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JP2011168467A - 結晶性スコロダイトの生成方法 - Google Patents

結晶性スコロダイトの生成方法 Download PDF

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三雄 鐙屋
Yusuke Sato
祐輔 佐藤
Hironobu Mikami
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Abstract

【課題】砒素を含む種々の溶液から、結晶性が高く砒素の溶出が少ない結晶性スコロダイト粒子を、容易且つ短時間で生成し、さらには、反応後に生成する反応後液中における砒素濃度を低減出来る結晶性スコロダイトの生成方法を提供する。
【解決手段】5価砒素を含有する溶液に2価鉄イオンを共存させ、当該溶液を液温70℃以上、pH値を2.0以下の所定値に設定し、前記溶液へ酸化剤を添加しながら結晶性スコロダイトを生成させ、前記結晶性スコロダイト生成の際、前記溶液のpH値を、前記所定値pH値から±0.1の変動範囲内に制御するように、アルカリをpH調整剤とし、当該pH調整剤の添加量を制御する結晶性スコロダイトの生成方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、種々の液中に存在する砒素を、安定な砒素化合物として当該液から分離回収する技術に関し、特には、種々の液中に存在する砒素を、安定な砒素化合物であるスコロダイトとして、当該液から分離回収する技術に関する。
非鉄製錬において、砒素は鉱石中に含まれる随伴元素である。この結果、非鉄製錬処理を行う際は、砒素も処理されることとなる。つまり、当該砒素処理は、当該非鉄製錬事業において重要且つ不可避な技術要素である。従って、非鉄製錬事業を営むにあたり、当該砒素処理は、適切且つコストを抑制した処理方法で行うことが望まれている。
当該砒素処理に関して、例えば、特許文献1、2が提案されている。
特許文献1の提案は、酸性溶液を用いて非鉄製錬煙灰から砒素を浸出して浸出液とし、この浸出液に硫酸第二鉄(Fe3+)を添加して、砒素を非晶質の砒酸鉄として晶出させるものである。当該晶出の工程において、さらにスコロダイトの種結晶を添加して大気圧、高温下で所定時間放置することで、前記非晶質の砒酸鉄を結晶性のスコロダイトへ変換させるものである。
特許文献2の提案は、5価の砒素と3価の鉄とを含有する酸性水溶液から結晶性スコロダイトを製造する方法である。そして、当該酸性水溶液中のナトリウム濃度が0g/Lよりも多く4g/L以下となるように塩基性ナトリウム化合物を該酸性水溶液に添加することで、高い製造効率と、砒素の濃縮率とが得られるとするものである。
特開2005−161123号公報 特開2008−231478号公報
本発明者らは、前記従来の技術に係る砒素含有溶液からのスコロダイト製造方法を検討した。その結果、特許文献1に記載された方法は、結晶性のスコロダイトを得るために最低でも10時間以上、通常は20時間以上の長時間が必要であった。また、特許文献2に記載された方法は、結晶物である砒素の濃縮率を高める為、24時間という長時間の反応時間が必要であった。特許文献1、2に記載された方法とも、反応後に生成する反応後液中の砒素濃度の低減を短時間で達成することが十分ではなかった。
本発明は、上述の状況もとでなされたものであり、その解決しようとする課題は、砒素を含む種々の溶液から、結晶性が高く砒素の溶出が少ない結晶性スコロダイト粒子を、容易且つ短時間で生成し、さらには、反応後に生成する反応後液中における砒素濃度を低減出来る結晶性スコロダイトの生成方法を提供することである。
上述の課題を解決するため、本発明者らは鋭意研究を行った。
