JP2011188644A - 保護リレー装置、その制御方法及び制御プログラム並びに保護リレーシステム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電力系統に設けられた検出手段からの電気量データを取得する電気量取得部160と、電気量データを通信ネットワークNを介して送信する通信インタフェースを有し、同期時刻を保持する時刻保持部143を有し、電気量取得部160は、所定の周期でサンプリングした電気量データと、そのサンプリング時刻とを含む送信データを生成する送信データ生成部162を有し、通信インタフェースは、送信データを、イーサネットの通信フレームとするイーサ通信部120を有する。
【選択図】図6
Description
このような系統事故を検出するための電気量演算の代表的な一例としては、電流差動演算が挙げられる。電流差動演算は、任意の回路網に対して流入/流出する電流量の総和はゼロである、というキルヒホッフの電流法則に基づく演算である。つまり、保護区間の各端子に設置された計器用変成器等からの検出値に基づいて、各々に接続された電流差動リレーが電流量データを計測し、これを通信により伝送し合うことにより、電流量の総和を演算する。
上記のような電気量計測や相手端通信の実施タイミングは、一般的には、系統周波数を基準にして行われる。例えば、東日本では、主に50Hzの電気角30度の間隔で実施する。西日本では60Hzの電気角30度の間隔で実施する。すると、東日本の通信周期と西日本の通信周期とは、次のようになる。
西日本での通信周期:1/(60Hz×(30度/360度))=1.388ミリ秒
このように、東日本と西日本では通信周期(帯域)が異なることから、通信するデータ量やデータ構造がそれぞれ異なっている。
・情報フレーム通信に生じる遅延時間のゆらぎを最小限にする
・同期補正要素を取得可能とする。
・フレーム送信タイミングを固定化する機構を備える
・専用回線による伝送回線遅延時間の安定化
・フレーム受信タイミングを保持/取得する機構を備える
さらに、保護リレー装置を用いた保護システムの一環として、電気量データを収集するオシロ機能がある。オシロ機能を実現するためのオシロ装置は、実際には、計算機やパーソナルコンピュータに相当する外部機器で構成されている。このオシロ装置による電気量データ収集は、次のいずれかの方法によって実施される。
・保護リレー装置からオシロ装置へ、特定周期で電気量データを送信する
いずれも、保護リレー装置とオシロ装置間の固有通信によって行われる。
上記のような従来の保護リレーシステムでのデータ通信動作の一例について、図14〜図16を参照して説明する。図14は、二端子(a,b)の保護リレーシステムの構成例であり、図15は、三端子(a,b,c)の保護リレーシステムの構成例である。
同期制御1,2:サンプリングタイミング同期制御に用いる。自端子と相手端子のサンプリングタイミングをカウント値に変換した値である。
レディ:自端装置の状態を示す。不良検出状態などに用いる。
制御1,2:任意。制御指令や制御状態などに用いる。
SA同期フラグ:サンプリングアドレス(SA)同期制御に用いる。
なお、制御1、制御2、SA同期フラグの内容は、フレーム番号に対応するものがある。
[専用の通信設備が必要]
従来技術の電流差動リレーに適用されている通信方式を実現するには、特殊機構を実装した専用の通信インタフェースが必要となる。特殊機構とは、例えば、背景技術で述べたようなフレーム送信タイミングの固定化やフレーム受信タイミングの保持/取得をするための機構である。なお、ここでいう通信インタフェースには、ハードウェアとソフトウェアの両方が含まれる。
通信回線や中継機器といった通信機器仕様の制約により、現行通信設備の通信速度は、標準で54Kbpsに過ぎない。図16に示した例では、1フレーム長(90bit)×1サイクル(12フレーム)×50Hz=54000(54kbps)となっている。
・計測電気量データをフィルタして、ビット長を圧縮する
・低速更新が許容されるデータを分解/合成する。
なお、専用回線による通信ではなく、高速の多重回線を用いた形態も実用化されている。この場合は、上記のような専用回線による問題は無くなる。しかし、通信フレームの多重化処理のため、フレーム発着信タイミングは安定せず、従来技術のサンプリング同期制御の採用は難しい。これに対処するため、図18に示すように、GPS装置を電流差動リレーの各端子に設置し、GPSの時刻に各端子が同期することで、サンプリングタイミングを合わせることが行われている。
・米国の軍用衛星を利用するため、永続的な利用が保証されていない
・電波受信が安定良好なアンテナ設置場所の確保が必要となる
・GPS装置自体にコストがかかる
・他機器からの電波の影響による受信不能が生じる
・意図的な電波妨害による受信不能が生じる
結局、かかる問題点を解決するためには、運用面、経済面及び安定性などに負担や制約がかかる。
[1.実施形態の構成]
[1−1.全体構成]
図1に示すように、本実施形態の保護システムは、LANケーブルL等を介して、通信ネットワークNに接続された保護リレー装置100A,100B,100C(以下、端子で区別しない場合には、単に100とする)、時刻サーバ200、オシロ装置300によって構成されている。本実施形態においては、送電線Wに設置された計器用変成器等の検出手段から電気量を検出する端子を、三つとした三端子(a,b,c)構成としている。但し、本発明はこれに限定されるものではない。
