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JP2011070753A - ディスクリートトラックメディア型垂直磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

ディスクリートトラックメディア型垂直磁気記録媒体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】トラック間の磁気的な相互干渉を低減し、かつ記録密度を向上させるために、複合磁気記録層に設けた凹凸形状における凸部を、連続膜で設計した垂直磁気記録層と同等の膜厚で同等の垂直磁気記録特性を示すように高品質に形成されるディスクリートトラックメディア型垂直磁気記録媒体の製造方法を提供すること。
【解決手段】非磁性基体1上に少なくとも磁気記録層5と犠牲層とカーボン保護層6とをこの順に積層する第1工程と、記録トラックとなる凸部を形成するように同心円状に形成したレジスト膜パターンをマスクとして開口部の前記レジスト膜と前記カーボン保護層6を除去して凹部を形成する第2工程と、該凹部に露出する前記犠牲層と磁気記録層5とを非磁性化する第3工程と、前記凹部に挟まれる前記凸部の前記レジスト膜と前記カーボン保護層6と前記犠牲層を除去する第4工程と、前記凹部と前記凸部の上にカーボン保護層6と潤滑層7をこの順に被着する第5工程とを有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は各種磁気記録装置(コンピューター、AV機器等の外部記憶装置として用いられるハードディスクドライブ(HDD))に搭載される垂直磁気記録媒体に関する。より詳細には、垂直磁気記録媒体の磁気記録層の表面にトラック方向に沿って同心円状の凹凸形状を形成し、トラック間の磁気的な相互作用(相互干渉)を低減し、記録密度を向上させるディスクリートトラックメディア型垂直磁気記録媒体の製造方法に関する。
近年、ハードディスクドライブ(HDD)の記録密度は急速に増加しており、今後、更に垂直磁気記録媒体の高密度化を進めるためには、磁気記録層を構成する結晶粒子の磁気的な分離を促進し、磁化反転単位を小さくしていく必要がある。そのために、磁気記録層中の磁性粒子自体のサイズ微細化はもとより、磁化反転単位を物理的に確実に分離し、隣接する記録単位間の磁気的な相互作用を抑制することが重要である。
このような課題を解決するために提案されているのが、ディスクリートトラックメディア(以降DTMと略記することもある)型やビットパターンドメディア(以降BPMと略記)型などのパターンドメディア型の磁気記録媒体である。これらのパターンドメディア型磁気記録媒体によれば、隣接トラックへの書き滲みの抑制することが可能となる。
DTM型磁気記録媒体では、非磁性基体上に連続膜として成膜された垂直磁気記録層に、前述のような同心円状パターンに凹凸形状が設けられる。BPM型磁気記録媒体では、所望の凸部パターンで凹凸が設けられる。いずれのパターンドメディア型磁気記録媒体でも凸部に設けられる記録トラック部間は隣接する凹部によって物理的、あるいは磁気的に完全に分離、独立しているので、磁化反転単位が明確に区切られている。
前記凹凸パターン形成は、カーボン膜などを磁気記録媒体表面へのマスク材として用い、非マスク部を不活性ガスによるイオンビームエッティングや反応性イオンエッチングによるドライエッチングによって削って凹部とすることにより成される。
このようなパターンドメディア型磁気記録媒体のうちDTM型磁気記録媒体の製造方法としては、垂直磁気記録層に、トラック方向に沿った同心円状の凹凸を設ける方法が有効であり、既に多岐にわたり関連する先行技術が提案されている(特許文献1〜8)。
特許文献1、2には、トラック間に記録磁性層の欠如部を設ける、または磁気記録層を渦巻状に形成して、再生時のサイドストロークの低減化と高トラック密度化を図る記述がある。
特許文献3には、軟磁性裏打ち層に、垂直磁気記録層に形成される記録トラック間を区画する非磁性のガードバンドを設ける垂直磁気記録媒体が示されている。
特許文献4、5には、所定の凹凸パターンで多数の記録要素に分割された記録層を有し、隣接トラックへの書き込みを確実に解消する磁気記録媒体の記載がある。特許文献6には、複数の磁性層と該磁性層を取り囲むとともにイオン注入により磁気特性を変質させた分離部を備え表面が平坦にされた磁気記録媒体が示されている。
特許文献7によれば、強磁性層の選択的にレジストでマスクし、ハロゲンを含む活性な反応性プラズマイオンに暴露させて強磁性層を選択的非磁性層化して分離する方法が記載されている。同様の記載は特許文献8にもある。
また、エッチングは、磁気記録層を完全に分離しヘッド浮上性および耐環境性を維持するため、最小限のエッチング量に止めるプロセス条件が望ましいとされている。より詳細には、磁気記録層の上部の表層を除いた凹部を、ハロゲン(弗素を含む)を含有する反応性イオンプラズマに曝露し、化学反応に伴う磁性の変質により非磁性層に状態を変化させる方法でトラック間の磁気的な分離を実施するプロセスを提案している。
同提案によると、具体的なメカニズムに対する言及はなされていないが、一般的な垂直磁気記録媒体に用いられるSiO2を磁性粒子間に充填したグラニュラー構造の磁気記録層はハロゲンを含有する反応性イオンプラズマによりその磁性が容易に変質して非磁性化されることを利用したものとされている。すなわち、ハロゲンガスを含有する反応性イオンプラズマを積極的に用いることから、磁気記録層は、ある程度の腐食が進展することが推測される。
また、特許文献9には、前述のようにハロゲンを含むエッチングガスを用いたプロセスにより腐食した磁気記録層の表層を、不活性ガスのイオンを照射して削り取ることにより、腐食による記録データの長期安定性の低下を防ぐ方法が示されている。
さらに、特許文献10には、磁性層の表面を部分的に酸素やハロゲン等の反応性プラズマに曝し、磁性層を選択的に非晶質化、非磁性化することにより、磁性層を磁気的に分離した磁気記録パターンを形成することが記載されている。
特許文献11には、間に結合層が介在する第1磁気記録層と第2磁気記録層はそれぞれグラニュラー構造を備え、第3磁気記録層は磁化容易軸方向が非磁性基体面に対して垂直である複合磁気記録層を備える磁気記録媒体に関する記述が見られる。
特許文献12には、グラニュラー構造の磁性層上に非グラニュラー構造の磁性層を備え、相互に磁気的に分離される磁気記録層パターンを形成する磁気記録媒体の製造方法において、レジストとカーボンマスク層を除去した後の磁性層表面をわずかに削ることに関する記述がある。
特開平4−310621号公報 特開昭56−119934号公報 特許第2513746号公報 特開2003−16622号公報 特開2006−12285号公報 特開2002−288813号公報 特開2002−359138号公報 特開2008−65944号公報 特開2009−76146号公報 特開2009−26435号公報 特開2008−287853号公報 特開2009−157983号公報
垂直磁気記録媒体に用いられる磁気記録層の多くは、前述のように磁性粒子を酸化物で囲むことにより分離、孤立させたグラニュラー構造を採用している。しかしながら、磁気記録層の全てをグラニュラー構造の材料で構成すると一軸磁気異方性定数Kuが大きくなり、さらに比例関係にある磁化反転磁界も大きくなるので、記録容易性が劣化する。
