JP2011086545A - 操作スイッチ用部材およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】製造工程中に印刷位置のずれが生じにくい操作スイッチ用部材およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】 2以上の貫通孔5が形成された非透光性のキーシート2と、キーシート2の操作面と逆側に設けられると共に、表示形状に形成された透光部Pを備える非透光性のベースシート3と、を有すると共に、少なくとも2以上の貫通孔5の一部と透光部Pとが、光の透過方向に重なるような操作スイッチ用部材1としている。
【選択図】図2
【解決手段】 2以上の貫通孔5が形成された非透光性のキーシート2と、キーシート2の操作面と逆側に設けられると共に、表示形状に形成された透光部Pを備える非透光性のベースシート3と、を有すると共に、少なくとも2以上の貫通孔5の一部と透光部Pとが、光の透過方向に重なるような操作スイッチ用部材1としている。
【選択図】図2
Description
本発明は、操作スイッチ用部材およびその製造方法に関する。
近年、携帯電話、携帯音楽プレーヤ、PDA、リモートエントリーキーあるいはスマートエントリーキー等の電子機器は、更なる薄型化が要求されている。電子機器の薄型化を実現するためには、当該電子機器に設けられている操作スイッチの薄型化が不可欠である。
また、操作スイッチには、キーに付された表示等が視認されやすいこと、および、意匠性が求められる。そこで、操作スイッチ用部材を、キー部分を非透光性の部材にて形成すると共に、文字または記号等の表示部分を貫通孔としてその非透光性の部材に形成するものがある。そのような操作スイッチ用部材では、操作スイッチ用部材の操作面と逆側から照光した際に、キー天面の表示部分が光るため、ユーザが表示部分を視認しやすく、かつ、暗闇でも操作が容易なものとなる(たとえば、特許文献1参照)。
ところで、最近では、操作スイッチ用部材のデザイン性のさらなる向上も要望されている。さらに、市場のグローバル化に伴い、キーに表示させる文字を各国用の言語にあわせて変える必要がある場合がある。そのような場合には、キーに表示させる言語毎に操作スイッチ部材およびその加工のための金型あるいは治具等を用意している。たとえば、特許文献1に記載の操作スイッチ用部材において、キーに表示させる文字を言語毎に変える場合には、キーに設ける光を透過させるための貫通孔の形状を変える必要がある。したがって、キーシート天面に貫通孔を設けるための加工およびその加工のための金型を、各国毎に変える必要がある。
そこで、本発明は、キーに表示させる文字等を変えることが容易であると共に、意匠性の高い操作スイッチ用部材およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る操作スイッチ用部材の一側面は、2以上の貫通孔が形成された非透光性のキーシートと、キーシートの操作面と逆側に設けられると共に、表示形状に形成された透光部を備える非透光性のベースシートと、を有すると共に、少なくとも2以上の貫通孔の一部と透光部とが、光の透過方向に重なるものとしている。
さらに、貫通孔は、キーシートの操作面の面積に対して、透光部よりも小さい面積であると共に、透光部には、2以上の貫通孔がキーシートと、光の透過方向の少なくとも一部で重なるものとするのが好ましい場合もある。
また、本発明に係る操作スイッチ用部材の製造方法の一側面は、2以上の貫通孔が形成された非透光性のキーシートと、キーシートの操作面とは逆側に設けられると共に、表示形状に形成された透光部を備える非透光性のベースシートと、を有する操作スイッチ用部材の製造方法であって、キーシートに予め貫通孔を形成する貫通孔形成ステップと、ベースシートの片面に、透光部以外の領域に非透光性の遮光層を形成する遮光層形成ステップと、少なくとも2以上の貫通孔の一部と透光部とが、光の透過方向に重なるようにキーシートの操作面と逆側にベースシートを固着する固着ステップと、を含むものとしている。
さらに、遮光層形成ステップにおいて、遮光層をベースシートの全面に設けた後で、レーザ光線を照射することにより透光部を形成するのが好ましい場合もある。
