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JP2011184344A - p21発現促進剤 - Google Patents

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JP2011184344A JP2010050362A JP2010050362A JP2011184344A JP 2011184344 A JP2011184344 A JP 2011184344A JP 2010050362 A JP2010050362 A JP 2010050362A JP 2010050362 A JP2010050362 A JP 2010050362A JP 2011184344 A JP2011184344 A JP 2011184344A
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Daishi Sakaguchi
大志 坂口
Azumi Nagasawa
安曇 長澤
Yasuto Suzuki
康人 鈴木
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Kao Corp
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Kao Corp
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Abstract

【課題】p21(Waf1/Cip1)の発現促進剤の提供。
【解決手段】式(I)で示される化合物もしくはその塩、又は式(II)で示される第四級アンモニウム塩を含有するp21発現促進剤:


【選択図】なし

Description

本発明は、p21(Waf1/Cip1)の発現を促進し、細胞増殖を抑制する化合物に関する。
正常な皮膚は正常な細胞増殖制御を受けて形成されているが、一方、皮膚癌においては、皮膚の細胞の増殖異常が所見の1つとして観察される。皮膚癌は、身体のどこでも発症するが、約80%が顔面、頭部、頚部に発生してこれらの部位に奇形と危険をもたらすため、患者の生存に加えて、QOL(生活の質)もが脅かされる疾患である。皮膚癌の主な発症原因は紫外線であると考えられている。近年、オゾン層の破壊による地上に降り注ぐ紫外線の増加が指摘されていることから、皮膚癌の増加が危惧されている。したがって、皮膚癌の予防、治療に対する潜在的な需要が存在する。
p21(Waf1/Cip1)は、細胞の核に局在する分子量21kDaのタンパク質であり、164個のアミノ酸からなる。このタンパク質のN末端側第16〜24番アミノ酸領域にはサイクリン結合部位、第45〜65番にはCdk結合部位が存在する。また、C末端側第140〜156番アミノ酸領域には核局在シグナルが存在し、この領域はPCNA結合部位(第142〜164番)や第2のCdk結合部位(第152〜158番)とオーバーラップしている。p21遺伝子は全長15kbで、ヒト染色体の6p21に位置する。mRNAのサイズは2.1kbである。プロモーター内には、p53依存性又は非依存性の転写活性化エレメントが存在することが報告されている。
細胞内で合成されたp21は核へと移行し、サイクリン(A、B、D、Eのいずれか)とCdk(Cdk2、Cdk4、Cdc2のいずれか)さらにはS期の核内においてはPCNAと結合し、ヘテロ四量体を形成する。p21が結合したサイクリン/Cdk複合体は、そのキナーゼ活性が強く阻害されるため、それ以降の増殖シグナルであるRBタンパクのリン酸化、E2Fの活性化、さらにはDNAポリメラーゼやチミジンキナーゼ、DHFR、Myc、Cdc2、サイクリンA等の合成を誘導しない。結果として、細胞のp21を過剰発現させると、その細胞の分裂は停止し、細胞増殖が抑制される。
p21の発現と様々な疾患との関連性が知られている。特許文献1にはシェーグレン症候群、自己免疫性膵炎、全身性エリテマトーデス(SLE)等の予防、治療に有効なp21誘導剤が記載されている。特許文献2には、アクラシノマイシン類の1種または2種以上がp16INK4及び/又はp21waf1の発現を誘導して細胞増殖を抑制する方法が記載されている。特許文献3には、p21Cip1遺伝子の発現を促進する化合物を有効成分とする関節リウマチの予防または治療のための医薬組成物が記載されている。p21発現はまた、肺疾患(非特許文献1、2)、肥満(非特許文献3、4)、関節炎や関節リウマチ(非特許文献5、6)とも関連することが報告されている。また、p21のノックアウトマウスでは皮膚細胞の増殖性が高いこと、皮膚癌が形成されやすいことが報告されている(非特許文献7〜9)。
p21発現の促進剤は、皮膚癌をはじめとする様々な疾患の予防、治療に有用であると考えられる。
特許文献4には、下式(I)及び/又は式(II):
