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JP2011084037A - 二軸配向多層積層フィルム - Google Patents

二軸配向多層積層フィルム Download PDF

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JP2011084037A
JP2011084037A JP2009240447A JP2009240447A JP2011084037A JP 2011084037 A JP2011084037 A JP 2011084037A JP 2009240447 A JP2009240447 A JP 2009240447A JP 2009240447 A JP2009240447 A JP 2009240447A JP 2011084037 A JP2011084037 A JP 2011084037A
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JP2009240447A
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Eiji Kinoshita
英司 木下
Masaya Watanabe
真哉 渡邊
Makoto Iida
真 飯田
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Abstract

【課題】湿度変化に対する寸法安定性と、走行性と平坦性とを具備する二軸配向多層積層フィルムの提供。
【解決手段】芳香族ポリエステル(A)からなるフィルム層(A)と芳香族ポリエステル(B)からなるフィルム層(B)とを交互にかつそれぞれのフィルム層が最表層に位置するように10層以上積層した積層構造を有する二軸配向多層積層フィルムであって、
6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分の全酸成分に占める割合が、芳香族ポリエステル(A)は5モル%未満で、芳香族ポリエステル(B)は5モル%以上80モル%未満であること、少なくとも一方の表面層は、多層積層フィルムの全体厚みに対して、15〜40%の厚みを有すること、そして、幅方向のカールが−1.0〜1.0mmの範囲である二軸配向多層積層フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸を共重合した芳香族ポリエステルを用いた二軸配向多層積層フィルムに関する。
ポリエチレンテレフタレートやポリエチレン−2,6−ナフタレートに代表される芳香族ポリエステルは優れた機械的特性、寸法安定性および耐熱性を有することから、フィルムなどに幅広く使用されている。特にポリエチレン−2,6−ナフタレートは、ポリエチレンテレフタレートよりも優れた機械的特性、寸法安定性および耐熱性を有することから、それらの要求の厳しい用途、例えば高密度磁気記録媒体などのベースフィルムなどに使用されている。しかしながら、近年の高密度磁気記録媒体などでの寸法安定性の要求はますます高くなってきており、さらなる特性の向上が求められている。
このような要求に対し、特許文献1では、6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸を共重合したポリエステルからなるフィルム層を有する積層フィルムが提案され、多層積層フィルムにすることで製膜性が向上することも教示されている。しかしながら、そこに記載された多層積層フィルムは、それぞれのフィルム層に含有させる不活性粒子の量やサイズを変えるだけでは、両表面の表面粗さがほとんど同じものにしかならず、走行性と平坦性とを両立させるのは困難であった。
そこで、本発明者らは、多層積層フィルムの両表面の表面粗さに差を持たせるために鋭意研究したところ、最表層を形成するフィルム層をそれぞれ異なるフィルム層とし、かつ最表層の厚みを内層のフィルム層よりも厚くすることが有効であることを見出した。しかしながら、そのような層構成は厚み方向に非対称の構造となるためか、磁性層やバックコート層を塗布する時に塗布斑が発生したりして、磁気テープを作成した時の電磁変換特性を損なわれたりする問題があることを見出した。
国際公開第2008/153188号パンフレット
本発明の課題は、6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸を共重合したポリエステルからなるフィルム層を有する多層積層フィルムに、塗布斑や電磁変換特性の低下などといった不具合を起こすことなく、走行性と平坦性とを具備する二軸配向多層積層フィルムを提供することにある。
そこで、本発明者らは、これらの問題を解決しようと鋭意研究したところ、芳香族ポリエステル(A)からなるフィルム層(A)と芳香族ポリエステル(B)からなるフィルム層(B)とを交互にかつそれぞれのフィルム層が最表層に位置するように10層以上積層した積層構造を有する二軸配向多層積層フィルムであって、
下記式(I)
Figure 2011084037
(上記構造式(I)中のRは、炭素数1〜10のアルキレン基を示す。)で表される6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分の全酸成分に占める割合が、芳香族ポリエステル(A)は5モル%未満で、芳香族ポリエステル(B)は5モル%以上80モル%未満であること、
少なくとも一方の表面層は、多層積層フィルムの全体厚みに対して、15〜40%の厚みを有すること、そして、
幅方向のカールが−1.0〜1.0mmの範囲である二軸配向多層積層フィルムが提供される。
