JP2011171221A - プラズマディスプレイパネルとその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】保護層における放電特性を改善することにより放電遅れの発生を抑制し、高精細セル構造でも優れた画像表示性能を発揮することが可能なPDPとその製造方法を提供する。
【解決手段】表面層8の表面部分に、フッ素原子を含む酸化アルミニウム微粒子16aを配置させる。フッ素原子は、当該微粒子16aの少なくとも表面から4nm以下の深さまでの領域に含まれるように調整する。
【選択図】図1
【解決手段】表面層8の表面部分に、フッ素原子を含む酸化アルミニウム微粒子16aを配置させる。フッ素原子は、当該微粒子16aの少なくとも表面から4nm以下の深さまでの領域に含まれるように調整する。
【選択図】図1
Description
本発明は、プラズマディスプレイパネルとその製造方法に関し、特に主に酸化マグネシウムからなる保護層を備えるプラズマディスプレイパネルとその製造方法に関する。
プラズマディスプレイパネル(PDP)はフラットパネルディスプレイ(FPD)の中でも高速表示が可能であり、かつ大型化が容易であることから、映像表示装置および広報表示装置などの分野で広く実用化されている。
図5は、一般的なAC型PDPにおける放電単位である放電セル構造の模式的組図である。当図5に示すPDP1xはフロントパネル2及びバックパネル9を貼り合わせてなる。フロントパネル2は、フロントパネルガラス3の片面に、走査電極5及び維持電極4を一対とする表示電極対6が複数対にわたり配設され、当該表示電極対6を覆うように、誘電体層7および保護層8が順次積層されてなる。走査電極5、維持電極4は、それぞれ透明電極51、41及びバスライン52、42を積層してなる。
図5は、一般的なAC型PDPにおける放電単位である放電セル構造の模式的組図である。当図5に示すPDP1xはフロントパネル2及びバックパネル9を貼り合わせてなる。フロントパネル2は、フロントパネルガラス3の片面に、走査電極5及び維持電極4を一対とする表示電極対6が複数対にわたり配設され、当該表示電極対6を覆うように、誘電体層7および保護層8が順次積層されてなる。走査電極5、維持電極4は、それぞれ透明電極51、41及びバスライン52、42を積層してなる。
誘電体層7は、ガラス軟化点が550℃〜600℃程度の範囲の低融点ガラスから形成され、AC型PDP特有の電流制限機能を有する。
表面層8は、上記誘電体層7及び表示電極対6をプラズマ放電のイオン衝突より保護すると共に、放電空間15に二次電子を効率よく放出し、放電開始電圧を低下させる。通常、当該表面層8は二次電子放出特性、耐スパッタ性、光学透明性に優れる酸化マグネシウム(MgO)を用いて、真空蒸着法(特許文献1、2)や印刷法(特許文献3)で厚み0.5μm〜1μm程度で成膜される。なお表面層8と同様の構成は、誘電体層7及び表示電極対6を保護する他に、二次電子放出特性の確保を目的とした保護層として設けられることもある。
表面層8は、上記誘電体層7及び表示電極対6をプラズマ放電のイオン衝突より保護すると共に、放電空間15に二次電子を効率よく放出し、放電開始電圧を低下させる。通常、当該表面層8は二次電子放出特性、耐スパッタ性、光学透明性に優れる酸化マグネシウム(MgO)を用いて、真空蒸着法(特許文献1、2)や印刷法(特許文献3)で厚み0.5μm〜1μm程度で成膜される。なお表面層8と同様の構成は、誘電体層7及び表示電極対6を保護する他に、二次電子放出特性の確保を目的とした保護層として設けられることもある。
他方、バックパネル9は、バックパネルガラス10上に画像データを書き込むための複数のデータ(アドレス)電極11が前記フロントパネル2の表示電極対6と直交方向で交差させて形成される。バックパネルガラス10には、データ電極11を覆うように低融点ガラスからなる誘電体層12が配設される。誘電体層12上には隣接する放電セル(図示省略)との境界上に、低融点ガラスからなる所定の高さの隔壁(リブ)13が放電空間15を区画するように、井桁状等のパターン部1231、1232を組み合わせて形成される。誘電体層12表面と隔壁13の側面には、R、G、B各色の蛍光体インクが塗布及び焼成されてなる蛍光体層14(蛍光体層14R、14G、14B)が形成される。
フロントパネル2とバックパネル9は、表示電極対6とデータ電極11とが放電空間15を介して互いに直交するように配置され、その各周囲で封着される。この際に内部封止された放電空間15には、放電ガスとしてXe−Ne系あるいはXe−He系等の希ガスが約数十kPaの圧力で封入される。以上でPDP1xが構成される。
このPDP1xを駆動する方法には、1フィールドの映像を複数のサブフィールド(S.F.)に分割する階調表現方式(例えばフィールド内時分割表示方式)が用いられる。
このPDP1xを駆動する方法には、1フィールドの映像を複数のサブフィールド(S.F.)に分割する階調表現方式(例えばフィールド内時分割表示方式)が用いられる。
ここで近年、PDPの高精細化(フルスペックハイビジョンTV等)や高速駆動化が要求されており、放電特性を向上させる研究が広く行われている。研究の重要な課題項目には「放電遅れ」の防止・抑制が挙げられる。
「放電遅れ」とは駆動パルスの幅を狭くして高速駆動を行う際に、パルスの立ち上がりから遅れて放電が行われる現象を指す。「放電遅れ」が顕著になると、印加されたパルス幅内で放電が終了する確率が低くなり、本来点灯すべきセルに書き込み等ができずに点灯不良を生じる。放電遅れは高精細なセル構造のPDPを高速駆動させる場合に特に顕在化するおそれがあり、早急な対策が望まれている。
「放電遅れ」とは駆動パルスの幅を狭くして高速駆動を行う際に、パルスの立ち上がりから遅れて放電が行われる現象を指す。「放電遅れ」が顕著になると、印加されたパルス幅内で放電が終了する確率が低くなり、本来点灯すべきセルに書き込み等ができずに点灯不良を生じる。放電遅れは高精細なセル構造のPDPを高速駆動させる場合に特に顕在化するおそれがあり、早急な対策が望まれている。
「放電遅れ」の原因は、主に保護層の特性に起因すると考えられている。従って現在では、MgOにFe、Cr、V等や、Si、Al等の元素をドーパントとして添加して、当該ドーパントにより保護層の放電特性を改善する試みがなされている(特許文献1、2)。一方、誘電体層の上に直接、或いは薄膜法で作製したMgO膜を介して、気相酸化法で作製したMgOの単結晶微粒子を層状に配置し、保護層表面の放電特性を改善する試みも行われている(特許文献3)。この特許文献3の方法によれば、低温時における放電遅れ低減については一定の改善が図られるとされている。
また、別の要求としてPDPの高効率化も強く望まれている。具体的手段として、誘電体層を低誘電率化させたり、放電ガス中のXe分圧を上げる方法がある。しかしながらこのような方法を採ると、放電開始電圧や維持電圧が上昇するという別の問題点がある。
一方、保護層材料として、2次電子放出係数の高い材料を用いれば、放電開始電圧や維持電圧を低減できるので、高効率化や、耐圧の低い素子を用いて低コスト化が実現可能となる。このため、MgOの代わりに同じアルカリ土類金属酸化物であって、より2次電子放出係数の高いCaO、SrO、BaOを単体もしくはこれら同士の固溶体を用いる事が検討されている(特許文献6〜7)。
一方、保護層材料として、2次電子放出係数の高い材料を用いれば、放電開始電圧や維持電圧を低減できるので、高効率化や、耐圧の低い素子を用いて低コスト化が実現可能となる。このため、MgOの代わりに同じアルカリ土類金属酸化物であって、より2次電子放出係数の高いCaO、SrO、BaOを単体もしくはこれら同士の固溶体を用いる事が検討されている(特許文献6〜7)。
また、上記解決手法以外にも、放電維持電圧を低減させる目的で、MgO、BeO、CaO、SrO及びBaOなどのアルカリ土類金属酸化物や、LiO2、Na2O、K2O、Rb2O及びCsOなどのアルカリ金属酸化物、TiO2、Y2O3、ZrO2、Ta2O5、ZnO、CoO及びMnOなどの遷移金属酸化物、前述した物質の他にAl2O3、SiO2、GeO2、SnO2、La2O3、CeO2、Eu2O3及びGd2O3などの結晶型酸化物からなる第2の保護層を設ける方法が検討されている。(特許文献8)
しかしながら、前述したいずれの従来技術を用いても、現状では放電遅れの発生や、放電開始電圧及び維持電圧に関する問題を十分に解決できるまでには至っていない。
例えば特許文献3の方法では、気相酸化法で作製されたMgO微粒子(粉体)が粒径に比較的バラツキを有しているので、粒径の大きい粒子に多数の微細粒子が含まれている。この多数の微細粒子には、実質的に放電遅れの防止・抑制に貢献しない微粒子が含まれるので、PDPにおいて比較的多くのMgO微粒子を分散させて用いないと、実用的な放電遅れの抑制効果が得られない。一方、このように大量のMgO微粒子を誘電体層や表面層に対して配設すると、蛍光体で生じた可視光が散乱し、可視光透過率が減少して画像表示性能を低下させる問題がある。
例えば特許文献3の方法では、気相酸化法で作製されたMgO微粒子(粉体)が粒径に比較的バラツキを有しているので、粒径の大きい粒子に多数の微細粒子が含まれている。この多数の微細粒子には、実質的に放電遅れの防止・抑制に貢献しない微粒子が含まれるので、PDPにおいて比較的多くのMgO微粒子を分散させて用いないと、実用的な放電遅れの抑制効果が得られない。一方、このように大量のMgO微粒子を誘電体層や表面層に対して配設すると、蛍光体で生じた可視光が散乱し、可視光透過率が減少して画像表示性能を低下させる問題がある。
これらの問題を避けるには粒径の小さいMgO微粒子を分級して除去する方法がある(特許文献4)。しかしながら、分級工程という新たな工程が必要であり、製造効率を低下させるほか、大がかりな分級装置を要する問題がある。さらに、分級した多数の微細粒子が無駄になるなど、実際上、製造コスト面での各種問題が存在する。