で示されるジアルキルアミノ誘導体又は第四級アンモニウム塩を含有する、光老化予防もしくは改善、又はしわ予防もしくは改善のための皮膚外用剤組成物が開示されている。
特許文献5には、下式(I)及び/又は式(IV):
で示されるジアルキルアミノ誘導体又は第四級アンモニウム塩を有効成分とする抑毛剤が開示されている。
特開平10-236953号公報 特開2002-326937号公報 国際公開第WO01/021793号パンフレット 特開2009-120515号公報 国際公開第WO2010/0166606号パンフレット
Inoshima I et al, Am J Physiol Lung Cell Mol Physiol, 286:727-733, 2004 O'Reilly MA et al, Am J Respir Cell Mol Biol, 24:703-710, 2001 Naaz A et al, FASEB J, 18:1925-1927, 2004 Kim SH et al, Biochem Biophys Res Commun, 372:108-113, 2008 Nasu K et al, J Immunol, 165:7246-7252, 2000 Woods JM et al, Arthritis Res Ther, 8:R113, 2006 Philipp J et al, Oncogene, 18:4689-4698, 1999 Weinberg WC et al, Cancer Res, 59:2050-2054, 1999 Topley GI et al, Proc Natl Acad Sci U S A, 96:9089-9094, 1999
本発明は、p21の発現を促進することによって細胞増殖を抑制することができる、または種々の疾患の予防又は治療剤として有用である化合物を提供することに関する。
本発明者らは、下記式(I)又は(II)で表される化合物がp21の発現を促進する活性を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下を提供する。
(1)次式(I):
[式中、
R1は、置換もしくは非置換のC4-20-アルキル基であるか、又は、次式(i):
(式中、
R1'は、置換もしくは非置換のC2-20-アルキレン基であるか、又は-(CH2)n-O-(CH2)m-O-(CH2)o-であり、ここでn、m及びoは1〜6の整数であり、
X'は、-CO-NH-又は-O-CO-であり、
Y'は、置換又は非置換のC1-4-アルキレン基であり、
R2'及びR3'は、同じ又は異なるC1-4-アルキル基である)
で示される基であるか、又は、次式(ii):
(式中、
R1'、X'及びY'は、前記と同じ意味であり、
R4'、R5'及びR6'は、同じ又は異なるC1-4-アルキル基であり、
A'-は、対イオンである)
で示される基であり、
Xは、-NH-CO-又は-CO-O-であり、
Yは、置換又は非置換のC1-4-アルキレン基であり、
R2とR3とは同じ又は異なるC1-4-アルキル基である]
で示される化合物もしくはその塩、又は、
次式(II):
(式中、
R1、X及びYは、前記と同じ意味であり、
R4、R5及びR6は、同じ又は異なるC1-4-アルキル基であり、
A-は、対イオンである)
で示される第四級アンモニウム塩、
を含有するp21発現促進剤。
(2) 前記Xが-NH-CO-であり、前記Yがメチレン基又はエチレン基であり、前記X'が-CO-NH-であり、前記Y'がメチレン基又はエチレン基である、(1)記載のp21発現促進剤。
(3)前記R1は、置換もしくは非置換のC4-20-アルキル基であり、前記Xが-NH-CO-であり、前記Yがメチレン基又はエチレン基である、(1)記載のp21発現促進剤。
(4)(1)〜(3)のいずれか1に記載の化合物もしくはその塩又は第四級アンモニウム塩を含有する細胞増殖抑制剤。
(5)細胞が上皮細胞である(4)記載の細胞増殖抑制剤。
(6)(1)〜(3)のいずれか1に記載の化合物もしくはその塩又は第四級アンモニウム塩を含有する抗癌剤。
HaCaT細胞におけるp21発現誘導 HaCaT細胞増殖の抑制 HeLa細胞増殖の抑制
本明細書において、p21と、p21(Waf1/Cip1)とは、同一物を指す呼称として使用される。p21の詳細は、<http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/dispomim.cgi?id=116899>に記載されている。本明細書において、「p21の発現」とは、p21遺伝子の発現、p21 mRNAの発現、p21タンパク質の発現のいずれかを指す。すなわち、「p21発現促進」には、p21遺伝子からp21 mRNAへの転写の促進、p21 mRNAの増加、p21 mRNAからp21タンパク質への翻訳の促進、及びp21タンパク質量の増加が含まれる。
