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JP2011210544A - 有機発光装置及びその製造方法 - Google Patents

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JP2011210544A JP2010077172A JP2010077172A JP2011210544A JP 2011210544 A JP2011210544 A JP 2011210544A JP 2010077172 A JP2010077172 A JP 2010077172A JP 2010077172 A JP2010077172 A JP 2010077172A JP 2011210544 A JP2011210544 A JP 2011210544A
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Abstract

【課題】第一保護層が防湿性を有すると共に、有機材料からなる第二保護層の形成時における濡れ性、密着性を高め、かつ硬化収縮を起こさず、有機発光素子への水分や酸素の浸入を防止できる有機発光装置を提供する。
【解決手段】有機発光素子が複数配列された画素エリア19を覆う保護積層体を備える有機発光装置20であって、保護積層体は、少なくとも、無機材料からなる第一保護層12と、有機材料からなる第二保護層13と、無機材料からなる第三保護層14と、からなる積層薄膜であり、第一保護層12は、水酸基を含まない無機膜121と、水酸基を含まない無機膜121表面に形成された、水酸基を含む無機膜122と、を有し、第二保護層13は、シランカップリング剤を含む有機材料で形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、フラットパネルディスプレイ等に用いられる有機発光装置及びその製造方法に関する。
近年、フラットパネルディスプレイとして、自発光型デバイスである有機発光装置が注目されている。有機発光装置の主構成要素である有機発光素子は、水分や酸素により発光特性の劣化を招き易く、少量の水分が存在するだけで有機化合物層と電極層との剥離が生じ、ダークスポットの発生の原因となる。そのため、有機発光素子をエッチングガラスカバーで覆い、このカバー周辺をシール剤により封止し、内部に吸湿剤を装着してシール面から浸入する水分を吸湿剤で吸湿することで、有機発光素子の寿命を確保している。
しかし、薄型の有機発光装置によって省スペースのフラットパネルディスプレイを実現するには、画素エリア周辺の吸湿剤スペースを最小限に設定する必要があり、大量の吸湿剤を要しない構造であることが望ましい。この省スペース化を実現するには、有機化合物層への水分や酸素の浸入を防止するための高機能な保護層、及びこの保護層による固体封止が要求される。
ところで、有機発光素子上には素子分離膜やスルーホールの形成等による凹凸が存在し、このような凹凸をカバーしつつ、有機発光素子への水分や酸素の影響を防止する技術が提案されている。
例えば特許文献1には、有機発光素子の陰極上を、無機材料からなる電極保護層(第一保護層)と、有機材料からなる有機緩衝層(第二保護層)と、無機材料からなるガスバリア層(第三保護層)と、で覆った有機発光装置が提案されている。同文献1よれば、陰極保護層は、有機緩衝層の形成時にクラック等のダメージが発生するのを防止するために設けられており、珪素酸窒化物などの珪素化合物や、酸化チタン等の金属化合物で形成されることが開示されている。
他の特許文献2には、特許文献1と同様の保護膜の層構成を有し、電極保護層として、珪素酸窒化物などの珪素化合物を用い、その形成後に酸素プラズマ処理して表面エネルギーを高めることが開示されている。さらに、有機緩衝層にはシランカップリング剤等が微添加され、濡れ性を上げることが開示されている。
特開2006−222070号公報 特開2008−226859号公報
