JP2011213514A - シリカ粒子材料、シリカ粒子材料含有組成物、およびシリカ粒子の表面処理方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シリカ粒子をシランカップリング剤とオルガノシラザンとで表面処理してシリカ粒子材料を得る。シランカップリング剤とオルガノシラザンとのモル比を特定の範囲にすることで、シリカ粒子材料の表面に存在するX1(フェニル基、ビニル基、エポキシ基、メタクリル基、アミノ基、ウレイド基、メルカプト基、イソシアネート基、又はアクリル基)とR(炭素数1〜3のアルキル基)との存在数比を特定の範囲にし、樹脂に対する親和性と凝集抑制とを両立させる。
【選択図】図1
Description
(i)前記式(1)で表される官能基と前記式(2)で表される官能基との存在数比が1:12〜1:60である。
(ii)前記X1は前記シリカ粒子材料の単位表面積(nm2)あたり0.5〜2.5個である。
(iii)前記Rは前記シリカ粒子材料の単位表面積(nm2)あたり1〜10個である。
(iv)平均粒子径が3〜200nmである。
該シランカップリング剤は、3つのアルコキシ基と、フェニル基、ビニル基、エポキシ基、メタクリル基、アミノ基、ウレイド基、メルカプト基、イソシアネート基、又はアクリル基と、を持ち、
該シランカップリング剤と該オルガノシラザンとのモル比は、該シランカップリング剤:該オルガノシラザン=1:2〜1:10であることを特徴とする。
(v)前記表面処理工程は、
前記シリカ粒子を前記シランカップリング剤で処理する第1の処理工程と、
前記シリカ粒子を前記オルガノシラザンで処理する第2の処理工程と、を持ち、
該第2の処理工程は、該第1の処理工程後に行う。
(vi)前記第2の処理工程において、3つのアルコキシ基と炭素数1〜3のアルキル基とを持つ第2のシランカップリング剤で前記オルガノシラザンの一部を置き換え、
前記第2の処理工程後に、さらに前記シリカ粒子を前記オルガノシラザンで処理する第3の処理工程を持つ。
(vii)前記表面処理工程後に、前記シリカ粒子材料を鉱酸で沈殿させ、沈殿物を水で洗浄・乾燥して、シリカ粒子材料の固形物を得る固形化工程を備える。
(viii)前記シランカップリング剤は、フェニルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、エポキシトリメトキシシラン、メタクリルトリメトキシシラン、アミノトリメトキシシラン、ウレイドトリメトキシシラン、メルカプトトリメトキシシラン、イソシアネート、又はアクリルトリメトキシシランから選ばれる少なくとも一種である。
(ix)前記オルガノシラザンは、テトラメチルジシラザン、ヘキサメチルジシラザン、ペンタメチルジシラザンから選ばれる少なくとも一種である。
(材料)
シリカ粒子として、コロイダルシリカの一種であるスノーテックスOS(日産化学工業株式会社製、平均粒径10nm、水中に分散されており固形分濃度20%)を準備した。
(1)準備工程
シリカ粒子が20質量%の濃度で水に分散したスラリー100質量部にイソプロパノール60質量部を加え、室温(約25℃)で混合することで、シリカ粒子が液状媒体に分散されてなる分散液を得た。
この分散液にフェニルトリメトキシシラン1.8質量部を加え、40℃で72時間混合した。この工程により、シリカ粒子の表面に存在する水酸基をシランカップリング剤で表面処理した。なお、このときフェニルトリメトキシシランは、必要な量の水酸基(一部)が表面処理されず残存するように計算して加えた。
次いで、この混合物に、ヘキサメチルジシラザン3.7質量部を加え、40℃で72時間放置した。この工程によって、シリカ粒子が表面処理され、シリカ粒子材料が得られた。表面処理の進行に伴い、疎水性になったシリカ粒子が水およびイソプロパノールの中で安定に存在できなくなり、凝集・沈殿した。なお、フェニルトリメトキシシランとヘキサメチルジシラザンとのモル比は2:5であった。
表面処理工程で得られた混合物全量に35%塩酸水溶液を5質量部を加え、シリカ粒子材料を沈殿させた。沈殿物をろ紙(アドバンテック社製 5A)で濾過した。濾過残渣(固形分)を純水で洗浄した後に100℃で真空乾燥して、シリカ粒子材料の固形物を得た。
実施例2のシリカ粒子の表面処理方法は、フェニルトリメトキシシランにかえてビニルトリメトキシシランを用い、ビニルトリメトキシシランとヘキサメチルジシラザンとのモル比が2:5であったこと以外は、実施例1のシリカ粒子の表面処理方法と同じである。第1工程においては、ビニルトリメトキシシラン1.36質量部を加え、第2工程においてはヘキサメチルジシラザン3.7質量部を加えた。
