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JP2011208197A - インライン型プラズマ成膜装置およびこれを用いたプラズマ成膜方法 - Google Patents

インライン型プラズマ成膜装置およびこれを用いたプラズマ成膜方法 Download PDF

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JP2011208197A JP2010075361A JP2010075361A JP2011208197A JP 2011208197 A JP2011208197 A JP 2011208197A JP 2010075361 A JP2010075361 A JP 2010075361A JP 2010075361 A JP2010075361 A JP 2010075361A JP 2011208197 A JP2011208197 A JP 2011208197A
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Abstract

【課題】プラズマの回り込みを効果的に抑制して被処理基板の意図しない部分に膜が成膜されることを防止することのできるインライン型プラズマ成膜装置を提供する。
【解決手段】インライン型プラズマ成膜装置1Aは、搬送路4上において被処理基板100を搬送する複数の搬送ローラ3と、被処理基板100の上面に面するようにプラズマを生成することで被処理基板100の上面に膜を成膜するプラズマ生成部と、被処理基板100の下面に膜が成膜されることを防止する成膜防止部材5とを備えている。成膜防止部材5は、プラズマが生成される領域に搬送路4を挟んで対面する領域でかつ搬送ローラ3が位置する部分を除く領域を上方から見て実質的に満たすように配置され、被処理基板100の下面に対面するように設けられた平面状の成膜防止面5aを含み、当該成膜防止面5aの幅は、被処理基板100の幅よりも大きく構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、被処理基板を搬送しつつプラズマを用いて被処理基板の表面に成膜を行なうインライン型プラズマ成膜装置およびこれを用いたプラズマ成膜方法に関する。
近年、環境保護の観点から、太陽電池が注目を集めいている。太陽電池は、太陽光を受光して光電変換を行なうことで電力を発生させるものであり、種々の構造のものが知られている。その一つに、薄膜太陽電池と称される太陽電池が知られている。
薄膜太陽電池は、ガラス基板や金属基板、プラスチック基板、樹脂基板、半導体基板等のいずれかからなる基板上に、光電変換機能を有する半導体素子が形成されるとともに、さらに当該半導体素子上に金属膜が成膜されることで電極層が形成されてなるものである。ここで、光電変換機能を有する半導体素子としては、不純物添加半導体層/真性半導体層/不純物添加半導体層を積層した3層構造のものや、当該3層構造の積層体をさらに多段に積層した構造のものが利用される。
上述した薄膜太陽電池の大面積化や大量生産等に適した成膜方法として、プラズマ成膜法が知られている。プラズマ成膜法は、プラズマを用いて被処理基板の表面に成膜を行なう成膜方法であり、より具体的には、プラズマ化学気相成長(プラズマCVD)法とプラズマスパッタ法とがある。
プラズマCVD法は、原料となる物質をガス状態で被処理基板の表面に供給してプラズマ化し、これを被処理基板の表面において反応させることにより被処理基板の表面に反応物を堆積させることで成膜を行なう成膜方法である。一方、プラズマスパッタ法は、気体分子をプラズマ化させてイオンとし、これを材料ターゲットに衝突させることで材料ターゲット中に含まれる原子の叩き出しを行い、叩き出された原子を被処理基板の表面に堆積させる成膜方法である。
このうち、プラズマスパッタ法を利用するプラズマスパッタ装置は、プラズマCVD法を利用するプラズマCVD装置に比較してインライン型の生産設備への導入が比較的容易に行なえる特徴を有しているため、薄膜太陽電池の製造工程において多く導入されている。たとえば、特許文献1(特開2001−26866号公報)に開示されるように、薄膜太陽電池における電極層の形成には、インライン型のプラズマスパッタ装置が利用される場合が多い。
また、近年においては、非特許文献1(T.Goto, T.Matsuoka and T.Ohmi, "Rotation magnet sputtering: Damage-free novel magnetron sputtering using rotating helical magnet with very high target utilization" J.Vac. Sci. Technol.A 27(4), 653 (2009))に開示されるように、プラズマスパッタ法を用いて発電層となる半導体層を被処理基板上に成膜した薄膜太陽電池とすることが検討されている。
また、特許文献2(特開2009−33206号公報)には、非晶質半導体層と微結晶半導体層との間に透明金属酸化物からなる中間層をプラズマスパッタ法を用いて設けることにより、光電変換効率の向上が図られた薄膜太陽電池とすることが提案されている。
さらに、特許文献3(特開平8−37317号公報)には、薄膜太陽電池の膜欠陥検査のために、透明金属酸化物からなる裏面電極面上にシリコン酸化膜をプラズマスパッタ法により成膜することが提案されている。
このように、プラズマ成膜法は、種々の成膜工程においてその適用範囲が広がってきており、非常に重要な技術となってきている。特に、インライン型の生産設備への導入が可能なインライン型プラズマ成膜装置は、上述した薄膜太陽電池の大面積化や大量生産等に適した成膜装置として、その開発が鋭意行われている。
特開2001−26866号公報 特開2009−33206号公報 特開平8−37317号公報
ところで、インライン型プラズマ成膜装置にあっては、通常、搬送ローラ上に被処理基板が載置された状態のままでプラズマ成膜処理が行なわれるため、プラズマの被処理基板の裏面側への回り込みが問題となる。ここで、プラズマの回り込みとは、成膜を行なうべき被処理基板の表面のみならず成膜を行なうことを企図していない被処理基板の裏面側にまでプラズマが達することを意味する。
