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JP2011012003A - ソフトカプセル用乳化組成物及びソフトカプセル剤 - Google Patents

ソフトカプセル用乳化組成物及びソフトカプセル剤 Download PDF

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JP2011012003A JP2009156744A JP2009156744A JP2011012003A JP 2011012003 A JP2011012003 A JP 2011012003A JP 2009156744 A JP2009156744 A JP 2009156744A JP 2009156744 A JP2009156744 A JP 2009156744A JP 2011012003 A JP2011012003 A JP 2011012003A
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Abstract

【課題】多量に乳化剤を用いることなく、油性成分を高比率とするソフトカプセル製剤用乳化組成物を開発する
【解決手段】油性成分(A)、多価アルコール(B)、乳化剤(C)を含有するソフトカプセル製剤用乳化組成物であって、多価アルコール(B)が無水状態で液状の多価アルコール(B−1)と固体状の多価アルコール(B−2)を含有し、B−1とB−2の比が、1:3〜1:6であるソフトカプセル製剤用乳化組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は自己乳化能を有するソフトカプセル製剤用組成物に関するものである。
自己乳化とは自然乳化とも呼ばれる現象で、水もしくは消化液に触れることで外力を必要とすることなく自然に乳化する現象のことを指す。この現象を利用した製剤として自己乳化型製剤(SEDDS)が知られている。この技術を導入することで、胆汁酸による乳化工程を経なくても、乳化することから食前・食後を問わず吸収されやすくなると言われている。
水に対して難溶性の生理活性成分を含む健康食品、医薬品ないし医薬部外品等においては、生理活性成分の吸収率の改善が課題となっており、これまで難溶性生理活性成分の吸収性改善を目的として生理活性成分の微細化や、乳化剤添加による難溶性生理活性成分の溶解性改善が試みられている。
特に近年コエンザイムQ10のように高い生理活性を持ちながらも、難水溶性物質であるために吸収されにくいような生理活性成分については、該生理活性成分を含む製剤中に1種または2種以上の乳化剤と、それらを溶解させるための助溶媒等を添加することで、空腹時に摂取したとしても、水もしくは消化液と接触するだけで自然に乳化・分散するように工夫された製剤が着目されている。このような製剤は、ソフトカプセルなどのカプセル剤型とすると取扱いや摂取に適している。
このような技術を健康食品、医薬品、医薬部外品などの経口摂取用の製剤に応用する場合には、乳化剤の使用量が多く、消化管の炎症をもたらしたり、吸収後細胞にダメージを与える可能性もある。また乳化剤の使用量が多いことは消費者にとっての心象も良くないことから出来る限り使用量を少なくすることが望ましい。乳化剤が多いことは相対的に油剤量が少なくなり、1カプセルに含まれる油剤に溶解している生理活性成分が少ないことになる。
例えば、特許文献1には、油性溶媒(乳化剤)としてデカグリセリルペンタオレートをコエンザイムQ10の12.5〜13.5倍量用い、安定化剤(補助界面活性剤)としてジアシルモノカプリン酸をコエンザイムQ10の0.4〜1.6倍量配合してなる自己乳化型軟カプセルの例が開示されている。この結果、自己乳化型軟カプセルには、コエンザイムQ10に対して12.9〜15.1倍の乳化剤が必要となっている。
非特許文献1には、このような乳化剤高濃度使用に伴う潜在的毒性を避ける目的で、最小量(3%)の乳化剤使用に基づく新しい乳化製剤の例が提示されている。しかしながら、使用している乳化剤はポリオキシエチレンアルキルエーテルであり、また助溶媒にはポリエチレングリコールが使用されていることから、食品添加剤としては適さず健康食品などの加工食品へ使用することは出来ない。
