JP2011182968A - 血圧情報測定装置および該装置での動脈硬化度の指標の算出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】動脈硬化度の判定を容易とする指標を算出する。
【解決手段】測定装置1CのCPU40では、検出部401で空気袋13Bの内圧変化から脈波波形を検出し、ノイズ判定部405において脈波波形へのノイズの混入が判定される。指標算出部406では、ノイズが混入されていないと判定された脈波波形が用いられてPWVおよびAIが算出される。係数算出部408では被測定者の年齢に応じたPWVおよびAIそれぞれに対する重み係数が算出されて、指標算出部406において、PWVおよびAIのそれぞれに重み係数を乗じてから加えることによって、動脈硬化度の指標が算出される。
【選択図】図12
【解決手段】測定装置1CのCPU40では、検出部401で空気袋13Bの内圧変化から脈波波形を検出し、ノイズ判定部405において脈波波形へのノイズの混入が判定される。指標算出部406では、ノイズが混入されていないと判定された脈波波形が用いられてPWVおよびAIが算出される。係数算出部408では被測定者の年齢に応じたPWVおよびAIそれぞれに対する重み係数が算出されて、指標算出部406において、PWVおよびAIのそれぞれに重み係数を乗じてから加えることによって、動脈硬化度の指標が算出される。
【選択図】図12
Description
この発明は血圧情報測定装置および該装置での動脈硬化度の指標の算出方法に関し、特に、動脈硬化度の判定に有効な血圧情報を測定する血圧情報測定装置および該装置での動脈硬化度の指標の算出方法に関する。
従来、動脈硬化度を判定する装置として、たとえば特開2000−316821号公報(特許文献1)にも開示されているような、心臓から駆出された脈波の伝播する速度(以下、PWV:Pulse Wave Velocity)を調べる装置がある。また、特開2004−195204号公報(特許文献2)で本願出願人が開示しているような、脈波に含まれる反射波の情報であるAugmentation Index(以下、AI)を調べる装置がある。
文献1に開示された装置を用いて算出される動脈硬化度の指標や文献2に開示された装置を用いて算出される動脈硬化度の指標は、いずれも、年齢によって感度が変化するものである。そのため、それぞれの装置で算出された動脈硬化度の指標のみからは被測定者の動脈硬化度の判定が難しい場合がある、または判定精度が低くなる場合がある、という問題がある。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであって、精度よく動脈硬化度を判定することのできる血圧情報を測定する血圧情報測定装置および該装置での動脈硬化度の指標の算出方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明のある局面に従うと、血圧情報測定装置は血圧情報として被測定者の動脈硬化度の指標を算出する血圧情報測定装置であって、第1の空気袋と、第1の空気袋の内圧を血圧情報として検出するための第1のセンサと、第1の空気袋の内圧変化に基づいて動脈硬化度の指標を算出するための演算手段とを備え、演算手段は、内圧変化から一拍分の脈波波形を検出するための検出手段と、検出された一拍分の脈波波形から、心臓から駆出された脈波の伝播する速度(PWV:Pulse Wave Velocity)と、AI(Augmentation Index)とを算出するための第1の算出手段と、当該一拍分の脈波波形から算出されたPWVとAIとに基づいて動脈硬化度の指標を算出するための第2の算出手段とを含む。
好ましくは、血圧情報測定装置は被測定者に関する情報として少なくとも年齢に関する情報を記憶するためのメモリをさらに備え、第2の算出手段は、当該一拍分の脈波波形から算出されたPWVとAIとのそれぞれに被測定者の年齢に応じた重み係数を乗じて動脈硬化度の指標を算出する。
好ましくは、第2の算出手段は、PWVに乗じる重み係数およびAIに乗じる重み係数として、被測定者の年齢が低い場合よりも高い場合の方が動脈硬化度の指標におけるAIの比率よりもPWVの比率を大きくし、被測定者の年齢が高い場合よりも低い場合の方が動脈硬化度の指標におけるPWVの比率よりもAIの比率を大きくする係数を用いる。
より好ましくは、第2の算出手段は、PWVに乗じる重み係数としてPWVを年齢に対して直線的に増加させる係数を用い、AIに乗じる重み係数としてAIを年齢に対して直線的に減少させる係数を用いる。
より好ましくは、第2の算出手段は、PWVに乗じる重み係数としてPWVを年齢に対して二次以上の関数に比例して増加させる係数を用い、AIに乗じる重み係数としてAIを年齢に対して二次以上の関数に比例して減少させる係数を用いる。
より好ましくは、第2の算出手段は、PWVに乗じる重み係数として予め規定した年齢以上で1、当該規定した年齢未満で0を用い、AIに乗じる重み係数として当該規定した年齢以上で0、当該規定した年齢未満で1を用いる。
好ましくは、演算手段は、一拍分の脈波波形にノイズが混入しているか否かを判定するための判定手段をさらに含み、第2の算出手段は、判定手段においてノイズが混入していないと判定された脈波波形を用いて算出されたPWVとAIとに基づいて動脈硬化度の指標を算出する。
好ましくは、血圧情報測定装置は第2の空気袋と第2の空気袋の内圧を血圧情報として検出するための第2のセンサとをさらに備え、演算手段は第1の空気袋の内圧変化に替えて第2の空気袋の内圧変化に基づいて動脈硬化度の指標を算出し、検出手段は、第1の空気袋が測定部位の末梢側、第2の空気袋が測定部位の中枢側となるようにそれぞれ測定部位に装着され、第1の空気袋が測定部位の末梢側を押圧することで駆血状態となっているときの第2の空気袋の内圧変化から一拍分の脈波波形を検出する。
本発明の他の局面に従うと、動脈硬化度の指標の算出方法は、空気袋と、空気袋の内圧を血圧情報として検出するためのセンサと、空気袋の内圧変化に基づいて動脈硬化度の指標を算出するための演算手段とを備えた血圧情報測定装置における動脈硬化度の指標の算出方法であって、内圧変化から一拍分の脈波波形を検出するステップと、一拍分の脈波波形から、心臓から駆出された脈波の伝播する速度(PWV:Pulse Wave Velocity)と、AI(Augmentation Index)とを算出するステップと、一拍分の脈波波形から算出されたPWVとAIとに基づいて動脈硬化度の指標を算出するステップとを含む。
