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JP2011077075A - 発熱性電子素子内蔵のモジュール基板及びその製造方法 - Google Patents

発熱性電子素子内蔵のモジュール基板及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】従来の構成のモジュール基板に比べて動作中の発熱性電子素子の温度の上昇を更に効果的に抑えることが可能である。
【解決手段】第1誘電体基板10の主表面34に形成された配線層12に半田バンプ16を介してフリップチップ実装された発熱性電子素子14を具えている。この発熱性電子素子の上側面30には、絶縁層20を介して第2誘電体基板26が配置されている。発熱性電子素子から発生する熱を第2誘電体基板側に伝導させる中間放熱膜50が、絶縁層と第2誘電体基板との間に、第2誘電体基板の下側面44に密着されて配置されている。
【選択図】図5

Description

この発明は、発熱性電子素子を内蔵するモジュール基板に関し、特に発熱性電子素子から発生する熱を効率よく外部に放出することが可能であるモジュール基板に関する。
高周波電力増幅素子、高周波フィルタ素子及び高周波分波素子等が一体化されて構成された高周波モジュールであって、これらの素子が誘電体基板にフリップチップ実装(Flip chip attach)されて形成される高周波モジュールが知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。また、マイクロ波帯域の通信に用いられる電力増幅素子が誘電体基板に搭載されたパワーアンプモジュールが知られている(例えば、特許文献4参照)。
これら高周波モジュール及びパワーアンプモジュールは、例えば、携帯電話器等の移動体通信機器に盛んに利用されている。移動体通信機器は、小型化することが強く要請されており、この小型化に伴って高周波電力増幅素子等の発熱性電子素子から発生する熱を効率よく外部に放出する技術が強く求められている。
特開2006−203652号公報 特開2003−051733号公報 特開2003−304048号公報 特開2005−191435号公報
モジュール基板を形成するにあたり、誘電体基板に実装される発熱性電子素子に対して電気的な絶縁及び防湿あるいは防塵の効果を実現するため、その周囲をエポキシ樹脂やフェノール樹脂等の樹脂材料で覆うという手段が講じられている。樹脂材料も上述の誘電体基板も熱伝導率が小さいので、発熱性電子素子は、その周囲を熱伝導率の小さい物質で覆われていることになる。
このため、発熱性電子素子は動作中にその温度が上昇し、その動作特性に不具合が生じる等の影響が現れるほか、場合によっては故障の原因となる。
そこで、従来のモジュール基板にあっては、発熱性電子素子をフリップチップ実装している誘電体基板が配置された当該発熱性電子素子の下側面から熱を外部に効率よく放出する機構が様々に工夫されている。しかしながら、発熱性電子素子の下側面に対する反対側の面である上側面から放熱される熱を外部に効率よく放出する機構については有効な手段が講じられてこなかった。
このため、発熱性電子素子から発生する熱によって発熱性電子素子の温度の上昇を効果的に抑えることには限界があった。
そこで、発熱性電子素子の上側面から熱を効率よく放出するための機構について、この出願に係る発明者は鋭意研究を行った。その結果、発熱性電子素子の上側面に絶縁層を介して接近させて熱伝導率の大きな材料を配置する構成を採用することによってこの目的が達成され、発熱性電子素子の温度の上昇を効果的に抑えることが可能であることをシミュレーションによって確かめた。
したがって、この発明の目的は、従来の構成のモジュール基板に比べて動作中の発熱性電子素子の温度の上昇を更に効果的に抑えることが可能である放熱機構を有する、発熱性電子素子を内蔵したモジュール基板及びその製造方法を提供することにある。
上述の目的を達成するため、この発明の要旨によれば、以下の構成のモジュール基板及びその製造方法が提供される。
この発明の第1のモジュール基板は、第1誘電体基板の主表面に形成された配線層に半田バンプを介してフリップチップ実装された発熱性電子素子を具えているモジュール基板である。この発熱性電子素子の第1誘電体基板側に面する下側面に対する反対側の面である上側面側には、絶縁層を介して第2誘電体基板が配置されている。
すなわち、この発明の第1のモジュール基板は、発熱性電子素子を第1誘電体基板と第2誘電体基板との間に挟んで構成される発熱性電子素子内蔵のモジュール基板であって、以下のとおりの構成とされている。