ところで、上記特許文献1及び2の有機発光装置では、電極保護層、有機緩衝層を覆う無機材料からなるガスバリア層から浸透する水分や酸素は、有機緩衝層で拡散し浸透する。そのため、ガスバリア層の防湿性のみならず、電極保護層の防湿性が有機発光素子の寿命を左右することになる。
したがって、電極保護層には、高い防湿性能を有することの他、有機緩衝層の平坦化を促進すべく濡れ性、密着性が高く、かつ硬化収縮性が生じないという、相反する性能が求められる。つまり、防湿性の高い層は撥水性も高まり、液状樹脂の濡れ性や密着性が低いものとなる。さらに、防湿性の高い層は水酸基を含まない方がよく、濡れ性や密着性が高い層は水酸基が膜表面に表出していることが望まれる。
そのため、電極保護層の材料選定によりダメージの防止機能を付与したり、酸素プラズマ処理して表面エネルギーを高めるという方策では、有機発光素子への水分や酸素の影響を阻止することは不十分であり、有機発光素子の長寿命化を実現できない。さらに、酸素プラズマ処理には、その処理装置や処理時間を要し、生産コストを増加させる要因となる。
本発明は、第一保護層が防湿性を有すると共に、有機材料からなる第二保護層の形成時における濡れ性、密着性を高め、かつ硬化収縮を起こさず、有機発光素子への水分や酸素の浸入を防止できる有機発光装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成すべく成された本発明の構成は以下の通りである。
即ち、本発明に係る有機発光装置は、少なくとも、基板と、該基板の上に配設され、電極の間に有機化合物層を有する有機発光素子と、該有機発光素子が複数配列された画素エリアを覆う保護積層体と、を備える有機発光装置であって、
上記保護積層体は、少なくとも、無機材料からなる第一保護層と、有機材料からなる第二保護層と、無機材料からなる第三保護層と、をこの順で積層してなる積層薄膜であり、
上記第一保護層は、水酸基を含まない無機膜と、該水酸基を含まない無機膜の表面に形成された水酸基を含む無機膜と、有し、
上記第二保護層は、前記水酸基を含む無機膜の表面に、シランカップリング剤を含む有機材料で形成されていることを特徴とする有機発光装置である。
また、本発明に係る有機発光装置の製造方法は、少なくとも、基板と、該基板の上に配設され、電極の間に有機化合物層を有する有機発光素子と、該有機発光素子が複数配列された画素エリアを覆う保護積層体と、を備える有機発光装置の製造方法であって、
少なくとも、無機材料からなる第一保護層と、有機材料からなる第二保護層と、無機材料からなる第三保護層と、をこの順で積層して上記保護積層体を形成し、
上記第一保護層は、プラズマ処理法により水酸基を含まない無機膜を形成した後、プラズマを止めることなく連続して、該水酸基を含まない無機膜の表面に水酸基を含む無機膜を形成することを特徴とする有機発光装置の製造方法である。
本発明によれば、第一保護層が防湿性を有すると共に、有機材料からなる第二保護層の形成時における濡れ性、密着性を高め、かつ硬化収縮を起こさず、有機発光素子への水分や酸素の浸入を防止できるという優れた効果を奏する。
本発明に係る有機発光装置の一実施形態を示す断面模式図である。 本発明に係る有機発光装置の一実施形態を示す平面模式図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明するが、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
まず、図1及び図2を参照して、本発明に係る有機発光装置の一実施形態の構成について説明する。図1は、本発明に係る有機発光装置の一実施形態を示す断面模式図である。図2は、本発明に係る有機発光装置の一実施形態を示す平面模式図である。これらの図面において、1は基板、2は薄膜トランジスタ、3は信号配線、4は絶縁層、5は平坦化層、6は下部電極、6aはコンタクトホール、7は画素分離膜、8は封止領域、9は外部接続端子、10は有機化合物層、11は上部電極である。また、12は第一保護層、13は第二保護層、14は第三保護層、121は水酸基を含まない無機膜、122は水酸基を含む無機膜である。さらに、15は異方性導電フィルム、16はフレキシブル配線基板、17は粘着剤、18は円偏光板、19は画素エリア、20は有機発光装置である。ここで画素エリア19とは、有機発光素子が複数配列された画像表示領域のことである。画素とは、画像を構成する最小単位であり、画素ごとに有機発光素子が設けられている。
