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JP2011115681A - 不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸合成用触媒 - Google Patents

不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸合成用触媒 Download PDF

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JP2011115681A JP2009273282A JP2009273282A JP2011115681A JP 2011115681 A JP2011115681 A JP 2011115681A JP 2009273282 A JP2009273282 A JP 2009273282A JP 2009273282 A JP2009273282 A JP 2009273282A JP 2011115681 A JP2011115681 A JP 2011115681A
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Kohei Yamada
耕平 山田
Tomomasa Tatsumi
奉正 辰已
Masahide Kondo
正英 近藤
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Abstract

【課題】触媒活性および選択性に優れた不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸合成用触媒の提供。
【解決手段】少なくともモリブデン、鉄およびコバルトを含む複合酸化物の粒子からなり、該粒子が下記式(i)および(ii)を満足する、不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸合成用触媒。B/A≦0.8 …(i)、D/C≦0.7 …(ii)[式中、Aは当該粒子のバルク組成におけるFe/Mo原子比を示し、Bは当該粒子の表面組成におけるFe/Mo原子比を示し、Cは当該粒子のバルク組成におけるCo/Mo原子比を示し、Dは当該粒子の表面組成におけるCo/Mo原子比を示す。]
【選択図】なし

Description

本発明は、不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸合成用触媒に関する。より詳しくは、プロピレン、イソブチレン、第三級ブタノール(以下、TBAと略記する。)またはメチル第三級ブチルエーテル(以下、MTBEと略記する。)を分子状酸素により気相接触酸化して、それぞれに対応する不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸を合成する際に用いられる触媒に関する。
従来、プロピレン、イソブチレン、TBAまたはMTBEを高温下で気相接触酸化して、それぞれに対応する不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸を製造する際に用いられる触媒として、モリブデン、鉄等の複数の元素を触媒成分として含む複合酸化物が用いられている。このような触媒やその製造方法について数多く提案がなされており、たとえば特許文献1には、所定の触媒成分を含む水性スラリーを加熱処理し、得られたスラリー状物を乾燥、焼成して複合酸化物を得る際に、加熱処理後のスラリー状物中の固形物のX線回折像における三酸化アンチモンの結晶相に起因するピーク強度を、モリブデン酸コバルトに起因するピーク強度の20%以下とすることが開示されている。また、特許文献2には、触媒成分を含む水性スラリーの粒子を微粒化した後、スプレー乾燥機を用いて球状粒子とし、焼成する方法が開示されている。特許文献3には、触媒成分を含む原料塩水溶液を加熱処理して灼熱原料が1%〜5%である触媒前駆体粉末を得、これを成形、焼成する方法が開示されている。
特開平9−57106号公報 特開平10−258233号公報 特開2001−96162号公報
しかしながら、従来の方法で得られる触媒は、触媒活性が必ずしも充分ではなく、イソブチレン等の原料の反応率が低い場合がある。また、選択性が必ずしも充分ではなく、副生物が生じる場合がある。これらの問題は、不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸の収率に影響するため、更なる性能の向上が望まれているのが実状である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、触媒活性および選択性に優れた不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸合成用触媒を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討の結果、少なくともモリブデン、鉄およびコバルトを含む複合酸化物の粒子は、バルクの組成が同じでも、製造条件によって粒子表面のモリブデン、鉄およびコバルトの比率が異なり、その違いが、該粒子を用いた触媒の触媒性能に影響していることを見出し、かかる知見に基づき本発明を完成させた。
