、抗体はヒト化抗体である。他の態様において、抗体は一本鎖抗体である。いくつかの態様において、抗体はチロシンキナーゼ受容体Aまたはチロシンキナーゼ受容体Cに結合しない。いくつかの態様において、抗体はヒトバージョンのTrkBに結合することができ、他の種のTrkBに結合することができない。いくつかの態様において、抗体はヒトバージョンのTrkBに結合することができ、他の種のTrkBに同様に結合することができる(すなわち、交差反応することができる)(例えば、マウス、ラットおよび/または非ヒト霊長類(例えば、カニクイザルまたはアカゲザル)を含む)。
いくつかの態様において、抗体はTrkBのリガンド結合ドメイン(LBD)に結合する。いくつかの態様において、抗体はTrkBへの脳由来神経栄養因子(BDNF)の結合と競合する。いくつかの態様において、抗体はTrkBへの結合に対して配列番号:3を含む重鎖可変領域および配列番号:4を含む軽鎖可変領域を含む競合抗体と競合する。いくつかの態様において、抗体は配列番号:7を含む重鎖可変領域および配列番号:8を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの態様において、抗体は配列番号:11を含む重鎖可変領域および配列番号:12を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの態様において、抗体は配列番号:15を含む重鎖可変領域および配列番号:16を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの態様において、抗体は配列番号:7、配列番号:11および/または配列番号:15を含む重鎖可変領域ならびに配列番号:8、配列番号:12および/または配列番号:16を含む軽鎖可変領域の組合せを含む。いくつかの態様において、抗体は配列番号:3を含む重鎖可変領域および配列番号:4を含む軽鎖可変領域を含む。
いくつかの態様において、本方法の抗体はBDNF模倣物として作用し、例えば、該リガンドの栄養活性を反復することができる(したがって、神経保護および神経栄養効果を持続することができる)。
いくつかの態様において、抗体はTrkBのリガンド結合ドメイン(LBD)に結合しない。いくつかの態様において、抗体はTrkBへの脳由来神経栄養因子(BDNF)の結合と競合しない。いくつかの態様において、抗体はTrkBへの結合に対して配列番号:1を含む重鎖可変領域および配列番号:2を含む軽鎖可変領域を含む競合抗体と競合する。いくつかの態様において、抗体は配列番号:5を含む重鎖可変領域および配列番号:6を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの態様において、抗体は配列番号:9を含む重鎖可変領域および配列番号:10を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの態様において、抗体は配列番号:13を含む重鎖可変領域および配列番号:14を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの態様において、抗体は配列番号:5、配列番号:9および/または配列番号:13を含む重鎖可変領域ならびに配列番号:6、配列番号:10および/または配列番号:14を含む軽鎖可変領域の組合せを含む。いくつかの態様において、抗体は配列番号:1を含む重鎖可変領域および配列番号:2を含む軽鎖可変領域を含む。
TrkB作動性抗体はTrkBと相互作用し、それによりTrkB機能を調節することができる。TrkB作動性結合分子はTrkB経路シグナル伝達を促進するために使用することができ;したがって、TrkB作動性結合分子は(例えば、罹患している対象におけるTrkBの変異バージョンまたはそのタンパク質インタラクターの1つによる)、例えば、異常に低いレベルのTrkB経路シグナル伝達と関連する呼吸器疾患の症状を診断、改善、その疾患から保護、およびその疾患を処置するために使用することができる。例えば、TrkBの変異バージョンまたはそのタンパク質インタラクターの1つによる、TrkBシグナル伝達の異常下方調節と関連する障害の非限定的な例は、(i)MeCP2(これはBDNFに直接結合する)をコードする遺伝子における変異により特徴づけられるレット症候群(RTT);および(ii)TrkB機能欠失変異による深刻な肥満および発育遅延である(Giles, S., et al. (2004) Nature Neuroscience 7:1187-9)。
本発明は、また、治療または予防有効量のTrkB作動性抗体;および医薬担体を含む医薬組成物を投与することを含む、呼吸器疾患(例えば、レット症候群(RTT))を処置、診断、予防および/または改善する方法を提供する。いくつかの態様において、医薬組成物はさらに呼吸窮迫の症状(例えば、呼吸困難)を処置、診断、予防および/または改善することができる別の独立した薬物、例えば、ノルエピネフリンおよび/またはセロトニン経路の小分子活性化因子(例は三環式抗鬱剤デシプラミン(DMI)、セロトニン1A受容体部分的アゴニスト、ブスピロンおよび潜在的により選択的な抗鬱剤フルオキセチンおよびレボキセチンである)、グルタミン酸AMPA受容体の活性化因子:アンパカインCX546、プロスタグランジン、プロゲステロンまたはTrkB活性の増強剤(例えば、タンパク質チロシンホスファターゼ阻害剤)を含む。
いくつかの態様において、呼吸器疾患(例えば、レット症候群(RTT))または呼吸困難の症状の処置、診断、予防および/または改善に有効な治療および/または予防有効量の第2の薬物をTrkBの抗体アゴニスト(または同じものを含む医薬組成物)と共に個体に投与する。いくつかの態様において、第2の薬物およびTrkBの抗体アゴニスト(または同じものを含む医薬組成物)を混合物として投与する。いくつかの態様において、第2の薬物はノルエピネフリンおよび/またはセロトニン経路の小分子活性化因子(例は三環式抗鬱剤デシプラミン(DMI)、セロトニン1A受容体部分的アゴニスト、ブスピロンならびに潜在的により選択的な抗鬱剤フルオキセチンおよびレボキセチンである)、グルタミン酸AMPA受容体の活性化因子:アンパカイン、CX546、プロスタグランジン、プロゲステロンまたはTrkB活性の増強剤(例えば、タンパク質チロシンホスファターゼ阻害剤)からなる群から選択される。
本発明は、また、TrkB作動性抗体(または同じものを含む医薬組成物)を投与することを含む、呼吸困難の症状、例えば、呼吸器疾患にて一般的に見られるものを処置、診断、予防および/または改善する方法を提供する。該症状は呼吸困難(例えば、喘鳴またはゼイゼイ音、呼吸停止、浅呼吸、過呼吸、遷延性無呼吸)、血液の酸素化の低下または減少(例えば、チアノーゼ)(例えば、酸素の吸収障害、血液における肺の不十分な潅流などによる)、ノルエピネフリン(NE)含有量の減少、骨髄におけるチロシンヒドロキシラーゼ(TH)発現ニューロンの減少および胸痛を含むが、これらに限定されない。いくつかの態様において、該方法は治療または予防有効量のチロシンキナーゼ受容体B(TrkB)の抗体アゴニストを個体に投与することを含む。いくつかの態様において、該方法は治療または予防有効量のTrkB作動性抗体および医薬担体を含む医薬組成物を個体に投与することを含む。いくつかの態様において、個体は1つ以上の呼吸器疾患を有し、そして/または1つ以上の呼吸困難の症状を経験している。いくつかの態様において、個体は呼吸困難の症状に感染しやすい。いくつかの態様において、個体はレット症候群を有する。
本発明は、神経細胞死を抑制する方法であって、TrkB作動性抗体(または同じものを含む医薬組成物)を投与することを含む方法を提供する。いくつかの態様において、抗体はヒト化抗体である。他の態様において、抗体は一本鎖抗体である。いくつかの態様において、抗体はチロシンキナーゼ受容体Aまたはチロシンキナーゼ受容体Cに結合しない。いくつかの態様において、抗体はニューロトロフィン受容体p75NRに結合しない。いくつかの態様において、抗体はヒトバージョンのTrkBに結合することができ、他の種のTrkBに結合することができない。いくつかの態様において、抗体はヒトバージョンのTrkBに結合することができ、他の種のTrkBに同様に結合することができる(すなわち、交差反応することができる)(例えば、マウス、ラットおよび/または非ヒト霊長類(例えば、カニクイザルまたはアカゲザル)を含む)。
いくつかの態様において、抗体はヒト化抗体である。
種々の態様において、本発明は、TrkBの1つ以上の生物学的機能を調節する(例えば、促進する)TrkB作動性抗体にて、呼吸器疾患(例えば、レット症候群(RTT))または呼吸困難の症状を処置、診断、予防および/または改善する方法、または神経細胞死を抑制する方法を提供する。例えば、TrkBアゴニスト抗体はTrkBの二量体化、次にTrkB細胞内ドメインにおいて特定のチロシン残基の自己リン酸化を調節することができる。さらなる例として、TrkBアゴニスト抗体はTrkB関連細胞内シグナル伝達カスケード(例えば、マイトージェン活性タンパク質キナーゼ、ホスファチジルイノシトール3−キナーゼおよびPLCγ経路)を開始させ、神経細胞死の抑制、神経突起伸長の促進およびニューロトロフィンの他の効果を引き起こすことができる。
TrkB作動性抗体は、例えば、TrkB(例えば、TrkBの特定のドメインまたはエピトープ内、TrkBのリガンド結合ドメインまたはリガンド結合ドメインの外側)に結合する抗体およびこのような抗体の抗原結合部分を含むポリペプチドを含む。TrkB作動性抗体は、また、結合部分が抗体由来ではなく、例えば、免疫グロブリン様フォールドを有するポリペプチド由来TrkB作動性抗体であり、抗原結合部分がランダム化、選択および親和性成熟を介してTrkBに結合するように加工された分子を含む。
種々の態様において、本発明は、ヒトTrkB内のエピトープに結合し、かつ非ヒト霊長類(例えば、カニクイザルまたはアカゲザル)のTrkBタンパク質(またはそれらの部分)と交差反応するTrkBアゴニスト抗体にて、呼吸器疾患(例えば、レット症候群(RTT))または呼吸困難の症状を処置、診断、予防および/または改善する方法、または神経細胞死を抑制する方法を提供する。種々の態様において、該TrkBアゴニスト抗体は齧歯動物種のTrkB(例えば、マウスTrkB、ラットTrkB)と交差反応する。種々の態様において、該TrkBアゴニスト抗体はヒトTrkAまたはTrkCと交差反応する。
他の態様において、本発明は、ヒトTrkB内のエピトープに結合するが、非ヒト霊長類(例えば、カニクイザルまたはアカゲザル)のTrkBタンパク質(またはそれらの部分)と交差反応しないTrkB抗体にて、呼吸器疾患(例えば、レット症候群(RTT))または呼吸困難の症状を処置、診断、予防および/または改善する方法、または神経細胞死を抑制する方法を提供する。種々の態様において、該TrkBアゴニスト抗体は齧歯動物種のTrkB(例えば、マウスTrkB、ラットTrkB)と交差反応しない。種々の態様において、該TrkBアゴニスト抗体はヒトTrkAまたはTrkC、またはニューロトロフィン受容体p75NRと交差反応しない。
種々の態様において、本方法のTrkB作動性抗体の抗原結合部分は直鎖エピトープに結合する。種々の態様において、該抗原結合部分は非直鎖エピトープに結合する。
種々の態様において、本方法のTrkB作動性抗体の抗原結合部分は解離定数(K)1nM、0.5nM、0.25nMまたは0.1nM以下にてTrkBに結合する。
いくつかの態様において、抗体はヒトバージョンのTrkBに結合することができ、他の種のTrkBに結合することができない。いくつかの態様において、抗体はヒトバージョンのTrkBに結合することができ、他の種のTrkBに同様に結合することができる(すなわち、交差反応することができる)(例えば、マウス、ラットおよび/または非ヒト霊長類(例えば、カニクイザルまたはアカゲザル)を含む)。
種々の態様において、本方法のTrkB作動性抗体の抗原結合部分はK0.3nM以下にて非ヒト霊長類(例えば、カニクイザルまたはチンパンジー)のTrkBに結合する。
種々の態様において、該抗原結合部分はK0.5nM以下にてマウスTrkBに結合する。
1つの態様において、本方法のTrkB作動性抗体はヒト抗体である。他の態様において、該TrkBアゴニスト抗体は非ヒト抗体である。他の態様において、該TrkBアゴニスト抗体はキメラ(例えば、ヒト化、ヒューマニアード(humaneered))抗体である。
1つの態様において、本方法のTrkB作動性抗体の抗原結合部分はヒト抗体の抗原結合部分である。該抗原結合部分はモノクローナル抗体またはポリクローナル抗体の抗原結合部分であり得る。
本方法のTrkB作動性抗体は、例えば、抗体のFabフラグメント、Fab’フラグメント、F(ab’)またはFvフラグメントを含む。
いくつかの態様において、本方法のTrkBアゴニスト抗体をペグ化する。いくつかの態様において、TrkBアゴニスト抗体はペグ化Fabフラグメントである。
1つの態様において、本方法のTrkBアゴニスト抗体は一本鎖Fvを含む。
1つの態様において、本方法のTrkBアゴニスト抗体はダイアボディ(例えば、一本鎖ダイアボディまたは2つのポリペプチド鎖を有するダイアボディ)を含む。
いくつかの態様において、本方法のTrkBアゴニスト抗体の抗原結合部分は下記のいずれかのアイソタイプの抗体由来である:IgG1、IgG2、IgG3またはIgG4。いくつかの態様において、該抗体の抗原結合部分はIgAまたはIgEアイソタイプの抗体由来である。
本方法のTrkBアゴニスト抗体は1つ以上の多くの生物学的活性を示すことができる。種々の態様において、TrkBアゴニスト抗体はBDNF、ニューロトロフィン4(NT−4)および/またはニューロトロフィン5(NT−5)へのTrkB結合を阻害する。例えば、TrkBアゴニスト抗体はBDNF、NT−4および/またはNT−5へのTrkB結合を対照と比較して(例えば、TrkBアゴニスト抗体の非存在下での結合と比較して)少なくとも5%、10%、15%、25%または50%阻害する。他の態様において、TrkBアゴニスト抗体はBDNF、NT−4および/またはNT−5へのTrkB結合を阻害せず、全く競合しない。
1つの態様において、本方法のTrkBアゴニスト抗体はTrkBへの結合に対してBDNFと競合し、それによってTrkB経路シグナル伝達の生物学的活性および結果を調節する。非限定的な例として、本方法のTrkBアゴニスト抗体は(例えば、TrkBへの結合に対してBDNFと競合することにより)TrkB経路活性化およびシグナル伝達を活性化、強化または永続化することができる。いくつかの態様において、該TrkBアゴニスト抗体はTrkBリガンド結合ドメインに結合し、それによってTrkBへの結合に対してBDNFと競合する。
いくつかの態様において、本方法の抗体はBDNF模倣物として作用し、例えば、該リガンドの栄養活性を反復することができる(したがって、神経保護および神経栄養効果を持続することができる)。
他の態様において、本方法のTrkBアゴニスト抗体はTrkBリガンド結合ドメインに結合せず、TrkBとの結合に対してBDNFと競合しないが、それにもかかわらずTrkBシグナル伝達経路を調節することができる(例えば、TrkB経路活性化およびシグナル伝達を活性化、強化または永続化する)。
種々の態様において、本発明は、TrkBにより直接または間接様式において通常、調節される下流生物学的活性を調節するTrkB作動性抗体にて、呼吸器疾患(例えば、レット症候群(RTT))または呼吸困難の症状を処置、診断、予防および/または改善する方法、または神経細胞死を抑制する方法を提供する。該活性の非限定的な例はTrkBの二量体化、次にTrkB細胞内ドメインにおいてチロシン残基の自己リン酸化;TrkB関連細胞内シグナル伝達カスケード、例えば、マイトージェン活性タンパク質キナーゼ、ホスファチジルイノシトール3−キナーゼおよびPLCγ経路の開始;ならびに神経細胞死の抑制、神経突起伸長の促進およびニューロトロフィンの他の効果を含む。例えば、本方法のTrkBアゴニスト抗体は神経細胞死を対照と比較して(例えば、TrkBアゴニスト抗体の非存在下での活性と比較して)少なくとも5%、10%、15%、25%または50%以上抑制する。さらなる例として、該TrkBアゴニスト抗体はTrkBタンパク質レベルを対照と比較して(例えば、TrkBアゴニスト抗体の非存在下での活性と比較して)少なくとも5%、10%、15%、25%または50%以上安定化する。
種々の態様において、本発明は非抗体TrkB作動性分子にて呼吸器疾患(例えば、レット症候群(RTT))または呼吸困難の症状を処置、診断、予防および/または改善する方法、または神経細胞死を抑制する方法を提供する。非抗体TrkBアゴニスト分子は非抗体ポリペプチド、例えば、以下のいずれかのものなどの免疫グロブリン様(Ig様)フォールド由来アミノ酸配列を有するTrkB結合ドメインを含む:テネイシン、N−カドヘリン、E−カドヘリン、ICAM、タイチン、GCSF−受容体、サイトカイン受容体、グリコシダーゼ阻害剤、抗生物質、色素タンパク質、ミエリン膜接着分子、P0、CD8、CD4、CD2、クラスI MHC、T−細胞抗原受容体、CD1、C2およびVCAM−1のI−setドメイン、ミオシン結合タンパク質CのI−set免疫グロブリンドメイン、ミオシン結合タンパク質HのI−set免疫グロブリンドメイン、テロキンのI−set免疫グロブリンドメイン、NCAM、トウィッチン、ニューログリアン、成長ホルモン受容体、エリスロポエチン受容体、プロラクチン受容体、インターフェロン−ガンマ受容体、β−ガラクトシダーゼ/グルクロニダーゼ、β−グルクロニダーゼ、トランスグルタミナーゼ、T−細胞抗原受容体、スーパーオキシド・ジスムターゼ、組織因子ドメイン、シトクロムF、緑色蛍光タンパク質、GroELまたはソーマチン。一般的に、TrkB結合ドメインのアミノ酸配列は、免疫グロブリン様フォールドのアミノ酸配列と比較して、TrkB結合ドメインが特異的にTrkBに結合するように改変される(すなわち、ここで、免疫グロブリン様フォールドは特異的にTrkBに結合しない)。
種々の態様において、TrkB結合ドメインのアミノ酸配列はフィブロネクチン、サイトカイン受容体またはカドヘリンの免疫グロブリン様フォールドのアミノ酸配列と少なくとも60%同一(例えば、少なくとも65%、75%、80%、85%または90%同一)である。
種々の態様において、TrkB結合ドメインのアミノ酸配列は以下のいずれかの免疫グロブリン様フォールドのアミノ酸配列と少なくとも60%、65%、75%、80%、85%または90%同一である:テネイシン、N−カドヘリン、E−カドヘリン、ICAM、タイチン、GCSF−受容体、サイトカイン受容体、グリコシダーゼ阻害剤、抗生物質、色素タンパク質、ミエリン膜接着分子、P0、CD8、CD4、CD2、クラスI MHC、T−細胞抗原受容体、CD1、C2およびVCAM−1のI−setドメイン、ミオシン結合タンパク質CのI−set免疫グロブリンドメイン、ミオシン結合タンパク質HのI−set免疫グロブリンドメイン、テロキンのI−set免疫グロブリンドメイン、NCAM、トウィッチン、ニューログリアン、成長ホルモン受容体、エリスロポエチン受容体、プロラクチン受容体、インターフェロン−ガンマ受容体、β−ガラクトシダーゼ/グルクロニダーゼ、β−グルクロニダーゼ、トランスグルタミナーゼ、T−細胞抗原受容体、スーパーオキシド・ジスムターゼ、組織因子ドメイン、シトクロムF、緑色蛍光タンパク質、GroELまたはソーマチン。
種々の態様において、TrkB結合ドメインはK1nM以下(例えば、0.5nM、01nM)にてTrkBに結合する。
いくつかの態様において、Ig様フォールドはフィブロネクチンのIg様フォールド、例えば、III型フィブロネクチンのIg様フォールド(例えば、III型フィブロネクチンのモジュール10のIg様フォールド)である。
本発明は、また、本明細書に記載されているTrkBアゴニスト抗体を含む医薬組成物を使用する方法を特徴とする。該組成物は、例えば、TrkBアゴニスト抗体および薬学的に許容される担体を含む。
1つの局面において、本発明は、治療および/または予防有効量のTrkBの抗体アゴニスト(または同じものを含む医薬組成物)を投与することにより、神経細胞死を抑制するか、または神経突起伸長を促進する方法を特徴とする。これらの方法は組織または生物学的サンプル(例えば、TrkB発現神経細胞)を治療および/または予防有効量のTrkBの抗体アゴニスト(または同じものを含む医薬組成物)と接触させ、それによりTrkBシグナル伝達経路を活性化および/または安定化し、ニューロトロフィン、例えば、BDNFの効果から保護することを含む。TrkBアゴニスト抗体(または同じものを含む医薬組成物)は神経細胞死を抑制するか、または神経突起伸長を促進する有効量にて投与することができる。