図1及び図2に示すように、本発明に係る有機発光装置20は、少なくとも、基板1と、基板1上に配設され、電極6、11間に有機化合物層10を有する有機発光素子と、画素エリア19を覆う保護積層体と、を備える。
有機発光装置20の主構成要素である有機発光素子は、下部電極6、有機化合物層10及び上部電極11を備えており、画素ごとに設けられている。また、画素エリア19を覆う保護積層体は、少なくとも、無機材料からなる第一保護層12と、有機材料からなる第二保護層13と、無機材料からなる第三保護層14と、をこの順で積層してなる積層薄膜である。
基板1は、透明であっても不透明であってもよい。基板1としては、例えば、ガラスや合成樹脂等からなる絶縁性基板、表面に酸化シリコン、窒化シリコン等の絶縁層を形成した導電性基板、または半導体基板を使用することができる。
基板1上には、各々の有機発光素子を駆動するための薄膜トランジスタ(TFT)2及びその信号配線3が形成されている。この薄膜トランジスタ2は、無機材料からなる絶縁層4で覆われている。絶縁層4の構成材料としては、例えば、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化シリコン等が挙げられるが、これらに限定されない。
絶縁層4上には、薄膜トランジスタ2の凹凸を吸収する平坦化層5が形成されている。平坦化層5の構成材料としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ノルボルネン系樹脂、フッ素系樹脂等の有機材料が挙げられるが、これらに限定されない。
平坦化層5上であって、図2に示す画素エリア19内の各画素に相当する位置に、下部電極6が形成されている。
下部電極6は、絶縁層4および平坦化層5を貫通して形成されたコンタクトホール6aを介して、薄膜トランジスタ2の信号配線3と電気的に接続されている。下部電極6の構成材料としては、例えば、アルミニウムとシリコンの化合物、アルミニウム、銀、ITO(インジウム錫酸化物)、IZO(インジウム亜鉛酸化物)などが挙げられるが、これらに限定されない。
本実施形態の有機発光装置20では、下部電極6の周縁部を覆うように画素分離膜7が形成されている。画素分離膜7の構成材料としては、例えば、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化シリコン等からなる無機系絶縁材料や、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ノボラック系樹脂等の有機絶縁材料を使用することができるが、これらに限定されない。
また、画素エリア19の外周部分には、封止領域8が形成されている。ここで封止領域8は、絶縁層4及び平坦化層5が除去されている部分に形成される。また封止領域8は、無機材料から構成される部材である。封止領域8を構成する無機材料としては、例えば、窒化シリコン、酸化シリコン、酸窒化シリコン、ITO、IZO、アルミニウムなどが挙げられるが、これらに限定されない。
基板1の一辺には、外部接続端子9が配設されている。この外部接続端子9は、絶縁層4および平坦化層5が除去されている部分に形成される。また外部接続端子9は、薄膜トランジスタ2の信号配線3と電気的に接続されている。
下部電極6上には、有機化合物層10が形成されている。有機化合物層10の典型的な構造としては、例えば、正孔輸送層、発光層及び電子輸送層の三層からなる三層構造が挙げられる。有機化合物層10は、この三層構造に限定されず、発光層のみの一層構造でもよく、三層構造以外の複数の層構造(二層構造や四層構造等)であってもよい。
