JP2011165700A - 有機薄膜の形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】疎水性の高い成分の含有量を増やすことなく、有機薄膜の表面における純水の接触角を向上できる有機薄膜の形成方法を提供する。
【解決手段】有機薄膜の形成方法は、基板の上に、第1の成分と前記第1の成分より疎水性の高い第2の成分とを含む有機溶液を塗布する塗布工程と、前記塗布工程の後に、前記塗布された有機溶液を熱処理することにより膜形成する熱処理工程とを備え、前記塗布工程は、前記基板の上に前記有機溶液を滴下して、液体の気化した蒸気を第1の蒸気圧で含む雰囲気中で、前記滴下された有機溶液の厚さを均一化する第1の工程と、前記第1の工程の後に、前記液体の気化した蒸気を前記第1の蒸気圧より高い第2の蒸気圧で含む雰囲気中で、前記滴下された有機溶液の厚さを均一化する第2の工程とを含む。
【選択図】図1
【解決手段】有機薄膜の形成方法は、基板の上に、第1の成分と前記第1の成分より疎水性の高い第2の成分とを含む有機溶液を塗布する塗布工程と、前記塗布工程の後に、前記塗布された有機溶液を熱処理することにより膜形成する熱処理工程とを備え、前記塗布工程は、前記基板の上に前記有機溶液を滴下して、液体の気化した蒸気を第1の蒸気圧で含む雰囲気中で、前記滴下された有機溶液の厚さを均一化する第1の工程と、前記第1の工程の後に、前記液体の気化した蒸気を前記第1の蒸気圧より高い第2の蒸気圧で含む雰囲気中で、前記滴下された有機溶液の厚さを均一化する第2の工程とを含む。
【選択図】図1
Description
本発明は、有機薄膜の形成方法に関する。
近年、半導体装置の製造工程において、液浸露光と呼ばれる露光方法が注目されている。この液浸露光とは、露光装置の投影光学系(投影レンズ)と露光されるべき基板の上に形成されたレジスト膜との間を高屈折率の液浸液(純水)で満たしつつレジスト膜に潜像を形成する露光方法である。投影光学系とレジスト膜との間を液浸液(純水)で満たすことにより、より深い焦点深度を得ることができる。
一方、液浸露光では、基板の上に形成されたレジスト膜に直接接触するように純水が存在すると、レジスト(化学増幅型レジスト)膜内から純水内に光酸発生剤が溶出することがある。レジスト膜内から純水内に光酸発生剤が溶出すると、溶出した光酸発生剤が投影レンズへのコンタミを引き起こすので、後の露光工程における露光装置による結像精度(解像度)を低下させる。また、レジスト膜内から純水内に光酸発生剤が溶出すると、レジスト膜内に含まれる光酸発生剤の量自体が少なくなるので、後の露光工程で露光された領域における光酸発生剤による酸(H+)の放出が十分に行われなくなり、レジスト膜による感光精度(感光性能)を低下させる。これらにより、レジストパターンの形成不良(ウォータースポット)が発生する。
それに対して、疎水性を有する保護膜(トップコート)でレジスト膜の上を覆うことによりレジスト膜への純水の侵入を防止する技術が提案されている。その他にも、レジスト膜中に疎水性の高い成分を添加することにより、レジスト膜自体がその表面に疎水性を持つようにする技術も提案されている。この後者の技術を用いたレジストは、トップコートレスレジスト(疎水性成分含有レジスト)と呼ばれる。
特許文献1には、フォトレジスト樹脂及びフォト酸発生剤に加えて、そのフォトレジスト樹脂と実質的に非混和性である添加剤を含むフォトレジスト組成物が半導体ウエハに塗布(スピンコート)され、その後、塗布されたフォトレジスト組成物が120℃以下で約30〜60秒間熱処理(プリベーク)されフォトレジスト層が形成されることが記載されている。これにより、特許文献1によれば、酸および/または他のフォトレジスト物質がフォトレジスト層から液浸液中へ移動又は滲出することを減少させることができるとされている。