また、本発明によれば、本発明の好ましい態様として、幅方向の105℃と150℃でそれぞれ30分間熱処理したときの熱収縮率が0.1〜1.0%と3.0〜7.0%の範囲にあること、製膜方向の105℃と150℃でそれぞれ30分間熱処理したときの熱収縮率が0.1〜1.0%と3.0〜7.0%の範囲にあること、一方の表面粗さ(RaX)が0.5〜5nmの範囲で、他方の表面粗さ(RaY)がRaXよりも1nm以上大きく、かつ10nm以下であること、フィルム層(B)の合計の厚みが、多層積層フィルム全体の厚みに対して、10〜95%の範囲にあること、および二軸配向多層積層フィルムが、磁気記録媒体のベースフィルムに用いられることの少なくともいずれかを具備する二軸配向多層積層フィルムも提供される。
本発明によれば、湿度変化に対する寸法変化が小さく、走行性や平坦性を両立しつつ、塗布斑などの問題がない二軸配向多層多層積層フィルムが提供される。
したがって、本発明の二軸配向多層多層積層フィルムを用いれば、しわなどの不具合を抑制しつつ、優れた湿度変化に対する寸法安定性を有する高密度磁気記録媒体なども提供できる。
<芳香族ポリエステル(B)>
本発明の特徴の一つは、フィルム層(B)を構成する芳香族ポリエステル(B)として、芳香族ジカルボン酸成分の5モル%以上80モル%未満が、上記式(I)で示される6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分を共重合成分として用いていることである。6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分の割合が下限未満では湿度膨張係数の低減効果が発現されがたい。なお、上限は、成形性などの観点から、80モル%未満である。また、驚くべきことに、6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分による湿度膨張係数の低減効果は、少量で非常に効率的に発現され、50モル%未満でほぼ飽和状態に近く、50モル%未満であることが好ましい。そのような観点から好ましい6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分の共重合量の上限は、45モル%以下、さらに40モル%以下、よりさらに35モル%以下、特に30モル%以下であり、他方下限は、5モル%以上、さらに7モル%以上、よりさらに10モル%以上、特に15モル%以上である。
このような特定量の6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分を共重合した芳香族ポリエステルを少なくとも一つのフィルム層に用いることで、湿度膨張係数が低い成形品、例えばフィルムなどを製造することができる。
また、前述の構造式(I)で示される6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分としては、Rの部分が炭素数1〜10のアルキレン基であるものであり、好ましくは6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分、6,6’−(トリメチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分および6,6’−(ブチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分などが挙げられ、これらの中でも本発明の効果の点からは、上記一般式(I)におけるRの炭素数が偶数のものが好ましく、特に6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分が好ましい。
上記6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分以外の芳香族ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸成分、イソフタル酸成分、2,6−ナフタレンジカルボン酸成分、2,7−ナフタレンジカルボン酸成分などが挙げられ、得られるフィルムの力学的特性の点からテレフタル酸成分、2,6−ナフタレンジカルボン酸成分が好ましく、特に2,6−ナフタレンジカルボン酸成分が好ましい。
また、グリコール成分としては、エチレングリコール成分、トリメチレングリコール成分、テトラメチレングリコール成分、シクロヘキサンジメタノール成分などが挙げられ、得られるフィルムの力学的特性の点からエチレングリコール成分が好ましい。好ましいエチレングリコール成分の割合は、90〜100モル%、さらに95〜100モル%の範囲である。
もちろん、本発明における芳香族ポリエステル(B)は、本発明の効果を阻害しない範囲で、それ自体公知の他の共重合成分を共重合しても良い。
つぎに、本発明における芳香族ポリエステル(B)は、溶融粘度が大きくなりやすいことから、DSCで測定した融点が、260℃以下、より258℃以下、さらに255℃以下、特に253℃以下にあることが製膜性の点から好ましい。また、下限については、やはり製膜性の点から、200℃以上、さらに210℃以上、特に220℃以上、もっとも好ましくは235℃以上であることが好ましい。融点が上記上限を越えると、溶融粘度が大きく溶融押し出しして成形する際に、流動性が劣り、吐出などが不均一化しやすくなり、製膜性が低下しやすい。一方、上記下限未満になると、製膜性は優れるものの、芳香族ポリエステル(B)の機械的特性などが損なわれやすくなる。
また、本発明における芳香族ポリエステル(B)は、DSCで測定したガラス転移温度(以下、Tgと称することがある。)が、90〜120℃の範囲、さらに95〜119℃の範囲、特に100〜118℃の範囲、最も好ましくは110〜118℃の範囲にあることが、耐熱性や寸法安定性の点から好ましい。なお、このような融点やガラス転移温度は、共重合成分の種類と共重合量、そして副生物であるジアルキレングリコールの制御などによって調整できる。
<芳香族ポリエステル(A)>
