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JP2011170229A - 静電荷像現像用トナー、及び、トナーの製造方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナー、及び、トナーの製造方法 Download PDF

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JP2011170229A
JP2011170229A JP2010035723A JP2010035723A JP2011170229A JP 2011170229 A JP2011170229 A JP 2011170229A JP 2010035723 A JP2010035723 A JP 2010035723A JP 2010035723 A JP2010035723 A JP 2010035723A JP 2011170229 A JP2011170229 A JP 2011170229A
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toner
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monomer
mass
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杏朱 堀
Asao Matsushima
朝夫 松島
Noboru Ueda
昇 上田
Kentaro Mogi
健太郎 茂木
Masanori Kono
誠式 河野
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Konica Minolta Business Technologies Inc
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Abstract

【課題】光沢ムラや光沢度のバラツキを発生させない安定したプリント作成が行える低温定着対応のトナーを提供する。
【解決手段】スチレン系と(メタ)アクリル酸系の単量体で形成される共重合体を有する樹脂Aとメタクリル酸エステル系と複数のカルボキシル基を有するラジカル重合性の単量体で形成される共重合体を有する樹脂Bを含有するトナーで、樹脂B中の共重合体はメタクリル酸エステル系と複数のカルボキシル基を有するラジカル重合性の単量体の合計が全単量体の70%以上95%以下。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真方式の画像形成装置に使用される静電荷像現像用トナー(以下、簡単にトナーともいう)、及び、静電荷像現像用トナーの製造方法に関する。
電子写真方式の画像形成装置の分野では、近年、デジタル画像処理技術やトナーの小径化技術により高解像度の画像形成が行える様になり、その結果、版を起こしてプリントを作成していた印刷分野にもトナー画像のプリント物を提供することが可能になった。その結果、印刷で必須の工程だった版起こしを行わずに高画質のプリント物を迅速に作成できる様になり、特に、数百枚〜数千枚レベルの小口のプリント注文が主流の軽印刷分野に展開される様になった。軽印刷分野で作製されるプリント物の中には、写真画像の様な高い光沢度を有するプリント物もあり、光沢度の高いトナー画像を形成するため、定着時に溶融トナー画像面が平滑になる様、ガラス転移温度と分子量の低い樹脂を用いたトナーが検討された。
また、近年では地球環境への配慮から、画像形成装置の消費電力の低減化も検討され、特に定着装置の消費電力を低減させる技術が検討される様になった。この様な定着装置の省エネ化を実現する技術の1つに、従来よりも低い加熱温度でトナーを溶融させるいわゆる低温定着の技術があり、低温定着化により待機状態からのウォームアップ時間を短縮させてプリント作成が行える様にして定着装置の省エネ化を実現させることができる。この様な視点からトナー構成樹脂のガラス転移温度(Tg)を低めに設定した低温定着対応のトナーも検討される様になった。
しかしながら、ガラス転移温度や分子量を低めに設定したトナーでは、耐熱保管性が低下し易く、保管状態におかれたトナー同士が温度の作用で固着、凝集するブロッキングという現象を発生させ易いものであった。そこで、ガラス転移温度が低めに設定されている低温定着対応の樹脂粒子表面に高めのガラス転移温度を有する樹脂で被覆した、いわゆるコアシェル構造と呼ばれる構造のトナーが提案された(たとえば、特許文献1参照)。
ところで、低い温度で溶融可能なトナーは、粘度が低く、しかも、トナー層の内部凝集力も低下する傾向があるので、ストレスを受けると容易に破断する傾向を有していた。特に、定着装置を通過する際、溶融したトナー層が定着ローラに引っ張られて破断し易く、破断したトナーがローラに付着して転写材の汚染を引き起こすホットオフセットの問題があった。また、定着装置に使用されるローラやベルトは転写材を通過させると熱を奪われるので、同一紙面内でローラ等の回転周期が変わる箇所があるとそこで紙温が変化することになり光沢ムラを発生させる原因にもなっていた。この様な背景から、結晶性樹脂を主成分とする樹脂を用いたトナーと、加熱ローラーとエンドレスベルトを備えた定着装置を組み合わせることにより、低温定着とトナー画像の光沢度制御を両立させる画像形成方法が提案された(たとえば、特許文献2参照)。
特開2002−116574号公報 特開2003−29463号公報
ところで、前述した軽印刷分野への展開を考えると、前記特許文献2に開示されたトナーも連続プリントを実施する条件下で低温定着と画像の光沢度制御を安定して発現する性能を有するものであることが求められる。また、連続プリントを行ったときにプリント間で光沢差が発生する様なことは回避しなければならず、作成したプリント間で光沢度にバラツキを発生させることなく安定した連続プリントが行えることも求められていた。
しかしながら、前記特許文献2には、軽印刷分野で行われる様な数百枚〜数千枚レベルの連続プリントについて記載も示唆もなく、低温定着と光沢度制御を両立しながら連続プリントが行えるものなのか分からなかった。また、作成したプリント間で光沢度にバラツキを発生させることなく安定して連続プリントが行えるものなのか分からなかった。この様に、引用文献2に開示された技術が軽印刷分野で行われる様な連続プリントに展開できるものであるか否かを同文献の記載から判断することは難しかった。
本発明は、従来よりも低い加熱温度でトナー画像の溶融、定着が可能ないわゆる低温定着対応のトナーに関し、連続プリントを行ったときに同一紙面内に光沢ムラを発生させることのないトナー画像を形成するトナーを提供することを目的とするものである。また、作成したプリント間で光沢度にバラツキが発生しない安定した連続プリントが行える低温定着対応のトナーを提供することを目的とするものである。
さらに、本発明は、溶融したトナーにストレスが加わっても、トナー層が破断することのない適度な強度を有する低温定着対応のトナーを提供することを目的とするものである。つまり、溶融トナー層の破断による定着ロールや転写紙等へのトナー付着に起因するホットオフセットと呼ばれる画像汚染を起こさない低温定着対応のトナーを提供することを目的とするものである。
本発明者は、上記課題が以下に記載のいずれかの構成により解消されるものであることを見出した。すなわち、請求項1に記載の発明は、
『少なくとも結着樹脂と着色剤を含有する静電荷像現像用トナーにおいて、
前記結着樹脂は、
少なくともスチレン系単量体と(メタ)アクリル酸系単量体を用いて形成される共重合体を含有する樹脂Aと、
少なくともメタクリル酸エステル系単量体と複数のカルボキシル基(−COOH)を有するラジカル重合性単量体を用いて形成される共重合体を含有する樹脂Bとを、少なくとも含有するものであり、
前記樹脂Bに含有される前記共重合体は、前記メタクリル酸エステル系単量体と前記複数のカルボキシル基(−COOH)を有するラジカル重合性単量体の合計の比率が、前記共重合体を形成する全重合性単量体のうちの70質量%以上95質量%以下であることを特徴とする静電荷像現像用トナー。』というものである。
請求項2に記載の発明は、
『前記結着樹脂に含有される樹脂Bの含有量が、樹脂Aと樹脂Bの和に対して2質量%以上20質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。』というものである。
請求項3に記載の発明は、
『前記静電荷像現像用トナーは、コアシェル構造を有するものであり、
前記コアシェル構造のコア部が少なくとも前記樹脂Aと前記樹脂Bを含有するものであることを特徴とする請求項1または2に記載の静電荷像現像用トナー。』というものである。
請求項4に記載の発明は、
『前記樹脂Aは、
ガラス転移温度が30℃以上50℃以下で、
重量平均分子量が10,000以上30,000以下であり、
前記共重合体が、少なくとも、スチレン、n−ブチルアクリレート、メタクリル酸を用いて形成されるものであり、
前記樹脂Bは、
ガラス転移温度が60℃以上85℃以下で、
重量平均分子量が100,000以上400,000以下であり、
前記共重合体が、少なくとも、メタクリル酸メチルとイタコン酸を用いて形成されるものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。』というものである。
請求項5に記載の発明は、
『少なくとも結着樹脂と着色剤を含有する静電荷像現像用トナーの製造方法であって、
少なくともスチレン系単量体と(メタ)アクリル酸系単量体を用いて形成される共重合体を含有する樹脂Aと、少なくともメタクリル酸エステル系単量体と複数のカルボキシル基(−COOH)を有するラジカル重合性単量体を用いて形成される共重合体を含有する樹脂Bとを少なくとも含有する樹脂粒子を凝集させる工程を有するものであり、
前記樹脂Bに含有される前記共重合体が、前記メタクリル酸エステル系単量体と前記複数のカルボキシル基(−COOH)を有するラジカル重合性単量体の合計の比率が、前記共重合体を形成する全重合性単量体のうちの70質量%以上95質量%以下であることを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。』というものである。
請求項6に記載の発明は、
『少なくとも結着樹脂と着色剤を含有する静電荷像現像用トナーの製造方法であって、
少なくともスチレン系単量体と(メタ)アクリル酸系単量体を用いて形成される共重合体を含有する樹脂A粒子と、少なくともメタクリル酸エステル系単量体と複数のカルボキシル基(−COOH)を有するラジカル重合性単量体を用いて形成される共重合体を含有する樹脂B粒子を少なくとも凝集させる工程を有するものであり、
前記樹脂Bに含有される前記共重合体が、前記メタクリル酸エステル系単量体と前記複数のカルボキシル基(−COOH)を有するラジカル重合性単量体の合計の比率が、前記共重合体を形成する全重合性単量体のうちの70質量%以上95質量%以下であることを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。』というものである。
本発明に係るトナーによれば、従来よりも低い加熱温度でトナー画像を溶融、定着する低温定着が行え、しかも、数百枚〜数千枚にわたるレベルの連続プリントを行ったときでも同一紙面内に光沢ムラのないトナー画像を安定して形成することが可能になった。また、作成したプリント間でトナー画像の光沢度にバラツキは見られず、良好な仕上がりの光沢画像を連続作成することができる様になった。さらに、本発明に係るトナーで形成されたトナー画像は、溶融状態の下でストレスを受けてもトナー層が破断せず、トナー層の破断により発生するホットオフセットによる画像汚染の問題を解消することができる様になった。
この様に、本発明によれば、ストレスに強いじょうぶなトナー層が形成され、数百枚〜数千枚にわたる連続プリントを行っても、同一紙面内あるいはプリント間で光沢にバラツキのない良好な画質のトナー画像を安定して形成することができる様になった。その結果、数百枚〜数千枚にわたる連続プリントを行う機会の多い軽印刷分野に最適なトナーを提供することを可能にした。
本発明に係るトナーを用いて画像形成を行うことが可能な画像形成装置の一例を示す断面図である。
本発明は、少なくとも結着樹脂と着色剤を含有する静電荷像現像用トナーに関し、特に、軽印刷分野で行う機会の多い数百枚から数千枚規模の連続プリントを行ったときに、良好な光沢画像を安定して形成する低温定着対応の静電荷像現像用トナーに関する。
本発明者は、連続プリントを行ったときに同一紙面内で光沢ムラやプリント間で光沢差が発生する原因について、定着時に微妙な温度変化が発生し、これにより溶融トナーの流動性に微妙な変化が生じて光沢性に影響を与えたものと考えた。すなわち、溶融トナーの流動性には温度依存性があり、溶融トナーの流動性が微妙に変化すると同一紙面内での光沢ムラやプリント間での光沢差という形でトナー画像の品質に影響を与えると考えたのである。同様に、ホットオフセットの発生も定着時の微妙な温度変化に対して溶融トナーの流動性が変化して、溶融トナーの粘性が低下することでトナー層が破断して発生するものと考えた。本発明者は、これらの推測に基づき、微妙な温度変化があっても溶融トナーの流動性に影響を与えないトナーを開発する必要があると考えた。
本発明者は、低温定着対応のトナーという点に注目し、すでに溶融しているトナーにさらに熱が加わる状態になると、この熱の作用で溶融トナーの流動性や粘性が変化するものと考えた。つまり、低温定着対応の画像形成ではトナー溶融温度よりも高い温度環境が形成され易いと考え、溶融トナーの流動性や粘性を変化させる様な余分な熱エネルギーを吸収する手段をトナー粒子中に設けることを考えた。
