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JP2011179674A - 駒式ボールねじ - Google Patents

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JP2011179674A JP2010047460A JP2010047460A JP2011179674A JP 2011179674 A JP2011179674 A JP 2011179674A JP 2010047460 A JP2010047460 A JP 2010047460A JP 2010047460 A JP2010047460 A JP 2010047460A JP 2011179674 A JP2011179674 A JP 2011179674A
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Hirakazu Yoshida
平和 吉田
Keisuke Kazuno
恵介 数野
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NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Abstract

【課題】ナットの強度を確保すると共に、軸方向のコンパクト化を図った駒式ボールねじを提供する。
【解決手段】ナット3の胴部に穿設された円形の駒窓6に嵌合され、転動路を周回経路とする連結溝5aが形成された駒部材5を備えた駒式ボールねじにおいて、駒窓6がナット3の両端部に少なくともナット3のねじ溝3aの2ピッチの間隔をおいて穿設され、駒窓6の外径側縁部6aに近接するまでナット3の軸方向の全長が小さく形成されると共に、駒窓6の中心を結ぶ線上で、外径側縁部6aにかかるようにナット3の端面側の外径面にフラット面15が形成されているので、ナット3の端面に設けられた面取り部3bと駒窓6の外径側縁部6aとの角部がシャープエッジとなるのを防止することができ、ナット3を熱処理した時に焼割れの原因になったり、駒部材5の加締加工時にクラックが入ったりするのを防止することができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、放電加工機やタッピングセンター等の各種工作機械、あるいは自動車の電動パワーステアリングやアクチュエータ等に使用されるボールねじに関し、特に、ボール循環部品である駒部材を使用した駒式ボールねじに関する。
ボールねじは、外周面に螺旋状のねじ溝が形成されたねじ軸と、このねじ軸に外嵌され、内周面に螺旋状のねじ溝が形成されたナットと、対向する両ねじ溝により形成された転動路に収容された多数のボールと、転動路を周回経路とする循環機構とを備え、例えば、ナットを回転運動させることでねじ軸を直線運動させる運動変換機構として使用されている。
一般的にボールねじにはボールの循環機構が異なる種々の形式のものがあり、その一つに駒式と呼ばれるものがある。この駒式ボールねじは、ねじ溝の連結路を有し、転動路を周回経路とする循環用の駒部材がナットに装着されているもので、構成が比較的簡素で、かつコンパクトに構成できる利点がある。
このような駒式ボールねじの代表的な一例を図6に示す。この駒式ボールねじは、図示しないねじ軸と、このねじ軸に外嵌され、内周面に螺旋状のねじ溝51aが形成されたナット51と、対向する両ねじ溝により形成された転動路に収容された多数のボールと、これらボールの循環用部材となる駒部材52とを備えている。
円筒状のナット51の胴部には、内外の周面に貫通してねじ溝51aの一部を切欠く断面略円形の駒窓53が穿設され、この駒窓53に対応して断面略円形の駒部材52が嵌合されている。駒部材52の内方には、ねじ溝51aの隣合う1周分同士を連結する連結溝52aが形成され、この連結溝52aとねじ溝51aの略1周の部分とでボールの転動路を構成している。転動路内の内外のねじ溝間に介在された多数のボールは、ねじ溝に沿って転動し、そして、駒部材52の連結溝52aに案内され、ねじ軸のねじ山を乗り越えて隣接するねじ溝51aに戻り、再びねじ溝に沿って転動する。