通信ネットワークNとしては、イーサネット(Ethernet:登録商標)を用いる。イーサネットは、ISO参照モデルにおける物理層及びデータリンク層の処理を定めたネットワークの規格である。この規格は、現在、その規模を問わず、多くのLAN、MAN及びWANで使用されている。また、イーサネットは、IEEE802.3及びその拡張機能とほぼ同様の規格である。本発明においても、両者は同義と捉えてもよい。
通信ネットワークNを介して通信するためのフレームフォーマットを、図2〜図5を参照して説明する。まず、イーサネットフレームに準じた構造を持つフレームフォーマットを、図2を参照して説明する。すなわち、このフレームは、イーサネットヘッダである宛先アドレスフィールド(6byte)、発信元アドレスフィールド(6byte)、タイプフィールド(2byte)を持つ。
・IPV4 :0800
・ARP :0806
・SNMP :814C
・NetBIPS:8191
保護リレー装置100は、図6に示すように、保護制御部110及びイーサ通信部120等を有している。
イーサ通信部120は、イーサ通信ドライバ121、汎用ネットワーク制御回路122等を有している。イーサ通信ドライバ121は、図7に示すように、送信処理部123、受信処理部124等を有している。汎用ネットワーク制御回路122は、送信バッファメモリ125、受信バッファメモリ126、ネットワークインタフェースコントローラ(NIC)127、コネクタ(RJ45)128等を有している。NIC127は、MACレイヤ制御回路127a、物理レイヤ制御回路127b等を有している。
保護制御部110は、図6に示すように、プロトコル処理部130、時刻取得部140、サンプリングパルス発振回路150、電気量取得部160、制御演算部170等を有している。
時刻サーバ200は、演算時の電気量データ同調を目的として設置されている。これは、各端子間は距離的に大きく離れており、伝送遅延時間が無視できないことによる。なお、従来の電流差動リレーで採用されているサンプリング同期方式のように、フレーム通信往復の所要時間計測から伝送遅延時間を求めることにより、電気量データ同調を行ってもよい。この場合には時刻サーバは不要となる。
オシロ装置300は、電気量データの収集、分析等をする装置である。このオシロ装置300自体は、周知の装置を適用可能であるため、説明は省略する。
[2−1.動作の概要]
本実施形態によるデータ通信動作について、上記の図1〜7とともに、図8及び図9のフローチャート、図10〜図13の説明図を参照して説明する。なお、各端子の保護リレー装置100A〜100Cには主従設定はなく、各々の保護リレー装置100A〜100Cは、起動以降から時刻サーバ200とのネットワーク同期プロトコルによる時刻同期を行うことで、それぞれの内部時刻同士が同期する。また、電気量データには、同期によって得られる同期時刻から抽出されるサンプリング時刻がSAとして付加されて、各端子の保護リレー装置100A〜100C同士で送受信される。これにより、正確な電気量演算が可能となる。
本実施形態における時刻同期の手順を、図8に従って説明する。すなわち、NTP処理部132の要求部132aは、所定のポーリング間隔に従ったタイミングで、時刻同期の要求パケットを出力する(ステップ801,802)。この要求パケットは、イーサ通信部120により、時刻サーバ200に送信される。時刻サーバ200が生成・送信した応答パケットを含むNTPフレームは、イーサ通信部120により受信される(ステップ803)。受信したNTPフレームは、UDP/IP処理部131を経て、NTP処理部132における抽出部132bにより、応答パケットにおけるタイムスタンプが抽出される(ステップ804)。
起動処理部163は、サンプリングパルス発振回路150が発振するパルスに基づく所定の周期で、電気量取得部160を起動することにより、電気量データを取得する(ステップ901,902)。このとき、電流量や電圧量といった計測情報はアナログデータであるため、これをソフトウェア処理できるようにするために、A/D変換部によってデジタルデータに変換される。
上記のように生成された送信データに基づいて、イーサ通信部120によって送信フレームが生成され(ステップ904)、各保護リレー装置100B,100Cに送信される(ステップ905)。なお、UDP/IPにより送信する場合には、UDP/IP処理部132によって、送信フレームにUDPヘッダが付加される。
本実施形態においては、通信ネットワークNとして、イーサネットを採用しているため、通信帯域は、従来のシリアル通信速度54Kbpsと比較して、非常に大きくなる。例えば、イーサネットの通信速度が100Mbpsならば、従来の約1800倍、1Gbpsならば、従来の約18000倍となる。これにより、通信回線のアイドル期間が大きく増すので、この期間にも電気量データなどの送信を実施することができる。
・送信時間=1/100Mbps×8bit×1kbyte=80μ秒
・回線アイドル期間=1666μ秒−80μ秒=1586μ秒(電気角30°期間中)
