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JP2011229329A - 永久磁石式モータ - Google Patents

永久磁石式モータ Download PDF

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Abstract

【課題】重希土類の使用を最適化することで重希土類の使用を最小限に留め、これによりコストを抑制する。
【解決手段】永久磁石がロータコアに埋め込まれたロータと、ロータに対して所定の空隙を介して配置されたステータとを備える。永久磁石は、重希土類元素を表面近傍の結晶粒界に偏析させた焼結磁石10を磁化方向に垂直な面で分割して得られる複数の焼結磁石セグメント10a,10bであり、複数の焼結磁石セグメント10a,10bは、それぞれ重希土類元素の濃度が相対的に高い面が前記ロータの外周面側に位置するようにロータコア100に埋め込まれる。
【選択図】図1

Description

本発明は永久磁石式モータに関し、特に、ロータに埋め込まれる、又はロータ表面に装着される永久磁石の保持力の改良に関する。
電気自動車やハイブリッド自動車において、バッテリや駆動モータのコストをいかに低下させるかは極めて大きな課題である。モータ製造価格を低下させるためのアプローチの一つに、ロータ内部に埋めこまれる、又はロータ表面に装着される永久磁石の改善がある。例えば、ロータ内部に永久磁石が埋め込まれている場合、永久磁石のステータ側の側面にはステータ側から入ってくる外部磁界が磁石の内部に比して相対的に高いため、磁力を保持するために相対的に高い保持力が要求される。一方、磁石の内部においては、外部磁界が相対的に弱いことからその側面付近ほどの保持力は要求されないが、モータのトルク性能に寄与する磁束密度は相対的に高いことが必要である。保持力と磁束密度は、互いに相反する傾向にあり、両方の物理量を同時に満足し得る材料は比較的高価なものとなる。
特許文献1には、磁束密度が相対的に小さく、保持力が相対的に高い材料から成形された外部磁石と、磁束密度が相対的に大きく、保持力が相対的に低い材料から成形された内部磁石とから複合磁石を成形し、複合磁石をロータに埋め込む技術が開示されている。外部磁石には、ネオジウム(Nd)にジスプロシウム(Dy)を重希土類元素が添加された材料を用い、内部磁石にはNdを用いることが開示されている。
また、特許文献2には、ロータに埋め込まれる、又はロータの表面に装着される永久磁石セグメントのそれぞれがさらに分割された永久磁石の集合体で構成されるとともに、各分割された個々の永久磁石の表面近傍における保持力がそれぞれ分割された永久磁石内部の保持力よりも大きくなっている永久磁石式回転機用回転子が開示されている。また、分割された永久磁石がNd系希土類焼結磁石であること、Nd系希土類焼結磁石の表面から内部に向かっての保持力傾斜が、磁石表面から内部に向かってDy又はTbを拡散させたことによって製造されることが開示されている。
特開2006−261433号公報 特開2009−254092号公報
ところで、Nd系焼結磁石は、耐熱性や保持力が一定以上あって優れた磁気特性を有しているが、ステータからの反磁界により減磁しやすいのはロータの外周近傍のみであり、ロータの内周部近傍は保持力をそれほど高くする必要はないところ、磁石表面から内部に向かってDy又はTbを拡散させて製造される永久磁石の集合体で永久磁石セグメントを構成するとロータの内周部近傍においても重希土類が偏析してしまうため、重希土類の使用が最適化されておらず、結果としてコストが増大してしまう。
本発明の目的は、重希土類の使用を最適化することで重希土類の使用を最小限に留め、これによりコストを抑制できる永久磁石式モータを提供することにある。
本発明の永久磁石式モータは、永久磁石がロータコアに埋め込まれ、又はロータコア表面に装着されたロータと、前記ロータに対して所定の空隙を介して配置されたステータとを備え、前記永久磁石は、重希土類元素を表面近傍の結晶粒界に偏析させた焼結磁石を磁化方向に垂直な面で分割して得られる複数の焼結磁石セグメントであり、前記複数の焼結磁石セグメントは、それぞれ前記重希土類元素の濃度が相対的に高い面が前記ロータの外周面側に位置し、前記重希土類元素の濃度が相対的に低い面が前記ロータの内周面側に位置するように前記ロータコアに埋め込まれ、又はロータコア表面に装着されることを特徴とする。
本発明の1つの実施形態では、前記永久磁石は、重希土類元素を表面近傍の結晶粒界に偏析させた焼結磁石を磁化方向に垂直な面で2等分して得られる複数の焼結磁石セグメントである。
また、本発明の他の実施形態では、前記永久磁石は、重希土類元素を表面近傍の結晶粒界に偏析させた焼結磁石を磁化方向に垂直な面で4等分して得られる複数の焼結磁石セグメントである。
本発明によれば、重希土類の使用を最適化することで重希土類の使用を最小限に留め、これによりコストを抑制できる。
実施形態における永久磁石埋め込み工程説明図である。 他の実施形態における永久磁石埋め込み工程説明図である。
