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JP2011152720A - 樹脂封止シートの製造方法及び樹脂封止シート - Google Patents

樹脂封止シートの製造方法及び樹脂封止シート Download PDF

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JP2011152720A JP2010015952A JP2010015952A JP2011152720A JP 2011152720 A JP2011152720 A JP 2011152720A JP 2010015952 A JP2010015952 A JP 2010015952A JP 2010015952 A JP2010015952 A JP 2010015952A JP 2011152720 A JP2011152720 A JP 2011152720A
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雅己 庄司
Mitsuyoshi Itada
光善 板田
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政彦 川島
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Abstract

【課題】接着性及び耐クリープ特性に優れるとともに、熱収縮率が低い樹脂封止シートを効率よく製造できる製造方法を提供すること。
【解決手段】樹脂を環状ダイ(10)から溶融押出して円筒状に製膜する製膜工程と、前記製膜工程により得られた円筒状の押出物の側面を押しつぶすことにより、平板状の押出物とすることを少なくとも行う成形工程と、を含む樹脂封止シートの製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、樹脂封止シートの製造方法及びそれにより得られる樹脂封止シートに関する。
近年、太陽エネルギーを利用したクリーンな発電方法として太陽光発電が注目されている。太陽光発電は太陽光のエネルギーを直接的に電力に変換するものであり、太陽電池モジュールにより行われている。太陽電池モジュールは野外に設置されることが多いため、長期間風雨に曝される。発電部分を樹脂封止シートで挟んで、ガラスやバックシートでさらに外側を被覆し、これらを高温でラミネートすることにより全体を一体化(モジュール化)する。これにより外部からの水分の浸入を防止し、発電部分の保護や漏電防止等を図っている。太陽光を受光する面(発電面)は、発電に必要な光を透過する必要があるため、発電面の基板には透明なガラスや透明樹脂が使用されている。発電部分の裏面(非発電面)の基板にはバックシートと呼ばれるアルミ箔、フッ化ポリビニル樹脂(PVF)、ポリエチレンテレフタレート(PET)あるいはそれらをバリアーコート加工した積層樹脂シートが使用されている。
ここで、樹脂封止シートに要求される性能として、<1>ガラス、発電部分、バックシート等との接着性、<2>高温状態での樹脂封止シートの溶融に起因する発電部分の流動防止(耐クリープ性)、<3>太陽光を阻害しない透明性等が挙げられる。
通常、樹脂封止シートはエチレン−酢酸ビニル共重合体(以下、EVAという場合がある。)が用いられている。EVAに、紫外線劣化対策として耐光剤や紫外線吸収剤、ガラスとの接着性向上のためのカップリング剤、架橋のための有機過酸化物等の添加剤を配合し、Tダイ製膜法やカレンダー製膜法によってシート化されたものが用いられている。このようなEVA系の樹脂封止シートを用いる場合、用いる樹脂の溶融温度以上(EVAの場合は150℃程度の温度条件)で余熱工程とプレス工程を経て、樹脂封止シートを溶融させて各種部材を貼り合わせて一体化する。このような太陽電池用の樹脂封止シートの製造方法として、環状ダイを用いる方法、Tダイ製膜法、カレンダー製膜方等が主に採用されている。
環状ダイを用いる方法としては、例えば、高温で溶融させた樹脂を環状ダイより環状に押出して円筒状に製膜し、円筒状に製膜されたシートを冷却固化した後にその一端をニップロールにて封止し、空気を吹き込むことで円筒状の押出物とし、これを切り開いて平板状のシートとして巻き取る方法が挙げられる。環状ダイを用いる方法は、安価な設備で高速な製膜が可能である。
Tダイ製膜法としては、例えば、特許文献1に、架橋剤として有機過酸化物を含有し、Tダイより樹脂を溶融押出することにより製膜する樹脂封止シートが開示されている。
カレンダー製膜法としては、例えば、特許文献2に、架橋剤として有機過酸化物を含有し、カレンダー製膜法により製膜する樹脂封止シートが開示されている。
特公平1−52428号公報 特開2000−84967号公報
しかしながら、環状ダイを用いる方法において、柔らかい樹脂を用いる場合、円筒状の押出物の側面の内表面同士がブロッキングし易いため(内部ブロッキング)、製膜後の円筒状の押出物を切り開くことが難しく、1枚のシートに成形することが困難であるという問題がある。この傾向はインフレーション法を用いて製膜する場合に顕著である。
特許文献1等のTダイ製膜法では、Tダイ内の滞留部が多いため、Tダイ内の温度履歴や滞留時間がシート中心部とシート端部とで違うため、シート中心部とシート端部とで膜厚や性能のばらつきが生じる。また、所望するシート幅に合わせてダイの交換を頻繁に行う必要が製膜時に生じるため簡便でない。溶融押出された樹脂は急速に冷却してしまうため、シート内に配向が生じる。かかる配向が生じることで、太陽電池のモジュール化の際に樹脂封止シートが収縮するため、発電部分のずれや破損を引き起こす。この配向を除去するためにアニール処理が別途必要となり、製膜時の工程数が増加するうえに、膜厚がばらついたり平坦性が悪かったりするという問題もある。
特許文献2等のカレンダー製膜法では、樹脂の溶融粘度の影響が大きいため、使用できる樹脂が限られる上、多層構造のシートは製膜できないという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、接着性及び耐クリープ特性に優れるとともに、熱収縮率が低い樹脂封止シートを効率よく製造できる製造方法を提供することを主な目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、樹脂を環状ダイから溶融押出して円筒状に製膜する製膜工程と、前記製膜工程により得られた円筒状の押出物の側面を押しつぶすことにより、平板状の押出物とすることを少なくとも行う成形工程と、を含む製造方法とすることにより、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は下記の通りである。
〔1〕
樹脂を環状ダイから溶融押出して円筒状に製膜する製膜工程と、
前記製膜工程により得られた円筒状の押出物の側面を押しつぶすことにより、平板状の押出物とすることを少なくとも行う成形工程と、
を含む樹脂封止シートの製造方法。
〔2〕
前記製膜工程において、前記樹脂を前記環状ダイから上向き方向又は下向き方向に溶融押出しするインフレーション法によって前記円筒状の押出物を製膜する、〔1〕に記載の樹脂封止シートの製造方法。
〔3〕
前記環状ダイから溶融押出しされた押出物を、水冷又は空冷により冷却固化させる冷却工程をさらに含む、〔1〕又は〔2〕記載の樹脂封止シートの製造方法。
〔4〕
前記環状ダイが多層環状ダイである、〔1〕〜〔3〕のいずれか一項に記載の樹脂封止シートの製造方法。
〔5〕
前記成形工程において、前記円筒状の押出物の前記側面を安定板で重ね合わせた後、ニップロールにより前記押出物の前記側面を押しつぶすことにより、平板状の押出物にする、〔1〕〜〔4〕のいずれか一項に記載の樹脂封止シートの製造方法。
〔6〕
前記平板状の押出物を軟質化させた後、エンボス加工及び/又は梨地加工を行う工程をさらに含む、〔1〕〜〔5〕のいずれか一項に記載の樹脂封止シートの製造方法。
〔7〕
前記軟質化が、赤外線加熱、熱風加熱、及び加熱ロールからなる群より選ばれる少なくとも1種以上の方法により行われる、〔6〕に記載の樹脂封止シートの製造方法。
〔8〕
前記平板状の押出物に、電離性放射線照射による架橋処理を施す工程をさらに含む、〔1〕〜〔7〕のいずれか一項に記載の樹脂封止シートの製造方法。
〔9〕
前記樹脂が、(a)(a1)エチレンモノマーと、(a2)酢酸ビニル、脂肪族不飽和カルボン酸及び脂肪族不飽和カルボン酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1種以上のモノマーと、の共重合体、及び(b)ポリオレフィン系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種以上を含む樹脂である、〔1〕〜〔8〕のいずれか一項に記載の樹脂封止シートの製造方法。
〔10〕
前記樹脂封止シートが多層構造であり、かつ
前記樹脂封止シートの表面層が、水酸基を持つオレフィン系樹脂、酸性官能基で末端変性もしくはグラフト変性された変性ポリオレフィン系樹脂、及びグリシジルメタクリレートを含むエチレン共重合体からなる群より選択される少なくとも1種以上の接着性樹脂を含む、〔1〕〜〔9〕のいずれか一項に記載の樹脂封止シートの製造方法。
〔11〕
〔1〕〜〔10〕のいずれか一項に記載の方法によって製造された樹脂封止シート。
〔12〕
透光性絶縁基板と、
バックシートと、
前記透光性絶縁基板と前記バックシートとの間に配置される発電素子と、
前記透光性絶縁基板と前記バックシートとの間で前記発電素子を封止する、〔11〕に記載の樹脂封止シートと、
を備える太陽電池モジュール。
本発明によれば、接着性及び耐クリープ特性に優れるとともに、熱収縮率が低い樹脂封止シートを効率よく製造できる製造方法を提供することができる。