発熱性電子素子から発生する熱を第2誘電体基板側に伝導させる中間放熱膜が、発熱性電子素子の上側面に形成された絶縁層と第2誘電体基板との間に、第2誘電体基板のこの発熱性電子素子が配置されている側である下側面に密着されて配置されている。
この発明の第1のモジュール基板は、以下の工程を含む方法によって形成することが可能である。
この発明の第1のモジュール基板の製造方法は、フリップチップ実装工程と、中間誘電体基板設置工程と、第2誘電体基板設置工程とを含んで構成される。
フリップチップ実装工程は、主表面に配線層が形成された第1誘電体基板を用意し、半田バンプを介してこの配線層に電気的に発熱性電子素子を接続する工程である。
中間誘電体基板設置工程は、発熱性電子素子を囲むための穴が構成された中間誘電体基板を用意し、第1誘電体基板の主表面及び発熱性電子素子の上側面に誘電体接着剤を塗布し、中間誘電体基板を、上述の穴に発熱性電子素子が収まるように、かつ第1誘電体基板の主表面に該誘電体接着剤を介し装着する工程である。この誘電体接着剤は、固化して絶縁層を形成する。
第2誘電体基板設置工程は、中間放熱膜が形成されている第2誘電体基板を用意し、この第2誘電体基板を中間放熱膜が発熱性電子素子の上側面に誘電体接着剤を介して配置されるように、かつ第2誘電体基板の下側面の中間放熱膜が形成されていない部分を中間誘電体基板の上側面に密着させて第2誘電体基板を設置する工程である。
この発明の第2のモジュール基板は、上述の第1のモジュール基板に更に以下の機構が付け加えられて構成される。
すなわち、第2誘電体基板の下側面と反対側の面である上側面に上側放熱膜が形成されており、上述の中間放熱膜と上側放熱膜とがスルーホールによって接合された構造体が設けられている。
この発明の第2のモジュール基板は、以下の工程を含む方法によって形成することが可能である。
この発明の第2のモジュール基板の製造方法は、上述のフリップチップ実装工程と、中間誘電体基板設置工程と、第2誘電体基板設置工程とを含み、かつこの第2誘電体基板設置工程の後工程として、スルーホール形成工程と、上側放熱膜形成工程とを更に含んで構成される。
スルーホール形成工程は、第2誘電体基板にスルーホールを形成する工程である。
上側放熱膜形成工程は、このスルーホールが形成された第2誘電体基板の、上述の発熱性電子素子側とは反対側の面である上側面に上側放熱膜を形成する工程である。
この発明の第1のモジュール基板によれば、中間放熱膜が、発熱性電子素子の上側面に形成された絶縁層と第2誘電体基板との間に、第2誘電体基板の下側面に密着されて配置されている。この中間放熱膜が設置されることによって、発熱性電子素子の上側面から熱を外部に効率よく放出することが可能となっている。すなわち、この放熱機構が、発熱性電子素子の上側面側に設けられたことによって、動作中の発熱性電子素子の温度の上昇を、従来のモジュール基板に比べて更に効果的に抑えることが可能となる。
この発明の第2のモジュール基板によれば、第2誘電体基板の上側面に形成された上側放熱膜と上述の中間放熱膜とがスルーホールによって接合された構造体が設けられている。このスルーホールを含む構造体によって、中間放熱膜に到達した熱が、スルーホールを伝って第2誘電体基板の上側面に形成された上側放熱膜に効率よく伝えられる。すなわち、この発明の第2のモジュール基板によれば、発熱性電子素子の上側面から外部への熱の放出が、この発明の第1のモジュール基板より一層効率よく行われる。
従来のモジュール基板の構造の説明に供する図である。(A)〜(C)は発熱性電子素子を搭載する誘電体基板の主平面に垂直な面で切断して示す断面切り口を示す図である。 従来のモジュール基板の構造の説明に供する図である。(A)〜(C)は発熱性電子素子を搭載する誘電体基板の主平面に垂直な方向から見た平面図である。 シミュレーションを行うに当たって設定した諸条件についての説明に供する図である。(A)はこのシミュレーションの対象であるモジュール基板の上面図であり、(B)は(A)のA-A'で示す線分に沿って切断したモジュール基板の切り口断面図であり、(C)は発熱性電子素子の形状及び配置されている位置を示す図である。 従来のモジュール基板のシミュレーションの結果得られた発熱性電子素子の表面温度分布を示す図である。 この発明の実施形態の第1のモジュール基板の構造の説明に供する図である。(A)〜(C)は発熱性電子素子を搭載する誘電体基板の主平面に垂直な面で切断して示す断面切り口を示す図である。 この発明の実施形態の第1のモジュール基板の構造の説明に供する図である。(A)〜(C)は発熱性電子素子を搭載する誘電体基板の主平面に垂直な方向から見た平面図である。 