JP2011084774A - ニッケル合金電鋳ブレードの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高硬度のニッケル合金電鋳ブレードを、破損させることなく製造する方法を提供することを目的とする。
【解決手段】スルファミン酸ニッケルと、クエン酸と、合金材料供給源とを含み、前記スルファミン酸ニッケルの濃度が250〜600g/Lであり、前記クエン酸の濃度が84〜147g/Lであり、前記合金材料供給源の濃度が0.5〜8.5g/Lであるめっき浴であり、更に砥粒3を含むめっき浴を用いて、めっき浴22中に浸漬した2つの電極23、24のうち一方の電極24の一面24aを他方の電極23に向けて配置してから、2つの電極23、24間に通電して、一方の電極24の一面24a側に砥粒3が分散されたニッケル合金電鋳膜2を形成するニッケル合金電鋳ブレードの製造方法を用いることにより、上記課題を解決できる。
【選択図】図1
Description
本発明は、ニッケル合金電鋳ブレードの製造方法に関するものである。
電鋳技術(めっき手法)を用いて形成される電鋳膜であって、ダイヤモンド砥粒や硬質のセラミックス粒子を分散させた膜は、耐摩耗性に優れた膜として知られている。そのため、前記電鋳膜は、セラミックス、超硬合金、各種エレクトロニクス関連素材の研削および切断を行う研削装置のブレードなどに用いられている。
たとえば、特許文献1〜3には、半導体素子や電子部品の超精密切断加工に用いられる電鋳ブレードが開示されている。この電鋳ブレードは、極薄のニッケルめっき膜によってダイヤモンド砥粒を保持した円板状のものであり、ダイヤモンド砥粒を分散したニッケルめっき溶液中に台金を配置して、ダイヤモンド砥粒を取り込みつつ台金上に電解めっきによってニッケルめっき膜を析出させることにより砥粒層を形成し、所定の厚さになったところで台金から剥離して砥粒の目立てを施したものである。
また、特許文献4には、半導体ウェーハ等の表面をCMP装置のパッドによって研磨する際に、この研磨パッドをコンディショニングするCMPコンディショナとして、コンディショナ本体の表面に、やはりダイヤモンド砥粒をニッケルめっき膜によって固着した砥粒層を形成したものが提案されている。なお、かかる研削工具はこのようなエレクトロニクス関連の素材の加工以外にも、例えばフェライトの加工やレンズの芯取り加工などの精密加工や、あるいは超硬合金製のロールの溝加工などに用いられたりもする。
前記電鋳膜は、その硬度が高いほど、ブレードの耐摩耗性を向上させるとともに、ブレードの研削および切断能力を向上させることができる。そのため、近年、高硬度の電鋳膜に対する需要が高まっている。
前記電鋳膜は、通常、めっき浴(めっき液)に浸漬した2つの電極間を通電して、前記めっき浴中の金属成分を一方の電極の表面に堆積して形成する。前記めっき浴としては、硫酸ニッケル、塩化ニッケルおよびホウ酸を主成分とするニッケルめっき浴(ワット浴)が知られており、この方法により、ニッケル電鋳膜を作製することができる。ニッケル(Ni)を構成材料として用いた電鋳膜は、高硬度の膜とすることができる。
しかし、高硬度の電鋳膜は高応力の膜となる傾向が高く、電極から剥がすときに電鋳膜に割れが生じたり、粉々になる場合があった。
しかし、高硬度の電鋳膜は高応力の膜となる傾向が高く、電極から剥がすときに電鋳膜に割れが生じたり、粉々になる場合があった。
特許文献5はニッケルベルト及びその製造方法、感光体並びに画像形成装置に関するものであり、特許文献6は光ディスク用スタンパの製造方法に関するものである。特許文献5および特許文献6には、スルファミン酸ニッケル浴を用いることにより、Ni電鋳膜の応力を低くできることが開示されている。
しかし、特許文献5および特許文献6に記載のスルファミン酸ニッケル浴には、緩衝成分としてホウ酸が含まれている。ホウ酸を含むめっき浴は排水処理が困難であるという問題があった。
しかし、特許文献5および特許文献6に記載のスルファミン酸ニッケル浴には、緩衝成分としてホウ酸が含まれている。ホウ酸を含むめっき浴は排水処理が困難であるという問題があった。
特許文献7は、電気ニッケルめっき浴に関するものであり、硫酸ニッケル:200〜360g/L、塩化ニッケル:30〜90g/L、クエン酸ニッケル:24〜42g/Lを含み、pH:3〜5である電気ニッケルめっき浴が開示されている。特許文献7に記載の電気ニッケルめっき浴は、ホウ酸を含まないめっき浴であり、前記排水処理の問題を有しない。
しかし、特許文献7に開示された純Niからなる電鋳膜は、硬度が十分ではなかった。
しかし、特許文献7に開示された純Niからなる電鋳膜は、硬度が十分ではなかった。
従来のめっき浴にP源やB源を添加して、リン(P)やホウ素(B)などとのニッケル合金からなる電鋳膜を作製した場合、純ニッケルを用いた場合よりも高硬度の膜とすることができる。
しかし、この方法を特許文献7に開示された方法に適用すると、電鋳膜の応力を低くできず、めっき中に電鋳膜に割れが生じたり、めっき後に電極から剥がすときに、電鋳膜に割れが生じたり、粉々になるという問題が発生した。
しかし、この方法を特許文献7に開示された方法に適用すると、電鋳膜の応力を低くできず、めっき中に電鋳膜に割れが生じたり、めっき後に電極から剥がすときに、電鋳膜に割れが生じたり、粉々になるという問題が発生した。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたもので、高硬度のニッケル合金電鋳ブレードを、破損させることなく製造する方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。すなわち、
本発明のニッケル合金電鋳ブレードの製造方法は、スルファミン酸ニッケルと、クエン酸と、合金材料供給源とを含み、前記スルファミン酸ニッケルの濃度が250〜600g/Lであり、前記クエン酸の濃度が84〜147g/Lであり、前記合金材料供給源の濃度が0.5〜8.5g/Lであり、更に砥粒を含むめっき浴を用いて、前記めっき浴中に浸漬した2つの電極のうち一方の電極の一面を他方の電極に向けて配置してから、前記2つの電極間に通電して、前記一方の電極の一面側に前記砥粒が分散されたニッケル合金電鋳膜を形成することを特徴とする。
本発明のニッケル合金電鋳ブレードの製造方法は、スルファミン酸ニッケルと、クエン酸と、合金材料供給源とを含み、前記スルファミン酸ニッケルの濃度が250〜600g/Lであり、前記クエン酸の濃度が84〜147g/Lであり、前記合金材料供給源の濃度が0.5〜8.5g/Lであり、更に砥粒を含むめっき浴を用いて、前記めっき浴中に浸漬した2つの電極のうち一方の電極の一面を他方の電極に向けて配置してから、前記2つの電極間に通電して、前記一方の電極の一面側に前記砥粒が分散されたニッケル合金電鋳膜を形成することを特徴とする。
本発明のニッケル合金電鋳ブレードの製造方法は、前記一方の電極の一面上に、金属または合金からなる基板を、前記基板の一面を他方の電極に向けて配置してから、前記2つの電極間に通電して、前記基板の一面に前記砥粒が分散されたニッケル合金電鋳膜を形成した後、前記一方の電極の一面上に、前記基板の他面を他方の電極に向けて配置してから、前記2つの電極間に通電して、前記基板の他面に前記砥粒が分散されたニッケル合金電鋳膜を形成することを特徴とする。
