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JP2011243830A - 圧粉磁芯及びその製造方法 - Google Patents

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JP2011243830A
JP2011243830A JP2010116058A JP2010116058A JP2011243830A JP 2011243830 A JP2011243830 A JP 2011243830A JP 2010116058 A JP2010116058 A JP 2010116058A JP 2010116058 A JP2010116058 A JP 2010116058A JP 2011243830 A JP2011243830 A JP 2011243830A
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Yoshihiro Shinkai
芳浩 新海
Seigo Tokoro
誠吾 野老
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Abstract

【課題】高密度化されているとともに、1T磁界及びコアロスが小さく、さらにはコア抵抗が格別に高められた、高性能な圧粉磁芯、及び、そのような高性能な圧粉磁芯を再現性よく簡易且つ低コストで製造し得る、生産性及び経済性に優れる製造方法を提供する。
【解決手段】金属磁性粉末及び該金属磁性粉末の表面に形成された絶縁膜を有する複数の複合磁性粒子と潤滑剤とを少なくとも含有する混合物をコア形状に成形した後に熱処理してなる圧粉磁芯であって、前記金属磁性粉末は、鉄を99%以上含有するものであり、前記潤滑剤は、炭素原子含有潤滑剤であり、炭素含有量が72ppm以下である、圧粉磁芯。圧粉磁芯の作製時においては、加圧成形して得たコアを真空又は炭酸ガス雰囲気中で300〜600℃の熱処理を施すアニール処理を行うことが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、圧粉磁芯及びその製造方法に関する。
従来、モータ、ジェネレータ、リアクトル等の電磁気デバイスに備えられる磁芯として、圧粉磁芯(圧粉コア)が用いられている。この種の圧粉磁芯の性能を評価する項目としては、主に、密度(g/cm3)と、絶縁性を示すコア抵抗(mΩ)と、磁束密度Bが1Tとなる際の磁界Hである1T磁界(A/m)と、磁芯の損失を示すコアロス(W/kg)がある。通常、密度及びコア抵抗が高く、1T磁界が低く(透磁率が高く)、コアロスが低い(渦電流損失及びヒステリシス損失が低い)圧粉磁芯ほど、性能が良いとされている。
かかる圧粉磁芯は、一般に、高密度化及び高コア抵抗を図るとともに1T磁界を低減させるために、リン酸処理などにより薄い絶縁膜が形成された鉄を主成分とする複合磁性粒子(軟磁性粉末、軟磁性材料)をコア形状に加圧成形することにより製造されている。
ここで、コアの加圧成形時には、複合磁性粒子に潤滑剤を添加する試みが為されている。圧粉磁芯の製造において用いられる潤滑剤としては、例えば、特許文献1に示すように、ステアリン酸リチウムが知られている。
また、コアの加圧成形後においては、成形時の圧縮歪を解放して鉄損(コアロス)を低減させるために、熱処理(アニール処理)が一般的に行われている。
ここで、コアロスの小さい圧粉磁芯を得る目的で、コアの熱処理を酸化性雰囲気下で行う試みが為されている。例えば、特許文献2には、ガスアトマイズ法又は高速急冷法により製造されたFe−Al−Si系合金粉末に絶縁剤としてシリコーン樹脂を混合圧縮してコアを成形した後、不活性雰囲気下及び酸素を含有する酸化性雰囲気下でそのコアを500〜900℃で順次熱処理することにより、コアロスの小さい圧粉磁芯が得られると記載されている。また、特許文献3には、ガスアトマイズ法により製造されたFe−Al−Si系合金粉末に結着剤としてシリコーン樹脂を混合圧縮してコアを成形した後、酸素を含有する酸化性雰囲気下でそのコアを500〜800℃で熱処理することにより、コアロスの小さい圧粉磁芯が得られると記載されている。
一方、特許文献4には、軟磁性粉末とこれらを結着する有機バインダーと高級脂肪酸系潤滑剤とを含む圧縮成形体から成る圧粉磁芯において、圧縮成形体を炭酸ガス雰囲気中700〜1000℃の温度で熱処理することにより、低いコアロスと高い透磁率を有する圧粉磁芯が得られると記載されている。
特開2006−183121号公報 特開2001−011563号公報 特開平9−074011号公報 特開2008−140929号公報