このフォトレジスト組成物では、フォトレジスト樹脂と実質的に非混和性である添加剤が、フォトレジスト樹脂及びフォト酸発生剤に比べて疎水性が高いと考えられる。このため、添加剤(疎水性の高い成分)の含有量が少ないと、スピンコート及びプリベークが行われ成分分子が固定された後において、フォトレジスト層の表面における疎水性が不十分となる傾向があり、フォトレジスト層(有機薄膜)の表面における液浸液(純水)の接触角を向上することが困難になる。
一方、フォトレジスト層の表面における疎水性を十分に確保するために、フォトレジスト組成物(有機溶液)における添加剤(疎水性の高い成分)の含有量を増やすと、塗布性が悪化する。また、後の現像工程では、添加剤の現像液溶解性が露光されたフォトレジスト組成物よりも低いため、フォトレジスト層の感光性能が劣化する。
本発明は、疎水性の高い成分の含有量を増やすことなく、有機薄膜の表面における純水の接触角を向上できる有機薄膜の形成方法を提供することを目的とする。
本願発明の一態様によれば、基板の上に、第1の成分と前記第1の成分より疎水性の高い第2の成分とを含む有機溶液を塗布する塗布工程と、前記塗布工程の後に、前記塗布された有機溶液を熱処理することにより膜形成する熱処理工程とを備え、前記塗布工程は、前記基板の上に前記有機溶液を滴下して、液体の気化した蒸気を第1の蒸気圧で含む雰囲気中で、前記滴下された有機溶液の厚さを均一化する第1の工程と、前記第1の工程の後に、前記液体の気化した蒸気を前記第1の蒸気圧より高い第2の蒸気圧で含む雰囲気中で、前記滴下された有機溶液の厚さを均一化する第2の工程とを含むことを特徴とする有機薄膜の形成方法が提供される。
本願発明の他の態様によれば、基板の上に、第1の成分と前記第1の成分より疎水性の高い第2の成分とを含む有機溶液を塗布する塗布工程と、前記塗布工程の後に、前記塗布された有機溶液を熱処理することにより膜形成する熱処理工程とを備え、前記塗布工程では、液体の気化した蒸気を第1の蒸気圧で含む雰囲気中で、前記基板の上に前記有機溶液を塗布し、前記熱処理工程は、前記液体の気化した蒸気を前記第1の蒸気圧より高い第2の蒸気圧で含む雰囲気中で、前記塗布された有機溶液を熱処理する工程を少なくとも含むことを特徴とする有機薄膜の形成方法が提供される。
本発明によれば、疎水性の高い成分の含有量を増やすことなく、有機薄膜の表面における純水の接触角を向上できる有機薄膜の形成方法を提供することができるという効果を奏する。
以下に添付図面を参照して、本発明の実施の形態にかかる有機薄膜の形成方法を詳細に説明する。なお、これらの実施の形態により本発明が限定されるものではない。
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態にかかる有機薄膜の形成方法について、図1を用いて説明する。図1(a)は、第1の実施の形態にかかる有機薄膜の形成方法を示すフローチャートである。図1(b)は、第1の実施の形態にかかる有機薄膜の形成方法における蒸気圧を示す図である。
第1の実施の形態にかかる有機薄膜の形成方法について、図1を用いて説明する。図1(a)は、第1の実施の形態にかかる有機薄膜の形成方法を示すフローチャートである。図1(b)は、第1の実施の形態にかかる有機薄膜の形成方法における蒸気圧を示す図である。
ステップS10(塗布工程)では、搬送系が、塗布装置へ基板を搬送する。塗布装置は、スピンコート法などにより、基板の上に有機溶液を塗布(回転塗布)する。基板は、例えば、シリコンなどの半導体で形成されている。有機溶液は、第1の成分と、第1の成分より疎水性の高い第2の成分とを含む。
第1の成分は、感光性を有する樹脂であってもよい。第1の成分は、例えば、ポジ型の化学増幅型レジストであり、アルカリ可溶性樹脂の極性基を(酸に対して不安定な)溶解抑止基で保護したベース樹脂と、光酸発生剤とを含む。ベース樹脂は、例えば、フォト酸不安定エステルまたはアセタール基を含有するアクリル樹脂である。光酸発生剤は、例えば、トリフェニルスルホニウム塩である。