従って、現在では磁気記録媒体としての特性向上を図るため、磁気記録層の最上層にはグラニュラー構造を有しない、磁性粒子(金属磁性粒子)が連続で存在するメタル層を適切な膜厚で設けた構成の垂直磁気記録媒体が一般的となっている。このような構成にすることで、良好なS/N比、オーバーライト特性が得られている。
また、DTMは垂直磁気記録層を連続膜として成膜した後に凹凸加工を施す方法が多く採用されているが、凹凸加工の際に、凸部の磁気記録層最上部(メタル層)は各種エッチングガスに曝されることで、特に凸部のエッジからダメージ(酸化、腐食)を受け易くなる。
その結果、適切な膜厚で設けたメタル層が目論見通りの機能を果たせず、凸部に該当する磁気記録層の、磁気記録媒体としての特性は大きく劣化する。また、ダメージを受けたままの状態(腐食部が残っている状態)でカーボン保護層で覆い、DTMとして生産してしまうと、後々に元素溶出(コロージョン)など製品としての長期信頼性に悪影響を及ぼす。
加えて、前記特許文献9では、磁気記録層の全面に不活性ガスを照射して腐食部を削り取ることにより磁気記録層を安定させ、高温高湿の環境下においても磁性合金のマイグレーション等を発生させない磁気記録媒体の製造方法を提案している。
しかしながら、このような方法では、不活性ガスのエッチング効果によって、上部磁気記録層の占有体積割合が低下し、磁気記録層全体の保磁力Hcが大きくなることによって反転磁界が高くなり、記録容易性が悪化するという問題がある。
また、種々の検討実験の結果、DTM化される連続膜を有する磁気記録媒体は、より高密度化された3層構造の垂直磁気記録媒体を用いた方が高密度な記録特性を維持でき、DTMに相応しいことが判明した。
加えて、一般的な垂直磁気記録媒体に用いられる、SiO2を磁性粒子間に充填したグラニュラー構造の磁気記録層は、主としてF(弗素)を含有するハロゲン反応性ガスの曝露による磁性の変質作用がより顕著に現れ、DTMパターン間の磁気的分離効果が大きいことも判明した。
本発明は以上述べた点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、トラック間の磁気的な相互干渉を低減しかつ記録密度を向上させるために、複合磁気記録層に設けた凹凸形状における凸部を、連続膜で設計した垂直磁気記録層と同等の膜厚で同等の垂直磁気記録特性を示すように高品質に形成されるディスクリートトラックメディア型垂直磁気記録媒体の製造方法を提供することにある。
前記本発明の目的を達成するために、本発明では、非磁性基体上に少なくとも磁気記録層と犠牲層とカーボン保護層とをこの順に積層する第1工程と、記録トラックとなる凸部を形成するように同心円状に形成したレジストパターンをマスクとして開口部の前記カーボン保護層までを除去して凹部を形成する第2工程と、該凹部に露出する前記犠牲層と磁気記録層とを非磁性化する第3工程と、前記凹部に挟まれる前記凸部の前記レジストと前記カーボン保護層と前記犠牲層を除去する第4工程と、前記凹部と前記凸部の上にカーボン保護層と潤滑層をこの順に被着する第5工程とを有するディスクリートトラックメディア型垂直磁気記録媒体の製造方法とする。
前記非磁性基体と前記磁気記録層の間に、軟磁性裏打ち層と非磁性下地層をこの順に備えることも好ましい。
前記磁気記録層が少なくとも磁化容易軸が膜面に垂直方向に配向する強磁性材料を含むことも好ましい。
前記磁気記録層が上部磁気記録層、結合層、下部磁気記録層を含む複合磁気記録層であることもより好ましい。
前記複合磁気記録層が、前記上部磁気記録層と前記結合層の間に中間磁気記録層を含むことも好適である。
前記下部磁気記録層と中間磁気記録層がグラニュラー構造を有する強磁性材料を含むこともよい。
前記犠牲層が前記磁気記録層の表層と同組成材料の層であることも好ましい。
前記犠牲層の厚さが0.5〜5.0nmであることが望ましい。
前記第2工程における前記カーボン保護層を除去が、酸素ガスを用いる反応性イオンエッチングによりなされることがより望ましい。
前記第3工程における凹部に露出する犠牲層と磁気記録層の非磁性化が、ハロゲン系ガスを含む反応性イオンプラズマ暴露、酸素ガスを用いた反応性エッチングおよび不活性ガスイオン照射によりなされることがより望ましい。
前記ハロゲン系ガスがフッ素イオンを含むことがいっそう望ましい。
前記磁気記録層に、前記フッ素イオンを含有する反応性イオンプラズマと化学反応することによって気化し消失する物質が含まれることがより好ましい。
前記第4工程における前記レジストと前記カーボン保護層の除去が、反応性イオンエッチングによりなされ、前記犠牲層の除去が不活性ガスのイオン照射によりなされることが好ましい。
前記気化し消失する物質がSiO2であることが望ましい。
前記グラニュラー構造を有する前記下部磁気記録層、中間磁気記録層が、非磁性酸化物として、少なくともSiO2を含有することが望ましい。
前記非磁性酸化物として含まれるSiO2の含有比率が、SiO2以外の非磁性酸化物の2倍以上であることが好ましい。
前記下部磁気記録層の一軸磁気異方性定数Ku1と、前記中間磁気記録層の一軸磁気異方性定数Ku2と前記上部磁気記録層の一軸磁気異方性定数Ku3の値がそれぞれ異なり、その大小関係がKu1>Ku2>Ku3であることがより好ましい。
前記結合層が、V、Cr、Fe、Co、Ni、Cu、Nb、Mo、Ru、Rh、Ta、W、Re、Irの内から選ばれる元素、またはこれらの内の少なくとも1つの元素を主成分とする合金からなり、その膜厚が0.3nm以下であることがより望ましい。
本発明によれば、トラック間の磁気的な相互干渉を低減しかつ記録密度を向上させるために、複合磁気記録層に設けた凹凸形状における凸部を、連続膜で設計した垂直磁気記録層と同等の膜厚で同等の垂直磁気記録特性を示すように高品質に形成されるディスクリートトラックメディア型垂直磁気記録媒体の製造方法を提供することができる。
本発明に係るDTM型垂直磁気記録媒体の要部断面模式図である。 本発明にかかるDTM型垂直磁気記録媒体の実施例1と比較例1、比較例2、比較例3との特性比較図である。 本発明にかかるDTM型垂直磁気記録媒体の主要な製造工程を示す断面模式図(その1)である。 本発明にかかるDTM型垂直磁気記録媒体の主要な製造工程を示す断面模式図(その2)である。 本発明にかかるDTM型垂直磁気記録媒体の複合磁気記録層の形成時の断面模式図である。 本発明の実施例2と比較例4、比較例5の特性比較図である。 本発明の実施例2と比較例6、比較例7の特性比較図である。 本発明の実施例2、実施例3と比較例8の特性比較図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1に、本発明のDTM型垂直磁気記録媒体の製造方法により作製されたDTM型垂直磁気記録媒体の要部断面模式図を示す。このDTM型垂直磁気記録媒体は非磁性基体1上に軟磁性裏打ち層2、下地層3、非磁性中間層4、表面に凹凸形状が形成された3層の複合磁気記録層5、カーボン保護層6、液体潤滑層7を備えている。