現在、圧粉磁芯においては、さらなる高密度化、コアロスの低減、1T磁界の低減、高コア抵抗への要望があり、これらの性能をより一層高めた圧粉磁芯が要望されている。特に、交流磁場で駆動する圧粉磁芯は、一般的に、コアロスの小さいものが要求されている。コアロスの低減には熱処理温度を上げることが効果的だが、リン酸処理等の絶縁処理を行った鉄粉を用いて作製した圧粉磁芯は、リン酸被膜の耐熱性が乏しいため、高温の熱処理によりコア抵抗が低下し易く、渦電流損失が増加する等した結果、コアロスが十分に低減されたものではなかった。
また、上記特許文献2乃至4に記載の圧粉磁芯は、ビッカース硬さが高いFe−Al−Si系合金粉末或いはFe−Si系合金粉末を用いているので、成形性が悪く、その結果、密度が上がらず、1T磁界が大きくなってしまうという問題があった。しかも、上記特許文献2乃至4に記載の圧粉磁芯は、合金粉末の製造が煩雑なため、生産性及び経済性にも劣る。また、上記特許文献2乃至4に記載の圧粉磁芯は、非磁性材料であるシリコーン樹脂を複合磁性粒子に配合しているため、磁気特性が低下する(特にコアロス及び1T磁界が大きくなる)のみならず、密度が激減するという問題もあった。さらに、シリコーン樹脂を配合すると、その乾燥工程が必要になるため、生産性及び経済性が低下する問題も生じる。
本発明は、かかる実情に鑑みて為されたものであり、その目的は、高密度化されているとともに、1T磁界及びコアロスが小さく、さらにはコア抵抗が格別に高められた、高性能な圧粉磁芯、及び、そのような高性能な圧粉磁芯を再現性よく簡易且つ低コストで製造し得る、生産性及び経済性に優れる製造方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、炭素原子含有潤滑剤を含みながらも炭素含有量を72ppm以下に調整した圧粉磁芯を採用することにより、上記課題が解決されることを見出し、また、複合磁性粒子と炭素原子含有潤滑剤とを含有する混合物をコア形状に成形した後に真空又は炭酸ガス雰囲気中で300〜600℃の熱処理を施すことにより、そのような圧粉磁芯を再現性よく簡易且つ低コストで製造し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の圧粉磁芯は、金属磁性粉末及び該金属磁性粉末の表面に形成された絶縁膜を有する複数の複合磁性粒子と潤滑剤とを少なくとも含有する混合物をコア形状に成形した後に熱処理してなる圧粉磁芯であって、前記金属磁性粉末は、鉄を99%以上含有するものであり、前記潤滑剤は、炭素原子含有潤滑剤であり、炭素含有量が72ppm以下であるものである。
本発明者らが、上記の製法により得られる圧粉磁芯の特性を測定したところ、その圧粉磁芯は、従来のものに比して、高密度化され且つ高い透磁率を有するのみならず、高い絶縁性を有しコアロスが小さいことが判明した。かかる効果が奏される作用機構の詳細は、未だ明らかではないものの、例えば、以下のとおり推定される。
すなわち、上記の圧粉磁芯においては、炭素原子含有潤滑剤を含んでいるので、加圧成形時の複合磁性粒子の流動性が向上し、さらに加圧成形時の複合磁性粒子の変形が促進して、高密度化が促進されたものとなり得る。また、その炭素原子含有潤滑剤自身が複合磁性粒子間に介在する絶縁層として機能する、さらには絶縁膜によって被覆されずに金属磁性粉末の表面が露出した部分が存在或いは生じても金属磁性粉末表面及び/又は絶縁膜上に潤滑剤が被覆することにより、高度な絶縁性が付与(回復)されたものとなり得る。しかも、ここで使用している鉄を99%以上含有する金属磁性粉末は、上記従来のFe−Al−Si系合金粉末やFe−Si系合金粉末などの純度99%未満の鉄系の金属磁性粉末に比して、粒子のビッカース硬さが低く、成形性に優れる傾向にあるので、これを用いることにより、より一層の高密度化が図られ、これにともない、高強度化及び1T磁界が低下される。さらには、鉄を99%以上含有する純鉄は、上記従来のFe−Al−Si系合金粉末やFe−Si系合金粉末などに比して、極めて安価に得ることができるので、これを採用することにより、圧粉磁芯の低コスト化が図られる。とりわけ、上記の圧粉磁芯においては、炭素原子含有潤滑剤を含みながらも、その圧粉磁芯を粉砕した粉末の炭素含有量が72ppm以下に調整されており、換言すれば、炭素含有量が極めて少ない圧粉磁芯とされている。このように炭素含有量が少ない圧粉磁芯は、電気抵抗が高められたものとなり、その結果、1T磁界及びコアロスが格別に低下されたものとなり得る。そのため、上記の圧粉磁芯においては、高密度化が図られ、高度の絶縁性が付与(回復)されたものとなるとともに、電気抵抗が高められ、渦電流損失が低下して、1T磁界及びコアロスが格別に低下したものになると推察される。但し、作用は、これらに限定されない。
ここで、前記炭素原子含有潤滑剤の炭素含有量は、前記混合物の総量に対して0.27wt%以下であることが好ましい。このような炭素原子含有潤滑剤を用いることにより、炭素含有量が72ppm以下に調整された圧粉磁芯が再現性よく簡易且つ低コストで実現され得る。