本発明者は、低温で溶融する樹脂相中に高めの温度で溶融する樹脂相を細かく分散させた構造にすると、低温での溶融が確保され、かつ、溶融後に余分な熱が存在しても分散している樹脂相が熱を吸収してトナーの流動性や粘性が変化しなくなると考えた。
そこで、本発明者はトナーを構成する結着樹脂を非相溶性の樹脂で形成することを考え、少なくとも下記2種類の樹脂で結着樹脂を形成することを見出した。すなわち、少なくともスチレン系単量体と(メタ)アクリル酸系単量体を用いて形成される共重合体を含有する樹脂Aと、少なくともメタクリル酸エステル系単量体と複数のカルボキシル基(−COOH)を有するラジカル重合性単量体を用いて形成される共重合体を含有する樹脂Bとを、少なくとも含有させて結着樹脂を形成した。
さらに、低温定着を実現する樹脂A相中に熱的に安定な樹脂B相を微小分散させた海島構造を得るため、樹脂Bに含有される共重合体を形成するメタクリル酸エステル系単量体と複数のカルボキシル基を有するラジカル重合性単量体の添加量に着目した。そして、これら重合性単量体の添加量を当該共重合体の形成に用いられた全重合性単量体のうちの70%以上95%以下となる様に調整することにより良好な海島構造が得られることを見出した。
すなわち、本発明者は、海島構造を形成するにあたり、低温環境下で樹脂相Bが樹脂相Aに対して非相溶性を発現させるべく、樹脂A相が溶融する温度領域では、樹脂相Bは樹脂相Aの溶融に影響を与えない様にしようと考えた。一方、樹脂Bが溶融する高温状態になったときには、樹脂Bを溶融させて熱の影響で樹脂Aの流動性に変動を来さない様にして、トナーの流動性を制御させようと考えた。また、樹脂Bを樹脂A相中に微細分散させた海島構造とすることにより、樹脂B相が樹脂A相中でフィラーとして機能して、溶融トナーに適度な強度を付与することができるものと考えた。つまり、フィラー機能の付与により、溶融トナーに機械的な負荷が加わってもトナー層が破断せず、トナー層強化によりオフセット発生を回避できる様になると考えたのである。そして、樹脂Bを形成する際に前述の重合性単量体の添加量を全体の70%以上95%以下とすることにより、上記性能を発現させる海島構造を形成することを見出したのである。
この様に、本発明では樹脂Bを樹脂A相中に非相溶で存在させることで、高温状態になって溶融トナーに余分な熱が加わり易い状態になっても、樹脂Bが余分な熱を吸収することで低温定着時の流動性が維持され、光沢性を変化させない様にしたものと考えられる。また、樹脂Bがフィラーとして機能することで溶融トナーにストレスが加わっても、溶融したトナー層が破断することはなく、オフセットの発生が回避される様になったものと考えられる。その結果、連続プリント実施時等、定着装置通過時に転写材上で微妙な温度変化が生じても光沢ムラの発生が抑えられ、同一紙面内やプリント間でトナー画像の光沢度にバラツキを発生させることのない良好な画像形成が行える様になった。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明に係るトナーは、結着樹脂として以下に示す樹脂Aと樹脂Bを少なくとも含有するものである。ここで、「結着樹脂として樹脂Aと樹脂Bを少なくとも含有する」とは、「樹脂Aと樹脂Bに加えて他の樹脂を1種類以上含有するもの」と「樹脂Aと樹脂Bのみを含有するもの」の2つのケースを意味するものである。本発明に係るトナーは、後述する様に、低温定着対応という実用上の見地から、結着樹脂として「樹脂Aと樹脂Bに加えて他の樹脂を1種類以上するもの」とすることが好ましい。
次に、「樹脂A」と「樹脂B」について説明する。
本発明でいう「樹脂A」は、少なくともスチレン系単量体と(メタ)アクリル酸系単量体を用いて形成される共重合体を含有するものである。ここで「スチレン系単量体」とは、分子構造中にベンゼン環を官能基として含有するビニル系重合性単量体のことで、スチレンの他に、ベンゼン環にメチル基やフェニル基等の炭化水素基やハロゲン基等の各種官能基を結合したものも含まれるものである。
また、「(メタ)アクリル酸系単量体」とは、分子構造中にカルボキシル基(−COOH)及びカルボン酸エステル構造(−COOR)の少なくともいずれか一方を含有するビニル系重合性単量体のことである。また、「(メタ)アクリル」とは、単量体構造中のビニル基部位がメタクリル基(CH=C(CH)COO−)及びアクリル基(CH=CHCOO−)のいずれか一方の構造であることを意味するものである。
なお、「スチレン系単量体」と「(メタ)アクリル酸系単量体」の具体例については後述する。
次に、本発明でいう「樹脂B」は、少なくともメタクリル酸エステル系単量体と複数のカルボキシル基(−COOH)を有するラジカル重合性単量体を用いて形成される共重合体を含有するものである。ここで「メタクリル酸エステル系単量体」とは、分子構造中にメタクリル酸エステル構造(CH=C(CH)COOR)を含有するビニル系重合性単量体のことである。また、「複数のカルボキシル基(−COOH)を有するラジカル重合性単量体」は、分子構造中に少なくとも2つ以上のカルボキシル基(−COOH)を含有し、かつ、ビニル基に代表されるラジカル重合反応可能な不飽和結合を有する重合性単量体である。
樹脂Bに含有される前記共重合体は、上述のメタクリル酸エステル系単量体と複数のカルボキシル基(−COOH)を有するラジカル重合性単量体の合計の比率が共重合体を形成する全重合性単量体のうちの70%以上95%以下を占めるものである。すなわち、樹脂Bに含有される上記共重合体は、メタクリル酸エステル系単量体と複数のカルボキシル基を有するラジカル重合性単量体に加えて、ビニル系単量体に代表される公知のラジカル重合性単量体を用いて形成されるものである。
本発明に係るトナーを構成する結着樹脂は、前述した様に、「樹脂A」と「樹脂B」を少なくとも含有するものであるが、「樹脂A」と「樹脂B」を含有する結着樹脂は公知の方法により作製することが可能である。具体的には、
(i)樹脂Aからなる樹脂微粒子内に樹脂Bからなる樹脂微粒子を内包させ、この内包樹脂微粒子を凝集させて結着樹脂を形成する方法
(ii)樹脂Aの微粒子分散液と樹脂Bの微粒子分散液をそれぞれ作製し、両者を混合して樹脂微粒子を凝集させて結着樹脂を形成する方法
等により作製することが可能である。このうち、上記(i)の方法は、(ii)の方法に比べて、樹脂Bがより均一に分布した構造の結着樹脂を作製する上で有利である。
また、本発明に係るトナーを構成する結着樹脂は、「樹脂A」を「樹脂B」よりも多く含有するのが普通であり、具体的には、結着樹脂に含有される「樹脂B」の含有量が「樹脂Aと樹脂Bの和」に対して2質量%以上20質量%以下であることが好ましい。この様に、結着樹脂中で樹脂Aを樹脂Bよりも多く含有する結着樹脂とすることにより、前述した低温で溶融する樹脂相中に高めの温度で溶融する樹脂相を細かく分散させた構造の結着樹脂を実現することができる。その結果、多く含有される「樹脂A」により低温でのトナー溶融が確保され、かつ、樹脂相に細かく分散した構造をとる「樹脂B」がトナー溶融後に余分な熱が存在してもこれを吸収してトナーの流動性や粘性を変化させなくすることができるものと考えられる。その結果、ムラやバラツキのない光沢を有するトナー画像を安定して形成することができるものと考えられる。
また、少なく含有される「樹脂B」が樹脂相中に分散した構造をとることにより、樹脂相中でフィラーとしての機能を発現することができるので溶融トナーに適度な強度を付与することが可能になるものと考えられる。その結果、溶融トナーに機械的な負荷が加わってもトナー層を破断させず、この作用によりオフセットの発生防止に寄与しているものと考えられる。
次に、本発明に係るトナーを構成する結着樹脂に含有される「樹脂A」と「樹脂B」を形成するのに使用される重合性単量体について説明する。
前述した様に、本発明で用いられる「樹脂A」は、少なくともスチレン系単量体と(メタ)アクリル酸系単量体を用いて形成される共重合体を含有するものであり、スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸系単量体が必須の重合性単量体成分に該当する。ここで、スチレン系単量体の具体例としては、下記(1)に示すスチレンあるいはスチレン誘導体が挙げられる。
(メタ)アクリル酸系単量体は、メタクリル酸系単量体とアクリル酸系単量体を総称したもので、メタクリル酸系単量体の具体例としては、メタクリル酸(CH=C(CH)COOH)と下記(2)に示すメタクリル酸エステル誘導体等が挙げられる。また、アクリル酸系単量体の具体例としては、アクリル酸(CH=CHCOOH)と下記(3)に示すアクリル酸エステル誘導体等が挙げられる。
(1)スチレンあるいはスチレン誘導体
スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン等
(2)メタクリル酸エステル誘導体
メタクリル酸メチル(MMA)、メタクリル酸エチル(EMA)、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等
(3)アクリル酸エステル誘導体
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニル等。
上記重合性単量体のうち、スチレン系単量体としてはスチレン、メタクリル酸系単量体としてはメタクリル酸、アクリル酸系単量体としてはアクリル酸n−ブチルが好ましく、これら重合性単量体を用いて形成された共重合体が特に好ましい。
次に、本発明で用いられる「樹脂B」は、少なくとも(メタ)アクリル酸エステル系単量体と複数のカルボキシル基(−COOH)を有するラジカル重合性単量体を用いて形成される共重合体を含有するものである。すなわち、樹脂Bに含有される共重合体では、(メタ)アクリル酸エステル系単量体と複数のカルボキシル基(−COOH)を有するラジカル重合性単量体が必須の重合性単量体成分に該当するものである。
ここで、(メタ)アクリル酸エステル系単量体は、メタクリル酸エステル系単量体とアクリル酸エステル系単量体を総称したもので、メタクリル酸エステル系単量体の具体例としては、前述した(2)に示すメタクリル酸エステル誘導体が該当するものである。また、アクリル酸エステル系単量体の具体例としては、前述した(3)に示すアクリル酸エステル誘導体が該当するものである。また、複数のカルボキシル基(−COOH)を有するラジカル重合性単量体の具体例としては、下記(4)に示す化合物が挙げられる。
(4)複数のカルボキシル基(−COOH)を有するラジカル重合性単量体
Figure 2011170229
上記複数のカルボキシル基を有するラジカル重合性単量体の中でも、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸が好ましく、イタコン酸が特に好ましい。また、(メタ)アクリル酸エステル誘導体としては、メタクリル酸メチルとメタクリル酸エチルが好ましい。そして、「樹脂B」は、メタクリル酸メチルとイタコン酸を用いて形成された共重合体、メタクリル酸エチルとマレイン酸を用いて形成された共重合体、メタクリル酸エチルとイタコン酸を用いて形成された共重合体を含有するものが特に好ましい。
次に、本発明に係るトナーを構成する結着樹脂に含有される「樹脂A」と「樹脂B」のガラス転移温度(Tg)、重量平均分子量(Mw)、軟化点温度(Tsp)について説明する。本発明では、樹脂Aの重量平均分子量、ガラス転移温度、軟化点温度は樹脂Bに比べて低めに設定することが好ましい。そして、樹脂Aの上記物性を低めに設定することは、従来よりも低い加熱温度でのトナーの溶融や画像の高光沢化の実現に寄与しているものとみられる。また、上記物性を高めに設定している樹脂Bを樹脂A中に存在させることにより、トナー画像の光沢のムラやバラツキの発生を抑制させる効果が発現されるものとみられる。
すなわち、上記物性を高めに設定した樹脂Bを樹脂A内に存在させることにより、トナーへの強度付与による溶融トナー層の切断防止や熱吸収による光沢度安定化という樹脂Bの存在により得られる効果が好ましく発現されるものとみられる。この様に樹脂Aと樹脂Bを規定することにより、ストレスが頻繁かつ連続的に加わる機会や余分な熱エネルギーが存在する機会が多くなる数百枚から数千枚にわたる連続プリント時に、光沢にムラやバラツキを発生させずにプリント作製が行えるものとみられる。
本発明に係るトナーを構成する結着樹脂に含有される「樹脂A」は、ガラス転移温度(Tg)が好ましくは30℃以上50℃以下であり、より好ましくは35℃から45℃のものである。本発明では、樹脂Aのガラス転移温度を上記範囲とすることにより、良好な低温定着性と耐熱保管性の向上により好ましく寄与しているものと考えられる。すなわち、樹脂Aのガラス転移温度を30℃以上とすることにより、オフィス環境等の装置の使用環境やトナーを保管する環境下等の通常の使用環境下で樹脂Aの凍結状態が維持され、分子のミクロブラウン運動の開始が抑制される。その結果、画像形成環境下やトナーの保管環境下での耐熱保管性をより向上させることができるものと考えられる。また、ガラス転移温度を50℃以下とすることにより、樹脂Aの凍結状態が適度な温度下で解除され、分子のミクロブラウン運動の開始が行い易くなる結果、低い加熱温度でのトナー溶融をより促進させることができるものと考えられる。
また、「樹脂A」は、重量平均分子量(Mw)が好ましくは10,000以上30,000以下であり、より好ましくは12,000以上28,000以下、特に好ましくは14,000以上26,000以下のものである。本発明では、樹脂Aの重量平均分子量を上記範囲とすることにより、低温定着性とバランスのとれた光沢性付与により好ましく寄与しているものと考えられる。すなわち、樹脂Aの重量平均分子量が10,000以上であることにより、結着樹脂の粘性と内部凝集力が増大して定着時の溶融トナー層の破断が防止され、その結果、画像や機内汚染の原因となるホットオフセットの発生がより確実に抑制されるものと考えられる。また、重量平均分子量が30,000以下であることにより、結着樹脂の粘性と内部凝集力の大幅な増大が抑制され、定着時に溶融トナー層の破断発生がより確実に防止できる様になるものと考えられる。同時に、従来よりも低い加熱温度でトナーを溶融、定着することがより確実に行えるものと考えられる。また、後述する樹脂Bの分子量とある程度の差が存在するので、樹脂Bとの非相溶性が維持されて溶融状態のトナー層にフィラーとして作用する樹脂Bによる強度付与がより確実に行える様になることも考えられる。