実施例3のシリカ粒子の表面処理方法は、フェニルトリメトキシシランにかえてビニルトリメトキシシランを用い、ビニルトリメトキシシランとヘキサメチルジシラザンとのモル比が1:5であったこと以外は、実施例1のシリカ粒子の表面処理方法と同じである。第1工程においては、ビニルトリメトキシシラン1.36質量部を加え、第2工程においてはヘキサメチルジシラザン7.41質量部を加えた。
実施例4のシリカ粒子の表面処理方法においては、シリカ粒子として、コロイダルシリカの一種であるスノーテックスOL(日産化学工業株式会社製、平均粒径50nm、水中に分散されており固形分濃度20%)を用いた。また、第1工程においてシランカップリング剤として3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、KBM−503)0.48質量部を加えた。さらに、このシランカップリング剤に加えて重合禁止剤(3,5−ジブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHT)、関東化学株式会社製)を0.01質量部加えた。また、第2工程において、ヘキサメチルジシラザン0.78質量部を加えた。さらに、固形化工程においては、表面処理工程で得られた混合物全量に35%塩酸水溶液2.6質量部を加えてシリカ粒子材料を沈殿させた。これ以外は、実施例4のシリカ粒子の表面処理方法は、実施例1のシリカ粒子の表面処理方法と同じであった。なお、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランとヘキサメチルジシラザンとのモル比は2:5であった。
比較例1のシリカ粒子の表面処理方法は、フェニルトリメトキシシランとヘキサメチルジシラザンとのモル比が1:1であったこと以外は、実施例1のシリカ粒子の表面処理方法と同じである。第1工程においては、フェニルトリメトキシシラン4.5質量部を加え、第2工程においてはヘキサメチルジシラザン3.7質量部を加えた。
比較例2のシリカ粒子の表面処理方法は、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランとヘキサメチルジシラザンとのモル比が2:1であったこと以外は、実施例4のシリカ粒子の表面処理方法と同じである。第1工程においては、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.48質量部を加え、第2工程においてはヘキサメチルジシラザン0.16質量部を加えた。
比較例3のシリカ粒子の表面処理方法は、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランとヘキサメチルジシラザンとのモル比が1:1であったこと以外は、実施例4のシリカ粒子の表面処理方法と同じである。第1工程においては、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.48質量部を加え、第2工程においてはヘキサメチルジシラザン0.31質量部を加えた。
実施例1〜4および比較例1〜3のシリカ粒子材料について、液状媒体中における凝集性を測定した。
実施例1〜4および比較例1〜3のシリカ粒子材料を準備し、この試料の赤外線吸収スペクトルを、サーモニコレット社製 FT−IR Avatorを用いた粉体拡散反射法で測定した。このときの測定条件は、分解能4、スキャン回数64であった。極大吸収測定試験の結果を表すグラフを図5〜図6に示す。図5〜図6に示すように、実施例1〜4および比較例1〜3のシリカ粒子材料の赤外吸収スペクトルは、何れも、2962cm−1にC-H伸縮振動の極大吸収(ピーク)を持つ。このため、実施例1〜4及び比較例1〜3のシリカ粒子材料は、アルキル基を持つこと(すなわち、アルキル基を持つオルガノシラザンで表面処理されていること)がわかる。なお、比較例1〜3のシリカ粒子材料のピーク高さは実施例1〜4のシリカ粒子材料のピーク高さに比べて低かった。この結果は、比較例1〜3のシリカ粒子材料においては、充分な量のアルキル基を持たないことを示唆している。詳しくは、実施例1〜4のシリカ粒子材料の赤外線吸収スペクトルにおいては、シランカップリング剤に由来する各官能基固有のC−Hのピーク高さに対してオルガノシラザンに由来するメチル基(2962cm−1)のピーク高さが3倍以上であった。比較例1〜3のシリカ粒子材料の赤外線吸収スペクトルにおいては、シランカップリング剤に由来する各官能基固有のC−Hのピーク高さに対してオルガノシラザンに由来するメチル基(2962cm−1)のピーク高さが2倍以下であった。上述したように、実施例1〜4のシリカ粒子材料は凝集し難く、比較例1〜3のシリカ粒子材料は凝集し易かった。これらの結果から、シランカップリング剤に由来する各官能基固有のC−Hのピーク高さに対してオルガノシラザンに由来するメチル基(2962cm−1)のピーク高さが3倍以上であるシリカ粒子材料は凝集し難いといえる。
