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JP2011083781A - レーザ溶接によるh形鋼の製造方法 - Google Patents

レーザ溶接によるh形鋼の製造方法 Download PDF

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Yasuhiro Sakurada
康弘 桜田
Toru Ienari
徹 家成
Takefumi Nakako
武文 仲子
Hiroshi Asada
博 朝田
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Abstract

【課題】2箇所のT字状溶接継手部を形成して溶接H形鋼を製造するに際に、1パスのレーザ溶接により形状精度に優れたH形鋼を生産性よく製造する。
【解決手段】ウェブ材の両端部にフランジ材を押し当てた2箇所のT字状継手部をレーザ溶接して溶接H形鋼を製造する際、2つのレーザヘッドをウェブ材の片面側に配置し、前記溶接H形鋼を形作るウェブ材及びフランジ材の垂直な面に位置する2箇所のT字継手部を互いの支点として、一方のレーザヘッドを溶接方向の上流側に傾斜させ、他方のレーザヘッドを溶接方向の下流側に傾斜させて、さらにフランジ材面に対して互いにウェブ材側に傾斜させて配置し、2つのレーザヘッドで前記2箇所の交差部位を同一線L上で同時にレーザ溶接する。
【選択図】図9

Description

本発明は、レーザ光を熱源としたレーザ溶接によってウェブ材とフランジ材を溶接接合した溶接H形鋼を製造する方法に関する。
建築物の躯体を構成する梁等に用いられているH形鋼は、熱間圧延で所定の断面形状に成形した後、必要に応じ後めっき,後塗装等を施すことにより製造されてきた。
しかし、近年の住宅の高耐久化、低コスト化に対応し、H形鋼を形作るウェブ材やフランジ材に表面処理鋼板、特にZnをめっき金属中に含んだZn系めっき鋼板を用い、連続的に高周波溶接で接合する方法で製造した溶接H形鋼が用いられるようになっている。
溶接H形鋼は、通常、連続的に送り込まれるめっき鋼帯等の素板を上下左右のロールで位置決めし、加圧しながら高周波溶接することにより製造されている。しかし、高周波溶接法を採用した場合、加熱されるフランジ材とウェブ材とのT字継手部付近や材料と電極との接触部も加熱されるために、溶接部だけでなく電極と接触する部分においても材料のめっき層がダメージを受けることになる。したがって、ダメージを受けた部分の耐食性を確保するため、広い範囲に渡って補修塗料を塗布する必要がある。
高周波溶接には、上記のような問題の他に、電極自身の摩耗が激しく、短時間で電極を交換する必要が生じるという問題もある。電極の短時間での交換は、溶接コストの上昇や生産効率の低下を招くという問題を含んでいる。また、高周波溶接は大きな溶接電流を与える必要があるために、溶接機が大型となり非常に高価であるため設備投資が大きくなるという問題も含んでいる。
さらに、被溶接形鋼に、サイズ的な制約が加わる。すなわち、高周波溶接では電極を材料表面に接触させる必要があるが、電極ホルダーがH形鋼のフランジ部に接触しやすくなるため、小型品の溶接は困難となる。W80mm×H80mm程度のサイズが限界となり、それ以下のサイズのH型鋼を高周波溶接法で製造することは困難である。
一方で、フランジ材とウェブ材とのT字継手部にレーザ光を照射するレーザ溶接法を採用することも提案されている。
例えば特許文献1では、図1(a)に示すように、1箇所ずつ4回のレーザ溶接を施している。また特許文献2では、図1(b)に示すように、2箇所同時にレーザ溶接する工程を2回施している。上記各特許文献で提案された方法では、多数回の溶接工程を必要とするため、生産性が低くなっている。
そこで、本発明者等は、フランジ材にウェブ材の端部を垂直に押し当てたT字状継手部に、図2に示すように、片側のみからレーザ光を照射してすみ肉溶接を2回行って溶接H形鋼を製造することを提案した(特許文献3,4参照)。
この方法でも2工程必要となって、必ずしも生産性は良くない。
特開平11−123575号公報 特開2005−21912号公報 特開2007−307591号公報 特願2007−293921号
上記特許文献1〜4で提案された製造方法によると、工程数が多いために生産性が低くなっている。