さらに、「樹脂A」は、軟化点温度(Tsp)が好ましくは80℃以上100℃以下であり、より好ましくは84℃以上96℃以下である。本発明では、樹脂Aの軟化点温度を上記範囲とすることにより、トナーへの低温定着性と耐熱保管性の付与に好ましく寄与しているものと考えられる。すなわち、樹脂Aの軟化点温度が80℃以上であることにより、保管温度が若干高めであってもトナーは溶融しにくく、トナーの保管が可能な温度範囲を拡大することになるので、耐熱保管性の向上により好ましく寄与しているものと考えられる。また、樹脂Aの軟化点温度が100℃以下であることにより、従来よりも低い加熱温度であってもトナーの溶融、定着が確実に行えるので低温定着性の付与に好ましく寄与しているものと考えられる。
次に、本発明に係るトナーを構成する結着樹脂に含有される「樹脂B」は、ガラス転移温度(Tg)が好ましくは60℃以上85℃以下、より好ましくは65℃以上80℃以下のものである。本発明では、樹脂Bのガラス転移温度を上記範囲とすることにより、トナーへの適度な強度付与と余分な熱の吸収に好ましく寄与しているものと考えられる。すなわち、樹脂Bのガラス転移温度が60℃以上であることにより、ミクロブラウン運動の開始温度が高めに設定されるので、高めの温度下でも樹脂Bはフィラーとして作用してトナー層に十分な強度を付与し続けられるものと考えられる。その結果、定着時も溶融したトナー層に樹脂Bによるフィラーとしての作用が確実に発現され、十分な強度が付与されているので破断の発生をより確実に防止することができるものと考えられる。そして、溶融したトナー層の破断がより確実に防止されるので、定着ローラ表面へのトナー付着がより確実に抑制されて、ホットオフセットと呼ばれる付着トナーによる転写紙表面への汚染を確実に解消するものと考えられる。
また、ミクロブラウン運動の開始温度が高めに設定されているので、定着時に発生する余分な熱はより確実に吸収されて溶融トナーの粘性を一定レベルに維持することがより確実に行える。その結果、溶融トナーの粘性変動に起因する光沢のムラやバラツキの発生をより確実に抑えることに好ましく寄与しているものと考えられる。
また、ガラス転移温度が85℃以下であることにより、従来よりも低い加熱温度でミクロブラウン運動を開始することができるので、樹脂Bもトナー画像の転写紙への接着性向上に寄与しているものと考えられる。
「樹脂B」は、重量平均分子量Mwが好ましくは100,000以上400,000以下、より好ましくは150,000以上350,000以下のものである。本発明では、樹脂Bの重量平均分子量を上記範囲とすることにより、結着樹脂中でフィラーとしての機能を発現して本発明に係るトナーへの適度な強度付与により好ましく寄与するとともに、良好な光沢画像形成にもより好ましく寄与しているものと考えられる。すなわち、樹脂Bの重量平均分子量が100,000以上であることにより、高い分子量の作用で結着樹脂中でのフィラーとしての機能が十分に発現される。その結果、定着時には溶融トナー層に十分な強度が付与されて破断発生をより確実に防ぐことができるので耐ホットオフセット性向上により好ましく寄与しているものと考えられる。また、樹脂Bの重量平均分子量が400,000以下であることにより、定着工程において樹脂Aには余剰となる熱エネルギーを吸収しながら所定時間内で樹脂B成分も溶融してムラやバラツキのない光沢画面の形成により好ましく寄与しているものと考えられる。
また、「樹脂B」は、軟化点温度が好ましくは170℃以上190℃以下、より好ましくは172℃以上188℃以下、特に好ましくは174℃以上186℃以下のものである。本発明では、樹脂Bの軟化点温度を上記範囲とすることにより、ムラやバラツキのない良好な光沢画面の形成に好ましく寄与しているものと考えられる。すなわち、樹脂Bの軟化点温度が170℃以上であることにより、定着時に樹脂Aには余分な熱エネルギーを吸収しながら確実に溶融することができる。その結果、溶融トナーの粘性を変化させずに定着が行えるのでムラやバラツキのない均一な光沢面をより確実に形成することができるものと考えられる。また、樹脂Bの軟化点温度が190℃以下であることにより、定着時には前述した仕組みによるトナー溶融をより確実に実現するとともに、ある程度高い温度下でもフィラーとしての作用を発現することができるものと考えられる。その結果、溶融トナー層に十分な強度を付与し続けることができ、トナー層の破断発生をより確実に防止することにも寄与するものと考えられる。
上述した「樹脂A」及び「樹脂B」の平均分子量Mw、ガラス転移温度Tg、軟化点温度Tspは、たとえば、以下の方法で測定、算出が可能である。
「樹脂A」や「樹脂B」のガラス転移温度は、公知のガラス転移温度の測定方法を用いて測定、算出が可能である。ここで、ガラス転移温度測定の代表的な方法の1つである示差走査カロリメータによるガラス転移温度測定の手順を説明する。
ガラス転移温度は、たとえば、DSC−7示差走査カロリメータ(パーキンエルマー社製)、TAC7/DX熱分析装置コントローラ(パーキンエルマー社製)を用いて測定することができる。
測定手順として、トナー5.0mgを小数点以下2桁まで精秤し、アルミニウム製パン(KITNO.0219−0041)に封入し、DSC−7サンプルホルダーにセットする。なお、リファレンスは空のアルミニウム製パンを使用した。
測定条件としては、測定温度0〜200℃、昇温速度10℃/分、降温速度10℃/分で、Heat−Cool−Heatの温度制御で行い、その2nd Heatにおけるデータをもとに解析を行った。
ガラス転移温度は、第1の吸熱ピークの立ち上がり前のベースラインの延長線と、第1のピークの立ち上がり部分からピーク頂点までの間で最大傾斜を示す接線を引き、その交点をガラス転移点として示す。
また、ガラス転移温度の算出方法として、以下のような理論ガラス転移温度を算出する方法も挙げられる。ここで理論ガラス転移温度とは、共重合体樹脂を構成するそれぞれの成分が、ホモポリマーを形成した場合のガラス転移温度にそれぞれの組成質量分率を乗じ、すなわち加重平均して算出したものである。
すなわち、理論ガラス転移温度Tg(絶対温度Tg′とする)は共重合体樹脂を構成する成分のホモポリマーのガラス転移温度を用いて下記式(1)から算出される。
式(1):1/Tg′=W1/T1+W2/T2+・・・+Wn/Tn
(式中、W1、W2、・・・Wnは共重合体樹脂を構成する全重合性単量体に対する各重合性単量体の質量分率、T1、T2、・・・Tnは各重合性単量体を用いて形成されるホモポリマーのガラス転移温度(絶対温度)を示す。)
また、「樹脂A」及び「樹脂B」の重量平均分子量Mwは、たとえば、GPC法(ゲルパーミエーションクロマトグラフ法)等の公知の分子量測定方法により測定、算出することが可能である。GPC法(ゲルパーミエーションクロマトグラフ法)による重量平均分子量の測定は、以下の手順で行われる。
GPC(ゲルパーミエイションクロマトグラフ)法による重量平均分子量の測定方法では、先ず、濃度1mg/mlになる様に測定試料をテトラヒドロフランに溶解させる。溶解条件は、室温下で超音波分散機を用いて5分間処理を行う。次に、ポアサイズ0.2μmのメンブランフィルターで試料溶解液を処理した後、測定装置(GPC装置)に試料溶解液を10μL注入する。以下に、GPC法により重量平均分子量を測定する際の条件の具体例を下記に示す。すなわち、
装置 :HLC−8220(東ソー(株)製)
カラム :TSKguardcolumn+TSKgelSuperHZM−M連(東ソー製)
カラム温度:40℃
溶媒 :テトラヒドロフラン(THF)
流速 :0.2ml/分
検出器 :屈折率検出器(RI検出器)
なお、試料の分子量測定では、試料の有する分子量分布を単分散のポリスチレン標準粒子を用いて測定した検量線を用いて算出する。検量線測定用のポリスチレンを10点用意して行うのが好ましい。
さらに、「樹脂A」と「樹脂B」の軟化点温度は、フローテスタ法等の公知の測定方法で測定、算出することが可能である。フローテスタ法による軟化点測定の手順は以下のとおりである。
フローテスタ法による軟化点温度の測定は以下の手順で行う。すなわち、
(1)サンプルの作製
温度:20±1℃、相対湿度:50±5%RH環境下で、トナー1.1gをシャーレに入れて平らにならし、12時間以上放置した後、成型器「SSP−A(島津製作所製)」にて3.75×10Pa(3820kg/cm)の圧力を30秒間加えて直径1cmの円柱型の成形サンプルを作製する。
(2)軟化点の測定
温度:24±5℃、相対湿度:50±20%RH環境下で、「フローテスタCFT−500D(島津製作所製)」に上記成型サンプルをセットする。次に、荷重196N(20kgf)、開始温度60℃、予熱時間300秒、昇温速度6℃/分の条件で、円柱型ダイの孔(1mm×1mm)より、直径1cmのピストンを用いてサンプルの押し出しを行う。なお、押し出しは予熱終了時から行う。昇温法の溶融温度測定方法でオフセット値5mmの設定で測定したオフセット法温度Toffsetを、トナーの軟化点とした。
本発明に係るトナーは、前述した様に「樹脂Aと樹脂Bを少なくとも含有する結着樹脂」により低温定着を実現することから、「樹脂A及び樹脂Bを少なくとも含有する結着樹脂」をコア部とするコアシェル構造を採ることが実用上の見地から好ましいものである。すなわち、低温定着を実現させる「樹脂Aと樹脂Bを少なくとも含有する結着樹脂」の表面に高めのガラス転移温度を有する樹脂を被覆することにより、耐熱保管性への影響を回避することが可能になる。
また、本発明に係るトナーをコアシェル構造のものとする場合、コア部の質量比は70質量%以上95質量%以下であることが好ましい。コア部の質量比を上記範囲とすることにより、シェルを構成する樹脂が存在していても「樹脂Aと樹脂Bを少なくとも含有する結着樹脂」により発現される前述の効果が安定して得られる。
シェルを構成する樹脂は、前述の「樹脂A」に含有される共重合体を作製する際に使用される重合性単量体を用いて形成することが好ましく、前述のスチレン系単量体と(メタ)アクリル酸系単量体を用いて形成することが可能である。具体的には、前述の(1)に示すスチレンあるいはスチレン誘導体、(2)に示すメタクリル酸エステル誘導体、(3)に示すアクリル酸エステル誘導体を用いて形成することが可能である。たとえば、後述する実施例に記載のスチレン、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸を用いて形成される共重合体は、シェル用の樹脂として好ましいものの1つである。
上記重合性単量体を用いて形成したシェル用樹脂のトナー中の含有量は、当該トナーを構成する結着樹脂全体の5質量%から15質量%であることが好ましい。シェル用樹脂の含有量を上記範囲とすることにより、安定した耐熱保管性を発現させるとともに、樹脂A及び樹脂Bによる低温定着性を安定して発現させることが可能である。
シェル用樹脂のガラス転移温度Tgは45℃以上55℃以下が好ましく、47℃以上53℃以下がより好ましい。シェルを形成する樹脂のガラス転移温度を上記範囲にすることで、トナー保管可能な温度領域を拡大させるとともに連続プリント時にトナー画像の定着をスムーズに行える様にするものとみられる。すなわち、シェル用の樹脂のガラス転移温度を45℃以上とすることにより、シェル用樹脂が凍結状態で存在する温度領域がある程度抑えられるとともに、保管状態にあるトナー粒子同士の融着の発生を回避することができる。また、ガラス転移温度を55℃以下とすることにより、画像形成時にシェル用樹脂を構成する分子鎖がミクロブラウン運動を開始できる様にして、定着初期時にトナー画像の溶融がスムーズに行われる様にしている。したがって、連続プリントを行ったときに短時間でのトナー画像の定着に寄与するものと考えられる。
また、シェル用樹脂の重量平均分子量Mwは5,000以上20,000以下が好ましく、9,000以上16,000以下がより好ましい。シェル用樹脂の重量平均分子量を上記範囲とすることにより、形成されたトナー層の強度向上と光沢面形成を促進させる様に作用するものと考えられる。すなわち、シェル用樹脂の重量平均分子量が5,000以上であることで、シェル用樹脂は十分な粘性と内部凝集力を有するものになり、定着時にトナー層の強度を向上させるものと考えられる。その結果、コアに含有された樹脂Bによる溶融トナー層の破断防止が十分に発現されて、トナー層の破断により生ずるホットオフセットによる画像や機内への汚染の発生が回避される。また、重量平均分子量が20,000よりも小さいので、シェル用樹脂に起因する良好な粘性と内部凝集力が維持され、定着時に溶融トナー層に適度な強度が付与されるとともに、シェル用樹脂のスムーズな溶融も実現してトナー画像面への光沢性能に影響を与えるおそれがない。
さらに、シェル用樹脂の軟化点温度は100℃以上120℃以下が好ましく、104℃以上116℃以下がより好ましい。シェル用樹脂の軟化点温度を上記範囲にすることで、トナーの耐熱保管性と低温定着性の両立に寄与するものとみられる。すなわち、シェル用樹脂の軟化点温度を100℃以上とすることで耐熱保管性の向上に寄与するものと考えられ、たとえば、高温高湿環境下に長期間放置されることがあってもトナー粒子同士が付着するおそれがない。また、軟化点温度を120℃以下とすることで、定着工程でトナー溶融がスムーズに進行し、所定時間内でのトナー画像の溶融、固着を安定して行うことに寄与するものと考えられる。