また、前記炭素原子含有潤滑剤は、金属石鹸であることが好ましい。かかる金属石鹸は、加圧成形時に複合磁性粒子の周囲に均一な被膜を形成し易く、また、絶縁性にも優れるので、上記の圧粉磁芯において好適に用いることができる。
さらに、前記炭素原子含有潤滑剤は、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸銅、及び、オレイン酸亜鉛からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。これらは、従来の圧粉磁芯の製造において潤滑剤として一般的に用いられるステアリン酸リチウム(融点:220℃)に比して融点が低く、室温25℃〜200℃以下の加圧成形条件下において溶融又は十分に軟化し得る。そのため、このような融点の低い炭素原子含有潤滑剤を用いることにより、より一層の高密度化が図られるとともに高い絶縁性が付与(回復)され、その結果、電気抵抗が高められ、渦電流損失が低下し、1T磁界及びコアロスが格別に低下する。
さらに加えて、上記の圧粉磁芯は、前記複合磁性粒子と前記炭素原子含有潤滑剤とを少なくとも含有する混合物をコア形状に加圧成形した後に真空又は炭酸ガス雰囲気中で300〜600℃の熱処理を施すことにより得られるものであることが好ましい。後述するが、このような真空又は炭酸ガス雰囲気中で300〜600℃の熱処理(アニール処理)を採用することにより、炭素原子含有潤滑剤を含みながらも炭素含有量を72ppm以下に調整された圧粉磁芯が再現性よく簡易且つ低コストで実現することができるので、生産性及び経済性が高められる。また、従来技術に対して比較的に低温の300〜600℃の処理温度とすることにより、高温処理による性能劣化を抑制することも可能となる。そのため、高密度化が図られ、高度の絶縁性が付与(回復)されるとともに、電気抵抗が高められ、渦電流損失が低下して、1T磁界及びコアロスが格別に低下した高性能な圧粉磁芯が容易に実現される。
そして、上記の圧粉磁芯は、密度が7.50g/cm3以上であるとより好適である。また、上記の圧粉磁芯は、コア抵抗が200mΩ以上であるとより好適である。
一方、本発明の圧粉磁芯の製造方法は、上記本発明の圧粉磁芯を有効に製造し得るものであって、鉄を99%以上含有する金属磁性粉末及び該金属磁性粉末の表面に形成された絶縁膜を有する複数の複合磁性粒子と炭素原子含有潤滑剤とを少なくとも含有する混合物を調製する工程と、前記混合物をコア形状に成形する加圧成形工程と、得られたコアを真空又は炭酸ガス雰囲気中で300〜600℃の熱処理を施して炭素含有量が72ppm以下である圧粉磁芯を作製するアニール処理工程と、を有するものである。この製法によれば、炭素原子含有潤滑剤を含みながらも炭素含有量を72ppm以下に調整された圧粉磁芯が再現性よく簡易且つ低コストで製造し得る。そのため、高密度化が図られ、高度の絶縁性が付与(回復)されるとともに、電気抵抗が高められ、渦電流損失が低下して、1T磁界及びコアロスが格別に低下した圧粉磁芯が容易に実現可能となる。かかる効果が奏される作用機構の詳細は、未だ明らかではないものの、例えば、以下のとおり推定される。
すなわち、上記従来技術のように酸素が多量に含まれる酸化性雰囲気下でアニール処理を行なうと、急激な熱分解が生じて炭素原子含有潤滑剤の不完全燃焼を引き起こすので、炭素原子含有潤滑剤が炭化物或いは煤となって圧粉磁芯に炭素材料が大量に残留する。これに対し、本発明の圧粉磁芯の製造方法では、得られたコアを真空又は炭酸ガス雰囲気中で300〜600℃の熱処理を施しているので、高温処理による性能劣化が抑制されるとともに、コア中に含まれる炭素原子含有潤滑剤が比較的に緩やかに熱分解され、炭素原子含有潤滑剤の一部が炭素水素等として外部に放出され易くなり、その結果、圧粉磁芯に残留する炭素量が低減する。そして、このようにして得られる圧粉磁芯は、製造プロセス時において先に述べた潤滑作用を享受する一方、炭素原子含有潤滑剤に起因する炭化物或いは煤などの炭素含有量が比較的に少なくなるので、電気抵抗がより一層高められる。しかも、残留炭素の還元作用による絶縁膜の破壊を抑制し得るとともに、ヒステリシス損失を増大させ得るヘマタイト(Fe23)の生成をも抑制することもが可能となる。そのため、本発明の圧粉磁芯の製造方法によれば、高密度化が図られ、高度の絶縁性が付与(回復)されるとなるとともに、電気抵抗が高められ、渦電流損失が低下して、1T磁界及びコアロスが格別に低下した圧粉磁芯が再現性よく簡易且つ低コストで製造され得る。但し、作用は、これらに限定されない。
また、上記の圧粉磁芯の製造方法において、前記炭素原子含有潤滑剤の炭素含有量は、前記混合物の総量に対して0.27wt%以下であることが好ましい。このように炭素原子含有潤滑剤を用い、真空又は炭酸ガス雰囲気中で300〜600℃のアニール処理を行うことにより、炭素含有量が72ppm以下に調整された圧粉磁芯を再現性よく簡易且つ確実に実現することができる。