あるいは、第1の成分は、例えば、ネガ型の化学増幅型レジストであり、ベース樹脂と、酸によってベース樹脂と縮合反応して架橋するための架橋剤と、光酸発生剤とを含む。ベース樹脂は、例えば、アクリル樹脂である。架橋剤は、例えば、尿素樹脂である。光酸発生剤は、例えば、トリフェニルスルホニウム塩である。
あるいは、第1の成分は、例えば、ノボラック樹脂と感光剤とを含むポジ型レジストである。あるいは、第1の成分は、例えば、環化イソプレンとアジド化合物とを含むネガ型レジストであってもよい。
第2の成分は、例えば、第1の成分より疎水性が高い樹脂である。第2の成分は、例えば、フッ素置換基(水素原子がフッ素原子で置換されたもの)を含有する樹脂である。フッ素置換基を含有する樹脂は、例えば、テトラフルオロエチレン、フッ素化芳香族基、フルオロ− スチレン化合物などが重合することにより形成された樹脂である。この樹脂では、フッ素原子が、樹脂の主鎖中で置換されていてもよいし、側鎖中で置換されていてもよい。
あるいは、第2の成分は、Si置換基(水素原子がSi原子で置換されたもの)を含有する樹脂である。Si置換基を含有する樹脂は、例えば、トリアルキルシリル基などが重合することにより形成された樹脂である。この樹脂では、Si原子が、樹脂の主鎖中で置換されていてもよいし、側鎖中で置換されていてもよい。
ステップS10は、ステップS11とステップS12とを含む。以下では、塗布装置における基板の処理ユニット内の雰囲気が、同じ温度に維持されているものとする。
ステップS11(第1の工程)では、塗布装置が、基板の上に有機溶液を滴下して、液体の気化した蒸気を蒸気圧(第1の蒸気圧)P1で含む雰囲気(低蒸気圧雰囲気、低相対湿度)中で、基板の上に滴下された有機溶液の厚さを均一化する。蒸気として気化されるべき液体は、親水性が高いもの、すなわち第1の成分が溶けにくい(当該液体に対し第1の成分が難溶性である)ものとすることができる。そのような液体は、例えば、水またはアルコール類を主成分とする。蒸気圧P1は、例えば、飽和蒸気圧の30〜50%の蒸気圧である。
具体的には、図1(b)に示すタイミングT0において、有機溶液を基板の上に滴下する。滴下された直後の有機溶液内では、図2(a)に示すように、第1の成分と第2の成分とが全体的に混在している。図2(a)では、第1の成分が、白色の大きな丸で示され、第2の成分が、黒色の小さな丸で示されている。
その後、塗布装置は、図1(b)に示すように、基板の処理ユニット内の雰囲気における蒸気圧を蒸気圧P1に所定時間HT1だけ保持する。所定時間HT1は、基板上に塗布された有機溶液が乾くのに十分な時間である。
タイミングT0から所定期間HT1経過後のタイミングT1において、滴下された有機溶液内では、図2(b)に示すように、表面付近の領域で第1の成分と第2の成分とが混在している。
ステップS12(第2の工程)では、塗布装置が、上記の液体の気化した蒸気を蒸気圧P1より高い蒸気圧(第2の蒸気圧)P2で含む雰囲気(高蒸気圧雰囲気、高相対湿度)中で、基板の上に滴下された有機溶液の厚さを均一化する。蒸気圧P2は、基板上に塗布された有機溶液の表面付近に上記の液体の気化した蒸気が浸透するのに十分な大きさを有する。蒸気圧P2は、例えば、飽和蒸気圧の70〜90%の蒸気圧である。
具体的には、図1(b)に示すタイミングT1〜T2の期間において、塗布装置が、基板の処理ユニット内の雰囲気における蒸気圧を蒸気圧P1から蒸気圧P2まで上昇させる。
その後、塗布装置は、図1(b)に示すように、基板の処理ユニット内の雰囲気における蒸気圧を蒸気圧P2に所定時間HT2だけ保持する。所定時間HT2は、基板上に塗布された有機溶液の表面付近に上記の液体の気化した蒸気が浸透するのに十分な時間である。