非磁性基体1としては、磁気記録媒体用に通常用いられる基体であってよく、たとえば、NiPメッキを施したAl合金や強化ガラス、結晶化ガラス等を用いることができる。また、基体加熱温度を100℃以内に抑えることができる場合は、ポリカーボネイト、ポリオレフィン等の樹脂からなるプラスチック基体を用いることもできる。
軟磁性裏打ち層2は、磁気記録に用いる磁気ヘッドからの磁束を制御して記録・再生特性を向上するために、形成することが好ましい層であるが、省略することも可能である。軟磁性裏打ち層2としては、結晶のFeTaC、センダスト(FeSiAl)合金等、また非晶質のCo合金であるCoZrNb、CoTaZr等を用いることができる。
軟磁性裏打ち層2の膜厚は、記録に使用する磁気ヘッドの構造や特性によって最適値が変化するが、他の層と連続成膜で形成する場合などは、生産性との兼ね合いから10nm以上500nm以下であることが望ましい。他の層の成膜前に、めっき法などによって、あらかじめ非磁性基体上に成膜する場合、数μmと厚くすることも可能である。
下地層3は、その上に形成する非磁性中間層4または表面に凹凸形状が形成された複合磁気記録層5の結晶配向性、結晶粒径等を制御するために形成することが好ましい層であり、非磁性材料または軟磁性材料を用いることができる。この下地層は省略することも可能である。
下地層として軟磁性材料を用いる場合は、下地層が軟磁性裏打ち層の機能の一部を担うことができるので、より好ましく用いられる。軟磁性材料としては、パーマロイ系材料である、NiFeAl、NiFeSi、NiFeNb、NiFeB、NiFeNbB、NiFeMo、NiFeCrなどを用いることができる。パーマロイ系下地層の膜厚は、磁気記録層の磁気特性や電磁変換特性が最適となるように調整され、おおむね3nm以上50nm以下程度であることが、磁気記録媒体特性と生産性との兼ね合いから望ましい。
下地層として非磁性材料を用いる場合は、Ta、Zr、Ni3Alなどの材料を用いることができる。下地層に非磁性材料を用いる場合は、記録ヘッドが発生する磁場を軟磁性裏打ち層に効果的に集中させる観点からは膜厚が薄い程良く、0.2nm以上10nm以下とすることが望ましい。
非磁性中間層4は、表面に凹凸形状が形成された前記複合磁気記録層5の結晶配向性、結晶粒径及び粒界偏析を好適に制御するために形成する。非磁性中間層4を省略することも可能である。その材料としては、RuまたはRu中にC、Cu、W、Mo、Cr、Ir、Pt、Re、Rh、Ta、Vからなる群から選択される材料を1種類以上添加したRu基合金、あるいはPt、Ir、Re、Rhなどを用いることが好ましい。
非磁性中間層4の膜厚は、磁気記録層の磁気特性や電磁変換特性を劣化させない範囲で可能な限り薄くすることが、高密度記録を実現するためには必要であり、具体的には1nm以上20nm以下とすることが好ましい。
前記複合磁気記録層5の内、最下層に配置される下部磁気記録層である第1の磁気記録層には、少なくともCoとPtを含む合金の強磁性材料が好適に用いられる。さらに、その第1の磁気記録層の磁化容易軸(たとえば、六方最密充填構造のc軸)は膜面に垂直方向に配向していることが垂直磁気記録媒体として用いるために必要である。
そのような材料としては、CoPt、CoCrPt、CoCrPtB、CoCrPtTaなどの合金材料にSiO2粒子などの粒界材料を添加したCoPt−SiO2、CoCrPt−SiO2、CoPt−SiO2−TiO2、CoCrPt−SiO2−TiO2、CoCrPt−SiO2−Al23、CoPt−SiO2−AlN、CoCrPt−SiO2−Si34などのグラニュラー構造の形成材料を用いて、磁気記録層を形成することがより好ましい。
グラニュラー構造は、非磁性酸化物または非磁性窒化物のマトリクス中に磁性結晶粒子が分散してなる構造であり、磁気記録層内で近接する磁性結晶粒子間の相互作用を抑制できる。
従って、第1の磁気記録層と、その上層の第2の磁気記録層(中間磁気記録層)の間に強磁性の結合層を備える場合にあっては、磁気記録層間で結合を保持しつつ、磁気記録層内の磁性結晶粒間の相互作用を抑制することが可能になる。
この結果、ノイズ、S/N特性等を向上することが可能となることから、複合磁気記録層の少なくとも一部、主として下部の磁気記録層としてグラニュラー構造が特に好ましく用いられる。
なお、磁気記録層が多層構造の複合磁気記録層の場合、最下層の第1の磁気記録層(下部磁気記録層)の直上にあって第2の磁気記録層(中間磁気記録層)の直下に挿入される結合層は、第1の磁気記録層と第2の磁気記録層を適切に強磁性結合させ、複合磁気記録層全体の平均的な保磁力Hcを低減させるために必要な層である。
ここで、磁気記録層の磁化反転機構を考えると、第1、第2の磁気記録層について、結合層無しに積層した場合は、これらの層は強磁性結合エネルギーが大きすぎるため、外部印加磁界に対して、同時に磁化反転することとなり、磁気記録層全体の効果的な保磁力Hcの低減ができない。即ち、各磁気記録層で個別に磁化反転することにより記録データの長期安定性を向上させながら反転磁界を低下させるという機能を持たせることができなくなる。
これに対して、結合層を備える場合は、外部からの磁界印加時において、結合層の上下の磁気記録層の内、一軸磁気異方性定数Kuが小さく、保磁力Hcが低い磁気記録層の磁化が先に反転し、その影響で一軸磁気異方性定数Kuが大きく、保磁力Hcが高い磁気記録層の磁化反転を誘発し、結果的に磁気記録層全体の保磁力Hcを低減させる。上下の磁気記録層が異なる磁化反転を行うことによる2段階の磁化反転をすることで、データの長期安定性を維持しながら反転磁界を低下させ、記録容易性を向上させるという効果的な機能を寄与する。
また、結合層の膜厚が厚く、積層した磁気記録層の交換結合が完全に切れた場合には、エネルギー障壁が低くなり、長期安定性を確保することができない。従って、強磁性結合を維持しながら、適切な磁気記録層間の結合エネルギーを導出するという観点からの結合層が必要となる。磁気記録層間の強磁性結合は、垂直磁気記録媒体が使用される常温にて生じていることが必要である。
結合層に用いる材料としては、V、Cr、Fe、Co、Ni、Cu、Nb、Mo、Ru、Rh、Ta、W、Re、Irから選ばれる材料またはこれらを主成分とする合金を用いることが好ましい。V、Cr、Cu等の非磁性材料を結合層とする場合は、膜厚を調整することで、磁気記録層間の強磁性結合および適切な結合エネルギーを得ることができる。
強磁性材料であるFe、Co、Niを下地層とする場合は、非磁性材料との合金化、成膜条件や成膜雰囲気の調整等により、適切な結合エネルギーを得ることができる。結合層の膜厚は0.3nm以下とすることがさらに好ましい。
その理由は、結合層の材料の内、Fe、Co、Niを除く材料では、結合層の膜厚を0.3nm以下とすることで、結合エネルギーを広範に制御でき、かつ磁気記録層を構成する結晶粒相互間の磁気的な分離性をより良く保つことができ、ノイズが低減できるからである。
また、Fe、Co、Niの場合には、膜厚を0.3nm以下とすることで、Fe、Co、Niの磁気特性の影響を無視しうる程度に抑制することが可能となるためである。
なお、0.3nmより厚い結合層では、第1の磁気記録層と第2の磁気記録層の強磁性結合が切れてしまい、磁界の印加に対して磁化反転が2段階となり(スピンフロップ現象)、データの書き込みを阻害、書き滲みを引き起こすので適当ではない。
