JP2011222669A - パワーモジュール用基板及びパワーモジュール - Google Patents
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Abstract
【解決手段】セラミックス基板11の一方の面に金属からなる回路層12が配設され、この回路層12の上に半導体素子3が搭載されるパワーモジュール用基板10であって、回路層12の一方の面には、炭素質部材中に金属が充填された金属基複合材料からなる金属基複合板20が配設されており、この金属基複合板20を介して半導体素子3が搭載されることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
このようなパワーモジュール用基板においては、半導体素子から発生した熱が、回路層、セラミックス基板等を介して冷却器へと放散されることになる。
そこで、回路層の厚さを、例えば0.6mmを超えるように厚く構成したパワーモジュール用基板が提案されている。この場合、半導体素子から発生した熱を、回路層においてパワーモジュール用基板の板面方向に拡散することにより、熱の放散を促進することが可能となる。すなわち、回路層をヒートスプレッダとして利用するものである。また、回路層を厚く構成することで、大電流を通電することも可能となる。
しかしながら、MoやCu−Mo合金においては、熱伝導率が低いために、半導体素子から発生した熱を、パワーモジュール用基板の板面方向に向けて十分に拡散することができず、熱の放散を効率良く行うことができないといった問題があった。
この場合、前記金属基複合板の熱膨張係数が8×10−6/℃以下とされているので、半導体素子が搭載される金属基複合板の熱膨張係数が、半導体素子の熱膨張係数に近似することになり、はんだクラックの発生を確実に抑制することができ、このパワーモジュール用基板の信頼性を大幅に向上させることができる。
この場合、一方向における熱伝導率が他方向における熱伝導率よりも高くなるように異方性を有しているので、前記金属基複合板において、半導体素子から発生した熱を一の方向に向けて優先的に伝達することが可能となり、効率的に熱を放散するように設計することができる。
この場合、高熱伝導率方向の熱伝導率が400W/m・K以上とされていることから、半導体素子から発生した熱を高熱伝導率方向に向けて優先的に放散することが可能となる。また、高熱伝導率方向に直交する方向の熱伝導率が200W/m・K以上とされているので、高熱伝導率方向以外においても熱の伝達が行われることになり、半導体素子から発生した熱を効率良く放散させることができる。
この場合、前記金属基複合板における高熱伝導率方向が、前記金属基複合板の厚さ方向を向くように構成されているので、半導体素子から発生した熱を回路層へと優先的に伝達することができ、回路層においてパワーモジュール用基板の板面方向に熱を拡げることによって、効率的に熱を放散することが可能となる。
この場合、アルミニウムまたはアルミニウム合金の融点が比較的低いことから、炭素質部材中にこれらアルミニウムまたはアルミニウム合金を比較的容易に充填することができる。また、金属基複合板の高熱伝導方向における熱伝導率が400〜450W/m・K、RT〜200℃の熱膨張係数が6〜8×10−6/℃となり、高熱伝導方向に直交する方向における熱伝導率が200〜250W/m・K、RT〜200℃の熱膨張係数が2〜4×10−6/℃となり、半導体素子との熱膨張係数の差に起因するはんだ層のクラック発生を抑制することができるとともに、効率良く熱を放散することができる。
この場合、金属基複合板の熱伝導率が500〜650W/m・K、熱膨張係数が5〜7×10−6/℃となり、半導体素子との熱膨張係数の差に起因するはんだ層のクラック発生を抑制することができるとともに、効率良く熱を放散することができる。
この場合、前記金属基複合板の一方の面側に、前記金属基複合材料において炭素質部材中に充填された金属からなる金属スキン層が形成されているので、はんだ層を介して半導体素子を確実に搭載することができる。また、この金属スキン層にNiめっき等を行うことによって、さらにはんだ材との密着性を向上させることも可能である。
この場合、第2金属スキン層を介して、金属からなる回路層と前記金属基複合板とを良好に接合することが可能となる。
この構成のパワーモジュールによれば、半導体素子から発生する熱を効率的に放散することができるとともに、冷熱サイクル負荷時においても、はんだ層にクラックが発生することがない。よって、パワーモジュールの信頼性を大幅に向上させることができる。
