JP2011014561A - シリコンインゴットの切断方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、切削時のインゴットの冷却効果が高く、高精度なシリコンインゴットの切断を、低コストで実現できるシリコンインゴットの切断方法を提供することにある。
【解決手段】固定砥粒ワイヤーソー10を有する切断装置1を用いたシリコンインゴット20の切断方法であって、水をクーラント30として用いて前記インゴット20を切断し、その後、防錆剤を含有する液体により前記切断装置1を洗浄することを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】固定砥粒ワイヤーソー10を有する切断装置1を用いたシリコンインゴット20の切断方法であって、水をクーラント30として用いて前記インゴット20を切断し、その後、防錆剤を含有する液体により前記切断装置1を洗浄することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、シリコンインゴットの切断方法、特に、固定砥粒ワイヤーを用いて切断を行うシリコンインゴットの切断方法に関するものである。
半導体シリコンウェーハ、太陽電池用シリコンウェーハの製造工程において、シリコンインゴットをウェーハ状に切断するスライス工程が行われる。スライス工程では、加工効率の向上や、大径インゴットの切断にも適用できる点から、一般的に、ワイヤーソーを用いるインゴットの切断が行われる。例えば、特許文献1には、マルチワイヤーソーを用いたインゴットの切断方法が開示されている。
また、ワイヤーソーによる切断方法としては、GC(緑色炭化珪素)等からなる砥粒と、油性や水性のオイル又はクーラントとを混合した砥粒液(以後、「スラリー」と称す)をワイヤーに付着させて切断する方法(遊離砥粒を用いた切断方式)、又は、例えば特許文献2に開示されているように、ダイヤモンド等の砥粒をワイヤーの表面に電着等によって固定させたワイヤー(以後、「固定砥粒ワイヤー」と称す)を用いて、水性のオイル又はクーラントを供給しながら切断する方法(固定砥粒ワイヤーを用いた切断方式)が挙げられる。
ここで、上述の遊離砥粒による切断は、固定砥粒ワイヤーによる切断に比べてコストの点で優れているが、切断に使用したスラリーの産業廃棄物としての処理に費用がかかることや、切断後の洗浄において洗浄剤を使用するため環境面での問題があり、さらに、GC等からなる砥粒は超微粉であるため、砥粒取り扱いの際の飛散もあり作業環境面においても問題がある。一方、固定砥粒による切断は、遊離砥粒切断方式と比較して、コストは同等でありながら切断時間が大幅に短縮できるため生産性が高いことや、スラリーの廃出がないため産業廃棄物の発生を抑制できること、インゴット切断後の洗浄が容易であるという点において優れている。さらに、超微粉を使用しないため、砥粒調合時の飛散もなく、作業環境面でも優れているといえる。
ここで、上述の切断に用いられるオイル又はクーラント(遊離砥粒切断方式の場合はスラリー)は、切断中は予め設定された温度を維持し、温度変化によるメインローラー及びワークプレートの膨張・収縮を抑制することでウェーハの切断形状、ソリ精度が良い切断が行える為の冷媒としての役目も果たす。そのため従来は、スラリー中の砥粒の沈降防止や分散性を高める点から粘度の高いオイル、又はクーラント用いていたが、固定砥粒を用いた切断の場合、オイルやクーラントに砥粒を含有させる必要がないこと、並びに、温度変化によるメインローラー及びワークプレートのインゴット冷却効果をさらに高める必要があることから、近年では、水性系のオイル又はクーラントが用いられることが多くなっている。
しかしながら、固定砥粒ワイヤーを用いたインゴットの切断に、水性のオイルやクーラントを用いた場合、温度制御効果が高く、高精度の切断ができる点については効果を奏するものの、水分量の変化によって粘度が変化し、インゴットの切断に悪影響を与える恐れがあることから、さらなる改善を図る必要があった。また、製造コスト低減の要求に伴い、オイルやクーラントに要するコストについても低減を図る必要があった。