第2の磁気記録層としては、第1の磁気記録層と同様の材料、構成を用いることができる。結合層を介した強磁性結合を備える場合には、磁気記録層間で結合を維持しつつ、磁気記録層内の磁性結晶粒間の相互作用を抑制することが可能であるため、第1の磁気記録層と同様に、第2の磁気記録層としてもグラニュラー構造が特に好ましく用いられる。
加えて、複合磁気記録層内のグラニュラー構造の占有割合を増やすことで、磁化反転単位を微細化でき、高密度化が可能となる。
ここで、第1の磁気記録層と第2の磁気記録層は以下の関係を満たすように設定する。第1の磁気記録層の一軸磁気異方性定数をKu1、膜厚をT1、第2の磁気記録層の一軸磁気異方性定数をKu2、膜厚をT2とした場合、Ku11>Ku22を満たすように膜厚および材料を設計する。
この理由としては、第2の磁気記録層が第1の磁気記録層より先に磁化反転するようにするためである。これにより、データの長期安定性を確保したまま、反転磁界を効果的に低減させられる。
最上層の第3の磁気記録層としては、第1の磁気記録層と第2の磁気記録層と同様の材料、構成を用いることができる。
第1の磁気記録層および第2の磁気記録層と第3の磁気記録層は次の関係を満たすように設定する。
最上層の第3の磁気記録層の一軸磁気異方性定数をKu3、膜厚をT3としたとき、前述同様の理由により、第1の磁気記録層との関係は、Ku11>Ku33となるように、第1および第3の磁気記録層の膜厚および材料を設定する。
一方の第2の磁気記録層との関係は、Ku3とKu2は等しくなく、好ましくはKu3<Ku2の関係になるように設定する。
加えて、Ku1≧10Ku2、Ku1≧10Ku3の関係にあると、データの長期安定性を確実に維持することが可能であり、より望ましい。
なお、媒体ノイズを低減し、S/Nを向上させるためには、磁気記録層のPt含有量を低減することが好ましいことが知られている。しかしながら、Pt含有量を低減するに伴い、データの長期安定性は劣化する。従来の磁気記録層でデータの長期安定性を確保する場合には、Pt含有量は10原子%を超えて高く設定されていた。
これに対し、本発明に係る結合エネルギーを制御した複合磁気記録層を用いれば、十分なデータの長期安定性を維持できるため、Pt含有量を低減することが可能となる。より具体的には、最も一軸磁気異方性定数Kuの低い磁気記録層、即ち最初に磁化反転を開始する第3の磁気記録層のPt含有量を低減することが可能となる。第3の磁気記録層にPtを全く含まない材料を適用することも可能である。更に、Ptを含む場合にはその含有量を10原子%以下とすることで、媒体ノイズを低減し、S/Nを向上させるとともに、反転磁界を効果的に低下できることが明らかにされている。
即ち、磁気記録層の組成については、一軸磁気異方性定数Kuの最も低い第3の磁気記録層において、少なくともCoとCrを含有して構成し、Ptを含む場合にはその含有量が10原子%以下であるように構成することが好ましい。更に、Ta、B、Nb、N、Cuの内から選ばれる少なくとも一つの元素を磁気記録層に含むことがより好ましい。このような組成とすることで、より一そう、媒体の低ノイズ化を促進すると共に、磁気記録層の反転磁界をより有効に低減する効果が得られる。
ここで、第2の磁気記録層と第3の磁気記録層について記す。前述のように、第3の磁気記録層は低一軸磁気異方性定数Ku層に相当する。第1、第2の磁気記録層間に結合層を設けた理由は、結合層を用いて低保磁力Hc化し、かつ実効的な一軸磁気異方性定数Kuの低下を抑制してデータの長期安定性の劣化を抑制することである。第2、第3の磁気記録層間には結合層を設定していない。
これは、第2の磁気記録層と第3の磁気記録層の実効的な一軸磁気異方性定数Kuを低下させ、反転磁界を下げ、記録容易性を向上させるためである。即ち、第2の磁気記録層と結合層を介さずに結合し、最も一軸磁気異方性定数Kuの小さい第3の磁気記録層は、低一軸磁気異方性定数Kuを利用した、保磁力Hcのより効果的な低減が可能である。更に、Pt含有量やTa、B、Nb、N、Cuといった元素を用いて磁性粒子間の交換結合を制御することで、記録容易性を確保するために磁気記録層全体の低一軸磁気異方性定数Ku層の占める割合を増加しても、磁化反転開始磁界Hnを確保することが可能である。これにより、媒体の低ノイズ化がより一そう促進され、高密度化と記録容易性、加えてデータの長期安定性の維持が両立できる。
なお、より好ましくは、最上層の第3の磁気記録層の延長として、上に犠牲層を積層することが望ましい。即ち、最上層の第3の磁気記録層と全く同一の材料で犠牲層を積層するので、安価、簡便な製造方法とすることができる。
また、その犠牲層の膜厚は、0.5〜5.0nmの範囲で設計されることが望ましい。この理由としては、犠牲層とは、後工程で受けるダメージを取り除くために予め設けておく層であるので、ダメージを受ける深さが最表面から約3nm程度までであることによる。また、前記範囲の犠牲層膜厚で作製することで平坦性が良好となることが挙げられる。0.5nmより薄いと完全にダメージを受けた領域を除去できず不適当である。また、5nmより厚く設定しても、ダメージ層は完全に除去できるが、磁気記録層表面の平坦性が失われるため適当ではない。犠牲層は後工程の保護層を形成する前に除去されるので、本発明にかかるDTM型垂直磁気記録媒体の完成時には残っていない。
犠牲層の上に積層される保護層6は、たとえばカーボンを主体とする薄膜が好ましく用いられる。その他、磁気記録媒体の保護層として一般的に用いられる様々な薄膜材料を使用してもよい。
保護層6の上に塗布される液体潤滑層7は、たとえばパーフルオロポリエーテル系の潤滑剤を用いることができる。その他、磁気記録媒体の液体潤滑層材料として一般的に用いられる様々な潤滑材料を使用してもよい。
非磁性基体1の上に積層される軟磁性裏打ち層2、下地層3、非磁性中間層4の各層は、磁気記録媒体の分野で通常用いられ、よく知られている様々な成膜技術によって形成することが可能である。液体潤滑層7を除く各層の形成には、たとえばDCマグネトロンスパッタリング法、RFマグネトロンスパッタリング法、真空蒸着法を用いることができる。また、液体潤滑層7の形成には、たとえばディップ法、スピンコート法を用いることができる。
以下に本発明のディスクリートトラックメディア型垂直磁気記録媒体の製造方法にかかる実施例1について、図1、図2、図5(a)を参照して詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
図1に示す非磁性基体1として、表面が平滑なNiPメッキを施したAl合金を用い、これを洗浄後スパッタ装置内に導入し、Co−Zr−Nbターゲットを用いてCoZrNbからなる非晶質軟磁性裏打ち層2を40nmの膜厚で成膜する。
次にパーマロイ系合金であるNi−Fe−Siターゲットを用いてNiFeSiからなる下地層3を10nmの膜厚で成膜する。引き続いて、Ruターゲットを用いて、Ru非磁性中間層4を10nmの膜厚で成膜する。
引き続いて、図5(a)に示すように複合磁気記録層5として、93(Co−8Cr−20Pt)−7SiO2ターゲットを用いて、グラニュラー構造のCoCrPt−SiO2からなる最下層の第1の磁気記録層5a(下部磁気記録層)を4〜8nmの膜厚で成膜する。