そして、砒素を含有する溶液に2価鉄イオンを共存させ、高温下において、当該溶液のpH値を2.0以下の所定値に設定し、当該溶液へ酸化剤を添加しながら結晶性スコロダイトを生成させ、当該結晶性スコロダイト生成の際、溶液のpH値を、前記所定値pH値
から±0.1の変動範囲内に制御するように、アルカリをpH調整剤とし、当該pH調整剤の添加量を制御するという構成に想到した。
即ち、上述の課題を解決するための第1の発明は、
5価砒素を含有する溶液に2価鉄イオンを共存させ、当該溶液を液温70℃以上、pH値を2.0以下の所定値に設定し、前記溶液へ酸化剤を添加しながら結晶性スコロダイトを生成させ、前記結晶性スコロダイト生成の際、前記溶液のpH値を、前記所定値pH値から±0.1の変動範囲内に制御するように、アルカリをpH調整剤とし、当該pH調整剤の添加量を制御することを特徴とする結晶性スコロダイトの生成方法である。
第2の発明は、
前記砒素を含有する溶液へ、さらに、銅濃度として、50mg/L以上の銅を添加することを特徴とする第1の発明に記載の結晶性スコロダイトの生成方法である。
第3の発明は、
前記所定値のpH値を有する溶液へ、酸化剤を添加しながらpH調整剤も添加し、当該pH調整剤の添加量を制御することで、溶液pH値の変動を所定値pH値の±0.1の範囲内としながら、結晶性スコロダイトを生成させる反応の後半期において前記所定値より高いpH値を再設定する、ことを特徴とする第1または第2の発明に記載の結晶性スコロダイトの生成方法である。
第4の発明は、
前記pH調整剤としてアルカリ土類金属類のアルカリを用いることを特徴とする第1から第3の発明のいずれかに記載の結晶性スコロダイトの生成方法である。
第5の発明は、
前記酸化剤として酸素、空気、酸素含有ガス、空気希釈ガス、過酸化水素のいずれかの1種以上を用いることを特徴とする第1から第4の発明のいずれかに記載の結晶性スコロダイトの生成方法である。
本発明に係る結晶性スコロダイトの生成方法によれば、反応時間が短時間でよいので、高い時間効率と高い生産性とをもって結晶性スコロダイトを製造することが出来た。さらに、当該結晶性スコロダイト反応後に生成する反応後液中における砒素濃度が大きく低減出来た。この結果、砒素処理工程における後工程の負荷が大きく低減するとともに工程も安定化した。
本発明に係る結晶性スコロダイトの生成方法例を示す工程フロー図である。
本発明者等は、上述したように、砒素を含む種々の溶液から、結晶性が高く砒素の溶出が少ない結晶性スコロダイト粒子を、容易且つ短時間で生成可能とする生成方法を見出すべく試行錯誤を行った。その結果、5価砒素含有溶液へ2価鉄(2価鉄塩化合物)を添加し、高い生産性と低コストとをもって、スコロダイトを製造可能とする条件を知見した。
前記高い生産性と低コストとをもって、スコロダイトを製造可能とする条件について説明する。
まず、当該砒素含有溶液に2価鉄塩を加えて混合し、さらに、pH調整剤を添加して、例えば、室温におけるpH値を2.0以下(例えば、1.0)として原料液を得る。そし
て、当該原料液を撹拌しながら、70℃以上の所定温度まで昇温し、当該所定温度に達したら酸化剤の添加を開始して、スコロダイトの生成反応の開始とするものである。
原料液のpH値は、前記所定温度に達した時点で、例えば1.6前後まで上昇しているが、スコロダイトの生成反応開始と、進行に伴い低下していく。そして原料液のpH値が、予め設定していた所定値まで低下したらpH調整剤としてのアルカリの添加を行い、当該所定値にて原料液のpH値を保持するように制御を行いながら、反応を継続する。ここで、所定pH値は、pH2.0以下の範囲で設定されるが、より好ましいpH値の所定値の設定範囲は0.8以上、2.0以下である。尚、所定pH値が、原料液の所定温度に達した時点のpH値より高い場合は、pH調整剤としてのアルカリの添加を行い、原料液のpHを、予め所定pH値に調整してから反応を開始すると良い。