次に、本発明に係るトナーの作製に使用される材料、すなわち、結着樹脂を形成する際に使用可能な前述したもの以外の重合性単量体、着色剤、ワックスについて説明する。
先ず、本発明に係るトナーを構成する結着樹脂は、前述のスチレン系単量体、(メタ)アクリル酸系単量体、複数のカルボキシル基(−COOH)を有するラジカル重合性単量体の他に、以下に示すラジカル重合性単量体を併用することができる。すなわち、
(1)オレフィン類
エチレン、プロピレン、イソブチレン等
(2)ビニルエステル類
プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等
(3)ビニルエーテル類
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等
(4)ビニルケトン類
ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン等
(5)N−ビニル化合物
N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等
(6)ビニル化合物類
ビニルナフタレン、ビニルピリジン等
(7)アクリル酸あるいはメタクリル酸誘導体
アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等。
また、複数のカルボキシル基を有する重合性単量体以外のイオン性解離基を有する重合性単量体を組み合わせて使用することも可能である。複数のカルボキシル基を有する重合性単量体以外のイオン性解離基としては、たとえば、スルホン酸基、リン酸基等の置換基があり、イオン性解離基を有する重合性単量体はこれらの置換基を有するものである。
イオン性解離基を有する重合性単量体の具体例を以下に挙げる。すなわち、
マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル、スチレンスルホン酸、アリルスルホコハク酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アシドホスホオキシエチルメタクリレート、3−クロロ−2−アシドホスホオキシプロピルメタクリレート等。
さらに、樹脂を構成する重合性単量体として多官能性ビニル類を使用して架橋構造の樹脂を使用することも可能である。多官能性ビニル類の具体例を以下に挙げる。すなわち、
ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート等。
次に、本発明に係るトナーに使用可能な着色剤としては、公知のものが使用可能であり、以下に具体的な着色剤を挙げる。
黒色の着色剤としては、たとえば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等のカーボンブラックが挙げられ、さらにマグネタイト、フェライト等の磁性粉を用いることも可能である。
マゼンタもしくはレッド用の着色剤としては、C.I.ピグメントレッド2、同3、同5、同6、同7、同15、同16、同48:1、同53:1、同57:1、同60、同63、同64、同68、同81、同83、同87、同88、同89、同90、同112、同114、同122、同123、同139、同144、同149、同150、同163、同166、同170、同177、同178、同184、同202、同206、同207、同209、同222、同238、同269等がある。
また、オレンジもしくはイエロー用の着色剤としては、C.I.ピグメントオレンジ31、同43、C.I.ピグメントイエロー12、同14、同15、同17、同74、同83、同93、同94、同138、同155、同162、同180、同185等がある。
さらに、グリーンもしくはシアン用の着色剤としては、C.I.ピグメントブルー2、同3、同15、同15:2、同15:3、同15:4、同16、同17、同60、同62、同66、C.I.ピグメントグリーン7等がある。
また、染料としては、C.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同63、同111、同122、C.I.ソルベントイエロー2、同6、同14、同15、同16、同19、同21、同33、同44、同56、同61、同77、同79、同80、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162、C.I.ソルベントブルー25、同36、同60、同70、同93、同95等がある。
これらの着色剤は必要に応じて単独もしくは2つ以上を選択併用することも可能である。また、着色剤の添加量はトナー全体に対して1〜30質量%、好ましくは2〜20質量%の範囲で、これらの混合物も用いることができる。数平均1次粒子径は種類により多様であるが、概ね10〜200nm程度が好ましい。
着色剤の添加方法としては、樹脂微粒子を凝集剤の添加にて凝集させる段階で添加し重合体を着色する。なお、着色剤は表面をカップリング剤等で処理して使用することも可能である。
次に、本発明に係るトナーに使用可能なワックスについて説明する。本発明に係るトナーに使用可能なワックスとしては、従来公知のものが挙げられ、具体的には、以下のものが挙げられる。すなわち、
(1)長鎖炭化水素系ワックス
ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等のポリオレフィンワックス、パラフィンワックス、サゾールワックス等
(2)エステル系ワックス
トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラミリステート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエート等
(3)アミド系ワックス
エチレンジアミンジベヘニルアミド、トリメリット酸トリステアリルアミド等
(4)ジアルキルケトン系ワックス
ジステアリルケトン等
(5)その他
カルナウバワックス、モンタンワックス等。
ワックスの融点は、通常40〜160℃であり、好ましくは50〜120℃、さらに好ましくは60〜90℃である。融点を上記範囲内にすることにより、トナーの耐熱保存性が確保されるとともに、低温で定着を行う場合でも安定したトナー画像形成が行える。また、トナー中のワックス含有量は、1質量%〜30質量%が好ましく、さらに好ましくは5質量%〜20質量%である。
次に、本発明に係るトナーの製造方法について説明する。
本発明に係るトナーは、少なくとも「樹脂A」と「樹脂B」を含有する結着樹脂より構成されるものであり、公知の製造方法で作製が可能である。本発明に係るトナーを作製する方法の代表的なものとしては、たとえば、界面活性剤を含有する水系媒体中で形成した樹脂粒子を、水系媒体中で凝集、融着してトナーを作製する乳化会合法と呼ばれる方法が挙げられる。乳化会合法では、粒径や形状の揃ったトナーをより確実に作製することができるので、高い細線再現性や微細なドット画像形成の機会の多いデジタル方式の画像形成に使用するトナーを作製する上でも好ましいものである。
上記乳化会合法で凝集、融着させる樹脂粒子には、たとえば、以下の手順で作製される「樹脂Aと樹脂Bを含有する樹脂粒子」と「樹脂A粒子」と「樹脂B粒子」等がある。「樹脂Aと樹脂Bを含有する樹脂粒子」は、最初に樹脂Bの微粒子を作製しておき、形成した樹脂Bの存在下で重合反応を行って樹脂Aを形成するもので、樹脂B相の周りに樹脂A相が結合した内包構造型の樹脂粒子である。また、「樹脂A粒子」と「樹脂B粒子」は、それぞれの樹脂を形成する重合性単量体を重合することにより作製されるものである。
乳化会合法によるトナー製造方法は、たとえば、以下に示す工程を経て行われる。すなわち、
(1)ワックスをラジカル重合性単量体に溶解或いは分散する溶解/分散工程
(2)樹脂微粒子の分散液を調製するための重合工程
(3)水系媒体中で樹脂微粒子と着色剤粒子を凝集、融着させてトナーの母体粒子となる会合粒子を形成する凝集・融着工程
(4)会合粒子を熱エネルギーにより熟成して形状を調整する熟成工程
(5)冷却された会合粒子分散液から会合粒子を固液分離し、当該会合粒子から界面活性剤等を除去する洗浄工程
(6)洗浄処理された会合粒子を乾燥する乾燥工程
また、必要に応じて乾燥工程の後に、
(7)乾燥処理された会合粒子に外添剤を添加する工程
を有する場合もある。なお上記各工程については、後で詳述する。
トナーの母体となる会合粒子は、樹脂粒子と着色剤粒子とを凝集、融着させる製法により作製される。会合粒子の形状は、たとえば、凝集・融着工程の加熱温度、第1の熟成工程の加熱温度と時間を制御することにより制御することが可能である。
この中で、熟成工程における時間制御が最も効果的である。熟成工程は、会合粒子の円形度を調整することを目的としていることから、この時間を制御することにより、目的の円形度に到達する。
トナーの母体となる会合粒子は、たとえば、以下の手順で行われる塩析/融着により好ましく作製することができる。すなわち、樹脂を形成する重合性単量体にワックス成分を溶解あるいは分散させた後、水系媒体中に機械的に微粒分散させ、ミニエマルジョン重合法により重合性単量体を重合させて樹脂粒子を形成する。そして、形成した樹脂粒子と着色剤粒子とを後述する塩析/融着させて会合粒子を形成するものである。なお、前述の重合性単量体中にワックス成分を溶解する方法は、ワックス成分を溶解あるいは溶融させてもいずれの方法を採ることができる。
また、本発明に係るトナーをコアシェル構造のトナーとする場合は、上記(4)と(5)の工程の間に、
(4−1)コア粒子を構成する会合粒子分散液中に、シェル用の樹脂粒子を添加してコア粒子表面にシェル用粒子を凝集、融着させてコアシェル構造を有するトナーの母体粒子を形成するシェル化工程
(4−2)コアシェル構造を有する会合粒子を熱エネルギーにより熟成して、コアシェル構造の会合粒子の形状を調整する第2の熟成工程
の2つの工程が加わる他は同様の手順で作製することが可能である。
シェル化の工程は、最終的なトナー形状や粒径を制御する工程であるが、各コア粒子に対して同一条件下でシェル用の樹脂粒子が添加されることになるので、コア粒子の粒径と形状が均一に揃ったものであることが好ましい。この様に粒径と形状が揃ったコア粒子であれば、その表面にシェル形成用の樹脂粒子が均一に付着し易く、均一な厚みのシェルが形成されるとともに形と大きさの揃ったトナー粒子を確実に作製することができる。
以下、乳化会合法によるトナーの各製造工程について説明する。
(1)溶解/分散工程
この工程は、結着樹脂を形成するラジカル重合性単量体を混合、溶解してラジカル重合性単量体溶液を調製し、調製したラジカル重合性単量体溶液を水系媒体中に投入して単量体溶液が水系媒体中で所定粒径の液滴になる様に分散処理を行うものである。ラジカル重合性単量体の混合では、複数種類の重合性単量体を混合し溶解する他に、ワックス等も添加し、ラジカル重合性単量体溶液中に溶解させる操作も行う。
(2)重合工程
この重合工程の好適な一例においては、臨界ミセル濃度(CMC)以下の界面活性剤を含有した水系媒体中に、ワックスを溶解或いは分散含有したラジカル重合性単量体溶液を添加し、機械的エネルギーを加えて液滴を形成させ、次いで水溶性のラジカル重合開始剤を添加し、当該液滴中において重合反応を進行させる。なお、前記液滴中に油溶性重合開始剤が含有されていてもよい。このような重合工程においては、機械的エネルギーを付与して強制的に乳化(液滴の形成)処理が必須となる。かかる機械的エネルギーの付与手段としては、ホモミキサー、超音波、マントンゴーリンなどの強い撹拌または超音波振動エネルギーの付与手段を挙げることができる。
この重合工程により、ワックスと結着樹脂とを含有する樹脂粒子を作製する。かかる樹脂粒子は、着色された粒子、あるいは、着色されていない粒子のいずれのものであってもよい。着色された樹脂粒子は、着色剤を含有させた単量体組成物を重合処理することにより作製することができる。また、着色されていない樹脂粒子を用いてトナーを作製する場合は、後述する凝集・融着工程で樹脂粒子の分散液に着色剤粒子の分散液を添加し、樹脂粒子と着色剤粒子とを融着させて会合粒子と呼ばれるトナーの母体粒子を作製する。
本発明では、この重合工程で前述の「樹脂A」と「樹脂B」からなる樹脂粒子を形成するもので、具体的には、「樹脂Aと樹脂Bを含有する樹脂粒子」の作製、あるいは、「樹脂A粒子」及び「樹脂B粒子」の作製が行われる。
「樹脂Aと樹脂Bを含有する樹脂粒子」の作製は、樹脂B相を樹脂A相で内包した構造の樹脂粒子分散液を作製するもので、最初の重合で樹脂Bを形成しておき、続いて、樹脂Bの存在下で再び重合を行って樹脂Bの周りに樹脂Aを形成するものである。また、「樹脂A粒子」及び「樹脂B粒子」の作製は、重合により、樹脂A粒子分散液と樹脂B粒子分散液をそれぞれ作製するものである。
(3)凝集・融着工程
この凝集・融着工程において、重合工程により得られた樹脂粒子(着色又は非着色の樹脂粒子)を凝集、融着する具体的な方法としては塩析/融着法が好ましい。また、当該凝集・融着工程においては、樹脂粒子や着色剤粒子とともに、ワックス粒子や荷電制御剤などの内添剤粒子を凝集、融着させることも可能である。
ここで、「塩析/融着」とは、樹脂粒子等の凝集と融着を並行して進め、所望の粒子径まで成長したところで、凝集停止剤を添加して粒子成長を停止させ、さらに、必要に応じて粒子形状を制御するために加熱を継続して行うことである。
また、凝集・融着工程における「水系媒体」とは、主成分(50質量%以上)が水からなるものをいう。ここに、水以外の成分としては、水に溶解する有機溶媒を挙げることができ、たとえば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフランなどが挙げられる。