シミュレーションを行うに当たって設定した諸条件についての説明に供する図である。(A)はこのシミュレーションの対象であるモジュール基板の上面図であり、(B)は(A)のA-A'で示す線分に沿って切断したモジュール基板の切り口断面図であり、(C)は中間放熱膜の形状及び配置されている位置を示す図である。 この発明の実施形態の第1のモジュール基板のシミュレーションの結果得られた発熱性電子素子の表面温度分布を示す図である。 この発明の実施形態の第2のモジュール基板の構造の説明に供する図である。(A)〜(C)は発熱性電子素子を搭載する誘電体基板の主平面に垂直な面で切断して示す断面切り口を示す図である。 この発明の実施形態の第2のモジュール基板の構造の説明に供する図である。(A)〜(C)は発熱性電子素子を搭載する誘電体基板の主平面に垂直な方向から見た平面図である。 シミュレーションを行うに当たって設定した諸条件についての説明に供する図である。(A)はこのシミュレーションの対象であるモジュール基板の上面図であり、(B)は(A)のA-A'で示す線分に沿って切断したモジュール基板の切り口断面図である。 この発明の実施形態の第2のモジュール基板のシミュレーションの結果得られた発熱性電子素子の表面温度分布を示す図である。
まず、高周波モジュールあるいはパワーアンプモジュール等の発熱性電子素子を内蔵する従来のモジュール基板の典型的な構成及びその熱的特性について説明し、この発明が解決すべき課題について図1〜図4を参照して具体的に明らかにする。なお、この発明の実施形態の説明に供する図5〜図12の各図は、この発明のモジュール基板の基本構成及びその特性等が理解できる程度に概略的に示したものに過ぎない。また、以下、この発明の好適な構成例について説明するが、各構成要素の材質及び数値的条件などは、単なる好適例に過ぎない。従って、この発明は、以下に提示する実施形態に何ら限定されない。また、各図において同様の構成要素については、同一の番号を付して示し、その重複する説明を省略することもある。
<従来のモジュール基板>
上述の高周波モジュールあるいはパワーアンプモジュール等の発熱性電子素子を内蔵する従来のモジュール基板の典型的な構成について図1〜図4を参照して説明し、このモジュール基板が内蔵する発熱性電子素子から発生する熱の放出特性について説明する。ここで、モジュール基板とは、発熱性電子素子を誘電体基板に実装してモジュール化して形成されたモジュールユニットを指すものとする。
図1(A)〜図1(C)及び図2(A)〜図2(C)は、従来のモジュール基板の構造の説明に供する図である。モジュール基板は階層的な構造であるので、この階層的な構造を理解しやすいように、このモジュール基板の形成の初期の工程から最終工程までの主だった工程において形成される形状を、順次工程を追う形式で図面を分けて示してある。図1(A)〜図1(C)は、発熱性電子素子を搭載する誘電体基板の主平面に垂直な面で切断して示す断面切り口を示す図であり、図2(A)〜図2(C)は、発熱性電子素子を搭載する誘電体基板の主平面に垂直な方向から見た平面図である。
図1(A)及び図2(A)に示すように、従来のモジュール基板の典型的な構成において、発熱性電子素子14は、第1誘電体基板10の主表面34に形成された配線層12に半田バンプ16を介してこの配線層12にフリップチップ実装されている。
また、図1(C)に示すように、この発熱性電子素子14の第1誘電体基板側に面する下側面32に対する反対側の面である上側面30には、絶縁層20を介して第2誘電体基板26が配置されている。すなわち、従来のモジュール基板の典型的な構成は、発熱性電子素子14を第1誘電体基板10と第2誘電体基板26との間に挟んで構成される発熱性電子素子内蔵のモジュール基板である。
この従来のモジュール基板は、フリップチップ実装工程と、第2誘電体基板設置工程とを含んで構成される方法で製造することが可能である。
フリップチップ実装工程は、主表面34に配線層12が形成された第1誘電体基板10を用意し、半田バンプ16を介してこの配線層12に電気的に発熱性電子素子14を接続する工程である。
中間誘電体基板設置工程は、発熱性電子素子14を囲むための穴36が構成された中間誘電体基板24を用意し、この中間誘電体基板24を、上述の穴36に発熱性電子素子14が収まるように、かつ第1誘電体基板10の主表面34及び発熱性電子素子14の第1誘電体基板の側と反対側の上側面30に誘電体接着剤を介し装着する工程である。この誘電体接着剤は固化して絶縁層20を形成する。