いくつかの態様において、該方法はTrkBの抗体アゴニスト(または同じものを含む医薬組成物)の腹膜内注射投与を特徴とする。
本発明の1つ以上の態様の詳細は添付の図面および以下に記載されている。本発明の他の特徴、対象および利点は本記載および図面ならびに特許請求の範囲から明らかである。
図1はTrkBアゴニスト抗体を投与したMecp2ノックアウトマウスにおいて見られる体重および食糧摂取の低下の図である。図1Aにおいて、上から1段目(データの点として白色四角記号)は塩水を投与したMecp2野生型マウスを表す。上から2段目(データの点として黒色四角記号)はTrkBアゴニスト抗体を投与したMecp2野生型マウスを表す。下から2段目(データの点として白色丸記号)は塩水を投与したMecp2ノックアウトマウスを表す。下から1段目(データの点として黒色丸記号)はTrkBアゴニスト抗体を投与したMecp2ノックアウトマウスを表す。図1Bにおいて、白色の棒は塩水を投与したMecp2野生型マウスを表す。黒色の棒はTrkBアゴニスト抗体を投与したMecp2野生型マウスを表す。薄灰色の棒は塩水を投与したMecp2ノックアウトマウスを表す。濃灰色の棒はTrkBアゴニスト抗体を投与したMecp2ノックアウトマウスを表す。図1Bの左は6週齢での測定、右は8週齢での測定を表す。
図2Aおよび2Bは、それぞれTrkBアゴニスト抗体を投与したMecp2ノックアウトマウスにおける握力および体脂肪組成物の改善の図である。図2において、データの点として四角記号は塩水(SAL)またはTrkBアゴニスト抗体C20で処置された野生型(WT)マウスを表し;データの点として丸記号は塩水(SAL)またはTrkBアゴニスト抗体C20で処置されたノックアウト(KO)マウスを表す。左の図2Aは後肢での測定、そして右の図2Aは前肢での測定を表す。左の図2Bは体脂肪量、そして右の図2Bは除脂肪量を表す。
図3はTrkBアゴニスト抗体を投与したMecp2ノックアウトマウスにおいて見られる寿命の延長の図である。図3Aにおいて、ノックアウトマウスはKOとして、野生型はWTとして表す。SALは塩水を投与したことを意味し、そしてC20はTrkBアゴニスト抗体を投与したことを意味する。図3Bにおいて、ノックアウトマウスはKOとして表し、TrkBアゴニスト抗体はC20として表す。図3に示されるとおり、TrkBアゴニストmAb−処理ノックアウトマウス(KO−C20)は塩水処理KOマウスの少なくとも2倍の年齢まで生存することができる。
発明の詳細な説明
本発明は、チロシンキナーゼ受容体B(TrkB)の単離された抗体アゴニスト(また、“TrkB作動性抗体”などと称される)にて呼吸器疾患(例えば、レット症候群(RTT))を処置、診断、予防および/または改善する方法を提供する。
該方法はいずれかのTrkBアゴニスト抗体を使用することができ、具体的に挙げられているものは非限定的な態様と考慮する。
本発明は、TrkBに結合する分子(“TrkB作動性抗体”)、特にヒトTrkBに結合し、その機能を調節するヒト抗体およびそれらの部分を提供する。TrkBのエピトープおよびこれらのエピトープに結合する薬物は、また、本出願に提供される。
ヒトTrkBの全長配列はGenbank(登録商標)受入番号AAB33109(GI:913718)の下に見られ、822残基を有する。それはGenbank(登録商標)受入番号S76473(GI:913717)を有するmRNA配列によってコードされる。TrkBは脳において広範に分布するニューロトロフィン受容体である。それは細胞外リガンド結合ドメイン(LBD)、膜貫通領域および細胞内チロシンキナーゼドメインからなるマルチドメイン膜貫通タンパク質である。TrkBはBDNFの高親和性受容体であり、同様にニューロトロフィン4(NT−4)に結合することができる。
いくつかの態様において、抗体はヒト化抗体である。他の態様において、抗体は一本鎖抗体である。いくつかの態様において、抗体はチロシンキナーゼ受容体Aまたはチロシンキナーゼ受容体Cに結合しない。いくつかの態様において、抗体はヒトバージョンのTrkBに結合することができ、他の種のTrkBに結合することができない。いくつかの態様において、抗体はヒトバージョンのTrkBに結合することができ、他の種のTrkBに同様に結合することができる(すなわち、交差反応することができる)(例えば、マウス、ラットおよび/または非ヒト霊長類(例えば、カニクイザルまたはアカゲザル)を含む)。
いくつかの態様において、抗体はTrkBのリガンド結合ドメイン(LBD)に結合する。いくつかの態様において、抗体はTrkBへの脳由来神経栄養因子(BDNF)の結合と競合する。いくつかの態様において、抗体はTrkBへの結合に対して配列番号:3を含む重鎖可変領域および配列番号:4を含む軽鎖可変領域を含む競合抗体と競合する。いくつかの態様において、抗体は配列番号:7を含む重鎖可変領域および配列番号:8を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの態様において、抗体は配列番号:11を含む重鎖可変領域および配列番号:12を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの態様において、抗体は配列番号:15を含む重鎖可変領域および配列番号:16を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの態様において、抗体は配列番号:7、配列番号:11および/または配列番号:15を含む重鎖可変領域ならびに配列番号:8、配列番号:12および/または配列番号:16を含む軽鎖可変領域の組合せを含む。いくつかの態様において、抗体は配列番号:3を含む重鎖可変領域および配列番号:4を含む軽鎖可変領域を含む。
いくつかの態様において、本方法の抗体はBDNF模倣物として作用し、例えば、該リガンドの栄養活性を反復することができる(したがって、神経保護および神経栄養効果を持続することができる)。
いくつかの態様において、本発明のTrkBアゴニスト抗体はTrkBリガンド結合部位に結合し、そして/またはTrkBへの結合に対してBDNFと競合する。TrkBのリガンド結合部位に結合する典型的な抗体は抗体A10F18.2(本明細書において“A10F18”または“A10”とも称される)である。抗体A10の重鎖可変領域は配列番号:3に示し、そして抗体A10の軽鎖可変領域は配列番号:4に示す。
したがって、本発明はTrkBへの結合に対して配列番号:3を含む重鎖可変領域および配列番号:4を含む軽鎖可変領域を含む抗体と競合するアゴニスト抗体を提供する。いくつかの態様において、本発明の抗体は配列番号:3および/または4の相補性決定領域(CDR)の少なくとも1つを含む。本発明の範囲を限定する意図はないが、CDR3が抗体A10の結合において重要な役割を果たすことが信じられている。したがって、いくつかの態様において、本発明の抗体は配列番号:7および/または8を含む。しかしながら、CDR1および/またはCDR2は、結合においても役割を果たす。したがって、いくつかの態様において、本発明の抗体は配列番号:11および/または12または15および/または16を含む。
いくつかの態様において、抗体はTrkBのリガンド結合ドメイン(LBD)に結合しない。いくつかの態様において、抗体はTrkBへの脳由来神経栄養因子(BDNF)の結合と競合しない。いくつかの態様において、抗体はTrkBへの結合に対して配列番号:1を含む重鎖可変領域および配列番号:2を含む軽鎖可変領域を含む競合抗体と競合する。いくつかの態様において、抗体は配列番号:5を含む重鎖可変領域および配列番号:6を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの態様において、抗体は配列番号:9を含む重鎖可変領域および配列番号:10を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの態様において、抗体は配列番号:13を含む重鎖可変領域および配列番号:14を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの態様において、抗体は配列番号:5、配列番号:9および/または配列番号:13を含む重鎖可変領域;および配列番号:6、配列番号:10および/または配列番号:14を含む軽鎖可変領域の組合せを含む。いくつかの態様において、抗体は配列番号:1を含む重鎖可変領域および配列番号:2を含む軽鎖可変領域を含む。
いくつかの態様において、本発明のTrkBアゴニスト抗体はTrkBリガンド結合部位に結合せず、そして/またはTrkBへの結合に対してBDNFと競合しない。TrkBのリガンド結合部位に結合しない典型的な抗体は抗体C20.i.1.1(本明細書において“C20.i1”、“C20.I1”および“C20”とも称される)である。抗体C20の重鎖可変領域は配列番号:1に示す。したがって、本発明はTrkBへの結合に対して配列番号:1を含む重鎖可変領域および配列番号:2を含む軽鎖可変領域を含む抗体と競合するアゴニスト抗体を提供する。いくつかの態様において、本発明の抗体は配列番号:1および/または2の相補性決定領域(CDR)の少なくとも1つを含む。本発明の範囲を限定する意図はないが、CDR3が抗体C20の結合において重要な役割を果たすことが信じられている。したがって、いくつかの態様において、本発明の抗体は配列番号:5および/または6を含む。しかしながら、CDR1および/またはCDR2は、また、結合において役割を果たす。したがって、いくつかの態様において、本発明の抗体は配列番号:9および/または10または13および/または14を含む。
TrkB作動性抗体はTrkBと相互作用し、それによりTrkB機能を調節することができる。TrkB作動性結合分子はTrkB経路シグナル伝達を促進するために使用することができ;したがって、TrkB作動性結合分子は(例えば、罹患している対象におけるTrkBの変異バージョンまたはそのタンパク質インタラクターの1つによる)、例えば、異常に低いレベルのTrkB経路シグナル伝達と関連する呼吸器疾患の症状を診断、改善、その疾患から保護、およびその疾患を処置するために使用することができる。例えば、TrkBの変異バージョンまたはそのタンパク質インタラクターの1つによる、TrkBシグナル伝達の異常下方調節と関連する障害の非限定的な例は、MeCP2(これはBDNFに直接結合する)をコードする遺伝子における変異により特徴づけられるレット症候群(RTT)である。
本発明は、また、治療または予防有効量のTrkB作動性抗体;および医薬担体を含む医薬組成物にて呼吸器疾患(例えば、レット症候群(RTT))を処置、診断、予防および/または改善する方法を提供する。いくつかの態様において、医薬組成物はさらに呼吸窮迫の症状(例えば、呼吸困難)を処置、診断、予防および/または改善することができる別の独立した薬物、例えば、ノルエピネフリンおよび/またはセロトニン経路の小分子活性化因子(例は三環式抗鬱剤デシプラミン(DMI)、セロトニン1A受容体部分的アゴニスト、ブスピロンならびに潜在的により選択的な抗鬱剤フルオキセチンおよびレボキセチンである)、グルタミン酸AMPA受容体の活性化因子:アンパカイン、CX546、プロスタグランジン、プロゲステロンまたはTrkB活性の増強剤(例えば、タンパク質チロシンホスファターゼ阻害剤)を含む。
該方法は治療または予防有効量のいずれかのTrkBアゴニスト抗体を含む医薬組成物を使用することができ、具体的に挙げられている抗体は非限定的な態様と考慮する。
本発明は、また、呼吸困難の症状、例えば、呼吸器疾患にて一般的に見られるものを処置、診断、予防および/または改善する方法を提供する。該症状は呼吸困難(例えば、喘鳴またはゼイゼイ音、呼吸停止、浅呼吸、過呼吸、遷延性無呼吸)、血液の酸素化の低下または減少(例えば、チアノーゼ)(例えば、酸素の吸収障害、血液における肺の不十分な潅流などによる)および胸痛を含むが、これらに限定されない。いくつかの態様において、該方法は治療または予防有効量のチロシンキナーゼ受容体B(TrkB)の抗体アゴニストを個体に投与することを含む。いくつかの態様において、該方法は治療または予防有効量のTrkB作動性抗体および医薬担体を含む医薬組成物を個体に投与することを含む。いくつかの態様において、個体は1つ以上の呼吸器疾患を有し、そして/または1つ以上の呼吸困難の症状を経験している。いくつかの態様において、個体は呼吸困難の症状に感染しやすい。いくつかの態様において、個体はレット症候群を有する。
該方法はいずれかのTrkBアゴニスト抗体(またはいずれかのTrkBアゴニスト抗体を含む医薬組成物)を使用することができ、具体的に挙げられている抗体は非限定的な態様と考慮する。
いくつかの態様において、呼吸器疾患(例えば、レット症候群(RTT))の処置、診断、予防および/または改善に有効な治療および/または予防有効量の第2の薬物をTrkBの抗体アゴニスト(または同じものを含む医薬組成物)と組み合わせて個体に投与する。いくつかの態様において、第2の薬物およびTrkBの抗体アゴニスト(または同じものを含む医薬組成物)を混合物として投与する。いくつかの態様において、第2の薬物がノルエピネフリンおよび/またはセロトニン経路の小分子活性化因子(例は三環式抗鬱剤デシプラミン(DMI)、セロトニン1A受容体部分的アゴニスト、ブスピロンならびに潜在的により選択的な抗鬱剤フルオキセチンおよびレボキセチンである)、グルタミン酸AMPA受容体の活性化因子:アンパカイン、CX546、プロスタグランジン、プロゲステロンまたはTrkB活性の増強剤(例えば、タンパク質チロシンホスファターゼ阻害剤)からなる群から選択される。
いくつかの態様において、抗体はヒト化抗体である。
種々の態様において、本発明はTrkBの1つ以上の生物学的機能を調節する(例えば、促進する)TrkB作動性抗体にて呼吸器疾患(例えば、レット症候群(RTT))または呼吸困難の症状を処置、診断、予防および/または改善する方法を提供する。例えば、TrkBアゴニスト抗体はTrkBの二量体化、次にTrkB細胞内ドメインにおいて特定のチロシン残基の自己リン酸化を調節することができる。さらなる例として、TrkBアゴニスト抗体はTrkB関連細胞内シグナル伝達カスケード(例えば、マイトージェン活性タンパク質キナーゼ、ホスファチジルイノシトール3−キナーゼおよびPLCγ経路)を開始させ、神経細胞死の抑制、神経突起伸長の促進およびニューロトロフィンの他の効果を引き起こすことができる。
TrkB作動性抗体は、例えば、TrkB(例えば、TrkBの特定のドメインまたはエピトープ内、TrkBのリガンド結合ドメインまたはリガンド結合ドメインの外側)に結合する抗体およびこのような抗体の抗原結合部分を含むポリペプチドを含む。TrkB作動性抗体は、また、結合部分が抗体由来ではなく、例えば、免疫グロブリン様フォールドを有するポリペプチド由来TrkB作動性抗体であり、抗原結合部分がランダム化、選択および親和性成熟を介してTrkBに結合するように加工された分子を含む。
種々の態様において、本発明はヒトTrkB内のエピトープに結合し、非ヒト霊長類(例えば、カニクイザルまたはアカゲザル)のTrkBタンパク質(またはそれらの部分)と交差反応するTrkBアゴニスト抗体にて呼吸器疾患(例えば、レット症候群(RTT))または呼吸困難の症状を処置、診断、予防および/または改善する方法を提供する。種々の態様において、該TrkBアゴニスト抗体は齧歯動物種のTrkB(例えば、マウスTrkB、ラットTrkB)と交差反応する。種々の態様において、該TrkBアゴニスト抗体はヒトTrkAまたはTrkCと交差反応する。
他の態様において、本発明はヒトTrkB内のエピトープに結合するが、非ヒト霊長類(例えば、カニクイザルまたはアカゲザル)のTrkBタンパク質(またはそれらの部分)と交差反応しないTrkB抗体にて呼吸器疾患(例えば、レット症候群(RTT))または呼吸困難の症状を処置、診断、予防および/または改善する方法を提供する。種々の態様において、該TrkBアゴニスト抗体は齧歯動物種のTrkB(例えば、マウスTrkB、ラットTrkB)と交差反応しない。種々の態様において、該TrkBアゴニスト抗体はヒトTrkAもしくはTrkCまたはニューロトロフィン受容体p75NRと交差反応しない。
種々の態様において、本方法のTrkB作動性抗体の抗原結合部分は直鎖エピトープに結合する。種々の態様において、該抗原結合部分は非直鎖エピトープに結合する。
種々の態様において、本方法のTrkB作動性抗体の抗原結合部分は解離定数(K)1nM、0.5nM、0.25nMまたは0.1nM以下にてTrkBに結合する。
いくつかの態様において、抗体はヒトバージョンのTrkBに結合することができ、他の種のTrkBに結合することができない。いくつかの態様において、抗体はヒトバージョンのTrkBに結合することができ、他の種のTrkBに同様に結合することができる(すなわち、交差反応することができる)(例えば、マウス、ラットおよび/または非ヒト霊長類(例えば、カニクイザルまたはアカゲザル)を含む)。
種々の態様において、本方法のTrkB作動性抗体の抗原結合部分はK0.3nM以下にて非ヒト霊長類(例えば、カニクイザルまたはチンパンジー)のTrkBに結合する。
種々の態様において、該抗原結合部分はK0.5nM以下にてマウスTrkBに結合する。
1つの態様において、本方法のTrkB作動性抗体はヒト抗体である。他の態様において、該TrkBアゴニスト抗体は非ヒト抗体である。他の態様において、該TrkBアゴニスト抗体はキメラ(例えば、ヒト化、ヒューマニアード)抗体である。
1つの態様において、本方法のTrkB作動性抗体の抗原結合部分はヒト抗体の抗原結合部分である。該抗原結合部分はモノクローナル抗体またはポリクローナル抗体の抗原結合部分であり得る。
本方法のTrkB作動性抗体は、例えば、抗体のFabフラグメント、Fab’フラグメント、F(ab’)またはFvフラグメントを含む。
いくつかの態様において、本方法のTrkBアゴニスト抗体をペグ化する。いくつかの態様において、TrkBアゴニスト抗体はペグ化Fabフラグメントである。
1つの態様において、本方法のTrkBアゴニスト抗体は一本鎖Fvを含む。
1つの態様において、本方法のTrkBアゴニスト抗体はダイアボディ(例えば、一本鎖ダイアボディまたは2つのポリペプチド鎖を有するダイアボディ)を含む。
いくつかの態様において、本方法のTrkBアゴニスト抗体の抗原結合部分は下記のいずれかのアイソタイプの抗体由来である:IgG1、IgG2、IgG3またはIgG4。いくつかの態様において、該抗体の抗原結合部分はIgAまたはIgEアイソタイプの抗体由来である。
1つの態様において、本方法のTrkBアゴニスト抗体はTrkBへの結合に対してBDNFと競合し、それによりTrkB経路シグナル伝達の生物学的活性および結果を調節する。非限定的な例として、本方法のTrkBアゴニスト抗体は(例えば、TrkBへの結合に対してBDNFと競合することにより)TrkB経路活性化およびシグナル伝達を活性化、強化または永続化することができる。いくつかの態様において、該TrkBアゴニスト抗体はTrkBリガンド結合ドメインに結合し、それによりTrkBへの結合に対してBDNFと競合する。
いくつかの態様において、本方法の抗体はBDNF模倣物として作用し、例えば、該リガンドの栄養活性を反復することができる(したがって、神経保護および神経栄養効果を持続することができる)。
他の態様において、本方法のTrkBアゴニスト抗体はTrkBリガンド結合ドメインに結合せず、TrkBとの結合に対してBDNFと競合しないが、それにもかかわらずTrkBシグナル伝達経路を調節すること(例えば、TrkB経路活性化およびシグナル伝達を活性化、強化または永続化すること)ができる。
種々の態様において、本発明はTrkBにより直接または間接様式において通常、調節される下流生物学的活性を調節するTrkB作動性抗体にて呼吸器疾患(例えば、レット症候群(RTT))または呼吸困難の症状を処置、診断、予防および/または改善する方法を提供する。該活性の非限定的な例は、TrkBの二量体化の調節、次にTrkB細胞内ドメインにおいてチロシン残基の自己リン酸化;TrkB関連細胞内シグナル伝達カスケード、例えば、マイトージェン活性タンパク質キナーゼ、ホスファチジルイノシトール3−キナーゼおよびPLCγ経路の開始;ならびに神経細胞死の抑制、神経突起伸長の促進およびニューロトロフィンの他の効果を含む。例えば、本方法のTrkBアゴニスト抗体は対照と比較して(例えば、TrkBアゴニスト抗体の非存在下での活性と比較して)少なくとも5%、10%、15%、25%または50%以上神経細胞死を抑制する。さらなる例として、該TrkBアゴニスト抗体はTrkBタンパク質レベルを対照と比較して(例えば、TrkBアゴニスト抗体の非存在下での活性と比較して)少なくとも5%、10%、15%、25%または50%以上安定化する。