本発明の目的は、クーラントの適正化を図ることで、シリコンインゴット切断時の発熱によるメインローラー、ワークプレートの膨張・収縮を抑制し、高精度なシリコンインゴットの切断を低コストで実現できるシリコンインゴットの切断方法を提供することにある。
本発明者らは、固定砥粒ワイヤーを有する切断装置を用いたシリコンインゴットの切断方法について、上記の課題を解決するため検討を重ねた結果、オイル又はクーラントの代用として、水を用いて前記シリコンインゴットを切断することで、水が油性や水性のオイルやクーラントと同等の冷却効果を有し、かつ、通常用いられるオイルやクーラントに比べて格段に安価であるため、シリコンインゴットの切断を低コストで実現できることを見出した。さらに、水を使用してシリコンインゴットの切断を行った場合では、切断装置に錆が発生するという問題があるが、切断後、防錆剤を含有する液体により前記切断装置を洗浄することで、錆の発生についても有効に抑制できることを見出した。
上記目的を達成するため、本発明の要旨構成は以下の通りである。
(1)固定砥粒ワイヤーを有する切断装置を用いたシリコンインゴットの切断方法において、水をクーラントとして用いて前記インゴットを切断し、その後、防錆剤を含有する液体により前記切断装置を洗浄することを特徴とするシリコンインゴットの切断方法。
(1)固定砥粒ワイヤーを有する切断装置を用いたシリコンインゴットの切断方法において、水をクーラントとして用いて前記インゴットを切断し、その後、防錆剤を含有する液体により前記切断装置を洗浄することを特徴とするシリコンインゴットの切断方法。
(2)前記インゴット切断の際に用いた水と、洗浄の際に用いた液体とを別個に回収し、回収した水に含まれるシリコンの切屑を回収し、再利用する上記(1)記載のシリコンインゴットの切断方法。
(3)前記防錆剤は、スルフォン酸及びカルボン酸のうちの少なくとも1種を含有する上記(1)又は(2)記載のシリコンインゴットの切断方法。
(4)前記防錆剤を含有する液体は、水又は水性である上記(1)〜(3)のいずれか1項記載のシリコンインゴットの切断方法。
この発明によれば、切断時の発熱に起因したメインローラー及びワークプレートの温度上昇を抑制でき、高精度なシリコンインゴットの切断を低コストで実現できるシリコンインゴットの切断方法の提供が可能となった。
本発明によるシリコンインゴットの切断方法について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明によるシリコンインゴットの切断方法を説明するため、シリコンインゴット及び切断装置の断面を、模式的に示した図である。
図1は、本発明によるシリコンインゴットの切断方法を説明するため、シリコンインゴット及び切断装置の断面を、模式的に示した図である。
本発明のシリコンインゴットの切断方法は、図1に示すように、固定砥粒ワイヤー10を有する切断装置1を用いたシリコンインゴット20の切断方法であって、水30をオイル、又はクーラントの代用として前記インゴット20を切断し、その後、防錆剤を含有する液体(図示せず)により前記切断装置1(装置加工室内部を含む)を洗浄することを特徴とする。
上記構成を採用することで、水は油性や水性のオイル、又はクーラントと同等の温度制御効果を有し、かつ、通常用いられるオイル、又はクーラントに比べて格段に安価であり、シリコンインゴット20の切断を低コストに実現でき、さらに、単純に水を使用してシリコンインゴットの切断を行っただけでは、コストの低減は図れるものの、切断装置1に錆が発生するという問題が起こるが、切断後、防錆剤を含有する液体(図示せず)により前記切断装置を洗浄することで、錆の発生についても有効に抑制が可能となる。
ここで、切断の際のオイル又はクーラントの代用として用いられる水30とは、一般水又は純水のことをいう。なお、切断の際に用いられる水30の供給については、従来のオイル、又はクーラント供給の場合と同様に、図1に示すように、専用の供給手段31によって、ワイヤーソー10上に供給するこができる。さらに、図1に示すように、ワイヤーソー10上だけでなく、インゴット20に直接かけることも、インゴット20の温度上昇を抑制するという点からは有効である。