生産性を高めるためには、4台のレーザヘッドを用い、4箇所の溶接を一度に行うことが想定される。しかしながら、4台のレーザヘッドの設置は多大な設備投資を必要とするばかりでなく、小型サイズのH形鋼を製造しようとする場合にあっては、図3に示すように、レーザヘッドが干渉して、レーザ光の焦点合わせに不具合を生じやすくなる。
また、特許文献3,4で提案したような片側のみからレーザ光を照射する方法を活用して2台のレーザヘッドの設置することも、レーザヘッドの干渉を伴うことになる。
レーザヘッドの干渉をなくすために、図4、5に示すように、2つずつに分割して溶接することが想定されるが、4箇所の溶接が2箇所ずつに分けて行われるため、熱変形により溶接位置がずれるおそれがある。溶接位置のずれが起きなくても熱変形が残存し、製品形状が劣ることがある。
本発明は、このような問題を解消すべく案出されたものであり、レーザ溶接により2箇所のT字継手部を形成して溶接H形鋼を製造するに際に、1パスで形状精度に優れたH形鋼を生産性よく製造することを目的とする。
本発明のレーザ溶接によるH形鋼の製造方法は、その目的を達成するため、ウェブ材の両端部にフランジ材を押し当てた2箇所のT字状継手部をレーザ溶接して溶接H形鋼を製造する際、2つのレーザヘッドをウェブ材の片面側に配置し、前記溶接H形鋼を形作るウェブ材及びフランジ材の垂直な面に位置する2箇所のT字継手部を互いの支点として、一方のレーザヘッドを溶接方向の上流側に傾斜させ、他方のレーザヘッドを溶接方向の下流側に傾斜させて、さらにフランジ材面に対して互いにウェブ材側に傾斜させた2つのレーザヘッドで前記2箇所のT字継手部を同時にレーザ溶接することを特徴とする。
この際、ウェブ材の両端部にフランジ材を押圧しつつ、T字継手部にレーザ光を照射することが好ましい。
本発明方法では、フランジ材にウェブ材の端部を垂直に押し当てて形作られた2つのT字状継手部にレーザ光を照射する2つのレーザヘッドが、ウェブ材の片面側に、かつ溶接H形鋼を形作るウェブ材及びフランジ材の垂直な面に位置する2箇所のT字継手部を互いの支点として、一方のレーザヘッドを溶接方向の上流側に傾斜させ、他方のレーザヘッドを溶接方向の下流側に傾斜させて、さらにフランジ材面に対して互いにウェブ材側に傾斜させて配置されている。このため、2つのレーザヘッドが互いに干渉しあうことがない。
2つのレーザヘッドが互いに干渉しあうことがないため、同一方向からの片側1パス溶接により2箇所の溶接を同一線上で行うことが可能になり、形状精度の優れた溶接H形鋼が簡便に製造できる。
したがって、本発明により、めっき鋼板を素材としたH形鋼であっても、最小限の溶接部補修のみで高耐食性を備えた形状精度に優れた溶接H形鋼を低コストで製造することが可能となる。
特許文献1,2で提案されたレーザ溶接法を説明する図 特許文献3,4で提案されたレーザ溶接法を説明する図 複数のレーザヘッドが干渉する態様を説明する図 複数のレーザヘッドを分割配置する形態を説明する図 複数のレーザヘッドを分割配置する他の形態を説明する図 特許文献3,4で提案された方法を採用する時のレーザヘッド分割配置形態を説明する図 溶接後の熱変形を説明する図 溶接後の形状矯正の一例を説明する図 本発明方法におけるレーザヘッド配置形態を説明する図 本発明方法におけるレーザヘッドの配置手順を説明する図
本発明者等は、鋼板を素材として2つのT字状の溶接継手部を備えたH形鋼をレーザ溶接法で製造する際に、生産性よく、かつ形状精度の高い溶接H形鋼を製造する手段について検討を重ねてきた。
前記したように、4台のレーザヘッドを用い、4箇所の溶接を一度に行うことも想定されるが、4台のレーザヘッドの設置は多大な設備投資を必要とするばかりでなく、小型サイズのH形鋼を製造しようとする場合にあっては、レーザヘッドが干渉して、レーザ光の焦点合わせに不具合を生じやすくなる。
レーザヘッドの干渉をなくすために、図4、5に示すように、2つずつに分割して溶接することが想定されるが、4箇所の溶接が2箇所ずつずれて行われるため、すなわち同一線上で同時に行われないため、熱変形により溶接位置がずれるおそれがある。溶接位置のずれが起きなくても熱変形が残存し、製品形状が劣ることがある。
また、図5に見られるように、片側1パス溶接で2箇所溶接する場合は、相反する方向から溶接することになり、後述のように安全上好ましくない。
