JP2011003420A - 固体アルカリ形燃料電池用アノード電極、及びそれを用いたアニオン伝導性高分子電解質膜−電極接合体並びに固体アルカリ形燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明による固体アルカリ形燃料電池用アノード電極10は、多孔質でかつ導電性を有する電極基材5と、電極基材5上に配置された中間層4と、中間層4上に配置された触媒層2とを備える。中間層4は、触媒層2の一部が電極基材5の複数の孔に充填されて形成されている。
【選択図】図1
Description
(アノード電極の構造)
本発明の第1の実施の形態に係る固体アルカリ形燃料電池用アノード電極10は、図1に示すように、多孔質でかつ導電性を有する電極基材5と、電極基材5上に配置された中間層4と、中間層4上に配置された触媒層2とを備える。中間層4は、触媒層2の一部が電極基材5の複数の孔に充填されて形成されている。
本実施の形態に係る電極基材5は、電極の基体となるものであり、多孔質でかつ導電性を有する液体拡散層としての役割を果たす。多孔質でかつ導電性の基材としては、公知のものを用いることができ、例えば、燃料電池における燃料極及び空気極を構成する各種液体及びガスの拡散層を使用することができる。このような電極基材5は、液体及びガス燃料の拡散に優れ、燃料の利用率が高まる。また、多孔質の導電性材料から構成されるため、集電効果が向上する。電極基材5の厚みは、例えば、約150〜1000μm程度、好ましくは約200〜800μm程度である。
本実施の形態に係る触媒層2は、後述する、触媒粒子を担持させた炭素粒子及びアニオン伝導性高分子電解質を含む。
本実施の形態に係る触媒は、触媒金属微粒子が担体に担持されて形成されている。触媒金属微粒子の材質としては、例えば、白金や白金化合物等が挙げられる。白金化合物としては、例えば、ルテニウム,パラジウム,ニッケル,モリブデン,イリジウム,鉄等からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属と、白金との合金等が挙げられる。また白金を使用しない触媒金属微粒子は、鉄,コバルト,ニッケル,パラジウム,セリウム及び銀からなる群から選ばれる少なくとも1種、又はこれら2種以上からなる合金である。合金である場合は、鉄,コバルト,ニッケルのうち少なくとも2種以上含有する合金微粒子が好ましい。例えば、鉄−コバルト合金,コバルト−ニッケル合金,鉄−ニッケル合金等のほか、鉄−コバルト−ニッケル合金が挙げられる。これらの金属の各比率は限定的でなく、幅広い範囲から適宜選択できる。触媒金属微粒子の粒径は限定的ではないが、通常約0.05〜20nm程度、好ましくは、約0.1〜10nm程度、最も好ましくは、約0.3〜5nm程度である。
アニオン伝導性高分子電解質は、特に限定されるものではなく、アニオンとして水酸化物イオン(OH−)を伝導できる電解質であればよい。具体的には炭化水素系樹脂及びフッ素系樹脂のいずれかの電解質を用いることができる。
本実施の形態の中間層4は、触媒層2の一部が電極基材5の複数の孔に延設して形成されている。中間層4は、例えば、電極基材5上に形成した触媒層2を加圧することにより、電極基材5に接する触媒層2の一部を電極基材5の複数の孔に充填することにより電極基材5と触媒層2を含む層として形成することができる。
本実施の形態に係る固体アルカリ形燃料電池用アノード電極の製造方法の一例を、図2を参照して説明する。
(a)まず、図2(a)に示すように、発泡金属体からなる電極基材5を準備する。
まず、例えば、上述した触媒及びアニオン導電性高分子電解質を粘度調整用の溶剤(溶媒)に分散させて触媒層形成用触媒組成物を調製する。この調製した触媒組成物を電極基材5上に塗布等により形成する。
(目止め剤付きアノード電極)
本発明の第2の実施の形態に係る固体アルカリ形燃料電池用アノード電極11は、図3に示すように、少なくとも電極基材5の複数の孔に目止め剤をさらに備え、目止め剤付き電極基材8を形成している。その他の構成は、第1の実施の形態と同様であるので説明は省略する。
