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JP2011184730A - 希土類合金粉末の製造方法及び永久磁石 - Google Patents

希土類合金粉末の製造方法及び永久磁石 Download PDF

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JP2011184730A JP2010050870A JP2010050870A JP2011184730A JP 2011184730 A JP2011184730 A JP 2011184730A JP 2010050870 A JP2010050870 A JP 2010050870A JP 2010050870 A JP2010050870 A JP 2010050870A JP 2011184730 A JP2011184730 A JP 2011184730A
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Kenichi Suzuki
健一 鈴木
Sanehiro Okuda
修弘 奥田
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Abstract

【課題】HDDR法によって優れた磁気特性を有する希土類合金粉末を製造することが可能な希土類合金粉末の製造方法及び永久磁石を提供する。
【解決手段】本実施形態に係る希土類合金粉末の製造方法は、R14Bの原料合金を鋳造して原料合金を得る合金準備工程(ステップS11)と、原料合金Sを反応炉10内に投入し、反応炉10内を水素雰囲気とする水素吸蔵工程(ステップS13)と、反応炉10内で原料合金Sを水素化分解させて分解生成物を得るHD工程(ステップS14)と、反応炉10内の温度を昇温する昇温工程(ステップS15)と反応炉10内で分解生成物から水素を放出させ、分解生成物の水素濃度を低減し希土類合金粉末を得るDR工程(ステップS16)と、希土類合金粉末を室温にまで冷却する冷却工程(ステップS17)とを含み、水素吸蔵工程と水素化分解工程との何れか一方又は両方で原料合金Sを粉砕する。
【選択図】図1

Description

本発明は、希土類合金粉末の製造方法及び永久磁石に関する。
磁石用の合金粉末を製造する方法として、原料合金を水素化分解・再結合させるHDDR(Hydrogenation Decomposition Desorption Recombination)法(水素化分解・脱水素再結合法)が知られている。HDDR法とは、水素中で原料(出発合金)を加熱することにより、原料を水素化・分解(HD:Hydrogenation Decomposition)し、その後、脱水素・再結合(DR:Desorption Recombination)させることにより、結晶を微細化させるプロセスである。
磁石の磁気特性を表す指標としては、一般に、残留磁束密度(Br)及び保磁力(HcJ)が用いられるが、HDDR法において、原料合金が高い磁気特性(特に保磁力)を有する磁石とするためには、原料合金を水素化分解させる過程において、HD反応が原料合金全体に渡って十分に行なわれている必要がある。
従来では、例えば、希土類合金を溶解し鋳造して得られた原料合金を例えば0.03mmから50mm程度の大きさに破砕した後、破砕した原料合金に水素を吸蔵させ、脱水素処理することで、磁石粉末の磁気的異方性を改善する磁石合金粉末の製造方法が提案されている(特許文献1参照)。
この特許文献1に記載されている磁石合金粉末の製造方法のように、原料合金の表面積が大きいほどHD反応が進行するため、原料合金を粉砕するなどして表面積を大きくすることによって原料合金全体に渡ってHD反応をさせるようにしている。
特許第2827643号公報
ここで、原料合金の粉砕は表面積を増大させ、HD反応を原料合金全体に均一に進行することを促すが、原料合金の表面が酸化することにより得られる希土類合金粉末の保磁力が低下するなど磁気特性の低下を招く。このため、原料合金を粉砕し、水素化分解・再結合させて得られる磁石粉末の保磁力などの磁気特性は、原料合金を粉砕せずに水素化分解・再結合させて作製した磁石粉末の磁気特性よりも低くなる。そのため、粉砕して増大した原料合金の表面の酸化を防ぐ必要があった。
しかしながら、原料合金を酸化させずに粉砕し、表面積を増大させ、磁石粉末を微細化することは困難である、という問題があった。
また、角型性が低いものは磁石として実際に発揮できる特性は低くなるため、磁石では角型性も重要な要素であるが、原料合金を粉砕せず大きいままHD反応を行なっても角型性が低下してしまう、という問題があった。
更に、原料合金の粉砕からHDDR反応までを非酸化性雰囲気中において行ない、原料合金の酸化を抑制しようとしても、完全に酸化を抑制することは困難である上、製造コストの増大を招く、という問題があった。
そのため、高い保磁力など優れた磁気特性を有する磁石合金粉末を製造するため、原料合金を酸化させずに表面積を増大させ、原料合金全体を均一にHD反応させることができる希土類合金粉末の製造方法が求められている。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、HDDR法によって優れた磁気特性を有する希土類合金粉末を製造することが可能な希土類合金粉末及び永久磁石の製造方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る希土類合金粉末の製造方法は、水素化分解・脱水素再結合法によって希土類合金粉末を製造するにあたり、希土類合金の原料合金を反応炉内に投入し、前記反応炉内に水素ガスを供給し、前記原料合金に水素を吸蔵させる水素吸蔵工程と、前記反応炉内で前記原料合金を水素化分解させて分解生成物を得る水素化分解工程と、前記反応炉内で前記分解生成物から水素を放出させ、前記分解生成物の水素濃度を低減し希土類合金粉末を得る脱水素再結合工程と、を含み、前記水素吸蔵工程と前記水素化分解工程との何れか一方又は両方で前記原料合金を粉砕することを特徴とする。
上述の本発明の希土類合金粉末の製造方法によれば、HDDR法によって優れた磁気特性を有する希土類合金粉末を製造することができる。
希土類合金の原料合金は硬く容易に粉砕することができないが、原料合金に水素を吸蔵させる水素吸蔵工程や、HDDR反応において原料合金を水素化分解するHD工程では、原料合金は脆化しており、水素吸蔵工程、HD工程の前の原料合金と比較して、極めて容易に粉砕することができる。原料合金を予め粉砕し、表面積を増大させることで、HD反応を原料合金全体に渡って均一に進行させることができる。粉砕によって現れた原料合金の新生面は活性が高く、容易に酸化してしまう。しかし、水素吸蔵工程とHD工程とでは原料合金の周囲が水素雰囲気なので、原料合金の酸化を抑制することができる。また、水素吸蔵工程とHD工程との前の原料合金は、酸化の影響を最小限とするため、例えば30mm程度の大きい鋳塊とする。原料合金が大きいと原料合金をHDDR反応させる場合、原料合金の表面のみ反応が進行し、原料合金の内部は反応が進行しないことがある。
この希土類合金粉末の製造方法は、前記反応炉内に希土類合金の原料合金を投入して前記反応炉内を水素雰囲気とし、前記水素吸蔵工程と前記HD工程との何れか一方又は両方において前記反応炉内の水素雰囲気中で予め原料合金を積極的に粉砕している。水素雰囲気中で原料合金は粉砕されているため、原料合金の表面積は増大されると共に、原料合金の表面が酸化されるのを防止することができる。この水素雰囲気の状態のまま原料合金を反応炉内でHDDR反応することで、原料合金全体を均一にHD反応させることができる。このため、原料合金は酸化されることなく均一に微細化することができるため、磁気特性に優れた希土類合金粉末を製造することができる。