タイミングT2から所定期間HT2経過後のタイミングT3において、塗布された有機溶液内では、図2(c)に示すように、第2の成分(小さい黒丸)が有機溶液の表面付近に偏在しているとともに、第1の成分(大きな白色の丸)が有機溶液の内部から底面にかけて偏在している。
その後、図1(b)に示すタイミングT3〜T4の期間において、塗布装置が、基板の処理ユニット内の雰囲気における蒸気圧を蒸気圧P2から蒸気圧P1まで下降させる。
タイミングT4〜T5の期間において、搬送系は、有機溶液が塗布された基板を塗布装置から熱処理装置へ搬送する。
次に、ステップS2(熱処理工程)では、上記の液体の気化した蒸気を蒸気圧P2より低い蒸気圧(第3の蒸気圧)P3で含む雰囲気中で、塗布された有機溶液を熱処理(塗布後ベーク)する。蒸気圧P3は、例えば、飽和蒸気圧の30〜50%の蒸気圧である。これにより、有機薄膜を形成(膜形成)する。
具体的には、図1(b)に示すタイミングT5から、熱処理装置は、基板の処理ユニット内の雰囲気における蒸気圧を蒸気圧P3に所定時間HT3だけ保持する。所定時間HT3は、基板上に塗布された有機溶液中の余分な溶媒成分が蒸発して有機薄膜となるべき物質と基板との密着性が確保されるのに十分な時間である。なお、熱処理の温度は、第1の成分が感光成分(感光剤)を含む場合、その感光成分(感光剤)を破壊しない程度の温度に制御される。
このとき、有機薄膜内では、図2(d)に示すように、第2の成分が有機薄膜の表面付近に偏在しているとともに、第1の成分が有機薄膜の内部から底面にかけて偏在している。
なお、有機薄膜がフォトレジストに適用される場合、その後、搬送系は、有機薄膜が形成された基板を熱処理装置から露光装置へ搬送する。露光装置は、マスクを介して所定のパターンを有機薄膜へ転写するための液浸露光処理を行う。このとき、焦点深度を高めるために、露光装置の投影光学系(投影レンズ)と基板の上に形成された有機薄膜との間を高屈折率の液浸液(純水)で満たした状態で有機薄膜が露光される。これにより、有機薄膜に潜像が形成される。
液浸露光処理が完了した後、搬送系は、露光された有機薄膜及び基板を、露光装置から現像装置へ搬送する。現像装置は、アルカリ現像液を用いて、有機薄膜に形成された潜像を現像する。その後、搬送系は、現像された有機薄膜及び基板を第2の熱処理装置へ搬送する。第2の熱処理装置は、有機薄膜の耐エッチング性を高めるために、現像された有機薄膜を熱処理(ポストベーク)する。
あるいは、第1の成分がポジ型又はネガ型の化学増幅型レジストである場合、液浸露光処理が完了した後、搬送系は、露光された有機薄膜及び基板を、露光装置から第3の熱処理装置へ搬送してもよい。第3の熱処理装置は、光酸発生剤により発生した酸とベース樹脂との反応を促進するために、有機薄膜を熱処理(露光後ベーク)する。その後、搬送系は、有機薄膜及び基板を、第3の熱処理装置から現像装置へ搬送する。その後の処理は上記と同様である。
ここで、仮に、図5(a)に示すように、塗布工程(ステップS1)において、塗布装置が、図5(b)に示すように、基板の処理ユニット内の雰囲気における蒸気圧を蒸気圧P1に保持し続ける場合について考える。この場合、塗布された有機溶液内は、滴下された直後の第1の成分と第2の成分とが全体的に混在した状態(図6(a)参照)から、塗布工程の完了時に、塗布された有機溶液内における表面付近の領域で第1の成分と第2の成分とが混在している状態(図6(b)参照)までにしか変化しない。そして、その後の熱処理工程(ステップS2)において、熱処理装置は、図5(b)に示すように、その状態の有機溶液を熱処理する。このとき、熱処理装置は、基板の処理ユニット内の雰囲気における蒸気圧を蒸気圧P3に保持し続ける。これにより、形成された有機薄膜内では、図6(c)に示すように、依然として、表面付近の領域で第1の成分と第2の成分とが混在している。すなわち、有機薄膜内では、疎水性の高い第2の成分の偏在が不十分なまま分子配置が固定して成膜され、表面接触角が低い膜となる。