本発明における芳香族ポリエステル(A)は、前述の芳香族ポリエステル(B)からなるフィルム層(B)の高温での加工時に生じる伸びを抑制するためのフィルム層(A)を構成するものであり、フィルム層(B)と積層して二軸配向多層積層フィルムとしたときに、製膜方向における粘弾性測定でのtanδが高いものが好ましく、そのような観点から、6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分の共重合量は、全酸成分のモル量を基準として、5モル%以下であることが必要である。
ところで、本発明の芳香族ポリエステル(A)は、フィルム層(A)を構成するポリエステル樹脂組成物としてみたときのDSCにおけるTg(ガラス転移温度)が110℃以上であることが、tanδを高くしやすいことから好ましい。好ましい芳香族ポリエステル(A)のガラス転移温度の下限は110℃以上、さらに115℃以上であり、上限は特に制限されないがフィルム層(B)と積層したときの製膜性の点から170℃以下、さらに150℃以下が好ましい。
このような点から、具体的な芳香族ポリエステル(A)としては、繰り返し単位の95モル%以上がエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートからなるポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートが好ましく、さらにTgを高くできるような成分を共重合したり、ブレンドしたものであっても良い。ところで、芳香族ポリエステル(A)はエチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエチレンテレフタレートであってもよい。ただし、ポリエチレンテレフタレートの場合は、前述のポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートと異なり、ホモポリマーにしただけでは、前述のtanδを高くしにくいので、ガラス転移温度を高くできる共重合成分を共重合したり、ポリエーテルイミドや液晶樹脂をブレンドすること(例えば、特開2000−355631号公報、特開2000−141475号公報および特開平11−1568号公報などを参照)などが好ましい。本発明における芳香族ポリエステル(A)は、DSCで測定した融点が、240〜300℃の範囲、さらに250〜290℃の範囲、特に260〜280℃の範囲にあることが製膜性の点から好ましい。融点が上記上限を越えると、低温では溶融粘度が大きく溶融押し出しして成形する際に流動性が劣って層厚構成などが不均一化しやすく、高温にするとポリマーの熱劣化が進みやすくなり、結果として製膜性が低下しやすい。一方、上記下限未満になると、製膜性は優れるものの、加工時の伸び抑制効果が不十分となりやすい。
<二軸配向多層積層フィルム>
本発明の二軸配向多層積層フィルムは、前述のとおり、フィルム層(A)とフィルム層(B)とを交互に10層以上積層したもので、両表面層をそれぞれフィルム層(A)と(B)が形成した、フィルムの厚み方向に非対称の層構成を有するものである。好ましい積層数は、フィルム層(A)とフィルム層(B)の合計層数で30〜10000の範囲、さらに40〜1000の範囲にあることが層構成の均一性と効果の発現性の点から好ましい。積層数が下限未満であると、カールの発生を抑制しがたくなる。なお、積層数の上限は特に制限されないが、積層構造を維持しやすい点から、10000以下であることが好ましい。また、フィルム層(A)の1層あたり厚みは、0.1〜1000nmの範囲、さらに1〜100nmの範囲にあることが層構成の均一性と効果の発現性の点から好ましい。
本発明において、二軸配向多層積層フィルムの幅方向(TD)のカールが−1.0mm〜1mmの範囲にあることが必要である。TDカールが上記範囲を外れると、磁性層またはバックコート層を塗布する時に塗布斑が発生する。好ましいTDカールは、−0.8〜0.8mm、さらに−0.5〜0.5mmの範囲である。ところで、このようなTDカールは、二軸配向多層積層フィルムを製膜する際の熱固定処理において、幅方向に弛緩熱処理を行うことなどで調整できる。好ましい弛緩熱処理は90〜160℃で、幅方向に0.1〜2.5%弛緩処理するのが好ましく、さらに95〜160℃で幅方向に0.2〜2.0%弛緩処理するのが好ましい。なお、弛緩熱処理は1段だけでなく、2段以上に分割して行っても良い。
このとき、弛緩熱処理によるカール低減の効果を調整するに当って、幅方向の105℃および150℃でそれぞれ30分間熱処理したときの熱収縮率が、0.1〜1.0%と3.0〜7.0%の範囲にあることが好ましい。幅方向の105℃で30分間熱処理したときの熱収縮率が上記範囲を外れると磁性層またはバックコート層で塗布斑が起こりやすい。好ましい幅方向の105℃で30分間熱処理したときの熱収縮率は0.1〜1.0%の範囲である。また、幅方向の150℃で30分間熱処理したときの熱収縮率が下限未満だとバックコート層の表面粗さが粗くなりやすく、他方上限を超えると、ベースフィルムがシワになりやすい。好ましい幅方向の150℃で30分間熱処理したときの熱収縮率は3.0〜7.0%の範囲である。
また、同様な観点から、製膜方向(MD)の105℃および150℃でそれぞれ30分間熱処理したときの熱収縮率が、0.1〜1.0%および3.0〜7.0%の範囲にあることが好ましい。製膜方向の105℃で30分間熱処理したときの熱収縮率が下限未満だとバックコート層の表面粗さが不均一となりやすく、他方上限を超えるとバックコート層が塗布斑になりやすい。好ましい製膜方向の105℃で30分間熱処理したときの熱収縮率は0.1〜1.0%の範囲である。また、製膜方向の150℃で30分間熱処理したときの熱収縮率が下限未満だとバックコート層の表面粗さが粗くなりやすく、他方上限を超えるとベースフィルムがシワになりやすい。好ましい製膜方向の150℃で30分間熱処理したときの熱収縮率は3.0〜7.0%の範囲である。なお、これらの熱収縮率が高い場合は、弛緩熱処理する際の温度を高くしたり、弛緩率を大きくすることで熱収縮率を小さくすることができる。