一方、健康食品用途における自己乳化製剤の課題は、多量の乳化剤使用の外に、助溶媒にもある。非特許文献2には現在実用化されている自己乳化製剤の例が取り上げられており、その中で多量の乳化剤もしくは生理活性成分を溶解させるための助溶媒としてエタノール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなどの溶媒が適しているとしている。
しかしながら、該組成物中の助溶媒はカプセル皮膜へ移行してしまい、組成物から生理活性成分が析出して分離してしまう課題があるとしている。また助溶媒のカプセル皮膜への移行はカプセルの軟化も引き起こし、カプセルの変形を生じさせてしまうこともある。カプセル皮膜は消化器官内で溶ける材質である水溶性成分であるので、封入される成分中の水分がカプセル皮膜に作用してカプセルの変形や崩壊が発生する危険がある。水分によるソフトカプセルの変形などの課題を克服することもソフトカプセル充填剤としては重要な要因である(特許文献2)。
したがって、カプセル剤型は、1個のカプセル内に多くの生理活性成分を封入する場合には、その生理活性成分の溶媒となる油剤の比率を高くすることが望ましく、カプセルに封入される成分中の水溶性成分の皮膜を変形するなどの影響を小さくすることが好ましい。
また特許文献3には、5〜30%重量部の脂溶性物質(有効成分)、5〜30%重量部の乳化剤、30〜85%重量部の多価アルコール、水を混合した脂溶性物質の水溶液剤が開示されている。実施例では多価アルコールとしてD−ソルビトール水飴、グリセリンを用いた例が挙げられているが、これらは乳化剤、多価アルコールの使用量が多いため、脂溶性物質(有効成分)を多く配合することができない。具体的な用途は、ドリンク剤などがあげられており、水分量も多いのでソフトカプセルには適さない配合である。
またカプセルに充填後、安定性を担保できるかについても不明であるが、これと類似した事例として、特許文献4の比較例4に乳化剤としてショ糖脂肪酸エステル3%、多価アルコール相としてグリセリン57%、水10%、油性成分として中鎖トリグリセライドの組み合わせの例が挙げられている。しかし、40℃環境でカプセルを保管したところ、2週間で変形が始まり、4週間で大きな変形を伴ったと記載されている。
特許文献5には、10重量%のコエンザイムQ10、35重量%の油相成分、50重量%の多価アルコール及び5重量%の乳化剤を含有する乳化組成物を含有したソフトカプセルが開示されている。実施例14に優れた分散を示すソフトカプセルの例が開示されている。
特開昭62−67019号公報 特開2005−60252号公報 特許第3880265号 特開2005−60252号公報 特開2003−238396号公報
Chem. Pharm. Bull. 46(2) 309-313 (1998) Biomedicine & Pharmacotherapy 58 (2004) 173-182
本発明は、多量に乳化剤を用いることなく、油性成分を高比率とするソフトカプセル製剤用乳化組成物を開発することを目的とする。
本発明者らは、上記課題解決のため鋭意研究した結果、無水状態で液体の多価アルコールと無水状態で固体の多価アルコールを混合させたものの中に乳化剤共存させたものを外相、油相成分を内相とする水溶性の乳化組成物を調製することで、従来型の自己乳化製剤よりも油相成分高配合で乳化剤使用量を大幅に低減させた製剤を得られることを見出した。また該組成物中に含まれる多価アルコールは無水状態での液体のものと無水状態で個体のものをある特定の比率の範囲で含んでいる場合においてのみ、ソフトカプセル充填が可能で、ソフトカプセル充填後も自己乳化性を維持でき、尚且つソフトカプセル皮膜への多価アルコール移行を抑制し、該組成物が分離することなく安定で、カプセルの軟化、変形を抑制できるという知見を得て本発明に至った。
