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JP2011099599A - 熱輸送管 - Google Patents

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JP2011099599A
JP2011099599A JP2009253636A JP2009253636A JP2011099599A JP 2011099599 A JP2011099599 A JP 2011099599A JP 2009253636 A JP2009253636 A JP 2009253636A JP 2009253636 A JP2009253636 A JP 2009253636A JP 2011099599 A JP2011099599 A JP 2011099599A
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JP2009253636A
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Masabumi Nogawa
正文 野川
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Aisin Corp
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Aisin Seiki Co Ltd
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Abstract

【課題】 高温側熱交換部から低温側熱交換部へ熱を輸送する熱輸送管であって、熱輸送の制御ができ、仕事を取出せると共に、設置姿勢の制約が少なく、かつ被加熱体との接続が容易で、構成が簡素で低コストの熱輸送管を提供すること。
【解決手段】 スタック4と、スタック4の高温端4cに設けた高温側熱交換器5と、スタック4の低温端4dに設けた低温側熱交換器3と、低温側熱交換器3へ連通された膨張室2dを有する膨張機2とを備え、膨張機2により作動流体に圧力振動と往復流動とが発生され、高温側熱交換器5から前記スタックの高温端4cに伝達された熱Q1が蓄熱体4bを介在して低温端4dへ伝達され、熱Q1の一部は低温側熱交換器3より放出され、残りは低温端4dの仕事流であって、膨張室2dへ伝達され、膨張機2より出力される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、入熱源からの熱を入熱源から離れた場所へ輸送する熱輸送管に関する。
従来技術の熱輸送管として、図7に示すように、両端が閉じた管31にウイック33を内張りする共に、動作媒体を封入し、僅かな温度差で熱を高温から低温へ輸送するヒートパイプ30が知られている。ヒートパイプ30は、管31の一端側の高温部(蒸発部)31aを加熱するとウイック33中の動作媒体32の液32aが蒸発して蒸気32bとなって、他端側の低温部(凝縮部)31bへ移動する。低温部31bへ移動した蒸気32bは、そこで冷却され液体となって、ウイック33の毛細管作用により高温部31aへ戻る。このようにして動作媒体は管31内で相変化して熱を高温部31aから低温部31bへ輸送する。
また、図8に示すように、高温側媒体44と低温側媒体45とを隔絶する隔壁46を貫通する密閉器41を隔壁46に対して軸点43をもって回転可能に取付けられ、密閉器41に動作媒体42を封入したサーモサイホン40が開示されている。サーモサイホン40は、密閉器41内にウイックが無く、動作媒体42の液42aと蒸気42bとの密度差と利用して重力により動作媒体42を循環させる。即ち、密閉器41内の密度の大きな液42aが下方へ移動し、密度の小さな蒸気42bが上方へ移動することにより、動作媒体42がサーモサイホン40の高温部(蒸発部)41aと低温部(凝縮部)41bとの間で循環する。従って、動作媒体42の液42aが蒸発する密閉器41の高温部41aは、蒸気42bが凝縮する低温部41bより下方に位置する。そして、サーモサイホン40は隔壁46に対して高温側媒体44と低温側媒体45とが入代わった場合に、高温側媒体44の熱を低温側媒体45へ輸送するため、軸点43を中心に一点鎖線で示すように高温部41aを低温部41bより上方に位置するように回転する(例えば、特許文献1参照)。
また、図9に示すように、膨張機51が備えるピストン51aとシリンダ51bとで形成された膨張室52と、常温側熱交換器53と、パルス管54と、高温側熱交換器55と、蓄熱材56aを充填した再生器(蓄熱器)56と、常温側熱交換器57とを順に接続した熱音響エンジン50が開示されている(例えば、特許文献2の図2を参照)。
