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JP2011005830A - インプリント装置およびインプリント方法 - Google Patents

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JP2011005830A JP2009154002A JP2009154002A JP2011005830A JP 2011005830 A JP2011005830 A JP 2011005830A JP 2009154002 A JP2009154002 A JP 2009154002A JP 2009154002 A JP2009154002 A JP 2009154002A JP 2011005830 A JP2011005830 A JP 2011005830A
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Takeshi Matsushita
毅 松下
Shinji Uchida
真治 内田
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Fuji Electric Device Technology Co Ltd
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Abstract

【課題】スタンパの凹凸パターンを被成形材に転写するためのインプリント装置において、スタンパに無視できない程度の反りが生じた場合であっても、そのスタンパの凹凸パターンを、被成形材に適切に転写する。
【解決手段】本発明は、スタンパ14、16を吸着して保持する吸着保持手段と、被成形材12にスタンパ14、16を押し付けるように圧力を加える加圧手段と、吸着保持手段によるスタンパ14、16の保持を、スタンパ14、16と被成形材12との間に加圧手段によって所定圧を越える圧力が加えられる前に解除する解除手段とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、スタンパの凹凸パターンを基板等の被成形材に転写するためのインプリント装置およびインプリント方法に関する。
近年、情報記録装置の記録容量の増大は、磁気記録媒体の記録セルの微小化により行われてきた。これに伴い、記録セルの作製工程においては、約100nm以下の微細加工技術が求められている。これらの微細加工技術として、電子線リソグラフィー、集束イオンビームリソグラフィー、ナノインプリントリソグラフィー(以後、NIL)等があげられる。
NIL技術は、例えば特許文献1に開示されていて、所望の凹凸パターンを有するスタンパ(型)を、被成形材、例えば基板のレジスト膜(面)に押し付けてパターン転写を行なう技術であり、一回の処理で基板表面の全体にパターン転写が可能なため高スループットを実現できる。なお、スタンパの所望の凹凸パターンは、電子線リソグラフィー等を用いて形成され得る。
NIL技術のインプリント方法としては、例えば、2P法、ホットエンボス法、高圧プレス法がある。パターン転写の高精度化および高スループット化の観点から、それらのうちの高圧プレス法が有利である。
高圧プレス法を用いたインプリント装置の一例が特許文献2に開示されている。特許文献2のインプリント装置では、基板上に磁性膜とレジスト膜とを順次積層させた積層体が、プレス底板と、レジスト膜に転写すべき凹凸を有するスタンパを備えたプレス天板との間に挟まれて、プレスされる。そして、このプレス中に、レジスト膜を硬化させるように、レジスト膜に対して光が照射される。プレス終了後、プレス底板とプレス天板とに備える真空チャックを作動させて、積層体をプレス底板に吸着させると共に、スタンパをプレス天板に吸着させる。そして、プレス底板とプレス天板とを引き離すことで、インプリントの施された積層体とスタンパとが剥がされる。このようにして得られた、インプリントが施された積層体は、反応性イオンエッチング装置およびアルゴンイオンミリング装置等の加工装置に移し替えられて、エッチングされ、これにより隣り合う記録トラック同士が物理的に分離されたパターンドメディアを有する磁気記録媒体が得られる。なお、プレス底板およびプレス天板に、ニッケル(Ni)等の不透光性である金属からなる耐圧性材料を用いることを、特許文献2は開示する。