また、特許文献6〜7で検討されているCaO、SrO、BaOなどは、MgOに比べて化学的に不安定であり、空気中の水分や炭酸ガスと容易に反応して、水酸化物や炭酸化物を形成する。このような化合物が形成されると、2次電子放出係数が低下して、期待した低電圧化が成し得なかったり、あるいは電圧低下に必要とされるエージング時間が非常に長くなってしまい、実用的ではなくなる問題点があった。さらに、こうした化学反応による劣化は、実験室レベルで少量を作製する場合には、作業の雰囲気ガスを制御するといった方法で回避可能であるが、製造工場で全ての工程を雰囲気管理するのは高コスト化を招く等、現実的に非常に困難である。
また、特許文献6〜7で検討されているCaO、SrO、BaOなどは、MgOに比べて化学的に不安定であり、空気中の水分や炭酸ガスと容易に反応して、水酸化物や炭酸化物を形成する。このような化合物が形成されると、2次電子放出係数が低下して、期待した低電圧化が成し得なかったり、あるいは電圧低下に必要とされるエージング時間が非常に長くなってしまい、実用的ではなくなる問題点があった。さらに、こうした化学反応による劣化は、実験室レベルで少量を作製する場合には、作業の雰囲気ガスを制御するといった方法で回避可能であるが、製造工場で全ての工程を雰囲気管理するのは高コスト化を招く等、現実的に非常に困難である。
以上のように、PDPにおいて実用的に放電遅れの増大や、放電開始電圧や維持電圧の増大を効果的に解決するには至っていないと考えられる。また、上記いずれの特性も、PDPを長時間表示させた場合の変動を抑制することが必須となり、この問題は、フルスペックハイビジョンTV等の高精細なセル構造において、高速駆動を行う場合に特に顕在化するおそれがあるため、早急な対策が望まれている。
本発明は以上の課題に鑑みなされたものであって、保護層における放電特性を改善することにより放電遅れの発生を抑制すると同時に、放電開始電圧や放電維持電圧を抑制し、高精細セル構造を有する場合でも優れた画像表示性能を発揮することが可能なPDPとその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、基板の一方の表面に対し、表示電極とこれを覆う誘電体層が形成された前面基板が、前記一方の表面において背面基板と放電空間を介して対向配置され、前面基板及び背面基板の周囲が封着されたプラズマディスプレイパネルであって、放電空間に臨む前面基板の最表面には、ハロゲン原子を含む酸化アルミニウム微粒子が配設されている構成とした。
ここで前記酸化アルミニウム微粒子は、誘電体層の表面に直接設けることもできる。
また、前記誘電体層の表面には、MgO、CaO、BaO及びSrOの群より選ばれた少なくとも一つの金属酸化物を含む表面層が配設され、前記酸化アルミニウム微粒子は、前記表面層の表面に配設された構成とすることもできる。
また、前記ハロゲン原子は、少なくとも前記酸化アルミニウム微粒子の表面から内部に向かって、4nm以下の領域に含まれている構成とすることもできる。
また、前記誘電体層の表面には、MgO、CaO、BaO及びSrOの群より選ばれた少なくとも一つの金属酸化物を含む表面層が配設され、前記酸化アルミニウム微粒子は、前記表面層の表面に配設された構成とすることもできる。
また、前記ハロゲン原子は、少なくとも前記酸化アルミニウム微粒子の表面から内部に向かって、4nm以下の領域に含まれている構成とすることもできる。
ここで、前記ハロゲン原子は、フッ素原子或いは塩素原子の少なくともいずれかとすることもできる。
また、前記酸化アルミニウム微粒子中において、ハロゲン原子は、アルミニウム原子に対し、0.7atm%以上30.0atm%以下の割合で含まれている構成とすることもできる。
また、前記酸化アルミニウム微粒子中において、ハロゲン原子は、アルミニウム原子に対し、0.7atm%以上30.0atm%以下の割合で含まれている構成とすることもできる。
また、酸化アルミニウム微粒子は、前面基板の表面において1.0%以上の投影面積比で被覆することもできる。 また本発明は、基板表面に対し、表示電極及び誘電体層、並びに酸化アルミニウム微粒子を順次配設して前面基板を作製する前面基板作製工程と、前面基板及び背面基板を放電空間を介して対向配置させて封着する封着工程とを有し、前面基板作製工程では、放電空間に臨んで配置される予定の基板最表面に前記酸化アルミニウム微粒子を配設するプラズマディスプレイパネルの製造方法とした。
ここで前面基板作製工程では、誘電体層形成後において、MgO、CaO、BaO及びSrOの群より選ばれた少なくとも一つの金属酸化物を含む材料を用いて前記誘電体層の上に表面層を形成し、当該表面層の表面に前記酸化アルミニウム微粒子を配設することもできる。
また、前面基板作製工程では、前記酸化アルミニウム微粒子として、酸化アルミニウム前駆体に対し、フッ化マグネシウム、塩化マグネシウム、フッ化アルミニウム、塩化アルミニウム、フッ化カルシウム、フッ化リチウム、塩化ナトリウムの中の1種以上を焼結助剤として添加してなる材料を焼成して得た酸化アルミニウム微粒子を用いることも可能である。
また、前面基板作製工程では、前記酸化アルミニウム微粒子として、酸化アルミニウム前駆体に対し、フッ化マグネシウム、塩化マグネシウム、フッ化アルミニウム、塩化アルミニウム、フッ化カルシウム、フッ化リチウム、塩化ナトリウムの中の1種以上を焼結助剤として添加してなる材料を焼成して得た酸化アルミニウム微粒子を用いることも可能である。
本発明のPDPでは、放電空間に臨むように、ハロゲン原子を含む酸化アルミニウム微粒子が前面基板側に設けている。このハロゲン原子を含む酸化アルミニウム微粒子は、高い二次電子放出係数γを有することが発明者らの検討により確認されたものである。従って、本発明のPDPの駆動時には、放電空間での放電発生に伴い、当該微粒子より放電空間内に向けて豊富に二次電子の放出がなされる。その結果、従来のPDPと比較して、より低い放電開始電圧で放電を開始しつつ、放電遅れを適切に抑制することができる。
また、この微粒子は、前面基板においてそれほど高い被覆率で配設しなくても、良好な二次電子放出特性が発揮される。従って、放電空間で発生した可視光が微粒子によって過度に遮られることがなく、良好な可視透過率を確保することができ、放電遅れの抑制効果と相まって優れた画像表示性能を期待することができる。このような諸効果を奏することから、本発明を高精細型PDPに適用すれば、少ない消費電力で良好な画像表示性能を有する高精細型PDPを実現できる。
さらに、このハロゲン原子を含む酸化アルミニウム微粒子は、酸素や水分等のガスに対して比較的安定であるため、変質を防いで長期間にわたり安定した二次電子放出特性を発揮することも期待できる。
以下に、本発明の実施の形態及び実施例を説明するが、当然ながら本発明はこれらの形式に限定されるものでなく、本発明の技術的範囲を逸脱しない範囲で適宜変更して実施することができる。
<実施の形態1>
(PDPの構成例)
図1は、本発明の実施の形態1に係るPDP1のxz平面に沿った模式的な断面図である。当該PDP1は保護層周辺の構成を除き、全体的には従来構成(前述の図5)と同様である。なお、図1では説明のため、表面層8の表面に配設される酸化アルミニウム微粒子層16を実際よりも大きく、模式的に表している。
<実施の形態1>
(PDPの構成例)
図1は、本発明の実施の形態1に係るPDP1のxz平面に沿った模式的な断面図である。当該PDP1は保護層周辺の構成を除き、全体的には従来構成(前述の図5)と同様である。なお、図1では説明のため、表面層8の表面に配設される酸化アルミニウム微粒子層16を実際よりも大きく、模式的に表している。
PDP1は、ここでは42インチクラスの1024×768(画素数)のNTSC仕様としているが、本発明は当然ながらXGAやSXGA等、この他の仕様例に適用してもよい。HD(High Definition)以上の解像度を有する高精細なPDPとしては、例えば、次の規格を例示できる。すなわちパネルサイズが37、42、50インチの各サイズの場合、同順に1024×720(画素数)、1024×768(画素数)、1366×768(画素数)に設定できる。そのほか、当該HDパネルよりもさらに高解像度のパネルを含めることができる。HD以上の解像度を有するパネルとしては、1920×1080(画素数)を備えるフルHDパネルを含めることができる。
図1に示すように、PDP1の構成は互いに主面を対向させて配設された前面基板(フロントパネル2)および背面基板(バックパネル9)に大別される。
フロントパネル2の基板となるフロントパネルガラス3には、その一方の主面に所定の放電ギャップ(75μm)をおいて配設された一対の表示電極対6(走査電極5、維持電極4)がx軸方向を長手方向としてy軸方向に複数対にわたり形成されている。各表示電極対6は、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化錫(SnO2)等の透明導電性材料からなる帯状の透明電極51、41(厚さ0.1μm、幅150μm)に対して、Ag厚膜(厚み2μm〜10μm)、Al薄膜(厚み0.1μm〜1μm)またはCr/Cu/Cr積層薄膜(厚み0.1μm〜1μm)等からなるバスライン52、42(厚さ7μm、幅95μm)が積層されてなる。このバスライン52、42によって透明電極51、41のシート抵抗が下げられる。
フロントパネル2の基板となるフロントパネルガラス3には、その一方の主面に所定の放電ギャップ(75μm)をおいて配設された一対の表示電極対6(走査電極5、維持電極4)がx軸方向を長手方向としてy軸方向に複数対にわたり形成されている。各表示電極対6は、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化錫(SnO2)等の透明導電性材料からなる帯状の透明電極51、41(厚さ0.1μm、幅150μm)に対して、Ag厚膜(厚み2μm〜10μm)、Al薄膜(厚み0.1μm〜1μm)またはCr/Cu/Cr積層薄膜(厚み0.1μm〜1μm)等からなるバスライン52、42(厚さ7μm、幅95μm)が積層されてなる。このバスライン52、42によって透明電極51、41のシート抵抗が下げられる。
ここで、「厚膜」とは、導電性材料を含むペースト等を塗布した後に焼成して形成する各種厚膜法により形成される膜をいう。また、「薄膜」とは、スパッタリング法、イオンプレーティング法、電子線蒸着法等を含む、真空プロセスを用いた各種薄膜法により形成される膜をいう。