また、再生器56内において生じる圧力振動が定在波より進行波が大幅に多くなるようにするために、図10に示す熱音響エンジン60が開示されている。即ち、熱音響エンジン60は、膨張機61が備えるピストン61aとシリンダ61bとで形成された膨張室62と、第2常温側熱交換器63と、パルス管64と、高温側熱交換器65と、蓄熱材66aを充填した再生器66と、第1常温側熱交換器67と、圧縮機68のピストン68aとシリンダ68bとで形成された圧縮室69とを順に接続して成る。本来、熱音響エンジン60は、仕事を得るために、高温側熱交換器65を高温(例えば、略600℃)に加熱し、第1常温側熱交換器67および第2常温側熱交換器63を常温(例えば、略60℃)に冷却する(例えば、特許文献2の図3を参照)。
特開昭58−182086号公報 特開2006−112260号公報
しかしながら、図7に示すヒートパイプ30は、ウイック33の毛細管作用により動作媒体32が循環され熱を輸送するので、ヒートパイプ30の高温部31aに取付けた機器が発生する熱を低温部31bから放熱する熱輸送は、常時、作動状態である。このため、機器の熱源の状態変化に対応した放熱量(熱輸送量)の制御ができない問題がある。また、前述と同じ理由により、ヒートパイプ30は、管31を傾けて凝縮部である低温部31bの位置が蒸発部である高温部31aより下側になる位置でも熱を輸送できるが、低温部31bを下側にする角度によって、熱輸送能力が低下する問題がある。
図8のサーモサイホン40は、重力を利用して動作媒体42を循環させるので、サーモサイホン40の設置姿勢は高温部41aの位置が低温部41bの位置より低くなり、構成上の制約がある。また、ヒートパイプ30、サーモサイホン40は、作動流体の相変化を利用している。蒸発部と凝縮部とに温度差つけるには、それに応じた蒸発部と凝縮部間とに圧力差をつける必要があるが、ポンプなどで積極的に差圧をつけているのではないため、圧力差は小さい。従って、従来技術の熱輸送デバイスは、蒸発温度と凝縮温度との温度差が小さい状態での熱輸送に限定される。また、作動流体の凝縮温度は、作動流体の種類によって決まる特定の温度であるので、従来技術の熱輸送デバイスが使用される温度領域も限定される。
図9の熱音響エンジン50は、高温側熱交換器55(入熱部)が装置の中央部に存在し、入熱部を被加熱体と接続する場合に構成上有利ではない。すなわち、熱音響エンジン50の入熱する高温側熱交換器55の両端は、パルス管54と再生器56に接続されているので、高温側熱交換器55への入熱は高温側熱交換器55の外周面を介して行われる。このため、入熱源である機器などを設置し難く、かつ入熱ための伝達面積が減少し、外周面を介して行われる入熱の際に温度差が増大する。また、熱音響エンジン50は、パルス管54、常温側熱交換器53を備えるため、構成が複雑で、コスト高となる問題がある。
図10の熱音響エンジン60においても、高温側熱交換器65(入熱部)が装置の中央部に存在し、入熱部を被加熱体と接続する場合に構成上有利ではない。すなわち、熱音響エンジン60の入熱する高温側熱交換器65の両端は、パルス管64と再生器66に接続されているので、高温側熱交換器65への入熱は高温側熱交換器65の外周面を介して行われる。このため、入熱源である機器などを設置し難く、かつ入熱ための伝達面積が減少し、外周面を介して行われる入熱の際に温度差が増大する。また、熱音響エンジン60は、パルス管64と第2常温側熱交換器63と膨張機61とを備えると共に、膨張室62と圧縮室69との間に位相差を付ける手段が必要であるため、構成が複雑で、コスト高となる問題がある。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、高温側熱交換部から低温側熱交換部へ熱を輸送する熱輸送管であって、熱輸送の制御が可能で、仕事を取出せると共に、設置姿勢の制約が少なく、かつ被加熱体との接続が容易で、構成が簡素で低コストな熱輸送管を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、蓄熱体を備え高温から低温へ向けて温度勾配のついたスタックと、前記スタックの高温側に設けられた高温側熱交換部と、前記スタックの低温側に設けられた低温側熱交換部と、前記低温側熱交換部に隣接し連通する膨張室を有する膨張機とを備えた熱輸送管であって、前記膨張機は、前記スタック内の作動流体に圧力振動と往復流動とを発生し、前記スタックは、前記作動流体と前記蓄熱体との温度差とに起因して前記高温側熱交換部から前記スタックの高温側に伝達された熱が、前記スタックの高温側から低温側に向けて前記蓄熱体を介して輸送され、前記スタックの低温側から前記低温側熱交換部に伝達され、前記低温側熱交換部に伝達された熱は、一部が前記低温側熱交換部より放熱され、残りは前記膨張室へ伝達されて前記膨張機より出力される構成である。
請求項2に記載の発明は、前記高温側熱交換部は前記スタックの高温端に設けられ、一端が前記スタックに開口し他端が閉じた流路孔を複数本備えた高温側熱交換器であり、
前記低温側熱交換部は前記スタックの低温端に設けられ、一端が前記スタックに開口し他端が前記膨張室に開口した流路孔を複数本備えた低温側熱交換器である。
請求項3に記載の発明は、前記膨張機は、モータの機能と発電機の機能とを備える構成である。
請求項4に記載の発明は、前記作動流体は、気体と凝縮性流体とが混在しているを特徴としている。