また、特許文献3は、ニッケルのスタンパを用いたインプリント装置を開示する。そのようなスタンパは、特許文献3の記載によれば、凹凸パターンが表面に形成された原盤の表面に、ニッケル電鋳処理を行うことで、得られる。
さらに、特許文献4は、スタンパと、被加工材(被成形材)との間の押し付け方向と直交する方向への相対移動を防止するように構成されたナノインプリント装置を開示する。この装置では、スタンパと被成形材とを互いに押し付ける際に、それらをそれぞれ支持する2つの支持部間に磁気吸引力を働かせるように、2つの支持部の一方に磁石が配置され、他方に磁性体または磁石が配置される。また、特許文献5には、第1のスタンパと第2のスタンパとを真空吸着によって保持して、被成形材の両面に転写パターンを転写する装置が開示されている。
米国特許第5772905号明細書 特開2005−108351号公報 特開2006−100723号公報 特開2004−034300号公報 特開2009−056762号公報
ところで、ニッケル系スタンパなどの金属製のスタンパ(メタルスタンパ)は、電鋳処理や研磨処理を経ることで、作製される。このようなメタルスタンパには、その作製過程で、反り(ゆがみ、 曲がり)が生じることがある。具体的には、凹凸パターンが形成された面が凹状態になるような反りが、メタルスタンパに生じる。このような反りは、その反り量がわずかである場合、被成形材への凹凸パターンの転写に実質的に問題を生じない。しかし、その反り量が大きいときに、上記の如くスタンパを吸着等により固定してそのパターンを被成形材に転写するような場合、スタンパの凹凸パターンを歪ませながら、その転写を行うことになる。これでは、歪んだ凹凸パターンが、被成形材に転写されることになり、凹凸パターンを被成形材に適切に転写することができない。
そこで、本発明はかかる点に鑑みて創案されたものであり、その目的は、メタルスタンパのようなスタンパに無視できない程度の反りが生じた場合であっても、そのスタンパの凹凸パターンを、被成形材に適切に転写することにある。
本発明は、スタンパの凹凸パターンを被成形材に転写するためのインプリント装置を提供する。そして、本発明に係るインプリント装置は、スタンパを吸着して保持する吸着保持手段と、被成形材にスタンパを押し付けるように圧力を加える加圧手段と、吸着保持手段によるスタンパの保持を解除する解除手段とを備える。加圧手段は、被成形材にスタンパを押し付けるように、被成形材とスタンパとの間に圧力を加えることができる。解除手段は、スタンパと被成形材との間に加圧手段によって所定圧を越える圧力が加えられる前に、スタンパの吸着保持を解除するとよい。好ましくは、解除手段は、上記加圧手段によってスタンパと被成形材との間に正の圧力が加えられていない状態で、吸着保持手段によるスタンパの吸着保持を解除する。そして、解除手段は、スタンパと被成形材との間に加圧手段によって、上記所定圧を越える第2所定圧を超える圧力が加えられるまで、吸着保持手段によるスタンパの保持を解除し続けるとよい。
また、本発明は、スタンパの凹凸パターンを被成形材に転写するためのインプリント方法にも存する。本発明に係るインプリント方法は、吸着保持されているスタンパと被成形材との間に所定圧を越える圧力が加えられる前に、スタンパの吸着保持を解除するステップを備える。好ましくは、スタンパと被成形材との間に第2所定圧を超える圧力が加えられたとき、スタンパの吸着保持を再開するステップがさらに備えられる。
本発明によれば、スタンパの凹凸パターンの被成形材への転写が実質的に実行される前に、スタンパの歪を適切に除くことができる。したがって、被成形材に、スタンパの凹凸パターンを、適切に転写することが可能になる。