表示電極対6を配設したフロントパネルガラス3には、その主面全体にわたり、酸化鉛(PbO)または酸化ビスマス(Bi2O3)または酸化燐(PO4)を主成分とする低融点ガラス(厚み約30μm)の誘電体層7が、スクリーン印刷法等によって形成されている。
表示電極対6を配設したフロントパネルガラス3には、その主面全体にわたり、酸化鉛(PbO)または酸化ビスマス(Bi2O3)または酸化燐(PO4)を主成分とする低融点ガラス(厚み約30μm)の誘電体層7が、スクリーン印刷法等によって形成されている。
誘電体層7は、AC型PDP特有の電流制限機能を有し、DC型PDPに比べて長寿命化を実現する要素になっている。
誘電体層7の放電空間側の面には、膜厚約1μmの表面層8と、当該表面層8の表面に酸化アルミニウム微粒子層16が配設されている。この表面層8及び酸化アルミニウム微粒子層16の組み合わせにより、誘電体層7に対する保護層17が構成されている。
誘電体層7の放電空間側の面には、膜厚約1μmの表面層8と、当該表面層8の表面に酸化アルミニウム微粒子層16が配設されている。この表面層8及び酸化アルミニウム微粒子層16の組み合わせにより、誘電体層7に対する保護層17が構成されている。
表面層8は、誘電体層7及び表示電極対6をプラズマ放電のイオン衝突より保護すると共に、二次電子を効率よく放出し、放電開始電圧を低下させる役目をなす薄膜であって、耐スパッタ性及び二次電子放出係数γに優れるMgO材料からなる。当該材料は、さらに良好な光学透明性、電気絶縁性を有する。一方、酸化アルミニウム微粒子層16は、酸化アルミニウム成分を主体とし、ハロゲン原子としてフッ素原子を含む酸化アルミニウム微粒子16aで構成されている。この酸化アルミニウム微粒子層16については詳細を後述する。
バックパネル9の基板となるバックパネルガラス10には、その一方の主面に、Ag厚膜(厚み2μm〜10μm)、Al薄膜(厚み0.1μm〜1μm)またはCr/Cu/Cr積層薄膜(厚み0.1μm〜1μm)等のいずれかからなるデータ電極11が、幅100μmで、x方向を長手方向としてy方向に一定間隔毎(360μm)でストライプ状に並設される。そして、各々のデータ電極11を内包するように、バックパネルガラス9の全面にわたって、厚さ30μmの誘電体層12が配設されている。
誘電体層12の上には、さらに隣接するデータ電極11の間隙に合わせて井桁状の隔壁13(高さ約110μm、幅40μm)が配設され、放電セルが区画されることで誤放電や光学的クロストークの発生を防ぐ役割をしている。
隣接する2つの隔壁13の側面とその間の誘電体層12の面上には、カラー表示のための赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各々に対応する蛍光体層14が形成されている。各種組成として、青色蛍光体(B)には、既知のBAM:Eu、赤色蛍光体(R)には(Y,Gd)BO3:EuやY2O3:Eu等、緑色蛍光体(G)にはZn2SiO4:Mn、YBO3:Tbおよび(Y,Gd)BO3:Tb等が利用できる。
隣接する2つの隔壁13の側面とその間の誘電体層12の面上には、カラー表示のための赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各々に対応する蛍光体層14が形成されている。各種組成として、青色蛍光体(B)には、既知のBAM:Eu、赤色蛍光体(R)には(Y,Gd)BO3:EuやY2O3:Eu等、緑色蛍光体(G)にはZn2SiO4:Mn、YBO3:Tbおよび(Y,Gd)BO3:Tb等が利用できる。
なお、誘電体層12は必須ではなく、データ電極11を直接蛍光体層14で内包するようにしてもよい。
フロントパネル2とバックパネル9は、データ電極11と表示電極対6の互いの長手方向が直交するように対向配置され、両パネル2、9の外周縁部がガラスフリットで封着されている。この両パネル2、9間にはHe、Xe、Ne等を含む不活性ガス成分からなる放電ガスが所定圧力で封入される。
フロントパネル2とバックパネル9は、データ電極11と表示電極対6の互いの長手方向が直交するように対向配置され、両パネル2、9の外周縁部がガラスフリットで封着されている。この両パネル2、9間にはHe、Xe、Ne等を含む不活性ガス成分からなる放電ガスが所定圧力で封入される。
隔壁13の間は放電空間15であり、隣り合う一対の表示電極対6と1本のデータ電極11が放電空間15を挟んで交叉する領域が、画像表示にかかる放電セル(「サブピクセル」とも言う)に対応する。放電セルピッチはx方向が675μm、y方向が300μmである。隣り合うRGBの各色に対応する3つの放電セルで1画素(675μm×900μm)が構成される。
走査電極5、維持電極4及びデータ電極11の各々には、図2に示すようにパネルのxy方向端部付近において、駆動回路として走査電極ドライバ111、維持電極ドライバ112、データ電極ドライバ113が電気的に接続される。ここで、維持電極4は一括して維持電極ドライバ112に接続され、各走査電極5と各データ電極11は、それぞれ独立して走査電極ドライバ111或いはデータ電極ドライバ113に接続される。
(PDPの駆動例)
PDP1は、各ドライバ111〜113を含む公知の駆動回路(不図示)によって、駆動時には各表示電極対6の間隙に数十kHz〜数百kHzのAC電圧が印加される。これにより任意の放電セル内で放電が発生し、励起Xe原子による波長147nm主体の共鳴線と励起Xe分子による波長172nm主体の分子線を含む紫外線(図1の点線及び矢印)が蛍光体層14に照射される。蛍光体層14は励起されて可視光発光する。そして当該可視光はフロントパネル2を透過して前面に発光される。
PDP1は、各ドライバ111〜113を含む公知の駆動回路(不図示)によって、駆動時には各表示電極対6の間隙に数十kHz〜数百kHzのAC電圧が印加される。これにより任意の放電セル内で放電が発生し、励起Xe原子による波長147nm主体の共鳴線と励起Xe分子による波長172nm主体の分子線を含む紫外線(図1の点線及び矢印)が蛍光体層14に照射される。蛍光体層14は励起されて可視光発光する。そして当該可視光はフロントパネル2を透過して前面に発光される。
この駆動方法の一例としては、フィールド内時分割階調表示方式が採られる。当該方式は、表示するフィールドを複数のサブフィールド(S.F.)に分け、各サブフィールドをさらに複数の期間に分ける。1サブフィールドは更に、(1)全放電セルを初期化状態にする初期化期間、(2)各放電セルをアドレスし、各放電セルへ入力データに対応した表示状態を選択・入力していく書込期間、(3)表示状態にある放電セルを表示発光させる維持期間、(4)維持放電により形成された壁電荷を消去する消去期間という4つの期間に分割されてなる。
各サブフィールドでは、初期化期間で画面全体の壁電荷を初期化パルスでリセットした後、書込期間で点灯すべき放電セルのみに壁電荷を蓄積させる書込放電を行い、その後の放電維持期間ですべての放電セルに対して一斉に交流電圧(維持電圧)を印加することによって一定時間放電維持することで発光表示する。
ここで図3は、フィールド中の第m番目のサブフィールドにおける駆動波形例である。図3が示すように、各サブフィールドには、初期化期間、アドレス期間、維持期間、消去期間がそれぞれ割り当てられる。
ここで図3は、フィールド中の第m番目のサブフィールドにおける駆動波形例である。図3が示すように、各サブフィールドには、初期化期間、アドレス期間、維持期間、消去期間がそれぞれ割り当てられる。
初期化期間とは、それ以前の放電セルの点灯による影響(蓄積された壁電荷による影響)を防ぐため、画面全体の壁電荷の消去(初期化放電)を行う期間である。図3に示す駆動波形例では、走査電極5にデータ電極11および維持電極4に比べて高い電圧(初期化パルス)を印加し放電セル内の気体を放電させる。それによって発生した電荷はデータ電極11、走査電極5および維持電極4間の電位差を打ち消すように放電セルの壁面に蓄積されるので、走査電極5付近の表面層8及び酸化アルミニウム微粒子層16の表面には、負の電荷が壁電荷として蓄積される。またデータ電極11付近の蛍光体層14表面および維持電極4付近の表面層8及び酸化アルミニウム微粒子層16の表面には、正の電荷が壁電荷として蓄積される。この壁電荷により、走査電極5―データ電極11間、走査電極5―維持電極4間に所定の値の壁電位が生じる。
アドレス期間(書込期間)は、サブフィールドに分割された画像信号に基づいて選択された放電セルのアドレッシング(点灯/不点灯の設定)を行う期間である。当該期間では、放電セルを点灯させる場合には走査電極5にデータ電極11および維持電極4に比べ低い電圧(走査パルス)を印加させる。すなわち、走査電極5―データ電極11には前記壁電位と同方向に電圧を印加させると共に走査電極5―維持電極4間に壁電位と同方向にデータパルスを印加させ、アドレス放電(書込放電))を生じさせる。これにより蛍光体層14表面、維持電極4付近の表面層8及び酸化アルミニウム微粒子層16の表面には、負の電荷が蓄積され、走査電極5付近の表面層8及び酸化アルミニウム微粒子層16の表面には、正の電荷が壁電荷として蓄積される。以上で維持電極4―走査電極5間には所定の値の壁電位が生じる。
維持期間は、階調に応じた輝度を確保するために、書込放電により設定された点灯状態を拡大して放電を維持する期間である。ここでは上記壁電荷が存在する放電セルで、一対の走査電極5および維持電極4の各々に維持放電のための電圧パルス(例えば約200Vの矩形波電圧)を互いに異なる位相で印加する。これにより表示状態が書き込まれた放電セルに対し電圧極性の変化毎にパルス放電を発生せしめる。
この維持放電により、放電空間における励起Xe原子からは147nmの共鳴線が放射され、励起Xe分子からは173nm主体の分子線が放射される。この共鳴線・分子線が蛍光体層14表面に照射され、可視光発光による表示発光がなされる。そして、RGB色ごとのサブフィールド単位の表示発光の組み合わせにより、多色・多階調表示がなされる。なお、表面層8に壁電荷が書き込まれていない非放電セルでは、維持放電が発生せず表示状態は黒表示となる。