ここで、上記と同様に理由により、上記の圧粉磁芯の製造方法において、前記潤滑剤は、金属石鹸であることが好ましい。また、上記と同様に理由により、前記炭素原子含有潤滑剤は、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸銅、及び、オレイン酸亜鉛からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。さらに、上記と同様に理由により、上記の圧粉磁芯の製造方法において、前記金属磁性粉末は、鉄を99%以上含有するものが好ましい。
本発明によれば、高密度化されているとともに、1T磁界及びコアロスが小さく、さらにはコア抵抗が格別に高められた、高性能な圧粉磁芯、及び、そのような高性能な圧粉磁芯を再現性よく簡易且つ低コストで製造し得る、生産性及び経済性に優れる製造方法が実現される。
本実施形態の圧粉磁芯の製造方法を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明はその実施の形態のみに限定されるものではない。
本実施形態の圧粉磁芯は、鉄を99wt%以上含有する金属磁性粉末及び該金属磁性粉末の表面に形成された絶縁膜を有する複数の複合磁性粒子と炭素原子含有潤滑剤とを少なくとも含有する混合物をコア形状に成形した後に熱処理してなり、炭素含有量が72ppm以下のものであることを特徴とする。
複合磁性粒子を構成する金属磁性粉末は、鉄(純鉄および不可避的不純物を含む鉄が含まれる。)を主成分とする鉄基粉(粒子、粉末)である。金属磁性粉末の具体例としては、例えば、鉄のみ、鉄に他の元素(例えば、Si、P、Co、Ni、Cr、Al、Mo、Mn、Cu、Sn、Zn、B,V、Snなど)を少量添加した組成物、パーマロイ或いはセンダスト等が挙げられる。これらは、1種のみを単独で、或いは2種以上を組み合わせて、用いることができる。
金属磁性粉末は、鉄を99wt%以上含むもの(純鉄)であることが必要とされる。鉄を99%以上含有する金属磁性粉末は、上記従来のFe−Al−Si系合金粉末やFe−Si系合金粉末などの純度99%未満の鉄系の金属磁性粉末に比して、粒子のビッカース硬さが低く、成形性に優れる傾向にあるので、これを用いることで、より一層の高密度化が図られ、1T磁界の低下が図られる。とりわけ、0.5wt%以下のP、0.1wt%以下のMn、0.03wt%以下のAl、V、Cu、As、Mo、残部が鉄の組成を有するものが、より好ましい。
金属磁性粉末の粒径は、特に限定されず、所望の性能に応じて適宜設定すればよい。なお、金属磁性粉末の粒径は、形成される圧粉磁芯の密度及び1T磁界に影響を与え、粒径が大きいと加圧成形時の圧力により複合磁性粒子が変形し、密度が上がりやすい傾向にある。そのため、金属磁性粉末の平均粒径は、例えば、20〜300μm程度が好ましい。なお、ここでいう平均粒径とは、乾式のレーザー回折散乱式の粒子径分布測定装置によって測定される値(D50%粒子径)を意味する。
金属磁性粉末は、公知の方法により製造することができ、その製法は特に限定されない。例えば、鉱石還元法、メカニカルアロイ法、ガスアトマイズ法、水アトマイズ法、回転アトマイズ法、鋳造粉裁法等の公知の製法を用いて、任意の組成及び任意の粒径の金属磁性粉末を得ることができる。上述した好ましい組成及び粒径を有するものが簡易且つ低コストで得られる観点から、還元法により製造された還元鉄粉が好ましく、カルボニル法により製造されたカルボニル還元鉄粉がより好ましい。ここで、カルボニル法とは、鉄に一酸化炭素を反応させてペンタカルボニル鉄を得た後、これを蒸留・熱分解することにより、カルボニル鉄粉を得るものである。なお、カルボニル還元鉄粉は、通常、得られたカルボニル鉄粉を水素還元することにより得られる。
複合磁性粒子を構成する絶縁膜は、金属磁性粉末の表面に形成されており、金属磁性粉末に絶縁性を付与している。絶縁膜は、金属磁性粉末の表面に絶縁性を付与するものであれば特に限定されない。絶縁膜の具体例としては、例えば、リン酸鉄、ホウ酸鉄、硫酸鉄、硝酸鉄、酢酸鉄、炭酸鉄、シリカ、チタニア、ジルコニア、マグネシア、アルミナ、酸化クロム、酸化亜鉛等の無機化合物が挙げられる。これらは、1種のみを単独で、或いは2種以上を組み合わせて、用いることができる。耐熱性の観点から、好ましい絶縁膜としては、リン酸鉄、シリカ、チタニア、ジルコニア、マグネシア、アルミナ、酸化クロム、酸化亜鉛等であり、より好ましくはリン酸鉄である。リン酸処理などにより形成されるリン酸鉄は、強磁性を有しないため磁気的な悪影響が小さく、また化合物として安定であることから防錆効果も期待することができる。
絶縁膜の厚みは、特に限定されないが、0.001〜30μm程度であることが好ましい。かかる範囲内であると、目的とする絶縁性及び1T磁界を担保し易い傾向にある。