本発明のニッケル合金電鋳ブレードの製造方法は、前記砥粒とともに、前記めっき浴にセラミックス粒子またはフッ素系樹脂からなるフィラーを分散させることを特徴とする。
本発明のニッケル合金電鋳ブレードの製造方法は、前記一方の電極の中心軸を中心として、前記一方の電極を回転させた状態で、ニッケル合金電鋳膜を形成することを特徴とする。
本発明のニッケル合金電鋳ブレードの製造方法は、前記砥粒とともに、前記めっき浴にセラミックス粒子またはフッ素系樹脂からなるフィラーを分散させることを特徴とする。
本発明のニッケル合金電鋳ブレードの製造方法は、前記一方の電極の中心軸を中心として、前記一方の電極を回転させた状態で、ニッケル合金電鋳膜を形成することを特徴とする。
本発明のニッケル合金電鋳ブレードの製造方法は、前記合金材料供給源が亜リン酸であり、前記亜リン酸の濃度が3.5〜8.5g/Lであるめっき浴を用いることを特徴とする。
本発明のニッケル合金電鋳ブレードの製造方法は、前記合金材料供給源がトリメチルアミンボランであり、前記トリメチルアミンボランの濃度が0.5〜3.5g/Lであるめっき浴を用いることを特徴とする。
本発明のニッケル合金電鋳ブレードの製造方法は、前記めっき浴に光沢剤および/または界面活性剤が含まれていることを特徴とする。
本発明のニッケル合金電鋳ブレードの製造方法は、前記合金材料供給源がトリメチルアミンボランであり、前記トリメチルアミンボランの濃度が0.5〜3.5g/Lであるめっき浴を用いることを特徴とする。
本発明のニッケル合金電鋳ブレードの製造方法は、前記めっき浴に光沢剤および/または界面活性剤が含まれていることを特徴とする。
本発明のニッケル合金電鋳ブレードの製造方法は、前記めっき浴のpHが3〜5であることを特徴とする。
本発明のニッケル合金電鋳ブレードの製造方法は、前記砥粒が分散されたニッケル合金電鋳膜を、不活性雰囲気下、200℃〜400℃の温度範囲で30分以上熱処理することを特徴とする。
本発明のニッケル合金電鋳ブレードの製造方法は、前記砥粒が分散されたニッケル合金電鋳膜を、不活性雰囲気下、200℃〜400℃の温度範囲で30分以上熱処理することを特徴とする。
上記の構成によれば、高硬度のニッケル合金電鋳ブレードを、破損させることなく製造する方法を提供することができる。
本発明のニッケル合金電鋳ブレードの製造方法は、スルファミン酸ニッケルと、クエン酸と、合金材料供給源とを含み、前記スルファミン酸ニッケルの濃度が250〜600g/Lであり、前記クエン酸の濃度が84〜147g/Lであり、前記合金材料供給源の濃度が0.5〜8.5g/Lであり、更に砥粒を含むめっき浴を用いて、前記めっき浴中に浸漬した2つの電極のうち一方の電極の一面を他方の電極に向けて配置してから、前記2つの電極間に通電して、前記一方の電極の一面側に前記砥粒が分散されたニッケル合金電鋳膜を形成する構成なので、低応力で、かつ、高硬度のニッケル合金電鋳ブレードを製造することができ、製造工程で破損させることがなく、また、製造後の剛性も高く維持することができる。
本発明のニッケル合金電鋳ブレードの製造方法は、前記一方の電極の一面上に、金属または合金からなる基板を、前記基板の一面を他方の電極に向けて配置してから、前記2つの電極間に通電して、前記基板の一面に前記砥粒が分散されたニッケル合金電鋳膜を形成した後、前記一方の電極の一面上に、前記基板の他面を他方の電極に向けて配置してから、前記2つの電極間に通電して、前記基板の他面に前記砥粒が分散されたニッケル合金電鋳膜を形成する構成なので、低応力で、かつ、高硬度のニッケル合金電鋳ブレードを製造することができる。
本発明のニッケル合金電鋳ブレードの製造方法は、前記砥粒とともに、前記めっき浴にセラミックス粒子またはフッ素系樹脂からなるフィラーを分散させる構成なので、低応力で、かつ、高硬度のニッケル合金電鋳ブレードを製造することができる。
本発明のニッケル合金電鋳ブレードの製造方法は、前記一方の電極の中心軸を中心として、前記一方の電極を回転させた状態で、ニッケル合金電鋳膜を形成する構成なので、均一の膜厚で、砥粒および/またはフィラーの濃度分布を均一にして、ニッケル合金電鋳膜10の硬度のバラつきを低減し、低応力で、かつ、高硬度のニッケル合金電鋳ブレードを製造することができる。
本発明のニッケル合金電鋳ブレードの製造方法は、前記合金材料供給源が亜リン酸であり、前記亜リン酸の濃度が3.5〜8.5g/Lであるめっき浴を用いる構成なので、低応力で、かつ、高硬度のNiP合金電鋳ブレードを製造することができる。
本発明のニッケル合金電鋳ブレードの製造方法は、前記合金材料供給源がトリメチルアミンボランであり、前記トリメチルアミンボランの濃度が0.5〜3.5g/Lであるめっき浴を用いる構成なので、低応力で、かつ、高硬度のNiB合金電鋳ブレードを製造することができる。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
(実施形態1)
本発明の実施形態であるニッケル合金電鋳ブレードの製造方法は、スルファミン酸ニッケルと、クエン酸と、合金材料供給源とを含み、前記スルファミン酸ニッケルの濃度が250〜600g/Lであり、前記クエン酸の濃度が84〜147g/Lであり、前記合金材料供給源の濃度が0.5〜8.5g/Lであり、更に砥粒を含むめっき浴を用いて、前記めっき浴中に浸漬した2つの電極のうち一方の電極の一面を他方の電極に向けて配置してから、前記2つの電極間に通電して、前記一方の電極の一面側に砥粒を含むニッケル合金電鋳膜からなるニッケル合金電鋳ブレードを形成する方法である。
(実施形態1)
本発明の実施形態であるニッケル合金電鋳ブレードの製造方法は、スルファミン酸ニッケルと、クエン酸と、合金材料供給源とを含み、前記スルファミン酸ニッケルの濃度が250〜600g/Lであり、前記クエン酸の濃度が84〜147g/Lであり、前記合金材料供給源の濃度が0.5〜8.5g/Lであり、更に砥粒を含むめっき浴を用いて、前記めっき浴中に浸漬した2つの電極のうち一方の電極の一面を他方の電極に向けて配置してから、前記2つの電極間に通電して、前記一方の電極の一面側に砥粒を含むニッケル合金電鋳膜からなるニッケル合金電鋳ブレードを形成する方法である。
まず、スルファミン酸ニッケルと、クエン酸と、合金材料供給源とを含み、前記スルファミン酸ニッケルの濃度が250〜600g/Lであり、前記クエン酸の濃度が84〜147g/Lであり、前記合金材料供給源の濃度が0.5〜8.5g/Lであるめっき浴に砥粒を分散させて、砥粒を含むめっき浴を調整する。
<スルファミン酸ニッケル>
スルファミン酸ニッケルは、めっき浴のニッケルイオンの主供給源である。
めっき浴中のスルファミン酸ニッケルの濃度は、250〜600g/Lとすることが好ましい。スルファミン酸ニッケルの濃度が250g/L未満の場合には、陰極の表面に十分なニッケルイオンを供給することができない。また、スルファミン酸イオンの分解が起こりやすくなり、めっき浴の安定性に問題がある。スルファミン酸ニッケルの濃度が600g/L超の場合には、めっき浴の粘度が高くなり、ピットなどの欠陥が発生しやすくなる。また、めっき浴に沈殿が発生しやすくなり、めっき浴の安定性に問題がある。たとえば、スルファミン酸ニッケルは、450g/Lとする。