また、本発明に係る操作スイッチ用部材の製造方法の別の一側面は、2以上の貫通孔が形成された非透光性のキーシートと、キーシートの操作面とは逆側に設けられると共に、表示形状に形成された透光部を備える非透光性のベースシートと、を有する操作スイッチ用部材の製造方法であって、キーシートに予め貫通孔を形成する貫通孔形成ステップと、少なくとも2以上の貫通孔の一部と透光部とが、光の透過方向に重なるように、キーシートの操作面と逆側の面に、ベースシートとシリコーンゴム層とを積層し、一体的に成形する一体成形ステップと、透光部に形成された遮光層を除去する透光部形成ステップと、を有するものとしている。
本発明によれば、キーに表示させる文字等を変えることが容易であると共に、意匠性の高い操作スイッチ用部材およびその製造方法を提供できる。
(第1の実施の形態)
まず、本発明の第1の実施の形態に係る操作スイッチ用部材の一例としての押釦スイッチ用部材1について、図面を参照しながら説明する。
まず、本発明の第1の実施の形態に係る操作スイッチ用部材の一例としての押釦スイッチ用部材1について、図面を参照しながら説明する。
図1は、第1の実施の形態に係る押釦スイッチ用部材1を、ユーザが操作する操作面側から見た場合の平面図である。図2は、押釦スイッチ用部材1を、図1のA−A線を含む操作面に略垂直な面で切断し、矢印方向に見た場合の断面を示す断面図である。なお、図を見やすくするため、各層の縮尺は一定ではない。また、以後、操作面側を表面、操作面と逆の面側を裏面という。
図2に示すように、押釦スイッチ用部材1は、その表面側から裏面側に向かって、キーシート2、ベースシートしての弾性シート層3、そして、遮光層4を有する。キーシート2と弾性シート層3とは、キーシート2と弾性シート層3との境界で密着し、一体化されている。弾性シート層3の裏面の一部には、遮光層4が形成されている。
キーシート2は、ユーザが押圧するための部材である。第1の実施の形態において、キーシート2には、合計12の押圧領域(図1のCで示される領域)の外周を囲む溝部6が設けられている。具体的には、溝部6は、各押圧領域の外周の一部を除いて、各押圧領域を囲んでいる。たとえば、図1では、図1の下側の方向を除いて、溝部6が各押圧領域の外周を囲んでいる。溝部6が形成されていることにより、ユーザがキーシート2の押圧領域を押圧すると、その押圧された領域が、裏面側へ容易に押し込まれるものとなる。また、図2に示すように、キーシート2には、貫通孔5が複数形成されている。
キーシート2は、非透光性の部材から構成される。たとえば、キーシート2は、樹脂、金属あるいはそれらのコンポジット等から主に構成され、特に、キーシート2は、金属から構成されているのが好ましい。なぜなら、金属から構成されるキーシート2は、強度が高いと共に、キーシート2の裏側からの光を反射できるため、反射板としても機能するからである。また、キーシート2は、単一成形体であってもよいし、あるいは、複数の層から成る成形体であってもよい。複数の層から成るキーシート2を採用する場合、キーシート2は、表面が樹脂シートで被覆されているのが好ましい。キーシート2の表面が樹脂シートで被覆されている場合には、その樹脂シートにより被覆されている領域は、キーシート2の一部であっても全部であっても良い。本実施の形態に係る樹脂製のキーシート2の材料には、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、アクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレン共重合樹脂、ポリプロピレン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、メタクリル樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエステル樹脂あるいはポリアミド樹脂等の各樹脂を使用できる。