図12は、従来のインライン型プラズマ成膜装置における課題を説明するための図である。図12に示すように、上述したプラズマの回り込みが生じた場合には、被処理基板100の裏面側の周縁に膜102が形成されてしまうことになり、製品として所望の電気特性が得られない原因となってしまうといった問題や、製品としての外観が損なわれてしまうといった問題を招来することになる。たとえば、上述した薄膜太陽電池を製品として例に挙げれば、当該膜が成膜されてしまった被処理基板の裏面側の周縁部分にレーザを用いたパターニング加工において支障が生じて漏れ電流が発生してしまうことになるとともに、当該裏面が最終的に受光面となるため外観が損なわれてしまうことにもなる。
したがって、インライン型プラズマ成膜装置にあっては、プラズマの回り込みを効果的に抑制することが重要であり、当該プラズマの回り込みを効果的に抑制できなければ、歩留まりが低下してしまうことになる。
また、上述したように、近年においては、インライン型プラズマ成膜装置においてプラズマ成膜処理を行なう被処理基板の大型化が飛躍的に進んでおり、これに伴って被処理基板の搬送時における自重による撓みが顕著になってきている。当該被処理基板の撓みは、インライン型プラズマ成膜装置内において被処理基板の搬送トラブルを誘発するのみならず、成膜される膜の膜厚にばらつきが生じる原因ともなっている。
これを防止するためには、搬送ローラの数を増やすことが考えられるが、そのようにした場合には、インライン型プラズマ成膜装置の製造コストが増大するのみならず、メンテナンスに多くの時間を費やすことになってそのランニングコストが増大することにもなる。したがって、インライン型プラズマ成膜装置においては、搬送ローラの数を増やすことなく被処理基板の撓みを如何に抑制するかも重要な課題となっている。
本発明は、特に、上述したプラズマの回り込みの問題を解決すべくなされたものであり、プラズマの回り込みを効果的に抑制して被処理基板の意図しない部分に膜が成膜されることを防止することのできるインライン型プラズマ成膜装置およびこれを用いたプラズマ成膜方法を提供することを目的とする。
本発明に基づくインライン型プラズマ成膜装置は、被処理基板を搬送するための搬送路と、上記搬送路の下方に位置し、被処理基板の下面を支持しつつ支持した被処理基板を上記搬送路上において搬送する搬送手段と、上記搬送路上を搬送される被処理基板の上面に面するようにプラズマを生成することで被処理基板の上面に膜を成膜するプラズマ生成部と、上記搬送路の下方に位置し、上記搬送路上を搬送される被処理基板の下面に膜が成膜されることを防止する成膜防止部材とを備えている。上記搬送手段は、被処理基板の搬送方向に沿って配置された複数の搬送ローラを含んでいる。上記成膜防止部材は、プラズマが生成される領域に上記搬送路を挟んで対面する領域でかつ上記搬送ローラが位置する部分を除く領域を上方から見て実質的に満たすように配置され、上記搬送路上を搬送される被処理基板の下面に対面するように設けられてなる平面状の成膜防止面を少なくとも含んでいる。また、被処理基板の搬送方向と直交する方向における上記成膜防止面の幅は、被処理基板の搬送方向と直交する方向における被処理基板の幅よりも大きい。
上記本発明に基づくインライン型プラズマ成膜装置にあっては、上記成膜防止面が、上記搬送路上を搬送される被処理基板の下面との間の距離が0mmより大きく5.0mm以下となる位置に設けらていることが好ましい。
上記本発明に基づくインライン型プラズマ成膜装置にあっては、上記搬送ローラの各々が、被処理基板の搬送方向と直交する方向に沿って配置された複数のローラ部を有していることが好ましく、その場合に、被処理基板の搬送方向と直交する方向における上記成膜防止面の幅が、被処理基板の搬送方向と直交する方向に沿って配置された上記ローラ部の配置間隔よりも大きいことが好ましい。
上記本発明に基づくインライン型プラズマ成膜装置にあっては、上記成膜防止部材が、上記成膜防止面から上記搬送路側に向けて突出して設けられ、上記搬送路上を搬送される被処理基板の下面に当接して被処理基板を支持する支持突起を含んでいることが好ましい。
上記本発明に基づくインライン型プラズマ成膜装置にあっては、上記成膜防止面を基準とした上記支持突起の支持高さが、0mmより大きく5.0mm以下であることが好ましい。
上記本発明に基づくインライン型プラズマ成膜装置にあっては、上記支持突起が、上記成膜防止部材に対して着脱自在に設けられることが好ましい。
上記本発明に基づくインライン型プラズマ成膜装置にあっては、上記支持突起が、四フッ化エチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂およびポリ塩化ビニル系樹脂からなる群から選択される一の樹脂を主原料として含んでいることが好ましい。
上記本発明に基づくインライン型プラズマ成膜装置にあっては、上記支持突起が、上記搬送路上を搬送される被処理基板の下面と点接触または線接触可能な形状を有していることが好ましい。その場合には、たとえば上記支持突起が、半円柱形状または半球形状とされることが好適である。
上記本発明に基づくインライン型プラズマ成膜装置にあっては、被処理基板の搬送方向に沿って配置された上記搬送ローラの配置間隔をLとし、上記支持突起の被処理基板との当接位置と当該支持突起の下流側に位置する上記搬送ローラの配置位置との間の距離をlとした場合に、これら配置間隔Lおよび距離lが、0.30≦l/L≦0.55の条件を充足していることが好ましい。
本発明に基づくプラズマ成膜方法は、上述したいずれかのインライン型プラズマ成膜装置を用いて被処理基板の上面に成膜を行なうことを特徴としている。
本発明によれば、プラズマの回り込みを効果的に抑制して被処理基板の意図しない部分に膜が成膜されることを防止することのできるインライン型プラズマ成膜装置およびこれを用いたプラズマ成膜方法とすることができる。