本発明の実施形態に係るインプリント装置の一部の構成を概略的に示す部分断面図である。 本発明の実施形態に係るインプリント装置の外観を示す斜視図である。 図2のインプリント装置の扉を外した状態の模式的な正面図である。 本発明の実施形態に係るインプリント装置の作動状態を示すその一部の模式図であり、2つのスタンパが離されている状態を表す図である。 本発明の実施形態に係るインプリント装置の作動状態を示すその一部の模式図であり、プレス初期の状態を表す図である。 本発明の実施形態に係るインプリント装置における下側のスタンパの状態変化を説明するための図である。 本発明の実施形態に係るインプリント装置の動作フローである。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る実施形態について説明する。ただし、本実施形態のインプリント装置10は、被成形材、特にここでは磁気記録媒体用基板(基板)12の上下面(両面)に同時にスタンパ14、16の凹凸パターンを転写することを可能にするように構成されている。しかし、被成形材の1つの面に、1つのスタンパの凹凸パターンを転写するためのインプリント装置も、本発明では許容される。
まず、インプリント装置10の全体構成を説明する。インプリント装置10は、筐体20が上部に設置される基台部22と、筐体20内へのガス、特に空気の流れを調節するためのガス調整装置24と、筐体20の内側に実質的に設置されるプレス加工装置26とを主な要素として含んで構成される。
筐体20は、収容部28をその内部に形成する。具体的には、筐体20は、開閉可能にインプリント装置10の正面に設けられる開閉扉30、32と、その側方に設けられる側板部34、36、38と、その裏側に設けられる裏面部40と、筐体20内を外部に対して開放する構成を有する天板部42とを備えている。
ガス調整装置24は、送風用ファンを備える送風ユニット44と、ダクト取付部46を介して設けられる排気管48とを備えている。送風ユニット44は、側板部38に取り付けられ、また、排気管48は側板部36にダクト取付部46を介して取り付けられている。また、開閉扉30、32は、収容部28外のパーティクルが収容部28内に侵入することを低減するために、ベース部材50と固定台52との間への空気の流通を制限するように設けられている。送風ユニット44から収容部28内に流入したガスが排気管48から排出されることにより、収容部28内のガス流れが均一にされる。そして、これにより、収容部28内で発生したパーティクルを滞留させずに排出することが可能になる。なお、送風ユニット44は、常時、作動状態とされる。また、収容部28内の圧力が、インプリント装置10外部、特に収容部28外部の気圧よりも高くなるように、送風ユニット44による送風流量は設定されている。
プレス加工装置26は、ベース部材50と、ベース部材50の上方に昇降可能に設けられる可動台54と、可動台54の上方にこの可動台54と一体的に設けられる可動プレート56と、可動プレート56を案内する複数のガイド部材58と、そして上記固定台52とを備える(図3参照)。ベース部材50は、収容部28内に位置するように、基台部22の上面部に配置されて固定される。基台部22は、図示しない昇降装置(プレス装置)を備えている。昇降装置は、油圧装置であり、駆動シリンダーと、駆動シリンダーの動作を制御するために油圧回路部とを備え、制御装置によって制御される。そして、ベース部材50には、昇降装置の駆動用シリンダーが貫通する開口部(不図示)が設けられていて、駆動用シリンダーのロッドが可動台54に接続されている。したがって、可動台54は、昇降装置の作動により昇降動(上下動)できる。なお、可動プレート56とベース部材50との間には、ベース部材50の開口部から突出する駆動用シリンダーのロッドの周囲を覆うカバー部材59が設けられている。ガイド部材58は、ここでは4つ設けられていて、その各々の一端はベース部材50に支持され、他端は固定台52に支持されている。これらガイド部材58によって、可動台54と共に動く可動プレート56は、可動プレート56の平坦面が固定台52の平坦面に対して実質的に平行に保たれるように、案内される。このように、インプリント装置10では、可動プレート56が固定台52に対して昇降動することで、可動プレート56と固定台52との位置関係が変化し得る。しかし、可動プレート56と固定台52とは、それらの関係を逆にして構成されても、この両方が互いに対して動くように構成されてもよい。
可動プレート56と固定台52との間には、ダイセット60が設置されている。ダイセット60は、可動プレート56の上面に設けられた第一の取付板62と、固定台52の下面に設けられた第二の取付板64との間に設けられている。