請求項5に記載の発明は、前記高温側熱交換部と、前記低温側熱交換部または前記膨張室との間を前記作動流体がバイパスするバイパス通路を備える構成である。
請求項1に記載の発明では、高温側熱交換部に流入する熱Q1と膨張機がなす往復動とにより、熱輸送管内の作動流体(例えば、ヘリウムあるいは空気などの気体)に圧力振動と、往復流動とが生じる。すると、高温側熱交換部へ流入した高温の熱はスタックの高温側へ伝達される。伝達された高温の熱は、往復流動する作動流体と蓄熱体との熱交換によって温度が降下されてスタックの低温の熱となって低温側へ輸送される。この低温の熱Q1は、スタックの低温側から低温側熱交換部へ伝達され、一部の熱Q2は、低温側熱交換部より放熱される。残りの熱(Q1−Q2)=Wは、スタックの低温側における仕事流(PV仕事に相当)であって、仕事流は作動流体と蓄熱体との熱交換の際の作動流体の往きと戻りとの温度差によって生じる圧力差に起因するものである。そして、残りの熱(Q1−Q2)=Wは低温側熱交換部を通過して、膨張室へ仕事流Wとなって伝達され、仕事流Wが膨張機より出力される。以上により、本発明の熱輸送管は、高温側熱交換部へ入熱した熱Q1のうち、熱Q2=(Q1−W)を低温側熱交換部から外部へ放出すると共に、膨張機より仕事流Wを出力できる。
また、膨張機の作動停止状態では、作動流体に往復流動が生じないので、高温側熱交換部へ熱が流入した状態でも、スタックを介在して高温側熱交換部から低温側熱交換部への熱輸送と、膨張機への仕事の伝達は停止される。従って、高温側熱交換部の状態変化あるいは低温側熱交換部の状態変化に応じて、膨張機の運転、停止を制御することで、本発明の熱輸送管は高温側熱交換部に流入される熱の輸送と、低温側熱交換部からの放熱、および膨張機からの仕事の出力とを適宜、制御できる。
さらに、膨張機の振動数(回転数)あるいは膨張室の掃気容積を変えることにより、スタックの低温側における仕事流Wを調整でき、高温側熱交換部から低温側熱交換部への熱輸送量Q2および膨張機から出力される仕事流Wが調整できる。結果、本発明の熱輸送管は、低温側熱交換部への熱輸送量(低温側熱交換部の放熱量)Q2および膨張機により出力される仕事流Wを適宜、制御できる。
また、本発明の熱輸送管は、高温側熱交換部から低温側熱交換部への熱輸送が、膨張機により生じる作動流体の往復流動と圧力振動とにより行われるので、熱輸送管の設置姿勢は重力方向に制約されず自由であると共に、無重力環境においても使用可能である。
さらに、本発明の熱輸送管は、作動流体の相変化を利用せず、膨張機を使用して作動流体の往復流動と圧力振動とを発生させて熱を輸送するので、使用される温度領域は作動流体の相変化の温度(凝縮温度、蒸発温度)に限定されない。
また、従来技術の熱音響エンジンに比べて、本発明の熱輸送管は、熱交換部が高温側と低温側の2つで構成されるので、構成が簡素で低コストになる。また、高温側熱交換部が装置の端に位置するので、被加熱体との接続が容易で、かつ入熱ための伝達面積を大きくとることができる。
さらに、本発明の熱輸送管は、従来のヒートパイプのように高い真空度で使用する必要がなく、空気が流入しても性能低下を防止できる。また、作動流体に空気を使用する場合には、平均圧力を大気圧にすることで、空気の流出入がなく、熱輸送管の作動流体の平均圧力は大気圧を保持できる。結果、本発明の熱輸送管は低温側熱交換部への熱輸送能力と膨張機による仕事能力とが維持できる。
請求項2に記載の発明では、スタックの高温端に高温側熱交換器を接続することで、高温側熱交換器の端面と外周面とを入熱の伝熱面にできるので、熱源の熱を伝熱する面積が増大し伝熱の際に生じる温度差が減少する。さらに、高温側熱交換器を流動する作動流体に熱源から高温側熱交換器へ流入する熱を均等に伝達できる。
また、スタックの低温端に低温側熱交換器を接続することで、低温側熱交換器を流動する作動流体にスタックの低温端から流出する熱を均等に伝達できる。
請求項3に記載の発明では、膨張機は発電機と、モータの機能とを備えているので、本発明の熱輸送管を作動させる際、モータとして機能させ、膨張機のスタータに使用し、熱輸送の際には発電機として使用する。これにより本発明の熱輸送管は、確実に始動できると共に、使い勝手が良く、且つ低温熱交換部への熱輸送および膨張機より出力される仕事の制御性が向上する。
請求項4に記載の発明では、スタック内の作動流体は気体と凝縮性流体とが混在している。このため凝縮性流体が高温側熱交換部ならびに低温側熱交換部において相変化することで各熱交換部での伝熱促進できる。蒸発ならびに凝縮による伝熱は一般に気体単層による伝熱より大きな伝熱性能が得られるからである。すなわち、凝縮性流体は、高温側熱交換部では蒸気化し、低温側熱交換部では凝縮し、それぞれで相変化を起こし伝熱を促進する。これにより、本発明は、従来技術のヒートポンプあるいはサーモサイホンと同じように、熱輸送温度差が小さく、且つ使用される温度領域が凝縮性流体の相変化温度に略等しい限定された熱輸送も可能となる。しかもその際に従来技術のヒートポンプあるいはサーモサイホンのように内部圧が負圧となることはない。