着色剤粒子は、着色剤を水系媒体中に分散することにより調製することができる。着色剤の分散処理は、水中で界面活性剤濃度を臨界ミセル濃度(CMC)以上にした状態で行われる。着色剤の分散処理に使用する分散機は特に限定されないが、好ましくは超音波分散機、機械的ホモジナイザ、マントンゴーリンや圧力式ホモジナイザ等の加圧分散機、サンドグラインダ、ゲッツマンミルやダイヤモンドファインミル等の媒体型分散機が挙げられる。
また、水系媒体に使用される界面活性剤としては、前述の界面活性剤と同様のものを挙げることができる。なお、着色剤(粒子)は表面改質されたものを用いてもよい。着色剤の表面改質法は、溶媒中に着色剤を分散させ、その分散液中に表面改質剤を添加し、この系を昇温することにより反応させる。反応終了後、着色剤を濾別し、同一の溶媒で洗浄濾過を繰り返した後、乾燥することにより、表面改質剤で処理された着色剤(顔料)が得られる。
好ましい凝集、融着方法である塩析/融着法は、樹脂粒子と着色剤粒子とが存在している水中に、アルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩及び3価の塩等からなる塩析剤を臨界凝集濃度以上の凝集剤として添加し、次いで、前記樹脂粒子のガラス転移点以上であって、かつ、これら混合物の融解ピーク温度(℃)以上の温度に加熱することで塩析を進行させると同時に融着を行う工程である。ここで、塩析剤であるアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩は、アルカリ金属として、リチウム、カリウム、ナトリウム等が挙げられ、アルカリ土類金属として、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどが挙げられ、好ましくはカリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウムが挙げられる。
凝集、融着を塩析/融着で行う場合、塩析剤を添加した後に放置する時間をできるだけ短くすることが好ましい。この理由は、塩析した後の放置時間によっては粒子の凝集状態が変動して粒径分布が不安定になったり、融着させた粒子の表面性が変動したりする問題が発生することが懸念されるためである。また、塩析剤の添加温度は少なくとも樹脂粒子のガラス転移温度以下にすることが好ましい。この理由は、塩析剤の添加温度が樹脂粒子のガラス転移温度以上であると、樹脂粒子の塩析/融着は速やかに進行するものの、粒径の制御を行うことが困難になり、大粒径の粒子を発生させる等の問題の発生が懸念されるためである。塩析剤の添加温度の好ましい範囲としては、樹脂のガラス転移温度以下であればよいが、一般に5〜55℃、好ましくは10〜45℃である。
また、塩析剤を樹脂粒子のガラス転移温度以下で添加した後は、できるだけ速やかに昇温させて、樹脂粒子のガラス転移温度以上であり、かつ、前記混合物の融解ピーク温度以上の温度に加熱することが好ましい。この昇温までの時間としては1時間未満が好ましい。さらに、昇温を速やかに行う必要があるが、昇温速度としては0.25℃/分以上が好ましい。昇温速度の上限は特に規定されるものではないが、急速に昇温させると塩析が急激に進行するため、粒径を制御しにくくなるという問題が発生するおそれがあり、5℃/分以下が好ましい。
この凝集・融着工程により、樹脂粒子及び任意の粒子が塩析/融着されてなる会合粒子の分散液が得られる。
(4)熟成工程
次いで、凝集・融着工程の加熱温度や特に熟成工程の加熱温度と時間の制御することにより、粒径が一定で分布が狭く形成した会合粒子表面が平滑だが均一な形状を有するものになるように制御する。具体的には、凝集・融着工程で加熱温度を低めにして樹脂粒子同士の融着の進行を抑制させて均一化を促進させ、第1の熟成工程で加熱温度を低めに、かつ、時間を長くして会合粒子の表面が均一な形状のものに制御する。
(4−1)シェル化工程
コアシェル構造のトナーを形成する場合、上記熟成工程の後にシェル化を行う工程とシェル用樹脂粒子の融着を進行させる第2の熟成工程を加える。シェル化を行う工程では、コア粒子となる会合粒子分散液中にシェル用の樹脂粒子分散液を添加してコア粒子表面にシェル用の樹脂粒子を凝集、融着させ、コア粒子表面にシェル用の樹脂粒子を被覆させてトナー粒子の母体となる会合粒子を形成する。
具体的には、コア粒子分散液は上記凝集・融着工程及び熟成工程での温度を維持した状態でシェル用樹脂粒子の分散液を添加し、加熱撹拌を継続しながら数時間かけてゆっくりとシェル用樹脂粒子をコア粒子表面に被覆させて会合粒子を形成する。加熱撹拌時間は、1時間〜7時間が好ましく、3時間〜5時間が特に好ましい。
(4−2)第2の熟成工程
シェル化を実施後、会合粒子が所定の粒径になった段階で塩化ナトリウムなどの停止剤を添加して粒子成長を停止させ、その後もコア粒子に付着させたシェル用樹脂粒子を融着させるために数時間加熱撹拌を継続する。そして、シェル化工程ではコア粒子表面に厚さが100〜300nmのシェルを形成する。このようにして、コア粒子表面に樹脂粒子を固着させてシェルを形成し、丸みを帯び、しかも形状の揃った会合粒子を形成することができる。
コアシェル構造のトナーを作製する場合、第2の熟成工程の時間を長めに設定する、あるいは、熟成温度を高めに設定する等により形成される会合粒子の形状を真球方向に制御することが可能である。
(5)洗浄工程
この工程では、先ず、前記会合粒子の分散液を冷却処理(急冷処理)する。冷却処理条件としては、たとえば、1〜20℃/分の冷却速度で冷却することができる。冷却処理方法は、特に限定されるものではなく、反応容器の外部より冷媒を導入して冷却する方法や、冷水を直接反応系に投入して冷却する方法等の公知の方法を例示することができる。
次に、冷却処理した会合粒子分散液を固液分離し、固液分離した会合粒子を洗浄する。すなわち、冷却処理を行って所定温度に冷却した会合粒子分散液より当該会合粒子を固液分離する固液分離処理を行い、固液分離して形成された会合粒子のトナーケーキ(ウエット状態にある会合粒子をケーキ状に凝集させた集合物)より界面活性剤や塩析剤等の付着物を除去する。固液分離処理の代表的なものとしてはろ過処理が挙げられるが、ろ過処理の具体的な方法としては、たとえば、遠心分離法や、ヌッチェ等の使用による減圧ろ過法、フィルタプレス等を使用するろ過法等がある。
(6)乾燥工程
この工程は、洗浄処理されたケーキを解砕して乾燥処理を行い、乾燥処理された会合粒子、すなわち、トナーの母体粒子を得る工程である。この工程で使用可能な乾燥機としては、たとえば、スプレードライヤ、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機等の公知の乾燥処理機や、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動層乾燥機、回転式乾燥機、撹拌式乾燥機等を使用することも可能である。乾燥処理された会合粒子の含水量は5質量%以下とすることが好ましく2質量%以下がより好ましい。
なお、乾燥処理された会合粒子同士が弱い粒子間引力で凝集して凝集体を形成している場合は、当該凝集体を解砕処理することも可能である。解砕処理装置の具体例としては、ジェットミル、ヘンシェルミキサ、コーヒーミル、フードプロセッサ等の機械式解砕処理装置が挙げられる。
(7)外添処理工程
この工程は、乾燥処理した会合粒子に必要に応じて外添剤を添加、混合することにより、トナー粒子を調製する工程である。
乾燥工程までの工程を経て作製された会合粒子は、そのままトナー粒子として使用することが可能であるが、トナーとしての帯電性能や流動性、あるいはクリーニング性を向上させる観点から会合粒子表面に、公知の無機微粒子や有機微粒子等の粒子を外添剤として添加することが好ましい。
外添剤の種類は特に限定されるものではなく、たとえば、以下に挙げる無機微粒子や有機微粒子、及び、滑剤が挙げられる。
無機微粒子としては、従来公知のものを使用することが可能で、たとえば、シリカ、チタニア、アルミナ、チタン酸ストロンチウム微粒子等が好ましいものとして挙げられる。
また、必要に応じてこれらの無機微粒子を疎水化処理したものも使用可能である。
シリカ微粒子の具体例としては、たとえば、日本アエロジル社製の市販品R−805、R−976、R−974、R−972、R−812、R−809、ヘキスト社製のHVK−2150、H−200、キャボット社製の市販品TS−720、TS−530、TS−610、H−5、MS−5等が挙げられる。
チタニア微粒子としては、たとえば、日本アエロジル社製の市販品T−805、T−604、テイカ社製の市販品MT−100S、MT−100B、MT−500BS、MT−600、MT−600SS、JA−1、富士チタン社製の市販品TA−300SI、TA−500、TAF−130、TAF−510、TAF−510T、出光興産社製の市販品IT−S、IT−OA、IT−OB、IT−OC等が挙げられる。
アルミナ微粒子としては、たとえば、日本アエロジル社製の市販品RFY−C、C−604、石原産業社製の市販品TTO−55等が挙げられる。
また、有機微粒子としては数平均一次粒子径が10〜2000nm程度の球形の有機微粒子を使用することができる。具体的には、スチレンやメチルメタクリレートなどの単独重合体やこれらの共重合体を使用することができる。
また、クリーニング性や転写性をさらに向上させるために滑剤を使用することも可能であり、たとえば、以下の様な高級脂肪酸の金属塩が挙げられる。すなわち、ステアリン酸の亜鉛、アルミニウム、銅、マグネシウム、カルシウム等の塩、オレイン酸の亜鉛、マンガン、鉄、銅、マグネシウム等の塩、パルミチン酸の亜鉛、銅、マグネシウム、カルシウム等の塩、リノール酸の亜鉛、カルシウム等の塩、リシノール酸の亜鉛、カルシウム等の塩が挙げられる。
これら外添剤や滑剤の添加量は、トナー全体に対して0.1〜10.0質量%が好ましい。また、外添剤や滑剤の添加方法としては、タービュラーミキサ、ヘンシェルミキサ、ナウターミキサ、V型混合機などの種々の公知の混合装置を使用して添加する方法が挙げられる。
次に、本発明に係るトナーを水系媒体中で作製する場合に使用される重合開始剤、分散安定剤、界面活性剤等について説明する。
本発明に係るトナーを構成する結着樹脂をビニル系重合性単量体を用いて形成する場合、公知の油溶性あるいは水溶性の重合開始剤を使用することができる。油溶性の重合開始剤としては、具体的には、以下に示すアゾ系またはジアゾ系重合開始剤や過酸化物系重合開始剤がある。すなわち、
(1)アゾ系またはジアゾ系重合開始剤
2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル等
(2)過酸化物系重合開始剤
ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンペルオキサイド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキサイド、t−ブチルヒドロペルオキサイド、ジ−t−ブチルペルオキサイド、ジクミルペルオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキサイド、ラウロイルペルオキサイド、2,2−ビス−(4,4−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、トリス−(t−ブチルペルオキシ)トリアジン等
また、乳化重合法で樹脂粒子を形成する場合は水溶性ラジカル重合開始剤が使用可能である。水溶性重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、アゾビスアミノジプロパン酢酸塩、アゾビスシアノ吉草酸及びその塩、過酸化水素等がある。
また、樹脂粒子の分子量調整のために、公知の連鎖移動剤を使用することも可能である。具体的には、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル、ターピノーレン、四臭化炭素、α−メチルスチレンダイマー等がある。
また、水系媒体中で分散状態にある重合性単量体を安定した状態で重合させることや、水系媒体中に分散させた樹脂粒子等を安定的に凝集、融着させる観点から分散安定剤を使用することが好ましい。
分散安定剤としては、たとえば、リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ等のものがある。また、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、エチレンオキサイド付加物、高級アルコール硫酸ナトリウム等、一般に界面活性剤として使用可能なものを分散安定剤として使用することが可能である。
また、水系媒体中で重合性単量体を用いて重合を行う場合、界面活性剤を使用して前記重合性単量体の油滴を水系媒体中に均一分散させる必要がある。このとき、使用可能な界面活性剤は、特に限定されるものではないが、たとえば、以下に示すイオン性界面活性剤が好ましいものとして使用できる。イオン性界面活性剤には、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、脂肪酸塩等があり、スルホン酸塩には、たとえば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アリールアルキルポリエーテルスルホン酸ナトリウム、3,3−ジスルホンジフェニル尿素−4,4−ジアゾ−ビス−アミノ−8−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム、オルト−カルボキシベンゼン−アゾ−ジメチルアニリン、2,2,5,5−テトラメチル−トリフェニルメタン−4,4−ジアゾ−ビス−β−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム等がある。