炭素含有潤滑剤は、構成元素として炭素を含有するものであり、加圧成形時の際の複合磁性粒子の流動性を向上させ、圧力印加の際の複合磁性粒子の変形を促進するとともに、金属磁性粉末間に介在する絶縁層、並びに、複合磁性粒子間及び金属磁性粉末間に介在する保護膜としても機能し得る。
かかる炭素含有潤滑剤としては、炭素原子を含有する化合物であるものであれば、当業界で公知のものを適宜選択して用いることができ、特に限定されない。加圧成形時に複合磁性粒子の周囲に均一な被膜を形成し易く、また、絶縁性にも優れる観点から、炭素含有潤滑剤は、金属石鹸であることが好ましい。
金属石鹸の具体例としては、特に限定されないが、例えば、例えば、オレイン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミ、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸銅等が挙げられる。これらは、1種のみを単独で、或いは2種以上を組み合わせて、用いることができる。これらの中でも、従来技術において使用されているステアリン酸リチウムに比して融点が低く、低温アニール処理を実施し得る観点から、ステアリン酸亜鉛(融点127℃)、ステアリン酸アルミニウム(融点160℃)、ステアリン酸カルシウム(融点150℃)、ステアリン酸銅(融点125℃)、及び、オレイン酸亜鉛(融点78℃)が好ましく、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸銅及びオレイン酸亜鉛がより好ましく、ステアリン酸亜鉛及びオレイン酸亜鉛が特に好ましい。これらは、比較的に炭素含有量が少なく、また、ステアリン酸リチウムに比して、加圧成形時の昇温により固相状態から固相と液相との中間状態(軟化状態)へ、さらには溶融状態へと変化し易く、かかる状態変化に伴って流動性が向上し、複合磁性粒子間に入り込み易くなるとともに、複合磁性粒子(金属磁性粉末)の周囲を十分に且つ均一に被覆し得る。したがって、ステアリン酸リチウムに比して融点が低い金属石鹸を用いることにより、得られる圧粉磁芯の高密度化及びコア抵抗が図られ、これにより、1T磁界及びコアロスが十分に低減される。
本実施形態の圧粉磁芯は、上述した複合磁性粒子と炭素含有潤滑剤との混合物をコア形状に成形した後に熱処理することにより、製造することができる。
上述した混合物における炭素含有潤滑剤の配合割合は、使用する炭素含有潤滑剤の性状によって異なり、特に限定されないが、複合磁性粒子及び炭素含有潤滑剤の混合物の総量に対して、0.02wt%以上0.45wt%以下であることが好ましく、より好ましくは、0.1wt%以上0.3wt%以下である。炭素含有潤滑剤の配合量が0.02wt%未満であると、複合磁性粒子の周囲に炭素含有潤滑剤が均一に行き渡り難くなり、絶縁性を担保し難くなる傾向にある。一方、炭素含有潤滑剤の配合量が0.45wt%を超えると、炭素含有潤滑剤の配合効果が飽和する傾向にあるとともに、得られる圧粉磁芯の炭素含有量を72ppm以下に調製することが困難になる傾向がある。また、複合磁性粒子の含有率が低下するので、高密度化及び1T磁界の低下を図り難くなる傾向にある。
上述した混合物は、必要に応じて、絶縁性樹脂、SiO2やAl23等の無機材料、他の潤滑剤、分散剤、成形助剤、硬化剤、架橋剤等、当業界において公知の添加剤を含んでいてもよい。例えば、混合物に絶縁性樹脂を配合し、複合磁性粒子の表面の一部又は全部をコーティングすることにより、粒子間の絶縁性を高め得るとともに、圧粉磁芯の成形時の成形性を高め得る。このような絶縁性樹脂としては、例えば、シリコーン樹脂、アジン樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂及びエポキシ樹脂等の各種有機高分子樹脂が挙げられる。但し、得られるコアの低温アニール処理を実施可能とし、さらに絶縁性樹脂、高密度化、高強度化及び1T磁界の低下をより一層推進する観点から、混合物は絶縁性樹脂を含まないことが好ましく、また、かくして得られる圧粉磁芯は絶縁性樹脂を含まないことが好ましい。
上述した混合物をコア形状に成形した後に熱処理して得られる本実施形態の圧粉磁芯は、炭素含有量が72ppm以下であることが必要とされる。本明細書において、圧粉磁芯の炭素含有量は、圧粉磁芯を粉砕して得られる粉末の炭素量分析を行って得られる測定値とする。このように炭素含有量が72ppm以下と極めて少ない圧粉磁芯は、電気抵抗が高められたものとなり、その結果、1T磁界及びコアロスが格別に低下されたものとなる。そのため、本実施形態の圧粉磁芯においては、上記の炭素原子含有潤滑剤の潤滑作用と相まって、高密度化が図られ、高度の絶縁性が付与(回復)されたものとなるとともに、電気抵抗が高められ、渦電流損失が低下して、1T磁界及びコアロスが格別に低下したものとなる。
以下、本実施形態の圧粉磁芯の好ましい製造方法につき、さらに詳述する。