請求項5に記載の発明では、高温側熱交換部と、低温側熱交換部または膨張室との間を作動流体がバイパスすることで、高温端で発生した仕事流が膨張部で回収でき、出力性能が向上する。
本発明の実施例1に係る熱輸送管の説明図である。 図1のスタックのX位置における作動流体要素の変位に対する温度と圧力およびスタック全長に亘る蓄熱体の平均温度を示す図である。 図1の熱輸送管およびスタックの仕事流を示す図である。 図1の高温側熱交換器の一実施例の断面図である。 図1の低温側熱交換器の一実施例の断面図である。 本発明の実施例2に係る熱輸送管の説明図である。 本発明に係る熱輸送管の従来技術の説明図である。 本発明に係る熱輸送管の他の従来技術の説明図である。 本発明に係る熱輸送管に関連する従来技術の説明図である。 本発明に係る熱輸送管に関連する他の従来技術の説明図である。
以下に本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の実施例1に係る熱輸送管の説明図であり、図中の黒塗りの矢印は熱の流れ方向、および仕事の方向を示す。図1に示すように、熱輸送管1は、膨張機2に設けた膨張室2dと、低温側熱交換器(低温側熱交換部)3と、スタック4と、高温側熱交換器(高温側熱交換部)5とがこの順に接続される。
膨張機2は、シリンダ2aと、ロッド2cの一端に連結したピストン2bと、ロッド2cの他端に連結した出力回収手段2eを備え、シリンダ2aとピストン2bとにより膨張室2dが形成される。出力回収手段2eの形態は、ピストン2bの往復動と同じ移動量、往復動するリニア方式、あるいはピストン2bの往復動をクランク機構などより回転運動に変換するロータリー方式のいずれでも良い。より具体的には、出力回収手段2eは例えば発電機あるいはファンなどである。発電機は、リニア方式の場合にはリニア発電機、ロータリー方式の場合にはロータリー発電機の形態をとる。
スタック4は、高温側熱交換器5からの熱を低温側熱交換器3へ熱輸送するために設けられ、作動流体が流動する流路断面積が微小な多数の流路と、往復流動する作動流体と再生熱交換する蓄熱機能とを備える。より具体的には、スタック4は、例えば5〜100メッシュ程度の金網の蓄熱体4bが管4a内に積層される。あるいは、管4aに断面が円形状で細長い線材を多数個、充填しても良い。この場合、線材間のスキマが流路を形成し、線材が蓄熱体4bとして機能する。スタック4の両端間の流路抵抗は小さいことが好ましく、実施例1および後述する実施例2、3において、作動条件(作動流体の圧力の振動数、温度、圧力)の下、スタック4の両端間の圧力損失は非常に小さい。
高温側熱交換器5は、高温側熱交換器5に設置される機器などの熱源(図示せず)から流入した熱Q1を作動流体に伝達するために設けられ、外周面5aと端面5bとは熱源(図示せず)からの熱Q1が伝達される伝熱面5abを形成する。端面5bは熱源である機器を設置し易くするためにフラットな面である。
低温側熱交換器3はスタック4の低温端4dから流出する作動流体の熱Q2を外部へ放出するために設けられ、外周面3aが熱Q2を外部へ放出する伝熱面を形成する。また、低温側熱交換器3と高温側熱交換器5は、それぞれ両端間の流路抵抗は小さことが好ましく、実施例1および後述する実施例2、3において、作動条件の下、各熱交換器3、5の両端間の圧力損失は非常に小さい。
熱輸送管1に充填する作動流体は空気を使用した。しかし作動流体は、空気以外にもヘリウム、水素、窒素、アルゴンなどの気体で良く、複数種類の気体を混合させても良い。作動流体の封入圧力は高圧にすることにより、熱輸送量は増大できるが、大気圧以下でも良い。しかし、熱輸送量および熱輸送管1の密閉性の関点から大気圧以上が好ましい。作動流体として空気を使用する場合、平均圧力を大気圧にすることで、熱輸送管1は厳密な密閉構造にしなくても良い。
次に、本発明の実施例に係る熱輸送管1の作動と効果について説明する。図2は、図1のスタック4の位置X(図1)の作動流体要素6の変位に対する圧力、温度および蓄熱体の平均温度を示す図である。図中、X〜Xは図1に示す作動流体要素6の各位置を示し、AおよびBは図1のスタック4のA位置(高温端4c)およびB位置(低温端4d)を示す。以下、膨張機2の出力回収手段2eが発電機2e1の場合について述べる。
発電機2e1は、発電機の機能とモータの機能とを備え、熱輸送管1の作動開始時には、発電機2e1をモータとして機能させ、ピストン2bを往復動させるスタータに使用する。これにより、熱輸送管1に作動流体の圧力振動と往復流動が発生する。圧力振動発生後は、発電機2e1は発電機として作動する。尚、外部より熱輸送管1への軽い衝撃力で作動流体とピストン2bとに微小振動を発生させて膨張機2を起動さても良い。この場合、発電機2e1は発電機としてのみ機能する。