上述したようにpH調整剤としては、酸またはアルカリを用いる。酸であれば、硫酸、塩酸、硝酸が好ましい。アルカリであれば、アルカリ土類金属類、および、アルカリ金属類といったアルカリ、または、それらの塩が好ましい。
酸化剤の添加方法として、酸素ガス、空気、酸素含有ガス、空気希釈ガスの吹き込み、過酸化水素等の投入、のいずれかから選択される1種以上を用いることが出来る。
尚、本発明において酸素含有ガスとは、例えば窒素ガス等の不活性ガスと酸素ガスとを混合し、酸素含有組成が21%(空気含有酸素量)より多く100%より少ないガスをいう。空気希釈ガスとは、例えば窒素ガス等の不活性ガスと空気とを混合し、酸素含有組成が0%より多く21%(空気含有酸素量)より少ないガスをいう。
添加方法は、ガスの場合であれば直接原料液中へ吹き込む方法が簡便であり好ましい。液体の場合は直接投入が可能である。酸化剤の投入量は、スコロダイトの生成反応の状況により適宜量を決定すれば良い。
当該スコロダイト生成反応中において、原料液に対し何らのpH調整操作を行わず、所謂「成行き」で反応を進行させた場合、当該原料液のpH値は下降する方向で変化する。本発明においては、当該pH値の所定値を定め、反応中の原料液のpH値の変動を当該所定値から制御幅0.2(±0.1)の範囲内に保持する為、pH調整剤を適宜量添加する。
当該pH値の制御により、高い時間効率と高い生産性とをもって結晶性スコロダイトを製造することが出来る。
尚、上述したpH値の制御幅は、スコロダイト結晶の粒子成長を促進する観点からは狭いことが好ましく、制御幅0.1(±0.05)で制御することが、より好ましい。
当該pH値の制御幅を実現するには、例えばアルカリ土類金属類のアルカリの一つであるMg(OH)粉末に水を添加して高パルプ濃度の液状としてから原料液へ添加することで、当該原料液への濡れを確保し、原料液中への拡散を容易せしめる方法等が有効である。
上述したように、アルカリのpH調整剤としては、アルカリ土類金属類、および、アルカリ金属類といったアルカリが好適に使用できる。中でも、pH調整剤にはMg(OH)が好ましい。これは当該pH調整剤を用いて砒素含有溶液のpHを調整した後に生成するMgSOが易溶性であること、および、Mgイオンが後工程におけるスコロダイトの生成反応に悪影響を与えない為である。
Mg(OH)以外のpH調整剤として、例えばCa(OH)も好ましい。但し、Ca(OH)を使用してpHを調整した場合には難溶性の石膏(CaSO・2HO)を生成する。従って反応終了後に回収されるスコロダイトには石膏が混入することになる
さらに他のpH調整剤として、例えばNaOHやKOHも好ましい。但し、NaOHやKOHは原料コストが高価である。さらに、その添加濃度に留意して、NaOHやKOHと砒素との反応時にジャロサイトを形成しないように注意することを求められる。従って、pH調整剤としてNaOHやKOHを用いる場合には、Mg(OH)やCa(OH)と併用する等して、その使用量を少量に抑制することが好ましい。
所望により、当該原料液中へさらに銅を添加するのも好ましい構成である。当該銅添加により、反応後液中の砒素濃度をより低減することが出来る場合がある。また、後述する生成したスコロダイトからの砒素の溶出値も低減出来る場合がある。
添加する銅は、金属銅や酸化銅等、所定の条件下で溶解し銅イオン供給可能なものは全て用いることが出来る。中でも、硫酸銅、酸化銅、金属銅(粉末も含む)、水酸化銅の形で添加することが好ましい。また、銅の添加量は、当該添加後における原料液中の銅濃度が50mg/L以上とすると、添加効果を確認することが出来る。銅の添加量の上限は原料コストから決定すれば良い。
当該スコロダイトの生成反応の終了時は、例えば、原料溶液中の砒素濃度をモニターまたは所定時間毎にサンプリングし、当該砒素濃度が所定値以下になることで判断することが出来る。さらに、工程が安定していれば反応完了時間を定め、当該時間の経過を以て反応の終了時と判断することも可能である。尤も、通常の場合、反応時間は2〜6時間である。