本発明の実施の形態1におけるインライン型プラズマ成膜装置の装置構成を示す模式図である。 図1に示すインライン型プラズマ成膜装置の搬送路を上方から見た場合の平面図である。 本発明の実施の形態2におけるインライン型プラズマ成膜装置の装置構成を示す模式図である。 図3に示すインライン型プラズマ成膜装置の搬送路を上方から見た場合の平面図である。 図3および図4に示す支持突起の拡大斜視図である。 本発明の実施の形態2に基づいた第1変形例に係るインライン型プラズマ成膜装置の搬送路を上方から見た場合の平面図である。 本発明の実施の形態2に基づいた第2変形例に係るインライン型プラズマ成膜装置の搬送路を上方から見た場合の平面図である。 本発明の実施の形態2に基づいた第3変形例に係るインライン型プラズマ成膜装置の搬送路を上方から見た場合の平面図である。 本発明の実施の形態2におけるインライン型プラズマ成膜装置の支持突起の他の例を示す拡大斜視図である。 本発明の実施の形態3におけるインライン型プラズマ成膜装置の装置構成を示す模式図である。 本発明の実施の形態4におけるインライン型プラズマ成膜装置の装置構成を示す模式図である。 従来のインライン型プラズマ成膜装置における課題を説明するための図である。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。以下に示す実施の形態1および2においては、インライン型プラズマ成膜装置としてインライン型プラズマCVD装置に本発明を適用した場合を例示して説明を行い、以下に示す実施の形態3および4においては、インライン型プラズマ成膜装置としてインライン型プラズマスパッタ装置に本発明を適用した場合を例示して説明を行なう。なお、以下に示す各実施の形態においては、同一または共通する部分について図中同一の符号を付し、その説明は個別には繰り返さないこととする。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるインライン型プラズマ成膜装置の装置構成を示す模式図であり、図2は、図1に示すインライン型プラズマ成膜装置の搬送路を上方から見た場合の平面図である。
図1に示すように、本実施の形態におけるインライン型プラズマ成膜装置は、いわゆるインライン型プラズマCVD装置(以下、単にプラズマCVD装置とも称する)である。本実施の形態におけるプラズマCVD装置1Aは、チャンバ2と、搬送手段としての複数の搬送ローラ3と、プラズマ生成部としてのアノード11およびカソード12と、成膜防止部材5と、高周波電源13と、整合器14とを主として備えている。
チャンバ2は、外部の空間と処理空間とを区画するための反応容器に相当し、たとえば箱状の形状を有している。チャンバ2の相対する一対の側面のうちの一方の側面には、処理前の被処理基板100を処理空間に搬入するためのスリット状の搬入口2aが設けられており、上記一対の側面のうちの他方の側面には、処理後の被処理基板100を処理空間から搬出するためのスリット状の搬出口2bが設けられている。また、チャンバ2の下面には、処理空間に充填された後述する材料ガスを排出するためのガス排出部2cが設けられている。
搬送ローラ3は、チャンバ2の内側および外側に整列して複数設けられており、これにより上述した搬入口2aおよび搬出口2bを結ぶように搬送路4が構成されている。搬送路4は、被処理基板100を搬送するための通路であり、チャンバ2を横断するように直線状に設けられている。搬送ローラ3は、搬送路4の下方に位置し、被処理基板100の下面を支持しつつ支持した被処理基板100を上記搬送路4上において図中矢印A方向に搬送する。
ここで、図2に示すように、搬送ローラ3は、被処理基板100の搬送方向と直交する方向に沿って配置された複数の回転コロであるローラ部3aと、当該複数のローラ部3aを軸支するシャフト部3bとを含んでおり、図示しない駆動手段によってシャフト部3bが回転駆動されることで被処理基板100を搬送する。なお、これら複数のローラ部3aとシャフト部3bとからなる搬送ローラ3は、被処理基板100の搬送方向に沿って互いに平行に複数配置されている。
図1に示すように、アノード11およびカソード12は、チャンバ2内の所定位置において搬送路4を挟み込むように上下に配置されている。アノード11は、平板状の電圧印加電極に相当し、搬送路4の上方にその下面が搬送路4に面するように、当該搬送路4から所定の距離をもって配置されている。カソード12は、平板状の接地電極に相当し、搬送路4の下方にその上面が搬送路4に面するように、当該搬送路4から所定の距離をもって配置されている。
アノード11には、材料ガスをチャンバ2内に導入するためのガス導入管10の一端が接続されており、またアノード11の内部には、ガス導入管10を介して導入された材料ガスを搬送路4側に向けてシャワー状に吐出するための流路が形成されている。ガス導入管10の他端は、図示しない材料ガスの供給源に接続されており、これにより材料ガスが、図中に示す矢印B1方向に沿ってチャンバ2内の処理空間に導入されることになる。チャンバ2内に導入された材料ガスは、チャンバ2内を充填し、その後、カソード12の下方に位置する上述したガス排出部2cから図中矢印B2方向に向けて排出される。ここで、材料ガスは、被処理基板100に成膜すべき膜の組成に応じたガスが適宜選択される。
高周波電源13は、整合器14を介してアノード11に電気的に接続されている。また、上述したようにカソード12は、接地されている。これにより、高周波電源13および整合器14によってアノード11にパルス状の電圧が印加されることになり、アノード11およびカソード12間に放電が生じ、これらアノード11およびカソード12間の空間を充填する材料ガスがプラズマ化されることになる。このアノード11およびカソード12間に位置する空間は、プラズマが生成される領域に相当し、搬送路4上を搬送される被処理基板100の上面(成膜すべき表面に相当する)に面するようにプラズマが生成されることで、当該領域を搬送される被処理基板100の上面に所望の膜が成膜されることになる。
図1および図2に示すように、成膜防止部材5は、搬送路4の下方であってかつカソード12上に設けられている。成膜防止部材5は、搬送路4上を搬送される被処理基板100の下面(成膜することが企図されていない裏面に相当する)に膜が成膜されることを防止するための防着板に相当し、プラズマの回り込みを防止するための部材である。成膜防止部材5の材質としては、特に限定されるものではないが、本実施の形態の如くカソード12に接触して設ける場合には、絶縁性の部材にて構成することが必要である。なお、成膜防止部材5の表面は、膜が成膜されてしまうことを防止するためにサンドブラスト加工等の荒れ加工が施されていてもよい。