本発明の二軸配向多層積層フィルムは、芳香族ポリエステル(B)からなるフィルム層(B)は、より環境変化に対する寸法安定性を向上させる観点から、下限が10%以上、より20%以上、さらに30%以上、よりさらに50%以上、特に55%以上、最も好ましくは60%以上であることが好ましく、他方上限は95%以下、さらに90%以下、よりさらに85%以下、特に80%以下の範囲にあることが好ましい。このような範囲とすることで、湿度変化に対する寸法安定性向上効果と加工時の伸び抑制効果とをより高度に発現出来る。下限未満では湿度膨張係数の低減効果が乏しくなりやすく、他方上限を超えるとフィルム層(A)による加工時の伸び抑制効果が乏しくなりやすい。
ところで、本発明の二軸配向多層多層積層フィルムは、一方の表面粗さ(RaX)が0.5〜5nmの範囲で、他方の表面粗さ(RaY)がRaXよりも1nm以上大きく、かつ10nm以下であることが好ましく、表面粗さがこのような範囲にあることで、走行性と平坦性とを両立しやすくなる。
通常フィルムの表面粗さを粗くするには、フィルム層に不活性粒子を含有させたりして、突起を形成すればよい。含有させる不活性粒子としては、(1)耐熱性ポリマー粒子(例えば、架橋シリコーン樹脂、架橋ポリスチレン、架橋アクリル樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、架橋ポリエステルなどからなる粒子)、(2)金属酸化物(例えば、酸化アルミニウム、二酸化チタン、二酸化ケイ素(シリカ)、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウムなど)、金属の炭酸塩(例えば、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムなど)、金属の硫酸塩(例えば、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなど)、炭素(例えば、カーボンブラック、グラファイト、ダイアモンドなど)および粘土鉱物(例えば、カオリン、クレー、ベントナイトなど)などのような無機化合物からなる粒子、さらに(3)異なる素材を例えばコアとシェルに用いたコアシェル型などの複合粒子など粒子の状態で添加する外部添加粒子や(4)触媒などの析出によって形成する内部析出粒子などを挙げることができる。これらの中で特に架橋シリコーン樹脂、架橋アクリル樹脂、架橋ポリエステル、架橋ポリスチレン、酸化アルミニウム、二酸化チタン、二酸化ケイ素、カオリン及びクレーからなる群から選ばれる少なくとも1種の粒子であることが好ましく、特に架橋シリコーン樹脂、架橋アクリル樹脂、架橋ポリエステル、架橋ポリスチレンおよび二酸化ケイ素(但し、多孔質シリカなどは除く)からなる群から選ばれる少なくとも1種の粒子であることが、粒子の粒径のバラツキを小さくしやすいことから好ましい。もちろん、これらは2種以上を併用しても良い。
走行性の観点からは、フィルム層に含有させる不活性粒子の平均粒径は、0.05〜1.0μm、さらに0.1〜0.8μmの範囲にあることが好ましく、特に磁気記録媒体として用いる場合は0.1〜0.5μm、さらに0.1〜0.3μmの範囲にあることが好ましい。また、フィルム層に含有させる不活性粒子の含有量は、該フィルム層の重量を基準として、0.005〜1.0重量%、さらに0.01〜0.5重量%の範囲にあることが好ましい。
ところで、本発明のような二軸配向多層積層フィルムの場合、単純に一方のフィルム層に不活性粒子を含有させ、他方のフィルム層に不活性粒子を含有させないもしくは含有する不活性粒子のサイズを小さくしたり、含有量を少なくしたりするだけでは、それぞれの表面層を別のフィルム層にしても、不活性粒子を含有するフィルム層による突き上げで、同様な表面状態になってしまう。そのため、二軸配向多層積層フィルムのそれぞれの表面を形成するフィルム層のいずれかは、内層からのフィルム層による突き上げの影響を抑えるために、二軸配向多層積層フィルム全体の厚みに対して、15〜40%の範囲となるような厚いフィルム層とすることが必要である。
本発明の二軸配向多層積層フィルムの好ましい態様について、さらに詳述する。
本発明の二軸配向多層積層フィルムは、磁気テープなどのベースフィルムとして用いたとき、ベースフィルムが伸びないようにフィルム面方向における少なくとも一方向は、ヤング率が6.0GPa以上という高いヤング率を有することが好ましい。しかも、このようにヤング率を高くすることで、より湿度膨張係数を小さくすることができる。ヤング率の上限は制限されないが、通常11GPaである。好ましいヤング率は、フィルムの長手方向が4〜11GPa、さらに5〜10GPa、特に5.5〜9GPaの範囲であり、フィルムの幅方向が5〜11GPa、さらに6〜11GPa、さらに7〜10GPa、特に8〜10GPaの範囲である。
本発明の二軸配向多層積層フィルムは、少なくとも一方向の湿度膨張係数が3〜7ppm/%RH、3〜6ppm/%RHの範囲にあることが、特に磁気記録テープにしたときの寸法安定性の点で好ましい。特に、磁気記録テープにベースフィルムに用いる場合、湿度膨張係数の小さい方向が二軸配向ポリエステルフィルムの幅方向であることが、トラックずれなどを極めて抑制できることから好ましい。なお、本発明において、フィルムの幅方向とは、フィルムの製膜方向(長手方向、縦方向と称することもある。)に直交する方向であり、横方向と称することもある。
本発明の二軸配向多層積層フィルムは、幅方向の温度膨張係数が−10〜10ppm/℃、−6〜6ppm/℃、特に−5〜3ppm/℃の範囲にあることが、特に磁気記録テープにしたときの寸法安定性を向上でき、トラックずれなどを極めて抑制できるので好ましい。