消去期間では、走査電極5に漸減型の消去パルスを印加し、これによって壁電荷を消去させる。
(保護層17の構成)
PDP1における保護層17は、誘電体層7に積層された表面層8と、その上に配設された酸化アルミニウム微粒子層16で構成されている。
(保護層17の構成)
PDP1における保護層17は、誘電体層7に積層された表面層8と、その上に配設された酸化アルミニウム微粒子層16で構成されている。
表面層8は、厚さ約1μmのMgO薄膜であって、誘電体層7上に真空蒸着法、イオンプレーティング法等公知の薄膜形成法で成膜されてなる。なお、当該表面層8はMgOに限定されず、MgO、CaO、BaO及びSrOの群より選ばれた少なくとも一つの金属酸化物を含むように構成することができる。
酸化アルミニウム微粒子層16は、平均粒径500nm〜1μmの間で比較的均一な粒径分布を持つ酸化アルミニウム微粒子16aを配設して構成されている。酸化アルミニウム微粒子16aは、ハロゲン原子(フッ素原子)を微粒子の表面及び当該表面近傍に所定濃度(0.7atm%以上30.0atm%以下)で含有させている。その態様は、例えば一部のハロゲン原子が酸素原子と置換し、これにより酸化アルミニウムの結晶構造中において部分的にAlF3の結晶構造が混在しているものと考えられる。このようなハロゲン原子は、各々の酸化アルミニウム微粒子16aにおいて、その表面近傍、具体的には表面から粒子内部に向けて深さ4nm以内の範囲を主として含まれている。
酸化アルミニウム微粒子層16は、平均粒径500nm〜1μmの間で比較的均一な粒径分布を持つ酸化アルミニウム微粒子16aを配設して構成されている。酸化アルミニウム微粒子16aは、ハロゲン原子(フッ素原子)を微粒子の表面及び当該表面近傍に所定濃度(0.7atm%以上30.0atm%以下)で含有させている。その態様は、例えば一部のハロゲン原子が酸素原子と置換し、これにより酸化アルミニウムの結晶構造中において部分的にAlF3の結晶構造が混在しているものと考えられる。このようなハロゲン原子は、各々の酸化アルミニウム微粒子16aにおいて、その表面近傍、具体的には表面から粒子内部に向けて深さ4nm以内の範囲を主として含まれている。
なお、ここではハロゲン原子としてフッ素原子を用いる例を示したが、この他に塩素原子など、ハロゲン属の各種原子を用いることも可能である。
発明者らの検討によれば、酸化アルミニウム微粒子16aによる表面層8の被覆量としては、表面層8に対して少なくとも1.0%以上の投影面積比で被覆させれば、当該酸化アルミニウム微粒子16aによる効果が良好に得られることが分かっている。しかしながら本発明はこれに限定せず、1.0%未満の投影面積比で被覆させてもよい。また、表面層8の任意の領域に対して部分的に、所定の被覆率で設けることも可能である。
発明者らの検討によれば、酸化アルミニウム微粒子16aによる表面層8の被覆量としては、表面層8に対して少なくとも1.0%以上の投影面積比で被覆させれば、当該酸化アルミニウム微粒子16aによる効果が良好に得られることが分かっている。しかしながら本発明はこれに限定せず、1.0%未満の投影面積比で被覆させてもよい。また、表面層8の任意の領域に対して部分的に、所定の被覆率で設けることも可能である。
なお、酸化アルミニウム層16は前記平均粒径500nm〜1μmの間で比較的均一な粒径分布を持つ酸化アルミニウムを一様に配設する構成に限定されず、大型の酸化アルミニウム微粒子16a(一例として、平均粒径が1〜5μm程度)を、各放電セル内で放電空間15に臨む表面層8上に数個乃至数百個程度設けることもできる。この場合の配設位置としては、例えば表示電極対6における、走査電極5と維持電極4の放電ギャップに対応する表面層8の表面が好適である。被覆率は数%に調整できる。この位置に大型の酸化アルミニウム微粒子16aを設けることで、特に各表示電極対6で維持放電を行う際に、良好な二次電子放出特性によるアシストを受けて、さらなる発光効率の向上を期待することができる。
(ハロゲン原子を含有する酸化アルミニウム微粒子16aを用いた効果について)
上記のように酸化アルミニウム微粒子層16を配設したPDP1では、駆動時に放電空間15内で放電が発生すると、ハロゲン原子の含有により二次電子放出係数γが増大された酸化アルミニウム微粒子16aが、放電空間15内に向けて豊富に二次電子を放出する。その結果PDP1では、特に駆動初期における放電開始が促され、低い放電開始電圧で良好に放電開始できるとともに、放電遅れの問題をも抑制することができる。
(ハロゲン原子を含有する酸化アルミニウム微粒子16aを用いた効果について)
上記のように酸化アルミニウム微粒子層16を配設したPDP1では、駆動時に放電空間15内で放電が発生すると、ハロゲン原子の含有により二次電子放出係数γが増大された酸化アルミニウム微粒子16aが、放電空間15内に向けて豊富に二次電子を放出する。その結果PDP1では、特に駆動初期における放電開始が促され、低い放電開始電圧で良好に放電開始できるとともに、放電遅れの問題をも抑制することができる。
またPDP1では、表面層8の表面に対し、比較的少量の酸化アルミニウム微粒子16aが配設され、当該酸化アルミニウム微粒子層16による表面層8の被覆率が低く抑えられている。このため、放電により発生した紫外線が蛍光体層14に衝突し、可視光が効率よくフロントパネル2を通過して外部に取り出されるので、ディスプレイとして適度な可視透過率が確保される。従ってPDP1では、放電遅れの抑制効果と相まって、優れた画像表示性能が発揮される。
ここで従来、二次電子放出係数γを増大させると放電遅れの改善に対して効果的であることは知られているが、具体的には特許文献1または2のように、保護層をなすMgOの結晶格子中に酸素欠陥やドーパントを導入して、エネルギーバンド中の局在準位を増大させる手法を採る。しかし、この手法では十分な効果が得られない場合があるほか、生産コストの面で改善の余地が存在する。
そこで本発明では、ハロゲン原子を含む酸化アルミニウム微粒子16aの製造方法として、後述するように各種ハロゲン化物を焼結助剤として使用し、且つ焼結後は、結晶中の酸素原子の一部をハロゲン原子であるフッ素原子で置換させる方法(前駆体焼成法)等を採用し、ハロゲン原子を酸化アルミニウム微粒子中に導入する。この微粒子16aは上記した酸素欠陥で局在準位を作る構成とは異なり、結晶中に原子化制御によって局在準位を形成するものである。従って、当該酸化アルミニウムの結晶構造は良好に保たれ、長期間にわたる駆動を経ても安定的に二次電子放出係数γの増大効果を期待することができる。
また、このハロゲン原子を含む酸化アルミニウム微粒子16aは、酸素や水分等のガスに対して比較的安定であるため、変質を防いで長期間にわたり安定した二次電子放出特性を発揮することも期待できる。
さらに、このハロゲン原子を含む酸化アルミニウム微粒子16aを用いる手法は、上記した酸素欠陥やドーパントを用いる従来の手法に比べ、生産コストの面でも優れている。
さらに、このハロゲン原子を含む酸化アルミニウム微粒子16aを用いる手法は、上記した酸素欠陥やドーパントを用いる従来の手法に比べ、生産コストの面でも優れている。
このように本発明では、ハロゲン原子を酸化アルミニウム結晶中に存在させることで所定の効果を得るものである。従って、単にハロゲン原子を焼成工程に際してフラックスとして用い、ハロゲン原子の残存は望ましくないとする従来技術(特許文献5)とは明らかに技術思想を異にする。
また特許文献5の従来技術では、EB法でMgO膜を成膜する処理と、フッ素原子を導入するプラズマ処理を同一の真空チャンバーで実施できるとしているが、このような異なる処理の組み合わせは実際的ではなく、製造コスト等の面からも著しく量産性に乏しい。一方の酸化アルミニウム微粒子16aは、後述するように酸化アルミニウム前駆体に、ハロゲン原子を含む所定量の焼結助剤を添加して焼成するだけで製造できる。従って、従来と同様の製造施設で得られるので、製造コストの観点も含め、極めて高い実現性を有するものである。
(酸化マグネシウム粒子との組み合わせについて)
なお、本発明のPDPは、表面層8の表面にハロゲン原子を含有する酸化アルミニウム微粒子16aのみを配設する構成に限定せず、その他の材料からなる微粒子を微粒子16aに混合することもできる。
また特許文献5の従来技術では、EB法でMgO膜を成膜する処理と、フッ素原子を導入するプラズマ処理を同一の真空チャンバーで実施できるとしているが、このような異なる処理の組み合わせは実際的ではなく、製造コスト等の面からも著しく量産性に乏しい。一方の酸化アルミニウム微粒子16aは、後述するように酸化アルミニウム前駆体に、ハロゲン原子を含む所定量の焼結助剤を添加して焼成するだけで製造できる。従って、従来と同様の製造施設で得られるので、製造コストの観点も含め、極めて高い実現性を有するものである。
(酸化マグネシウム粒子との組み合わせについて)
なお、本発明のPDPは、表面層8の表面にハロゲン原子を含有する酸化アルミニウム微粒子16aのみを配設する構成に限定せず、その他の材料からなる微粒子を微粒子16aに混合することもできる。
例えば、酸化アルミニウム微粒子16aとともに、二次電子放出特性に優れるMgO微粒子を配設してもよい。この場合、ハロゲン原子を含有する酸化アルミニウム微粒子16aとMgO微粒子の各特性が良好に発揮され、優れた放電特性と消費電力の低減効果が期待できる。各粒子の混合比は適宜調整することが可能である。
(酸化アルミニウム微粒子表面近傍の元素分析について)
酸化アルミニウム微粒子16aに含まれるハロゲン原子の定量性はX線光電子分光法(XPS)を用いて測定可能である。XPSは、試料表面に波長既知のX線(例えば、Al Kα線、エネルギー値1487eV)を照射し、試料から飛び出す光電子のエネルギーを測定する表面分析手法であり、主として試料表面から約4nm程度の深さ領域情報を選択的に得ることができる。各元素それぞれに相対感度因子が明らかされているので、XPSによる試料表面の金属元素組成比の測定は確立した技術と言える。
(酸化アルミニウム微粒子表面近傍の元素分析について)
