JP2011077001A - 導電性材料用後処理液 - Google Patents
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Abstract
【課題】液を経時した際にも酵素の活性を低下させずに高い導電性が得られ、且つ他の機能材との接着性が低下することのない導電性材料用後処理液を提供する。
【解決手段】酵素と、該酵素に対して2〜30倍量(質量基準)の水溶性ハロゲン化物を含有する導電性材料用後処理液。
【選択図】なし
【解決手段】酵素と、該酵素に対して2〜30倍量(質量基準)の水溶性ハロゲン化物を含有する導電性材料用後処理液。
【選択図】なし
Description
本発明は、電子回路、アンテナ回路、電磁波シールド材、タッチパネル等の用途に用いる導電性材料を製造する際に用いる導電性材料用後処理液に関するものである。
近年、情報化社会が急速に発達するに伴って、情報関連機器に関する技術が急速に進歩し普及してきた。この中で、ディスプレイ装置は、テレビジョン用、パーソナルコンピューター用、駅や空港等の案内表示用、その他各種情報提供用に用いられている。特に、近年プラズマディスプレイが注目されている。
このような情報化社会の中にあって、これらのディスプレイ装置から放射される電磁波の影響が心配されている。例えば、周辺の電子機器への影響や人体への影響が考えられている。特に、人体の健康に及ぼす影響は無視することができないものになっており、人体に照射される電磁界の強度の低減が求められ、このような要求に対して様々な導電性材料が開発されている。例えば、特開平11−126024号公報、特開2000−329934号公報、特開2001−38843号公報、特開2001−47549号公報、特開2001−57110号公報、特開2001−60416号公報等に開示されている。
このような人体に照射される電磁界の強度の低減を図るための導電性材料として、電磁波シールド材がよく知られている。公知の電磁波シールド材は、大きく分類すると、ITO等を利用する導電膜による電磁波シールド材と、導電性の金属メッシュによる電磁波シールド材の2つに区分される。このうち、導電膜による電磁波シールド材は、金属メッシュによる電磁波シールド材に比べて透明性に優れる反面、表面抵抗率が大きく、電磁波シールド性能に劣る。このため、例えばPDP(プラズマディスプレイパネル)等の強い電磁波を発生させる機器からの電磁波をシールドする用途では、金属メッシュによる電磁波シールド材が好ましい。
近年、金属メッシュによる電磁波シールド材としては、導電性材料前駆体としてハロゲン化銀乳剤層を有する銀塩感光材料を使用する方法が提案されている。例えば国際公開第01/51276号パンフレット(特許文献1)、特開2004−221564号公報(特許文献2)では銀塩感光材料を像露光、現像処理した後、金属めっき処理を施すことで導電性材料を製造する方法の提案がなされている。同じく銀塩感光材料を使う方法として銀塩拡散転写法を用いる方法も提案されており、例えば特開2003−77350号公報(特許文献3)等がある。
しかしながら上記したハロゲン化銀乳剤層を有する導電性材料前駆体を利用して得られた導電性材料は、例えば電解めっきにより金属めっき処理を施す場合には導電性が不十分であったり、また該導電性材料を他の機能層、例えば紫外線吸収層や反射防止層等と貼り合わせされる場合、十分な接着性が得られないという問題があった。このような問題を解決する導電性材料用後処理液として、例えば特開2007−12404号公報(特許文献4)や特開2009−87615号公報(特許文献5)に記載される、酵素含有後処理液が知られている。
また上記した導電性材料において、更に高い導電性と保存安定性を付与する導電性材料用後処理液として、特開2008−34366号公報(特許文献6)には水溶性ハロゲン化合物を含有する後処理液が提案されている。更に特開2008−218264号公報(特許文献7)には、銀塩感光材料により銀画像を形成させた後、酵素含有処理液による処理を施した後、水溶性ハロゲン化物を含有する処理液で処理する導電性材料の製造方法が提案されている。
しかしながらこれらの後処理を個別に施すのは煩雑であるため、1工程で実施することを目的に主要成分である酵素と水溶性ハロゲン化物を共に含有する導電性材料用後処理液を作製した場合、該後処理液の経時に伴い水溶性ハロゲン化物が酵素の活性を低下させ、十分満足できる導電性材料は得られないという問題が生じた。従って酵素と水溶性ハロゲン化物を共に含有し、液を経時した際にも酵素の活性を低下させずに高い導電性が得られ、かつ他の機能材との接着性が低下することのない導電性材料用後処理液が求められていた。
一方、金属メッシュによる電磁波シールド材としては、前記した導電性材料前駆体としてハロゲン化銀乳剤層を有する銀塩感光材料を使用する方法の他に、金属銀超微粒子を用いた方法も知られている。例えば特開平3−281783号公報(特許文献8)には金属超微粒子を分散させたペーストを基材上に付与し、その後900℃程度の温度で焼成する方法が開示されており、特開2005−81501号公報(特許文献9)には220℃程度の焼成により実用的な導電率が得られる高濃度の金属超微粒子分散液が開示されている。しかしながらこのような高温の焼成処理は用いる基材を限定してしまう。
焼成処理をすることなく実用的な導電性を得る金属超微粒子を用いた導電性材料の製造方法としては、例えば特開2008−4375号公報(特許文献10)に、水溶性ハロゲン化物を含有する処理液で処理する導電性材料の製造方法が提案されている。また金属超微粒子を用いた方法においても前記したハロゲン化銀乳剤層を有する導電性材料前駆体を利用して得られた導電性材料と同様に、他の機能層、例えば紫外線吸収層や反射防止層等と貼り合わせされる場合に十分な接着性が得られないという問題があり、液を経時した際にも酵素の活性を低下させずに高い導電性が得られ、かつ他の機能材との接着性が低下することのない導電性材料用後処理液が求められていた。
しかるに本発明は、酵素と水溶性ハロゲン化物を共に含有し、液を経時した際にも酵素の活性を低下させずに高い導電性が得られ、かつ他の機能材との接着性が低下することのない導電性材料用後処理液を提供するものである。
本発明の上記課題は、以下の発明によって基本的に達成される。
(1)酵素と、該酵素に対して2〜30倍量(質量基準)の水溶性ハロゲン化物を含有する導電性材料用後処理液。
(1)酵素と、該酵素に対して2〜30倍量(質量基準)の水溶性ハロゲン化物を含有する導電性材料用後処理液。
本発明により、酵素と水溶性ハロゲン化物を共に含有し、液を経時した際にも酵素の活性を低下させずに高い導電性が得られ、かつ他の機能材との接着性が低下することのない導電性材料用後処理液を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。本発明の導電性材料用後処理液(以降、本発明の後処理液と称す)に用いる酵素は、導電性材料前駆体として用いるハロゲン化銀乳剤層を有する銀塩感光材料が含有する水溶性高分子バインダーや、金属銀超微粒子を分散させたペーストを付与する基材上に設けられた易接着層が含有する水溶性高分子バインダーに作用させることができる酵素を用いる。
例えば、通常ハロゲン化銀乳剤にはゼラチンが水溶性バインダーとして用いられるが、この場合ゼラチンが蛋白質であることから蛋白質分解酵素を用いる。また、金属銀超微粒子を分散させたペーストを塗布する易接着層においては、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カラギーナン、アラビアゴム、アルブミン、ポリエチレンイミン、ヒドロキシプロピルセルロース類等の水溶性高分子類が易接着層のバインダーとして用いられるが、この場合においては使用するバインダーに応じて使用する分解酵素を使い分ける必要がある。
本発明において蛋白質分解酵素を用いる場合は、植物性または動物性酵素で公知のものが用いられる。例えば、ペプシン、レンニン、トリプシン、キモトリプシン、カテプシン、パパイン、フィシン、トロンビン、レニン、コラゲナーゼ、ブロメライン、細菌プロテアーゼ(例えば、長瀬産業(株)製のビオプラーゼ)等が挙げられる。この中でも特に、トリプシン、パパイン、フィシン、細菌プロテアーゼが好ましい。またその他の酵素としては各種公知の酵素が使え、使用するバインダーに応じて用いることができる。例えば、セルロース分解酵素を用いる場合は、セルラーゼ、アミラーゼ等が挙げられる。
本発明において本発明の後処理液中の酵素は上記した酵素単独で用いてもよいし、複数を混合して使用してもよい。導電性材料用後処理液中の酵素含有量は0.5〜50g/L程度が適当であり、好ましくは0.5〜5g/Lである。
本発明において水溶性ハロゲン化合物として用いるハロゲンとしてはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素のいずれでも良く、25℃における水に対する溶解度が少なくとも0.1質量%以上ある化合物であって、水溶液中でハロゲン化物イオンを放出しうる化合物であればいずれでも使用できる。かかる水溶性ハロゲン化合物としては塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、フッ化水素酸等の水素酸や、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム、塩化ルビジウム等の塩化物、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化リチウム等の臭化物、ヨウ化ナトリウム等のヨウ化物、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム等のフッ化物等の各種無機ハロゲン化物や、ジメチルアミン塩酸塩やトリメチルアミン臭酸塩等のアミン塩類、塩化ベンザルコニウム、アルキルピリジニウム塩酸塩、イミダゾリニウム塩酸塩、ポリアリルアミン塩酸塩やジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合物等が挙げられる。この中で好ましいのは水溶液中で塩化物イオンを放出しうる化合物で、中でも塩化ナトリウムや塩化カリウム等の水溶性無機塩化物が好ましい。これら水溶性ハロゲン化合物は上記酵素に対して2〜30倍量(質量基準)の範囲で含有させる。
本発明の後処理液には、上記した酵素や水溶性ハロゲン化物の他に、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム等の膨潤抑制剤、加えて公知の界面活性剤、消泡剤、防カビ剤、キレート剤、酵素の活性を維持させるための蛋白質や糖類、増粘剤、凝集剤、溶媒等を含有させることができる。
本発明の後処理液を用いる際の好ましい処理温度は20℃以上であり、より好ましくは30〜45℃である。処理時間は処理液の成分にもよるが10秒以上、好ましくは25〜120秒の範囲である。処理方法としては浸漬処理する方法、処理液をシャワーでかける方法、塗布する方法等のいずれの方法でも可能であるが、温度の安定性や処理液の成分の結晶化の起きにくい浸漬処理する方法を用いることが好ましい。また、処理の後には水洗処理をし、導電性材料表面に後処理液の成分の結晶化を防ぐ処置をとることが好ましい。
本発明の後処理液のpHは10以下、好ましくは6〜10であり、更に好ましくは6.5〜8.5である。好ましいpHに調整するため処理液にはりん酸等の公知のpH緩衝剤やトリエタノールアミン等のアルカリ剤を用いることができる。
本発明の後処理液による処理は、導電性材料前駆体として用いる銀塩感光材料を像様に露光し、これ引き続き現像処理を施すことで基材上に銀画像が形成された後で行われる。また金属銀超微粒子用いる方法においては、金属銀超微粒子を分散させたペーストを基材上に付与し、乾燥した後に行われる。
次に銀塩感光材料を導電性材料前駆体として利用し、銀画像を形成する方法について説明する。かかる方法としては、下記(a)、(b)または(c)に示す方法がある。
(a)基材上に少なくともハロゲン化銀乳剤層を有する銀塩感光材料を露光し、現像処理を施した後、定着処理する方法。
(b)基材上に少なくとも物理現像核層及びハロゲン化銀乳剤層を有する銀塩感光材料を露光し、銀塩拡散転写法に従う現像処理を施した後、不要となったハロゲン化銀乳剤層を少なくとも水洗除去する方法。
(c)基材上に少なくともハロゲン化銀乳剤層を有する銀塩感光材料を露光し、硬化現像法に従う現像処理を施した後、不要となった未硬化部のハロゲン化銀乳剤層を少なくとも水洗除去する方法。
(a)基材上に少なくともハロゲン化銀乳剤層を有する銀塩感光材料を露光し、現像処理を施した後、定着処理する方法。