種々の態様において、本発明は、非抗体TrkB作動性分子にて、呼吸器疾患(例えば、レット症候群(RTT))または呼吸困難の症状を処置、診断、予防および/または改善する方法を提供する。非抗体TrkBアゴニスト分子は非抗体ポリペプチド、例えば、以下のいずれかのものなどの免疫グロブリン様(Ig様)フォールド由来アミノ酸配列を有するTrkB結合ドメインを含む:テネイシン、N−カドヘリン、E−カドヘリン、ICAM、タイチン、GCSF−受容体、サイトカイン受容体、グリコシダーゼ阻害剤、抗生物質、色素タンパク質、ミエリン膜接着分子、P0、CD8、CD4、CD2、クラスI MHC、T−細胞抗原受容体、CD1、C2およびVCAM−1のI−setドメイン、ミオシン結合タンパク質CのI−set免疫グロブリンドメイン、ミオシン結合タンパク質HのI−set免疫グロブリンドメイン、テロキンのI−set免疫グロブリンドメイン、NCAM、トウィッチン、ニューログリアン、成長ホルモン受容体、エリスロポエチン受容体、プロラクチン受容体、インターフェロン−ガンマ受容体、β−ガラクトシダーゼ/グルクロニダーゼ、β−グルクロニダーゼ、トランスグルタミナーゼ、T−細胞抗原受容体、スーパーオキシド・ジスムターゼ、組織因子ドメイン、シトクロムF、緑色蛍光タンパク質、GroELまたはソーマチン。一般的に、TrkB結合ドメインのアミノ酸配列は、免疫グロブリン様フォールドのアミノ酸配列と比較して、TrkB結合ドメインが特異的にTrkBに結合するように改変される(すなわち、ここで、免疫グロブリン様フォールドは特異的にTrkBに結合しない)。
種々の態様において、TrkB結合ドメインのアミノ酸配列はフィブロネクチン、サイトカイン受容体またはカドヘリンの免疫グロブリン様フォールドのアミノ酸配列と少なくとも60%同一(例えば、少なくとも65%、75%、80%、85%または90%同一)である。
種々の態様において、TrkB結合ドメインのアミノ酸配列は以下のいずれかの免疫グロブリン様フォールドのアミノ酸配列と少なくとも60%、65%、75%、80%、85%または90%同一である:テネイシン、N−カドヘリン、E−カドヘリン、ICAM、タイチン、GCSF−受容体、サイトカイン受容体、グリコシダーゼ阻害剤、抗生物質、色素タンパク質、ミエリン膜接着分子、P0、CD8、CD4、CD2、クラスI MHC、T−細胞抗原受容体、CD1、C2およびVCAM−1のI−setドメイン、ミオシン結合タンパク質CのI−set免疫グロブリンドメイン、ミオシン結合タンパク質HのI−set免疫グロブリンドメイン、テロキンのI−set免疫グロブリンドメイン、NCAM、トウィッチン、ニューログリアン、成長ホルモン受容体、エリスロポエチン受容体、プロラクチン受容体、インターフェロン−ガンマ受容体、β−ガラクトシダーゼ/グルクロニダーゼ、β−グルクロニダーゼ、トランスグルタミナーゼ、T−細胞抗原受容体、スーパーオキシド・ジスムターゼ、組織因子ドメイン、シトクロムF、緑色蛍光タンパク質、GroELまたはソーマチン。
種々の態様において、LRP6結合ドメインはK1nM以下(例えば、0.5nM、01nM)にてTrkBに結合する。
いくつかの態様において、Ig様フォールドはフィブロネクチンのIg様フォールド、例えば、III型フィブロネクチンのIg様フォールド(例えば、III型フィブロネクチンのモジュール10のIg様フォールド)である。
本発明は、また、本明細書に記載されているTrkBアゴニスト抗体を含む医薬組成物を使用する方法を特徴とする。組成物は、例えば、TrkBアゴニスト抗体および薬学的に許容される担体を含む。
1つの局面において、本発明は治療および/または予防有効量のTrkBの抗体アゴニスト(または同じものを含む医薬組成物)を投与することにより、神経細胞死を抑制するか、または神経突起伸長を促進する方法を特徴とする。これらの方法は組織または生物学的サンプルを治療および/または予防有効量のTrkBの抗体アゴニスト(または同じものを含む医薬組成物)と接触させ、それによりTrkBシグナル伝達経路を活性化および/または安定化させることを含む。TrkBアゴニスト抗体(または同じものを含む医薬組成物)は神経細胞死を抑制または神経突起伸長を促進するための有効量にて投与することができる。
いくつかの態様において、該方法はTrkBの抗体アゴニスト(または同じものを含む医薬組成物)の腹腔内投与を特徴とする。
すべての型のTrkBアゴニスト抗体を本発明の方法に使用することができる。一般的に、使用される抗体はモノクローナル抗体である。モノクローナル抗体は当分野で既知のすべての方法(例えば、ハイブリドーマ、組換え発現および/またはファージディスプレイを使用して)により製造することができる。限定はしないが、以下の特許および非特許文献のすべてのTrkBアゴニスト抗体を本方法において使用することができる:Qian, M., et al. (2006) Journal of Neurosci. 26(37); 9394-9403;米国特許番号5,910,574(および関連ファミリーメンバー);PCT特許公報番号WO06/133164(および関連ファミリーメンバー)。
定義
本明細書において使用される“呼吸器疾患”なる用語は、無気肺、嚢胞性線維症、レット症候群(RTT)、喘息、無呼吸(例えば、睡眠時無呼吸)、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、気腫、急性呼吸困難、多呼吸、起座呼吸、リウマチ性肺疾患、肺鬱血または浮腫、慢性閉塞性気道疾患(例えば、気腫、慢性気管支炎、気管支喘息および気管支拡張症)、低換気、ピックウィック症候群、肥満−低換気症候群、乳幼児突然死症候群(SIDS)および高炭酸を含むが、これらに限定されない。
さらに“呼吸器疾患”は、また、遺伝子異常に関連する既知のヒトの状態、例えば、シャルコー・マリー・ツース病、チェーン・ストークス呼吸障害、プラダーウィリ症候群、乳幼児突然死症候群、先天性中枢性低換気、びまん性間質性疾患(例えば、サルコイドーシス、塵肺症、過敏性肺炎、細気管支炎、グッドパスチャー症候群、特発性肺線維症、特発性肺ヘモジデリン沈着症、肺胞タンパク症、剥離性間質性肺炎、慢性間質性肺炎、線維化性肺胞炎、ハンマン・リッチ症候群、肺好酸球増多症、びまん性間質性線維症、ウェゲナー肉芽腫、リンパ腫様肉芽腫および脂質性肺炎)または腫瘍(例えば、気管支癌腫、細気管支肺胞癌腫、気管支カルチノイド、過誤腫および間葉性腫瘍)を含む。
本明細書において使用される“調節する”は直接的または間接的にコントロールまたは影響する能力を示し、あるいは、非限定的な例として、阻害または刺激する、作動性であるまたはアンタゴナイズする、妨害または促進する、および強めるまたは弱めることを意味することができる。
本発明のTrkB作動性抗体の“予防有効量”および“治療有効量”は疾患症状(例えば、異常に低いレベルのTrkBまたはTrkBの変異体コピーと関連する障害の症状)それぞれの発症を予防するか、または疾患症状の重症度を低下させることができる。該用語は、また、疾患無症状期間の頻度および期間をそれぞれ増加または延長することができる。“予防有効量”および“治療有効量”は、また、TrkB関連または呼吸器疾患の罹患による欠陥または障害を予防または改善することができる。
“対象”なる用語は異常TrkBシグナル伝達経路と関連する疾患、障害または状態に罹患しているか、または患っている生物、例えば、真核生物を含むことを意図する。対象の例は哺乳動物、例えば、ヒト、イヌ、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ネコ、マウス、ウサギ、ラットおよび遺伝子導入非ヒト動物を含む。特定の態様において、対象はヒト、例えば、本明細書に記載されている呼吸器疾患または状態(例えば、レット症候群(RTT))に罹患している、罹患している危険性がある、または罹患する可能性があるヒトである。
本明細書において使用される“抗体”なる用語はインタクトな抗体または抗原結合フラグメント(すなわち、“抗原−結合部分”)またはそれらの一本鎖(すなわち、軽鎖または重鎖)に関する。インタクトな抗体はジスルフィドにより相互結合された少なくとも2つの重(H)鎖および2つの軽(L)鎖を含む糖タンパク質である。それぞれの重鎖は重鎖可変領域(本明細書においてVと省略する)および重鎖定常領域を含む。重鎖定常領域は3つのドメイン、CH1、CH2およびCH3を含む。それぞれの軽鎖は軽鎖可変領域(本明細書においてVと省略する)および軽鎖定常領域を含む。軽鎖定常領域は1つのドメインCを含む。VおよびV領域はフレームワーク領域(FR)と呼ばれるより保存されている領域により分断されている相補性決定領域(CDR)と呼ばれる超可変性の領域にさらに分類できる。それぞれのVおよびVはアミノ−末端からカルボキシ−末端へ次の順序:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4にて配置された3つのCDRおよび4つのFRから構成される。重鎖および軽鎖の可変領域は抗原と相互作用する結合ドメインを含む。抗体の定常領域は免疫グロブリンの、免疫系の種々の細胞(例えば、エフェクター細胞)および古典的補体系の第一の成分(Clq)を含む宿主組織または因子への結合を介し得る。
本明細書において使用される抗体の“抗原結合部分”なる用語は、特異的に任意の抗原(例えば、TrkB)に結合する能力を保持するインタクトな抗体の1つ以上のフラグメントを意味する。抗体の抗原結合機能はインタクトな抗体のフラグメントにより実施できる。抗体の“抗原結合部分”なる用語内に包含される結合フラグメントの例は、Fabフラグメント、V、V、CおよびCH1ドメインからなる一価フラグメント;F(ab)フラグメント、ヒンジ領域でジスルフィド橋により連結された2つのFabフラグメント(一般的に重鎖および軽鎖から1つ)を含む二価フラグメント;VおよびCH1ドメインからなるFdフラグメント;抗体の単一のアームのVおよびVドメインからなるFvフラグメント;Vドメインからなる単一ドメイン抗体(dAb)フラグメント(Ward et al., 1989 Nature 341:544-546);および単離された相補性決定領域(CDR)を含む。
さらに、Fvフラグメントの2つのドメインVおよびVは別々の遺伝子によりコードされているが、それらは、組換え方法を使用して、VおよびV領域が対になって一価分子を形成する一本のタンパク質鎖として作製可能とする人工ペプチドリンカーにより連結することができる(一本鎖Fv(scFv)としても既知;例えば、Bird et al., 1988 Science 242:423-426;およびHuston et al., 1988 Proc. Natl. Acad. Sci. 85:5879-5883、参照)。このような一本鎖抗体は抗体の1つ以上の“抗原結合部分”を含む。これらの抗体フラグメントは当業者に既知の慣用の技術を使用して得られ、これらのフラグメントはインタクトな抗体と同様に有用性に関してスクリーニングされる。
抗原結合部分は、また、単一ドメイン抗体、マキシボディ、ミニボディ、イントラボディ、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディ、v−NARおよびビス−scFvに組み込まれていてもよい(例えば、Hollinger and Hudson, 2005, Nature Biotechnology, 23, 9, 1126-1136、参照)。抗体の抗原結合部分はポリペプチドに基づく骨組、例えば、III型フィブロネクチン(Fn3)にグラフトすることができる(フィブロネクチンポリペプチドモノボディを記載している米国特許第6,703,199号、参照)。
抗原結合部分は相補的軽鎖ポリペプチドと一緒に1対の抗原結合領域を形成する、1対のタンデムFvセグメント(V−CH1−V−CH1)を含む一本鎖分子に組み込まれていてもよい(Zapata et al., 1995 Protein Eng. 8(10):1057-1062;および米国特許第5,641,870号)。
本明細書において使用される“ラクダ抗体”なる用語は、ラマ種(Lama paccos、Lama glamaおよびLama vicugna)を含むラクダおよびヒトコブラクダ(Camelus bactrianusおよびCalelus dromaderius)科のメンバーから得られる1つ以上のフラグメントのインタクトな抗体タンパク質を意味する。VHHとして同定された小さい1本の可変ドメインであるラクダ抗体の領域は、標的に対して高い親和性を有する小タンパク質を得るための遺伝子工学により得ることができ、“ラクダナノボディ”として既知の低分子量抗体由来タンパク質が得られる。米国特許第5,759,808、参照;Stijlemans et al., 2004 J. Biol. Chem. 279: 1256-1261; Dumoulin et al., 2003 Nature 424: 783-788; Pleschberger et al., 2003 Bioconjugate Chem. 14: 440-448; Cortez-Retamozo et al., 2002 Int. J. Cancer 89: 456-62;およびLauwereys. et al., 1998 EMBO J. 17: 3512-3520も参照。
本明細書において使用される“単離されたTrkBアゴニスト抗体”は、TrkB以外の抗原に対する抗原特異性を有する分子を実質的に含まない結合分子を意味する(例えば、特異的にTrkBに結合する単離された抗体は特異的にTrkB以外の抗原に結合する抗体を実質的に含まない)。しかしながら、特異的にTrkBに結合する単離された結合分子は他の種の他の抗原、例えば、TrkB分子に対して交差反応性を有し得る。細胞材料を実質的に含まないとき、結合分子は“精製”されている。
本明細書において使用される“ヒューマニアード抗体”なる用語は同じエピトープに結合するが、配列が異なっている抗体を意味する。例として、技術はKalobiosのヒューマニアード技術により製造されるヒューマニアード抗体であって、ここで、抗原結合領域の配列は保存的アミノ酸置換によるよりむしろ、例えば、変異により誘導される抗体を含む。
本明細書において使用される“特異的にTrkBに結合する”TrkBアゴニスト抗体(例えば、抗体またはその抗原結合部分)はTrkBにK1×10−7M以下にて結合するTrkBアゴニスト抗体を意味することを意図する。“抗原と交差反応する”TrkBアゴニスト抗体(例えば、抗体またはその抗原結合部分)は抗原にK1×10−6M以下にて結合するTrkBアゴニスト抗体を意味することを意図する。特定の抗原と“交差反応しない”TrkBアゴニスト抗体(例えば、抗体またはその抗原結合部分)は検出可能にその抗原に結合しないか、またはK1×10−5M以上にて結合する、TrkBアゴニスト抗体を意味することを意図する。特定の態様において、抗原と交差反応しないこのような結合分子は標準結合アッセイにおいてこれらのタンパク質に対して本質的に検出できない結合を示す。
本明細書において使用される“モノクローナル抗体組成物”なる用語は単一分子組成物の抗体分子の調製物を意味する。モノクローナル抗体組成物は特定のエピトープに対して単一の結合特異性および親和性を示す。
本明細書において使用される“ヒト抗体”なる用語は、フレームワークおよびCDR領域の両方がヒト起源の配列に由来している可変領域を有する抗体を含むことを意図する。さらに、抗体が定常領域を含むとき、定常領域は、また、このようなヒト配列、例えば、ヒト生殖細胞系列配列または突然変異型のヒト生殖細胞系列配列に由来する。本発明のヒト抗体はヒト配列によってコードされないアミノ酸残基(例えば、インビトロでランダムまたは部位特異的突然変異またはインビボで体細胞変異により導入された変異)を含み得る。しかしながら、本明細書において使用される“ヒト抗体”なる用語は、別の哺乳動物種、例えば、マウスの生殖細胞系列に由来するCDR配列がヒトフレームワーク配列にグラフトされている抗体を含むことを意図しない。
“ヒトモノクローナル抗体”なる用語はフレームワークおよびCDR領域の両方がヒト配列に由来している可変領域を有する単一の結合特異性を示す抗体を意味する。1つの態様において、ヒトモノクローナル抗体は不死化細胞に融合させた遺伝子導入非ヒト動物(例えば、ヒト重鎖導入遺伝子および軽鎖導入遺伝子を含むゲノムを有する遺伝子導入マウス)から得られたB細胞を含むハイブリドーマにより製造される。
本明細書において使用される“組換えヒト抗体”なる用語は、組換え手段により製造、発現、作製または単離されたすべてのヒト抗体、例えば、ヒト免疫グロブリン遺伝子を遺伝子導入または染色体導入された動物(例えば、マウス)またはそれから製造されたハイブリドーマから単離された抗体;ヒト抗体を発現するように形質転換された宿主細胞、例えば、トランスフェクトーマから単離された抗体;組換えコンビナトリアルヒト抗体ライブラリーから単離された抗体;およびヒト免疫グロブリン遺伝子配列の全部または一部の他のDNA配列へのスプライシングを含む他の手段により製造、発現、作製または単離された抗体を含む。このような組換えヒト抗体はフレームワークおよびCDR領域がヒト生殖細胞系列免疫グロブリン配列に由来している可変領域を有する。しかしながら、特定の態様において、このような組換えヒト抗体をインビトロ突然変異(または、ヒトIg配列に対して動物遺伝子導入が使用されるとき、インビボ体細胞突然変異)に付すことができ、したがって、組換え抗体のVおよびV領域のアミノ酸配列は、ヒト生殖細胞系列VおよびV配列に由来し、関連するが、自然にヒトにおいてヒト抗体生殖細胞系列レパートリー内に存在しない配列である。
本明細書において使用される“アイソタイプ”は重鎖定常領域遺伝子によってコードされる抗体クラス(例えば、IgM、IgE、IgG、例えば、IgG1またはIgG4)を意味する。
“抗原を認識する抗体”および“抗原に対して特異的な抗体”なる用語は“抗原に特異的に結合する抗体”なる用語と互換的に使用される。
“特異的に(または選択的に)(抗体に)結合する”または“特異的に(または選択的に)(抗体と)免疫反応性”なるフレーズは、タンパク質またはペプチドについて言及するとき、タンパク質または他の生物学的物質の異成分からなる集団におけるタンパク質の存在の決定要因となる結合反応を意味する。したがって、設計された免疫測定条件下で、特定の抗体はバックグラウンドの少なくとも2倍特定のタンパク質に結合し、有意な量でサンプル中に存在する他のタンパク質に実質的に結合しない。このような条件下での抗体への特定の結合は特定のタンパク質に対するその特異性によって選択される抗体を必要とし得る。この選択は、例えば、TrkAまたはTrkCまたはニューロトロフィン受容体p75NRと交差反応する抗体を取り除くことにより達成され得る。種々の免疫測定フォーマットは特定のタンパク質と特異的に免疫反応する抗体を選択するために使用され得る。例えば、固相ELISA免疫測定がタンパク質と特異的に免疫反応する抗体を選択するために一般的に使用される(特定の免疫活性を決定するために使用することができる免疫測定フォーマットおよび条件の記載に関して、例えば、Harlow & Lane, Antibody, A Laboratory Manual (1998)、参照)。一般的に、特異的または選択的反応はバックグラウンドシグナルまたはノイズの少なくとも2倍、より一般的にバックグラウンドの10から100倍以上である。
“抗体アゴニスト”なる用語は完全な、または部分的な受容体介在応答を誘導するように受容体を活性化することができる抗体を意味する。例えば、TrkBのアゴニストはTrkBに結合し、TrkB介在シグナル伝達を誘導する。いくつかの態様において、アゴニストに対するTrkB抗体は、SH−SY5Y細胞と接触させたとき、または本明細書に記載がない限り、TrkBに結合し、神経突起伸長を誘導する能力により同定され得る。