それに対して、第1の実施の形態によれば、塗布工程において、蒸気圧P1の雰囲気で基板の上に滴下された有機溶液の厚さを均一化し、その後、蒸気圧P1より高い蒸気圧P2の雰囲気で基板の上に滴下された有機溶液の厚さを均一化する。これにより、塗布された有機溶液(滴下された有機溶液)内の表面付近に液体の気化した蒸気が浸透するので、有機溶液内の表面付近に混在する第1の成分及び第2の成分がそれぞれ動きやすくなる。そして、蒸気圧に関わらず基本的に疎水性である雰囲気(気体)に対して親和性のある第2の成分が有機溶液の表面側へ移動し、雰囲気に対して親和性の低い第1の成分が有機溶液の内部へ移動するので、第2の成分が有機薄膜の表面付近に偏在しているとともに第1の成分が有機薄膜の内部から底面にかけて偏在している状態の有機薄膜を形成できる。この結果、第2の成分を有機薄膜の表面に偏析させて有機薄膜の表面における疎水性を効率的に高めることができるので、疎水性の高い成分の含有量を増やすことなく、有機薄膜の表面における純水の接触角を向上できる。
さらに、有機薄膜が化学増幅型のフォトレジストに適用される場合、後の液浸露光処理において、有機薄膜の表面における液浸液(純水)の接触角を向上できるので、有機薄膜内から純水内に光酸発生剤が溶出することを抑制できる。このため、露光装置による結像精度(解像度)の低下を抑制できる。また、有機薄膜内に含まれる光酸発生剤の量自体の減少を抑制できるので、レジスト膜による感光精度(感光性能)の低下も抑制できる。それに加えて、疎水性の高い成分の含有量を増やす必要がないので、疎水性の高い成分により散乱される光の割合の増加も抑制され、この観点からも、レジスト膜による感光精度(感光性能)の低下を抑制できる。これらにより、レジストパターンの形成不良(ウォータースポット)の発生を低減できる。
また、仮に、図1(b)に二点鎖線で示すように、塗布工程(ステップS11及びステップS12)において、塗布装置が、基板の処理ユニット内の雰囲気における蒸気圧を蒸気圧P2に保持し続ける場合について考える。この場合、塗布装置は、基板上に塗布された有機溶液が乾かないうちに、塗布された有機溶液内の表面付近に液体の気化した蒸気が浸透した状態(図2(c)参照)が維持されるので、基板上に塗布された有機溶液を乾かすために、所定時間HT1と所定時間HT2とを合わせた時間(HT1+HT2)に比べて非常に長い時間有機溶液の厚さの均一化を行わなければならなくなる。すなわち、基板上に塗布された有機溶液を乾かす処理を効率的に(短い時間で)行うことが困難になるので、塗布工程の処理時間が(HT1+HT2よりも)増加する。
それに対して、第1の実施の形態によれば、塗布工程において、蒸気圧P1の雰囲気で基板の上に滴下された有機溶液の厚さを所定時間HT1だけ均一化し、その後、蒸気圧P1より高い蒸気圧P2の雰囲気で基板の上に滴下された有機溶液の厚さを所定時間HT2だけ均一化する。これにより、塗布装置が所定時間HT1で有機溶液の厚さの均一化を行えば、基板上に塗布された有機溶液を乾かすことができる。すなわち、基板上に塗布された有機溶液を乾かす処理を効率的に(短い時間で)行うことができるので、塗布工程の処理時間の増加(HT1+HT2より増加すること)を抑制できる。
また、仮に、図1(b)に一点鎖線で示すように、ステップS2に相当する熱処理工程において、熱処理装置が、上記の液体の気化した蒸気を蒸気圧P2に略等しい蒸気圧P21で含む雰囲気(高蒸気圧雰囲気、高相対湿度)中で、塗布された有機溶液を熱処理(塗布後ベーク)する場合について考える。この場合、塗布された有機溶液内の表面付近に液体の気化した蒸気が浸透した状態(図2(c)参照)が維持されるので、有機溶液中の余分な溶媒成分を蒸発させ有機薄膜となるべき物質と基板との密着性を確保させるために、所定時間HT3に比べて非常に長い時間熱処理しなければならなくなる。すなわち、有機溶液中の余分な溶媒成分を蒸発させ有機薄膜となるべき物質と基板との密着性を確保させる処理を効率的に(短い時間で)行うことが困難になる。