より詳細には、成膜防止部材5は、プラズマが生成される領域に搬送路4を挟んで対面する領域(すなわちカソード12の上方であって搬送路4の下方の領域)でかつ搬送ローラ3が位置する部分を除く領域を上方から見て実質的に満たすように配置されている。成膜防止部材5は、搬送路4上を搬送される被処理基板100の下面に対面するように設けられた平面状の上面を有しており、当該上面が、プラズマの回りこみを防止する成膜防止面5aに相当する。
ここで、成膜防止部材5は、可能な限り上記領域を満たすような形状を有していることが好ましく、本実施の形態においては、搬送ローラ3に隣り合う部分の成膜防止部材5の端部に、当該端部がローラ部3aおよびシャフト部3bの双方に沿う形状となるように突出部5bが設けられている。なお、突出部5bの上面も成膜防止面5aとなるように、突出部5bが設けられていない部分の上面と当該突出部5bが設けられた部分の上面とが面一に連続して形成されている。
また、ローラ部3aおよびシャフト部3bは、いずれも被処理基板100の搬送のために回転動作を行なうため、成膜防止部材5とこれらローラ部3aおよびシャフト部3bとは、非接触とすることが必要である。しかしながら、上述したように成膜防止部材5は、可能な限り上記領域を満たしていることが好ましいため、成膜防止部材5とローラ部3aおよびシャフト部3bとの間に設けられる隙間としては、いずれの部分においても5mm以下とされていることが好ましい。
図2に示すように、成膜防止面5aは、被処理基板100の搬送方向(図中に示す矢印A方向)と直交する方向における幅Zが、当該方向における被処理基板100の幅Yよりも大きく構成されている。また、上述したように、搬送ローラ3は、被処理基板100の搬送方向と直交する方向に複数のローラ部3aを有しており、上記成膜防止面5aの幅Zは、これら隣り合うローラ部3aの配置間隔Xよりも大きく構成されている。すなわち、ローラ部3aの配置間隔X、被処理基板100の幅Y、および成膜防止面5aの幅Zは、X<Y<Zの条件を充足している。このように構成することにより、被処理基板100の幅方向における撓みを防止しつつ、被処理基板100の幅方向の端部におけるプラズマの回り込みを成膜防止面5aによって効果的に防止することができる。
なお、上記成膜防止面5aの幅Zおよび上記被処理基板100の幅Yは、Z≧1.05×Yの条件を充足していることが好ましい。このように構成することにより、チャンバ2内の処理空間の圧力を変化させた場合に生じ得るプラズマが生成される領域の増減があった場合にも、確実にプラズマの回り込みを防止することができる。
また、図1に示すように、成膜防止面5aは、搬送路4上を搬送される被処理基板100の下面との間の距離gが0mm<g≦5.0mmとなる位置に設けられている。このように構成することにより、被処理基板100の幅方向の端部におけるプラズマの回り込みを成膜防止面5aによって効果的に防止することができる。ここで、搬送路4上を搬送される被処理基板100の下面との間の距離gが5.0mmより大きい場合には、被処理基板100の下面と成膜防止面5aとの間の距離がプラズマの回りこみを防止するために不充分な大きさとなり、これらの間の隙間にプラズマが回りこんで被処理基板100の下面への成膜を十分に防止することができなくなってしまう。また、当該距離gが0mmとされた場合には、成膜防止面5aに被処理基板100の下面の全面が当接してしまうことになり、被処理基板100の下面に傷等が生じてしまう原因となったり、これらの間の摩擦によって搬送トラブルが生じてしまう原因となったりする。
なお、搬送路4上を搬送される被処理基板100の上面と、アノード11の下面との間の距離d(図1参照)は、放電の開始電圧Vsに影響を与えるため、また被処理基板100の上面に成膜される膜の膜厚に影響を与えるため、当該距離dが被処理基板100の搬送方向において一定となるように、搬送ローラ3の配置位置を設定することが好まい。この場合、プラズマ生成部としてのアノード11およびカソード12が位置する部分の搬送路4の下方に、被処理基板100の搬送方向(図中に示す矢印A方向)に沿って複数の搬送ローラ3が配置されることになるが、その場合には、上記成膜防止部材5は、これら複数の搬送ローラ3の数に応じて分割されて複数の搬送ローラ3の間に配置されることになる。
以上において説明した本実施の形態におけるプラズマCVD装置1Aにあっては、プラズマが生成される領域に対応する部分の搬送路4の下方の領域に、当該領域を上方から見て実質的に満たすように成膜防止部材5の成膜防止面5aが配置されているため、当該搬送路4上を搬送される被処理基板100の下面が成膜防止面5aによって覆われることになる。そのため、被処理基板100の下面にプラズマが回り込むことを効果的に抑制することが可能となり、被処理基板100の下面の周縁に膜が成膜されてしまうことを防止することが可能になる。
したがって、本実施の形態におけるプラズマCVD装置1Aとすることにより、被処理基板100の意図しない部分への成膜が防止できるプラズマCVD装置とすることができるとともに、当該プラズマCVD装置1Aを用いてプラズマ成膜処理を行なうことにより、被処理基板100の意図しない部分への成膜が防止できるプラズマ成膜方法とすることができる。
(実施の形態2)
図3は、本発明の実施の形態2におけるインライン型プラズマ成膜装置の装置構成を示す模式図であり、図4は、図3に示すインライン型プラズマ成膜装置の搬送路を上方から見た場合の平面図である。また、図5は、図3および図4に示す支持突起の拡大斜視図である。
図3および図4に示すように、本実施の形態におけるインライン型プラズマ成膜装置は、いわゆるインライン型プラズマCVD装置である。本実施の形態におけるプラズマCVD装置1Bは、上述した本発明の実施の形態1におけるプラズマCVD装置1Aと大部分において同様の構成を有しており、成膜防止部材5の成膜防止面5aの所定位置に支持突起6が設けられている点においてのみ相違している。