本発明は、下記式(I)で示される化合物もしくはその塩、又は上記式(II)で示される第四級アンモニウム塩を含有するp21発現促進剤を提供する。
上記式(I)又は式(II)においてR1で示される炭素数4〜20のアルキル基としては、直鎖状又は分枝状の炭素数4〜20のアルキル基、例えば、n-ブチル基、i-ブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、2-エチルヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノナニル基、n-デシル基、トリメチルデシル基、n-ウンデシル基、n-ドデシル基、n-トリデシル基、n-テトラデシル基、n-ペンタデシル基、n-ヘキサデシル基、n-ヘプタデシル基、n-オクタデシル基、メチルヘプタデシル基(メチル分岐イソステアリル基)、n-ノナデシル基、n-イコシル基等が挙げられる。このうち、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノナニル基、n-デシル基、トリメチルデシル基、n-ウンデシル基、n-ドデシル基、n-トリデシル基、n-テトラデシル基、n-ペンタデシル基等のC8-15-アルキル基が好ましい。
あるいは、上記式(I)又は式(II)のR1は、上記式(i)又は式(ii)で示される基であり得る。上記式(i)又は式(ii)において、R1'で示される炭素数2〜20のアルキレン基としては、直鎖状又は分枝状の炭素数2〜20のアルキレン基、例えば、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、ウンデカメチレン基、ドデカメチレン基、トリデカメチレン基、テトラデカメチレン基、ペンタテカメチレン基、ヘンキサデカメチレン基、ヘプタデカメチレン基、オクタデカメチレン基、ノナデカメチレン基、イコサデカメチレン基、メチルエチレン基、エチルエチレン基、プロピレン基、プロペニレン基等が挙げられる。このうち、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、ウンデカメチレン基、ドデカメチレン基、トリデカメチレン基、テトラデカメチレン基、ペンタテカメチレン基、ヘキサデカメチレン基、メチルエチレン基、エチルエチレン基、プロピレン基等のC2-16-アルキレン基が好ましい。あるいは、上記式(i)又は式(ii)のR1'で示される基は、-(CH2)n-O-(CH2)m-O-(CH2)o-であり得る。ここでn、m及びoは1〜6の整数であり、好ましくはn、m及びoは2である。
上記式(i)又は式(ii)において、X'で示される基は、-CO-NH-又は-O-CO-である。Y'で示される基は、置換又は非置換のC1-4-アルキレン基であり、好ましくは非置換のC1-4-アルキレン基であり、より好ましくはメチレン基又はエチレン基である。
上記式(i)のR2'及びR3'は、C1-4-アルキル基であり、また上記式(ii)のR4'、R5'及びR6'はC1-4-アルキル基である。当該C1-4-アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基が挙げられ、このうちメチル基及びエチル基が好ましい。上記R2'とR3'は同じ基であっても互いに異なる基であってもよく、そして上記R4'とR5'とR6'は同じ基であっても互いに異なる基であってもよい。
上記式(I)又は式(II)のXで示される基は、-NH-CO-又は-CO-O-である。Yで示される基は、置換又は非置換のC1-4-アルキレン基であり、好ましくは非置換のC1-4-アルキレン基であり、より好ましくはメチレン基又はエチレン基である。
上記式(I)のR2及びR3はC1-4-アルキル基であり、また上記式(II)のR4、R5及びR6はC1-4-アルキル基である。当該C1-4-アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基が挙げられ、このうちメチル基及びエチル基が好ましい。上記R2とR3は同じ基であっても互いに異なる基であってもよく、そして上記R4とR5とR6は同じ基であっても互いに異なる基であってもよい。
上記式(II)のA-又は(ii)のA'-で示される対イオンとしては、例えば、ハロゲンイオン、カルボキシレートイオン、スルホネートイオン、硫酸イオン、硝酸イオン等が挙げられるが、ハロゲンイオン及びカルボキシレートイオンが好ましい。ハロゲンイオンとしては、例えば、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン等が挙げられる。また、カルボキシレートイオンとしては、例えば、ホルメートイオン、アセテートイオン、プロピオネートイオン、フマレートイオン、マレートイオン等が挙げられる。