第1誘電体基板10の主表面34には、配線層12が形成されているので、配線層12が形成されている領域については、上述の第1誘電体基板10の主表面34及び発熱性電子素子14の第1誘電体基板の側と反対側の上側面30に誘電体接着剤を介し装着するとの説明は、上述の第1誘電体基板10の主表面34に形成されている配線層12及び発熱性電子素子14の第1誘電体基板の側と反対側の上側面30に誘電体接着剤を介し装着する、と読み替えるものとする。
第2誘電体基板設置工程は、第2誘電体基板26を、中間誘電体基板24の第2誘電体基板26に面する側の上側面38に密着させて第2誘電体基板26を設置する工程である。
図1(B)は、第1誘電体基板10の主表面34及びこの主表面34に形成されている配線層12並びに発熱性電子素子14の上側面30を覆うように絶縁層20を形成するための誘電体接着剤を塗布する工程の説明に供する図である。この誘電体接着剤をこのように塗布した後、この誘電体接着剤が固化する前に、発熱性電子素子14を囲むための穴が構成された中間誘電体基板24を、この穴に発熱性電子素子14が収まるように、かつ第1誘電体基板10の主表面34と中間誘電体基板24の第1誘電体基板10に面する側である下側面42とが平行になるように設置する。
続いて、この第2誘電体基板26の発熱性電子素子14が配置されている側である下側面44と、中間誘電体基板24の上側面38とを密着させて接着する。このように、第1誘電体基板10に対して中間誘電体基板24を設置し、かつ第2誘電体基板26を配置すれば、発熱性電子素子14の上側面30と、第2誘電体基板26の下側面44とが平行な関係に形成される。
図示は省略してあるが、第2誘電体基板26の下側面44と中間誘電体基板24の上側面38とを接着するための接着剤は、絶縁層20を形成する誘電体接着剤と同一の接着剤であっても、またこれとは別の接着剤を使っても良い。
図2(A)に示すように、従来のモジュール基板の形成工程であるフリップチップ実装工程が終了した時点では発熱性電子素子14を直に見ることができる。発熱性電子素子14は合計10箇所で半田バンプ16を介して第1誘電体基板10の主表面34に形成された配線層12と電気的に接続されてフリップチップ実装されている。図2(B)に示すように、配線層12並びに発熱性電子素子14の上側面30を覆うように絶縁層20を形成するための誘電体接着剤を塗布する工程が終了した時点では、配線層12及び発熱性電子素子14は誘電体接着剤に覆われる。また図2(C)に示すように、第2誘電体基板26を設置すると、最上位に現れる層は、第2誘電体基板26の発熱性電子素子14が設置された側と反対側面である上側面40に形成されている上側放熱膜28となる。
上側放熱膜28に対して、下側放熱膜18が第1誘電体基板10の発熱性電子素子14が実装されている側の主表面34の反対側面である下側面46に形成されている。すなわち、従来のモジュール基板は、発熱性電子素子14から発現した熱は、最終的に上側放熱膜28及び下側放熱膜18を介して外部に放散される構成となっている。
ここでは、発熱性電子素子14から発生した熱が、下側放熱膜18を介して外部に放散されるまでの間に配置されている放熱構造については、図示を省略した。
通常従来の同種のモジュール基板にあっては、発熱性電子素子14の第1誘電体基板10の側に面する下側面32と第1誘電体基板10の主表面34との間は周知のアンダーフィル材22が充填されている。アンダーフィル材22は、絶縁性であってかつ熱伝導率も大きくない。
また図示は省略してあるが、発熱性電子素子14の発熱ポイントと下側放熱膜18とを繋ぐ放熱用ビアホールを形成する等の方策が講じられることが多い。この放熱用ビアホールは、第1誘電体基板10を貫いて形成され熱伝導率の大きな材料、例えば銅等の材料が使われている。
第1誘電体基板10及び第2誘電体基板26を構成する誘電体材料は、絶縁性のある樹脂材料、例えば、テフロン(登録商標)基板あるいはガラスエポキシ基板等が使われ、これらの誘電体基板の表面には銅の蒸着層など導電体で回路パターンが形成された配線層12が形成されているのが一般的である。また、絶縁層20を形成するための誘電体接着剤はエポキシ系樹脂接着剤等が利用される。アンダーフィル材22としては熱硬化型のエポキシ樹脂が利用される。
次に、図3(A)〜図3(C)及び図4を参照して、従来の発熱性電子素子を内蔵したモジュール基板の放熱特性についてシミュレーション評価した結果について説明する。図3(A)〜図3(C)は、シミュレーションを行うに当たって設定した諸条件についての説明に供する図であり、図4はシミュレーションの結果得られた発熱性電子素子の表面温度分布を示す図である。
図3(A)はこのシミュレーションの対象であるモジュール基板の上面図である。このシミュレーションにおいては、縦横がそれぞれ8000μm(=8 mm)四方の大きさのモジュール基板を対象とした。