酸化アルミニウム微粒子16aに含まれるハロゲン原子の定量性はX線光電子分光法(XPS)を用いて測定可能である。XPSは、試料表面に波長既知のX線(例えば、Al Kα線、エネルギー値1487eV)を照射し、試料から飛び出す光電子のエネルギーを測定する表面分析手法であり、主として試料表面から約4nm程度の深さ領域情報を選択的に得ることができる。各元素それぞれに相対感度因子が明らかされているので、XPSによる試料表面の金属元素組成比の測定は確立した技術と言える。
本発明の酸化アルミニウム微粒子16aについては、市販品のXPS測定装置(アルバックファイ社製 走査型X線光電子分光分析装置Quantera SXM)を用い、Al2p、F1sに起因するピークの強度比(ピークの面積比)を調べれば、微粒子16a中のアルミニウム原子に対するフッ素等のハロゲン原子の原子比を算出でき、当該算出結果をatm%等の単位で表すことが可能である。なお、この原子比の算出の際には、Shirley法によりバックグラウンドを除去するとともに、ピークのフィッティングにガウス関数を用いることができる。
<実施の形態2>
次に実施の形態2のPDP1aについて、実施の形態1との差異を中心に説明する。図4は、実施の形態2に係るPDP1aの構成を示す断面図である。
当図に示されるPDP1aでは、表面層8を用いず、誘電体層7の上に直接酸化アルミニウム微粒子層16を保護層として配設している。酸化アルミニウム微粒子層16を構成する酸化アルミニウム微粒子16aは、実施の形態1と同一である。
次に実施の形態2のPDP1aについて、実施の形態1との差異を中心に説明する。図4は、実施の形態2に係るPDP1aの構成を示す断面図である。
当図に示されるPDP1aでは、表面層8を用いず、誘電体層7の上に直接酸化アルミニウム微粒子層16を保護層として配設している。酸化アルミニウム微粒子層16を構成する酸化アルミニウム微粒子16aは、実施の形態1と同一である。
このような構成を持つPDP1aでも、PDP1と同様の効果が奏される。すなわち、誘電体層7の表面に直接配設された酸化アルミニウム微粒子層16によって、PDP1aの駆動時には、ハロゲン原子の添加により二次電子放出係数γが増大された酸化アルミニウム微粒子16aから放電空間15内に向けて豊富に二次電子が放出される。この酸化アルミニウム微粒子16aは酸素や水分等に対して化学的に安定であるため、PDP1aでは長期間にわたり、放電開始電圧を抑えつつ、放電遅れを抑制できる。また、比較的少量の酸化アルミニウム微粒子16aでも十分効果を有する酸化アルミニウム微粒子層16を形成できるほか、表面層8を用いていないため、PDP1aは良好な可視透過率を有している。このようにPDP1aでは高い可視光透過率の確保と放電遅れの発生抑制効果が両立され、少ない消費電力で優れた画像表示性能が長期間発揮される。
またPDP1aでは、表面層を省略したことによる工程の省略が図れる利点も有し、実現性の面でも優れている。具体的には表面層の成膜工程(スパッタリング法、イオンプレーティング法、電子線蒸着法等を含む薄膜プロセス)が全く不要である。従ってその分、製造効率の向上を図ることができるとともに、製造コストをも低減可能な効果を期待できる。
<PDPの製造方法>
次に、PDP1、1aの製造方法について例示する。PDP1、1aとの違いは、主として保護層付近の構成にあるので、保護層以外の製造工程は共通している。
(バックパネルの作製)
厚さ約2.6mmのソーダライムガラスからなるバックパネルガラス10の一方の面に、スクリーン印刷法でAgを主成分とする導電体材料を一定間隔にストライプ状に塗布する。これを焼成し、厚さ数μm(例えば約5μm)のデータ電極11を形成する。データ電極11の導電帯材料としては、Ag、Al、Ni、Pt、Cr、Cu、Pd等の金属や、各種金属の炭化物や窒化物等の導電性セラミックスなどの材料、これらの組み合わせが利用できる。また、異なる材料の層を積層してデータ電極11を形成することもできる。
次に、PDP1、1aの製造方法について例示する。PDP1、1aとの違いは、主として保護層付近の構成にあるので、保護層以外の製造工程は共通している。
(バックパネルの作製)
厚さ約2.6mmのソーダライムガラスからなるバックパネルガラス10の一方の面に、スクリーン印刷法でAgを主成分とする導電体材料を一定間隔にストライプ状に塗布する。これを焼成し、厚さ数μm(例えば約5μm)のデータ電極11を形成する。データ電極11の導電帯材料としては、Ag、Al、Ni、Pt、Cr、Cu、Pd等の金属や、各種金属の炭化物や窒化物等の導電性セラミックスなどの材料、これらの組み合わせが利用できる。また、異なる材料の層を積層してデータ電極11を形成することもできる。
ここで、PDP1、PDP1aを40インチクラスのNTSC規格もしくはVGA規格とするためには、隣接するデータ電極11の間隔を0.4mm程度以下に設定する。
続いて、データ電極11を形成したバックパネルガラス10の表面全体にわたり、鉛系あるいは非鉛系の低融点ガラスやSiO2材料からなるガラスペーストを厚さ約20〜30μmで塗布して焼成し、誘電体層12を形成する。
続いて、データ電極11を形成したバックパネルガラス10の表面全体にわたり、鉛系あるいは非鉛系の低融点ガラスやSiO2材料からなるガラスペーストを厚さ約20〜30μmで塗布して焼成し、誘電体層12を形成する。
次に、誘電体層12面上に所定のパターンで隔壁13を形成する。この隔壁13は、低融点ガラス材料ペーストを塗布し、サンドブラスト法やフォトリソグラフィ法を用い、隣接放電セル(図示省略)との境界周囲を仕切るように、放電セルの複数個の配列を行および列を仕切る井桁形状のパターンで形成する。
次に、隔壁13の壁面と、隣接する隔壁13の間で露出する誘電体層12の表面に、AC型PDPで一般的な赤色(R)蛍光体、緑色(G)蛍光体、青色(B)蛍光体のいずれかを含む蛍光インクを塗布する。これを乾燥・焼成し、それぞれ所定色の蛍光体層14とする。
次に、隔壁13の壁面と、隣接する隔壁13の間で露出する誘電体層12の表面に、AC型PDPで一般的な赤色(R)蛍光体、緑色(G)蛍光体、青色(B)蛍光体のいずれかを含む蛍光インクを塗布する。これを乾燥・焼成し、それぞれ所定色の蛍光体層14とする。
適用可能なRGB各色蛍光の化学組成例は以下の通りである。
赤色蛍光体;(Y、Gd)BO3:Eu、Y2O3:Eu
緑色蛍光体;Zn2SiO4:Mn、YBO3:Tbおよび(Y,Gd)BO3:Tb
青色蛍光体;BaMgAl10O17:Eu
各蛍光体材料は、平均粒径2.0μmのものが好適である。
赤色蛍光体;(Y、Gd)BO3:Eu、Y2O3:Eu
緑色蛍光体;Zn2SiO4:Mn、YBO3:Tbおよび(Y,Gd)BO3:Tb
青色蛍光体;BaMgAl10O17:Eu
各蛍光体材料は、平均粒径2.0μmのものが好適である。
上記蛍光体インクは、例えば体積平均粒径2μmの青色蛍光体30質量%と、質量平均分子量約20万のエチルセルロース4.5質量%と、ブチルカルビトールアセテート65.5質量%とを混合して作製する。また、隔壁30に対するインクの付着力を高めるため、粘度を最終的に2000〜6000cps(2〜6Pas)程度に調整する。そして例えばメニスカス法やラインジェット法などの公知の塗布方法により、蛍光体インクをポンプを用い、径60μmのノズルから隔壁13間に噴射させて塗布する。このとき、パネルを隔壁13の長手方向に移動させ、ストライプ状に蛍光体インクを塗布する。塗布したインクを500℃で10分間焼成し、蛍光体層14を形成する。
以上でバックパネル9が完成する。
(フロントパネル2の作製)
バックパネルガラス10と同様に、厚さ約2.6mmのソーダライムガラスでフロントパネルガラス3を用意する。この一方の表面上に、複数対の表示電極対6を作製する。ここでは印刷法で表示電極対6を形成する例を示すが、これ以外にもダイコート法、ブレードコート法等で形成することができる。
(フロントパネル2の作製)
バックパネルガラス10と同様に、厚さ約2.6mmのソーダライムガラスでフロントパネルガラス3を用意する。この一方の表面上に、複数対の表示電極対6を作製する。ここでは印刷法で表示電極対6を形成する例を示すが、これ以外にもダイコート法、ブレードコート法等で形成することができる。
まず、ITO、SnO2、ZnO等の透明電極材料を最終厚み約100nmで、ストライプ等所定のパターンでフロントパネルガラス上に塗布する。これを焼成して乾燥させると透明電極41、51が形成される。
次にAg粉末、有機ビヒクル、感光性樹脂(光分解性樹脂)を混合して感光性ペーストを調整する。或いはAg粉末の他にPt、Au、Al、Ni、Cr、また酸化錫、酸化インジウム等の粉末を用いることもできる。これを前記透明電極41、51の上に重ねて塗布し、所望のバスラインのパターンの開口部を有するフォトマスクを積層する。そしてフォトマスク上から露光し、開口部から露出するペーストを光分解させることで現像工程を実施する。その後はマスク及び光分解したペーストを除去し、残留するペーストを590〜600℃程度の焼成温度で焼成する。これにより透明電極41、51上に最終厚みが数μmのバスライン42、52が形成される。このフォトマスク法によれば、従来は100μmの線幅が限界とされていたスクリーン印刷法に比べ、30μm程度の線幅までバスライン42、52を細線化することが可能である。
次にAg粉末、有機ビヒクル、感光性樹脂(光分解性樹脂)を混合して感光性ペーストを調整する。或いはAg粉末の他にPt、Au、Al、Ni、Cr、また酸化錫、酸化インジウム等の粉末を用いることもできる。これを前記透明電極41、51の上に重ねて塗布し、所望のバスラインのパターンの開口部を有するフォトマスクを積層する。そしてフォトマスク上から露光し、開口部から露出するペーストを光分解させることで現像工程を実施する。その後はマスク及び光分解したペーストを除去し、残留するペーストを590〜600℃程度の焼成温度で焼成する。これにより透明電極41、51上に最終厚みが数μmのバスライン42、52が形成される。このフォトマスク法によれば、従来は100μmの線幅が限界とされていたスクリーン印刷法に比べ、30μm程度の線幅までバスライン42、52を細線化することが可能である。
バスライン42、52は上記方法以外にも、蒸着法、スパッタリング法などで電極材料を成膜したのち、エッチング処理して形成できる。