この発明によると、動脈硬化度の判定を容易とし、その精度を高めることができる。
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。
図1を参照して、実施の形態にかかる血圧情報測定装置(以下、測定装置と略する)1は、基体2と、基体2に接続され、測定部位である上腕に装着される腕帯9とを含み、これらがエアチューブ10で接続されている。基体2の正面には、測定結果を含む各種の情報を表示する表示部4および測定装置1に対して各種の指示を与えるために操作される操作部3が配される。操作部3は電源をON/OFFするために操作されるスイッチ31、および測定の開始を指示するために操作されるスイッチ32を含む。
図2(A),図2(B)を参照して、腕帯9は、生体を圧迫するための流体袋としての空気袋を備える。上記空気袋は、血圧情報としての血圧を測定するために用いられる流体袋である空気袋13A、および血圧情報としての脈波を測定するために用いられる流体袋である空気袋13Bとを含む。空気袋13Bのサイズは一例として20mm×200mm程度である。また、好ましくは、空気袋13Bの空気容量は空気袋13Aの空気容量に比べ1/5以下である。
測定装置1を用いた脈波の測定に際しては、図2(A)に示すように、腕帯9を測定部位である上腕100に巻き回す。その状態でスイッチ32が押下されることで、血圧情報が測定され、血圧情報に基づいて動脈硬化度を判定するための指標が算出される。ここで「血圧情報」とは、生体から測定して得られる、血圧に関連する情報を指し、具体的には、血圧値、脈波波形、心拍数、などが該当する。
動脈硬化度を判定するための指標として、Tr(Traveling time to reflected wave)や、AI(Augmentation Index)や、Tpp(ΔTpとも表わされる)が挙げられる。
Trは、駆出波の出現時間と進行波が腸骨動脈の分岐部から反射して戻ってくる反射波の出現時間との間の時間間隔で表わされる。具体的には、図3(B)の微分曲線において駆出波の立ち上がり点を表わす特徴点P1から、図3(A)の反射波の立ち上がり点を表わす脈波変曲点に相当する図3(B)の特徴点P3までの時間間隔で表わされる。測定部位を上腕とし、反射波が末梢としての足首からの反射波である場合、時間差TrとPWVとの相関は、身長や性別などの個人パラメータが得られることで、統計的に、たとえばLondon GMらの、「Hypertension」(1992 Jul;20(1):10-19.)に掲載された論文に記載される図17に示されるように得られる。したがって、駆出波と反射波との間の出現時間差Trを動脈硬化度の判定を行なうための指標とすることができる。
Tppは、進行波である駆出波のピーク(最大点)の出現時間と反射波のピーク(最大点)の出現時間との時間間隔で表わされる。具体的には、図3(B)の微分曲線において駆出波のピークを表わす特徴点P2から反射波のピークを表わす特徴点P4までの時間間隔で表わされる。TppについてもTrと同様に動脈硬化度の判定を行なうための指標とすることができる。
AIは、進行波である駆出波のピーク(最大点)での振幅に対する反射波のピーク(最大点)での振幅の割合で表わされる。具体的には、図3の微分曲線(B)において駆出波のピークを表わす特徴点P2に相当する脈波波形(A)における振幅A2の、微分曲線(B)において反射波のピークを表わす特徴点P4に相当する脈波波形(A)における振幅A4に対する割合で表わされる。AIは、主に動脈硬化に対応する脈波の反射強度(脈波の反射現象であって、送出し血流量の受入れやすさを表わしている)を反映しており、動脈硬化度の判定を行なうための指標とすることができる。
ところが、図4の脈波波形(A)に表わされるように脈波波形に体動等によるノイズが混入すると、微分曲線(B)の特徴点P2’から得られる変曲点の位置が、図3の脈波波形(A)と比較してずれる場合がある。そのため、脈波波形にノイズが混入すると、動脈硬化度の算出結果にも誤差を生じることになる。
[第1の実施の形態]
ノイズの混入していない正常な脈波波形は、図3の脈波波形(A)に示されるように、拡張期と呼ばれる、切痕以降から次の脈波の立ち上がりまでの区間で緩やかに下降する。そのため、図3の微分曲線(B)のうちの脈波の拡張期に相当する部分は平坦になる。なお、「切痕」とは大動脈弁閉鎖に起因する小振動を指す。一拍分の脈波波形は、立ち上がり点から切痕以前までは収縮期、切痕以降から次の脈波波形の立ち上がり点までは拡張期、と区別される。しかしながら、脈波波形にノイズが混入すると、図4の微分曲線(B)に表わされるように、拡張期に相当する部分も平坦にならずノイズの大きさに応じて振動を繰り返す。ここで、以降の説明において、脈波波形の拡張期に相当する微分曲線のうちの解析対象範囲内での最大振幅値を「ノイズレベル」と定義する。
ノイズの混入していない正常な脈波波形は、図3の脈波波形(A)に示されるように、拡張期と呼ばれる、切痕以降から次の脈波の立ち上がりまでの区間で緩やかに下降する。そのため、図3の微分曲線(B)のうちの脈波の拡張期に相当する部分は平坦になる。なお、「切痕」とは大動脈弁閉鎖に起因する小振動を指す。一拍分の脈波波形は、立ち上がり点から切痕以前までは収縮期、切痕以降から次の脈波波形の立ち上がり点までは拡張期、と区別される。しかしながら、脈波波形にノイズが混入すると、図4の微分曲線(B)に表わされるように、拡張期に相当する部分も平坦にならずノイズの大きさに応じて振動を繰り返す。ここで、以降の説明において、脈波波形の拡張期に相当する微分曲線のうちの解析対象範囲内での最大振幅値を「ノイズレベル」と定義する。
そこで、第1の実施の形態にかかる測定装置1Aは、この現象に基づいて測定された脈波波形からノイズが混入した脈波波形を検出し、動脈硬化度の指標の算出に用いる脈波波形から除外する。