本実施の形態に係る樹脂封止シートの製造方法の一例を示す概略図である。 本実施の形態の製造方法において施されるエンボス形状の一例を示す概略上面図である。 図2のA−A’線に沿う断面図である。 本実施の形態の製造方法において施されるエンボス形状の別の一例を示す概略上面図である。 図4のB−B’線に沿う断面図である。 本実施の形態に係る樹脂封止シートの製造方法においてエンボス形状又は梨地加工を行う場合の一例を示す概略図である。 本実施の形態に係る太陽電池モジュールの一態様を示す断面図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施の形態」という。)について、必要に応じて図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の本実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。なお、図面中、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
図1は、本実施の形態の樹脂封止シートの製造方法の一例を示す概略図である。
本実施の形態の樹脂封止シートの製造方法は、
樹脂を環状ダイ10から溶融押出して円筒状に製膜する製膜工程と、
前記製膜工程により得られた円筒状の押出物の側面を押しつぶすことにより、平板状の押出物とすることを少なくとも行う成形工程と、
を含む。
本実施の形態の製造方法では、製膜工程において円筒状の押出物を得るが、これを切り開かずに、その側面を押しつぶすことで平板状の押出物とする。これにより、シート厚のバラツキがなく熱収縮率が小さい樹脂封止シートを、内部ブロッキングすることなく、簡便かつ経済的に製造できる。このようにして得られた樹脂封止シートは、接着性及び耐クリープ特性に優れるとともに、熱収縮率が低く、さらにはシート厚が均一であるのでシートの部位による物性のバラツキがないため、太陽電池モジュールの樹脂封止シートとして好適に用いることができる。
(製膜工程)
樹脂を押出機12により溶融混練して混練物とし、この混練物を、ポリマーパイプ14を経て環状ダイ10に送り、環状ダイ10の開口部(図示せず)から押出すことで、円筒状の押出物とする。円筒状の押出物はチューブ、チューブ状フィルム等と呼ばれることもある。
押出機12の種類は、特に限定されず、公知のものを用いることもできる。例えば、一軸のスクリュー押出機、二軸のスクリュー押出機等が挙げられる。本実施の形態において、用いる押出機12は1台でもよいし、複数台であってもよい。押出機は1台であっても製膜は可能であるが、単層の樹脂封止シートだけでなく多層の樹脂封止シートも製造できる観点から、2台以上の押出機を用いることが好ましい。製造工程における制御容易性や設置構成の簡便さ等の観点から、2〜5台の押出機を用いることがより好ましい。
ポリマーパイプ14は、環状ダイ10と押出機12とを接続するパイプであり、押出機12で溶融混練した混練物を環状ダイ10へと移すために使用される。ポリマーパイプ14の形状や大きさは特に限定されず、混練物の成分や量に応じて好適な形状や大きさとすることができる。例えば、ポリマーパイプ14は分岐構造であってもよい。1台の押出機12に分岐したポリマーパイプ14を接続させることで、環状ダイ10の2箇所以上の樹脂挿入口(図示せず)にポリマーパイプ14を夫々接続する構造としてもよい。未溶融の樹脂や異物を除去するため、ポリマーパイプ14の前後に少なくとも1枚の金属製のメッシュ(図示せず)を配置していることが好ましい。
環状ダイ10は、市販されている公知の環状ダイを用いることができる。例えば、後述するインフレーション法により製膜する場合、混練した樹脂を側面から供給するマニホールド型ダイやマンドレル型ダイ、混練した樹脂を中央から供給するスパイダー型やスパイラル型(スパイラルマンドレル型、スタースパイラル型)等を用いることができる。これらの中でも、多層構造の樹脂封止シートを簡便に製造できる観点から、多層環状ダイが好ましい。
多層環状ダイは、ポリマーパイプ14を介して複数の押出機12と接続されることで、ダイから押出す前の段階で複数の樹脂を積層化できるため好ましい。多層環状ダイを用いることで、複数の樹脂層からなる多層構造の樹脂封止シートを効率よく製造できる。例えば、3種類の組成の樹脂を3台の押出機12からそれぞれポリマーパイプ14で多層環状ダイに接続し、重ねて押し出すことで、3種類の樹脂を積層したシートを製膜できる。さらに、分岐のあるポリマーパイプを用いることで、同一種類の組成の樹脂を複数回、重ねることができ、押出機12の使用台数よりも層の数が多い多層構造の樹脂封止シートを製造できるため、生産効率がさらに向上する。多層構造の樹脂封止シートについては後述する。
環状ダイ10は、押出した円筒状の押出物の内側に空気を吹き込むための空気孔が形成されていてもよい。インフレーション法では、環状ダイ10より樹脂を押し出すことで得られる円筒状の押出物を安定板16で折りたたみ、後述する一対のニップロール18で円筒状の押出物の端部を封止して空気が漏れないようにした上で、その円筒状の押出物の内側に空気を吹き込む。これにより、環状ダイ10から押出された直後の溶融樹脂が引き伸ばされる。その際、特に肉厚である部分が優先的に引き伸ばされる。これにより偏肉することなく膜厚を均一できるため、膜厚精度に優れている。ここで、インフレーション法とは、環状ダイ10から押出物の内部に空気等を入れることで膨張させることを少なくとも行う方法をいう。空気の吹き込み量は、特に限定されず、円筒状の押出物の膨張性(例えば、ブロー比等)に基づいて決定できる。ブロー比は、環状ダイ10の口径に対する円筒状の押出物の直径の比で定義される。安定して製膜するためには、ブロー比の値が0.5〜5の範囲であることが好ましく、0.5〜3の範囲であることがより好ましく、0.7〜3の範囲であることがさらに好ましい。上記範囲のブロー比とすることで、得られる押出物の膜厚精度をより向上させることができるとともに、さらなる薄肉化が可能となる。
環状ダイ10から溶融樹脂を押し出す方向は、特に限定されず、上向き方向、水平方向、下向き方向のいずれでもよいが、インフレーション法の場合、上向き方向又は下向き方向であることが好ましい。下向き方向に樹脂を引き出す場合は、溶融張力の高い樹脂を押出して製膜する場合により好ましい。上向き方向に引き出す場合は、溶融張力の低い樹脂を押出して製膜する場合により好ましい。
環状ダイ10から溶融押出された押出物は、水冷又は空冷により冷却されることが好ましい。ここで、水冷とは、溶融押出しされた円筒状の押出物を流水に接触させることで冷却する方法(以下、「水冷法」という場合がある)である。空冷とは、溶融樹脂の温度よりも低温の空気を吹付けることにより冷却する方法(以下、「空冷法」という場合がある)である。
水冷法は、冷却装置の大きさに制限を受けるため、押出物の巻取り幅(シート幅)は空冷法に比べて小さくなるが、押出物を急速に冷却できることから、収縮性を有する樹脂を製膜する場合や、透明度の高い樹脂を製膜する場合に好適である。水冷する方法としては、特に限定されず、製膜した押出物の内外面を水冷ジャケットに接触させる方法や、水槽により冷却させる方法等が挙げられる。
空冷法は、水冷法と比較してゆっくりと押出物を冷却するため、溶融押出や巻取り時に生じた配向を緩和することができるため、収縮率が特に低い樹脂シートを製膜する場合や、広幅の樹脂シートを製膜する場合に好適である。空冷する方法としては、特に限定されず、エアーリング装置により円筒状押出物の外側に空気を吹き付ける方法や、チューブ状の樹脂シートの内側に空気を吹き込む方法や、これらを併用する方法が挙げられる。これにより膨張と同時に押出物を冷却固化させることが可能となる。エアーリング装置は1台単独でもよいし複数台を用いてもよいが、装置構成が大掛かりとならない観点から、1〜3台であることが好ましい。
(成形工程)
続いて、成形工程として、製膜工程により得られた円筒状の押出物の側面の内部表面同士を安定板16で重ね合わせた後、ニップロール18で押出物の側面を外側から押しつぶすことで、円筒状の押出物の側面を一体化させることができる。これにより平板状の押出物とすることができる。例えば、従来、太陽電池用の樹脂封止シートの製造方法の一つとしてインフレーション法を用いることは検討されていたが、製膜した円筒状の押出物を切り開いて平板状にする際に、押出物の側面同士が内部ブロッキングするため、均一な膜厚にできないことから、膜厚精度等が要求される樹脂封止シートの製造方法として好適な方法とはいえなかった。しかしながら、本実施の形態では、円筒状の押出物を切り開かずに、その側面を押しつぶして一体化させたものを1枚のシートとするため、内部ブロッキングの問題は発生しない。その結果、従来のインフレーションの利点を維持しつつ、膜厚や物性が均一である樹脂封止シートを安定的に製膜できる。本実施の形態においては、少なくとも前記円筒状の押出物の側面を押しつぶすことで平板状の押出物とすることができればよく、その方法は特に限定されないが、円筒状の押出物の側面を重ね合わせた後に、ニップロール18により押出物の側面を押しつぶすことが好ましい。
円筒状の押出物の側面を重ね合わせる方法は特に限定されないが、安定板16を用いることが好ましい。円筒状の押出物の側面を押しつぶして一体化する前に、安定板16により押出物の側面を重ね合わせることで、重ね合わせの位置決め精度を向上させることができる。ここで、安定板16とは、円筒状の押出物の側面をガイドすることで押出物の側面の少なくとも一部を重ね合わせることができるものであればよく、案内板やガイド等と呼ばれることもある。安定板16の形状や大きさは、特に限定されず、例えば、インフレーション法に用いられている公知の安定板を用いることもできる。インフレーションされた円筒状の押出物の端部をニップロール18により封止する前に、安定板16等によって円筒状の押出物を折りたたんでおくことで、封止時の皺の発生を効果的に抑制できる。安定板16の表面は、樹脂等の付着を防ぐ観点から、フッ素樹脂等の非粘着性樹脂により被覆されていることが好ましい。
ニップロール18は1対のロールからなり、安定板16の後(すなわち、ラインの下流側)に配置されている。安定板16により折りたたまれた押出物の端部をニップロール18で封止することで、環状ダイ10から空気を吹き込んだときに空気が抜けないようにする。本実施の形態ではニップロール18で押出物を封止するとともに、押出物の内表面同士を密着させて一体化させることで、平板状の押出物とすることができる。ニップロール18の表面は、上述の安定板16と同様に、樹脂等の付着を防ぐ観点から、フッ素樹脂等の非粘着性樹脂により被覆されていることが好ましい。