また、硫酸エステル塩には、たとえば、ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム等があり、脂肪酸塩には、オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム等がある。
また、ノニオン性界面活性剤を使用することも可能で、具体的には、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドとポリエチレンオキサイドの組み合わせ、ポリエチレングリコールと高級脂肪酸とのエステル、アルキルフェノールポリエチレンオキサイド、高級脂肪酸とポリエチレングリコールのエステル、高級脂肪酸とポリプロピレンオキサイドのエステル、ソルビタンエステル等がある。
次に、本発明に係るトナーを使用する現像剤について説明する。
本発明に係るトナーは、キャリアを用いずに画像形成を行う一成分現像剤(磁性、非磁性を含む)、及びキャリアを用いて画像形成を行う二成分現像剤のどちらにも使用が可能である。
二成分現像剤として用いる場合は、トナー及びキャリアを混合して作製することができる。トナーのキャリアに対する混合量は、2〜10質量%が好ましい。トナーとキャリアを混合する混合装置は、特に限定されるものではなく、ナウターミキサ、Wコーン及びV型混合機等が挙げられる。
キャリアは、体積平均粒径が10〜60μm、飽和磁化値が20〜80emu/gであるフェライトキャリアが好ましい。このようにキャリアの粒径が小さく、飽和磁化値も低いキャリアを用いることにより、現像スリーブ上の磁気ブラシが柔らかくなり、鮮鋭性が良好な電子写真画像を形成することができる。
キャリアの体積平均粒径は、たとえば、湿式分散器を備えたレーザ回折式粒度分析装置「HELOS(シンパテック株式会社製)」により体積平均粒径を測定することができる。また、飽和磁化は、たとえば、「直流磁化特性自動記録装置3257−35(横河電気(株)製)」により測定することができる。
キャリアは、磁性体粒子を芯材(コア)とし、その表面を樹脂で被覆することが好ましい。上記キャリア芯材の被覆に用いられる樹脂としては、特に制限はなく、各種の樹脂を用いることが可能である。正帯電性トナーに対しては、たとえば、フッ素系樹脂、フッ素−アクリル酸系樹脂、シリコーン系樹脂、変性シリコーン系樹脂等を用いることができ、縮合型のシリコーン系樹脂が好ましい。また、負帯電性トナーに対しては、たとえば、アクリル−スチレン系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂とメラミン系樹脂の混合樹脂及びその硬化樹脂、シリコーン系樹脂、変性シリコーン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエチレン系樹脂等を用いることができる。その中でも、アクリル−スチレン系樹脂とメラミン系樹脂の混合樹脂及びその硬化樹脂、並びに縮合型のシリコーン系樹脂が好ましい。また、必要に応じて、荷電制御剤、密着性向上剤、プライマー処理剤、抵抗制御剤等を添加して二成分現像剤を形成することも可能である。
また、キャリアを使用せずに画像形成を行う非磁性一成分現像剤として使用する場合、画像形成時、トナーは帯電部材や現像ローラ面に摺擦、押圧して帯電が行われる。非磁性一成分現像方式による画像形成は、現像装置の構造を簡略化できるので、画像形成装置全体をコンパクト化できるメリットがある。したがって、本発明に係るトナーを非磁性一成分現像剤として使用すると、コンパクトなカラープリンタでフルカラーのプリント作成が実現され、スペース的に制限のある作業環境でも色再現性に優れたフルカラープリントの作成が可能である。
また、一成分現像剤の1つである磁性トナーは、着色剤として磁性体微粒子を用いることにより作製することができる。磁性体微粒子としては、平均一次粒子径が0.1〜2.0μmのフェライト、マグネタイト等の粒子が用いられる。磁性体微粒子の添加量はトナー中の20〜70質量%が好ましい。
また、流動性付与の観点から、公知の無機微粒子を混合することも可能である。無機微粒子としては、シリカ、チタニア及びアルミナ等の無機酸化物粒子が好ましく、さらに、これら無機微粒子はシランカップリング剤、或いはチタンカップリング剤等によって疎水化処理されていることがより好ましい。
次に、本発明に係るトナーを用いて画像形成を行うことが可能な画像形成装置について説明する。図1は、本発明に係るトナーを2成分系現像剤として使用したときに使用可能な画像形成装置の一例を示す概略図である。
図1において、1Y、1M、1C、1Kは感光体、4Y、4M、4C、4Kは現像装置、5Y、5M、5C、5Kは1次転写手段としての1次転写ロール、5Aは2次転写手段としての2次転写ロール、6Y、6M、6C、6Kはクリーニング装置、7は中間転写体ユニット、24は熱ロール式定着装置、70は中間転写体を示す。
この画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、複数組の画像形成部10Y、10M、10C、10Kと、転写部としての無端ベルト状中間転写体ユニット7と、記録部材Pを搬送する無端ベルト状の給紙搬送手段21及び定着手段としての熱ロール式定着装置24とを有する。画像形成装置の本体Aの上部には、原稿画像読み取り装置SCが配置されている。
各感光体に形成される異なる色のトナー像の1つとして、イエロー色の画像を形成する画像形成部10Yは、第1の感光体としてのドラム状の感光体1Y、該感光体1Yの周囲に配置された帯電手段2Y、露光手段3Y、現像手段4Y、1次転写手段としての1次転写ロール5Y、クリーニング手段6Yを有する。また、別の異なる色のトナー像の1つとして、マゼンタ色の画像を形成する画像形成部10Mは、第1の感光体としてのドラム状の感光体1M、該感光体1Mの周囲に配置された帯電手段2M、露光手段3M、現像手段4M、1次転写手段としての1次転写ロール5M、クリーニング手段6Mを有する。
また、更に別の異なる色のトナー像の1つとして、シアン色の画像を形成する画像形成部10Cは、第1の感光体としてのドラム状の感光体1C、該感光体1Cの周囲に配置された帯電手段2C、露光手段3C、現像手段4C、1次転写手段としての1次転写ロール5C、クリーニング手段6Cを有する。さらに、他の異なる色のトナー像の1つとして、黒色画像を形成する画像形成部10Kは、第1の感光体としてのドラム状の感光体1K、該感光体1Kの周囲に配置された帯電手段2K、露光手段3K、現像手段4K、1次転写手段としての1次転写ロール5K、クリーニング手段6Kを有する。
無端ベルト状中間転写体ユニット7は、複数のロールにより巻回され、回動可能に支持された中間転写エンドレスベルト状の第2の像担持体としての無端ベルト状中間転写体70を有する。
画像形成部10Y、10M、10C、10Kより形成された各色の画像は、1次転写ロール5Y、5M、5C、5Kにより、回動する無端ベルト状中間転写体70上に逐次転写されて、合成されたカラー画像が形成される。給紙カセット20内に収容された転写材として用紙等の記録部材Pは、給紙搬送手段21により給紙され、複数の中間ロール22A、22B、22C、22D、レジストロール23を経て、2次転写手段としての2次転写ロール5Aに搬送され、記録部材P上にカラー画像が一括転写される。カラー画像が転写された記録部材Pは、熱ロール式定着装置24により定着処理され、排紙ロール25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。
一方、2次転写ロール5Aにより記録部材Pにカラー画像を転写した後、記録部材Pを曲率分離した無端ベルト状中間転写体70は、クリーニング手段6Aにより残留トナーが除去される。
画像形成処理中、1次転写ロール5Kは常時、感光体1Kに圧接している。他の1次転写ロール5Y、5M、5Cはカラー画像形成時にのみ、それぞれ対応する感光体1Y、1M、1Cに圧接する。
2次転写ロール5Aは、ここを記録部材Pが通過して2次転写が行われるときにのみ、無端ベルト状中間転写体70に圧接する。
この様に、感光体1Y、1M、1C、1K上に帯電、露光、現像によりトナー像を形成し、無端ベルト状中間転写体70上で各色のトナー像を重ね合わせ、一括して記録部材Pに転写し、定着装置24で加圧及び加熱により固定して定着する。トナー像を記録部材Pに転移させた後の感光体1Y、1M、1C、1Kは、クリーニング装置6Aで転写時に感光体に残されたトナーを清掃した後、上記の帯電、露光、現像のサイクルに入り、次の像形成が行われる。
本発明に係るトナーを非磁性一成分系現像剤として用いた場合の画像形成方法としては、前記二成分現像装置を非磁性一成分現像装置に交換すればよい。
図1には、加熱ローラと加圧ローラより構成されるローラ定着方式の定着装置が示されているが、定着方法としては特に限定されるものではなく、前述したローラ定着方式、加熱ローラと加圧ベルトからなる定着方式、加熱ベルトと加圧ローラで構成される定着方式、加熱ベルトと加圧ベルトからなるベルト定着方式等の公知の定着方式が使用可能である。また、加熱方式としてはハロゲンランプによる方式、IH定着方式等、公知のいずれの加熱方式を採用することができる。
本発明に係るトナーを用いて画像を形成することが可能な記録用紙は、一般に、転写材、画像支持体とも呼ばれ、たとえば、上述した画像形成装置等による公知の画像形成方法により形成したトナー画像を保持するものであれば特に限定されるものではない。本発明で使用可能な記録用紙としては、公知のものが挙げられ、たとえば、薄紙から厚紙までの普通紙、上質紙、アート紙、あるいは、コート紙等の塗工された印刷用紙、市販の和紙やはがき用紙、OHP用のプラスチックフィルム、布等がある。
以下、実施例を挙げて本発明の実施態様を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、下記文中に「部」と記載されている個所があるが「質量部」を表すものである。
1.「トナー1〜18」の作製
1−1.「トナー1」の作製
(1)「樹脂微粒子分散液A1B1」の作製
以下の手順により、樹脂Bを樹脂Aで内包させた構造の樹脂微粒子、すなわち、「樹脂微粒子B」の存在下でスチレン系単量体と(メタ)アクリル酸系単量体を供給して重合反応を行い、樹脂Bを樹脂相Aで内包させた構造の樹脂微粒子を作製した。
(a)「樹脂微粒子分散液B1」の作製(第1段重合)
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器にアニオン系界面活性剤(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム:SDS)2質量部をイオン交換水2900質量部に溶解させて界面活性剤水溶液を調製した。前記界面活性剤水溶液を窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、温度を80℃に昇温させた。
上記界面活性剤水溶液中に過硫酸カリウム(KPS)9.0質量部を添加した後、下記化合物からなる単量体溶液を3時間かけて滴下した。すなわち、
n−ブチルアクリレート 198質量部
メタクリル酸メチル 945質量部
イタコン酸 60質量部
上記単量体溶液の滴下終了後、液温を78℃にして1時間保持することにより、重合反応を進行させることにより、上記3つの重合性単量体より形成される共重合体を含有する「樹脂微粒子分散液B1」を作製した。「樹脂微粒子B1」を構成する共重合体におけるメタクリル酸メチルとイタコン酸の比率は83.5質量%であった。また、「樹脂微粒子B1」の重量平均分子量Mwは300,000、ガラス転移温度Tgは70℃であった。
(b)第2段重合
アニオン系界面活性剤(ポリオキシ(2)ドデシルエーテル硫酸エステルナトリウム塩)2質量部をイオン交換水1100質量部に溶解させて界面活性剤溶液を調製した。また、撹拌装置を取り付けたフラスコ内に下記化合物を添加した後、85℃に加温して単量体溶液を調製した。すなわち、
スチレン 230質量部
n−ブチルアクリレート 103質量部
メタクリル酸 19質量部
n−オクチルメルカプタン 4質量部
パラフィンワックス「WBM−1」 190質量部
前記界面活性剤溶液を90℃に加温した後、前記「樹脂微粒子分散液B1」75質量部(固形分換算)と前記単量体溶液を添加し、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス」(エム・テクニック社製)により4時間混合、分散処理して分散液を調製した。
上記分散液中に過硫酸カリウム(KPS)15質量部をイオン交換水211質量部に溶解させた重合開始剤水溶液を添加し、液温90℃で2時間撹拌処理することにより重合反応を進行させることにより「樹脂微粒子分散液a1B1」を作製した。
(c)第3段重合
上記「樹脂微粒子分散液a1B1」中に過硫酸カリウム(KPS)7質量部をイオン交換水184質量部を添加しておき、当該分散液を80℃にして、下記化合物を含有する単量体溶液を滴下した。すなわち、
スチレン 415質量部
n−ブチルアクリレート 156質量部
n−オクチルメルカプタン 7.5質量部
滴下終了後、上記温度下で2時間の撹拌処理を行って重合反応を進行させた後、液の温度を28℃に冷却した。この様にして、「樹脂B1」の存在下でスチレン系単量体と(メタ)アクリル酸系単量体を重合反応させて形成される共重合体よりなる「樹脂A1」を形成し、「樹脂B1」を「樹脂A1」で内包させた構造の樹脂微粒子を含有する「樹脂微粒子分散液A1B1」を作製した。
なお、「樹脂微粒子B1」を存在させない条件下で、上記第2段重合と第3段重合を行って「樹脂微粒子A1」を形成したところ、重量平均分子量Mwが20,000、ガラス転移温度Tgが40℃であった。また、「樹脂微粒子A1B1」中の「樹脂微粒子B1」の含有量は7.5質量%であった。
(2)「樹脂微粒子分散液C1」の作製