好ましくは、式(I)のXは-NH-CO-であり、Yはメチレン基又はエチレン基であり、X'は-CO-NH-であり且つY'はメチレン基又はエチレン基である。また好ましくは、式(I)のXは-NH-CO-であり、Yはメチレン基又はエチレン基であり、且つR1は置換もしくは非置換のC4-20-アルキル基である。
上記式(I)又は式(II)のR1で示されるC4-20-アルキル基及びYで示されるC1-4-アルキレン基、ならびに上記式(i)又は式(ii)のR1'で示されるC2-20-アルキレン基及びY'で示されるC1-4-アルキレン基は、1以上の置換基で置換されていてもよい。置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルコキシル基、アシル基、保護されていてもよいアミノ基、複素環式基等が挙げられる。ここでハロゲン原子としては、例えば塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。アルコキシル基としては、炭素数1〜12のアルコキシル基が好ましく、例えばメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基等が挙げられる。アシル基としては、炭素数1〜12のアルカノイル基が好ましく、例えば、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル等が挙げられる。保護されていてもよいアミノ基としては、例えばアミノ基、アシルアミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基等が挙げられる。複素環式基としては、例えば、ヘテロ原子として窒素原子、酸素原子及び/又は硫黄原子を1〜3個有する5〜14員の単環又は縮合環の基が好ましく、例えばピリジル基、ピリダジニル基、フリル基、チエニル基、インドリル基、チアゾリル基、イミダゾリル基、ベンゾフリル基、ベンゾチエニル基等が挙げられる。
上記式(I)で示される化合物(ただし、上記R1が式(ii)で示される基の場合を除く)の塩としては、例えば、塩酸、硫酸、リン酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、ピロ硫酸、メタリン酸等の無機酸、クエン酸、安息香酸、酢酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、スルホン酸(例えば、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸)等の有機酸、又はグルタミン酸、アスパラギン酸等のアミノ酸との塩が挙げられる。
上記式(I)で示される化合物もしくはその塩又は上記式(II)で示される第四級アンモニウム塩としては、ドデカン酸2-ジメチルアミノ-エチルエステル、ドデシルカルバモイルメチルトリメチルアンモニウムクロリド、2-(ドデカノイルオキシ)-N,N,N-トリメチルエタンアミニウム、2-ジメチルアミノ-N-(2-[2-[2-(2-ジメチルアミノ-アセチルアミノ)-エトキシ]-エトキシ]-エチル)-アセトアミド、2-ジメチルアミノ-N-[8-(2-ジメチルアミノ-アセチルアミノ)-オクチル]-アセトアミド、2-ジメチルアミノ-N-[12-(2-ジメチルアミノ-アセチルアミノ)-ドデシル]-アセトアミド、2-ジメチルアミノ-N-[4-(2-ジメチルアミノ-アセトアミノ)-ブチル]-アセトアミドが好ましい。
上記式(I)で示される化合物又はその塩及び式(II)で示される第四級アンモニウム塩は、例えば、Izv. Vyssh. Ucheb. Zaved., Khim. Khim. Tekhnol., 14(9), 1369(1971)等に記載の方法により、例えば、塩化コリンと脂肪酸塩化物とを、窒素気流下で反応させることによって製造することができる。または、上記式(I)で示される化合物又はその塩及び式(II)で示される第四級アンモニウム塩の調製手順は、国際公開第WO2010/0166606号に記載されている。
後述の実施例に示されるように、上記式(I)で示される化合物もしくはその塩及び式(II)で示される第四級アンモニウム塩は、細胞におけるp21の発現を強力に誘導し、また細胞の増殖を抑制する作用を発揮する。従って、これらの化合物もしくはその塩及び第四級アンモニウム塩は、細胞のp21の発現促進剤として、及び細胞増殖抑制剤として有用である。本発明の細胞増殖抑制剤を適用する細胞の種類は特に限定されないが、上皮細胞が好ましく、表皮細胞がより好ましく、ヒト表皮細胞がなお好ましい。