図5を用いて、ノイズが混入した脈波波形を検出しその脈波波形を除外して動脈硬化度の指標を算出するための測定装置1Aの機能ブロックを説明する。図5を参照して、測定装置1Aは、空気袋13Aにエアチューブ10を介して接続されるエア系20A、および空気袋13Bにエアチューブ10を介して接続されるエア系20Bと、CPU(Central Processing Unit)40とを含む。エア系20Aは、エアポンプ21Aと、エアバルブ22Aと、圧力センサ23Aとを含む。エア系20Bは、エアバルブ22Bと、圧力センサ23Bとを含む。
エアポンプ21Aは駆動回路26Aに接続され、駆動回路26AはさらにCPU40に接続される。エアポンプ21Aは、CPU40からの指令を受けた駆動回路26Aによって駆動されて、空気袋13Aに圧縮気体を送り込むことで空気袋13Aを加圧する。
エアバルブ22Aは駆動回路27Aに接続され、駆動回路27AはさらにCPU40に接続される。エアバルブ22Bは駆動回路27Bに接続され、駆動回路27BはさらにCPU40に接続される。エアバルブ22A,22Bは、それぞれ、CPU40からの指令を受けた駆動回路27A,27Bによってその開閉状態が制御される。開閉状態が制御されることでエアバルブ22A,22Bは、それぞれ、空気袋13A,13B内の圧力を維持したり減圧したりする。これにより、空気袋13A,13B内の圧力が制御される。
圧力センサ23Aは増幅器28Aに接続され、増幅器28AはさらにA/D変換器29Aに接続され、A/D変換器29AはさらにCPU40に接続される。圧力センサ23Bは増幅器28Bに接続され、増幅器28BはさらにA/D変換器29Bに接続され、A/D変換器29BはさらにCPU40に接続される。圧力センサ23A,23Bは、それぞれ、空気袋13A,13B内の圧力を検出し、その検出値に応じた信号を増幅器28A,28Bに対して出力する。出力された信号は増幅器28A,28Bで増幅され、A/D変換器29A,29Bでデジタル化された後にCPU40に入力される。
空気袋13Aからのエアチューブと空気袋13Bからのエアチューブとは2ポート弁51で接続されている。2ポート弁51は駆動回路53に接続され、駆動回路53はさらにCPU40に接続される。2ポート弁51は空気袋13A側の弁と空気袋13B側の弁とを有し、CPU40からの指令を受けた駆動回路53によって駆動されることでそれら弁が開閉する。
メモリ41にはCPU40で実行されるプログラムが記憶される。CPU40は、測定装置の基体2に設けられた操作部3に入力された指令に基づいてメモリ41からプログラムを読み出して実行し、その実行に従って制御信号を出力する。またCPU40は測定結果を表示部4やメモリ41に出力する。メモリ41には測定結果も記憶される他、必要に応じて、少なくとも年齢を含む測定者に関する情報が記憶される。そしてCPU40は、必要に応じてプログラムの実行に伴って上記測定者に関する情報を読み出して演算に用いる。
CPU40は、ノイズが混入した脈波波形を除外した上で動脈硬化度の指標を算出するための機能として、圧力センサ23Bからの圧力信号の入力を受け付けて脈波波形を検出するための検出部401、検出された脈波波形に対してたとえば四次微分演算や二次微分演算などの微分演算処理を実行するための処理部402、微分演算処理によって得られた微分曲線から後述する判定処理で用いられるしきい値を算出するためのしきい値算出部403、微分演算処理によって得られた微分曲線から上述のノイズレベルを算出するためのノイズレベル算出部404、算出されたしきい値とノイズレベルとを比較することによって検出された脈波波形にノイズが混入しているか否かを判定するための判定部405、およびノイズが混入していると判定された脈波波形以外の脈波波形を用いて動脈硬化度の指標を算出するための指標算出部406を含む。これらはCPU40が操作部3からの操作信号に従ってメモリ41に記憶されるプログラムを読み出して実行することで主にCPU40に形成される機能であるが、少なくともこれら機能のうちの一部がハードウェア構成で形成されてもよい。
図6のフローチャートを用いて測定装置1Aでの動作を説明する。図6に示される動作は測定者がスイッチ32を押下することにより開始される。この動作はCPU40がメモリ41に記憶されるプログラムを読み出して図5に示される各部を制御することによって実現されるものである。また、図8を用いて測定装置1Aでの動作中の空気袋13A,13B内の圧力変化を説明する。図8の(A)は空気袋13B内の圧力P1の時間変化を示し、図8の(B)は空気袋13A内の圧力P2の時間変化を示している。図8の(A),(B)で時間軸に付してあるS3〜S17は、後述する測定装置1Aでの測定動作の各動作と一致している。
図6を参照して、動作が開始すると、ステップS1でCPU40において各部が初期化される。ステップS3でCPU40はエア系20Aに対して制御信号を出力して空気袋13Aの加圧を開始し、加圧過程において血圧を測定する。ステップS3での血圧の測定は、通常の血圧計で行なわれているオシロメトリック法による測定が行なわれる。
ステップS3での血圧の測定が完了すると、ステップS5でCPU40は駆動回路53に制御信号を出力して2ポート弁51の空気袋13A側の弁と空気袋13B側の弁との両方を開放させる。これにより空気袋13Aと空気袋13Bとは連通し、空気袋13A内の空気の一部が空気袋13Bに移動して空気袋13Bが加圧される。
図8の(A)の例では、上記ステップS3で加圧を開始してから血圧の測定が完了するまで、空気袋13A内の圧力P2は最高血圧値よりも高い圧力まで増加している。その後、上記ステップS5で2ポート弁51の上記弁が開放されることで、空気袋13A内の空気の一部が空気袋13Bに移動して、圧力P2が減少する。同時に、図8の(B)に示されるように、空気袋13B内の圧力P1が急激に増加する。そして、圧力P1と圧力P2とが一致した時点で、つまりこれら空気袋13A,13Bの内圧がつりあった時点で、空気袋13Aから空気袋13Bへの空気の移動が終了する。ステップS7でCPU40は、この時点で駆動回路53に制御信号を出力して、上記ステップS5で開放した2ポート弁51の両弁を閉塞させる。図8の(A),(B)において、ステップS7の時点で圧力P1と圧力P2とが一致していることが示されている。図2(A)に表わされたように空気袋13Bの容量は空気袋13Aの容量と比較して小さいため、圧力P2のステップS5での減少は大幅ではなく、ステップS7の時点で圧力P1と圧力P2とも最高血圧値よりも高い圧力となっている。