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応装置にアニオン系界面活性剤(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム:SDS)2質量部をイオン交換水2900質量部に溶解させて界面活性剤溶液を調製した。前記界面活性剤溶液を窒素気流下230rpmの回転速度で撹拌しながら、液温を80℃に昇温させた。
上記界面活性剤溶液に過硫酸カリウム(KPS)9.0質量部を添加した後、下記化合物からなる単量体溶液を3時間かけて滴下した。すなわち、
スチレン 516質量部
n−ブチルアクリレート 204質量部
メタクリル酸 100質量部
n−オクチルメルカプタン 22質量部
上記単量体溶液を滴下終了後、液温を78℃にして1時間保持することにより、重合反応を進行させることにより、重量平均分子量10,000、ガラス転移温度50℃の「樹脂微粒子C」を含有する「樹脂微粒子分散液C」を作製した。
(3)「着色剤微粒子分散液」の調製
ドデシル硫酸ナトリウム90質量部をイオン交換水1600質量部に溶解させた溶液中を撹拌しながら、着色剤「PIGMENT BLUE『ダウファックス2A−1』」229質量部を徐々に添加した。その後、機械式分散機「クレアミックス」を用いて分散処理を行うことにより「着色剤微粒子分散液」を調製した。調製した「着色剤微粒子分散液」中の着色剤微粒子の質量平均粒径を電気泳動光散乱光度計「ELS−800(大塚電子社製)」で測定したところ110nmであった。
(4)「トナー1」の作製
(a)コア粒子の形成
撹拌装置、温度センサー、冷却管を取り付けた反応容器に、
「樹脂微粒子分散液A1B1」 430質量部(固形分換算)
イオン交換水 1650質量部
「着色剤微粒子分散液」 150質量部
を投入して撹拌を行い分散液を調製とした。上記分散液に25%水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを10.2に調整した。なお、上記「樹脂微粒子分散液A1B1」430質量部(固形分換算)中には、「樹脂微粒子B1」が固形分換算で32.25質量部含有されている。
次いで、塩化マグネシウム・6水和物水溶液(50質量%)150質量部を撹拌状態の上記分散液中に20分間かけて添加した。前記塩化マグネシウム・6水和物水溶液を添加後、昇温を開始して約60分かけて80℃まで昇温させ、80℃に保持させたまま上記粒子の凝集、融着を行った。この状態で「マルチサイザー3(ベックマン・コールター社製)」を用いて反応容器内で成長する粒子の粒径測定を行い、体積基準メディアン径が6.5μmになったときに25質量%の塩化ナトリウム水溶液100質量部を添加して粒子の成長を停止させた。その後、熟成処理として液温83℃にて2時間にわたり加熱撹拌を行って形状を制御してコア粒子を形成した。
(b)シェルの形成
上記コア粒子分散液を液温83℃にしておき、
「樹脂微粒子分散液C」 50質量部(固形分換算)
を20分かけて添加した。「樹脂微粒子分散液C」添加後、塩化マグネシウム・6水和物0.7質量部をイオン交換水4質量部に溶解させた水溶液を添加し、添加後に2時間にわたり撹拌を継続して前記コア粒子表面に「樹脂微粒子C」を凝集、融着させた。その後、融着処理を30分継続することによりシェルを形成した。
(c)熟成、洗浄、乾燥処理工程及び外添剤添加工程
上記シェル形成の後、25質量%の塩化ナトリウム水溶液200質量部を添加して融着反応を停止させ、88℃まで昇温させて熟成処理を行った。この様にして形成した粒子分散液を4℃/分で冷却した後、20℃のイオン交換水で十分に洗浄し、さらに、室温下で乾燥処理を行い、コアシェル構造を有する「トナー母体粒子1」を作製した。
作製した「トナー母体粒子1」に下記外添剤を添加し、「ヘンシェルミキサ(三井三池鉱業社製)」にて外添処理を行うことにより「トナー1」を作製した。すなわち、
ヘキサメチルシラザン処理したシリカ(平均一次粒径12nm)
0.6質量部
n−オクチルシラン処理した二酸化チタン(平均一次粒径24nm)
0.8質量部
なお、ヘンシェルミキサによる外添剤添加処理は、撹拌羽根の周速35m/秒、処理温度35℃、処理時間15分の条件の下で行った。
1−2.「トナー2〜18」の作製
(1)「トナー2、3、16、17」の作製
(a)「トナー2」の作製
前記「トナー1」の作製で使用した「樹脂微粒子分散液B1」の作製において樹脂の形成に使用した下記化合物の添加量を以下の様に変更した他は同じ手順で「樹脂微粒子分散液B2」を作製した。すなわち、
n−ブチルアクリレート 60質量部
メタクリル酸メチル 1075質量部
イタコン酸 68質量部
「樹脂微粒子B2」を構成する共重合体におけるメタクリル酸メチルとイタコン酸の比率は95質量%であった。また、「樹脂微粒子B2」の重量平均分子量Mwとガラス転移温度Tgは「樹脂微粒子B1」と同じものであった。そして、「樹脂微粒子分散液B2」を用いた他は同じ手順で「樹脂微粒子分散液A1B2」を作製し、「樹脂微粒子分散液A1B2」を用いた他は「トナー1」の作製と同じ手順で「トナー2」を作製した。
(b)「トナー3」の作製
前記「樹脂微粒子分散液B1」の作製において樹脂形成に使用した化合物の添加量を以下の様に変更した他は同じ手順で「樹脂微粒子分散液B3」を作製した。すなわち、
n−ブチルアクリレート 361質量部
メタクリル酸メチル 792質量部
イタコン酸 50質量部
「樹脂微粒子B3」を構成する共重合体におけるメタクリル酸メチルとイタコン酸の比率は70質量%であった。また、「樹脂微粒子B3」の重量平均分子量Mwとガラス転移温度Tgは「樹脂微粒子B1」と同じものであった。そして、「樹脂微粒子分散液B3」を用いた他は同じ手順で「樹脂微粒子分散液A1B3」を作製し、「樹脂微粒子分散液A1B3」を用いた他は「トナー1」の作製と同じ手順で「トナー3」を作製した。
(c)「トナー16」の作製
前記「樹脂微粒子分散液B1」の作製において樹脂形成に使用した化合物の添加量を以下の様に変更した他は同じ手順で「樹脂微粒子分散液B9」を作製した。すなわち、
n−ブチルアクリレート 421質量部
メタクリル酸メチル 735質量部
イタコン酸 47質量部
「樹脂微粒子B9」を構成する共重合体におけるメタクリル酸メチルとイタコン酸の比率は65質量%であった。また、「樹脂微粒子B9」の重量平均分子量Mwとガラス転移温度Tgは「樹脂微粒子B1」と同じものであった。そして、「樹脂微粒子分散液B9」を用いた他は同じ手順で「樹脂微粒子分散液A1B9」を作製し、「樹脂微粒子分散液A1B9」を用いた他は「トナー1」の作製と同じ手順で「トナー16」を作製した。
(d)「トナー17」の作製
前記「樹脂微粒子分散液B1」の作製において樹脂形成に使用した化合物の添加量を以下の様に変更した他は同じ手順で「樹脂微粒子分散液B10」を作製した。すなわち、
n−ブチルアクリレート 12質量部
メタクリル酸メチル 1120質量部
イタコン酸 71質量部
「樹脂微粒子B10」を構成する共重合体におけるメタクリル酸メチルとイタコン酸の比率は99質量%であった。また、「樹脂微粒子B10」の重量平均分子量Mwとガラス転移温度Tgは「樹脂微粒子B1」と同じものであった。そして、「樹脂微粒子分散液B10」を用いた他は同じ手順で「樹脂微粒子分散液A1B10」を作製し、「樹脂微粒子分散液A1B10」を用いた他は「トナー1」の作製と同じ手順で「トナー17」を作製した。
(2)「トナー4、5」の作製
(a)「トナー4」の作製
前記「トナー1」の作製で使用した「樹脂微粒子分散液A1B1」を作製する際、第2段重合及び第3段重合で用いた化合物の添加量を以下の様に変更した。すなわち、
第2段重合
スチレン 208質量部
n−ブチルアクリレート 123質量部
メタクリル酸 21質量部
n−オクチルメルカプタン 6.7質量部
パラフィンワックス「WBM−1」 190質量部
第3段重合
スチレン 383質量部
n−ブチルアクリレート 187質量部
n−オクチルメルカプタン 9.5質量部
に各化合物の添加量を変更した。その他は同じ手順で「樹脂微粒子分散液A2B1」を作製した。「樹脂A2」の物性を確認するため、「樹脂微粒子B1」を存在させずに上記第2段重合と第3段重合の反応を行って「樹脂微粒子A2」を作製したところ、重量平均分子量Mwが10,000、ガラス転移温度Tgが30℃であった。さらに、「樹脂微粒子分散液A1B1」に代えて「樹脂微粒子分散液A2B1」を用いてコア粒子の形成を行った他は「トナー1」の作製と同じ手順を経ることにより「トナー4」を作製した。
(b)「トナー5」の作製
前記「トナー1」の作製で使用した「樹脂微粒子分散液A1B1」を作製する際、第2段重合及び第3段重合で用いた化合物の添加量を以下の様に変更した。すなわち、
第2段重合
スチレン 250質量部
n−ブチルアクリレート 84質量部
メタクリル酸 18質量部
n−オクチルメルカプタン 4質量部
パラフィンワックス「WBM−1」 190質量部
第3段重合
スチレン 445質量部
n−ブチルアクリレート 22質量部
n−オクチルメルカプタン 7質量部
に各化合物の添加量を変更した。その他は同じ手順で「樹脂微粒子分散液A3B1」を作製した。「樹脂A3」の物性を確認するため、「樹脂微粒子B1」を存在させずに上記第2段重合と第3段重合の反応を行って「樹脂微粒子A3」を作製したところ、重量平均分子量Mwが30,000、ガラス転移温度Tgが50℃であった。さらに、「樹脂微粒子分散液A1B1」に代えて「樹脂微粒子分散液A3B1」を用いてコア粒子の形成を行った他は「トナー1」の作製と同じ手順を経ることにより「トナー5」を作製した。
(3)「トナー6、7、13、14」の作製
(a)「トナー6」の作製
前記「トナー1」の作製で使用した「樹脂微粒子分散液A1B1」を作製する際、第2段重合での前記「樹脂微粒子分散液B1」の添加量を45質量部(固形分換算)に変更した他は同じ手順で「樹脂微粒子分散液A1B1(5)」を作製した。作製した「樹脂微粒子A1B1(5)」の重量平均分子量Mwとガラス転移温度Tgは「樹脂微粒子A1B1」と同じものであった。さらに、「樹脂微粒子分散液A1B1」に代えて「樹脂微粒子分散液A1B1(5)」を用いてコア粒子の形成を行った他は「トナー1」の作製と同じ手順を経ることにより「トナー6」を作製した。
(b)「トナー7」の作製
前記「トナー1」の作製で使用した「樹脂微粒子分散液A1B1」を作製する際、第2段重合での前記「樹脂微粒子分散液B1」の添加量を151質量部(固形分換算)に変更した他は同じ手順で「樹脂微粒子分散液A1B1(15)」を作製した。作製した「樹脂微粒子A1B1(15)」の重量平均分子量Mwとガラス転移温度Tgは「樹脂微粒子A1B1」と同じものであった。さらに、「樹脂微粒子分散液A1B1」に代えて「樹脂微粒子分散液A1B1(15)」を用いてコア粒子の形成を行った他は「トナー1」の作製と同じ手順を経ることにより「トナー7」を作製した。
(c)「トナー13」の作製
前記「トナー1」の作製で使用した「樹脂微粒子分散液A1B1」を作製する際、第2段重合での前記「樹脂微粒子分散液B1」の添加量を17質量部(固形分換算)に変更した他は同じ手順で「樹脂微粒子分散液A1B1(2)」を作製した。作製した「樹脂微粒子A1B1(2)」の重量平均分子量Mwとガラス転移温度Tgは「樹脂微粒子A1B1」と同じものであった。さらに、「樹脂微粒子分散液A1B1」に代えて「樹脂微粒子分散液A1B1(2)」を用いてコア粒子の形成を行った他は「トナー1」の作製と同じ手順を経ることにより「トナー13」を作製した。
(d)「トナー14」の作製
前記「トナー1」の作製で使用した「樹脂微粒子分散液A1B1」を作製する際、第2段重合での前記「樹脂微粒子分散液B1」の添加量を213質量部(固形分換算)に変更した他は同じ手順で「樹脂微粒子分散液A1B1(20)」を作製した。作製した「樹脂微粒子A1B1(20)」の重量平均分子量Mwとガラス転移温度Tgは「樹脂微粒子A1B1」と同じものであった。さらに、「樹脂微粒子分散液A1B1」に代えて「樹脂微粒子分散液A1B1(20)」を用いてコア粒子の形成を行った他は「トナー1」の作製と同じ手順を経ることにより「トナー14」を作製した。
(4)「トナー8、9」の作製
(a)「トナー8」の作製
前記「トナー1」の作製で使用した「樹脂微粒子分散液A1B1」の作製で、「樹脂微粒子分散液B1」の作製に使用した化合物の添加量を以下の様に変更した。すなわち、
n−ブチルアクリレート 288質量部
メタクリル酸メチル 852質量部
イタコン酸 60質量部
n−オクチルメルカプタン 2.2質量部
に変更した。その他は「樹脂微粒子分散液B1」の作製と同じ手順で「樹脂微粒子分散液B4」を作製した。作製した「樹脂微粒子B4」は、重量平均分子量Mwが100,000、ガラス転移温度Tgが60℃であった。さらに、「樹脂微粒子分散液B4」を用いた他は「樹脂微粒子分散液A1B1」の作製と同じ手順で「樹脂微粒子分散液A1B4」を作製し、「トナー1」の作製と同じ工程を経て「トナー8」を作製した。
(b)「トナー9」の作製
前記「トナー1」の作製で使用した「樹脂微粒子分散液A1B1」の作製で、「樹脂微粒子分散液B1」の作製に使用した化合物の添加量を以下の様に変更した。すなわち、
n−ブチルアクリレート 126質量部
メタクリル酸メチル 1014質量部
イタコン酸 60質量部
に変更するとともに、開始剤である過硫酸カリウム(KPS)の添加量を7.5質量部に変更した。その他は「樹脂微粒子分散液B1」の作製と同じ手順で「樹脂微粒子分散液B5」を作製した。作製した「樹脂微粒子B5」は、重量平均分子量Mwが400,000、ガラス転移温度Tgが85℃であった。さらに、「樹脂微粒子分散液B5」を用いた他は「樹脂微粒子分散液A1B1」の作製と同じ手順で「樹脂微粒子分散液A1B5」を作製し、「トナー1」の作製と同じ工程を経て「トナー9」を作製した。
(5)「トナー10〜12」の作製
(a)「トナー10」の作製
