JP2011088440A - 光学フィルムの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】押出部2から押し出されたアクリル樹脂製のフィルムFは、中心部に比べて両端部の厚さが小さく、中央部分にその厚さが均一な均厚部を有し、両端部にその厚さが次第に減少する漸減部を有している。このフィルムFを縦延伸部3に供すると、厚さが平準化され、フラットな形状の縦延伸フィルムFが得られる。その後、横延伸部5に供することにより、厚さのバラツキが極めて小さい光学フィルムFが得られる。光学フィルムFは偏光子保護フィルムとして有用である。
【選択図】図1
Description
なお従来技術では、主として、セルロースエステル(特許文献1)や環状オレフィン系樹脂であるノルボルネン系樹脂(特許文献2,3,4)主成分とする樹脂からなる光学フィルムを製造の対象としている。
また特許文献2,3,4に開示された技術を採用し、図4(c−2)の様に幅方向の中央で厚さが最大の縦方向延伸フィルムを横方向に延伸したとしても、厚みバラツキの小さいフィルムを得ることは困難である。
そのため、アクリル樹脂を素材として偏光子保護フィルム等の光学フィルムを製造する場合には、横延伸前のフィルムの断面形状は、できる限りフラットであることが望ましい。
すなわち、図5(c−1)に示す様な断面形状がフラットな樹脂を縦方向に延伸すると、図5(c−2),図6の様に幅方向の両端部だけが他の部位に比べて厚い縦延伸フィルムができてしまう。このような形状の縦延伸フィルムを横延伸すると、図5(c−3)の様になり、最終的に、図5(c−4)の様な中央部分の厚みが小さいフィルムとなってしまう。
縦延伸工程に供されるフィルムは、中心部に比べて両端部の厚さが小さく、中央部分にその厚さが均一な均厚部を有し、両端部にその厚さが次第に減少する漸減部を有するものであり、
縦延伸工程によってフィルムの厚さを平準化し、その後に横延伸工程を行うことを特徴とする光学フィルムの製造方法である。
押出部2から押し出された樹脂は、タッチロール8aと冷却ロール8bの間、さらに、冷却ロール8b〜8dの間を通ることにより、フィルム状に成形される。次いで、成形されたフィルム状樹脂(フィルムF)は、ガイドロール8e,8fを経由した後、予熱ロール8g,8hを通ることで縦延伸前の予熱に供される。予熱されたフィルムFは、延伸ロール8i,8jとニップロール50a,50bの間を通ることにより、縦方向(搬送方向、長手方向)に延伸される(縦延伸工程)。すなわち、延伸ロール8jの回転速度を延伸ロール8iの回転速度よりも大きくすることにより、フィルムFが縦方向に延伸される。縦延伸されたフィルムFは、冷却ロール8kにて冷却された後、横延伸工程に供される。
なお本実施形態では、タッチロール8aを有さない構成も採用可能である。
好ましい実施形態では、均厚部23の幅W2がフィルムFの全幅W1の50%以上に渡り、漸減部25a,25bの幅W3a,W3bの合計はフィルムFの全幅W1の20%以上であり、漸減部25a,25bの最も厚さの小さい部位の厚さT2は均厚部23の厚さT1の95%以下である。W1=W2+W3a+W3bであることが最も好ましい。
なお、両端部22a,22b、均厚部23、及び漸減部25a,25bのサイズ、並びに、フィルムFの表面と漸減部25a,25bを構成する平面とが成す角度θ(傾斜角θ,0°<θ<90°,図3参照)等については、Tダイ7のリップの調整ボルトを用いて自由に設定することができる。
別の好ましい実施形態では、前記した最大の厚さと最小の厚さの差が、最大の厚さの5%以内である。
ここで、アクリル樹脂製のフィルムの場合、縦延伸後のフィルムにおいては両端部だけが厚くなる傾向がある。そのため、縦延伸前のフィルムが従来技術のようなフラットな形状(図5(c−1))であると、縦延伸後のフィルムは図5(c−2),図6に示す様な両端部だけが厚いものとなってしまう。