本発明では、前記水素吸蔵工程で前記原料合金を粉砕することが好ましい。本発明の希土類合金粉末の製造方法は、HD反応を行なう前に、予め水素雰囲気中で前記原料合金を粉砕しているため、原料合金の表面は酸化されずに表面積を大きくすることができるので原料合金のHD反応をより一層確実に進行させることができる。
本発明では、前記反応炉は、外容器と、前記外容器の内部に配置され、前記原料合金を収容する内容器と、前記内容器内に収容される前記原料合金を粉砕する粉砕手段と、を含むことが好ましい。水素吸蔵中に内容器内に収容された原料合金を粉砕することができるため、外容器内を水素雰囲気としつつ原料合金を粉砕することで、原料合金に水素を均一に吸蔵させることができる。
本発明では、前記粉砕手段が、前記内容器を回転又は揺動させる内容器駆動手段であることが好ましい。水素吸蔵中に内容器を回転又は揺動させることによって、外容器内を水素雰囲気としつつ内容器内の原料合金を容易に粉砕することができる。
本発明では、前記内容器の内部に振動を与える振動発生手段であることが好ましい。内容器に振動を与えることで、内容器内の原料合金全体に均等かつ同時に振動を与えることができるので、効率良く原料合金を粉砕することができる。
本発明では、前記外容器の内部に配置され、前記内容器内の前記原料合金を攪拌する攪拌手段が設けられていることが好ましい。内容器を回転又は揺動させることによっても原料合金は攪拌されるが、内容器の内部に攪拌手段を配置することにより、さらに原料合金が攪拌される。これによって、さらに原料合金全体を均一に反応させることができる。
本発明では、前記内容器はその内壁から突出する部材を前記内容器内の前記原料合金を攪拌する攪拌手段として用いることが好ましい。内容器の内壁から部材を突出させることにより、内容器の回転又は揺動との相乗効果で、高い攪拌効果が得られる。
本発明では、前記攪拌手段が、前記内容器内の前記原料合金を攪拌する攪拌棒であることが好ましい。内容器内に攪拌棒を挿入して原料合金を攪拌することができると共に、攪拌棒を動かして内容器内の任意の位置で原料を攪拌できるので、攪拌が不足している部分へ部材を移動させて内容器内の原料合金全体を均一に攪拌できる。
発明に係る永久磁石は、希土類合金の原料合金を反応炉内に投入し、前記反応炉内に水素ガスを供給しつつ前記反応炉内で前記原料合金を粉砕して前記原料合金に水素を吸蔵させた後、前記反応炉内を水素雰囲気の状態を維持したまま前記反応炉内で水素化分解・脱水素再結合法により製造される希土類合金粉末を成形して得られることを特徴とする。本発明の永久磁石は、優れた磁気特性を有する希土類合金粉末を成形して得られるものであるため、優れた磁気特性を有する。
本発明によれば、HDDR法によって優れた磁気特性を有する希土類合金粉末を製造することが可能な希土類合金粉末の製造方法を提供することができる。また、上記希土類合金粉末の製造方法を用いて製造された希土類合金粉末を成形することにより、優れた磁気特性を有する異方性磁石を提供することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る希土類合金粉末の製造方法を示すフローチャートである。 図2は、反応炉の構造を簡略に示す図である。 図3は、図2のA−A矢視図である。
以下、本発明に係る希土類合金粉末の製造方法の実施の形態(以下、実施形態という)及び実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の発明を実施するための実施形態及び実施例により本発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態及び実施例で開示する構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。
図1は、本発明の実施形態に係る希土類合金粉末の製造方法を示すフローチャートであり、図2は、反応炉の構造を簡略に示す図であり、図3は、図2のA−A矢視図である。本実施形態に係る希土類合金粉末の製造方法は、いわゆる水素化分解・脱水素再結合法(HDDR法)によって希土類合金粉末を製造する希土類合金粉末の製造方法である。図1に示すように、本実施形態に係る希土類合金粉末の製造方法は、R214Bの希土類合金を鋳造して原料合金Sを得る合金準備工程(ステップS11)と、原料合金Sを融解させて原料合金Sを均質化させる均質化熱処理工程(ステップS12)と、得られた原料合金Sを反応炉10内に投入し、反応炉10内に水素ガス11を供給し、原料合金に水素を吸蔵させる水素吸蔵工程(ステップS13)と、反応炉10内で原料合金Sを水素化分解させて分解生成物を得るHD工程(ステップS14)と、反応炉10内の温度を昇温する昇温工程(ステップS15)と反応炉10内で分解生成物から水素を放出させ、分解生成物の水素濃度を低減し希土類合金粉末を得るDR工程(ステップS16)と、希土類合金粉末を室温にまで冷却する冷却工程(ステップS17)とを含み、水素吸蔵工程と水素化分解工程との何れか一方又は両方で原料合金Sを粉砕するものである。
原料合金としては、R14BなどのR−T−B系合金を用いることができる。一層優れた磁気特性を有する希土類合金粉末を得る観点から、R−T−B系合金の組成は、R:25質量%以上35質量%以下、T:65.6質量%以上72質量%以下、B:1質量%以上1.4質量%以下であることが好ましい。Rとしては、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Gd、Td、Dy、Ho、Er、Tm、Luから選ばれる1種または2種以上とすることができる。このうち、製造コスト及び磁気特性の観点から、RはNdを含むことが好ましい。また、TはFe又はFe及びCoを含む1種以上の遷移金属元素を表す。Tは、希土類元素以外、例えば、Ti、V、Cr、Mn、Ni、Cu、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、WなどのFe及びCo以外の遷移元素の群より選ばれる少なくとも1種の元素をさらに含んでいてもよい。
<合金準備工程:ステップS11>
合金準備工程(ステップS11)は、R214Bを鋳造して原料合金Sを得る工程である。R214Bを、通常の鋳造方法、例えばストリップキャスト法、ブックモールド法、又は遠心鋳造法によって鋳造して原料合金Sを得ることができる。原料合金Sの大きさは特に限定されるものでないが、原料合金Sの表面の酸化の影響を最小限にするという観点から、原料合金Sの大きさは、例えば30mm以上の大きさに鋳造されたものを用いるのが好ましい。原料合金Sの大きさの測定方法は、特に限定されるものでないが、例えば、レーザー回析を用いて原料合金Sの大きさを測定するようにしてもよい。波長が一定のレーザー光を原料合金Sに照射してその散乱光の強度のパターンから原料合金Sの塊の大きさを計算する。原料合金Sの大きさは各々形状が異なるため、多量の原料合金Sを同じ方法で測定して統計的に原料合金Sの大きさを決めてもよい。また、色々な形状の原料合金Sを球体に換算して原料合金Sの大きさを求めてもよい。また、原料合金Sは、原料金属又は原料化合物や製造工程に由来する不可避な不純物を含んでいてもよい。原料合金Sを生成した後、均質化熱処理工程(ステップS12)に移行する。
<均質化熱処理工程:ステップS12>
均質化熱処理工程(ステップS12)は、原料合金Sを融解させて原料合金を均質化させる工程である。均質化熱処理工程(ステップS12)では、原料合金Sを真空又はArガスやN2ガスなどの不活性ガス雰囲気中、温度1000℃以上1200℃以下で5時間から48時間保持する。これにより、原料合金Sは融解されて均質化される。本実施形態では、均質化熱処理工程S12を含んでいるが本発明はこれに限定されるものではなく、原料合金Sの大きさ等に応じて含まなくてもよい。原料合金Sが均質化された後、水素吸蔵工程(ステップS13)に移行する。