ダイセット60は、型可動台66、支持板68および受け板70を備えている。型可動台66、支持板68および受け板70は、型可動台66を基準に、その下面の中央に支持板68を、そしてこの支持板68を覆うように受け板70を配して、第一の取付板62上に、ねじ等の締結具(不図示)を用いることによって固定されている。支持板68は、上記昇降装置の作動によって生み出される荷重(加圧力)を型可動台66の中央部に作用させるように受け板70より厚くされている。これにより、可動台54からの押圧力を第一のプレス型71に集中させることができる。
型可動台66の上面には、円筒状の第一のプレス型71と、この第一のプレス型71を囲うように形成した第一のスタンパホルダー72とが、これらの中心軸が型可動台66の中心軸線上に揃うように、設けられている。第一のスタンパホルダー72は、第一の吸着保持手段に含まれる。第一のスタンパホルダー72の上方には、第一のスタンパ14が、第一のスタンパ14の凹凸状の溝(凹凸パターン)が固定台52の方向を向くように、載置される。第一のスタンパホルダー72は、その上面に設けられた複数の溝72cと、これら複数の溝72cにつなげられると共に第一のスタンパホルダー72の側面に開口するマニホールド(通風孔)72aを備えている。複数の溝72cは、それぞれ環状の溝であり、同心円状に形成されている。そして、このマニホールド72aには、後述される真空吸引システム74が接続される。これにより、(第一の吸着保持手段に含まれる真空吸引手段としての)真空吸引システム74からの吸着力(吸引力)を、マニホールド72aおよび複数の溝72cを介して、第一のスタンパ14に及ぼし、第一のスタンパ14を第一のスタンパホルダー72上に吸着保持することが可能になる。なお、図1、図4〜図6から明らかなように、第一のスタンパ14の外周部(周縁部)に真空力つまり吸着力が及ぼされ得る。ただし、第一のスタンパ14の裏側全面に対して吸着力が及ぼされてもよい。この真空吸着力は、プレスにより生じた第一のスタンパ14と基板12との密着力(約2N:実験値)より数倍以上大きいと好ましく、これを可能にするように、上記溝72c等は設計されている。
一方、上記型可動台66に対向するように型固定台76が設けられている。そして、その型固定台76の下面には円筒状の第二のプレス型78とこの第二のプレス型78を囲うように形成した第二のスタンパホルダー80とが、これらの中心軸が型固定台76の中心軸線上に揃うように、設けられている。
第一のプレス型71が第二のプレス型78に対して昇降する姿勢を制御するように、型可動台66と型固定台76との対向するコーナー部分同士をつなぐ複数のガイドシャフト81が設けられている。ここでは、ガイドシャフト81は4つ設けられている。各ガイドシャフト81は、型可動台66と型固定台76とに対して略垂直となるように、設けられている。各ガイドシャフト81の下端は、型可動台66の取付孔にねじ込まれ、ナットで締結されていて、また、その上端は、型固定台76に設けられた軸受部76aに摺動可能に嵌合されている。このような各ガイドシャフト81は、カバー82a、82bを有し、昇降動作時に第一のスタンパ14を、後述するように対向して配置される第二のスタンパ16に対して実質的に平行に維持するように、それをガイドする。
また、ダイセット60は、上記型固定台76、シャンクピン82およびシャンクカバー84を備えている。型固定台76の上面に、略球状面を有するシャンクピン82が配される。そして、第二の取付板64の下面の中央部に、シャンクカバー84が固定されている。シャンクカバー84は、シャンクピン82を保持する。昇降装置によって生み出される荷重はシャンクピン82の球面で受けられ得る。