本発明は、少なくともモリブデン、鉄およびコバルトを含む複合酸化物の粒子からなり、該粒子が下記式(i)および(ii)を満足する、不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸合成用触媒である。
B/A≦0.8 …(i)
D/C≦0.7 …(ii)
[式中、Aは当該粒子のバルク組成におけるFe/Mo原子比を示し、Bは当該粒子の表面組成におけるFe/Mo原子比を示し、Cは当該粒子のバルク組成におけるCo/Mo原子比を示し、Dは当該粒子の表面組成におけるCo/Mo原子比を示す。]
本発明によれば、触媒活性および選択性に優れた不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸合成用触媒を提供できる。
本発明の不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸合成用触媒(以下、本発明の触媒という。)は、少なくともモリブデン、鉄およびコバルトを含む複合酸化物の粒子からなり、該粒子が下記式(i)および(ii)を満足するものである。
B/A≦0.8 …(i)
D/C≦0.7 …(ii)
[式中、Aは当該粒子のバルク組成におけるFe/Mo原子比を示し、Bは当該粒子の表面組成におけるFe/Mo原子比を示し、Cは当該粒子のバルク組成におけるCo/Mo原子比を示し、Dは当該粒子の表面組成におけるCo/Mo原子比を示す。]
本発明において、「粒子のバルク組成」とは、当該粒子を構成する全元素の組成(原子比率)、つまり複合酸化物の組成(原子比率)を示す。該バルク組成は、当該粒子を溶解した溶液について、ICP(誘導結合高周波プラズマ)発光分析法、原子吸光分析法等による元素分析を行うことにより求められる。また、当該粒子の製造に使用した原料の仕込み量から算出することもできる。
「粒子の表面組成」とは、当該粒子の表層(露出面)を構成する元素の組成(原子比率)を示す。該表面組成は、当該粒子について、X線源としてAl−kα線を使用したX線光電子分光(XPS:X−ray Photoelectron Spectroscopy)分析を行うことにより求められる。
式(i)中、B/Aは、前記粒子のバルク組成におけるFe/Mo原子比に対する、粒子表面組成におけるFe/Mo原子比の比率である。B/Aは0.8以下であり、0.75以下が好ましい。B/Aが0.8を超える場合は、触媒活性の低下につながる。B/Aの下限は特に限定されないが、0.3以上が好ましく、0.4以上がより好ましい。B/Aが0.3未満では、触媒活性の必要以上な向上につながり、不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸の合成の際、目的生成物の選択性の低下等の不具合を生じるおそれがある。
式(ii)中、D/Cは、前記粒子のバルク組成におけるCo/Mo原子比に対する、粒子表面組成におけるCo/Mo原子比の比率である。D/Cは0.7以下である。D/Cが0.7を超えた場合は選択性の低下、ひいては目的生成物(特に不飽和アルデヒド)の収率低下につながる。D/Cの下限は特に限定されないが、0.3以上が好ましい。D/Cが0.3未満では、熱的安定性が不利になるおそれがある。
前記粒子のバルク組成は、少なくともモリブデン、鉄およびコバルトを含むものであればよく、触媒成分として、これら3種以外の元素を含んでもよい。好ましいバルク組成として、下記式(1)で表される組成が挙げられる。
MoBiFeSi …(1)
[式中、Mo、Bi、Fe、SiおよびOはそれぞれモリブデン、ビスマス、鉄、ケイ素および酸素を示す。Mはコバルト、またはコバルトおよびニッケルを示す。Xはクロム、鉛、マンガン、カルシウム、マグネシウム、ニオブ、銀、バリウム、スズ、タンタルおよび亜鉛から選ばれる少なくとも1種の元素を示す。Yはリン、ホウ素、硫黄、セレン、テルル、セリウム、タングステン、アンチモンおよびチタンから選ばれる少なくとも1種の元素を示す。Zはリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムおよびタリウムから選ばれる少なくとも1種の元素を示す。a、b、c、d、e、f、g、hおよびiは各元素の原子比率を表し、a=12のときb=0.01〜3、c=0.01〜5、d=1〜12、e=0〜8、f=0〜5、g=0.001〜2およびh=0〜20であり、iは前記各成分の原子価を満足するのに必要な酸素原子比率である。]