また油性成分を高比率にするために使用する乳化剤としては多価アルコール、油性成分間で強固な界面膜を作るものが望ましい。具体的には多価アルコールおよび油性成分に対して易溶ではなく、常温かつ脱水・脱油状態で固体状のものが望ましい。具体的にはリゾレシチンが望ましく、リゾレシチン中に含まれるリゾホスファチジルコリン濃度が少なくとも18%以上、望ましくは65%以上含まれているものがソフトカプセルへ充填した時の長期安定性の面から望ましい。またリゾホスファチジルコリンをリゾホスホリパーゼDによりコリンを除去したリゾホスファチジン酸も本発明の乳化剤として使用できる。リゾレシチンの他に、食品用乳化剤として汎用的に用いられているものとしては、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルなどが挙げられるが、これらは多価アルコールあるいは油性成分に対して易溶であり、界面膜を作るためにはリゾレシチンに比べると多量の乳化剤添加を必要とすることから適していない。また常温で固体状の乳化剤としてはショ糖脂肪酸エステルが挙げられ、こちらについてもリゾレシチン同様の作用が確認されたが、リゾレシチンを用いた場合よりも油性成分を高配合にすることは出来なかった。
本発明の主な構成は次のとおりである。
(1)油性成分(A)、多価アルコール(B)、乳化剤(C)を含有するソフトカプセル製剤用乳化組成物であって、
多価アルコール(B)が無水状態で液状の多価アルコール(B−1)と固体状の多価アルコール(B−2)を含有し、B−1とB−2の比が、1:3〜1:6であることを特徴とするソフトカプセル製剤用乳化組成物。
(2)水を除く組成物中の多価アルコール(B)が15〜25%重量、乳化剤(C)が2.0%重量以下、油性成分(A)が65.0〜80.0%重量であることを特徴とする(1)記載のソフトカプセル製剤用乳化組成物。
(3)油性成分(A)が中鎖脂肪酸トリグリセライドまたは動植物性オイルであり、当該油性成分に可溶な脂溶性物質(D)を含む(1)又は(2)記載のソフトカプセル製剤用乳化組成物。
(4)多価アルコールB−1がグリセリンであることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のソフトカプセル製剤用乳化組成物。
(5)多価アルコールB−2がD-ソルビトール及び/又は還元澱粉糖化物であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載のソフトカプセル製剤用乳化組成物。
(6)乳化剤(C)がリゾレシチンであり、原料中に含まれるリゾホスファチジルコリンの濃度が少なくとも18%以上、望ましくは65%以上であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載のソフトカプセル製剤用乳化組成物。
(7)油性成分に可溶な脂溶性物質(D)が、コエンザイムQ10、還元型コエンザイムQ10、リポ酸、α、β-、γ-δ-トコフェロール、α、β-、γ-δ-トコトリエノール、α、β-、γ-δ-カロテン、リコペン、ルテイン、ゼアキサンチン、アスタキサンチン、ビタミンD、ビタミンA、ビタミンP、DHA、EPA、スクワランから選ばれる少なくとも1種または2種以上を含むことを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載のソフトカプセル製剤用乳化組成物。
(8)(1)〜(7)のいずれかに記載されたソフトカプセル製剤用乳化組成物を封入したソフトカプセル製剤。
(9)ソフトカプセル封入前の水が10重量%以下であり、カプセルに封入後、内溶液中に含まれる水を乾燥工程で5%以下にしたことを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載されたソフトカプセル製剤用乳化組成物を封入したソフトカプセル製剤。
(10)油性成分(A)、多価アルコール(B)、乳化剤(C)を含有するソフトカプセル製剤用乳化組成物であって、多価アルコール(B)が無水状態で液状の多価アルコール(B−1)と固体状の多価アルコール(B−2)を含有し、B−1とB−2の比が、1:3〜1:6であるソフトカプセル製剤用乳化組成物を調整する方法であって、
乳化剤(C)を多価アルコール(B)に溶かし込み、次いで、均質に攪拌しつつ油性成分(A)を徐々に加えて高粘性ゲルを調製し、脱泡してソフトカプセル製剤用乳化組成物を調整する方法。