<水素吸蔵工程:ステップS13>
水素吸蔵工程(ステップS13)は、均質化して得られた原料合金Sを、反応炉10内に投入した後、反応炉10内に水素ガス11を供給し、原料合金Sに水素を吸蔵させる工程である。
(反応炉)
本実施形態で用いられる反応炉の構成について説明する。図2、3に示すように、反応炉10は、外容器12と、内容器13と、内容器駆動装置(内容器駆動手段)14と、加熱器15と、気体導入口16及び気体排出口17とを含んでいる。反応炉10は、HDDR反応によって希土類合金粉末(特に、磁石用の合金粉末)を製造する際に用いられるものであり、製造しようとする希土類合金粉末の原料を加熱する機能、炉内へ気体を供給する機能、炉内を真空引きする機能を有している。
外容器12は、外殻12aと、外殻12aの内部に配置される外殻12aと同形状かつ外殻12aよりも小さい内殻12bとで構成される二重構造の外容器本体12Aと、蓋12Bとで構成される。外容器本体12Aを構成する外殻12a、内殻12bは、筒状(本実施形態では円筒形状)に構成される容器である。外容器本体12Aには、複数の脚18が取り付けられており、これらの脚18によって反応炉10が支持される。
蓋12Bは、内部に空間Aを有する中空構造であり、空間Aが冷却媒体(本実施形態では水)Wの流通用の通路となる。蓋12Bは、例えば、蝶番によって外容器本体12Aの開口部に開閉自在に取り付けられ、外容器12は、蓋12Bにより外容器本体12Aと開閉可能に構成されている。蓋12Bを閉じると、外容器本体12Aと蓋12Bとで囲まれる空間Bが密封されるように構成される。
外殻12aは、外殻12a内に冷却媒体Wを供給するための本体側冷却媒体供給口21と、外殻12a内に供給された冷却媒体Wを排出するための本体側冷却媒体排出口22とを有する。本体側冷却媒体供給口21は、冷却媒体供給手段である冷却用ポンプ23の吐出口と接続されており、冷却用ポンプ23から供給された冷却媒体Wは、外殻12aと内殻12bとの間に形成される空間Cを流れる過程で外容器本体12Aを冷却して、本体側冷却媒体排出口22から排出される。
蓋12Bは、蓋12B内に冷却媒体Wを供給するための蓋側冷却媒体供給口24、蓋12B内に供給された冷却媒体Wを排出するための蓋側冷却媒体排出口25とを有する。蓋側冷却媒体供給口24は、冷却用ポンプ23の吐出口と接続されており、冷却用ポンプ23から吐出された冷却媒体Wは蓋側冷却媒体供給口24から空間Aに供給され、蓋12Bの内部の空間Aを流れる過程で蓋12Bを冷却して、蓋側冷却媒体排出口25から排出される。
本実施形態において、外容器本体12A及び蓋12Bは、金属、例えば、ステンレス鋼で構成される。水素吸蔵工程(ステップS13)及び後述のHDDR反応の工程において、反応炉10の外容器12の空間Bに水素ガス11が供給されるとともに、外容器本体12Aの内部に配置される加熱器15によって空間Bの雰囲気温度が600℃から1000℃程度まで昇温するため、HDDR反応中において、外容器12は高温になる。上述したように、外容器12はステンレス鋼等の金属で構成されるので、外容器12が昇温すると、空間Bに存在する水素が外容器12を透過して外部に漏れてしまう。
本実施形態では、外容器12の外容器本体12A及び蓋12Bにそれぞれ空間A、Cが形成されているため、HDDR反応中に空間A、Cに供給される冷却媒体Wは、外容器本体12A及び蓋12Bを冷却する。このため、HDDR反応中における外容器12の昇温を抑制して、空間Bから外容器12を透過して外部へ漏れる水素の量を低減することができる。
また、外容器12の冷却手段としては、空間A、Cを形成して冷却媒体Wを通過させる方法に限定されるものではない。例えば、外容器12の外容器本体12A及び蓋12Bを二重構造とせず、1層のみとし、外容器本体12A及び蓋12Bに直接冷却媒体Wを噴射するようにしてもよい。このようにすれば、外容器12の構造を簡略化できる。
また、本実施形態では、冷却媒体Wとして水を用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、外容器本体12A及び蓋12Bを冷却できるものであればよい。
内容器13は、外容器12の内部、即ち、空間Bに配置される。内容器13は、筒状(本実施形態では円筒形状)に構成されており、原料合金Sを内容器13の内部に保持する筒状の容器である。内容器13はステンレス鋼などの金属材料で構成される。
内容器13は、その側壁13a、13bに第1開口26a及び第2開口26bを有する。内容器13の第1開口26a及び第2開口26bは対向して配置されている。第1開口26a及び第2開口26bを設けることにより、水素吸蔵工程(ステップS13)とHDDR反応のHD(水素化・分解)反応とにおいて水素が第1開口26aあるいは第2開口26bを通って内容器13内の原料合金Sへ確実に供給される。また、DR(脱水素・再結合)反応で原料合金Sから放出される水素が第1開口26aあるいは第2開口26bから内容器13の外部へ確実に放出される。
さらに、内容器13は、第1開口26a及び第2開口26bを設けることにより、内容器13の内部へ計測器具や各種の機能を有する器具を挿入し、配置したり、加熱器15を内容器13の内部へ配置したりすることもできる。なお、本実施形態において、第1開口26a及び第2開口26bの形状は、平面視が円形であるが、第1開口26a及び第2開口26bの形状は、これに限定されるものではない。
本実施形態において、内容器13の側壁13aは、内容器側部13cに対して取り外しできるように構成されることが好ましい。これによって、原料合金Sを内容器13の内部へ投入しやすくなり、作業性が向上する。なお、側壁13aは内容器側部13cに固定した場合でも、第1開口26a又は第2開口26bから原料合金Sを投入することができる。
内容器13は、第1開口26a及び第2開口26bを円形とするとともに、第1開口26a及び第2開口26bが内容器13の両端面と交差(本実施形態では直交)する軸(内容器回転軸)Zrを含み、かつ内容器回転軸Zr上に第1開口26a及び第2開口26bの中心を配置することが好ましい。このようにすれば、原料合金Sを保持する容積を内容器13内に確保しやすくなるので、大量の希土類合金粉末を製造するのに適する。
内容器13は、内容器回転軸Zrを中心として回転又は揺動できるように、外容器本体12Aの内部に配置される。外容器12を構成する外容器本体12Aの内殻12bには、複数(本実施形態では4本)の内容器支持部材31が設けられる。内容器支持部材31は柱状の部材であって、一端部が内殻12bに取り付けられる。内容器支持部材31は、内容器回転軸Zrと平行な方向に、内容器13に2本ずつ配置される。即ち、内容器13は、内容器回転軸Zrと平行方向に、4本の内容器支持部材31が各々対向して配置され、2対の内容器支持部材31によって挟まれる。
内容器回転軸Zrと平行な直線上に配置される2本の内容器支持部材31は、それぞれの他端部、即ち、内殻12bへの取付側端部とは反対側の端部で、内容器回転軸Zrと平行な軸を中心として支持ローラー32が回転できるように両持ちで支持する。支持ローラー32は、側部32aが内容器13の側部と接触している。これによって、内容器13は、2本の支持ローラー32及び内容器支持部材31を介して外容器12の外容器本体12Aに支持されている。
内容器13は、内容器駆動装置14によって内容器回転軸Zrを中心に回転又は揺動させられる。内容器駆動装置14は、内容器13内に収容される原料合金Sを粉砕する粉砕手段として機能する。内容器駆動装置14は、支持体14aと、動力伝達部材である回転体14bと、動力発生手段である電動機14cとで構成される。電動機14cは、例えば制御装置によって制御される。回転体14bは、電動機14cからの動力を歯車やチェーン等の動力伝達機構を介して伝達されて、内容器回転軸Zrと平行な軸を中心として回転する。回転体14bの外周部は内容器13の内容器側部13cの外周部と接しているので、回転体14bが回転すると、内容器13は回転体14bが回転する方向とは反対方向に回転する。内容器13は、回転のみならず、内容器13の回転角が360度以内で回転方向を切り替えるように電動機14cを制御することにより、内容器13を揺動させてもよい。