上述した、所定値のpH値を有する原料液へ酸化剤を添加しながら、pH調整剤を添加し、当該原料液のpH値の変動を所定値のpH値から、±0.1の幅内に保持するように制御しながら結晶性スコロダイトを生成させる反応の後半期(結晶性スコロダイトの生成が、ほぼ、終了した段階)において、前記pH所定値より高いpH値を再設定するのも好ましい構成である。当該構成による当該反応の後半期におけるpH値の再設定により、生成するスコロダイトの結晶生成反応に影響を及ぼすことなく、反応液中の砒素濃度を低減することが出来る。
これは、反応開始から1.5〜2時間において、原料液中の砒素濃度が30%以下に低下することによる。当該原料液中の砒素濃度が低下した時点以降を後半期として捉え、所定pH値を上昇させて、より高い所定pH値を再設定する構成である。
当該反応の後半期を、反応経過時間として把握し設定する場合は、全反応時間の後半(全反応時間における50〜90%経過時点)となる。後半のpH値の設定値は、最初の設定値より少なくとも0.2以上、高い値に再設定することが好ましい。再設定値が所定値pH値の制御幅より高ければ、pH値の再設定の効果を得ることが出来る。尤も、生成するスコロダイトの結晶性を保つ観点から、pH値は3以下を保つことが好ましい。
当該条件を遵守することで、砒素を含む種々の溶液から、2価鉄塩を用いて結晶性スコロダイト粒子を短時間で生成することが可能となった。そして、当該生成する結晶性スコロダイト粒子は砒素の溶出値が小さい。さらに、当該生成する結晶性スコロダイト粒子は濾過性が良好であり、実操業上のハンドリングに優れるものである。その上、本発明の実施においては、大規模な設備投資の必要がないものである。
以下、本発明について、実施例を参照しながら詳細に説明する。
(実施例1)
1)試験ユニットおよび試験規模
試験容器としては1Lビーカー使用を使用した。当該試験容器に設置する撹拌装置は、4枚邪魔板付き、2段タービン羽根を用い、酸素吹き込み開始後は強攪拌下で反応を行った。
このとき、1バッチ当たりにおける5価砒素元液の処理量は800mLとした。尚、試験は全て大気圧下で行った。
2)5価砒素元液の調製
試薬60%砒酸溶液72mLを量り取り、これを純水にて800mLへ希釈し、実施例1に係る5価砒素元液を得た。
当該5価砒素元液の砒素濃度は、分析の結果45.0g/Lであった。
3)2価鉄の添加
本実施例では2価鉄の添加源として、試薬硫酸第一鉄(FeSO・7HO)を用いた。
4)5価砒素元液に対する、2価鉄の添加量
スコロダイトの化学式はFeAsO・2HOで示される。従って、反応量論的には、スコロダイトの生成反応は砒素1モルに対し鉄1モルが反応する鉄・砒素のモル比が1.0の等モル反応である。
そこで、本実施例1においては、当該2価鉄塩の添加量を、鉄純分量として5価砒素元液中の砒素総モル量の1.5倍当量とし、鉄・砒素のモル比を1.5とした。具体的には、試薬硫酸第一鉄として200gである。
当該硫酸第一鉄は5価砒素元液と完全に溶解した。液温30℃とした当該溶解液へ、pH調整剤として硫酸を添加し、pH1.0に調整して原料液を調製した。
5)pH調整剤
本実施例1において、pH調整剤としての酸には上述したように硫酸を用い、反応中に用いる原料液のpH調整剤としてのアルカリにはMg(OH)を用いることとし、キシダ化学株式会社製試薬、水酸化マグネシウムMg(OH)(但し、assay min95%)を準備した。
以上、実施例1における1)〜5)の部分は、後述する実施例2〜9においても同様である。
6)スコロダイト生成反応
本発明の実施例1に係るスコロダイト生成反応のフロー図を図1に示す。以下、図1を参照しながらについて説明する。
試薬60%砒酸溶液72mLに純水を加え、800mLの5価砒素元液を調整し、さらに硫酸第一鉄塩200g添加し完全に溶解させ、次いでpH調整剤として硫酸を添加し、30℃にてpH1.0に調整して原料液を得た。次いで、当該原料液を加温し95℃とし、当該温度を保持した。このときの原料液のpH値は1.6であった。