本発明は、高い油性成分比率(特に、65.0%以上)であって、多量に乳化剤を用いることなく、水もしくは消化液と接触すると速やかに乳化・分散する自己乳化組成物を提供することができる。本発明の自己乳化組成物をソフトカプセルに充填しても、自己乳化組成物が分離することなく安定で、ソフトカプセルの軟化、変形も生じない組成物を提供することができる。
本発明の自己乳化組成物は、乳化剤を多価アルコールに予め溶かし込み、次いで、均質に攪拌しつつ油性成分を徐々に加えることにより高粘性ゲルを調製し、脱泡して本発明のソフトカプセル用の自己乳化組成物とする。多価アルコールは、水分散性を維持するために必要であって、自己乳化性を担保するために一定の量を配合する必要がある。
本発明の乳化組成物は、水もしくは消化液と接触すると速やかに乳化・分散する組成物を得ることができ、難水溶性物質の吸収性改善が期待される。本発明の乳化組成物は、乳化剤配合量が少なくて済み、油性成分比率が高くなる分、生理活性物質などの脂溶性有効成分を多く封入したソフトカプセルを提供することが可能である。
その他、本発明の自己乳化組成物は、乳化剤量が2%以下と少ない。保管中に60℃程度の高温になっても薬液中から油性成分が分離せず、熱安定性、保管性が高く。得られる組成物自身が比較的高粘性液体であるため、従来ソフトカプセルに用いられてきたミツロウやライスワックスのような動植物性ワックス(分散剤)を使用する必要がない。リゾレシチンは、天然系乳化剤であるから人工の乳化剤(界面活性剤)を含まないソフトカプセル用自己乳化組成物を提供することができる。
本発明の乳化組成物は、油相成分に溶解する健康食品、医薬品、医薬部外品、化粧品に通常使用される脂溶性物質を配合することが出来る。さらに耐熱性もあり、油性成分が分離しにくいことから熱処理に対しても安定である。
そして本発明は、上記したところから得られた乳化組成物をカプセルに充填して得られるソフトカプセル製剤並びにこれらを含む健康食品、医薬品、医薬部外品、化粧品に関する。
<本発明の概略>
本発明は、油性成分、多価アルコール、乳化剤からなる乳化組成物であり、乳化剤使用量の低減、多価アルコール配合量の低減、油性成分配合量の増加を実現しながら、同時にソフトカプセル皮膜の軟化・変形を抑制することができるソフトカプセル製剤用乳化組成物に関するものである。本発明の乳化組成物の必須構成は、油性成分(A)、液状と固体状の2種類の多価アルコール(B)、および、乳化剤(C)であって、ソフトカプセル製剤用乳化組成物に適する。各成分の配合は、油相成分(A)が65.0〜80.0%重量、多価アルコール(B)が15〜25%重量、乳化剤(C)が2.0%重量以下であることが望ましい。多価アルコール(B)は、無水状態で液状の多価アルコール(B−1)と固体状の多価アルコール(B−2)を同時に含有し、B−1とB−2の比が、1:3〜1:6であること重要である。
成分(A)
成分(A)、即ち油相成分としては、動植物性オイル、例えば大豆油、菜種油、綿実油、ひまわり油、サフラワー油、やし油、小麦胚芽油、コーン胚芽油、オリーブ油、米ぬか油、肝油、魚油、鯨油、中鎖脂肪酸トリグリセライドなどが挙げられる。これらの油相成分は、単独で、または2種以上組み合わせて用いても良い。実施例では脂肪酸組成中DHAを46%含有する魚油とコエンザイムQ10を溶解させた中鎖脂肪酸トリグリセライドを主に使用した。油相成分(A)は65.0〜80.0%重量が好ましい。
また、これらの動植物性オイルに溶解する脂溶性物質(D)として加えても良い。
成分(B)
成分Bは、多価アルコールである。多価アルコールは、水分量を除き多価アルコール(B)の配合量は15〜25%重量が好ましい。
多価アルコール(B)が無水状態で液状の多価アルコール(B−1)と固体状の多価アルコール(B−2)を同時に含有し、B−1とB−2の比が、1:3〜1:6であることが好ましい。
特に、成分B−1としてグリセリンが適しており、特に濃グリセリンが望ましい。濃グリセリンとしては日本薬局方に収載されている規格(多価アルコール含量98.0〜101.0%)を満たすものを指すが、食品添加物公定書で定められている規格(グリセリン含量95.0%以上)のものでも構わない。グリセリンは水分量を除き、5.0%重量以下が好ましい。