また、本発明による切断方法では、前記インゴット切断の際に用いた水と、洗浄の際に用いた防錆剤を含む液体とを別個に回収し、回収した水に含まれるシリコンの切屑を回収し、再利用することが好ましい。シリコンの切屑を回収した後、再び溶融炉に投入することでシリコン材料として再利用が可能となるためである。また、本発明ではクーラントとして水を用いるため、回収した後すぐに再利用が可能となり、回収後に特殊な洗浄工程を必要とするオイルや、水性のクーラントを用いた場合と比べて、効率的に再利用ができる点で有効である。
さらに、前記水の回収については、防錆剤を含有する液体との混合を防ぐため、前記インゴット20の切断直後に行うことが好ましい。これによって、前記シリコンの切屑を回収した後すぐに再利用が可能だからである。
また、本発明による切断方法に用いられる防錆剤を含有する液体は、所定の防錆剤を含有し、前記切断装置1の洗浄を行えるような液体であれば特に限定はされないが、有効に錆の発生を抑制し、さらに、その後にインゴット20の切断を行った際に悪影響を与えないという点から、前記防錆剤はスルフォン酸及びカルボン酸のうちの少なくとも1種を含有することが好ましい。
さらに、前記防錆剤は水性であることが好ましい。例えば油性の防錆剤を用いて洗浄した場合、別個に回収された水に油性の防錆剤が混入することがあるため、前記シリコンの切屑の再利用が困難となる恐れがあるからである。
また、本発明によるシリコンインゴットの切断方法に用いられる固定砥粒ワイヤー10は、表面にダイヤモンド等の砥粒が電着等により固定されたワイヤーのことである。この固定砥粒ワイヤーを用いれば、オイルやクーラント中にGC等の砥粒を含有させることなく(スラリーを用いることなく)、水のみによって前記シリコンインゴット20の切断を行うことができる。
また、前記ワイヤーソー10の固定砥粒ワイヤーを構成する具体的な材料としては、特に限定はしないが、確実にシリコンインゴット20の切断を行える点から、例えば、ダイヤモンドを用いることができる。
なお、前記固定砥粒ワイヤー10は、図1に示すように、複数のローラー40の長手方向に螺旋状に巻かれており、一定時間に一定長さを新線側より送り出し、巻き取り側に巻き取られる。合わせてインゴット移動機構(図示せず)により、前記シリコンインゴット20をワイヤーソー10へ押し付けることで、インゴット20の切断を行うことができる。
なお、上述したところは、この発明の実施形態の一例を示したにすぎず、請求の範囲において種々の変更を加えることができる。
(実施例)
実施例として、図1に示すように、固定砥粒ワイヤー10を有する切断装置1によって、純水をクーラントの代用として使用し、シリコンインゴット20(サイズ:φ200mm、L=220〜240mm)の切断を行った。
また、インゴット20の切断後、スルフォン酸ベースの防錆剤を含有した洗浄液によって、前記装置1の洗浄を行った。
実施例として、図1に示すように、固定砥粒ワイヤー10を有する切断装置1によって、純水をクーラントの代用として使用し、シリコンインゴット20(サイズ:φ200mm、L=220〜240mm)の切断を行った。
また、インゴット20の切断後、スルフォン酸ベースの防錆剤を含有した洗浄液によって、前記装置1の洗浄を行った。
(比較例)
比較例として、固定砥粒ワイヤーにおいて水性クーラントを用いたこと以外は、実施例と同様の条件によって、シリコンインゴット20の切断を行った。
また、前記水性クーラントでの切断後は防錆剤を含有する洗浄液での洗浄は行っていない。
比較例として、固定砥粒ワイヤーにおいて水性クーラントを用いたこと以外は、実施例と同様の条件によって、シリコンインゴット20の切断を行った。
また、前記水性クーラントでの切断後は防錆剤を含有する洗浄液での洗浄は行っていない。
(評価方法)
(1)冷却効果
実施例及び比較例で切断に用いた水又はクーラントを回収し、回収時の温度を測定した。あらかじめ設定した回収時の温度と、実測した回収時の温度の差(温度制御の追従性)を測定し、実施例の温度のばらつきを100としたときの相対値を算出することによって、冷却効果の評価を行った。実施例及び比較例の相対値を表1に示す。なお、相対値については、低いほど設定温度との差が小さく、冷却効果が高いことを示す。ここで、水又はクーラントの回収時の温度を冷却効果の指標に用いた理由としては、回収時の温度によって前記インゴットの冷却効果を把握できるためであり、回収時の温度が設定温度に近いほど、所望の冷却効果が得られる(予定通りの温度にインゴットを冷却できている)ことがわかる。