安定板16及びニップロール18は、製造ライン上に固定されていてもよいが、バブルをねじるように回転する機構を備えていてもよい。安定板16及びニップロール18を回転させることで、樹脂シートSの幅方向の厚みのムラをより減らすことができる。円筒状の押出物を安定板16で折りたたんだ後にニップロール18により内部表面を一体化させ、平板状の樹脂シートSとすることができる。本実施の形態で使用する樹脂は、1種類でもよいし、2種以上の樹脂を混合したものでもよい。2種以上の樹脂を用いる際、これらを同一の押出機により溶融混練する場合は事前に均一に混合しておくことが好ましい。また、本実施の形態の製造方法は、単層構造、多層構造いずれの樹脂封止シートも製造できるが、多層構造の樹脂封止シートの製造に特に好適である。
多層構造の樹脂封止シートは環状ダイ10を用いることで効率よく作製できる。例えば、3種5層の多層構造とする場合、3種類の樹脂を重ねて環状ダイより溶融押出して、3種3層の円筒状の押出物とし、この押出物の側面を押しつぶすことで側面の最内層同士を密着させて一体化させる。これにより、「表面層/内層/一体化された最内層/内層/表面層」という層構造である、対称な3種5層の樹脂シートSとすることができる。ここで、「表面層」とは円筒状の押出物の最も外側の層をいい、「最内層」とは円筒状の押出物の最も内側の層をいい、「内層」とは表面層と最内層との間に位置する層をいう。本実施の形態において、それぞれの層に用いられる樹脂は、1種類でもよいし、2種以上の樹脂を混合したものでもよい。ここでいう内層は、単層であってもよいし、2層以上の複数層から構成されていてもよい。
2種3層の多層構造の樹脂シートSとする場合は、2種類の樹脂を重ねて環状ダイ10より溶融押出して、2種2層の円筒状の押出物とし、この押出物の側面を押しつぶすことで、「表面層/一体化された内層/表面層」の多層構造とすることができる。この内層を構成する樹脂層の数は、1種類でもよいし、2種以上の樹脂を混合したものでもよい。上記した3種5層の多層構造、2種3層の多層構造はいずれも多層構造の例示であり、上記方法により、層の数を5層以上にすることも可能である。
単層構造の樹脂シートSとする場合は、1種類の樹脂を重ねて環状ダイ10より溶融押出して、1種1層の円筒状の押出物とし、この押出物の側面を押しつぶすことで、単層構造の樹脂封止シートを得ることができる。
本実施の形態の製造方法によれば、一体化させた樹脂シートSを断面視したときに、その層構造がシートの厚み方向において略対称である多層の樹脂シートSを効率よく製膜できる。多層の樹脂封止シートとする場合、その層構造がシートの厚み方向において非対称であることで、熱膨張率の違いにより樹脂封止シートが湾曲することがある。しかし、本実施の形態によればこのような湾曲を防ぐことができる。ここで、層構造がシートの厚み方向において非対称であるとは、樹脂シートSの表面層が表と裏で異なる種類の樹脂であること、又は異なる厚みであることの少なくともいずれかに該当する状態のことをいう。
本実施の形態では、平板状の押出物を軟質化させた後、エンボス加工及び/又は梨地加工を施す工程をさらに含むことが好ましく、その両方が施されていることがより好ましい。樹脂シートSの表面にエンボス加工や梨地加工を施すことにより、シート表面に凹凸が形成されるため、封止材とした際の空気抜け性や耐ブロッキング性を向上させることができる。
本実施の形態の製造方法によれば、微細なエンボス形状であっても高い精度で転写することができる。エンボス形状については、特に限定されず、例えば、四角錘形状(ピラミッド形状)、四角錘台形状、縞模様、布目模様、梨地模様、皮紋様、ダイヤ格子、シボ模様等が挙げられる。エンボス形状を施した表面におけるエンボスの凸部の合計面積の比率は、樹脂封止シートの封止能力や耐ブロッキング性の観点から、5〜50%であることが好ましい。
図2は、本実施の形態の製造方法において施されるエンボス形状の一例を示す概略図である。図3は、図2のA−A’線に沿う断面図である。図2,3に示すエンボス形状は、四角錘形状(いわゆる、ピラミッド形状)であり、そのエンボス形状の深さはD1である(図3参照)。太陽電池封止シートの表面が四角錘形状のエンボス形状である場合、四角錘形状の頂点で被封止物(例えば、発電セル等)と当接して封止する。
図4は、本実施の形態の製造方法において施されるエンボス形状の別の一例を示す概略図である。図5は、図4のB−B’線に沿う断面図である。図4,5に示すエンボス形状は、四角錘台形状(いわゆる、台形カップ形状)であり、そのエンボス形状の深さはD2である(図5参照)。太陽電池封止シートの表面が四角錘台形状のエンボス形状である場合、四角錘台形状の頂面で被封止物と当接して封止する。
エンボス形状は、樹脂シートSの少なくとも片面に施されていてもよいし、樹脂シートSの両面に施されていてもよい。エンボス加工を行う場合、賦形するエンボス形状の深さは、特に限定されないが、空気抜け性や耐ブロッキング性等の観点から、深さが20〜400μmであることが好ましい。エンボス形状の深さの下限値は、好ましくは20μm以上であり、より好ましくは40μm以上であり、さらに好ましくは80μm以上であり、よりさらに好ましくは90μm以上である。上限値は、好ましくは400μm以下であり、より好ましくは350μm以下であり、さらに好ましくは310μm以下であり、よりさらに好ましくは200μm以下であり、より一層好ましくは100μm以下である。ここで、エンボス形状の深さとは、樹脂封止シートのエンボス加工された表面を断面視した際の、エンボス凸部からエンボス凹部までの深さをいう(例えば、図3のD1、図5のD2参照)。
梨地加工により形成される梨地面の表面粗さ(Ra)は、耐ブロッキング性の観点から、好ましくは2μm〜10μmであり、より好ましくは2μm〜9μmであり、さらに好ましくは4μm〜8μmである。ここで、梨地面とは、不定形な微細な凹凸が形成された面のことをいい、一般的には、梨の皮の表面のようにざらついている面である。梨地面の表面粗さ(Ra)は、例えば、レーザー顕微鏡(キーエンス社製)を用いて測定することができる。
樹脂封止シートの表面に梨地加工を施すことによっても、空気抜け性や耐ブロッキング性を向上させることができる。梨地加工の場合、後述する梨地ロールを用いること等によって簡便に加工することができるため、生産効率がよい。特に、製膜速度が高速であっても確実にシート表面に賦形することができるという観点から生産効率に優れる。
本実施の形態においてエンボス加工と梨地加工を併用する場合(以下、梨地付きエンボスという場合がある)について説明する。例えば、図2,3に示した四角錘形状(いわゆる、ピラミッド形状)のエンボス形状の場合、梨地付きエンボスシートの梨地面は、エンボス形状の凸部表面の少なくとも一部に形成されていればよく、図2,3の場合であれば、四角錐形状の頂点の周辺領域の少なくとも一部に梨地形状(図示せず)が形成されていればよく、梨地形状は、エンボス形状が形成されている全面に必ずしも形成されていなくてもよい。
また、図4,5に示した四角錐台形状(いわゆる、台形カップ形状)の場合、梨地は四角錘台形状の頂面(凸部表面)に形成されており、被封止物は四角錘台形状の頂面で当接して封止される。梨地付きエンボスシートの梨地面は、エンボス形状の凸部表面の少なくとも一部に形成されていればよく、図4,5の場合であれば、四角錐台形状の頂面の少なくとも一部に梨地形状(図示せず)が形成されていればよく、梨地形状は、エンボス形状が形成されている全面に必ずしも形成されていなくてもよい。
梨地付きエンボスシートの梨地面は、エンボス形状の凸部表面の少なくとも一部に形成されていればよいが、エンボス形状の凸部表面積の合計の50%以上に形成されていることが好ましく、70%以上がより好ましく、80%以上がさらに好ましく、90%以上がよりさらに好ましく、全表面(100%)に形成されていることが一層好ましい。
梨地加工とエンボス加工の両方を施した樹脂封止シートは、そのエンボス形状が浅い場合であっても、梨地面を有するため空気抜け性や耐ブロッキング性に優れる。例えば、空気抜け性や耐ブロッキング性が十分に得られない程度の微細なエンボス形状の深さであっても、梨地面をさらに有する樹脂封止シートとすることで、空気抜け性や耐ブロッキング性を向上させることもできる。従って、本実施の形態において、製造条件の制限等によってエンボス形状の深さを浅くしなければならない場合であっても、梨地付きエンボス形状とすることで、樹脂封止シートの空気抜け性や耐ブロッキング性を向上させることができる。
空気抜け性や耐ブロッキング性を向上させるべくエンボス形状を深くしたり複雑な形状にしたりする場合、転写するエンボス形状が潰れないようにするため、製膜速度を低速にしなければならないといった製造条件の制限を受ける場合がある。梨地加工とエンボス加工の両方を施した樹脂封止シートでは、浅いエンボス形状であっても、梨地面を有することで優れた空気抜け性や耐ブロッキング性を発揮できるため、製膜速度をより高速にすることもできる。例えば、本実施の形態の製造方法では、製膜速度を15m/分以上とすることができるため、生産効率に優れた製造方法とすることができるが、エンボス形状の深さをより浅くすること等によって製膜速度をより高速にすることもできる。このように、本実施の形態の製造方法によれば、空気抜け性や耐ブロッキング性に優れた樹脂封止シートを、高い生産効率で製造することも可能である。
樹脂シートSに、エンボス形状を施す場合、梨地加工を施す場合、あるいはエンボス加工と梨地加工の両方を施す場合において、樹脂シートSを軟質化させる方法としては、押出物である樹脂シートSを再加熱して溶融状態とし、転写する形状を表面に有する賦形ロールを樹脂シートSの表面に押圧する方法等が採用できる。エンボス形状や梨地加工を賦形する方法について、以下説明する。