次に、Ruターゲットを用いて、Ru結合層5bを0.2nmの膜厚で成膜する。引き続いて、93(Co−15Cr−10Pt)−7SiO2ターゲットを用いて、グラニュラー構造のCoCrPt−SiO2からなる中間の第2の磁気記録層5c(中間磁気記録層)を4.0nmの膜厚で成膜する。
引き続いて、96(Co−15Cr−10Pt)−4Bターゲットを用いてメタル層のCoCrPtBからなる磁気記録層を8.0nmの膜厚で成膜する。
なお、この磁気記録層の8.0nmの膜厚の内、最上層の第3の磁気記録層5d(上部磁気記録層)としての厚さの設計値は6.0nmであり、残りの2.0nm厚さは犠牲層5eに相当し、後工程でダメージを受けた層として除去される層となる。
以上のようにして、最下層の第1の磁気記録層5a、結合層5b、中間層の第2の磁気記録層5c、最上層の第3の磁気記録層5dとを合わせて複合磁気記録層5とする。
最後に、カーボンターゲットを用いてカーボン(ダイヤモンド構造の結晶カーボンを含む)からなる保護層6を14nmの膜厚で成膜後、真空装置から取り出す。
前記複合磁気記録層5はRFマグネトロンスパッタリング法により、それ以外の各層はDCマグネトロンスパッタリング法により形成する。この状態では、犠牲層5eを付けた状態のままであるので、最上層の第3の磁気記録層(メタル層)の体積が大きく、磁化反転の仕方が複合磁気記録層内で分断され、磁気記録媒体特性は劣悪となり、垂直磁気記録媒体としては相応しくない。この犠牲層の除去については後述する。
次いで、レジストを前記カーボン保護層6上にスピン塗布した後、インプリント法により転写パターンを有するスタンパでレジストを押圧してレジストに凹凸パターンを形成する。レジストの材質は、熱ナノインプリントにおいてはポリメタルメタクリレート(PMMA)などの熱可塑性樹脂、エポキシなどの熱硬化性樹脂、またUVナノインプリントにおいてはUV硬化性の樹脂、一例としてUV硬化性アクリル樹脂が適用可能である。
次いで、レジストパターンの凹凸段差を利用し、ドライエッチングにより複合磁気記録層5の表面層の分離を実施し、凹凸を形成する。具体的には、ハロゲン系反応性ガスを含む反応性イオンエッチング(RIE)により薄い部分のレジストを除去し、その下に露出するカーボン保護層6を酸素ガスを用いた反応性イオンエッチング(RIE)により除去する。
さらにアルゴンイオンを加速電圧200〜700V、イオンビーム電流200mAの条件で照射して、カーボン保護層6の下の犠牲層5eを除去することにより、凹部の最表面には磁気記録層が露出した状態となる。
一方、凸部は磁気記録層上に犠牲層とカーボン保護層と厚い部分のレジストが残っている状態となる。引き続いて、ハロゲン系反応性ガスであるCF4ガスを含む反応性イオンプラズマを曝露して凹部の磁気記録層を非磁性層化する。
この際、垂直方向へのエッチング加工性を特に高めるために、全ての膜面に対して垂直方向に20〜100Vのバイアスを印加する。これにより、CF4ガス中のフッ素(F)イオンと磁気記録層5中のSiの反応が促進され、気化し、磁気記録層5から脱離し易くなる。加えて、磁性粒子との化学反応も進み易くなり、凹部の非磁性層化が促進される。
このようにして、凹部を非磁性層化した表面凹凸形状を有する複合磁気記録層5とした後、凸部に残った厚いレジストおよびその下のカーボン保護層6をCF4ガスおよび酸素ガスを用いた反応性イオンプラズマで一旦除去する。
次いで、Arガスを用いた物理エッチングを加速電圧200〜700V、イオンビーム電流200mAの条件で実施し、前記CF4ガスを含む反応性イオンプラズマにより腐食されたCoCrPtBメタルからなる第3の磁気記録層5dの表層部の犠牲層5e、特に凸部のエッジ部分から側壁に至る犠牲層5eの表層部を厚さ2nm除去する。前述の説明では不活性ガスとしてArを用いたが、犠牲層5eの除去にはAr以外の各種不活性ガスを用いてもよい。たとえば、He、Kr、Xeなどのガスを用いることもできる。
犠牲層5eを除去した後、凹凸部の表面上に均一に、改めて前述の方法と同様にしてカーボン保護層6を再度成膜し、さらに、パーフルオロポリエーテルからなる液体潤滑層7を2nmの膜厚でディップ法により塗布し、DTM型の垂直磁気記録媒体とする。
(比較例1)
実施例1に記した製造方法の内、メタル層のCoCrPtBからなる最上層の磁気記録層の膜厚8nmを、犠牲層5eの膜厚分の2nm薄い膜厚6nmとして成膜し、DTM加工を施さずにカーボン保護層6、液体潤滑層7を形成した連続膜の標準的な垂直磁気記録媒体とする。
(比較例2)
実施例1に記した製造方法の内、最上層の磁気記録層の膜厚8nmをそのままにして、DTM加工を施さずにカーボン保護層6、液体潤滑層7を形成した連続膜の垂直磁気記録媒体とする。
(比較例3)
実施例1に記した製造方法の内、Arガスによる、メタル層のCoCrPtBからなる最上層の磁気記録層の膜厚8nmから犠牲層膜厚分に相当する、最表層の2nmの除去をしなかったこと以外は実施例1と同様にしてDTM型の垂直磁気記録媒体とする。
実施例1と比較例1〜3にて作製したDTM型および連続膜の垂直磁気記録媒体について、分光式Kerr効果測定評価装置を用いて、その磁気特性を測定(DTM型磁気記録媒体については凸部が測定対象)したところ図2の(a)〜(d)に示すような磁化曲線結果が得られた。
磁化曲線(a)は、DTM型磁気記録媒体の凸部の前記メタル(CoCrPtB)層最上部の犠牲層部分をArガス照射によるエッチングにより厚さ2nmを除去することで、比較例1に示す通常の連続膜垂直磁気記録媒体の磁化曲線(b)と同等の磁化曲線であることが分かる。
即ち、磁気記録層への反応性イオンプラズマによるダメージを受ける厚さ分を予め犠牲層として想定して厚く形成し、反応性イオンプラズマによるダメージを受けた後、犠牲層を除去することで、凸部の有効幅が広がり、比較例1にて設計した磁気特性が、DTM型磁気記録媒体化しても同等レベルで得られていることを示している。その他のオーバーライト特性、S/N比に関しても、図示しないが同様の結果が得られることが分かった。
なお、メタル層を8nmとして作製した比較例2では、DTM加工を施していないので、その磁化曲線(c)の変化は段階的なものになってしまっている。
その理由は、メタル層が6nmの比較例1に比べ、メタル層の占有割合が大きすぎるため、磁気記録層内での強磁性結合が切れてしまい、メタル層とグラニュラー層の磁化反転機構にズレが生じ、いわゆるスピンフロップ現象が発現している。
その結果、磁気記録媒体としてはデータの書き込みを阻害、書き滲みを引き起こすので適当ではない。また、DTM型磁気記録媒体であるが、メタル層の一部の犠牲層部分を除去せずに作製した比較例3の磁化曲線(d)では、実施例1並みの磁化曲線を描いてはいるが、メタル層上部の犠牲層部分に受けたダメージにより、磁化反転開始磁界が若干低磁界側にシフトしており、実施例1ほどの磁気記録媒体としての特性は得られていないことが示されている。
また、磁気記録層がダメージ層(犠牲層)を含んでいることから、信頼性への悪影響も懸念される。よって、本発明にかかる、凸部のメタル層上部のダメージ層(犠牲層)を除去する工程を含むDTM型磁気記録媒体の製造方法は、連続膜の垂直磁気記録媒体と同等の磁気特性が得られ、高品質なDTM型垂直磁気記録媒体を製造する方法として非常に効果が高いことが明らかと言える。