図3(B)は図3(A)に示した上面図においてA-A'で示す線分に沿って切断したモジュール基板の切り口断面図である。
また、図3(C)はモジュール基板の図3(B)でBと示す位置の平面を示す上面図であって、発熱性電子素子(図1及び図2に示した発熱性電子素子14に相当する。)の形状及び配置されている位置を示す図である。発熱性電子素子14は縦横がそれぞれ1330μm及び2550μmである長方形であって、モジュール基板の中央に配置されている。
図3(B)に示すように、下側放熱膜18及び上側放熱膜28の厚みは18μm、発熱性電子素子14の高さ方向の厚みは132μm、アンダーフィル材22の厚みは50μm、第2誘電体基板26の厚みは195μm(=327μm-132μm)、中間誘電体基板24の厚みは132μm、第1誘電体基板10の厚みは327μmである。
発熱性電子素子14の母体の熱伝導率を68 W/(m・K)とし、第1誘電体基板10、中間誘電体基板24及び第2誘電体基板26のそれぞれを構成する誘電体の熱伝導率を0.2 W/(m・K)とし、アンダーフィル材22の熱伝導率を0.4 W/(m・K)とし、下側放熱膜18、配線層12及び上側放熱膜28の熱伝導率を390 W/(m・K)としてシミュレーションを行った。
発熱性電子素子14として、3段構成のMMIC(microwave monolithic integrated circuit)を想定した。すなわち、第1段回路14-1、第2段回路14-2、及び第3段回路14-3から構成される3段構成のMMICを想定した。そして、第1段回路14-1には3 V-30 mAの電力を供給し、第2段回路14-2には3 V-60 mAの電力を供給し、第3段回路14-3には3.2 V-120 mAの電力を供給するものと想定した。
図4を参照して、シミュレーションの結果得られた発熱性電子素子の表面温度分布について説明する。図4に示す長方形は、発熱性電子素子14の外形を示すものであり、縦横がそれぞれ1330μm及び2550μmである。図4に発熱性電子素子14の大きさを実感しやすいように、1 mm(=1000μm)の長さを示す尺度を示してある。図4に示す温度分布は、上側放熱膜28の表面における温度分布を示している。
図4に示すように、3段構成のMMICを構成する第1段回路14-1の周辺温度は42℃、第2段回路14-2の周辺温度も42℃となっており、第3段回路14-3の周辺温度は60℃となっており、第3段回路14-3における最高温度は64.76℃となった。
既に説明したように、図1〜図4を参照して説明したモジュール基板は、発熱性電子素子14の周りが熱伝導率の小さな素材で囲まれた構成となっている。そのため、発熱性電子素子14から発生した熱が下側放熱膜18及び上側放熱膜28から逃げにくい構造であり、上述した様に発熱性電子素子14である3段構成のMMICを構成する第3段回路14-3の周辺の最高温度が64.67℃と非常に高温度に達している。
この発明の実施形態の第1及び第2のモジュール基板は、特に上側放熱膜28から熱を逃げやすくするための機構を作りつけたことが特徴であるので、ここでは下側放熱膜18から外部に放散される熱については取り上げない。
従って、以下に示すこの発明の実施形態の第1及び第2のモジュール基板の温度特性については、発熱性電子素子14から下側放熱膜18に至るまでの間の基板構成は、従来のモジュール基板と共通の構造とし、上側放熱膜28の表面温度を比較することによって、従来のモジュール基板との相違を論ずることとする。
<この発明の実施形態の第1のモジュール基板>
図5(A)〜図5(C)及び図6(A)〜図6(C)を参照して、発熱性電子素子を内蔵するこの発明の実施形態の第1のモジュール基板の構成について説明する。
図5(A)〜図5(C)及び図6(A)〜図6(C)は、この発明の実施形態の第1のモジュール基板の構造の説明に供する図である。図5(A)〜図5(C)は、発熱性電子素子を搭載する誘電体基板の主平面に垂直な面で切断して示す断面切り口を示す図であり、図6(A)〜図6(C)は、発熱性電子素子を搭載する誘電体基板の主平面に垂直な方向から見た平面図である。
この発明の実施形態の第1のモジュール基板と従来のモジュール基板との相違点は、発熱性電子素子14から発生する熱を第2誘電体基板26側に伝導させる中間放熱膜50が、発熱性電子素子14の上側面30に形成された絶縁層20と第2誘電体基板26との間に、第2誘電体基板26の発熱性電子素子14が配置されている側である下側面44に密着されて配置されている点である。