駒部材52の連結溝52aは、ナット51の隣接するねじ溝51a、51a間を滑らかに接続するようにS字状に湾曲して形成されている。したがって、その両駒窓縁54、54は、ナット51の隣接するねじ溝51aの溝縁部55に合致するように連結溝52aがねじ溝51aに接続されている。また、連結溝52aの深さは、ボールが連結溝52a内でねじ軸におけるねじ溝のねじ山を越えることができる深さとされている。さらに、駒部材52の両側には断面が略円形の丸棒状に形成されたアーム56が突設され、ナット51のねじ溝51aに所定の径方向すきまを介して係合されている。このアーム56によって、駒部材52がナット51に対して軸方向に位置決めされると共に、駒部材52が駒窓53から径方向外方に抜け出すのを防止している。
ここで、駒部材52は、ナット51の駒窓53の形状に対応するように断面が円形に形成され、駒窓53に嵌合される。また、他の部分よりも外径面が凹む凹み部57が形成され、この凹み部57から外径側へ立ち上がり、円弧状周面を有するガイド壁58が形成されている。そして、ガイド壁58を塑性変形させることにより、駒部材52がナット51に加締固定されている(例えば、特許文献1参照。)
特開2007−146915号公報
このボールねじは、自動車の電動アクチュエータ等に使用される場合、モータの小型化や消費電力が少ないことが要求されるため、ボールねじ自体をさらにコンパクト化することが検討されている。前述した従来のボールねじでは、駒部材52がナット51の外径から突出することがないため、ナット51を径方向にコンパクト化することができる。然しながら、ナット51を軸方向にコンパクトにするために、図7に示すように、駒窓53の近傍までナット51の軸方向の全長を小さくした場合、ナット51の端面に設けられた面取り部51bと駒窓53の外径側縁部53aがシャープエッジとなり、ナット51を熱処理した時に焼割れの原因になったり、駒部材52の加締加工時にクラックが入ったりする恐れがあり、ナット51の軸方向のコンパクト化には限界があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、ナットの強度を確保すると共に、軸方向のコンパクト化を図った駒式ボールねじを提供することを目的としている。
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項1に記載の発明は、外周面に螺旋状のねじ溝が形成されたねじ軸と、このねじ軸に外嵌され、内周面に螺旋状のねじ溝が形成されたナットと、対向する両ねじ溝により形成される転動路に収容された複数のボールと、前記ナットの胴部に穿設された円形の駒窓に嵌合され、前記転動路を周回経路とする連結溝が形成された駒部材とを備えた駒式ボールねじにおいて、前記駒窓が前記ナットの両端部に穿設され、これらの駒窓の外径側縁部に近接するまで前記ナットの軸方向の全長が小さく形成されると共に、前記駒窓の中心を結ぶ線上で、前記外径側縁部と前記ナットの端面に連通する面が形成されている。
このように、ナットの胴部に穿設された円形の駒窓に嵌合され、転動路を周回経路とする連結溝が形成された駒部材を備えた駒式ボールねじにおいて、駒窓がナットの両端部に穿設され、これらの駒窓の外径側縁部に近接するまでナットの軸方向の全長が小さく形成されると共に、駒窓の中心を結ぶ線上で、外径側縁部とナットの端面に連通する面が形成されているので、ナットの端面に設けられた面取り部と駒窓の外径側縁部がシャープエッジとなるのを防止することができ、ナットを熱処理した時に焼割れの原因になったり、駒部材の加締加工時にクラックが入ったりするのを確実に防止することができ、ナットの強度を確保すると共に、軸方向のコンパクト化を図った駒式ボールねじを提供することができる。
また、請求項2に記載の発明のように、前記駒窓の外径側縁部にかかるように前記ナットの端面側の外径面にフラット面が形成されていても良い。
また、請求項3に記載の発明のように、前記駒窓の外径側縁部の直径と略同幅で、前記ナットの外径面にフラット面が全長に亙って形成されていても良い。
また、請求項4に記載の発明のように、前記駒窓の外径側縁部と前記ナットの端面に開口する所定幅のスリットが形成されていても良い。
好ましくは、請求項5に記載の発明のように、前記ナットがバレル加工されてエッジ部が丸められていれば、ナットを熱処理した時の焼割れや、駒部材の加締加工時にクラックが入ったりするのを確実に防止することができる。