有機化合物層10上には上部電極11が形成されている。上部電極11としては、例えば、IZO、ITO等の酸化物透明導電膜や、銀、アルミニウム、金等の金属半透過膜を使用することができるが、これらに限定されない。
本実施形態の有機発光装置20は、上部電極11上に第一保護層12が形成されている。第一保護層12は、以下の3つの点で有機発光素子を保護する役割を果たす。即ち、第1に、第三保護層14のピンホールから浸透した水分や酸素の有機発光素子への浸透を抑える役割を果たす。第2に、第一保護層12上に第二保護層13を塗布した時、液状態の第二保護層13が第一保護層12上で均一に広がり易くし、かつ第二保護層13が硬化収縮しないように、第一保護層12と第二保護層13との濡れ性、密着性を高める役割を果たす。第3に、第二保護層13をベークする時に発生するガスや応力や、第二保護層13の印刷時における印刷版の接触のダメージによる膜剥れから有機発光素子を保護する役割も果たす。
第一保護層12は、水酸基を含まない無機膜121と、水酸基を含む無機膜122との積層体で構成される。水酸基を含まない無機膜121としては、例えば、窒化シリコン、水素を含まない酸化シリコンや窒化酸化シリコンが挙げられ、特に水分遮断性、撥水性の高い窒化シリコンが好ましいが、これらに限定されない。水酸基を含む無機膜122としては、例えば、水素を含む酸化シリコンや窒化酸化シリコンが挙げられるが、これらに限定されない。水酸基を含む無機膜122は、水酸基を含まない無機膜121の膜表面に薄く形成されていればよい。第一保護層12は、例えば、スパッタ法やCVD法を用いて形成されるが、これらの形成法に限定されない。なお、第一保護層12は、基板の全域に形成してもよいし、外部接続端子9を除く、基板1の全領域に形成してもよい。
また、本実施形態の有機発光装置20は、基板1上の画素エリア19を含んだ封止領域8に接するように、水酸基を含む無機膜122の膜表面に、有機材料からなる第二保護層13が形成されている。第二保護層13は、第一保護層12上に形成するときにダークスポットの発生しない低含水率の高分子材料であることが望ましい。この種の第二保護層13としては、例えば、シランカップリング剤を含んだエポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、シリコン樹脂等が挙げられるが、これらに限定されない。
また第二保護層13は、真空中又は低露点下の窒素雰囲気中で形成することが好ましい。その具体的な形成方法としては、例えば、ディスペンサーを用いた塗布法、スクリーン印刷、スリットコーター等が挙げられるが、これらに限定されない。
第二保護層13上には、これを覆うように無機材料からなる第三保護層14が形成されている。また第三保護層14は、画素エリア19および封止領域8を覆うように形成されるので、有機発光素子は無機材料で包囲されて外気から遮断される。
第三保護層14の構成材料としては、例えば、窒化シリコン、窒化酸化シリコン等が挙げられるが、これらに限定されない。特に窒化シリコンを使用することが好ましく、これは窒化シリコンの水分透過性が窒化酸化シリコンに比べて低いからである。この第三保護層14は、例えば、プラズマCVD法、スパッタ法等で形成することができるが、これらの形成方法に限定されない。
また、本実施形態の有機発光装置20は、基板1の端部に設けられている外部接続端子9とフレキシブル配線基板(FPC)17とを、異方性導電フィルム(ACF)16を介して電気的に接続する。
この電気接続は次のようにして行う。まず、外部接続端子9上にACF15を仮圧着する。仮圧着は低温圧着を行うとよい。次に、ACF15上の保護シートを除去し、FPC17を外部接続端子9と位置合わせする。この位置合わせは、自動アライメントでもよい。FPC17と外部接続端子9とを位置合わせした後、加熱ヘッドをFPC16上に当てて熱加圧することにより、ACF15を介して外部接続端子9とFPC16を熱圧着する。