以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。
1.モータの基本構成
まず、本実施形態におけるモータの基本構成について説明する。本実施形態のモータはIPM(Interior Permanent Magnet:内部磁石埋込型)モータであり、ロータ(回転子)とステータ(固定子)を備え、ロータは電磁鋼板を積層したロータコアに複数の永久磁石を埋め込まれて構成される。ロータの極数は任意である。ステータは、電磁鋼板を積層した構造で、各ティースにはコイルが巻回されている。ロータに埋め込まれる永久磁石は、Nd系希土類焼結磁石であり、母金属を粗粉砕、微粉砕、成形、焼結して製造され、磁石表面にDyやTbの酸化物粉末、DyやTbのフッ化物の粉末、DyやTbを含む合金粉末を塗布し、その後、磁石を焼結温度よりも低い温度で熱処理することにより粒界部にのみDyやTbを拡散させたものである。Dy等の重希土類が偏析(拡散浸漬)された焼結磁石は、ロータ内に形成された孔に挿入されて、IPMモータのロータが形成される。
Dy等の重希土類が偏析(拡散浸漬)された焼結磁石では、特開2009−254092号公報に開示されているように、残留磁束密度の低減をほとんど伴わずに保持力が効率的に増大され、焼結磁石の保持力に分布が生じる。すなわち、磁化方向に平行な面において磁石表面近傍の保持力が磁石内部の保持力よりも相対的に高くなる。
本実施形態では、Dy等の重希土類が偏析(拡散浸漬)された焼結磁石におけるこのような保持力分布を利用して、IPMモータのロータを形成する。
2.ロータの製造方法
図1に、本実施形態におけるIPMモータのロータ製造方法を模式的に示す。図1(a)は、直方体形状のNd系重希土類焼結磁石10を磁化方向に平行な面で切断した断面図である。Dy等の重希土類が偏析(拡散浸漬)された焼結磁石、例えばNdFeB磁石は、磁化方向に平行な面において磁石表面近傍の重希土類元素の濃度が磁石内部の重希土類元素の濃度よりも相対的に高くなる。ここで、断面において、重希土類の濃度毎にa,b,c,dの4つのエリアに分割するものとする。もちろん、このような分割は便宜的なものにすぎず、実際の濃度は連続的に変化するものである。重希土類の濃度は、エリアa>エリアb>エリアc>エリアdである。
このような焼結磁石10を単にロータに形成された孔に挿入して埋め込む構成とした場合、ロータ内周側においても重希土類の濃度が高い領域が存在することとなる。ロータ内周側では反磁界が相対的に弱いので大きな保持力は必要ではないところ、このようにロータ内周側において重希土類の濃度を高くするのは無駄であり、重希土類の有効活用が図られずコスト増加を招く。
そこで、図1(b)に示すように、直方体形状の焼結磁石10を、磁化方向に垂直な平面で2等分して焼結磁石セグメント10aと焼結磁石セグメント10bに分割する。図において、磁化方向が紙面の上下方向であるとすると、紙面に対して垂直方向の面で焼結磁石10を2等分する。具体的には、焼結磁石10を磁化方向に垂直な面で切断し、砥石、切削刃、ワイヤーソー等を用いて切削加工する。2等分して得られるそれぞれの焼結磁石セグメント10a,10bは、共に重希土類の濃度が互いに異なるエリアa,b,c,dを備える。例えば、焼結磁石セグメント10aは、表面にエリアaが存在し、裏面にいくに従ってエリアb、エリアc、エリアdの各エリアが重層的に存在する。一方、焼結磁石セグメント10bは、表面にエリアdが存在し、裏面にいくに従ってエリアc、エリアb、エリアaの各エリアが重層的に存在する。それぞれの焼結磁石セグメント10a,10bのサイズは、例えば長さ20mm、幅5mmである。そして、このようにして2等分して得られた焼結磁石セグメント10a,10bを、それぞれロータコアに形成された孔に挿入する。
図1(c)に、ロータの1極あたりの構成を示す。図1(c)に示すように、ロータコア100に形成された2個の孔102にそれぞれ焼結磁石セグメント10a,10bを挿入する。この際、エリアaがロータコア100の外周側、エリアdがロータコア100の内周側に位置するように挿入する。すなわち、焼結磁石セグメント10aを孔102に挿入する場合には、焼結磁石セグメント10aにおけるエリアa側の面がロータコア100の外周側に、エリアd側の面がロータコア100の内周側に位置するように、焼結磁石セグメント10aの向きを調整して孔102に挿入する。焼結磁石セグメント10bも同様であり、焼結磁石セグメント10bにおけるエリアa側の面がロータコア100の外周側に、エリアd側の面がロータコア100の内周側に位置するように、焼結磁石セグメント10bの向きを調整して孔102に挿入する。
このように焼結磁石セグメント10a,10bをそれぞれロータコア100の孔102に挿入することで、重希土類の濃度が相対的に高いエリアaがロータ外周近傍に位置し、重希土類の濃度が相対的に低いエリアdがロータ内周近傍に位置するようになる。従って、反磁界が強いロータ外周近傍において重希土類の濃度を相対的に高くして保持力を大きくする一方、反磁界が弱いロータ内周近傍において重希土類の濃度を相対的に低くして重希土類の無駄を排除することができる。
3.ロータの他の製造方法