このように、内容器13は外容器12の内部で回転又は揺動するため、反応炉10は、水素吸蔵工程(ステップS13)やHDDR反応のHD反応中に、内容器駆動装置14によって内容器13を回転又は揺動させることによって内容器13内の原料合金Sを攪拌し、粉砕することができる。
なお、内容器13を回転又は揺動させるための手段は、このような構造に限定されるものではなく、内容器13を回転又は揺動させることができるものであればよい。
また、原料合金Sを粉砕する粉砕手段は、内容器13を回転又は揺動させるための手段に限定されるものではない。粉砕手段は、例えば、内容器13の内部に振動を与える超音波発生装置(振動発生手段)であってもよい。前記超音波発生装置は外容器本体12Aの内殻12bの内部に設けられ、内容器13の内部に振動を与える。内容器13に超音波を与え、内容器13内の原料合金Sを振動させることで、原料合金Sを粉砕することができる。これにより、内容器13の原料合金S全体に均等かつ同時に振動を与えることができるため、効率良く原料合金Sを粉砕することができる。
また、本実施形態においては、反応炉10は、内容器13内に保持された原料合金Sを攪拌する手段として、内容器13の内壁から突出する部材(内容器突起部)を内容器13の内壁の周方向に複数設けるようにしてもよい。内容器13が回転又は揺動する際、前記内容器突起部を設けることで内容器13の回転又は揺動との相乗効果により、高い攪拌効果が得られる。即ち、前記内容器突起部により内容器13内に保持された原料合金Sが更に攪拌され、かつ粉砕されて微細化されるので、原料合金Sの外側のみならず内部まで均一に反応が進行して、原料合金S全体を均一に反応させることができ、希土類合金粉末の品質が向上する。また、前記内容器突起部により、原料合金Sを粉砕することもできる。さらに、前記内容器突起部により、内容器13の伝熱面積が大きくなるので、内容器13から原料合金S、あるいは原料合金Sから内容器13へ効率的に熱を伝えることもできる。
また、原料合金Sを攪拌する手段として、内容器13は、第1開口26a及び第2開口26bのうち少なくとも一つの開口から、内容器13の内部へ攪拌棒を挿入するようにしてもよい。この前記攪拌棒を、第1開口26a及び第2開口26bのうち少なくとも一つの開口から回転又は揺動している内容器13の内部へ挿入し、内容器13に保持されている原料合金Sに接触させて原料合金Sを攪拌するようにしてもよい。また、前記攪拌棒で内容器13内の任意の位置で原料合金Sを攪拌できるので、攪拌が不足している部分へ前記攪拌棒を移動させて原料合金S全体を均一に攪拌できる。原料合金Sを攪拌する際には、前記攪拌棒を振動させて、攪拌を促進させてもよい。また、前記攪拌棒を内容器回転軸Zrと平行な方向に往復させてもよい。このようにすれば、内容器回転軸Zrと平行な方向の全体にわたって原料合金Sを攪拌できるので、原料合金Sをより均一に攪拌して、より均一な品質の希土類合金粉末を製造できる。
また、原料合金Sを攪拌する攪拌手段として、前記内容器突起部、前記攪拌棒を用いて攪拌する手段に限定されるものではなく、内容器13内の原料合金Sを攪拌できるものであればよい。
加熱器15は、内容器13と外容器本体12Aの内殻12bとの間に配置される。加熱器15としては、例えば、電気ヒーターなどが用いられる。
反応炉10は、外容器12の内殻12bの内部に気体を導入する気体導入口16、及び外容器12の内部の気体を外容器12の外部へ排出する気体排出口17を有する。気体導入口16を介して空間Bへ供給された気体は空間Bを通過して気体排出口17から外部へ排出される。気体導入口16を介して空間Bに供給される気体としては、例えば水素ガス11、Arガスなどの不活性ガスが用いられる。水素ガス11は、水素吸蔵工程(ステップS13)、HDDR反応で用いられ、Arガスは、HDDR反応後における原料合金S1を冷却する際に用いられる。
このように、反応炉10は、反応炉10内を水素雰囲気とした状態で内容器13を回転又は揺動させることにより、内容器13内に投入された原料合金Sを攪拌し、粉砕することができる。また、反応炉10は、同一の反応炉10内で水素雰囲気を維持したままの状態で後述のHDDR反応のHD反応を行なうことができる。反応炉10は反応炉10内を水素雰囲気として原料合金Sを粉砕しているため、原料合金Sの表面積を増大させると共に、原料合金Sの表面が酸化されるのを防止することができる。反応炉10は、この水素雰囲気の状態のまま原料合金Sを反応炉10内でHDDR反応しているため、原料合金S全体を均一にHD反応させることができる。このため、原料合金Sは酸化されることなく均一に微細化することができる。よって、反応炉10は、HDDR反応によって原料合金Sから希土類合金粉末(特に、磁石用の合金粉末)を製造する際に好適に用いられる。なお、本実施形態では、反応炉10を用いてHDDR反応により希土類合金粉末を製造するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、反応炉10以外の炉を用いて本発明に係る希土類合金粉末の製造方法を適用することを除外するものではない。
反応炉10内の内容器13に投入された原料合金Sに水素を吸蔵させる水素吸蔵工程(ステップS13)について説明する。
水素吸蔵工程(ステップS13)は、上述のように、均質化して得られた原料合金Sを、反応炉10内に投入した後、反応炉10内に水素ガス11を供給し、原料合金Sに水素を吸蔵させる工程である。水素吸蔵工程(ステップS13)では、反応炉10内に水素ガス11を供給し、原料合金Sを、反応炉10内の水素分圧をPとした水素雰囲気中に、温度Tで所定の時間tの間保持して、原料合金Sに水素を吸蔵させる。水素分圧Pとしては、100kPa以上300kPa以下であることが好ましい。温度Tとしては、100℃以上200℃以下であることが好ましい。時間tとしては、0.5時間から2時間であることが好ましい。反応炉10は、水素分圧P、温度T、時間tを上記範囲内とすることで、原料合金Sの結晶格子中に水素を吸蔵させることができる。
水素分圧Pが100kPa未満であると、原料合金Sの結晶格子中に水素を吸蔵させ難くなるからであり、水素分圧Pが300kPaを越えると、原料合金Sの結晶格子中に水素が吸蔵されすぎ、HD反応時に組織が粗大化してしまうからである。
温度Tが200℃を超えると、原料合金Sの結晶格子中に水素を吸蔵し難くなるからであり、温度Tが100℃未満でも同様に、原料合金Sの結晶格子中に水素を吸蔵し難くなるからである。
時間tが2時間より長いと原料合金Sに水素が吸蔵されすぎるからであり、時間tが0.5時間より短いと原料合金Sに水素が十分吸蔵されないからである。
水素吸蔵工程(ステップS13)では、原料合金Sを均質化熱処理した後、反応炉10内の水素分圧Pの水素雰囲気中において温度Tで時間tの間保持することによって、原料合金Sの結晶格子中に水素が吸蔵される。なお、この工程では、原料合金Sは分解していない。
また、原料合金Sの結晶格子中に水素を吸蔵させている間、反応炉10内の内容器13を回転又は揺動させる。内容器13を回転又は揺動させることで、内容器13内で原料合金Sが攪拌され、原料合金Sを粉砕することができる。反応炉10内の空間Bは水素雰囲気下であるため、原料合金Sを粉砕しても原料合金Sの新生面は酸化されることなく原料合金Sの表面積を増大させることができ、内容器13内に投入された原料合金S全体が水素をまんべんなく吸蔵して、不均一な水素吸蔵状態を低減することができる。