さらに上記式(I)で示される化合物もしくはその塩、又は式(II)で示される第四級アンモニウム塩を含有する本発明のp21発現促進剤は、p21の発現上昇に伴って発症する種々の疾患、例えば、シェーグレン症候群、自己免疫性膵炎、全身性エリテマトーデス(SLE)、関節リウマチ等の自己免疫疾患、肺線維症等の肺疾患、肥満、関節炎、関節リウマチ、癌、その他の細胞増殖を伴う疾患等の予防又は治療のための薬剤として有用である。したがって、本発明は、上記式(I)で示される化合物もしくはその塩又は式(II)で示される第四級アンモニウム塩を有効成分として含有する上記疾患の予防治療剤を提供する。予防治療される疾患は好ましくは癌であり、より好ましくは上皮性腫瘍であり、なお好ましくは皮膚癌である。したがって、本発明はまた、上記式(I)で示される化合物もしくはその塩又は式(II)で示される第四級アンモニウム塩を有効成分として含有する抗癌剤を提供する。
本発明によるp21発現促進剤、細胞増殖抑制剤又は疾患の予防治療剤(抗癌剤等)は、医薬品、医薬部外品又は化粧料としてヒト又は動物に投与することができる。医薬品や医薬部外品として使用する場合、本発明のp21発現促進剤、細胞増殖抑制剤又は疾患の予防治療剤(抗癌剤等)は、単独で使用してもよく、又は薬学的にもしくは化粧料として許容される担体と組み合わせて使用してもよい。斯かる担体としては、例えば、賦形剤、結合剤、キレート剤、崩壊剤、滑沢剤、界面活性剤、希釈剤、浸透圧調整剤、pH調整剤、乳化剤、防腐剤、安定剤、酸化防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、保湿剤、増粘剤、光沢剤、活性増強剤、抗炎症剤、粉体、角質溶解剤、殺菌剤、矯味剤、矯臭剤等が挙げられる。
医薬品及び医薬部外品の投与経路は特に限定されず、経口及び非経口投与が挙げられる。投与のための剤型は特に限定されないが、例えば経口投与のための形態としては、錠剤、被覆錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤のような固形製剤、及びエリキシロール、シロップおよび懸濁液のような液体製剤が挙げられ、また非経口投与のための形態としては、注射、輸液、経皮、経粘膜、経鼻、経腸、吸入、坐剤、ボーラス等が挙げられる。化粧品の形態は特に限定されず、例えばローション、乳液、懸濁液、クリーム、軟膏、ペースト、パウダー、ケーキ、スティック、シート、パッチ等が挙げられる。
上記医薬品、医薬部外品、又は化粧料における上記式(I)化合物及び/又は式(II)の第四級アンモニウム塩の配合量は、0.0001〜20質量%の範囲であればよく、好ましくは0.001〜5質量%が好ましい。
上記医薬品又は医薬部外品は、式(I)化合物及び/又は式(II)の第四級アンモニウム塩の質量として、0.001〜1200mg、好ましく0.01〜300mgを、1日1回〜数回に分けて投与すればよいが、投与量は、患者の年齢、性別、体重、状態等に基づいて、医療の専門家の判断で適宜調整してもよい。
本発明の抗癌剤は、他の医薬、例えば他の抗癌剤やその他の薬剤、放射線等と併用して投与することができる。投与レジメンは、患者の年齢、性別、体重、状態等に基づいて、医療の専門家の判断で適宜決定される。
以下、実施例に基づき本発明をさらに詳細に説明する。
実施例1 p21発現促進効果の評価
1.方法
株化ヒト表皮細胞(HaCaT細胞)(Boukamp P, et al. J Cell Biol. 106:761-771, 1988)は、10 vol%非動化FBS(Gibco)、1 vol%ペニシリン/ストレプトマイシン(Gibco)含有のDMEM培地(Gibco)中で、37℃、5%CO2下で培養した。
HaCaT細胞を1.5×105cells/dishとなるように6cmディッシュに3mLずつまき、24時間後に下記表1の化合物2又は6を含有したDMEM培地3mLに置換した。さらに、その48時間後にHaCaT細胞を回収し、Cell Lysis Buffer(Cell Signaling Technology)によりタンパク質抽出を行った。尚、タンパク質抽出の際には、Complete Protease Inhibitor Cocktail Tablets(Roche)を用いた。抽出したタンパク質はBCA Protein Assay Kit(Thermo Scientific)により定量し、濃度を調整した。その後Lane Marker Sample Buffer(Thermo Scientific)によりタンパク質を希釈し、99℃で5分間処理した後に、タンパク質を15μg/レーンとなるように4〜20% gradient gel(TEFCO)にロードし、泳動を行った。