(b)基材上に少なくとも物理現像核層及びハロゲン化銀乳剤層を有する銀塩感光材料を露光し、銀塩拡散転写法に従う現像処理を施した後、不要となったハロゲン化銀乳剤層を少なくとも水洗除去する方法。
(c)基材上に少なくともハロゲン化銀乳剤層を有する銀塩感光材料を露光し、硬化現像法に従う現像処理を施した後、不要となった未硬化部のハロゲン化銀乳剤層を少なくとも水洗除去する方法。
本発明において導電性材料前駆体は露光後、上記(a)〜(c)のいずれかの写真製法により画像形成される。(a)の方法は例えば前記特開2004−221564号公報に記載される方法であり、(b)の方法は例えば特公昭42−23745号公報に記載の方法であり、(c)の方法は例えばJ.Photo.Sci.誌11号 p1、A.G.Tull著(1963)あるいは「The Theory of the photographic Process(4th edition,p326−327)」、T.H.James著等に記載されているように、硬化現像法に従い、基材上にレリーフ画像を形成させる方法である。硬化現像法とは、基材上に作製した実質的に硬膜剤を含まない未硬膜のハロゲン化銀乳剤層を、ポリヒドロキシベンゼン系等の現像主薬を含む現像液で処理することによって、現像主薬が露光されたハロゲン化銀を還元した際に、現像主薬自身から生成された酸化化合物により、ゼラチンを始めとする水溶性高分子化合物を架橋し画像状に硬膜させる方法である。
本発明の上記写真製法(a)〜(c)に用いた銀画像形成材料の作製方法について説明する。写真製法(a)を用いた銀画像形成材料の作製方法をタイプA、写真製法(b)を用いた銀画像形成材料の作製方法をタイプB、写真製法(c)を用いた銀画像形成材料の作製方法をタイプCと略して、順に説明する。
<タイプA>
本発明のタイプAの銀画像形成材料は、基材上に少なくともハロゲン化銀乳剤層を有する銀塩感光材料を露光し、現像処理を施した後、定着処理することによって基材上に銀画像を得ることができる。従って、銀塩感光材料としては、基材上に、少なくともハロゲン化銀乳剤層を塗布したものが用いられ、基材としては、プラスチック、ガラス、ゴム、セラミックス等が好ましく用いられる。透明導電性基材を作製する場合には、プラスチック、ガラス等、可視領域で透明性を有し、全光線透過率が60%以上のものが好ましい。プラスチックの中でも、フレキシブル性を有する樹脂フィルムは、取扱い性が優れている点で好適に用いられる。本発明の基材に使用される樹脂フィルムの具体例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、環状ポリオレフィン樹脂等からなる厚さ50〜300μmの樹脂フィルムが挙げられる。ガラスとしては、NESAガラス、ITOガラス等の導電性ガラス、ソーダライムガラス、無アルカリガラス(コーニング7059ガラス)等を挙げることができる。基材としてプラスチックを用いる場合には、基材上に塩化ビニリデンやポリウレタン等の接着層を設けることが好ましく、基材としてガラスを用いる場合には、コロイダルシリカ、酸化チタン等の金属酸化物層等の接着層を設け、その後150〜500℃で加熱処理することが好ましい。
本発明のタイプAの銀画像形成材料は、基材上に少なくともハロゲン化銀乳剤層を有する銀塩感光材料を露光し、現像処理を施した後、定着処理することによって基材上に銀画像を得ることができる。従って、銀塩感光材料としては、基材上に、少なくともハロゲン化銀乳剤層を塗布したものが用いられ、基材としては、プラスチック、ガラス、ゴム、セラミックス等が好ましく用いられる。透明導電性基材を作製する場合には、プラスチック、ガラス等、可視領域で透明性を有し、全光線透過率が60%以上のものが好ましい。プラスチックの中でも、フレキシブル性を有する樹脂フィルムは、取扱い性が優れている点で好適に用いられる。本発明の基材に使用される樹脂フィルムの具体例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、環状ポリオレフィン樹脂等からなる厚さ50〜300μmの樹脂フィルムが挙げられる。ガラスとしては、NESAガラス、ITOガラス等の導電性ガラス、ソーダライムガラス、無アルカリガラス(コーニング7059ガラス)等を挙げることができる。基材としてプラスチックを用いる場合には、基材上に塩化ビニリデンやポリウレタン等の接着層を設けることが好ましく、基材としてガラスを用いる場合には、コロイダルシリカ、酸化チタン等の金属酸化物層等の接着層を設け、その後150〜500℃で加熱処理することが好ましい。
本発明のタイプAに用いる銀塩感光材料のハロゲン化銀乳剤層は、ハロゲン化銀に関する銀塩写真フィルムや印画紙、印刷製版用フィルム、フォトマスク用エマルジョンマスク等で用いられる技術は、本発明においてもそのまま用いることもできる。
ハロゲン化銀に含有されるハロゲン化物としては、塩化物、臭化物、ヨウ化物及びフッ化物のいずれであってもよく、これらを組み合わせでもよい。ハロゲン化銀乳剤粒子の形成には、順混合、逆混合、同時混合等の当業界では周知の方法が用いられる。中でも同時混合法の1種で、粒子形成される液相中のpAgを一定に保ついわゆるコントロールドダブルジェット法を用いることが、粒径の揃ったハロゲン化銀乳剤粒子が得られる点において好ましい。本発明においては、好ましいハロゲン化銀乳剤粒子の平均粒径は0.25μm以下、特に好ましくは0.05〜0.2μmである。
ハロゲン化銀粒子の形状は特に限定されず、例えば、球状、立方体状、平板状(六角平板状、三角形平板状、四角形平板状等)、八面体状、十四面体状等様々な形状であることができる。
ハロゲン化銀乳剤の製造において、必要に応じて、ハロゲン化銀粒子の形成あるいは物理熟成の過程において、亜硫酸塩、鉛塩、タリウム塩、あるいはロジウム塩もしくはその錯塩、イリジウム塩もしくはその錯塩等VIII族金属元素の塩もしくはその錯塩を共存させてもよい。また、種々の化学増感剤によって増感することができ、イオウ増感法、セレン増感法、貴金属増感法等の当業界で一般的な方法を、単独、あるいは組み合わせて用いることができる。
ハロゲン化銀乳剤は、必要に応じて、分光増感することもできる。また、ハロゲン化銀乳剤は必ずしもネガ感光性でなくてもよく、必要に応じて、ポジ感光性を持つ直接反転乳剤としてもよい。これにより、ネガ型をポジ型に、ポジ型をネガ型に変換することができる。直接反転乳剤に関しては、特開平8−17120号公報、特開平8−202041号公報に記載されている方法によって作製することができる。
本発明のタイプAで用いる銀塩感光材料のハロゲン化銀乳剤層の塗布銀量としては、銀画像を形成させるために、少なくとも0.01g(硝酸銀換算)/m2は必要である。また、銀画像を導電性の優れた微細配線部に用いる場合は2.0〜4.0g(硝酸銀換算)/m2が好ましい。塗布銀量があまり多すぎると、長い現像時間を必要としたり、基材に近い側のハロゲン化銀乳剤粒子の感光性が低下したりする等の問題があるため、5.0g(硝酸銀換算)/m2程度を上限とすべきである。
本発明のタイプAで用いる銀塩感光材料のハロゲン化銀乳剤層はバインダーを含有する。酵素処理により導電性材料前駆体の導電性が増し、またそれがめっきしやすくなるためには該バインダーが酵素の作用を受け、変成する必要がある。そのためには、少なくともバインダー総量のうちの30質量%以上、好ましくは30〜90質量%、更に好ましくは50〜80質量%は酵素処理で分解可能となるポリマーを用いる必要がある。通常酵素処理が可能なポリマーは天然ポリマーである。また、本発明においてハロゲン化銀乳剤層に含有するハロゲン化銀量とバインダー量の比率は、ハロゲン化銀(銀換算)とバインダーとの質量比(銀/ゼラチン)が1.2以上、より好ましくは1.5〜3.5である。
本発明における好ましい天然ポリマーとしてはゼラチン、カゼイン、アルブミン等の蛋白質、澱粉、デキストリン等の多糖類、セルロース及びその誘導体(例えばカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース等)、アルギン酸、カラギーナン、フコイダン、キトサン、ヒアルロン酸等を用いることができ、その中でも最も好ましい天然ポリマーはゼラチンである。またコハク化ゼラチン等公知の方法で修飾した天然ポリマーを用いることもできる。
前述の通り、本発明において用いるハロゲン化銀乳剤層に含有するバインダーは酵素処理で溶解しうるバインダーを用いるが、本発明においてはハロゲン化銀乳剤層にその酵素が作用しないバインダーも含有することができる。そのようなバインダーとしては、使用する酵素が作用しない天然ポリマー(例えばハロゲン化銀乳剤層中にゼラチンを使用し、酵素処理液中に蛋白質分解酵素を使用する場合にはセルロース誘導体等を用いる)や、合成ポリマー、ラテックスバインダー等を用いる。
本発明において用いる水溶性の合成ポリマーとしては、例えばポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアミン、ポリリジン、ポリアクリル酸等が挙げられる。また、これらのグラフト重合ポリマー等も用いることができる。
本発明において用いる非水溶性の合成ポリマーとしての高分子ラテックスとしては、単独重合体や共重合体等各種公知のラテックスを用いることができる。単独重合体としては酢酸ビニル、塩化ビニル、スチレン、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、メタクリロニトリル、ブタジエン、イソプレン等があり、共重合体としてはエチレン・ブタジエン、スチレン・ブタジエン、スチレン・p−メトオキシスチレン、スチレン・酢酸ビニル、酢酸ビニル・塩化ビニル、酢酸ビニル・マレイン酸ジエチル、メチルメタクリレート・アクリロニトリル、メチルメタクリレート・ブタジエン、メチルメタクリレート・スチレン、メチルメタクリレート・酢酸ビニル、メチルメタクリレート・塩化ビニリデン、メチルアクリレート・アクリロニトリル、メチルアクリレート・ブタジエン、メチルアクリレート・スチレン、メチルアクリレート・酢酸ビニル、アクリル酸・ブチルアクリレート、メチルアクリレート・塩化ビニル、ブチルアクリレート・スチレン等がある。本発明で用いる高分子ラテックスの平均粒径は0.01〜1.0μmであることが好ましく、更に好ましくは0.05〜0.8μmである。
本発明のハロゲン化銀乳剤層は架橋剤で架橋されていることが好ましい。かかる架橋剤としては、例えばクロム明ばんのような無機化合物、ホルマリン、グリオキザール、マレアルデヒド、グルタルアルデヒドのようなアルデヒド類、尿素やエチレン尿素等のN−メチロール化合物、ムコクロル酸、2,3−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサンのようなアルデヒド等価体、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン塩や、2,4−ジヒドロキシ−6−クロロ−トリアジン塩のような活性ハロゲン化合物、ジビニルスルホン、ジビニルケトンやN,N,N−トリアクロイルヘキサヒドロトリアジン、活性な三員環であるエチレンイミノ基やエポキシ基を分子中に2個以上有する化合物類、高分子硬膜剤としてのジアルデヒド澱粉等の種々の化合物の1種もしくは2種以上を用いることができる。架橋剤量としては、ハロゲン化銀乳剤層に含まれる天然ポリマーや水溶性の合成ポリマー等の水溶性高分子化合物に対して0.1〜30質量%をハロゲン化銀乳剤層に含有させるのが好ましく、特に1〜20質量%が好ましい。
ハロゲン化銀乳剤層には、更に種々の目的のために、公知の写真用添加剤を用いることができる。これらは、Research Disclosure Item 17643(1978年12月)及び18716(1979年11月)、308119(1989年12月)に記載、あるいは引用された文献に記載されている。
本発明のタイプAで用いる銀塩感光材料には、必要に応じて、裏塗り層、オーバー層、接着層等の非感光性層を設けることができる。裏塗り層は、基材のハロゲン化銀乳剤層と反対面に設け、カールを調整する目的で設けられる。オーバー層は、ハロゲン化銀乳剤層の上に設け、傷を防止する目的で設けられる。接着層は、基材と銀画像との間の接着性を向上する目的等で設けられる。従って、基材とハロゲン化銀乳剤層との間に設けることが好ましい。
これらの非感光性層は、水溶性高分子化合物を主たるバインダーとする層である。ここで主たるとは、非感光性層の全固形分塗布量の50質量%以上が水溶性高分子化合物であることを意味する。また、ここでいう水溶性高分子化合物とは、現像液で容易に膨潤し、現像液を容易に浸透させるものであれば任意のものが選択できる。具体的には、ゼラチン、アルブミン、カゼイン、ポリビニルアルコール等を用いることができる。特に好ましい水溶性高分子化合物は、ゼラチン、アルブミン、カゼイン等の蛋白質である。非感光性層のバインダー量としては、各々の用途によって異なるが、0.001〜10g/m2の範囲が好ましい。ただし、本発明のタイプAで用いる銀塩感光材料にオーバー層を設ける場合は、銀が表面に露出しにくくなるので、できるだけ薄いほうが好ましく、好ましい使用量は0.1g/m2以下、更に好ましくは0.05g/m2以下である。