上記第二のプレス型78を囲うように形成された上記第二のスタンパホルダー80は、第二の吸着保持手段に含まれる。第二のスタンパホルダー80の下方には、第二のスタンパ16が、第二のスタンパ16の凹凸状の溝(凹凸パターン)が可動プレート56の方向を向くように、つまり、第一のスタンパ14の凹凸状の溝に対向するように、配置される。第二のスタンパホルダー80は、その下面に設けられた複数の溝80cと、これら複数の溝80cにつなげられると共に第二のスタンパホルダー80の側面に開口するマニホールド(通風孔)80aを備えている。複数の溝80cは、それぞれ環状の溝であり、同心円状に形成されている。そして、このマニホールド80aには、上述の真空吸引システム74が接続される。これにより、(第二の吸着保持手段に含まれる真空吸引手段としての)真空吸引システム74からの吸着力(吸引力)を、マニホールド80aおよび複数の溝80cを介して、第二のスタンパ16に及ぼし、第二のスタンパ16を第二のスタンパホルダー80上に吸着保持することが可能になる。なお、図1、図4〜図6から明らかなように、第二のスタンパ14の外周部に真空力つまり吸着力が及ぼされ得る。ただし、第二のスタンパ16の裏側全面に対して吸着力が及ぼされてもよい。この真空吸着力は、プレスにより生じた第二のスタンパ16と基板12との密着力(約2N:実験値)より数倍以上大きいと好ましく、これを可能にするように、上記溝80c等は設計されている。
さらに、第一のプレス型71の中央部には、円筒状の貫通孔71hが形成されている。この貫通孔71hには、円筒状に形成された、コレットとしてのセンターピン86が、スリーブ87を介して嵌合されている。このセンターピン86の先端部が基板12の中央孔12dに入るように、センターピン86上に基板12が配置されて支持される。また、センターピン86は、第一のスタンパ14の中央孔14dを貫通して第一のスタンパ14を位置決めするように、設けられている。さらに、センターピン86の下方には、バネ88が配置されている。したがって、センターピン86は、圧力が加えられることで、昇降動できる。センターピン86が押されないで延びている状態では、センターピン86上に支持された基板12は、第一のスタンパ14から離間して配置される。そして、センターピン86が押されることで、センターピン86により支持された基板12は下がって、第一のスタンパ14に接し、また押し付けられることができる。なお、センターピン86に取り付けられた基板12は、センターピン86が延びている状態で、第一のスタンパ14上に接してもよい。
さらに、貫通孔71hに対向するように、第二のプレス型78の中央部には、円筒状の貫通孔78hが形成されている。この貫通孔78hには、円筒状に形成された、コレットとしてのガイドピン90が、スリーブ92を介して嵌合されている。ガイドピン90は、上記センターピン86に対して、互いの軸線が一致するように、対向配置される。このガイドピン90が第二のスタンパ16の中央孔16dに入れられて、第二のスタンパ16が位置決めされる。また、ガイドピン90は、第一のスタンパ14と第二のスタンパ16との両軸線が一致するように第二のスタンパ16を位置決めするように、設けられている。さらに、ガイドピン90の上方には、バネ94が配置されている。したがって、ガイドピン90は、圧力が加わることで、昇降動できる。ガイドピン90は、上記昇降装置の作動により、上下のスタンパ14、16が基板12を挟んで所定圧力下で接する状態になった場合(ダイセット60が閉状態になった場合)、センターピン86と嵌合して基板12、両スタンパ14、16の相互の位置合わせを行う。
なお、上記昇降装置、型可動台66、型固定台76等を含んで、基板12とスタンパ14、16との間に圧力を加える加圧手段は構成される。
プレス加工装置26による加圧により第一のスタンパ14および第二のスタンパ16の両凹凸パターンが転写される基板12の両面には、それぞれ、磁気記録媒体の記録面として形成されるレジスト層(膜)が形成されている。基板12の中央部には、上記孔12dが形成されている。可動プレート56を固定台52に対して近づく方向に動かすことにより、基板12が両スタンパ14、、16の間に挟まれつつ、それらの間で加圧されると、両スタンパ14、16に形成されている凹凸パターンは基板12に転写される。
ただし、円板状の第一のスタンパ14および第二のスタンパ16(図4参照)は、それぞれ、基板12の外径よりも大きな直径を有している。第一のスタンパ14の孔14dの回りの一面には、記録データをあらわす微細凹凸パターンが形成されている。第二のスタンパ16にも同様に、その孔16dの回りの一面には、記録データをあらわす微細凹凸パターンが形成されている。第一のスタンパ14および第二のスタンパ16は、それぞれ、原盤からニッケル電鋳処理にてそのパターンを複製した後、パターンを形成しない面の平面度を確保するよう研磨処理することで仕上げられている。両スタンパ14、16の厚さは、それぞれ、例えば、0.1mm〜0.5mm程度である。