図6は、本実施の形態に係る樹脂封止シートの製造方法においてエンボス形状又は梨地加工を行う場合の一例を示す概略図である。図1の成形工程によりシート状に成形された樹脂シートSは、ガイドロール22を経て、ピンチロール24によりピンチされる。そして、予熱ロール26に樹脂シートSを密着させて余熱した後に、ヒータ等の加熱部28を用いて本加熱を行う。本加熱前に予熱することで、樹脂シートSに賦形できる程度の十分な軟化状態を、ムラなく速やかに作り出すことができる。また、予熱を行うことにより、樹脂シートSの粘度が極端に落ちることを抑制でき、シートが引き伸ばされて収縮率が高くなることを防ぐことができる。その結果、高い精度でエンボス形状や梨地形状を樹脂シートSに賦形できる。その後、樹脂シートSは巻き取りロール(図示せず)に巻き取られて、適当なシート長にカットすることで樹脂封止シートとすることができる。
加熱方法は、特に限定されないが、赤外線加熱、熱風加熱、及び加熱ロールからなる群より選ばれる少なくとも1種以上であることが好ましい。これらの中でも、赤外線加熱は、シートの中心まで効率よく加熱することができ、深いエンボスを入れ易い観点から優れている。また、加熱ロール、熱風加熱は、エンボスを施す表面の温度を一気に上昇させることができ、シートの延伸を防止して収縮率の上昇を抑制しつつエンボス形状を作成できる点で有利である。赤外線加熱としては、遠赤外、近赤外等が挙げられ、所望の温度にするための最適な赤外波長を選択すればよい。上記加熱方法は、単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
具体的には、樹脂の融点よりも比較的低温の予熱ロール26を用いて予熱を施し、賦形ロール30の直前に、加熱部28(例えば、赤外線加熱、熱風加熱、あるいはロール加熱等)により樹脂表面を軟化させた後、賦形ロール(例えば、エンボスロール、梨地ロール、あるいは梨地付きエンボスロール等)30とバックアップロール32とで押圧することでエンボス形状、梨地形状、あるいは梨地付きエンボス形状を転写できる。予熱温度は、特に限定されないが、好ましくは樹脂の融点−20℃〜融点であり、より好ましくは融点−20℃〜融点−3℃である。
加熱方法としては、まず加熱ロール等に密着させて予熱した後、赤外線加熱等により本加熱してもよい。予熱した後に、より高い温度で本加熱することにより、十分に梨地加工又はエンボス加工を施すことが可能な軟化状態を速やかに達成できる。予熱することで、昇温速度が遅いため、賦形し難かったり、温度が均一にならずに斑になったりする場合を効果的に防止できる。予熱を行うことで樹脂シートSの粘度が極端に落ちることを防止できるため、樹脂シートSが引き伸ばされて収縮率が高くなりすぎることを防ぐこともできる。加熱方法としては、融点よりも比較的低温の加熱ロールに接触させることにより予熱を施した後、賦形ロール30を押圧する直前に、熱風や特定の赤外線波長の加熱により樹脂シートSの表面を軟化させ、賦形ロール30にて加圧プレスすることで、所望の形状を賦形することが好ましい。予熱の温度としては、特に限定されないが、好ましくは樹脂の融点−20℃〜融点、より好ましくは融点−20℃〜融点−3℃である。予熱ロール26は、非粘着の表面であることが軟化したシートを引き剥がす際に伸びを生じ難くなり、低収縮率になる傾向にあるため好ましい。非粘着加工はフッ素系、シリコン系、ガラス系のコーティングや表面塗布により行うことができる。
本実施の形態において、冷却固化した樹脂シートSを再加熱して軟質化する前後に、軟質化した樹脂シートSが延伸しないようにテンションコントロールを行うことが好ましい。テンションコントロールを行うことにより、軟質化した樹脂シートSの引き伸ばしが抑制され、より低い収縮率を達成できる傾向にある。テンションコントールの際のテンションとしては、シート幅1mに対して0.1〜80N、より好ましくは0.1〜70N、さらに好ましくは0.1〜60Nである。
テンションコントロールの方法としては、例えば、冷却固化した樹脂シートSを加熱して軟質化する工程の前後に、少なくとも1対以上のピンチロール24(一部は図示せず)と、少なくとも賦形ロール30とバックアップロール32とを用いることで、ピンチして拘束する方法等が挙げられる。
樹脂シートSを軟質化させたのち、その表面に賦形ロール30を押圧することで、前記樹脂シートSの表面の少なくとも一部にエンボス形状、梨地形状、あるいは梨地付きエンボス形状を転写することができる。これによりエンボス形状、梨地形状、あるいは梨地付きエンボス形状を樹脂シートSに賦形できる。
賦形ロール30の種類や形状等は、特に限定されず、例えば、エンボス形状を賦形する際に用いられるエンボスロールや、梨地加工を行う際に通常用いられる梨地ロール等を用いることができる。また、梨地付きエンボス形状を賦形する際には、表面の少なくとも一部にエンボス形状を有し、かつ前記エンボス形状の凸部表面に梨地面が少なくとも形成されているロール(梨地付きエンボスロール)を用いることができる。
梨地ロールとしては、例えば、ロール表面にサンドブラストによる表面処理を施した梨地ロールや、ロール表面にエッチングによる表面処理を施した梨地ロール等を用いることができる。上記したサンドブラストやエッチング等の条件を調整することで、ロール表面に形成する梨地形状を制御できる。更に、めっき等を併用することで、表面粗さだけでなく光沢度も制御できる。
賦形ロール30が樹脂シートSの表面を押圧することで、賦形ロール30の表面の形状を樹脂シートSに転写することができるが、その転写条件は、特に限定されず、転写する形状の賦形性及び賦形ロール30からの樹脂シートSの離形性を考慮して、適宜好適な条件を選択できる。例えば、ロール間の線圧は2kg/cm以上が好ましく、3kg/cm以上がより好ましい。さらに、ロール間でシートが押圧されていることが好ましい。生産性の観点から、ロール径が大きくして押圧条件を制御することが好ましい。賦形ロール30のロール径は、300mm以上が好ましく、350mm以上がより好ましく、400mm以上がさらに好ましい。
賦形ロール30は、樹脂シートSに転写する形状を有している。例えば、エンボス形状を樹脂シートSに賦形する場合は、賦形ロール30はエンボスロールである。梨地形状を樹脂シートSに賦形する場合は、梨地面を有する梨地ロールである。さらに、梨地付きエンボス形状を賦形する場合は、表面の少なくとも一部がエンボス形状であり、かつ前記エンボス形状の凸部表面に前記梨地面が少なくとも形成されている、梨地付きエンボスロールである。これにより、樹脂シートSを樹脂封止シートとして用いる際には、被封止物(発電素子等)を封止した際にブロッキングをより効果的に制御でき、かつ太陽電池モジュールをラミネートする際に空気等のガスを効果的に抜くことができる。ここで、エンボス形状とは、何らかの凹凸形状を型押しすることで施された形状であり、上記した梨地形状とは異なるものである。
本実施の形態の樹脂封止シートは架橋処理されていることが好ましい。架橋することにより、耐クリープ性や隙間埋め性がより良好となる。架橋方法としては、特に限定されず、公知の方法を採用でき、例えば、電離性放射線(電子線、γ線、紫外線等)の照射や有機過酸化物による架橋処理等が挙げられる。これらの架橋処理(例えば、電離性放射線を用いる場合は照射処理、有機過酸化物を用いる場合には熱処理)は、それぞれの特性や条件に応じて、梨地加工やエンボス加工処理の前工程として行ってもよいし、後工程として行ってもよい。
ここで、「架橋されている」とは、樹脂を物理的又は化学的に架橋した結果、ゲル分率が好ましくは1質量%以上となった状態をいう。例えば、本実施の形態の樹脂シートSを太陽電池の樹脂封止シートとして使用する際に、樹脂シートSが単層構造である場合、樹脂層のゲル分率は、1〜65質量%であることが好ましく、2〜60質量%がより好ましく、2〜55質量%がさらに好ましい。
樹脂封止シートが表面層と内層とを備える多層構造である場合は、表面層の少なくとも1層のゲル分率が、1〜65質量%であることが好ましく、2〜60質量%がより好ましく、2〜55質量%がさらに好ましい。表面層のゲル分率が1質量%以上であると、耐クリープ性が良好となる傾向にあり、65質量%以下であると、隙間埋め性が良好となる傾向にある。
本実施の形態では、当初単層構造のシートに電離性放射線を照射することによって表面から所定の深さまでをゲル化させることで、表面付近のゲル化された層と、内部のゲル化されていない層(又はゲル分率が低い層)を生成させることによって、表面層と内層を有する多層構造とすることもできる。この場合、層の境界が明確に区別できないものであってもよい。
樹脂封止シートのゲル分率は、沸騰p−キシレン中で樹脂封止シートを12時間抽出し、不溶解部分の割合から下記式により求めることができる。

ゲル分率(質量%)=(抽出後の試料質量/抽出前の試料質量)×100
電離性放射線の照射により架橋する場合は、照射強度(加速電圧)と照射密度によって厚さ減少率を調整できる。有機過酸化物による架橋の場合は、有機過酸化物の含有量によって厚さ減少率を調整できる。また、樹脂の種類による架橋度合いの違いや、転移化剤等による架橋促進又は架橋抑制の効果を利用してもよい。
電離性放射線の照射により架橋する方法としては、具体的には、α線、β線、γ線、中性子線、電子線等の電離性放射線を樹脂封止シートに照射することで架橋させる方法が挙げられる。電子線等の電離性放射線の加速電圧は、樹脂封止シートの厚さにより選択でき、例えば、500μmの厚さの場合、樹脂封止シート全体を架橋するときには、加速電圧として300kV以上が必要である。
電子線等の電離性放射線の加速電圧は、架橋処理を施す樹脂層に応じて適宜調節が可能であり、電離性放射線の照射線量は使用される樹脂によって異なるが、一般的に3kGy以上とすることで、樹脂封止シート全体を均一に架橋することができる傾向にある。
有機過酸化物により架橋させる場合は、架橋剤として有機過酸化物を樹脂中に配合し、又は含浸させて熱架橋を行う。この場合100〜130℃における半減期が1時間以内の有機過酸化物が好ましい。