これら非感光性層には、必要に応じてResearch Disclosure Item 17643(1978年12月)及び18716(1979年11月)、308119(1989年12月)に記載されているような公知の写真用添加剤を含有させることができ、前述の水溶性高分子化合物の架橋剤により硬膜させることも可能である。
また、銀塩感光材料を構成する各層の塗布は、例えばディップコーティング、スライドコーティング、カーテンコーティング、バーコーティング、エアーナイフコーティング、ロールコーティング、グラビアコーティング、スプレーコーティング等の塗布方式で塗布することができ、その塗布方式に合わせて、界面活性剤及び増粘剤等の各種塗布助剤を用いることができる。
本発明のタイプAで用いる銀塩感光材料には、上記構成層中にハロゲン化銀乳剤の感光波長域に吸収極大を有する非増感性染料または顔料を、画質向上のためのハレーション、あるいはイラジエーション防止剤として用いることが好ましい。ハレーション防止剤としては、裏塗り層あるいは、例えば接着層等のハロゲン化銀乳剤層と基材の間に設けられる層に用いることが好ましく、これら2つ以上の層に分けて用いてもよい。イラジエーション防止剤としては、ハロゲン化銀乳剤層に用いることが好ましい。これら非増感性染料または顔料の添加量は、目的の効果が得られるのであれば広範囲に変化しうるが、0.01〜1g/m2の範囲が好ましい。
また、本発明のタイプAで用いる銀塩感光材料には、前記構成層中に現像主薬を含有させてもよい。現像主薬として具体的にはヒドロキノン、アスコルビン酸、p−アミノフェノール、p−フェニレンジアミン、フェニドン等が挙げられる。
次に、タイプAにおける銀画像を形成するための方法について説明する。銀画像を形成するには、前記感光材料を露光し、現像処理する必要がある。露光方法としては、透過原稿とハロゲン化銀乳剤層を密着して露光する方法、あるいは各種レーザー光、例えば400〜430nmに発振波長を有する青色半導体レーザー(バイオレットレーザーダイオードともいう)を用いて走査露光する方法等がある。
本発明のタイプAの現像処理には、銀塩感光材料に前記ネガ型のハロゲン化銀乳剤を用いた場合、露光により、光を照射した部分のハロゲン化銀を還元する現像処理工程と、光を照射していない部分のハロゲン化銀を溶解除去するための定着処理工程がある。一方、銀塩感光材料にポジ型のハロゲン化銀乳剤を用いた場合、露光により、光を照射していない部分のハロゲン化銀を還元する現像処理工程と、光を照射した部分のハロゲン化銀を溶解除去するための定着処理工程がある。また、ネガ型及びポジ型のいずれのハロゲン化銀乳剤を用いた場合においても、現像処理工程と定着処理工程との間に、例えば、酢酸、クエン酸等を含有する酸性水溶液を用いて現像停止処理、現像処理または定着処理で生成した不要な塩を除去するための水洗処理を行ってもよい。
本発明のタイプAの現像処理で用いる現像液は、基本組成として現像主薬、保恒剤、アルカリ剤、カブリ防止剤等からなる。現像主薬として具体的にはヒドロキノン、アスコルビン酸、p−アミノフェノール、p−フェニレンジアミン、フェニドン等が挙げられる。これらの一部は銀塩感光材料に含有させてもよい。保恒剤としては、亜硫酸イオン等がある。アルカリ剤は、現像主薬の還元性を発揮するために必要であり、現像液のpHを9以上、好ましくは10以上になるように添加される。また安定に塩基性を保つための、炭酸塩やりん酸塩のような緩衝剤も用いられる。更に現像核を持たないハロゲン化銀粒子が還元されないように加えられるカブリ防止剤としては、臭化物イオン、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール等が挙げられる。
更に、本発明のタイプAの現像液には可溶性銀錯塩形成剤を含有させることが好ましい。可溶性銀錯塩形成剤として、具体的にはチオ硫酸アンモニウムやチオ硫酸ナトリウムのようなチオ硫酸塩、チオシアン酸ナトリウムやチオシアン酸アンモニウムのようなチオシアン酸塩、亜硫酸ナトリウムや亜硫酸水素カリウムのような亜硫酸塩、1,10−ジチア−18−クラウン−6、2,2′−チオジエタノール等のチオエーテル類、オキサゾリドン類、2−メルカプト安息香酸及びその誘導体、ウラシルのような環状イミド類、アルカノールアミン、ジアミン、特開平9−171257号公報に記載のメソイオン性化合物、5,5−ジアルキルヒダントイン類、アルキルスルホン類、他に「The Theory of the photographic Process(4th edition,p474〜475)」、T.H.James著に記載されている化合物が挙げられる。
これらの可溶性銀錯塩形成剤の中で特にアルカノールアミンが好ましい。アルカノールアミンとしては、例えばN−(2−アミノエチル)エタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エタノールアミン、4−アミノブタノール、N,N−ジメチルエタノールアミン、3−アミノプロパノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等が挙げられる。
これらの可溶性銀錯塩形成剤は単独で、または複数組み合わせて使用することができる。また可溶性銀錯塩形成剤量としては0.1〜40g/L、好ましくは1〜20g/Lである。現像処理温度は通常15℃から45℃の間で選ばれるが、より好ましくは25〜40℃である。現像時間としては、生産効率を考慮して、120秒以下が好ましい。
現像を行うための現像液の供給方式は、浸漬方式であっても塗布方式であってもよい。浸漬方式は、例えば、タンクに大量に貯流された現像液中に、前記露光済みの銀塩感光材料を浸漬しながら搬送するものであり、塗布方式は、例えばハロゲン化銀乳剤層上に現像液を1m2あたり40〜120mL程度塗布するものである。
定着処理は未現像部分の銀塩を除去して安定化させる目的で行われる。定着処理には公知の銀塩写真フィルムや印画紙、印刷製版用フィルム、フォトマスク用エマルジョンマスク等に用いられる定着処理の技術を用いることができ、「写真の化学」(笹井著、写真工業出版社(株))p321記載の定着液等が挙げられる。
その中でも、チオ硫酸塩以外の脱銀剤が含まれる定着液が好ましい。その場合の脱銀剤としてはチオシアン酸ナトリウムやチオシアン酸アンモニウムのようなチオシアン酸塩、亜硫酸ナトリウムや亜硫酸水素カリウムのような亜硫酸塩、1,10−ジチア−18−クラウン−6、2,2′−チオジエタノール等のチオエーテル類、オキサゾリドン類、2−メルカプト安息香酸及びその誘導体、ウラシルのような環状イミド類、アルカノールアミン、ジアミン、特開平9−171257号公報に記載のメソイオン性化合物、5,5−ジアルキルヒダントイン類、アルキルスルホン類、他に「The Theory of the photographic Process(4th edition,p474〜475)」、T.H.James著に記載されている化合物が挙げられる。
これらの脱銀剤の中でも特に、アルカノールアミンが好ましい。アルカノールアミンとしては、前記現像液で述べた可溶性銀錯塩形成剤として用いるものと同じ化合物を用いることができる。また、チオシアン酸塩については脱銀能力が高いが、人体に対する安全性の観点から使用することは好ましくない。
これらの脱銀剤は単独で、または複数組み合わせて使用することができる。また、脱銀剤量としては脱銀剤の合計で1〜500g/Lが好ましく、より好ましくは10〜300g/Lの範囲である。
定着液としては脱銀剤の他にも保恒剤として亜硫酸塩、重亜硫酸塩、pH緩衝剤として酢酸、ホウ酸アミン、りん酸塩等を含むことができる。また、硬膜剤として水溶性アルミニウム(例えば硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、カリ明ばん等)、アルミニウムの沈殿防止剤として二塩基酸(例えば酒石酸、酒石酸カリウム、酒石酸ナトリウム等)または三塩基酸(クエン酸ナトリウム、クエン酸リチウム、クエン酸カリウム等)も含有させることができる。定着液の好ましいpHは脱銀剤の種類により異なり、特にアミンを使用する場合は8以上、好ましくは9以上である。定着処理温度は通常10℃から45℃の間で選ばれるが、より好ましくは18〜30℃である。
<タイプB>
本発明のタイプBにおける銀画像形成材料は、基材上に少なくとも物理現像核層及びハロゲン化銀乳剤層を有する銀塩感光材料を露光し、銀塩拡散転写法に従う現像処理を施した後、不要となったハロゲン化銀乳剤層を少なくとも水洗除去することによって得ることができる。従って、銀塩感光材料としては、基材上に、少なくとも物理現像核層及びハロゲン化銀乳剤層をこの順に塗布したものが用いられる。本発明のタイプBに用いる銀塩写真銀塩感光材料の基材としては、前述のタイプAの銀塩感光材料で用いられる素材、性能のものを用いることができる。
本発明のタイプBにおける銀画像形成材料は、基材上に少なくとも物理現像核層及びハロゲン化銀乳剤層を有する銀塩感光材料を露光し、銀塩拡散転写法に従う現像処理を施した後、不要となったハロゲン化銀乳剤層を少なくとも水洗除去することによって得ることができる。従って、銀塩感光材料としては、基材上に、少なくとも物理現像核層及びハロゲン化銀乳剤層をこの順に塗布したものが用いられる。本発明のタイプBに用いる銀塩写真銀塩感光材料の基材としては、前述のタイプAの銀塩感光材料で用いられる素材、性能のものを用いることができる。
本発明のタイプBに用いる銀塩感光材料の物理現像核層は、少なくとも物理現像核を含有する。物理現像核としては、重金属あるいはその硫化物からなる微粒子(粒子サイズは1〜数十nm程度)が用いられる。例えば、金、銀等のコロイド、パラジウム、亜鉛等の水溶性塩と硫化物を混合した金属硫化物等が挙げられる。これらの物理現像核の微粒子層は、コーティング法または浸漬処理法によって、基材上に設けることができる。生産効率の面からコーティング法が好ましく用いられる。物理現像核層における物理現像核の含有量は、固形分で0.1〜10mg/m2程度が適当である。
また、本発明のタイプBに用いる銀塩感光材料の物理現像核層は、水溶性高分子化合物を含有することもできる。水溶性高分子化合物の添加量は、物理現像核に対して10〜500質量%程度が好ましい。水溶性高分子化合物としては、ゼラチン、アラビアゴム、セルロース、アルブミン、カゼイン、アルギン酸ナトリウム、各種澱粉、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、アクリルアミドとビニルイミダゾールの共重合体等を用いることができる。好ましい水溶性高分子化合物としては、ゼラチン、アルブミン、カゼイン等の蛋白質である。
更に、本発明のタイプBに用いる物理現像核層には、水溶性高分子化合物の架橋剤(硬膜剤)を含有することもできる。水溶性高分子化合物の架橋剤としては、前述のタイプAの銀塩感光材料に用いられる架橋剤と同義であるが、好ましくは、グリオキザール、グルタルアルデヒド、3−メチルグルタルアルデヒド、サクシンアルデヒド、アジポアルデヒド等のジアルデヒド類であり、より好ましい架橋剤はグルタルアルデヒドである。架橋剤は、物理現像核層に含まれる水溶性高分子化合物に対して0.1〜30質量%を物理現像核層に含有させるのが好ましく、特に1〜20質量%が好ましい。
物理現像核層の塗布には、例えばディップコーティング、スライドコーティング、カーテンコーティング、バーコーティング、エアーナイフコーティング、ロールコーティング、グラビアコーティング、スプレーコーティング等の塗布方式で塗布することができる。
また、タイプBの物理現像核層と基材の間には、高分子ラテックス、水溶性高分子化合物、水溶性1級アミド低分子及びビニルスルホン系架橋剤を含有する易接着層を設けることが好ましい。