このパワーモジュール1は、回路層12が配設されたパワーモジュール用基板10と、このパワーモジュール用基板10の一方の面(図1において上面)側にはんだ層2を介して接合された半導体素子3と、パワーモジュール用基板10の他方の面(図1において下面)側に配設された冷却器30と、を備えている。
セラミックス基板11は、回路層12と金属層13との間の電気的接続を防止するものであって、絶縁性の高いAlN(窒化アルミ)で構成されている。また、セラミックス基板11の厚さCは、0.2mm以上1.5mm以下の範囲内に設定されており、本実施形態では、0.635mmに設定されている。なお、本実施形態では、図1に示すように、セラミック基板11の幅は、回路層12及び金属層13の幅より広く設定されている。
ここで、回路層12の厚さAは、0.6mm以上3.6mm以下の範囲内に設定されており、本実施形態では、A=1.0mmに設定されている。また、回路層12の厚さAとセラミックス基板11の厚さCとの比A/Cが、1.5≦A/C≦12の範囲内に設定されている。すなわち、本実施形態では、回路層12の厚さが、比較的厚く形成されているのである。
金属層13の厚さは、0.25mm以上3.6mm以下の範囲内に設定されており、本実施形態では、0.6mmに設定されている。
また、この金属基複合板20の一方の面には、炭素質部材中に充填された金属からなる第1金属スキン層21が形成されている。この第1金属スキン層21の上には、Niめっき層5が形成されており、このNiめっき層5の上にはんだ層2を介して半導体チップ3が搭載される構成とされている。
さらに、この金属基複合板20の他方の面には、炭素質部材中に充填された金属からなる第2金属スキン層22が形成されている。
また、前述の第1金属スキン層21及び第2金属スキン層22は、炭素質部材中に充填された純度99%以上のアルミニウム(純アルミニウム)で構成されていることになる。
まず、アルミニウム−グラファイト複合材料からなる金属基複合板20を形成する(金属基複合板形成工程S1)。この金属基複合板形成工程S1について図4を参照して説明する。まず、気孔率10〜30体積%の黒鉛板41を準備する。このとき、黒鉛板41(炭素質部材)における押出方向が厚さ方向を向くものとする。この黒鉛板41の両面にそれぞれ気孔率5体積%以下の黒鉛からなる挟持板42,42を配設し、この挟持板42,42と黒鉛板41とを、ステンレス製の押圧板43,43によって挟持する。これを、例えば100〜200MPaで加圧した状態で750〜850℃に加熱し、純度99.98%以上の溶融アルミニウムを黒鉛板41に含浸させ、これを冷却凝固させ、アルミニウム−グラファイト複合材料からなる金属基複合板20が製出される。このとき、溶融アルミニウムの一部が、黒鉛板41(金属基複合板20)の表面に滲み出してアルミニウム層44、44が形成される。このアルミニウム層44、44に切削加工を施して厚さを調整することにより、第1金属スキン層21および第2スキン層22が形成されることになる。
このようにして、本実施形態であるパワーモジュール用基板10が製出されることになる。なお、金属板接合工程S2と金属基複合板接合工程S3とを、同時に行うことも可能である。
次に、金属基複合板20の一方の面側に形成された第1金属スキン層21の表面にNiめっき膜5を形成する(Niめっき工程S5)。このNiめっき工程S5においては、電解めっき、または、無電解めっきのいずれの方法も用いることができる。
これにより、はんだ層2を介して半導体チップ3がパワーモジュール用基板10上に接合され、本実施形態であるパワーモジュール1が製出されることになる。
一方、回路層12の厚さAが3.6mm以下とされ、回路層12の厚さAとセラミックス基板11の厚さCとの比A/Cが12以下とされているので、冷熱サイクル負荷時において接合界面のはがれやセラミックス基板11の割れ等を防止することができる。
この第2の実施形態であるパワーモジュール101は、図5に示すように、パワーモジュール用基板110と、このパワーモジュール用基板110の一方の面(図5において上面)側にはんだ層102を介して接合された半導体チップ103と、パワーモジュール用基板110の他方の面(図5において下面)側に配設された冷却器130と、を備えている。ここで、はんだ層102は、例えばSn−Ag系、Sn−In系、若しくはSn−Ag−Cu系のはんだ材とされている。
天板部131と、この天板部131から垂設された放熱フィン132とを備えている。冷却器130は、熱伝導性が良好な材質で構成されることが望ましく、本実施形態においては、例えば無酸素銅等の銅または銅合金で構成されている。