有機過酸化物としては、良好な相溶性が得られ、かつ上記半減期を有するものとして、例えば、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン等が挙げられる。これらの有機過酸化物を用いた樹脂封止シートは、架橋時間を比較的短くすることができ、かつ、キュア工程を、従来汎用されている100〜130℃における半減期が1時間以上の有機過酸化物を用いた場合と比較して半分程度に短縮することができる。
有機過酸化物の含有量は、樹脂封止シートを構成する樹脂に対して、0〜10質量%であることが好ましく、0〜5質量%であることがより好ましい。有機過酸化物が配合された樹脂封止シートは、ラミネーション時にシートが軟化し、隙間埋めが行われた後に有機過酸化物の分解及び架橋が促進されるため、樹脂のゲル分率が大きくなっても隙間埋め性が阻害されないという利点を有している。
上述したように「架橋」には電離性放射線の照射を行う方法、及び有機過酸化物を利用する方法等が挙げられるが、電離性放射線の照射によって架橋させる方法が特に好ましい。例えば、本実施の形態の製造方法においては、シート(押出物)に電離性放射線を照射することで架橋処理を施す架橋工程をさらに含むことで、架橋処理を施すことができる。電離性放射線の照射による架橋処理は、有機過酸化物の熱分解によるガスが発生しないため、真空ポンプの腐食ダメージ及びオイルの汚れを低減できる傾向にある。架橋反応を誘発する有機過酸化物やその分解による太陽電池セル等の他の部材に対する悪影響も排除することができる。また、有機過酸化物を用いた架橋方法は、ラミネーション工程において有機過酸化物を分解させ、樹脂封止シートの架橋を促進させるための長時間のキュア工程が必要であるため、太陽電池モジュールの生産を高速化しにくいが、電離性放射線の照射による架橋方法の場合は長時間のキュア工程を必要とせず、太陽電池モジュールの生産性を向上させることができる点においても優れている。
後処理としては、特に限定されず、例えば、寸法安定化のためのヒートセット、コロナ処理、プラズマ処理等を行ってもよいし、他種の樹脂シート等とのラミネーションを行ってもよい。
(樹脂)
本実施の形態において使用する樹脂について説明する。本実施の形態において使用する樹脂は熱可塑性樹脂であることが好ましい。接着性や封止性能の観点より、前記樹脂は、(a)(a1)エチレンモノマーと、(a2)酢酸ビニル、脂肪族不飽和カルボン酸、及び脂肪族不飽和カルボン酸エステルからなる群から選択される少なくとも1種類以上のモノマーと、の共重合体、(b)ポリオレフィン系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種以上を含むことがより好ましい。
上記樹脂が共重合体である場合、共重合に用いられるモノマーの極性基による分極によって、ガラス等の被接着体との付着性機能を発揮させることや、樹脂封止シートの透明性を確保することができる。かかる観点から、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体より選ばれる少なくとも1種類の樹脂がより好ましい。さらに、電離性放射線を照射して架橋させる場合では極性基を有する樹脂の方が架橋されやすいので、架橋反応をより促進させることもできる。
(a)(a1)エチレンモノマーと、(a2)酢酸ビニル、脂肪族不飽和カルボン酸、及び脂肪族不飽和カルボン酸エステルからなる群からのいずれかより選択される少なくとも1種類以上のモノマーと、の共重合体により得られるポリマーとしては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体が挙げられる。共重合は高圧法、溶融法等のような公知の方法により重合されたものでもよい。触媒を用いる場合、その種類は、特に限定されず、例えば、マルチサイト触媒やシングルサイト触媒等を用いることができる。各モノマーの重合時の接合形状は、特に限定されず、ランダム結合やブロック結合等であってもよいが、光学特性の観点より、ランダム結合が好ましい。
(a1)エチレンモノマーと、(a2)酢酸ビニル、脂肪族不飽和カルボン酸、脂肪族不飽和カルボン酸エステルと、の共重合比は、特に限定されず、所望する物性等を考慮して決定できる。例えば、ポリエチレンモノマーと酢酸ビニルとの共重合体の場合、光学特性と接着性と柔軟性の観点より、共重合体全体に対する酢酸ビニルの割合は10〜40質量%が好ましく、より好ましくは13〜35質量%、さらに好ましくは15〜30質量%である。さらに、樹脂封止シートの加工性の観点より、MFR(190℃、2.16kg:以下、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体については同条件。)が0.3〜30であるものが好ましく、より好ましくは0.5〜30、さらに好ましくは0.8〜25である。
上記エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体は、具体例としては、エチレン−アクリル酸共重合体(以下、EAAと記す。)、エチレン−メタクリル酸共重合体(以下、EMAAと記す。)、エチレン−アクリル酸エステル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル等の炭素数1〜8のアルコールのエステル)共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル等の炭素数1〜8のアルコールのエステル)共重合体等が挙げられ、これらは更にその他の成分を加えた3成分以上の多元共重合体(例えば、エチレンと脂肪族不飽和カルボン酸及び同エステルより適宜選ばれる3元以上の共重合体等)であってもよい。これらの共重合体において、カルボン酸又はカルボン酸エステル基の含有量は、特に限定されないが、通常3〜35質量%のものが用いられる。
本実施の形態でいうポリオレフィン樹脂としては、例えば、エチレンの重合体又はエチレンと他の単量体との共重合体であるポリエチレン系樹脂、プロピレン又はプロピレンと他の単量体との共重合体であるポリプロピレン系樹脂、ブテン又はブテンと他の単量体との共重合体であるポリブテン系樹脂等が挙げられる。
本実施の形態のポリエチレン系樹脂としては、例えば、従来から市販されている長鎖分岐を有するエチレンの単独重合体、又は小量のα−オレフィンで変成した共重合体を含むもの等が挙げられる。また、エチレンと10質量%未満の共重合可能な以下のコモノマーと共重合した改質ポリエチレン(例えば酢酸ビニル基含有量10質量%未満のEVA)等も含まれる。例えば、ポリエチレン系樹脂とは、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度密度ポリエチレン(LLDPE)、線状超低密度ポリエチレン(「VLDPE」、「ULDPE」と呼ばれているもの)、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体、α−オレフィン共重合体よりなる軟質重合体(例えば、エチレン及び/又はプロピレンと炭素数が4〜12のα−オレフィンから選ばれる1種、又はそれ以上のα−オレフィン又は自由な組み合わせからなる軟質の共重合体が挙げられ、そのX線法による結晶化度が一般に30%以下のもの)、等が挙げられる。
エチレン−α−オレフィン系共重合体は、シングルサイト系触媒、又はマルチサイト系触媒と呼ばれる触媒を用いて重合するものが一般的であるが、その中でもシングルサイト系触媒により重合されたものが好ましい。より好ましくはエチレンコモノマーと、ブテンコモノマー、ヘキセンコモノマー、及びオクテンコモノマーからなる群から選ばれる少なくとも1種以上のコモノマーと、の共重合体が、入手容易性の観点からより好ましい。
ポリエチレン系樹脂の好ましい密度は、クッション性の観点より、0.860〜0.930g/cm3の範囲のものであり、より好ましくは0.870〜0.923g/cm3、さらに好ましくは0.870〜0.915g/cm3である。また、密度が低いほうがクッション性は向上する。一方、密度が0.930g/cm3以上のものは内部層とした場合でも透明性が悪くなる傾向にある。透明性の改善として高密度の樹脂を使用する際は30質量%程度低密度ポリエチレンを加えることで改善することができる。
樹脂封止シートの加工性の観点より、MFR(190℃、2.16kg:以下、ポリエチレン系樹脂については同条件。)は0.5〜30が好ましく、より好ましくは0.8〜30、さらに好ましくは1.0〜25である。溶融張力の関係より、表面層がエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体より選ばれる少なくとも1種類の樹脂の表面層に隣接する内層のMFRは、シート加工の観点より表面層のMFRより低いことが加工しやすい傾向がある。
ポリプロピレン系共重合体樹脂としては、プロピレンとエチレン、ブテン、ヘキセン、オクテン等のα−オレフィンとの共重合体、プロピレンとエチレンとブテン、ヘキセン、オクテン等のα−オレフィンとの3元共重合体等が挙げられる。これらの共重合体は、ブロック共重合体、ランダム共重合体等のいずれでもよく、好ましくはプロピレンとエチレンとのランダム共重合体、プロピレンとエチレンとブテンとのランダム3元共重合体である。上記ポリプロピレン系樹脂を配合することで、樹脂封止シートの硬さや腰を高めたり、耐熱性を上げたりすることができる。ポリプロピレン共重合体樹脂には、ホモのPP、プロピレン含量が70質量%以上のプロピレンと他のα−オレフィン(エチレンの他、炭素数4〜8のもの)の1種又は2種以上との共重合体であって、チーグラー・ナッタ触媒のような従来の触媒で重合されたものだけでなく、前述のメタロセン系触媒等で重合されたシンジオタクチックPPやアイソタクチックPPも含まれる。更にポリプロピレン系樹脂は50質量%程度までの高濃度のゴム成分を均一微分散したものであってもよく、これらのうち少なくとも1種が用いられる。また、ポリプロピレン系共重合体樹脂中のプロピレンの含有量は60〜90質量%が好ましい。更に、ポリプロピレン系共重合体樹脂が3元共重合体であり、プロピレン含有量が60〜80質量%、エチレン含有量が10〜30質量%、ブテン含有量が5〜20質量%のものは熱収縮性が良くなるのでより好ましい。