泳動されたタンパク質の中から、p21及びアクチン(コントロール)を検出した。ゲルからタンパク質をHybond-Pメンブレン(Amersham)に転写させ、5wt%スキムミルクで、30分、室温でブロッキングを行い、一次抗体と一晩、4℃で反応させた。一次抗体としては、p21 :p21 Waf1/Cip1(DCS60) mouse monoclonal antibody(Cell Signaling Technology, #2946;1/2000倍希釈)、又はActin:Actin (I-19) goat polyclonal antibody(Santa Cruz Biotechnology, sc-1616;1/1000倍希釈)を用いた。その後TBS-tweenによりメンブレンを洗浄し、二次抗体反応を1時間、室温にて行った。二次抗体としては、mouse:ECLTM anti-mouse IgG, HRP-linked whole antibody (from sheep)(Amersham, NA931-100UL;1/5000倍希釈)又はgoat:anti-goat IgG-HRP(Santa Cruz Biotechnology;1/5000倍希釈)を用いた。次いで、再度メンブレンの洗浄を行い、LumiGLO Reagent(登録商標)and Peroxide(Cell Signaling Technology)、または、AmershamTM ECL Plus Western Blotting Detection System(GE healthcare)によりバンドを検出した。
2.結果
結果を図1に示す。化合物2及び6は濃度依存的にp21のタンパク質発現を上昇させた。
実施例2 細胞増殖抑制効果の評価
1.方法
HaCaT細胞を3×103/ウェルとなるようにDMEM培地で希釈し、96ウェルプレートに100μlずつまいた。一晩インキュベートした後、表1に記載の化合物1〜7のいずれかを含有したDMEM培地100μlに置換した。その後72時間後にCell Counting Kit-8溶液(DOJINDO)10μlを各ウェルに添加し、37℃で3時間インキュベートした。次いで、マイクロプレートリーダーにより450nmの吸光度を測定した。測定時間は各ウェルあたり0.5秒とした。
2.結果
結果を図2に示す。化合物1〜7はHaCaT細胞の増殖を抑制させた。
実施例3 腫瘍細胞増殖抑制効果の評価
1.方法
HeLa細胞(ヒト子宮頸癌細胞)を1×103/ウェルとなるようにDMEM培地で希釈し、96ウェルプレートに100μlずつまいた。一晩インキュベートした後、化合物2を含有したDMEM培地100μlに置換した。その後72時間後にCell Counting Kit-8溶液(DOJINDO)10μlを各ウェルに添加し、37℃で3時間インキュベートした。次いで、マイクロプレートリーダーにより450nmの吸光度を測定した。測定時間は各ウェルあたり0.5秒とした。
2.結果
結果を図3に示す。化合物2は腫瘍細胞の増殖を抑制した。

Claims (6)

  1. 次式(I):
    [式中、
    R1は、置換もしくは非置換のC4-20-アルキル基であるか、又は、次式(i):
    (式中、
    R1'は、置換もしくは非置換のC2-20-アルキレン基であるか、又は-(CH2)n-O-(CH2)m-O-(CH2)o-であり、ここでn、m及びoは1〜6の整数であり、
    X'は、-CO-NH-又は-O-CO-であり、
    Y'は、置換又は非置換のC1-4-アルキレン基であり、
    R2'及びR3'は、同じ又は異なるC1-4-アルキル基である)
    で示される基であるか、又は、次式(ii):
    (式中、
    R1'、X'及びY'は、前記と同じ意味であり、
    R4'、R5'及びR6'は、同じ又は異なるC1-4-アルキル基であり、
    A'-は、対イオンである)
    で示される基であり、
    Xは、-NH-CO-又は-CO-O-であり、
    Yは、置換又は非置換のC1-4-アルキレン基であり、
    R2とR3とは同じ又は異なるC1-4-アルキル基である]
    で示される化合物もしくはその塩、又は、
    次式(II):
    (式中、
    R1、X及びYは、前記と同じ意味であり、
    R4、R5及びR6は、同じ又は異なるC1-4-アルキル基であり、
    A-は、対イオンである)
    で示される第四級アンモニウム塩、
    を含有するp21発現促進剤。
  2. 前記Xが-NH-CO-であり、前記Yがメチレン基又はエチレン基であり、前記X'が-CO-NH-であり、前記Y'がメチレン基又はエチレン基である、請求項1記載のp21発現促進剤。
  3. 前記R1が、置換もしくは非置換のC4-20-アルキル基であり、前記Xが-NH-CO-であり、前記Yがメチレン基又はエチレン基である、請求項1記載のp21発現促進剤。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物もしくはその塩又は第四級アンモニウム塩を含有する細胞増殖抑制剤。
  5. 細胞が上皮細胞である請求項4記載の細胞増殖抑制剤。
  6. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物もしくはその塩又は第四級アンモニウム塩を含有する抗癌剤。
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