支持突起6は、成膜防止面5aから搬送路4側に向けて突出して設けられており、搬送路4上を搬送される被処理基板100の下面に当接することで被処理基板100を支持する部位である。当該支持突起6は、被処理基板100の搬送方向に沿って被処理基板100が撓むことを防止するためのものである。
支持突起6は、耐熱性および耐摩耗性に優れた材料であればどのような材料にて構成されてもよいが、好適には、たとえば四フッ化エチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂またはポリ塩化ビニル系樹脂のいずれかを主原料として含む化学的に安定な材質のものにて構成される。これら四フッ化エチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂またはポリ塩化ビニル系樹脂のいずれかを主原料として含むものにて支持突起6を構成すれば、チャンバ2内の処理空間に水分や炭素等の不純物が混入することが防止できるとともに、成膜される膜の支持突起6に対する付着力が弱くなるため、容易にこれを除去することができる。
ここで、四フッ化エチレン系樹脂は、その耐熱温度が約250℃であるとともに含水率が概ね0%であるため、支持突起6の材質として好適である。また、ポリプロピレン系樹脂は、その耐熱温度が約100℃であるとともに含水率が概ね0%であるため、支持突起6の材質として好適である。また、ポリ塩化ビニル系樹脂は、その耐熱温度が約80℃であるとともに含水率が概ね0%であるため、支持突起6の材質として好適である。また、耐摩耗性の観点からは、特にポリ塩化ビニル系樹脂にて支持突起6が形成されていることが好ましいが、四フッ化エチレン系樹脂またはポリプロピレン系樹脂にて支持突起6が形成された場合にも十分にその利用は可能である。
また、支持突起6は、成膜防止面5aを基準とした支持高さが0mmより大きく5.0mm以下となるように構成されていることが好ましい。ここで、支持突起6の支持高さが上記範囲とされることが好ましい理由は、搬送路4上を搬送される被処理基板100と成膜防止面5aとの間の距離g(図3参照)を考慮した場合に、当該範囲内の支持高さとすれば、搬送路4上を搬送される被処理基板100を安定的に支持突起6によって支持できるとともに、被処理基板100の下面へのプラズマの回り込みを成膜防止面5aによって確実に防止できることになるためである。
ここで、図5に示すように、支持突起6は、たとえば半円柱形状を有するように構成される。このように構成した場合には、支持突起6と被処理基板100との当接位置である接触部6aが図示するように線状となり、支持突起6が搬送路4上を搬送される被処理基板100の下面と線接触することになる。したがって、このように構成することにより、被処理基板100が当該支持突起6に接触することで傷付くことが防止できる。
なお、支持突起6を半円柱形状とした場合には、その湾曲面が被処理基板100の搬送方向に対峙するように支持突起6が配置されることが好ましい。このように構成すれば、被処理基板100の搬送方向における先端面が、当該支持突起6の湾曲面によって案内されて支持突起6上を乗り越え易くなるため、搬送トラブルが生じることを防止することができる。
また、図4に示すように、支持突起6が設けられる位置としては、被処理基板100の搬送方向(図中に示す矢印A方向)に沿って配置された搬送ローラ3の配置間隔をLとし、支持突起6の被処理基板100との当接位置である接触部6aと当該支持突起6の下流側に位置する搬送ローラ3の配置位置との間の距離をlとした場合に、これら配置間隔Lおよび距離lが、0.20≦l/L≦0.65の条件を充足している(当該条件を充足する位置を図中において領域C1で示している)ことが好ましく、さらにこれら配置間隔Lおよび距離lが、0.30≦l/L≦0.55の条件を充足している(当該条件を充足する位置を図中において領域C2で示している)ことがなお好ましい。このように構成することにより、被処理基板100の搬送方向に沿った撓みを確実に防止することができる。
以上において説明した本実施の形態におけるプラズマCVD装置1Bとすることにより、上述した本発明の実施の形態1において説明した効果に加え、被処理基板100の撓みがさらに抑制できる効果が得られる。すなわち、搬送ローラ3を被処理基板100の搬送方向において増加させることなく、被処理基板100の搬送方向における撓みの発生を防止でき、搬送路4上を搬送される被処理基板100の上面とアノード11の下面との間の距離d(図3参照)が被処理基板100の搬送方向においてより確実に一定となるように構成することが可能になる。そのため、装置構成を複雑化する必要がなくなって設置コストが抑制できるメリットと、メンテナンス時の作業性が向上してランニングコストを抑制できるメリットとが得られることになる。
したがって、本実施の形態におけるプラズマCVD装置1Bとすることにより、被処理基板100の意図しない部分への成膜が防止できるとともに所望の膜厚の膜が成膜できる簡素な構成のプラズマCVD装置とすることができるとともに、当該プラズマCVD装置1Bを用いてプラズマ成膜処理を行なうことにより、被処理基板100の意図しない部分への成膜が防止できるとともに低コストに所望の膜厚の膜が成膜できるプラズマ成膜方法とすることができる。
なお、上述した本実施の形態におけるプラズマCVD装置1Bにおいては、支持突起6が成膜防止部材5に着脱自在に取付けられるように構成されていることが好ましい。このように構成すれば、成膜条件に応じて種々の材質の支持突起6に交換してプラズマ成膜処理を行なうことが可能になるため、当該成膜条件に適した支持突起6を選択して使用することで各種の不具合の発生を未然に防止することができる。また、上記のように構成すれば、支持突起6を成膜防止部材5から取り外して支持突起6および成膜防止部材5のメンテナンス作業(すなわち、付着した膜の除去等)をそれぞれ別個に行なうことが可能になるため、特殊な薬液を使用せずとも布等によって付着した膜を除去することが可能になり、メンテナンス作業の容易化が図られる。加えて、上記のように構成すれば、支持突起6に磨耗等が生じた場合にも支持突起6のみを交換することが可能になるため、成膜防止部材5すべてを交換する必要がなくなり、コスト面での効果も得られることになる。