また、請求項6に記載の発明のように、前記駒部材が、前記駒窓に嵌挿される胴部と、この胴部から前記ナットの径方向外方側に延びる頭部とを備え、前記胴部の両側に一対のアームが突設され、これらアームを前記ナットのねじ溝に係合させて前記駒部材が位置決めされると共に、前記駒窓の外径側縁部が所定の傾斜角からなるテーパ状に形成され、前記駒部材の頭部に、他の部分よりも外径面が凹む凹み部が形成され、この凹み部から立ち上がり、円弧状周面を有する複数のガイド壁が周方向等配に形成され、これら複数のガイド壁のうち、前記ナットにおけるねじ溝のリード線に略直交し、対向するそれぞれのガイド壁を前記駒窓の外径側縁部に塑性変形させて形成した加締部によって前記駒部材が前記ナットに固定されていれば、ボール通過時に加締部に負荷され、駒部材を傾斜させる応力の発生を軽減することができ、加締部の摩耗を防止して駒部材のガタツキの発生を抑制することができる。
また、請求項7に記載の発明のように、前記駒窓の外径側縁部の傾斜角が20〜45°の範囲に設定されると共に、この外径側縁部に前記駒部材のガイド壁が密着された状態で塑性変形されて前記加締部が形成されていれば、塑性変形時に加締部に割れ等が発生するのを防止できると共に、加締部のスプリングバックで駒部材にガタが生じ、また、位置決め精度や固定力に問題が生じることもなく、所望の固定力を確保して加締部の信頼性を向上させることができる。
また、請求項8に記載の発明のように、前記駒部材が焼結合金からMIMによって成形されていれば、加工度が高く複雑な形状であっても容易に、かつ精度良く所望の形状・寸法に成形することができる。
また、請求項9に記載の発明のように、前記駒窓が少なくとも前記ナットのねじ溝の2ピッチの間隔をおいて穿設されていれば、負荷されるモーメント荷重に対して、循環部エリアに入るボールの荷重を軽減することができると共に、内部のボール負荷分布が均一になり、ボールの挙動を安定させてボールねじのスムーズな作動を図ることができる。
また、請求項10に記載の発明のように、前記ナットの駒窓間の内周に環状の盗み部が形成され、この盗み部の内径が前記ナットのねじ溝の内径よりも大きく設定されていれば、加工サイクルタイムが短縮でき、低コスト化を達成することができる。
本発明に係る駒式ボールねじは、外周面に螺旋状のねじ溝が形成されたねじ軸と、このねじ軸に外嵌され、内周面に螺旋状のねじ溝が形成されたナットと、対向する両ねじ溝により形成される転動路に収容された複数のボールと、前記ナットの胴部に穿設された円形の駒窓に嵌合され、前記転動路を周回経路とする連結溝が形成された駒部材とを備えた駒式ボールねじにおいて、前記駒窓が前記ナットの両端部に穿設され、これらの駒窓の外径側縁部に近接するまで前記ナットの軸方向の全長が小さく形成されると共に、前記駒窓の中心を結ぶ線上で、前記外径側縁部と前記ナットの端面に連通する面が形成されているので、ナットの端面に設けられた面取り部と駒窓の外径側縁部がシャープエッジとなるのを防止することができ、ナットを熱処理した時に焼割れの原因になったり、駒部材の加締加工時にクラックが入ったりするのを確実に防止することができ、ナットの強度を確保すると共に、軸方向のコンパクト化を図った駒式ボールねじを提供することができる。
(a)は、本発明に係る駒式ボールねじの第1の実施形態を示す平面図である。 (b)は、同上縦断面図である。 本発明に係る駒部材を示す斜視図である。 (a)は、図1のナット単体を示す平面図、(b)は、(a)のIII−III線に沿って切断した横断面図である。 (a)は、図3のナットの変形例を示す平面図、(b)は、(a)のIV−IV線に沿って切断した横断面図である。 (a)は、図3のナットの他の変形例を示す平面図、(b)は、(a)のV−V線に沿って切断した横断面図である。 (a)は、従来の駒式ボールねじのナットを示す断面斜視図、(b)は、同上、横断面図である。 (a)は、図6のナット単体を示す平面図、(b)は、(a)のVII−VII線に沿って切断した横断面図である。