ここで、当該原料液を強撹拌しながら、酸素ガスをビーカー底部からガラス管を介してバブリング法にて投入し、反応を開始した。酸素ガス導入量は950ml/minであり、酸素ガス導入開始時をスコロダイト生成反応の開始時、導入終了時をスコロダイト生成反応の終了時として反応時間を計測した。
反応開始と共に原料液のpH値は、スコロダイト生成反応に伴い自然に低下して行き、約30分間後に予め設定していた所定値のpH1.0まで低下した。
ここで当該スコロダイト生成反応中において、上述したpH調整剤としてMg(OH)粉体を適宜量添加した。
具体的には、原料液のpH値を、0.9を超え、1.1未満の範囲内に制御し、且つ、液温95℃を保持しながら反応を進め、4時間経過時点で当該反応を終了とした。そして、当該反応終了後の反応生成物を濾過して、濾過物と反応後液とを得た。
7)反応終了後の液中のAs濃度の測定
スコロダイトの生成反応終了後に得られた反応後液の砒素濃度を、ICPにより測定した。
8)生成したスコロダイトの評価
得られたスコロダイトの生成反応終了後の濾過物を純水洗浄した後、X線回折測定を行った結果、結晶性スコロダイトと同定された。
また、生成したスコロダイトからの砒素の溶出値は、環境告示13号に準拠した溶出試験に供じ測定した。尚、溶出後の検液の濾過は、孔径0.2μmのMCE(Mixed Cellulose Ester)製のフィルターを介して行った。得られた反応後液の砒素濃度、および、生成したスコロダイトからの砒素の溶出値を表1に示す。
(実施例2)
原料液へ試薬硫酸銅(CuSO・5HO)を355mg添加して溶解し、原料液中のCu濃度を100mg/Lとした以外は、実施例1と同様の操作を行った。
得られた反応後液の砒素濃度、および、生成したスコロダイトからの砒素の溶出値を表1に示す。
(実施例3)
原料液のpHの所定値を1.2とした以外は、実施例1と同様の操作を行った。
得られた反応後液の砒素濃度、および、生成したスコロダイトからの砒素の溶出値を表1に示す。
(実施例4)
原料液へ試薬硫酸銅(CuSO・5HO)を355mg添加溶解し、原料液中の銅濃度を100mg/Lとした以外は、実施例3と同様の操作を行った。
得られた反応後液の砒素濃度、および、生成したスコロダイトからの砒素の溶出値を表1に示す。
(実施例5)
原料液のpHの所定値を1.4とした以外は、実施例1と同様の操作を行った。
得られた反応後液の砒素濃度、および、生成したスコロダイトからの砒素の溶出値を表1に示す。
(実施例6)
原料液のpHの所定値を1.4とし、反応時間を7時間とした以外は、実施例1と同様の操作を行った。
得られた反応後液の砒素濃度、および、生成したスコロダイトからの砒素の溶出値を表1に示す。
(実施例7−1)
原料液へ試薬硫酸銅(CuSO・5HO)を355mg添加溶解して原料液中の銅濃度を100mg/Lとし、原料液のpHの所定値を1.4とし、反応時間を2時間とした以外は、実施例1と同様の操作を行った。
ここで、当該実施例7−1と、後述する実施例7−2および実施例7−3とは、一連の関連する実施例である。具体的には、実施例7−1では、2時間経過時点で反応を終了し、生成したスコロダイトのサンプリングを行い、当該スコロダイトの溶出値を評価した。当該時点でのスコロダイト生成とその性質を確認することを目的としたものである。
得られた反応後液の砒素濃度、および、生成したスコロダイトからの砒素の溶出値を表1に示す。
(実施例7−2)
反応時間を3時間とした以外は、実施例7−1と同様の操作を行った。
得られた反応後液の砒素濃度、および、生成したスコロダイトからの砒素の溶出値を表1に示す。
(実施例7−3)
反応時間を7時間とした以外は、実施例7−1と同様の操作を行った。
得られた反応後液の砒素濃度、および、生成したスコロダイトからの砒素の溶出値を表1に示す。