図6ないし図8は、本実施の形態に基づいた第1ないし第3変形例に係るインライン型プラズマ成膜装置の搬送路を上方から見た場合の平面図である。上述した本実施の形態においては、プラズマCVD装置1Bの成膜防止面5aに1箇所のみ支持突起6を設けた場合を例示したが、成膜防止面5aに複数の支持突起6を設けることとしてもよい。本第1ないし第3変形例においては、成膜防止面5aに複数の支持突起6を設ける場合のレイアウト例を示すものである。
図6に示すように、第1変形例においては、支持突起6を上記領域C2に2箇所設け、これに加えて支持突起6を上記領域C1に1箇所設けた場合を示している。また、図7に示すように、第2変形例においては、支持突起6を上記領域C2に2箇所設け、これに加えて支持突起6を上記領域C1に2箇所設けた場合を示している。さらに、図8に示すように、第3変形例においては、支持突起6を上記領域C2に3箇所設け、これに加えて支持突起6を上記領域C1に3箇所設けた場合を示している。このように、成膜防止面5aに複数の支持突起6を設けることにより、さらなる被処理基板100の搬送方向に沿った撓みの抑制が可能になる。なお、支持突起6の配置位置は、上記に限定されるものではなく、搬送すべき被処理基板100の大きさや板厚、材質等に応じて適宜その配置位置を変更することが可能である。
図9は、本実施の形態におけるインライン型プラズマ成膜装置の支持突起の他の例を示す拡大斜視図である。上述した本実施の形態においては、プラズマCVD装置1Bの成膜防止面5aに設けられる支持突起6として半円柱形状を有するものを利用した場合を例示したが、図9に示すように、半球形状を有するものを利用することも可能である。このように構成した場合には、支持突起6と被処理基板100との当接位置である接触部6aが図示するように点状となり、支持突起6が搬送路4上を搬送される被処理基板100の下面と点接触することになる。したがって、このように構成することにより、被処理基板100が当該支持突起6に接触することで傷付くことが防止できる。なお、支持突起6の形状は、上記に限定されるものではなく、どのような形状のものであってもよい。
(実施の形態3)
図10は、本発明の実施の形態3におけるインライン型プラズマ成膜装置の装置構成を示す模式図である。
図10に示すように、本実施の形態におけるインライン型プラズマ成膜装置は、いわゆるインライン型プラズマスパッタ装置(インライン型DCマグネトロンスパッタ装置(以下、単にプラズマスパッタ装置とも称する))である。本実施の形態におけるプラズマスパッタ装置1Cは、チャンバ2と、搬送手段としての複数の搬送ローラ3と、プラズマ生成部としてのカソード21と、材料ターゲット28と、支持枠29と、成膜防止部材5と、電源接続部23とを主として備えている。ここで、チャンバ2、複数の搬送ローラ3、当該搬送ローラ3によって構成される搬送路4の構成については、上述した本発明の実施の形態1におけるプラズマCVD装置1Aと同様の構成であるため、その詳細な説明はここでは繰り返さない。
図10に示すように、カソード21は、チャンバ2内の所定位置において搬送路4の上方に配置されている。カソード21は、平板状の電圧印加電極に相当し、搬送路4の上方にその下面が搬送路4に面するように、当該搬送路4から所定の距離をもって配置されている。カソード21は、電源接続部23を介して図示しない直流電源に接続されている。また、カソード21の下面には、中央磁石22aおよび外周磁石22bが取付けられている。中央磁石22aは、カソード21の下面の中央部に配設されており、外周磁石22bは、当該中央磁石22aを囲むようにカソード21の下面の周縁に沿って環状に配置されている。
カソード21は、電気的に接地されたカソードシールド24によって覆われており、当該カソードシールド24の下方の位置には、材料ターゲット28が取付けられている。材料ターゲット28は、スパッタリングによりスパッタ粒子を発生させるためのものであり、被処理基板100に成膜すべき膜の組成に応じた材料ターゲットが適宜選択される。カソードシールド24は、絶縁体25によって支持されてチャンバ2内に位置しており、当該カソードシールド24には、冷却水を導入および排出するための冷却水導入管26および冷却水排出管27が取付けられている。冷却水導入管26および冷却水排出管27は、内部を流動する冷却水によってカソード21の冷却を行なうものであり、図中矢印D1方向に沿って冷却水導入管26から導入された冷却水は、カソード21の冷却に使用され、その後図中矢印D2方向に沿って冷却水排出管27から排出される。
チャンバ2の上面の所定位置には、ガス導入管20が設けられており、当該ガス導入管20には、図示しないガス供給源に接続されている。これにより、ガス導入管20を介してガスが、図中に示す矢印B1方向に沿ってチャンバ2内の処理空間に導入されることになる。チャンバ2内に導入されたガスは、チャンバ2内を充填し、その後、カソード12の下方に位置するガス排出部2cから図中矢印B2方向に向けて排出される。ここで、ガス導入管20によって導入されるガスは、主としてアルゴン等の希ガスである。
カソード21に電圧が印加された状態においては、材料ターゲット28上に半円状の磁力線が発生し、強い発光のプラズマが材料ターゲット28の下方でかつ搬送路4の上方の空間にドーナツ状に形成される。当該空間は、プラズマが生成される領域に相当し、これにより被処理基板100の上面(成膜すべき表面に相当する)に面するようにプラズマが生成される。これにより、気体分子がプラズマ化されてイオンとなり、当該イオンが材料ターゲット28に衝突することにより材料ターゲット28中に含まれる原子がスパッタ粒子として被処理基板100側に向けて叩き出される。そして、材料ターゲット28から叩き出されたスパッタ粒子が、上記領域を搬送される被処理基板100の上面に堆積することにより、所望の膜が成膜されることになる。
支持枠29は、成膜防止部材5を支持するための平板状の部材であり、チャンバ2内の搬送路4の下方に配置されている。成膜防止部材5は、搬送路4の下方であってかつ支持枠29上に設けられている。成膜防止部材5は、搬送路4上を搬送される被処理基板100の下面(成膜することが企図されていない裏面に相当する)に膜が成膜されることを防止するための防着板に相当し、プラズマの回り込みを防止するための部材である。