図3は、キーシート2に形成された貫通孔5を操作面側から見た場合の平面図である。貫通孔5は、キーシート2の表面と裏面とを貫通しており、キーシート2の押圧領域Cに格子状に配置されている。貫通孔5は、たとえば、直径φが0.2mm以下の孔であり、最も隣接する貫通孔5の外周間の最大距離が0.2mm未満で配列されている。なぜなら、携帯機器用の表示は、0.2〜0.3mm程度の太さの線で描かれているからである。
操作面における貫通孔5の形状は、どのような形状であっても良い。たとえば、操作面における貫通孔5の形状は、三角形、四角形あるいは六角形等の多角形、円形あるいは、楕円形等の形状であってもよい。その中でも、円形または六角形の貫通孔5とした場合には、貫通孔5を成形するのが容易である。また、複数の貫通孔5は、互いに一定間隔で配列されても、ランダムに配置されても良い。しかし、複数の貫通孔5を、一定間隔でキーシート2に設けることで、表示部分P(図2参照)の形状がより認識されやすい押釦スイッチ用部材1となる。
また、第1の実施の形態では、貫通孔5は、表面側の径と裏面側の径とが同一、すなわち、円柱状の孔とされている。しかし、このような形態に限らず、たとえば、貫通孔5は、表面側の径よりも裏面側の径が大きい、すなわち、漏斗状の孔としてもよい。貫通孔5が、裏面側が表面側よりも開口している漏斗状の孔である場合には、裏面からの光を集光することができるものとなる。また、貫通孔5は、キーシート2の表面から裏面にかけて漏斗状でなくてもよい。たとえば、貫通孔5の一部が漏斗状あるいは角錐の一部のような形状であってもよい。
また、操作面において、貫通孔5の開口面積の合計が、貫通孔5を配列した領域の面積に対して6%以上あることが好ましい。たとえば、貫通孔5を配列した領域、すなわち図3の押圧領域Cの面積に対して、押圧領域Cにある貫通孔5の開口面積が6%以上であるのが好ましい。さらに、貫通孔5の開口面積の合計が、貫通孔5を配列した領域の面積(図3では、押圧領域Cの面積)に対して12%以上あれば、ユーザが表示部分Pの形状をより明瞭に視認できる押釦スイッチ用部材1とすることができる。たとえば、表示部分Pの線の太さdが0.26mmの場合に、直径φが0.05mmの円形の貫通孔5を、隣接する貫通孔5の中心間の間隔lが0.125mmの格子状として設けることで、貫通孔5を配列した領域の押圧領域Cの面積に対して、貫通孔5の開口面積が12.5%となるため、表示が明瞭に視認可能なものとなる。あるいは、表示部分Pの線の太さdが0.26mmで構成されている場合に、直径φが0.05mmの貫通孔5を、間隔lが0.25mmの千鳥格子状として設けることにより、貫通孔5を配列する領域の面積に対して、貫通孔5の面積が6.3%となるため好ましい。
ベースシートとしての弾性シート層3は、透光性および弾性を有する層である。なお、本明細書において透光性とは、実質的に光が透過することを意味し、全光透過率30%以上、好ましくは50%以上である。また、本明細書において弾性とは、指で押圧した際に撓むことができるものであって、JIS K7311 タイプAで測定した場合の硬度が10〜100程度のものを意味する。たとえば、弾性シート層3は、熱可塑性ポリウレタンから主に構成され、厚さが約0.03〜0.2mm、かつJIS K7311 タイプAにて測定した場合の硬度が20〜98であるものが好適に用いられる。また、ベースシートとしての弾性シート層3は、単層であってもよいし、複数の層から構成されていてもよい。
遮光層4は、押釦スイッチ用部材1の裏面側に配置された内部光源(不図示)から表面に向かって照射された光が、表示部分P以外から表面側に出射されないように遮光する層である。ここで、本明細書において、遮光とは、透光部分と比較して透光しないことを意味し、全光線透過率が約10%以下のものを指す。なお、遮光層4は、遮光するだけではなく加飾するような層であってもよいし、金属膜のように光を反射するような層としてもよい。遮光層4は、たとえば、ウレタン系の塗料、あるいは、アクリル系の塗料を塗布あるいは印刷することで形成できる。その中でも、ウレタン系の塗料を塗布あるいは印刷することで遮光層4を形成した場合には、押釦スイッチ用部材1を押圧した際に、遮光層4が弾性シート層3の変形に追随できるものとなる。