外周面に螺旋状のねじ溝が形成されたねじ軸と、このねじ軸に外嵌され、内周面に螺旋状のねじ溝が形成されたナットと、対向する両ねじ溝により形成される転動路に収容された複数のボールと、前記ナットの胴部に穿設された円形の駒窓に嵌合され、前記転動路を周回経路とする連結溝が形成された駒部材とを備えた駒式ボールねじにおいて、前記駒窓が前記ナットの両端部に、少なくとも当該ナットのねじ溝の2ピッチの間隔をおいて穿設され、これらの駒窓の外径側縁部に近接するまで前記ナットの軸方向の全長が小さく形成されると共に、前記駒窓の中心を結ぶ線上で、前記外径側縁部にかかるように前記ナットの端面側の外径面にフラット面が形成されている。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る駒式ボールねじの一実施形態を示し、(a)は平面図、(b)は縦断面図、図2は、図1の駒部材を示す斜視図、図3(a)は、図1のナット単体を示す平面図、(b)は、(a)のIII−III線に沿って切断した横断面図、図4(a)は、図3のナットの変形例を示す平面図、(b)は、(a)のIV−IV線に沿って切断した横断面図、図5(a)は、図3のナットの他の変形例を示す平面図、(b)は、(a)のV−V線に沿って切断した横断面図である。
この駒式ボールねじ1は、外周面に螺旋状のねじ溝2aが形成されたねじ軸2と、このねじ軸2に外嵌され、内周面に螺旋状のねじ溝3aが形成されたナット3と、対向する両ねじ溝2a、3aにより形成された転動路に収容された多数のボール4と、これらボール4の循環用部材となる駒部材5とを備えている。
各ねじ溝2a、3aの断面形状は、サーキュラアーク形状であってもゴシックアーク形状であっても良いが、ここではボール4との接触角が大きくとれ、アキシアルすきまが小さく設定できるゴシックアーク形状に形成されている。これにより、軸方向荷重に対する剛性が高くなり、かつ振動の発生を抑制することができる。
本実施形態では、ナット3の両端部には駒窓6が穿設され、ボール9の循環部材となる駒部材11が、その隣り合う循環列間の距離を大きく取って一対装着されている。具体的には、ナット3に、2つのボール循環列7、7間に少なくとも2列のねじ溝3aが形成できるスペースに環状の盗み部8が形成されている。この盗み部8の内径は、ねじ溝3aの内径よりも大径に設定されている。このように、ボール循環列7、7のスパンを大きく設定することにより、負荷されるモーメント荷重に対して、循環部エリアに入るボール4の荷重を軽減することができる。
駒部材5の内方には、ねじ溝3aの隣合う1周分同士を連結する連結溝5aが形成され、この連結溝5aとねじ溝3aの略1周の部分とでボール4の転動路を構成している。転動路内の内外のねじ溝2a、3a間に介在された多数のボール4は、ねじ溝2a、3aに沿って転動し、そして、駒部材5の連結溝5aに案内され、ねじ軸2のねじ山を乗り越えて隣接するねじ溝3aに戻り、再びねじ溝2a、3aに沿って転動する。
駒部材5の連結溝5aは、ナット3の隣接するねじ溝3a、3a間を滑らかに接続するようにS字状に湾曲して形成されている。また、連結溝5aの深さは、ボール4が連結溝5a内でねじ軸2におけるねじ溝2aのねじ山を越えることができる深さとされている。さらに、図2に示すように、駒部材5の両側には断面が略円形の丸棒状に形成されたアーム9が突設され、ナット3のねじ溝3aに所定の径方向すきまを介して係合されている。このアーム9によって、駒部材5がナット3に対して軸方向に位置決めされると共に、駒部材5が駒窓6から径方向外方に抜け出すのを防止している。
駒部材5は、アーム9、9が突設された胴部10と、この胴部10から外径側(ナット3の径方向外方側)に延びる頭部11からなる。胴部10は、ナット3の駒窓6の形状(円孔)に対応するように断面が円形に形成されて駒窓6に嵌合される。また、頭部11は、他の部分よりも外径面が凹む凹み部12が形成され、この凹み部12から外径側へ立ち上がり、円弧状周面を有する複数のガイド壁13が周方向等配に形成されている。複数のガイド壁13のうち、ナット3におけるねじ溝3aのリード線Lに略直交し、対向するガイド壁13、13を塑性変形させて加締部14が形成されている。これにより、ボール通過時に加締部14に負荷され、駒部材5を傾斜させる応力の発生を軽減することができ、加締部14の摩耗を防止して駒部材5のガタツキの発生を抑制し、円滑なボールの循環が得られる信頼性の高い駒式ボールねじを提供することができる。