電気量データのフレーム生成時にサンプリング時刻(SA)が付加されているので、必ずしもサンプリング周期に同期して送信する必要は無い。計測処理と送信データ生成の動作タイミングと、送信処理タイミングの態様を、図13を参照して説明する。この態様では、計測処理と送信データ生成処理は、電気角5度の間隔で実行され、送信データ保管部164に最新の送信データを格納する。また、送信処理は、電気角2.5度周期で送信データ保管部164に保存された最新の送信データを取り出し送信するものである。
各保護リレー装置100A〜100Cにおいては、時刻同期確立及び伝送不良等の各種監視により、システムが健全であることが確認できる。このように確認できた以降から、各端子の保護リレー装置100A〜100Cにおける制御演算部170が、互いに送信する電気量データ及び自端で計測した電気量データに基づいて、系統保護制御を実施する。
以上のような本実施形態によれば、特殊なハードウェア機構の採用が不要であり、かつソフトウェア処理もイーサネット通信やUDP/IP通信といった汎用的な処理構成で、正確な時刻同期が実現できる。そして、汎用のネットワーク設備や環境の利用によって、設備メンテナンスも容易になる。同時に、系統周波数への依存がなくなるため、ハードウェア、ソフトウェアとも、系統周波数にかかわらず、通信機能を共有することが可能となる。したがって、開発コストや保守コストが低減できる。
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。例えば、本発明で用いられる各情報の具体的な内容、値は自由であり、特定の内容、数値には限定されない。例えば、端子データに含める情報は、上記の実施形態で例示したものには限定されない。時刻同期のプロトコル種別や動作タイミング、電気量データの送信タイミングについても、自由に設定可能である。
110,410…保護制御部
120…イーサ通信部
121…イーサ通信ドライバ
122…汎用ネットワーク制御回路
123…送信処理部
124…受信処理部
125…送信バッファメモリ
126…受信バッファメモリ
127…NIC
127a…MACレイヤ制御回路
127b…物理レイヤ制御回路
128…コネクタ
130…プロトコル処理部
131…UDP/IP処理部
132…NTP処理部
132a…要求部
132b…抽出部
140…時刻取得部
141…カウント部
142…時刻保持部
143…演算部
150…サンプリングパルス発振回路
160…電気量取得部
162…送信データ生成部
163…起動処理部
164…送信データ保持部
170…制御演算部
171…電気量演算部
172…判定部
173…制御信号出力部
200…時刻サーバ
300,430…オシロ装置
420…シリアル伝送部
Claims (8)
- 電力系統に設けられた検出手段からの電気量データを取得する電気量取得部と、前記電気量データを通信ネットワークを介して通信する通信インタフェースを有する保護リレー装置において、
同期時刻を保持する時刻保持部を有し、
前記電気量取得部は、所定の周期でサンプリングした電気量データと、そのサンプリング時刻とを含む送信データを生成する送信データ生成部を有し、
前記通信インタフェースは、前記送信データを、イーサネットの通信フレームとするイーサ通信部を有することを特徴とする保護リレー装置。 - 前記所定の周期の基準となるサンプリングパルスを発振するための発振部を有することを特徴とする請求項1記載の保護リレー装置。
- 前記時刻保持部における同期時刻について、時刻同期プロトコルにより、前記通信ネットワークを介して同期を行うプロトコル処理部を有することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の保護リレー装置。
- 前記通信インタフェースは、回線アイドル中に、同一の電気量データの通信フレームを連続して送信可能に設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の保護リレー装置。
- コンピュータ又は電子回路が電気量取得部と通信インタフェースを有し、前記電気量取得部が、電力系統に設けられた検出手段からの電気量データを取得し、前記通信インタフェースが、前記電気量データを通信ネットワークを介して通信する保護リレー装置の制御方法において、
前記コンピュータ又は電子回路は、時刻保持部を有し、
前記電気量取得部は、所定の周期でサンプリングした電気量データと、そのサンプリング時刻とを含む送信データを生成し、
前記通信インタフェースは、前記送信データを、イーサネットの通信フレームとすることを特徴とする保護リレー装置の制御方法。 - コンピュータに、電力系統に設けられた検出手段からの電気量データを取得させ、前記電気量データを通信ネットワークを介して通信させる保護リレー装置の制御プログラムにおいて、
前記コンピュータに、
同期時刻を保持させ、
所定の周期でサンプリングした電気量データと、そのサンプリング時刻とを含む送信データを生成させ、
前記送信データを、イーサネットの通信フレームとして生成させることを特徴とする保護リレー装置の制御プログラム。 - 複数の前記保護リレー装置が、イーサネットの通信ネットワークに接続されていることを特徴とする保護リレーシステム。
- 前記保護リレー装置が通信する通信フレームを受信するオシロ装置が、前記通信ネットワークに接続されていることを特徴とする請求項7記載の保護リレーシステム。
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