その後、ステップS9でCPU40は駆動回路27Bに制御信号を出力して、空気袋13B内の圧力P1を脈波を測定するのに適した圧力になるまで減圧調整する。ここでの減圧調整量は、たとえば5.5mmHg/sec程度が好適である。また、脈波を測定するのに適した圧力としては50〜150mmHg程度が好適である。このとき2ポート弁51の両弁が閉塞されているため、図8の(B)に示されるように、空気袋13A内の圧力P2は最高血圧値よりも高い圧力で測定部位の末梢側を圧迫し、駆血状態となっている。
第1の実施の形態にかかる動作では、末梢側が駆血された状態において、ステップS11で、圧力センサ23Bからの圧力信号に基づく一拍分の脈波波形が入力されるごとに、その脈波波形から特徴点を抽出するための動作が行なわれる。詳しくは図7のフローチャートを参照して、ステップS101で検出部401は圧力センサ23Bからの圧力信号の入力を受け付けて脈波波形を検出する。ステップS103で処理部402は、検出された脈波波形に対してたとえば四次微分処理などの微分処理を施す。
ステップS105でしきい値算出部403は、微分処理の結果得られた一拍分の脈波波形の微分曲線から、以降の判定処理に用いられるしきい値を算出する。しきい値としては、一拍分の微分曲線の最大振幅の規定割合が挙げられ、該規定割合の一例としては20%が挙げられる。
ステップS107でノイズレベル算出部404は、微分処理の結果得られた一拍分の脈波波形の微分曲線からノイズレベルを算出する。詳しくは、ノイズレベル算出部404は脈波波形から切痕を検出し、微分曲線上の切痕に対応する位置を特定する。微分波形から切痕を検出する方法は特定の方法に限定されず、たとえば特開2004−000422号公報に開示されている方法を採用することができる。具体的には、ノイズレベル算出部404は、脈波波形から、ピーク(最大点)以後における最初の極小点または変曲点を切痕として検出する。そしてノイズレベル算出部404は、検出された切痕から次の脈波波形の立ち上がりまでの区間である拡張期のうちの解析対象とする範囲(たとえば拡張期全範囲)における微分曲線の最大振幅値であるノイズレベルを算出する。
判定部405は、ステップS107で算出されたノイズレベルとステップS105で算出されたしきい値とを比較することで、入力された脈波波形にノイズが混入しているか否かを判定する。すなわち、比較の結果、ノイズレベルがしきい値未満であった場合(ステップS109でYES)、判定部405は当該脈波波形にノイズは混入していないと判定する。この場合、脈波波形は図3の(A)に示されたように拡張期において緩やかに下降している。このように判定されるとステップS111で指標算出部406において、ステップS103での微分処理の結果得られた微分曲線の極小点やゼロクロス点によって特定される脈波波形の特徴点が算出される。
一方、上記比較の結果、ノイズレベルがしきい値以上であった場合(ステップS109でNO)、判定部405は当該脈波波形にノイズが混入していると判定する。この場合、微分曲線は図4の(B)に示されたように解析対象範囲内においても振動を繰り返している。このように判定されるとステップS113でCPU40において当該脈波波形にノイズが混入していることをたとえば表示部4等で報知するための処理がなされ、当該脈波波形から特徴点を算出するための処理がなされずに特徴点抽出のための処理が終了する。
ステップS11の特徴点を抽出する動作は、予め規定されている動脈硬化度の指標を算出するために必要な数(たとえば10拍分)の特徴点が抽出されるまで、一拍分の脈波波形が入力されるごとに繰り返される。その間、空気袋13B内の圧力P1は図8の(A)に示されるように脈波を測定するのに適した圧力に維持され、空気袋13A内の圧力P2は図8の(B)に示されるように最高血圧値よりも高い圧力に維持されている。これにより、測定部位の末梢側の駆血状態が維持されている。
抽出された特徴点の数が予め規定されている数(たとえば10拍分)に達すると(ステップS13でYES)、ステップS15で指標算出部406は、抽出された特徴点の平均値を用いてTr等の動脈硬化度の指標を算出する。そして、ステップS17でCPU40は駆動回路27A,27Bに制御信号を出力してエアバルブ22A,22Bを開放させ、空気袋13A,13Bの圧力を大気圧に解放する。図8の(A),(B)の例では、圧力P1,P2は、ステップS17の区間で、大気圧まで急速に減少している。
算出された最高血圧値(SYS)、最低血圧値(DIA)、動脈硬化度の指標や、測定された脈波波形などの測定結果は基体2に設けられた表示部4で表示するための処理が施され、表示される。
このように、測定装置1Aでは測定された脈波波形の一拍ごとにノイズが混入しているか否かが判定される。そして、ノイズが混入していると判定された脈波波形は動脈硬化度の指標を算出するために用いられない。その結果、Tr等の動脈硬化度の指標が精度よく算出され、動脈硬化度を従来よりも精度よく判定できるようになる。さらに、第1の実施の形態にかかる判定動作では、脈波波形が測定されるたびに、その一拍分の脈波波形において当該脈波波形にノイズが混入しているか否かを判定することが可能となる。
[第2の実施の形態]
図3の脈波波形(A)と図4の脈波波形(A)とに表わされたように、脈波波形に体動等によるノイズが混入することによって微分曲線の特徴点から得られる変曲点の位置がずれ、その結果、ノイズが混入した脈波波形を用いて算出された動脈硬化度の算出結果がノイズの混入していない脈波波形を用いて算出されたものからずれることがある。そのため、連続した脈波波形のそれぞれを用いて算出された動脈硬化度の算出結果にばらつきが生じることになる。
図3の脈波波形(A)と図4の脈波波形(A)とに表わされたように、脈波波形に体動等によるノイズが混入することによって微分曲線の特徴点から得られる変曲点の位置がずれ、その結果、ノイズが混入した脈波波形を用いて算出された動脈硬化度の算出結果がノイズの混入していない脈波波形を用いて算出されたものからずれることがある。そのため、連続した脈波波形のそれぞれを用いて算出された動脈硬化度の算出結果にばらつきが生じることになる。
そこで、第2の実施の形態にかかる測定装置1Bは、動脈硬化度の算出結果のばらつきを用いて測定された脈波波形からノイズが混入した脈波波形を検出し、動脈硬化度の指標の算出に用いる脈波波形から除外する。