高温側熱交換器5、スタック4、低温側熱交換器3、そして膨張室2dの各流路抵抗は、非常に小さいので、高温側熱交換器5、スタック4、低温側熱交換器3、そして膨張室2dの各圧力はほぼ等しい。また、スタック4の管4aの外周面は断熱材(図示せず)で覆われ、周囲に対して断熱されており、そして管4aの熱伝導率の低い材質で形成され、管4aの軸方向の伝導熱は非常に小さい。さらに、高温端4cから低温端4d方向への蓄熱体4bの伝導熱も非常に小さい。なお、実施例ではスタック4の管4aの外周面を断熱材で覆っているが、必ずしも厳重な断熱は必要ないため、断熱材で覆わなくても使用できる。
高温側熱交換器5の伝熱面5abから流入した高温の熱は、高温側熱交換器5を往復流動する作動流体に伝達され、スタック4の高温端4cへ伝達される。スタック4の高温端4cへ伝達された高温の熱は、往復流動する作動流体と蓄熱体4bとの熱交換によって温度が降下しながら、低温の熱となってスタック4の低温端4dへ輸送される。この低温の熱は、低温端4dから低温側熱交換器3へ伝達され、低温の熱の一部(熱Q2)は低温側熱交換器3より放熱される。残りの熱(Q1−Q2)=Wは、膨張室2dへ仕事流Wとなって伝達され、仕事流Wが膨張機2より出力される。
即ち、高温側熱交換器5の伝熱面5abから流入した高温の熱は、高温側熱交換器5を往復流動する作動流体に伝達され、スタック4の高温端4cでは、1サイクルにおいて熱Q1に等しい高温状態の全エンタルピーH(=Q1)が流入する。この全エンタルピーHは、スタック4を通過してスタック4の低温端4dから低温になって流出する。そして、スタック4の各断面を通過する全エンタルピー、および低温端4dから流出する全エンタルピーは、高温端4に流入する全エンタルピーHに等しい。即ち、高温の熱の熱量と同じ熱量の低温になった熱が低温端4dへ伝達される。
ところで、スタック4の蓄熱体4bの熱容量と、蓄熱体4bと作動流体との熱伝達率とが、それぞれ有限であるため、蓄熱体4bと作動流体との熱交換は不十分で、蓄熱体4bと作動流体との間に温度差を生じる。このため、往復流動する作動流体の往きと戻りの温度に差を生じる。蓄熱体4bの熱容量は有限であるが比較的大きいので、1サイクルにおける蓄熱体4bの温度変動は比較的小さく、スタック4の全長に亘る各位置の蓄熱体4bの平均温度は、図2に示すように右下がりの温度勾配の略直線で示される。
ここで、スタック4の位置Xを中心に往復流動する作動流体要素6に着目する。作動流体要素6の1サイクルの温度は、蓄熱体4bの平均温度の略直線(図2)に交差すると共に、長軸が右下がりに傾き略楕円(図2の太破線)で示される。即ち、作動流体要素6が位置Xから位置X、Xを経由して位置Xへ移動する際は、作動流体要素6の温度は、蓄熱体4bの平均温度より低く、そして位置Xから位置X、Xを経由して位置Xへ移動する際は、蓄熱体4bの平均温度より高くなり、矢印に示す右回りの不可逆変化になる。
1サイクルにおける作動流体要素6の右回りの温度により、1サイクルの作動流体要素6の圧力は、位置Xから位置Xへ移動する際の圧力が位置Xから位置Xへ移動する際の圧力より高く、図2において長軸が略右下がりに傾いた右回り(矢印方向)の略楕円で示される。この略楕円は、作動流体要素6のPX線図(圧力・変位線図)を示し、作動流体要素6の変位Xにスタック4の断面積を掛けると断面MMを中心に往復流動する作動流体の仮想のPV線図になる。この仮想PV線図は断面MMにおける仕事流Wであり、仮想PV線図の面積値は断面MMの仕事流Wの値を示す。
図3は、熱輸送管1とスタック4内の作動流体の流動方向に直交する各断面における仕事流Wを示す図である。図3に示すように、仕事流Wは、スタック4の高温端4cの近傍の位置Cにおいて0、スタック4の高温端4cにおいてマイナスの僅かな値で、右上がりに略直線的に増加し、スタック4の低温端4dにおいてプラスの最大値Wになる。この最大値の仕事流Wは、低温側熱交換器3を通過し膨張室2dへ伝達され、膨張室2dにおいてピストン2bが往復動して仕事流Wに等しい膨張仕事をなす。この膨張仕事より、発電機2e1は電力を出力する。なお、仕事流は、その向かう方向にプラス・マイナスを取って表示しており、プラス域が低温側に向かう仕事流、マイナス域が高温側に向かう仕事流を表している。
一方、熱源から高温側熱交換器5へ流入した高温の熱の熱量Q1は、全エンタルピーH(=Q1)の形態となってスタック4の高温端4cへ流入し、全エンタルピーHの一部は仕事流Wとなり、残りの熱(H−W)即ち熱(Q1−W)は、温度と熱量を減少しながらスタック4を通過して低温の熱(H−W)となって低温端4dへ至る。この低温の熱(H−W)は(Q1−W)に等しく、低温側熱交換器3へ流入し、低温側熱交換器の放出熱Q2となって外周面3aから外部へ放出される。ここで放出熱Q2は、Q2=(Q1−W)で示される。
図4は、図1の高温側熱交換器5の断面図である。図4に示すように、高温側熱交換器5は、熱伝導率の高い材質(例えば、銅)からなる円柱形状のブロック5cに一端が開口し他端が閉じた流路孔5dを均等に複数本備え、前述するように高温側熱交換器5の外周面5aとフラットな端面5bは、熱源からの熱Q1が入熱する伝熱面5abを形成する。そして、流路孔5dが開口する側の高温側熱交換器5の端面はスタック4の高温端4cに接続される(図1)。高温側熱交換器5の伝熱面5abへ流入した熱Q1は、熱伝導でブロック5cを通過して流路孔5dの内周面から作動流体に伝達され、スタック4の高温端4cへ流入する。より詳しくは、高温端4cへ流入する熱Q1は、前述したようにスタック4の高温端4cを流出入する1サイクルの作動流体の全エンタルピーHである。