ここで、上記真空吸引システム74が説明される。上記複数の溝72cやマニホールド72aを介して第一のスタンパ14に吸着力を及ぼすことを可能にすると共に、上記複数の溝80cやマニホールド80aを介して第二のスタンパ16に吸着力を及ぼすことを可能にするように、真空吸引システム74が設けられている。具体的には、真空吸引システム74は、真空ポンプ100と、真空ポンプ100とマニホールド72aとをつなぐ第一管102と、真空ポンプ100とマニホールド80aとをつなぐ第二管104と、第一管102に設けられた第一の三方弁106と、そして第二管104に設けられた第二の三方弁108とを備える。このような真空吸引システム74は、真空ポンプ100により生み出される負圧をマニホールド72a、80aに導いてスタンパ14、16に付与したり、スタンパ14、16に与えられている負圧を常圧に戻したりするための構成の一例であり、他の構成を有してもよい。例えば、第一のスタンパ14と第二のスタンパ16とのそれぞれに対して、独立した、真空吸引システムが設けられてもよい。なお、真空吸引システム74に設けられた三方弁106、108は解除手段としての機能を有する。三方弁106、108は、それぞれ、種々の、いわゆるリーク弁であり得る。真空ポンプ100および三方弁106、108の各作動は、図示しない制御装置によって制御される。
まず、第一のスタンパ14側の構成に関して詳述する。マニホールド72aの端部には、管継手110が取り付けられ、第一管102に含まれる管112、114、116を介して真空ポンプ100と接続されている。この管112、114の接続部には、方向切換弁として三方弁106が設けられている。管112、114が連通するように三方弁106が切り換えられているとき、真空ポンプ100によって生み出される負圧はマニホールド72aおよび複数の溝72cを介して、第一のスタンパ14に及ぼされる(図4の実線参照)。他方、三方弁106には、開放管118、120を介してパーティクル除去フィルター122が接続されている。パーティクル除去フィルター122は、大気に解放されている。したがって、管112と開放管118とが連通するように三方弁106を切り換えることで、外部の大気圧の空気が第一のスタンパホルダー72の環状の複数の溝72cを通じて流れる(図5の実線参照)。
次に、第二のスタンパ16側の構成に関して詳述する。マニホールド80aの端部には、管継手124が取り付けられ、第二管104に含まれる管126、128、116を介して真空ポンプ100と接続されている。この管126、128の接続部には、方向切換弁として第二の三方弁108が設けられている。管126、128が連通するように三方弁108が切り換えられているとき、真空ポンプ100によって生み出される負圧はマニホールド80aおよび複数の溝80cを介して、第二のスタンパ16に及ぼされる(図4の実線参照)。他方、三方弁108には、開放管132、120を介して上記パーティクル除去フィルター122が接続されている。したがって、管126と開放管132とが連通するように三方弁108を切り換えることで、外部の大気圧の空気が第二のスタンパホルダー80の環状の複数の溝80cを通じて流れる(図5の実線参照)。
このような真空吸引システム74を含んで構成される第一の吸着保持手段や第二の吸着保持手段は、一つには、基板12に対してスタンパ14、16を精確に位置づけたり、プレス後にスタンパ14、16を基板12から適切に離したりするために設けられている。それ故、そのようなプレスの前後に亘って、基本的には、スタンパ14、16は吸着保持される。
ところで、両スタンパ14、16には、それぞれ、凹凸パターンを形成した面14sが凹状になるように、反りが生じている(図6参照)。これは、それらが、電鋳処理や研磨処理を経ることで、作製されたからである。それ故、第一のプレス型71と第二のプレス型78とが離間配置された状態で、真空ポンプ100による負圧をスタンパ14、16に及ぼして両スタンパ14、16を吸着保持することで、図6に示すように、両スタンパ14、16は曲げられる。これにより両スタンパ14、16に歪が生じる。これは、スタンパの凹凸パターンにも歪をもたらす。このようにスタンパ14、16の凹凸パターンに歪が生じている状態で、それらパターンの基板12への転写を実行すると、基板12には歪のあるパターンが転写されてしまう。そこで、ここでは、そのような歪が実質的にない凹凸パターンを基板12に転写するように、両スタンパ14、16を基板12に対して実質的に押し付ける前に、スタンパ14、16のそのような吸着保持を解除する。以下に、図7のフローチャートに基づいてそれを説明する。