スルファミン酸ニッケルは、めっき浴のニッケルイオンの主供給源である。
めっき浴中のスルファミン酸ニッケルの濃度は、250〜600g/Lとすることが好ましい。スルファミン酸ニッケルの濃度が250g/L未満の場合には、陰極の表面に十分なニッケルイオンを供給することができない。また、スルファミン酸イオンの分解が起こりやすくなり、めっき浴の安定性に問題がある。スルファミン酸ニッケルの濃度が600g/L超の場合には、めっき浴の粘度が高くなり、ピットなどの欠陥が発生しやすくなる。また、めっき浴に沈殿が発生しやすくなり、めっき浴の安定性に問題がある。たとえば、スルファミン酸ニッケルは、450g/Lとする。
<クエン酸>
クエン酸は、めっき浴のpH緩衝剤として用いられ、めっき浴のpHを所望の範囲とすることができる。
クエン酸の濃度は、84〜147g/Lとすることが好ましい。この範囲とすることにより、ニッケル合金電鋳膜2の応力を低減でき、電極から剥がしたときに破損させることなく、高硬度のニッケル合金電鋳膜を製造することができる。クエン酸が84g/L未満の場合には、陰極の表面近傍のpHの変動を所望の範囲に抑制することができない。そして、膜の応力を低下させることができず、膜がめくれる場合がある。また、クエン酸が147g/L超の場合には、水酸化ニッケル等の沈殿が生じる場合があり、めっき浴の安定性に問題がある。
クエン酸は、めっき浴のpH緩衝剤として用いられ、めっき浴のpHを所望の範囲とすることができる。
クエン酸の濃度は、84〜147g/Lとすることが好ましい。この範囲とすることにより、ニッケル合金電鋳膜2の応力を低減でき、電極から剥がしたときに破損させることなく、高硬度のニッケル合金電鋳膜を製造することができる。クエン酸が84g/L未満の場合には、陰極の表面近傍のpHの変動を所望の範囲に抑制することができない。そして、膜の応力を低下させることができず、膜がめくれる場合がある。また、クエン酸が147g/L超の場合には、水酸化ニッケル等の沈殿が生じる場合があり、めっき浴の安定性に問題がある。
<合金材料供給源>
合金材料供給源は、ニッケル合金としてニッケルに組み合わせる材料を供給するものである。たとえば、リン(P)を含むニッケル合金電鋳膜(NiP合金電鋳膜)を製造するためには、前記合金材料供給源としてPを含む材料(P源)である亜リン酸などを用いることができる。また、ホウ素(B)を含むニッケル合金電鋳膜(NiB合金電鋳膜)を製造するためには、前記合金材料供給源としてBを含む材料(B源)であるトリメチルアミンボラン(Trimethylamine borane:TMAB)などを用いることができる。
合金材料供給源は、ニッケル合金としてニッケルに組み合わせる材料を供給するものである。たとえば、リン(P)を含むニッケル合金電鋳膜(NiP合金電鋳膜)を製造するためには、前記合金材料供給源としてPを含む材料(P源)である亜リン酸などを用いることができる。また、ホウ素(B)を含むニッケル合金電鋳膜(NiB合金電鋳膜)を製造するためには、前記合金材料供給源としてBを含む材料(B源)であるトリメチルアミンボラン(Trimethylamine borane:TMAB)などを用いることができる。
前記合金材料供給源の濃度は0.5〜8.5g/Lとすることが好ましい。前記合金材料供給源の濃度をこの範囲とすることにより、めっきを厚付けした場合に応力による皮膜割れが無く、また電極からはがしたときに破損する恐れのない、高硬度のニッケル合金電鋳膜を製造することができる。
亜リン酸の濃度は3.5〜8.5g/Lとすることが好ましく、4〜8g/Lとすることがより好ましい。亜リン酸が3.5g/L未満の場合には、電鋳膜中に高硬度化に十分な量のリンを共析させることができない。また、亜リン酸が8.5g/L超の場合には、めっき浴中に沈殿が発生しやすくなり、めっき浴の安定性に問題が生じる。亜リン酸の濃度を、4〜8g/Lとすることにより、高硬度の膜を安定的に析出させることができる。
TMABの濃度は0.5〜3.5g/Lとすることが好ましく、1〜3g/Lとすることがより好ましい。TMABが0.5g/L未満の場合には、電鋳膜中に高硬度化に十分な量のホウ素を共析させることができない。また、TMABが3.5g/L超の場合には、めっき浴中に沈殿が発生しやすくなり、めっき浴の安定性に問題が生じる。TMABの濃度が、1〜3g/Lとすることにより、高硬度の膜を安定的に析出させることができる。
亜リン酸の濃度は3.5〜8.5g/Lとすることが好ましく、4〜8g/Lとすることがより好ましい。亜リン酸が3.5g/L未満の場合には、電鋳膜中に高硬度化に十分な量のリンを共析させることができない。また、亜リン酸が8.5g/L超の場合には、めっき浴中に沈殿が発生しやすくなり、めっき浴の安定性に問題が生じる。亜リン酸の濃度を、4〜8g/Lとすることにより、高硬度の膜を安定的に析出させることができる。
TMABの濃度は0.5〜3.5g/Lとすることが好ましく、1〜3g/Lとすることがより好ましい。TMABが0.5g/L未満の場合には、電鋳膜中に高硬度化に十分な量のホウ素を共析させることができない。また、TMABが3.5g/L超の場合には、めっき浴中に沈殿が発生しやすくなり、めっき浴の安定性に問題が生じる。TMABの濃度が、1〜3g/Lとすることにより、高硬度の膜を安定的に析出させることができる。
<砥粒>
前記砥粒の濃度は1〜20g/Lとすることが好ましい。前記砥粒の濃度を前記範囲とすることにより、ニッケル合金電鋳ブレードを製造したときに、前記砥粒の濃度をニッケル合金電鋳膜に対して5〜40vol%の範囲内とすることができる。
また、前記砥粒の粒径(平均粒径)は0.3μm〜50μmの範囲とすることが好ましい。
前記めっき浴に前記砥粒を分散させることにより、前記砥粒を分散させたニッケル合金電鋳ブレードを形成することができ、ブレードの研削能力を向上させることができる。
砥粒としては、例えば、ダイヤモンドを用いる。
前記砥粒の濃度は1〜20g/Lとすることが好ましい。前記砥粒の濃度を前記範囲とすることにより、ニッケル合金電鋳ブレードを製造したときに、前記砥粒の濃度をニッケル合金電鋳膜に対して5〜40vol%の範囲内とすることができる。
また、前記砥粒の粒径(平均粒径)は0.3μm〜50μmの範囲とすることが好ましい。
前記めっき浴に前記砥粒を分散させることにより、前記砥粒を分散させたニッケル合金電鋳ブレードを形成することができ、ブレードの研削能力を向上させることができる。
砥粒としては、例えば、ダイヤモンドを用いる。
<フィラー>
前記めっき浴には、セラミックス粒子またはフッ素系樹脂からなるフィラーを添加してもよい。
前記セラミックス粒子としては、たとえば、Al2O3、SiO2、ZrO2またはSi3N4などの硬質の粒子を用いることができる。
また、前記フッ素系樹脂としては、パーフルオロエチレンプロペンコポリマー(FEP)やパーフルオロアルコキシアルカン(PFA)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロジオキソールコポリマー(TFE/PDD)、ニチレン・テトラフルオロエチレンポリマー(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン−クロロトリフロオロエチレンコポリマー(ECTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を挙げることができる。特に、ポリテトラフルオロエチレンは、潤滑性に加えて、耐熱性や耐薬品性に優れ、比較的安価であるので、好ましい。