高分子ラテックスとしては単独重合体や共重合体等、各種公知のラテックスを用いることができる。単独重合体としては酢酸ビニル、塩化ビニル、スチレン、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、メタクリロニトリル、ブタジエン、イソプレン等の重合体があり、共重合体としてはエチレン・ブタジエン共重合体、スチレン・ブタジエン共重合体、スチレン・p−メトオキシスチレン共重合体、スチレン・酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、酢酸ビニル・マレイン酸ジエチル共重合体、メチルメタクリレート・アクリロニトリル共重合体、メチルメタクリレート・ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート・スチレン共重合体、メチルメタクリレート・酢酸ビニル共重合体、メチルメタクリレート・塩化ビニリデン共重合体、メチルアクリレート・アクリロニトリル共重合体、メチルアクリレート・ブタジエン共重合体、メチルアクリレート・スチレン共重合体、メチルアクリレート・酢酸ビニル共重合体、アクリル酸・ブチルアクリレート共重合体、メチルアクリレート・塩化ビニル共重合体、ブチルアクリレート・スチレン共重合体、ポリエステル、各種ウレタン等がある。この中でも耐候性の観点からポリエステルラテックスやアクリルラテックスやウレタンラテックスを用いることが好ましく、更に各種材料との接着性の観点からウレタンラテックス、特に耐候性の高い無黄変型ウレタンポリカーボネートラテックスが好ましい。高分子ラテックスの平均粒子径は0.01〜0.3μmであることが好ましく、更に好ましくは0.02〜0.1μmである。また、これら高分子ラテックスは複数種類のラテックスを混合して用いることも可能であるが、ポリエステルラテックスやアクリルラテックスやウレタンラテックスは易接着層中の樹脂成分の30質量%以上含有し、好ましくは50質量%以上である。
水溶性高分子化合物としてはポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸とスチレンの共重合体等が挙げられ、またゼラチン、アルブミン、カゼイン、ポリリジン等の蛋白質、カラギーナン、ヒアルロン酸等のムコ多糖類、「高分子の化学反応」(大河原 信著 1972、化学同人社)2.6.4章記載のアミノ化セルロース、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリジアリルアミン、アリルアミンとジアリルアミンの共重合体、ジアリルアミンと無水マレイン酸との共重合体、ジアリルアミンと二酸化硫黄との共重合体等が挙げられる。これら水溶性高分子化合物の中でも蛋白質を用いることが好ましい。水溶性高分子化合物は易接着層中の樹脂成分の40質量%以下、好ましくは2〜30質量%である。
本発明の易接着層に用いる樹脂成分量は100mg/m2以上であり、上限は2500mg/m2であることが望ましく、好ましくは100〜2000mg/m2、更に好ましくは150〜1000mg/m2である。
ビニルスルホン系架橋剤とは分子中に少なくとも2個のビニルスルホニル基を有する化合物のことをいい、下記一般式Iもしくは下記一般式IIで示される化合物のことをいう。
式中、L1、L2はそれぞれ存在してもしなくてもよい2価の連結基を示す。存在する場合、好ましくは、炭素数1〜5の置換されていてもよいアルキレン基、アリーレン基、カルバモイル基、スルファモイル基、酸素、硫黄、イミノ基等を示し、これらは組み合わさっていてもよい。R3は水素原子、炭素数1〜5の置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいベンゼン、ナフタレン等のアリール基を示し、中でも水素原子が好ましい。
式中、Lは少なくとも一個の水酸基を有するm価の基であり、mは2〜4である。一般式IIにおいて、Lとしては、2〜4価の炭素数1〜10の非環状炭化水素基、窒素原子、酸素原子及び/または硫黄原子を含有する5または6員の複素環基、5または6員の環状炭化水素基、または炭素数7〜10のシクロアルキレン基が挙げられる。非環状炭化水素基としては、好ましくは1〜8の炭素数を有するアルキレン基である。Lで表されるそれぞれの基は置換基を有していても良く、または、ヘテロ原子(例えば窒素原子、酸素原子及び/または硫黄原子)、カルボニル基またはカルバミド基を介し相互に結合してもよい。Lは、例えば、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜4を有する1種以上のアルコキシ基、また塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、アセトキシ基等で置換されていてもよい。
上記一般式Iの化合物の具体例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。
上記一般式IIの化合物の具体例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。
易接着層における架橋剤の添加量は易接着層中の全樹脂成分量に対して1〜7質量%が好ましく、更に好ましくは2〜5質量%である。
易接着層が含有する水溶性1級アミド低分子化合物の水溶性とは、25℃の水に0.5質量%以上溶解することのできる化合物のことを意味し、低分子とは分子量1000以下の分子のことを意味し、分子量が200以下の水溶性1級アミド低分子化合物を用いることが好ましい。本発明に用いることのできる水溶性1級アミド低分子としては、例えば尿素、エチル尿素、アセトアミド、ホルムアミド、プロピオンアミド、スクシンアミド、オキサミド、ベンズアミド、ズルチン、ニコチン酸アミド等が挙げられるが、特に尿素が好ましい。本発明において水溶性1級アミド低分子の含有量は前記ビニルスルホン系架橋剤に対して10〜500質量%、好ましくは50〜300質量%含有させる。
更に易接着層にはシリカ等のマット剤、滑剤、顔料、染料、界面活性剤、紫外線吸収剤等を含有させることができる。
本発明のタイプBの銀塩感光材料に用いるハロゲン化銀乳剤としては、前述のタイプAの銀塩感光材料と同様のハロゲン化銀乳剤が用いられるが、本発明のタイプBに用いる銀塩感光材料のハロゲン化銀乳剤のハロゲン化物組成には好ましい範囲が存在し、塩化物を80mol%以上含有するのが好ましく、特に90mol%以上が塩化物であることが特に好ましい。また、ハロゲン化銀乳剤は、前述のタイプAと同様、必要に応じて分光増感することもできる。また、ハロゲン化銀乳剤は必ずしもネガ感光性でなくてもよく、必要に応じて、ポジ感光性を持つ直接反転乳剤としてもよい。ハロゲン化銀乳剤層の塗布銀量としては、前述のタイプAに用いる銀塩感光材料と同様、銀画像を形成させるために、少なくとも0.01g(硝酸銀換算)/m2は必要であり、銀画像を導電性の優れた微細配線部に用いる場合は2.0〜4.0g(硝酸銀換算)/m2が好ましい。
ハロゲン化銀乳剤層は、前述のタイプAに用いる銀塩感光材料のハロゲン化銀乳剤層と同様、水溶性高分子化合物をバインダーとして含む。好ましいバインダーとしては、例えば、ゼラチン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、澱粉等の多糖類、セルロース及びその誘導体、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアミン、キトサン、ポリリジン、ポリアクリル酸、ポリアルギン酸、ポリヒアルロン酸、カルボキシセルロース等が挙げられる。また、タイプAに用いる銀塩感光材料のハロゲン化銀乳剤層と同様、必要に応じて水溶性高分子化合物の架橋剤を利用してもよいが、本発明のタイプBに用いる銀塩感光材料は、現像処理において、現像後に不要となったハロゲン化銀乳剤層を少なくとも水洗除去するため、水溶性高分子化合物の架橋剤を用いる場合は、上記水洗除去を妨げない範囲で用いることが可能である。写真用添加剤についても、前述のタイプAに用いる銀塩感光材料のハロゲン化銀乳剤層と同様、種々の目的のために、公知の写真用添加剤を用いることができる。更に、本発明のタイプBに用いる銀塩感光材料のハロゲン化銀乳剤層には、前述のタイプAに用いる銀塩感光材料と同様、塗布方式に合わせて、界面活性剤及び増粘剤等の各種塗布助剤を用いることができ、塗布方式についても同じ方法を用いることができる。
本発明のタイプBに用いる銀塩感光材料には、前述のタイプAに用いる銀塩感光材料と同様、必要に応じて、裏塗り層、オーバー層、接着層等の非感光性層を設けることができるが、接着層は、基材と銀画像との間の接着性を向上する目的で設けられるので、基材と物理現像核層との間に設けることが好ましい。本発明のタイプBに用いる銀塩感光材料において、オーバー層は、現像処理で銀塩感光材料中の銀が系外に拡散するのを抑制し、物理現像核上への銀の析出効率を高める効果がある。従って、オーバー層はハロゲン化銀乳剤層の上に設けることが好ましい。これらの非感光性層は、水溶性高分子化合物を主たるバインダーとする層であり、前述のタイプAに用いる銀塩感光材料と同様の非感光性層に用いられる水溶性高分子化合物を用いることができる。非感光性層の水溶性高分子化合物量としては、各々の用途によって異なるが、0.001〜10g/m2の範囲が好ましい。また、これら非感光性層には水溶性高分子化合物の架橋剤を用いることができるが、本発明のタイプBの現像処理において、現像後に不要なハロゲン化銀乳剤層を少なくとも水洗除去するため、非感光性層に水溶性高分子化合物の架橋剤を用いる場合は、上記現像後のハロゲン化銀乳剤層の水洗除去を妨げない範囲で用いることが可能である。
また、本発明のタイプBに用いる銀塩感光材料の場合、更に非感光性層として、水洗除去促進層を設けることが好ましい。この場合、水洗除去促進層は、不要なハロゲン化銀乳剤層を除去しやすくする目的で設けられるので、物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層との間に設けることが好ましい。水洗除去促進層は、水溶性高分子化合物をバインダーとして用い、好ましいバインダーとしては、例えば、ゼラチン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、澱粉等の多糖類、セルロース及びその誘導体、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアミン、キトサン、ポリリジン、ポリアクリル酸、ポリアルギン酸、ポリヒアルロン酸、カルボキシセルロース等が挙げられる。また、水洗除去促進層は、水溶性高分子化合物の架橋剤を用いることは好ましくない。水溶性高分子化合物の塗布量としては1.0g/m2以下が好ましい。水溶性高分子化合物の塗布量があまり多すぎると、物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層との距離が長くなるので、画像形成の際に、銀の析出量が減少したり、画質が低下したりする等の問題があるため、0.3g/m2程度が好ましい。
本発明のタイプBに用いる銀塩感光材料においても、前述のタイプAに用いる銀塩感光材料と同様、構成層中にハロゲン化銀乳剤の感光波長域に吸収極大を有する非増感性染料または顔料を、画質向上のためのハレーション、あるいはイラジエーション防止剤として用いることが好ましい。ハレーション防止剤としては、上記裏塗り層あるいは、例えば接着層、物理現像核層、水洗除去促進層等のハロゲン化銀乳剤層と基材の間に設けられる層に用いることが好ましく、これら2つ以上の層に分けて用いてもよい。イラジエーション防止剤としては、ハロゲン化銀乳剤層に用いることが好ましい。これら非増感性染料または顔料の添加量は、目的の効果が得られるのであれば広範囲に変化しうるが、約0.01〜約1g/m2の範囲が好ましい。また、本発明のタイプBに用いる銀塩感光材料には、前述のタイプAと同様、必要に応じて公知の写真用添加剤、界面活性剤、マット剤、滑剤等を含有することができる。
また、本発明のタイプBに用いる銀塩感光材料においても、前述のタイプAに用いる銀塩感光材料と同様、構成層中に現像主薬を含有させてもよい。現像主薬としては、写真現像の分野で公知の現像主薬を用いることができ、例えば、ハイドロキノン、カテコール、ピロガロール、メチルハイドロキノン、クロロハイドロキノン等のポリヒドロキシベンゼン類、1−フェニル−4,4−ジメチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−3−ピラゾリドン、1−p−トリル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドン、1−p−クロロフェニル−3−ピラゾリドン等の3−ピラゾリドン類、パラメチルアミノフェノール、パラアミノフェノール、パラヒドロキシフェニルグリシン、パラフェニレンジアミン等が挙げられ、これらを2種類以上併用して用いることができる。
次に、本発明のタイプBにおける銀画像を形成するための方法について説明する。本発明のタイプBの銀画像を形成するには、前記銀塩感光材料を露光し、現像処理する必要がある。露光方法としては、前述のタイプAと同様の方法を用いることができる。