第三保護層14上であって、画素エリア19に該当する領域には、粘着剤17を介して円偏光板18が貼り付けられている。円偏光板18は、通常の円偏光板と同様に、偏光板と1/4λ板(位相差板)とを組み合わせた構成である。
本発明の有機発光装置の保護積層体は、無機材料からなる第一保護層12と、有機材料からなる第二保護層13と、無機材料からなる第三保護層14と、をこの順で積層して形成することができる。そして、第一保護層12を形成する方法としては、プラズマ処理法により水酸基を含まない無機膜121を形成した後、プラズマを止めることなく連続して、水酸基を含まない無機膜121の表面に、水酸基を含む無機膜122を形成する方法が挙げられる。より具体的には、例えば、モノシラン(SiH4)ガス、アンモニアガス、窒素ガスを供給して、プラズマを発生させ、水酸基を含まない窒化シリコン膜を形成する。その後、プラズマを止めることなく連続して、亜酸化窒素ガス等の酸素を有するガスを添加し、水酸基を含まない窒化シリコン膜の表面に、水酸基を含む酸化シリコン膜または酸窒化シリコン膜を形成する。
以上説明したように、第一保護層12は、水酸基を含まない無機膜121と、その膜表面に水酸基を含む無機膜122が積層され、第二保護層13は、シランカップリング剤が含まれている有機材料から構成される。
これにより、本発明に係る有機発光装置20は、第一保護層12は高い防湿性を有し、かつ第二保護層13の平坦性、密着性を高めることができ、有機発光素子への水分や酸素の浸入を防止できる。また、上記性質を有する保護膜積層体を備えた発光装置を比較的低コストで製造できる。さらに、水分や酸素の浸入防止効果が向上するので、画素エリア周辺の吸湿剤配置スペースを最小限に設定でき、画素エリア19の周囲の額縁を縮小することができるものである。
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、これは本発明の説明のための例示であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、上記実施形態とは異なる種々の態様で実施することができる。
例えば、上記実施形態では、一例としてアクティブ型の有機発光装置を例示したが、パッシブ型の有機発光装置でもよい。また、本実施形態で作製される有機発光装置は、外部接続端子9が1辺にのみ設けられているが、2辺以上の複数箇所に外部接続端子9が設けられていてもよい。
<実施例1>
上記有機発光装置20を以下の製造方法で製造した。
まず、ガラス基板1上にTFT2と、膜厚300nmの絶縁層4と、膜厚1μmの平坦化層5と、をこの順で積層した。そして、フォトリソグラフィ工程によりコンタクトホール6aを形成した。
次に、平坦化層5上に、コンタクトホール6aと電気的に接続するように、画素単位でアルミニウム(Al)膜とインジウム錫酸化物(ITO)膜とからなる下部電極6を形成した。この下部電極6の膜厚は150nmとした。
次に、フォトリソグラフィ工程によりポリイミド製の画素分離膜7を形成し、画素を形成する部分の周囲を画素分離膜7で覆った。
画素分離膜7まで形成されたTFT基板を純水により約5分間洗浄した後、この基板を約200℃で2時間ベークすることで、脱水処理を行った。そして、下部電極6にUV/オゾン洗浄を施した。
次に、下部電極6上に、正孔輸送層、発光層、電子輸送層および電子注入層からなる有機化合物層10を形成した。
この有機化合物層10の具体的な形成方法を以下に説明する。まず、真空蒸着装置内に上記のTFT基板及び材料を取り付けた。次に、蒸着装置内の圧力を1×10-3Paとしてから、下部電極6上にN,N’−α−ジナフチルベンジジン(α−NPD)を成膜し、正孔輸送層を形成した。この正孔輸送層の膜厚は40nmとした。
次に、正孔輸送層上に、緑色発光するクマリン色素(クマリン−540)と、トリス[8−ヒドロキシキノリナート]アルミニウム(Alq3)とを、クマリン色素とAlq3との体積比が1.0:99.0となるように共蒸着することで発光層を形成した。この発光層の膜厚は30nmとした。