さらに、ポリブテン系樹脂は、樹脂封止シートの硬さや腰の調整の他、ポリプロピレン系樹脂との相溶性が特に優れる。そのため、ポリプロピレン系樹脂と併用することがより好ましい。上記ポリブテン系樹脂としては、特に限定されず、例えば、ブテン−1含量70モル%以上の結晶性で他の単量体(エチレン、プロピレンの他、炭素数5〜8のオレフィン系)の1種又は2種以上との共重合体をも含む高分子量のものが用いられる。これは、液状及びワックス状の分子量のものとは異なり、MFR(190℃、2.16kg:以下、ポリブテン系樹脂については同条件。)が、通常0.1〜10のものである。好ましいポリブテン系樹脂としては、ビカット軟化点が40〜100℃の共重合体である。ここで、ビカット軟化点はJIS−K−7206−1982に従って測定される値である。
ポリプロピレン系共重合体樹脂のJIS−K−7210に準じて測定されるMFRの値(230℃、2.16kgf:以下、ポリプロピレン系共重合体樹脂については同条件)は、0.3〜15.0が好ましく、より好ましくは0.5〜12、さらに好ましくは0.8〜10である。
本実施の形態における樹脂封止シートは、接着性樹脂を含むことが好ましい。接着性樹脂としては、水酸基を有するオレフィン系共重合体、酸性官能基で末端変性又はグラフト変性された変性ポリオレフィン、及びグリシジルメタクリレートを含有するエチレン共重合体からなる群より選択される少なくとも1種類の樹脂が挙げられる。これらを接着性樹脂として含有することにより、良好な接着性や光学特性を得ることができる。
水酸基を有するオレフィン系共重合体を構成するオレフィンとしては、エチレンが好適である。水酸基は、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体の酢酸基をケン化して水酸基に置換することにより得られる。水酸基を有するオレフィン系共重合体としては、具体的には、エチレン−酢酸ビニル共重合体の部分あるいは完全ケン化物、エチレン−酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体の部分あるいは完全ケン化物が挙げられる。
水酸基を有するオレフィン系共重合体中の水酸基の割合は、樹脂層中において、0.1質量%〜10質量%であることが好ましく、0.1質量%〜7質量%がより好ましい。水酸基の割合は、前記水酸基をもつオレフィン系重合体の、元のオレフィン系重合体樹脂と、この樹脂のVA%(NMR測定による、共重合体中における酢酸ビニル(VA)の共重合比;質量%)と、そのケン化度と、樹脂層中における配合割合とから算出できる。水酸基をもつオレフィン系共重合体中の水酸基の割合を樹脂層中において0.1質量%以上とすることにより良好な接着性が確保できる傾向にあり、10質量%以下とすることにより配合する樹脂との良好な相溶性が確保でき、最終的に得られる樹脂封止シートの白濁化を防止できる傾向にある。
水酸基を有するオレフィン系共重合体の融点は、良好な接着性及び被封止物に対する封止性(隙間埋め性)を確保する観点から、好ましくは70〜115℃、より好ましくは73〜115℃、さらに好ましくは75〜115℃である。ここで、オレフィン系共重合体の融点は、示差走査熱量計を使用し、樹脂約5mgを0℃から200℃まで20℃/分の速度で昇温させ、200℃で5分間溶融保持した後に−50℃以下まで20℃/分の速度で降温させ、次いで0℃から200℃まで20℃/分で昇温させた際に得られる融解に伴う吸熱ピークをいう。
水酸基を有するオレフィン系共重合体のビカット軟化温度は、良好な接着性及び被封止物に対する封止性(隙間埋め性)を確保する観点から、好ましくは45℃以上、より好ましくは47℃以上、さらに好ましくは50℃以上である。ここで、ビカット軟化温度はJIS K7206−1982に従って測定される値である。
水酸基を有するオレフィン系共重合体が、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物である場合、ケン化前のエチレン−酢酸ビニル共重合体中の酢酸ビニルの含有量は、良好な光学特性、接着性、及び柔軟性を得る観点から、共重合体全体に対して、10〜40質量%が好ましく、13〜35質量%がより好ましく、15〜30質量%がより好ましい。
また、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物のケン化度は、良好な透明性及び接着性を得る観点から、10〜70%が好ましく、15〜65%がより好ましく、20〜60%がさらに好ましい。
次に、ケン化方法について説明する。例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体のペレットあるいは粉末をメタノール等の低級アルコール中でアルカリ触媒を用いてケン化する方法、トルエン、キシレン、ヘキサンのような溶媒を用いて予めエチレン−酢酸ビニル共重合体を溶解した後、少量のアルコールとアルカリ触媒を用いてケン化する方法等が挙げられる。その他、ケン化した共重合体に水酸基以外の官能基を含有するモノマーをグラフト重合する方法も挙げられる。
エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物は、側鎖に水酸基を有しているため、エチレン−酢酸ビニル共重合体に比較して接着性が向上しており、ガラス、アクリルやポリカーボネート樹脂等のプラスチック、金属、繊維等の接着剤として有用である。また、水酸基の量(ケン化度)を調整することにより、透明性や接着性を制御できる。
酸性官能基で末端変性又はグラフト変性された変性ポリオレフィンとは、例えば、ポリエチレン系樹脂や、ポリプロピレン系樹脂を、無水マレイン酸、ニトロ基、水酸基、カルボキシ基等の極性基を有する化合物等で末端変性又はグラフト変性したものが挙げられる。中でも、極性基の安定性の観点より、無水マレイン酸で末端変性又はグラフト変性されたマレイン酸変性ポリオレフィンが好ましい。
グリシジルメタクリレートを含有するエチレン共重合体とは、反応サイトとしてエポキシ基を有するグリシジルメタクリレートとのエチレンコポリマー及びエチレンターポリマーを示し、例えば、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン−グリシジルメタクリレート−酢酸ビニル共重合体、エチレン−グリシジルメタクリレート−アクリル酸メチル共重合体等が挙げられる。上記化合物は、グリシジルメタクリレートの反応性が高いため安定した接着性を発揮でき、また、ガラス転移温度が低く柔軟性が良好となる傾向にある。
本実施の形態の製造方法によれば、上記のように、単層構造、多層構造のいずれの樹脂封止シートも製造できる。以下、樹脂封止シートの各構造の層成分について説明する。これらの構造は、上記した製膜工程において用いる押出機の数や構造等を調整することで適宜に選択できる。
〔単層構造〕
樹脂封止シートが単層構造である場合、上記のように、良好な透明性、柔軟性、被接着物の接着性や取扱性を確保する観点から、(a)(a1)エチレンモノマーと、(a2)酢酸ビニル、脂肪族不飽和カルボン酸及び脂肪族不飽和カルボン酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1種類のモノマーと、の共重合体、及び(b)ポリオレフィン系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種以上の樹脂を含む層であることが好ましい。
また、接着性樹脂として、上記のように、水酸基を有するオレフィン系共重合体、酸性官能基で末端変性又はグラフト変性された変性ポリオレフィン、及びグリシジルメタクリレートを含有するエチレン共重合体からなる群より選択される少なくとも1種類の樹脂を含有することが好ましい。
〔多層構造〕
多層構造の樹脂封止シートは、2層以上の樹脂層を含む構造である。樹脂封止シートの両表面を形成する2層を「表面層」といい、それ以外を「内層」(3層以上の場合)という。
多層構造である場合には、水酸基を有するオレフィン系共重合体、酸性官能基で末端変性又はグラフト変性された変性ポリオレフィン、及びグリシジルメタクリレートを含有するエチレン共重合体からなる群より選択される少なくとも1種類の樹脂を接着性樹脂として含有する樹脂層が、被封止物と接触する層(表面層の少なくとも1層)として形成されていることが好ましい。
多層構成の場合、内層を構成する樹脂としては、特に限定されず、上述した表面層に好ましく用いることができる樹脂に加えて、他のいかなる樹脂を用いてもよい。内層には、他の機能を付与することを目的として、樹脂材料、混合物、添加物等を適宜選定できる。例えば、新たにクッション性を付与する目的として、内層として熱可塑性エラストマーを含有する層を設けてもよい。ここでいう内層とは、上記した表面層以外の層をいう。
熱可塑性エラストマーとは、常温でゴム弾性を示し、かつ熱可塑性を有するものであり、共重合体ゴムと重合体が任意の重量比で配合されたものをいう。共重合体ゴムは、熱可塑性エラストマー中において未架橋、部分架橋、全体架橋などの状態で存在することができる。熱可塑性エラストマーとしては、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、塩素系エチレンポリマー系樹脂、ポリアミド系樹脂等が挙げられ、生分解性を有したものや、植物由来原料系のもの等も含まれる。上記の中でも、結晶性ポリプロピレン系樹脂との相溶性がよく、透明性が良好な水素添加ブロック共重合体樹脂、プロピレン系共重合樹脂、エチレン系共重合体樹脂が好ましく、水素添加ブロック共重合体樹脂及びプロピレン系共重合樹脂がより好ましい。
水素添加ブロック共重合体エラストマーとしては、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンのブロック共重合体が好ましい。
ビニル芳香族炭化水素としては、スチレン、−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、1,1−ジフェニルエチレン、N,N−ジメチル−p−アミノエチルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン等が挙げられ、特にスチレンが好ましい。これらは1種又は2種以上混合してもよい。