さらに言い換えると、磁気記録層の凹凸部の形成によりトラック間の磁気的な相互作用を低減(消失)させ、凹部の非磁性層化と凸部のダメージレス化により、標準的な連続膜垂直磁気記録媒体(比較例1)と同様に、良好な媒体特性を示す良質なDTM型の垂直磁気記録媒体を製造でき、記録密度の向上を達成できるのである。
以下に本発明のディスクリートトラックメディア型垂直磁気記録媒体の製造方法にかかる実施例2について図3〜図8を参照して詳細に説明する。
図3、図4は、本発明にかかるDTM型垂直磁気記録媒体の主要な製造工程を示す断面模式図である。非磁性基体21として表面が平滑なNiPメッキを施したAl合金を用い、これを洗浄後スパッタ装置内に導入し、Co−Zr−Nbターゲットを用いてCoZrNb非晶質軟磁性裏打ち層22を40nmの膜厚で成膜した。
次にパーマロイ系合金であるNi−Fe−Siターゲットを用いてNiFeSi下地層23を10nmの膜厚で成膜した。引き続いて、Ruターゲットを用いて、Ru非磁性中間層24を10nmの膜厚で成膜した。
引き続いて、図5(b)に示すように複合磁気記録層25の内、第1の磁気記録層25aとして、92(Co−9Cr−20Pt)−8SiO2ターゲットを用いて、グラニュラー構造のCoCrPt−SiO2からなる第1の磁気記録層25aを4〜8nmの膜厚で成膜した。図5(b)は複合磁気記録層の内部構成を示す断面模式図である。
引き続いて、Ruターゲットを用いて、Ru結合層25bを0.18nmの膜厚で成膜した。引き続いて、92(Co−15Cr−10Pt)−8SiO2ターゲットを用いて、グラニュラー構造のCoCrPt−SiO2からなる第2の磁気記録層25cを4〜6nmの膜厚で成膜した。引き続いて、96(Co−15Cr−8Pt)−4Bターゲットを用いてCoCrPtBからなる第3の磁気記録層25dと同じ組成からなる犠牲層26とを合わせて8.0nmの膜厚で成膜した。
以上のように第1の磁気記録層25a、結合層25b、第2の磁気記録層25c、第3の磁気記録層25dとを合わせて複合磁気記録層25とする(図3(a))。
なお、各磁気記録層の一軸磁気異方性定数Kuを以下のようにして事前に測定した。膜の構成は、非晶質軟磁性裏打ち層22を除き、Ru非磁性中間層24上に第1の磁気記録層25aのみを8nm形成した磁気記録媒体、同様に第2、第3の磁気記録層25c、25dのみをそれぞれ形成した磁気記録媒体を個別に作製し、磁気トルクメーターを用いて一軸磁気異方性定数Kuの測定を試みた。
その結果、第1の磁気記録層25aにおける一軸磁気異方性定数Ku1は7.7×106erg/cc、第2の磁気記録層25cにおける一軸磁気異方性定数Ku2は2.4×106erg/cc、第3の磁気記録層25dにおける一軸磁気異方性定数Ku3は0.6×106erg/ccであった。これらより、Ku1>Ku2>Ku3の関係を満たしている。
次に、カーボンターゲットを用いてカーボン保護層27を14nmの膜厚で成膜後、真空装置から取り出した。磁気記録層はRFマグネトロンスパッタリング法により、それ以外の各層はDCマグネトロンスパッタリング法により、それぞれ形成した(図3(a))。
なお、上述の方法で積層した複合磁気記録層25の内、第3の磁気記録層25dとしての設計値は6.0nmであり、残りの2.0nmが犠牲層26に相当する。この犠牲層26を付けたままの状態では、第3の磁気記録層25d(メタル層)の体積が大きく、磁化反転の仕方が磁気記録層内で分断され、媒体特性は劣悪となり、垂直磁気記録媒体としては相応しくない。犠牲層26の除去については後述する。
次に連続膜の前記垂直磁気記録媒体にDTM加工を施すために、連続膜の表層に凹凸形状を形成する方法について説明する。
レジスト28をカーボン保護層27上にスピン塗布し(図3(b))、インプリント法によりレジストパターンを形成する(図3(c))。レジスト28の材質は、熱ナノインプリントにおいてはポリメタルメタクリレート(PMMA)などの熱可塑性樹脂、エポキシなどの熱硬化性樹脂、またUVナノインプリントにおいてはUV硬化性の樹脂、具体例としては、たとえば、UV硬化性アクリル樹脂が適用可能である。
次いで、インプリント法によるレジストパターンの凹凸段差を利用し、ドライエッチングにより複合磁気記録層25の表層部の分離を施す。具体的には、実施例1と同様にしてハロゲン系反応性ガス、酸素ガスを用いた反応性エッチングおよびアルゴンイオンを加速電圧200〜700V、イオンビーム電流200mAの条件で照射する(図3(d)〜図3(f)および図4(g))。これにより、凹部の最表面に磁気記録層が露出した状態となり、凸部はカーボン保護層27が残っている状態となる。引き続いて、ハロゲン系反応性ガスであるCF4ガスプラズマを曝露する。
この際、垂直方向へのエッチング加工性を高めるために、全ての膜面に垂直になるように20〜100Vのバイアスを印加する。これにより、弗素(F)と磁気記録層中のSiの反応が促進され、気化し、磁気記録層から脱離する。加えて、磁性粒子との化学反応も進み、凹部の磁性層25eの変質が進み、非磁性体化が進行する(図4(h))。
このようにして凹凸形状によるDTM型の複合磁気記録層25を作製した後、凸部上に残ったカーボン保護層27を一旦除去し(図4(i))、次いで、Arガスを用いた物理エッチングを加速電圧200〜700V、イオンビーム電流200mAの条件で実施し、CF4により腐食されたCoCrPtB第3の磁気記録層25dの最上層(犠牲層26)を2nm除去する(図4(j))。
ここで、犠牲層26の除去には各種不活性ガスを用いることができ、Ar以外であれば、HeやKr、Xeなどのガスを用いることが可能である。その後、改めて凹凸部上を均一にするために、上述の方法と同様にしてカーボン保護層27を成膜し(図4(k))、その後、パーフルオロポリエーテルからなる液体潤滑層29を2nmの膜厚でディップ法により形成し、DTM型の垂直磁気記録媒体とした(図4(l))。
(比較例4)
前記実施例2に記した製造方法の内、第3の磁気記録層25d(メタル層)の膜厚8nmを2nm薄い6nmとして成膜し、さらに不活性ガスによる犠牲層の除去を実施しなかったこと以外は、実施例2と全く同様にしてDTM型垂直磁気記録媒体を作製した。
(比較例5)
前記実施例2に記した製造方法の内、Arガスによる、第3の磁気記録層25d(メタル層)の膜厚を8nmで成膜し、最上層の犠牲層26の除去をしなかったこと以外は実施例2と同様にしてDTM型の垂直磁気記録媒体を作製した。
実施例2と比較例4および比較例5にて作製したDTM型垂直磁気記録媒体について、分光式Kerr効果測定評価装置を用いて、実施例2、比較例4、比較例5のDTMの凸部における磁気特性を測定したところ、それぞれ図6に示すような磁化曲線が得られた。
これらの磁化曲線形状を見ると、比較例4にて作製したDTM型の垂直磁気記録媒体の保磁力Hcは実施例2に比べ、大きく、反転磁界を低減させる効果が消失してしまっている。実施例2と同等の磁気記録層膜厚6nmを有しながら、犠牲層26として除去されるべき最上層を除去していないので、加工のダメージ(非磁性体化)による磁気記録層の占有体積が減少し、磁気特性の劣化が顕著に現れていることが分かる。