本発明のタイプBの現像処理には、画像を形成する部分のハロゲン化銀を溶解し、拡散させて、物理現像核上で還元し、析出させる現像処理工程と、不要となったハロゲン化銀層を水洗除去するための水洗除去工程がある。この場合、銀塩感光材料にネガ型のハロゲン化銀乳剤を用いた場合、露光により光を照射していない部分が画像を形成する部分となり、ポジ型のハロゲン化銀乳剤を用いた場合は、露光により光を照射した部分が画像を形成する部分となる。また、ネガ型及びポジ型のいずれのハロゲン化銀乳剤を用いた場合においても、現像処理工程と水洗除去工程との間に、例えば、酢酸、クエン酸等を含有する酸性水溶液を用いて現像停止処理を行ってもよい。
本発明のタイプBの現像処理で用いる現像液は、可溶性銀錯塩形成剤及び還元剤を含有するアルカリ液である。可溶性銀錯塩形成剤は、ハロゲン化銀を溶解し可溶性の銀錯塩を形成させる化合物であり、還元剤はこの可溶性銀錯塩を還元して物理現像核上に金属銀を析出させるための現像主薬である。
現像主薬としては、写真現像の分野で公知の現像主薬を用いることができ、例えば、ハイドロキノン、カテコール、ピロガロール、メチルハイドロキノン、クロロハイドロキノン等のポリヒドロキシベンゼン類、1−フェニル−4,4−ジメチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−3−ピラゾリドン、1−p−トリル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドン、1−p−クロロフェニル−3−ピラゾリドン等の3−ピラゾリドン類、パラメチルアミノフェノール、パラアミノフェノール、パラヒドロキシフェニルグリシン、パラフェニレンジアミン等が挙げられ、これらを2種類以上併用して用いることができる。
本発明のタイプBの現像液においても、前述のタイプAと同様、現像主薬は、銀塩感光材料の構成層中に含有させてもよいし、現像液中に含有させてもよく、更に両方に含有してもよいが、現像液中に含有させるのが好ましい。現像液中への現像主薬の含有量は、1〜100g/Lの範囲で用いるのが適当である。銀塩感光材料の構成層に含有させる場合、現像主薬は銀塩感光材料のどの層に含有されても良く、特にハロゲン化銀乳剤層に含有されていることが好ましい。この場合の好ましい量は、水溶性高分子化合物1gあたり0.005〜0.5gの範囲である。これら現像薬は塗液に溶解させても各層に含有させてもよいし、オイル分散液に溶解させて各層中に含有させることも可能である。
本発明のタイプBに用いる現像液が含有するアルカリ剤もまた、前述のタイプAと同様のものを用いることができる。現像液のpHは10以上が好ましく、更に11〜14の範囲が好ましい。また、タイプBに用いる現像液にも、前述のタイプAと同様、現像速度をコントロールするための現像抑制剤、現像主薬の保恒剤等、写真現像の分野で公知の化合物を含有させることができる。
本発明のタイプBに用いる現像液は、可溶性銀錯塩形成剤を含有する。可溶性銀錯塩形成剤としては、前述のタイプAの現像液に利用する可溶性銀錯塩形成剤と同義である。可溶性銀錯塩形成剤の使用量としては0.1〜40g/L、好ましくは1〜20g/Lである。
本発明のタイプBの現像処理の温度としては、現像処理温度は15〜30℃が好ましく、ハロゲン化銀乳剤層が現像液中に溶出するのを防止するために18〜23℃の範囲が好ましい。現像時間としては、生産効率を考慮して、120秒以下が好ましい。タイプBの現像を行うための現像液の供給方式は、前述のタイプAと同様、浸漬方式であっても塗布方式であってもよい。
本発明のタイプBの現像処理における現像液の供給は、ハロゲン化銀乳剤層を物理現像核層が設けられた基材上に設ける、いわゆるモノシートタイプによる方法の他に、別の紙やフィルム等の基材にハロゲン化銀乳剤層を設けて、この別の材料から供給するツーシートタイプによる方法がある。コスト及び生産効率の面からは前者のモノシートタイプによる方法が好ましい。
次に、本発明のタイプBの現像処理における水洗除去工程について説明する。本発明のタイプBの現像処理における水洗除去は、現像処理後に不要となったハロゲン化銀乳剤層等の物理現像核層の上に設けられた層を除去する。従って、水洗除去の処理液としては、水を主成分とする。また、この処理液には緩衝成分を含有してもよく、除去したゼラチンの腐敗を防止する目的で、防腐剤を含有させてもよい。
水洗除去方法としては、スクラビングローラ等を用いて処理液をシャワー方式、スリット方式等を単独、あるいは組み合わせて使用できる。また、シャワーやスリットを複数個設けて、除去の効率を高めることもできる。また、水洗除去の代わりに、剥離紙等に転写剥離する方法を用いてもよい。剥離紙等で転写剥離する方法としては、ハロゲン化銀乳剤層上の余分な現像液を予めローラ等で絞り取っておき、ハロゲン化銀乳剤層等と剥離紙を密着させてハロゲン化銀乳剤層等をプラスチック樹脂フィルムから剥離紙に転写させて剥離する方法である。剥離紙としては吸水性のある紙や不織布、あるいは紙の上にシリカのような微粒子顔料とポリビニルアルコールのようなバインダーとで吸水性の空隙層を設けたものが用いられる。
<タイプC>
本発明のタイプCにおける銀画像形成材料は、基材上に少なくともハロゲン化銀乳剤層を有する銀塩感光材料を露光し、硬化現像処理法に従う現像処理を施した後、不要な部分のハロゲン化銀乳剤層を少なくとも水洗除去することによって得ることができる。従って、銀塩感光材料としては、基材上に少なくともハロゲン化銀乳剤層を塗布したものが用いられる。この方法においては感光性のハロゲン化銀粒子を像様に露光し潜像を形成し、これを触媒としてハロゲン化銀を還元する時に、ハイドロキノン等のその酸化体がゼラチンの硬化作用を持つ還元剤を用い、金属銀を形成すると同時に金属銀周囲のゼラチンを硬化させ、画像を形成させた後、水洗除去して不要な部分である非硬化部を洗い流す。その結果、銀粒子はバインダーに保持されているが、非画像部には基材のみが残ることとなる。本発明のタイプCに用いる銀塩感光材料の基材としては、前述のタイプA及びタイプBの銀塩感光材料で用いられる素材、性能のものを用いることができる。
本発明のタイプCにおける銀画像形成材料は、基材上に少なくともハロゲン化銀乳剤層を有する銀塩感光材料を露光し、硬化現像処理法に従う現像処理を施した後、不要な部分のハロゲン化銀乳剤層を少なくとも水洗除去することによって得ることができる。従って、銀塩感光材料としては、基材上に少なくともハロゲン化銀乳剤層を塗布したものが用いられる。この方法においては感光性のハロゲン化銀粒子を像様に露光し潜像を形成し、これを触媒としてハロゲン化銀を還元する時に、ハイドロキノン等のその酸化体がゼラチンの硬化作用を持つ還元剤を用い、金属銀を形成すると同時に金属銀周囲のゼラチンを硬化させ、画像を形成させた後、水洗除去して不要な部分である非硬化部を洗い流す。その結果、銀粒子はバインダーに保持されているが、非画像部には基材のみが残ることとなる。本発明のタイプCに用いる銀塩感光材料の基材としては、前述のタイプA及びタイプBの銀塩感光材料で用いられる素材、性能のものを用いることができる。
本発明のタイプCに用いる銀塩感光材料のハロゲン化銀乳剤としては、前述のタイプAに用いる銀塩感光材料と同様のハロゲン化銀乳剤が用いられる。また、ハロゲン化銀乳剤は、前述のタイプA及びタイプBと同様、必要に応じて分光増感することもできる。また、ハロゲン化銀乳剤は必ずしもネガ感光性でなくてもよく、必要に応じて、ポジ感光性を持つ直接反転乳剤としてもよい。ハロゲン化銀乳剤層の塗布銀量としては、前述のタイプA及びタイプBに用いる銀塩感光材料と同様、銀画像を形成させるために、少なくとも0.01g(硝酸銀換算)/m2は必要であり、銀画像を導電性の優れた微細配線部に用いる場合は2.0〜4.0g(硝酸銀換算)/m2が好ましい。
ハロゲン化銀乳剤層は、前述のタイプA及びタイプBに用いる銀塩感光材料のハロゲン化銀乳剤層と同様、水溶性高分子化合物をバインダーとして含む。好ましいバインダーとしては、例えば、ゼラチン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、澱粉等の多糖類、セルロース及びその誘導体、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアミン、キトサン、ポリリジン、ポリアクリル酸、ポリアルギン酸、ポリヒアルロン酸、カルボキシセルロース等が挙げられる。また、タイプAに用いる銀塩感光材料のハロゲン化銀乳剤層と同様、必要に応じて水溶性高分子化合物の架橋剤を利用してもよいが、本発明のタイプCに用いる銀塩感光材料は、現像処理において、現像後に不要な部分のハロゲン化銀乳剤層を少なくとも水洗除去するため、前述のタイプBに用いる銀塩感光材料のハロゲン化銀乳剤層と同様、水溶性高分子化合物の架橋剤を用いる場合は、上記水洗除去を妨げない範囲で用いることが可能である。写真用添加剤についても、前述のタイプA及びタイプBに用いる銀塩感光材料のハロゲン化銀乳剤層と同様、種々の目的のために、公知の写真用添加剤を用いることができる。更に、本発明のタイプCの銀塩感光材料のハロゲン化銀乳剤層には、前述のタイプA及びタイプBの銀塩感光材料と同様、塗布方式に合わせて、界面活性剤及び増粘剤等の各種塗布助剤を用いることができ、塗布方式についても同じ方法を用いることができる。
本発明のタイプCに用いる銀塩感光材料には、前述のタイプA及びBに用いる銀塩感光材料と同様、必要に応じて裏塗り層、オーバー層、接着層等の非感光性層を設けることができるが、接着層は、基材と銀画像との間の接着性を向上する目的で設けられるので、前述のタイプAに用いる銀塩感光材料と同様、基材とハロゲン化銀乳剤層との間に設ける。また、オーバー層は傷を防止する目的で設けられるので、ハロゲン化銀乳剤層の上に設けられる。これらの非感光性層は、前述のタイプAに用いる銀塩感光材料と同様、水溶性高分子化合物を主たるバインダーとする層であり、前述のタイプA及びタイプBに用いる銀塩感光材料と同様の非感光性層に用いられる水溶性高分子化合物を用いることができる。非感光性層の水溶性高分子化合物量としては、各々の用途によって異なるが、0.001〜10g/m2の範囲が好ましい。また、これら非感光性層には水溶性高分子化合物の架橋剤を用いることができるが、本発明のタイプCの現像処理において、現像後に不要な部分のハロゲン化銀乳剤層を少なくとも水洗除去するため、非感光性層に水溶性高分子化合物の架橋剤を用いる場合は、上記現像後のハロゲン化銀乳剤層の水洗除去を妨げない範囲で用いることが可能である。
また、本発明のタイプCに用いる銀塩感光材料には、膨潤抑制剤を含有することが好ましい。本発明における膨潤抑制剤とは、銀塩感光材料を現像処理する際に水溶性高分子化合物が膨潤するのを抑制し、画像部における銀の拡散を抑制することで銀の密度を高める作用がある。銀の密度が高くなると、めっき処理における金属の析出性が向上する。膨潤抑制剤として作用するかどうかはpH3.5の5質量%ゼラチン水溶液に膨潤抑制剤0.35mol/Lになるよう加えてゼラチンの沈殿が発生するかどうかで調べられ、この試験でゼラチンの沈殿が発生するような薬品は全て膨潤抑制剤として作用する。膨潤抑制剤の具体例としては、例えば硫酸ナトリウム、硫酸リチウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硝酸ナトリウム、硝酸カルシウム、硝酸マグネシウム、硝酸亜鉛、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化マンガン、りん酸マグネシウム等の無機塩類、あるいは例えばベンゼンスルホン酸、ジフェニルスルホン酸、5−スルホサリチル酸、p−トルエンスルホン酸、フェノールジスルホン酸、α−ナフタレンスルホン酸、β−ナフタレンスルホン酸、1,5−ナフタレンジスルホン酸、1−ヒドロキシ−3,6−ナフタレンジスルホン酸、ジナフチルメタンスルホン酸等のスルホン酸類、例えばポリビニルベンゼンスルホン酸、無水マレイン酸とビニルスルホン酸の共重合物、ポリビニルアクリルアミド等の高分子沈殿剤として用いられる化合物等が挙げられる。これら膨潤抑制剤は単独でも組み合わせて用いてもよいが、無機塩類、特に硫酸塩類を使用することが好ましい。これら膨潤抑制剤は本発明のタイプCに用いる銀塩感光材料のどの構成層に含有されていてもよいが、特にハロゲン化銀乳剤層に含有されていることが好ましい。これら膨潤抑制剤の好ましい含有量は0.01〜10g/m2、更に好ましくは0.1〜2g/m2である。
本発明のタイプCに用いる銀塩感光材料には、更に無電解めっき触媒や導電性物質等を含有させることも可能である。
本発明のタイプCに用いる銀塩感光材料には、前述のタイプBに用いる銀塩感光材料と同様、非感光性層として、水洗除去促進層を設けてもよい。この場合、基材とハロゲン化銀乳剤層との間に設けることが好ましい。水洗除去促進層は、前述のタイプBに用いる銀塩感光材料と同様の水溶性高分子化合物をバインダーとして用いることができる。