図9を用いて、第2の実施の形態にかかる測定装置1Bの機能ブロックを説明する。図9に示された構成のうち、図5に示された測定装置1Aの構成と同じ参照符号が付されている構成は同じものである。
図9を参照して、測定装置1BのCPU40は、ノイズが混入した脈波波形を除外した上で動脈硬化度の指標を算出するための機能として、圧力センサ23Bからの圧力信号の入力を受け付けて脈波波形を検出するための検出部401、検出された脈波波形に基づいてたとえばTrなどノイズが混入しているか否かの判定に用いるための指標(値)を算出するための判定用指標算出部407、算出された指標を用いて検出された脈波波形にノイズが混入しているか否かを判定するための判定部405、およびノイズが混入していると判定された脈波波形以外の脈波波形を用いて動脈硬化度の指標を算出するための指標算出部406を含む。これらもまたCPU40が操作部3からの操作信号に従ってメモリ41に記憶されるプログラムを読み出して実行することで主にCPU40に形成される機能であるが、少なくともこれら機能のうちの一部がハードウェア構成で形成されてもよい。
測定装置1Bにおいても、図6のフローチャートで説明された測定装置1Aの動作と同様の動作が行なわれる。第2の実施の形態にかかる動作中のステップS11では、末梢側が駆血された状態において、圧力センサ23Bからの圧力信号に基づく所定数Nの脈波波形が入力されるごとに、それらの脈波波形のうちからノイズの混入している脈波波形を抽出して、それ以外の脈波波形のそれぞれを用いて特徴点を抽出するための動作が行なわれる。詳しくは図10のフローチャートを参照して、ステップS201で入力された脈波波形の数を表わす変数iが1に初期化された後、ステップS203で検出部401は圧力センサ23Bからの圧力信号の入力を受け付けて、変数iに対応した脈波波形iを検出する。ステップS205で判定用指標算出部407は、ステップS203で検出された脈波波形iから判定用の指標としてたとえばTrなどの、変数iに対応した指標iを算出する。
検出された脈波波形から判定用の指標の算出はN番目の脈波波形Nが検出されるまで繰り返され(ステップS207,S209)、その結果、変数i〜Nのそれぞれに対応した指標i〜Nが算出される。
N個の判定用の指標i〜Nが算出されると(ステップS207でNO)、ステップS211で判定部405は指標i〜Nの平均値avgおよび標準偏差sdを算出する。そして判定部405は、判定用の指標iのそれぞれについて平均値avgとの差異と標準偏差sdから得られる所定の値とを比較することで、判定用の指標iのそれぞれに対応した脈波波形にノイズが混入しているか否かを判定する。標準偏差sdから得られる所定の値の一例として標準偏差sdの2倍の値が挙げられる。
すなわち、比較の結果、判定用の指標iの平均値avgからの差異が標準偏差sdの2倍未満であった場合(ステップS215でYES)、判定部405は当該指標iに対応した脈波波形にノイズは混入していないと判定する。このように判定されるとステップS217で指標算出部406において当該脈波波形の特徴点が算出される。
一方、上記比較の結果、判定用の指標iの平均値avgからの差異が標準偏差sdの2倍以上であった場合(ステップS215でNO)、判定部405は当該指標iに対応した脈波波形にノイズが混入していると判定する。このように判定されるとステップS219でCPU40において当該脈波波形にノイズが混入していることをたとえば表示部4等で報知するための処理がなされ、当該脈波波形から特徴点を算出するための処理がなされずに当該脈波波形についての判定が終了する。
上の判定は検出された脈波波形ごとに行なわれ、N番目の脈波波形Nについての判定が終了するまで繰り返される(ステップS221,S223)。その結果、変数i〜Nのそれぞれに対応した脈波波形i〜Nのうち、ノイズの混入されていない脈波波形から特徴点が算出される。
このように、測定装置1Bでは測定された連続する脈波波形における判定用の値(指標)のばらつきに基づいて各脈波波形にノイズが混入しているか否かが判定される。そして、ノイズが混入していると判定された脈波波形は動脈硬化度の指標を算出するために用いられない。その結果、Tr等の動脈硬化度の指標が精度よく算出され、動脈硬化度を従来よりも精度よく判定できるようになる。さらに、第2の実施の形態にかかる判定動作では、連続した複数の脈波波形においてそれぞれの脈波波形にノイズが混入しているか否かを判定することが可能となる。
[第3の実施の形態]
図2に示されたような、末梢側に駆血用の空気袋13A、中枢側に脈波測定用の空気袋13Bを備える構成により、測定装置1では図3の(A)に示されたように精度よく脈波波形を測定することができる。さらに、上述の第1の実施の形態にかかる動作または第2の実施の形態にかかる動作を行なうことで、測定された脈波波形の内から図4の(A)に示されたようなノイズの混入した脈波波形を抽出することが可能となる。これにより、測定装置1では動脈硬化度の指標を精度よく算出することができる。
図2に示されたような、末梢側に駆血用の空気袋13A、中枢側に脈波測定用の空気袋13Bを備える構成により、測定装置1では図3の(A)に示されたように精度よく脈波波形を測定することができる。さらに、上述の第1の実施の形態にかかる動作または第2の実施の形態にかかる動作を行なうことで、測定された脈波波形の内から図4の(A)に示されたようなノイズの混入した脈波波形を抽出することが可能となる。これにより、測定装置1では動脈硬化度の指標を精度よく算出することができる。
図3を用いて説明されたように、測定装置1では測定された一拍分の脈波波形から動脈硬化度の指標としてTrおよびAIを算出することができる。さらに、上述のように、TrとPWVとは相関があることが知られているため、その換算式を用いて、算出されたTrからPWVを得ることができる。または、たとえば、特開2000−316821号公報に開示されている算出方法などのPWVの算出方法を用いることもできる。つまり、測定装置1では、同一の脈波波形から動脈硬化度の指標としてPWVとAIとを、共に精度よく算出することができる。