しかし、本実施形態では、縦延伸前のフィルムが図1(c−1),図3に示す様な形状を有しているので、縦延伸後において均厚部23が中央部分に生じる「凹み」を補償する形となり、両端部22a,22bの厚さと中央部分の厚さとが一致して、厚さが平準化される。結果として、縦延伸後のフィルムFは、図1(c−2)に示す様なフラットな形状となる。
本実施形態によれば、図5(c−4)に示す様な中央部分の厚みが小さいフィルムとなることはない。また、図6(b)に示す様な中央部分の厚みが大きいフィルムとなることもない。
1H−NMR BRUKER AvanceIII(400MHz)を用いて、樹脂の1H−NMR測定を行った。3.5から3.8ppm付近のメタクリル酸メチルのO−CH3プロトン由来のピークの面積Aと、3.0から3.3ppm付近のグルタルイミドのN−CH3プロトン由来のピークの面積Bを求め、次式によりイミド化率Im(%)を算出した。
Im={B/(A+B)}×100
なお、ここで、「イミド化率」とは全カルボニル基中のイミドカルボニル基の占める割合をいう。
樹脂0.3gを塩化メチレン37.5mLに溶解し、さらにメタノール37.5mLを加えた。次に0.1mmol%の水酸化ナトリウム水溶液5mLとフェノールフタレインのエタノール溶液数滴を加えた。次に0.1mmol%の塩酸を用いて逆滴定を行い、中和に要する塩酸の量から酸価を求めた。
樹脂10mgを用いて、示差走査熱量計(DSC,(株)島津製作所製DSC−50型)を用いて、窒素雰囲気下、昇温速度20℃/minで測定し、中点法により決定した。
アンリツ株式会社製の触針式連続フィルム厚み計(フィルムシックネステスタKG601B、及び電子マイクロメータK3001A)を使用して測定した。詳しくは、原反の場合、30mm(フィルムの流れ方向)×1,000mm(フィルムの幅方向全幅)のサンプルを切り出し、幅方向1,000mmの厚みを1mm間隔で連続的に測定し、平均値を厚みとした。また、一軸延伸フィルム(縦延伸後フィルム)の場合、フィルム幅方向に、幅30mm、長さ900mmの厚みを連続的に測定した。更に、逐次二軸延伸フィルムの場合、30mm(フィルムの流れ方向)×1,400mm(フィルムの幅方向全幅)のサンプルを切り出し、幅方向の両端からそれぞれ75mmを除いた厚みを幅方向に1mm間隔で測定し、平均値を厚みとした。厚みバラツキは、厚みの最大値と最小値の差とした。ただし、実施例1,2の原反フィルムのバラツキについては、W2に相当する部分の厚みの最大値と最小値の差とした。
1.樹脂の調製
押出反応機を2台直列に並べたタンデム型反応押出機を用いて、以下の手順で樹脂を調製した。タンデム型反応押出機に関しては、第1押出機(1)、第2押出機(2)共に直径75mm、L/D(押出機の長さLと直径Dの比)が74の同方向噛合型二軸押出機を使用し、定重量フィーダー(クボタ(株)製)を用いて、第1押出機原料供給口に原料樹脂を供給した。また、第1押出機、第2押出機に於ける各ベントの減圧度は−0.095MPaとした。また、直径38mm、長さ2mの配管で第1押出機と第2押出機を接続した。第2押出機から吐出された樹脂(ストランド)は、冷却コンベアで冷却した後、ペレタイザーでカッティングしペレットとした。
基本的に、図1,2に示す方法で光学フィルムを製造した。すなわち、得られた樹脂組成物を100℃で5時間乾燥後、50mm単軸押出機と1,100mm幅のTダイを用いてシート状に押し出し(押出工程)、金属製の冷却ロールで該シートを冷却して幅1,000mmの原反を得た。このフィルムの断面形状は図1(c−1),図3に示す様な形状であり、図3における各サイズは、W1=1000mm、W2=600mm、W3a=W3b=200mm、T1=130μm、T2=120μm、平均厚みは128μm、厚みバラツキは±1.0μmであった。