成分B−2としては、ソルビトールが好ましい。本発明に当たっては粉末(固形状)および、水分40%以下で予め加水して液状にしたものを使用することが出来る。
ソルビトールは水分量を除き、固形換算で14〜23%重量が好ましい。
成分(C)
成分Cは、乳化剤である。乳化剤は、水分量を除き配合量は2.0%重量以下が好ましい。
成分(D)として用いることができるリゾレシチンについては、原料中に含まれるリゾホスファチジルコリンの濃度が少なくとも18%以上であり、望ましくは65%以上のものが好ましい。
またリゾホスファチジルコリンをリゾホスホリパーゼDによりコリンを除去したリゾホスファチジン酸もリゾホスファチジルコリンと同等の濃度域で乳化剤として使用できる。
本発明のソフトカプセル製剤用の乳化組成物の各構成比は、油相成分(A)が65.0〜80.0%重量、多価アルコール(B)が15〜25%重量、乳化剤(C)が2.0%重量以下が好ましい。
脂溶性物質(D)
本発明の乳化組成物の油相成分(A)には、非水溶性の生理活性物質などの脂溶性有効成分(D)を溶解することができる。脂溶性物質としては例えば、コエンザイムQ10、還元型コエンザイムQ10、リポ酸、α、β-、γ-δ-トコフェロール、α、β-、γ-δ-トコトリエノール、α、β-、γ-δ-カロテン、リコペン、ルテイン、ゼアキサンチン、アスタキサンチン、ビタミンD、ビタミンA、ビタミンP、DHA、EPA、スクワランなどが挙げられる。これらの脂溶性物質は、油性成分比率に応じて高充填でき、生理活性物質を多く封入したソフトカプセル剤を提供することが可能となる。
その他成分
得られる組成物自身がソフトカプセル充填に適する高粘性液体であるため、従来のソフトカプセル用乳化組成物に配合されていた、ミツロウなどの増粘剤、動植物性ワックス(分散剤)の使用の必要性が無くなり、あるいは使用する場合でも極力少なくすることができる。また、内溶液中の水分活性が高く、内容物への安定性が損なわれる場合には水分活性抑性剤としてベタインやアミノ酸であるグリシン、L−プロリンなどを1〜5%重量添加することも出来る。
本発明の乳化組成物の製造方法
次に、本発明の乳化組成物の製造方法について説明する。
本製造工程により得られる乳化組成物は水に触れただけでO/Wエマルションを生じる予備乳化状態にある。以後、該乳化組成物のことを予備乳化物とよぶ。

本発明の製造方法は、下記の工程(I)〜(III)からなる。
工程(I);上記の成分(B)、(C)、(D)をそれぞれ所定量秤取し、成分(B)中に成分(C)、(D)を汎用ミキサーによる攪拌を行いながら、溶解させ均質化させる。
工程(II);引き続きミキサーによる攪拌を行いながら上記の成分(A)を徐々に添加する。
工程(III);工程(II)で得られた組成物は高粘性ゲルの性状をしており、気泡を噛み込んでいることから、真空ポンプに接続した密閉容器中にて空気を除いた。
特性、用途
本発明の予備乳化組成物は、水もしくは消化液と接触すると速やかに乳化・分散する自己乳化性に優れたものであり、難水溶性物質の吸収性改善に寄与する。本発明で得られる予備乳化組成物は、そのまま水等の水性液体に添加し溶かし、摂取することも出来るが、軟カプセルに封入することにより軟カプセル製剤として用いることができる。その場合、水等の水性液体もしくは生体内の水分によって軟カプセルの皮膜が崩壊し、次いで内容物がO/Wエマルションを形成する。
本発明の予備乳化組成物は、乳化剤配合量が少なくて済み、油性成分比率が高くなる分、生理活性物質などの脂溶性有効成分を多く封入したソフトカプセル剤を提供することが可能である。
本発明の乳化組成物は、ソフトカプセル被膜を軟化、変形させることが無く、ソフトカプセル剤の安定性が向上する。
また、熱安定性が高く、保管中に60℃程度の高温になっても薬液中から油性成分が分離しないので、保存性にも優れている。
そして本発明は、乳化組成物をソフトカプセルに充填して得られるソフトカプセル製剤並びにこれらを含む健康食品、医薬品、医薬部外品、化粧品に適する。生理活性物質などの脂溶性有効成分含有比率が高いので、少量の摂取で済む生理活性物質に対しては、ソフトカプセルの小型化が可能となり、小児や高齢者にとって、飲み下しの改善となる。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。