図2に、他の実施形態におけるIPMモータのロータ製造方法を模式的に示す。図2(a)は、直方体形状の焼結磁石10を磁化方向に平行な面で切断した断面図であり、図1(a)と同様である。重希土類が偏析(拡散浸漬)された焼結磁石は、磁化方向に平行な面において磁石表面近傍の重希土類元素の濃度が磁石内部の重希土類元素の濃度よりも相対的に高くなる。断面において、重希土類の濃度毎にa,b,c,dの4つのエリアに分割するものとする。重希土類の濃度は、エリアa>エリアb>エリアc>エリアdである。
次に、図2(b)に示すように、直方体形状の焼結磁石10を、磁化方向に垂直な平面で4等分して焼結磁石セグメント10aと焼結磁石セグメント10bと焼結磁石セグメント10cと焼結磁石セグメント10dに分割する。焼結磁石セグメント10a,10dは共にエリアa,b,cを重層的に備え、焼結磁石セグメント10b,10cは共にエリアa,b,c,dを重層的に備える。
図2(c)に、ロータ1極あたりの構成を示す。図2(c)に示すように、ロータコア100に2層にわたって形成された合計4個の孔102にそれぞれ焼結磁石セグメント10a,10b,10c,10dを挿入する。ロータ外周側の孔102には焼結磁石セグメント10a,10dを挿入し、ロータ内周側の孔102には焼結磁石セグメント10b,10cを挿入する。この際、エリアaがロータコア100の外周側、エリアcあるいはエリアdがロータコア100の内周側に位置するように挿入する。すなわち、焼結磁石セグメント10aを外周側の孔102に挿入する場合には、焼結磁石セグメント10aにおけるエリアa側の面がロータコア100の外周側に、エリアc側の面がロータコア100の内周側に位置するように、焼結磁石セグメント10aの向きを調整して孔102に挿入する。焼結磁石セグメント10dも同様であり、焼結磁石セグメント10dにおけるエリアa側の面がロータコア100の外周側に、エリアc側の面がロータコア100の内周側に位置するように、焼結磁石セグメント10bの向きを調整して孔102に挿入する。また、焼結磁石セグメント10bを内周側の孔102に挿入する場合には、焼結磁石セグメント10bにおけるエリアa側の面がロータコア100の外周側に、エリアd側の面がロータコア100の内周側に位置するように、焼結磁石セグメント10bの向きを調整して孔102に挿入する。焼結磁石セグメント10cも同様であり、焼結磁石セグメント10cにおけるエリアa側の面がロータコア100の外周側に、エリアd側の面がロータコア100の内周側に位置するように、焼結磁石セグメント10cの向きを調整して孔102に挿入する。
このように焼結磁石セグメント10a,10b,10c,10dをそれぞれロータコア100の孔102に挿入することで、重希土類の濃度が相対的に高いエリアaがロータ外周近傍に位置し、重希土類の濃度が相対的に低いエリアdがロータ内周近傍に位置するようになる。従って、反磁界が強いロータ外周近傍において重希土類の濃度を相対的に高くして保持力を大きくする一方、反磁界が弱いロータ内周近傍において重希土類の濃度を相対的に低くして重希土類の無駄を排除することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
例えば、本実施形態では、ロータ内部に磁石を埋め込むIPMモータについて例示してが、ロータの表面に永久磁石を装着するモータにおいても同様に適用することができる。すなわち、図1(b)のように2等分して得られた焼結磁石セグメント10a,10bをそれぞれロータの表面に装着する際に、エリアaがロータ外周近傍に位置し、エリアdがロータ内周側に位置するように向きを調整して装着する。
また、本実施形態では、重希土類を表面近傍の粒界に偏析(拡散浸漬)させた焼結磁石において、重希土類の濃度が相対的に高い面をロータ外周側に位置するように配置するものであり、重希土類の濃度が相対的に高い面における重希土類の濃度値は、ステータの反磁界で減磁しない程度の大きさの保持力が得られる程度でよく、そして、重希土類の濃度が相対的に低い面における濃度、すなわち分割前の焼結磁石の内部における濃度は、反磁界が弱いロータ内周側に位置するので従来よりも低い濃度でよく、この意味において重希土類元素の使用量を削減することが可能である。
また、本実施形態では、図1において直方体形状の焼結磁石10を磁化方向に垂直な面で2等分しているが、「2等分」とは必ずしも厳密に2等分を意味するものではなく、略2等分を意味するものであり、焼結磁石セグメント10aと焼結磁石セグメント10bとが互いに実質的に同一視できる程度に分割すればよい。
また、図2ではロータの2層構造に対応して直方体形状の焼結磁石10を磁化方向に垂直な面で4等分しているが、ロータが3層構造の場合には磁化方向に垂直な面で6等分すればよく、以下同様にn層の場合には2n等分すればよい。
また、本実施形態では、直方体形状の焼結磁石10を等分割して得られる焼結磁石を焼結磁石セグメントと称しているが、焼結磁石セグメントの形状は必ずしも直方体形状である必要はなく、ロータの曲率に応じた曲面を有していてもよい。
10 焼結磁石 10a〜10d 焼結磁石セグメント、100 ロータコア、102 孔。