このような温度膨張係数は、特に芳香族ポリエステル(B)に共重合する6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分の割合を、50モル未満、さらに45モル%以下、よりさらに40モル%以下、特に35モル%以下、最も好ましくは30モル%以下とし、その方向の分子鎖が十分に配向するように延伸倍率を高めたり、延伸温度を過度に高くならないようにすることなどで調整できる。
ところで、本発明は、冒頭に述べたとおり、前記式(I)で表される6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分を少なくとも芳香族ポリエステル(B)に共重合することで湿度膨張係数をヤング率対比低くできたものであるが、さらに芳香族ポリエステル(A)からなるフィルム層(A)と芳香族ポリエステル(B)からなるフィルム層(B)とを交互に11層以上積層したことにより、フィルム全体で見たとき、6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分を、同じ割合で共重合した芳香族ポリエステルからなる単層フィルムとか2層や3層の積層フィルムに比べ、同じヤング率ならより低い湿度膨張係数を発現することができる。そのような観点から、6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分を少なくとも芳香族ポリエステル(B)に共重合することと、フィルム層(A)とフィルム層(B)とを交互に11層以上積層することとは、湿度膨張係数の低減において、有機的な結合によって予想されなかった効果を奏している。
<二軸配向多層積層フィルムの製造方法>
本発明の二軸配向多層積層フィルムを構成するポリエステルは、それぞれ特許文献1に記載された方法などで製造できる。また、本発明の二軸配向多層積層フィルムは、製膜方向と幅方向に延伸してそれぞれの方向の分子配向を高めたものであり、例えば以下のような方法で製造することが、製膜性を維持しつつ、ヤング率を向上させやすいことから好ましい。
まず、前述の芳香族ポリエステル(A)と(B)とを用意し、それらを乾燥後、溶融状態、好ましくはそれぞれの層を形成するポリエステルの融点(Tm:℃)ないし(Tm+70)℃の温度で複数のスリットを有するダイ内で交互に10層以上積層してからフィルム状に押出し、急冷固化して積層未延伸フィルムとし、さらに該積層未延伸フィルムを二軸延伸する。この際、ダイで積層する前に分岐したり、ダイ内のスリットの幅を変更することによって、各フィルム層の厚みを変更することができる。
なお、本発明で規定する両方向のヤング率、さらにαtやαhを満足させるには、その後の延伸を進行させやすくすることから、冷却ドラムによる冷却を非常に速やかに行うことが好ましい。そのような観点から、冷却ドラムの温度は、特許文献3に記載されるような80℃といった高温ではなく、20〜60℃という低温で行うことが好ましい。このような低温で行うことで、未延伸フィルムの状態での結晶化が抑制され、その後の延伸をよりスムーズに行うことができる。
二軸延伸としては、逐次二軸延伸でも同時二軸延伸でもよい。
ここでは、逐次二軸延伸で、縦延伸、横延伸および熱処理をこの順で行う製造方法を一例として挙げて説明する。まず、最初の縦延伸は芳香族ポリエステル(A)もしくは(B)のどちらか高いほうのガラス転移温度(Tg:℃)ないし(Tg+40)℃の温度で、3〜10倍に延伸し、次いで横方向に先の縦延伸よりも高温で(Tg+10)〜(Tg+50)℃の温度で3〜10倍に延伸し、さらに熱処理としてポリマーの融点以下の温度でかつ(Tg+50)〜(Tg+150)℃の温度で1〜20秒、さらに1〜15秒熱固定処理するのが好ましい。特に、熱固定処理の温度は180〜220℃、さらに好ましくは190〜210℃の範囲で行うことが好ましい。ところで、前述のようなTD方向のカールは、熱固定処理後に、幅方向に弛緩熱処理を行うことで調整できる。好ましい弛緩熱処理は90〜160℃で、幅方向に0.1〜2.5%弛緩処理するのが好ましく、さらに95〜150℃で幅方向に0.2〜2.0%弛緩処理するのが好ましい。なお、弛緩熱処理は1段だけでなく、2段以上に分割して行っても良い。
前述の説明は逐次二軸延伸について説明したが、本発明の二軸配向多層積層フィルムは縦延伸と横延伸とを同時に行う同時二軸延伸でも製造でき、例えば先で説明した延伸倍率や延伸温度などを参考にすればよい。
本発明の二軸配向多層積層フィルムの厚みは、用途に応じて適宜決めればよく、磁気記録テープのベースフィルムに用いる場合は、2〜10μm、さらに3〜7μm、特に4〜6μmの範囲が好ましい。
なお、粒子を含有させる方法については、それ自体公知の方法を採用でき、例えばポリエステルの製造工程において、反応系に添加しても良いし、ポリエステルに溶融混練によって添加してもよい。粒子の分散性の点から、好ましくはポリエステルの反応系に添加して、粒子濃度の高いポリエステル組成物をマスターポリマーとして製造し、それを粒子を含まないか、粒子濃度低いポリエステル組成物と混ぜ合わせる方法が好ましい。
本発明によれば、本発明の上記二軸配向多層積層フィルムをベースフィルムとし、その平坦面側の表面に非磁性層および磁性層がこの順で形成され、走行面側の表面にバックコート層を形成することなどで磁気記録テープとすることができる。
以下に実施例及び比較例を挙げ、本発明をより具体的に説明する。なお、本発明では、以下の方法により、その特性を測定および評価した。
(1)固有粘度
得られたポリエステルの固有粘度はP−クロロフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(40/60重量比)の混合溶媒を用いてポリマーを溶解して35℃で測定して求めた。
(2)ガラス転移点および融点