試験例
難溶性生理活性成分を含まない溶媒として油剤のみを使用して予備乳化物を作成した試験例である。試験液の調製は表1の組成に基づき行った。まず、リゾレシチン(辻製油(株) SLP LPC-70 リゾホスファチジルコリン濃度65%以上)を所定量秤取し、グリセリン(和光純薬工業(株)試薬特級 グリセリン)、ソルビトール、水からなる多価アルコール相に添加し、直径120mmのディスクタービンを取り付けた汎用攪拌機(新東科学(株) HEIDONスリーワンモーターBL1200)にて500rpm速度で攪拌を行いながら、これらを多価アルコール中に溶解させた。完全に均一になったことを確認した後、引き続き攪拌を行いながら、油性成分として食用精製魚油(DHA含有魚油(タマ生化学(株) DHA-46FII)あるいは中鎖脂肪酸トリグリセライド(花王(株)ココナードRK)を先の多価アルコール相中へ徐々に添加し、予備乳化物を得た。その後、高粘性ゲル中に含まれる気泡を真空ポンプに接続した密閉容器中にて除き、最終的な予備乳化物を得た。
Figure 2011012003
表2の通り、比較例として、グリセリンとソルビトールの比率を変化させたものを実施例と同様の方法で作成し評価を行った。
Figure 2011012003
得られた予備乳化物の評価方法を以下に示す。

<予備乳化物の初期安定性>
予備乳化物の調製直後の初期安定性を目視観察により判断した。予備乳化物の状態を以下のように評価した。
○:油が多価アルコール相から分離することなく予備乳化物を形成したもの
△:油が多価アルコール相表面に染み出しているもの
×:油が多価アルコール相から完全に分離
このうち、評価が○のものを合格とした。
<予備乳化物の水分、水分活性測定>
得られた予備乳化物については、脱泡後2〜3%程度の水分を失うことから、参考値としてカールフィッシャー水分計(京都電子工業(株)MKS-1S)による水分測定を行った。
<予備乳化物の粘度評価>
B型粘度計(ローター No.4、回転数12)による粘度測定(25℃)を実施し、測定開始後10回転目における粘度を読み取った。得られた粘度を以下のように評価した。
◎:3.0×104mPa・s未満 (流動性優)
○:3.0×104mPa・s以上、5.0×104mPa・s未満(流動性良)
×:5.0×104mPa・s以上(流動性無し、充填不可能)
このうち、○以上のものを合格とした。
<自己乳化性の評価方法>
本発明で得られた乳化組成物の自己乳化性は、水と接触させた際の分散性によって評価した。具体的にはビーカーに入れた37℃のミリQ水200mLに対して、100μLの試料を滴下したときの状態を以下のように評価した。
○:1mm以上の油滴を気-液界面に形成しないもの。
△:油滴同士が凝集・合一し、1mm以上の油滴を気-液界面に形成してしまうもの。
×:全く自己乳化しないもの。
このうち、評価が○のものを合格とした。
また評価は、ソフトカプセル充填前とソフトカプセル充填後(乾燥後)の2度評価を行った。
<軟カプセルの変形試験評価方法>
本発明で得られた乳化組成物を軟カプセルに充填した際のカプセル皮膜安定性をカプセル変形量から評価した。具体的には、得られた軟カプセル製剤をアルミ包装に入れ、40℃75%RH環境下で保管し、8週間後の軟カプセルの短径方向長さをノギスで測定することで、以下のように評価した。
○:変形量が0mm以上0.5mm未満
△:変形量が0.5mm以上1.0mm未満
×:変形量が1.0mm以上
このうち、評価が○のものを合格とした。
実施例1〜4の評価結果を各配合成分組成と共に表3に示す。また、比較例1〜7の評価結果を各配合成分組成とともに表4に示す。
Figure 2011012003
Figure 2011012003
表3に示すように、実施例1〜4は、粘度が50000mPa未満であり、充填に適切な粘度を有し、かつ、自己乳化性結果が良好であった。これらの試験例の総合評価は、○であった。