本実施の形態に係る目止め剤は、電極基材5に充填される触媒層2の割合、すなわち、中間層4の厚みを調整するためのものである。目止め剤の材質としては、液体に溶解するものであれば、特に限定されない。好ましくは、燃料溶解性であるものがよい。すなわち、燃料がエタノール水溶液の場合は水溶解性を有する材料、アルカリ性水溶液である場合は、アルカリ溶解性を有する材料であることが好ましい。
(アニオン伝導性高分子電解質膜−電極接合体)
本発明の第3の実施の形態に係るアニオン伝導性高分子電解質膜−電極接合体12は、図4に示すように、第1の実施の形態で示した図1と同様のアノード電極10と、電極基材6上に触媒層3を配置したカソード電極9と、アニオン伝導性高分子電解質膜1とを備える。アニオン伝導性高分子電解質膜1は、アノード電極10とカソード電極9にそれぞれ触媒層2,3を介して挟持されている。その他の構成は、第1の実施の形態と同様であるので説明は省略する。
アニオン伝導性固体高分子電解質膜1は、カソード電極9で生成したアニオン(水酸化物イオン)をアノード電極10に伝導するためのものである。厚みは、電極基材の種類、触媒層の厚み等を考慮して適宜設定することができる。通常、例えば、約20〜200μm程度であり、好ましくは、約25〜75μm程度である。
本実施の形態に係るカソード電極9は、上述の触媒及びアニオン伝導性高分子電解質を混合して形成した触媒層3をガス拡散層としての電極基材6上に配置して構成される。
(アニオン伝導性高分子電解質膜−電極接合体)
本発明の第4の実施の形態に係るアニオン伝導性高分子電解質膜−電極接合体13は、図8に示すように、第3の実施の形態に係るアニオン伝導性高分子電解質膜−電極接合体12において、アノード電極10及びカソード電極9のそれぞれの触媒層2,3とアニオン伝導性高分子電解質膜1間に接着層14をさらに配置して構成される。その他の構成は、第3の実施の形態と同様であるので説明は省略する。
本実施の形態に係る接着層14は、アニオン伝導性高分子電解質膜1と触媒層2,3を接合するためのものである。接着層14の厚さは、接着層として機能すれば特に限定されないが、例えば、約2〜20μmである。接着層14の厚さが2μm未満であると、触媒層2,3と電解質膜1との接着強度が不足し、20μmを超えると電解質膜1の電気抵抗が高くなるので好ましくない。
(固体アルカリ形燃料電池)
本発明の第5の実施の形態に係る固体アルカリ形燃料電池20は、図9に示すように、第3の実施の形態で示した図4と同様のアニオン伝導性高分子電解質膜−電極接合体12と、アニオン伝導性高分子電解質膜1の両面にそれぞれ電極9,10を囲むように配置したガスケット21と、各電極9,10及び各ガスケット21のぞれぞれの上に配置された一対のセパレータ16,17とを備える。その他の構成は、第4の実施の形態と同様であるので説明は省略する。
ガスケット21は、電極9,10からの燃料や酸化剤の外部への漏出を防止すると共に、電極9,10を固定するためのものである。ガスケット21の材質としては、熱・アルカリに耐えうる強度及び耐食性を保ち、かつ、外部に燃料及び酸化剤を漏出しない程度のガスバリア性を有していれば特に限定されない。例えば、ポリエチレンテレフタレートシートやテフロン(登録商標)シート,シリコンゴムシート等を例示することができる。
セパレータ16は、燃料をアノード電極10に供給するためのものであり、燃料を流通するための燃料流路18を有する。一方、セパレータ17は、酸化剤ガスをカソード電極9に供給するためのものであり、酸化剤ガスを流通するための酸化剤ガス流路19を有する。
燃料としては、メタノール,エタノール,プロパノール等の1価アルコールや、エチレングリコール,プロピレングリコール等の多価アルコール等のアルコールを挙げることができる。燃料の水溶液には、アルカリ水溶液を用いるのが好ましい。アルカリ水溶液としては、例えば、KOH溶液,NaOH溶液等が挙げられる。これらアルカリ源と燃料とを混合して燃料水溶液を調製する。