次に、表示電極対6の上から、軟化点が550℃〜600℃の鉛系あるいは非鉛系の低融点ガラスやSiO2材料粉末とブチルカルビトールアセテート等からなる有機バインダーを混合したペーストを塗布する。このペーストを550℃〜650℃程度で焼成し、最終厚みが膜厚数μm〜数十μmの誘電体層7を形成する。
次に、表示電極対6の上から、軟化点が550℃〜600℃の鉛系あるいは非鉛系の低融点ガラスやSiO2材料粉末とブチルカルビトールアセテート等からなる有機バインダーを混合したペーストを塗布する。このペーストを550℃〜650℃程度で焼成し、最終厚みが膜厚数μm〜数十μmの誘電体層7を形成する。
(ハロゲン原子を含む酸化アルミニウム微粒子16aの製造方法)
次に、酸化アルミニウム微粒子層16に用いられるハロゲン原子を含む酸化アルミニウム微粒子16aを作製する。ここでは一例として、酸化アルミニウムの前駆体と、焼結助剤を混合してなる材料を焼成することによって得る。
酸化アルミニウム前駆体は、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、炭酸アルミニウム、アルミニウムのアルコキシド、硝酸アルミニウム、酢酸アルミニウムの内の1種以上を用いる。このうち酸化アルミニウムを前駆体に用いた場合は、焼成中に当該酸化アルミニウムの結晶内にフッ素原子が取り込まれる反応を経ることで、ハロゲン原子を含む酸化アルミニウム微粒子16aが得られる。
次に、酸化アルミニウム微粒子層16に用いられるハロゲン原子を含む酸化アルミニウム微粒子16aを作製する。ここでは一例として、酸化アルミニウムの前駆体と、焼結助剤を混合してなる材料を焼成することによって得る。
酸化アルミニウム前駆体は、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、炭酸アルミニウム、アルミニウムのアルコキシド、硝酸アルミニウム、酢酸アルミニウムの内の1種以上を用いる。このうち酸化アルミニウムを前駆体に用いた場合は、焼成中に当該酸化アルミニウムの結晶内にフッ素原子が取り込まれる反応を経ることで、ハロゲン原子を含む酸化アルミニウム微粒子16aが得られる。
焼結助剤としては、フッ化マグネシウム(MgF2)、塩化マグネシウム(MgCl2)、フッ化アルミニウム(AlF3)、塩化アルミニウム(AlF3)、フッ化カルシウム(CaF2)、フッ化リチウム(LiF)、塩化ナトリウム(NaCl)等のハロゲン化合物の内の1種以上を用いる。この焼結助剤は酸化アルミニウム微粒子に含めるハロゲン原子の種類に合わせて適宜選択する。
焼結助剤はこれ以外にも使用可能であるが、焼成後の残留元素にアルミニウム以外の元素が含まれると、その元素種によっては放電特性に好ましくない影響を及ぼす場合がある。従って、良好な放電特性を確保するために、焼結助剤を適宜選択すべきである。
酸化アルミニウム前駆体と焼結助剤とは、目的のアルミニウム原子とハロゲン原子の比率を考慮して所定の割合で混合する。目安として、アルミニウム原子に対するハロゲン原子の割合が0.7atm%以上30.0atm%以下の割合となるように調整することができる。なお、ハロゲン原子(焼結助剤)の添加量が多すぎると、焼結が進行しすぎ、異常粒成長が起こり、必要以上の解砕工程が必要となったり、表面及び表面近傍にハロゲン原子が分布した構成の微粒子16aをうまく形成できないおそれがあるため注意する。
酸化アルミニウム前駆体と焼結助剤とは、目的のアルミニウム原子とハロゲン原子の比率を考慮して所定の割合で混合する。目安として、アルミニウム原子に対するハロゲン原子の割合が0.7atm%以上30.0atm%以下の割合となるように調整することができる。なお、ハロゲン原子(焼結助剤)の添加量が多すぎると、焼結が進行しすぎ、異常粒成長が起こり、必要以上の解砕工程が必要となったり、表面及び表面近傍にハロゲン原子が分布した構成の微粒子16aをうまく形成できないおそれがあるため注意する。
酸化アルミニウム前駆体と焼結助剤の混合は、溶媒を用いた湿式混合、或いは乾燥粉体を用いた乾式混合のいずれでもよい。
湿式混合は、溶媒として、水以外に、エチルアルコール、メチルアルコール、iso―プロピルアルコール、n―プロピルアルコール、n―ブトキシアルコール、sec―ブトキシアルコール、tert―ブトキシアルコール等のアルコールや、酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸メチル、2―メトキシ酢酸エチル等の酢酸エステルや、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトンを用いることができ、特に限定されるものではない。
湿式混合は、溶媒として、水以外に、エチルアルコール、メチルアルコール、iso―プロピルアルコール、n―プロピルアルコール、n―ブトキシアルコール、sec―ブトキシアルコール、tert―ブトキシアルコール等のアルコールや、酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸メチル、2―メトキシ酢酸エチル等の酢酸エステルや、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトンを用いることができ、特に限定されるものではない。
乾式混合は、工業的に通常用いられるボールミル、媒体撹拌ミル、遊星型ボールミル、振動ミル、ジェットミル、V型混合機等を用いることができる。
次に、得られた混合粉体を、600℃〜1800℃、好ましくは900℃〜1500℃で15分〜10時間焼成する。これにより、ハロゲン粒子を含有する酸化アルミニウム微粒子16aが得られる。
次に、得られた混合粉体を、600℃〜1800℃、好ましくは900℃〜1500℃で15分〜10時間焼成する。これにより、ハロゲン粒子を含有する酸化アルミニウム微粒子16aが得られる。
焼成温度と焼成時間は、用いる前駆体の粒子径や、焼結助剤の添加量、混合粉体量など、様々な条件により適宜調整する必要がある。また、所望の放電特性を得るために、焼成時の雰囲気を酸化、あるいは還元雰囲気制御することもできる。焼成粉体量によっては、焼結助剤との混合の均質性を高めるため、本焼成前に、以下に示す仮焼工程を経ることが好ましい。
仮焼工程は大気中で700〜1000℃で15分〜5時間焼成して行うが、本焼成工程と同様に焼成温度と焼成時間は、上述した様な条件の違いによって適宜調製する必要がある。仮焼工程により得られる粉体は解砕、混合した後、本焼成工程で処理する。この際の仮焼粉の混合方法も湿式混合及び乾式混合のいずれでもよいが各焼成工程で利用する焼成炉は、工業的に通常用いられる炉、例えばプッシャー炉等の連続式、またはバッチ式の電気炉や、ガス炉等を用いることができる。
ここで、一般に気相酸化法で作製されるMgO微粒子は、粒径に比較的バラツキがあるため、良好かつ均一な放電特性を得るために一定の粒径範囲の粒子を選別する分級工程が必要である。これに対し本発明では、酸化アルミニウム前駆体の焼成法を採り、前駆体の種類を候補(材料種、粒子径、粒度分布等の各条件の違いを含む候補)の中から選定し、且つ、その焼成条件(焼成温度、焼成雰囲気、焼成時間等の焼成に必要な各条件)を適宜制御することにより、適切に酸化アルミニウム微粒子16aの粒度分布を制御できる。これにより酸化アルミニウム微粒子16aは、粒径を均一にして、且つ、一定の粒径範囲(100nm〜8μm、特に500nm〜1μmの範囲)に収めるように制御することができる。
従って、前駆体焼成法を用いれば、基本的に分級工程を行う必要はないため、得られた酸化アルミニウム微粒子16aをそのまま利用できる。これにより工程の簡略化を図り、製造効率及び製造コストの改善を有効に図ることができる。さらに、気相酸化法のように専用の装置は不要であり、従来の一般的なセラミック粉体の製造工程でも実施できるので、これによっても製造コストの効果的な抑制を期待することができる。
なお、本焼成工程で得られた酸化アルミニウム微粒子16aは、上記のようにそのまま利用することもできるが、あえてボールミルやジェットミルなどを用いて再度解砕し、必要に応じて分級することにより、酸化アルミニウム微粒子16aの粒度分布や流動性を細かく調整することも可能である。
また、前駆体焼成法によれば、気相酸化法で作製するよりも比表面積(BET)が小さい微粒子16aが得られる。ここで比表面積が小さいことは、酸化アルミニウム微粒子16aが不要なガス吸着を生じにくい(耐吸着性に優れる)ことを意味するので、良好な電子放出性能と均一な放電特性の発揮が可能な酸化アルミニウム微粒子16aが得られることとなる。
また、前駆体焼成法によれば、気相酸化法で作製するよりも比表面積(BET)が小さい微粒子16aが得られる。ここで比表面積が小さいことは、酸化アルミニウム微粒子16aが不要なガス吸着を生じにくい(耐吸着性に優れる)ことを意味するので、良好な電子放出性能と均一な放電特性の発揮が可能な酸化アルミニウム微粒子16aが得られることとなる。
なお、本焼成及び仮焼成を含め、焼成工程において焼成炉中の雰囲気において過度のガスの流通があると、焼結助剤として添加されているハロゲン成分が流通ガスとともに焼去されてしまい、最終生成物である酸化アルミニウム微粒子16a中のハロゲン濃度が低下する場合がある。このようなハロゲン濃度の低下は、酸化アルミニウム微粒子16a表面のハロゲン濃度の調整の妨げとなるため、ハロゲン成分の焼去を防止する対策が望ましい。例えば材料成分を高純度のアルミナ製るつぼの中に入れ、蓋をする等の適度な密閉対策を施した上で、焼成炉中で焼成工程を施すことが好適である。
酸化アルミニウムの焼成温度としては、従来は融点(2020℃)に近い温度が一般的であるが、ハロゲン原子を材料に添加することによって、焼成温度を約500℃低減(すなわち約1500℃以下まで低減)することができる。これにより、酸化アルミニウム微粒子16aの結晶性を向上させるとともに、焼成温度を低減できるメリットも奏される。
なお、酸化アルミニウム微粒子16aの粒径分布の均一性がそれほど問題とならない場合(分級工程を行う用意がある場合等)には、前駆体焼成法以外の気相法、液相法、固相法のいずれの公知の方法で酸化アルミニウム微粒子16aを作製してもよい。