動脈硬化度の指標としてPWVとAIとは、共に、その値が年齢と共に上昇するものであるが、いずれも、年齢に対する感度が異なることが知られている。本願発明者らは、血圧範囲が通常である複数の被測定者の脈波波形を測定装置1を用いて測定し、それぞれの脈波波形からPWVとAIとを算出した。そして発明者らは、PWVとAIとの年齢に対する感度の異なり具合を比較し、図11に示される結果を得た。図11に示されるように、図11の上方に示されているPWVと年齢との関係からは、PWVが若年者においては年齢による上昇率が小さく、年齢が上がると共に上昇率が増加するという関係であるのに対して、図11の下方に示されているAIと年齢との関係からは、逆に、AIが若年者においては年齢による上昇率が大きく、年齢が上がると共に上昇率が減少するという関係であることが発明者らの比較によって検証された。
この検証結果より発明者らは、動脈硬化度の指標としてのPWVとAIとをそれぞれ単独で用いて動脈硬化度の判定を行なうとすると、PWV単独の場合には若年者において、AI単独の場合には老年者において、適切に判定できない可能性があることを見出した。すなわち、若年者ではPWVよりもAIの方が感度が高く、逆に、老年者ではAIよりもPWVの方が感度が高いことを見出した。発明者らは、その理由として、若年者ではPWVが同じ値であってもAIが大きい方が動脈硬化が進行している可能性があり、老年者ではAIが同じでもPWVが大きいほど動脈硬化が進行している可能性があることを考察している。
上述のように測定装置1では同一の脈波波形から動脈硬化度の指標としてPWVとAIとを、共に精度よく算出することができる。そこで、第3の実施の形態にかかる測定装置1Cでは、動脈硬化度の指標として同一の脈波波形から算出されたPWVとAIとを組み合わせて、動脈硬化度の判定に用いるためのさらなる指標IPAを算出する。
図12を用いて、第3の実施の形態にかかる測定装置1Cの機能ブロックを説明する。図12に示された構成のうち、図5に示された測定装置1Aの構成および図9に示された測定装置1Bの構成と同じ参照符号が付されている構成は同じものである。
図12を参照して、測定装置1CのCPU40は、同一の脈波波形から算出されたPWVとAIとを組み合わせた指標IPAを算出するための機能として、圧力センサ23Bからの圧力信号の入力を受け付けて脈波波形を検出するための検出部401、検出された脈波波形にノイズが混入しているか否かを判定するためのノイズ判定部405A、動脈硬化度の指標と年齢との関係を判定して後述する重み係数を算出するための係数算出部408、およびノイズ判定部405Aの判定結果に基づいて検出された脈波波形から動脈硬化度の指標を算出するための指標算出部406を含む。係数算出部408は、メモリ41から被測定者の年齢を読み出し、予め記憶されている算出式を用いて被測定者の年齢に基づき指標IPAの算出に用いる重み係数を算出する。これらもまたCPU40が操作部3からの操作信号に従ってメモリ41に記憶されるプログラムを読み出して実行することで主にCPU40に形成される機能であるが、少なくともこれら機能のうちの一部がハードウェア構成で形成されてもよい。
ノイズ判定部405Aは、検出された脈波波形にノイズが混入しているか否かを判定するための機能として、第1の実施の形態に示された処理部402、しきい値算出部403、ノイズレベル算出部404、および判定部405を含んで、ノイズレベルとしきい値とを比較することで脈波波形が検出されるごとにノイズの混入の有無を判定してもよい。または、ノイズ判定部405Aは、第2の実施の形態に示された判定用指標算出部407および判定部405を含んで、連続して検出された複数の脈波波形のそれぞれからの判定用の値のばらつきに基づいてそれぞれの脈波波形についてのノイズの混入の有無を判定してもよい。ノイズ判定部405Aがいずれの機能を含む場合であっても、指標算出部406はその判定結果に基づいて、検出された脈波波形のうちのノイズが混入していないと判定された脈波波形を用いて動脈硬化度の指標を算出する。
測定装置1Cにおいても、図6のフローチャートで説明された測定装置1Aの動作と同様の動作が行なわれる。第3の実施の形態にかかる動作中のステップS11では、ノイズ判定部405Aの構成に応じて図7の動作または図10の動作が行なわれる。
さらに、測定装置1CではステップS15において指標算出部406でPWVおよびAIが算出された後に、これらを組み合わせた指標IPAが以下の式(1)を用いて算出される;
IPA=α×PWV×a+β×AI×b … 式(1)。
IPA=α×PWV×a+β×AI×b … 式(1)。
PWVのとり得る範囲はおよそ500〜3000[cm/s]、AIのとり得る範囲はおよそ−50〜+50[%]と、PWVとAIとでは単位もとり得る値の範囲も異なる。係数aおよび係数bは、PWVとAIとの指標IPAへの影響度を等しくするために用いられる調整用の係数である。
式(1)の係数αおよび係数βは、上述の発明者らの検証に基づき、若年者ではPWVよりもAIを優位とし、老年者ではAIよりもPWVを優位として重み付けをするための重み係数である。係数算出部408は、測定時に指定された被測定者の情報に基づいてメモリ41から当該被測定者の年齢Aを読み出して、所定の計算式を用いて重み係数α,βを算出する。
(第1の例)
係数算出部408での重み係数の算出の第1の例として、以下の式(2),(3)で表わされる、年齢の割合に比例して重み係数α,βを算出する計算式を用いる例について説明する;
α=A/80 … 式(2)、
β=(80−A)/80 … 式(3)。
係数算出部408での重み係数の算出の第1の例として、以下の式(2),(3)で表わされる、年齢の割合に比例して重み係数α,βを算出する計算式を用いる例について説明する;
α=A/80 … 式(2)、
β=(80−A)/80 … 式(3)。
式(2),(3)で表わされる計算式を用いて重み係数α,βが算出されることで、年齢Aの増加に伴ってPWVの指標IPAへの影響度が直線的に増加し、AIの指標IPAへの影響度が直線的に減少する。なお、式(2),(3)の例では年齢Aのとり得る最大値を80とし、年齢Aが80のときに重み係数αが1、重み係数βが0となる例であるが、年齢Aのとり得る最大値を80よりも大きな値、または80よりも小さな値としてもよい。