前記めっき浴には、セラミックス粒子またはフッ素系樹脂からなるフィラーを添加してもよい。
前記セラミックス粒子としては、たとえば、Al2O3、SiO2、ZrO2またはSi3N4などの硬質の粒子を用いることができる。
また、前記フッ素系樹脂としては、パーフルオロエチレンプロペンコポリマー(FEP)やパーフルオロアルコキシアルカン(PFA)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロジオキソールコポリマー(TFE/PDD)、ニチレン・テトラフルオロエチレンポリマー(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン−クロロトリフロオロエチレンコポリマー(ECTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を挙げることができる。特に、ポリテトラフルオロエチレンは、潤滑性に加えて、耐熱性や耐薬品性に優れ、比較的安価であるので、好ましい。
フィラーの濃度は0.5〜40g/Lとすることが好ましい。この範囲とすることにより、ニッケル合金電鋳ブレードを製造したときに、フィラーの濃度をニッケル合金電鋳膜に対して5〜40vol%の範囲内とすることができる。
また、フィラーの粒径(平均粒径)は0.1μm〜70μmの範囲とすることが好ましい。
砥粒とともに、フィラーを分散させたニッケル合金電鋳ブレードを形成することにより、ブレードの研削能力をより向上させることができる。
また、フィラーの粒径(平均粒径)は0.1μm〜70μmの範囲とすることが好ましい。
砥粒とともに、フィラーを分散させたニッケル合金電鋳ブレードを形成することにより、ブレードの研削能力をより向上させることができる。
<光沢剤、界面活性剤>
前記めっき浴には、光沢剤および/または界面活性剤を添加してもよい。
光沢剤および/または界面活性剤を加えることにより、形成した金属膜の表面を平滑で光沢のあるものとすることができる。また、膜質を緻密なものとするとともに、凸部(ピット)や凹部(ピンホール)などの欠陥を少なくすることができる。
光沢剤として、アルキンジオールなどを用いることができる。アルキンジオールとしては、硬度上昇剤でもある2−ブチン−1,4−ジオールなどを挙げることができる。
前記めっき浴には、光沢剤および/または界面活性剤を添加してもよい。
光沢剤および/または界面活性剤を加えることにより、形成した金属膜の表面を平滑で光沢のあるものとすることができる。また、膜質を緻密なものとするとともに、凸部(ピット)や凹部(ピンホール)などの欠陥を少なくすることができる。
光沢剤として、アルキンジオールなどを用いることができる。アルキンジオールとしては、硬度上昇剤でもある2−ブチン−1,4−ジオールなどを挙げることができる。
また、光沢剤として、サッカリンを用いることができる。サッカリンとしては、応力減少剤でもあり、サッカリンナトリウムなどを挙げることができる。さらに、光沢剤として、応力減少剤でもあるアリルスルホン酸ナトリウムを用いることができる。また、界面活性剤としては、ピット防止剤でもあるラウリル硫酸ナトリウムを挙げることができる。
また、前記めっき浴は、その他の微量な不可避成分を含んでいてもよい。
以上の材料をそれぞれ所定の量だけ混合してめっき浴(めっき液)を調整する。
また、前記めっき浴は、その他の微量な不可避成分を含んでいてもよい。
以上の材料をそれぞれ所定の量だけ混合してめっき浴(めっき液)を調整する。
次に、砥粒を分散させためっき浴中に浸漬した2つの電極のうち一方の電極の一面を、他方の電極に向けて配置した後、前記2つの電極間に通電して、前記一方の電極の一面側に砥粒が分散されたニッケル合金電鋳膜を形成する。
図1は、本発明の実施形態であるニッケル合金電鋳ブレードの製造方法で用いるめっき浴の一例を示す断面模式図である。
図1に示すように、めっき槽21には、前工程で調整しためっき浴22を満たしている。めっき浴22には、砥粒3とフィラー4とが分散されている。
めっき槽21の底面側には、円板状の台部27が浸漬されている。台部27は、めっき浴22に浸漬された棒状の回転軸26の一端側に取り付けられている。台部27の中心軸nは、回転軸26の中心軸mと同軸とされている。
台部27の一面27aには、台金とされる円環状の板材からなる陰極(以下、陰極板)24が配置されている。陰極板24と離間して、かつ、他面23bが陰極板24の一面24aに対向するように、対極とされる円環状の板材からなる陽極(以下、陽極板)23が配置されている。陽極板23の形状及び大きさは、陰極板24とほぼ同一とされている。
図1に示すように、めっき槽21には、前工程で調整しためっき浴22を満たしている。めっき浴22には、砥粒3とフィラー4とが分散されている。
めっき槽21の底面側には、円板状の台部27が浸漬されている。台部27は、めっき浴22に浸漬された棒状の回転軸26の一端側に取り付けられている。台部27の中心軸nは、回転軸26の中心軸mと同軸とされている。
台部27の一面27aには、台金とされる円環状の板材からなる陰極(以下、陰極板)24が配置されている。陰極板24と離間して、かつ、他面23bが陰極板24の一面24aに対向するように、対極とされる円環状の板材からなる陽極(以下、陽極板)23が配置されている。陽極板23の形状及び大きさは、陰極板24とほぼ同一とされている。
陽極板23と陰極板24はともにめっき浴22に浸漬されている。
また、陽極板23と陰極板24はそれぞれ電源に接続されており、陽極板23と陰極板24の間に通電できる構成とされている。
また、回転軸26を回転させて、台部27を回転させることにより、台部27の一面に配置した陰極板24を回転させることができる構成とされている。
たとえば、陽極板23としてはニッケル板を用い、陰極板24としてはSUS板を用いる。
また、陽極板23と陰極板24はそれぞれ電源に接続されており、陽極板23と陰極板24の間に通電できる構成とされている。
また、回転軸26を回転させて、台部27を回転させることにより、台部27の一面に配置した陰極板24を回転させることができる構成とされている。
たとえば、陽極板23としてはニッケル板を用い、陰極板24としてはSUS板を用いる。
電源を操作して、陽極板23と陰極板24の間を通電すると、めっき浴22へ溶解されている金属イオンが、めっき浴陰極板24の一面24aに金属となって析出・堆積してニッケル合金電鋳膜2が形成される。このとき、めっき浴22中に分散された砥粒3およびフィラー4がめっき槽21の底面側に配置された陰極板24の一面24a上に沈降し、ニッケル合金電鋳膜2に取り込まれる。
なお、めっき浴22の電流値および電流印加時間は、形成するニッケル合金電鋳膜2の膜厚に応じて適宜設定する。
なお、めっき浴22の電流値および電流印加時間は、形成するニッケル合金電鋳膜2の膜厚に応じて適宜設定する。