ここでは、ダイセット60が完全に開放されている開状態では、両スタンパ14、16は、それぞれ、真空ポンプ100によって生み出された負圧がかけられて吸着保持されている(ステップS701)。この開状態で、ダイセット60への基板12の取り付けや、そこからの取り外しが行われる。ただし、基板12の取り付けや取り外しは自動制御ロボットによりここでは行われるが、例えば手動で行われてもよい。なお、開状態であって、基板12が取り付けられていない、つまりセットされていない状態を、初期状態と称する。
初期状態を不図示の制御装置が認識する(検知する)と、インプリント装置10の自動運転が開始され、図示されていないロボットにより基板12がセンターピン86に供給されてセットされる(ステップS703)。基板12の供給後、ロボットは装置10から退避する。
ロボットの退避が完了すると、昇降装置により、型可動台66は型固定台76に対して一定速度で近づくように動かされ、ダイセット60の閉動作が開始される(ステップS705)。第一のスタンパホルダー72と第二のスタンパホルダー80との間隔が予め定めた値になると、つまりダイセット60が所定開状態になると(ステップS707で肯定判定)、型可動台66の上昇速度が緩められる(閉速度が減速される)(ステップS709)。好ましくは、所定開状態は、センターピン86の先端がガイドピン90の先端に接し始める、あるいは接し始める直前の状態である。
次に、スタンパ14、16と基板12との間に所定圧を越える圧力が加えられる前である、昇降装置による加圧力が基板12に加わる直前の状態にて、つまり、スタンパ14、16と基板12との間に正の圧力が積極的に加えられていない状態にて、真空ポンプ100による負圧がスタンパ14、16に作用しないように、三方弁106、108が切り換えられる。これにより、両スタンパ14、16を吸着保持している吸着力は解除され、両スタンパ14、16は解放される(スタンパ14、16の吸着保持は解除される)(ステップS711)。この結果、スタンパ14、16は復元し、それらスタンパ14、16の凹凸パターンの歪が解消される。なお、スタンパの吸着が解除されるとき、スタンパ16はスリーブ92から外れ落ちない状態にあるとよい。具体的には、センターピン86と、ガイドピン90とが実質的に当接し始めた状態であるとよい。
そのような歪が解放された状態で、スタンパ14、16が基板12に接触して、それらの間で基板12のプレスが行われるように、型可動台66の移動速度は制御され、それらの間での基板12のプレス(加圧)が開始される(ステップS713)。既にスタンパ14、16の吸着保持は解除されているので、固定されていないスタンパ14、16は、それぞれ、スタンパホルダー72、80の表面に沿って動くことが可能になる。したがって、それらの凹凸パターンに不要な歪みがない状態で、スタンパ14、16を基板12に密着させることができる。そして型可動台66を継続して動かし続けることで、プレスが行われて、これにより、基板12にスタンパ14、16の両凹凸パターンを転写することができる。
基板12への加圧力および加圧時間が設定条件(所定圧(第2所定圧)、所定加圧時間)に達すると、つまり、所定プレス状態に達すると(ステップS715で肯定判定)、真空ポンプ100の負圧がスタンパ14、16に作用するように三方弁106、108が切り換えられる。この結果、プレス完了前に、スタンパ14、16の吸着保持が再開される(ステップS717)。このように、スタンパ14、16と基板12との間に第2所定圧を超える圧力が加えられるまで、スタンパ14、16の吸着保持が解除される。ここで、スタンパ14、16のスタンパホルダー72、80への吸着保持を再開するのは、プレス完了後、スタンパ14、16を基板12から離すと共に、離れたスタンパ16の落下を防止するためである。なお、スタンパ14、16の吸着保持が行われる前に(ステップS717が行われる前に)、基板12のレジスト膜を硬化させるための処理、具体的にはレジスト膜に対する光の照射が行われるとよい。そのために、インプリント装置10には、制御装置により作動が制御される種々の既知の光源を備える光照射手段が設けられ得る。