実1のシリカ材料100質量部とメチルイソブチルケトン100質量部とを混合し、シリカ粒子材料とメチルイソブチルケトンとの混合物を得た。この混合物4質量部にアクリル樹脂(根上工業株式会社製 アートレジン UK904)6質量部を加え混合した。この混合物100質量部に対して5質量部の重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製、ダロキュアTPO)を加え、さらに、固形分濃度が30質量%となるようにメチルイソブチルケトンを加えた。この混合物をさらに攪拌して、フィラー含有樹脂組成物(前駆体)を得た。この前駆体は、均一溶液状であった。実施例5のフィラー含有樹脂組成物を、基板に塗布し、実施例5のフィラー含有樹脂組成物(フィルム)を成膜した。
実施例5のフィラー含有樹脂組成物(フィルム)を目視にて観察したところ、このフィルムは硬く透明であった。実施例5のフィルムが硬いのは、シリカ粒子材料が樹脂材料中に略均一に分散しているためだと考えられる。また、実施例5のフィルムが透明なのは、樹脂材料に対するシリカ粒子材料の親和性に優れるためだと考えられる。すなわち、実施例1のシリカ粒子材料は、凝集し難く、かつ、樹脂に対する親和性に優れていた。また、実施例1のシリカ粒子材料を用いた実施例5のフィラー含有樹脂組成物(前駆体)は硬く透明なフィルムを形成できた。さらに、実施例1のシリカ粒子材料を用いた実施例5のフィラー含有樹脂組成物(フィルム)は、硬く透明であった。
実施例4のシリカ粒子材料100質量部とイソプロパノール100質量部とを混合し、シリカ粒子材料とイソプロパノールとの混合物を得た。この混合物に、発振周波数39kHz、出力500Wで15分間超音波照射し、シリカ粒子材料含有スラリーを得た。
アドマファインスラリーを減圧加熱することで、アドマファインスラリーからイソプロパノールを揮発させ、乾燥させた。この乾燥物をエポキシ樹脂(東都化成株式会社製、ZX1059)に加えた。このとき、乾燥物とエポキシ樹脂との総量を100質量%として、シリカ濃度が70質量%になるようにした。この混合物を三本ロール機(EXAKT社製、80s)にかけて、アドマファインをエポキシ樹脂中に略均一に分散させた。以上の工程で、比較例4のフィラー含有樹脂組成物を得た。
実施例6のフィラー含有樹脂組成物および比較例4のフィラー含有樹脂組成物の粘度を、レオメータ(TA Instruments社製、ARES G−2)により測定した。その結果を表すグラフを図7に示す。なお、図7中縦軸は粘度を表し、横軸は剪断速度を表す。
実施例1〜4のシリカ粒子材料および比較例1〜3のシリカ粒子材料について、シリカ粒子材料の質量あたりに存在する炭素の量(質量%)を測定した。測定には、有機炭素測定装置(HORIBA社製、EMIA−320V)を用いた。
実施例1〜4のシリカ粒子材料および比較例1〜3のシリカ粒子材料について、シリカ粒子材料の単位表面積(nm2)あたりのX1の存在数を測定した。実施例1および比較例1のシリカ粒子材料におけるX1はフェニル基であり、実施例2、3のシリカ粒子材料におけるX1はビニル基であり、実施例4および比較例2、3のシリカ粒子材料におけるX1はメタクリロキシ基であった。シリカ粒子材料の表面積(比表面積)は窒素を用いたBET法で測定した。X1の存在数はシリカ粒子材料の炭素量を基に算出した。詳しくは、第1工程後のシリカ粒子を、水で洗浄し遠心分離した後に乾燥して、シランカップリング剤処理後のシリカ粒子試料を得た。この試料の炭素量を、有機炭素測定装置を用いて測定し、測定値を基にX1数を算出した。