図5は、図1の低温側熱交換器3の断面図である。低温側熱交換器3は、熱伝導率の高い材質(例えば、銅)からなる円柱形状のブロック3bに貫通した流路孔3cを均等に複数本備える。低温側熱交換器3の両端は、それぞれスタック4の低温端4dと膨張機2の膨張室2dとに接続される(図1)。前述するように低温側熱交換器3の外周面3aは熱Q2を外部へ放出する伝熱面を形成する。そして、スタック4の低温端4dから低温側熱交換器3へ流入する全エンタルピーH(=Q1)のうち熱Q2(=Q1−W)が、流路孔3cの内周面から流入し、熱伝導によりブロック3b内を通過して外周面3aから放熱される。低温側熱交換器3へ流入する全エンタルピーHのうち仕事流Wは流路孔3cを経由して膨張室2dへ伝達される。
以上により、本実施例1の熱輸送管1は、高温側熱交換器5へ流入した熱Q1を低温側熱交換器3へ輸送し、低温側熱交換器3から外部へ熱Q2=(Q1−W)を放出すると共に、新たな有効エネルギーとして活用できる仕事流Wを膨張機2より出力する。
さらに、蓄熱体4bである例えば金網のメッシュ数、充填量あるいは蓄熱体4bの材質等を変えることにより、膨張機2から出力される仕事流Wを調整できる。
また、熱輸送管1は、作動流体に生じた圧力振動と往復流動とにより熱を輸送するので、膨張機2が停止した状態では、熱輸送は停止される。従って、熱源である機器に高温側熱交換器5を設置し、例えば、機器の立ち上げ時間短縮のため、立ち上げ時には暖気しておくことが望ましい場合、暖気終了まで膨張機2を停止させ熱輸送を停止して、機器の暖気を促進させ、機器の暖気終了後、膨張機2を作動させて機器から熱を低温側熱交換器3から放熱し、熱輸送を制御する。即ち、高温側熱交換器5の状態変化あるいは低温側熱交換器3の状態変化に応じて、膨張機2の運転、停止を制御することにより、本実施例1の熱輸送管1は高温側熱交換器5に流入する熱の輸送(低温側熱交換器3からの放熱)、および膨張機2からの仕事の出力とを適宜、制御できる。
また、機器の作動状態の変化に対応して膨張機2の作動状態、例えば振動数(回転数)、あるいはピストン2bのストローク(膨張室2dの掃気容積に相当)等を制御することにより、スタック4の低温端4dにおける仕事流Wの値を調整でき、高温側熱交換器5から低温側熱交換器3への熱輸送量(放熱量)Q2(=Q1−W)の値も調整できる。結果、本実施例1の熱輸送管1は、低温側熱交換器3への熱輸送量(低温側熱交換器3の放熱量)Q2および膨張機2より出力される仕事流Wを適宜、制御できる。
さらに、膨張機2は、出力回収手段2eが発電機2e1の機能と、モータの機能を備えているので、熱輸送管1を作動させる際、発電機2e1がモータとして機能し、膨張機2のスタータに使用し、熱輸送の際は発電機2e1を本来の発電機として使用する。これにより熱輸送管1は、確実に始動できると共に、使い勝手が良く、且つ低温熱交換器3への熱輸送および膨張機2より出力される仕事の制御性が向上する。
また、スタック4の高温端4cには、高温側熱交換器5の一端が接続されているので、高温側熱交換器5の他端の端面5bと外周面5aとを熱源からの入熱のための伝熱面5abとして使用している。これにより、熱源の熱を伝熱する面積が増大し伝熱の際に生じる温度差が減少する。また、高温側熱交換器5は熱輸送管の一端に設けられているので、被加熱体との接続が容易であり、幅広い用途に利用できる。高温側熱交換器5に熱が流入する伝熱面である端面5bは、フラットな伝熱面であるので、高温側熱交換器5へ入熱する熱源である機器(図示せず)を容易に設置できる。なお、実施例1では端面5bをフラットな面で構成したが、端面5bや外周面5aは適宜、様々な構造を選択できる。例えば、外周面5a、端面5bを放熱フィン構造にして被加熱流体との間で熱伝達しやすい構造にしてもよい。また端面5bを凹凸を有する構造にして被加熱体の凹凸構造と嵌め合わせるようにしてもよい。こうすれば被加熱体との間の伝熱面積を大きくすることができる。
さらに、高温側熱交換器5は作動流体が流動する複数本の流路孔5dを均等に備えているので、作動流体に熱Q1を伝熱する広い伝熱面を確保できる。また、高温側熱交換器5の中央部分の流路孔5dを流動する作動流体にも熱を伝達できるので、複数の流路孔5dを流動する作動流体へ熱が均等に伝達される。結果、熱源の熱が流入する高温側熱交換器5の伝熱面5abと作動流体との温度差を減少できると共に、作動流体の流れに直交する高温側熱交換器5の断面を流動する作動流体の温度が均一になる。