反応炉10内の水素雰囲気下で原料合金Sを粉砕しつつ原料合金Sに水素を吸蔵させた後、HD工程(ステップS14)に移行する。
また、本実施形態においては、水素吸蔵工程(ステップS13)において反応炉10内で原料合金Sを粉砕するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではない。反応炉10は内容器13の回転又は揺動を水素吸蔵工程(ステップS13)だけでなく、後述のHD工程(ステップS14)においても連続して行うようにしてもよい。反応炉10はHD工程(ステップS14)においても連続して反応炉10内の水素雰囲気下で内容器13を回転又は揺動させて内容器13内で原料合金Sを粉砕するので、原料合金Sの新生面は酸化されることなく原料合金S全体は水素を更に均一に吸蔵して、不均一な水素吸蔵状態を更に低減することができる。また、水素吸蔵工程(ステップS13)において反応炉10内で原料合金Sを粉砕するのに代えて、HD工程(ステップS14)において反応炉10内で原料合金Sを粉砕するようにしてもよい。反応炉10はHD工程(ステップS14)と同時に反応炉10内の水素雰囲気下で内容器13を回転又は揺動させて内容器13内で原料合金Sを粉砕するので、原料合金Sの新生面は酸化されることなく原料合金S全体は水素をまんべんなく吸蔵することができる。
<水素化分解(HD)工程:ステップS14>
HD工程(ステップS14)は、水素を吸蔵させた原料合金Sを、反応炉10内の水素分圧をP2とした水素雰囲気中、温度Tよりも高い温度Tで所定の時間t2の間保持する工程である。このようにすることで、原料合金Sは水素を吸蔵しているため、原料合金Sは、自身の異なる相間における水素吸蔵量の相違により自己崩壊的な粉砕を生じ、水素化分解され、分解生成物が生成される。
HD工程(ステップS14)における反応炉10内の雰囲気の水素分圧P2は10kPa以上100kPa以下であることが好ましい。温度Tは700℃以上850℃以下であることが好ましい。反応炉10内で水素分圧P2、温度Tを上記条件として水素化分解を行うことによって、希土類合金粉末を得ることができる。
水素分圧P2が10kPa未満であると、原料合金Sの水素化分解が十分に進行しない傾向があり、水素分圧P2が100kPaを超えると、希土類合金粉末が得難くなる傾向があるからである。
また、温度Tが700℃未満であると、原料合金Sの水素化分解が十分に進行しない傾向があり、温度Tが850℃を超えると、所望の分解生成物(水素化物)が得られ難くなる傾向があるからである。
HD工程S14の時間t2は、0.5時間以上600時間以下であることが好ましい。時間t2が0.5時間未満であると、原料合金Sの水素化分解が十分に進行しない傾向があり、時間t2が600時間を超えると工程が長くなり過ぎる傾向があるためである。
HD工程(ステップS14)で得られる分解生成物は、RHなどの水素化物、α−Fe及びFeBなどの鉄化合物を含んでいる。この段階における分解生成物は、100nmオーダーの微細なマトリックスを形成している。反応炉10内で原料合金Sを水素化分解し、分解生成物を得た後、昇温工程(ステップS15)に移行する。
<昇温工程:ステップS15>
昇温工程(ステップS15)は、反応炉10内の温度を温度Tから温度Tよりも高い温度Tに昇温し、分解生成物の温度を温度Tから温度Tに所定の時間t3の間、昇温する工程である。温度Tは、温度Tよりも高く、750℃以上950℃以下であることが好ましい。なお、昇温速度に特に制限されるものではない。昇温工程(ステップS15)の時間t3は、例えば1分以上10分以下である。反応炉10内の温度を温度TからTに昇温した後、空間Bへの水素ガス11の供給を停止し、DR工程(ステップS16)に移行する。
<脱水素再結合(DR)工程:ステップS16>
DR工程(ステップS16)は、得られた分解生成物から水素を放出させ、分解生成物の水素濃度を低減させる工程である。本実施形態では、DR工程(ステップS16)は、第1のDR工程(ステップS16−1)と第2のDR工程(ステップS16−2)とを含む。本実施形態では、DR工程(ステップS16)は、第1のDR工程(ステップS16−1)と第2のDR工程(ステップS16−2)との2つの工程からなるが、本発明はこれに限定されるものではなく、DR工程(ステップS16)は1回のみでもよく、3回以上行なうようにしてもよい。
(第1の脱水素再結合(DR)工程:ステップS16−1)
第1のDR工程(ステップS16−1)は、温度Tよりも高い温度Tで、所定の時間t4の間、反応炉10内の水素分圧を減圧してP3とし、分解生成物から水素を放出させ、分解生成物の水素濃度を低減させる工程である。この工程によって、HD工程(ステップS14)で得られた分解生成物のマトリックス中に希土類合金の核が生成すると考えられる。このDR反応において原料合金Sから放出された水素ガス11、即ち、反応炉10の外容器12の空間Bに存在する水素ガス11は、外容器本体12Aに設けられた気体排出口17から外部へ排出される。
分解生成物からの水素の放出速度は、水素を放出させる前の分解生成物全体の質量を基準として、0.4質量%/分以上13質量%/分以下であることが好ましい。これによって、希土類合金の核をより均一に生成させることができる。
分解生成物からの水素の放出速度は、雰囲気中の水素分圧の降下速度を制御することによって調整することができる。即ち、水素分圧の降下速度を大きくすることで、分解生成物からの水素の放出速度を大きくすることができる。水素分圧の降下速度は、例えばArガスを導入したり、減圧したりすることによって調整することができる。第1のDR工程における水素分圧の降下速度は、2kPa/分以上10kPa/分以下とすることが好ましく、4kPa/分程度が最も好ましい。
第1のDR工程(ステップS16−1)における反応炉10内の雰囲気の水素分圧P3は6kPa程度であることが好ましい。
第1のDR工程(ステップS16−1)における分解生成物の温度Tは、温度Tよりも高く、750℃以上950℃以下であることが好ましく、800℃以上900℃以下であることがより好ましく、850℃前後が更に好ましい。分解生成物の温度Tを、温度Tよりも高くすることによって、分解生成物から水素が抜けやすくなり、希土類合金の核をより均一に生成させることができる。
温度Tが750℃未満であると、分解生成物からの水素の放出速度を十分に大きくすることができず、希土類合金の核生成が不均一になる傾向がある。一方、温度Tが950℃を超えると、分解生成物からの水素の放出速度が大きくなりすぎるために、分解生成物の水素濃度ηを制御することが難しくなる傾向があるからである。
第1のDR工程(ステップS16−1)の時間t4としては、例えば0.1時間から0.5時間であるが、時間t4は分解生成物からの水素の放出速度に応じて適宜調整する。反応炉10内の温度を温度Tとして時間t4の間、脱水素再結合させた後、第2のDR工程(ステップS16−2)に移行する。
(第2の脱水素再結合(DR)工程:ステップS16−2)
第2のDR工程(ステップS16−2)は、温度Tで、所定の時間t5の間、反応炉10内の水素分圧を更に減圧してP4とし、第1のDR工程(ステップS16−1)よりも分解生成物からの水素の放出速度を小さくして分解生成物から水素を放出させ、分解生成物の水素濃度を更に低減し、希土類合金粉末を得る工程である。このDR反応において原料合金Sから放出された水素ガス11も、上記と同様に、外容器本体12Aに設けられた気体排出口17から外部へ排出される。
第2のDR工程(ステップS16−2)の温度は、第1のDR工程(ステップS16−1)における温度Tと同じにすることが好ましい。これによって、分解生成物からの水素の放出を円滑に進行させることができる。
第2のDR工程(ステップS16−2)の時間t5としては、例えば0.3時間から5時間であるが、時間t5は分解生成物からの水素の放出速度に応じて適宜調整する。