めっき浴22のpHは3〜5とすることが好ましい。めっき浴22のpHが3未満の場合には、スルファミン酸イオンが分解する。逆に、めっき浴22のpHが5超の場合には、めっき浴22中に沈殿が発生しやすくなり、めっき浴22の安定性に問題が生じる。
前記通電の際、陰極板24の中心軸mを中心として陰極板24を回転させることが好ましい。陰極板24を回転させることにより、陰極板24の一面24a上にニッケル合金電鋳膜10を均一の膜厚で形成することができる。また、陰極板24を回転させることにより、めっき浴22中で砥粒3およびフィラー4を均一に分散させて沈降させて、砥粒3およびフィラー4の濃度分布を均一にすることができ、ニッケル合金電鋳膜2の硬度のバラつきを低減できる。
なお、前記回転は一定の速度で一定の時間回転させる条件に限られるものではなく、たとえば、一旦回転を停止した後、再び回転させる条件としてもよい。
なお、前記回転は一定の速度で一定の時間回転させる条件に限られるものではなく、たとえば、一旦回転を停止した後、再び回転させる条件としてもよい。
陰極板24上に所定の膜厚のニッケル合金電鋳膜2を形成した後、通電を止め、陰極板24からニッケル合金電鋳膜2を剥がすことによって、砥粒3およびフィラー4が分散されたニッケル合金電鋳膜2からなる円環状のニッケル合金電鋳ブレード11を製造することができる。
なお、上記工程で製造したニッケル合金電鋳ブレード11を、不活性雰囲気下、200℃〜400℃の温度範囲で30分以上熱処理(アニール処理)を行ってもよい。これにより、ニッケル合金電鋳ブレード11の硬度をより高めることができる。
図2は、本発明の実施形態であるニッケル合金電鋳ブレードの製造方法により製造されたニッケル合金電鋳ブレードの一例を示す図であって、図2(a)は斜視図であり、図2(b)は、図2(a)のA部の拡大断面図である。
図2(a)に示すように、ニッケル合金電鋳ブレード11は、軸線m’を中心とした外径が30〜150mmの円環状の板材からなるブレードである。その内径部が切断装置の主軸に取り付けられて上記軸線m’回りに回転されつつ該軸線m’に垂直な方向に送り出されることにより、ニッケル合金電鋳ブレード11の外周縁部によって、被処理基板や被処理部品を精密に切断加工できる。
また、図2(b)に示すように、ニッケル合金電鋳ブレード11は、厚さTが0.01〜0.5mmとされ、ニッケル合金電鋳膜2と、ニッケル合金電鋳膜2に分散された砥粒3とフィラー4とから構成されている。
砥粒3の濃度は、ニッケル合金電鋳膜2に対して5〜40vol%の範囲内とすることが好ましい。また、フィラー4の濃度は、ニッケル合金電鋳膜2に対して5〜40vol%の範囲内とすることが好ましい。なお、フィラー4の形状は塊状、ブロック状、あるいは表面に凹凸を有する形状とされている。
図2(a)に示すように、ニッケル合金電鋳ブレード11は、軸線m’を中心とした外径が30〜150mmの円環状の板材からなるブレードである。その内径部が切断装置の主軸に取り付けられて上記軸線m’回りに回転されつつ該軸線m’に垂直な方向に送り出されることにより、ニッケル合金電鋳ブレード11の外周縁部によって、被処理基板や被処理部品を精密に切断加工できる。
また、図2(b)に示すように、ニッケル合金電鋳ブレード11は、厚さTが0.01〜0.5mmとされ、ニッケル合金電鋳膜2と、ニッケル合金電鋳膜2に分散された砥粒3とフィラー4とから構成されている。
砥粒3の濃度は、ニッケル合金電鋳膜2に対して5〜40vol%の範囲内とすることが好ましい。また、フィラー4の濃度は、ニッケル合金電鋳膜2に対して5〜40vol%の範囲内とすることが好ましい。なお、フィラー4の形状は塊状、ブロック状、あるいは表面に凹凸を有する形状とされている。
ニッケル合金電鋳ブレード11は、リンまたはホウ素を有するニッケル合金からなるので、その膜の硬度を680Hv以上とすることができる。
また、ニッケル合金電鋳ブレード11は、クエン酸の緩衝効果のため、低応力の膜として形成できる。そのため、たとえその厚さを100μm程度と厚く形成しても、めっき中に割れが生じることもない。また、めっき後に陰極板24から容易に剥がすことができ、ニッケル合金電鋳膜10に割れを生じさせたり、粉々にすることはない。
また、ニッケル合金電鋳ブレード11は、クエン酸の緩衝効果のため、低応力の膜として形成できる。そのため、たとえその厚さを100μm程度と厚く形成しても、めっき中に割れが生じることもない。また、めっき後に陰極板24から容易に剥がすことができ、ニッケル合金電鋳膜10に割れを生じさせたり、粉々にすることはない。
図3は、本発明の実施形態であるニッケル合金電鋳ブレードの製造方法により製造されたニッケル合金電鋳ブレードの別の一例を示す拡大断面図である。
図3に示すように、ニッケル合金電鋳ブレード12は、金属または合金からなる基板8と、基板8の一面8aおよび他面8bにそれぞれ形成されたニッケル合金電鋳膜2、2’と、ニッケル合金電鋳膜2、2’にそれぞれ分散された砥粒3、3’とフィラー4、4’とから構成されている。
図3に示すように、ニッケル合金電鋳ブレード12は、金属または合金からなる基板8と、基板8の一面8aおよび他面8bにそれぞれ形成されたニッケル合金電鋳膜2、2’と、ニッケル合金電鋳膜2、2’にそれぞれ分散された砥粒3、3’とフィラー4、4’とから構成されている。
ニッケル合金電鋳ブレード12は、例えば、次にように製造する。
まず、砥粒を分散させためっき浴中に浸漬した2つの電極のうち一方の電極の一面上に、円環状の金属または合金からなる基板を、前記基板の一面を他方の電極に向けて配置する。次に、前記2つの電極間に通電して、前記一方の電極の一面側に配置された前記基板の一面上に砥粒が分散されたニッケル合金電鋳膜を形成する。次に、前記砥粒が分散されたニッケル合金電鋳膜を形成した基板をめっき浴から取り出した後、前記一方の電極の一面上に、前記基板の他面を他方の電極に向けて配置してから、前記2つの電極間に通電して、前記一方の電極の一面側に配置された前記基板の他面上に前記砥粒が分散されたニッケル合金電鋳膜を形成する。
まず、砥粒を分散させためっき浴中に浸漬した2つの電極のうち一方の電極の一面上に、円環状の金属または合金からなる基板を、前記基板の一面を他方の電極に向けて配置する。次に、前記2つの電極間に通電して、前記一方の電極の一面側に配置された前記基板の一面上に砥粒が分散されたニッケル合金電鋳膜を形成する。次に、前記砥粒が分散されたニッケル合金電鋳膜を形成した基板をめっき浴から取り出した後、前記一方の電極の一面上に、前記基板の他面を他方の電極に向けて配置してから、前記2つの電極間に通電して、前記一方の電極の一面側に配置された前記基板の他面上に前記砥粒が分散されたニッケル合金電鋳膜を形成する。
本発明の実施形態であるニッケル合金電鋳ブレード11、12の形成方法は、スルファミン酸ニッケルと、クエン酸と、合金材料供給源とを含み、前記スルファミン酸ニッケルの濃度が250〜600g/Lであり、前記クエン酸の濃度が84〜147g/Lであり、前記合金材料供給源の濃度が0.5〜8.5g/Lであり、砥粒3を含むめっき浴22を用いて、めっき浴22中に浸漬した2つの電極23、24のうち一方の電極24の一面24aを他方の電極23に向けて配置した後、2つの電極23、24間に通電して、一方の電極24の一面24aに砥粒3が分散されたニッケル合金電鋳膜2を形成する構成なので、砥粒が分散され、低応力で、かつ、高硬度のニッケル合金電鋳膜からなるニッケル合金電鋳ブレードを提供することができる。低応力の膜であるため、めっき中、ニッケル合金電鋳膜に割れを生じさせたり、粉々にすることはない。また、電極から剥がすときに、破損させることなく、高硬度のニッケル合金電鋳ブレードを製造することができる。