Claims (3)

  1. 永久磁石がロータコアに埋め込まれ、又はロータコア表面に装着されたロータと、
    前記ロータに対して所定の空隙を介して配置されたステータと、
    を備え、
    前記永久磁石は、重希土類元素を表面近傍の結晶粒界に偏析させた焼結磁石を磁化方向に垂直な面で分割して得られる複数の焼結磁石セグメントであり、
    前記複数の焼結磁石セグメントは、それぞれ前記重希土類元素の濃度が相対的に高い面が前記ロータの外周面側に位置し、前記重希土類元素の濃度が相対的に低い面が前記ロータの内周面側に位置するように前記ロータコアに埋め込まれ、又はロータコア表面に装着される
    ことを特徴とする永久磁石式モータ。
  2. 請求項1記載のモータにおいて、
    前記永久磁石は、重希土類元素を表面近傍の結晶粒界に偏析させた焼結磁石を磁化方向に垂直な面で2等分して得られる複数の焼結磁石セグメントであることを特徴とする永久磁石式モータ。
  3. 請求項1記載のモータにおいて、
    前記永久磁石は、重希土類元素を表面近傍の結晶粒界に偏析させた焼結磁石を磁化方向に垂直な面で4等分して得られる複数の焼結磁石セグメントであることを特徴とする永久磁石式モータ。
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