また、第2のDR工程(ステップS16−2)における水素分圧の降下速度は、0.01kPa/分以上0.2kPa/分以下とすることが好ましく、0.1kPa/分程度とすることが最も好ましい。第1のDR工程(ステップS16−1)における水素分圧の降下速度を第2のDR工程(ステップS16−2)の水素分圧の降下速度よりも大きくすることで、第1のDR工程(ステップS16−1)における分解生成物からの水素放出速度を第2のDR工程(ステップS16−2)における分解生成物からの水素放出速度よりも大きくすることができる。これによって、希土類合金の核生成がより均一になると考えられる。
第2のDR工程(ステップS16−2)における反応炉10内の雰囲気の水素分圧P4は0kPaから1kPa程度とする。
反応炉10内の温度を温度Tとして時間t5の間、脱水素再結合させた後、冷却工程(ステップS17)に移行する。
<冷却工程:ステップS17>
冷却工程(ステップS17)は、空間Bへ原料を冷却する冷却用の不活性ガスを供給して、HDDR反応で得られた希土類合金粉末を室温にまで冷却する工程である。反応炉10内の温度を室温まで冷却した後、前記不活性ガスの供給を停止し、反応炉10の蓋12Bを開き、内容器13から希土類合金粉末を取り出す。取り出した希土類合金粉末は、成形後着磁することにより磁石となる。前記不活性ガスとしては、例えば、Arガス、N2ガスなどが用いられる。
以上の工程によって、HDDR法によって優れた磁気特性を有する希土類合金粉末を得ることができる。
以上のように、本実施形態の希土類合金粉末の製造方法は、反応炉10を用いて希土類合金である原料合金からHDDR反応により希土類合金粉末を製造することに適している。即ち、本実施形態の希土類合金粉末の製造方法では、反応炉10内の内容器13に原料合金Sは投入され、水素吸蔵工程(ステップS13)において反応炉10内を水素雰囲気とした状態で内容器13が回転又は揺動し、内容器13内の原料合金Sを攪拌し、粉砕する。そして、そのまま同一の反応炉10内において水素雰囲気を維持した状態でHDDR反応を行ない、HD工程(ステップS14)において粉砕した原料合金SをHDして得られる分解生成物から水素を放出させ、希土類合金粉末を得ている。反応炉10は、反応炉10内を水素雰囲気とした状態で原料合金Sを予め粉砕しているため、原料合金Sの表面積を増大させつつ原料合金Sの表面が酸化されるのを防止することができる。この反応炉10内を水素雰囲気とした状態を維持したまま反応炉10内でHDDR反応のHD反応を行なうため、反応炉10内で原料合金Sはその表面が酸化されることなく原料合金S全体にHD反応を均一に進行させることができる。このため、原料合金Sは酸化されることなく均一に微細化することができるため、磁気特性に優れた希土類合金粉末を製造することができる。
また、本実施形態の希土類合金粉末の製造方法は、内容器13を回転又は揺動させ、内容器13内の原料合金Sは攪拌され、粉砕されているので、原料合金Sの温度分布を均一に保つこともでき、原料合金Sの水素吸蔵、HD反応を原料合金S全体に均一に反応させることができる。このため、大量の原料合金から希土類合金粉末を製造する場合でも、原料の攪拌により原料の温度制御が比較的容易になる。よって、本実施形態の希土類合金粉末の製造方法は、HDDR法を用いて磁性材料用の粉末を製造すること、特に高品質の希土類合金粉末を安定して大量に製造することもできる。
本実施形態の希土類合金粉末の製造方法によって得られる希土類合金粉末は、原料合金を均一に微細化することができるため、希土類焼結磁石用や希土類ボンド磁石用の合金粉末として好適に用いることができる。即ち、上記製造方法によって得られる希土類合金粉末を用いて磁石を作製すれば、保磁力や残留磁束密度などの磁気特性に優れる磁石を得ることができる。
この希土類合金粉末は、成形することで永久磁石の原料として好適に用いられる。また、希土類合金粉末は、磁気的な異方性を有する磁石粉末であることが好ましい。これによって、更に磁気特性に優れる異方性磁石の原料として好適に用いることができる。
<永久磁石>
次に、本発明の永久磁石の好適な実施形態について説明する。永久磁石としては、例えば、希土類焼結磁石や希土類ボンド磁石などが挙げられる。希土類焼結磁石は希土類合金粉末を所定の形状に成形して得られる磁石である。希土類ボンド磁石は樹脂を含む樹脂バインダーと磁石粉末とを混練して得られる希土類ボンド磁石用コンパウンド(組成物)を所定の形状に成形して得られる磁石である。希土類焼結磁石や希土類ボンド磁石は、各々、成形する際、異方性、等方性とすることができる。異方性希土類焼結磁石や異方性希土類ボンド磁石は、成形する際、磁場を印加して希土類合金粉末を一定方向に配向させながら成形することにより得られる。等方性希土類焼結磁石や等方性希土類ボンド磁石は、各々、成形する際、磁場を印加しないで希土類合金粉末を成形することにより得られる。
(希土類焼結磁石)
希土類焼結磁石の製造方法の一例について説明する。上述のようにして得られた希土類合金粉末を、例えばプレス成形などにより目的とする所定形状に成形する。希土類合金粉末を成形して得られる成形体の形状は特に限定されるものではなく、用いる金型の形状に応じて、例えば柱状、平板状、リング状等、所望とする希土類焼結磁石の形状に応じて変更することができる。
次いで、成形体を、例えば、真空中又は不活性ガスの存在下、1000℃から1200℃の温度で、1時間から10時間加熱処理して焼成する。これにより、焼結体(希土類焼結磁石)が得られる。焼成後、得られた希土類焼結磁石を焼成時よりも低い温度で加熱することなどによって、希土類焼結磁石に時効処理を施す。時効処理は、例えば、700℃から900℃の温度で1時間から3時間、更に500℃から700℃の温度で1時間から3時間加熱する2段階加熱や、600℃付近の温度で1時間から3時間加熱する1段階加熱等、時効処理を施す回数に応じて適宜処理条件を調整する。このような時効処理によって、希土類焼結磁石の磁気特性を向上させることができる。
得られた希土類焼結磁石は、所望のサイズに切断したり、表面を平滑化したりすることで、目的とする所定形状の希土類焼結磁石が得られる。なお、得られた希土類焼結磁石は、その表面上に酸化層や樹脂層等の劣化を防止するための保護層を更に設けてもよい。
上述したように、本実施形態の希土類合金粉末の製造方法により得られる希土類合金粉末は優れた磁気特性を有するため、この希土類合金粉末を用いて得られた希土類焼結磁石は、残留磁束密度Brを十分維持しつつ保磁力HcJを向上させることができるなど優れた磁気特性を有することができる。
また、希土類合金粉末を目的とする所定の形状に成形する際、磁場を印加して成形して得られる成形体を一定方向に配向させるようにしてもよい。これにより、希土類焼結磁石が特定方向に配向するので、より磁性の強い異方性希土類焼結磁石が得られる。
(希土類ボンド磁石)
希土類ボンド磁石の製造方法の一例について説明する。樹脂を含む樹脂バインダーと希土類合金粉末とを例えば加圧ニーダー等の加圧混練機で混練して樹脂バインダーと希土類合金粉末とを含む希土類ボンド磁石用コンパウンド(組成物)を調製する。樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂や、スチレン系、オレフィン系、ウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系のエラストマー、アイオノマー、エチレンプロピレン共重合体(EPM)、エチレン−エチルアクリレート共重合体等の熱可塑性樹脂が挙げられる。なかでも、熱硬化性樹脂が好ましく、エポキシ樹脂又はフェノール樹脂がより好ましい。また、希土類ボンド磁石用コンパウンドには、必要に応じて、カップリング剤やその他の添加材を加えてもよい。