Mがコバルトおよびニッケルを示す場合、つまり複合酸化物がコバルトおよびニッケルの両方を含む場合、dはそれらの合計の原子比率を示す。Xとして2種以上の元素を含む場合、eはそれら2種以上の元素の合計の原子比率を示し、Yにおけるf、Zにおけるgも同様である。
複合酸化物の粒子(以下、複合酸化物粒子という。)は、たとえば、少なくともモリブデン、鉄およびコバルトを含む水性スラリーを調製し、該水性スラリーを加熱処理した後、乾燥、焼成する方法により製造できる。このとき、加熱処理条件を調節することで、前記式(i)および(ii)を満足する複合酸化物粒子が得られる。具体的には、該加熱処理を、80℃以上110℃以下の温度で所定時間行うことにより該複合酸化物粒子が得られる。
以下、複合酸化物粒子の製造方法について、より詳細に説明する。
まず、得ようとする複合酸化物粒子のバルク組成に対応した触媒成分を含む水性スラリーを調製する。触媒成分としては、少なくともモリブデン、鉄およびコバルトを含み、その他任意に、前記式(1)中に示したような元素を含んでいてもよい。
各触媒成分を含む水性スラリーを製造する方法としては、特殊な方法に限定する必要はなく、成分の著しい偏在を伴わない限り、従来からよく知られている蒸発乾固法、沈殿法、酸化物混合法等の種々の方法を用いることができる。
たとえば各触媒成分の原料の所要量を水などの水性媒体中に溶解または懸濁させることにより調製できる。
触媒成分の原料としては、各元素の酸化物、硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、水酸化物、アンモニウム塩、ハロゲン化物等を使用することができる。モリブデン原料としては、たとえばパラモリブデン酸アンモニウム、三酸化モリブデン等が挙げられる。ビスマス原料としては、たとえば、三酸化ビスマス、硝酸ビスマス、炭酸ビスマス、水酸化ビスマス等が使用できる。鉄原料としては、たとえば、硝酸第二鉄、塩化第二鉄等が使用できる。コバルト原料としては、たとえば硝酸コバルト、水酸化コバルト、酸化コバルト、塩化コバルト等が使用できる。
触媒成分の原料は、各元素について1種でもよく、2種以上を併用してもよい。また、硝酸ビスマス等の水に不溶な原料は、予め硝酸等の酸の水溶液に溶かして配合してもよい。
次に、前記水性スラリーを加熱処理する。
加熱処理温度は、80℃以上110℃以下であり、85℃以上105℃以下が好ましい。該温度範囲内において、加熱処理温度が高いほど、B/Aの値が小さくなり、D/Cの値が大きくなる傾向がある。
一方、加熱処理温度が80℃未満では、B/Aの値を0.8以下とすることが難しく、本発明の効果が充分に得られない。これは、触媒構造が安定されにくいため、触媒性能の向上が少ないためと考えられる。加熱処理温度が110℃を超える場合、D/Cの値を0.7以下とすることが難しく、本発明の効果が充分に得られない。また、水分の蒸発が多く、ハンドリングも複雑になり、経済性および操作性の面でも著しく不利となる。
加熱処理時間は、所望のB/AおよびD/Cの値、加熱処理後の水性スラリーの所望の性状(比重、粘度等)を考慮して適宜設定すればよい。触媒性能の向上の観点からは通常30分間以上加熱処理され、上限は、加熱処理後に該水性スラリーがスラリー状態を保持している範囲で適宜設定されるが、B/AおよびD/Cの値を考慮すると、2時間以上8時間以下が好ましく、2.5時間以上6時間以下がより好ましい。該範囲内において、加熱処理時間が長いほど、B/Aの値が小さくなり、D/Cの値が大きくなる傾向ある。
加熱処理後の水性スラリーの比重は1.3g/mL以上1.8g/mL以下であることが好ましい。該比重が1.3g/mL未満では、続く乾燥工程において処理時間が長くなり、1.8g/mLを超える場合では、ハンドリングが難しい。
また、加熱処理後の水性スラリーの粘度は100mPa・s以上であることが好ましく、300mPa・s以上であることがより好ましい。また該粘度は、3000mPa・s以下であることが好ましい。該粘度が100mPa・s未満では、乾燥工程での乾燥時間が長くなり経済性の面で不利となり、3000mPa・sを超える場合、スラリーのハンドリングが難しく操作性の面で不利となる。
次に、前記加熱処理後の水性スラリーを乾燥して粒状の乾燥物(以下、乾燥粒子という。)を得る。この乾燥粒子を焼成することで、目的の複合酸化物粒子が得られる。
乾燥方法としては、種々の方法を用いることが可能であり、例えば、蒸発乾固法、噴霧乾燥法、ドラム乾燥法、気流乾燥法等が挙げられる。乾燥に使用する乾燥機の機種や乾燥時の温度等は特に限定されず、乾燥条件を適宜変えることで目的に応じた乾燥物を得ることができる。なかでも、乾燥粒子、ひいては得られる複合酸化物粒子の平均粒子径を制御し易いことから、噴霧乾燥法を用いることが好ましい。