この状態では、保磁力Hcが大きく、反転磁界が高くなり、記録容易性が劣悪となってしまう。また、ハロゲンによる腐食や酸化により、耐環境性が劣化し、高温高湿環境下における磁性合金のマイグレーションの原因となる。
また、第3の磁気記録層25dの膜厚を実施例2と同じ8nmのままで、最上層(犠牲層26)を除去せずに作製した比較例5にて示したDTMは、一見、実施例2並みの磁化曲線を描いてはいるが、磁気記録層上部に残る部分的なダメージにより、磁化反転開始磁界が若干低磁界側にシフトしており、実施例2ほどの磁気記録媒体としての特性は得られていない。また、ダメージを含んでいることから、比較例4と同様に、ハロゲンによる腐食や酸化により、耐環境性が劣化し、高温高湿環境下における磁性合金のマイグレーションの原因となり、製品の長期信頼性が失われる。
即ち、第3の磁気記録層25dのダメージを受けた部分に相当する犠牲層26の除去は、犠牲層26の設定膜厚が適当で表面平坦性が良く、垂直磁気記録媒体の記録特性の維持に非常に有効であり、高品質なDTM型垂直磁気記録媒体を製造する方法として効果が大きいことが明らかと言える。
(比較例6)
前記実施例2に記載した製造方法の内、第3の磁気記録層25dの膜厚を6nmとして成膜し、DTM加工を施さずにカーボン保護層27、液体潤滑層29を順次形成し、連続膜の磁気記録層を備える標準的な垂直磁気記録媒体を作製した。
(比較例7)
前記実施例2に記載した製造方法の内、第3の磁気記録層25dの膜厚を8nmとして成膜し、DTM加工を施さずに、そのままカーボン保護層27、液体潤滑層29を形成し、連続膜の磁気記録層を備える垂直磁気記録媒体を作製した。
比較例6と比較例7にて作製した連続膜の磁気記録層を備える垂直磁気記録媒体について、分光式Kerr効果測定評価装置を用いて、それぞれ磁気特性を測定したところ、図7(b)に示すような磁気特性図が得られた。
まず、実施例2で得られたDTM型磁気記録媒体の磁化曲線(図7(a))と比較例6の連続膜の垂直磁気記録媒体の磁化曲線(図7(b))を比較すると、実施例2では、DTM凸部の第3の磁気記録層25dの最上層を、Arガスエッチングにより厚さ2nm分を除去することで、比較例6に示した連続膜垂直磁気記録媒体とほぼ同等の磁化曲線が測定できていることが分かる。
即ち、複合磁気記録層へのダメージ分をエッチングにより除去することで、凸部の有効幅が広がり、比較例6のように連続膜にて設計した磁気特性が、DTM化しても同等レベルで得られていることを示している。オーバーライト特性、S/N比に関しても同等の特性が得られる。
また、比較例6にて作製した連続膜の垂直磁気記録媒体は、前記特許文献11により提案された連続膜の3層構造磁気記録層を有する垂直磁気記録媒体と同じである。このような構成にすることで、各磁気記録層の一軸磁気異方性定数Kuの大小関係のコントロールおよび結合層配置の効果が有効に働き、他構成の磁気記録媒体と比較して、磁化反転単位の大きさを、10〜20nmほど小さくすることができ、良好な電磁変換特性を有する高記録密度垂直磁気記録媒体が得られる。
従って、DTM化しても磁気特性が同等であることから、実施例2にて作製したDTM型垂直磁気記録媒体は、良好な電磁変換特性を有する垂直磁気記録媒体であることが理解できる。
一方、比較例6にて作製した連続膜の3層構造の磁気記録層を有する垂直磁気記録媒体に比べ、第3の磁気記録層25dを8nmとして作製した比較例7における連続膜垂直磁気記録媒体の磁化曲線は、段階的な形状になってしまっている。
この理由は比較例6に比べ、第3の磁気記録層25d(メタル層)の占有割合が大きすぎるため、磁気記録層内での強磁性結合が切れてしまい、メタル層とグラニュラー層の磁化反転機構にズレが生じ、いわゆるスピンフロップ現象が発現したためと考えられる。
この比較例7による連続膜の3層構造の磁気記録層を有する磁気記録媒体は、データの書き込みを阻害、書き滲みを引き起こすので好ましくはない。即ち、複合磁気記録層25の設計時に、比較例6にて作製した、連続膜垂直磁気記録媒体の磁気特性が発現するように、DTM化した直後に複合磁気記録層の最表面の犠牲層26を除去することは記録特性の劣化を防ぐことができるので、非常に有効であると言える。
以上説明した実施例2にかかる、3層構造の複合磁気記録層を用いてDTM化するための製造方法によれば、良好な電磁変換特性を有する垂直磁気記録媒体の製造方法として非常に効果が大きく、特に、犠牲層26を除去する工程が、DTM化した場合でも、連続膜の垂直磁気記録媒体と同等で、高品質なDTM型垂直磁気記録媒体を製造するために、効果の大きい重要な工程であることが明らかである。
実施例2に記した製造方法の内、第1の磁気記録層25aの材料を、92(Co−9Cr−20Pt)−6SiO2−2TiO2ターゲットを用いて、グラニュラー構造のCoCrPt−SiO2−TiO2磁気記録層を4〜8nmの膜厚で成膜したこと以外は、実施例2と全く同様にしてDTM型垂直磁気記録媒体を作製した。
(比較例8)
実施例3に記した製造方法の内、第1の磁気記録層25aの材料を、92(Co−9Cr−20Pt)−2SiO2−6TiO2ターゲットを用いて、グラニュラー構造のCoCrPt−SiO2−TiO2磁気記録層を4〜8nmの膜厚で成膜したこと以外は、実施例3と全く同様にしてDTM型垂直磁気記録媒体を作製した。
実施例3と比較例8にて作製したDTM型垂直磁気記録媒体について、分光式Kerr効果測定評価装置を用いて、DTMパターンの凹部における磁気特性を測定したところ、図8に示すような磁気特性図が得られた。まず、実施例3にて作製したDTMパターンの凸部における磁化曲線の測定結果と、同じく実施例3にて作製したDTMパターンの凹部における磁化曲線を比較すると、全く異なる磁気特性を示す磁化曲線形状であることが認められる。
即ち、ハロゲンによる磁性変質作用の違いが顕著に現れた結果であり、実施例3の凹部における保磁力Hcは同実施例3の凸部におけるHcの20%程の大きさしかなく、磁化Mも低減し、非磁性体化が進行していることが分かる。
なお、実施例1および2にて作製したDTM型垂直磁気記録媒体の凹部における磁気特性も、図8における実施例3の凹部における磁化曲線形状と同等である。また、凸部における磁気特性に関しても同様であり、実施例3の凸部における磁化曲線は、一般的な垂直磁気記録媒体の磁気特性起因の磁化曲線形状と考えてよい。
一方、比較例8にて作製したDTM型垂直磁気記録媒体のDTMパターンの凹部における磁化曲線形状は、保磁力Hcが凸部に対して60〜70%も観測され、更に、磁化Mに相当するθ値も実施例3の凹部における値より大きく観測されている。
これは、比較例8にて作製したDTM型垂直磁気記録媒体の第1の磁気記録層がTiO2リッチなグラニュラー層であったことに起因している。TiO2はSiO2に比べ、フッ素との化学反応が弱く、気化および消失し難いため、磁性粒界として残ってしまい、第1の磁気記録層において磁性粒子分離度が高い状態のまま残存し、磁性消失に至らなかったためと判断できる。