それに対して、第1の実施の形態によれば、熱処理工程(ステップS2)において、蒸気圧P2より低い蒸気圧P3の雰囲気中で、塗布された有機溶液を熱処理(塗布後ベーク)する。これにより、熱処理装置が所定時間HT3熱処理すれば、有機溶液中の余分な溶媒成分を蒸発させ有機薄膜となるべき物質と基板との密着性を確保させることができる。すなわち、有機溶液中の余分な溶媒成分を蒸発させ有機薄膜となるべき物質と基板との密着性を確保させる処理を効率的に(短い時間で)行うことができる。
また、仮に、蒸気として気化されるべき液体が、親水性が低いもの、すなわち第1の成分が溶けやすいものとした場合について考える。そのような液体は、例えば、極性の低い有機系の溶剤(例えば、シンナー)を主成分とする。この場合、塗布装置が蒸気圧P2の雰囲気(高蒸気圧雰囲気、高相対湿度)中で、滴下された有機溶液の厚さを均一化する工程において、上記の液体の気化した蒸気は、塗布された有機溶液における表面付近だけでなく内部の深い位置まで浸透する可能性がある。蒸気が内部の深い位置まで浸透すると、後の熱処理工程(ステップS2)において、有機溶液中の余分な溶媒成分を蒸発させ有機薄膜となるべき物質と基板との密着性を確保させるために、所定時間HT3に比べて非常に長い時間熱処理しなければならなくなる。すなわち、有機溶液中の余分な溶媒成分を蒸発させ有機薄膜となるべき物質と基板との密着性を確保させる処理を効率的に(短い時間で)行うことが困難になる。
それに対して、第1の実施の形態によれば、蒸気として気化されるべき液体は、親水性が高いもの、すなわち第1の成分が溶けにくいものとすることができる。そのような液体は、例えば、水またはアルコール類を主成分とする。この場合、塗布装置が蒸気圧P2の雰囲気(高蒸気圧雰囲気、高相対湿度)中で、滴下された有機溶液の厚さを均一化する工程(ステップS12)において、上記の液体の気化した蒸気を、塗布された有機溶液における内部の深い位置まで浸透しないように、塗布された有機溶液における表面付近に浸透させることができる。これにより、後の熱処理工程において、有機溶液中の余分な溶媒成分を蒸発させ有機薄膜となるべき物質と基板との密着性を確保させる処理を効率的に(短い時間で)行うことができる。
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態にかかる有機薄膜の形成方法について、図3を用いて説明する。図3(a)は、第2の実施の形態にかかる有機薄膜の形成方法を示すフローチャートである。図3(b)は、第2の実施の形態にかかる有機薄膜の形成方法における蒸気圧を示す図である。なお、以下では、第1の実施の形態と異なる部分を中心に説明する。
次に、第2の実施の形態にかかる有機薄膜の形成方法について、図3を用いて説明する。図3(a)は、第2の実施の形態にかかる有機薄膜の形成方法を示すフローチャートである。図3(b)は、第2の実施の形態にかかる有機薄膜の形成方法における蒸気圧を示す図である。なお、以下では、第1の実施の形態と異なる部分を中心に説明する。
第2の実施の形態にかかる有機薄膜の形成方法では、ステップS10(図1(a)参照)に代えて、基板の処理ユニット内の雰囲気における蒸気圧を蒸気圧P1で保持し続けるステップS1を含む。これにより、塗布された有機溶液内は、滴下された直後の第1の成分と第2の成分とが全体的に混在した状態(図4(a)参照)から、塗布工程の完了時に、塗布された有機溶液内における表面付近の領域で第1の成分と第2の成分とが混在している状態(図4(b)参照)まで変化する。