乾燥条件に特に限定はなく、公知の条件を適用することができ、通常、温度150〜300℃で行われる。
焼成条件に関しても同様に特に限定はなく、公知の条件を適応することができ、通常、200〜550℃で行われる。焼成時間は目的とする触媒によって適宜選択される。焼成は複数回行ってもよい。
本発明において、前記複合酸化物粒子の平均粒子径は、20〜150μmが好ましく、40〜110μmがより好ましい。なお、該平均子径は、レーザ回折・散乱法により測定される値(平均メディアン径)であり、たとえば島津製作所製レーザ回折式粒度分布測定装置SALD−7000を用いて測定できる。
上記複合酸化物粒子は、そのまま粒状の触媒として用いることができる。この場合、流動床で好適に使用される。
該複合酸化物粒子を成形し、成形体として用いてもよい。
複合酸化物粒子の成形方法としては、加圧成形、打錠成形、鋳型成形、押出成形、転動造粒等の公知の成形法を適用できる。
成形する際、本発明の効果を損なわない範囲で、公知の添加剤を添加してもよい。該添加剤としては、たとえばポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース等の有機化合物;グラファイト、ケイソウ土等の無機化合物;ガラス繊維、セラミックファイバー、炭素繊維等の無機ファイバー;等が挙げられる。
成形体の形状は特に限定されず、たとえば円柱状、リング状、球状、不定形状等、任意の形状であってよい。
該複合酸化物粒子を担体に担持させ、担持体として用いてもよい。
担体としては、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、マグネシア、チタニア、シリコンカーバイト等が挙げられる。
上記成形体または担持体は、固定床で好適に使用される。
本発明の触媒は触媒活性が高く、プロピレン、イソブチレン、TBAまたはMTBEを分子状酸素を用いて気相接触酸化する際の反応率の向上に寄与する。また、選択性が高く、生成する不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸の選択率も高い。そのため、反応したプロピレン、イソブチレン、TBAまたはMTBEが、効率よく対応する不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸となる。そのため、本発明の触媒を用いることで、不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸を高収率で得ることができる。
B/AおよびD/Cが所定の範囲以下とすることにより高い収率で目的生成物を得ることができる理由については明らかではないが、B/AおよびD/Cの値が小さいということは、その触媒の粒子構造において粒子表面へのFeおよびCoの露出が少ないということである。よって、触媒粒子がそのような構造をとることにより、触媒粒子の構造安定性が向上している可能性が考えられる。
本発明の触媒を用いた不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸の製造は、たとえば、本発明の触媒の存在下で、プロピレン、イソブチレン、TBAまたはMTBEを分子状酸素により気相接触酸化することにより実施できる。これにより、原料(プロピレン、イソブチレン、TBAまたはMTBE)に対応する不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸が得られる。たとえば原料としてイソブチレンを用いた場合、メタクロレインおよびメタクリル酸が得られる。
このとき、本発明の触媒を担体で希釈して用いてもよい。担体としては、前記担持体の担体として挙げたものと同様のものが挙げられる。
気相接触酸化反応させる際の原料と分子状酸素との比(モル比)は、原料:分子状酸素=1:0.5〜1:3の範囲内が好ましい。
気相接触酸化は、本発明の触媒を用いる以外は公知の方法により実施でき、たとえば原料および分子状酸素を含む原料ガスを該触媒に接触させることにより実施できる。
原料のプロピレン、イソブチレン、TBAまたはMTBEは、窒素ガス、炭酸ガス、希ガス等の不活性ガスで希釈して用いることが好ましい。また、必要に応じて、前記原料ガスに水蒸気を含有させてもよい。原料ガス中の原料の濃度は、1〜10容量%程度が好ましい。
分子状酸素源としては、純酸素ガスでも良いが、工業的には空気が有利である。
反応圧力は常圧ないし数気圧まで用いられる。反応温度は300〜450℃の範囲が好ましい。
以下、本発明を、実施例を用いてより具体的に説明する。
下記実施例および比較例中、「部」は質量部を意味する。