また、低温側熱交換器3は作動流体が流動する複数本の流路孔3cを均等に備えているので、作動流体からブロック3bへ熱Q2を伝熱する広い伝熱面を確保できる。また、低温側熱交換器3の中央部分の流路孔3cを流動する作動流体にも熱を伝達できるので、複数の流路孔3cを流動する作動流体へ熱が均等に伝達される。結果、流路孔3cを流動する作動流体とブロック3bと間の温度差を減少できると共に、作動流体の流れに直交する低温側熱交換器3の断面を流動する作動流体の温度が均一になる。
また、高温側熱交換器5に流入する熱Q1は、膨張機により生じる作動流体の往復流動と圧力振動とによりスタック4を介して輸送されるので、熱輸送管1の設置姿勢は重力方向に制約されず自由である。また、熱輸送管1は無重力環境においても熱輸送使用可能である。
また、従来技術のヒートパイプあるいはサーモサイホン等の熱輸送デバイスは、作動流体の相変化を利用している。このため、従来技術の熱輸送デバイスは、高温側から低温側へ熱を輸送する際、高温側から低温側への熱輸送の温度差は小さく限定される。また、熱輸送デバイスが使用される温度領域は、作動流体の種類によって決まる相変化の温度(凝縮温度、蒸発温度)に限定される。しかし、本実施例1の熱輸送管1は作動流体として気体を使用しているので、高温側熱交換器5と低温側熱交換器3との温度差は、小さな温度差から大きな温度差の幅広い範囲に亘ることができる。さらに、本実施例1の熱輸送管1は、作動流体の相変化を利用せず、膨張機2を使用して作動流体の往復流動と圧力振動とにより輸送する。結果、熱輸送管1は、使用される温度領域は作動流体の相変化の温度に限定されることない。
また、実施例1の熱輸送管1は、従来技術の熱音響エンジン50(図9)のパルス管54と、常温側熱交換器53とが不要である。また。従来技術の熱音響エンジン60(図10)のパルス管64と、第2常温側側熱交換器63と、膨張機61と、膨張室62と圧縮室69との間に位相差を設ける手段とが不要である。従って、本実施例1の熱輸送管1は、構成が簡素で、低コストになる。
熱輸送管1は、従来のヒートパイプのように高い真空度で使用する必要がなく、空気が流入しても性能低下を防止できる。また、作動流体に空気を使用する場合で、平均圧力を大気圧にする場合には、多少の空気の流出入は動作上問題とはならない。結果、熱輸送管1は低温側熱交換部3への熱輸送能力と膨張機2による仕事能力が維持できる。
図6は、本発明の実施例2に係る熱輸送管の説明図である。図6において、図1と同じ名称、同じ形状の部品及び同じ名称、同じ形状の部位の符号は、図1と同じ符号を付す。図6に示すように、熱輸送管10は、図1の熱輸送管1の低温側熱交換器3と、高温側熱交換器5とが削除される。即ち、熱輸送管10は、順次膨張機2の膨張室2dと、スタック14とが接続される。スタック14の低温端14d側に低温側熱交換部13(図6の太実線に囲まれた部分)が形成され、そしてスタック14の高温端14c側に高温側熱交換部15(図6の太実線に囲まれた部分)が形成される。低温側熱交換部13および高温側熱交換部15は、スタック14の一部であり、スタックの機能と、熱交換器の機能とを備える。そして、高温側熱交換部15および低温側熱交換部13は、蓄熱体14bである例えば金網を管14aの軸方向に複数枚積層し、金網の外周(金網を形成する線材の両端)を管14aの内周面に例えば拡散接合などにより熱接触させる。これにより、金網は、入熱あるいは放熱の熱伝導および熱伝達の媒体としての機能と、作動流体の再生熱交換の蓄熱体としての機能とを備える。熱輸送管10の他の構成は、熱輸送管1と同じである。
高温側熱交換部15の高温端外面15b(スタック14の高温端14cの外面)は、熱源の機器(図示せず)などを設置するためにフラットな面になっており、高温側熱交換部15に入熱する伝熱面として機能する。また高温側熱交換部15の外周面15aも入熱のための伝熱面として機能し、高温端外面15bと外周面15aとにより高温側熱交換部15へ流入する熱の伝熱面15abが形成される。高温側熱交換部15の外周面15aに流入した熱は金網の線材の両端から線材の長手方向の中央へ熱伝導で流れると共に、線材の外周面から作動流体へ伝達される。また、スタック14の高温端14cの内面および高温側熱交換部15の内周面から各々の面近傍を往復流動する作動流体に熱源からの熱が伝達される。以上により、高温側熱交換部15の中央部分を往復流動する作動流体にも伝達され、作動流体の流れに直交する高温側熱交換部15の断面を流動する作動流体の温度は略均一になる。
低温側熱交換部13の中央部分を往復流動する作動流体からも金網の線材に熱が伝達され、作動流体の流れに直交する低温側熱交換部13の断面を流動する作動流体の温度は略均一になる。そして、蓄熱体14bでもある金網の線材および低温側熱交換部13の内周面へ伝達された熱Q2は、低温側熱交換部13の外周面13aより放熱される。
以上により、実施例2の熱輸送管10は、熱源の機器(被加熱体)などを容易に設置できると共に、熱源からの入熱の伝熱面積も増大し、さらには高温側熱交換部15および低温側熱交換部13において作動流体との熱伝達が良好に行われる。
また、高温側熱交換部15と低温側熱交換部13とは、スタック14を兼ねているので、図1の熱輸送管1と比較して、熱輸送管10の構成がさらに簡素で且つ低コストになる。特に、熱輸送管10は小型で、熱輸送量の少ない場合に好適である。熱輸送管10の他の作動および効果は熱輸送管1と同じである。