すなわち、中間放熱膜50が新たに設けられている点が従来のモジュール基板との相違点であり、その他の構成は従来のモジュール基板と同一であるので、同一部分についての重複する説明を省略する。
この発明の実施形態の第1のモジュール基板は、以下の工程を含む方法によって形成することが可能である。
すなわち、上述した従来のモジュール基板の製造方法における第2誘電体基板設置工程を次のように変更することによってこの発明の実施形態の第1のモジュール基板を製造することが可能である。
第2誘電体基板設置工程を、中間放熱膜50が形成されている第2誘電体基板26を用意し、この第2誘電体基板26を中間放熱膜50が発熱性電子素子14の上側面30に固化すると絶縁層20となる誘電体接着剤を介して配置されるように、かつ第2誘電体基板26の下側面44の中間放熱膜50が形成されていない部分44aを中間誘電体基板24の上側面38に密着させて第2誘電体基板26を設置する工程とする。
この第2誘電体基板設置工程以外は、従来のモジュール基板の製造方法と同一であるので、重複する説明を省略する。
図7(A)〜図7(C)及び図8を参照して、発熱性電子素子を内蔵したこの発明の実施形態の第1のモジュール基板の放熱特性についてシミュレーション評価した結果について説明する。図7(A)〜図7(C)は、シミュレーションを行うに当たって設定した諸条件についての説明に供する図であり、図8はシミュレーションの結果得られた発熱性電子素子の表面温度分布を示す図である。
図7(A)はこのシミュレーションの対象であるこの発明の実施形態の第1のモジュール基板の上面図である。このシミュレーションにおいては、縦横がそれぞれ8000μm(=8 mm)四方の大きさのモジュール基板を対象とした。
図7(B)は図7(A)に示した上面図においてA-A'で示す線分に沿って切断したモジュール基板の切り口断面図である。
また、図7(C)はモジュール基板の図7(B)でBと示す位置の平面を示す上面図であって、中間放熱膜50の形状及び配置されている位置を示す図である。中間放熱膜50は幅が2550μmであって長さがモジュール基板寸法であるの8000μmである。
中間放熱膜50の形状は、発熱性電子素子14の上側面30と合同の形状である必要はなく、中間放熱膜50の少なくとも一部が発熱性電子素子14の上側面30の直上にくるように形成すれば、発熱性電子素子14の上側面30より広くても良い。むしろ、発熱性電子素子14の電気動作特性に影響を与えない範囲で、中間放熱膜50はできるだけ広く形成するのが放熱の効果を高める上では有効である。
図7(B)に示すように、下側放熱膜18及び上側放熱膜28の厚みは18μm、発熱性電子素子14の高さ方向の厚みは132μm、アンダーフィル材22の厚みは50μm、中間放熱膜50の厚みは18μm、第2誘電体基板26の厚みは127μm、中間誘電体基板24の厚みは132μm、第1誘電体基板10の厚みは327μmである。
発熱性電子素子14の母体の熱伝導率を68 W/(m・K)とし、第1誘電体基板10、中間誘電体基板24及び第2誘電体基板26のそれぞれを構成する誘電体の熱伝導率を0.2 W/(m・K)とし、アンダーフィル材22の熱伝導率を0.4 W/(m・K)とし、下側放熱膜18、配線層12及び上側放熱膜28の熱伝導率を390 W/(m・K)としてシミュレーションを行った。
発熱性電子素子14として、上述した従来のモジュール基板のシミュレーションに用いた3段構成のMMICと同一のものを想定した。
図8を参照して、シミュレーションの結果得られた発熱性電子素子の表面温度分布について説明する。図8に示す長方形は、発熱性電子素子14の外形を示すものであり、幅が2550μmである。図8に示す温度分布は、上側放熱膜28の表面における温度分布を示している。
図8に示すように、3段構成のMMICを構成する第1段回路14-1の周辺温度は25℃、第2段回路14-2の周辺温度も25℃となっており、第3段回路14-3の周辺温度は40℃となっており、第3段回路14-3における最高温度は40.076℃となった。これは、上述の従来のモジュール基板における第3段回路14-3における最高温度64.67℃よりも24.594℃も低くなっている。すなわち、この発明の実施形態の第1のモジュール基板によれば、従来の構成のモジュール基板に比べて動作中の発熱性電子素子の温度の上昇を更に効果的に抑えることが可能であることが確かめられた。
<この発明の実施形態の第2のモジュール基板>
図9(A)〜図9(C)及び図10(A)〜図10(C)を参照して、発熱性電子素子を内蔵するこの発明の実施形態の第2のモジュール基板の構成について説明する。