そして、基板12へのプレス終了条件が満たされると(例えば所定時間が経過すると)、ダイセット60の開動作を開始するように、昇降装置が制御され、型可動台66が型固定台76に対して一定速度で離れるように動かされ始める(ステップS719)。こうして型可動台66と型固定台76とを離すことによって、スタンパ14、16は基板12から離れ得る。そして、ダイセット60が上記開状態になると(ステップS721で肯定判定)、上記ロボットにより、凹凸パターンが転写された基板12が取り出される(ステップS723)。
なお、別の基板12へのそのような転写が繰り返される場合には(ステップS725で肯定判定)、上記工程が繰り返される。
このように、スタンパ14、16の基板12への加圧が開始される前に、好ましくは直前に、スタンパ14、16の吸着保持が解除される。そして、歪の解放されたスタンパ14、16に基板12が挟まれた状態で、基板12への加圧が実行される。したがって、基板12に、実質的に歪のない凹凸パターンを転写することができる。
また、基板12への加圧前に、スタンパ14、16の吸着保持を都度開放することで、スタンパ14、16の凹凸パターン面の歪を解消することができるので、スタンパ14、16に永久歪が生じることを抑制できる。したがって、スタンパ14、16を良好な状態に維持することができるので、インプリント装置10は量産装置としての利点を有する。
なお、上記の如くしてスタンパの凹凸パターンが転写された基板12は、上記従来技術で説明したように、エッチングされ得る。これにより隣り合う記録トラック同士が物理的に分離されたパターンドメディアを有する磁気記録媒体を得ることができる。
なお、上記実施形態では、本発明をある程度の具体性をもって説明したが、本発明については、上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明の精神や範囲から離れることなしに、さまざまな改変や変更が可能であることは理解されなければならない。すなわち、本発明は特許請求の範囲およびその等価物の範囲および趣旨に含まれる修正および変更を包含するものである。
10 インプリント装置
12 基板
14 第一のスタンパ
16 第二のスタンパ

Claims (5)

  1. スタンパの凹凸パターンを被成形材に転写するためのインプリント装置において、
    前記スタンパを吸着して保持する吸着保持手段と、
    前記被成形材に前記スタンパを押し付けるように圧力を加える加圧手段と、
    前記吸着保持手段による前記スタンパの保持を、前記スタンパと前記被成形材との間に前記加圧手段によって所定圧を越える圧力が加えられる前に解除する解除手段と
    を備えることを特徴とするインプリント装置。
  2. 前記解除手段は、前記スタンパと前記被成形材との間に正の圧力が加えられていない状態で、前記吸着保持手段による前記スタンパの保持を解除することを特徴とする請求項1に記載のインプリント装置。
  3. 前記解除手段は、前記スタンパと前記被成形材との間に前記加圧手段によって、前記所定圧を越える第2所定圧を超える圧力が加えられるまで、前記吸着保持手段による前記スタンパの保持を解除し続けることを特徴とする請求項1または2に記載のインプリント装置。
  4. スタンパの凹凸パターンを被成形材に転写するためのインプリント方法において、
    吸着保持されている前記スタンパと前記被成形材との間に所定圧を越える圧力が加えられる前に、前記スタンパの吸着保持を解除するステップを備えることを特徴とするインプリント方法。
  5. 前記スタンパと前記被成形材との間に前記所定圧を越える第2所定圧を超える圧力が加えられたとき、前記スタンパの吸着保持を再開するステップをさらに備えることを特徴とする請求項4に記載のインプリント方法。
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