また、希土類ボンド磁石における希土類合金粉末と樹脂との含有比率は、希土類合金粉末100質量部に対して、樹脂を例えば0.5質量部以上20質量部以下含むことが好ましい。希土類合金粉末100質量部に対して、樹脂の含有量が0.5質量部未満であると、保形性が損なわれる傾向があり、樹脂が20質量部と超えると、十分に優れた磁気特性が得られ難くなる傾向がある。
上述の希土類ボンド磁石用コンパウンドを調製した後、この希土類ボンド磁石用コンパウンドを圧縮成形することにより、希土類合金粉末と樹脂とを含む希土類ボンド磁石を得ることができる。圧縮成形は、機械プレスや油圧プレス等の圧縮成形機を用いて行なわれる。なお、希土類ボンド磁石の製造方法は、上述の圧縮成形による方法に限定されるものではなく、例えば射出成形によって成形してもよい。この場合、希土類ボンド磁石用コンパウンドを、必要に応じてバインダー(熱可塑性樹脂)の溶融温度まで加熱し、流動状態とした後、この希土類ボンド磁石用コンパウンドを所定の形状を有し磁場が印加された金型内に射出して成形を行う。その後、冷却し、金型から所定形状を有する成形品(希土類ボンド磁石)を取り出す。このようにして希土類ボンド磁石が得られる。成形して得られる希土類ボンド磁石の形状は特に限定されるものではなく、上記と同様に、用いる金型の形状に応じて、例えば柱状、平板状、リング状等、所望とする希土類ボンド磁石の形状に応じて変更することができる。
上述したように、本実施形態の希土類合金粉末の製造方法により得られる希土類合金粉末は優れた磁気特性を有するため、この希土類合金粉末を用いて得られた希土類ボンド磁石は、残留磁束密度Brを十分維持しつつ保磁力HcJを向上させることができるなど優れた磁気特性を有することができる。
また、希土類ボンド磁石用コンパウンドを、目的とする所定の形状に成形する際、磁場を印加して成形して得られる成形体を一定方向に配向させるようにしてもよい。これにより、希土類ボンド磁石が特定方向に配向するので、より磁性の強い異方性希土類ボンド磁石が得られる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はこれに制限されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形、種々の組み合わせが可能であり、磁石以外について同様に適用することができる。
本発明の内容を実施例及び比較例を用いて以下に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
ストリップキャスト法によって、以下の組成を有するNd2Fe14B原料合金(粒径30.0mm程度、以下、「原料合金」という。)を調製した。
Nd:28.00質量%
Fe:70.01質量%
B:1.08質量%
Ga:0.36質量%
Nb:0.30質量%
この原料合金は、上述の元素の他に、微量の不可避不純物(原料合金全体の0.2〜0.3質量%)を含んでいた。この原料合金を、例えばストリップキャスト法など通常用いられる鋳造方法により得た。この原料合金を、真空中、1000℃から1200℃の温度範囲で24時間保持した(図1中、均質化熱処理工程(ステップS12))。均質化熱処理後の原料合金を、反応炉10(図2、3参照)に入れて反応炉10内に水素ガス11(図2、3参照)を導入し、水素ガス雰囲気下、水素分圧100kPa程度とし、100℃程度で2時間放置した(図1中、水素吸蔵工程(ステップS13))。このとき、反応炉10内の内容器13(図2、3参照)を回転又は揺動して、内容器13内で原料合金を攪拌し、粉砕した。これにより、原料合金の粒径を0.3mm以下とした。
粉砕した原料合金が反応炉10内にそのまま残っている状態で以下の条件でHDDR法による処理(HDDR処理)を施した。HDDR処理のフローチャートは図1のHD工程(ステップS14)からDR工程(ステップS16)に示す通りである。
反応炉10内の水素分圧を下げるとともに炉内温度を10℃/分で昇温し、水素ガス11を吸蔵した原料合金を、水素分圧40kPa、温度800℃の条件で3時間保持するHD工程を行った(図1中、HD工程(ステップS14))。これによって、原料合金を水素化分解させて分解生成物を得た。
その後、炉内温度を10℃/分で850℃まで昇温した(図1中、昇温工程(ステップS15))。炉内温度を850℃まで昇温した後、真空ポンプを用いて水素ガス11を排気し、炉内の圧力(水素分圧)を4kPa/分の速度で下げて6kPaとし、約10分間、分解生成物に含まれる水素の放出を開始した(図1中、第1のDR工程(ステップS16−1))。
その後、反応炉10内からの水素ガス11の排気速度を変更して、炉内圧力(水素分圧)の降下速度を0.1kPa/分とし、反応炉10内の圧力(水素分圧)が0Pa程度になるまで、水素ガス11の放出を継続して行うことにより、分解生成物から水素をほぼ完全に除去した(図1中の第2のDR工程(ステップS16−2))。なお、第2のDR工程(ステップS16−2)に所要した時間は40分から50分間であった。
炉内の圧力(水素分圧)が0Paとなった時点で、水素の放出を停止した。その後、炉内を室温(約20℃程度)まで冷却し、HDDR処理された異方性のNdFe14B粉末を得た。原料合金の粒径、水素吸蔵工程(ステップS13)及びHD工程(ステップS14)での攪拌・粉砕の有無、HDDR処理のHD処理条件(水素分圧、HD反応時間、温度)を表1に示す。
(実施例2)
HDDR処理のHD工程(ステップS14)のHD反応時間を3時間から4.5時間に変更したこと以外は、実施例1と同様にして原料合金のHDDR処理を行い、NdFe14B粉末を製造した。原料合金の粒径、水素吸蔵工程(ステップS13)及びHD工程(ステップS14)での攪拌・粉砕の有無、HDDR処理のHD処理条件(水素分圧、HD反応時間、温度)を表1に示す。
(実施例3)
HDDR処理のHD工程(ステップS14)のHD反応時間を3時間から6時間に変更したこと以外は、実施例1と同様にして原料合金のHDDR処理を行い、NdFe14B粉末を製造した。原料合金の粒径、水素吸蔵工程(ステップS13)及びHD工程(ステップS14)での攪拌・粉砕の有無、HDDR処理のHD処理条件(水素分圧、HD反応時間、温度)を表1に示す。
(実施例4)
反応炉10内の内容器13(図2、3参照)を回転又は揺動して内容器13内の原料合金を攪拌し、粉砕する作業を、原料合金に水素を吸蔵させている時(水素吸蔵工程ステップ(ステップS13))からHDDR処理のHD工程(ステップS14)の時に変更し、HDDR処理のHD工程(ステップS14)のHD反応時間を3時間から4.5時間に変更したこと以外は、実施例1と同様にして原料合金のHDDR処理を行い、NdFe14B粉末を製造した。原料合金の粒径、水素吸蔵工程(ステップS13)及びHD工程(ステップS14)での攪拌・粉砕の有無、HDDR処理のHD処理条件(水素分圧、HD反応時間、温度)を表1に示す。
(実施例5)
反応炉10内の内容器13(図2、3参照)を回転又は揺動して内容器13内の原料合金を攪拌し、粉砕する作業を、原料合金に水素を吸蔵させている時(水素吸蔵工程ステップ(ステップS13))とHDDR処理のHD工程(ステップS14)との両方の段階で行い、HDDR処理のHD工程(ステップS14)のHD反応時間を3時間から4.5時間に変更したこと以外は、実施例1と同様にして原料合金のHDDR処理を行い、NdFe14B粉末を製造した。原料合金の粒径、水素吸蔵工程(ステップS13)及びHD工程(ステップS14)での攪拌・粉砕の有無、HDDR処理のHD処理条件(水素分圧、HD反応時間、温度)を表1に示す。
(比較例1〜3)