使用した原料(イソブチレン)の反応率、気相接触酸化反応により生成したメタクロレイン(以下、MALと略記する。)およびメタクリル酸(以下、MAAと略記する。)の選択率、MALおよびMAAの合計収率はそれぞれ以下の式により算出した。反応試験分析(反応した原料のモル数、生成したMALおよびMAAそれぞれのモル数の測定)はガスクロマトグラフィーにより行った。
Figure 2011115681
実施例および比較例において、スラリーの比重(g/mL)は、スラリーの一部をサンプリングし、スラリー温度が20℃における体積(mL)と質量(g)を測定し、質量を体積で除して算出した。
スラリーの粘度(mPa・s)は、スラリーの一部をサンプリングし、スラリー温度を20℃とし、固形分が分離しないように充分に攪拌を行った後にB型粘度計を用いて測定した。
複合酸化物粒子の平均粒子径(平均メディアン径)は、島津製作所製粒度分布測定装置SALD−7000を用いて測定した。
複合酸化物粒子のバルク組成におけるFe/Mo原子比およびCo/Mo原子比は、複合酸化物粒子を塩酸に溶解した溶液中の触媒成分量をICP発光分析法と原子吸光分析法により定量して求めた。
複合酸化物粒子の表面組成については、まず、X線光電子分光分析装置(VG社製ESCALAB220iXL)を用い、X線源としてAl−kα線を使用した測定を行い、該測定により得られたXPSスペクトルについて、まず、Mo3dのピーク面積強度、Fe2p3のピーク面積強度およびCo2p3のピーク面積強度を算出し、次いで各々のピーク面積強度について装置固有の相対感度因子による補正を行ったうえでその比率を求めるという手順により、該表面組成におけるFe/Mo原子比およびCo/Mo原子比を求めた。
[実施例1]
60℃の純水2000部に、パラモリブデン酸アンモニウム500部、パラタングステン酸アンモニウム12.4部、硝酸セシウム23.0部、三酸化アンチモン27.4部および三酸化ビスマス33.0部を加え、攪拌した(A液)。
これとは別に、室温の純水1000部に、硝酸第二鉄209.8部、硝酸ニッケル75.5部、硝酸コバルト453.3部、硝酸鉛31.3部および85%リン酸5.6部を順次加え、溶解した(B液)。
A液とB液とを混合してスラリー状物を得た後、撹拌下、95℃にて3時間加熱処理を行った。加熱処理後のスラリー状物の一部を採取し、スラリー温度20℃における比重および粘度を測定したところ、比重は1.4g/mL、粘度は470mPa・sであった。
続いて、該スラリー状物を回転円盤型噴霧乾燥機にて、熱風の導入口における温度を220℃、出口における温度を170℃に制御しながら乾燥した。得られた乾燥粒子を空気雰囲気下、300℃で1時間焼成し、さらに空気雰囲気下500℃で6時間焼成した。
こうして得られた複合酸化物粒子のバルク組成のうち、酸素以外の元素の組成は、
Mo12Bi0.6Fe2.2Sb0.8Ni1.1Co6.6Pb0.40.20.2Cs0.5であった。また、複合酸化物粒子のX線光電子分光分析を行い、表面組成におけるFe/Mo原子比およびCo/Mo原子比を求め、これらの結果から、B/AおよびD/Cの値を求めた。その結果、B/Aは0.72、D/Cは0.49であった。
得られた複合酸化物粒子を加圧成型し、リング形状の成形物(寸法:外径5mm、内径2mm、高さ4mm)を得た。
該成型物をステンレス製反応管に充填し、そこにイソブチレン5%、分子状酸素12%、水蒸気10%および窒素73%(いずれも容量%)の原料ガスを供給し、常圧下、接触時間3.6秒、反応温度340℃の条件で反応させ、イソブチレンを分子状酸素により気相接触酸化した。
その結果、イソブチレンの反応率は98.5%、MALの選択率は92.5%、MAAの選択率は2.9%、合計収率は94.0%であった。
[実施例2]
実施例1と同様にしてA液とB液とを混合したスラリー状物を得、得られたスラリー状物について、撹拌下、105℃にて3時間加熱処理を行った。加熱処理後のスラリー状物の一部を採取し、スラリー温度20℃における比重および粘度を測定したところ、比重は1.7g/mL、粘度は2750mPa・sであった。
続いて、該スラリー状物を実施例1と同様にして噴霧乾燥し、焼成して複合酸化物粒子を得た。該複合酸化物粒子について、実施例1と同様にしてFe/Mo原子比およびCo/Mo原子比を求めたところ、B/Aは0.53であり、D/Cは0.69であった。
該複合酸化物粒子を実施例1と同様にして成形物とし、該成形物を用いて、実施例1と同じ方法により、同じ原料混合ガスを用いて反応を行った。その結果、イソブチレンの反応率は99.0%、MALの選択率は91.3%、MAAの選択率は2.7%、合計収率は93.1%であった。
[比較例1]
実施例1と同様にしてA液とB液とを混合したスラリー状物を得、得られたスラリー状物について、加熱処理を行わずにその一部を採取して、スラリー温度20℃における比重および粘度を測定したところ、比重は1.25g/mL、粘度は35mPa・sであった。