前記「トナー1」の作製で使用した「樹脂微粒子分散液A1B1」を作製する際、「樹脂微粒子分散液B1」の作製で使用した「メタクリル酸メチル」を「メタクリル酸エチル」945質量部に変更した他は同じ手順で「樹脂微粒子分散液B6」を作製した。作製した「樹脂微粒子B6」は、重量平均分子量Mw、ガラス転移温度Tgともに「樹脂微粒子B1」と同じものであった。さらに、「樹脂微粒子分散液B6」を用いた他は「樹脂微粒子分散液A1B1」の作製と同じ手順で「樹脂微粒子分散液A1B6」を作製し、「トナー1」の作製と同じ工程を経て「トナー10」を作製した。
(b)「トナー11」の作製
前記「トナー1」の作製で使用した「樹脂微粒子分散液A1B1」を作製する際、「樹脂微粒子分散液B1」の作製で使用した「イタコン酸」を「マレイン酸」60質量部に変更した他は同じ手順で「樹脂微粒子分散液B7」を作製した。作製した「樹脂微粒子B7」は、重量平均分子量Mw、ガラス転移温度Tgともに「樹脂微粒子B1」と同じものであった。さらに、「樹脂微粒子分散液B7」を用いた他は「樹脂微粒子分散液A1B1」の作製と同じ手順で「樹脂微粒子分散液A1B7」を作製し、「トナー1」の作製と同じ工程を経て「トナー11」を作製した。
(c)「トナー12」の作製
前記「トナー1」の作製で使用した「樹脂微粒子分散液A1B1」を作製する際、「樹脂微粒子分散液B1」の作製で使用した「メタクリル酸メチル」を「メタクリル酸エチル」945質量部に、「イタコン酸」を「マレイン酸」60質量部に変更した。その他は同じ手順で「樹脂微粒子分散液B8」を作製した。作製した「樹脂微粒子B8」は、重量平均分子量Mw、ガラス転移温度Tgともに「樹脂微粒子B1」と同じものであった。さらに、「樹脂微粒子分散液B8」を用いた他は「樹脂微粒子分散液A1B1」の作製と同じ手順で「樹脂微粒子分散液A1B8」を作製し、「トナー1」の作製と同じ工程を経て「トナー12」を作製した。
(6)「トナー15」の作製
以下の手順で「樹脂B」を内包していない構造(非内包)の「樹脂A」を形成した。すなわち、前記「トナー1」の作製で、「樹脂微粒子分散液A1B1」を作製する際、「樹脂微粒子B1」を存在させずに前述の第2段重合と第3段重合を行って「樹脂微粒子分散液A1」を形成した。作製した「樹脂微粒子A1」の重量平均分子量Mwは20,000、ガラス転移温度Tgは40℃であった。
また、前述した「コア粒子の形成」で用いた「樹脂微粒子分散液A1B1」430質量部(固形分換算)に代えて、
「樹脂微粒子分散液A1」 418質量部(固形分換算)
「樹脂微粒子分散液B1」 12質量部(固形分換算)
を用いた他は同じ条件でコア粒子を形成し、さらに、「シェルの形成」以降は「トナー1」の作製と同じ工程を経て「トナー15」を作製した。
(7)「トナー18」の作製
前記「トナー1」の作製で、「樹脂微粒子B1」を作製する際、イタコン酸は使用せず、n−ブチルアクリレートの添加量を208質量部、メタクリル酸メチルの添加量を995質量部に変更した他は同じ手順で「樹脂微粒子分散液B11」を作製した。そして、前記「樹脂微粒子分散液B11」を用いた他は前述の「樹脂微粒子分散液A1B1」を作製するときと同じ手順で「樹脂微粒子分散液A1B11」を作製した。なお、「樹脂微粒子B11」の重量平均分子量Mwとガラス転移温度Tgは「樹脂微粒子B1」と同じだった。さらに、「樹脂微粒子分散液A1B11」を用いた他は前述の「トナー1」の作製と同じ工程を経ることにより「トナー18」を作製した。
以上の手順で作製した「トナー1〜18」を構成する樹脂Aと樹脂Bの物性等を以下の表1に示す。
Figure 2011170229
2.「現像剤1〜18」の調製
前記「トナー1〜18」の各々に、シリコーン樹脂を被覆してなる体積平均粒径50μmのフェライトキャリアを混合し、トナー濃度が6%の「現像剤1〜18」を調製した。
3.評価実験
上記手順で作製した「トナー1〜18」について、トナー画像の光沢度、連続プリント実施時の同一プリント内における光沢差とプリント間における光沢差を評価した。また、低温定着性、折り目定着強度、及び、耐熱保管性についても評価を行った。ここで、「トナー1〜15」を用いたものを「実施例1〜15」、「トナー16〜18」を用いたものを「比較例1〜3」とした。
評価は、図1に示す二成分系現像方式の画像形成装置に対応する市販の複合プリンタ「bizhub PRO C550(コニカミノルタビジネステクノロジーズ(株)製)」に、前記「現像剤1〜18」を各々装填して行った。前記画像形成装置による評価は、温度20℃、相対湿度55%RHのいわゆる常温常湿環境下で行った。
〈光沢度〉
連続プリントの1枚目に全ベタ画像を作成し、定着画像の光沢度を測定した。定着画像の光沢度は、JIS Z 8741に準じて光沢計「GMX−203(村上色彩技術研究所(株)製)」を用いて75°測定角型を選択して評価した。なお、光沢度は測定画像の中央部および四隅の5点平均値である。光沢度評価用画像を形成する際の定着温度は160℃に設定した。また、定着画像を作製する用紙は、市販のA4サイズの光沢紙「PODスーパーグロス170(王子製紙社製)(坪量128g/m、厚さ0.17mm)」を用いた。評価は以下のとおりで◎と○を合格とした。すなわち、
評価基準:
◎:光沢値が70%以上
○:光沢値が60%以上70%未満
×:光沢値が60%未満。
〈連続プリント実施時における同一プリント内での光沢差〉
A4サイズの用紙を用いて連続1000枚のプリント作製を行った後、A3サイズの用紙を用いてベタ画像プリントを作成し、用紙端部と中央部の光沢度を測定して、同一プリント内における光沢差を求めた。光沢度の測定方法は、上記「光沢度」の評価で行ったものと同様である。評価は以下のとおりで◎と○を合格とした。すなわち、
評価基準:
◎:用紙端部と中央部の光沢差が1%以下(問題なし)
○:上記光沢差が1%を超えて5%未満(目視ではほとんどわからないレベルで問題なし)
×:上記光沢差が5%以上(目視でも差が見られるレベルで問題あり)。
〈連続プリント実施時におけるプリント間での光沢差〉
A4サイズの用紙を用いて連続1000枚のプリント作製を行い、連続プリントの1枚目と1000枚目に全ベタ画像を作製し、この画像の光沢度を測定してその差を求めた。なお、光沢度の測定手順は前記「光沢度」の評価で行った手順と同様である。評価は以下のとおりで◎と○を合格とした。すなわち、
評価基準:
◎:1枚目と1000枚目との光沢差は1%以下(問題なし)
○:上記光沢差が1%を超えて5%未満(目視ではほとんどわからないレベルで問題なし)
×:上記光沢差が5%以上(目視でも差が見られるレベルで問題あり)。
〈低温定着性〉
前述の連続プリント実施前に、前記画像評価装置の加熱ローラの表面温度を90〜130℃の範囲内で5℃刻みで変化させ、それぞれの表面温度において定着オフセットに起因する画像汚染の発生状況を評価した。具体的には、搬送方向に対し転写紙上に垂直方向に5mm幅の帯状ベタ画像と20mm幅のハーフトーン画像を出力したA4判トナー画像を横送り搬送して、画像汚染が発生しない温度領域(非オフセット領域)を検出して評価を行った。すなわち、
評価基準:
◎:非オフセット領域の下限温度が110℃以下であり、かつ、非オフセット領域が15℃以上
○:非オフセット領域の下限温度が120℃以下であり、かつ、非オフセット領域が15℃未満
×:非オフセット領域の下限温度が125℃以上。
〈折り目定着強度〉
折り目定着強度は、下記の様に折り目におけるトナーの定着率を測定して評価した。ここで、「折り目定着率」とは、プリント画像面を内面にして折り曲げたとき、その折り曲げ部分でのトナーはがれの程度を定着率で示したものである。測定方法は、ベタ画像部(画像濃度が0.8)を内側にして折り、3回指で擦った後、画像を開いて「JKワイパー」(株式会社クレシア製)で3回ふき取り、ベタ画像の折り目箇所の折り曲げ前後の画像濃度から下記式により算出した値である。
折り目定着率(%)=(折り曲げ後画像濃度/折り曲げ前画像濃度)×100
得られた折り目定着率の値から下記の評価基準に示す様に折り目定着強度を評価した。なお、◎と○を合格とした。すなわち、
評価基準:
◎:折り目定着率が90〜100%で折り目定着強度が優れている
○:折り目定着率が80〜90%未満で折り目定着強度が良好
×:折り目定着率が80%未満で折り目定着強度が不良。
〈耐熱保管性〉
耐熱保管性は、上記で作製した各トナー100gを、55℃、90%RHの条件下に24時間放置した後、目開き45μmのフルイで篩い、フルイ上に残った凝集物の量(割合)で評価した。下記評価基準のうち、◎と○を合格とした。すなわち、
評価基準:
◎:フルイ上の残存量が5%未満で、凝集量が非常に少なく耐熱保管性優良(断熱梱包材が全くない状態で夏場に輸送しても凝集物が発生しないレベル)
○:フルイ上の残存量が5%以上20%未満で、凝集量が少なく耐熱保管性良好(段ボール梱包のみで夏場に輸送しても凝集物が発生しないレベル)
×:フルイ上の残存量が20%以上で、凝集量が多く実用上問題(保冷輸送を行う必要があるレベル)
以上の結果を表2に示す。
Figure 2011170229
表2に示す様に、本発明の構成を満たすトナーを用いた「実施例1〜15」では、高い光沢度が得られるとともに、1000枚の連続プリントを実施したときに同一プリント内及びプリント間で光沢にばらつきがみられず、光沢性能について良好な結果が得られた。また、低温定着性、折り目定着強度、耐熱保管性についても良好な結果が得られた。一方、本発明の構成を有さないトナーを用いた「比較例1〜3」では、光沢性能について満足の得られぬ結果となり、本発明の構成を満たすトナーとは光沢性能について明確な差を有するものであることが確認された。
1Y、1M、1C、1K 感光体
4Y、4M、4C、4K 現像装置(現像手段)
5Y、5M、5C、5K、5A 転写ロール(一次転写手段)
6Y、6M、6C、6K クリーニング装置(クリーニング手段)
7 中間転写体ユニット
24 熱ロール式定着装置
70 中間転写体
P 記録紙(転写紙)

Claims (6)

  1. 少なくとも結着樹脂と着色剤を含有する静電荷像現像用トナーにおいて、
    前記結着樹脂は、
    少なくともスチレン系単量体と(メタ)アクリル酸系単量体を用いて形成される共重合体を含有する樹脂Aと、
    少なくともメタクリル酸エステル系単量体と複数のカルボキシル基(−COOH)を有するラジカル重合性単量体を用いて形成される共重合体を含有する樹脂Bとを、少なくとも含有するものであり、
    前記樹脂Bに含有される前記共重合体は、前記メタクリル酸エステル系単量体と前記複数のカルボキシル基(−COOH)を有するラジカル重合性単量体の合計の比率が、前記共重合体を形成する全重合性単量体のうちの70質量%以上95質量%以下であることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  2. 前記結着樹脂に含有される樹脂Bの含有量が、樹脂Aと樹脂Bの和に対して2質量%以上20質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 前記静電荷像現像用トナーは、コアシェル構造を有するものであり、
    前記コアシェル構造のコア部が少なくとも前記樹脂Aと前記樹脂Bを含有するものであることを特徴とする請求項1または2に記載の静電荷像現像用トナー。
  4. 前記樹脂Aは、
    ガラス転移温度が30℃以上50℃以下で、
    重量平均分子量が10,000以上30,000以下であり、
    前記共重合体が、少なくとも、スチレン、n−ブチルアクリレート、メタクリル酸を用いて形成されるものであり、
    前記樹脂Bは、
    ガラス転移温度が60℃以上85℃以下で、
    重量平均分子量が100,000以上400,000以下であり、
    前記共重合体が、少なくとも、メタクリル酸メチルとイタコン酸を用いて形成されるものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
  5. 少なくとも結着樹脂と着色剤を含有する静電荷像現像用トナーの製造方法であって、
    少なくともスチレン系単量体と(メタ)アクリル酸系単量体を用いて形成される共重合体を含有する樹脂Aと、少なくともメタクリル酸エステル系単量体と複数のカルボキシル基(−COOH)を有するラジカル重合性単量体を用いて形成される共重合体を含有する樹脂Bとを少なくとも含有する樹脂粒子を凝集させる工程を有するものであり、
    前記樹脂Bに含有される前記共重合体が、前記メタクリル酸エステル系単量体と前記複数のカルボキシル基(−COOH)を有するラジカル重合性単量体の合計の比率が、前記共重合体を形成する全重合性単量体のうちの70質量%以上95質量%以下であることを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
  6. 少なくとも結着樹脂と着色剤を含有する静電荷像現像用トナーの製造方法であって、
    少なくともスチレン系単量体と(メタ)アクリル酸系単量体を用いて形成される共重合体を含有する樹脂A粒子と、少なくともメタクリル酸エステル系単量体と複数のカルボキシル基(−COOH)を有するラジカル重合性単量体を用いて形成される共重合体を含有する樹脂B粒子を少なくとも凝集させる工程を有するものであり、
    前記樹脂Bに含有される前記共重合体が、前記メタクリル酸エステル系単量体と前記複数のカルボキシル基(−COOH)を有するラジカル重合性単量体の合計の比率が、前記共重合体を形成する全重合性単量体のうちの70質量%以上95質量%以下であることを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
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