本実施例3は、実施例1の空気の変わりに作動流体として空気(気体)と水(凝縮性流体)を混在させたものを使用しており、図1を準用する。高温側熱交換器5の温度は約100℃、低温側熱交換器3の温度は約30℃となっている。この熱輸送管1が作動しているときには、水は、高温側熱交換器5で蒸発し液体から気体に相変化し、低温側熱交換器3で凝縮して気体から液体に相変化する。蒸発ならびに凝縮による伝熱は気体単層による伝熱より大きな伝熱性能が得られるから、高温側熱交換器5、低温側熱交換器3での伝熱促進できる。これにより、従来技術のヒートポンプあるいはサーモサイホンと同じように、熱輸送温度差が小さく、且つ使用される温度領域が凝縮性流体の相変化温度に略等しい限定された熱輸送も可能となる。しかもその際に従来技術のヒートポンプあるいはサーモサイホンのように内部圧が負圧となることはない。
なお、実施例3では、気体として空気を使用したが、低温側熱交換部の温度以上で気相であるものなら何でも使用できる。例えば、実施例1で例示した気体を使用できる。実施例3では、凝縮性流体として水を使用したが、低温側熱交換部では凝縮し、高温側熱交換部では蒸発する流体なら何でも使用できる。熱輸送管を使用するときの各熱交換部の温度によって使用する凝縮性流体は変わるが、フロン系流体,炭化水素系流体などが例示できる。
本実施例4は、図6で示す実施例2にバイパス通路を設けたものである。具体的には、高温側熱交換部15と膨張室2dとを作動流体が流通可能なバイパス管(バイパス通路)で接続している。バイパス管はスタック14の外部に設けられている。図3の仕事流Wのグラフから明らかなようにスタック4の位置Cよりも高温側熱交換器5側にスタック4ないでは仕事流Wはマイナス(すなわち高温側に向かう仕事流が存在する)となっている。これにより高温端部でもわずかながらでも仕事流が得られる(0からマイナス部との差分)。図3は実施例1の説明であるが、実施例6でも同様である。高温側熱交換部15と膨張室2dとをバイパス通路で接続することにより高温端で発生した仕事流(0からマイナス部との差分)を膨張部で回収することができ、出力性能を向上できる。
なお、本実施例4では高温側熱交換部15と膨張室2dとの間にバイパス通路を設けたが高温側熱交換部15と低温側熱交換部13との間にバイパス通路を設けても同様の効果が得られる。また本実施例4ではバイパス通路をスタック14の外部に設けたが、スタックの内部に設けてもよい。その場合には、バイパス通路と蓄熱体14bとの間で作動流体が流通しないようになっている。
1、10、20 熱輸送管
2 膨張機
2d 膨張室
2e1 発電機
3 低温側熱交換器(低温側熱交換部)
4、14、24 スタック
4b、14b、24b 蓄熱体
5 高温側熱交換器(高温側熱交換部)
13、23 低温側熱交換部
15、25 高温側熱交換部
24e 蒸気用流路(流路)

Claims (5)

  1. 蓄熱体を備え高温から低温へ向けて温度勾配のついたスタックと、
    前記スタックの高温側に設けられた高温側熱交換部と、
    前記スタックの低温側に設けられた低温側熱交換部と、
    前記低温側熱交換部に隣接し連通する膨張室を有する膨張機と
    を備えた熱輸送管であって、
    前記膨張機は、前記スタック内の作動流体に圧力振動と往復流動とを発生し、
    前記スタックは、前記作動流体と前記蓄熱体との温度差とに起因して前記高温側熱交換部から前記スタックの高温側に伝達された熱が、前記スタックの高温側から低温側に向けて前記蓄熱体を介して輸送され、前記スタックの低温側から前記低温側熱交換部に伝達され、
    前記低温側熱交換部に伝達された熱は、一部が前記低温側熱交換部より放熱され、残りは前記膨張室へ伝達されて前記膨張機より出力される
    ことを特徴とする熱輸送管。
  2. 前記高温側熱交換部は前記スタックの高温端に設けられ、一端が前記スタックに開口し他端が閉じた流路孔を複数本備えた高温側熱交換器であり、
    前記低温側熱交換部は前記スタックの低温端に設けられ、一端が前記スタックに開口し他端が前記膨張室に開口した流路孔を複数本備えた低温側熱交換器である
    ことを特徴とする請求項1に記載の熱輸送管。
  3. 前記膨張機は、モータの機能と発電機の機能と
    を備えることを特徴とする請求項項1又は2のいずれかに記載の熱輸送管。
  4. 前記作動流体は、気体と凝縮性流体とが混在している
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の熱輸送管。
  5. 前記高温側熱交換部と、前記低温側熱交換部または前記膨張室との間を前記作動流体がバイパスするバイパス通路
    を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の熱輸送管。
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