また、特許文献3,4で提案したような片側のみからレーザ光を照射する方法を活用すべく、レーザヘッドの干渉を防ぐために2台のレーザヘッドを、ウェブ材を挟んだ位置に設置して、2箇所の溶接を同時にレーザ溶接することも想定される(図6参照)。
しかしながら、図6(a)のように左右方向で溶接する場合は片側が上向きになり、図6(b)のように上下方向でも片側は上向きになって、スパッタが飛散したり、レーザ光が誤射された場合等を考慮すると、安全上好ましくない。
さらに片側のみからのレーザ光を照射する方法におけるT字継ぎ手部の溶接部は片側からの溶融のために厳密には非対称な溶接部となっており、溶接熱による変形量も表ビード側と裏ビード側では図7に示すように異なるため、2つのレーザヘッドをウェブ材を挟んだ位置に設置して溶接を行うと、左右非対称な形状となる(図7(b)参照)。
溶接後にフランジ部の熱変形による形状不良を矯正する場合には、一例としては図8に示すようにテーパー状のロールをフランジ間に挿入することで形状矯正が可能である。変形が左右対称であれば上下ロールが同一線上に配置することができ、上下ロールの押込み量をコントロールすることで簡易に形状矯正が可能で、形状精度の優れた溶接H形鋼が容易に得られる(図8(a)参照)。しかし、変形が左右非対称な場合には同一線上に矯正ロールを配置することができないために曲がりやねじれ等の発生要因となり易くなり、さらには左右の変形量が異なるために形状矯正が難しくなる(図8(b)参照)。
そこで、本発明者等は、2つのレーザヘッドを、互いに干渉しないように、フランジ材及びウェブ材に垂直な面に対して互いに反対側に傾斜させて、すなわち、一方を溶接ラインの進行方向に傾け、他方を溶接ラインの後方に傾けて配置し、2つのT字状の継手部を同時に(ライン方向に対して垂直な同一線上で)溶接することとした。傾ける角度は垂直な面に対して反対側に同じ角度とすることが好ましい。
さらに、2つのT字状の継手部をライン方向に対して垂直な同一線L上で溶接するために、各レーザヘッドの向きを前記フランジ材及びウェブ材に垂直な面がそれぞれフランジ材とウェブ材が交差する部位に向くように、2つのレーザヘッドを配置することとした。図9を参照されたい。
このように、2つのレーザヘッドを傾斜配置することにより、レーザヘッドは互いに干渉し合うことはなく、また、2箇所の溶接が同一線上で同時に行えるため熱変形に起因した弊害の発生を抑制することができる。
次に、2つのレーザヘッドを傾斜配置する好ましい手順について説明する。
まず、図10(a)に示すように、フランジ材及びウェブ材に垂直な面Fを想定し、その面Fの上流側及び下流側に、当該面を挟んで2つのレーザヘッドA,Bを配置する。次に、2つのレーザヘッドA,Bを、それぞれ、フランジ材及びウェブ材の長手方向に垂直な面Fがウェブ材と交差する部位に向くように10〜25°の角度で傾斜させる(図10(b)参照)。このときの傾斜角は、必ずしも同一とする必要はないが、フランジ材及びウェブ材に垂直な面Fに対して相等しい角度とすることが好ましい。その後、2つのレーザヘッドA,Bを、それぞれフランジに対して10°程度の角度で相反する方向に傾斜させ、その後に、それぞれ逆の方向にフランジ材及びウェブ材に垂直な面Fとフランジ材が交差する部位まで平行移動させる(図10(c)参照)。
なお、2つのレーザヘッドA,Bを、溶接ラインの進行方向前後に傾斜させるにあたっては、進行方向の前後の傾斜角が垂直に対して同一角でなくても良い。例えば、一方は垂直で他方を溶接ライン進行方向の前後どちらかに傾斜させてもよい。いずれにしても、傾斜角はそれぞれ進行方向の前後25度程度以内で2つのレーザヘッドが干渉しない最小角とすることが好ましい。
そして、2つのレーザヘッドA,Bがフランジ材及びウェブ材に垂直な面Fとフランジ材とが交差する部位に向けられた後にレーザ溶接を開始すればよい。
ところで、レーザ溶接法では高出力のレーザが使用される。このため、被接合金属が溶融されるのであるが、部分的に蒸発・飛散され、被溶接金属が僅かに減少する。また、被溶接金属同士は当接されているが、端面が面出し加工されていない場合には僅かに隙間があり、被溶接金属の減少と被溶接金属間の隙間の影響で接合金属が不足する。これらの現象に加え、溶接点にはシールドガスが噴きつけられていることから溶融池にはガス圧がかかり、また、重力の影響もあって溶接継手部に窪みが形成されることがある。この結果、所定の接合強度が得られないこともある。