ガラス転移点および融点は、それぞれの層に用いる芳香族ポリエステル(A)と(B)とを用意し、DSC(TAインスツルメンツ株式会社製、商品名:Thermal Analyst2920)により、昇温速度20℃/minで測定した。
(3)共重合量
グリコール成分については、それぞれの層に用いる芳香族ポリエステル(A)と(B)とを用意し、試料10mgをp−クロロフェノール:1,1,2,2−テトラクロロエタン=3:1(容積比)混合溶液0.5mlに80℃で溶解した。イソプロピルアミンを加えて、十分に混合した後に600MHzのH−NMR(日本電子製 JEOL A600)にて80℃で測定し、それぞれのグリコール成分量を測定した。
また、芳香族ジカルボン酸成分については、それぞれの層に用いる芳香族ポリエステル(A)と(B)とを用意し、試料50mgをp−クロロフェノール:1,1,2,2−テトラクロロエタン=3:1混合溶液0.5mlに140℃で溶解し、100MHz 13C−NMR(日本電子製 JEOL A600)にて140℃で測定し、それぞれの酸成分量を測定した。
(4)ヤング率
得られたフィルムを試料巾10mm、長さ15cmで切り取り、チャック間100mm、引張速度10mm/分、チャート速度500mm/分の条件で万能引張試験装置(東洋ボールドウィン製、商品名:テンシロン)にて引っ張る。得られた荷重―伸び曲線の立ち上がり部の接線よりヤング率を計算した。
(5)湿度膨張係数(αh)
得られたフィルムを、フィルムの製膜方向または幅方向が測定方向となるように長さ15mm、幅5mmに切り出し、真空理工製TMA3000にセットし、30℃の窒素雰囲気下で、湿度30%RHと湿度70%RHにおけるそれぞれのサンプルの長さを測定し、次式にて湿度膨張係数を算出する。なお、測定方向が切り出した試料の長手方向であり、5回測定し、その平均値をαhとした。
αh=(L70−L30)/(L30×△H)
ここで、上記式中のL30は30%RHのときのサンプル長(mm)、L70は70%RHのときのサンプル長(mm)、△H:40(=70−30)%RHである。
(6)積層フィルムおよびフィルム層の厚み
積層フィルムを層間の空気を排除しながら10枚重ね、JIS規格のC2151に準拠し、(株)ミツトヨ製ダイヤルゲージMDC−25Sを用いて、10枚重ね法にて厚みを測定し、1枚当りのフィルム厚みを計算する。この測定を10回繰り返して、その平均値を1枚あたりの積層フィルムの全体の厚みとした。
一方、フィルム層(A)およびフィルム層(B)の厚みは、フィルムの小片をエポキシ樹脂にて固定成形し、ミクロトームにて約60nmの厚みの超薄切片(フィルムの製膜方向および厚み方向に平行に切断する)を作成する。この超薄切片の試料を透過型電子顕微鏡(日立製作所製H−800型)にて観察しその境界をからフィルム層(A)とBの厚みを求めた。
(7)データストレージ(磁気テープ)の作成および塗布斑の評価
ダイコーターで、20MPaの張力条件で、幅500mmにスリットされた長さ850mの二軸配向多層積層フィルムまたは積層体の表面粗さが小さいほうの表面に、下記組成の非磁性塗料、磁性塗料を同時に、乾燥後の非磁性層および磁性層の厚みが、それぞれ1.2μmおよび0.1μmとなるように膜厚を変えて塗布し、磁気配向させて120℃×30秒の条件で乾燥させる。さらに、小型テストカレンダ−装置(スチ−ルロール/ナイロンロール、5段)で、温度:70℃、線圧:200kg/cmでカレンダ−処理した後、70℃、48時間キュアリングする。
非磁性塗料の組成
・二酸化チタン微粒子:100重量部
・エスレックA(積水化学製塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体:10重量部
・ニッポラン2304(日本ポリウレタン製ポリウレタンエラストマ):10重量部
・コロネートL(日本ポリウレタン製ポリイソシアネート) : 5重量部
・レシチン: 1重量部
・メチルエチルケトン:75重量部
・メチルイソブチルケトン:75重量部
・トルエン:75重量部
・カーボンブラック: 2重量部
・ラウリン酸:1.5重量部
磁性塗料の組成
・鉄(長さ:0.3μm、針状比:10/1、1800エルステッド)
:100重量部
・エスレックA(積水化学製塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体:10重量部
・ニッポラン2304(日本ポリウレタン製ポリウレタンエラストマ):10重量部
・コロネートL(日本ポリウレタン製ポリイソシアネート) : 5重量部
・レシチン: 1重量部
・メチルエチルケトン:75重量部
・メチルイソブチルケトン:75重量部
・トルエン:75重量部
・カーボンブラック: 2重量部
・ラウリン酸:1.5重量部
このようにして作成した磁性層付フィルムを用意し、その磁性層の反対面に下記組成のバックコートを固形分の厚みが0.5μmとなるように20MPaの張力条件で塗布した後、小型テストカレンダー装置(スチール/ナイロンロール、5段)で、温度85℃、線圧200kg/cmでカレンダー処理し、巻き取る。上記テープ原反を1/2インチ幅にスリットし、それをLTO用のケースに組み込み、長さが850mで磁気記録容量が0.8TBのデータストレージカートリッジを作成した。
(バックコートの組成)
・カーボンブラック(平均粒径20nm) : 95重量部
・カーボンブラック(平均粒径280nm): 10重量部
・αアルミナ : 0.1重量部
・変成ポリウレタン : 20重量部
・変成塩化ビニル共重合体 : 30重量部
・シクロヘキサノン : 200重量部
・メチルエチルケトン : 300重量部
・トルエン : 100重量部
そして、得られた磁気テープについて、目視判定により、以下の基準で塗布斑を評価した。なお、目視判定は、バックコート層側に蛍光灯を設置し、磁性層やバックコート層の抜けによる光の漏れをカウントすることで行ない、下記の基準で評価した。
○:塗布抜けが2個/250m未満