本発明のポリペプチドの“活性”は天然細胞または組織におけるポリペプチドの構造、調節または生化学機能を意味する。ポリペプチドの活性の例は直接的な活性および間接的な活性の両方を含む。典型的な直接的な活性はリガンド結合を含むポリペプチドとの直接的相互作用、例えば、リガンド結合ドメイン(LBD)へのBDNFの結合の結果である。
本明細書において使用される、“高い親和性”なる用語は、IgG抗体に対する言及のとき、抗体が標的抗原に対してK10−9M以下を有することを意味する。
核酸配列は、産生細胞または生物、一般的に真核細胞、例えば、酵母菌、例えば、ピキア(Pichia)の細胞、昆虫細胞、哺乳動物細胞、例えば、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)またはヒト細胞において好ましいコドンを使用してアミノ酸配列をコードするように改変されているとき、“最適化”されていると呼ぶ。最適化された核酸配列は“親”配列としても既知である、元の出発核酸配列によってコードされるアミノ酸配列と同一またはほぼ同一のアミノ酸配列をコードするように加工される。
本発明の種々の局面は以下のサブセクションにおいてさらに詳細に記載されている。
種々の種のTrkBおよび特定のTrkBのエピトープに結合する分子の能力を評価するための標準アッセイは、当分野で既知であり、例えば、ELISAおよびウエスタンブロットを含む。TrkBアゴニスト抗体がTrkBの特定のエピトープに結合するかどうかの同定にペプチドエピトープ競合アッセイを使用することができる。例えば、TrkBアゴニスト抗体をペプチドの飽和濃度にて興味あるTrkBエピトープに対応するペプチドとインキュベートする。プレインキュベートしたTrkBアゴニスト抗体を、例えば、Biacore(登録商標)分析により、固定化TrkBへの結合に対して試験する。ペプチドとのプレインキュベーションによるTrkB結合の阻害は、TrkBアゴニスト抗体がペプチドエピトープに結合することを示す(例えば、米国特許出願第20070072797号、参照)。結合動態は、また、当分野で既知の標準アッセイ、例えば、Biacore(登録商標)分析またはFACS分析による明白な結合により評価することができる。TrkBの機能特性に対するTrkB作動性抗体の作用を評価するためのアッセイは以下にさらに詳細に記載されている。
したがって、当分野において既知であり、本明細書に記載されている方法論にしたがって決定される1つ以上のこれらのTrkB機能特性(例えば、生化学的、細胞的、生理学的または他の生物学的活性など)を“阻害する”TrkBアゴニスト抗体は、結合分子の非存在下(例えば、無関連の特異性の対照分子が存在するとき)と比較して特定の機能特性において統計学的に有意な低下を引き起こすと理解される。TrkB活性を阻害するTrkBアゴニスト抗体は測定パラメーターの少なくとも5%の統計学的に有意な低下を引き起こす。特定の態様において、アンタゴナイズ抗体または他のTrkBアゴニスト抗体は対照と比較して選択された機能特性において少なくとも10%、20%、30%または50%の減少を引き起こし得る。
TrkB活性を作動性または促進するTrkBアゴニスト抗体は測定パラメーターの少なくとも5%の統計学的に有意な増加を引き起こす。特定の態様において、TrkBアゴニスト抗体またはその部分は対照と比較して選択された機能特性において少なくとも10%、20%、30%または50%の増加を引き起こし得る。
抗体
本明細書に記載されている抗TrkB抗体はヒトモノクローナル抗体を含む。いくつかの態様において、TrkBに結合する抗体の抗原結合部分(例えば、VおよびV鎖)は他の抗TrkB作動性抗体を創造するように“混合および適合”される。このような“混合および適合”された抗体の結合は前記結合アッセイ(例えば、ELISA)を使用して試験することができる。特定のV配列と混合および適合するVを選択するとき、一般的に1つはVとの対において置き換えられるVと構造的に類似しているVを選択する。同様に特定の全長重鎖/全長軽鎖対の全長重鎖配列は一般的に構造的に類似している全長重鎖配列と置換すべきである。同様に、特定のV/V対のV配列は構造的に類似しているV配列と置換すべきである。同様に特定の全長重鎖/全長軽鎖対の全長軽鎖配列は構造的に類似している全長軽鎖配列と置換すべきである。この文脈における構造類似の同定は当分野においてよく知られている方法である。
他の局面において、本発明は1つ以上のTrkB結合抗体の重鎖および軽鎖のCDRl、CDR2およびCDR3を種々の組合せにおいて含む抗体を提供する。これらの抗体のそれぞれがTrkBに結合し、抗原−結合特異性が主としてCDR1、2および3領域により提供され得ることを考慮すると、VのCDR1、2および3配列とVのCDR1、2および3配列は“混合および適合”され得る(すなわち、異なる抗体からのCDRは混合および適合され得る)。このような“混合および適合”された抗体のTrkB結合は本明細書に記載されている結合アッセイ(例えば、ELISA)を使用して試験することができる。VのCDR配列が混合および適合されているとき、特定のV配列のCDR1、CDR2および/またはCDR3は構造的に類似しているCDR配列と置換すべきである。同様に、VのCDR配列が混合および適合されているとき、特定のV配列のCDR1、CDR2および/またはCDR3配列は構造的に類似しているCDR配列と置換すべきである。この文脈における構造類似の同定は当分野でよく知られている方法である。
本明細書において使用される、ヒト抗体は、抗体の可変領域または全長鎖が配列源としてヒト生殖細胞系列免疫グロブリン遺伝子を使用する系から得られるとき、特定の生殖細胞系列配列の“生成物”である、またはそれに“由来”する重鎖または軽鎖可変領域または全長重鎖または軽鎖を含む。このような系の1つにおいて、ヒト抗体はヒト免疫グロブリン遺伝子を有する遺伝子導入マウスにより製造される。遺伝子導入は興味ある抗原(例えば、TrkBのエピトープ)により免疫化される。あるいは、ヒト抗体は、ファージ上に提示されたヒト免疫グロブリン遺伝子ライブラリーを提供し、興味ある抗原(例えば、TrkBのエピトープ)ライブラリーをスクリーニングすることにより同定される。
ヒト生殖細胞系列免疫グロブリン配列の“生成物”である、またはそれに“由来”するヒト抗体はヒト抗体のアミノ酸配列とヒト生殖細胞系列免疫グロブリンのアミノ酸配列を比較して、ヒト抗体の配列と配列において非常に近い(すなわち、同一性%が非常に高い)ヒト生殖細胞系列免疫グロブリン配列を選択することによりそれ自体同定することができる。特定のヒト生殖細胞系列免疫グロブリン配列の“生成物”である、またはそれに“由来”するヒト抗体は生殖細胞系列にコードされた配列と比較して、例えば、自然に起こる体細胞変異または人工部位特異的変異によるアミノ酸の違いを含み得る。しかしながら、選択されたヒト抗体は一般的にヒト生殖細胞系列免疫グロブリン遺伝子によってコードされるアミノ酸配列と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を有し、他の種の生殖細胞系列免疫グロブリンアミノ酸配列(例えば、マウス生殖細胞系列配列)と比較したとき、ヒト抗体をヒトとして同定するアミノ酸残基を含む。特定の場合において、ヒト抗体は生殖細胞系列免疫グロブリン遺伝子によってコードされるアミノ酸配列とアミノ酸配列において少なくとも60%、70%、80%、90%または少なくとも95%、またはさらに少なくとも96%、97%、98%または99%同一であり得る。
2つの配列間の同一性パーセントは、2つの配列の最適なアライメントのために導入する必要のあるギャップ数および各ギャップの長さを考慮して、配列により共有される同一の位置の数の関数である(すなわち、%同一性=同一の位置の#/位置の全#×100)。2つの配列間の配列の比較および同一性パーセントの決定はALIGNプログラム(バージョン2.0)に組み込まれているE. Meyers and W. Miller (1988 Comput. Appl. Biosci., 4:11-17)のアルゴリズムを使用して、PAM120 weight residue table、ギャップレングスペナルティー12およびギャップペナルティー4を使用して決定される。
一般的に、特定のヒト生殖細胞系列配列由来ヒト抗体のVまたはVはヒト生殖細胞系列免疫グロブリン遺伝子によってコードされるアミノ酸配列とわずか10個のアミノ酸の違いを示す。特定の場合において、ヒト抗体のVまたはVは生殖細胞系列免疫グロブリン遺伝子によってコードされるアミノ酸配列とわずか5つまたはわずか4、3、2または1つのアミノ酸の違いを示し得る。
ラクダ抗体
新世界(New World)メンバー、例えば、ラマ種(Lama paccos、Lama glamaおよびLama vicugna)を含むラクダおよびヒトコブラクダ(Camelus bactrianusおよびCalelus dromaderius)科のメンバーから得られる抗体タンパク質は、サイズ、構造的複雑性およびヒト対象に対する抗原性に対して特徴付けられている。この科の哺乳動物において自然に見られる特定のIgG抗体は軽鎖を欠き、したがって他の動物の抗体において典型的な2つの重鎖および2つの軽鎖を有する4鎖の四次構造とは構造的に異なる。WO94/04678、参照。
HHとして同定された小さい1本の可変ドメインであるラクダ抗体の領域は、標的に対して高い親和性を有する小タンパク質を得るための遺伝子工学により得ることができ、“ラクダナノボディ”として既知の低分子量抗体由来タンパク質が得られる。米国特許第5,759,808号、参照;Stijlemans et al., 2004 J. Biol. Chem. 279: 1256-1261; Dumoulin et al., 2003 Nature 424: 783-788; Pleschberger et al., 2003 Bioconjugate Chem. 14: 440-448; Cortez-Retamozo et al., 2002 Int. J. Cancer 89: 456-62;およびLauwereys. et al., 1998 EMBO J. 17: 3512-3520も参照。ラクダ抗体および抗体フラグメントの加工されたライブラリーは、例えば、Ablynx、Ghent、Belgiumから市販されている。非ヒト起源の他の抗体に関して、ラクダ抗体のアミノ酸配列はヒト配列をより密接に似ている配列を得るために組換え的に改変させることができる、すなわち、ナノボディはヒト化することができる。したがって、ヒトに対するラクダ抗体の本来の低い抗原性をさらに低減することができる。
ラクダナノボディはヒトIgG分子の分子量の約1/10を有し、該タンパク質はわずか数ナノメーターの物理的直径を有する。小さいサイズの1つの結果は、より大きい抗体タンパク質によっては機能的に見えない抗原部位に結合するラクダナノボディの能力であり、すなわち、ラクダナノボディは従来の免疫技術を使用して他の方法では隠れている抗原を検出する試薬、および可能性としては治療剤として有用である。したがって、小さいサイズのさらなる結果は、ラクダナノボディが標的タンパク質の溝または狭い割れ目の特定の部位に結合する結果として阻害することができ、したがって従来の抗体よりも従来の低分子量薬物の機能とより密接に似ている能力で働き得ることである。
さらに、低分子量および緻密化サイズの結果、ラクダナノボディが極めて熱安定性であり、極端なpHおよびタンパク質分解消化に対して安定であり、抗原性が低い。さらなる結果は、ラクダナノボディが循環系から組織へ、血液脳関門を介する場合でも容易に移動し、神経組織に影響する障害を処置することができることである。さらにナノボディは血液脳関門を介する薬物輸送を促進することができる。2004年8月19日公開の米国特許出願第20040161738号、参照。これらの特徴は、ヒトにおける低い抗原性と結合して、大きな治療的可能性を示す。さらに、これらの分子は原核細胞、例えば、大腸菌において完全に発現することができる。
したがって、本発明の特徴はTrkBに対して高い親和性を有するラクダ抗体またはラクダナノボディである。本明細書におけるある特定の態様において、ラクダ抗体またはナノボディはラクダ動物で自然に製造され、すなわち、TrkBまたはそのペプチドフラグメントで免疫化した後、他の抗体に関して本明細書に記載されている技術を使用してラクダにより製造される。あるいは、抗TrkBラクダナノボディは、すなわち、例えば、適当に突然変異させたラクダナノボディタンパク質を提示するファージのライブラリーから標的として本明細書に記載されているTrkBまたはTrkBエピトープを使用したパンニング法を使用して選択により加工、すなわち製造される。さらに、加工されたナノボディをレシピエント対象において45分から2週間の半減期を有するように遺伝子工学によりカスタマイズすることができる。
ダイアボディ
ダイアボディは、VおよびVドメインが単一ポリペプチド鎖で発現され、あまりに短すぎるため同じ鎖の2つのドメイン間で対になることができないリンカーにより結合している、二価、二重特異性分子である。VおよびVドメインは別の鎖の相補的ドメインと対を作り、それによって2つの抗原結合部位を創造する(例えば、Holliger et al., 1993 Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:6444-6448; Poljak et al., 1994 Structure 2:1121-1123、参照)。ダイアボディは同じ細胞内で構造VHA−VLBおよびVHB−VLA(V−V構成)、またはVLA−VHBおよびVLB−VHA(V−V構成)のいずれかを有する2つのポリペプチド鎖を発現させることにより製造することができる。それらのほとんどは細菌において可溶性形態で発現させることができる。
一本鎖ダイアボディ(scDb)は、2つのダイアボディ形成ポリペプチド鎖を約15アミノ酸残基のリンカーと結合させることにより、製造される(Holliger and Winter, 1997 Cancer Immunol. Immunother., 45(3-4):128-30; Wu et al., 1996 Immunotechnology, 2(1):21-36、参照)。scDbは細菌において可溶性かつ活性な単量体型で発現させることができる(Holliger and Winter, 1997 Cancer Immunol. Immunother., 45(34): 128-30; Wu et al., 1996 Immunotechnology, 2(1):21-36; Pluckthun and Pack, 1997 Immunotechnology, 3(2): 83-105; Ridgway et al., 1996 Protein Eng., 9(7):617-21、参照)。
ダイアボディはFcと融合させ、“ジ−ダイアボディ”を製造することができる(Lu et al., 2004 J. Biol. Chem., 279(4):2856-65、参照)。
加工および修飾された抗体
本発明の抗体は、出発抗体から改変された特性を有し得る修飾された抗体を加工するように、出発物質として1つ以上のVおよび/またはV配列を有する抗体を使用して製造することができる。抗体を1つまたは両方の可変領域(すなわち、Vおよび/またはV)内、例えば、1つ以上のCDR領域および/または1つ以上のフレームワーク領域内の1つ以上の残基を修飾することにより加工することができる。さらに、または、あるいは、抗体を、例えば、抗体のエフェクター機能を改変するために、定常領域内の残基を修飾することにより加工することができる。
実施することができる可変領域加工の1つはCDRグラフト法である。抗体は、主として6つの重鎖および軽鎖CDRに存在するアミノ酸残基を介して標的抗原と相互作用する。この理由のため、CDR内のアミノ酸配列はCDR外の配列よりも個々の抗体間でより異なっている。CDR配列がほとんどの抗体−抗原相互作用に関与するため、異なる特性を有する異なる抗体のフレームワーク配列にグラフトされた特定の天然抗体のCDR配列を含む発現ベクターを構築することにより、特定の天然抗体の特性を模倣する組換え抗体を発現させることが可能である(例えば、Riechmann et al., 1998 Nature 332:323-327; Jones et al., 1986 Nature 321:522-525; Queen et al., 1989 Proc. Natl. Acad。U.S.A. 86:10029-10033、参照;米国特許第5,225,539号および米国特許第5,530,101; 5,585,089; 5,693,762および6,180,370号、参照)。
フレームワーク配列は生殖細胞系列抗体遺伝子配列を含む公開DNAデータベースまたは刊行されている参照文献から得ることができる。例えば、ヒト重鎖および軽鎖可変領域遺伝子の生殖細胞系列DNA配列は“VBase”ヒト生殖細胞系列配列データベース(インターネットwww.mrc-cpe.cam.ac.uk/vbaseで利用できる)、ならびにKabat, E. A., et al., 1991 Sequences of Proteins ofImmunological Interest, Fifth Edition, U.S. Department of Health and Human Services, NIH Publication No. 91-3242; Tomlinson et al., 1992 J. Mol. Biol. 227:776-798;およびCox et al., 1994 Eur. J. Immunol. 24:827-836;(これらのそれぞれの内容を出典明示により本明細書に包含させる)において見出すことができる。
のCDR1、2および3の配列およびVのCDR1、2および3の配列をフレームワーク配列が由来する生殖細胞系列免疫グロブリン遺伝子において見出されたものと同一の配列を有するフレームワーク領域にグラフトすることができ、またはCDR配列を生殖細胞系列配列と比較して1つ以上の変異を含むフレームワーク領域にグラフトすることができる。例えば、ある場合において、抗体の抗原結合力を維持または強化するためにフレームワーク領域内の残基を変異させることが有益であることが見出されている(例えば、米国特許第5,530,101;5,585,089;5,693,762および6,180,370号、参照)。
CDRは、また、免疫グロブリンドメイン以外のポリペプチドのフレームワーク領域にグラフトさせることができる。適当な骨組は、局在した表面を形成し、興味ある標的(例えば、TrkB)に結合するようにグラフトされた残基を示す、構造的に安定なフレームワークを形成する。例えば、CDRは、フレームワーク領域がフィブロネクチン、アンキリン、リポカリン、ネオカルチノスタチン、シトクロムb、CP1亜鉛フィンガー、PST1、コイルドコイル、LACI−D1、Zドメインまたはテンドラミスト(tendramisat)に基づく骨組上にグラフトすることができる(例えば、Nygren and Uhlen, 1997 Current Opinion in Structural Biology, 7, 463-469、参照)。
別種の可変領域修飾はVおよび/またはVのCDR1、CDR2および/またはCDR3領域のアミノ酸残基の変異であり、それによって“親和性成熟”として既知の興味ある抗体の1つ以上の結合特性(例えば、親和性)を改善する。部位特異的突然変異またはPCR介在突然変異を導入するために実施することができ、抗体結合の作用または興味ある他の機能特性を本明細書に記載されているインビトロまたはインビボアッセイにおいて評価することができる。保存的修飾を導入することができる。変異はアミノ酸の置換、付加または欠失であり得る。さらに、一般的にCDR領域内のわずか1、2、3、4または5つの残基が改変される。
加工された本発明の抗体は、修飾が、例えば、抗体の特性を改善するためにVHおよび/またはVL内のフレームワーク残基に行われたものを含む。一般的にこのようなフレームワーク修飾は抗体の免疫原性を軽減するために行われる。例えば、1つのアプローチは1つ以上のフレームワーク残基を対応する生殖細胞系列配列へと“復帰変異(backmutate)”させることである。さらに特に、体細胞変異がおこった抗体は抗体が由来する生殖細胞系列配列と異なるフレームワーク残基を含み得る。このような残基は抗体のフレームワーク配列と抗体が由来する生殖細胞系列配列を比較することにより同定することができる。フレームワーク領域配列をそれらの生殖細胞系列の構成へ戻すために、体細胞変異を、例えば、部位特異的突然変異またはPCR介在突然変異により生殖細胞系列配列へ“復帰変異”させることができる。このような“復帰変異”抗体は、また、本発明により包含されることを意図する。