本発明のタイプCに用いる銀塩感光材料においても、前述のタイプA及びタイプBに用いる銀塩感光材料と同様、構成層中にハロゲン化銀乳剤の感光波長域に吸収極大を有する非増感性染料または顔料を、画質向上のためのハレーション、あるいはイラジエーション防止剤として用いることが好ましい。また、本発明のタイプCに用いる銀塩感光材料には、前述のタイプA及びタイプBに用いる銀塩感光材料と同様、必要に応じて公知の写真用添加剤、界面活性剤、マット剤、滑剤等を含有することができる。
また、本発明のタイプCに用いる銀塩感光材料においては、構成層中に硬化現像主薬を含有させることが好ましい。硬化現像主薬としては、ポリヒドロキシベンゼン、例えばハイドロキノン、カテコール、クロロハイドロキノン、ピロガロール、ブロモハイドロキノン、イソプロピルハイドロキノン、トルハイドロキノン、メチルハイドロキノン、2,3−ジクロロハイドロキノン、2,3−ジメチルハイドロキノン、2,3−ジブロモハイドロキノン、1,4−ジヒドロキシ−2−アセトフェノン、2,5−ジメチルハイドロキノン、4−フェニルカテコール、4−t−ブチルカテコール、4−s−ブチルピロガロール、4,5−ジブロモカテコール、2,5−ジエチルハイドロキノン、2,5−ジベンゾイルアミノハイドロキノン等がある。また、アミノフェノール化合物、例えばN−メチル−p−アミノフェノール、p−アミノフェノール、2,4−ジアミノフェノール、p−ベンジルアミノフェノール、2−メチル−p−アミノフェノール、2−ヒドロキシメチル−p−アミノフェノール等、また、その他にも例えば特開2001−215711号公報、特開2001−215732号公報、特開2001−312031号公報、特開2002−62664号公報記載の公知の硬化現像主薬を用いることができるが、特にベンゼン核の少なくとも1,2位または1,4位にヒドロキシル基が置換したベンゼンが好ましい。また、これらの硬化現像主薬を併用して用いることも可能である。更に、3−ピラゾリドン類、例えば1−フェニル−3−ピラゾリドン、1−p−トリル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4,4−ジメチル−3−ピラゾリドン、及び1−p−クロロフェニル−3−ピラゾリドン等の公知の写真現像液に用いる還元剤を上記硬化現像主薬に併せて用いることも可能である。
これら硬化現像薬は銀塩感光材料の構成層のどの層に含有されてもよいが、ハロゲン化銀乳剤層もしくは下引き層に含有されることが好ましく、特にハロゲン化銀乳剤層に含有されていることが好ましい。含有する好ましい量はハロゲン化銀乳剤層の水溶性バインダーを耐水化できるだけの量であるため、使用する水溶性バインダーの量に応じて変化する。好ましい硬化現像薬の量は、水溶性高分子化合物1gあたり0.005〜0.5g、更に好ましくは0.01〜0.4gである。これら硬化現像薬は塗液に溶解させても各層に含有させてもよいし、オイル分散液に溶解させて各層中に含有させることも可能である。
次に、本発明のタイプCにおける銀画像を形成するための方法について説明する。本発明のタイプCの銀画像を形成するには、前記銀塩感光材料を露光し、現像処理する必要がある。露光方法としては、前述のタイプA及びタイプBと同様の方法を用いることができる。
本発明のタイプCの現像処理には、画像を形成する部分のハロゲン化銀を還元すると同時に水溶性高分子化合物を硬化させる現像処理工程と、不要な部分である非硬化部を洗い流す水洗除去工程がある。この場合、銀塩感光材料にネガ型のハロゲン化銀乳剤を用いた場合、露光により光を照射した部分が画像を形成する部分となり、ポジ型のハロゲン化銀乳剤を用いた場合は、露光により光を照射していない部分が画像を形成する部分となる。また、ネガ型及びポジ型のいずれのハロゲン化銀乳剤を用いた場合においても、現像処理工程と水洗除去工程との間に、例えば、酢酸、クエン酸等を含有する酸性水溶液を用いて現像停止処理を行ってもよい。
本発明のタイプCの現像処理で用いる現像液には、アルカリ性物質として、例えば水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、第3りん酸ナトリウム、あるいはアミン化合物、粘稠剤として、例えばカルボキシメチルセルロース、現像助薬として、例えば3−ピラゾリジノン類、カブリ防止剤として、例えば臭化カリウム、現像変性剤として、例えばポリオキシアルキレン化合物、ハロゲン化銀溶剤として、例えばチオ硫酸塩、チオシアン酸塩、環状イミド、チオサリチル酸、メソイオン性化合物等の添加剤等を含ませることができる。現像液のpHは通常10〜14である。前述のタイプBの現像液に用いるような保恒剤、例えば亜硫酸ナトリウム等は硬化現像による硬化反応を停める作用があるので、本発明における硬化現像液では保恒剤は少なくとも20g/L以下の使用量、好ましくは10g/L以下の使用量が好ましい。
本発明のタイプCの現像液には、銀塩感光材料に硬化現像薬を含有させない場合は硬化現像薬を含有する。硬化現像薬としては、前記銀塩感光材料に含有させるのと同様の硬化現像薬を用いることができる。好ましい硬化現像薬の含有量は1〜50g/Lである。硬化現像薬を現像液中に含有させる場合、保恒性が悪く、直ぐに空気酸化してしまうので、使用の直前にアルカリ性水溶液に溶解することが好ましい。
また、本発明のタイプCの現像液には膨潤抑制剤を含有することが好ましい。膨潤抑制剤としては、銀塩感光材料に含有させるのと同様の膨潤抑制剤を用いることができる。好ましい膨潤抑制剤の含有量は50〜300g/L、好ましくは100〜250g/Lである。
本発明のタイプCの現像温度としては2〜30℃であり、10〜25℃がより好ましい。現像時間は5〜30秒であり、好ましくは5〜10秒である。現像時間としては、生産効率を考慮して、120秒以下が好ましい。タイプCの現像を行うための現像液の供給方式は、前述のタイプA及びタイプBと同様、浸漬方式であっても塗布方式であってもよい。特に硬化現像薬含有硬化現像液を用いる場合には塗布方式にし、硬化現像液を繰り返し用いないようにするほうが好ましい。
次に、本発明のタイプCの現像処理における水洗除去工程について説明する。本発明のタイプCの現像処理における水洗除去は、現像処理後に不要な部分のハロゲン化銀乳剤層等の基材の上に設けられた層を除去する。従って、前述のタイプBと同様の水洗除去処理液及び方法を利用できる。
本発明のタイプCにおいては、前記現像液で一旦現像した後、更にハロゲン化銀溶剤を含む第2の現像液を用いて銀塩感光材料を現像処理する方法を用いることができる。この方法により、第1の現像処理で硬化されたレリーフ像中にある銀を、第2の現像処理で増大させることもできる。上記第2の現像工程はハロゲン化銀乳剤層の水洗除去工程の前であっても後であってもよいが、非画像部のハロゲン化銀も銀の供給源として使用できることから、水洗除去前に行うことが好ましい。また、第2の現像液に銀塩を加える等、さらなる銀イオンの供給を行い、第2の現像工程でより銀を大きくすることもできる。
次に本発明における金属銀超微粒子を用いて画像を形成する方法について説明する。本発明に用いる金属銀超微粒子は銀を主体に含有する。ここで主体とは金属超微粒子の全質量に対して50質量%以上、好ましくは80質量%以上、更に好ましくは90質量%以上が銀超微粒子であることを意味する。また本発明に用いる金属銀超微粒子は、いわゆる金属コロイド溶液が含有する金属銀超微粒子であって、分散している金属銀超微粒子の平均一次粒子径は200nm以下であることが好ましく、100nm以下であることがより好ましく、更に50nm以下であることが特に好ましい。ここで平均一次粒子径とは、金属超微粒子の電子顕微鏡観察により一定面積内に存在する100個の粒子各々の投影面積に等しい円の直径を粒子径として平均し求めたものである。
金属銀超微粒子の分散媒は水及び/または有機溶媒であり、水のみ、水と有機溶媒の混合物、有機溶媒のみの構成を挙げることができる。用いられる有機溶媒としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、t−ブチルアルコール、グリセリン、ジプロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、デカノール、シクロヘキサノール、テルピネオール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジアセトンアルコール等のケトン類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ブチルカルビトールアセテート等のグリコールエーテルエステル類、2−ピロリドン、N−メチルピロリドン等のアミド類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、トリデカン、テトラデカン、トリメチルペンタン等の長鎖アルカン類、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等の環状アルカン類、ベンゼン、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、ドデシルベンゼン等の芳香族炭化水素類等を挙げることができる。
有機溶媒は、それぞれ1種を単独で使用できる他、2種以上を混合使用することもできる。また、石油蒸留物、例えばミネラルスピリットとして知られる150〜190℃の留分(芳香族炭化水素と脂肪族炭化水素の混合体)も用いることができる。好ましい例として、例えばインクジェット方式に適した分散媒としては、水とグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、2−ピロリドンの混合物や、テトラデカン、ミネラルスピリットの単独使用等を挙げることができる。スピンコート方式に適した分散媒としては、アセトン、トルエン等を挙げることができ、スクリーン印刷方式に適した分散媒としては、テルピネオール、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン等を挙げることができ、また、後述する下塗層を膨潤または溶解する有機溶剤を併用することも好ましい態様の一つとして挙げることができる。
金属銀超微粒子は、不活性ガス中で金属を蒸発させガスとの衝突により冷却・凝縮し回収するガス中蒸発法、真空中で金属を蒸発させ有機溶剤と共に回収する金属蒸気合成法、レーザー照射のエネルギーにより液中で蒸発・凝縮させ回収するレーザーアブレーション法、水溶液中で銀イオンを還元し生成・回収する化学的還元法、有機金属銀化合物の熱分解による方法、金属銀塩化物の気相中での還元による方法、酸化物の水素中還元法、紫外線や超音波、マイクロウェーブ等のエネルギーを利用する方法等、公知の種々の方法により製造された金属銀超微粒子を用いることができる。
本発明における金属銀超微粒子は、前述の通り銀を主体に含有するが、銀以外に含まれる好ましい金属としては、金、銅、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、オスミウム、ニッケル、ビスマスを挙げることができ、特に銀特有のマイグレーション抑制のためには、金、銅、白金、パラジウムが好ましい。銀以外の金属を含有せしめる方法としては、例えば特開2000−90737号公報に開示されているが如く銀超微粒子中にパラジウムを含有せしめる方法、特開2001−35255号公報に開示されているが如く別々に作製された銀超微粒子とパラジウム超微粒子を混合する方法でもよい。また、金属超微粒子を含有するインクとしてはCima NanoTech社の銀ナノ粒子インクの如く、銅を含む金属コロイドを例示することもできる。
金属銀超微粒子は安定な金属コロイドを形成するために、分散剤で被覆することが一般的に行われる。例えば、American Journal of Science,Vol.37,P476−491,1889,M Carey Lea.に記載される方法においてはクエン酸が分散剤となっており、Experiments in Colloid Chemistry,1940,p.19,Hauser,E.A.and lynn,J.E.に記載される方法においてはデキストリンが分散剤となっている。他に、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物等の各種界面活性剤、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ゼラチン、カラギーナン、アラビアゴム、アルブミン、ポリエチレンイミン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース類等の水溶性高分子類等を用いることができる。これら分散剤の含有量は、金属銀超微粒子100質量%に対し40質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましい。