実施例2のシリカ粒子材料におけるX1数は、約1.1個/nm2であった。実施例3のシリカ粒子材料におけるX1数は、約1.1個/nm2であった。実施例4のシリカ粒子材料におけるX1数は、約2.0個/nm2であった。比較例1のシリカ粒子材料におけるX1数は、約1.7個/nm2であった。比較例2のシリカ粒子材料におけるX1数は、約2.0個/nm2であった。比較例3のシリカ粒子材料におけるX1数は、約2.0個/nm2であった。参考までに、シランカップリング剤処理後のシリカ粒子試料の炭素量は、実施例1のシリカ粒子材料では3.6質量%、実施例2のシリカ粒子材料では1.1質量%、実施例3のシリカ粒子材料では1.1質量%、実施例4のシリカ粒子材料では1.5質量%であった。また、比較例1のシリカ粒子材料では5.0質量%、比較例2のシリカ粒子材料では1.5質量%、比較例3のシリカ粒子材料では1.5質量%であった。
Claims (12)
- 式(1):−OSiX1X2X3で表される官能基と、式(2):−OSiY1Y2Y3で表される官能基とがシリカ粒子の表面に結合していることを特徴とするシリカ粒子材料。
(上記式(1)、(2)中;X1はフェニル基、ビニル基、エポキシ基、メタクリル基、アミノ基、ウレイド基、メルカプト基、イソシアネート基、又はアクリル基であり;X2、X3は−OSiR3及び−OSiY4Y5Y6よりそれぞれ独立して選択され;Y1はRであり;Y2、Y3はR及び−OSiY4Y5Y6よりそれぞれ独立して選択される。Y4はRであり;Y5及びY6は、R及び−OSiR3からそれぞれ独立して選択され;Rは炭素数1〜3のアルキル基から独立して選択される。なお、X2、X3、Y2、Y3、Y5、及びY6の何れかは、隣接する官能基のX2、X3、Y2、Y3、Y5、及びY6の何れかと−O−にて結合しても良い。) - 前記式(1)で表される官能基と前記式(2)で表される官能基との存在数比が1:12〜1:60である請求項1に記載のシリカ粒子材料。
- 前記X1は前記シリカ粒子材料の単位表面積(nm2)あたり0.5〜2.5個である請求項1に記載のシリカ粒子材料。
- 前記Rは前記シリカ粒子材料の単位表面積(nm2)あたり1〜10個である請求項1〜請求項3の何れか一つに記載のシリカ粒子材料。
- 平均粒子径が3〜200nmである請求項1〜請求項4の何れか一つに記載のシリカ粒子材料。
- 請求項1〜請求項5の何れか一つに記載のシリカ粒子材料からなるフィラーと、樹脂材料及び/又は樹脂材料前駆体と、を含むことを特徴とするフィラー含有組成物。
- 水を含む液状媒体中でシランカップリング剤およびオルガノシラザンによってシリカ粒子を表面処理する表面処理工程を持ち、
該シランカップリング剤は、3つのアルコキシ基と、フェニル基、ビニル基、エポキシ基、メタクリル基、アミノ基、ウレイド基、メルカプト基、イソシアネート基、又はアクリル基と、を持ち、
該シランカップリング剤と該オルガノシラザンとのモル比は、該シランカップリング剤:該オルガノシラザン=1:2〜1:10であることを特徴とするシリカ粒子の表面処理方法。 - 前記表面処理工程は、
前記シリカ粒子を前記シランカップリング剤で処理する第1の処理工程と、
前記シリカ粒子を前記オルガノシラザンで処理する第2の処理工程と、を持ち、
該第2の処理工程は、該第1の処理工程後に行う請求項7に記載のシリカ粒子の表面処理方法。 - 前記第2の処理工程において、3つのアルコキシ基と炭素数1〜3のアルキル基とを持つ第2のシランカップリング剤で前記オルガノシラザンの一部を置き換え、
前記第2の処理工程後に、さらに前記シリカ粒子を前記オルガノシラザンで処理する第3の処理工程を持つ請求項7又は請求項8に記載のシリカ粒子の表面処理方法。 - 前記表面処理工程後に、前記シリカ粒子材料を鉱酸で沈殿させ、沈殿物を水で洗浄・乾燥して、シリカ粒子材料の固形物を得る固形化工程を備える請求項7〜請求項9の何れか一つに記載のシリカ粒子の表面処理方法。
- 前記シランカップリング剤は、フェニルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、エポキシトリメトキシシラン、メタクリルトリメトキシシラン、アミノトリメトキシシラン、ウレイドトリメトキシシラン、メルカプトトリメトキシシラン、イソシアネート、又はアクリルトリメトキシシランから選ばれる少なくとも一種である請求項7〜請求項10の何れか一つに記載のシリカ粒子の表面処理方法。
- 前記オルガノシラザンは、テトラメチルジシラザン、ヘキサメチルジシラザン、ペンタメチルジシラザンから選ばれる少なくとも一種である請求項7〜請求項11の何れか一つに記載のシリカ粒子の表面処理方法。
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