別種のフレームワーク修飾は、T細胞−エピトープを除去し、それによって抗体の潜在的な免疫原性を減少するために、フレームワーク領域内の、さらには1つ以上のCDR領域内の1つ以上の残基の変異を含む。このアプローチは、また、“脱免疫化”として称され、Carr et alによる米国特許公報第20030153043号においてさらに詳細に記載されている。
フレームワークまたはCDR領域内で行われる修飾に加え、またはあるいは、本発明の抗体は、一般的に1つ以上の抗体の機能特性、例えば、血清半減期、補体結合、Fc受容体結合および/または抗原依存細胞傷害性を改変するために、Fc領域内に修飾を含むように加工することができる。さらに、本発明の抗体は、再び1つ以上の抗体の機能特性を改変するために、化学的に修飾させるか(例えば、1つ以上の化学部分を抗体に結合させることができる)、またはそのグリコシル化を改変するために修飾させることができる。
1つの態様において、CH1のヒンジ領域は、ヒンジ領域のシステイン残基の数が改変、例えば、増加または減少されるように修飾される。このアプローチはBodmer et al.による米国特許第5,677,425号においてさらに記載されている。CH1のヒンジ領域のシステイン残基の数は、例えば、軽鎖および重鎖の組み立てを促進するか、または抗体の安定性を増強または低下させるために改変される。
他の態様において、抗体のFcヒンジ領域を抗体の生体半減期を短縮するために変異させる。さらに特に、1つ以上のアミノ酸変異は、抗体が天然Fc−ヒンジドメインSpA結合と比較して損なわれたブドウ球菌タンパク質A(SpA)結合を有するように、Fc−ヒンジフラグメントのCH2−CH3ドメイン境界領域に導入される。このアプローチはWard et al.による米国特許第6,165,745号においてさらに詳細に記載されている。
他の態様において、抗体は生体半減期を延長するために修飾される。種々のアプローチが可能である。例えば、米国特許第6,277,375号はインビボで半減期を延長するIgGにおける下記変異:T252L、T254S、T256Fを記載している。あるいは、生体半減期を延長するため、抗体は、Presta et al.による米国特許第5,869,046および6,121,022号に記載されているとおり、IgGのFc領域のCH2ドメインの2つのループから取ったサルベージ受容体結合エピトープを含むように、CH1またはCL領域内で改変され得る。
さらに他の態様において、Fc領域は、抗体のエフェクター機能を改変するために、少なくとも1つのアミノ酸残基を異なるアミノ酸残基で置き換えることにより改変される。例えば、1つ以上のアミノ酸は、抗体がエフェクターリガンドに対する改変された親和性を有するが、親抗体の抗原結合力を保持するように、異なるアミノ酸残基で置き換えることができる。親和性が改変されているエフェクターリガンドは、例えば、Fc受容体または補体のC1成分であり得る。このアプローチは両方Winter et al. による米国特許第5,624,821および5,648,260号においてさらに詳細に記載されている。
他の態様において、アミノ酸残基から選択される1つ以上のアミノ酸を異なるアミノ酸残基により置き換えて、抗体がC1q結合を改変され、そして/または補体依存性細胞毒性(CDC)を減少または排除されるようにすることができる。このアプローチはIdusogie et al.による米国特許第6,194,551号においてさらに詳細に記載されている。
他の態様において、1つ以上のアミノ酸残基を改変し、それによって抗体が補体を固定する能力を改変する。このアプローチはBodmer et al.によるWO94/29351においてさらに詳細に記載されている。
さらに他の態様において、Fc領域は、抗体が抗体依存細胞傷害性(ADCC)を介在する能力を増強するため、および/または抗体のFcγ受容体に対する親和性を増強するために、1つ以上のアミノ酸を修飾することにより修飾される。このアプローチはPrestaによるWO00/42072においてさらに詳細に記載されている。さらに、ヒトIgG1上のFcγRl、FcγRII、FcγRIIIおよびFcRnに対する結合部位はマッピングされており、改良された結合を有する変異体は記載されている(Shields, R.L. et al., 2001 J. Biol. Chem. 276:6591-6604、参照)。
さらに別の態様において、抗体のグリコシル化は修飾される。例えば、非グリコシル化抗体を作製することができる(すなわち、抗体がグリコシル化を欠いている)。グリコシル化は、例えば、抗体の抗原に対する親和性を増強するために改変することができる。このような炭水化物修飾は、例えば、抗体配列内でグリコシル化の1つ以上の部位を改変することにより達成することができる。例えば、1つ以上のアミノ酸置換は、1つ以上の可変領域フレームワークグリコシル化部位の排除をもたらし、それによってその部位のグリコシル化を排除することを行うことができる。このようなグリコシル化は抗体の抗原に対する親和性を増強し得る。このようなアプローチはCo et al.による米国特許第5,714,350および6,350,861号においてさらに詳細に記載されている。
さらに、またはあるいは、抗体は改変された型のグリコシル化を有する抗体、例えば、少ない量のフコシル残基を有する低フコシル化抗体または増加したバイセクティングGlcNac構造を有する抗体を製造することができる。このような改変されたグリコシル化パターンは抗体のADCC能力を増強することが証明されている。このような炭水化物修飾は、例えば、改変されたグリコシル化機構を有する宿主細胞において抗体を発現することにより達成することができる。改変されたグリコシル化機構を有する細胞は当分野で報告されており、本発明の組換え抗体を発現する宿主細胞として使用し、それによって改変されたグリコシル化を有する抗体を製造することができる。例えば、Hang et al.によるEP1,176,195は、発現された抗体が低フコシル化を示すような、フコシルトランスフェラーゼをコードするFUT8遺伝子機能的に破壊されている細胞系を記載している。PrestaによるPCT出願WO03/035835は、フコースがAsn(297)結合炭水化物に結合する能力を減少させ、また、宿主細胞において発現された抗体の低フコシル化を引き起こす、変異CHO細胞系であるLecl3細胞を記載している(Shields, R.L. et al., 2002 J. Biol. Chem. 277:26733-26740も参照)。Umana et al.によるWO99/54342は、加工された細胞系において発現された抗体が、抗体のADCC活性の増強を引き起こすバイセクティングGlcNac構造の増加を示すように、糖タンパク質修飾グリコシルトランスフェラーゼ(例えば、ベータ(1,4)−NアセチルグルコサミニルトランスフェラーゼIII(GnTIII))を発現するように加工された細胞系を記載している(Umana et al., 1999 Nat. Biotech. 17:176-180も参照)。
本発明により考慮される本明細書の抗体のさらなる修飾はペグ化である。抗体は、例えば、抗体の生体(例えば、血清)半減期を延長するためにペグ化することができる。抗体をペグ化するために、抗体またはそのフラグメントは、一般的にポリエチレングリコール(PEG)、例えば、PEGの反応性エステルまたはアルデヒド誘導体と1つ以上のPEG部分が抗体または抗体フラグメントに結合するようになる条件下で反応させる。ペグ化は反応性PEG分子(または類似の反応性水溶性ポリマー)でのアシル化反応またはアルキル化反応により実施することができる。本明細書において使用される“ポリエチレングリコール”なる用語は、モノ(C1−C10)アルコキシ−またはアリールオキシ−ポリエチレングリコールまたはポリエチレングリコール−マレイミドなどの他のタンパク質を誘導体化するために使用されているPEGの全ての形態を包含することを意図する。特定の態様において、ペグ化される抗体は非グリコシル化抗体である。タンパク質をペグ化するための方法は当分野で既知であり、本発明の抗体に適用することができる。例えば、Nishimura et al.によるEP0154316およびIshikawa et al.によるEP0401384、参照。
加えて、ペグ化は非天然アミノ酸の導入により本発明のTrkB結合ポリペプチドの任意の部分で達成することができる。特定の非天然アミノ酸はDeiters et al., J Am Chem Soc 125:11782-11783, 2003; Wang and Schultz, Science 301:964-967, 2003; Wang et al., Science 292:498-500, 2001; Zhang et al., Science 303:371-373, 2004またはUS特許第7,083,970号に記載されている技術により導入することができる。簡潔には、いくつかのこれらの発現系は部位特異的突然変異を含み、ナンセンスコドン、例えば、アンバーTAGが本発明のポリペプチドをコードするオープンリーディングフレームに導入される。次にこのような発現ベクターを導入されたナンセンスコドンに対して特異的なtRNAを利用することができる宿主に導入し、一般的に好まれる非天然アミノ酸で満たす。部分が本発明のポリペプチドに結合するために有益である特定の非天然アミノ酸は、アセチレンおよびアジド側鎖を有するものを含む。次にこれらの新規アミノ酸を含むポリペプチドをタンパク質のこれらの選択された部位でペグ化することができる。
抗体を加工する方法
上記のとおり、抗TrkB抗体は全長重鎖および/または軽鎖配列、Vおよび/またはV配列またはそれに結合した定常領域を修飾することにより、新規抗Trk抗体を創造するために使用することができる。例えば、抗体の1つ以上のCDR領域は、新規組換え加工された抗TrkB抗体を創造するために、既知のフレームワーク領域および/または他のCDRで組換えにより組み合わせることができる。他の型の修飾は前のセクションにおいて記載されているものを含む。加工する方法のための出発物質は1つ以上のVおよび/またはV配列またはそれらの1つ以上のCDR領域である。加工された抗体を創造するため、1つ以上のVおよび/またはV配列またはそれらの1つ以上のCDR領域を有する抗体を実際に作製(すなわち、タンパク質として発現)する必要はない。それどころか、配列に含まれる情報を元の配列に由来する“第二世代”配列を創造するため出発物質として使用し、次に“第二世代”配列をタンパク質として製造および発現させる。
標準分子生物学技術は改変された抗体配列を製造および発現させるために使用することができる。改変された抗体配列によってコードされる抗体は、機能特性が、本明細書に記載されている特異的なTrkBへの結合、ニューロトロフィン(例えば、BDNF)に結合するTrkBの能力の妨害、および細胞内ドメインにてチロシン残基を二量体化および自己リン酸化するTrkBの能力の調節を含むが、これらに限定されない、抗TrkB抗体の機能特性の1つ、一部または全部を保持するものである。改変された抗体の機能特性は当分野で利用できる、および/または本明細書に記載されている標準アッセイ(例えば、ELISA)を使用して評価することができる。
本発明の抗体を加工する方法の1つの態様において、変異は抗TrkB抗体コード配列の全体または一部にランダムまたは選択的に導入することができ、得られた修飾された抗TrkB抗体は結合活性および/または他の機能特性(例えば、本明細書に記載されている特異的なTrkBへの結合、ニューロトロフィン(例えば、BDNF)に結合するTrkBの能力の妨害、および細胞内ドメインにてチロシン残基を二量体化および自己リン酸化するTrkBの能力の調節)に関してスクリーニングすることができる。変異法は当分野で報告されている。例えば、ShortによるPCT出願WO02/092780は飽和突然変異、合成連結アセンブリまたはその組合せを使用して抗体変異を創造およびスクリーニングする方法を記載している。あるいは、Lazar et al.によるWO03/074679は抗体の物理化学的特性を最適化するためにコンピューター利用スクリーニング方法を使用する方法を記載している。
非抗体TrkB作動性抗体
さらに、本発明は抗体の機能特性を示すが、他のポリペプチド(例えば、抗体遺伝子によってコードされるか、またはインビボで抗体遺伝子の組換えにより製造されるもの以外のポリペプチド)からのこれらのフレームワークおよび抗原結合部分に由来するTrkB作動性抗体を提供する。これらの結合分子の抗原結合ドメイン(例えば、TrkB結合ドメイン)は指向進化過程を介して製造される。米国特許第7,115,396号、参照。抗体の可変ドメインのフォールド(“免疫グロブリン様”フォールド)と類似している全フォールドを有する分子が適当な骨格タンパク質である。得られる抗原結合分子に適当な骨格タンパク質はフィブロネクチンまたはフィブロネクチンダイマー、テネイシン、N−カドヘリン、E−カドヘリン、ICAM、タイチン、GCSF−受容体、サイトカイン受容体、グリコシダーゼ阻害剤、抗生物質色素タンパク質、ミエリン膜接着分子、P0、CD8、CD4、CD2、クラスI MHC、T−細胞抗原受容体、CD1、C2およびVCAM−1のI−setドメイン、ミオシン結合タンパク質CのI−set免疫グロブリンドメイン、ミオシン結合タンパク質HのI−set免疫グロブリンドメイン、テロキンのI−set免疫グロブリンドメイン、NCAM、トウィッチン、ニューログリアン、成長ホルモン受容体、エリスロポエチン受容体、プロラクチン受容体、インターフェロン−ガンマ受容体、β−ガラクトシダーゼ/グルクロニダーゼ、β−グルクロニダーゼ、トランスグルタミナーゼ、T−細胞抗原受容体、スーパーオキシド・ジスムターゼ、組織因子ドメイン、シトクロムF、緑色蛍光タンパク質、GroELおよびソーマチンを含む。
非抗体結合分子の抗原結合ドメイン(例えば、免疫グロブリン様フォールド)は10kDより小さいまたは7.5kDより大きい分子量(例えば、分子量7.5−10kD)を有することができる。抗原結合ドメインを得るために使用されるタンパク質は天然哺乳動物タンパク質(例えば、ヒトタンパク質)を含み、抗原結合ドメインは得られるタンパク質の免疫グロブリン様フォールドと比較して50%以下(例えば、34%、25%、20%または15%以下)の変異アミノ酸を含む。一般的に免疫グロブリン様フォールドを有するドメインは50−150アミノ酸(例えば、40−60アミノ酸)からなる。
非抗体結合分子を製造するため、抗原結合表面を形成する骨格タンパク質の領域(例えば、位置および構造において抗体可変ドメイン免疫グロブリンフォールドのCDRに類似している領域)における配列がランダム化された、クローンのライブラリーを創造する。ライブラリークローンを興味ある抗原(例えば、TrkB)への特異的結合および他の機能(例えば、TrkBの生物学的活性の阻害)に対して試験する。選択されたクローンをさらなるランダム化および選択に基づき、抗原に対して高い親和性の誘導体を製造するために使用することができる。選択プロトコールの1つの例は米国特許第6,207,446号に記載されている。
高い親和性結合分子は、例えば、骨組としてフィブロネクチンIIIの10番目のモジュール(10Fn3)を使用して製造される。ライブラリーを残基23−29、52−55および78−87で10FN3の3つのCDR様ループのそれぞれに対して構築する。それぞれのライブラリーを構築するため、それぞれのCDR様領域と重複する配列をコードするDNAセグメントをオリゴヌクレオチド合成によりランダム化する。選択可能な10Fn3ライブラリーを製造するための技術は、米国特許第6,818,418および7,115,396号;Roberts and Szostak, 1997 Proc. Natl. Acad. Sci USA 94:12297;米国特許第6,261,804号;米国特許第6,258,558号;およびSzostak et al.WO98/31700に記載されている。
非抗体結合分子は標的抗原に対する親和性を増加するためにダイマーまたはマルチマーとして製造することができる。例えば、抗原結合ドメインをFc−Fcダイマーを形成する抗体の定常領域(Fc)を有する融合体として発現させる。例えば、米国特許第7,115,396号、参照。
本発明の抗体をコードする核酸分子
本発明の他の局面は本発明のTrkB作動性抗体をコードする核酸分子に関する。核酸は細胞溶解物において細胞全体に存在してもよく、または部分的に精製された、もしくは実質的に純粋な形態であってもよい。核酸は、アルカリ/SDS処理、CsCl結合、カラムクロマトグラフィー、アガロースゲル電気泳動およびその他当分野で既知の技術を含む標準技術により、他の細胞成分または他の汚染物質、例えば、他の細胞性核酸またはタンパク質から精製されたとき、“単離された”または“実質的に純粋にされた”である。F. Ausubel, et al., ed. 1987 Current Protocols in Molecular Biology, Greene Publishing and Wiley Interscience, New York、参照。本発明の核酸は、例えば、DNAまたはRNAであってもよく、イントロン配列を含んでいても含まなくてもよい。1つの態様において、核酸はcDNA分子である。核酸はベクター、例えば、ファージディスプレイベクターまたは組換えプラスミドベクター中に存在していてもよい。
本発明の核酸は標準分子生物学技術を使用して得ることができる。ハイブリドーマ(例えば、以下にさらに記載しているとおりのヒト免疫グロブリン遺伝子を有する遺伝子導入マウスから製造されたハイブリドーマ)により発現された抗体に関して、ハイブリドーマにより製造された抗体の軽鎖および重鎖をコードするcDNAは標準PCR増幅またはcDNAクローニング技術により得ることができる。免疫グロブリン遺伝子ライブラリーから(例えば、ファージディスプレイ技術を使用して)得られた抗体に関して、抗体をコードする核酸はライブラリーのメンバーである種々のファージクローンから回収することができる。
およびVセグメントをコードするDNAフラグメントが得られたとき、これらのDNAフラグメントは、例えば、可変領域遺伝子を全長抗体鎖遺伝子、Fabフラグメント遺伝子またはscFv遺伝子に変換するために、標準組換えDNA技術によりさらに操作することができる。これらの操作において、VまたはVをコードするDNAフラグメントはさらなるタンパク質、例えば、抗体定常領域もしくはフレキシブルリンカーをコードするさらなるDNA分子またはフラグメントに作動可能に連結されている。この文脈において使用されるとき“作動可能に連結された”なる用語は、2つのDNAフラグメントが、例えば、2つのDNAフラグメントによってコードされるアミノ酸配列がフレーム内に残るように、またはタンパク質が所望のプロモーターのコントロール下で発現されるように機能する方法で連結されることを意味することを意図する。
領域をコードする単離されたDNAはVをコードするDNAを重鎖定常領域(CH1、CH2およびCH3)をコードするさらなるDNA分子に作動可能に連結することにより全長重鎖遺伝子に変換することができる。ヒト重鎖定常領域遺伝子の配列は当分野で既知であり(例えば、Kabat et al., 1991 Sequences of Proteins of Immunological Interest, Fifth Edition, U.S. Department of Health and Human Services, NIH Publication No. 91-3242、参照)、これらの領域を含むDNAフラグメントは標準PCR増幅により得ることができる。重鎖定常領域はIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA、IgE、IgMまたはIgD定常領域であり得る。Fabフラグメント重鎖遺伝子に関して、VをコードするDNAは重鎖CH1定常領域のみをコードするさらなるDNA分子に作動可能に連結され得る。