(実施例8)
実施例7−1と同様の操作で2時間反応させた後、pHの所定値を2.0としてさらに2時間反応させた以外は、実施例1と同様の操作を行った。
尚、両pHの所定値においても、変動幅は当該所定値から±0.1の範囲内に保持した。
得られた反応後液の砒素濃度、および、生成したスコロダイトからの砒素の溶出値を表1に示す。
(実施例9)
原料液へ試薬硫酸銅(CuSO・5HO)を355mg添加溶解し、原料液中の銅濃度を100mg/Lとし、当該原料液を95℃に加温し(この時点でのpH値は1.6)、次いでMg(OH)を添加し、pHの所定値を2.0とし、反応時間を6時間とした以外は、実施例1と同様の操作を行った。
得られた反応後液の砒素濃度、および、生成したスコロダイトからの砒素の溶出値を表1に示す。
(比較例1)
原料液へpH調整剤であるMg(OH)を添加せず、pH制御を行わず、成り行きに任せた以外は、実施例1と同様の操作を行った。
尚、反応終了4時間時点でのpH値は0.57を示した。
得られた反応後液の砒素濃度、および、生成したスコロダイトからの砒素の溶出値を表1に示す。
(比較例2)
原料液へpH調整剤であるMg(OH)を添加せず、pH制御を行わず、成り行きに任せ、反応時間を7時間とした以外は、実施例1と同様の操作を行った。
尚、反応終了7時間時点でのpH値は0.53を示した。
得られた反応後液の砒素濃度、および、生成したスコロダイトからの砒素の溶出値を表1に示す。
Figure 2011168467
表1に示す結果から、原料液のpH値の2.0以下である各々の所定値から±0.1の範囲に保持する制御を行うと、反応後液中の砒素濃度は1100〜50mg/L以下となっていた。また、得られた結晶物は砒素の溶出試験における溶出値が、環境基準である0.3mg/L以下となる良好な結晶性スコロダイトであった。つまり、反応後液中の砒素濃度は、原料液の1/40以下にまで激減し、溶出値が低い安定な結晶性スコロダイトを得ていることが判明した。
また、反応後半(全反応時間の50%経過時)において、pH値の所定値を初期値より高い範囲に再設定することによっても高い効果が得られ、反応後液中の砒素濃度がさらに低減することも判明した。

Claims (5)

  1. 5価砒素を含有する溶液に2価鉄イオンを共存させ、当該溶液を液温70℃以上、pH値を2.0以下の所定値に設定し、前記溶液へ酸化剤を添加しながら結晶性スコロダイトを生成させ、前記結晶性スコロダイト生成の際、前記溶液のpH値を、前記所定値pH値から±0.1の変動範囲内に制御するように、アルカリをpH調整剤とし、当該pH調整剤の添加量を制御することを特徴とする結晶性スコロダイトの生成方法。
  2. 前記砒素を含有する溶液へ、さらに、銅濃度として、50mg/L以上の銅を添加することを特徴とする請求項1に記載の結晶性スコロダイトの生成方法。
  3. 前記所定値のpH値を有する溶液へ、酸化剤を添加しながらpH調整剤も添加し、当該pH調整剤の添加量を制御することで、溶液pH値の変動を所定値pH値の±0.1の範囲内としながら、結晶性スコロダイトを生成させる反応の後半期において前記所定値より高いpH値を再設定する、ことを特徴とする請求項1または2に記載の結晶性スコロダイトの生成方法。
  4. 前記pH調整剤としてアルカリ土類金属類のアルカリ剤を用いることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の結晶性スコロダイトの生成方法。
  5. 前記酸化剤として酸素、空気、酸素含有ガス、空気希釈ガス、過酸化水素のいずれかの1種以上を用いることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の結晶性スコロダイトの生成方法。
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