次いで、上記原反を、ロール縦延伸機を使用して縦延伸工程に供し、縦一軸延伸フィルムを得た。詳しくは、原反を、縦延伸機の予熱ロールで100℃に予熱した後、130℃の延伸ロールで2.0倍に延伸して、幅900mmの縦一軸延伸フィルムを得た。このフィルムの平均厚みは80μm、厚みバラツキは±1.0μmであった。
更に、上記縦一軸延伸フィルムを、横延伸機を使用して横延伸工程に供し、逐次二軸延伸フィルム(光学フィルム)を得た。詳しくは、縦一軸延伸フィルムを、横延伸機の予熱ゾーンで130℃に予熱した後、130℃の延伸ゾーンで2.0倍に延伸して、幅1,700mmの逐次二軸延伸フィルムを得た。このフィルムの断面形状は図1(c−4)に示す様なフラットな形状であり、平均厚みは40μm、厚みバラツキは±1.0μmであった。
原反の断面形状(図1(c−1),図3)について「W2=700mm、W3a=W3b=150mm」とする以外は実施例1と同様にして、逐次二軸延伸フィルムを得た。このフィルムの断面形状は図1(c−4)に示す様なフラットな形状であり、平均厚みは40μm、厚みバラツキは±1.5μmであった。
図5(c−1)に示す様な断面形状を有するフィルムを、実施例と同様の縦延伸工程と横延伸工程に供し、逐次二軸延伸フィルムを得た。このフィルムの断面形状は図5(c−4)に示す様な形状であり、平均厚みは40μm、厚みバラツキは±4.0μmであった。すなわち、本比較例で得られた逐次二軸延伸フィルムは、実施例のようなフラットな形状とはならず、厚みバラツキの大きいものであった。
図7(a)に示す様な断面形状を有するフィルムを、実施例と同様の縦延伸工程と横延伸工程に供し、逐次二軸延伸フィルムを得た。このフィルムの断面形状は図7(b)に示す様な形状であり、平均厚みは40μm、厚みバラツキは±3.0μmであった。すなわち、本比較例で得られた逐次二軸延伸フィルムは、実施例のようなフラットな形状とはならず、厚みバラツキの大きいものであった。
21 中心部
22a,22b 両端部
23 均厚部
25a,25b 漸減部
Claims (4)
- アクリル樹脂を主成分とする樹脂をフィルム状に連続的に押し出す押出工程と、前記押出工程で押し出されたフィルムを長手方向に延伸する縦延伸工程と、前記縦延伸工程を経たフィルムを横方向に延伸する横延伸工程とを包含する光学フィルムの製造方法において、
縦延伸工程に供されるフィルムは、中心部に比べて両端部の厚さが小さく、中央部分にその厚さが均一な均厚部を有し、両端部にその厚さが次第に減少する漸減部を有するものであり、
縦延伸工程によってフィルムの厚さを平準化し、その後に横延伸工程を行うことを特徴とする光学フィルムの製造方法。 - 縦延伸工程に供されるフィルムにおける均厚部の幅は、フィルムの全幅の50%以上に渡り、両端部にある漸減部の幅の合計は前記フィルムの全幅の20%以上であり、漸減部の最も厚さの小さい部位の厚さは均厚部の厚さの95%以下であることを特徴とする請求項1に記載の光学フィルムの製造方法。
- 縦延伸工程に供されるフィルムは、その中央部であってフィルムの全幅の50%以上に渡る領域における最大の厚さと最小の厚さの差が5μm以下のものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学フィルムの製造方法。
- 光学フィルムが偏光子保護フィルムであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光学フィルムの製造方法。
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