領域をコードする単離されたDNAはVをコードするDNAを軽鎖定常領域CLをコードするさらなるDNA分子に作動可能に連結することにより全長軽鎖遺伝子(ならびにFab軽鎖遺伝子)に変換することができる。ヒト軽鎖定常領域遺伝子の配列は当分野で既知であり(例えば、Kabat et al., 1991 Sequences of Proteins of Immunological Interest, Fifth Edition, U.S. Department of Health and Human Services, NIH Publication No. 91-3242、参照)、これらの領域を含むDNAフラグメントは標準PCR増幅により得ることができる。軽鎖定常領域はカッパまたはラムダ定常領域であり得る。
scFv遺伝子を創造するため、VおよびVをコードするDNAフラグメントは、フレキシブルリンカーにより連結されたVおよびV領域を有するVおよびV配列が連続する一本鎖タンパク質として発現することができるように、例えば、アミノ酸配列(Gly4−Ser)をコードするフレキシブルリンカーをコードするさらなるフラグメントに作動可能に連結される(例えば、Bird et al., 1988 Science 242:423-426; Huston et al., 1988 Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:5879-5883; McCafferty et al., 1990 Nature 348:552-554、参照)。
モノクローナル抗体生成
モノクローナル抗体(mAb)は慣用のモノクローナル抗体方法論を含む種々の技術、例えば、Kohler and Milstein (1975 Nature, 256:495)の標準体細胞ハイブリダイゼーション技術により、またはライブラリーディスプレイ法、例えば、ファージディスプレイ法を使用して製造することができる。
ハイブリドーマを製造するための動物系はマウス系である。マウスにおけるハイブリドーマ製造はよく確立された方法である。免疫化プロトコールおよび免役された融合用脾細胞の単離のための技術は当分野で既知である。融合パートナー(例えば、マウス骨髄腫細胞)および融合方法は、また、既知である。
本発明のキメラまたはヒト化抗体は上記のように製造されたマウスモノクローナル抗体の配列に基づいて製造することができる。重鎖および軽鎖免疫グロブリンをコードするDNAは、標準分子生物学技術を使用して、興味あるマウスハイブリドーマから得ることができ、非マウス(例えば、ヒト)免疫グロブリン配列を含むように加工することができる。例えば、キメラ抗体を創造するために、マウス可変領域は、当分野で既知の方法を使用して、ヒト定常領域に連結することができる(例えば、Cabilly et al.による米国特許第4,816,567号、参照)。ヒト化抗体を創造するために、マウスCDR領域は、当分野で既知の方法を使用して、ヒトフレームワークに挿入することができる。例えば、米国特許第5,225,539号および米国特許第5,530,101;5,585,089;5,693,762および6,180,370号、参照。
特定の態様において、本発明の抗体はヒトモノクローナル抗体である。TrkBに対するこのようなヒトモノクローナル抗体はマウス系よりむしろヒト免疫系部分を有する遺伝子導入されたまたは染色体導入されたマウスを使用して製造することができる。これらの遺伝子導入されたまたは染色体導入されたマウスは各々HuMAbマウスおよびKMマウスと称される、および本明細書において“ヒトIgマウス”と総称されるマウスを含む。
HuMAbマウス(登録商標)(Medarex, Inc.)は、内因性μおよびκ鎖座を不活性化する標的変異とともに、非再配置ヒト重鎖(μおよびγ)およびκ軽鎖免疫グロブリン配列をコードするヒト免疫グロブリン遺伝子ミニ遺伝子座(miniloci)を含む(例えば、Lonberg et al., 1994 Nature 368(6474): 856 859、参照)。したがって、マウスはマウスIgMまたはκの発現低下を示し、免疫化に応答して、導入されたヒト重鎖および軽鎖導入遺伝子がクラス切り換えと体細胞突然変異を受け、高い親和性ヒトIgGκモノクローナルを製造する(Lonberg, N. et al., 1994 supra; reviewed in Lonberg, N., 1994 Handbook of Experimental Pharmacology 113:49-101; Lonberg, N. and Huszar, D., 1995 Intern. Rev. Immunol.13: 65-93およびHarding, F. and Lonberg, N., 1995 Ann. N. Y. Acad. Sci. 764:536-546)。HuMAbマウスの製造およびその使用およびこのようなマウスが有するゲノム修飾は、さらにTaylor, L. et al., 1992 Nucleic Acids Research 20:6287-6295; Chen, J. et at., 1993 International Immunology 5: 647-656; Tuaillon et al., 1993 Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94:3720-3724; Choi et al., 1993 Nature Genetics 4:117-123; Chen, J. et al., 1993 EMBO J. 12: 821-830; Tuaillon et al., 1994 J. Immunol. 152:2912-2920; Taylor, L. et al., 1994 International Immunology 579-591;およびFishwild, D. et al., 1996 Nature Biotechnology 14: 845-851に記載されている(これらの全ての内容を出典明示によりその全体を本明細書の一部とする)。さらに、米国特許第5,545,806;5,569,825;5,625,126;5,633,425;5,789,650;5,877,397;5,661,016;5,814,318;5,874,299;および5,770,429号(全てLonberg and Kay);Surani et al.による米国特許第5,545,807号;PCT出願番号WO92103918、WO93/12227、WO94/25585、WO97113852、WO98/24884およびWO99/45962(全てLonberg and Kay);ならびにKorman et al.によるPCT出願番号WO01/14424、参照。
他の態様において、本発明のヒト抗体は導入遺伝子および導入染色体上にヒト免疫グロブリン配列を有するマウス、例えば、ヒト重鎖導入遺伝子およびヒト軽鎖導入染色体を有するマウスを使用して製造することができる。“KMマウス”として本明細書で称されるこのようなマウスはWO02/43478において詳細に記載されている。
なおさらに、ヒト免疫グロブリン遺伝子を発現する別の遺伝子導入動物系が当分野で利用可能であり、本発明の抗TrkB抗体を製造するために使用することができる。例えば、Xenoマウス(登録商標)(Abgenix, Inc.)と称される別の遺伝子導入系を使用することができる。このようなマウスは、例えば、Kucherlapati et al.による米国特許第5,939,598;6,075,181;6,114,598;6、150,584および6,162,963号に記載されている。
さらに、ヒト免疫グロブリン遺伝子を発現する別の染色体を導入した動物系が当分野で利用可能であり、本発明の抗TrkB抗体を製造するために使用することができる。例えば、“TCマウス”と称されるヒト重鎖導入染色体およびヒト軽鎖導入染色体の両方を含むマウスを使用することができる;このようなマウスはTomizuka et al., 2000 Proc. Natl. Acad. Sci. USA 97:722-727に記載されている。さらに、ヒト重鎖および軽鎖導入染色体を有するウシは当分野で報告されており(Kuroiwa et al., 2002 Nature Biotechnology 20:889-894)、本発明の抗TrkB抗体を製造するために使用することができる。
本発明のヒトモノクローナル抗体は、また、ヒト免疫グロブリン遺伝子のライブラリーをスクリーニングするためのファージディスプレイ方法を使用して製造することができる。ヒト抗体を単離するためのこのようなファージディスプレイ方法は当分野で設立されている。例えば:Ladner et al.による米国特許第5,223,409;5,403,484;および5,571,698号;Dower et al.による米国特許第5,427,908および5,580,717号;McCafferty et al.による米国特許第5,969,108および6,172,197号;ならびにGriffiths et al.による米国特許第5,885,793;6,521,404;6,544,731;6,555,313;6,582,915および6,593,081号、参照。ライブラリーは全長TrkBまたは特定のTrkBのエピトープへの結合についてスクリーニングされ得る。
本発明のヒトモノクローナル抗体は、ヒト抗体応答が免疫で製造され得るようにヒト免疫細胞を再構成されたSCIDマウスを使用して製造することもできる。このようなマウスは、例えば、Wilson et al.による米国特許第5,476,996および5,698,767号に記載されている。
ヒトIgマウスにおけるヒトモノクローナル抗体の製造
原核細胞(例えば、大腸菌)または真核細胞(例えば、哺乳動物細胞、例えば、HEK293細胞)において発現される精製された組換えヒトTrkBは抗原として使用することができる。該タンパク質は担体、例えば、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)と結合され得る。
TrkBに対する完全なヒトモノクローナル抗体はHuMab遺伝子導入マウスのHCo7、HCo12およびHCo17系ならびに遺伝子導入染色体導入マウスのKM系(これらはそれぞれヒト抗体遺伝子を発現する)を使用して製造される。これらのマウス系のそれぞれにおいて、内因性マウスカッパ軽鎖遺伝子はChen et al., 1993 EMBO J.12:811-820に記載されているとおりホモ接合的に分断することができ、内因性マウス重鎖遺伝子はWO01109187の実施例1に記載されているとおりホモ接合的に分断することができる。これらのマウス系のそれぞれは、Fishwild et al., 1996 Nature Biotechnology 14:845-851に記載されているとおりヒトカッパ軽鎖導入遺伝子、KCo5を有する。HCo7系は米国特許第5,545,806;5,625,825;および5,545,807号に記載されているとおりHCo7ヒト重鎖導入遺伝子を有する。HCo12系はWO01/09187の実施例2に記載されているとおりHCo12ヒト重鎖導入遺伝子を有する。HCo17系はHCo17ヒト重鎖導入遺伝子を有する。KNM系はWO02/43478に記載されているとおりSC20導入染色体を含む。
TrkBに対する完全なヒトモノクローナル抗体を製造するために、HuMabマウスおよびKMマウスを、精製された組換えTrkB、TrkBフラグメントまたはそれらのコンジュゲート(例えば、TrkB−KLH)を抗原として免疫化する。HuMabマウスの一般的な免疫スキームはLonberg, N. et al., 1994 Nature 368(6474): 856-859; Fishwild, D. et al., 1996 Nature Biotechnology 14:845-851およびWO 98/24884に記載されている。マウスは抗原の初回注入時に6−16週齢である。抗原の精製された組換え製造物(5−50μg)を腹腔内、皮下(Sc)または足蹠注射によりHuMabマウスおよびKMマウスを免疫化するために使用する。
遺伝子導入マウスを完全フロイントアジュバントまたはRibiアジュバント中の抗原を腹腔内(IP)、皮下(Sc)または足蹠(FP)のいずれかにより2回免疫化させ、3−21日間後にフロイントの不完全またはRibiアジュバント中の抗原をIP、ScまたはFP免疫化させる(最大11回の免疫化)。免疫応答を眼窩後方採血によりモニタリングする。血漿をELISAによりスクリーニングし、十分な力価の抗TrkBヒト免疫グロブリンを有するマウスを融合のために使用する。マウスを屠殺する3日および2日前に抗原を静脈内に追加し、脾臓を取り出す。一般的に、それぞれの抗原に対して10−35回の融合を行う。数ダースのマウスをそれぞれの抗原に対して免疫化する。HCo7、HCo12、HCo17およびKMマウス系の全82匹のマウスをTrkBで免疫化する。
TrkBと結合した抗体を製造するHuMabまたはKMマウスを選択するため、免疫マウスの血清をFishwild, D. et al., 1996に記載されているELISAにより試験することができる。手短に言えば、マイクロタイタープレートをPBS中1−2μg/mlで精製された組換えTrkBでコーティングし、50μl/ウェルを4℃で一晩インキュベートし、次にPBS/Tween(0.05%)中の5%のニワトリ血清を200μl/ウェルでブロッキングする。TrkB免疫マウスからの血漿の希釈物をそれぞれのウェルに加え、1−2時間周囲温度でインキュベートする。プレートをPBS/Tweenで洗浄し、次にセイヨウワサビペルオキシダーゼ(HRP)をコンジュゲートしたヤギ抗ヒトIgG Fcポリクローナル抗体と1時間室温でインキュベートする。洗浄後、プレートをABTS基質(Sigma、A−1888、0.22mg/ml)で現像し、分光光度計によりOD 415−495で分析する。抗TrkB抗体の最高力価を表した抗マウスの脾細胞を融合のために使用する。融合を行い、ハイブリドーマ上清をELISAにより抗TrkB活性に関して試験する。
HuMabマウスおよびKMマウスから単離されたマウス脾細胞を標準プロトコールに基づいてPEGでマウス骨髄腫細胞系に融合させる。次に得られたハイブリドーマを抗原−特異的抗体の生成に関してスクリーニングする。免疫マウスからの脾臓リンパ細胞の単細胞懸濁液を1/4の数のSP2/0非分泌マウス骨髄腫細胞(ATCC、CRL 1581)に50%のPEG(Sigma)で融合させる。細胞を平底マイクロタイタープレート中で約1×10/ウェルで置き、次に約2週間、DMEM(Mediatech、CRL 10013、高グルコース、L−グルタミンおよびピルビン酸ナトリウムを含む)プラス5mMのHEPES、0.055mMの2−メルカプトエタノール、50μg/mlのゲンタマイシンおよび1×HAT(Sigma、CRL P−7185)中で10%のウシ胎児血清、10%のP388D 1(ATCC、CRL TIB−63)馴化培地、3−5%のOrigen(登録商標)(IGEN)を含む選択培地中でインキュベートする。1−2週間後、細胞をHATがHTと置き換えられている培地中で培養する。次に個々のウェルをヒト抗TrkBモノクローナルIgG抗体に対してELISAによりスクリーニングする。広範なハイブリドーマ増殖が起こると、通常、培地を10−14日後にモニタリングする。抗体を分泌するハイブリドーマを再播種し、再びスクリーニングし、まだヒトIgG陽性のとき、抗TrkBモノクローナル抗体を制限希釈により少なくとも2回サブクローニングする。次に安定なサブクローンをインビトロで培養し、さらなる特徴付けのために組織培養培地中で少量の抗体を得る。
ヒトモノクローナル抗体を製造するハイブリドーマの製造
本発明のヒトモノクローナル抗体を製造するハイブリドーマを製造するため、免疫マウスからの脾細胞および/またはリンパ節細胞を単離し、適当な不死化細胞系、例えば、マウス骨髄腫細胞系に融合することができる。得られたハイブリドーマ抗原−特異的抗体の生成に関してスクリーニングすることができる。例えば、免疫マウスからの脾臓リンパ細胞の単細胞懸濁液を1/6の数のP3X63−Ag8.653非分泌マウス骨髄腫細胞(ATCC、CRL 1580)に50%のPEGで融合させることができる。細胞を平底マイクロタイタープレート中で約2×145で置き、次に20%の胎児クローン血清、18%の“653”馴化培地、5%のOrigen(登録商標)(IGEN)、4mMのL−グルタミン、1mMのピルビン酸ナトリウム、5mMのHEPES、0:055mMの2−メルカプトエタノール、50単位/mlのペニシリン、50μg/mlのストレプトマイシン、50μg/mlのゲンタマイシンおよび1×HAT(Sigma;HATを融合24時間後に加える)を含む選択培地中で2週間インキュベートする。約2週後、細胞をHATがHTと置き換えられている培地中で培養する。次に個々のウェルをヒトモノクローナルIgMおよびIgG抗体に対してELISAによりスクリーニングする。広範なハイブリドーマ増殖が起こると、通常、培地を10−14日後に観察することができる。抗体を分泌するハイブリドーマを再播種し、再びスクリーニングし、まだヒトIgG陽性のとき、モノクローナル抗体を制限希釈により少なくとも2回サブクローニングすることができる。次に安定なサブクローンをインビトロで培養し、特性化のため組織培養培地中で少量の抗体を生成する。
ヒトモノクローナル抗体を精製するため、選択したハイブリドーマをモノクローナル抗体精製のために2リットルのスピナーフラスコ中で増殖させることができる。上清を濾過し、濃縮し、タンパク質A−セファロース(Pharmacia, Piscataway, N.J.)でアフィニティクロマトグラフィーに付すことができる。溶出したIgGをゲル電気泳動および高速液体クロマトグラフィーによりチェックし、純度を確認することができる。バッファー溶液をPBSに交換し、濃度を吸光係数1.43を使用してOD280により測定することができる。モノクローナル抗体をアリコートし、−80℃で保存することができる。
モノクローナル抗体を製造するトランスフェクトーマの製造
本発明の抗体は、また、例えば、当分野で既知である組換えDNA技術および遺伝子トランスフェクション法の組合せを使用して、宿主細胞トランスフェクトーマ中で製造することができる(例えば、Morrison, 1985 Science 229:1202)。
例えば、抗体またはその抗体フラグメントを発現させるため、部分的または全長軽鎖および重鎖をコードするDNAは標準分子生物学技術(例えば、PCR増幅または興味ある抗体を発現するハイブリドーマを使用するcDNAクローニング)により得ることができ、DNAを、遺伝子が転写および翻訳制御配列に作動可能に連結されるように、発現ベクターに挿入することができる。これに関して、“作動可能に連結された”なる用語は、抗体遺伝子が、ベクター内の転写および翻訳制御配列が抗体遺伝子の転写および翻訳を調節する意図された機能を果たすように、ベクターに連結されることを意味することを意図する。発現ベクターおよび発現制御配列は使用される発現宿主細胞と適合するように選択される。抗体軽鎖遺伝子および抗体重鎖遺伝子を別々のベクターに挿入するか、または、さらに一般的に、両方の遺伝子を同じ発現ベクターに挿入することができる。抗体遺伝子は標準方法(例えば、抗体遺伝子フラグメント上の相補性制限部位およびベクターの連結または制限部位が存在しないとき、平滑末端連結)により発現ベクターに挿入される。本明細書に記載されている抗体の軽鎖および重鎖可変領域は、Vセグメントがベクター内のCHセグメントと作動可能に連結され、そしてVセグメントがベクター内のCHセグメントと作動可能に連結されるように、所望のアイソタイプの重鎖定常および軽鎖定常領域をすでにコードしている発現ベクターに挿入することにより、いずれかの抗体アイソタイプの全長抗体遺伝子を製造するために使用することができる。さらに、またはあるいは、組換え発現ベクターは宿主細胞からの抗体鎖の分泌を促進するシグナルペプチドをコードすることができる。抗体鎖遺伝子を、シグナルペプチドがインフレームで抗体鎖遺伝子のアミノ末端に連結されるように、ベクターにクローニングすることができる。シグナルペプチドは免疫グロブリンシグナルペプチドまたは異種シグナルペプチド(すなわち、非免疫グロブリンタンパク質からのシグナルペプチド)であり得る。