駒部材5は駒窓6に嵌挿され、ナット3のねじ溝3aにアーム9、9を係合した後、これらガイド壁13を加締治具(図示せず)を使用して駒窓6の外径側縁部6aに密着する状態まで塑性変形させて形成した加締部14によって駒部材5はナット3に固定される。また、駒窓6の外径側縁部6aは所定の傾斜角θからなるテーパ状に形成され、20〜45°の範囲に設定されている。これ以上加締量が増えていくと加締部14に割れが発生して信頼性が損なわれると共に、傾斜角θが20°未満では、加締部14のスプリングバックで駒部材5にガタが生じ、位置決め精度や固定力に問題が生じ好ましくない。
本実施形態では、駒部材5は、金属粉末を可塑状に調整し、射出成形機で成形される焼結合金からなる。この射出成形に際しては、まず、金属粉と、プラスチックおよびワックスからなるバインダとを混練機で混練し、その混練物をペレット状に造粒する。造粒したペレットは、射出成形機のホッパに供給し、金型内に加熱溶融状態で押し込む、所謂MIM(Metal Injection Molding)により成形されている。こうしたMIMによって成形される焼結合金であれば、加工度が高く複雑な形状であっても容易に、かつ精度良く所望の形状・寸法に成形することができる。
前記金属粉として、後に浸炭焼入が可能な材質、例えば、C(炭素)が0.13wt%、Ni(ニッケル)が0.21wt%、Cr(クロム)が1.1wt%、Cu(銅)が0.04wt%、Mn(マンガン)が0.76wt%、Mo(モリブデン)が0.19wt%、Si(シリコン)が0.20wt%、残りがFe(鉄)等からなるSCM415を例示することができる。駒部材5は、浸炭焼入れおよび焼戻し温度を調整して行われる。また、駒部材5の材料としてこれ以外にも、Niが3.0〜10.0wt%含有し、加工性、耐食性に優れた材料(日本粉末冶金工業規格のFEN8)、あるいは、Cが0.07wt%、Crが17wt%、Niが4wt%、Cuが4wt%、残りがFe等からなる析出硬化系ステンレスSUS630であっても良い。このSUS630は、固溶化熱処理で20〜33HRCの範囲に表面硬さを適切に上げることができ、強靭性と高硬度を確保することができる。
駒部材5をSCM415等の浸炭材で形成する場合は、駒部材5は浸炭焼入れおよび、焼戻し温度調整によるか、もしくは浸炭焼入れによって表面硬さが30〜40HRCの範囲になるように硬化処理されると共に、高周波テンパー装置を用いて、図2(b)に示す加締部14、すなわち、図3に示すガイド壁13が焼戻しされ、硬さが15〜30HRCの範囲になるように設定されている。これにより、加締部14となるガイド壁13の靭性が高くなると共に、駒部材5をナット3に加締固定する際に割れ等が発生するのを防止することができる。
ここで、図3に示すように、駒窓6の外径側縁部6aと面取り部3bが近接するまで、ナット3の軸方向の全長が可及的に小さく形成されると共に、外径側縁部6aとナット3の端面に連通する面が形成されている。具体的には、一対の駒窓6、6の中心を結ぶ線上で、外径側縁部6aにかかるようにナット3の端面側の外径面にフラット面15、15が形成されている。そして、これらのフラット面15、15によって生じるエッジ部にバレル加工が施されて滑らかに丸められている。これにより、ナット3の端面に設けられた面取り部3bと駒窓6の外径側縁部6aとの角部がシャープエッジとなるのを防止することができ、ナット3を熱処理した時に焼割れの原因になったり、駒部材5の加締加工時にクラックが入ったりするのを確実に防止することができ、ナット3の強度を確保すると共に、軸方向のコンパクト化を図った駒式ボールねじ1を提供することができる。
図4に示すナット16は、その両端部に駒窓6が穿設され、駒窓6の外径側縁部6aと面取り部3bが近接するまで、ナット16の軸方向の全長が可及的に小さく形成されると共に、外径側縁部6aとナット16の端面に連通する面が形成されている。具体的には、一対の駒窓6、6の中心を結ぶ線上で、外径側縁部6aの直径と略同幅のフラット面17がナット16の外径面に全長に亙って形成されている。これにより、ナット16の端面に設けられた面取り部3bと駒窓6の外径側縁部6aとの角部がシャープエッジとなるのを防止することができ、ナット16を熱処理した時に焼割れの原因になったり、駒部材5の加締加工時にクラックが入ったりするのを確実に防止することができる。