図4は、図1の押釦スイッチ用部材1を裏面側から照光した状態について、図1のBで示す領域を拡大して示す平面図である。押釦スイッチ用部材1の裏面側から、押釦スイッチ用部材1の表面側に向けて光を照射した場合には、図4に示すように、表示部分P(図4の点線で示された領域内部)と光の透過方向(図4の紙面を表裏に貫通する方向)で重なる領域に配置された貫通孔5(図4の黒色で示されている部分)のみから光が放出される。一方、遮光層4が形成された領域と、光の透過方向で重なる領域の貫通孔5からは、光が出射しない。すなわち、表示部分P以外は、暗部となるので、表示部分Pのみがユーザに視認されるものとなる。
上述のような押釦スイッチ用部材1では、押釦スイッチ用部材1の裏面側から照光した場合に、表示部分Pの形状に対応する貫通孔5の集合が、ユーザに視認される。また、上述のような押釦スイッチ用部材1では、押釦スイッチ用部材1に表示させる表示部分Pの形状を変えることが容易である。なぜなら、表示部分Pの打ち抜き形状は、塗布あるいは印刷等により構成されるので、表示部分Pの形状に貫通孔5を設けるよりも容易に各言語等に応じた表示とすることができるからである。
次に、押釦スイッチ用部材1の製造方法について説明する。図5は、押釦スイッチ用部材1の製造方法を説明するフローチャートである。
まず、キーシート2に、貫通孔5を形成する(ステップS101;貫通孔形成ステップ)。貫通孔5を形成する方法としては、たとえば、化学エッチングによりキーシート2の基材を溶剤で腐食させて、貫通孔5をキーシート2に形成することができる。あるいは、キーシート2の貫通孔5を設ける位置に、レーザ光線を照射する、あるいは、打ち抜き加工を行う等により貫通孔5を形成してもよい。なお、ステップS101の前あるいは後に、溝部6を形成する。
次に、弾性シート層3として、たとえば、厚さ0.1mmのエステル系の熱可塑性ポリウレタンを用意する。そして、弾性シート層3の表示部分P以外の領域に遮光層4を形成する(ステップS102;遮光層形成ステップ)。たとえば、弾性シート層3に、印刷により遮光層4を形成する。
次に、ステップS101で形成されたキーシート2と、ステップS102で形成された遮光層4を有する弾性シート層3とを固着する(ステップS103;固着ステップ)。固着する方法としては、どのような方法を用いてもよい。たとえば、キーシート2と弾性シート層3との間にアクリル系接着剤等を介在させて、キーシート2と弾性シート層3とを接着してもよい。あるいは、キーシート2と弾性シート層3とを融着等により固着してもよい。
また、内部光源(不図示)により表示部分Pが照光されていない状態で、表示部分Pが視認されないように、キーシート2全体に、隠蔽層としてスモーク印刷あるいはミラー印刷等を施しても良い。さらに、キーシート2と弾性シート層3との接着性を向上させる目的で、キーシート2側あるいは弾性シート層3側に、プライマーを塗布しても良い。
また、ステップS101とステップS102とは、逆であってもよい。また、ステップS101の後に、キーシート2の貫通孔5の内部を透明な樹脂で充填する充填ステップを有しても良い。充填ステップで貫通孔5に充填する樹脂としては、アクリル系、エポキシ系あるいはウレタン系等の熱硬化性樹脂、もしくは、光硬化性樹脂を用いることもできる。たとえば、充填ステップでは、UV硬化性樹脂を貫通孔5に充填し、UV領域の光を照射することで、貫通孔5を透明な樹脂で塞ぐことができる。具体的には、各種印刷、ディスペンス、あるいはポッティング等の既存の方法で、貫通孔5に透明な樹脂を充填できる。貫通孔5を透明な樹脂で塞ぐと、押釦スイッチ用部材1が配置される電子機器の内部に、貫通孔5から埃等が侵入しないためより好ましい。
上述のような製造方法を採用することにより、押釦スイッチ用部材1の裏面側から照光された場合に、ユーザが表示を視認できるものとなる。
また、上述のような押釦スイッチ用部材1では、デザインあるいは表示を変えることが容易である。なぜなら、押釦スイッチ用部材1の表示部分Pの形状を変えるために、別途の金型を必要としないからである。上述の押釦スイッチ用部材1では、表示部分Pが印刷により構成されるので、別途の金型等を用意して表示部分Pの形状に貫通孔を設けるよりも、容易かつ安価に各言語等に応じた表示とすることができる。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態に係る押釦スイッチ用部材10について説明する。第2の実施の形態において、第1の実施の形態と共通する部分については、同じ符号を用いて示し、また当該共通する部分についての説明を省略する。