本発明において金属超微粒子を用いて銀画像を形成させるためには金属銀超微粒子を分散させたペーストを用いる。かかるペーストは前記した金属コロイド溶液中に、増粘剤、帯電防止剤、UV吸収剤、可塑剤、高分子バインダー等の各種添加剤を目的に応じて添加してもよく、例えば、UV硬化樹脂成分を含ませることにより、UV印刷あるいはUVインクジェット方式によるパターン形成に適した特性(UV硬化特性)を持たせることもできる。
本発明において金属銀超微粒子を分散させたペーストは、低粘度の溶液状態から高粘度のペースト状態まで任意の形態に調整される。具体的には、基材上に金属銀超微粒子を付与する方法に適した粘度、表面張力、金属超微粒子の大きさ・含有率等が調整される。例えば、グラビア印刷、インクジェット方式を用いる場合には、粘度を1〜100mPa・sの範囲に調整することが好ましく、凸版印刷やスクリーン印刷を用いる場合には、10〜500Pa・sの範囲に調整することが好ましい。
高粘度のペースト状態に調整する場合には、金属超微粒子の濃度を高くするだけでは所望の粘度を得ることは困難であるため、高分子バインダーとして、例えばセルロース樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂等を含むことが好ましい。
本発明において、金属銀超微粒子を分散させたペーストは、例えば基材上にディスペンサーを用い、凹部への充填・凸部の形成・パターンの形成を行うこと、サーマルあるいはピエゾ、マイクロポンプ、静電気等により液滴を飛翔させる機構を持つインクジェット方式を用い、凹部への充填・凸部の形成・パターンの形成を行うこと、凸版印刷、フレキソ印刷、平版印刷、凹版印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷等の印刷方法を用いパターンの形成を行うこと、グラビアロール方式、スロットダイ方式、スピンコート方式等を用い塗層の形成を行うこと、間欠塗工ダイコーター等を用い部分的な塗層の形成を行うこと、あるいは金属コロイド溶液へ基材をディップし塗層の形成を行うこと等、公知の様々な方法を用いて基材上に所望する形状となるように金属銀超微粒子を付着させることを意味する。
金属銀超微粒子を分散させたペーストを付する基材としては、前述の銀塩感光材料に用いる基材と同様の基材を利用することができる。また基材と金属銀超微粒子を含有する銀画像の接着力の向上を目的として、易接着層が形成されていることが好ましい。易接着層が含有する成分としては、例えば、ゼラチン、カラギーナン、各種ウレタン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、アルコール可溶性ナイロン、N−メチロールアクリルアミド、ポリ塩化ビニリデン、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体等の高分子化合物、熱硬化性または光・電子線硬化樹脂、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、ゲルマニウム系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、イミダゾールシラン系カップリング剤等の表面改質剤等が挙げられ、これらを1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
易接着層に上記ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、カラギーナン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の水溶性樹脂を用いる場合には、耐水性を向上させる目的で適当な硬膜剤を用い、硬膜することも好ましい。硬膜剤としては、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドの如きアルデヒド系化合物、ジアセチル、クロルペンタンジオンの如きケトン化合物、ビス(2−クロロエチル)尿素、2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン、N−メチロール化合物、イソシアナート類、アジリジン化合物類、カルボジイミド系化合物類、エポキシ化合物、ジヒドロキシジオキサンの如きジオキサン誘導体、ホウ酸及びホウ酸塩の如き無機硬膜剤等があり、これらを1種または2種以上組み合わせて用いることができる。また基材上に設ける易接着層としては、前述の高分子ラテックス、水溶性高分子化合物、水溶性1級アミド低分子及びビニルスルホン系架橋剤を含有する易接着層が特に好ましい。
本発明において、前述した写真製法で作製した銀画像を形成した導電性材料や、金属銀超微粒子を用いて銀画像を形成した導電性材料でも、更に高い導電性を得るため、あるいは銀画像の色調を変えるため等の種々の目的で、本発明の後処理液での処理に引き続き、めっき処理を行うことが可能である。可能なめっき処理としては、無電解めっき(化学還元めっきや置換めっき)、電解めっき、または無電解めっきと電解めっきの両方を用いることができる。めっき処理によりどの程度導電性を付与するかは用いる用途に応じて異なるが、例えばPDP用に用いる電磁波シールド材として用いるためには表面抵抗値2.5Ω/□以下、好ましくは1.5Ω/□以下が要求される。
無電解めっき処理を施す場合、無電解めっきを促進させる目的でパラジウムを含有する溶液で活性化処理することもできる。パラジウムとしては2価のパラジウム塩あるいはその錯体塩の形でもよいし、また金属パラジウムであってもよい。しかし、液の安定性、処理の安定性から好ましくはパラジウム塩あるいはその錯塩を用いることがよい。
無電解めっき処理を施す場合、公知の無電解めっき技術、例えば無電解ニッケルめっき、無電解コバルトめっき、無電解金めっき、無電解銀めっき等を用いることができるが、上記の必要な導電性を得るためには無電解銅めっきを行うことが好ましい。
無電解銅めっき液には硫酸銅や塩化銅等の銅の供給源、ホルマリンやグリオキシル酸、テトラヒドロホウ酸カリウム、ジメチルアミンボラン等の還元剤、EDTAやジエチレントリアミン5酢酸、ロシェル塩、グリセロール、メソ−エリトリトール、アドニール、D−マンニトール、D−ソルビトール、ズルシトール、イミノ2酢酸、trans−1,2−シクロヘキサンジアミン4酢酸、1,3−ジアミノプロパン−2−オール、グリコールエーテルジアミン4酢酸、トリイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン等の銅の錯化剤、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のpH調整剤等が含有される。更にその他に浴の安定化やめっき皮膜の平滑性を向上させるための添加剤としてポリエチレングリコール、黄血塩、ビピリジル、o−フェナントロリン、ネオクプロイン、チオ尿素、シアン化物等を含有させることもできる。めっき液は安定性を増すためエアレーションを行うことが好ましい。
無電解銅めっきでは前述の通り種々の錯化剤を用いることができるが、錯化剤の種類により酸化銅が共析し、導電性に大きく影響したり、あるいはトリエタノールアミン等銅イオンとの錯安定定数の低い錯化剤は銅が沈析しやすいため、安定しためっき液やめっき補充液が作り難い等ということが知られている。従って工業的に通常用いられる錯化剤は限られており、本発明においても同様の理由でめっき液の組成として特に錯化剤の選択は重要である。特に好ましい錯化剤としては銅錯体の安定定数の大きいEDTAやジエチレントリアミン5酢酸等が挙げられ、このような好ましい錯化剤を用いためっき液としては、例えばプリント基板の作製に使用される高温タイプの無電解銅めっきがある。高温タイプの無電解銅めっきの手法については「無電解めっき 基礎と応用」(電気鍍金研究会編)p105等に詳しく記載されている。高温タイプのめっきでは通常60〜70℃で処理し、処理時間は無電解めっき後に電解めっきを施すかどうかで変わってくるが、通常1〜30分、好ましくは3〜20分無電解めっき処理を行うことで本発明の目的を達することができる。
銅以外の無電解めっき処理を行う場合は、例えば「めっき技術ガイドブック」(東京鍍金材料協同組合技術委員会編、1987年)p406〜432記載の方法等を用いることができる。
また、電解めっき処理を行う場合は、銅めっき、ニッケルめっき、亜鉛めっき、スズめっき等の公知のめっき方法を用いることができ、その方法として例えば「めっき技術ガイドブック」(東京鍍金材料協同組合技術委員会編、1987年)記載の方法を用いることができる。どのめっき法を用いるかは製造する導電性材料の用途によって異なるが、導電性を更に高めるためにめっきする場合、銅めっきやニッケルめっきが好ましい。銅めっきのめっき法として好ましい方法としては硫酸銅浴めっき法やピロリン酸銅浴めっき法、ニッケルめっき法としてはワット浴めっき法、黒色めっき法等が好ましい。
本発明の実施例を以下に示す。なお、記載中%は特に断りのない限り質量基準である。
基材上に少なくとも物理現像核層及びハロゲン化銀乳剤層を有する銀塩感光材料を露光し、銀塩拡散転写法に従う現像処理を施した後、不要となったハロゲン化銀乳剤層を少なくとも水洗除去するタイプBの方法に用いる導電性材料前駆体を下記のようにして作製した。
タイプBの導電性材料前駆体を作製するために、透明基材として、厚み100μmのポリカーボネートフィルム(三菱ガス化学(株)製ユーピロンシート)を用いた。
次に下記処方に従い、易接着層塗液を作製し、ポリカーボネートフィルム上に塗布し、60℃で5分乾燥させた。易接着層を塗布、乾燥した後、50℃24時間加温処理した。
<易接着層塗液処方A1/1m2あたり>
ハイドランWLS210(DIC(株)製ポリカーボネート系ウレタンラテックス)
770mg(固形分270mg)
ゼラチン 30mg
界面活性剤(S−1) 1mg
サイリシア450(富士シリシア化学(株)製シリカ) 1.25mg
VS−2 9mg
尿素 18mg
ハイドランWLS210(DIC(株)製ポリカーボネート系ウレタンラテックス)
770mg(固形分270mg)
ゼラチン 30mg
界面活性剤(S−1) 1mg
サイリシア450(富士シリシア化学(株)製シリカ) 1.25mg
VS−2 9mg
尿素 18mg
硫化パラジウムゾル液を下記のようにして作製し、得られたゾルを用いて物理現像核液を作製した。
<硫化パラジウムゾルの調製>
A液 塩化パラジウム 5g
塩酸 40mL
蒸留水 1000mL
B液 硫化ソーダ 8.6g
蒸留水 1000mL
A液とB液を攪拌しながら混合し、30分後にイオン交換樹脂の充填されたカラムに通し硫化パラジウムゾルを得た。
A液 塩化パラジウム 5g
塩酸 40mL
蒸留水 1000mL
B液 硫化ソーダ 8.6g
蒸留水 1000mL
A液とB液を攪拌しながら混合し、30分後にイオン交換樹脂の充填されたカラムに通し硫化パラジウムゾルを得た。
<物理現像核液組成/1m2あたり>
前記硫化パラジウムゾル 0.4mg
界面活性剤(S−1) 30mg
前記硫化パラジウムゾル 0.4mg
界面活性剤(S−1) 30mg
この物理現像核液を前述の易接着層塗布済みポリカーボネートベースの上に塗布し、乾燥した。
続いて、上記物理現像核液を塗布した側と反対側の面に下記組成の裏塗り層を塗布した。
<裏塗り層組成/1m2あたり>
ゼラチン 2g
不定形シリカマット剤(平均粒径5μm) 20mg
染料1 200mg
界面活性剤(S−1) 400mg
<裏塗り層組成/1m2あたり>
ゼラチン 2g
不定形シリカマット剤(平均粒径5μm) 20mg
染料1 200mg
界面活性剤(S−1) 400mg
続いて、基材に近いほうから順に下記組成の中間層、ハロゲン化銀乳剤層、及び最外層を上記物理現像核液が塗布された易接着層の上に塗布し、導電性材料前駆体を得た。ハロゲン化銀乳剤は、写真用ハロゲン化銀乳剤の一般的なダブルジェット混合法で製造した。このハロゲン化銀乳剤は、塩化銀95モル%と臭化銀5モル%で、平均粒径が0.15μmになるように調製した。このようにして得られたハロゲン化銀乳剤を定法に従いチオ硫酸ナトリウムと塩化金酸を用い、金イオウ増感を施した。こうして得られたハロゲン化銀乳剤は銀1gあたり0.5gのゼラチンを含む。
<中間層組成/1m2あたり>
ゼラチン 0.5g
界面活性剤(S−1) 5mg
ゼラチン 0.5g
界面活性剤(S−1) 5mg
<ハロゲン化銀乳剤層1組成/1m2あたり>
ゼラチン 0.5g
ハロゲン化銀乳剤 3.0g銀相当