図5に示すナット18は、その両端部に駒窓6が穿設され、駒窓6の外径側縁部6aと面取り部3bが近接するまで、ナット18の軸方向の全長が可及的に小さく形成されると共に、外径側縁部6aとナット18の端面に連通する面が形成されている。具体的には、一対の駒窓6、6の中心を結ぶ線上で、外径側縁部6aとナット18の端面に開口する所定幅のスリット19、19が形成されている。そして、これらのスリット19によって生じるエッジ部にバレル加工を施して丸められている。これにより、前述した実施形態と同様、ナット18の端面に設けられた面取り部3bと駒窓6の外径側縁部6aとの角部がシャープエッジとなるのを防止することができ、ナット18を熱処理した時に焼割れの原因になったり、駒部材5の加締加工時にクラックが入ったりするのを確実に防止することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
本発明に係る駒式ボールねじは、自動車の電動アクチュエータ等に使用される駒式ボールねじに適用することができる。
1 駒式ボールねじ
2 ねじ軸
2a、3a ねじ溝
3、16、18 ナット
3b 面取り部
4 ボール
5 駒部材
5a 連結溝
6 駒窓
6a 外径側縁部
7 ボール循環列
8 盗み部
9 アーム
10 胴部
11 頭部
12 凹み部
13 ガイド壁
14 加締部
15、17 フラット面
19 スリット
51 ナット
51a ねじ溝
51b 面取り部
52 駒部材
52a 連結溝
53 駒窓
53a 外径側縁部
54 駒窓縁
55 溝縁部
56 アーム
57 凹み部
58 ガイド壁
θ 傾斜角

Claims (10)

  1. 外周面に螺旋状のねじ溝が形成されたねじ軸と、
    このねじ軸に外嵌され、内周面に螺旋状のねじ溝が形成されたナットと、
    対向する両ねじ溝により形成される転動路に収容された複数のボールと、
    前記ナットの胴部に穿設された円形の駒窓に嵌合され、前記転動路を周回経路とする連結溝が形成された駒部材とを備えた駒式ボールねじにおいて、
    前記駒窓が前記ナットの両端部に穿設され、これらの駒窓の外径側縁部に近接するまで前記ナットの軸方向の全長が小さく形成されると共に、前記駒窓の中心を結ぶ線上で、前記外径側縁部と前記ナットの端面に連通する面が形成されていることを特徴とする駒式ボールねじ。
  2. 前記駒窓の外径側縁部にかかるように前記ナットの端面側の外径面にフラット面が形成されている請求項1に記載の駒式ボールねじ。
  3. 前記駒窓の外径側縁部の直径と略同幅で、前記ナットの外径面にフラット面が全長に亙って形成されている請求項1に記載の駒式ボールねじ。
  4. 前記駒窓の外径側縁部と前記ナットの端面に開口する所定幅のスリットが形成されている請求項1に記載の駒式ボールねじ。
  5. 前記ナットがバレル加工されてエッジ部が丸められている請求項1乃至4いずれかに記載の駒式ボールねじ。
  6. 前記駒部材が、前記駒窓に嵌挿される胴部と、この胴部から前記ナットの径方向外方側に延びる頭部とを備え、前記胴部の両側に一対のアームが突設され、これらアームを前記ナットのねじ溝に係合させて前記駒部材が位置決めされると共に、前記駒窓の外径側縁部が所定の傾斜角からなるテーパ状に形成され、前記駒部材の頭部に、他の部分よりも外径面が凹む凹み部が形成され、この凹み部から立ち上がり、円弧状周面を有する複数のガイド壁が周方向等配に形成され、これら複数のガイド壁のうち、前記ナットにおけるねじ溝のリード線に略直交し、対向するそれぞれのガイド壁を前記駒窓の外径側縁部に塑性変形させて形成した加締部によって前記駒部材が前記ナットに固定されている請求項1に記載の駒式ボールねじ。
  7. 前記駒窓の外径側縁部の傾斜角が20〜45°の範囲に設定されると共に、この外径側縁部に前記駒部材のガイド壁が密着された状態で塑性変形されて前記加締部が形成されている請求項6に記載の駒式ボールねじ。
  8. 前記駒部材が焼結合金からMIMによって成形されている請求項1乃至7いずれかに記載の駒式ボールねじ。
  9. 前記駒窓が少なくとも前記ナットのねじ溝の2ピッチの間隔をおいて穿設されている請求項1乃至7いずれかに記載の駒式ボールねじ。
  10. 前記ナットの駒窓間の内周に環状の盗み部が形成され、この盗み部の内径が前記ナットのねじ溝の内径よりも大きく設定されている請求項9に記載の駒式ボールねじ。
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