次に、本発明の第2の実施の形態に係る押釦スイッチ用部材10について説明する。第2の実施の形態において、第1の実施の形態と共通する部分については、同じ符号を用いて示し、また当該共通する部分についての説明を省略する。
図6は、押釦スイッチ用部材10を図1のA−A線と同様の線で切断した場合の断面図である。
第2の実施の形態に係る押釦スイッチ用部材10では、弾性シート層3は、キーシート2に設けられた溝部6において、キーシート2の表側の方向へ凸状に突出している突出部分11を有している。また弾性シート層3の突出部分11を裏側から見ると、凹部が形成されている。シリコーンゴム層12は、弾性シート層3により形成された凹部の少なくとも一部を充填すると共に、弾性シート層3の裏面側に積層されている。
シリコーンゴム層12は、弾性シート層3の裏面側に積層される透光性の層である。また、シリコーンゴム層12の裏面からは、押圧子13が突出している。具体的には、シリコーンゴム層12の裏面であって、押圧領域と押圧方向で重なる位置に、押圧子13が設けられている。したがって、キーシート2が押圧されると、押圧子13は、押釦スイッチ用部材10の裏面に対向して配置されるスイッチ部材(不図示)を押し込むことができる。なお、本実施の形態では、押圧子13は、シリコーンゴム層12の一部として形成されている。しかし、押圧子13は、シリコーンゴム層12と一体的に形成されずに、シリコーンゴム層12とは別に成形された押圧子13を、シリコーンゴム層12に固着するようにしてもよい。
シリコーンゴム層12よりも物理的強度が優れている弾性シート層3と、弾性シート層3よりも弾性等において優れているシリコーンゴム層12と、を積層することで押釦スイッチ用部材1の物理的強度を向上できる。なぜなら、シリコーンゴム層12のみからなる層よりも弾性シート層3とシリコーンゴム層12との積層体14の方が、物理的強度が優れているからである。
また、積層体14は、弾性シート層3のみからなる層よりも透光性、耐熱性および耐寒性に優れるため、照光可能な押釦スイッチ用部材10となる。さらに、積層体14は、高弾性の弾性シート層3と弾性シート層3よりも低弾性のシリコーンゴム層12とから主に構成されている。したがって、高弾性の弾性シート層3のみからなる場合よりも弾性率が高いため、押圧しやすい押釦スイッチ用部材10となる。
また、押釦スイッチ用部材10では、キーシート2の表面側に表示層Qを有する。図7は、第2の実施の形態の押釦スイッチ用部材10をその裏面側から照光していない操作面の状態を示す平面図である。
表示層Qの存在により、押釦スイッチ用部材10がその裏側から照光されていない場合に、ユーザに表示層Qを視認させることができる。表示層Qとしては、どのようなものを用いてもよいが、表示層Qと表示部分Pとが、一部または全部で光の透過方向で重なる場合には、表示層Qが透光性あるいは、全光線透過率が10〜40%程度の半遮光性の層とするのが好ましい。また、表示層Qは、貫通孔5を塞がないものであってもよい。さらに、表示層Qは、表示部分Pと同一色であってもよい。
上述のような押釦スイッチ用部材10を採用すると、押釦スイッチ用部材10をその裏面側から照光した場合と照光しない場合とで、ユーザに異なる表示を視認させることができるものとなる。たとえば、押釦スイッチ用部材10をその裏面側から照光した場合には、表示部分Pの領域が、ユーザに視認されるものとなる。なぜなら、光が出射しない表示部分P以外の領域は、ユーザに暗部として認識されるからである。一方、押釦スイッチ用部材10をその裏面側から照光しない場合には、遮光層4の領域がユーザに視認されるものとなる。なぜなら、表示部分Pの領域がキーシート2の裏面の色調と近似している場合、キーシート2の裏面側にある表示部分Pの領域は、光が出射しない限り視認されにくいことから、容易に視認可能な表示層Qのみがユーザに視認されるものとなるからである。
次に、押釦スイッチ用部材10の製造方法について説明する。図8は、押釦スイッチ用部材10の製造方法を説明するフローチャートである。