セラミックス基板111は、回路層112と金属層113との間の電気的接続を防止するものであって、絶縁性の高いSi3N4(窒化ケイ素)で構成されている。また、セラミックス基板111の厚さCは、0.2mm以上1.5mm以下の範囲内に設定されており、本実施形態では、0.32mmに設定されている。なお、本実施形態では、図5に示すように、セラミック基板111の幅は、回路層112及び金属層113の幅より広く設定されている。
ここで、回路層112の厚さAは、0.6mm以上3.6mm以下の範囲内に設定されており、本実施形態では、A=1.0mmに設定されている。また、回路層112の厚さAとセラミックス基板111の厚さCとの比A/Cが、1.5≦A/C≦12の範囲内に設定されている。すなわち、本実施形態では、回路層112の厚さが、比較的厚く形成されているのである。
金属層113の厚さは、0.25mm以上3.6mm以下の範囲内に設定されており、本実施形態では、0.6mmに設定されている。
また、この金属基複合板120の一方の面には、炭素質部材中に充填された金属からなる第1金属スキン層121が形成されており、この第1金属スキン層121の上はんだ層102を介して半導体チップ103が搭載される構成とされている。
さらに、この金属基複合板120の他方の面には、炭素質部材中に充填された金属からなる第2金属スキン層122が形成されている。
また、前述の第1金属スキン層121及び第2金属スキン層122は、炭素質部材中に充填された純度99%以上の純銅で構成されていることになる。
本実施形態では、金属基複合板120における高熱伝導率方向の熱伝導率が500W/m・K以上、具体的には、500〜550W/m・Kとされており、この高熱伝導率方向に直交する方向の熱伝導率が300W/m・K以上、具体的には、300〜350W/m・Kとされている。
また、金属基複合板120の熱膨張係数は、8×10−6/℃以下とされている。
まず、銅−グラファイト複合材料からなる金属基複合板120を形成する(金属基複合板形成工程S11)。この金属基複合板形成工程S11では、気孔率10〜30体積%の黒鉛板を、気孔率5体積%以下の黒鉛からなる一対の挟持板及び一対のステンレス製の押圧板によって挟持し、これを、例えば100〜200MPaで加圧した状態で750〜850℃に加熱し、純度99%以上の溶銅を黒鉛板に含浸させ、これを冷却凝固させ、銅−グラファイト複合材料からなる金属基複合板120を製出する。このとき、溶銅の一部が、黒鉛板(金属基複合板120)の表面に滲み出して銅層が形成される。この銅層に切削加工を施して厚さを調整することにより、第1金属スキン層121および第2スキン層122が形成されることになる。
このようにして、本実施形態であるパワーモジュール用基板110が製出されることになる。なお、金属板接合工程S12と金属基複合板接合工程S13とを、同時に行うことも可能である。
これにより、はんだ層102を介して半導体チップ103がパワーモジュール用基板110上に接合され、本実施形態であるパワーモジュール101が製出されることになる。
一方、回路層112の厚さAが3.6mm以下とされ、回路層112の厚さAとセラミックス基板11の厚さCとの比A/Cが12以下とされているので、冷熱サイクル負荷時において接合界面のはがれやセラミックス基板111の割れ等を防止することができる。
押し出し法で製造した炭素質部材を押し出し方向が板厚方向となるように切断し、グラファイト材を準備した。これらをモールド内にセットし、純アルミニウムまたは純銅の溶湯を注いだ後、高圧をかけることにより、金属基複合板(アルミニウム−グラファイト複合材または銅―グラファイト複合材)を製造した。
また、銅−グラファイト複合材の熱伝導率を、レーザーフラッシュ法で板厚方向に平行方向と垂直方向とで測定した。その結果、板厚方向で530W/m・K、垂直方向で342W/m・Kであった。また、面内に平行方向にRT〜200℃までの平均熱膨張係数を測定した結果、7.5×10−6/℃であった。
この金属基複合板(アルミニウム−グラファイト複合材または銅−グラファイト複合材)を用いて、平均熱膨張係数、熱抵抗、はんだクラック、金属板とセラミックス基板との界面の破断について評価した。
次に、熱抵抗Rthは、50mm角の前記複合基板に、Sn−Ag−Cuからなるはんだ材を介して10mm角のシリコンチップを接合し、このシリコンチップを発熱させて温度測定を行い、複合基板上面と金属板下面の熱抵抗を以下の式で算出した。