抗体鎖遺伝子に加えて、本発明の組換え発現ベクターは宿主細胞における抗体鎖遺伝子の発現をコントロールする調節配列を有する。“調節配列”なる用語は抗体鎖遺伝子の転写または翻訳をコントロールするプロモーター、エンハンサーおよび他の発現制御エレメント(例えば、ポリアデニル化シグナル)を含むことを意図する。このような調節配列は、例えば、Goeddel(Gene Expression Technology. 1990 Methods in Enzymology 185, Academic Press, San Diego, CA)に記載されている。調節配列の選択を含む発現ベクターのデザインが形質転換された宿主細胞の選択、所望のタンパク質の発現レベルなどの因子に依存し得ることが当業者に理解されよう。哺乳動物宿主細胞発現のための調節配列はサイトメガロウイルス(CMV)、シミアンウイルス40(SV40)、アデノウイルス(例えば、アデノウイルス主要後期プロモーター(AdMLP))およびパピローマに由来する、哺乳動物細胞における高レベルタンパク質発現を指示するウイルスエレメント、例えば、プロモーターおよび/またはエンハンサーを含む。あるいは、例えば、ユビキチンプロモーターまたはP−グロビンプロモーターのような非ウイルス調節配列を使用され得る。なおさらに、調節エレメントは、SV40初期プロモーターおよびヒト1型T細胞白血病ウイルスの長い末端反復配列からの配列を含む、異なる源からの配列、例えば、SRaプロモーター系を含む(Takebe et al., 1988 Mol. Cell. Biol. 8:466-472)。
抗体鎖遺伝子および調節配列に加えて、本発明の組換え発現ベクターはさらなる配列、例えば、宿主細胞においてベクターの複製を調節する配列(例えば、複製開始点)および選択マーカー遺伝子を有し得る。選択マーカー遺伝子はベクターが挿入されている宿主細胞の選択を容易にする(例えば、すべてAxel et al.による米国特許第4,399,216;4,634,665;および5,179,017号、参照)。例えば、一般的に、選択マーカー遺伝子はベクターが挿入されている宿主細胞上で薬物、例えば、G418、ハイグロマイシンまたはメトトレキサートに対する耐性を付与する。選択マーカー遺伝子はジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)遺伝子(メトトレキサート選択/増幅とともにdhfr−宿主細胞中で使用するため)およびneo遺伝子(G418を選択するため)を含む。
軽鎖および重鎖の発現のため、重鎖および軽鎖をコードする発現ベクターを標準技術により宿主細胞にトランスフェクトする。“トランスフェクション”なる用語の種々の形態は、外来DNAを原核生物または真核生物宿主細胞に導入するために一般的に使用されている広範な技術、例えば、エレクトロポレーション、リン酸カルシウム沈殿、DEAE−デキストラントランスフェクションなどを含むことを意図する。原核生物または真核生物宿主細胞のいずれにおいても本発明の抗体を発現させることは理論上可能である。このような真核細胞、特に哺乳動物細胞が原核細胞よりも適当に折りたたまれた免疫学的に活性な抗体をアッセンブルおよび分泌しやすいため、真核細胞、特に哺乳動物宿主細胞における抗体の発現が議論される。抗体遺伝子の原核生物発現は高収率の活性抗体の生成には無効であることが報告されている(Boss and Wood, 1985 Immunology Today 6:12-13)。
本発明の組換え抗体を発現させるための哺乳動物宿主細胞は、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO細胞)(例えば、Kaufman and Sharp, 1982 Mol. Biol. 159:601-621に記載されているようなDHFR選択可能マーカーと使用されるUrlaub and Chasin, 1980 Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77:4216-4220に記載されているdhfr−CHO細胞を含む)NSO骨髄腫細胞、COS細胞およびSP2細胞を含む。特に、NSO骨髄腫細胞の使用に関して、さらなる発現系はWO87/04462、WO89/01036およびEP338,841に示されているGS遺伝子発現系がある。抗体遺伝子をコードする組換え発現ベクターを哺乳動物宿主細胞に導入するとき、宿主細胞中で抗体の発現または宿主細胞を増殖させる培養培地中へ抗体の分泌を可能にする十分な時間、宿主細胞を培養することにより抗体を製造する。抗体は標準タンパク質精製法を使用して培養培地から回収することができる。
二重特異性分子
他の局面において、本発明は本発明のTrkBアゴニスト抗体(例えば、抗TrkB抗体またはそのフラグメント)を含む二重特異性分子を特徴とする。本発明のTrkB作動性抗体は誘導体化されるか、または他の機能分子、例えば、他のペプチドまたはタンパク質(例えば、受容体に対する他の抗体またはリガンド)と結合し、少なくとも2つの異なる結合部位または標的分子に結合する二重特異性分子を製造することができる。実際に、本発明のTrkB作動性抗体は誘導体化されるか、または1つ以上の他の機能分子と結合し、2つ以上の異なる結合部位および/または標的分子に結合する多重特異性分子を製造することができる;このような多重特異性分子は、また、本明細書において使用される“二重特異性分子”なる用語により包含されることを意図する。本発明の二重特異性分子を創造するため、本発明の抗体を(例えば、化学的カップリング、遺伝子融合、非共有結合性会合またはその他のものにより)二重特異性分子となるように1つ以上の他の結合分子、例えば、他の抗体、抗体フラグメント、ペプチドまたは結合模倣物に機能的に結合することができる。
したがって、本発明はTrkBに対する少なくとも1つの第1の結合特異性および第2の標的エピトープに対する第2の結合特異性を含む二重特異性分子を含む。
1つの態様において、本発明の二重特異性分子は結合特異性のために少なくとも1つの抗体またはその抗体フラグメント、例えば、Fab、Fab’、F(ab’)、Fvまたは一本鎖Fvを含む。抗体は、また、軽鎖または重鎖ダイマーまたはそれらのいずれかの最小フラグメント、例えば、FvまたはLadner et al. 米国特許第4,946,778号(この内容を明白に出典明示により包含させる)に記載されている一本鎖構築物であり得る。
本発明の二重特異性分子は当分野で既知の方法を使用して成分結合特異性を結合させることによって製造することができる。例えば、二重特異性分子のそれぞれの結合特異性は、別々に製造され、次に互いに結合させることができる。結合特異性がタンパク質またはペプチドであるとき、種々のカップリング剤または架橋剤を共有結合複合体のために使用することができる。架橋剤の例はタンパク質A、カルボジイミド、N−スクシニミジル−S−アセチル−チオアセテート(SATA)、5,5’−ジチオビス(2−ニトロ安息香酸)(DTNB)、o−フェニレンジマレイミド(oPDM)、N−スクシニミジル−3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート(SPDP)およびスルホスクシニミジル4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−l−カルボキシレート(スルホ−SMCC)を含む(例えば、Karpovsky et al., 1984 J. Exp. Med. 160:1686; Liu et al., 1985 Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82:8648、参照)。他の方法はPaulus, 1985 Behring Ins. Mitt. No. 78,118-132; Brennan et al., 1985 Science 229:81-83, and Glennie et al., 1987 J. Immunol. 139: 2367-2375に記載されているものを含む。結合剤はSATAおよびスルホ−SMCCであり、両方ともPierce Chemical Co. (Rockford, IL)から入手できる。
結合特異性が抗体であるとき、それらは2つの重鎖のC末端ヒンジ領域のスルフヒドリル結合により結合させることができる。特定の態様において、ヒンジ領域は結合の前に奇数、例えば、1つのスルフヒドリル残基を含むように修飾される。
あるいは、両方の結合特異性は同じベクターにおいてコードされ、同じ宿主細胞において発現およびアセンブルされる。この方法は、特に、二重特異性分子がmAb×mAb、mAb×Fab、Fab×F(ab’)またはリガンド×Fab融合タンパク質であるとき有用である。本発明の二重特異性分子は1つの一本鎖抗体および結合決定基を含む一本鎖分子または2つの結合決定基を含む一本鎖二重特異性分子であり得る。二重特異性分子は少なくとも2つの一本鎖分子を含み得る。二重特異性分子を製造するための方法は、例えば、米国特許第5,260,203;5,455,030;4,881,175;5,132,405;5,091,513;5,476,786;5,013,653;5,258,498;および5,482,858号に記載されている。
二重特異性分子のこれらの特異性標的への結合は、例えば、酵素結合イムノソルベントアッセイ(ELISA)、ラジオイムノアッセイ(REA)、FACS分析、バイオアッセイ(例えば、増殖阻害)またはウェスタンブロットアッセイにより確認することができる。これらのアッセイのそれぞれは一般的に興味ある複合体に対して特異的な標識試薬(例えば、抗体)を使用することにより特定の興味あるタンパク質−抗体複合体の存在を検出する。
医薬組成物
他の局面において、本発明は、本発明のTrkB作動性抗体(例えば、モノクローナル抗体またはその抗原−結合部分)の1つまたは組合せを含む、薬学的に許容される担体とともに製剤化された組成物、例えば、医薬組成物を提供する。このような組成物は(例えば、2種以上の異なる)結合分子の1つまたは組合せを含み得る。例えば、本発明の医薬組成物は、標的抗原上の異なるエピトープに結合するか、または相補的活性を有する抗体または薬物の組合せを含むことができる。
本発明の医薬組成物は、また、組合せ治療、すなわち、他の薬剤と組み合わせて投与することができる。例えば、呼吸器疾患の処置に関して、組合せ治療はTrkBアゴニスト抗体を少なくとも1つの他の薬物と共に含むことができる。組合せ治療において使用することができる治療剤の例は、ノルエピネフリンおよび/またはセロトニン経路の小分子活性化因子(例は三環式抗鬱剤デシプラミン(DMI)、セロトニン1A受容体部分的アゴニスト、ブスピロンならびに潜在的により選択的な抗鬱剤フルオキセチンおよびレボキセチンである)、プロスタグランジン、プロゲステロンまたはTrkB活性の増強剤(例えば、タンパク質チロシンホスファターゼ阻害剤)を含むが、これらに限定されない。
本明細書において使用される“薬学的に許容される担体”は、生理学的に適合するあらゆる全ての溶媒、分散媒、コーティング剤、抗菌剤および抗真菌剤、等張剤および吸収遅延剤などを含む。担体は(例えば、注射または注入による)経口、腹膜内、静脈内、筋肉内、皮下、非経口、脊髄または上皮投与に適しているべきである。投与経路に依存して、活性化合物を、化合物を不活性にし得る酸および他の天然条件の作用から化合物を保護するために物質でコーティングし得る。
本発明の医薬化合物は1つ以上の薬学的に許容される塩を含み得る。“薬学的に許容される塩”は所望の親化合物の生物学的活性を保持するが、望ましくない毒性作用を付与しない塩を意味する(例えば、Berge, S.M., et al., 1977 J. Pharm. Sci. 66:1-19、参照)。このような塩の例は酸付加塩および塩基付加塩を含む。酸付加塩は無毒性の無機酸、例えば、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、リン酸など、ならびに無毒性の有機酸、例えば、脂肪族モノカルボン酸およびジカルボン酸、フェニル置換アルカン酸、ヒドロキシアルカン酸、芳香酸、脂肪族および芳香族スルホン酸などに由来するものを含む。塩基付加塩はアルカリ土金属、例えば、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムなど、ならびに無毒性の有機アミン、例えば、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、N−メチルグルカミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、プロカインなどに由来するものを含む。
本発明の医薬組成物は、また、薬学的に許容される抗酸化剤を含み得る。薬学的に許容される抗酸化剤の例は:水溶性抗酸化剤、例えば、アスコルビン酸、塩酸システイン、重硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムなど;油溶性抗酸化剤、例えば、パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、プロピルガレート、アルファ−トコフェロールなど;および金属キレート剤、例えば、クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸などを含む。
本発明の医薬組成物において使用され得る適当な水性および非水性担体の例は、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)およびそれの適当な混合物、植物油、例えば、オリーブ油、および注入可能な有機エステル、例えば、オレイン酸エチルを含む。適当な流動性は、例えば、コーティング剤、例えば、レシチンの使用、分散物の場合、必要な粒径の維持および界面活性剤の使用により維持することができる。
これらの組成物は、また、アジュバント、例えば、防腐剤、湿潤剤、乳化剤および分散剤を含み得る。微生物存在の防止は上記殺菌手順ならびに種々の抗菌および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノールソルビン酸などの包含により確保され得る。また、等張剤、例えば、糖、塩化ナトリウムなどを組成物に包含させることが望ましいこともある。加えて、注射可能な医薬形態の吸収の延長は吸収を遅らせる薬物、例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンの包含により実現され得る。
薬学的に許容される担体は無菌注射可能溶液または分散液の即時製造調製のための無菌水溶液または分散液および無菌粉末を含む。薬学的に活性な物質のためのこのような媒体および薬物の使用は当分野で既知である。慣用の媒体または薬物が活性な化合物と適合しない場合を除いて、本発明の医薬組成物におけるそれらの使用が考慮される。補助的な活性化合物も組成物に包含することができる。
一般的に、治療組成物は製造および保存の条件下で無菌および安定でなければならない。組成物は、溶液、ミクロエマルション、リポソームまたはその他の高濃度の薬物に適した調整構造物として調剤することができる。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコールおよび液体ポリエチレングリコールなど)および適当なそれらの混合物を含む溶媒または分散媒であり得る。適切な流動性は、例えば、コーティング剤、例えば、レシチンの使用、分散物の場合、必要な粒径の維持および界面活性剤の使用により維持することができる。多くの場合、等張剤、例えば、糖、ポリアルコール、例えば、マンニトール、ソルビトールまたは塩化ナトリウムを組成物中に含むことができる。注射可能な組成物の吸収の延長は組成物中に吸収を遅らせる薬物、例えば、モノステアリン酸塩およびゼラチンを含むことにより実現することができる。
無菌注射可能溶液は適当な溶媒中で必要な量の活性な化合物を上記に挙げられた成分の1つまたは組合せと混合し、必要なとき、次に無菌的精密濾過をすることにより製造することができる。一般的に、分散液は基本的分散媒および上記に挙げられたものから必要な他の成分を含む無菌ビヒクル中に活性な化合物を配合することにより製造される。無菌注射可能溶液の製造のための無菌粉末の場合、製造方法は、事前に無菌濾過した溶液から活性成分プラス何らかのさらなる所望の成分の粉末が得られる、真空乾燥およびフリーズドドライ(凍結乾燥)である。
単位投与形態を製造するために担体物質と組み合わせることができる活性成分の量は処置される対象および特定の投与経路に依存して変化する。単位投与形態を製造するために担体物質と組み合わせることができる活性成分の量は一般的に治療効果を引き起こす組成物の量である。一般的に、100%のうち、この量は薬学的に許容される担体との組み合わせで活性成分が約0.01%から約99%、約0.1%から約70%または約1%から約30%の範囲である。
投与レジメンは所望の最適応答(例えば、治療応答)を提供するために調節される。例えば、単回ボーラスで投与してもよく、経時的に数回の分割投与で投与してもよく、または治療状況の緊急性により指示されるとき、比例的に用量を減少または増加してもよい。とりわけ、投与の容易性および投与量の均一性のため、非経口組成物を投与単位形態で調剤することが有利である。本明細書において使用される投与単位形態は処置される対象に対する単位用量として適した物理的に分離した単位を意味し;それぞれの単位は必要な医薬担体と一緒に所望の治療効果を引き起こすように計算されたあらかじめ決められた量の活性な化合物を含む。本発明の投与単位形態の仕様は活性な化合物の独自の特徴と達成すべき特定の治療効果、および各個体における治療感受性に関して、このような有効化合物を調剤する技術に固有の限界により規定され、かつ直接的に依存する。
典型的な処置レジメンは1週間に2回、1週間に1回、2週間に1回または1月に1回の投与を必要とする。本発明のTrkB作動性抗体のための投与レジメンは腹膜内投与による1mg/kg体重または3mg/kg体重を含み、抗体を下記投与スケジュール:例えば、1週間に1回1mg/kg体重を4週間、次に1週間に1回3mg/kg体重を処置の残りの期間の1つを使用して与える。
いくつかの方法において、異なる結合特異性を有する2つ以上の結合分子(例えば、モノクローナル抗体)を同時に投与され、この場合、投与されるそれぞれの抗体の用量は示される範囲内である。TrkBアゴニスト抗体を通常、複数回投与する。各投与間の間隔は、例えば、毎週、毎月、3月ごとまたは1年ごとであり得る。間隔は、また、患者のTrkBに対する結合分子の血中レベルを測定することにより示されるように不定期であり得る。いくつかの方法において、用量はTrkBアゴニスト抗体の適当な血漿濃度を達成するように調節される。
あるいは、TrkBアゴニスト抗体を持続放出製剤として投与することができ、この場合、投与頻度は少なくてよい。用量および頻度は患者におけるTrkBアゴニスト抗体の半減期に依存して変化する。一般的に、ヒト抗体が最も長い半減期を示し、ヒト化抗体、キメラ抗体および非ヒト抗体が続く。用量および投与頻度は処置が予防的または治療的であるかどうかに依存して変化し得る。予防的適用において、比較的低用量を比較的低頻度で長期間投与する。ある患者は残りの生涯、処置を受け続ける。治療的適用において、ときどき、比較的高用量を比較的短間隔で、疾患の進行を遅らせるかもしくは停止させるまで、または患者が疾患の症状の部分的または完全な改善を示すまで必要である。その後、患者は予防レジメンで投与され得る。
本発明の医薬組成物中の活性成分の実際の用量レベルは、特定の患者、組成物および投与経路に対して所望の治療応答を達成するために有効であり、患者に毒性がない、活性成分の量を得るために変化させることができる。選択された用量レベルは使用される本発明の特定の組成物またはそのエステル、塩またはアミドの活性、投与の経路、投与の時間、使用される特定の化合物の排泄速度、処置の期間、使用される特定の組成物と組み合わせて使用される他の薬物、化合物および/または物質、処置される患者の年齢、性別、体重、状態、健康状態および病歴ならびに医薬分野で既知の因子を含む種々の薬物動態因子に依存する。
本発明の組成物は、1つ以上の当分野で既知の種々の方法を使用して、1つ以上の投与経路により投与することができる。投与様式および/または投与経路は所望の結果に依存して変化することが、当業者に理解される。本発明のTrkB作動性抗体の投与形路は、例えば、注射または注入による、静脈内、筋肉内、皮内、腹腔内、皮下、脊髄または他の非経口経路の投与を含む。本明細書において使用されるフレーズ“非経口投与”は通常、注入による経腸および局所投与以外の投与方法を意味し、静脈内、筋肉内、動脈内、くも膜下腔内、被膜内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管的、皮下、表皮下、関節内、被膜下、くも膜下、脊髄内、硬膜外および胸骨内注射および注入が含まれるが、これらに限定されない。