本実施の形態に係る固体アルカリ形燃料電池20は、以下に示すようにして、発電させることができる。
カソード電極:O2+2H2O+4e−→4OH− ・・・(1)
アノード電極:(1/3)C2H5OH+4OH−→(2/3)CO2+3H2O+4e−・・・(2)
電池反応:(1/3)C2H5OH+O2→(2/3)CO2+H2O ・・・(3)
以上、上述した第1乃至第5の実施の形態によって本発明を詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した第1乃至第5の実施の形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更形態として実施することができる。従って、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
(触媒層形成用触媒組成物)
まず、芳香族ポリエーテルスルホン酸と芳香族ポリチオエーテルスルホン酸との共重合体のクロロメチル化合物をアミノ化することにより、5質量%アニオン(水酸化物イオン)伝導性高分子電解質100gを得た。
次に、カソード側触媒組成物及びアノード側触媒組成物をそれぞれ転写基材7(PETフィルム:E3120 東洋紡績株式会社製:厚さ12μm)上に金属量として、カソード側には銀を、アノード側にはニッケルを、乾燥後の重量がそれぞれ4mg/cm2、20mg/cm2となるように塗工した後、100℃で15分間乾燥させることにより両電極の転写フィルムを作製した。
CIPの加圧条件を25℃、60秒、2tonにした以外は、実施例1と同様にして、アニオン伝導性高分子電解質膜−電極接合体12を作製した。
CIPの加圧条件を25℃、60秒、4tonにした以外は、実施例1と同様にして、アニオン伝導性高分子電解質膜−電極接合体12を作製した。
実施例1におけるアノード側のニッケルの乾燥後の重量を40mg/cm2とし、CIPの加圧条件を25℃、60秒、2tonにした以外は、実施例1と同様にして、アニオン伝導性高分子電解質膜−電極接合体12を作製した。
実施例1におけるアノード側のニッケルの乾燥後の重量を40mg/cm2とし、CIPの加圧条件を25℃、60秒、4tonにした以外は、実施例1と同様にして、アニオン伝導性高分子電解質膜−電極接合体12を作製した。
実施例1におけるアノード側のニッケルの乾燥後の重量を40mg/cm2とし、液体拡散層に三菱マテリアル社製の発泡ニッケル(呼孔径150μm、厚さ800μm)を用いて、CIPの加圧条件を25℃、60秒、2tonにした以外は、実施例1と同様にして、アニオン伝導性高分子電解質膜−電極接合体12を作製した。
実施例1におけるアノード側のニッケルの乾燥後の重量を40mg/cm2とし、液体拡散層に富山住友電工株式会社製のニッケル発泡体セルメット(♯4:呼孔径900μm、厚さ800μm)を用いて、CIPの加圧条件を25℃、60秒、2tonにした以外は、実施例1と同様にして、アニオン伝導性高分子電解質膜−電極接合体12を作製した。
実施例1のアノード側触媒組成物に50×50mmの液体拡散層(ニッケル発泡体セルメット:富山住友電工株式会社製、#8:呼孔径450μm、厚さ800μm)を浸漬し、アノード側のニッケルを乾燥後の重量が4mg/cm2となるようにディップコートした後、100℃で15分間乾燥させることによりアノード電極10を作製した以外は、実施例1と同様にして、アニオン伝導性高分子電解質膜−電極接合体12を作製した。
アニオン伝導性高分子電解質膜1に接着層14を形成しないで、CIPの加圧条件を25℃、60秒、2tonにした以外は、実施例1と同様にして、アニオン伝導性高分子電解質膜−電極接合体12を作製した。
アノード電極10の作製時に、CIP処理に代えて、一軸プレス(加圧条件:25℃、60秒、100MPa、ミカド機器販売(株)製中圧プレス機)を行った以外は、実施例1と同様にして、アニオン伝導性高分子電解質膜−電極接合体12を作製した。