△:塗布抜けが2個/250m以上10個/250m未満
×:塗布抜けが10個/250m以上
(8)TDカール
フィルムサンプルをフィルムの製膜方向(MD)に長さ170mm、幅方向(TD)に幅12.7mmとなるように切り取り、平坦面を下向きにしてロール間隔が80mmのガイドロール上に架けて両端に各0.5gの荷重をかけた状態で、レーザースキャナーを使用してセンターからの両エッジの高さを測定した。
(9)温度膨張係数(αt)
得られたフィルムを、フィルムの製膜方向または幅方向が測定方向となるようにそれぞれ長さ15mm、幅5mmに切り出し、真空理工製TMA3000にセットし、窒素雰囲気下(0%RH)、60℃で30分前処理し、その後室温まで降温させる。その後25℃から70℃まで2℃/minで昇温して、各温度でのサンプル長を測定し、次式より温度膨張係数(αt)を算出する。なお、測定方向が切り出した試料の長手方向であり、5回測定し、その平均値を用いた。
αt={(L60−L40)}/(L40×△T)}+0.5
ここで、上記式中のL40は40℃のときのサンプル長(mm)、L60は60℃のときのサンプル長(mm)、△Tは20(=60−40)℃、0.5は石英ガラスの温度膨張係数(ppm/℃)である。
[実施例1]
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルとエチレングリコールとを、チタンテトラブトキシドの存在下でエステル交換反応を行い、さらに引き続いて重縮合反応を行い、グリコール成分の1.5モル%がジエチレングリコール成分であるフィルム層(A)用のポリエチレン−2,6−ナフタレート(A−1)を得た。なお、ポリエチレン−2,6−ナフタレート(A−1)には、重縮合反応前に得られる樹脂組成物の重量を基準として、平均粒径0.15μmのシリカ粒子を0.05重量%含有させた。
また、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル、6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸そしてエチレングリコールとを、チタンテトラブトキシドの存在下でエステル化反応およびエステル交換反応を行い、さらに引き続いて重縮合反応を行い、酸成分の85モル%が2,6−ナフタレンジカルボン酸成分、酸成分の15モル%が6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分、グリコール成分の98モル%がエチレングリコール成分、グリコール成分の2モル%がジエチレングリコール成分であるフィルム層(B)用の芳香族ポリエステル(B−1)を得た。なお、芳香族ポリエステル(B−1)には、重縮合反応前に得られる樹脂組成物の重量を基準として、平均粒径0.3μmのシリカ粒子を0.2重量%、平均粒径0.15μmのシリカ粒子を0.1重量%含有させた。この芳香族ポリエステル(B−1)の融点は253℃、ガラス転移温度は118℃であった。
このようにして得られた芳香族ポリエステル(A−1)と(B−1)を170℃で6時間乾燥後、押出し機に供給し、295℃まで加熱して溶融状態とし、(A−1)の層用ポリエステルを25層、(B−1)の層用ポリエステルを25層に分岐させた後、(A−1)の層と(B−1)の層が交互に積層するような多層フィードブロック装置を使用して、その積層状態を保持したままダイへと導き、溶融状態で回転中の温度50℃の冷却ドラム上にシート状に押し出し、(A−1)の層と(B−1)の層が交互に積層された総数50層の未延伸多層積層フィルムを作成した。尚、B層とA層の吐出比率は3:1とした。そして、製膜方向に沿って回転速度の異なる二組のローラー間で、上方よりIRヒーターにてフィルム表面温度が140℃になるように加熱して縦方向(製膜方向)の延伸を、延伸倍率4.5倍で行い、一軸延伸フィルムを得た。そして、この一軸延伸フィルムをステンターに導き、145℃で横方向(幅方向)に延伸倍率6.8倍で延伸し、その後210℃で5秒間熱固定処理を行い、160℃で3秒間、幅方向に1.0%弛緩処理を行い、厚さ5μmの二軸配向多層積層フィルムを得た。
得られた二軸配向多層積層フィルムは、表層のA層の厚みが1100nm、内層のA層の厚みが52nm、表層のB層の厚み106nm、内層のB層の厚みが106nmで、その特性を表1に示す。
[実施例2]
実施例1において、B層とA層の各100層ずつに分岐して、吐出比率が2:1となるように変更し、縦倍率を4.3倍、横倍率を6.7倍、1.2%弛緩処理する以外は、実施例1と同様な操作を繰り返して、二軸配向多層積層フィルムを得た。
得られた二軸配向多層積層フィルムは、表層のA層の厚みが1400nm、内層のA層の厚みが17nm、表層のB層の厚みが19nm、内層のB層の厚みが19nmで、その特性を表1に示す。
[実施例3]
実施例1において、B層を以下の(B−2)に変更して、A層を吐出比率が2:1となるように変更し、135℃で縦延伸を4.6倍、140℃で横延伸を7.0倍、1.3%弛緩処理をする以外は、実施例1と同様な操作を繰り返して、二軸配向多層積層フィルムを得た。
得られた二軸配向多層積層フィルムは、表層のA層の厚みが1400nm、内層のA層の厚みが69nm、表層のB層の厚みが77nm、内層のB層の厚みが77nmで、その特性を表1に示す。