より詳細には、成膜防止部材5は、プラズマが生成される領域に搬送路4を挟んで対面する領域(すなわち支持枠29の上方であって搬送路4の下方の領域)でかつ搬送ローラ3が位置する部分を除く領域を上方から見て実質的に満たすように配置されている。成膜防止部材5は、搬送路4上を搬送される被処理基板100の下面に対面するように設けられた平面状の上面を有しており、当該上面が、プラズマの回りこみを防止する成膜防止面5aに相当する。
なお、成膜防止部材5の具体的な構成、形状、材質および配置位置等については、いずれも上述した本発明の実施の形態1におけるそれと同様であるため、ここではその説明は繰り返さない。
また、搬送路4上を搬送される被処理基板100の上面と、材料ターゲット28の下面との間の距離d(図10参照)は、放電の開始電圧Vsに影響を与えないものの被処理基板100の上面に成膜される膜の膜厚に影響を与えるため、当該距離dが被処理基板100の搬送方向において一定となるように、搬送ローラ3の配置位置を設定することが好まい。この場合、プラズマ生成部としてのカソード21が位置する部分の搬送路4の下方に、被処理基板100の搬送方向(図中に示す矢印A方向)に沿って複数の搬送ローラ3が配置されることになるが、その場合には、上記成膜防止部材5は、これら複数の搬送ローラ3の数に応じて分割されて複数の搬送ローラ3の間に配置されることになる。
以上において説明した本実施の形態におけるプラズマスパッタ装置1Cにあっては、プラズマが生成される領域に対応する部分の搬送路4の下方の領域に、当該領域を上方から見て実質的に満たすように成膜防止部材5の成膜防止面5aが配置されているため、当該搬送路4上を搬送される被処理基板100の下面が成膜防止面5aによって覆われることになる。そのため、被処理基板100の下面にプラズマが回り込むことを効果的に抑制することが可能となり、被処理基板100の下面の周縁に膜が成膜されてしまうことを防止することが可能になる。
したがって、本実施の形態におけるプラズマスパッタ装置1Cとすることにより、被処理基板100の意図しない部分への成膜が防止できるプラズマスパッタ装置とすることができるとともに、当該プラズマスパッタ装置1Cを用いてプラズマ成膜処理を行なうことにより、被処理基板100の意図しない部分への成膜が防止できるプラズマ成膜方法とすることができる。
(実施の形態4)
図11は、本発明の実施の形態4におけるインライン型プラズマ成膜装置の装置構成を示す模式図である。
図11に示すように、本実施の形態におけるインライン型プラズマ成膜装置は、いわゆるインライン型プラズマスパッタ装置(インライン型DCマグネトロンスパッタ装置)である。本実施の形態におけるプラズマスパッタ装置1Dは、上述した本発明の実施の形態3におけるプラズマスパッタ装置1Cと大部分において同様の構成を有しており、成膜防止部材5の成膜防止面5aの所定位置に支持突起6が設けられている点においてのみ相違している。
支持突起6は、成膜防止面5aから搬送路4側に向けて突出して設けられており、搬送路4上を搬送される被処理基板100の下面に当接することで被処理基板100を支持する部位である。当該支持突起6は、被処理基板100の搬送方向(図中に示す矢印A方向)に沿って被処理基板100が撓むことを防止するためのものである。なお、支持突起6の具体的な構成、形状、支持高さ、材質および配置位置等については、いずれも上述した本発明の実施の形態2におけるそれと同様であるため、ここではその説明は繰り返さない。
以上において説明した本実施の形態におけるプラズマスパッタ装置1Dとすることにより、上述した本発明の実施の形態3において説明した効果に加え、被処理基板100の撓みがさらに抑制できる効果が得られる。すなわち、搬送ローラ3を被処理基板100の搬送方向において増加させることなく、被処理基板100の搬送方向における撓みの発生を防止でき、搬送路4上を搬送される被処理基板100の上面と材料ターゲット28の下面との間の距離d(図11参照)が被処理基板100の搬送方向においてより確実に一定となるように構成することが可能になる。そのため、装置構成を複雑化する必要がなくなって設置コストが抑制できるメリットと、メンテナンス時の作業性が向上してランニングコストを抑制できるメリットとが得られることになる。
したがって、本実施の形態におけるプラズマスパッタ装置1Dとすることにより、被処理基板100の意図しない部分への成膜が防止できるとともに所望の膜厚の膜が成膜できる簡素な構成のプラズマスパッタ装置とすることができるとともに、当該プラズマスパッタ装置1Dを用いてプラズマ成膜処理を行なうことにより、被処理基板100の意図しない部分への成膜が防止できるとともに低コストに所望の膜厚の膜が成膜できるプラズマ成膜方法とすることができる。
なお、上述した本発明の実施の形態3および4においては、インライン型DCマグネトロンスパッタ装置に本発明を適用した場合を例示して説明を行なったが、誘電体膜等の成膜においては、通常、高周波電源を利用したインライン型RFマグネトロンスパッタ装置が利用される。その場合には、電源として高周波電源を使用し、当該高周波電源とカソードとの間に整合器を設ける構成とすればよい。
以下においては、上述した本発明の実施の形態4に従ったプラズマスパッタ装置を実際に製作し、これを用いてプラズマ成膜処理を行なった場合を実施例とし、製作した上記プラズマスパッタ装置から成膜防止部材を取り除いてプラズマ成膜処理を行なった場合を比較例とし、これら実施例および比較例においてプラズマ成膜処理された被処理基板の成膜状態を確認することにより、本発明の効果を検証した検証試験の条件および結果について説明する。
実施例および比較例においては、いずれも寸法および材質ともに同様の被処理基板を使用した。被処理基板としては、厚さ4.0mmの100.0cm×140.0cmの絶縁性基板と、厚さ1.8mmの56.0cm×92.5cmの絶縁性基板と、厚さ4.0mmの56.0cm×92.5cmの絶縁性基板との3種類を使用した。