図1は、本実施形態の圧粉磁芯の製造工程を示すフローチャートである。ここでは、金属磁性粉末の表面に絶縁膜を有する複合磁性粒子を準備する工程(S1)と、複合磁性粒子に炭素含有潤滑剤を少なくとも配合して混合物を調製する工程(S2)と、かくして得られる混合物、すなわち複合磁性粒子及び炭素含有潤滑剤を少なくとも含有するものをコア形状に加圧成形する工程(S3)と、この加圧成形後に得られるコアを真空又は炭酸ガス雰囲気中で300〜600℃の熱処理(アニール処理)する工程(S4)とを経て、本実施形態の圧粉磁芯が作製される。
複合磁性粒子を準備する工程(S1)では、金属磁性粉末より好ましくは鉄を99%以上含有する金属磁性粉末の表面を絶縁処理して絶縁膜を形成する(S1a)ことにより、複合磁性粒子を得る。金属磁性粉末の絶縁処理方法は、上記で例示した組成の絶縁膜を形成し得るものであれば特に限定されず、例えば、リン酸及び/又はリン酸塩を含有する水溶液(例えば、オルトリン酸(H3PO4)の80〜90%水溶液等)を用いて金属磁性粉末を処理してリン酸被膜を形成した後に自然乾燥する或いはホットプレート等により70℃程度で乾燥する等、公知の手法を適宜採用できる。なお、金属磁性粉末の表面に絶縁膜が形成された複合磁性粒子の市販品を予め入手することにより、上記S1a工程を省略することもできる。
複合磁性粒子に炭素含有潤滑剤を配合する工程(S2)では、複合磁性粒子に対して所定量の炭素含有潤滑剤を添加する。炭素含有潤滑剤の配合量は、使用する炭素含有潤滑剤の性状によって異なり、特に限定されないが、複合磁性粒子及び炭素含有潤滑剤の混合物の総量に対して、0.02wt%以上0.45wt%以下であることが好ましく、より好ましくは、0.1wt%以上0.3wt%以下である。炭素含有潤滑剤の配合量が0.02wt%未満であると、複合磁性粒子の周囲に炭素含有潤滑剤が均一に行き渡り難くなり、絶縁性を担保し難くなる傾向にある。一方、炭素含有潤滑剤の配合量が0.45wt%を超えると、炭素含有潤滑剤の配合効果が飽和する傾向にあるとともに、得られる圧粉磁芯の炭素含有量を72ppm以下に調製することが困難になる傾向がある。また、複合磁性粒子の含有率が低下するので、高密度化及び1T磁界の低下を図り難くなる傾向にある。
複合磁性粒子に炭素含有潤滑剤を配合する工程(S2)では、添加した炭素含有潤滑剤を複合磁性粒子に均一に行き渡らせるために、かかる混合物を混練することが好ましい。混練は、公知の方法により行えばよく、特に限定されないが、混合機、混練機、造粒機、攪拌機又は分散機等(例えば、アタライタ、振動ミル、ボールミル、ビーズミル、プラネタリーミキサー、オープンニーダー、ヘンシェルミキサー、ホモジナイザーVミキサー、流動造粒機、転動造粒機等)を用いて行うことが好ましい。なお、混合時には、均一分散の観点から、溶媒の存在下で行ってもよい。ここで使用可能な溶媒としては、例えば、鉱物油、合成油、植物油等の油や、アセトン、トルエン、アルコールといった有機溶媒等が挙げられるが、これらに特に限定されない。
混合物をコア形状に加圧成形する工程(S3)では、上記のようにして得られる複合磁性粒子及び炭素含有潤滑剤の混合物(混錬物)に熱及び圧力を印加しながら、任意のコア形状に成形する。かかる加圧成形は、公知の方法により行えばよく、特に限定されないが、所望する形状のキャビティを有する成形金型を用い、そのキャビティ内に混合物を充填し、所定の成形温度及び所定の成形圧力でその混合物を圧縮成形することが好ましい。なお、加圧成形時においては、成形金型に、高級脂肪酸や金属石鹸などを用いて、当業界で公知の金型潤滑を施してもよい。
加圧成形時の成形温度は、特に限定されないが、通常、室温25℃〜200℃である。成形温度は、使用する複合磁性粒子及び炭素含有潤滑剤や、目的とする圧粉磁芯の性能によって異なり、特に限定されない。例えば、50℃以上160℃以下、より好ましくは80℃以上140℃以下の条件下で温間成形することにより、得られるコアの密度が向上する傾向にある。一方、室温〜50℃未満の条件下で成形することにより、電気抵抗を高められる傾向にある。
加圧成形時の成形圧力は、特に限定されないが、通常、4〜12ton/cm2程度とされる。加圧成形時の成形圧力が6ton/cm2を下回ると、加圧成形による高密度化及び1T磁界の低減を図り難くなる傾向にある。一方、加圧成形時の成形圧力が12ton/cm2を上回ると、圧力印加効果が飽和する傾向にあるとともに、製造コストが増加して生産性及び経済性が損なわれ得る傾向にあり、また、成形金型が劣化し易くなり耐久性が低下する傾向にある。なお、成形時間は、使用する素材(複合磁性粒子、炭素含有潤滑剤等)及びこれらの使用量、並びに、所望する圧粉磁芯の形状、寸法及び密度などに応じて適宜決定することができ、特に限定されないが、通常、最大圧力に保持する時間を0.1秒間〜1分間程度とすることが好ましい。