(B−2)2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル、6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸そしてエチレングリコールとを、チタンテトラブトキシドの存在下でエステル化反応およびエステル交換反応を行い、さらに引き続いて重縮合反応を行い、酸成分の79モル%が2,6−ナフタレンジカルボン酸成分、酸成分の21モル%が6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分、グリコール成分の98モル%がエチレングリコール成分、グリコール成分の2モル%がジエチレングリコール成分であるフィルム層(B)用の芳香族ポリエステル(B−2)を得た。なお、芳香族ポリエステル(B−2)には、重縮合反応前に得られる樹脂組成物の重量を基準として、平均粒径0.3μmのシリカ粒子を0.2重量%、平均粒径0.15μmのシリカ粒子を0.1重量%含有させた。この芳香族ポリエステル(B−1)の融点は247℃、ガラス転移温度は117℃であった。
[実施例4]
実施例1において、B層を(B−3)に変更して、A層を吐出比率が3:1となるように変更し、130℃で縦延伸を4.6倍、135℃で横延伸を7.0倍、1.2%弛緩処理をする以外は、実施例1と同様な操作を繰り返して、二軸配向多層積層フィルムを得た。
得られた二軸配向多層積層フィルムは、表層のA層の厚みが1100nm、内層のA層の厚みが52nm、表層のB層の厚みが106nm、内層のB層の厚みが106nmで、その特性を表1に示す。
(B−3)2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル、6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸そしてエチレングリコールとを、チタンテトラブトキシドの存在下でエステル化反応およびエステル交換反応を行い、さらに引き続いて重縮合反応を行い、酸成分の73モル%が2,6−ナフタレンジカルボン酸成分、酸成分の27モル%が6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分、グリコール成分の98モル%がエチレングリコール成分、グリコール成分の2モル%がジエチレングリコール成分であるフィルム層(B)用の芳香族ポリエステル(B−3)を得た。なお、芳香族ポリエステル(B−3)には、重縮合反応前に得られる樹脂組成物の重量を基準として、平均粒径0.3μmのシリカ粒子を0.2重量%、平均粒径0.15μmのシリカ粒子を0.1重量%含有させた。この芳香族ポリエステル(B−1)の融点は240℃、ガラス転移温度は117℃であった。
[比較例1]
実施例1において、B層とA層の各100層ずつに分岐して、吐出比率が3:1となるように変更し、0.5%弛緩処理する以外は、実施例1と同様な操作を繰り返して、二軸配向多層積層フィルムを得た。
得られた二軸配向多層積層フィルムは、表層のA層の厚みが1100nm、内層のA層の厚みが13nm、表層のB層の厚みが27nm、内層のB層の厚みが27nmで、その特性を表1に示す。
[比較例2]
芳香族ポリエステル(A−1)を170℃で6時間乾燥後、押出し機に供給し、295℃まで加熱して溶融状態とし、ダイへと導き、溶融状態で回転中の温度50℃の冷却ドラム上にシート状に押し出し、(A−1)の単層シートを作成した。そして、製膜方向に沿って回転速度の異なる二組のローラー間で、上方よりIRヒーターにてフィルム表面温度が145℃になるように加熱して縦方向(製膜方向)の延伸を、延伸倍率4.5倍で行い、一軸延伸フィルムを得た。そして、この一軸延伸フィルムをステンターに導き、150℃で横方向(幅方向)に延伸倍率5.5倍で延伸し、その後210℃で5秒間熱固定処理を行い、160℃で3秒間、幅方向に0.5%弛緩処理を行い、厚さ5μmの二軸配向多層積層フィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
Figure 2011084037
表1中のMDおよびTDは、それぞれ製膜方向および幅方向を意味する。
本発明の二軸配向多層積層フィルムは、優れた寸法安定性と走行性と平坦性とを具備しており、塗布斑などの加工性にも優れることから、さまざまな用途に利用でき、特に高密度磁気記録媒体の支持体として好適に利用できる。

Claims (6)

  1. 芳香族ポリエステル(A)からなるフィルム層(A)と芳香族ポリエステル(B)からなるフィルム層(B)とを交互にかつそれぞれのフィルム層が最表層に位置するように10層以上積層した積層構造を有する二軸配向多層積層フィルムであって、
    下記式(I)で表される6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分の全酸成分に占める割合が、芳香族ポリエステル(A)は5モル%未満で、芳香族ポリエステル(B)は5モル%以上80モル%未満であること、
    少なくとも一方の表面層は、多層積層フィルムの全体厚みに対して、15〜40%の厚みを有すること、そして、
    幅方向のカールが−1.0〜1.0mmの範囲であることを特徴とする二軸配向多層積層フィルム。
    Figure 2011084037
    (上記構造式(I)中のRは、炭素数1〜10のアルキレン基を示す。)
  2. 幅方向の105℃と150℃でそれぞれ30分間熱処理したときの熱収縮率が0.1〜1.0%と3.0〜7.0%の範囲にあることを特徴とする二軸配向多層積層フィルム。
  3. 製膜方向の105℃と150℃でそれぞれ30分間熱処理したときの熱収縮率が0.1〜1.0%と3.0〜7.0%の範囲にある請求項1記載の二軸配向多層積層フィルム。
  4. 一方の表面粗さ(RaX)が0.5〜5nmの範囲で、他方の表面粗さ(RaY)がRaXよりも1nm以上大きく、かつ10nm以下である請求項1記載の二軸配向多層積層フィルム。
  5. フィルム層(B)の合計の厚みが、多層積層フィルム全体の厚みに対して、10〜95%の範囲にある請求項1記載の二軸配向多層積層フィルム。
  6. 二軸配向多層積層フィルムが、磁気記録媒体のベースフィルムに用いられる請求項1記載の二軸配向多層積層フィルム。
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