(保護層形成工程)
次に、バックパネル上に保護層を形成する。実施の形態1の保護層17を形成する場合には、誘電体層7上に、MgO材料を用いて真空蒸着法やイオンプレーティング法等の公知の薄膜形成法を用い、最終厚みが約1μmの表面層8を形成する。
なお、酸化アルミニウム微粒子16aの粒径分布の均一性がそれほど問題とならない場合(分級工程を行う用意がある場合等)には、前駆体焼成法以外の気相法、液相法、固相法のいずれの公知の方法で酸化アルミニウム微粒子16aを作製してもよい。
(保護層形成工程)
次に、バックパネル上に保護層を形成する。実施の形態1の保護層17を形成する場合には、誘電体層7上に、MgO材料を用いて真空蒸着法やイオンプレーティング法等の公知の薄膜形成法を用い、最終厚みが約1μmの表面層8を形成する。
なお、当該表面層8の材料は耐スパッタ性及び二次電子放出係数γに優れる各種材料、例えばアルカリ土類金属酸化物であるCaO、SrO、BaO、MgOの内の少なくとも1種類以上の材料を用いることができる。
次に、表面層8の表面上に、上記作製したハロゲン原子を含む酸化アルミニウム微粒子16aを、スプレー法や静電塗布法、スリットコート法、ドクターブレード法、ダイコート法で塗布する。この塗布用法は限定されないので、これ以外の方法でもよい。例えば製造コストを考慮すると、厚膜形成技術として工業的に広く用いられているスクリーン印刷法が望ましい。印刷法は、使用するインクの固形分比率やスクリーンメッシュの仕様により、容易に塗着量を制御できる点でも優れている。
次に、表面層8の表面上に、上記作製したハロゲン原子を含む酸化アルミニウム微粒子16aを、スプレー法や静電塗布法、スリットコート法、ドクターブレード法、ダイコート法で塗布する。この塗布用法は限定されないので、これ以外の方法でもよい。例えば製造コストを考慮すると、厚膜形成技術として工業的に広く用いられているスクリーン印刷法が望ましい。印刷法は、使用するインクの固形分比率やスクリーンメッシュの仕様により、容易に塗着量を制御できる点でも優れている。
なお、酸化アルミニウム微粒子16aの塗着量は、酸化アルミニウム微粒子層16の成膜前後でフロントパネルの直線透過光の変化量(可視光)を測定した値より定義される「被覆率」が1%以上(且つ、概ね45%未満)の範囲になるように設定することができる。
この被覆率は、具体的に以下の式で表すことができる。なお、45%以上の被覆率に設定することも可能である。
この被覆率は、具体的に以下の式で表すことができる。なお、45%以上の被覆率に設定することも可能である。
被覆率(%)=(酸化アルミニウム微粒子層16成膜前のフロントパネル直線透過光量)/(酸化アルミニウム微粒子層16成膜後のフロントパネル直線透過光量)×100
酸化アルミニウム微粒子16aを表面層8に塗布した後は、溶媒を乾燥・除去して各粒子を定着させる。これにより酸化アルミニウム微粒子層16が配設される。実施の形態1については表面層8及びアルミニウム微粒子層16の組み合わせで保護層17が完成する。
酸化アルミニウム微粒子16aを表面層8に塗布した後は、溶媒を乾燥・除去して各粒子を定着させる。これにより酸化アルミニウム微粒子層16が配設される。実施の形態1については表面層8及びアルミニウム微粒子層16の組み合わせで保護層17が完成する。
一方、実施の形態2の保護層を形成する場合には、誘電体層7の表面に対して直接、酸化アルミニウム微粒子16aをスクリーン印刷法やスプレー法で定着させる。これにより酸化アルミニウム微粒子層16が配設され、実施の形態2の保護層が形成される。
以上の手順で保護層を形成すると、フロントパネル2が完成する。
(PDPの完成)
作製したフロントパネル2とバックパネル9を、放電空間15を介してデータ電極11と表示電極対6とが直交するように対向配置させる。そして、フロントパネル2とバックパネル9の外周縁部に封着部材(フリットガラス)を塗布して貼り合わせ、内部封止する。その後、放電空間15の内部を高真空(1.0×10−4Pa)程度に排気し、大気や不純物ガスを取り除く。そして放電空間15に所定圧力(通常6.7×104〜1.0×105Pa程度)でNe−Xe系やHe−Ne−Xe系、Ne−Xe−Ar系等のXe混合ガスを放電ガスとして封入する。このとき、混合ガス中のXe濃度は15%〜100%とするのが好適である。
以上の手順で保護層を形成すると、フロントパネル2が完成する。
(PDPの完成)
作製したフロントパネル2とバックパネル9を、放電空間15を介してデータ電極11と表示電極対6とが直交するように対向配置させる。そして、フロントパネル2とバックパネル9の外周縁部に封着部材(フリットガラス)を塗布して貼り合わせ、内部封止する。その後、放電空間15の内部を高真空(1.0×10−4Pa)程度に排気し、大気や不純物ガスを取り除く。そして放電空間15に所定圧力(通常6.7×104〜1.0×105Pa程度)でNe−Xe系やHe−Ne−Xe系、Ne−Xe−Ar系等のXe混合ガスを放電ガスとして封入する。このとき、混合ガス中のXe濃度は15%〜100%とするのが好適である。
以上の工程を経るとPDP1又は1aが完成する。
なお、上記方法例ではフロントパネルガラス3およびバックパネルガラス10をソーダライムガラスで構成したが、これ以外の材料を用いてそれぞれ構成してもよい。
<測定評価試験>
次に、本発明の実施例と比較例を作製して、本発明の性能評価試験を行った。なお、当然ながら実施例の構成、作製方法及び性能評価試験の方法は、本発明を何ら限定するものではない。
なお、上記方法例ではフロントパネルガラス3およびバックパネルガラス10をソーダライムガラスで構成したが、これ以外の材料を用いてそれぞれ構成してもよい。
<測定評価試験>
次に、本発明の実施例と比較例を作製して、本発明の性能評価試験を行った。なお、当然ながら実施例の構成、作製方法及び性能評価試験の方法は、本発明を何ら限定するものではない。
まず、フッ素を全く含ませず、所定の焼成温度で焼成した試料を比較例1〜3とした。
また、フッ素を所定料で含有し、所定の焼成温度で焼成した試料を実施例1〜6とした。
また、フッ素を所定料で含有し、所定の焼成温度で焼成した試料を実施例1〜6とした。
これら比較例1〜3、実施例1〜6を作製する際には、酸化アルミニウム(Al2O3)前駆体として純度99.99%、平均粒子径3μmの酸化アルミニウムを用いた。実施例1〜6については、さらに焼結助剤として純度99.9%のフッ化マグネシウム(MgF2)を用いた。これらを所望のモル比組成に秤量し、遊星型ボールミル及びジルコニアビーズを用い、純水中で湿式混合した。この混合物を乾燥した後、乳鉢で解砕し、高純度のアルミナるつぼ中で焼成した。
ここで前述したように、混合粉体量が多い場合には仮焼工程を経る必要があるが、比較例1〜3、実施例1〜6では焼成炉能力(容積、電力)に対して十分少量で行ったため、仮焼工程を経なかった。焼成条件は1100℃、1200℃、あるいは1300℃のいずれかとし、それぞれの温度で15分間維持して焼成させた。
以上の合成条件の一覧表として表1を示す。
以上の合成条件の一覧表として表1を示す。
焼成後の各酸化アルミニウム微粒子は、ボールミルで乾式粉砕し、ナイロン製メッシュに通過させて粗大粒子を取り除くことで分級した。
次に、予めフロントパネルガラスに形成された表面層の上に、スクリーン印刷法を用いて酸化アルミニウム微粒子層を成膜した。その際、前記被覆率が4.5%になるように酸化アルミニウム微粒子と溶剤、樹脂の混合比を調整し、三本ロールミルを用いて、スクリーン印刷用インクとした。成膜後は、100℃で1時間乾燥した後、500℃で3時間焼成して有機成分を焼去した。
次に、予めフロントパネルガラスに形成された表面層の上に、スクリーン印刷法を用いて酸化アルミニウム微粒子層を成膜した。その際、前記被覆率が4.5%になるように酸化アルミニウム微粒子と溶剤、樹脂の混合比を調整し、三本ロールミルを用いて、スクリーン印刷用インクとした。成膜後は、100℃で1時間乾燥した後、500℃で3時間焼成して有機成分を焼去した。
こうして得たフロントパネルを用いて、<PDPの製造方法>で説明したものと同様の交流面放電型PDP(比較例1〜3、実施例1〜6)を作製した。
完成したPDPに対して、放電遅れ時間を評価した。具体的な方法として、各PDPにおける任意の1画素に対して、データパルスおよび走査パルスを繰り返し印加するごとに、パルスを印加してから放電が発生するまでの時間(放電遅れ時間)を100回測定し、測定した放電遅れ時間の最大値と最小値の平均を算出した。遅れ時間は、放電に伴う蛍光体の発光を光センサーモジュールにより受光し、印加したパルス波形と受光信号波形をデジタルオシロスコープで観察した。また、PDPの全表示領域の約30%に相当する表示領域を中央に定め、その領域全体を点灯させるために要した電圧を放電維持電圧として測定した。
完成したPDPに対して、放電遅れ時間を評価した。具体的な方法として、各PDPにおける任意の1画素に対して、データパルスおよび走査パルスを繰り返し印加するごとに、パルスを印加してから放電が発生するまでの時間(放電遅れ時間)を100回測定し、測定した放電遅れ時間の最大値と最小値の平均を算出した。遅れ時間は、放電に伴う蛍光体の発光を光センサーモジュールにより受光し、印加したパルス波形と受光信号波形をデジタルオシロスコープで観察した。また、PDPの全表示領域の約30%に相当する表示領域を中央に定め、その領域全体を点灯させるために要した電圧を放電維持電圧として測定した。
放電遅れ時間の測定値は、比較例1の放電遅れ時間を100とした場合の値で規格化し相対値Aとした。この相対値Aが小さいほど、放電遅れ時間が短いことが示される。この評価では放電遅れ時間の相対値Aがおよそ40%以下に収まった場合に、放電遅れの有効な低減効果があると判断した。さらに放電遅れ時間の相対値Aが35%以下であれば、極めて有効な低減効果があると判断した。
このような手法による測定評価の結果を(表2)に示す。当該表2では、表1の各比較例1〜3及び実施例1〜6の酸化アルミニウム微粒子をXPSによって組成分析し、Al原子の検出量で規格化したF原子の検出量を示した。