(1)冷却効果
実施例及び比較例で切断に用いた水又はクーラントを回収し、回収時の温度を測定した。あらかじめ設定した回収時の温度と、実測した回収時の温度の差(温度制御の追従性)を測定し、実施例の温度のばらつきを100としたときの相対値を算出することによって、冷却効果の評価を行った。実施例及び比較例の相対値を表1に示す。なお、相対値については、低いほど設定温度との差が小さく、冷却効果が高いことを示す。ここで、水又はクーラントの回収時の温度を冷却効果の指標に用いた理由としては、回収時の温度によって前記インゴットの冷却効果を把握できるためであり、回収時の温度が設定温度に近いほど、所望の冷却効果が得られる(予定通りの温度にインゴットを冷却できている)ことがわかる。
(2)コスト
各実施例及び比較例で切断を行った際に用いたクーラントのコストを算出し、比較例の切断に要したコストを100としたときの相対値を算出することによって、コストの評価を行った。各実施例及び比較例のコストの相対値を表1に示す。
各実施例及び比較例で切断を行った際に用いたクーラントのコストを算出し、比較例の切断に要したコストを100としたときの相対値を算出することによって、コストの評価を行った。各実施例及び比較例のコストの相対値を表1に示す。
(3)再利用性
各実施例及び比較例で切断を行った際に発生するシリコンの切屑を回収し、シリコン原料として再利用を図った。発生した全切屑中の再利用できた切屑の割合(%)を再利用率として算出し、実施例の再利用率を100としたときの相対値を算出することによって、再利用性の評価を行った。各実施例及び比較例の相対値を表1に示す。
各実施例及び比較例で切断を行った際に発生するシリコンの切屑を回収し、シリコン原料として再利用を図った。発生した全切屑中の再利用できた切屑の割合(%)を再利用率として算出し、実施例の再利用率を100としたときの相対値を算出することによって、再利用性の評価を行った。各実施例及び比較例の相対値を表1に示す。
表1から、冷却効果については、実施例及び比較例のいずれについても効果が発揮できているが、コストについては、水をクーラントとして用いた実施例が大幅に低コストに抑えられていることがわかった。また、シリコン切屑の再利用についても、実施例の再利用率が最も高いことがわかった。
この発明によれば、インゴット切断時の発熱によるメインローラー及びワークプレートの膨張・収縮の抑制効果が従来の水性クーラントと同様の結果であり、高精度なシリコンインゴットの切断を、低コストで実現できるシリコンインゴットの切断方法を提供することが可能になった。
10 固定砥粒ワイヤー
20 シリコンインゴット
30 クーラント、水
31 クーラント又は水供給ノズル
40 メインローラー
20 シリコンインゴット
30 クーラント、水
31 クーラント又は水供給ノズル
40 メインローラー
Claims (4)
- 固定砥粒ワイヤーを有する切断装置を用いたシリコンインゴットの切断方法において、
水をクーラントとして用いて前記インゴットを切断し、その後、防錆剤を含有する洗浄液により前記切断装置を洗浄することを特徴とするシリコンインゴットの切断方法。 - 前記インゴット切断の際に用いた水と、洗浄の際に用いた洗浄液とを別個に回収し、回収した水に含まれるシリコンの切屑を回収し、再利用する請求項1記載のシリコンインゴットの切断方法。
- 前記防錆剤は、スルフォン酸及びカルボン酸のうちの少なくとも1種を含有する請求項1又は2記載のシリコンインゴットの切断方法。
- 前記防錆剤を含有する洗浄液は、水性である請求項1、2又は3記載のシリコンインゴットの切断方法。
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| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20120904 |