また、前記合金材料供給源がホウ素を含まない場合には、めっき浴の排水中のホウ酸やホウ素の除去処理を行わなくてもよいので、製造工程を容易とすることができる。
また、前記合金材料供給源がホウ素を含まない場合には、めっき浴の排水中のホウ酸やホウ素の除去処理を行わなくてもよいので、製造工程を容易とすることができる。
本発明の実施形態であるニッケル合金電鋳ブレード12の形成方法は、一方の電極24の一面24a上に、金属または合金からなる基板8を、基板8の一面8aを他方の電極23に向けて配置してから、2つの電極23、24間に通電して、基板8の一面8aに砥粒3が分散されたニッケル合金電鋳膜2を形成した後、一方の電極24の一面24a上に、基板8の他面8bを他方の電極23に向けて配置してから、2つの電極23、24間に通電して、基板8の他面8bに砥粒3が分散されたニッケル合金電鋳膜2を形成する構成なので、低応力で、かつ、高硬度のニッケル合金電鋳ブレードを提供することができる。
本発明の実施形態であるニッケル合金電鋳ブレード11、12の形成方法は、砥粒3とともに、めっき浴22にセラミックス粒子またはフッ素系樹脂からなるフィラー4を分散させる構成なので、低応力で、かつ、高硬度のニッケル合金電鋳ブレードを製造することができる。
本発明の実施形態であるニッケル合金電鋳ブレード11、12の形成方法は、一方の電極24の中心軸mを中心として、一方の電極24を回転させた状態で、ニッケル合金電鋳膜2を形成する構成なので、ニッケル合金電鋳膜2の膜厚を均一とすることができるとともに、砥粒3およびフィラー4の濃度分布を均一にして、ニッケル合金電鋳膜2の硬度のバラつきを低減し、低応力で、かつ、高硬度のニッケル合金電鋳ブレードを製造することができる。
本発明の実施形態であるニッケル合金電鋳ブレード11、12の形成方法は、前記合金材料供給源が亜リン酸であり、前記亜リン酸の濃度が3.5〜8.5g/Lであるめっき浴22を用いる構成なので、低応力で、かつ、高硬度のNiP合金ブレードを製造することができる。
本発明の実施形態であるニッケル合金電鋳ブレード11、12の形成方法は、前記合金材料供給源がトリメチルアミンボランであり、前記トリメチルアミンボランの濃度が0.5〜3.5g/Lであるめっき浴を用いる構成なので、低応力で、かつ、高硬度のNiB合金ブレードを製造することができる。
本発明の実施形態であるニッケル合金電鋳ブレード11、12の形成方法は、めっき浴22に光沢剤および/または界面活性剤が含まれている構成なので、低応力で、かつ、高硬度のニッケル合金電鋳ブレードを製造することができる。
本発明の実施形態であるニッケル合金電鋳ブレード11、12の形成方法は、めっき浴22のpHが3〜5である構成なので、低応力で、かつ、高硬度のニッケル合金電鋳ブレードを製造することができる。
本発明の実施形態であるニッケル合金電鋳ブレード11、12の形成方法は、砥粒3が分散されたニッケル合金電鋳膜を、不活性雰囲気下、200℃〜400℃の温度範囲で30分以上熱処理する構成なので、低応力で、かつ、より高硬度のニッケル合金電鋳ブレードを製造することができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。しかし、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1)
<めっき浴の調製>
まず、スルファミン酸ニッケル四水和物(スルファミン酸Ni)450g/L、緩衝剤としてクエン酸一水和物(クエン酸)を105g/L、P源として亜リン酸を4g/L、水に溶解した。さらに、添加剤として、ニッケルめっき用添加剤(アトテック社製)を所定濃度加えて、めっき浴を調製した。pHの調整には炭酸ニッケルおよびアミド硫酸を用いた。
次に、粒径が6〜12μmのダイヤモンド砥粒を前記めっき浴に10g/L分散させた。
(実施例1)
<めっき浴の調製>
まず、スルファミン酸ニッケル四水和物(スルファミン酸Ni)450g/L、緩衝剤としてクエン酸一水和物(クエン酸)を105g/L、P源として亜リン酸を4g/L、水に溶解した。さらに、添加剤として、ニッケルめっき用添加剤(アトテック社製)を所定濃度加えて、めっき浴を調製した。pHの調整には炭酸ニッケルおよびアミド硫酸を用いた。
次に、粒径が6〜12μmのダイヤモンド砥粒を前記めっき浴に10g/L分散させた。
<めっき工程>
次に、めっき槽に前記めっき浴を入れた後、SUS陰極板(試験板)およびニッケル陽極板を挿入した。
めっき浴条件は、初期pHを4とし、めっき浴温度を50℃とし、電流密度を5A/dm2とした。この条件下、前記試験板および前記ニッケル陽極板に、20分間通電して、前記試験板を100rpmで回転させながらめっきを行うことにより、前記試験板上に膜厚約20μmのニッケル合金電鋳膜を得た。
次に、前記試験板からニッケル合金電鋳膜を剥離して、これをニッケル合金電鋳ブレード(実施例1)とした。
次に、めっき槽に前記めっき浴を入れた後、SUS陰極板(試験板)およびニッケル陽極板を挿入した。
めっき浴条件は、初期pHを4とし、めっき浴温度を50℃とし、電流密度を5A/dm2とした。この条件下、前記試験板および前記ニッケル陽極板に、20分間通電して、前記試験板を100rpmで回転させながらめっきを行うことにより、前記試験板上に膜厚約20μmのニッケル合金電鋳膜を得た。
次に、前記試験板からニッケル合金電鋳膜を剥離して、これをニッケル合金電鋳ブレード(実施例1)とした。
<評価>
次に、硬度計を用いて、ニッケル合金電鋳ブレード(実施例1)の硬度(ビッカース硬度)評価を行った。ニッケル合金電鋳ブレード(実施例1)の硬度は、705Hvであった。また、皮膜状態に割れが発生したかどうかを目視で評価した。
次に、すきまゲージが入るかどうかで判断して、反り量を測定した。
次に、光学顕微鏡観察で100μm×100μmの範囲にある砥粒の数を数えて、ダイヤモンド砥粒の分散性を算出した。
次に、ニッケル合金電鋳ブレード(実施例1)の光学顕微鏡写真を撮影した。
次に、硬度計を用いて、ニッケル合金電鋳ブレード(実施例1)の硬度(ビッカース硬度)評価を行った。ニッケル合金電鋳ブレード(実施例1)の硬度は、705Hvであった。また、皮膜状態に割れが発生したかどうかを目視で評価した。
次に、すきまゲージが入るかどうかで判断して、反り量を測定した。
次に、光学顕微鏡観察で100μm×100μmの範囲にある砥粒の数を数えて、ダイヤモンド砥粒の分散性を算出した。
次に、ニッケル合金電鋳ブレード(実施例1)の光学顕微鏡写真を撮影した。
(実施例2)
前記めっき浴中に亜リン酸の代わりに、B源としてトリメチルアミンボラン(TMAB)を3g/L加えたほかは実施例1と同様にして、膜厚約20μmのニッケル合金電鋳ブレード(実施例2)を得た。