次に、下記式(1)に示されるフェナントロリン化合物を成膜し電子輸送層を形成した。この電子輸送層の膜厚は10nmとした。
Figure 2011210544
次に、電子輸送層上に、炭酸セシウム(2.9vol%)と式(1)のフェナントロリン化合物とを、炭酸セシウムとフェナントロリン化合物との体積比が2.9:97.1となるように共蒸着することで、電子注入層を形成した。この電子注入層の膜厚は40nmとした。
次に、電子注入層まで成膜した基板を、別のスパッタ装置へ移動させ、この電子注入層上にインジウム錫酸化物(ITO)をスパッタ法にて成膜し、上部電極11を形成した。この上部電極11の膜厚は60nmとした。
次に、CVD法により、外部取出し電極を除いた基板1の略全領域を覆うように第一保護層12を形成した。具体的には、まず堆積膜形成装置の高周波電極と、この高周波電極に対向する80℃に過熱された接地電極と、が基板1の裏面に接するように固定した。そしてモノシラン(SiH4)ガスとアンモニアガス、窒素ガスとを流し、全体の圧力が100Pa程度となるように調整した。次に、高周波電力を供給しながらプラズマを発生させ、窒化シリコンからなる第一保護層12の水酸基を含まない無機膜121を堆積形成した。この水酸基を含まない無機膜121の膜厚は0.5μmとした。
次に、水酸基を含まない無機膜121を堆積形成した後、プラズマを止めた。次に、モノシラン(SiH4)ガスと窒素ガスと亜酸化窒素ガスを流し、全体の圧力が100Pa程度となるように調整した。そして、高周波電力を供給しながらプラズマを発生させ、水酸基を含まない無機膜121の膜表面に薄く(約10nm)水酸基を含む酸窒化シリコンからなる無機膜122を形成し、第一保護層12を形成した。
次に、以下に示す方法で、第一保護層12上であって、封止領域8によって囲まれた領域に、封止領域8に接するように第二保護層13を形成した。
即ち、ほぼ大気圧の窒素雰囲気中でスクリーン印刷法により、シランカップリング剤を添加した熱硬化性エポキシ樹脂を封止領域8で囲まれている領域の全域に、有機発光素子を覆い封止領域8に接するように印刷した。このとき第二保護層13の膜厚は約10μmであった。次に、真空中で、100℃に加熱し30分間のベークを行うことで、第二保護層13を硬化した。
次に、以下に示すプラズマCVD法により、外部取出し電極を除いた基板1の略全領域において、第二保護層13及び端部封止体15を覆うように第三保護層14を形成した。
まず、堆積膜形成装置の高周波電極と、この高周波電極に対向する80℃に過熱された接地電極と、が基板1の裏面に接するように固定した。そして、モノシランガスガス、窒素ガス、アンモニアガスをフローしながら、高周波電極と接地電極との間の反応空間圧力を制御した。次に、高周波電力を高周波電極に供給しながら第三保護層14を堆積形成した。この第三保護層14の膜厚は約1μmとした。
次に、基板1の外部接続端子9とFPC16との間に異方性導電フィルム(ACF)15を挟み込んだ後、外部接続端子9とFPC16とを熱圧着した。
次に、第三保護層14上に円偏光板18を粘着剤17で貼り付けることにより、有機発光装置20を得た。
以上に説明した製造方法により、11枚の有機発光装置20を製造した。製造した10枚の有機発光装置20を60℃、90%RHの環境に1000時間放置することで、1000時間耐久実験を行った。評価は60℃、90%RHの環境に、それぞれ500時間、1000時間放置したときに有機発光装置を取出し、有機発光素子を発光させたときに有機発光素子の周囲からダークスポットが広がるかどうかで行った。
この実験結果を下記表1に示す。なお、下記表1において、○は周囲からダークスポットが発生していないで正常に点灯した場合を示し、×は有機発光素子の周囲からダークスポットが発生した場合を示す。
Figure 2011210544
上記表1に示すように、本実施例で製造した有機発光装置20は、60℃、90%RHの環境下で1000時間に曝されたとしても、ダークスポットの発生することなく正常に点灯した。