次に、ステップS20(熱処理工程)では、塗布された有機溶液を熱処理(塗布後ベーク)する。これにより、有機薄膜を形成(膜形成)する。このステップS20は、ステップS21(第1の工程)とステップS22(第2の工程)とを含む。
ステップS21では、熱処理装置が、上記の液体の気化した蒸気を蒸気圧P1より高い蒸気圧(第2の蒸気圧)P22で含む雰囲気(高蒸気圧雰囲気、高相対湿度)中で、塗布された有機溶液を熱処理する。蒸気圧P22は、基板上に塗布された有機溶液の表面付近に上記の液体の気化した蒸気が浸透するのに十分な大きさを有する。蒸気圧P22は、例えば、飽和蒸気圧の70〜90%の蒸気圧である。
具体的には、図3(b)に示すタイミングT5〜T26の期間において、熱処理装置が、基板の処理ユニット内の雰囲気における蒸気圧を蒸気圧P3(≒蒸気圧P1)から蒸気圧P22まで上昇させる。
その後、熱処理装置は、図3(b)に示すように、基板の処理ユニット内の雰囲気における蒸気圧を蒸気圧P22に所定時間HT22だけ保持する。所定時間HT22は、基板上に塗布された有機溶液の表面付近に上記の液体の気化した蒸気が浸透するのに十分な時間である。
なお、図3(b)に示すタイミングT5以前に、熱処理装置が、予め、基板の処理ユニット内の雰囲気における蒸気圧を蒸気圧P22まで上昇させておいてもよい。この場合、タイミングT5の直前からT5までの期間において、搬送系は、有機溶液が塗布された基板を塗布装置から(基板の処理ユニット内の雰囲気における蒸気圧がすでに蒸気圧P22になっている)熱処理装置へ搬送することになる。その後、熱処理装置は、基板の処理ユニット内の雰囲気における蒸気圧を蒸気圧P22に所定時間HT22だけ保持する点は上記と同様である。
タイミングT26から所定期間HT22経過後のタイミングT27において、塗布された有機溶液内では、図4(c)に示すように、第2の成分(小さい黒丸)が有機溶液の表面付近に偏在しているとともに、第1の成分(大きな白色の丸)が有機溶液の内部から底面にかけて偏在している。
その後、図3(b)に示すタイミングT27〜T28の期間において、熱処理装置が、基板の処理ユニット内の雰囲気における蒸気圧を蒸気圧P22から蒸気圧P23まで下降させる。蒸気圧(第3の蒸気圧)P23は、蒸気圧(第2の蒸気圧)P22より低い。蒸気圧P23は、例えば、飽和蒸気圧の30〜50%の蒸気圧である。
図3(b)に示すタイミングT28から、熱処理装置は、基板の処理ユニット内の雰囲気における蒸気圧を蒸気圧P23に所定時間HT23だけ保持する。所定時間HT23は、基板上に塗布された有機溶液中の余分な溶媒成分が蒸発して有機薄膜となるべき物質と基板との密着性が確保されるのに十分な時間である。なお、熱処理の温度は、第1の成分が感光成分(感光剤)を含む場合、その感光成分(感光剤)を破壊しない程度の温度に制御される。
このとき、有機薄膜内では、図4(d)に示すように、第2の成分が有機薄膜の表面付近に偏在しているとともに、第1の成分が有機薄膜の内部から底面にかけて偏在している。
第2の実施の形態によれば、熱処理工程の前半(ステップS21)において、蒸気圧P1より高い蒸気圧P22の雰囲気中で、塗布された有機溶液を熱処理する。これにより、塗布された有機溶液内の表面付近に液体の気化した蒸気が浸透するので、有機溶液内の表面付近に混在する第1の成分及び第2の成分がそれぞれ動きやすくなる。そして、蒸気圧に関わらず基本的に疎水性である雰囲気(気体)に対して親和性のある第2の成分が有機溶液の表面側へ移動し、雰囲気に対して親和性の低い第1の成分が有機溶液の内部へ移動するので、第2の成分が有機薄膜の表面付近に偏在しているとともに第1の成分が有機薄膜の内部から底面にかけて偏在している状態の有機薄膜を形成できる。このように、第2の実施の形態によっても、第2の成分を有機薄膜の表面に偏析させて有機薄膜の表面における疎水性を効率的に高めることができるので、疎水性の高い成分の含有量を増やすことなく、有機薄膜の表面における純水の接触角を向上できる。