続いて、該スラリー状物を実施例1と同様にして噴霧乾燥し、焼成して複合酸化物粒子を得た。該複合酸化物粒子について、実施例1と同様にしてFe/Mo原子比およびCo/Mo原子比を求めたところ、B/Aは0.95であり、D/Cは0.36であった。
該複合酸化物粒子を実施例1と同様にして成形物とし、該成形物を用いて、実施例1と同じ方法により、同じ原料混合ガスを用いて反応を行った。その結果、イソブチレンの反応率は96.3%、MALの選択率は91.4%、MAAの選択率は0.9%、合計収率は88.9%であった。
[比較例2]
実施例1と同様にしてA液とB液とを混合したスラリー状物を得、得られたスラリー状物について、撹拌下、115℃にて4時間加熱処理を行った。加熱処理後のスラリー状物の一部を採取し、スラリー温度20℃における比重および粘度を測定したところ、比重は1.82g/mL、粘度は3050mPa・sであった。
続いて、該スラリー状物を実施例1と同様にして噴霧乾燥し、焼成して複合酸化物粒子を得た。該複合酸化物粒子について、実施例1と同様にしてFe/Mo原子比およびCo/Mo原子比を求めたところ、B/Aは0.57であり、D/Cは0.81であった。
該複合酸化物粒子を実施例1と同様にして成形物とし、該成形物を用いて、実施例1と同じ方法により、同じ原料混合ガスを用いて反応を行った。その結果、イソブチレンの反応率は98.8%、MALの選択率は87.2%、MAAの選択率は2.7%、合計収率は88.8%であった。
[比較例3]
実施例1と同様にしてA液とB液とを混合したスラリー状物を得、得られたスラリー状物について、撹拌下、75℃にて1時間加熱処理を行った。加熱処理後のスラリー状物の一部を採取し、スラリー温度20℃における比重および粘度を測定したところ、比重は1.3g/mL、粘度は89mPa・sであった。
続いて、該スラリー状物を実施例1と同様にして噴霧乾燥し、焼成して複合酸化物粒子を得た。該複合酸化物粒子について、実施例1と同様にしてFe/Mo原子比およびCo/Mo原子比を求めたところ、B/Aは0.91であり、D/Cは0.45であった。
該複合酸化物粒子を実施例1と同様にして成形物とし、該成形物を用いて、実施例1と同じ方法により、同じ原料混合ガスを用いて反応を行った。その結果、イソブチレンの反応率は97.2%、MALの選択率は90.4%、MAAの選択率は1.2%、合計収率は89.0%であった。
[比較例4]
実施例1と同様にしてA液とB液とを混合したスラリー状物を得、得られたスラリー状物について、撹拌下、90℃にて1.5時間加熱処理を行った。加熱処理後のスラリー状物の一部を採取し、スラリー温度20℃における比重および粘度を測定したところ、比重は1.35g/mL、粘度は210mPa・sであった。
続いて、該スラリー状物を実施例1と同様にして噴霧乾燥し、焼成して複合酸化物粒子を得た。該複合酸化物粒子について、実施例1と同様にしてFe/Mo原子比およびCo/Mo原子比を求めたところ、B/Aは0.91であり、D/Cは0.47であった。
該複合酸化物粒子を実施例1と同様にして成形物とし、該成形物を用いて、実施例1と同じ方法により、同じ原料混合ガスを用いて反応を行った。その結果、イソブチレンの反応率は98.0%、MALの選択率は91.2%、MAAの選択率は1.5%、合計収率は90.8%であった。
Figure 2011115681
上記結果に示すとおり、実施例1〜2の触媒を用いると、原料の反応率、生成するMALおよびMAAの選択率のいずれも高く、比較例1〜3の触媒を用いた場合に比べて、合計収率が向上した。
一方、比較例1の触媒は、実施例1〜2に比べて、反応率およびMAAの選択率が低く、合計収率も低かった。比較例2の触媒は、実施例1〜2に比べて、MALの選択率が低く、合計収率も低かった。比較例3〜4の触媒は、実施例1〜2に比べて、反応率、MALの選択率およびMAAの選択率が低く、合計収率も低かった。

Claims (1)

  1. 少なくともモリブデン、鉄およびコバルトを含む複合酸化物の粒子からなり、該粒子が下記式(i)および(ii)を満足する、不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸合成用触媒。
    B/A≦0.8 …(i)
    D/C≦0.7 …(ii)
    [式中、Aは当該粒子のバルク組成におけるFe/Mo原子比を示し、Bは当該粒子の表面組成におけるFe/Mo原子比を示し、Cは当該粒子のバルク組成におけるCo/Mo原子比を示し、Dは当該粒子の表面組成におけるCo/Mo原子比を示す。]
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