また、残り1枚の有機発光装置20の画素エリア19を覆う積層体の第一保護層12、第二保護層13、第三保護層14を1cm角に切断し、有機化合物層20から剥がして、SIMSで分析した。その結果、第一保護層12にO元素の存在しない層の上に、O元素とH元素の存在する層を確認した。
さらに、ガラス基板にシリコンウエハを載せ、プラズマCVD法により、上記したように窒化シリコンからなる第一保護層12の水酸基を含まない無機膜121を堆積形成した。このとき、水酸基を含まない無機膜121の膜厚は0.5μmであった。
その後、ガラス基板上にシリコンウエハを取り出し、新たなシリコンウエハをガラス基板に載せ、プラズマCVD法により次のように薄膜を形成した。モノシラン(SiH4)ガス、窒素ガス及び亜酸化窒素ガスを流し、全体の圧力が100Pa程度となるように調整した。そして、高周波電力を供給しながらプラズマを発生させ、約10nmの酸窒化シリコンからなる水酸基を含む無機膜122を形成した。その後、シリコンウエハを取り出した。
そして、水酸基を含まない無機膜121を形成したシリコンウエハと、水酸基を含む酸窒化シリコンからなる無機膜122を形成したシリコンウエハをFTIRで分析した。その結果、シリコンウエハ上の水酸基を含まない無機膜121は、3700cm-1付近にSi−OHの吸収が確認されなかった。一方、シリコンウエハ上の水酸基を含む無機膜122は、3700cm-1付近にSi−OHの吸収が確認された。
<実施例2>
上記有機発光装置20を以下の製造方法で製造した。
まず、有機発光素子までの部材を実施例1と同様の方法で作製した。上部電極11まで形成した後、化学気相蒸着法(CVD法)等のプアズマ処理法により、外部接続端子9を除いた基板1の略全領域を覆うように第一保護層12を形成した。
具体的には、まず堆積膜形成装置の高周波電極と、この高周波電極に対向する80℃に過熱された接地電極とが基板1の裏面に接するように固定した。そしてモノシラン(SiH4)ガスとアンモニアガス、窒素ガスとを流し、全体の圧力が100Pa程度となるように調整した。次に、高周波電力を供給しながらプラズマを発生させ、窒化シリコンからなる第一保護層12の水酸基を含まない無機膜121を堆積形成した。この水酸基を含まない無機膜121の膜厚は0.5μmとした。
次に、水酸基を含まない無機膜121を堆積形成した状態で、プラズマを止めることなく連続して亜酸化窒素ガスを添加し、水酸基を含まない無機膜121の膜表面に薄く(約10nm)水酸基を含む酸窒化シリコンからなる無機膜122を形成した。
次に、スクリーン印刷法により、実施例1と同様に、ほぼ大気圧中の窒素雰囲気下で、シランカップリング剤を添加した熱硬化性エポキシ樹脂を、有機発光素子を覆うように印刷することで第二保護層13を形成した。この第二保護層13の膜厚は約30μmとした。次に、真空中で、100℃に加熱し30分間ベークを行うことで、第二保護層13を硬化させた。
次に、外部取出し電極を除いた基板1の略全領域において、実施例1と同様の方法で、第三保護層14をVHFプラズマCVD法により形成した。
次に、実施例1と同様の方法で、ACP15を介して外部接続端子9とFPC16とを熱圧着した。そして、第三保護層14上に円偏光板18を粘着剤17で貼り付けることにより有機発光装置20を得た。
以上に説明した製造方法により、11枚の有機発光装置を製造した。本実施例の有機発光装置20を、実施例1と同様に評価した。その評価結果を下記表2に示す。
Figure 2011210544
上記表2に示すように、本実施例の有機発光装置20は、60℃、90%RHの環境下で1000時間に曝されたとしても、ダークスポットの発生することなく正常に点灯した。また、本実施例の有機発光装置20は、異物による封止の不良は見られなかったので、端部封止体15により、封止端部が封止されることが判った。
さらに、残り1枚の有機発光装置20の画素エリア19を覆う積層体の第一保護層12、第二保護層13、第三保護層14を1cm角に切断し、有機化合物層から剥がして、SIMSで分析した。その結果、第一保護層12にO元素の存在しない層の上に、O元素とH元素の存在する層を確認した。