そこで、本発明にあっては、ウェブ材を押圧することによりウェブ材自身を多く溶融させ、継手部における接合金属の不足を補って接合強度を高くすることが好ましい。
ウェブ材の押圧方法や押圧量には制限はないが、スクイズロールによりフランジ材をウェブ材の端部に押圧することが好ましい。押圧量としては、フランジ材間隔を0.3〜0.5mm程度減ずるように押圧することが好ましい。
前記した通り、レーザ光を熱源とした溶接法では、狭い断面積で深い溶融金属領域を形成することができる。したがって、レーザ溶接法はめっき鋼板、特にZn系めっき鋼板、さらにはZn−Al系やZn−Al−Mg系めっきを施した鋼板を素材とした溶接構造物の製造に適している。
このため、本発明のレーザ溶接によるH形鋼の製造方法は、Zn系めっき鋼板、特にZn−Al系やZn−Al−Mg系のめっきを施した鋼板を素材としたH形鋼の製造に好適に用いられる。
実施例1;
板厚が2.3mmで引張強さが400N/mm2の鋼板にZn−6%Al−3%Mg合金めっき層を片面当り付着量が90g/m2で設けた溶融めっき鋼板を素材とした。板幅80mmにカットした素材をフランジ材に、製品高さから2枚のフランジ厚みを除した板幅75.4mmにカットした素材をウェブ材として、フランジ材を垂直に、ウェブ材を水平に、断面形状がH形状になるようにバイス等で固定し、80mm×80mmの溶接H形鋼を作製した。溶接方法はフランジ材をウェブ材の端部に垂直に押し当てて形作られた2つのT字状継手部にレーザ光を同時に照射する方法で、しかも2つのレーザヘッドは、H形を形作るウェブ材およびフランジ材の垂直な面に位置する2箇所のT字継手部を支点として、一方のレーザヘッドをラインの進行方向に15度傾け、他方のレーザヘッドを溶接ラインの後方に15度傾けて配置し、しかも垂直に配置したフランジ材に対して互いにウェブ側に10度傾斜させて配置し、各レーザヘッドの向きをそれぞれフランジ材とウェブ材が交差する部位に向くように配置して、被ウェブ材の幅方向全域に渡ってすみ肉溶接を2箇所同時に実施した。溶接時のレーザ出力は、それぞれ4.0kW,溶接速度が4.0m/min,シールドガスをアルゴンとして20リットル/min供給した。
実施例2;
実施例1においてはワイヤー等の装填材を使用しないことから、溶接継手部に窪みが形成されると想定される。そこで、溶接継手部における溶接金属の不足を補う手法として溶接点近傍をロール等によって5kN程度の押圧をかけて、しかもレーザ光の照射位置はロールとフランジの接点よりライン入側に3〜6mm程度の位置を照射した方が継手部は溶融状態で押圧が最もかかるロール接点を通過するために、ロールによる押圧が効果的に働く。この際、ロールによって押圧されることでH形鋼の高さは0.3〜0.5mm程度小さくなるため、ウェブ材は予め製品寸法に0.5mm程度加えた値から2枚のフランジ厚みを除した板幅に設定しておく必要がある。その他の溶接方法や溶接条件は実施例1と同じである。
そして、実施例1と2で製造したH形鋼の横断面を目視観察したところ、実施例1で製造されたH形鋼では、フランジ材とウェブ材の交差点にごく僅かな窪みが認められた。一方、実施例2で製造されたH形鋼では、フランジ材とウェブ材の交差点の外側にはみ出すように溶接ビードが僅かではあるが形成されており、窪みは全く認められなかった。

Claims (2)

  1. ウェブ材の両端部にフランジ材を押し当てた2箇所のT字状継手部をレーザ溶接して溶接H形鋼を製造する際、2つのレーザヘッドをウェブ材の片面側に配置し、前記溶接H形鋼を形作るウェブ材及びフランジ材の垂直な面に位置する2箇所のT字継手部を互いの支点として、一方のレーザヘッドを溶接方向の上流側に傾斜させ、他方のレーザヘッドを溶接方向の下流側に傾斜させて、さらにフランジ材の面に対して互いにウェブ材側に傾斜させた2つのレーザヘッドで前記2箇所のT字継手部を同時にレーザ溶接することを特徴とするレーザ溶接によるH形鋼の製造方法。
  2. ウェブ材の両端部にフランジ材を押圧しつつ、T字継手部にレーザ光を照射する請求項1に記載のレーザ溶接によるH形鋼の製造方法。
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