なお、モル比でSiO2/TiO2<2として設定した場合、比較例8の磁化曲線形状と類似する結果が得られてしまい、磁性消失には至らないことも分かった。すなわち、実施例3のDTM型垂直磁気記録媒体では、第1の磁気記録層25aのターゲット材料92(Co−9Cr−20Pt)−2SiO2−6TiO2に関しては、そのSiO2とTiO2の比をモル比でSiO2/TiO2≧2とすることが好ましい。モル比でSiO2/TiO2<2の場合、パターントラック間の磁気的な分離が不十分となり、書き滲みなどの特性劣化の要因となる。
言い換えると、実施例3にかかるDTM型垂直磁気記録媒体に用いる連続膜の材料としては、グラニュラー材料として、磁性変質が得られ易いSiO2を少なくとも含有することが望ましい。さらに他のグラニュラー材料と混合化する場合、たとえば、TiO2を混在させて用いる場合はモル比でSiO2/TiO2≧2として設定すると、SiO2特有の大きな磁性変質作用が効果的に得られ、パターン間の磁気的な分離を確実に実行できるので、好ましい。
以上より、今回の提案によれば、SiO2を含有する複合磁気記録層の凹凸部における磁気的な相互作用を低減(消失)させ、凹部の非磁性体化と凸部のダメージレス化により、標準的な連続膜垂直磁気記録媒体と同様に、良好な媒体特性を示し、かつ、高品質なDTM型の垂直磁気記録媒体を製造でき、記録密度の向上を達成できる。
以上説明した実施例によれば、磁気記録層が3層構造の高性能磁気記録層から成り、連続膜と同等の良好な電磁変換特性を得られるDTM型垂直磁気記録媒体を提供できる。
すなわち、SiO2を含有するグラニュラー磁気記録層を用いることで、ハロゲン反応性ガスによる磁気記録層における磁性の変質効果が大きく、DTMパターン間を磁気的に完全に分離することができ、トラック間の磁気的な相互作用(相互干渉)を低減し、記録密度を向上させるDTM型の垂直磁気記録媒体を提供できる。
ハロゲン反応性ガスや酸素ガスによるダメージを磁気記録層に受けても、ダメージ層を、予め配置しておいた犠牲層として除去されるので、DTMパターンの凸部の磁気記録層が、連続膜垂直磁気記録層と同等の記録特性を有するDTM型垂直磁気記録媒体として高品質な状態で、かつ簡便な方法で提供することができる。
1、21 非磁性基体
2、22 軟磁性裏打ち層
3、23 下地層
4、24 非磁性中間層
5、25 磁気記録層または複合磁気記録層
5e 犠牲層
6 カーボン保護層
7 液体潤滑層
5a、25a 第1の磁気記録層
5b、25b 結合層
5c、25c 第2の磁気記録層
5d、25d 第3の磁気記録層
25e 凹部の磁性層
26 犠牲層
27 カーボン保護層
28 レジスト
29 液体潤滑層

Claims (18)

  1. 非磁性基体上に少なくとも磁気記録層と犠牲層とカーボン保護層とをこの順に積層する第1工程と、記録トラックとなる凸部を形成するように同心円状に形成したレジスト膜パターンをマスクとして開口部の前記カーボン保護層までを除去して凹部を形成する第2工程と、該凹部に露出する前記犠牲層と磁気記録層とを非磁性化する第3工程と、前記凹部に挟まれる前記凸部の前記レジスト膜と前記カーボン保護層と前記犠牲層を除去する第4工程と、前記凹部と前記凸部の上にカーボン保護層と潤滑層をこの順に被着する第5工程とを有することを特徴とするディスクリートトラックメディア型垂直磁気記録媒体の製造方法。
  2. 前記非磁性基体と前記磁気記録層の間に、軟磁性裏打ち層と非磁性下地層をこの順に備えることを特徴とする請求項1記載のディスクリートトラックメディア型垂直磁気記録媒体の製造方法。
  3. 前記磁気記録層が少なくとも磁化容易軸が膜面に垂直方向に配向する強磁性材料を含むことを特徴とする請求項2記載のディスクリートトラックメディア型垂直磁気記録媒体の製造方法。
  4. 前記磁気記録層が上部磁気記録層、結合層、下部磁気記録層を含む複合磁気記録層であることを特徴とする請求項3記載のディスクリートトラックメディア型垂直磁気記録媒体の製造方法。
  5. 前記複合磁気記録層が、前記上部磁気記録層と前記結合層の間に中間磁気記録層を含むことを特徴とする請求項4記載のディスクリートトラックメディア型垂直磁気記録媒体の製造方法。
  6. 前記下部磁気記録層と前記中間磁気記録層がグラニュラー構造を有する強磁性材料を含むことを特徴とする請求項5記載のディスクリートトラックメディア型垂直磁気記録媒体の製造方法。
  7. 前記犠牲層が前記磁気記録層の表層と同組成材料の層であることを特徴とする請求項1記載のディスクリートトラックメディア型垂直磁気記録媒体の製造方法。
  8. 前記犠牲層の厚さが0.5〜5.0nmであることを特徴とする請求項7記載のディスクリートトラックメディア型垂直磁気記録媒体の製造方法。
  9. 前記第2工程における前記カーボン保護層の除去が、酸素ガスを用いる反応性イオンエッチングによりなされることを特徴とする請求項1記載のディスクリートトラックメディア型垂直磁気記録媒体の製造方法。
  10. 前記第3工程における凹部に露出する犠牲層と磁気記録層の非磁性化が、ハロゲン系ガスを含む反応性イオンプラズマ暴露、酸素ガスを用いた反応性エッチングおよび不活性ガスイオン照射によりなされることを特徴とする請求項1記載のディスクリートトラックメディア型垂直磁気記録媒体の製造方法。
  11. 前記ハロゲン系ガスがフッ素イオンを含むことを特徴とする請求項10記載のディスクリートトラックメディア型垂直磁気記録媒体の製造方法。
  12. 前記磁気記録層に、前記フッ素イオンを含有する反応性イオンプラズマと化学反応することによって気化し消失する物質が含まれることを特徴とする請求項11記載のディスクリートトラックメディア型垂直磁気記録媒体の製造方法。
  13. 前記第4工程における前記レジスト膜と前記カーボン保護層の除去が、反応性イオンエッチングによりなされ、前記犠牲層の除去が不活性ガスのイオン照射によりなされることを特徴とする請求項1記載のディスクリートトラックメディア型垂直磁気記録媒体の製造方法。
  14. 前記気化し消失する物質がSiO2であることを特徴とする請求項12記載のディスクリートトラックメディア型垂直磁気記録媒体の製造方法。
  15. 前記グラニュラー構造を有する前記下部磁気記録層、前記中間磁気記録層が、非磁性酸化物として、少なくともSiO2を含有することを特徴とする請求項6記載のディスクリートトラックメディア型垂直磁気記録媒体の製造方法。
  16. 前記非磁性酸化物として含まれるSiO2の含有比率が、SiO2以外の非磁性酸化物の2倍以上であることを特徴とする請求項14記載のディスクリートトラックメディア型垂直磁気記録媒体の製造方法。
  17. 前記下部磁気記録層の一軸磁気異方性定数Ku1と、前記中間磁気記録層の一軸磁気異方性定数Ku2と前記上部磁気記録層の一軸磁気異方性定数Ku3の値がそれぞれ異なり、その大小関係がKu1>Ku2>Ku3であることを特徴とする請求項5記載のディスクリートトラックメディア型垂直磁気記録媒体の製造方法。
  18. 前記結合層が、V、Cr、Fe、Co、Ni、Cu、Nb、Mo、Ru、Rh、Ta、W、Re、Irの内から選ばれる元素、またはこれらの内の少なくとも1つの元素を主成分とする合金からなり、その膜厚が0.3nm以下であることを特徴とする請求項4に記載のディスクリートトラックメディア型垂直磁気記録媒体の製造方法。


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