1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 3mg
界面活性剤(S−1) 20mg
ゼラチン 0.5g
ハロゲン化銀乳剤 3.0g銀相当
1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 3mg
界面活性剤(S−1) 20mg
<最外層1組成/1m2あたり>
ゼラチン 1g
不定形シリカマット剤(平均粒径3.5μm) 10mg
界面活性剤(S−1) 10mg
ゼラチン 1g
不定形シリカマット剤(平均粒径3.5μm) 10mg
界面活性剤(S−1) 10mg
このようにして得た導電性材料前駆体を、水銀灯を光源とする密着プリンターで400nm以下の光をカットする樹脂フィルターを介し、細線幅20μmで格子間隔300μmの網目パターンの透過原稿を密着させて露光した。
その後、先に露光した導電性材料前駆体を下記拡散転写現像液中に20℃で90秒間浸漬した後、続いてハロゲン化銀乳剤層、中間層、最外層及び裏塗り層を40℃の温水で水洗除去し、乾燥処理した。こうして易接着層上に厚み0.1μmのメッシュ状金属パターンを得た。
<拡散転写現像液組成>
水酸化カリウム 25g
ハイドロキノン 18g
1−フェニル−3−ピラゾリドン 2g
亜硫酸カリウム 80g
N−メチルエタノールアミン 15g
臭化カリウム 1.2g
全量を水で1000mL
pH=12.2に調整する。
水酸化カリウム 25g
ハイドロキノン 18g
1−フェニル−3−ピラゾリドン 2g
亜硫酸カリウム 80g
N−メチルエタノールアミン 15g
臭化カリウム 1.2g
全量を水で1000mL
pH=12.2に調整する。
次に金属銀超微粒子を用いた金属画像を作製するために、透明支持体として、前記易接着層を塗布した厚み100μmのポリカーボネートフィルム(三菱ガス化学(株)製ユーピロンシート)を用いた。
次に下記処方に従い、水系銀コロイド液を作製した。
<水系銀コロイド液の作製>
デキストリン3.5gをイオン交換水31.5gに溶解した水溶液と、硝酸銀8.5gをイオン交換水41.5gに溶解した水溶液とを混ぜ合わせ、攪拌しながら2規定の水酸化ナトリウム水溶液38gを1分かけゆっくりと滴下した。1時間後、攪拌を停止し、12時間放置した。その後、デカンテーションを行い、得られた沈殿物25gにイオン交換水25gを加え、再分散を行った後、遠心分離を行い、固形沈殿物を得た。この固形沈殿物に7gのイオン交換水を添加し、固形分38%、比重1.4の銀コロイド液を得た。
デキストリン3.5gをイオン交換水31.5gに溶解した水溶液と、硝酸銀8.5gをイオン交換水41.5gに溶解した水溶液とを混ぜ合わせ、攪拌しながら2規定の水酸化ナトリウム水溶液38gを1分かけゆっくりと滴下した。1時間後、攪拌を停止し、12時間放置した。その後、デカンテーションを行い、得られた沈殿物25gにイオン交換水25gを加え、再分散を行った後、遠心分離を行い、固形沈殿物を得た。この固形沈殿物に7gのイオン交換水を添加し、固形分38%、比重1.4の銀コロイド液を得た。
得られた銀コロイド液の一部に濃硝酸を加え、硝酸銀にした後、ヨウ化カリウム水溶液を用いて滴定を行い、銀濃度を求めた。求められた銀濃度は32%であり、固形分38%との差分に相当する6%は銀以外の分散剤等の含有量に相当する。また電子顕微鏡にて観察した結果、銀超微粒子の粒径は約20nmであった。
下記の配合により水系コロイド溶液を希釈して作製した銀インクを、市販の顔料インクを用いたインクジェットプリンター(セイコーエプソン(株)製、StylusC82)のシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各カートリッジの顔料インクの代わりに充填した。
水系コロイド溶液 50cm3
イオン交換水 60cm3
イオン交換水 60cm3
前記易接着層を塗布した厚み100μmのポリカーボネートフィルム上に、細線幅200μmで格子間隔300μmの網目パターンを印字し導電性材料を得た。印字設定は、用紙設定をGlossy Photo Paperとし、Best Photoモードに設定した。印字は、23℃50%RHの環境で行った。
このようにして得た、銀塩感光材料から得られた銀画像を有する導電性材料を下記後処理液E−1〜E−7にて、また金属銀超微粒子を用いた金属画像を有する導電性材料を下記後処理液E−2及びE−8、9にて40℃30秒間浸漬して処理し、その後10秒間水洗した。
<処理液処方E−1>
トリエタノールアミン 20g
りん酸 5g
ビオプラーゼAL−15 1g
(中性プロテアーゼ:蛋白質分解酵素、長瀬産業(株)製)
水を加えて全量を1000mL、pHを7に調整した。
トリエタノールアミン 20g
りん酸 5g
ビオプラーゼAL−15 1g
(中性プロテアーゼ:蛋白質分解酵素、長瀬産業(株)製)
水を加えて全量を1000mL、pHを7に調整した。
<処理液処方E−2>
塩化ナトリウム 120g
トリエタノールアミン 20g
りん酸 5g
水を加えて全量を1000mL、pHを7に調整した。
塩化ナトリウム 120g
トリエタノールアミン 20g
りん酸 5g
水を加えて全量を1000mL、pHを7に調整した。
<処理液処方E−3>
塩化ナトリウム 120g
トリエタノールアミン 20g
りん酸 3.5g
ビオプラーゼAL−15 1g
(中性プロテアーゼ:蛋白質分解酵素、長瀬産業(株)製)
水を加えて全量を1000mL、pHを8に調整した。
塩化ナトリウム 120g
トリエタノールアミン 20g
りん酸 3.5g
ビオプラーゼAL−15 1g
(中性プロテアーゼ:蛋白質分解酵素、長瀬産業(株)製)
水を加えて全量を1000mL、pHを8に調整した。
<処理液処方E−4>
臭化カリウム 40g
トリエタノールアミン 20g
りん酸 3.5g
ビオプラーゼAL−15 1g
(中性プロテアーゼ:蛋白質分解酵素、長瀬産業(株)製)
水を加えて全量を1000mL、pHを8に調整した。
臭化カリウム 40g
トリエタノールアミン 20g
りん酸 3.5g
ビオプラーゼAL−15 1g
(中性プロテアーゼ:蛋白質分解酵素、長瀬産業(株)製)
水を加えて全量を1000mL、pHを8に調整した。
<処理液処方E−5>
臭化カリウム 20g
トリエタノールアミン 20g
りん酸 3.5g
ビオプラーゼAL−15 1g
(中性プロテアーゼ:タンパク質分解酵素、長瀬産業(株)製)
水を加えて全量を1000mL、pHを8に調整した。
臭化カリウム 20g
トリエタノールアミン 20g
りん酸 3.5g
ビオプラーゼAL−15 1g
(中性プロテアーゼ:タンパク質分解酵素、長瀬産業(株)製)
水を加えて全量を1000mL、pHを8に調整した。
<処理液処方E−6>
塩化ナトリウム 3.0g
トリエタノールアミン 20g
りん酸 3.5g
ビオプラーゼAL−15 1g
(中性プロテアーゼ:タンパク質分解酵素、長瀬産業(株)製)
水を加えて全量を1000mL、pHを8に調整した。
塩化ナトリウム 3.0g
トリエタノールアミン 20g
りん酸 3.5g
ビオプラーゼAL−15 1g
(中性プロテアーゼ:タンパク質分解酵素、長瀬産業(株)製)
水を加えて全量を1000mL、pHを8に調整した。
<処理液処方E−7>
塩化ナトリウム 1.0g
トリエタノールアミン 20g
りん酸 3.5g
ビオプラーゼAL−15 1g
(中性プロテアーゼ:タンパク質分解酵素、長瀬産業(株)製)
水を加えて全量を1000mL、pHを8に調整した。
塩化ナトリウム 1.0g
トリエタノールアミン 20g
りん酸 3.5g
ビオプラーゼAL−15 1g
(中性プロテアーゼ:タンパク質分解酵素、長瀬産業(株)製)
水を加えて全量を1000mL、pHを8に調整した。
<処理液処方E−8>
トリエタノールアミン 20g
りん酸 5g
ビオザイムF10SD 1g
(アミラーゼ:セルロース質分解酵素、天野エンザイム(株))
水を加えて全量を1000mL、pHを7に調整した。
トリエタノールアミン 20g
りん酸 5g
ビオザイムF10SD 1g
(アミラーゼ:セルロース質分解酵素、天野エンザイム(株))
水を加えて全量を1000mL、pHを7に調整した。
<処理液処方E−9>
塩化ナトリウム 3g
硫酸ナトリウム 73g
トリエタノールアミン 20g
りん酸 3.5g
ビオザイムF10SD 1g
(アミラーゼ:セルロース質分解酵素、天野エンザイム(株))
水を加えて全量を1000mL、pHを8に調整した。
塩化ナトリウム 3g
硫酸ナトリウム 73g
トリエタノールアミン 20g
りん酸 3.5g
ビオザイムF10SD 1g
(アミラーゼ:セルロース質分解酵素、天野エンザイム(株))
水を加えて全量を1000mL、pHを8に調整した。
上記のようにして後処理した導電性材料に下記の評価を実施した。なお評価に用いた後処理液は、作製直後の後処理液と、カトー(株)製防爆対応型加温庫にて30℃30日間保管した後処理液との2種を用いた。
<抵抗率>
網目パターン状銀薄膜が形成された導電性材料の表面抵抗率を、ダイアインスツルメンツ社製ロレスターGP/ESPプローブを用いて、JIS K 7194に従い測定し、後処理の前後での抵抗率の減少率を評価した。表面抵抗率が後処理を実施する前の50%未満となったら○、50%以上80%未満となったら△、80%以上であったら×とした。作製直後の後処理液を用いた結果を表1に示す。
網目パターン状銀薄膜が形成された導電性材料の表面抵抗率を、ダイアインスツルメンツ社製ロレスターGP/ESPプローブを用いて、JIS K 7194に従い測定し、後処理の前後での抵抗率の減少率を評価した。表面抵抗率が後処理を実施する前の50%未満となったら○、50%以上80%未満となったら△、80%以上であったら×とした。作製直後の後処理液を用いた結果を表1に示す。
<接着性>
上記のようにして得られた網目パターン状銀薄膜の上に、ロックタイト3105(ヘンケル社製無溶剤型の可視光重合型ウレタンアクリレート接着剤)を湿分塗布量が10g/m2となるよう塗布し、200μmのポリカーボネートベース(三菱ガス化学(株)製ユーピロンシート)を重ね、紫外線照射装置を用いて紫外線照射し、硬化させ接着させた。JIS K 6843−3に従い25mmの幅に切った接着物のT字剥離強度を測定した。紫外線硬化型接着剤との接着力が50N以上の場合は○、50N未満20N以上の場合は△、20N未満の場合は×とした。作製直後の後処理液を用いた結果を表1に示す。
上記のようにして得られた網目パターン状銀薄膜の上に、ロックタイト3105(ヘンケル社製無溶剤型の可視光重合型ウレタンアクリレート接着剤)を湿分塗布量が10g/m2となるよう塗布し、200μmのポリカーボネートベース(三菱ガス化学(株)製ユーピロンシート)を重ね、紫外線照射装置を用いて紫外線照射し、硬化させ接着させた。JIS K 6843−3に従い25mmの幅に切った接着物のT字剥離強度を測定した。紫外線硬化型接着剤との接着力が50N以上の場合は○、50N未満20N以上の場合は△、20N未満の場合は×とした。作製直後の後処理液を用いた結果を表1に示す。
<液安定性>
作製直後の後処理液と、カトー(株)製防爆対応型加温庫にて30℃30日間保管した後処理液とを用い、上記接着性と抵抗率の評価を実施した。この結果、作製直後の後処理液と30℃30日間保管した後処理液とで、接着性と抵抗率の評価結果が同じであったものを○、接着性と抵抗率のいずれかの評価結果が低下したものを△、接着性と抵抗率の評価結果が共に低下したものを×とした。結果を表1に示す。
作製直後の後処理液と、カトー(株)製防爆対応型加温庫にて30℃30日間保管した後処理液とを用い、上記接着性と抵抗率の評価を実施した。この結果、作製直後の後処理液と30℃30日間保管した後処理液とで、接着性と抵抗率の評価結果が同じであったものを○、接着性と抵抗率のいずれかの評価結果が低下したものを△、接着性と抵抗率の評価結果が共に低下したものを×とした。結果を表1に示す。
以上の結果から、酵素と、該酵素に対して2〜30倍量(質量基準)の水溶性ハロゲン化物を含有する導電性材料用後処理液によって、酵素と水溶性ハロゲン化物を共に含有し、液を経時した際にも酵素の活性を低下させずに高い導電性が得られ、且つ他の機能材との接着性が低下することのない導電性材料用後処理液が得られることが判る。酵素に対して水溶性ハロゲン化物が多すぎる場合は、機能材層との密着性が悪く、また少なすぎる場合は導電性の改善幅が小さく、液安定性も十分ではなかった。
Claims (1)
- 酵素と、該酵素に対して2〜30倍量(質量基準)の水溶性ハロゲン化物を含有する導電性材料用後処理液。
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