図9(A)〜図9(C)及び図10(A)〜図10(C)は、この発明の実施形態の第2のモジュール基板の構造の説明に供する図である。図9(A)〜図9(C)は、発熱性電子素子を搭載する誘電体基板の主平面に垂直な面で切断して示す断面切り口を示す図であり、図10(A)〜図10(C)は、発熱性電子素子を搭載する誘電体基板の主平面に垂直な方向から見た平面図である。
この発明の実施形態の第2のモジュール基板とこの発明の実施形態の第1のモジュール基板との相違点は、第2誘電体基板26の下側面44と反対側の面である上側面40に上側放熱膜28が形成されており、上述の中間放熱膜50と上側放熱膜28とがスルーホール52によって接合された構造体が設けられている点である。
すなわち、上述の中間放熱膜50と上側放熱膜28とを結ぶスルーホール52が新たに設けられている点及び中間放熱膜50の大きさが異なっている点がこの発明の実施形態の第1のモジュール基板との相違点であり、その他の構成はこの発明の実施形態の第1のモジュール基板と同一であるので、同一部分についての重複する説明を省略する。
この発明の実施形態の第2のモジュール基板は、以下の工程を含むこの発明の第2のモジュール基板の製造方法によって形成することが可能である。
この発明の第2のモジュール基板の製造方法は、上述のフリップチップ実装工程と、中間誘電体基板設置工程と、第2誘電体基板設置工程とを含み、かつこの第2誘電体基板設置工程の後工程として、スルーホール形成工程と、上側放熱膜形成工程とを更に含んで構成される。
スルーホール形成工程は、第2誘電体基板26にスルーホール52を形成する工程である。上側放熱膜形成工程は、このスルーホール52が形成された第2誘電体基板26の、上述の発熱性電子素子側とは反対側の面である上側面40に上側放熱膜28を形成する工程である。スルーホール形成工程は、周知の方法で形成することが可能であるので、その具体的方法についての説明は省略する(例えば、特許文献、特開2001-332650号公報、特開2008−251935号公報等を参照)。
図11(A)及び図11(B)、及び図12を参照して、発熱性電子素子を内蔵したこの発明の実施形態の第2のモジュール基板の放熱特性にいてシミュレーション評価した結果について説明する。図11(A)及び図11(B)は、シミュレーションを行うに当たって設定した諸条件についての説明に供する図であり、図12はシミュレーションの結果得られた発熱性電子素子の表面温度分布を示す図である。
図11(A)はこのシミュレーションの対象であるこの発明の実施形態の第2のモジュール基板の上面図であり、上側放熱膜28を成膜していない状態を示している。このシミュレーションにおいては、縦横がそれぞれ8000μm(=8 mm)四方の大きさのモジュール基板を対象とした。図11(A)にはスルーホール52の位置を示してあり、発熱性電子素子14の上側面の大きさ1330μm×2550μmの中に位置している。
図11(B)は図11(A)に示した上面図においてA-A'で示す線分に沿って切断したモジュール基板の切り口断面図であり、中間放熱膜50と上側放熱膜28とがスルーホール52によって接合されている状態を示すため上側放熱膜28を図示している。
図11(B)に示すように、下側放熱膜18及び上側放熱膜28の厚みは18μm、発熱性電子素子14の高さ方向の厚みは132μm、アンダーフィル材22の厚みは50μm、中間放熱膜50の厚みは18μm、第2誘電体基板26の厚みは127μm、中間誘電体基板24の厚みは132μm、第1誘電体基板10の厚みは327μmである。
発熱性電子素子14の母体の熱伝導率を68 W/(m・K)とし、第1誘電体基板10、中間誘電体基板24及び第2誘電体基板26のそれぞれを構成する誘電体の熱伝導率を0.2 W/(m・K)とし、アンダーフィル材22の熱伝導率を0.4 W/(m・K)とし、下側放熱膜18、配線層12及び上側放熱膜28の熱伝導率を390 W/(m・K)としてシミュレーションを行った。
発熱性電子素子14として、上述した従来のモジュール基板のシミュレーションに用いた3段構成のMMICと同一のものを想定した。
なお、図11(A)及び図11(B)は、シミュレーションを行うに当たって設定した諸条件については、上述した図7(A)及び図7(B)を参照して説明したシミュレーションのための諸条件と、スルーホールが設けられている点、及び中間放熱膜50の面積の大きさ以外は同一としてある。
図12を参照して、シミュレーションの結果得られた発熱性電子素子14の表面温度分布について説明する。図12に示す長方形は、発熱性電子素子14の外形を示すものであり、縦横がそれぞれ1330μm及び2550μmである。図12に示す温度分布は、上側放熱膜28の表面における温度分布を示している。