また、仮に、図3(b)に一点鎖線で示すように、熱処理工程の後半(ステップS22に相当する工程)において、熱処理装置が、上記の液体の気化した蒸気を蒸気圧P22に保持し続ける場合について考える。この場合、塗布された有機溶液内の表面付近に液体の気化した蒸気が浸透した状態(図4(c)参照)が維持されるので、有機溶液中の余分な溶媒成分を蒸発させ有機薄膜となるべき物質と基板との密着性を確保させるために、所定時間HT23に比べて非常に長い時間熱処理しなければならなくなる。すなわち、有機溶液中の余分な溶媒成分を蒸発させ有機薄膜となるべき物質と基板との密着性を確保させる処理を効率的に(短い時間で)行うことが困難になる。
それに対して、第2の実施の形態によれば、熱処理工程の後半(ステップS22)において、蒸気圧P22より低い蒸気圧P23の雰囲気中で、塗布された有機溶液を熱処理(塗布後ベーク)する。これにより、熱処理装置が所定時間HT23熱処理すれば、有機溶液中の余分な溶媒成分を蒸発させ有機薄膜となるべき物質と基板との密着性を確保させることができる。すなわち、有機溶液中の余分な溶媒成分を蒸発させ有機薄膜となるべき物質と基板との密着性を確保させる処理を効率的に(短い時間で)行うことができる。
なお、第1の実施の形態と第2の実施の形態とを組み合わせてもよい。すなわち、有機薄膜の形成方法において、図1(a)に示すステップS10が行われ、その後に、図3(a)に示すステップS20が行われてもよい。
P1,P2,P3,P22,P23 蒸気圧、 S1,S2,S10,S11,S12,S20,S21,S22 ステップ
Claims (5)
- 基板の上に、第1の成分と前記第1の成分より疎水性の高い第2の成分とを含む有機溶液を塗布する塗布工程と、
前記塗布工程の後に、前記塗布された有機溶液を熱処理することにより膜形成する熱処理工程と、
を備え、
前記塗布工程は、
前記基板の上に前記有機溶液を滴下して、液体の気化した蒸気を第1の蒸気圧で含む雰囲気中で、前記滴下された有機溶液の厚さを均一化する第1の工程と、
前記第1の工程の後に、前記液体の気化した蒸気を前記第1の蒸気圧より高い第2の蒸気圧で含む雰囲気中で、前記滴下された有機溶液の厚さを均一化する第2の工程と、
を含む
ことを特徴とする有機薄膜の形成方法。 - 基板の上に、第1の成分と前記第1の成分より疎水性の高い第2の成分とを含む有機溶液を塗布する塗布工程と、
前記塗布工程の後に、前記塗布された有機溶液を熱処理することにより膜形成する熱処理工程と、
を備え、
前記塗布工程では、液体の気化した蒸気を第1の蒸気圧で含む雰囲気中で、前記基板の上に前記有機溶液を塗布し、
前記熱処理工程は、
前記液体の気化した蒸気を前記第1の蒸気圧より高い第2の蒸気圧で含む雰囲気中で、前記塗布された有機溶液を熱処理する工程を少なくとも含む
ことを特徴とする有機薄膜の形成方法。 - 前記熱処理工程では、前記液体の気化した蒸気を前記第2の蒸気圧より低い第3の蒸気圧で含む雰囲気中で、前記塗布された有機溶液を熱処理する
ことを特徴とする請求項1に記載の有機薄膜の形成方法。 - 前記熱処理工程は、前記液体の気化した蒸気を前記第2の蒸気圧で含む雰囲気中で、前記塗布された有機溶液を熱処理する工程の後に、前記液体の気化した蒸気を前記第2の蒸気圧より低い第3の蒸気圧で含む雰囲気中で、前記塗布された有機溶液を熱処理する工程をさらに含む
ことを特徴とする請求項2に記載の有機薄膜の形成方法。 - 前記液体は、水またはアルコール類を主成分とする
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の有機薄膜の形成方法。
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