得られたコアをアニール処理する工程(S4)では、加圧成形時において発生する圧縮歪を解放してコアロス(特に、ヒステリシス損失)を低減させる。かかるアニール処理は、公知の方法により行えばよく、特に限定されないが、一般的には、加圧成形により任意のコア形状に成形されたコアを、アニール炉を用いて所定の温度で熱処理することにより行うことが好ましい。
アニール処理時の処理温度は、特に限定されないが、コアロスを低減させるとともに高温処理による性能劣化が抑制する観点から、300〜600℃が好ましい。処理温度が600℃を超えると、絶縁膜の分解が促進されて絶縁性が損なわれ、電気抵抗が小さくなる傾向にあり、処理温度が300℃を下回ると、圧縮歪を十分に開放することができない傾向にあり、コアロスを十分に低減し得なくなる傾向にある。これらの観点から、アニール処理時の処理温度は、350℃以上550℃以下が好ましく、より好ましくは500℃未満である。なお、アニール処理時の処理時間は、特に限定されないが、一般的には、10分〜3時間程度が好ましい。
アニール処理時の処理雰囲気は、酸素濃度が低い真空雰囲気又は炭酸ガス雰囲気であることが好ましく、酸素濃度が低い真空雰囲気であることが特に好ましい。換言すれば、アニール処理時の処理雰囲気は、弱酸化性雰囲気であることが好ましい。ここで、酸素濃度が低い真空雰囲気又は炭酸ガス雰囲気とは、真空度が0.1Pa以上20Pa以下の雰囲気、又は、炭酸ガスを導入した雰囲気を意味する。使用する炭素原子含有潤滑剤の熱分解温度により異なるが、400〜500℃程度で熱分解を開始する炭素原子含有潤滑剤を用いた場合、真空又は炭酸ガス雰囲気下で300〜600℃のアニール処理を行うことにより、コア中に含まれる炭素原子含有潤滑剤が比較的に緩やかに熱分解され、炭素原子含有潤滑剤の一部が炭素水素等として外部に放出され易くなり、その結果、圧粉磁芯に残留する炭素量が低減する。また、絶縁膜の分解が抑制されてコア抵抗を格別に高めることができるとともに、コアロスを著しく低下させることができる。
なお、必要に応じて、熱処理工程の後に、圧粉磁芯に防錆処理を施す防錆処理工程を経てもよい。防錆処理は、公知の手法にしたがって行えばよく、例えば、エポキシ樹脂等をスプレーコートする等して行う。スプレーコートによる膜厚は、通常、数十μm程度である。また、定法にしたがい、防錆処理を施した後には、再度、熱処理を行うことが望ましい。
かくして得られる圧粉磁芯は、密度(成形密度)が7.50g/cm3以上であることが好ましい。密度が7.50g/cm3以上に高密度化された圧粉磁芯は、高強度、高コア抵抗(高絶縁性)、低1T磁界(高透磁率)、低コアロスといった各種性能においても優れる傾向にある。なお、圧粉磁芯の高密度化は、磁気特性及び機械特性の向上のために好ましいが、使用する素材(複合磁性粒子、炭素含有潤滑剤等)及びこれらの使用量によって技術上の限界がある。したがって、成形密度7.50g/cm3以上を実現できる組成及び配合を見出したという点において、本実施形態の圧粉磁芯は有意なものであると言える。
また、かくして得られる圧粉磁芯は、密度(成形密度)が7.50g/cm3以上であるとともにコア抵抗が200mΩ以上であることが好ましい。密度が7.50g/cm3以上に高密度化されるとともにコア抵抗が200mΩ以上に高められた圧粉磁芯を実現した点において、本実施形態の圧粉磁芯は有意なものであると言える。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1〜4)
まず、鉄を99%以上含有する金属磁性粉末の表面に絶縁膜としてリン酸鉄被膜が形成された複合磁性粉末(絶縁膜付き純鉄、ヘガネス社製、商品名:Somaloy 700、平均粒径D50:210μm)を準備した。次に、炭素含有潤滑剤として所定量(0.1wt%、0.2wt%、0.3wt%、0.4wt%)のステアリン酸亜鉛を添加し、その混合物を混合機(筒井理化学器械製、商品名:Vミキサー)に入れ、回転数12rpmで10分間処理した。次いで、得られた混合物(混錬物)を、室温25℃で成形圧力980Mpa(10ton/cm2)の条件下において加圧成形し、17.5mm×10.0mm、厚さ約4.0mmの成形体(コア)を作製した。その後、得られたコアを、以下の条件でアニール処理することにより、実施例1〜4の圧粉磁芯を作製した。アニール処理は、炭酸ガス雰囲気下(流量:3L/min)にて、5℃/minで450℃まで昇温し、そのまま450℃で1時間保持した後、室温まで自然冷却することにより行った。
(実施例5〜8)
アニール処理を以下の条件で行なうこと以外は、実施例1〜4と同様に処理して、実施例5〜8の圧粉磁芯を作製した。アニール処理は、真空度が20Pa以下の真空雰囲気下にて、5℃/minで450℃まで昇温し、そのまま450℃で1時間保持した後、室温まで自然冷却することにより行った。
(比較例1〜4)
アニール処理を省略すること以外は、実施例1〜4と同様に処理して、比較例1〜4の圧粉磁芯を作製した。
(比較例5〜8)