実施例1のアノード側の転写フィルムを、実施例8と同様にして作製したアノード電極10の上に配置し、圧力5MPa、温度60℃、5分間の条件で熱圧着し、次いで転写基材7を剥離してアノード電極10を作製した以外は、実施例1と同様にして、アニオン伝導性高分子電解質膜−電極接合体12を作製した。
接着層14に、上記のアニオン伝導性高分子電解質5gに、気相成長法炭素繊維(VGCF:昭和電工株式会社製)1gを混合したアニオン伝導性高分子電解質溶液を用いた。アニオン伝導性高分子電解質膜1の両面に、上記で混合したアニオン伝導性高分子電解質溶液を、厚さ5μmとなるようにアプリケーター塗工して、60℃で乾燥することにより、接着層14を形成した。
アノード電極10の形成時に、CIP処理を行わない以外、実施例1と同様にして、アニオン伝導性高分子電解質膜−電極接合体12を作製した。
液体拡散層(ニッケル発泡体セルメット:富山住友電工株式会社製、#8:呼孔径450μm)にアノード側の転写フィルムを形成しないでアノード電極10を作製した以外、実施例1と同様にして、アニオン伝導性高分子電解質膜−電極接合体12を作製した。
実施例1〜12及び比較例1,2で得られたアニオン伝導性高分子電解質膜−電極接合体12のアノード電極10の断面をSEM(Scanning Electron Microscope :走査型電子顕微鏡)を用いて観察し、触媒層2及び中間層4の厚さを測定した。
実施例1〜12及び比較例1,2で得られたアニオン伝導性高分子電解質膜−電極接合体12の両面にそれぞれガスケット21及びセパレータ16,17を配置して、図10に示すような固体アルカリ形燃料電池20を作製し、電池性能評価を実施した。性能評価は、燃料電池セルの最高出力密度及び無負荷抵抗値について行った。
2・・・アノード側触媒層
3・・・カソード側触媒層
4・・・中間層
5・・・電極基材(液体拡散層)
6・・・電極基材(ガス拡散層)
7,7A・・・転写基材
8・・・目止め剤付き電極基材
9・・・カソード電極
10・・・アノード電極
11・・・目止め剤付きアノード電極
12,13・・・アニオン伝導性高分子電解質膜−電極接合体
14・・・接着層
15・・・外部回路
16,17・・・セパレータ
18・・・燃料流路
19・・・酸化剤ガス流路
20・・・固体アルカリ形燃料電池
21・・・ガスケット
Claims (5)
- 多孔質でかつ導電性を有する電極基材と、
前記電極基材上に配置された中間層と、
前記中間層上に配置された触媒層とを備え、
前記中間層は、前記触媒層の一部が前記電極基材の複数の孔に充填されて形成されたことを特徴とする固体アルカリ形燃料電池用アノード電極。 - 前記中間層の前記電極基材に対する厚さ方向の割合は、前記電極基材の厚さの20%以上であることを特徴とする請求項1に記載の固体アルカリ形燃料電池用アノード電極。
- 前記触媒層の厚さは、80μm以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の固体アルカリ形燃料電池用アノード電極。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のアノード電極と、
前記電極基材上に前記触媒層を配置したカソード電極と、
アニオン伝導性高分子電解質膜と
を備え、前記アニオン伝導性高分子電解質膜は、前記アノード電極と前記カソード電極にそれぞれ前記触媒層を介して挟持されたことを特徴とするアニオン伝導性高分子電解質膜−電極接合体。 - 請求項4に記載のアニオン伝導性高分子電解質膜−電極接合体と、
前記アニオン伝導性高分子電解質膜の両面にそれぞれ前記電極を囲むように配置したガスケットと、
前記各電極及び前記各ガスケットのぞれぞれの上に配置された一対のセパレータと
を備えたことを特徴とする固体アルカリ形燃料電池。
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