比較例1〜3は、原料合金の粉砕を行なわず、HDDR処理を行い、Nd2Fe14B合金粉末を製造したものであり、Nd2Fe14B原料合金の粉砕を行なわず、HDDR処理のHD工程(ステップS14)のHD反応時間を変更したこと以外は、実施例1と同様にしてNd2Fe14B合金粉末を製造した。原料合金の粒径、水素吸蔵工程(ステップS13)及びHD工程(ステップS14)での攪拌・粉砕の有無、HDDR処理のHD処理条件(水素分圧、HD反応時間、温度)を表1に示す。
(比較例4、5)
比較例4、5は、原料合金の粉砕を行なわず、HDDR処理を行い、Nd2Fe14B合金粉末を製造したものであり、Nd2Fe14B原料合金の粉砕を行なわず、HDDR処理のHD工程(ステップS14)の水素分圧を変更し、HDDR処理のHD工程(ステップS14)のHD反応時間を3時間から6時間に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてNd2Fe14B合金粉末を製造した。原料合金の粒径、水素吸蔵工程(ステップS13)及びHD工程(ステップS14)での攪拌・粉砕の有無、HDDR処理のHD処理条件(水素分圧、HD反応時間、温度)を表1に示す。
(比較例6、7)
比較例6、7は、原料合金の粉砕を行なわず、HDDR処理を行い、Nd2Fe14B合金粉末を製造したものであり、Nd2Fe14B原料合金の粉砕を行なわず、原料合金の粒径を変更し、HDDR処理のHD工程(ステップS14)の反応時間を3時間から6時間に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてNd2Fe14B合金粉末を製造した。原料合金の粒径、水素吸蔵工程(ステップS13)及びHD工程(ステップS14)での攪拌・粉砕の有無、HDDR処理のHD処理条件(水素分圧、HD反応時間、温度)を表1に示す。
[磁気特性の評価]
得られたNdFe14B粉末を、不活性雰囲気中で乳鉢を用いて粉砕し、篩い分けを行って、NdFe14B粉末とした。このNdFe14B粉末をケースに詰めた後、1テスラの磁場を印加して磁石粉末を配向させた。磁石粉末の配向方向と平行な方向に6テスラのパルス磁場を印加し、振動試料型磁力計(VSM)を用いて磁化−磁場曲線を測定して磁気特性を測定した。磁気特性として残留磁束密度Br、保磁力HcJ及び減磁曲線の角型性Hk/HcJを測定した。減磁曲線の角型性とは、減磁曲線で磁化が残留磁化の値から10%低下したときの磁場の絶対値をHkとしたとき、磁化が0になる磁場の絶対値である保磁力HcJでHkを除した値Hk/HcJをいう。Br、HcJ及びHk/HcJの測定結果を表1に示す。
Figure 2011184730
表1より、水素吸蔵工程S13で原料合金を攪拌し、粉砕した(実施例1から3参照)場合の方が、水素吸蔵工程S13で原料合金を攪拌し、粉砕しなかった(比較例1から3参照)場合よりHD反応時間が短かった。よって、水素吸蔵工程S13で原料合金を攪拌し、粉砕することにより、HD工程S14でのHD反応時間を短縮できることがわかった。また、水素吸蔵工程S13とHD工程S14との何れか一方又は両方で原料合金を攪拌し、粉砕した(実施例2、4、5参照)場合の方が、水素吸蔵工程S13及びHD工程S14で原料合金を攪拌して粉砕しなかった(比較例1参照)場合より磁石粉末の残留磁束密度Brと保磁力HcJと減磁曲線の角型性Hk/HcJとが高かった。よって、水素吸蔵工程S13とHD工程S14との何れか一方又は両方で原料合金を攪拌し、粉砕することにより、磁石粉末の磁気特性を向上させることができることがわかった。
また、水素吸蔵工程S13及びHD工程S14で原料合金を攪拌して粉砕せず、HD工程S14においてHD反応時間を調整した(比較例1から3参照)場合、保磁力HcJは向上したが、磁石粉末の残留磁束密度Brは上昇せず、減磁曲線の角型性Hk/HcJも高くならなかった。よって、水素吸蔵工程S13及びHD工程S14で原料合金を攪拌して粉砕せず、HD工程S14においてHD反応時間を調整するだけでは、磁石粉末の磁気特性の向上に限界があることがわかった。
また、水素吸蔵工程S13及びHD工程S14で原料合金を攪拌して粉砕せず、HD工程S14において水素分圧を40ka程度として行なった(比較例2参照)場合の方が、水素分圧を15、70ka程度として行なった(比較例4、5参照)場合より保磁力HcJと磁石粉末の残留磁束密度Brは高く、減磁曲線の角型性Hk/HcJも高かった。しかし、水素分圧を調整するだけでは、磁石粉末の磁気特性を更に向上させるのは困難であることがわかった。また、水素吸蔵工程S13及びHD工程S14で原料合金を攪拌して粉砕せず、原料合金の粒径を小さくして行なった(比較例6、7参照)場合の方が、原料合金の粒径が大きい状態で行なった(比較例2参照)場合より保磁力HcJは高くなったが、磁石粉末の残留磁束密度Brと減磁曲線の角型性Hk/HcJとは低くなった。よって、原料合金の粒径を小さくするだけでは、十分な磁気特性を有する磁石粉末を得るのは困難であることがわかった。
以上のように、本発明に係る希土類合金粉末の製造方法は、HDDR法を用いて磁石用の希土類合金粉末を製造するのに有用である。
10 反応炉
11 水素ガス
12 外容器
12a 外殻
12b 内殻
12A 外容器本体
12B 蓋
13 内容器
13a、13b 側壁
14 内容器駆動装置(内容器駆動手段)
14a 支持体
14b 回転体
14c 電動機
15 加熱器
16 気体導入口
17 気体排出口
18 脚
21 本体側冷却媒体供給口
22 本体側冷却媒体排出口
23 冷却用ポンプ
24 蓋側冷却媒体供給口
25 蓋側冷却媒体排出口
26a 第1開口
26b 第2開口
31 内容器支持部材
32 支持ローラー
32a 側部
A、B、C 空間
S 原料合金
W 冷却媒体

Claims (9)

  1. 水素化分解・脱水素再結合法によって希土類合金粉末を製造するにあたり、
    希土類合金の原料合金を反応炉内に投入し、前記反応炉内に水素ガスを供給し、前記原料合金に水素を吸蔵させる水素吸蔵工程と、
    前記反応炉内で前記原料合金を水素化分解させて分解生成物を得る水素化分解工程と、
    前記反応炉内で前記分解生成物から水素を放出させ、前記分解生成物の水素濃度を低減し希土類合金粉末を得る脱水素再結合工程と、を含み、
    前記水素吸蔵工程と前記水素化分解工程との何れか一方又は両方で前記原料合金を粉砕することを特徴とする希土類合金粉末の製造方法。
  2. 前記水素吸蔵工程で前記原料合金を粉砕する請求項1に記載の希土類合金粉末の製造方法。
  3. 前記反応炉は、
    外容器と、
    前記外容器の内部に配置され、前記原料合金を収容する内容器と、
    前記内容器内に収容される前記原料合金を粉砕する粉砕手段と、
    を含む請求項1又は2に記載の希土類合金粉末の製造方法。
  4. 前記粉砕手段が、前記内容器を回転又は揺動させる内容器駆動手段である請求項3に記載の希土類合金粉末の製造方法。
  5. 前記粉砕手段が、前記内容器の内部に振動を与える振動発生手段である請求項3に記載の希土類合金粉末の製造方法。
  6. 前記外容器の内部に配置され、前記内容器内の前記原料合金を攪拌する攪拌手段が設けられている請求項3から5の何れか1つに記載の希土類合金粉末の製造方法。
  7. 前記内容器はその内壁から突出する部材を前記内容器内の前記原料合金を攪拌する攪拌手段として用いる請求項4に記載の希土類合金粉末の製造方法。
  8. 前記攪拌手段が、前記内容器内の前記原料合金を攪拌する攪拌棒である請求項6に記載の希土類合金粉末の製造方法。
  9. 希土類合金の原料合金を反応炉内に投入し、前記反応炉内に水素ガスを供給しつつ前記反応炉内で前記原料合金を粉砕して前記原料合金に水素を吸蔵させた後、前記反応炉内を水素雰囲気の状態を維持したまま前記反応炉内で水素化分解・脱水素再結合法により製造される希土類合金粉末を成形して得られることを特徴とする永久磁石。
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