表2に示された結果では、比較例1〜3でMgF2を添加せずに作製したにもかかわらず、僅かなF原子の存在が検出された。この原因は定かではないが、XPS法による測定誤差か、製造工程において、焼成炉の壁から揮散するF成分や、るつぼからの混入等による非定常的な要因によるものと考えられるので、実質的な評価に影響するものではない。
表2から明らかなように、比較例1に対して実施例1〜6では、放電遅れ時間の相対値が約40%以下にまで低減されている。中でも実施例3、5、6については35%以下に低減されており、より効果的であることがわかる。また、放電維持電圧についても実施例1〜6で、約10V以上の電圧低下が見られ、一定以上の効果があった。中でも実施例3、5、6については15V以上の電圧低下が確認され、より高い効果が発揮されている。表2に示す各実施例1〜6の結果より、アルミニウム原子に対するフッ素原子の量が0.7atm%以上であれば、放電特性が改善されることが確認された。さらに、アルミニウム原子に対するフッ素原子の量が1.5atm%以上に達すると(実施例3、5、6)、一層当該効果が高まることも確認された。しかしながら前述したように、ハロゲン原子(この場合F原子)の量が30.0atm%以上になると良好に酸化アルミニウム微粒子を形成できない場合があるため、過度にハロゲン原子を添加しないように留意が必要である。
表2から明らかなように、比較例1に対して実施例1〜6では、放電遅れ時間の相対値が約40%以下にまで低減されている。中でも実施例3、5、6については35%以下に低減されており、より効果的であることがわかる。また、放電維持電圧についても実施例1〜6で、約10V以上の電圧低下が見られ、一定以上の効果があった。中でも実施例3、5、6については15V以上の電圧低下が確認され、より高い効果が発揮されている。表2に示す各実施例1〜6の結果より、アルミニウム原子に対するフッ素原子の量が0.7atm%以上であれば、放電特性が改善されることが確認された。さらに、アルミニウム原子に対するフッ素原子の量が1.5atm%以上に達すると(実施例3、5、6)、一層当該効果が高まることも確認された。しかしながら前述したように、ハロゲン原子(この場合F原子)の量が30.0atm%以上になると良好に酸化アルミニウム微粒子を形成できない場合があるため、過度にハロゲン原子を添加しないように留意が必要である。
ここで、いずれの実施例1〜6もアルミニウム原子に対するフッ素原子の検出比が、焼成前の仕込み組成に比較すると増大しているということは、少なくともXPSで検出可能な粒子表面及び粒子表面から深さ約4nm以内の領域にフッ素原子が分布していることを示唆している。これにより、実施例1〜6のアルミニウム微粒子が粒子表面から深さ約4nm以内の領域に片積的にフッ素原子を含んでいることが確認できる。
次に、表2に示す実験結果において最も良好な放電特性を示したPDP(実施例6)を基に、表面層に対する酸化アルミニウム微粒子の被覆率を変化させた各種パネルを作製した(実施例8〜14)。前記被覆率は、スクリーン印刷用インクに含まれる酸化アルミニウム微粒子量や印刷回数を調節して所望値とした。またPDPの全体的な製造方法は、上述した製造方法に基づくものとした。
被覆率は約0.1%〜56%の範囲で変化させ、上記放電特性の評価を行うと同時に、被覆率上昇で懸念される可視光透過率の低下による発光輝度の低下を評価するため、上記放電維持電圧での輝度測定も行った。
なお比較例4として、酸化アルミニウム微粒子層を具備しないPDPを作製し、評価に供した。
なお比較例4として、酸化アルミニウム微粒子層を具備しないPDPを作製し、評価に供した。
放電遅れ時間の評価は、比較例4における放電遅れ時間を100とした場合の相対値を放電遅れ時間の相対値Bとして行った。この際の評価に関し、放電遅れ時間の相対値Bが40%以下に低下した場合に一定の効果があると判断した。さらに、より好ましくは放電遅れ時間の相対値Bが30%以下であれば、極めて効果的であると判断した。また発光輝度についても比較例4における輝度を100とした場合の相対輝度として測定した。
その結果を表3に示す。
表3に示すように、実施例8〜13では、いずれも放電特性の改善が確認された。また、このうち実施例10〜14については、放電特性がより顕著であることが確認できる。
なお実施例13、14のように、被覆率が45%に至ると相対輝度が80%まで低下している。このような相対輝度でも表示性能に問題がない場合もあるが、できれば被覆率は45%未満に抑えることが好ましい。
なお実施例13、14のように、被覆率が45%に至ると相対輝度が80%まで低下している。このような相対輝度でも表示性能に問題がない場合もあるが、できれば被覆率は45%未満に抑えることが好ましい。
このように本発明では、ハロゲン原子を含む酸化アルミニウム微粒子を放電空間に臨むように配設することにより、比較的小さい被覆率でありながら、良好な放電遅れの抑制効果が得られる。従って本発明では、放電遅れ時間が比較例と同様か、若干低めではあっても、被覆率が低く抑えられることにより良好な可視光発光量が確保され、結果として放電遅れ時間の低減と良好な輝度の両立により、優れた画像表示性能が発揮できる点で、大きな優位性があると言える。
以上の各考察から、従来のPDPに対し、本発明の優位性が確認された。
本発明のPDPは、特に良好な高精細画像表示を少ない消費電力で駆動できるため、交通機関及び公共施設、家庭などにおけるテレビジョン装置及びコンピュータ用の表示装置等に幅広く利用することが可能である。
1、1a、1x PDP
2 フロントパネル
3 フロントパネルガラス
4 サステイン電極
5 スキャン電極
41、51 透明電極
42、52 バスライン
6 表示電極対
7、12 誘電体層
8 表面層
9 バックパネル
10 バックパネルガラス
11 データ(アドレス)電極
13 隔壁
1232 隔壁X方向
1231 隔壁Y方向
14 蛍光体層
14R 蛍光体層RED
14G 蛍光体層GREEN
14B 蛍光体層BLUE
15 放電空間
16a 酸化アルミニウム微粒子
16 ハロゲン原子を含む酸化アルミニウム微粒子からなる酸化アルミニウム微粒子層
17 保護層
112 維持電極ドライバ
113 データ電極ドライバ
2 フロントパネル
3 フロントパネルガラス
4 サステイン電極
5 スキャン電極
41、51 透明電極
42、52 バスライン
6 表示電極対
7、12 誘電体層
8 表面層
9 バックパネル
10 バックパネルガラス
11 データ(アドレス)電極
13 隔壁
1232 隔壁X方向
1231 隔壁Y方向
14 蛍光体層
14R 蛍光体層RED
14G 蛍光体層GREEN
14B 蛍光体層BLUE
15 放電空間
16a 酸化アルミニウム微粒子
16 ハロゲン原子を含む酸化アルミニウム微粒子からなる酸化アルミニウム微粒子層
17 保護層
112 維持電極ドライバ
113 データ電極ドライバ
Claims (10)
- 基板の一方の表面に対し、表示電極とこれを覆う誘電体層が形成された前面基板が、前記一方の表面において背面基板と放電空間を介して対向配置され、前面基板及び背面基板の周囲が封着されたプラズマディスプレイパネルであって、
放電空間に臨む前面基板の最表面には、ハロゲン原子を含む酸化アルミニウム微粒子が配設されているプラズマディスプレイパネル。 - 前記酸化アルミニウム微粒子は、誘電体層の表面に直接設けられている
請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。 - 前記誘電体層の表面には、MgO、CaO、BaO及びSrOの群より選ばれた少なくとも一つの金属酸化物を含む表面層が配設され、
前記酸化アルミニウム微粒子は、前記表面層の表面に配設されている
請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。 - 前記ハロゲン原子は、少なくとも前記酸化アルミニウム微粒子の表面から内部に向かって、4nm以下の領域に含まれている
請求項1〜3のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル。 - 前記ハロゲン原子は、フッ素原子或いは塩素原子の少なくともいずれかである
請求項1〜4のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル。 - 前記酸化アルミニウム微粒子中において、ハロゲン原子は、アルミニウム原子に対し、0.7atm%以上30.0atm%以下の割合で含まれている
請求項1〜5のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル。 - 酸化アルミニウム微粒子は、前面基板の表面において1.0%以上の投影面積比で被覆されている
請求項1〜6のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル。 - 基板表面に対し、表示電極及び誘電体層、並びに酸化アルミニウム微粒子を順次配設して前面基板を作製する前面基板作製工程と、前面基板及び背面基板を放電空間を介して対向配置させて封着する封着工程とを有し、
前面基板作製工程では、
放電空間に臨んで配置される予定の基板最表面に前記酸化アルミニウム微粒子を配設する
プラズマディスプレイパネルの製造方法。 - 前面基板作製工程では、誘電体層形成後において、
MgO、CaO、BaO及びSrOの群より選ばれた少なくとも一つの金属酸化物を含む材料を用いて前記誘電体層の上に表面層を形成し、当該表面層の表面に前記酸化アルミニウム微粒子を配設する
請求項8に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。 - 前面基板作製工程では、前記酸化アルミニウム微粒子として、
酸化アルミニウム前駆体に対し、フッ化マグネシウム、塩化マグネシウム、フッ化アルミニウム、塩化アルミニウム、フッ化カルシウム、フッ化リチウム、塩化ナトリウムの中の1種以上を焼結助剤として添加してなる材料を焼成して得た酸化アルミニウム微粒子を用いる
請求項8または9のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20130507 |