まず、第1の実施の形態と同様に、キーシート2に、貫通孔5を形成する(ステップS201;貫通孔形成ステップ)。次に、キーシート2の貫通孔5の内部を透明な樹脂で充填する(ステップS202;充填ステップ)。たとえば、貫通孔5にUV硬化性樹脂を充填した後、UV領域の光を照射することで、貫通孔5を透明な樹脂で塞ぐことができる。そして、キーシート2の表面側に表示層Qを印刷により形成する。
次に、弾性シート層3として、たとえば、厚さ0.1mmのエステル系の熱可塑性ポリウレタンを用意する。そして、その弾性シート層3に、表示部分P以外の領域に遮光層4を形成する(ステップS203;遮光層形成ステップ)。
次に、弾性シート層3の片面(遮光層4が形成されていない面)にシリコーンゴム層12を塗布等により配置する。そして、シリコーンゴム層12を配置した弾性シート層3を成形用金型に配置する。そして、弾性シート層3とシリコーンゴム層12とを120℃で2分間、18MPaの圧力でプレス成形する(ステップS204;成形ステップ)。これにより、遮光層4を有する弾性シート層3とシリコーンゴム層とが一体化された積層体14が得られる。
シリコーンゴム層12としては、過酸化物による架橋反応よりも、一般に低温で架橋反応が可能である付加型のシリコーンゴムが好適に用いられる。また、用いられる付加型シリコーンゴムが、自己接着成分を助剤等として含む場合には、弾性シート層3とシリコーンゴム層12との接着性がさらに向上する。接着性を向上させるための助剤としては、たとえば、エポキシ当量(1molあたりのエポキシ基の重量)が100〜5000g/1molで、かつ、分子中に芳香族環を少なくとも1個以上有する自己接着成分が挙げられる。
なお、弾性シート層3とシリコーンゴム層12との密着性を向上させるプライマー層や、プライマー層と弾性シート層3との密着性を向上させるバインダー層を、予め弾性シート層3に形成してもよい。たとえば、バインダー層として、熱可塑性ウレタン系インキのメディウム(顔料が含有されていない、顔料のつなぎとしてインキに配合されている材料のみからなるもの)を印刷にて弾性シート層3に形成する。また、プライマー層は、エポキシ基、イソシアネート基、エステル基、アミノ基あるいはアミド基等を有するシランカップリング剤を使用可能である。その中でも、アミノ系シランカップリング剤を印刷にて弾性シート層3に形成した後、30分以上の送風乾燥を行い、60℃で1時間、恒温槽にて乾燥させることで、プライマー層が形成される。
次に、ステップS201〜202で形成されたキーシート2と、ステップS203〜204で形成された積層体14とを固着し、一体化する(ステップS205;一体化ステップ)。キーシート2と積層体14とを固着する方法の例は、第1の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
上述のような製造方法を採用することにより、押釦スイッチ用部材10をその裏面側から照光した場合と照光しない場合とで、ユーザに異なる表示を視認させることができるものとなる。
また、上述のような押釦スイッチ用部材10では、表示を変えることが容易である。なぜなら、表示部分Pは、印刷により構成されるので、表示部分Pの形状に貫通孔5を設けるよりも容易に各言語等に応じた表示とすることができるからである。また、上述のような押釦スイッチ用部材10では、表示を変えることが容易である。なぜなら、表示部分Pは、印刷により構成されるので、表示部分Pの形状を変えた別途の金型等を用意する必要なく、各言語等に応じた表示とすることができるからである。
以上、本発明の各実施の形態に係る押釦スイッチ用部材1および押釦スイッチ用部材10の好適な例について説明したが、本発明は、上述の実施の形態に何ら限定されることなく、種々変形した形態にて実施可能である。
例えば、各実施の形態では、好適な材料、硬度あるいは厚さ等につき言及しているが、これらの値に限らず、他の値を採用しても良い。例えば、弾性シート層3は、熱可塑性ポリウレタンから主に構成され、厚さが約0.03〜0.2mm、かつJIS K7311 タイプAに規定された方法で測定された硬度が20〜98であるものとしているが、このような値に限定されるものではない。また、本明細書に記載した各値は、その値に正確に限定されるものではなく、誤差あるいは公差を含み得るものとする。