アニール処理を以下の条件で行なうこと以外は、実施例1〜4と同様に処理して、比較例5〜8の圧粉磁芯を作製した。アニール処理は、窒素ガス雰囲気下(流量:3L/min)にて5℃/minで160℃まで昇温した後、大気開放して(流量:3L/min)5℃/minで450℃まで昇温し、450℃で1時間保持した後、室温まで自然冷却することにより行った。
(比較例9〜10)
炭素含有潤滑剤の添加量を、0.5wt%及び0.6wt%に各々変更すること以外は、実施例5と同様に処理して、比較例9〜10の圧粉磁芯を作製した。
[評価]
実施例1〜8の圧粉磁芯及び比較例1〜10の圧粉磁芯について、各種性能の測定を行った。表1に、評価結果を示す。また、炭素含有潤滑剤の配合量、及び、混合物に対する炭素含有潤滑剤の炭素含有量についても、表1に併せて示した。
なお、1T磁界(A/m)、1Tの際の1kHzコアロス(W/g)は、B-H/μ ANALYZR (IWASTU製、SY-8258)及び直流磁化測定装置(METRON SK110)を用いて測定した。また、密度(g/cm3)は、トロイダルコアの電子天秤により計測した重さとマイクロメータを用いて測定した体積から求めた。さらに、コア抵抗(mΩ)は、トロイダルコアを研磨してIn−Gaペーストを塗り、その両端の抵抗値を、抵抗計(TSURUGA製、Model 3569)を用いて4端子法で測定した。一方、圧粉磁芯の炭素含有量については、圧粉磁芯をサンドブラストで表面をきれいにした後、砕いて得た粉末全量を用い、炭素硫黄同時分析装置(LECO社製、CS600)を用いて測定した。
表1に示すとおり、実施例1〜8の圧粉磁芯は、1T磁界及び1kHzコアロスが小さく、さらにはコア抵抗が高められた、高性能な圧粉磁芯であることが確認された。また、実施例1〜8の圧粉磁芯は、比較例4〜10の圧粉磁芯に比して、炭素量が少なく、コア抵抗が高いものであることが確認された。
さらに、比較例1〜4と比較例5〜8との対比から、アニール処理を行うことにより、炭素含有量を大幅に激減でき、1T磁界及び1kHzコアロスを低減できる一方、コア抵抗が大幅に低下することが示された。そして、実施例1〜8と比較例4〜8との対比から、アニール処理として、真空又は炭酸ガス雰囲気中で300〜600℃の熱処理を施すことにより、1T磁界及び1kHzコアロスが小さく、炭素含有量が少なく、さらにはコア抵抗がに高められた、高性能な圧粉磁芯が得られることが確認された。
なお、上述したとおり、本発明は、上記実施形態及び実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更を加えることが可能である。
以上説明した通り、本発明の圧粉磁芯及びその製造方法は、電気・磁気デバイス、及びそれらを備える各種機器、設備、システム等に広く且つ有効に利用可能である。

Claims (6)

  1. 金属磁性粉末及び該金属磁性粉末の表面に形成された絶縁膜を有する複数の複合磁性粒子と潤滑剤とを少なくとも含有する混合物をコア形状に成形した後に熱処理してなる圧粉磁芯であって、
    前記金属磁性粉末は、鉄を99%以上含有するものであり、
    前記潤滑剤は、炭素原子含有潤滑剤であり、
    炭素含有量が72ppm以下である、
    圧粉磁芯。
  2. 前記炭素原子含有潤滑剤の炭素含有量が、前記混合物の総量に対して0.27wt%以下である、
    請求項1に記載の圧粉磁芯。
  3. 前記炭素原子含有潤滑剤は、金属石鹸である、
    請求項1又は2に記載の圧粉磁芯。
  4. 前記炭素原子含有潤滑剤は、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸銅、及び、オレイン酸亜鉛からなる群より選択される少なくとも1種である、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の圧粉磁芯。
  5. 前記複合磁性粒子と前記炭素原子含有潤滑剤とを少なくとも含有する混合物をコア形状に加圧成形した後に真空又は炭酸ガス雰囲気中で300〜600℃の熱処理を施すことにより得られる、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の圧粉磁芯。
  6. 圧粉磁芯の製造方法であって、
    鉄を99%以上含有する金属磁性粉末及び該金属磁性粉末の表面に形成された絶縁膜を有する複数の複合磁性粒子と炭素原子含有潤滑剤とを少なくとも含有する混合物を調製する工程と、
    前記混合物をコア形状に成形する加圧成形工程と、
    得られたコアを真空又は炭酸ガス雰囲気中で300〜600℃の熱処理を施して炭素含有量が72ppm以下である圧粉磁芯を作製するアニール処理工程と、を有する、
    圧粉磁芯の製造方法。
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