その後、硬度計を用いて、ニッケル合金電鋳ブレード(実施例2)の硬度評価を行った。ニッケル合金電鋳ブレード(実施例2)の硬度は、830Hvであった。また、反り量およびダイヤモンド砥粒の分散性を測定した。
前記めっき浴中に亜リン酸の代わりに、B源としてトリメチルアミンボラン(TMAB)を3g/L加えたほかは実施例1と同様にして、膜厚約20μmのニッケル合金電鋳ブレード(実施例2)を得た。
その後、硬度計を用いて、ニッケル合金電鋳ブレード(実施例2)の硬度評価を行った。ニッケル合金電鋳ブレード(実施例2)の硬度は、830Hvであった。また、反り量およびダイヤモンド砥粒の分散性を測定した。
(実施例3)
実施例2で得られたニッケル合金電鋳ブレード(実施例2)に、窒素雰囲気下、300℃の熱処理温度で1時間熱処理を加えて、ニッケル合金電鋳ブレード(実施例3)を得た。
その後、硬度計を用いて、ニッケル合金電鋳ブレード(実施例3)の硬度評価を行った。ニッケル合金電鋳ブレード(実施例3)の硬度は、1052Hvであった。また、反り量およびダイヤモンド砥粒の分散性を測定した。
実施例2で得られたニッケル合金電鋳ブレード(実施例2)に、窒素雰囲気下、300℃の熱処理温度で1時間熱処理を加えて、ニッケル合金電鋳ブレード(実施例3)を得た。
その後、硬度計を用いて、ニッケル合金電鋳ブレード(実施例3)の硬度評価を行った。ニッケル合金電鋳ブレード(実施例3)の硬度は、1052Hvであった。また、反り量およびダイヤモンド砥粒の分散性を測定した。
(実施例4、5)
前記めっき浴中のクエン酸の濃度を84g/L(実施例4)、147g/L(実施例5)と変えたほかは実施例1と同様にして、めっきを行うことにより、試験板上に膜厚約20μmのニッケル合金電鋳ブレード(実施例4、5)を得た。
また、硬度、反り量およびダイヤモンド砥粒の分散性を測定した。
前記めっき浴中のクエン酸の濃度を84g/L(実施例4)、147g/L(実施例5)と変えたほかは実施例1と同様にして、めっきを行うことにより、試験板上に膜厚約20μmのニッケル合金電鋳ブレード(実施例4、5)を得た。
また、硬度、反り量およびダイヤモンド砥粒の分散性を測定した。
(実施例6〜8)
前記めっき浴中のTMABの濃度を0.5g/L(実施例6)、1g/L(実施例7)、3.5g/L(実施例8)と変えたほかは実施例2と同様にして、めっきを行うことにより、試験板上に膜厚約20μmのニッケル合金電鋳ブレード(実施例6〜8)を得た。
また、硬度、反り量およびダイヤモンド砥粒の分散性を測定した。
前記めっき浴中のTMABの濃度を0.5g/L(実施例6)、1g/L(実施例7)、3.5g/L(実施例8)と変えたほかは実施例2と同様にして、めっきを行うことにより、試験板上に膜厚約20μmのニッケル合金電鋳ブレード(実施例6〜8)を得た。
また、硬度、反り量およびダイヤモンド砥粒の分散性を測定した。
(実施例9〜11)
前記めっき浴中の亜リン酸の濃度を、3.5g/L(実施例9)、4g/L(実施例10)、8.5g/L(実施例11)と変えたほかは実施例1と同様にして、めっきを行うことにより、試験板上に膜厚約20μmのニッケル合金電鋳ブレード(実施例9〜11)を得た。
また、硬度、反り量およびダイヤモンド砥粒の分散性を測定した。
前記めっき浴中の亜リン酸の濃度を、3.5g/L(実施例9)、4g/L(実施例10)、8.5g/L(実施例11)と変えたほかは実施例1と同様にして、めっきを行うことにより、試験板上に膜厚約20μmのニッケル合金電鋳ブレード(実施例9〜11)を得た。
また、硬度、反り量およびダイヤモンド砥粒の分散性を測定した。
(実施例12)
100分間通電したほかは実施例1と同様にして、めっきを行うことにより、試験板上に膜厚約100μmのニッケル合金電鋳ブレード(実施例12)を得た。皮膜状態は割れがなく、良好であった。
また、硬度、反り量およびダイヤモンド砥粒の分散性を測定した。
100分間通電したほかは実施例1と同様にして、めっきを行うことにより、試験板上に膜厚約100μmのニッケル合金電鋳ブレード(実施例12)を得た。皮膜状態は割れがなく、良好であった。
また、硬度、反り量およびダイヤモンド砥粒の分散性を測定した。
(実施例13〜16)
熱処理温度を100℃(実施例13)、200℃(実施例14)、400℃(実施例15)、500℃(実施例16)としたほかは実施例3と同様にして、めっきを行うことにより、試験板上に膜厚約100μmのニッケル合金電鋳ブレード(実施例13〜16)を得た。
皮膜状態を観察するとともに、硬度、反り量およびダイヤモンド砥粒の分散性を測定した。
熱処理温度を100℃(実施例13)、200℃(実施例14)、400℃(実施例15)、500℃(実施例16)としたほかは実施例3と同様にして、めっきを行うことにより、試験板上に膜厚約100μmのニッケル合金電鋳ブレード(実施例13〜16)を得た。
皮膜状態を観察するとともに、硬度、反り量およびダイヤモンド砥粒の分散性を測定した。
(比較例1)
前記めっき浴中に亜リン酸を加えなかったほかは実施例1と同様にして、めっきを行うことにより、試験板上に膜厚約20μmのニッケル電鋳ブレード(比較例1)を得た。
その後、硬度計を用いて、ニッケル電鋳ブレード(比較例1)の硬度評価を行った。ニッケル電鋳ブレード(比較例1)の硬度は、540Hvであった。また、反り量およびダイヤモンド砥粒の分散性を測定した。
前記めっき浴中に亜リン酸を加えなかったほかは実施例1と同様にして、めっきを行うことにより、試験板上に膜厚約20μmのニッケル電鋳ブレード(比較例1)を得た。
その後、硬度計を用いて、ニッケル電鋳ブレード(比較例1)の硬度評価を行った。ニッケル電鋳ブレード(比較例1)の硬度は、540Hvであった。また、反り量およびダイヤモンド砥粒の分散性を測定した。
(比較例2)
前記めっき浴中にクエン酸の代わりにホウ酸(H3BO3)を30g/L加えたほかは比較例1と同様にして、めっきを行うことにより、試験板上に膜厚約20μmのニッケル電鋳ブレード(比較例2)を得た。
その後、硬度計を用いて、ニッケル電鋳ブレード(比較例2)の硬度評価を行った。ニッケル電鋳ブレード(比較例2)の硬度は、550Hvであった。また、反り量およびダイヤモンド砥粒の分散性を測定した。
前記めっき浴中にクエン酸の代わりにホウ酸(H3BO3)を30g/L加えたほかは比較例1と同様にして、めっきを行うことにより、試験板上に膜厚約20μmのニッケル電鋳ブレード(比較例2)を得た。
その後、硬度計を用いて、ニッケル電鋳ブレード(比較例2)の硬度評価を行った。ニッケル電鋳ブレード(比較例2)の硬度は、550Hvであった。また、反り量およびダイヤモンド砥粒の分散性を測定した。
(比較例3〜7)
前記めっき浴中のクエン酸の濃度を21g/L(比較例3)、63g/L(比較例4)、168g/L(比較例5)、189g/L(比較例6)、210g/L(比較例7)と変えたほかは実施例1と同様にして、めっきを行うことにより、試験板上に膜厚約20μmのニッケル合金電鋳ブレード(比較例3〜7)を得た。
また、硬度、反り量およびダイヤモンド砥粒の分散性を測定した。
さらに、ニッケル合金電鋳ブレード(比較例5)の光学顕微鏡写真を撮影した。
表1は実施例1〜16および比較例1〜7のめっき浴の条件および状態であり、表2は膜厚および評価結果である。