Rth=(Tj−Ta)/Q
Tj:シリコンチップ温度、Ta:複合基板下面の温度、Q(W):半導体チップ発熱量
金属板とセラミックス基板との界面の破断については、上述の熱抵抗測定用サンプルを温度サイクル−40℃〜125℃×3000回(液相)後に、金属板とセラミックス基板との界面を断面観察し、セラミックス基板のクラック、界面のはがれの有無を確認した(○:端部からのクラック進展長さが1mm以下、×:端部からのクラック進展長さが1mm超)。
評価結果を表1、表2に示す。
また、銅−グラファイト複合材からなる金属基複合板と銅からなる金属板とを備えた実施例21−24においても、金属板とセラミックス基板との界面の破断は認められていない。
例えば、金属基複合材料を、炭素質部材中にアルミニウムを充填したアルミニウム−グラファイト複合材料、または、炭素質部材中に銅を充填した銅−グラファイト複合材料として説明したが、これに限定されることはなく、アルミニウム合金、銅合金や、他の金属を充填したものであってもよい。
さらに、第1金属スキン層及び第2金属スキン層を、金属基複合板中に充填されたアルミニウムまたは銅を滲み出させて形成するものとして説明したが、これに限定されることはなく、金属基複合板を形成する際に、アルミニウムや銅の板材を挟持板の間に挟みこんで、第1金属スキン層及び第2金属スキン層を形成してもよい。
また、冷却器と金属層とを接合した構成で説明したが、冷却器と金属層との間に、緩衝層を介在させてもよい。
2、102 はんだ層
3,103 半導体チップ(半導体素子)
10、110 パワーモジュール用基板
11、111 セラミックス基板
12、112 回路層
20、120 金属基複合板
21、121 第1金属スキン層(金属スキン層)
22、122 第2金属スキン層
Claims (10)
- セラミックス基板の一方の面に金属からなる回路層が配設され、この回路層の上に半導体素子が搭載されるパワーモジュール用基板であって、
前記回路層の一方の面には、炭素質部材中に金属が充填された金属基複合材料からなる金属基複合板が配設されており、この金属基複合板を介して半導体素子が搭載されることを特徴とするパワーモジュール用基板。 - 前記金属基複合板の熱膨張係数が8×10−6/℃以下とされていることを特徴とする請求項1に記載のパワーモジュール用基板。
- 前記金属基複合板は、一方向における熱伝導率が他方向における熱伝導率よりも高くなるように異方性を有していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のパワーモジュール用基板。
- 前記金属基複合板における高熱伝導率方向の熱伝導率が400W/m・K以上とされており、この高熱伝導率方向に直交する方向の熱伝導率が200W/m・K以上とされていることを特徴とする請求項3に記載のパワーモジュール用基板。
- 前記高熱伝導率方向が、前記金属基複合板の厚さ方向を向くように構成されていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載のパワーモジュール用基板。
- 前記金属基複合板を構成する金属基複合材料において充填される金属材料がアルミニウムまたはアルミニウム合金とされていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のパワーモジュール用基板。
- 前記金属基複合板を構成する金属基複合材料において充填される金属材料が銅または銅合金とされていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のパワーモジュール用基板。
- 前記金属基複合板の一方の面側に、前記金属基複合材料において炭素質部材中に充填された金属からなる金属スキン層が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のパワーモジュール用基板。
- 前記金属基複合板の他方の面側に、前記金属基複合材料において炭素質部材中に充填された金属からなる第2金属スキン層が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のパワーモジュール用基板。
- 請求項1から請求項9のいずれか一項に記載のパワーモジュール用基板と、前記パワーモジュール用基板の前記金属基複合板の一方の面側に搭載される半導体素子と、を備えたことを特徴とするパワーモジュール。
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