表4は、比較例の結果である。比較例1〜3は、粘度及び自己乳化性は良好であったが、ソフトカプセル皮膜への内溶液移行によりソフトカプセルの変形が認められた。また、比較例4については、粘度が100000mPa以上の高粘度であり、×であった。比較例5は調製過程で油の分離が確認されたことから調製不可と判断し、評価対象外とした。比較例6、7は粘度及び自己乳化性は良好であったが、ソフトカプセル皮膜への内溶液移行によりソフトカプセルの変形が認められた。
なお、比較例1〜3は、液状多価アルコール(B1):固体状多価アルコール(B2)の比が、1:1.4〜1.9であった。比較例4は液状多価アルコール(B1)が配合されなかった。比較例5〜7固体状多価アルコールが配合されなかった。これらの総合評価は、ソフトカプセルの変形のため、×であった。
このように、本発明のソフトカプセル製剤用予備乳化剤は、粘度が低減し、かつ、充填後のカプセル製剤の変形が抑制されることが示された。

Claims (10)

  1. 油性成分(A)、多価アルコール(B)、乳化剤(C)を含有するソフトカプセル製剤用乳化組成物であって、
    多価アルコール(B)が無水状態で液状の多価アルコール(B−1)と固体状の多価アルコール(B−2)を含有し、B−1とB−2の比が、1:3〜1:6であることを特徴とするソフトカプセル製剤用乳化組成物。
  2. 水を除く組成物中の多価アルコール(B)が15〜25%重量、乳化剤(C)が2.0%重量以下、油性成分(A)が65.0〜80.0%重量であることを特徴とする請求項1記載のソフトカプセル製剤用乳化組成物。
  3. 油性成分(A)が中鎖脂肪酸トリグリセライドまたは動植物性オイルであり、当該油性成分に可溶な脂溶性物質(D)を含む請求項1又は2記載のソフトカプセル製剤用乳化組成物。
  4. 多価アルコールB−1がグリセリンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のソフトカプセル製剤用乳化組成物。
  5. 多価アルコールB−2がD-ソルビトール及び/又は還元澱粉糖化物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のソフトカプセル製剤用乳化組成物。
  6. 乳化剤(C)がリゾレシチンであり、原料中に含まれるリゾホスファチジルコリンの濃度が少なくとも18%以上、望ましくは65%以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のソフトカプセル製剤用乳化組成物。
  7. 油性成分に可溶な脂溶性物質(D)が、コエンザイムQ10、還元型コエンザイムQ10、リポ酸、α、β-、γ-δ-トコフェロール、α、β-、γ-δ-トコトリエノール、α、β-、γ-δ-カロテン、リコペン、ルテイン、ゼアキサンチン、アスタキサンチン、ビタミンD、ビタミンA、ビタミンP、DHA、EPA、スクワランから選ばれる少なくとも1種または2種以上を含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のソフトカプセル製剤用乳化組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載されたソフトカプセル製剤用乳化組成物を封入したソフトカプセル製剤。
  9. ソフトカプセル封入前の水が10重量%以下であり、カプセルに封入後、内溶液中に含まれる水を乾燥工程で5%以下にしたことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載されたソフトカプセル製剤用乳化組成物を封入したソフトカプセル製剤。
  10. 油性成分(A)、多価アルコール(B)、乳化剤(C)を含有するソフトカプセル製剤用乳化組成物であって、多価アルコール(B)が無水状態で液状の多価アルコール(B−1)と固体状の多価アルコール(B−2)を含有し、B−1とB−2の比が、1:3〜1:6であるソフトカプセル製剤用乳化組成物を調整する方法であって、
    乳化剤(C)を多価アルコール(B)に溶かし込み、次いで、均質に攪拌しつつ油性成分(A)を徐々に加えて高粘性ゲルを調製し、脱泡してソフトカプセル製剤用乳化組成物を調整する方法。
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