前記めっき浴中のクエン酸の濃度を21g/L(比較例3)、63g/L(比較例4)、168g/L(比較例5)、189g/L(比較例6)、210g/L(比較例7)と変えたほかは実施例1と同様にして、めっきを行うことにより、試験板上に膜厚約20μmのニッケル合金電鋳ブレード(比較例3〜7)を得た。
また、硬度、反り量およびダイヤモンド砥粒の分散性を測定した。
さらに、ニッケル合金電鋳ブレード(比較例5)の光学顕微鏡写真を撮影した。
表1は実施例1〜16および比較例1〜7のめっき浴の条件および状態であり、表2は膜厚および評価結果である。
なお、表1において、めっき浴で沈殿が発生しなかったものを安定なめっき浴状態とした。また、表2において、皮膜状態は、試験板上に形成されたニッケル合金電鋳膜の状態を目視観測したものであり、「割れ」は割れが発生したものであり、「一部割れ」は一部のみに割れが発生したものであり、「端部焼け」は皮膜の端部が光沢の無い黒色の膜となったものであり、「一部焼け」は皮膜の一部分が光沢の無い黒色の膜となったものであり、「良好」はこれらの異常が生じなかったものである。更に、表2の比較例3は、皮膜状態が「割れ」状態となったため、硬度、分散性及び反り量は未評価となった。
実施例1、4、5は、めっき浴状態が安定であり、低応力の膜となり、皮膜状態が良好であった。また、比較例4、5は、めっき浴状態は安定であるが、皮膜状態が「一部割れ」、「一部焼け」であった。なお、比較例3、4は、クエン酸の濃度が低かったため、皮膜状態が「割れ」、「一部割れ」となったと思われる。
図4は、ニッケル合金電鋳ブレードの光学顕微鏡写真であり、図4(a)は実施例1のニッケル合金電鋳ブレードの光学顕微鏡写真であり、図4(b)は比較例5のニッケル合金電鋳ブレードの光学顕微鏡写真である。
実施例1のニッケル合金電鋳ブレードと比較して、比較例5のニッケル合金電鋳ブレードでは、針状結晶が多く見られた。分析の結果、これらの針状結晶は、比較例6、7で観察された沈殿を構成する結晶と同一のものであった。このような針状結晶が多く発生したために、ニッケル合金電鋳膜内にダイヤモンド砥粒が分散されず、硬度を向上させることができなかったと推察した。
実施例1のニッケル合金電鋳ブレードと比較して、比較例5のニッケル合金電鋳ブレードでは、針状結晶が多く見られた。分析の結果、これらの針状結晶は、比較例6、7で観察された沈殿を構成する結晶と同一のものであった。このような針状結晶が多く発生したために、ニッケル合金電鋳膜内にダイヤモンド砥粒が分散されず、硬度を向上させることができなかったと推察した。
本発明は、ニッケル合金電鋳ブレードの製造方法に関するものであって、高硬度のニッケル合金電鋳ブレードを製造・利用する産業において利用可能性がある。
2、2’…ニッケル合金電鋳膜、3、3’…砥粒、4、4’…フィラー、8…基板、8a…一面、8b…他面、11、12…ニッケル合金電鋳ブレード、21…めっき槽、22…めっき浴、23…陽極(陽極板)、23b…他面、24…陰極(陰極板)、24a…一面、26…回転軸、27…台部、27a…一面、m、m’、n…中心軸。
Claims (9)
- スルファミン酸ニッケルと、クエン酸と、合金材料供給源とを含み、前記スルファミン酸ニッケルの濃度が250〜600g/Lであり、前記クエン酸の濃度が84〜147g/Lであり、前記合金材料供給源の濃度が0.5〜8.5g/Lであり、更に砥粒を含むめっき浴を用いて、
前記めっき浴中に浸漬した2つの電極のうち一方の電極の一面を他方の電極に向けて配置してから、前記2つの電極間に通電して、前記一方の電極の一面側に砥粒を含むニッケル合金電鋳膜を形成することを特徴とするニッケル合金電鋳ブレードの製造方法。 - 前記一方の電極の一面上に、金属または合金からなる基板を、前記基板の一面を他方の電極に向けて配置してから、前記2つの電極間に通電して、前記基板の一面に前記砥粒が分散されたニッケル合金電鋳膜を形成した後、
前記一方の電極の一面上に、前記基板の他面を他方の電極に向けて配置してから、前記2つの電極間に通電して、前記基板の他面に前記砥粒が分散されたニッケル合金電鋳膜を形成することを特徴とする請求項1に記載のニッケル合金電鋳ブレードの製造方法。 - 前記砥粒とともに、前記めっき浴にセラミックス粒子またはフッ素系樹脂からなるフィラーを分散させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のニッケル合金電鋳ブレードの製造方法。
- 前記一方の電極の中心軸を中心として、前記一方の電極を回転させた状態で、ニッケル合金電鋳膜を形成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のニッケル合金電鋳ブレードの製造方法。
- 前記合金材料供給源が亜リン酸であり、前記亜リン酸の濃度が3.5〜8.5g/Lであるめっき浴を用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のニッケル合金電鋳ブレードの製造方法。
- 前記合金材料供給源がトリメチルアミンボランであり、前記トリメチルアミンボランの濃度が0.5〜3.5g/Lであるめっき浴を用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のニッケル合金電鋳ブレードの製造方法。
- 前記めっき浴に光沢剤および/または界面活性剤が含まれていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のニッケル合金電鋳ブレードの製造方法。
- 前記めっき浴のpHが3〜5であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のニッケル合金電鋳ブレードの製造方法。
- 前記砥粒が分散されたニッケル合金電鋳膜を、不活性雰囲気下、200℃〜400℃の温度範囲で30分以上熱処理することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のニッケル合金電鋳ブレードの製造方法。
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2015057307A (ja) * | 2014-12-24 | 2015-03-26 | 株式会社東京精密 | 電鋳ブレードの製造方法 |
| JP2015116638A (ja) * | 2013-12-18 | 2015-06-25 | 株式会社東京精密 | 電鋳ブレード |
| JP2015175049A (ja) * | 2014-03-17 | 2015-10-05 | 松田産業株式会社 | パラジウムめっき液、パラジウムめっき方法、パラジウムめっき製品、摺動接点材料及び摺動接点 |
| CN108754549A (zh) * | 2018-06-12 | 2018-11-06 | 北京航空航天大学 | 一种镀镍层应力调节剂及其应用 |
| JP2020146804A (ja) * | 2019-03-14 | 2020-09-17 | 株式会社東京精密 | ニッケル電鋳ブレードおよびニッケル電鋳ブレードの製造方法 |
-
2009
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