製作したプラズマスパッタ装置における隣り合うローラ部(直径7.4cm)の配置間隔X(図2参照)は、いずれの場合も23.0mmであり、実施例における成膜防止部材の幅Z(図2参照)は、いずれも105.0mmである。また、被処理基板の幅Y(図2参照)は、それぞれ100.0cmおよび56.0cmのいずれかである。
また、製作したプラズマスパッタ装置における支持突起の形状は、図5に示す如くの半円柱形状のものとし、被処理基板の搬送方向(図中に示す矢印A方向)に沿った長さaを5.0mmとし、当該被処理基板の搬送方向と直交する方向に沿った長さbを3.0mmとした。また、支持突起は、図4に示す如くの1箇所のみに配置し、その配置位置は、図4に示す距離lが19.3cmとなる位置とした。ここで、搬送ローラの配置間隔Lは、38.1cmであるため、上記距離lと配置間隔Lの比l/Lは、0.507である。
比較例においては、いずれも被処理基板の裏面(すなわち下面)の周縁に、端部からの幅が4.0mm〜7.0mm程度の膜(図12において符号102で示す如くの膜)が成膜された。当該膜が成膜された理由は、いずれもプラズマの回り込みが生じたためと推測される。
これに対し、実施例においては、いずれも被処理基板の裏面に膜が成膜されなかった。これは、上述した成膜防止部材を設置したことにより、プラズマの回り込みが防止されたためと推測される。
以上により、本発明を適用することによってプラズマの回り込みを効果的に抑制して被処理基板の意図しない部分に膜が成膜されることを防止することができることが実験的に確認された。
今回開示した上記各実施の形態および実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって画定され、また特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
1A,1B インライン型プラズマCVD装置、1C,1D インライン型プラズマスパッタ装置、2 チャンバ、2a 搬入口、2b 搬出口、2c ガス排出部、3 搬送ローラ、3a ローラ部、3b シャフト部、4 搬送路、5 成膜防止部材、5a 成膜防止面、5b 突出部、6 支持突起、6a 接触部、10 ガス導入管、11 アノード、12 カソード、13 高周波電源、14 整合器、20 ガス導入管、21 カソード、22a 中央磁石、22b 外周磁石、23 電源接続部、24 カソードシールド、25 絶縁体、26 冷却水導入管、27 冷却水排出管、28 材料ターゲット、29 支持枠、100 被処理基板、102 膜。

Claims (11)

  1. 被処理基板を搬送するための搬送路と、
    前記搬送路の下方に位置し、被処理基板の下面を支持しつつ支持した被処理基板を前記搬送路上において搬送する搬送手段と、
    前記搬送路上を搬送される被処理基板の上面に面するようにプラズマを生成することで被処理基板の上面に膜を成膜するプラズマ生成部と、
    前記搬送路の下方に位置し、前記搬送路上を搬送される被処理基板の下面に膜が成膜されることを防止する成膜防止部材とを備え、
    前記搬送手段は、被処理基板の搬送方向に沿って配置された複数の搬送ローラを含み、
    前記成膜防止部材は、プラズマが生成される領域に前記搬送路を挟んで対面する領域でかつ前記搬送ローラが位置する部分を除く領域を上方から見て実質的に満たすように配置され、前記搬送路上を搬送される被処理基板の下面に対面するように設けられてなる平面状の成膜防止面を少なくとも含み、
    被処理基板の搬送方向と直交する方向における前記成膜防止面の幅が、被処理基板の搬送方向と直交する方向における被処理基板の幅よりも大きい、インライン型プラズマ成膜装置。
  2. 前記成膜防止面が、前記搬送路上を搬送される被処理基板の下面との間の距離が0mmより大きく5.0mm以下となる位置に設けられている、請求項1に記載のインライン型プラズマ成膜装置。
  3. 前記搬送ローラの各々は、被処理基板の搬送方向と直交する方向に沿って配置された複数のローラ部を有し、
    被処理基板の搬送方向と直交する方向における前記成膜防止面の幅が、被処理基板の搬送方向と直交する方向に沿って配置された前記ローラ部の配置間隔よりも大きい、請求項1または2に記載のインライン型プラズマ成膜装置。
  4. 前記成膜防止部材が、前記成膜防止面から前記搬送路側に向けて突出して設けられ、前記搬送路上を搬送される被処理基板の下面に当接して被処理基板を支持する支持突起を含んでいる、請求項1から3のいずれかに記載のインライン型プラズマ成膜装置。
  5. 前記成膜防止面を基準とした前記支持突起の支持高さが、0mmより大きく5.0mm以下である、請求項4に記載のインライン型プラズマ成膜装置。
  6. 前記支持突起が、前記成膜防止部材に対して着脱自在に設けられる、請求項4または5に記載のインライン型プラズマ成膜装置。
  7. 前記支持突起が、四フッ化エチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂およびポリ塩化ビニル系樹脂からなる群から選択される一の樹脂を主原料として含んでいる、請求項4から6のいずれかに記載のインライン型プラズマ成膜装置。
  8. 前記支持突起が、前記搬送路上を搬送される被処理基板の下面と点接触または線接触可能な形状を有している、請求項4から7のいずれかに記載のインライン型プラズマ成膜装置。
  9. 前記支持突起が、半円柱形状または半球形状を有している、請求項8に記載のインライン型プラズマ成膜装置。
  10. 被処理基板の搬送方向に沿って配置された前記搬送ローラの配置間隔をLとし、前記支持突起の被処理基板との当接位置と当該支持突起の下流側に位置する前記搬送ローラの配置位置との間の距離をlとした場合に、前記配置間隔Lおよび前記距離lが、0.30≦l/L≦0.55の条件を充足している、請求項4から9のいずれかに記載のインライン型プラズマ成膜装置。
  11. 請求項1から10のいずれかに記載のインライン型プラズマ成膜装置を用いて被処理基板の上面に成膜を行なうことを特徴とする、プラズマ成膜方法。
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