さらに、ガラス基板にシリコンウエハを載せ、プラズマCVD法により、窒化シリコンからなる第一保護層12の水酸基の無い無機膜121を次の様に堆積形成した。モノシラン(SiH4)ガスとアンモニアガス、窒素ガスとを流し、全体の圧力が100Pa程度となるように調整した。次に、高周波電力を供給しながらプラズマを発生させ、窒化シリコンからなる水酸基の無い無機膜121の膜厚を0.5μm程度形成した。
その後、ガラス基板上のシリコンウエハを取出し、新たなシリコンウエハをガラス基板に載せ、プラズマCVD法により次のように薄膜を形成した。モノシラン(SiH4)ガス、アンモニアガス及び窒素ガスを流し、全体の圧力が100Pa程度となるように調整した。そして、高周波電力を供給しながらプラズマを発生させ、窒化シリコンからなる水酸基を含まない無機膜121を膜厚100nm程度で形成した。プラズマを止めることなく連続して、亜酸化窒素ガスを添加し、約10nmの酸窒化シリコンからなる水酸基を含む無機膜122を形成した。その後、シリコンウエハを取り出した。
そして、水酸基を含まない無機膜121を形成したシリコンウエハと、水酸基を含む酸窒化シリコンからなる無機膜122を形成したシリコンウエハをFTIRで分析した。その結果、シリコンウエハ上の水酸基を含まない無機膜121は、3700cm-1付近にSi−OHの吸収が確認されなかった。一方、シリコンウエハ上の水酸基を含む無機膜122は、3700cm-1付近にSi−OHの吸収が確認された。
本発明に係る有機発光装置は、表示装置として好適であり、特にテレビ受像機、携帯電話の表示部、撮像装置の表示部として好適に採用することができる。
1 基板
6 下部電極
10 有機化合物層
12 第一保護層
13 第二保護層
14 第三保護層
19 画素エリア
20 有機発光装置
121 水酸基を含まない無機膜
122 水酸基を含む無機膜

Claims (4)

  1. 少なくとも、基板と、該基板の上に配設され、電極の間に有機化合物層を有する有機発光素子と、該有機発光素子が複数配列された画素エリアを覆う保護積層体と、を備える有機発光装置であって、
    前記保護積層体は、少なくとも、無機材料からなる第一保護層と、有機材料からなる第二保護層と、無機材料からなる第三保護層と、をこの順で積層してなる積層薄膜であり、
    前記第一保護層は、水酸基を含まない無機膜と、該水酸基を含まない無機膜の表面に形成された水酸基を含む無機膜と、有し、
    前記第二保護層は、前記水酸基を含む無機膜の表面に、シランカップリング剤を含む有機材料で形成されていることを特徴とする有機発光装置。
  2. 前記水酸基を含まない無機膜は窒化シリコンからなり、前記水酸基を含む無機膜は酸化シリコンまたは酸窒化シリコンからなることを特徴とする請求項1に記載の有機発光装置。
  3. 少なくとも、基板と、該基板の上に配設され、電極の間に有機化合物層を有する有機発光素子と、該有機発光素子が複数配列された画素エリアを覆う保護積層体と、を備える有機発光装置の製造方法であって、
    少なくとも、無機材料からなる第一保護層と、有機材料からなる第二保護層と、無機材料からなる第三保護層と、をこの順で積層して前記保護積層体を形成し、
    前記第一保護層は、プラズマ処理法により水酸基を含まない無機膜を形成した後、プラズマを止めることなく連続して、該水酸基を含まない無機膜の表面に水酸基を含む無機膜を形成することを特徴とする有機発光装置の製造方法。
  4. 前記第一保護層は、水酸基を含まない窒化シリコン膜を形成した後、酸素を有するガスを添加し、前記水酸基を含まない窒化シリコン膜の表面に、水酸基を含む酸化シリコン膜または水酸基を含む酸窒化シリコン膜を形成することを特徴とする請求項3に記載の有機発光装置の製造方法。
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