図12に示すように、3段構成のMMICを構成する第1段回路14-1の周辺温度は4℃、第2段回路14-2の周辺温度も4℃となっており、第3段回路14-3の周辺温度は19℃となっており、第3段回路14-3における最高温度は19.553℃となった。これは、上述のこの発明の実施形態の第1のモジュール基板における第3段回路14-3における最高温度40.076℃よりも20.523℃も低くなっている。すなわち、この発明の実施形態の第2のモジュール基板によれば、上述のこの発明の実施形態の第1のモジュール基板に比べて動作中の発熱性電子素子の温度の上昇を更に効果的に抑えることが可能であることが確かめられた。
上述したこの発明の実施形態の第1のモジュール基板は、中間放熱膜50の寸法の制限が少なく発熱性電子素子14の上側面30の形状と異なる計上に設定が可能である場合に有効な構成である。すなわち、中間放熱膜50の寸法を大きく設定することによって放熱効果を高めることが可能であるので、スルーホールを形成するための製造工程を必要としないので、製造コストを低く抑えることが可能である。
これに対して、この発明の実施形態の第2のモジュール基板は、発熱性電子素子14の電気動作特性に中間放熱膜50の影響が大きく影響する場合等、中間放熱膜50の面積を大きく形成することが困難である場合に有効な構成である。すなわち、中間放熱膜50の寸法を大きく設定することが困難である場合であっても、スルーホール52によって充分に効率よく放熱することが可能である。
10:第1誘電体基板
12:配線層
14:発熱性電子素子
16:半田バンプ
18:下側放熱膜
20:絶縁層
22:アンダーフィル材
24:中間誘電体基板
26:第2誘電体基板
28:上側放熱膜
30:発熱性電子素子の上側面
32:発熱性電子素子の下側面
34:第1誘電体基板の主表面
36:発熱性電子素子を囲むための穴
38:中間誘電体基板の上側面
40:第2誘電体基板の上側面
42:中間誘電体基板の下側面
44:第2誘電体基板の下側面
46:第1誘電体基板の下側面
50:中間放熱膜
52:スルーホール

Claims (4)

  1. 第1誘電体基板の主表面に形成された配線層に半田バンプを介してフリップチップ実装された発熱性電子素子に対して、
    当該発熱性電子素子の前記第1誘電体基板側に面する下側面に対する反対側の面である上側面側に絶縁層を介して第2誘電体基板を配置して、
    当該発熱性電子素子を前記第1誘電体基板と前記第2誘電体基板との間に挟んで構成される当該発熱性電子素子内蔵のモジュール基板であって、
    当該発熱性電子素子から発生する熱を前記第2誘電体基板側に伝導させる中間放熱膜が、前記発熱性電子素子の上側面に形成された前記絶縁層と前記第2誘電体基板との間に、前記第2誘電体基板の当該発熱性電子素子が配置されている側である下側面に密着されて配置されていることを特徴とするモジュール基板。
  2. 前記第2誘電体基板の下側面と反対側の面である上側面に、上側放熱膜が形成されており、
    前記中間放熱膜と前記上側放熱膜とがスルーホールによって接合されていることを特徴とする請求項1に記載のモジュール基板。
  3. 主表面に配線層が形成された第1誘電体基板を用意し、半田バンプを介して該配線層に電気的に発熱性電子素子を接続するフリップチップ実装工程と、
    前記発熱性電子素子を囲むための穴が構成された中間誘電体基板を用意し、前記第1誘電体基板の主表面及び前記発熱性電子素子の上側面に誘電体接着剤を塗布し、当該中間誘電体基板を、前記穴に前記発熱性電子素子が収まるように、かつ前記第1誘電体基板の主表面に該誘電体接着剤を介し装着する中間誘電体基板設置工程と、
    中間放熱膜が形成されている第2誘電体基板を用意し、該第2誘電体基板を該中間放熱膜が前記発熱性電子素子の上側面に前記誘電体接着剤を介して配置されるように、かつ該第2誘電体基板の下側面の該中間放熱膜が形成されていない部分を前記中間誘電体基板の上側面に密着させて第2誘電体基板を設置する第2誘電体基板設置工程と
    を含むことを特徴とするモジュール基板の製造方法。
  4. 前記第2誘電体基板設置工程の後工程として、
    前記第2誘電体基板にスルーホールを形成するスルーホール形成工程と、
    前記スルーホールが形成された第2誘電体基板の、前記発熱性電子素子側とは反対側の面である上側面に上側放熱膜を形成する上側放熱膜形成工程と
    を更に含むことを特徴とする請求項3に記載のモジュール基板の製造方法。
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