共役ジエンとは、1対の共役二重結合を有するジオレフィンであり、例えば、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン等が挙げられる。これらは1種又は2種以上混合してもよい。
プロピレン系共重合体エラストマーとしては、プロピレンとエチレン又は炭素原子数4〜20のα−オレフィンとから得られる共重合体が好ましい。そのエチレンまたは炭素原子数4〜20のα−オレフィンの含有量としては6〜30重量%が好ましい。ここで炭素原子数4〜20のα−オレフィンとしては、1−ブテン、1−ペンテン、1−へキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコサン等が挙げられる。
プロピレン系共重合体エラストマーは、マルチサイト系触媒、シングルサイト系触媒、その他、いずれの触媒を用いて重合されたものでもよい。さらにポリマーの結晶/非晶構造(モルフォロジ−)をナノオーダーで制御したプロピレン系共重合体を使用することもできる。エチレン系共重合体エラストマーは、マルチサイト系触媒、シングルサイト系触媒、その他、いずれの触媒で重合されたものでもよい。また、ポリマーの結晶/非晶構造(モルフォロジ−)をナノオーダーで制御したエチレン系共重合体を使用することもできる。上記の樹脂以外にもアイオノマー等の公知の樹脂を単層又は混合して導入してもよい。
上記した単層構造あるいは多層構造の樹脂封止シートには、その本来の特性を損なわない範囲で、カップリング剤、防曇剤、可塑剤、酸化防止剤、界面活性剤、着色剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、結晶核剤、滑剤、アンチブロッキング剤、無機フィラー、架橋調整剤等を添加してもよく、添加の方法は液体を溶融樹脂に添加しても、直接対象樹脂層に練り込み添加しても、シーティング後に塗布しても添加剤の効果が発揮できるように公知の方法で樹脂に導入すればよい。
本実施の形態の樹脂封止シートに安定した接着性を付与する目的で、カップリング剤を添加してもよい。添加量は、所望の接着性の度合いや被接着物の種類によるが、樹脂に対して0.01〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.03〜4質量%、さらに好ましくは0.05〜3質量%である。
カップリング剤の具体例としては、特に限定されず、公知のものを用いることもできる。例えば、有機シラン化合物、有機シラン過酸化物、有機チタネート化合物等が挙げられる。これらのカップリング剤は、押出機内にて樹脂に注入混合したり、押出機ホッパー内に混合して導入したり、事前にマスターバッチ化して混合して添加したりしてもよく、公知の添加方法を採用することができる。しかしながら、押出機を経由するため、押出機内の熱や圧力などにより、本来の機能を阻害される場合があり、カップリング剤の種類によっては添加量を増減する必要がある場合がある。また、カップリング剤の種類は樹脂と混合した場合、樹脂の透明性や分散具合や押出機への腐食や押出安定性の観点から適宜選択すればよい。
好ましいカップリング剤は、γ−クロロプロピルメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エトキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラングリシドキシプロピルトリエトキシシラン等の不飽和基やエポキシ基を有するものが挙げられる。
さらに、上記以外にも、紫外線吸収剤、酸化防止剤、変色防止剤等を添加することができる。特に、透明性や接着性を長期間維持する必要がある場合、これらの含有量はエチレン系共重合体に対して0〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは0〜5質量%である。これらの紫外線吸収剤、酸化防止剤、変色防止剤等は配合する樹脂層を構成する樹脂に対して0〜10質量%、好ましくは、0〜5質量%である。
添加剤の種類は特に限定されず、例えば、公知の紫外線吸収剤、酸化防止剤、変色防止剤等を添加してもよい。好ましい紫外線吸収剤としては、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−5−スルホベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等が挙げられる。好ましい酸化防止剤としては、フェノール系、イオウ系、リン系、アミン系、ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、ヒドラジン系等が挙げられる。
本実施の形態の樹脂封止シートの厚みは通常50μm〜1500μmが好ましい。より好ましくは100μm〜1000μm、さらに好ましくは150μm〜800μmの薄肉の領域である。50μm以上とすることで、樹脂封止シートのクッション性や作業性が良好となる。1500μm以下とすることで、生産性や密着性が良好となる。
本実施の形態の樹脂封止シートを用いて、発電素子や配線等の段差を隙間なく封止する場合、表面層の架橋状態によって表面層の厚さが影響する場合がある。表面層の架橋度が高い場合には表面層の厚さは薄いほうが好ましい。一方、結晶系シリコンセル等をしっかり安定して保持するためには、ある程度の厚さが必要であり、表面層の好ましい厚さは10〜150μm、より好ましくは15〜140μm、さらに好ましくは20〜120μmである。
本実施の形態の製造方法により得られる樹脂封止シートは、従来法により得られる樹脂封止シートと比較して、残存応力が小さく収縮が起こり難いという特徴も有する。樹脂封止シートの収縮率は、厚み450μmにおいて30%以下であることが好ましく、25%以下がより好ましく、10%以下がさらに好ましく、実質的に0%が特に好ましい。また、厚み600μmにおいて10%以下が好ましく、5%以下がより好ましく、3%以下がさらに好ましく、実質的に0%が特に好ましい。ここで、収縮率とは、樹脂封止シートを70℃の温水に5分間浸した後、シートの機械流れ方向の長さの変化を定規で測定することにより求めた値である。
<太陽電池モジュール>
図7は、本実施の形態の太陽電池モジュールの一態様の断面外略図である。すなわち、本実施形態の太陽電池モジュール1は、透光性絶縁基板2と、バックシート3と、前記透光性絶縁基板2及び前記バックシート3の間に配置される発電素子4と、前記透光性絶縁基板2と前記バックシート3との間で前記発電素子4を封止する樹脂封止シート5と、を備える。
透光性絶縁基板2の材質等は、特に限定されず、公知のものを用いることができる。ここで、透光性絶縁基板2とは、少なくとも光透過性を有する基材であればよい。特に、太陽電池モジュールの使用時における長期信頼性を確保する観点から、耐候性、撥水性、耐衝撃性等の機械強度等に優れている材質であることが好ましい。
具体的には、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、環状ポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等からなる樹脂フィルムや、ガラス基板等が挙げられる。これらの中でも、光透過性、耐候性、耐衝撃性、コストのバランスの観点から、ガラス基板、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、環状ポリオレフィン(COP)が好ましい。
特に耐侯性の良好なフッ素樹脂も好適に用いられる。具体的には、四フッ化エチレン−エチレン共重合体(ETFE)、ポリフッ化ビニル樹脂(PVF)、ポリフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)、ポリ四フッ化エチレン樹脂(TFE)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、ポリ三フッ化塩化エチレン樹脂(CTFE)が挙げられる。耐候性の観点からはポリフッ化ビニリデン樹脂が好ましいが、耐候性及び機械的強度の両立をする観点からは四フッ化エチレン−エチレン共重合体が好ましい。また、樹脂封止材等の他の層を構成する材料との接着性の改良のために、コロナ処理、プラズマ処理を透光性絶縁基板に行うことが好ましい。また、機械的強度向上のために、延伸処理が施してあるシート、例えば2軸延伸のポリプロピレンシートを用いることも可能である。
透光性絶縁基板2としてガラス基板を用いる場合には、波長350〜1400nmの光の全光線透過率が80%以上であることが好ましく、より好ましくは90%以上である。かかるガラス基板としては赤外部の吸収の少ない白板ガラスを使用するのが一般的であるが、青板ガラスであっても厚さが3mm以下であれば太陽電池モジュールの出力特性への影響は少ない。また、ガラス基板の機械的強度を高めるために熱処理により強化ガラスを得ることができるが、熱処理無しのフロート板ガラスを用いてもよい。また、ガラス基板の受光面側に反射を抑えるために反射防止のコーティングを施してもよい。
バックシート3としては、特に限定されず、太陽電池モジュールの最表層に位置するため、上述の透光性絶縁基板2と同様に、耐候性、機械強度等の諸特性を求められる。従って透光性絶縁基板2と同様の材質でバックシート3を構成してもよい。すなわち、透光性絶縁基板2において用いることができる上述の各種材料を、バックシート3においても用いることができる。特に、ポリエステル樹脂、及びガラス基板を好ましく用いることができ、中でも、耐候性、コストの観点から、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)がより好ましい。
バックシート3は、太陽光の通過を前提としないため、透光性絶縁基板2で求められていた透明性(光透過性)は必ずしも要求されない。そこで、太陽電池モジュール1の機械的強度を増すために、或いは、温度変化による歪みや反りを防止するために、補強板を張り付けてもよい。例えば、鋼板、プラスチック板、FRP(ガラス繊維強化プラスチック)板等を好ましく使用することができる。