また、各実施の形態では、キーシート2に溝部6が設けられているが、溝部6は必須ではない。しかし、溝部6が設けられことで、キー部分を押し込み易いものとなる。また、各実施の形態では、押圧領域Cを有する押釦スイッチ用部材1,10を例示しているが、押釦ではない操作用部材に本発明を適用しても良い。たとえば、タッチパネルのように、触れただけで操作できる操作用部材、あるいは、スライドキー等公知の操作用部材に適用しても良い。
また、各実施の形態において、遮光層4は、弾性シート層3に設けられているものとしているが、このような形態に限らない。たとえば、遮光層4は、シリコーンゴム層12に設けられてもよい。
また、上述の実施の形態では、貫通孔5は、キーシート2の一部(たとえば、図3では、領域C)に配列されているが、このような形態に限らない。たとえば、貫通孔5は、キーシート2の全面に設けられていても良い。しかし、貫通孔5は、少なくとも表示部分Pの領域上に重なるように設けられる必要がある。また、貫通孔5は、表示部分Pの全部と重なるものであってもよいが、キーシート2の外観を向上させるためには、より小さい径の貫通孔5を設けることが好ましい。たとえば、表示部分Pを構成する線の太さの0.2〜1.5倍程度の径の貫通孔5を設けることが好ましい。
また、上述の各実施の形態では、遮光層4は、弾性シート層3の裏面側に設けられているものとしているが、遮光層4は、弾性シート層3の表面側に設けられていても良い。遮光層4が弾性シート層3の表面側に設けられている場合には、弾性シート層3の裏面側に設けられている場合よりも、遮光層4とキーシート2との距離が近いので、弾性シート層3に入射した光が弾性シート層3の内部で拡散することが少ないものとなる。
また、2つの表示部分が別々に設けられている場合に、他方の表示部分に光が到達しないように遮光するため、隣接する表示部分の間を遮る突起を設けてもよい。突起は、押釦スイッチ用部材1,10側に設けられていてもよいし、あるいは、押釦スイッチ用部材1,10の裏面側で押釦スイッチ用部材1,10と対向する基板(不図示)の側に設けられてもよい。さらに、押圧子13を遮光性とすることで、他方の表示部分に光が到達しないように遮光するための突起としてもよい。
また、上述の各実施の形態では、ステップS102およびステップS203において、遮光層4を形成した後、ステップS103およびステップS204〜205にて、弾性シート層3とキーシート2とを固着している。しかし、このような形態に限らず、弾性シート層3とキーシート2とを固着した後、弾性シート層3のキーシート2側の面に遮光層4を形成してもよい。
また、上述の各実施の形態では、ステップS102およびステップS203において、表示部分P以外の領域に遮光層4を形成するものとしているが、このような形態に限らない。表示部分P以外の領域には、非透光性の層を形成し、表示部分Pの領域には、透光性の層を形成するような形態としてもよい。逆に、表示部分Pのみ遮光層を設け、その他の領域は、透光性を有する着色層としても良い。
また、弾性シート層3の面に遮光層4を形成する際に、表示部分P以外の領域に非透光性の層を形成するのではなく、一旦、全面に非透光性の層を形成した後、表示部分Pの領域に形成された遮光層4を除去してもよい。たとえば、ウレタン系の黒色塗料を、弾性シート層3の全面に塗布あるいはスプレー等し、80℃で30分乾燥させる。次に、表示部分Pにレーザ光線を照射することで、表示部分Pに相当する部分の遮光層4を除去することができる。なお、遮光層4の除去方法としては、どのような方法を用いてもよく、たとえば、溶剤により溶解、エッチングあるいはレーザ光線の照射等を採用できる。しかし、特に、レーザ光線の照射により遮光層4を除去するのが好ましい。なぜなら、レーザ加工では、微細な加工も可能なため、遮光層4をより位置精度よく除去できるからである。