発明者らは、図11で説明された検証で用いられた被測定者群からの測定結果に対して、式(2),(3)で表わされる計算式で算出された重み係数α,βを用いて指標IPAを算出した。そして発明者らによって、図13に表わされたように、このようにして算出された指標IPAは若年者から老年者まで広い年齢範囲にわたって年齢と高い相関を示すことが示された。
(第2の例)
係数算出部408での重み係数の算出の第2の例として、以下の式(4),(5)で表わされる、年齢の割合の二乗に比例して重み係数α,βを算出する計算式を用いる例について説明する;
α=A^2/80^2 … 式(4)、
β=(80−A)^2/80^2 … 式(5)。
係数算出部408での重み係数の算出の第2の例として、以下の式(4),(5)で表わされる、年齢の割合の二乗に比例して重み係数α,βを算出する計算式を用いる例について説明する;
α=A^2/80^2 … 式(4)、
β=(80−A)^2/80^2 … 式(5)。
式(4),(5)で表わされる計算式を用いて重み係数α,βが算出されることで、年齢Aの増加に伴ってPWVの指標IPAへの影響度が二次曲線的に増加し、AIの指標IPAへの影響度が二次曲線的に減少する。式(4),(5)の例でも年齢Aのとり得る最大値を80としているが、年齢Aのとり得る最大値を80よりも大きな値、または80よりも小さな値としてもよい。また、式(4),(5)の例は年齢の割合の二乗を重み係数α,βとするものであるが、二乗に限定されず、三乗以上の高次であってもよい。
発明者らは、図11で説明された検証で用いられた被測定者群からの測定結果に対して、式(4),(5)で表わされる計算式で算出された重み係数α,βを用いて指標IPAを算出した。そして発明者らによって、図14に表わされたように、このようにして算出された指標IPAもまた、若年者から老年者まで広い年齢範囲にわたって年齢と高い相関を示すことが示された。
(第3の例)
係数算出部408での重み係数の算出の第3の例として、以下の式(6),(7)で表わされる、年齢帯に応じた重み係数α,βを算出する計算式を用いる例について説明する;
α=0(20≦A<40),1(40≦A) … 式(6)、
β=1(20≦A<40),0(40≦A) … 式(7)。
係数算出部408での重み係数の算出の第3の例として、以下の式(6),(7)で表わされる、年齢帯に応じた重み係数α,βを算出する計算式を用いる例について説明する;
α=0(20≦A<40),1(40≦A) … 式(6)、
β=1(20≦A<40),0(40≦A) … 式(7)。
式(6),(7)で表わされる計算式を用いて重み係数α,βが算出されることで、年齢Aが20歳以上40歳未満で区切られる若年帯である場合には指標IPAとしてAIが採用され、40歳以上で区切られる老年帯である場合には指標IPAとしてPWVが採用される。式(6),(7)の例では年齢Aの属する年齢帯として20歳以上40歳未満を若年帯、40歳以上を老年帯としているが、年齢帯の区切りは20歳、40歳に限定されない。
発明者らは、図11で説明された検証で用いられた被測定者群からの測定結果に対して、式(6),(7)で表わされる計算式で算出された重み係数α,βを用いて指標IPAを算出した。そして発明者らによって、図15に表わされたように、このようにして算出された指標IPAもまた、若年者から老年者まで広い年齢範囲にわたって年齢と高い相関を示すことが示された。
以上の検証に基づき、測定装置1CではステップS15において、被測定者の年齢に基づいて上述のような計算式で算出された係数αおよび係数βを用いた式(1)によって指標IPAが動脈硬化度の指標として算出される。このように、測定装置1Cでは、同一の脈波波形から算出されたPWVとAIとが組み合わされた指標IPAが算出されることで、それぞれ(PWV、AI)を単独で指標として用いるよりもより動脈硬化度を反映させることができ、動脈硬化度の判定を容易とし、その精度を高めることができる。さらに、測定装置1Cではノイズ判定部405Aで判定することによってノイズの混入していない脈波波形を抽出することが可能となるため、同一の脈波波形からPWV、AIともに精度よく算出することができ、指標IPAの動脈硬化度の指標としての精度を高めることが可能となる。さらに、測定装置1CではPWVとAIとの組み合わせにおいてそれぞれの指標の指標IPAに対する影響度を考慮した重み係数α,βを用いることで、図13〜図15にも示されたように、広い年齢範囲にわたって年齢と高い相関を示す指標を算出することができ、広い年齢範囲にわたって動脈硬化度の判定精度を高めることができる。
測定装置1Cにおいては、ステップS19で結果表示として、測定された血圧値および脈拍数とあわせて、算出された動脈硬化度の指標としてPWV、AI、および指標IPAの値を表示してもよい。好ましくは、測定装置1CがステップS19で図16に表わされたような表示を行なう。すなわち、図16を参照して、測定装置1Cは、算出された指標IPAの値を表示する表示方法に替えて、被測定者の年齢における指標IPAの平均値Iavからの乖離度や、算出された指標IPAの最も近い平均値Iavに対応した年齢、を表示する。図16に示された表示を行なうための構成として、メモリ41には予め年齢ごとの平均値Iavが記憶されている。被測定者の年齢における指標IPAの平均値Iavからの乖離度を表示させる場合、指標算出部406は、さらに、算出された指標IPAとメモリ41から読み出された被測定者の年齢における平均値Iavとの差分を算出し、当該差分を予め記憶されている乖離度に変換するための変換式に代入して乖離度を算出する。算出された指標IPAの最も近い平均値Iavに対応した年齢を表示させる場合、指標算出部406は、さらに、メモリ41に記憶されている年齢ごとの平均値Iavのうち算出された指標IPAからの差分が最も近い平均値Iavを抽出し、その平均値Iavに対応した年齢を表示する年齢として特定する。
測定装置1Cにおいて図16に示されるように動脈硬化度の指標が表示されることで、たとえば医師等の専門知識を有さない一般家庭での使用においても、測定者が動脈硬化度の把握が容易となり、使い勝手が向上する。
なお、以上の説明では、図2(A),図2(B)や図5等に表わされたように腕帯9に2つの空気袋13A,13Bが含まれて、図8で表わされたように末梢側の空気袋13Aが最高血圧値よりも高い圧力で測定部位を圧迫することで駆血状態となっているときの中枢側の空気袋13Bの内圧変化に基づいて脈波波形が測定されている。