バックシート3は、2層以上からなる多層構造を有していてもよい。多層構造としては、例えば、中央層の両面に、中央層に対して対称の配置となるように同一成分の層が1又は2以上積層された構造等が挙げられる。そのような構造を有するものとしては、例えば、PET/アルミナ蒸着PET/PET、PVF(商品名:テドラー)/PET/PVF、PET/AL箔/PET等が挙げられる。
発電素子4は、半導体等の光起電力効果を利用して発電できるものであれば特に制限はなく、たとえば、シリコン(単結晶系、多結晶系、非結晶(アモルファス)系)、化合物半導体(3−5族、2−6族、その他)等を用いることができる。これらの中でも、発電性能とコストとのバランスの観点から、多結晶シリコンが好ましい。
以下に実施例、比較例に基づき、発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例により何ら制限されるものではない。本実施例で行った評価方法は下記のとおりである。
<環状ダイでの上向き製膜性>
3台(表面層用、内層用、最内層用)の押出機に接続された多層環状ダイ(直径250φmm、スリット厚さ1mm)から、樹脂をチューブ状に上向きに溶融押出した。これを引き取りながら、安定板により押しつぶした。そして、押しつぶした押出物を1対のニップロールにより封止してチューブを形成した。得られたチューブに空気を入れて、所望のシート厚さ及びシート折幅になるように空冷リングを用いて急冷固化し、チューブを押しつぶして一体化しロールに巻き取った。これにより、表面層/内層/最内層/内層/表面層の5層構造の樹脂シートを得た。
<環状ダイでの下向き製膜性>
3台(表面層用、内層用、最内層用)の押出機に接続された多層環状ダイ(直径250φmm、スリット厚さ1mm)から、樹脂をチューブ状に下向きに溶融押出した。これを引き取りながら、安定板により押しつぶした。そして、押しつぶした押出物を1対のニップロールにより封止してチューブを形成した。得られたチューブに空気を入れて、所望のシート厚さ及びシート折幅になるように水冷リングを用いて急冷固化し、チューブを押しつぶして一体化しロールに巻き取った。これにより、表面層/内層/最内層/内層/表面層の5層構造の樹脂シートを得た。
<照射処理>
電子線処理をEPS−300又はEPS−800の電子線照射装置(日新ハイボルテージ社製)を用いて、表に示す加速電圧及び照射密度で得られた樹脂シートに電子線照射を行った。
<ゲル分率>
沸騰p−キシレン中で試料を12時間抽出し、不溶解部分の割合を次式により表示したもので、樹脂シートの架橋度の尺度として用いた。
ゲル分率(質量%)=(抽出後の試料質量/抽出前の試料質量)×100
なお、多層構造の場合の表面層のゲル分率は、表面層の厚さと同じ単層の樹脂シートを作製し、その樹脂シートに電線照射処理を施したものを、上記方法により測定することで、表面層のゲル分率とした。
<熱収縮率>
樹脂シートを10cm角に切り出して試料とした。この試料を温水バスにて70℃に熱した温水に5分間浸漬したのち、シートの機械方向長さ(変化)を定規で測定し、収縮率を算出した。
<太陽電池モジュールの作製>
得られた樹脂封止シートを用いて、太陽電池モジュールを作成し、その物性を評価した。太陽電池用ガラス板/樹脂シート/発電部分/樹脂シート/バックシートの順に積層し、LM50型真空ラミネート装置(NPC社)を用いて、各表に示す条件で真空ラミネートすることにより太陽電池モジュールを製造した。得られた太陽電池モジュールについて、封止結果(ラミネート結果)を外観により評価した。セルの段差が完全に封止できていないものや、ラミネートの前後でセルの位置ずれが確認されたものは不良と判断し、外観上問題のないものは良好と判断した。
本実施例で用いた材料は下記のとおりである。
<太陽電池ガラス板>
AGC社製、太陽電池用ガラス 白板ガラスエンボス付き厚さ3.2mm
<バックシート>
三菱アルミパッケージング社製バックシート
ポリフッ化ビニル(商品名:テドラー、40μm)/PET(250μm)/ポリフッ
化ビニル(40μm)の3層構造を有するバックシート
<縦置8585試験>
縦置8585試験とは、上記方法にて製造した太陽電池モジュールを垂直に立て、恒温恒湿槽にて85℃、相対湿度85%条件下に1000時間保持する試験を指す。本試験したのち、セルの封止状態を外観により評価した。製造直後と比較し、試験後で樹脂の溶融、流動に起因するセルの位置ずれが確認されたものは不良とし、外観変化のないものは良好と判断した。
各実施例及び各比較例の製造条件及び評価結果を表1〜4に示す。
<実施例1〜12>
3台の押出機にそれぞれ、表1〜3に記載の樹脂を投入し、押出機に接続された多層環状ダイから上向き方向もしくは下向き方向にて樹脂をチューブ状に溶融押出し、安定板にて押しつぶし、ニップロールにて封止することで形成された樹脂チューブに空気を入れたのち、チューブを押しつぶして一体化しロールに巻き取った。この樹脂シートを、各表に記載の条件にて上記の方法でエンボス加工・梨地加工を行い、次いで電子線処理して樹脂封止シートを得て、各種評価に供した。
各実施例において、ブロッキング性の高い樹脂であっても環状ダイを用いて安定的に樹脂封止シートを製造できた。そして、各表の結果より、各実施例の製造方法によれば、接着性及び耐クリープ特性に優れるとともに、熱収縮率が低い樹脂封止シートを効率よく製造できることが確認された。
<比較例1,2>
製膜方法がTダイ製膜法及びカレンダー製膜法である他は実施例6と同等の評価方法にて行った。結果を表4に示す。比較例1はTダイ製膜方法にて製膜を行った。
比較例1はシートの製膜は可能であったが、熱収縮率は大きく、太陽電池モジュール化した際にセルの位置ずれが確認された。
比較例2はカレンダー製膜方法にて製膜を行った。比較例2はカレンダー製膜方法であったため多層構造のシートを製膜できなかった。
本発明に係る樹脂封止シートの製造方法は、太陽電池モジュールを構成する発電素子等の各種部材を封止する封止材の製造方法として産業上の利用可能性を有する。
1 太陽電池モジュール
2 透光性絶縁基板
3 バックシート
4 発電素子
5 樹脂封止シート
10 環状ダイ
12 押出機
14 ポリマーパイプ
16 安定板
18 ニップロール
20,22 ガイドロール
24 ピンチロール
26 予熱ロール
28 加熱部
30 賦形ロール(梨地ロール、エンボスロール、梨地付きエンボスロール)、
32 バックアップロール
S 樹脂シート

Claims (12)

  1. 樹脂を環状ダイから溶融押出して円筒状に製膜する製膜工程と、
    前記製膜工程により得られた円筒状の押出物の側面を押しつぶすことにより、平板状の押出物とすることを少なくとも行う成形工程と、
    を含む樹脂封止シートの製造方法。
  2. 前記製膜工程において、前記樹脂を前記環状ダイから上向き方向又は下向き方向に溶融押出しするインフレーション法によって前記円筒状の押出物を製膜する、請求項1に記載の樹脂封止シートの製造方法。
  3. 前記環状ダイから溶融押出しされた押出物を、水冷又は空冷により冷却固化させる冷却工程をさらに含む、請求項1又は2記載の樹脂封止シートの製造方法。
  4. 前記環状ダイが多層環状ダイである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の樹脂封止シートの製造方法。
  5. 前記成形工程において、前記円筒状の押出物の前記側面を安定板で重ね合わせた後、ニップロールにより前記押出物の前記側面を押しつぶすことにより、平板状の押出物にする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂封止シートの製造方法。
  6. 前記平板状の押出物を軟質化させた後、エンボス加工及び/又は梨地加工を行う工程をさらに含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の樹脂封止シートの製造方法。
  7. 前記軟質化が、赤外線加熱、熱風加熱、及び加熱ロールからなる群より選ばれる少なくとも1種以上の方法により行われる、請求項6に記載の樹脂封止シートの製造方法。
  8. 前記平板状の押出物に、電離性放射線照射による架橋処理を施す工程をさらに含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の樹脂封止シートの製造方法。
  9. 前記樹脂が、(a)(a1)エチレンモノマーと、(a2)酢酸ビニル、脂肪族不飽和カルボン酸及び脂肪族不飽和カルボン酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1種以上のモノマーと、の共重合体、及び(b)ポリオレフィン系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種以上を含む樹脂である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の樹脂封止シートの製造方法。
  10. 前記樹脂封止シートが多層構造であり、かつ
    前記樹脂封止シートの表面層が、水酸基を持つオレフィン系樹脂、酸性官能基で末端変性もしくはグラフト変性された変性ポリオレフィン系樹脂、及びグリシジルメタクリレートを含むエチレン共重合体からなる群より選択される少なくとも1種以上の接着性樹脂を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の樹脂封止シートの製造方法。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法によって製造された樹脂封止シート。
  12. 透光性絶縁基板と、
    バックシートと、
    前記透光性絶縁基板と前記バックシートとの間に配置される発電素子と、
    前記透光性絶縁基板と前記バックシートとの間で前記発電素子を封止する、請求項11に記載の樹脂封止シートと、
    を備える太陽電池モジュール。
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