遮光層4を除去する際には、弾性シート層3の遮光層4を形成した側から、レーザ光を集光させて照光領域内を走査する。本実施の形態では、レーザ光の集光径をφ0.05mm〜φ0.5mmに設定し、同じ経路を2回走査することで遮光層4が昇華し、遮光層4が除去される。遮光層4を除去するためのレーザ光としては、炭酸ガスレーザ、YAGレーザあるいは、YVO4レーザを用いることができる。特に、遮光層4を除去するためにレーザを用いる場合には、遮光層4を完全に除去できる程度の出力で遮光層4にレーザ光を照射するのが好ましい。遮光層4を完全に除去できる程度の出力でレーザ光を照射すると、弾性シート層3の表面が荒れた状態となるため、キーシート2と弾性シート層3との間の接着力が向上する。また、遮光層4を完全に除去できる程度の出力で遮光層4が除去されることで、表示部分Pが均一に照光されるものとなる。なぜなら、表示部分Pの表面全部が荒れているため、表示部分Pに入射した光が、その荒れた面で拡散するからである。
1,10 押釦スイッチ用部材(操作スイッチ用部材)
2 キーシート
3 弾性シート層(ベースシート)
4 遮光層
5 貫通孔
12 シリコーンゴム層(ベースシート)
P 表示部分(透光部)
Q 表示層
2 キーシート
3 弾性シート層(ベースシート)
4 遮光層
5 貫通孔
12 シリコーンゴム層(ベースシート)
P 表示部分(透光部)
Q 表示層
Claims (5)
- 2以上の貫通孔が形成された非透光性のキーシートと、
上記キーシートの操作面と逆側に設けられると共に、表示形状に形成された透光部を備える非透光性のベースシートと、を有すると共に、
少なくとも2以上の上記貫通孔の一部と上記透光部とが、光の透過方向に重なることを特徴とする操作スイッチ用部材。 - 請求項1に記載の操作スイッチ用部材において、
前記貫通孔は、前記キーシートの操作面の面積に対して、前記透光部よりも小さい面積であると共に、
前記透光部には、2以上の前記貫通孔が前記キーシートと、光の透過方向の少なくとも一部で重なることを特徴とする操作スイッチ用部材。 - 2以上の貫通孔が形成された非透光性のキーシートと、上記キーシートの操作面とは逆側に設けられると共に、表示形状に形成された透光部を備える非透光性のベースシートと、を有する操作スイッチ用部材の製造方法であって、
上記キーシートに予め上記貫通孔を形成する貫通孔形成ステップと、
上記ベースシートの片面に、上記透光部以外の領域に非透光性の遮光層を形成する遮光層形成ステップと、
少なくとも2以上の上記貫通孔の一部と上記透光部とが、光の透過方向に重なるように上記キーシートの操作面と逆側に上記ベースシートを固着する固着ステップと、
を含むことを特徴とする操作スイッチ用部材の製造方法。 - 請求項3に記載の操作スイッチ用部材の製造方法において、
前記遮光層形成ステップにおいて、前記遮光層を前記ベースシートの全面に設けた後で、レーザ光線を照射することにより前記透光部を形成することを特徴とする操作スイッチ用部材の製造方法。 - 2以上の貫通孔が形成された非透光性のキーシートと、上記キーシートの操作面とは逆側に設けられると共に、表示形状に形成された透光部を備える非透光性のベースシートと、を有する操作スイッチ用部材の製造方法であって、
上記キーシートに予め上記貫通孔を形成する貫通孔形成ステップと、
少なくとも2以上の上記貫通孔の一部と上記透光部とが、光の透過方向に重なるように、上記キーシートの操作面と逆側の面に、上記ベースシートとシリコーンゴム層とを積層し、一体的に成形する一体成形ステップと、
上記透光部に形成された上記遮光層を除去する透光部形成ステップと、
を有することを特徴とする操作スイッチ用部材の製造方法。
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| JP2009239487A JP2011086545A (ja) | 2009-10-16 | 2009-10-16 | 操作スイッチ用部材およびその製造方法 |
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- 2009-10-16 JP JP2009239487A patent/JP2011086545A/ja active Pending
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