単一の空気袋の内圧変化に基づいて脈波波形が測定される場合、CPU40は当該空気袋を最高血圧値以上まで加圧して測定部位を駆血状態とした上で、その後、内圧変化に基づいて動脈硬化指標算出のため脈波を測定する。このように単一の空気袋を測定に用いる場合、血圧の測定のためには測定部位に対する十分な圧迫力が必要となるため、必要とされる当該空気袋の容量が大きくなる。空気袋の容量が大きくなるほど、動脈硬化指標を算出するための脈波の検出感度が低下する。そのため、単一の空気袋を測定に用いる場合には算出される動脈硬化指標の精度が低下する可能性がある。そこで、好ましくは、図示されたように測定装置1には容量の大きい上記空気袋に加えて容量の小さな空気が中枢側に設けられる。これにより、測定装置1ではより感度よく脈波を検出することができ、精度高い動脈硬化指標の算出が可能となる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1,1A,1B,1C 測定装置、2 基体、3 操作部、4 表示部、9 腕帯、10 エアチューブ、13A,13B 空気袋、20A,20B エア系、21A エアポンプ、22A,22B エアバルブ、23A,23B 圧力センサ、26A,27A,27B,53 駆動回路、28A,28B 増幅器、29A,29B A/D変換器、31,32 スイッチ、40 CPU、41 メモリ、51 2ポート弁、100 上腕、401 検出部、402 処理部、403 しきい値算出部、404 ノイズレベル算出部、405 判定部、405A ノイズ判定部、406 指標算出部、407 判定用指標算出部、408 係数算出部。
Claims (9)
- 血圧情報として被測定者の動脈硬化度の指標を算出する血圧情報測定装置であって、
第1の空気袋と、
前記第1の空気袋の内圧を血圧情報として検出するための第1のセンサと、
前記第1の空気袋の内圧変化に基づいて動脈硬化度の指標を算出するための演算手段とを備え、
前記演算手段は、
前記内圧変化から一拍分の脈波波形を検出するための検出手段と、
前記一拍分の脈波波形から、心臓から駆出された脈波の伝播する速度(PWV:Pulse Wave Velocity)と、AI(Augmentation Index)とを算出するための第1の算出手段と、
前記一拍分の脈波波形から算出されたPWVとAIとに基づいて前記動脈硬化度の指標を算出するための第2の算出手段とを含む、血圧情報測定装置。 - 被測定者に関する情報として少なくとも年齢に関する情報を記憶するためのメモリをさらに備え、
前記第2の算出手段は、前記一拍分の脈波波形から算出されたPWVとAIとのそれぞれに前記被測定者の年齢に応じた重み係数を乗じて前記動脈硬化度の指標を算出する、請求項1に記載の血圧情報測定装置。 - 前記第2の算出手段は、PWVに乗じる前記重み係数およびAIに乗じる前記重み係数として、前記被測定者の年齢が低い場合よりも高い場合の方が前記動脈硬化度の指標におけるAIの比率よりもPWVの比率を大きくし、前記被測定者の年齢が高い場合よりも低い場合の方が前記動脈硬化度の指標におけるPWVの比率よりもAIの比率を大きくする係数を用いる、請求項2に記載の血圧情報測定装置。
- 前記第2の算出手段は、前記PWVに乗じる重み係数としてPWVを年齢に対して直線的に増加させる係数を用い、前記AIに乗じる重み係数としてAIを年齢に対して直線的に減少させる係数を用いる、請求項3に記載の血圧情報測定装置。
- 前記第2の算出手段は、前記PWVに乗じる重み係数としてPWVを年齢に対して二次以上の関数に比例して増加させる係数を用い、前記AIに乗じる重み係数としてAIを年齢に対して二次以上の関数に比例して減少させる係数を用いる、請求項3に記載の血圧情報測定装置。
- 前記第2の算出手段は、前記PWVに乗じる重み係数として予め規定した年齢以上で1、前記規定した年齢未満で0を用い、前記AIに乗じる重み係数として前記規定した年齢以上で0、前記規定した年齢未満で1を用いる、請求項3に記載の血圧情報測定装置。
- 前記演算手段は、前記一拍分の脈波波形にノイズが混入しているか否かを判定するための判定手段をさらに含み、
前記第2の算出手段は、前記判定手段においてノイズが混入していないと判定された脈波波形を用いて算出されたPWVとAIとに基づいて前記動脈硬化度の指標を算出する、請求項1〜6のいずれかに記載の血圧情報測定装置。 - 第2の空気袋と、
前記第2の空気袋の内圧を血圧情報として検出するための第2のセンサとをさらに備え、
前記演算手段は前記第1の空気袋の内圧変化に替えて前記第2の空気袋の内圧変化に基づいて動脈硬化度の指標を算出し、
前記検出手段は、前記第1の空気袋が測定部位の末梢側、前記第2の空気袋が前記測定部位の中枢側となるようにそれぞれ前記測定部位に装着され、前記第1の空気袋が前記測定部位の末梢側を押圧することで駆血状態となっているときの前記第2の空気袋の内圧変化から前記一拍分の脈波波形を検出する、請求項1〜7のいずれかに記載の血圧情報測定装置。 - 血圧情報測定装置における動脈硬化度の指標の算出方法であって、
前記血圧情報測定装置は、空気袋と、前記空気袋の内圧を血圧情報として検出するためのセンサと、前記空気袋の内圧変化に基づいて動脈硬化度の指標を算出するための演算手段とを備え、
前記内圧変化から一拍分の脈波波形を検出するステップと、
前記一拍分の脈波波形から、心臓から駆出された脈波の伝播する速度(PWV:Pulse Wave Velocity)と、AI(Augmentation Index)とを算出するステップと、
前記一拍分の脈波波形から算出されたPWVとAIとに基づいて前記動脈硬化度の指標を算出するステップとを含む、動脈硬化度の指標の算出方法。
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| JP2010051710A JP2011182968A (ja) | 2010-03-09 | 2010-03-09 | 血圧情報測定装置および該装置での動脈硬化度の指標の算出方法 |
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-
2010
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