あるいは、本発明のTrkB作動性抗体は、非経口経路、例えば、局所、上皮または粘膜経路の投与、例えば、鼻腔内、経口的、経膣的、経直腸的、舌下的または局所的により投与することができる。
活性な化合物は、インプラント、経皮パッチおよびマイクロカプセル化送達系を含む制御放出製剤のように、化合物を迅速な放出に対して保護する担体とともに製造することができる。生分解性、生体適合性ポリマー、例えば、エチレンビニルアセテート、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステルおよびポリ乳酸を使用することができる。このような製剤の製造のための多数の方法は特許されているか、または一般的に当業者に既知である。例えば、Sustained and Controlled Release Drug Delivery Systems, J.R. Robinson, ed., Marcel Dekker, Inc., New York, 1978、参照。
治療組成物は当分野で既知の医療デバイスで投与することができる。例えば、1つの態様において、本発明の治療組成物は無針皮下注射デバイス、例えば、米国特許第5,399,163;5,383,851;5,312,335;5,064,413;4,941,880;4,790,824または4,596,556号に示されているデバイスで投与することができる。本発明において有用な既知のインプラントおよびモジュールの例は:コントロールされた速度で薬物を分配するためのインプラント可能な微小注入ポンプを示す米国特許第4,487,603号;皮膚を介する薬物を投与するための治療デバイスを示す米国特許第4,486,194号;正確な注入速度で薬物を送達するための薬物注入ポンプを示す米国特許第4,447,233号;連続的薬物送達のための流量可変のインプラント可能な注入装置を示す米国特許第4,447,224号;複数チャンバーコンパートメントを有する浸透圧薬物送達系を示す米国特許第4,439,196号;および浸透圧薬物送達系を示す米国特許第4,475,196号を含む。これらの特許は出典明示により本明細書に包含される。他のこのような多数のインプラント、送達系およびモジュールは当業者に既知である。
特定の態様において、本発明のTrkB作動性抗体をインビボで適切な分布を確実にするため製剤化することができる。例えば、血液脳関門(BBB)は多数の高親水性化合物を排除する。本発明の治療化合物がBBBを(所望により)通過することを確実にするため、それらは、例えば、リポソーム中で製剤化することができる。リポソームを製造する方法に関して、例えば、米国特許第4,522,811;5,374,548;および5,399,331号、参照。リポソームは特定の細胞または臓器に選択的に輸送される1以上の部分を含み得、したがって標的薬物送達を強化する(例えば、V.V. Ranade, 1989 J. Cline Pharmacol. 29:685、参照)。典型的な標的とする部分は葉酸またはビオチン(例えば、Low et al.による米国特許第5,416,016号、参照);マンノシド(Umezawa et al., 1988 Biochem. Biophys. Res. Commun. 153:1038);抗体(P.G. Bloeman et al., 1995 FEBS Lett. 357:140; M. Owais et al., 1995 Antimicrob. Agents Chernother. 39:180);界面活性剤タンパク質A受容体(Briscoe et al., 1995 Am. J. Physiol.1233:134);p120(Schreier et al., 1994 J. Biol. Chem. 269:9090)を含む;K. Keinanen; M.L. Laukkanen, 1994 FEBSLett. 346:123; J.J. Killion; I.J. Fidler, 1994 Immunomethods 4:273も参照。
マウスモデル
Mecp2KO(Mecp2−ノックアウト)オスおよびMecp2HT(ヘテロ接合体)メスは、レット症候群(RTT)に罹患した女児と同様の症状を示すため、RTTを試験するために非常に有用なモデル系である。Mecp2−KOオスは4週齢で下記のいくつかの症状を示すようになる:成長の低下;脳成長およびニューロンサイズの低下;振戦;運動障害;自発運動の抑制(発作);不規則な呼吸;不安の高まり;後弯症;型通りの前肢の運動;および後肢の折り畳み(clasping)。
マウスにおけるMecp2欠乏は低い内因性レベルのBDNFと関連し、マウス呼吸系を混乱させることが知られており、特に延髄呼吸系の異常調節を引き起こすノルエピネフリンおよびセロトニン量の進行性欠乏症と関連している(Viemari et al., (2005) J Neuroscience; 25:11521)。該混乱および呼吸困難はMecp2−KOマウスにおいてより大きい程度を示す。これらのマウスにおいて見られる中枢自律神経機能障害は、〜2月齢に致命的な呼吸停止を引き起こす進行的に悪化する呼吸障害(不規則な呼吸パターン、可変サイクルおよび頻繁な無呼吸);心臓QT間隔延長;および延髄呼吸ネットワークを調節する阻害系において平衡異常を引き起こす脳幹骨髄におけるチロシンヒドロキシラーゼ、ノルエピネフリンおよびセロトニン量の劇的な減少を含む。
Mecp2HTメスは同様であるが遅延された表現型(発症=3月)を示し、迅速な悪化ではないが弱くなる。それらは9−12月間、生存することができる。しかしながら、メスMecp2−HTは、また、より大きな1回肺気量、呼吸鬱病、過呼吸後の遷延性無呼吸および低酸素症への大きな応答により特徴付けられる呼吸表現型が存在する(Bissonnette and Knopp, (2006) Pediatric Research; 59:513)。
本発明は完全に記載されており、以下の実施例および特許請求の範囲によりさらに説明されるが、これらは説明のためであり、さらなる限定を意図しない。当業者は慣用の実験、本明細書に記載されている特定の手順に対する多くの等価なもののみを使用して確認するか、または確かめることができる。このような等価なものは本発明の範囲および特許請求の範囲内である。本出願に引用されている発行特許および公開特許出願を含む全ての刊行物の内容は出典明示により本明細書に包含される。
実施例
実施例1:Mecp2マウスへのTrkBアゴニスト抗体(C20)の投与
TrkBアゴニスト抗体(C20)または塩水を3mg/kg体重の用量にて週に2回、4週齢(早い症状)から8週齢(遅い症状)のMecp2−KOおよび野生型オスの腹膜内に投与し、該動物を6から8週間試験した。全4グループ(塩水を投与した野生型、mAbを投与した野生型、塩水を投与したノックアウトおよびmAbを投与したノックアウト)にて1グループあたり9から14匹のマウスであった。Mecp2ノックアウトマウスはJackson Labsから購入した(line B6.129P2 C Mecp2tm1.1Bird/J(#003890))。
図1Aにおいて見られるとおり、TrkBアゴニストmAbを投与したとき、マウスは体重の低下を示した。上から1段目(データの点として白色四角記号)は塩水を投与したMecp2野生型マウスを表す。上から2段目(データの点として黒色四角記号)はTrkBアゴニスト抗体を投与したMecp2野生型マウスを表す。下から2段目(データの点として白色丸記号)は塩水を投与したMecp2ノックアウトマウスを表す。下から1段目(データの点として黒色丸記号)はTrkBアゴニスト抗体を投与したMecp2ノックアウトマウスを表す。図1Aにおいて示されるとおり、TrkBアゴニスト抗体を投与したとき、Mecp2マウスは両方の場合において体重が低下した。
6週齢(図1Bの左)および8週齢(図1Bの右)の両方の試験において、24時間にわたって測定したとき、TrkBアゴニストmAbを投与したマウスは、また、食糧および水分摂取の低下を示した。
さらに、図1において見られるとおり、TrkBアゴニストmAbを投与したとき、マウスは、また、体重の低下を示した。上から1段目(データの点として白色四角記号)は塩水を投与したMecp2野生型マウスを表す。上から2段目(データの点として黒色四角記号)はTrkBアゴニスト抗体を投与したMecp2野生型マウスを表す。下から2段目(データの点として白色丸記号)は塩水を投与したMecp2ノックアウトマウスを表す。下から1段目(データの点として黒色丸記号)はTrkBアゴニスト抗体を投与したMecp2ノックアウトマウスを表す。図1において示されるとおり、TrkBアゴニスト抗体を投与したとき、Mecp2マウスは両方の場合において体重が低下した。
さらに、TrkBアゴニストmAbの投与は処理−KOマウスの前肢および後肢の握力を改善することができる。これは図2Aにおいて証明され、ここで、データの点として四角記号は塩水(SAL)またはTrkBアゴニスト抗体C20で処理した野生型(WT)マウスを表し;データの点として丸記号は塩水(SAL)またはTrkBアゴニスト抗体C20で処理したノックアウト(KO)マウスを表す。加えて、TrkBアゴニスト抗体を投与したマウスは体脂肪の減少および除脂肪量の増加を示した。これは図2Bにおいて証明され、ここで、データの点として四角記号は塩水(SAL)またはTrkBアゴニスト抗体C20で処理した野生型(WT)マウスを表し;データの点として丸記号は塩水(SAL)またはTrkBアゴニスト抗体C20で処理したノックアウト(KO)マウスを表す。
TrkBアゴニストmAbの投与は、また、Mecp2−KOマウスの寿命を延長することができる。Mecp2−KOマウスは約8週齢から10週齢で死ぬことが知られているが、TrkBアゴニストmAbsを投与したときより長く生存することができる。これは少なくとも、塩水を投与したKOマウス(KO/SAL)は約8−10週齢で死に、TrkBアゴニストmAbを投与したKOマウス(KO/C20)は23週齢まで生存する図3Aにおいて証明される;(図3において、野生型マウスはWTとして表し、そしてノックアウトマウスはKOとして表し、TrkBアゴニスト抗体はC20として表す)。図3において示されるとおり、TrkBアゴニストmAb−処理マウス(KO/MAB)は塩水処理KOマウスの少なくとも2倍の年齢まで生存することができる。Mecp2−KOマウスの致命的な呼吸障害は延髄呼吸ネットワーク系において発現されるTrkBのTrkBアゴニスト抗体による刺激により救うことができると考えられ;該系は、Mecp2が欠如および/または変異しているとき、マウスおよびヒトにおいて負に影響を与える。
さらに、TrkBアゴニスト抗体は、延髄呼吸系のニューロンに接近し、それによりチロシンヒドロキシラーゼ(ノルエピネフリン合成に対する律速酵素)、ノルエピネフリンおよびセロトニンを正常レベルに回復させ、したがって、KOマウスの呼吸障害を予防し、寿命を延長すると考えられる。これらの呼吸および関連障害は試験されており、延髄呼吸系のノルエピネフリンおよびセロトニン調節の進行性の欠乏症と関連する(Viemari et al., (2005) J Neuroscience; 25:11521)。ノルエピネフリン再摂取阻害剤であるデシプラミンでの慢性処置は、この表現型を救い、Mecp2KOマウスの寿命を有意に延長することができる(Roux et al. (2007) Eur. J. Neuroscience; 25:1915)。あるいは、TrkBアゴニスト抗体は頸動脈小体を構成するニューロンに位置するTrkB受容体に結合し、そして呼吸パターンを調節する脳(すなわち、皮質または視床下部)における混乱した伝達をより高い機能に回復することが信じられている。最後に、TrkBアゴニスト抗体は、節状頭部感覚神経節のTrkB受容体に作用し、心肺ホメオスタシスに重要である構造として報告されているBDNFの減少を補うと考えられる(Ogier et al., (2007) J. Neuroscience; 27:10912)。
本方法のTrkBアゴニスト抗体は、同じ、または同様のメカニズムを介して、同じ様式において作用することができる(例えば、脳幹骨髄におけるこれらの神経伝達物質の正常レベルおよびバランスへの回復に作用することができる)。[3H]−標識TrkBアゴニスト抗体における放射性イメージングにて、これらの発見をさらに確認することができ、起こりうるメカニズムをさらに解明することができる。本明細書において他に記載のない限り、いくつかの態様において、本方法のTrkBアゴニスト抗体は相加的効果のためにデシプラミンと組み合わせることができる。
実施例2:Mecp2マウスへのTrkBアゴニスト抗体(C20)の投与
無呼吸の試験のため、Buxco Research Systemsにより設計された系を使用して、全身プレチスモグラフィーを使用することができる。意識のある自由なマウスをプレチスモグラフチャンバー(直立プレキシガラス円柱 直径4インチおよび高さ5インチ)に置く。チャンバーへの一定の新鮮な空気の交換を確保するため、空気流を維持し、食料、寝床および水を提供する。無呼吸の頻度を正確に評価するために、マウスをプレチスモグラフチャンバーに順応させることが必要である。それらが完全に順応したら、チャンバーから動物を取り出さずに気道応答記録を種々の間隔にて行う。順応期間および記録期間は2時間を越えるべきではなく;したがって、マウスを一度に2時間以上、チャンバー内に置かない。
プレチスモグラフ記録を同じ動物において週にわずか2回行う。プレチスモグラフ記録が完了したら、マウスをホームケージに戻す。プレチスモグラフチャンバー中に、マウスが激しく不自然な呼吸または不安の明らかなサインを示すとき、それらをチャンバーから取り出し、ホームケージに戻してもよい。

Claims (45)

  1. 呼吸器疾患と関連する状態を処置、診断、予防または改善する方法であって、それを必要とする対象に有効量のTrkB結合分子を投与することを含む方法。
  2. 該TrkB結合分子がTrkB作動性(agonizing)抗体である、請求項1に記載の方法。
  3. 該抗体がヒト化抗体である、請求項2に記載の方法。
  4. 該抗体がチロシンキナーゼ受容体Aまたはチロシンキナーゼ受容体Cに結合しない、請求項2に記載の方法。
  5. 該抗体がTrkBのリガンド結合ドメイン(LBD)に結合しない、請求項2に記載の方法。
  6. 該抗体がTrkBへの脳由来神経栄養因子(BDNF)の結合と競合しない、請求項2に記載の方法。
  7. 抗体がTrkBへの結合に対して配列番号:1を含む重鎖可変領域および配列番号:2を含む軽鎖可変領域を含む競合抗体と競合する、請求項2に記載の方法。
  8. 抗体が配列番号:1を含む重鎖可変領域および配列番号:2を含む軽鎖可変領域を含む、請求項2に記載の方法。
  9. 抗体が1つ以上の配列番号:5、配列番号:9および配列番号:13を含む重鎖可変領域ならびに1つ以上の配列番号:6、配列番号:10および配列番号:14を含む軽鎖可変領域を含む、請求項2に記載の方法。
  10. 該抗体がTrkBのリガンド結合ドメイン(LBD)へ結合する、請求項2に記載の方法。
  11. 該抗体がTrkBへの脳由来神経栄養因子(BDNF)の結合と競合する、請求項2に記載の方法。
  12. 抗体がTrkBへの結合に対して配列番号:3を含む重鎖可変領域および配列番号:4を含む軽鎖可変領域を含む競合抗体と競合する、請求項2に記載の方法。
  13. 抗体が配列番号:3を含む重鎖可変領域および配列番号:4を含む軽鎖可変領域を含む、請求項2に記載の方法。
  14. 抗体が1つ以上の配列番号:7、配列番号:11および配列番号:15を含む重鎖可変領域、ならびに1つ以上の配列番号:8、配列番号:12および配列番号:14を含む軽鎖可変領域を含む、請求項2に記載の方法。
  15. 呼吸困難の症状を処置、診断、予防または改善する方法であって、それを必要とする対象に有効量のTrkB結合分子を投与することを含む方法。
  16. 該TrkB結合分子がTrkB作動性抗体である、請求項15に記載の方法。
  17. 該抗体がヒト化抗体である、請求項16に記載の方法。
  18. 該抗体がチロシンキナーゼ受容体Aまたはチロシンキナーゼ受容体Cに結合しない、請求項16に記載の方法。
  19. 該抗体がTrkBのリガンド結合ドメイン(LBD)に結合しない、請求項16に記載の方法。
  20. 該抗体がTrkBへの脳由来神経栄養因子(BDNF)の結合と競合しない、請求項16に記載の方法。
  21. 抗体がTrkBへの結合に対して配列番号:1を含む重鎖可変領域および配列番号:2を含む軽鎖可変領域を含む競合抗体と競合する、請求項16に記載の方法。
  22. 抗体が配列番号:1を含む重鎖可変領域および配列番号:2を含む軽鎖可変領域を含む、請求項16に記載の方法。
  23. 抗体が1つ以上の配列番号:5、配列番号:9および配列番号:13を含む重鎖可変領域ならびに1つ以上の配列番号:6、配列番号:10および配列番号:14を含む軽鎖可変領域を含む、請求項16に記載の方法。
  24. 該抗体がTrkBのリガンド結合ドメイン(LBD)に結合する、請求項16に記載の方法。
  25. 該抗体がTrkBへの脳由来神経栄養因子(BDNF)の結合と競合する、請求項16に記載の方法。
  26. 抗体がTrkBへの結合に対して配列番号:3を含む重鎖可変領域および配列番号:4を含む軽鎖可変領域を含む競合抗体と競合する、請求項16に記載の方法。
  27. 抗体が配列番号:3を含む重鎖可変領域および配列番号:4を含む軽鎖可変領域を含む、請求項16に記載の方法。
  28. 抗体が1つ以上の配列番号:7、配列番号:11および配列番号:15を含む重鎖可変領域ならびに1つ以上の配列番号:8、配列番号:12および配列番号:14を含む軽鎖可変領域を含む、請求項16に記載の方法。
  29. レット症候群(RTT)と関連する状態を処置、診断、予防または改善する方法であって、それを必要とする対象に有効量のTrkB結合分子を投与することを含む方法。
  30. 該TrkB結合分子がTrkB作動性抗体である、請求項29に記載の方法。
  31. 該抗体がヒト化抗体である、請求項30に記載の方法。
  32. 該抗体がチロシンキナーゼ受容体Aまたはチロシンキナーゼ受容体Cに結合しない、請求項30に記載の方法。
  33. 該抗体がTrkBのリガンド結合ドメイン(LBD)に結合しない、請求項30に記載の方法。
  34. 該抗体がTrkBへの脳由来神経栄養因子(BDNF)の結合と競合しない、請求項30に記載の方法。
  35. 抗体がTrkBへの結合に対して配列番号:1を含む重鎖可変領域および配列番号:2を含む軽鎖可変領域を含む競合抗体と競合する、請求項30に記載の方法。
  36. 抗体が配列番号:1を含む重鎖可変領域および配列番号:2を含む軽鎖可変領域を含む、請求項30に記載の方法。
  37. 抗体が1つ以上の配列番号:5、配列番号:9および配列番号:13を含む重鎖可変領域ならびに1つ以上の配列番号:6、配列番号:10および配列番号:14を含む軽鎖可変領域を含む、請求項30に記載の方法。
  38. 該抗体がTrkBのリガンド結合ドメイン(LBD)に結合する、請求項30に記載の方法。
  39. 該抗体がTrkBへの脳由来神経栄養因子(BDNF)の結合と競合する、請求項30に記載の方法。
  40. 抗体がTrkBへの結合に対して配列番号:3を含む重鎖可変領域および配列番号:4を含む軽鎖可変領域を含む競合抗体と競合する、請求項30に記載の方法。
  41. 抗体が配列番号:3を含む重鎖可変領域および配列番号:4を含む軽鎖可変領域を含む、請求項30に記載の方法。
  42. 抗体が1つ以上の配列番号:7、配列番号:11および配列番号:15を含む重鎖可変領域ならびに1つ以上の配列番号:8、配列番号:12および配列番号:14を含む軽鎖可変領域を含む、請求項30に記載の方法。
  43. 呼吸器疾患と関連する状態を処置、診断、予防または改善する方法であって、それを必要とする対象に治療または予防有効量のTrkB作動性抗体を含む有効量の医薬組成物を投与することを含む方法。
  44. 呼吸困難の症状を処置、診断、予防または改善する方法であって、それを必要とする対象に治療または予防有効量のTrkB作動性抗体を含む有効量の医薬組成物を投与することを含む方法。
  45. レット症候群(RTT)と関連する状態を処置、診断、予防または改善する方法であって、それを必要とする対象に治療または予防有効量のTrkB作動性抗体を含む有効量の医薬組成物を投与することを含む方法。
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